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特許7281962車両シートの背もたれに設置される位置調節可能な頚椎支持装置
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  • 特許-車両シートの背もたれに設置される位置調節可能な頚椎支持装置 図1
  • 特許-車両シートの背もたれに設置される位置調節可能な頚椎支持装置 図2
  • 特許-車両シートの背もたれに設置される位置調節可能な頚椎支持装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-18
(45)【発行日】2023-05-26
(54)【発明の名称】車両シートの背もたれに設置される位置調節可能な頚椎支持装置
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/02 20060101AFI20230519BHJP
   A47C 7/36 20060101ALI20230519BHJP
【FI】
B60N2/02
A47C7/36
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019094359
(22)【出願日】2019-05-20
(65)【公開番号】P2020001686
(43)【公開日】2020-01-09
【審査請求日】2022-03-07
(31)【優先権主張番号】10-2018-0075482
(32)【優先日】2018-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519179899
【氏名又は名称】ソン,イクス
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ソン,イクス
【審査官】井出 和水
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第5964504(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0160107(US,A1)
【文献】特開平07-067744(JP,A)
【文献】特開2008-194298(JP,A)
【文献】国際公開第2009/017523(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00 - B60N 2/90
A47C 7/00 - A47C 7/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着座部、背もたれ、及びヘッドレストを備えた車両シートの背もたれに設置される頚椎支持装置であって、
前記背もたれの上方及び前方に開放した取付空間部に位置して運転者の頚椎を支持する頚椎支持部材と、
前記頚椎支持部材の後方に取付板が密着して固定され、前記取付板の後方に離隔して左ネジ棒及び右ネジ棒が位置し、前記左ネジ棒及び右ネジ棒上にそれぞれ移動ナットが移動可能に備えられ、前記移動ナットにそれぞれ距離調節バーが連結され、前記取付板に後方に備えられた両側ヒンジ部に交差した状態で連結されて中心ピンを中心に回転し、前記左ネジ棒及び右ネジ棒はモーターによって回転し、前記モーターの駆動による左ネジ棒及び右ネジ棒の回転によって距離調節バーが交差した状態で回転することによって頚椎支持部材を前後方に移動させる前後方距離調節部と、
前記モーターの側部を支持するように垂直取付板が備えられ、前記垂直取付板の下部側を支持するように底面取付台が備えられ、前記底面取付台を昇降させるように底面取付台の下部に、シリンダーに連結されたロッドが連結され、前記シリンダーの作動によって頚椎支持部材を上下に移動させる上下距離調節部とを含み、
前記前後方距離調節部によって背もたれ上で前後方に距離が調節される頚椎支持部材の下端部前方側に板状の垂直前方カバーが形成され、前記垂直前方カバーの後方に離隔して板状の垂直後方カバーが形成され、前記背もたれの前方部の上方に垂直に延びた前方支持板が前記垂直前方カバー及び前記垂直後方カバーの間に挿入され、前記垂直前方カバー及び垂直後方カバーの前後方移動によって前方支持板が垂直前方カバー及び垂直後方カバーの両内側面に密着して頚椎支持部材の前後方移動を制限するように構成されることを特徴とする、車両シートの背もたれに設置される位置調節可能な頚椎支持装置。
【請求項2】
前記上下距離調節部によって背もたれ上で上下に距離が調節される頚椎支持部材の上端部後方側は、前記背もたれの後方部の上方に垂直に延びた後方支持板の内側に水平に形成される下方移動制限板上に定着されて頚椎支持部材の下向き移動を制限するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の車両シートの背もたれに設置される位置調節可能な頚椎支持装置。
【請求項3】
前記頚椎支持部材の上端部後方側は、前記背もたれの後方部の上方に垂直に延びた後方支持板の上部側に凹設された定着段部に定着されて支持されるように構成されることを特徴とする、請求項2に記載の車両シートの背もたれに設置される位置調節可能な頚椎支持装置。
【請求項4】
前記頚椎支持部材の内部に加熱手段及び振動手段のいずれか一つ以上を備えることを特徴とする、請求項3に記載の車両シートの背もたれに設置される位置調節可能な頚椎支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両シートの背もたれに設置される位置調節可能な頚椎支持装置に関わり、より詳しくは各車両運転者の身体特性に応じて後方側頚椎(首の骨)を車両シートの背もたれ上で位置調節して支持することにより、運転者の身体特性に応じて運転姿勢を正し、安定的な運転姿勢を持続的に維持することができ、疲労を軽減することができるようにする、車両シートの背もたれに設置される位置調節可能な頚椎支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車のシートは限定された空間及び重量の範囲内で安全で快適に乗客を支持するようになっている。このようなシートは、配置位置によって運転席、助手席及び後部座席に区分されている。また、シートの形態によって長い椅子形のベンチシート及びそれぞれ分離可能なセパレートシート(SEPARATE SEAT)に分類される。
【0003】
このような自動車のシートは座った人のお尻を支えるシートクッション及び背中を支える背もたれのバックシートに構成される。
【0004】
このような自動車のシートに運転者が身を寄り掛かって運転すれば、普通は運転者の脊椎部の下側である腰推部は背もたれ側に寄せて運転することになるが、その上部である胸椎又は頚椎に上がるほど背もたれ部から離れたままで運転することになる。特に、素人の運転者の場合はその程度が酷かった。
【0005】
このように誤った運転姿勢によって容易に運転者の疲労を引き起こされ、疲労感に苦しむ運転者は瞬間判断が鈍り大型事故の発生可能性が高まる問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】韓国特許登録第10-0162170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明は前記のような諸般の問題点を除去するために、各車両運転者の身体特性に応じて後方側頚椎(首の骨)を車両シートの背もたれ上で位置調節して支持することにより、運転者の身体特性に応じて運転姿勢を正し、安定的な運転姿勢を持続的に維持することができ、疲労を軽減することができるようにする、車両シートの背もたれに設置される位置調節可能な頚椎支持装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、着座部、背もたれ、及びヘッドレストを備えた車両シートの背もたれに設置される頚椎支持装置であって、前記背もたれの上方及び前方に開放した取付空間部に位置して運転者の頚椎を支持する頚椎支持部材と、前記頚椎支持部材の後方に取付板が密着して固定され、前記取付板の後方に離隔して左ネジ棒及び右ネジ棒が位置し、前記左ネジ棒及び右ネジ棒上にそれぞれ移動ナットが移動可能に備えられ、前記移動ナットにそれぞれ距離調節バーが連結され、前記取付板に後方に備えられた両側ヒンジ部に交差した状態で連結されて中心ピンを中心に回転し、前記左ネジ棒及び右ネジ棒はモーターによって回転し、前記モーターの駆動による左ネジ棒及び右ネジ棒の回転によって距離調節バーが交差した状態で回転することによって頚椎支持部材を前後方に移動させる前後方距離調節部と、前記モーターの側部を支持するように垂直取付板が備えられ、前記垂直取付板の下部側を支持するように底面取付台が備えられ、前記底面取付台を昇降させるように底面取付台の下部に、シリンダーに連結されたロッドが連結され、前記シリンダーの作動によって頚椎支持部材を上下に移動させる上下距離調節部とを備えていることを特徴とする。
【0009】
また、前記前後方距離調節部によって背もたれ上で前後方に距離が調節される頚椎支持部材の下端部前方側に板状の垂直前方カバーが形成され、前記垂直前方カバーの後方に離隔して板状の垂直後方カバーが形成され、前記背もたれの前方部の上方に垂直に延びた前方支持板が前記垂直前方カバー及び前記垂直後方カバーの間に挿入され、前記垂直前方カバー及び垂直後方カバーの前後方移動によって前方支持板が垂直前方カバー及び垂直後方カバーの両内側面に密着して頚椎支持部材の前後方移動を制限するように構成されることを特徴とする。
【0010】
また、前記上下距離調節部によって背もたれ上で上下に距離が調節される頚椎支持部材の上端部後方側は、前記背もたれの後方部の上方に垂直に延びた後方支持板の内側に水平に形成される下方移動制限板上に定着されて頚椎支持部材の下向き移動を制限するように構成されることを特徴とする。
【0011】
また、前記頚椎支持部材の上端部後方側は、前記背もたれの後方部の上方に垂直に延びた後方支持板の上部側に凹設された定着段部に定着されて支持されるように構成されることを特徴とする。
【0012】
また、前記頚椎支持部材の内部に加熱手段及び振動手段のいずれか一つ以上を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
前述した本発明によれば、各車両運転者の身体特性に応じて後方側頚椎(首の骨)を車両シートの背もたれ上で位置調節して支持することにより、運転者の身体特性に応じて運転姿勢を正し、安定的な運転姿勢を持続的に維持することができるようにして、疲労を軽減することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の位置調節可能な頚椎支持装置が設置された車両シートの背もたれの斜視図である。
図2図1を上部側から見た断面図である。
図3】本発明の要部構成を上部側から見た断面図である。
図4】本発明の頚椎支持部材が前後方に移動する状態を示した例示図である。
図5】本発明の頚椎支持部材が上下に移動する状態を示した例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施のための具体的な内容を添付図面に基づいてより詳細に説明する。
【0016】
図1は本発明の位置調節可能な頚椎支持装置が設置された車両シートの背もたれの斜視図、図2図1を上部側から見た断面図、図3は本発明の要部構成を上部側から見た断面図、図4は本発明の頚椎支持部材が前後方に移動する状態を示した例示図、図5は本発明の頚椎支持部材が上下に移動する状態を示した例示図である。
【0017】
図1図5に示すように、各車両運転者の身体特性に応じて後方側頚椎(首の骨)を車両シートの背もたれ上で位置調節して支持することにより、運転者の身体特性に応じて運転姿勢を正し、安定的な運転姿勢を持続的に維持することができ、疲労を軽減することができるようにする、本発明による車両シートの背もたれに設置される位置調節可能な頚椎支持装置は、頚椎支持部材50、前後方距離調節部60、及び上下距離調節部80を含んでいる。
【0018】
まず、本発明の頚椎支持装置は、図1のように、着座部10、背もたれ20、及びヘッドレスト30を備えた車両シートの背もたれに設置されるものであり、その具現のための前記頚椎支持部材50は、図2のように、前記背もたれ20の上方及び前方に開放した取付空間部92に位置して運転者の頚椎を支持するように構成される。
【0019】
前記頚椎支持部材50は背もたれ20上で運転者の後方側頚椎(首の骨)を支持して運転姿勢を正し、安定的な運転姿勢を持続的に維持するための手段であり、このような機能に加え、図示されていないが、頚椎支持部材50の内部に加熱手段及び振動手段のいずれか一つ以上を備えることにより、運転者が車両で休息するときにあんぽう又はマッサージ機能を受けることができるようになる。
【0020】
前記頚椎支持部材50には前後方距離調節部60及び上下距離調節部80が備えられる。まず、前記前後方距離調節部60を構成するために、図3及び図4のように、頚椎支持部材50の後方に取付板68が密着して固定され、前記取付板68の後方に離隔して左ネジ棒61及び右ネジ棒62が位置し、前記左ネジ棒61及び右ネジ棒62上にそれぞれ移動ナット63、64が移動可能に備えられる。
【0021】
そして、前記移動ナット63、64にそれぞれ距離調節バー74が連結され、前記取付板68の後方に備えられる両側ヒンジ部76に交差した状態で連結されて中心ピン72を中心に回転し、前記左ネジ棒61及び右ネジ棒62はモーター67によって回転するように構成される。
【0022】
このような構成により、図3及び図4の(b)のように、前記モーター67の駆動による左ネジ棒61及び右ネジ棒62の回転によって距離調節バー74が交差したままで回転することによって頚椎支持部材50を前後方に移動させるようになる。
【0023】
ここで、実施例は、図4のように、前記前後方距離調節部60によって背もたれ20から前後方に距離が調節される頚椎支持部材50の下端部の前方側に板状の垂直前方カバー52が形成され、前記垂直前方カバー52の後方側に離隔して板状の垂直後方カバー54が形成され、前記背もたれ20の前方側の上方に垂直に延びた前方支持板21が垂直前方カバー52及び垂直後方カバー54の間に挿入され、前記垂直前方カバー52及び垂直後方カバー54の前後方移動によって前方支持板21が垂直前方カバー52及び垂直後方カバー54の両内側面に密着して頚椎支持部材50の前後方移動を制限するように構成される。
【0024】
そして、前記上下距離調節部80を構成するために、図5のように、前記モーター67の側部を支持するように垂直取付板81が備えられ、前記垂直取付板81の下部側を支持するように底面取付台83が備えられ、前記底面取付台83を昇降させるように、底面取付台83の下部に、シリンダー87に連結されたロッド85が連結されることにより、前記シリンダー87の作動によって頚椎支持部材50が上下に移動するように構成される。
【0025】
このような構成により、図5の(b)のように、シリンダー87の作動によってロッド85に連結された底面取付台83及び垂直取付板81が昇降して頚椎支持部材50を上方に移動させるようになる。
【0026】
ここで、実施例は、図5のように、前記上下距離調節部80によって背もたれ20上で上下に距離が調節される頚椎支持部材50の上端部の後方側は、前記背もたれ20の後方側から上方に垂直に延びた後方支持板23の内側に水平に形成された下方移動制限板25上に載置されることによって頚椎支持部材50の下向き移動が制限されることができる。
【0027】
前記下方移動制限板25は頚椎支持部材50の下向き移動を制限する機能をするだけでなく、図4の(b)のように、前後方距離調節部60による頚椎支持部材50の前後方移動時に頚椎支持部材50の後方部を支持しながらスライド移動できるようにする機能を同時に果たす。
【0028】
一方、前記頚椎支持部材50の上端部の後方側は、図4及び図5のように、背もたれ20の後方部の上方に垂直に延びた後方支持板23の上部側に凹設された定着段部24に定着されるように構成すれば、頚椎支持部材50の安定した支持力を確保することができる。
【0029】
前述した本発明によれば、各車両運転者の身体特性に応じて後方側頚椎(首の骨)を車両シートの背もたれ上で位置調節して支持することにより、運転者の身体特性に応じて運転姿勢を正し、安定的な運転姿勢を持続的に維持することができ、疲労を軽減することができるようになる。
【0030】
以上で説明した本発明は前述した実施例及び添付図面に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範疇内でさまざまな置換え、変形及び変更が可能であることは本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明らかであろう。
【符号の説明】
【0031】
10 着座部
20 背もたれ
30 ヘッドレスト
50 頚椎支持部材
60 前後方距離調節部
61 左ネジ棒
62 右ネジ棒
63、64 移動ナット
65、66 サポート
67 モーター
68 取付板
80 上下距離調節部
81 垂直取付板
83 底面取付台
85 ロッド
87 シリンダー
92 取付空間部
図1
図2
図3
図4
図5