(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-17
(45)【発行日】2023-05-25
(54)【発明の名称】段ボールの漏れ防止及び液密梱包箱及びそれを製造する方法。
(51)【国際特許分類】
B65D 5/24 20060101AFI20230518BHJP
B65D 5/22 20060101ALI20230518BHJP
B65D 5/28 20060101ALI20230518BHJP
B65D 5/468 20060101ALI20230518BHJP
B65D 21/032 20060101ALI20230518BHJP
B65D 5/44 20060101ALI20230518BHJP
B65D 85/50 20060101ALI20230518BHJP
【FI】
B65D5/24 E
B65D5/22 E
B65D5/28
B65D5/468 100
B65D21/032
B65D5/44 E
B65D85/50 110
B65D85/50 150
(21)【出願番号】P 2020511200
(86)(22)【出願日】2018-07-13
(86)【国際出願番号】 FI2018050546
(87)【国際公開番号】W WO2019038471
(87)【国際公開日】2019-02-28
【審査請求日】2020-04-17
(32)【優先日】2017-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】517206546
【氏名又は名称】ストラ・エンソ・ユルキネン・オサケユフティオ
【氏名又は名称原語表記】Stora Enso OYJ
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132263
【氏名又は名称】江間 晴彦
(74)【代理人】
【識別番号】100197583
【氏名又は名称】高岡 健
(72)【発明者】
【氏名】ミカ・トゥフクネン
【審査官】小原 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-175433(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0001917(US,A1)
【文献】特開2010-111421(JP,A)
【文献】特開平10-218185(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01122177(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0056528(US,A1)
【文献】実開昭55-074624(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/24
B65D 5/22
B65D 5/28
B65D 5/468
B65D 21/032
B65D 5/44
B65D 85/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
段ボールを用い、漏れ防止及び液密梱包箱用のワンピースブランク(one-piece blank)であって、
ブランクは、ベース面と、箱の長辺の内側垂直面と、箱の短辺の内側垂直面と、短辺のコーナー構造のコーナー面と、長辺のコーナー面と、それらの間の折線とを有し、長辺の内側垂直面、短辺の内側垂直面、長辺のコーナー面及び短辺のコーナー面は、接着剤を使用して機械的に組み立てられた漏れ防止及び液密のコーナー構造を形成し、ねじり剛性と強固な構造を実現するための梱包箱用のブランクであり、
梱包箱用のブランクは、
短辺の内側垂直面と漏れ防止及び液密の梱包箱の短辺のコーナー面との間の折線は、ベース面から見て、折線に対して短辺の内側垂直面に向かって傾斜し、
短辺の外側垂直面及びその両側の接着フラップと、
短辺の折線及び短辺の折線の間の二重折りビーム構造並びに、長辺の折線及び長辺の折線の間の二重折りビーム構造と、を含み、
短辺の二重折りビーム構造は、折線から短辺の外側垂直面と共に短辺の内側垂直面の外面に折られる構造であり、
ブランクは、長辺の第1外側垂直面および長辺の第2外側垂直面を含み、
長辺の第1外側垂直面が長辺の上部を有し、
折線は、長辺の第1外側垂直面と長辺の第2外側垂直面の底部の間に有し、
長辺の第1外側垂直面と長辺の第2外側垂直面は、接着フラップに接着され
、
ブランクの長辺は、長辺の内側垂直面、折線、長辺の二重折りビーム構造、折線、長辺の第1外側垂直面、折線、長辺の第2外側垂直面の順に設けられ、
ブランクの短辺は、短辺の内側垂直面、折線、短辺の二重折りビーム構造、折線、短辺の外側垂直面の順に設けられている、
ことを特徴とするワンピースブランク。
【請求項2】
請求項1に記載された漏れ防止及び液密の梱包箱用のワンピースブランクであって、
ベース面に近い短辺の内側垂直面の内側の折線は、短辺の内側垂直面の外側の折線よりも長さが長く、
内側の折線の終点と外側の折線の終点との間に傾斜した折線が形成されることを特徴とするワンピースブランク。
【請求項3】
請求項2に記載された漏れ防止及び液密梱包箱用のワンピースブランクであって、
内側の折線び傾斜した折線の間の角度Aは、89°~85°の範囲であり、
長辺と長辺のコーナー面との間の角度Bは90°であることを特徴とするワンピースブランク。
【請求項4】
請求項1に記載された漏れ防止及び液密梱包箱用のワンピースブランクであって、
積み重ねクロー(stacking claws)とそのための受開口を備えており、開口に、ビーム構造に形成された積み重ねクローが係合し、
積み重ねクローは、長辺と短辺の両方から、切り欠けられて形成されており、
受開口は、長辺の第2外側垂直面及び接着フラップに形成され、積み重ねクローに対応するキャビティがそれらに切り欠けられていることを特徴とするワンピースブランク。
【請求項5】
請求項1に記載された漏れ防止及び液密梱包箱用のワンピースブランクであって、
ブランクは、短辺の外側垂直面に形成された、フラップを有するハンドル開口を含むことを特徴とするワンピースブランク。
【請求項6】
長辺の内側垂直面、短辺の内側垂直面、長辺のコーナー面,短辺のコーナー面および、長辺のコーナー面と短辺のコーナー面との間の折線によって液密及び漏れ防止のコーナー構造を備え、段ボールからダイカットされたワンピースブランクを、接着剤を用いて機械的に組み立てて、漏れ防止の液密梱包箱を製造する方法であって、
長辺のコーナー面及び短辺のコーナー面は、それらの間の折線に沿って互いに折られ、短辺の内側垂直面の外面に折られて接着によって取り付けられ、
短辺のコーナー面と短辺の内側垂直面との間の傾斜した折線により、長辺の内側垂直面は、内側に傾斜するように折られ、箱の長辺の内側垂直面の内側コーン構造(inward cone structure)を形成し、
短辺の二重折りビーム構造は、折線から短辺の外側垂直面とともに折られ、長辺のコーナー面と対向する短辺の内側垂直面の外側に接着剤で接着され、
短辺の外側垂直面の両端にある接着フラップは、接着によって取り付けられる長辺の内側垂直面に向けて折られ、
長辺の二重折りビーム構造は、折線から長辺の外側垂直面とともに梱包箱の外側に折られ、長辺の第1外側垂直面と長辺の第2外側垂直面は、接着フラップに接着され、
ワンピースブランクは、長辺の第1外側垂直面および長辺の第2外側垂直面を含み、
長辺の第1外側垂直面が長辺の上部を有し、
折線は、長辺の第1外側垂直面と長辺の第2外側垂直面の底部の間に有
し、
ワンピースブランクの長辺は、長辺の内側垂直面、折線、長辺の二重折りビーム構造、折線、長辺の第1外側垂直面、折線、長辺の第2外側垂直面の順に設けられ、
ワンピースブランクの短辺は、短辺の内側垂直面、折線、短辺の二重折りビーム構造、折線、短辺の外側垂直面の順に設けられている、
ことを特徴とし、さまざまな層を一緒にして、構造的に強く、ねじり剛性があり、漏れ防止の液密梱包箱を形成する方法。
【請求項7】
請求項6に記載された、ねじり剛性があり、漏れ防止及び液密梱包箱を製造する方法であって、
長辺の内側垂直面の内側に傾斜したコーナー構造は、ベース面と長辺の内側垂直面との間に有し、折線に対して傾斜された折線を形成することによってもたらされ、
ブランクのベース面に近い側の短辺の内側垂直面の内側の折線は、短辺の内側垂直面の外側の折線よりも長くされたこと、を特徴とする液密梱包箱を製造する方法。
【請求項8】
請求項6又は7に記載された、ねじり剛性があり、漏れ防止及び液密梱包箱を製造する方法であって、
傾斜した折線は、長辺の内側垂直面の上部を、長辺の内側垂直面が長辺のコーナー面および短辺のコーナー面と一緒になるように梱包箱の内側部分に向かって傾斜するようにガイドし、接着フラップは、内側コーンとなることを特徴とする液密梱包箱を製造する方法。
【請求項9】
請求項6に記載された、ねじり剛性があり、漏れ防止及び液密梱包箱を製造する方法であって、
剛性があり、構造的に強く、耐荷重性がある二重折りビーム構造は、梱包箱のすべての側面に形成され、
外側への二重の折線は、長辺の第1外側垂直面と長辺の第2外側垂直面に対して90度の角度であるビーム構造を形成することを特徴とする液密梱包箱を製造する方法。
【請求項10】
請求項6に記載された、ねじり剛性があり、漏れ防止及び液密梱包箱を製造する方法であって、
積み重ねクローとそのための受開口は、ビーム構造、長辺の第2外側垂直面、接着フラップに形成され、
積み重ねクローに対応するキャビティがそれらに切り欠けられたことを特徴とする液密梱包箱を製造する方法。
【請求項11】
請求項6に記載された、ねじり剛性があり、漏れ防止及び液密梱包箱を製造する方法で
あって、
短辺の外側垂直面には、フラップを有するハンドル開口が形成されたことを特徴とする液密梱包箱を製造する方法。
【請求項12】
段ボールを用いており、長辺の内側垂直面、短辺の内側垂直面、長辺のコーナー面,短辺のコーナー面および、長辺のコーナー面と短辺のコーナー面との間の折線によって、漏れ防止及び液密のコーナー構造を有し、接着剤を使って機械的に組み立てられ、別の梱包箱の上に積み重ね可能な構造である、ねじり剛性があり、漏れ防止及び液密梱包箱であって、
面が折り返され、短辺の内側垂直面の外側面に接着される、折線に沿って折り曲げられる長辺のコーナー面および短辺のコーナー面と、
箱の長辺の内側垂直面の内側に形成されたコーン構造と、
短辺の外側垂直面の両端に有し、長辺の内側垂直面に向けて折り曲げて接着される接着フラップと、
短辺の折線及び、その間の二重折りビーム構造及び、長辺の折線及び、その間の二重折りビーム構造を有し、短辺の二重折りビーム構造は、折線から短辺の外側垂直面と共に短辺の内側垂直面の外面に折られる構造であり、
段ボールは、長辺の第1外側垂直面および長辺の第2外側垂直面を含み、
長辺の第1外側垂直面が長辺の上部を有し、
折線は、長辺の第1外側垂直面と長辺の第2外側垂直面の底部の間に有し、
長辺の第1外側垂直面と長辺の第2外側垂直面は、接着フラップに接着され、
箱の長辺は、長辺の内側垂直面、折線、長辺の二重折りビーム構造、折線、長辺の第1外側垂直面、折線、長辺の第2外側垂直面の順に設けられ、
箱の短辺は、短辺の内側垂直面、折線、短辺の二重折りビーム構造、折線、短辺の外側垂直面の順に設けられている、
頑丈で耐荷重性のあるビーム構造は、梱包箱の全ての側面に形成されたことを特徴とする液密梱包箱。
【請求項13】
請求項12に記載されたねじり剛性があり、漏れ防止及び液密梱包箱であって、
側面である長辺の内側垂直面の上部に有する傾斜した折線は、長辺の内側垂直面が長辺のコーナー面および短辺のコーナー面とともに内側コーンとなるように、梱包箱の内側に向かって傾斜することを特徴とする液密梱包箱。
【請求項14】
請求項12に記載されたねじり剛性があり、漏れ防止及び液密梱包箱であって、
外側への二重折りの折線によって形成されたビーム構造は、長辺の第1外側垂直面及び長辺の第2外側垂直面に対して90度の角度であることを特徴とする液密梱包箱。
【請求項15】
請求項12に記載されたねじり剛性があり、漏れ防止及び液密梱包箱であって、
積み重ねクローとそのための受開口は、ビーム構造、長辺の第2外側垂直面、接着フラップに形成され、
積み重ねクローに対応するキャビティがそれらに切り欠けられて形成されていることを特徴とする液密梱包箱。
【請求項16】
請求項12に記載されたねじり剛性があり、漏れ防止及び液密梱包箱であって、
フラップを有するハンドル開口部が、短辺の外側垂直面に形成されたことを特徴とする液密梱包箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の目的は、請求項1の前文に記載されているような漏れ防止及び液密梱包箱(leakproof and liquid-tight packaging box)のためのワンピースブランク(one-piece blank)である。本発明はまた、前記箱を製造するための請求項7に記載の方法並びに 請求項13に記載の段ボールの漏れ防止及び液密梱包箱であって、該箱は構造的に強く、他のものの上(one on top of another)に積み重ね可能である段ボールに関する。
【背景技術】
【0002】
さまざまなニーズに対応するために開発された、多数のさまざまなパッケージングがパッケージング分野で知られている。とりわけ、パッケージングの製造及び保管などのパッケージングを設計する場合は、梱包時の使用並びに梱包時の輸送及び保管について、多くの局面に対処する必要がある。液密及び漏れ防止が必要な梱包箱のコーナー構造は、ほとんどの場合問題のあるポイントである。さらに、多くの梱包箱は構造的に強く、重い重量に耐えることができなければならない。特に食品産業では、他のものの上に積み重ね可能な液密及び漏れ防止梱包箱が必要である。ポリスチレン又はプラスチックで膨張(expanded)され、他のものの上に積み重ね可能な漏れ防止梱包箱は、通常、魚や肉の保存や輸送に使用される。これらのタイプの梱包箱は、少なくとも20kgの負荷に耐える必要があり、通常、箱は10の層で他のものの上に積み重ねられる。この結果として、1つの大きな問題は、梱包箱の構造的な剛性とその積み重ね強度である。プラスチックによる解決手段のもう1つの問題は、それらに必要な保管スペースと、使用後の廃棄である。多くのパッケージングの材料は再生可能ではなく、必ずしもリサイクル可能でもないため、環境の観点から、それらの使用は適していない。
【0003】
また、段ボールから製造された液密パッケージングも当技術分野で知られている。当該技術分野で既知の1つの解決手段は、PCT/FI2016/050662に提示されている。この解決手段は、接着剤なしで機械的又は手動で組み立てられる段ボール梱包箱及びそのブランクに関するものであり、内部からの液体及び漏れに対して堅固(tight)であり、また湿気及び外部からの液体に対して堅固である。別の解決手段が実用新案FI10658に開示されている。それ自体、当該技術分野で知られているコーナーベローズ(corner bellows)を備えた解決手段が、前述の公報で使用されている。その構造は、端部の積み重ね面が漏れ防止コーナーの上端のカウンタースロット(counterslots)に係合(lock)するように、一体化された蓋フラップ付きの漏れ防止コーナーを有している。構造の1つの欠点は、圧力(又はストレス、stress)下での係合の不確実性である。積み重ね面間にあるフラップには十分な摩擦がなく、フラップには構造を接続するために必要な係合がない。これは、滑りやすいPETコーティングを施した段ボールに特に当てはまる。端部には多くのボード層があるため、コーナーは組み立てられたときに解け(loosen)ようとする。前述の構造により、それらは、コーナーのばねのように機能し、箱をコーナーから外側に押し出そうとする。積み重ね面間にあるフラップには適切な係合がないため、これによりコーナーが膨らみ、構造を開こうとする圧力にもなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
液密コーナーとコーナーベローズを備えた段ボール箱の本質的な問題は、重い箱の重量があると、箱の端部が外側に膨らみ、その結果、積み重ねられた箱がその下の箱の内側を押そうとすることである。いくつかの液密コーナー解決手段では、長辺が端部の折目の間に段ボールのスリップ(slips)で係合されている。しかしながら、この解決手段では、長辺に対して十分に堅固な係合が提供されず、その結果として、ルーズ(loose)な構造は耐荷重能力を弱める。
【0005】
段ボールで作られ、上から充填可能で、それらの堅さ(firmness)が維持されることに良好な漏れ防止解決手段は、液体を含む食品の保存と輸送にも使用されており、上部部品の個別の積み重ね面が形成されるが、これらの面は 多くの場合、幅が広く、梱包を妨げる。本発明の目的は、従来技術の欠点を回避することによって解決手段を達成することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるパッケージングの構造は、強く詰められた場合にも完全に液密のままである。さらに、多数の層が他のものの上に積み重ねられても、パッケージングはその形状を本質的に変化せずに保持する。
【0007】
より正確には、本発明は、特許請求の範囲に提示されるものによって特徴付けられる。
【0008】
以下において、本発明は、添付の図面を参照して実施形態を用いてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明による梱包箱ブランクを示す図である。
【
図2】
図2は、本発明による部分的に組み立てられた梱包箱を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明による組み立てられた梱包箱を示す図である。
【
図4】
図4は、梱包箱の組み立てられた端部を示す図である。
【
図5】
図5は、梱包箱のブランクの詳細を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、機械的に接着可能な液密及び漏れ防止梱包箱であり、1枚の段ボールで組み立てられた梱包箱に関する。
【0011】
本発明で使用する段ボールは、操作に応じた標準の2層又は3層の板である。例えば、グリース、湿気及びガスの通過を防ぐために、材料に特別な特性が必要な場合、段ボールのライナーボード(linerboard)は、プラスチックコーティングされているか、又は代わりに、プラスチックフィルムが紙の層間にラミネートされている。プラスチックは、梱包箱がその構造と材料の両方の点で漏れ防止及び液密であるように、バリア材料として機能する。段ボールで一般的に使用されるプラスチックは、例えば、 ポリエチレン、ポリエステル及びポリプロピレンである。
【0012】
技術水準は、前述のPCT/FI2016/050662の明細書に記載されている。開示された解決手段は、主に軽い負荷を対象としているため、接着剤は、組み立てる上で全く必要ない。機械的に接着された構造により、本発明による解決手段は、従来技術による解決手段よりもかなり大きな負荷に耐える。技術的には、本発明には本質的な違いがある。 例えば、漏れ防止コーナー(leakproof corner)を実現するためのコーナー面は、梱包箱の短辺の外側にある。大きな接着フラップ(glueing flaps)が端部に形成され、その接着フラップは接着フェーズで長辺に折られる。このように、構造は強く、ねじり剛性がある。本発明では、二重折り(double-folding)により、従来よりも構造を強化する極めて強いビーム構造(beam structure)をすべての側面に形成する。解決手段の結果として、本発明では従来の積み重ね面は必要ではなく、代わりに、ビーム構造を形成する肩部(shoulders)が同じタスクを成し遂げる。従来の解決手段と比較して、それらは幅が狭く、梱包や開梱の妨げにならない。また、必要に応じて、本発明による解決手段に、必要に応じて積み重ねクロー(stacking claws)とそれらのための受開口(counter apertures)を追加できるため、梱包箱を他のものの上に積み重ねたときに所定の位置に留まることができる。さらに、本発明による液密及び漏れ防止梱包箱の端部の新しい構造は、いわゆる通常のハンドル(handle)の使用を可能にする。技術水準によると、取り扱いを容易にする対応する積み重ねクロー又はハンドルは、液密及び漏れ防止の梱包箱には形成できない。
【0013】
図1及び2によると、本発明によるボックスブランク(box blank)は、ベース面1と、折面2、3、4、5、6、7、8、9、11、12と、を有する。より正確には、折面は、長辺の内側垂直面2、短辺の内側垂直面3、短辺の外側垂直面8及び短辺の接着フラップ4である。折線21,22から折られた短辺の二重折り肩部(double-foldable shoulders)は、堅くて曲がらないビーム構造5(rigid beam structure)を形成する。長辺のコーナー面6と短辺のコーナー面7により、折線17から漏れ防止コーナー構造(leakproof corner structure)がもたらされる。折線23、24から折られる長辺の二重折り肩部は、堅くて曲がらないビーム構造9を形成する。長辺の外側垂直面11及び12は、垂直面11が長辺の上部を形成し、垂直面12が下部を形成するように折られ、それらの間に折線16がある。
【0014】
図1によると、これらの折面を使用して、接着剤を用いて形成された機械的に組み立てられた梱包箱は、1つのダイカットブランク(die-cut blank)から得られ、折面2,3,6,7を備えたボックスは、液密及び漏れ防止コーナー構造を形成する。
図2及び
図3によると、長辺のコーナー面6と短辺のコーナー面7は、折線17から互いに対して折られて漏れ防止コーナー構造を実現する。本発明において本質的なことは、短辺のコーナー面7が折られて短辺の垂直面3の外面に取り付けられること、すなわち、梱包箱の外面に取り付けられることである。
【0015】
さらに、本発明にとって重要なことは、短辺の二重折りビーム構造5が折線21,22から短辺の外側垂直面8と共に面3の外面(つまり、梱包箱の外面)に折られることである。より正確には、垂直面8が面3の外面に対して折られ、漏れ防止コーナーの面6に取り付けられる。二重折りビーム構造5は、長辺のコーナー面6と短辺のコーナー面7の組み合わされた材料の厚さによって少なくとも必要とされるスペースが上記の面に残ることを保証する。このようにして、コーナー面6,7は、段ボールのハニカム構造に圧縮破壊を引き起こすことなく、面3と8の間にしっかりと確定する(settle)。
【0016】
接着フラップ4は、本発明の観点から非常に重要であり、上記のフラップは、接着によって取り付けられる長辺の面2の外面に対して折られる。このようにして、ボックスのコーナーのねじり剛性がすべての状況で保証される。この後、ビーム構造9を形成する長辺の二重折り肩部は、折線23,24から箱の外側に折られ、接着フラップ4は、内側垂直面2と外側垂直面11、12の間に残る。長辺の面11及び12を接着フラップ4に接着することにより、構造が真っ直ぐになる。面11と12の間の折線16は接着を容易にし、長辺の直線度合いに作用し、追加の補強材として機能する。二重折りビーム構造9は、少なくとも接着フラップ4の材料の厚さによって必要とされるスペースが接着フラップ4のために残ることを保証する。このようにして、接着フラップ4は、段ボールのハニカム構造に圧縮破壊を引き起こすことなく、面2、11及び12の間にしっかりと確定する。二重折りビーム構造9のため、長辺の外面11及び12を接着フラップ4に接着することによる取り付けにより、非常に剛性のある長辺を保証する。二重折りが梱包箱の外側で折られる結果、堅くて曲がらないビーム構造9と5が箱のすべての側面に形成され、ビーム構造は、圧力下での側面の膨らみも防ぐ。
図3及び4によれば、二重折りビーム構造9及び5の利点の1つは、壁2,3と、8,11,12との間に形成されるエアギャップ26であり、このギャップは箱の断熱を改善し、バッファーとして機能する 。ビーム構造9,5の結果として、箱を他のものの上に安全に積み重ねることができる。
【0017】
図3によれば、折線21、22、23、24の二重折りによってもたらされる肩部は、ビーム構造5及び9を形成し、完成した梱包箱では非常に強い。このように、技術水準によれば、頂部部品の別個の積み重ね面は不要であり、適切な幅であれば、箱への充填も容易になる。換言すると、箱の外側で折られる二重折21、22、23、24の結果として、堅くて曲がらないビーム構造9及び5が箱のすべての側部で形成され、ビーム構造は、圧力下での側面の膨らみも防ぐ。二重折りビーム9の利点の1つは、壁2,3と,8,11,12との間に形成されるエアギャップであり、このギャップは箱の断熱を改善する。ビームの結果として、箱を他のものの上に安全に積み重ねることができる。
【0018】
折線13の結果として、長辺2と漏れ防止コーナー構造6、7及び接着フラップ4は、内向きコーン(inward cones)である。換言すると、長辺2の内側上部は、梱包箱の内部部分に向かって傾斜している。円錐構造(conical structure)は、ベース面1と長辺2との間に折線13を折線14に対して傾斜するように形成することによってもたらされる。より具体的には、折線13が、ベース面1から見て長辺の直線の折線14に対して、短辺の垂直面3に向かって傾斜するように傾斜している。このようにして、ブランクのベース面1に近い短辺の端部3の内側折線15は、端部3の外側折線21よりも長さが長い。同時に、折線21は、ベース面1に対して、二重折りの折線21,22の内側折線21である。このようにして、ブランクのベース面1に対して傾斜した折線13が、それに近い内側折線15の終点18と端部3の外側折線21の終点19との間に形成される。内側折線15と傾斜折線13との間の角度Aは、90°未満、最も好ましくは89°~85°の範囲である。
【0019】
図1によれば、長辺2と長辺のコーナー面6との間の角度Bは90°である。
図4によれば、梱包箱の端部から、完成した梱包箱の外側から見て、長辺11,12は終点18と25で90度の直角になっている。外側への二重折りの折線23,24は、側面11及び12に対して90度の角度であるビーム構造9を形成する。この角度が直角である結果、多数の梱包箱が並んでいると、積み重ね時に隙間ができなくなる。
【0020】
しかしながら、特に重要なのは、梱包箱の折線13によって形成される内側のコーン構造(inner cone structure)である。
図4の梱包箱の端部から見ると、終点18及び19により、完成した梱包箱は、幅方向の内部寸法に関して円錐状に内向きに傾斜する。
図1によれば、折線13が折線14に対して傾斜しているとき、長辺の内側垂直面2は、角度Aと角度Bとの間の角度差(1~5°の範囲)まで、梱包箱を内側に形成するときに傾斜する。
【0021】
実施形態の1つでは、角度Aは86.3°であり、このような実施形態では、完成した梱包箱の内部のコーン構造(interior cone structure)によってもたらされる傾斜角度は3.7°であり、通常、角度は1~5°の範囲である。このようにして、内側のコーン構造は、構造的なバッファーとして機能し、梱包箱の上部にエアギャップ26を残して、梱包箱を堅くする。このようにして、梱包箱の側面が外側に膨らむのを防ぐことが重要であり、その場合、箱を他のものの上に積み重ねても安全である。
【0022】
図5によれば、上に提示されたものに加えて、積み重ねクロー28及び上記クローのための受開口27が、本発明による漏れ防止及び液密梱包箱に形成され、その開口内に積み重ねクロー28が係合する。より正確には、積み重ねクロー28は、それらが一方の長辺28.2から及び両方の短辺28.3、28.4から切断されるように、ビーム構造9に形成され、また、必要に応じて、折線の2番目の長辺28.1から上向きに折られ、垂直留め具(vertical fastener)を形成する。受開口27は、長辺の下側垂直面12及び接着フラップ4に、積み重ねクロー28に対応するキャビティが切り欠かれるように形成される。このようにして、完全に組み立てられた漏れ防止及び液密性の梱包箱における積み重ねクロー28の機能は、箱が他のものの上に重なって所定の位置に留まることを確実にすることである。下の箱の上面にある積み重ねクロー28は、その上の箱の底部の受開口27の穴に配置される。本発明による構造において新しいことは、積み重ねクロー28が構造に追加されても、箱の内部は完全に漏れないままであることである。
【0023】
梱包箱の端部のフラップ10.1であるハンドル開口部10もまた、本発明に不可欠である。ハンドル開口部10は、端部の面8から形成され、フラップ10.1は、梱包箱に対して折られ、二重折線21,22及びビーム構造5は箱を持ち上げるときの指のための空間を与える。従来は、これらのタイプのハンドル開口部を液密及び漏れ防止の梱包箱に形成することは不可能であった。ハンドルの開口部は、重い梱包箱を安全に取り扱い、積み重ねることを可能にするために非常に重要である。その場合、本発明による解決手段は、最新技術による解決手段では生じない多数の新規で独創的な特徴を含む。
【0024】
本発明は、上記に提示された実施形態に限定されず、以下に提示された請求項の範囲内で変更され得ることは、当業者には明らかである。