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特許7281002完全シールド型高周波コネクタ及びコネクタモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-16
(45)【発行日】2023-05-24
(54)【発明の名称】完全シールド型高周波コネクタ及びコネクタモジュール
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/6581 20110101AFI20230517BHJP
   H01R 24/38 20110101ALI20230517BHJP
【FI】
H01R13/6581
H01R24/38
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022085811
(22)【出願日】2022-05-26
(65)【公開番号】P2022183103
(43)【公開日】2022-12-08
【審査請求日】2022-05-26
(31)【優先権主張番号】202110587426.1
(32)【優先日】2021-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514074371
【氏名又は名称】電連技術股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】彭哲
(72)【発明者】
【氏名】▲ライ▼小林
(72)【発明者】
【氏名】尹緒引
【審査官】高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0311602(US,A1)
【文献】特開平9-120870(JP,A)
【文献】国際公開第2020/189221(WO,A1)
【文献】特開2010-20948(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/6581-13/6597
H01R 24/38 -24/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁ベース、筐体、並びに、前記絶縁ベースに設けられる信号端子及びシールド補強部材を備え、
前記絶縁ベースは、絶縁本体、前記絶縁本体に接続される嵌合部及び押蓋部、並びに、前記絶縁本体と前記嵌合部との間に位置する第1貫通孔構造及び前記嵌合部に位置する第2貫通孔構造を備え、
前記信号端子は、前記嵌合部と前記押蓋部との間に設けられ、順に設けられる接触部、接続部及び取付部を備え、前記接触部は電気的接続を実現するために、前記第2貫通孔構造の中に曝され、相手コネクタに接触することに用いられ、前記取付部は、同軸ケーブルの内導体に電気的接続され、
前記シールド補強部材は、前記絶縁本体と前記嵌合部との間に設けられ、順に設けられる筒状構造、固定接続構造及び蓋板構造を備え、前記筒状構造は、前記第1貫通孔構造内に設けられかつ前記嵌合部の外側に包まれ、前記固定接続構造は、前記シールド補強部材を前記絶縁ベースに固定することに用いられ、前記蓋板構造は、前記絶縁本体の上側表面に覆われかつ前記筐体に接続され、
前記筐体は、主体部、接合部、固定部及び係合部を備え、前記固定部は、前記蓋板構造と前記同軸ケーブルの外導体にそれぞれ電気的接続され、前記接合部は前記係合部と協働し、前記信号端子及び前記シールド補強部材が組み付けられた絶縁ベースを前記筐体に組み立てて一緒に固定する、
ことを特徴とする完全シールド型高周波コネクタ。
【請求項2】
前記筒状構造の外側には、接触凸起が設けられており、前記接触凸起は、前記シールド補強部材と前記相手コネクタとの接触安定性を補強することに用いられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の完全シールド型高周波コネクタ。
【請求項3】
前記絶縁本体と前記嵌合部との間には、第1接続部及び第2接続部が設けられており、前記第1貫通孔構造は2つであり、それぞれが前記第1接続部と前記第2接続部との間に位置し、前記固定接続構造は、前記第1接続部に設けられ、前記第2接続部は、前記押蓋部と前記絶縁本体との接続箇所に近い、
ことを特徴とする請求項1に記載の完全シールド型高周波コネクタ。
【請求項4】
前記係合部は係合された後に、前記固定部の上側に位置し、前記固定部と、前記蓋板構造と、前記同軸ケーブルとの間の接続安定性を強化することに用いられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の完全シールド型高周波コネクタ。
【請求項5】
前記筒状構造の上側エッジは、前記嵌合部に沿って内側に屈曲し、相手コネクタに嵌合する時に反り又は変形が発生することを防止する、
ことを特徴とする請求項1に記載の完全シールド型高周波コネクタ。
【請求項6】
前記筐体は、前記同軸ケーブルを挟持及び固定することに用いられる線挟持部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の完全シールド型高周波コネクタ。
【請求項7】
前記線挟持部は、第1線挟持アーム及び第2線挟持アームを備え、
前記第1線挟持アームは、前記同軸ケーブルの外導体を直接挟持し、前記第2線挟持アームは、前記同軸ケーブルの外導体の外側の外皮を直接挟持する、
ことを特徴とする請求項6に記載の完全シールド型高周波コネクタ。
【請求項8】
前記シールド補強部材と前記絶縁ベースとは、インサート成形の方式により一緒に固定される、
ことを特徴とする請求項1に記載の完全シールド型高周波コネクタ。
【請求項9】
前記取付部は、環状構造であり、前記同軸ケーブルの内導体は、前記環状構造内に組み付けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の完全シールド型高周波コネクタ。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の完全シールド型高周波コネクタと相手コネクタとを備え、
前記相手コネクタは、プラスチック台座、前記プラスチック台座に設けられる相手信号端子、及び前記プラスチック台座の外側に設けられる金属外殻を備え、
前記完全シールド型高周波コネクタが前記相手コネクタに嵌合接続されている時に、前記相手信号端子は、前記信号端子に電気的接続され、前記金属外殻は、前記筐体と前記筒状構造との間に位置し、かつ前記金属外殻は、前記筐体及び前記筒状構造に緊密に接触する、
ことを特徴とするコネクタモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気コネクタの技術分野に関し、特に、完全シールド型高周波コネクタ及びコネクタモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
5G時代の到来に伴い、スマートフォン及びその他のスマート電子設備の間においてより確実で高速な信号接続を提供することが可能となり、5Gネットワークのダウンロード速度が1GBpsに到達可能であることが明らかにされた研究がある。このような高速な信号伝送には、無線周波数コネクタが4G時代よりも安定した接続を提供する必要がある。5Gネットワークの伝送レートを実現する場合、基地局の送受信への要求が非常に高い。5Gネットワークの基地局の建設時に、大量の無線設備を配置する必要があり、これらの無線設備は、数量が非常に多く、取付配置地点も非常に複雑であり、同士間において相互に干渉する問題が生じる。相互間の干渉を低減させるために、素子のシールド性能への要求が非常に高く、そのため、同軸ジャックとセットで使用される同軸線も、高シールド性能を有する必要があると同時に、サイズにも小型化が要求される。
【0003】
従来の高周波コネクタは、金属外殻が組立過程において、2回折曲加工されて組み立てられる必要があり、相手コネクタに嵌合接続されている時に、一定の隙間が存在して、電磁漏洩を引き起こし信号干渉を生じさせる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の実施例は、製品の小型化への開発ニーズを満足させる中で、極めて高い電磁シールド性能を有する完全シールド型高周波コネクタ及びコネクタモジュールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を実現するために、本発明は、
絶縁ベース、筐体、並びに、前記絶縁ベースに設けられる信号端子及びシールド補強部材を備え、
前記絶縁ベースは、絶縁本体、前記絶縁本体に接続される嵌合部及び押蓋部、並びに、前記絶縁本体と前記嵌合部との間に位置する第1貫通孔構造及び前記嵌合部に位置する第2貫通孔構造を備え、
前記信号端子は、前記嵌合部と前記押蓋部との間に設けられ、順に設けられる接触部、接続部及び取付部を備え、前記接触部は電気的接続を実現するために、前記第2貫通孔構造の中に曝され、相手コネクタに接触することに用いられ、前記取付部は、同軸ケーブルの内導体に電気的接続され、
前記シールド補強部材は、前記絶縁本体と前記嵌合部との間に設けられ、順に設けられる筒状構造、固定接続構造及び蓋板構造を備え、前記筒状構造は、前記第1貫通孔構造内に設けられかつ前記嵌合部の外側に包まれ、前記固定接続構造は、前記シールド補強部材を前記絶縁ベースに固定することに用いられ、前記蓋板構造は、前記絶縁本体の上側表面に覆われかつ前記筐体に接続され、
前記筐体は、主体部、接合部、固定部及び係合部を備え、前記固定部は、前記蓋板構造と前記同軸ケーブルの外導体にそれぞれ電気的接続され、前記接合部は前記係合部と協働し、前記信号端子及び前記シールド補強部材が組み付けられた絶縁ベースを前記筐体に組み立てて一緒に固定する、完全シールド型高周波コネクタの技術案を採用する。
【0006】
好ましくは、前記筒状構造の外側には、接触凸起が設けられており、前記接触凸起は、前記シールド補強部材と前記相手コネクタとの接触安定性を補強することに用いられる。
【0007】
好ましくは、前記絶縁本体と前記嵌合部との間には、第1接続部及び第2接続部が設けられており、前記第1貫通孔構造は2つであり、それぞれが前記第1接続部と前記第2接続部との間に位置し、前記固定接続構造は、前記第1接続部に設けられ、前記第2接続部は、前記押蓋部と前記絶縁本体との接続箇所に近い。
【0008】
好ましくは、前記係合部は係合された後に、前記固定部の上側に位置し、前記固定部と、前記蓋板構造と、前記同軸ケーブルとの間の接続安定性を強化することに用いられる。
【0009】
好ましくは、前記筒状構造の上側エッジは、前記嵌合部に沿って内側に屈曲し、相手コネクタに嵌合する時に反り又は変形が発生することを防止する。
【0010】
好ましくは、前記筐体は、前記同軸ケーブルを挟持及び固定することに用いられる線挟持部をさらに備える。
【0011】
好ましくは、前記線挟持部は、第1線挟持アーム及び第2線挟持アームを備え、前記第1線挟持アームは、前記同軸ケーブルの外導体を直接挟持し、前記第2線挟持アームは、前記同軸ケーブルの外導体の外側の外皮を直接挟持する。
【0012】
好ましくは、前記シールド補強部材と前記絶縁ベースとは、インサート成形の方式により一緒に固定される。
【0013】
好ましくは、前記取付部は、環状構造であり、前記同軸ケーブルの内導体は、前記環状構造内に組み付けられる。
【0014】
上記いずれかの完全シールド型高周波コネクタと相手コネクタとを備えるコネクタモジュールであって、前記相手コネクタは、プラスチック台座、前記プラスチック台座に設けられる相手信号端子、及び前記プラスチック台座の外側に設けられる金属外殻を備え、前記完全シールド型高周波コネクタが前記相手コネクタに嵌合接続されている時に、前記相手信号端子は、前記信号端子に電気的接続され、前記金属外殻は、前記筐体と前記筒状構造との間に位置し、かつ前記金属外殻は、前記筐体及び前記筒状構造に緊密に接触する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の有益な效果は、絶縁ベースの嵌合部の外側にシールド補強部材を設けることで、製品サイズを増大させない前提で、相手コネクタに嵌合接続されている時に、相手コネクタの金属外殻が筐体とシールド補強部材の筒状構造との間に位置し、信号端子と相手信号端子が、筐体、相手コネクタの金属外殻、及びシールド補強部材によって構成された完全シールド空間の内部にあり、電磁信号漏洩が発生することを効果的に防止し、完全シールド型高周波コネクタが極めて高い電磁シールド性能を有する、という点にある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施例における完全シールド型高周波コネクタのかしめ前の構造分解模式図である。
図2】本発明の実施例における完全シールド型高周波コネクタのかしめ後の構造分解模式図である。
図3】本発明の実施例における完全シールド型高周波コネクタの構造模式図である。
図4】本発明の実施例における完全シールド型高周波コネクタの絶縁ベースの係合前(A)及び係合後(B)の構造模式図である。
図5】本発明の実施例における完全シールド型高周波コネクタの筐体のかしめ前(A)及びかしめ後(B)の構造模式図である。
図6】本発明の実施例における完全シールド型高周波コネクタのシールド補強部材の構造模式図である。
図7】本発明の実施例におけるコネクタモジュールの構造模式図である。
図8】本発明の実施例におけるコネクタモジュールの横断面模式図である。
図9】本発明の実施例におけるコネクタモジュールの縦断面模式図である。
図10】本発明の実施例における相手コネクタの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の上記の目的、特徴及び利点をより明らかにかつ理解しやすくするために、図面を参照しながら本発明の具体的な実施形態について詳しく説明する。本発明を十分に理解するために、以下の説明において多くの具体的な詳細が記載されている。但し、本発明は、ここで説明されているものと異なる多くのその他の形態で実施可能であり、当業者であれば、本発明の趣旨から逸脱することなく、類似する改良を行うことができるため、本発明は以下に開示した具体的な実施によって限定されるものではない。
【0018】
本願の実施例は、完全シールド型高周波コネクタを提供することにより、従来技術における高周波コネクタが相手コネクタに嵌合接続されている時に、依然として一定の隙間が存在し、電磁漏洩を引き起こし信号干渉を生じさせる技術課題を解決する。なお、本願における、上、上方又は上側は、完全シールド型高周波コネクタの相手コネクタに嵌合接続される側であり、それと反対する方向は、下、下方又は下側である。
【0019】
図1乃至図10に示すように、それぞれは本願の実施例である。
【0020】
図1乃至図3に示すように、絶縁ベース110、筐体120、並びに、絶縁ベース110に設けられる信号端子130及びシールド補強部材140を備える、完全シールド型高周波コネクタ100である。完全シールド型高周波コネクタ100は、組付又は使用時に、同軸ケーブル300に接続され、同軸ケーブル300は、内から外へ順に設けられる内導体310、絶縁層320、外導体330及び外皮340を備える。
【0021】
そのうち、絶縁ベース110は、絶縁本体111、絶縁本体111に接続される嵌合部112及び押蓋部113、並びに、絶縁本体111と嵌合部112との間に位置する第1貫通孔構造1111及び嵌合部112に位置する第2貫通孔構造1121を備える。信号端子130は、嵌合部112と押蓋部113との間に設けられ、順に設けられる接触部131、接続部132及び取付部133を備え、接触部131は電気的接続を実現するために、第2貫通孔構造1121の中に曝され、相手コネクタ200(後述する)に接触することに用いられ、取付部133は、同軸ケーブル300の内導体310に電気的接続される。
【0022】
図4に示すように、押蓋部113は絶縁本体111に対して移動可能であり、完全シールド型高周波コネクタ100の生産及び準備過程において、信号端子130の接触部131を第2貫通孔構造1121に組み付け、接続部132と取付部133の絶縁本体111にある位置が調整されたら、押蓋部113を回動させ、信号端子130を絶縁ベース110の内部に固定する。
【0023】
シールド補強部材140は、絶縁本体111と嵌合部112との間に設けられ、順に設けられる筒状構造141、固定接続構造142及び蓋板構造143を備え、筒状構造141は、第1貫通孔構造1111内に設けられかつ嵌合部112の外側に包まれ、固定接続構造142は、シールド補強部材140を絶縁ベース110に固定することに用いられ、蓋板構造143は、絶縁本体111の上側表面に覆われかつ筐体120に接続される。
【0024】
筐体120は、主体部121、接合部122、固定部123及び係合部124を備える。固定部123は、蓋板構造143及び同軸ケーブル300の外導体330にそれぞれ電気的接続され、接合部122は係合部124と協働し、信号端子130及びシールド補強部材140が組み付けられた絶縁ベース110を筐体120に組み立てて一緒に固定する。より具体的には、係合部124は係合された後に固定部123の上側に位置し、固定部123と、蓋板構造143と、同軸ケーブル300との間の接続安定性を強化することに用いられる。図3及び図5に示すように、信号端子130及びシールド補強部材140が組み付けられた絶縁ベース110を主体部121と接合部122との間に置いてかしめを行い、固定部123は、蓋板構造143及び同軸ケーブル300の外導体330の外側に覆われかつ両者に電気的接触し、この時、係合部124を折り曲げ又はかしめて固定部123の外側に堅固に押さえ、これにより、固定部123と、蓋板構造143及び外導体330とは、安定した電気的接触を形成する。
【0025】
好ましくは、図1図2及び図6に示すように、筒状構造141の外側には、接触凸起1411が設けられており、接触凸起1411は、シールド補強部材140と相手コネクタ200との接触安定性を補強することに用いられて、電磁漏洩が発生可能な隙間が存在することを避け、完全シールド型高周波コネクタ100の電磁シールド性能を向上させる。
【0026】
好ましくは、絶縁本体111と嵌合部112との間には第1接続部及び第2接続部が設けられており、第1貫通孔構造1111は2つであり、それぞれが第1接続部と第2接続部との間に位置し、固定接続構造142は第1接続部に設けられ、第2接続部は、押蓋部113と絶縁本体111との接続箇所に近い。第1接続部と第2接続部を設けることで、絶縁本体111と嵌合部112との接続強度を効果的に向上させ、絶縁ベース110の構造強度を効果的に向上させることができる。
【0027】
好ましくは、絶縁本体111には、固定凸起114がさらに設けられており、固定凸起114は筐体120の接合部122の内壁に強く当接され、かしめ過程において絶縁ベース110が筐体120から飛散落下することを防止し、加工及び生産を容易にする。
【0028】
好ましくは、図6に示すように、筒状構造141の上側エッジは、嵌合部112に沿って内側に屈曲し、即ち、筒状構造141の上側エッジは、嵌合部112の上側面に密着し、完全シールド型高周波コネクタ100と相手コネクタ200とが嵌合する時に反り又は変形が発生することを効果的に防止し、さらに、完全シールド型高周波コネクタ100の使用寿命を向上させることに寄与することができる。
【0029】
好ましくは、筐体120は、同軸ケーブル300を挟持及び固定することに用いられる線挟持部125をさらに備える。より具体的には、線挟持部125は、第1線挟持アーム1251及び第2線挟持アーム1252を備え、第1線挟持アーム1251は、同軸ケーブル300の外導体330を直接に挟持し、第1線挟持アーム1251が外導体330に電気的接続されて、筐体120と外導体330との接触面積が上げられ、これにより、筐体120と外導体330との間の電気的接続の安定性が確保され、第2線挟持アーム1252は、同軸ケーブル300の外皮340を直接挟持する。
【0030】
好ましくは、シールド補強部材140と絶縁ベース110とは、インサート成形(insert-molding)の方式により一緒に固定される。インサート成形を採用することで、シールド補強部材140と絶縁ベース110とを強固に結合することができるだけでなく、生産プロセスが簡単で完全シールド型高周波コネクタの加工及び生産を容易にする。
【0031】
好ましくは、図1に示すように、取付部133は環状構造であり、同軸ケーブル300の内導体310は該環状構造内に組み付けられかつそれに電気的接続される。取付部133を環状構造として、内導体310を該環状構造内に置いてかしめするのは、内導体310を固定する同時に信号端子130と内導体310との電気的接続を実現可能であり、操作が簡単で完全シールド型高周波コネクタの生産効率を向上させることを容易にする。
【0032】
本願は、上記いずれかの完全シールド型高周波コネクタ100と相手コネクタ200とを備えるコネクタモジュールをさらに提供する。そのうち、図10に示すように、相手コネクタ200は、プラスチック台座210、プラスチック台座210に設けられる相手信号端子220、及びプラスチック台座210の外側に設けられる金属外殻230を備える。図8及び図9から分かるように、完全シールド型高周波コネクタ100が相手コネクタ200に嵌合接続されている時に、信号端子130は、内導体310に電気的接続され、相手信号端子220は、信号端子130に電気的接続され、筐体120は、外導体330に電気的接続され、シールド補強部材140は、蓋板構造143によって筐体120の固定部123に電気的接続され、金属外殻230は、筐体120とシールド補強部材140の筒状構造141との間に位置し、かつ金属外殻230は、筐体120と筒状構造141との間に緊密に電気的接触し、完全シールドされた空間を構成し、さらに、信号端子130と相手信号端子220は該完全シールド空間内に位置することで、コネクタモジュール全体が電磁信号漏洩を効果的に防止し、極めて高いシールド性能を有する。
【0033】
本願は、従来技術における高周波コネクタに依然として電磁信号漏洩が存在し信号干渉を起こすという技術課題を解決するために、絶縁ベースの嵌合部の外側にシールド補強部材を設けることで、製品サイズを増大させない前提で、相手コネクタに嵌合接続されている時に、相手コネクタの金属外殻が筐体とシールド補強部材の筒状構造との間に位置し、信号端子と相手信号端子が、筐体、相手コネクタの金属外殻、及びシールド補強部材によって構成された完全シールド空間の内部にあり、電磁信号漏洩が発生することを効果的に防止し、完全シールド型高周波コネクタが極めて高い電磁シールド性能を有する。
【0034】
なお、本願における前記インサート成形とは、予め準備した異材質インサートをモールド内に装入した後に樹脂を注入し、溶融させた材料とインサートとを接合固化させて、一体化製品を作る成形方法である。
【0035】
上記実施例の各技術的特徴は任意に組み合わせることができ、説明を簡単にするために、上記の実施例における各技術的特徴の全ての可能な組合せについては説明していないが、これらの技術的特徴の組合せは矛盾しない限り、本明細書に記載の範囲とみなされるべきである。
【0036】
上記実施例は、本発明の実施形態を示すものに過ぎず、その説明は、具体的かつ詳細であるが、本特許の範囲を限定するものではないと理解すべきである。当業者であれば、本発明の思想から逸脱しない前提で、いくつかの変形及び改良を行うことができ、これらはすべて本発明の保護範囲に属することは注意されたい。従って、本特許の保護範囲は、添付された請求の範囲に準拠すべきである。
【符号の説明】
【0037】
100 完全シールド型高周波コネクタ
110 絶縁ベース
111 絶縁本体
1111 第1貫通孔構造
112 嵌合部
1121 第2貫通孔構造
113 押蓋部
114 位置決め凸起
120 筐体
121 主体部
122 接合部
123 固定部
124 係合部
125 線挟持部
1251 第1線挟持アーム
1252 第2線挟持アーム
130 信号端子
131 接触部
132 接続部
133 取付部
140 シールド補強部材
141 筒状構造
1411 接触凸起
142 固定接続構造
143 蓋板構造
200 相手コネクタ
210 プラスチック台座
220 相手信号端子
230 金属外殻
300 同軸ケーブル
310 内導体
320 絶縁層
330 外導体
340 外皮
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10