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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-18
(45)【発行日】2023-05-26
(54)【発明の名称】緊急用ホイール
(51)【国際特許分類】
   B60B 1/14 20060101AFI20230519BHJP
【FI】
B60B1/14 A
【請求項の数】 45
(21)【出願番号】P 2020560558
(86)(22)【出願日】2019-01-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-13
(86)【国際出願番号】 EP2019051265
(87)【国際公開番号】W WO2019141817
(87)【国際公開日】2019-07-25
【審査請求日】2021-10-29
(31)【優先権主張番号】102018101355.8
(32)【優先日】2018-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102018111492.3
(32)【優先日】2018-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】519274943
【氏名又は名称】ジーヴィー エンジニアリング ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110003579
【氏名又は名称】弁理士法人山崎国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100173978
【弁理士】
【氏名又は名称】朴 志恩
(74)【代理人】
【識別番号】100118647
【弁理士】
【氏名又は名称】赤松 利昭
(74)【代理人】
【識別番号】100123892
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169993
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 千裕
(72)【発明者】
【氏名】ツィベリディス、コンスタンティン
【審査官】久保田 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-134301(JP,A)
【文献】米国特許第2989347(US,A)
【文献】欧州特許出願公開第02662222(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60B 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両ホイール(1)のリム(2)上のアタッチメント(14)に張力をかけるためのクランプ装置(22)であって、前記アタッチメント(14)は、前記車両ホイール(1)に固定されている動作状態において、タイヤ内の空気が抜け機能が制限されたタイヤでの運転操作を可能にするように設計されていて、
前記クランプ装置(22)は、車両ホイール(1)の軸方向(A)に突出し、リムフランジ(10)の後方に確実に係合させるために、車両ホイール(1)の半径方向かつ軸方向(A)に延びる断面を通る面を半径方向内側に延びるフックのように設計された後部グリップ部(28)を具備し、
前記後部グリップ部(28)は、前記リムフランジ(10)に軸方向外側から接触するように配置された接触面(30)に移行し、
前記クランプ装置(22)の前記後部グリップ部(28)は、クランプ力を吸収するよう設計された保持部(42)と、前記リムフランジ(10)と前記リムフランジ(10)に隣接するタイヤのサイドウォールとの間への前記後部グリップ部(28)の挿入を可能にする挿入部(44)とを有し、前記挿入部(44)は、前記保持部(42)に対して相対的に半径方向内側に位置し、
前記挿入部(44)は、車両ホイール(1)の半径方向かつ軸方向に延びる断面で見た場合に、前記リムフランジ側の前記保持部(42)の表面よりも車両ホイール(1)の軸方向に対してより平坦な角度となる前記リムフランジ側の表面を有する、
ことを特徴とするクランプ装置(22)。
【請求項2】
車両ホイール(1)のリム(2)上のアタッチメント(14)に張力をかけるためのクランプ装置(22)であって、前記アタッチメント(14)は、前記車両ホイール(1)に固定されている動作状態において、タイヤ内の空気が抜け機能が制限されたタイヤでの運転操作を可能にするように設計されていて、
前記クランプ装置(22)は、リムフランジ(10)の後方に確実に係合させるためフックのように設計された後部グリップ部(28)を具備し、
前記後部グリップ部(28)は、円周方向(U)の接線方向に延びる軸(50)を中心に、少なくとも前記クランプ装置(22)の台の部分に対して相対的に旋回可能であり、少なくとも第1の位置(S1)及び前記軸(50)を中心に前記第1の位置(S1)に旋回する第2の位置(S2)に位置することができ、
前記後部グリップ部(28)は、車両ホイール(1)の軸方向に突出し、前記第1の位置(S1)で車両ホイール(1)の半径方向かつ軸方向に延びる断面を通る面を半径方向内側に延びるフックのように設計され、
前記クランプ装置(22)の前記後部グリップ部(28)は、クランプ力を吸収するよう設計された保持部(42)と、前記リムフランジ(10)と前記リムフランジ(10)に隣接するタイヤのサイドウォールとの間への前記後部グリップ部(28)の挿入を可能にする挿入部(44)とを有し、前記挿入部(44)は、前記保持部(42)に対して相対的に半径方向内側に位置し、
前記挿入部(44)は、車両ホイール(1)の半径方向かつ軸方向に延びる断面で見た場合に、前記リムフランジ側の前記保持部(42)の表面よりも前記軸方向に対してより平坦な角度となる前記リムフランジ側の表面を有する、
ことを特徴とするクランプ装置(22)。
【請求項3】
前記クランプ装置(22)は、前記リムフランジ(10)に軸方向外側から接触するように設計及び配置された接触面(30)を有し、前記後部グリップ部(28)は、前記接触面(30)に対して相対的に旋回可能であることを特徴とする請求項2に記載のクランプ装置(22)。
【請求項4】
前記後部グリップ部(28)は、移行領域(32)において前記接触面(30)に移行し、前記後部グリップ部(28)と前記接触面(30)との間の前記移行領域(32)の表面は、前記接触面(30)に対して相対的に車両ホイール(1)の軸方向(A)に、軸の外側にずらして配置された凹部(35)を有することを特徴とする請求項1又は請求項3に記載のクランプ装置(22)。
【請求項5】
前記クランプ装置(22)は、前記クランプ装置(22)を前記アタッチメント(14)に接続するための締め付け部(36)を有することを特徴とする請求項1又は請求項3又は請求項4に記載のクランプ装置(22)。
【請求項6】
前記保持部(42)には接着力強化コーティング(480)がなされ、及び/又は前記挿入部(44)は、接着力低減コーティング(490)がなされていることを特徴とする請求項1又は請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載のクランプ装置(22)。
【請求項7】
前記挿入部(44)は前記保持部(42)より材料の厚さ(46)が小さく、及び/又は前記挿入部(44)は、軸方向内向きに、材料の厚さが減少していることを特徴とする請求項6に記載のクランプ装置(22)。
【請求項8】
前記保持部(42)は、前記挿入部(44)よりも円周方向(U)にさらに延在していることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のクランプ装置(22)。
【請求項9】
前記保持部(42)は、円周方向延長部において軸方向内側に先細になる部分を有し、及び/又は、前記挿入部(44)は、円周方向延長部において軸方向内側に先細になる部分を有し、又は、円周方向延長全体にわたって軸方向内側に先細になるよう設計されていることを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載のクランプ装置(22)。
【請求項10】
前記接触面(30)は、半径方向及び/又は円周方向(U)に延びる平面にあることを特徴とする請求項1又は請求項3乃至請求項9のいずれか1項に記載のクランプ装置(22)。
【請求項11】
前記リムフランジ側の前記挿入部(44)の表面は、車両ホイール(1)の半径方向かつ軸方向(A)に延びる断面で見た場合に、車両ホイール(1)の軸方向(A)に対して相対的に少なくとも10°の角度となっていること、及び/又は、前記リムフランジ側の前記保持部(42)の表面は、車両ホイール(1)の半径方向かつ軸方向(A)に延びる断面で見た場合に、前記軸方向(A)に対して相対的に16°の角度となっていることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載のクランプ装置(22)。
【請求項12】
前記リムフランジ側の前記挿入部(44)の表面は、車両ホイール(1)の半径方向かつ軸方向(A)に延びる前記断面で見た場合に、前記軸方向に対して相対的に最大でも40°の角度となっていること、及び/又は、前記リムフランジ側の前記保持部(42)の表面は、車両ホイール(1)の半径方向かつ軸方向(A)に延びる前記断面で見た場合に、軸方向(A)に対して相対的に最大でも50°の角度となっていることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載のクランプ装置(22)。
【請求項13】
前記クランプ装置(22)は、前記後部グリップ部(28)に対して相対的に円周方向(U)にずらして配置され、軸(90)を中心に旋回可能な前記クランプ装置(22)に配置された固定手段(88)を具備し、前記固定手段(88)は、前記固定手段(88)を旋回させることにより、前記リムフランジ(10)と確実に後方で係合するよう設計された確実なロック部(92)を具備することを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載のクランプ装置(22)。
【請求項14】
前記固定手段(88)の前記確実なロック部(92)は、前記タイヤに面する側で前記リムフランジ(10)と接触するよう設計された接触部(94)を具備し、前記接触部(94)は前記リムフランジ(10)の輪郭に対応するよう形成されることを特徴とする請求項13に記載のクランプ装置(22)。
【請求項15】
前記クランプ装置(22)は、互いに相対的に半径方向に移動可能であるサブセクション(140、142、144)を備えたマルチパート後部グリップ部(28)を具備することを特徴とする請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載のクランプ装置(22)。
【請求項16】
前記後部グリップ部(28)は、基準面(180)の軸方向内側にある前記後部グリップ部(28)の材料が完全に仮想軌道(182)に置かれるように設計することができ、前記基準面(180)は、接触面(186)から、4mm、6mm、又は7mmの距離に配置され、前記接触面(186)は、半径方向(R)及び前記クランプ装置(22)を備えた前記リムフランジ(10)の軸方向外側の接触点が位置する円周方向(U)に延びる平面であり、前記仮想軌道(182)は、12mm、又は10mm、又は9mm、又は8mm、又は7mm、又は6mm、又は5mm、又は4mmの幅を有し、及びその中心線(190)は、半径方向(R)に対して少なくとも42°及び/又は最大でも72°の角度となり、前記中心線(190)の前記幅(188)と前記角度(192)は、車両ホイール(1)の半径方向かつ軸方向(A)に延びる平面から見た場合を基準に定義されることを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれか1項に記載のクランプ装置(22)。
【請求項17】
前記仮想軌道(182)の前記中心線(190)が、車両ホイール(1)の半径方向かつ軸方向に延びる平面から見て、前記基準面(180)にある前記後部グリップ部(28)の材料中心点(194)を通り、及び/又は、前記仮想軌道(182)の前記中心線(190)が、車両ホイール(1)の半径方向(R)かつ軸方向(A)に延びる平面から見て、前記後部グリップ部(28)の軸方向内側端部のある前記基準面(180)に平行な面(202)にある前記後部グリップ部(28)の材料中心点(200)を通ることを特徴とする請求項16に記載のクランプ装置(22)。
【請求項18】
リム(2)及び前記リム(2)上に配置されたタイヤ(3)を具備する車両ホイール(1)のアタッチメント(14)であって、前記アタッチメント(14)は、請求項1又は請求項2に記載の少なくとも2つのクランプ装置(22)を有し、前記車両ホイール(1)に取り付けられた動作状態において、タイヤ内の空気が抜け機能が制限されたタイヤでの運転操作を可能にするよう設計されていて、
前記アタッチメントは、複数の部品で構成され、道路に接触するための前記アタッチメント(14)のトレッド(18)を有するトレッド部(16)を具備し、
前記アタッチメント(14)は、前記アタッチメント(14)が前記動作状態で前記車両ホイール(1)に固定されたとき、前記トレッド(18)から放射状に内側に横たえて配置された取り付け部(20)を具備し、
前記アタッチメント(14)は、少なくとも1つの前記クランプ装置(22)が前記取り付け部(20)に対して半径方向内側に張力運動(V)による移動を可能にする張力装置(60)を具備し、
前記トレッド部(16)は、少なくとも一部は、前記トレッド部(16)から取り外し可能又は移動可能であり、
少なくとも1つの前記クランプ装置(22)は、締め付け装置(38)を備えた締め付け部(36)を有し、締め付け装置(38)を介して前記トレッド部(16)は前記クランプ装置(22)に固定可能となり、前記クランプ装置(22)に関する遊びに抗して車両ホイール(1)の軸方向(A)に固定することができることを特徴とするアタッチメント(14)。
【請求項19】
それぞれの前記クランプ装置(22)は、前記張力装置(60)に結合される結合部(122)を具備し、前記クランプ装置(22)の前記張力運動(V)の間、前記結合部(122)の運動は、前記取り付け部(20)に対して純粋に並進的に、半径方向内側に向かうものであり、すべてのクランプ装置(22)は相互に均一に運動結合され、前記取り付け部(20)に対して相対的に張力運動により半径方向内側に移動可能であることを特徴とする請求項18に記載のアタッチメント(14)。
【請求項20】
リム(2)及び前記リム(2)上に配置されたタイヤ(3)を具備する車両ホイール(1)のアタッチメント(14)であって、前記アタッチメント(14)は、請求項1又は請求項2に記載の少なくとも2つのクランプ装置(22)を有し、前記車両ホイール(1)に取り付けられた動作状態において、タイヤ内の空気が抜け機能が制限されたタイヤでの運転操作を可能にするよう設計されていて、
前記アタッチメントは、複数の部品で構成され、道路に接触するための前記アタッチメント(14)のトレッド(18)を有するトレッド部(16)を具備し、
前記アタッチメント(14)は、前記アタッチメント(14)が前記動作状態で前記車両ホイール(1)に固定されたとき、前記トレッド(18)から放射状に内側に横たえて配置された取り付け部(20)を具備し、
前記取り付け部(20)は、それぞれが少なくとも1つのクランプ装置を備えた互いに相対的に移動可能な少なくとも2つのセグメント(77、78)を具備し、前記アタッチメント(14)は、張力装置(60)を具備し、それを介して互いに相対的に移動可能な前記2つのセグメント(77、78)が張力運動(V)により互いに相対的に移動可能となり、前記セグメント(77、78)の相互の前記張力運動(V)は、並進的であり、互いに相手方向に向けられており、
前記トレッド部(16)は、少なくとも部分的に、前記取り付け部(20)から取り外し可能であるか、又はそれに対して相対的に移動可能であり、
少なくとも1つの前記クランプ装置(22)は、締め付け装置(38)を備えた締め付け部(36)を有し、締め付け装置(38)を介して前記トレッド部(16)は前記クランプ装置(22)に固定可能となり、前記クランプ装置(22)に関する遊びに抗して車両ホイール(1)の軸方向(A)に固定することができることを特徴とするアタッチメント(14)。
【請求項21】
前記取り付け部(20)の互いに相対的に移動可能なセグメント(77、78)のうちの少なくとも1つは、前記張力運動(V)の期間、互いの相対的な位置が変化しないように、前記取り付け部(20)の前記移動可能なセグメント(77、78)上に配置される2つのクランプ装置(22)を具備することを特徴とする請求項20に記載のアタッチメント(14)。
【請求項22】
前記取り付け部(20)は、締め付け装置(38)を備えた少なくとも1つの締め付け部(36)を有し、前記締め付け装置(38)を介して前記トレッド部(16)は前記取り付け部(20)に固定可能となり、前記取り付け部(20)に関する遊びに抗して車両ホイール(1)の軸方向(A)に固定することができることを特徴とする請求項18乃至請求項21のいずれか1項に記載のアタッチメント(14)。
【請求項23】
前記締め付け装置(38)は、前記締め付け装置(38)を介して固定されると、前記トレッド部(16)が前記リム(2)に向かって前記軸方向(A)に移動するよう設計されることを特徴とする請求項21又は請求項22に記載のアタッチメント(14)。
【請求項24】
前記トレッド部(16)は、それぞれが前記トレッド(18)の円周の一部を構成し、それぞれが前記取り付け部(20)から取り外し可能である、いくつかの円周セグメントを具備し、前記トレッド部(16)の前記円周セグメントのそれぞれを、少なくとも1つの締め付け装置(38)を介して前記取り付け部(20)の前記移動可能なセグメントに固定することができることを特徴とする請求項21乃至請求項23のいずれか1項に記載のアタッチメント(14)。
【請求項25】
前記トレッド部(16)は、それぞれが前記トレッド(18)の円周の一部を構成し、それぞれが前記取り付け部(20)から取り外し可能である、いくつかの円周セグメント(100、102)を具備し、前記取り付け部(20)は一体として実装され、前記トレッド部(16)の前記円周セグメントの各々は、互いに離間した少なくとも2つの点で締め付け装置(38)を介して前記取り付け部(20)に接続されることを特徴とする請求項18又は請求項18及び請求項21乃至請求項23のいずれか1項に記載のアタッチメント(14)。
【請求項26】
少なくとも1つのクランプ装置(22)を前記取り付け部(20)に強固に接続して実装することを特徴とする請求項19及び請求項21乃至請求項24のいずれか1項に記載のアタッチメント(14)。
【請求項27】
前記張力装置(60)は、結合手段(62)、を介して前記クランプ装置(22)に結合されることを特徴とする請求項18乃至請求項25のいずれか1項に記載のアタッチメント(14)。
【請求項28】
前記張力装置(60)は、駆動要素(68)の回転駆動運動(AB)を、並進張力運動に変換するためのランスミッション(66)を具備を有することを特徴とする請求項18乃至請求項27のいずれか1項に記載のアタッチメント(14)。
【請求項29】
前記トレッド(18)はトレッドコーティング(104)によって形成されることを特徴とする請求項18乃至請求項28のいずれか1項に記載のアタッチメント(14)。
【請求項30】
前記トレッド部(16)は、リム側に向かって半径方向(R)に突出する支持部(105)を有し、前記支持部(105)上に、前記トレッド(18)を形成するトレッドコーティング(104)が配置されることを特徴とする請求項18乃至請求項28のいずれか1項に記載のアタッチメント(14)。
【請求項31】
前記トレッド部(16)は、前記トレッド(18)を形成するトレッドコーティング(104)を配置するための支持部(105)を有し、前記支持部(105)は、前記アタッチメント(14)を前記リム(2)の想定位置に固定した場合、前記リムとは反対側の支持部の側面が最大でも40mm、リムフランジ(10)を超えて車両ホイール(1)の軸方向に突き出るように、前記アタッチメント(14)の前記リムとは反対側の側面に窪みを有することを特徴とする請求項18乃至請求項28のいずれか1項に記載のアタッチメント(14)。
【請求項32】
前記トレッド部(16)は、前記トレッド(18)を形成するトレッドコーティング(104)を配置した支持部(105)を有し、前記支持部(105)は、前記リムに面する前記アタッチメント(14)の側面の車両ホイール(1)の軸方向(A)にリムフランジ(10)から最大でも10mm離間され、前記リムフランジ(10)を超えて軸方向内側に、5mm、又は10mm、又は15mm、又は20mm、又は25mm、又は30mm突き出ていることを特徴とする請求項18乃至請求項28のいずれか1項に記載のアタッチメント(14)。
【請求項33】
前記トレッド部(16)は、前記取り付け部(20)から取り外し可能か又は移動可能であり、円周方向(U)に見て、それぞれが前記トレッド(18)の円周の一部を構成する少なくとも2つのセグメント(100、102)を具備し、前記セグメント(100、102)は互いに分離可能であり、又は互いに相対的に旋回可能又は変位可能であり、前記トレッド部(16)は、180°を超えて円周方向に延びるセグメントを有することを特徴とする請求項18乃至請求項32のいずれか1項に記載のアタッチメント(14)。
【請求項34】
前記取り付け部(20)は、互いに相対的に移動可能な少なくとも2つのセグメント(77、78)と、中央要素(96)とを具備し、前記張力装置(60)は、前記中央要素(96)上に配置され、互いに相対的に移動可能な前記2つのセグメント(77、78)の張力運動(V)が前記中央要素(96)を基準にして同一であるが逆方向となることを特徴とする請求項19乃至請求項33のいずれか1項に記載のアタッチメント(14)。
【請求項35】
前記取り付け部(16)の締め付け装置(38)は前記中央要素(96)に配置され、前記締め付け装置(38)は、前記締め付け装置(38)によって前記トレッド部(16)が前記取り付け部(20)に固定されると、互いに相対的に移動可能な前記セグメント(77、78)が前記トレッド部(16)と前記中央要素(96)との間でクランプ張力がかけられるよう構成及び設計されることを特徴とする至請求項34に記載のアタッチメント(14)。
【請求項36】
前記アタッチメント(14)は、前記クランプ装置(22)に対して円周方向(U)にずらされて配置され、前記アタッチメント(14)にピボット軸を中心に旋回可能に配置された、少なくとも1つの固定手段(160)を具備し、前記固定手段(160)は、前記固定手段(160)を回転させることにより前記リムフランジ(10)の後方に確実に係合するように設計された確実なロック部(164)を具備することを特徴とする請求項18乃至請求項34のいずれか1項に記載のアタッチメント(14)。
【請求項37】
前記固定手段(160)の前記確実なロック部(164)は、前記タイヤに面する側で前記リムフランジに接触するように設計された接触部を具備し、前記接触部(166)は、前記リムフランジ(10)の輪郭に対応して形成されていることを特徴とする請求項36に記載のアタッチメント(14)。
【請求項38】
前記固定手段(160)の前記確実なロック部(164)は、前記クランプ装置(22)の後部グリップ部(28)よりも大きな、材料の厚さを有することを特徴とする請求項36又は請求項37に記載のアタッチメント(14)。
【請求項39】
前記クランプ装置(22)は、前記リムフランジ(10)の後部に係合するときに前記リムフランジ(10)の円周の湾曲を埋め合わせるために円周方向(U)に湾曲するように設計された後部グリップ部(28)を具備すること、又は前記固定手段(160)は、前記リムフランジ(10)の後部に係合するときに前記リムフランジ(10)の円周の湾曲を埋め合わせるために円周方向(U)に湾曲するように形成された確実なロック部(164)を具備することを特徴とする請求項36乃至請求項38のいずれか1項に記載のアタッチメント(14)。
【請求項40】
前記クランプ装置(22)及び/又は前記固定手段(160)は、前記アタッチメントに、様々なリムの直径に合わせて、半径方向に相互に間隔を置いて様々な設置位置に固定するようにでき、少なくとも1つのクランプ装置(38)は、前記設置位置では、半径方向(R)に並進移動できるが、前記設置位置が半径方向(R)に相互に離間した間隔よりも遠くへは動けないことを特徴とする請求項36乃至請求項39のいずれか1項に記載のアタッチメント(14)。
【請求項41】
前記アタッチメントはプレロード機構(83、133)を具備し、前記プレロード機構(83、133)を介してクランプ装置(22)又はクランプ装置(22)の前記後部グリップ部(28)の部分領域(140、142、144)を、半径方向内側にプレロードすることができ、又は前記プレロード機構(83、133)を介して前記取り付け部(20)の一方の可動セグメント(77、78)を他方の可動セグメント(77、78)の方向にプレロードすることができる、プレロード機構(83、133)を具備することを特徴とする請求項18乃至請求項40のいずれか1項に記載のアタッチメント(14)。
【請求項42】
前記クランプ装置(22)は、基準(180)の軸方向内側にある前記後部グリップ部(28)の材料が完全に仮想軌道(182)内になるよう設計された前記後部グリップ部(28)を具備し、前記基準面は、前記アタッチメントの接触面と一致する接触面(186)から4mm、6mm、又は7mm離れており、前記アタッチメントの前記接触面は、前記アタッチメント(14)を備えた前記リムフランジ(10)の軸方向外側の接点を具備し、前記仮想軌道(182)は、12mm、又は10mm、又は9mm、又は8mmの幅(188)を有し、その中心線(190)は、前記半径方向(R)に対して、少なくとも42°、及び/又は、最大でも72°の角度(192)をなし、前記中心線の前記幅(188)及び前記角度(192)は、車両ホイール(1)の半径方向かつ軸方向に延びる平面を基準に定義されることを特徴とする請求項18乃至請求項41のいずれか1項に記載のアタッチメント(14)。
【請求項43】
前記仮想軌道(182)の前記中心線(190)は、車両ホイール(1)の半径方向かつ軸方向に延びる平面から見て、前記基準面(180)を含む断面内の前記クランプ装置(22)の前記後部グリップ部(28)の材料中心点(194)を通り、及び/又は、前記半径方向かつ軸方向(A)に延びる前記平面から見て、前記後部グリップ部の車両ホイール(1)の軸方向内側の端部が位置する前記基準面に平行な面(202)を含む断面内の前記後部グリップ部(28)の材料の中心点(200)を通ることを特徴とする請求項42に記載のアタッチメント(14)。
【請求項44】
前記取り付け部(20)は、中央の空間領域(420)の周りに配置されたベーシックボディ(400)を具備することを特徴とする至請求項43に記載のアタッチメント(14)。
【請求項45】
前記クランプ装置(22)は、前記張力装置(60)と結合するための結合部(122)を具備し、前記結合部(122)は、フレキシブルセグメントを介して前記リムフランジ(10)の後部に係合するよう設計された前記後部グリップ部(28)に接続され、前記アタッチメントは、前記クランプ装置(22)へのガイドを具備しているので、前記結合部(122)が前記張力装置(60)を介して半径方向内側に動くとき、前記動きにより前記後部グリップ部(28)が前記半径方向内側へ押され、及び前記ガイドにより軸方向内側に動き、前記フレキシブルセグメントが曲がることを特徴とする請求項44に記載のアタッチメント(14)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプレアンブルに記載の、機能が制限されたタイヤでの運転操作を可能にする、車両ホイールのアタッチメント用のクランプ装置に関する。
【0002】
また、本発明は、それとは独立して、請求項15又は16のプリアンブルに記載の、機能が制限されたタイヤでの運転操作を可能にする、車両ホイール用のアタッチメントに関する。
【背景技術】
【0003】
この場合の車両ホイールは、自動車、特に乗用車の車両ホイールを意味する。ここで、機能が制限されたタイヤでの運転操作とは、通常の道路状態及び通常のタイヤ状態において、タイヤがその所定の特性で動作できない運転操作を意味する。これにより、例えば、パンクしたタイヤでの走行を意味し、又は、氷上及び積雪下での車両の操作を意味する。本発明の好ましい用途は、パンクしたタイヤでの走行を可能にすることである。
【0004】
車両ホイールに取り付けられたアタッチメントの場合、軸方向とは、ここでは車両ホイールの回転軸の方向を意味する。軸方向外側とは、車両から離れる方向を意味し、軸方向内側とは、車両に向かう方向又は車両ホイールのリムに向かう方向を意味する。
【0005】
半径方向とは、車両ホイールの回転軸に直交する方向を意味する。従って、車両ホイールのリムから見て、車両ホイールのタイヤは、半径方向外側に配置される。例えば、半径方向内側には車両ホイールの中央開口部と共にリムのボルトパターンがあり、ここで、車両のホイールのボルトパターンは、ホイールボルトを受け入れるか、又は留めるために提供されるリムの穴及び中央の開口部の構成を意味する。
【0006】
円周方向とは、車両ホイールの円周に沿った方向、つまりタイヤトレッドに沿った方向、又はアタッチメントの走行面に沿った方向を意味する。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、一方でアタッチメントを簡単かつ迅速に、しかも確実に車両ホイールに固定することができるアタッチメント用のクランプ装置を提供することである。
【0008】
本発明の目的は、一方でアタッチメントを簡単かつ迅速に、しかも確実に車両ホイールに固定することができるアタッチメント用のクランプ装置を提供することである。
【0009】
この目的は、本発明によるクランプ装置によって達成される。
【0010】
本発明の目的はまた、簡単かつ迅速に、しかも確実に車両ホイールに固定することができるアタッチメントを提供することである。
【0011】
この目的は、本発明によるアタッチメントによって達成される。
【0012】
車両ホイールのリムに取り付けられたアタッチメントに張力をかけるための本発明による第1のクランプ装置であって、アタッチメントは、車両のホイールに固定された動作状態で機能が制限されたタイヤでの運転操作を可能にするように設計されていて、クランプ装置は、半径方向かつ軸方向に延びる断面において、リムフランジの後ろに確実に係合するように軸方向に突き出て半径方向内側に走るフックのように設計された後方グリップ部を具備するよう設計され、後部グリップ部は、特に半径方向及び/又は円周方向に延びる平面にあり、軸方向外側からリムフランジに接触するように設計及び配置された接触面に移行する。この種のクランプ装置は安価に製造でき、リム、特にリムフランジとアタッチメントとの明確で確実な接触を確保する。
【0013】
本発明による第1のクランプ装置とは独立した、本発明による他のクランプ装置は、クランプ装置が、リムフランジの後ろに確実に係合するように設計された後部グリップ部を具備するように設計され、後部グリップ部は、他のクランプ装置に対して円周方向の接線方向に延びる軸を中心に旋回可能であり、特に、摩擦張力及び/又はポジティブロックにより、少なくとも第1の位置にそして第1の位置までこの軸を中心に旋回させた第2の位置に配置することができ、後部グリップ部は、軸方向に突出し、半径方向かつ軸方向に延びる断面を通る部分の最初の位置で半径方向内側に走るフックとなるように設計され、方向、特に、クランプ装置は、特に放射状及び/又は円周上を走る平面にあり、リムフランジに軸方向外側から接触するように設計及び配置された接触面を有し、特に後部グリップ部はこの接触面に対して旋回可能となっている。この種のクランプ装置は、例えば、後部グリップ部の旋回性により、様々なタイヤ及びリム形状に適合可能とすることができる。特に、接触面を備えた実施形態では、リムフランジとの正確に規定された確実な接触を可能にする。この実施形態のクランプ装置を用いて、例えば固定の安全性を高めるために、後部グリップ部をタイヤとリムフランジとの間に挿入した後に、後部グリップ部を旋回させることも可能である。
【0014】
本発明によるクランプ装置の場合、クランプ装置が、旋回可能な後部グリップ部の対応するレセプタクルに係合するように配置及び設計されたロック手段を具備することがある。このロック手段は、特にねじ、特にグラブねじとすることができる。
【0015】
ポジティブロック機構は、後部グリップ部に配置され、他のクランプ装置の対応するレセプタクルに係合するロック手段によって提供することもできる。
【0016】
本発明によるクランプ装置は、アタッチメントに取り外し可能に接続することができ、又はアタッチメントの一部として一体的に実装することもできる。アタッチメントはまた本発明の一部であり、車両のホイールに固定されている動作状態で機能が制限されたタイヤでの運転操作を可能にするように設計され、アタッチメントは本発明のクランプ装置の少なくとも1つを具備する。この種のアタッチメントは、後でさらに詳細に説明する本発明のアタッチメントに必ずしも対応する必要はない。それどころか、本発明のクランプ装置が、例えば外部トレッドを備えた環状ディスクとして設計されることがあるアタッチメントと共に使用される場合も本発明の意図する範囲内である。しかしながら、特に本発明のクランプ装置を後で説明する本発明のアタッチメントの実施形態と組み合わせて使用することが好ましい。
【0017】
少なくとも2つ、とりわけ少なくとも3つの本発明のクランプ装置を具備する円形リングの形態のアタッチメントは、本発明の一部であり、これらのクランプ装置は、アタッチメント上で特に半径方向に移動可能に配置され、アタッチメントのトレッドは、アタッチメントの組み立て時に、道路方向に向けることができ、車両のホイールに取り付けられたアタッチメントを回転させた後、他のアタッチメントに接続することができる取り外し可能なセグメントを具備する。
【0018】
本発明によるクランプ装置の場合、後部グリップ部が移行領域で接触面に移行するようにすることができ、後部グリップ部と接触面との間の移行領域の表面は、接触面に対して軸方向外側にずらして配置された凹部を有する。これにより、リムフランジ上のクランプ装置の非常に精密で正確に定めた接触が可能になる。これにより、アタッチメントをより正確に車両のホイール又はリムに取り付けることができる。
【0019】
本発明によるクランプ装置の場合、クランプ装置は、クランプ装置をアタッチメントに接続するための締め付け部を有することとすることができ、特に、締め付け部は、後部グリップ部から及び/又は接触面から半径方向内側に横たえて配置され、特に、締め付け部は、特に、ねじレセプタクル又はねじ付きボルトとして設計され、締め付け部を介して、特にネジ又はナットを使用して、遊びの無いよう軸方向にクランプすることでクランプ装置を固定するように設計及び配置される、少なくとも1つ、特にいくつかの締め付け装置を有する。これにより、アタッチメントを、特に安全かつ精密に規定された方法で車両ホイールに固定することができる。
【0020】
本発明によるクランプ装置の場合、クランプ装置は、結合手段、特にタイロッド又はねじロッドのためのレセプタクルを有する結合部を具備することとすることができる。結合部は、特に結合手段を介して、クランプ装置をアタッチメントの張力装置に結合する働きをすることができる。
【0021】
本発明によるクランプ装置の場合、クランプ装置の後部グリップ部は、適用可能な場合、第1の位置にあるときに(旋回可能な後部グリップ部を有するクランプ装置の場合)、半径方向内側から見て、保持部と挿入部を有する。保持部は、クランプ力を吸収するように設計されている。挿入部は、リムフランジとリムフランジに隣接するタイヤのサイドウォールとの間への後部グリップ部の挿入を簡単にするように設計されている。挿入部は、保持部に対して軸方向内側に配置される。軸方向内側にある挿入部の配置は、ここでは、アタッチメント上のクランプ装置の想定される位置に関係する。後部グリップ部に挿入部と保持部を設けることにより、リムフランジとサイドウォールとの間への後部グリップ部の挿入を簡単にするように後部グリップ部を設計することができる一方、例えば保持部を、より大きな力を吸収させるために、より強い材料厚で実装することができる。それにより、クランプ装置は、高い安定性を有すると共にリムフランジの後方で容易に係合することができる。
【0022】
本発明によるクランプ装置の場合、挿入部は保持部よりも材料の厚さを小さくし、及び/又は挿入部は軸方向内向きに、特に連続的に材料の厚さを減少させるようにすることができる。これにより、リムフランジとタイヤサイドウォールとの間へのクランプ装置又は後部グリップ部の挿入が特に簡単になるよう設計することができる。
【0023】
本発明によるクランプ装置の場合、保持部が挿入部よりも円周方向にさらに延在するようにすることができる。円周方向にわずかに延在させた挿入部により、リムフランジとタイヤサイドウォールとの間へのクランプ装置の取り付けを容易にすることができる。取り付け後、挿入部に隣接する後部グリップ部は、リムフランジの後ろに簡単に導くことができ、保持部は、円周方向にさらに延長することで、確実に車両のホイールにアタッチメントを固定するために十分な力を発揮することができる。
【0024】
本発明によるクランプ装置の場合、特に、保持部は、円周方向延長部において軸方向内側に先細になる部分を有することとし、及び/又は挿入部は、特に円周方向延長部において軸方向内側に先細になる部分を有することとすることができ、ここで、挿入部は、円周方向延長全体にわたってその軸方向内向きに先細りになるよう設計されている。従って、挿入部及び/又は保持部は、それらの円周方向の延長部において軸方向外向きに広がることができる。軸方向内側がテーパー形状になっているため挿入が簡単になり、軸方向外側にある保持部の円周方向にさらに伸びる部分は、しっかりと固定するための力を適切に吸収できる。
【0025】
本発明によるクランプ装置の場合、後部グリップ部が第1の位置にあるときに適用可能である場合、挿入部は、半径方向かつ軸方向に延びる断面で見た場合に、リムフランジ側の保持部の表面よりも軸方向に対してより平坦な角度、特に挿入部の角度が少なくとも5°小さい、特に少なくとも7°小さい角度となるリムフランジ側の表面を有することとすることができる。リムフランジ側の挿入部の面が軸方向に対して平坦に傾斜しているため、タイヤがリムフランジに密着している場合でも容易に挿入できる。一方、保持部の角度を急にすると、リムフランジでの保持の確実性を向上させることができる。
【0026】
本発明によるクランプ装置の場合、半径方向かつ軸方向に延びる断面で見た場合に、リムフランジ側の後方グリップ部の表面は、直線状に走る少なくとも1つの部分、特に軸方向に対して異なる角度でまっすぐに走るいくつかの部分を具備することができる。
【0027】
本発明によるクランプ装置の場合、後部グリップ部が第1の位置にあるときに適用可能である場合、径方向及び軸方向に走る平面での断面で見た場合に、リムフランジ側の挿入部の表面は、軸方向に対して少なくとも10°、特に少なくとも15°の角度となり、及び/又は径方向及び軸方向に走る平面での断面で見た場合に、リムフランジ側の保持部の表面は、軸方向に対して少なくとも16°、特に少なくとも20°、特に少なくとも25°の角度となることができる。
【0028】
本発明によるクランプ装置の場合、後部グリップ部が第1の位置にあるときに、適用可能である場合、径方向及び軸方向に走る平面での断面で見た場合に、リムフランジ側の挿入部の表面は、軸方向に対して最大でも40°、特に最大でも35°、特に最大でも30°、特に最大でも25°の角度となり、及び/又は径方向及び軸方向に走る平面での断面で見た場合に、リムフランジ側の保持部の表面は、軸方向に対して最大でも50°、特に最大でも45°、特に最大でも40°、特に最大でも35°の角度となることができる。
【0029】
ここで説明した角度の上限と下限は、後部グリップ部の確実な保持簡単な挿入性の間で有利な妥協点を提示するバリエーションを表す。
【0030】
本発明によるクランプ装置の場合、クランプ装置は、クランプ装置上に配置され、特に後部グリップ部に対して円周方向にずらされ、円周方向に対して接線方向となる旋回軸を中心に旋回可能である固定手段を具備するすることができ、固定手段は、固定手段を旋回させることによってリムフランジと確実に後方で係合するように設計された確実なロック部を具備する。クランプ装置の後部グリップ部は、リムフランジに簡単かつ確実にアタッチメントを固定できるように機能することができ、リムフランジとタイヤの間へ後部グリップ部を簡単に挿入できるように高い注意を払うことができる。本発明によるクランプ装置は、後部グリップ部を介してリムフランジにアタッチメントを適切に固定することができるが、本発明によるクランプ装置が固定手段をさらに含む場合、極端な負荷の場合に特に有利となり得る。この固定手段は、固定手段の旋回によってリムフランジとの確実な後方係合ができるように設計されている。これにより、さらに安全に固定を行うような構成が可能となる。固定手段又はその確実なロック部を旋回させることにより、これにより、例えば、クランプ装置の後部グリップ部とは異なる方法で、リムフランジの後方に係合することができる。これにより、一方では半径方向にさらなる固定を行うことができ、他方では、固定手段の確実なロック部は、リムフランジの後ろで強く旋回させることができ、リムフランジの輪郭にうまく合わせることもできるので、軸方向での高度な固定を行うように設計することができる。アタッチメントはすでにリムに対して後部グリップ部で固定されているため、確実なロック部をタイヤの抵抗に抗してリムフランジの後ろで旋回させることもできる。言い換えると、固定手段の確実なロック部の形状は、リムフランジの後部との確実な接触と確実な係合のために最適化することができ、クランプ装置の後部グリップ部の形状は、簡単に挿入できるように最適化することができる。
【0031】
本発明によるクランプ装置の場合、固定手段の確実なロック部は、タイヤに面する側でリムフランジに接触するように設計された接触部を具備することとすることができ、接触部はリムフランジの輪郭に対応する形状であり、特に、接触部は、DIN7817に準拠したJリムのリムフランジの輪郭に従って形成される。つまり、接触部は、リム、特にJリムの内部輪郭に対応するものとして設計される。従って、固定手段の接触部は平坦にすることができ、特に軸方向に好都合な固定を行うことができる。
【0032】
本発明によるクランプ装置の場合、固定手段の確実なロック部が、クランプ装置の後部グリップ部よりも材料の厚さを大きくするようにすることができる。これにより、クランプ装置が受けることができる力が増加する。同時に、後部グリップ部によりクランプ装置は簡単な方法で挿入可能のままであり、大きな力を利用するように設計された固定手段の確実なロック部は、強い力を利用することができるようにするため、適用後に旋回させ後部グリップを介してリムの後ろに固定することができる。
【0033】
本発明によるクランプ装置の場合、クランプ装置が、半径方向に互いに可動であるサブセクションを備えたマルチパート後部グリップ部を備えるようにすることができ、特に、後部グリップ部の第1のサブセクションは、特に半径方向内側にずらした位置で、後部グリップ部の第2のサブセクションに対してプレロードされている。それにより、後部グリップ部のプレロードされている第1のサブセクションは、張力をかけられることなくリムフランジを把持したままにしておくことができるので、実質的に張力をかけられていないリムフランジをそれでも把持することができる。本発明によるこれらのクランプ装置の場合、クランプ装置が、第1のサブセクションが第2のサブセクションに対して半径方向外側にずらされた位置にならないように設計されたリミットストップを具備するようにすることができる。これにより、クランプ装置付きのアタッチメントをリムフランジに簡単に配置することができる。配置した後、後部グリップ部の第2のサブセクション又は両方のサブセクションに張力をかけることができる。
【0034】
クランプ装置は、特にそれらの締め付け部の領域、特にそれらの軸方向外側に溝を有することができる。これにより、マウンティング部及び/又はトレッド部との接触を改善することができる。
【0035】
リムに接触するために設けられた、特に後部グリップ部の領域、及び/又はそれらの接触面の領域において、クランプ装置は、特に、表面にゴムのコーティングを形成した減衰面を有することができる。
【0036】
本発明によるクランプ装置の場合、後部グリップ部は、第1の旋回位置にあるときに適用可能である場合、基準面の軸方向内側にある後部グリップ部の材料が仮想軌道に置かれるように設計することができ、基準面は特に接触面と合致する接触面から4mm、6mm、又は7mmの距離に配置され、接触面は、半径方向及びクランプ装置を備えたリムフランジの軸方向外側の接触点が位置する円周方向に延びる平面であり、仮想軌道は、12mm、特に10mm、特に9mm、特に8mm、特に7mm、特に6mm、特に5mm、特に4mmの幅を有し、及びその中心線は、半径方向Rに対して少なくとも42°、特に少なくとも45°、特に少なくとも47°、特に少なくとも49°、特に少なくとも51°、特に少なくとも53°、特に少なくとも55°、及び/又は最大でも72°、特に最大でも69°、特に最大でも67°、特に最大でも65°、特に最大でも63°、特に最大でも61°、特に最大でも59°の角度192となり、特に中心線は57°の角度となり、中心線の幅と角度は半径方向かつ軸方向に延びる平面から見た場合を基準に定義される。このような方法で設計されたクランプ装置は十分に安定しているにもかかわらず、タイヤとリムフランジの間に簡単に挿入することができる。
【0037】
本発明によるクランプ装置の場合、仮想軌道の中心線が、半径方向及び軸方向に延びる平面から見て、基準平面にある後部グリップ部の材料中心点を通るようにすることができ、及び/又は仮想軌道の中心線が、半径方向Rかつ軸方向Aに延びる平面から見て、後部グリップ部の軸方向内側端部のある基準平面に平行な面にある後部グリップ部の材料中心点を通るようにすることができる。このような方法で設計されたクランプ装置は十分に安定しているにもかかわらず、タイヤとリムフランジの間に簡単に挿入することができる。
【0038】
本発明によるクランプ装置の場合、特に機械式の表示装置が設けられ、それにより、クランプ装置が、リムフランジと、後方に係合しているかどうか、好ましくはクランプ装置が定められた位置で後方に係合しているかどうかを認識することができ、特に表示装置は、リムフランジが想定された位置で係合されているかどうかを認識できるように、クランプ装置がリムフランジに後部で係合したとき、リムフランジによってこの位置から移動し、好ましくは、クランプ装置の軸方向及び/又は半径方向外側にあるクランプ装置の側面に突き出るように、リムフランジの想定される位置に後部グリップ部の領域に装着された、ばね荷重要素を具備する。
【0039】
表示装置のばね荷重要素は、特にクランプ装置の材料を通って延びることができる。特に、ばね荷重式要素の張力方向は、クランプ装置の保持部の向きと平行にすることができる。
【0040】
リムとリム上に配置されたタイヤを具備する車両ホイールのアタッチメントは、独立した発明であり、アタッチメントは、車両ホイールに取り付けられた動作状態において機能が制限されたタイヤでの運転操作ができるように設計されていて、アタッチメントは、特に周方向に複数の部分で構成され、道路に接触するためのアタッチメントのトレッドを有するトレッド部を具備し、アタッチメントはさらに、アタッチメントが動作状態で車両のホイールに固定されたとき、トレッドの内側に放射状に配置され、特にトレッド部の少なくとも一部、特にトレッド部全体から取り外し可能に設計された取り付け部を具備し、アタッチメントは少なくとも2つ、特に少なくとも3つ、特に少なくとも4つのクランプ装置を具備し、クランプ装置は、リム部分の後部、特にリムフランジで係合するように設計されていて、特に、少なくとも1つ、特にいくつかのクランプ装置は、記載した実施形態に従って設計され、アタッチメントは、少なくとも1つのクランプ装置が取り付け部に対して半径方向内側に張力運動による移動を可能とする、張力装置を具備し、特に、クランプ装置は、張力装置に結合される結合部を具備し、クランプ装置の張力運動中に、クランプ装置の動きは、取り付け部に対して純粋に並進的に、特に半径方向内側にのみ向かうものであり、特に、少なくとも2つ、特に少なくとも3つ、特に少なくとも4つのクランプ装置が、相互に均一に運動結合され、取り付け部に対して張力運動により半径方向内側に移動可能であり、特にクランプ装置はそれぞれ、張力装置に結合するための結合部を具備し、クランプ装置の張力運動の間、結合部の運動は、取り付け部に対して純粋に並進的に、特に専ら半径方向内側への動きとなる。クランプ装置は、特に、結合部にしっかりと接続された後部グリップ部を有することができる。この場合、取り付け部に対する後部グリップ部の相対運動は、取り付け部に関する結合部の相対運動に対応することができる。しかしながら、例えば、ばねシートのような可フレキシブルセグメントを介した接続も考えられる。
【0041】
相互に均一に運動結合されていることにより、相互に運動結合されたクランプ装置の動きは、この運動の量と性質の観点から見て、同一であり、均一に動き、互いに運動結合されているクランプ装置の結合部は、例えば同じ速度で半径方向内側に移動することを意味する。
【0042】
別の独立した発明は、リムとリム上に配置されたタイヤとを具備する車両ホイール用のアタッチメントであり、アタッチメントは、車両ホイールに固定された動作状態で、機能が制限されたタイヤでの運転操作を可能にするように設計されていて、アタッチメントは、特に円周方向に複数の部品で構成され、道路に接触するためのアタッチメントのトレッドを有するトレッド部を含み、アタッチメントは、アタッチメントが動作状態で車両ホイールに固定されたとき、トレッドから放射状に内側に横たえて配置され、特に、トレッド部の少なくとも一部、特にトレッド部全体から、取り外し可能に設計された取り付け部をさらに含み、アタッチメントは、少なくとも2つ、特に少なくとも3つの、特に少なくとも4つのクランプ装置を具備し、クランプ装置は、リムの部分の後部、特にリムフランジで係合するように設計され、特に、少なくとも1つ、特にいくつかのクランプ装置が、記載された実施形態に従って設計され、取り付け部は、それぞれが少なくとも1つのクランプ装置を備えた互いに相対的に移動可能な少なくとも2つのセグメントを具備し、アタッチメントは、張力装置を具備し、それを介して、互いに相対的に移動可能な2つのセグメントが張力運動により互いに相対的に移動可能となり、セグメントの張力運動は、相互に並進的であり、特に純粋に並進的であり、互いに相手方向に向けられており、特に、互いに相対的に可動である取り付け部のセグメントの少なくとも一方、特に両方は、張力運動の期間互いの相対的な位置が変化しないように取り付け部の可動セグメント上に配置される2つのクランプ装置を具備する。
【0043】
取り付け部は、トレッド部の前の車両のホイールに固定されるように設計されたアタッチメントの一部である。この場合、トレッド部はすでに取り付け部に接続しておくことができる。アタッチメントの取り付けでは、最初に取り付け部が車両のホイールに固定され、次にトレッド部が固定されるか、又は最終位置に移動して固定される。従って、本発明によるアタッチメントを用いると、取り付け部を最初に固定することが可能である。
【0044】
以下にさらに詳細に説明するように、トレッド部は、取り付け部から取り外し可能であるように設計することができる。特に、アタッチメントは、最初にトレッド部なしで取り付け部を車両のホイールに固定可能であり、取り付け部を車両ホイールに固定した後、トレッド部を、取り付け部を備えた車両のホイールに適用して固定するように設計されている。トレッド部はまた、特に、取り外し不可能に、及び変位可能及び/又は旋回可能に、取り付け部に接続することができる。組み立ての際、アタッチメントは、最初のステップで、取り付け部によって車両ホイールのリムに固定することができる。次に、適用可能な場合、付加的にアタッチメント、特にトレッド部を、特に取り付け部、及び車両ホイール又は車両ホイールのリムに固定することができる。
【0045】
上述のように、トレッド部が、円周方向に見て、それぞれがトレッドの円周の一部を構成する少なくとも2つのセグメントを有することが好ましい。特に、セグメントは、互いに分離可能であり、及び/又は互いに対して旋回可能及び/又は変位可能である。これにより、アタッチメントを車両のホイールに特に簡単に取り付けることができる。最初に、取り付けセグメントを車両ホイールに固定することができ、取り付け部は、トレッド部の半径方向の広がりよりもパンクしたタイヤの半径方向の広がりが小さいのでパンクしたタイヤであっても、車両のホイールに容易に組み立てることができる。これに続いて、トレッド部の第1のセグメントを車両ホイール又は取り付け部及び車両ホイールに固定することができる。取り付け部が配置された車両ホイール及びトレッド部の第1のセグメントを回転させて、車両ホイールに既に配置さているトレッド部のセグメントが道路に接触するようにすることができる。次に、トレッド部の他のセグメントを車両のホイール及び取り付け部に適用して、固定することができる。次に、アタッチメントが完全に組み立てられ、この組み立ては、カージャッキやリフトプラットフォームがなくても、車両のホイールを車両に取り付けることで簡単にできる。
【0046】
終端位置では、クランプ装置は特に完全に後部グリップ部によりリムフランジの内側に確実に固定される。クランプ装置のリムフランジに面する側の任意的なコーティング(ゴムコーティングなど)により、クランプ装置とリムフランジの間でプレス(コーティングが圧縮される)を行うことができる。これにより、加速及び制動操作によって引き起こされる円周方向の力を特によく吸収することができる。従って、スペアホイールと車両リムとの間の相対的な動きを特に効率的に回避することができる。
【0047】
クランプ装置は一般に、特に、リムフランジと接触するために、特にコーティングを行った、摩擦を増強する及び/又は圧縮可能な接触面を有する。
【0048】
取り付け部及びトレッド部は、特に互いに調整される位置決め装置を有することができる。特に、取り付け部は、軸方向に延在する少なくとも1つの、特にピン状のガイド突起を含むことができ、トレッド部は、ガイド突起と相補的に設計された少なくとも1つのガイド開口を含むことができ、その結果、取り付け部がすでに車両のホイールに固定されているとき、トレッド部又はトレッド部の一部は、ガイド突起がガイド開口部に係合し、取り付け部及び車両ホイールに対するトレッド部の軸アセンブリの相対的な動きが、ガイド開口部におけるガイド突起の係合によって導かれるように取り付け部に配置することができる。これにより、取り付け部がすでに車両ホイールに固定されている場合、トレッド部を特に簡単かつ効率的な方法で車両ホイールに取り付けることができる。取り付け部が1つ又は複数のガイド開口部を有し、ガイド開口部と相補的に設計された、対応するピン状のガイド突起をトレッド部が有することも考えられる。ガイド開口とガイド突起を相補的に設計することと、軸方向へのそれらを伸長させることにより、トレッド部は、車両ホイールに既に固定されている取り付け部に軸方向に簡単な方法で設置することができる。これにより、トレッド部の正しい向きと正しい組み立て位置の両方が実質的に事前に決定される。
【0049】
特に、取り付け部のアームの1つが、トレッド部のいくつかのセグメントのためのガイド突起又はガイドシートを有することが好ましい。
【0050】
特に、取り付け部は、半径方向外向きに突き出るいくつかのアームを含み、アームのそれぞれが少なくとも1つのガイド突起を有する。これにより、ガイド突起をトレッド部のアタッチメントに特に適した位置に配置することが可能である。トレッド部にガイド突起を受け入れるために、支柱がガイド突起の代わりにガイド開口を有することも考えられる。
【0051】
本発明によるアタッチメントの場合、トレッド部は、少なくとも部分的に、取り付け部から取り外し可能であるか、又はそれに対して相対的に移動可能であり、少なくとも1つの、特にそれぞれのクランプ装置が、トレッド部がクランプ装置に締結可能であり、好ましくは締め付け固定により、クランプ装置に関する遊びに抗して軸方向に固定することができる締め付け装置を備えた締め付け部を有するようにできる。
【0052】
本発明によるアタッチメントの場合、トレッド部は、少なくとも部分的に、取り付け部から取り外し可能であるか、又は取り付け部に対して移動可能であり、取り付け部は、締め付け装置を備えた少なくとも1つの締め付け部を有し、締め付け装置を介してトレッド部を取り付け部に固定することができ、好ましくは締め付け固定により、取り付け部の遊びに抗して軸方向に固定するようにできる。
【0053】
本発明によるアタッチメントの場合、締め付け装置は、締め付け装置を介して固定されると、トレッド部がリムに向かって軸方向に移動するように設計され、特に、締め付け装置は、締め付けることによって、トレッド部を取り付け部に向かって軸方向に移動させる、ねじ込み式接続を具備し、特に、締め付け装置は、電気的及び/又は空気圧での駆動、及び/又はプレロード、特にばねによるプレロードによりトレッド部の軸方向への移動を少なくともサポートするようにできる。
【0054】
電気モーターとして設計できる駆動部をアタッチメントに取り付けることができる。駆動部は、バッテリーとして実装することができるエネルギー源を具備することができる。駆動部は、取り付け部に取り外し不可能に統合するか、又は取り外し可能に実装することができる。エネルギー源に加えて、又はエネルギー源の代わりに、駆動部は、例えば、車両のシガレットライターなどの外部電源への接続部を具備することもできる。
【0055】
駆動部は、締め付け装置を作動させるために使用することができる。締め付け装置の作動時に、トレッド部は、取り付け部への固定を行う間、リムに向かって軸方向に移動することができる。
【0056】
締め付け装置はまた、トルクリミッターを具備することができる。一般に、締め付け装置が、ねじ接続に規定された締め付けトルクを有するねじ接続として設計されている場合が有利となる。
【0057】
本発明によるアタッチメントの場合、トレッド部は、それぞれがトレッドの円周の一部を構成し、それぞれが、いくつかの円周セグメントを具備し、取り付け部から取り外し可能であり、トレッド部の円周セグメントのそれぞれが、少なくとも1つの締め付け装置を介して、取り付け部の可動セグメントの円周セグメントに固定するようにできる。トレッド部の各セグメントを、取り付け部の可動セグメントの円周セグメントに固定することにより、アタッチメントの全体的な構造にさらなる安定性を付与することができる。
【0058】
本発明によるアタッチメントの場合、トレッド部は、それぞれがトレッドの円周の一部を構成し、それぞれが取り付け部から取り外し可能であるいくつかの円周セグメントを具備し、取り付け部は一体として実装され、トレッド部の円周セグメントの各々は、互いに離間した少なくとも2つ、好ましくは3つの点でそれぞれの締め付け装置を介して取り付け部に接続することができる。
【0059】
少なくとも2つのセグメントが互いに相対的に可動である取り付け部を具備する本発明によるアタッチメントの場合、少なくとも1つの、特にいくつかの、特にそれぞれのクランプ装置を取り付け部に強固に接続して実装することができる。特に、クランプ装置は、取り付け部と一体的に実装することができる。例えば、取り付け部の可動セグメントのそれぞれは、1つ、特に2つのクランプ装置を具備することができ、特に、その上にクランプ装置が配置されたセグメントは、一体鋳造又は打ち抜き板金部品として設計することができる。
【0060】
本発明によるアタッチメントの場合、張力装置は、結合手段、特にタイロッド又はねじ付きロッドの形態、を介してクランプ装置に結合することができ、特に取り付け部は結合手段のための受け部を具備し、特に受け部は、少なくとも結合手段の延長部の一部に沿って、特に延長部全体に沿って、軸方向外側に結合手段をカバーし、特に円周方向にカバーし、特に完全に囲むようにすることができる。張力装置は、そのような結合手段によって、特にいくつかのクランプ装置に結合することができる。
【0061】
本発明によるアタッチメントの場合、張力装置は、駆動要素の回転駆動運動を、特に軸方向を中心とする回転駆動運動を並進張力運動に変換するためのトランスミッションを具備し、特にトランスミッションは、各クランプ装置用の駆動傘歯車及び出力傘歯車を具備し、取り付け部に対して相対的に移動可能なこれらのクランプ装置は、出力傘歯車に結合された結合手段、特にそれぞれのクランプ装置のねじに係合するねじ付きロッドを介して出力傘歯車に結合するようにできる。
【0062】
本発明によるアタッチメントの場合、トレッドはトレッドコーティングによって形成され、特に、トレッドコーティングは、軸方向外向きに見たときに半径方向に傾斜する部分を有し、特にトレッドコーティングは、空洞及び/又は開口部を有し、特に、開口部は、トレッドコーティングの素材を通って軸方向に延びるようにすることができる。これにより、例えば、クリアランスが小さい車両にアタッチメントを使用できるようにすることができる。
【0063】
特に、トレッド部は、特にキャスタブルポリマーのキャストトレッドコーティングで実現される。従って、トレッドコーティングは、特にトレッド部上に成型される。
【0064】
トレッドコーティングは、トレッド部にクランプ留めすることもできる。クランプ留めは、通常の運転操作において、トレッドコーティングとトレッド部の残りの部分との間で相対運動が起こらないような種類であることが好ましい。しかしながら、クランプ留めは、特に、極端な加速又は極端なブレーキ操作において、トレッドコーティングとトレッド部の残りの部分との間に相対運動が生じるように調整することができる。
【0065】
本発明によるアタッチメントの場合、トレッド部は、リム側に向かって半径方向に突出する支持部を有し、その支持部上に、トレッドを形成するトレッドコーティングを配置することができる。これにより、アタッチメントのトレッドを車両のホイール方向に近づけることができる、これにより、クリアランスが小さい車両に好ましい効果をもたらすことができる。
【0066】
本発明によるアタッチメントの場合、トレッド部は、トレッドを形成するトレッドコーティングを配置するための支持部を有し、支持部は、アタッチメントをリムの想定位置に固定するとき、リムとは反対側の支持部の側面が最大でも40mm、最大でも30mm、特に最大でも20mm、特に最大でも10mm、リムフランジを超えて軸方向に突き出るように、アタッチメントのリムとは反対側の側面に、窪みを有することができる。これにより、トレッドは、相応に小さな軸方向突起を備えることができ、これは、クリアランスが小さい車両に好ましい効果をもたらすことができる。
【0067】
本発明によるアタッチメントの場合、トレッド部は、トレッドを形成するトレッドコーティングを配置した支持部を有し、支持部は、リムに面するアタッチメントの側面の軸方向にリムフランジから最大でも10mm離間され、リムフランジを超えて軸方向内側に、特に5mm、特に10mm、特に15mm、特に20mm、特に25mm、特に30mm突き出るようにすることができる。これにより、トレッドは、相応に小さな軸方向突起を備えることができ、これは、クリアランスが小さい車両に好ましい効果をもたらすことができる。
【0068】
本発明によるアタッチメントの場合、トレッド部は取り付け部から取り外し可能であるか又は可動であり、円周方向に見て、それぞれがトレッドの円周の一部を構成する少なくとも2つのセグメントを有し、これらのセグメントは互いに分離可能であり、又は互いに相対的に旋回可能又は変位可能であり、特に、トレッド部は、実質的に同一に構築され、特に鋳物として設計されたベーシックボディを具備する2つの、特に正確に2つの円周方向セグメントを具備し、或いは、特にトレッド部分は、180°を超える、特に190°を超えて円周方向に延びるセグメントを有するようにすることができる。実質的に同一に構成されたベーシックボディをもつトレッド部のセグメントを有する変形例において、トレッド部のセグメントの製造を、非常に良い費用対効果で実現することができる。さらに異なるコンポーネントをトレッド部のセグメントの同一のベーシックボディに取り付けることができる。
【0069】
本発明によるアタッチメントの場合、トレッド部は、円周方向に見て、少なくとも2つのセグメントを有し、一方が取り付け部に固定的に接続され、他方が取り付けから取り外し可能とすることができる。取付部に固定的に接続されたトレッド部のセグメントは、特に取付部と一体的に、特に鋳造品として形成することができる。これにより、接続点がほとんどないため、構造的に安定した、簡単に組み立てられるアタッチメントを作り出すことができる。
【0070】
本発明によるアタッチメントの場合、取り付け部は、互いに相対的に移動可能な少なくとも2つのセグメントと、中央要素とを具備し、張力装置は、中央要素上に配置され、互いに相対的に移動可能な2つのセグメントの張力運動が中央要素を基準にして同一であるが逆方向となるよう設計することができる。特に、可動セグメント及び中央要素は、打ち抜き板金部品として設計することができる。
【0071】
本発明によるアタッチメントの場合、取り付け部の締め付け装置は中央要素に配置され、特に、締め付け装置は、締め付け装置によってトレッド部が取付部に固定されると、互いに相対的に移動可能なセグメントがトレッド部と中央要素との間でクランプ張力がかけられるよう構成及び設計することができる。これにより、アタッチメントの安定性をさらに高めることができる。
【0072】
取り付け部の可動セグメントは、特に簡単に、例えば打ち抜きされた板金部品として設計することができる。クランプ装置は、取り付け部の可動セグメントの曲がった部分によって作り出すことができる。
【0073】
本発明によるアタッチメントの場合、アタッチメントは、クランプ装置に対して円周方向にずらされて配置され、アタッチメント、特にトレッド部又は取り付け部に、特に円周の接線方向に延びるピボット軸を中心に旋回可能に配置された、少なくとも1つ、特にいくつかの固定手段を具備し、この固定手段は、固定手段を回転させることによりリムフランジの後方に確実に係合するように設計された確実なロック部を具備するようにできる。これにより、車両ホイール上のアタッチメントの固定の程度をさらに上げることができる。
【0074】
固定手段は、好ましくは、出来上がった構成要素として設計される。出来上がった構成要素として設計されたこれらの固定手段は、好ましくは、トレッド部の円周セグメントにねじ止めされる。
【0075】
アタッチメント、特に固定手段は、好ましくは、トレッド部が取り付け部に取り付けられたときにリム又は取り付け部に接触するように設計された接触要素を含み、接触要素は、固定手段がこの接触の間に旋回して、リムフランジと確実に後方で係合するように、固定手段と結合する。
【0076】
固定手段は、好ましくはケーシングを具備し、特に出来上がった構成要素として形成される。固定手段は、好ましくは、固定手段の確実なロック部によって固定手段がリムフランジ確実に後方に係合しているときに、特にばねによってプレロードされたボルトを外側に旋回しないように特にラッチすることによって、固定手段をロックするロック機構を具備する。ロック機構は、好ましくはケーシング内に配置される。従って、ロック機構及び固定手段、及び好ましくは接触要素は、いずれにせよ部分的に、これらの構成要素のための一種のハウジングを形成するケーシング内に配置することができる。特に、このケーシング又はこのハウジングは、その中に配置された構成要素とともに個別に組み立てることができ、その後、完全に事前組み立てされたユニットを、出来上がった構成要素としてアタッチメント、特にトレッド部に取り付けることができる。
【0077】
ロック機構は、例えば、ばねを介してプレロードされ、ボルトとして実装することができるロック手段を具備することができる。ロック手段は、固定手段又はその確実なロック部分がリムフランジの後方に係合する位置にあるときに、固定手段の対応するシートに係合するように設計及び配置することができる。
【0078】
固定手段及びロック手段は、ケーシング内に配置することができる。接触要素はまた、固定手段と関連付けることができる。接触要素は、接触要素が接触すると、固定手段が軸方向Aからリムフランジの後方に係合する位置に旋回することで、固定手段に結合することができる。
【0079】
ケーシング及びロック手段は、ロック手段が固定手段をリムフランジの後方に旋回させた位置にロックしたときに光学的に認識できるように、相対的に互いに設計及び配置することができる。例えば、ロック手段は、固定手段が旋回位置にないときに、後端部がケーシングから外に突出するボルトとして実装することができる。従って、ボルトは、固定手段又はその確実なロック部分がリムフランジの後方で係合しているかどうかを視覚的に表示する。
【0080】
本発明によるアタッチメントの場合、固定手段の確実なロック部は、タイヤに面する側でリムフランジに接触するように設計された接触部を具備し、この接触部はリムフランジの輪郭に対応して形成されており、特にこの接触部分は、DIN7817に準拠したJリムのリムフランジの輪郭に対応して形成されるようにすることができる。これにより、リムフランジを備えた固定手段の平らで確実な閉鎖部ができ、これにより、軸方向及び半径方向の良好な固定が容易になる。
【0081】
本発明によるアタッチメントの場合、固定手段の確実なロック部は、クランプ装置の後部グリップ部よりも大きな、材料の厚さを有するようにすることができ。クランプ装置は、リムフランジとタイヤの間へ容易に挿入できるようにするために非常に薄い材料の厚さで実装することができ、あらゆる動作状態でアタッチメントを確実に固定するために固定手段は相応に厚い材料で実装することができる。
【0082】
本発明によるアタッチメントの場合、クランプ装置が、リムフランジの後部に係合するときにリムフランジの円周の湾曲を埋め合わせるために円周方向に湾曲するように設計された後部グリップ部を具備するようにすること、又は、固定手段が、リムフランジの後部に係合するときにリムフランジの円周の湾曲を埋め合わせるために円周方向に湾曲するように形成された確実なロック部を具備することができる。
【0083】
本発明によるアタッチメントの場合、クランプ装置及び/又は固定手段は、アタッチメント、特に取り付け部に、半径方向に相互に間隔を置いて配置され様々なリムの直径に合わせて、様々な設置位置に固定するようにでき、特に、少なくとも1つのクランプ装置は、設置位置では半径方向に並進移動できるが、設置位置が半径方向に相互に離間した間隔よりも遠くへは動けないようにできる。様々な設置位置で固定できるため、アタッチメントは様々なリム径に簡単に適合できる。この場合、取り付け部の可動セグメント又は半径方向に可動なクランプ装置の移動経路を小さく保つことができ、さらに異なるサイズのリムを対象にすることができる。
【0084】
本発明によるアタッチメントの場合、アタッチメントは、それを介してクランプ装置又はクランプ装置の後部グリップ部の部分領域が半径方向内側にプレロードされるか、又はそれを介して取り付け部の可動セグメントのうちの1方がつが他方の可動セグメントの方向にプレロードされる、プレロード機構を具備するようにできる。
【0085】
本発明によるアタッチメントの場合、クランプ装置の締め付け部を構成することができるか、又は締め付け部の一部によって形成することができる、クランプ装置のガイド部は、特にアタッチメントの取り付け部に配置された、ガイドシートの半径方向に移動可能に導かれるようにすることができる。特に、ガイド部は、ガイドシートで完全に囲んで受け入れることができる。従って、取り付け部分に対して移動可能に設計されたクランプ装置を、非常に正確に導きそして固定することができる。
【0086】
アタッチメントのクランプ装置は、ガイド装置を用いて、取り付け部分に対して半径方向に移動するために、特に確実な方法で、移動可能に支持することができる。ガイド装置に関して、例えば、棒状の突出部のようなガイド要素は、ガイドシート、例えば、突出部に対して適切に相補的に形成された溝により正確にガイドすることができる。この場合、溝を取り付け部に設置し、突起をクランプ装置に設置すること、又はその逆とすることができる。
【0087】
本発明によるアタッチメントの場合、後部グリップ部分及び/又は少なくとも1つのクランプ装置の接触面を、特にばねシートを具備する接続方法により、結合部に対して相対的に旋回可能に支持するようにできる。クランプ装置は、結合部分の半径方向内側に向けられた張力運動中に、後方グリップ部及び/又は接触面が軸方向内側に動くように、特に旋回するようにして、取り付け部に導かれる。
0089]
本発明によるアタッチメントの場合、張力装置を取り付け部の中央に配置することができる。本発明によるアタッチメントの場合、結合手段を、中央に配置された張力装置からクランプ装置まで半径方向外向きに延びるようにすることができる。本発明によるアタッチメントの場合、引張装置を介して引張運動を実行している間、結合手段が取り付け部分に対して並進移動しないようにすることができる。本発明によるアタッチメントの場合、結合手段は、並進又は回転のいずれかの方法で取り付け部に対して移動するが、特に、張力装置を介して張力運動を実行中に、両方の方法で移動することはないようにすることができる。
【0088】
取り付け部は、好ましくは、張力装置の駆動要素、特にトランスミッションを具備する中央部分を想定して設計され、車両ホイールのボルトパターンの領域、又はアタッチメントが車両ホイールに取り付けられている場合、この領域と少なくとも部分的に重なる領域に配置される。取り付け部は、好ましくは、中央部分から半径方向外側にクランプ装置まで延びる支柱として設計されたアームを有する。結合手段が、取り付け部、特にアームに配置され、好ましくは、取り付け部、特にアームの材料により、少なくとも軸方向外向きに、特に円周方向にも、特に軸方向内向きにも、隠されるよう、取り付け部は、好ましくは、特にアームは1つ以上の結合手段のためのレセプタクルを想定して設計されることが好ましい。これにより、結合手段は外側から見えなくなり、機械的影響からも保護される。
【0089】
本発明によるアタッチメントの場合、張力装置が、軸方向外側に向けられた牽引要素の動きを半径方向内側に向けられたクランプ装置の動きに変換するようにすることができる。張力装置は、特に、軸方向外側に向けられた駆動動作を、半径方向内側に向けられたクランプ装置の結合部分の運動に変換するように実装することができる。特に、張力装置は、支持要素に対して相対的に軸方向外側に、ねじ付きロッドを介して移動可能なクランプユニットを具備することができ、支持要素は、リムのボルトパターンの領域に配置することができ、張力運動中にリムに抗してこの領域で支えることができる。
【0090】
本発明によるアタッチメントの場合、取り付け部分は、車両ホイールに取り付けられた状態で、車両ホイールのボルトパターンの領域から半径方向に離間するように設計することができる。例えば、取り付け部は、円形リングの形で設計することができる。特にそのような実施形態の場合、張力装置は、円周方向に延在する要素、例えば、環状のワイヤケーブルの形で設計することができ、このワイヤケーブルの半径を小さくすることができ、締め付け装置に結合することができる。
【0091】
アタッチメントのクランプ装置は、リム及び/又はクランプ装置の接触面に接触するために設けられた、特に後部グリップ部の領域に、特に表面にゴムコーティングを行う形で、減衰面を有することができる。
【0092】
車両ホイールのリムに接触するために設けられた箇所で、アタッチメントは、特に表面にゴムコーティングを行う形で、柔軟な表面を有することができる。
【0093】
本発明によるアタッチメントの場合、1つ以上のクランプ装置が半径方向内側にプレロードされ、このプレロードに抗してクリアランス距離だけ半径方向外側に移動できるようにすることができる。クランプ装置に張力をかけると、張力装置が最初にこの隙間の距離に打ち勝ち、その後、クランプ装置が最終的に張力装置によって半径方向内側に移動する。これは、例えば、すでに上述したプレロード機構を介して実装することができる。
【0094】
本発明によるアタッチメントの場合、互いに相対的に可動である取り付け部のセグメントは、それらがこのプレロードに抗してクリアランス距離だけ互いから離れる方向に移動可能であるように互いに向かってプレロードするようにできる。クランプ装置に張力をかけると、次に、張力装置は、最初にこの間隙の距離に打ち勝ち、その後、互いに対して移動可能な取り付け部のセグメントが、張力装置によって最終的に互いに向かって移動する。
【0095】
本発明によるアタッチメントの場合、アタッチメント、好ましくはトレッド部は、リムフランジに軸方向外側から接触するための支持面を具備し、特に、順に取り付けられる支持体上に配置されるようにできる。本発明によるアタッチメントの場合、支持面を、トレッド部と一体的に形成するか、又はトレッド部の一部によって形成するようにできる。リムフランジに接触するための支持面は、特に、クランプ装置から円周方向に間隔を空けることができる。リムフランジに接触するための支持面は、接触面を備えた、又は接触面のないクランプ装置を備えたアタッチメントの場合に供給することができる。
【0096】
アタッチメントとリムとの接触は、好ましくは、クランプ装置の支持面及び/又は接触面に限定される。換言すれば、アタッチメントが車両のホイールに取り付けられたとき、アタッチメントのすべての部分が、接触面及び/又は支持面から離れてリムから間隔を隔てる。クランプ装置の支持面及び/又は接触面は、好ましくはコーティングの形態で、特に合成物質を含む可撓性表面を有することが好ましい。
【0097】
本発明によるアタッチメントの場合、クランプ装置は、後部グリップ部が第1の旋回位置にあるとき、適用可能な場合、基準場所の軸方向内側にある後部グリップ部の材料が完全に仮想軌道内になるよう設計された後部グリップ部を具備し、基準面は、アタッチメントの接触面と一致する接触面から4mm、6mm、又は7mm離れており、アタッチメントの接触面は、アタッチメントを備えたリムフランジの、例えば支持面によって形成された軸方向外側の接点を具備し、仮想軌道は、12mm、特に10mm、特に9mm、特に8mmの幅を有し、その中心線は、半径方向に対して、少なくとも42°、特に少なくとも45°、特に少なくとも47°、特に少なくとも49°、特に少なくとも51°、特に少なくとも53°、特に少なくとも55°となり、及び/又は、最大でも72°、特に最大でも69°、特に最大でも67°、特に最大でも65°、特に最大でも63°、特に最大でも61°、特に最大でも59°、特に57°の角度をなし、中心線の幅及び角度は、半径方向及び軸方向に走る平面を基準に定義される。
【0098】
本発明によるアタッチメントの場合、仮想軌道の中心線は、半径方向及び軸方向に走る平面から見て、基準面を含む断面内のクランプ装置の後部グリップ部の材料の中心点を通るようにすること、及び/又は仮想軌道の中心線は、半径方向及び軸方向に走る平面から見て、後部グリップ部の軸方向内側の端部が位置する基準面に平行な面を含む断面内のクランプ装置の後部グリップ部の材料の中心点を通るようにすることができる。
【0099】
クランプ装置の上述の形状により、クランプ装置とその後方グリップ部の安定性と、リムフランジとタイヤとの間の後方グリップ部の容易な挿入性との間の有益な妥協的解決手段がもたらされた。
【0100】
本発明によるアタッチメントの場合、トレッド部は、車両ホイール上の最終的な位置に取り付けられたとき、締め付け装置を介して取り付け部又はリムに向かって動かされ、支持面がクランプ装置の接触面と同一平面となって、リムフランジに接触するようにできる。これにより、トレッド部は、リムフランジで付加的な支えを受ける。
【0101】
本発明によるアタッチメントの場合、アタッチメントは、クランプ装置に配置された締め付け装置を具備し、さらに、取り付け部に配置され、クランプ装置から離間した締め付け装置を具備するようにもできる。
【0102】
トレッド部は、特に正確に2つの周方向セグメントを用いて設計することができ、特に両方とも180°の周方向延長を有し、特に実質的に同一の構造であり、特に鋳造として形成される同一の基本的構成要素となっている。特に、これらの2つの円周方向セグメントのそれぞれに配置されるのは、正確には少なくとも1つ、特に2つの固定手段である。
【0103】
張力装置は、取り付け部から取り外し可能とすることができる。しかしながら、張力装置は、取り付け部に固定的に組み込まれることが好ましい。
【0104】
本発明によるアタッチメントの場合、クランプ装置に関連付けられ、それを介して、クランプ装置が後部係合にあるかどうか、好ましくは、想定位置でクランプ装置がリムフランジと後方に係合しているかどうかを認識することが可能な、特に機械的な表示装置が取り付けられ、特に表示装置は、後部グリップ部の領域にリムフランジの想定位置に向かうよう装備されたばね荷重要素を具備し、クランプ装置がリムフランジの後方に係合すると、リムフランジによりその位置から押し出され、好ましくは、クランプ装置の軸方向の側及び/又は半径方向外側からリムフランジを超えて突出し、この方向から、リムフランジの後方のかみ合いが想定どおりかどうかを確認できるようにすることができる。表示装置又は表示装置のばね荷重要素は、クランプ装置に対して円周方向にずらして配置することもできる。しかしながら、表示装置又は表示装置のばね荷重要素は、クランプ装置に組み込むこともできる。
【0105】
表示装置のばね荷重要素は、特にクランプ装置の材料を通り抜けて延びることができる。特に、ばね荷重要素の張力方向は、クランプ装置の保持部の方向と平行にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0106】
本発明の他の特徴、用途の選択および利点は、以下の、図面を参照して説明する本発明の例示的な実施形態の記載から得られ、本発明の特徴は、さらに明示的な言及がなくても、単独および異なる組み合わせの両方で本発明の実質的なものとなることができる。図は次のとおりである。
図1】軸方向から見た車両ホイールである。
図2図1の車両ホイールのリムの断面図である。
図3】様々に描写した本発明によるアタッチメントの第1の実施形態である。
図4】様々に描写した本発明によるアタッチメントの代替的実施形態である。
図5】本発明によるクランプ装置である。
図6】本発明による他のクランプ装置である。
図7】様々に描写した本発明によるアタッチメントの他の実施形態である。
図8】様々に描写した本発明によるアタッチメントの他の実施形態である。
図9】様々に描写した本発明によるアタッチメントの他の実施形態である。
図10】様々に描写した本発明によるアタッチメントの他の実施形態である。
図11】様々に描写した本発明によるアタッチメントの他の実施形態である。
図12】様々に描写した実施形態である。
図13】様々に描写した本発明によるアタッチメントの他の実施形態である。
図14】様々に描写した本発明によるアタッチメントの他の実施形態である。
図15】本発明によるアタッチメントの代替的実施形態における取り付け部である。
図16】本発明によるアタッチメントの代替的実施形態における取り付け部である。
図17】本発明によるアタッチメントの代替的実施形態における取り付け部である。
図18】本発明によるアタッチメントの代替的実施形態における取り付け部である。
図19】様々に描写した本発明によるアタッチメントの代替的実施形態における取り付け部である。
図20】様々に描写した本発明によるアタッチメントの代替的実施形態における取り付け部である。
図21】様々に描写した本発明によるアタッチメントの代替的実施形態における取り付け部である。
図22】様々に描写した本発明によるアタッチメントの他の実施形態である。
図23】様々に描写した本発明によるアタッチメントの他の実施形態である。
図24】様々に描写した本発明によるアタッチメントの他の実施形態である。
図25】様々に描写した本発明によるアタッチメントの他の実施形態である。
図26】様々に描写した本発明によるアタッチメントの他の実施形態である。
図27】本発明による他のクランプ装置である。
図28】本発明による他のクランプ装置である。
図29】固定手段である。
図30】旋回させた位置にある図29の固定手段である。
図31】本発明によるクランプ装置の詳細である。
図32】本発明による他のクランプ装置の詳細である。
図33】様々に描写した本発明によるアタッチメントの代替的実施形態の取り付け部である。
図34】様々に描写した図33の取り付け部である。
図35】プレロード機構である。
図36】本発明によるアタッチメントの取り付け部の詳細である。
図37】本発明によるアタッチメントの代替的実施形態の取り付け部である。
図38】本発明によるアタッチメントの代替的実施形態の取り付け部である。
図39】本発明によるアタッチメントの代替的実施形態の取り付け部である。
図40】本発明による他のクランプ装置の詳細である。
図41】本発明によるアタッチメントの代替的実施形態の取り付け部である。
図42】本発明によるアタッチメントの代替的実施形態での取り付け部である。
図43】様々に描写した本発明によるアタッチメントの代替的実施形態の取り付け部である。
図44】様々に描写した本発明によるアタッチメントの代替的実施形態の取り付け部である。
図45】様々に描写した本発明によるアタッチメントの代替的実施形態の取り付け部である。
図46】様々に描写した本発明によるアタッチメントの代替的実施形態の取り付け部である。
図47】様々に描写した本発明の代替的実施形態のアタッチメントである。
図48】本発明によるアタッチメントの代替的実施形態の取り付け部である。
図49】本発明による他のクランプ装置の詳細である。
図50】本発明による他のクランプ装置の詳細である。
図51】本発明によるアタッチメントの代替的実施形態のトレッド部である。
図52】本発明によるアタッチメントの代替的実施形態の取り付け部である。
図53】本発明による他のクランプ装置の詳細である。
図54】様々に描写した代替的実施形態のアタッチメントである。
【発明を実施するための形態】
【0107】
以下の図では、対応するコンポーネントと要素は同じ参照付号を付記している。さらに明確にするために、すべての参照付号がすべての図で同じというわけではない。
【0108】
図1は、車両ホイール1の概略図を示す。車両ホイール1は、リム2と、リム2に取り付けられたタイヤ3を具備する。リム2は、タイヤ3を除いて図2に個別に示す。参照文字Uの付いた矢で印周方向Uが示されている周方向Uが示されている。参照文字Aの付いた矢印で軸方向Aが示されている(図2)。矢印は軸方向外向きとなっている。半径方向Rは、参照文字Rで半径方向外側に向けられた矢印によって示されている。半径方向内側で、リム2は、車両ホイール1のボルトパターン4を具備する。軸方向Aに沿って延びる車両ホイール1の回転軸5の周りのボルトパターン4の中心に、いわゆる中央開口部6が位置し、これは、場合によっては、ハブボア又は中央穴センタリングとも呼ばれる。ここで、ボルトパターン4は5つのねじ穴7を具備し、そのうちの2つには参照番号が付されている。本車両ホイール1では、5つのスポーク8がボルトパターン4の領域から半径方向外向きに延びている。
【0109】
リム2は、リムベッド9及びリムフランジ10を具備し、中央開口部6は、凹んだ円周溝12を有する。リム2は、ボルトパターン4の領域に配置されたいくつかの開口部13を有する。開口部13は、ネジ穴7から間隔を置いてリム2に配置され、したがって、ネジ穴7はホイールボルト又はステーボルトをリム2の中央開口部6から受け入れるために設けられる。開口部13はポリコントロール穴(poly-control holes)として組み込むことができ、例えば、それを介して、車両ホイール1の車軸の軸方向の遊びを測定することができる。
【0110】
車両ホイール1のタイヤ3に穴があると、タイヤ内の空気が抜け、車両ホイール1のタイヤ機能が制限される。このような場合に運転を継続できるようにするために、本発明によるアタッチメント14を使用することができる。
【0111】
本発明によるそのようなアタッチメントの例を図3に示す。アタッチメント14は、アタッチメント14のトレッド18を具備するトレッド部16と、アタッチメント14の組み立て時にトレッド18の半径方向内側に配置された初期取り付け部20とで設計する。
【0112】
アタッチメントの側面の軸方向内側に、クランプ装置22が配置されている。
【0113】
トレッド部16は、いくつかの締め付け装置24を介して取り付け部20に取り付けることができる。締め付け装置24は、ここではねじ締結具24として設計されている。
【0114】
取り付け部20は、ここでは、半径方向外側に伸びる3つの支柱26を有する星の形で設計されている。ここでは、1つの締め付け装置24がこれらの各支柱に配置されている。
【0115】
本実施形態では、トレッド部16は一体に形成されている。しかしながら、本発明の目的のために、トレッド部16は、複数の部分で形成することもできる。これについては後で詳しく説明する。
【0116】
本発明によるアタッチメントの他の例が図4に示され、車両ホイール1に取り付けられたときの取り付け部20のみが示されている。
【0117】
取り付け部20は、(図4cに示されるように)軸方向内側にあるクランプ装置22の端部がリムフランジ10に正確に載るように、図4に示される位置でリム2に当てはめられる。次に、クランプ装置22は、張力運動Vにより半径方向内側に動かされる。
【0118】
本実施形態では、3つすべてのクランプ装置22を半径方向内向きに均一に移動させ、取り付け部20に対する張力運動Vで互いに運動結合させることができる。本実施形態では、クランプ装置22の引張運動Vは、この場合、取り付け部20に対してもっぱら半径方向内側に向けて純粋に並進的に動くものである。
【0119】
クランプ装置22の形状により、これらは、(図4dに示すように)張力運動中にリムフランジ10と後方で係合するようにスライドし、それにより、取り付け部20を軸方向Aにリム2に向かって引っ張る。
【0120】
以下では、例えば、図4のアタッチメント14でも使用される本発明によるクランプ装置22について、最初に説明する。
【0121】
この種のクランプ装置22は、図5で様々な視点で詳細に示されている。
【0122】
クランプ装置22は、車両ホイール1のリム2上のアタッチメント14に張力をかけるように設計されている。クランプ装置22は、後部グリップ部28を有する。後部グリップ部28は、軸方向Aにフック状に突出し、図5cに示すように、半径方向R及び軸方向Aに走る断面Eを通る面を半径方向に延びるように設計される。後部グリップ部28は、リムフランジ10の確実な後部係合に役立つ。
【0123】
後部グリップ部28は、ここでは半径方向及び円周方向に走る平面29内にある接触面30に移行する。接触面30は、軸方向外側からリムフランジ10に接触するように設計及び配置されている。
【0124】
後部グリップ部28は、移行領域32において接触面30に移行する。後部グリップ部28と接触面30との間の移行領域32の表面34は、接触面30に対して軸方向Aに外側にずれて配置された凹部35を有する。接触面30は、後部グリップ部28がリムフランジ10の後方に係合するとき、クランプ装置22をリムフランジ10上の正確に規定された位置に静止させる。このことはリムフランジ10を湾曲部分でつかまえるクランプ装置22に関して特に有利である。このようなクランプ装置22では、リムフランジ10は、軸方向に負荷がかかるとクランプ装置11に対して前後に動くことができる。リムフランジ10は、そのような動きによって損傷を受ける可能性があり、その一方で、クランプ装置22もまた、より高い負荷に曝されることがある。このようなことを、接触面30を備えた本発明によるクランプ装置22によって防止する。
【0125】
クランプ装置22は、クランプ装置22をアタッチメント14に接続するための締め付け部36を有する。締め付け部36は、ここでは、後方グリップ部28及び接触面30から半径方向内側に横たえて配置される。締め付け部36は、ここではねじ挿入部38として設計されている複数の締め付け装置38をクランプ装置側に有する。
【0126】
締め付け装置38は、軸方向Aの遊びに対抗する締め付け方法で、ねじ挿入部38として設計された締め付け装置38の場合、ねじによって、締め付け部36を介してクランプ装置22をアタッチメント14に固定するように設計され及び配置される。従って、この例では、クランプ装置22は、締め付け部36を介して、実質的に軸方向にアタッチメント14にねじ止めすることができる。
【0127】
クランプ装置22は、ここでは締め付け部36によって形成されるガイド部39を有する。締め付け部36は、特にアタッチメント取り付け部に配置されるガイドシート内で半径方向に移動可能になるよう配置され及び設計される。
【0128】
クランプ装置22はまた、結合手段、ここではねじ付きロッドのためのレセプタクル40として設計された結合装置40を有する。結合装置40は一般に、特に結合手段を介して、クランプ装置22をアタッチメント14の張力装置に結合するように設計されている。張力装置については、以下でより詳細に説明する。
【0129】
半径方向を内側方向に見ると、クランプ装置22の後方グリップ部28は、クランプ力を吸収するように設計された保持部42と、後方グリップ部28をリムフランジ10とこのリムフランジ10に隣接するタイヤ側壁との間に挿入するのを容易にするように設計された挿入部44とを有する。挿入部44は、ここでは、保持部42に対して軸方向内側に配置されている。保持部42は、挿入部44よりもさらに周方向Uに延びている。
【0130】
ここでは、挿入部44の材料の厚さ46は、保持部42の材料の厚さ48よりも小さい。さらに、挿入部44は、軸方向内向きに連続的に減少する材料の厚さ46を有する。従って、挿入部44は、その材料の厚さに関して軸方向内向きの点まで実質的に延びる。これにより、リムフランジ10とタイヤ3との間の挿入が容易になる。
【0131】
本実施形態では、保持部42及び挿入部44の両方が、それらの円周方向の延長部において軸方向内向きに先細に設計されている。保持部42及び挿入部44は、それぞれの場合において、それらの円周方向の延長部において丸められた形態で軸方向内向きに先細になっている。
【0132】
図6は、本発明による他のクランプ装置22を示している。図6に示されたクランプ装置22は、同様に、リムフランジ10の後方に確実に係合するためのフックのように形成された後部グリップ部28を有する。図6のクランプ装置22の後部グリップ部28は、円周方向Uの接線方向に走る軸50を中心としてクランプ装置22の基台に対して旋回可能である。
【0133】
後部グリップ部28は、ポジティブロック機構により、少なくとも第1の位置S1、第1の位置S1に対して軸50を中心に旋回させた第2の位置S2、及び、軸50を中心に旋回させた第3の位置S3に配置することができる。しかしながら、後部グリップ部28はまた、摩擦による張力により配置可能とすることができる。図示の3つの位置に加えて、図示の実施形態における後部グリップ部分28は、他の2つの位置でロックすることもできる。この例では、ポジティブロック機構は、本例ではグラブねじ52として実装されるロック手段52によって達成される。ロック手段52又はグラブねじ52は、旋回可能な後部グリップ部分28の対応する凹部54に係合する。5つの凹部54は、図6b)に見ることができ、クランプ装置22のベーシックボディ56が部分的に透明に描かれている。
【0134】
本実施形態では、後部グリップ部28は、他の4つのロック可能な位置すべてにおいて第1の位置S1で、フックが軸方向に突出し、半径方向かつ軸方向に延びる断面Eを通る面で半径方向内側に延びるように設計される。
【0135】
図6のクランプ装置22も同様に接触面30を有する。図6のクランプ装置もまた、結合手段、ここではねじ付きロッド用のレセプタクル40として設計された結合装置40を有する。
【0136】
図7は、本発明によるアタッチメント14の他の実施形態を示している。アタッチメント14は、円周方向に均一に分配された3つのクランプ装置22を備えた取り付け部20を具備する。トレッド部16は、取り付け部20に取り付けられている。クランプ装置22は、それぞれ、締め付け部36を備えている。締め付け部36は、それぞれ、ここでは、軸方向外側に突出するねじ付きボルトの形態の締め付け装置38を具備する。
【0137】
ナット58として実装される、トレッド部側の締め付け装置38の部品58によって、トレッド部16は、クランプ装置22上に、つまり、取り付け部20上にしっかりと固定することができる。これによりトレッド部とクランプ装置の間に取り付け部を固定することができる。これにより、トレッド部16とクランプ装置22との間の遊びのない接触が常に保証される。一方、クランプ装置22は、接触面30が軸方向外側からリムフランジ10上の正確に定められた位置にある。これにより、リム2上のトレッド部16の正確な位置決め及び遊びのない保持が保証される。
【0138】
アタッチメントは、ここでは中央に配置された張力装置60を有する。張力装置60は、結合手段62を介してクランプ装置22に結合される。これは、図7cの個々の描写に示されている。
【0139】
取り付け部20は、結合手段62のための受け部64を有する。受け部64は軸方向外側への延長全体で結合手段62が覆われるように設計及び配置される。
【0140】
ここで、結合手段62は、いずれの場合も、受け部64の壁によって円周方向Uにも覆われている。受け部64は、軸方向内側に開いている。張力装置60は、トランスミッション66を具備する。トランスミッション66は、曲線矢印ABによって示される軸方向Aを中心とする回転駆動運動を、並進張力運動に変換する働きをする。この場合、駆動運動ABは、ここでは六角ボルトとして設計されている駆動要素68により実行される。レンチを駆動要素68に適用し、駆動運動ABを実行することができる。次に、回転駆動運動ABは、この場合、駆動傘歯車70を介して出力傘歯車72に伝達され、出力傘歯車72は、ここでは、ねじ付きロッド62として実装された結合手段62によって伝達される。
【0141】
ねじ付きロッド62は、そのクランプ装置側端部にねじ74を有し、このねじは、クランプ装置22上の対応する嵌合ねじ76に係合する。結合手段つまりねじ付きロッド62の回転により、ねじ付きロッド62のねじ74は、クランプ装置22のねじ76にねじ込まれる。クランプ装置22は、これにより半径方向内側に移動し、一方、ねじ付きロッド62は、取り付け部20に対して静止したままであり、回転するだけである。
【0142】
図7の例では、クランプ装置22の1つだけが張力装置60を介して移動可能となっている。図8の例では、アタッチメント14の代替的実施形態が示され、この実施形態では、3つのクランプ装置22のすべてが出力傘歯車72を備えた結合手段62を介して中央駆動傘歯車70にそれぞれ接続されている。
【0143】
図9は、本発明によるアタッチメント14の他の代替的実施形態を示している。図9のアタッチメントにおいて、取り付け部20は、4つのクランプ装置22を有し、これらは、異なるリム直径に調整された多くの固定位置で取り付け部20に動かないように固定される。取り付け部20は、第1のセグメント77及び第2のセグメント78を有する。第1のセグメント77は、大部分がW字形に設計され、第2のセグメント78は、大部分が湾曲して設計される。アタッチメントは同様に、第2のセグメント78に固定して接続されるタイロッドとして実装される張力装置60を有する。このタイロッド79は、第2のセグメント78を通って導かれ、ナット80を伴う。第1のセグメント77に向かってナット80を締め付けることにより、第1のセグメント74は、第2のセグメント76へと並進方向に向けられた張力運動により、第2のセグメント76に対して相対的に移動する。
【0144】
張力装置60は、タイロッド79の周りに配置されたばね84が第1の部分74を第2の部分76に向かって押すように設計されたばね機構82を有する。これによりクランプ装置22を、リムフランジ10に簡単に設置することができ、ばね機構82によって、実質的に直接、リムフランジを把持する位置に押し込むことができる。次にナット80が締められると、ばね84によって規定された動きが実行され、クランプ装置22がリムフランジ10の後方に係合し、取り付け部20を軸方向Aにリムフランジ10に向かって動かす。次に、トレッド部16を、取り付け部20又はクランプ装置22上に配置し、固定することができる。トレッド部16を固定するために、ねじ穴として実装され、クランプ装置22に配置された対応する固定デバイス38にねじ86を挿入する。図7及び図8の場合と同様に、クランプ装置22への正確に定義され固定されたトレッド部16の締結が行われる。
【0145】
ばね機構82は、取り付け部20の可動セグメント77、78の1つが他の可動セグメント77、78の方向にプレロードされるプレロード装置83の1つのオプションを表す。
【0146】
図10は、本発明によるアタッチメント14の他の代替的実施形態を示している。図10のアタッチメント14もまた、それぞれが2つの固定手段88を具備する、本発明によるクランプ装置22を有する。固定手段88は、クランプ装置22の後部グリップ部に対して円周方向Uにずらして配置される。
【0147】
固定手段88はそれぞれ、クランプ装置22上の旋回軸90を中心として旋回可能に配置される。しかしながら、固定手段88は、クランプ装置22とは別個に設計することも考えられる。
【0148】
固定手段はそれぞれ、固定手段の旋回によってリムフランジ10と確実に後方で係合するように設計された、確実なロック部92を具備する。この場合、固定手段88の確実なロック部92は、タイヤに面する側でリムフランジ10と接触するように設計された接触部分94としてここでは設計され、接触部分94は、軸方向内側にあるリムフランジ10の輪郭に対応するよう形成される。この場合、DIN7817に準拠したJリムのリムフランジの輪郭をここでは想定している。
【0149】
その他の点では、図10のアタッチメント14の設計は、図8のアタッチメントの設計にほぼ対応している。
【0150】
図10bでは、取り付け部はリムに装着した状態で示されている。ここで、クランプ装置22がどのようにリムフランジ10の後方に係合しているかを見ることができる。さらなるステップでは、トレッド部16の個々の円周セグメントが取り付け部20に取り付けられる。クランプ装置22上の締め付け装置38は、このために使用される。
【0151】
図11は、本発明によるアタッチメントの他の実施形態を示している。ここで、アタッチメントは、互いに相対的に移動可能な2つのセグメント77及び78を有する取り付け部20を実装し、アタッチメントは、中央要素96をさらに具備する。
【0152】
中央要素96は、張力装置60をさらに具備する。ここで、張力装置60は、互いに相対的に移動可能な2つのセグメント77、78の張力運動が中央要素96に対して同一であるが、逆方向となるように設計されている。これは、緊張装置60の中央に配置された作動部68の作動時に、2つの可動セグメント77及び78がそれぞれ、中央要素96に対して同じ相対速度で動かされることを意味する。
【0153】
取り付け部20は、トレッド部16の個々のセグメントを取り付け部20に固定する締め付け装置98も具備する。ここで、締め付け装置38は、中央要素96に固定的に接続されるねじ付きボルトとして実装される。本実施形態のクランプ装置22は、同様に、取り付け部20に固定的に接続されるが、可動セグメント77及び78にも接続される。取付部20の2つのセグメント77、78のそれぞれは、2つのクランプ装置22を具備する。取り付け部20のそれぞれの可動セグメント77、78の2つのクランプ装置22は、ここでは互いに対してある距離を置いて配置され、クランプ装置22の相対位置は、張力運動の間、変化しないままである。
【0154】
締め付け装置38を介してトレッド部16を固定すると、可動セグメント77及び78は、中央要素96とトレッド部16との間にクランプされる。
【0155】
図11のアタッチメント14は、さらに図12に図示されている。
【0156】
図12cでは、アタッチメント14は、車両ホイール1に完全に取り付けられた状態で示されている。図12cの描写では、アタッチメント14のトレッド18が、タイヤ3のトレッドに対して約15mm半径方向内側にずれていることが容易に認識できる。図12cのタイヤ3は完全に空気で満たされているので、これはこのようにここに描かれている。タイヤに穴がある場合、空気は逃げ、アタッチメント14は道路に接触し、加えてタイヤは形状を維持し、しかもホイールの回転運動においてアクティブのままである。
【0157】
図11及び図12のアタッチメント14のクランプ装置22もまた、接触面30を有する。この場合の接触面30は、クランプ装置22の内側に配置される単純な正方形の輪郭に形成される。ここで説明した例示的な実施形態では、取り付け部20の可動セグメント77、78は、打ち抜き板金部品として設計されている。締め付け装置38は中央要素に取り付けられ、クランプ装置22は可動セグメント77及び78の丸い縁部分を曲げることにより形成される。
【0158】
図13図16は、取り付け部20を実装するための様々な可能性を示す。図13aの実施形態では、互いに相対的に移動可能な2つのセグメント77及び78として取り付け部に配置される3つのクランプ装置を有する。2つの可動セグメント77及び78は、短縮することができる棒状部分の形態で実施される張力装置60を介して互いの相手方向に移動可能である。図13bでは、同様に2つのセグメントを有するトレッド部16が取り付けられた図13aの取り付け部20が示されている。
【0159】
図14の実施形態は、図13の実施形態にほぼ対応し、2つのクランプ装置22が、取り付け部20の可動セグメント77及び78のそれぞれに配置されている。
【0160】
図15の実施形態では、部分的に閉じているか閉じていない円形リングを形成する取り付け部を具備する。
【0161】
図16の実施形態は、環状取り付け部20を示し、その2つの可動セグメント77及び78は、2つの張力装置60を介して互いの相手方向に移動可能である。取り付け部20はまた、車両ホイール1に取り付けられた状態で、半径方向Rに車両ホイール1のボルトパターンの領域から離間するように設計されている。張力装置60は、実質的に、取り付け部20に対応する周方向Uに延びる要素としての形態となっているが、例えば、半径を縮小することができ、クランプ装置22に結合されているワイヤケーブルによって形成することもできる。
【0162】
図20は、ほぼ三角形の取り付け部20を示す。
【0163】
図21は、基本的に十字状の構造を備えた取り付け部20の本発明による他の実施形態を示す。
【0164】
図22は、本発明による他のアタッチメントを示す。このアタッチメントは、第1の円周方向セグメント100及び第2の円周方向セグメント102を備えたトレッド部16を具備する。
【0165】
図22に示すアタッチメント14の取り付け部20は、互いに相対的に移動可能である2つのセグメント77及び78を具備し、第2の可動セグメント78は、張力装置60を具備する。
【0166】
張力装置60は、トランスミッション66を具備し、トランスミッション66は、駆動要素68に運動結合された駆動傘歯車70を含む。駆動傘歯車70は、出力傘歯車72と協働して、例えばレンチ又は電気駆動装置を介して動かすことのできる駆動要素68の動きを、結合手段62の回転運動へと変換させる。
【0167】
結合手段62の回転運動は、ねじ付きロッドとして実装された結合手段62上に配置されたねじ74に導かれ、取り付け部20の第1の可動セグメント上に配置された嵌合ねじ76にねじ込まれる。これにより、取り付け部20の可動セグメント77及び78は、互いに向かう方向に、又は互いに離れる方向に移動する。図g及びeはそれぞれ、トレッド部の断面を示し、これがトレッドコーティング104を具備することを示す。ここでトレッドコーティング104は、軸方向内側からトレッドコーティングの材料に導かれる凹部106を有する。凹部106は、トレッドコーティング104の材料全体を貫通して延びるか、又は軸方向外側からトレッドコーティング104の材料内に延びる開口部として実施することもできる。トレッドコーティング104は、金属、特にアルミニウム、の支持部105上に配置される。
【0168】
ここで、トレッドコーティング104は、互いにねじ込まれるトレッド部の2つの軸方向セグメント108及び110の間にクランプされ、トレッド部16の軸方向セグメント108及び110は、ここで互いにねじ込まれる。トレッド部16の各周方向セグメント100及び102は、締め付け装置38を介して取り付け部20の第2の可動セグメント78に接続されている。取り付け部20の第1の可動セグメント77は、トレッド部の第1の周方向セグメント100のみに接続されている。
【0169】
締め付け装置38は、トレッド部16又はその円周セグメント100及び102が、固定時にリムに向かって、又はリムに固定された取り付け部20に向かって軸方向Aに移動するように設計される。
【0170】
図22に示されるアタッチメント14は、支持体113上に配置された支持面111を含み、支持体113は、トレッド部16に取り付けられている。
【0171】
トレッド部16が車両ホイール上のその最終位置に取り付けられ、従って、締め付け装置38を介して取り付け部20又はリム2に向かって移動すると、支持面111は、従って、クランプ装置22の接触面30と一平面となり、リムフランジ10と接触する。これにより、トレッド部16は、さらにリムフランジ上で支持される。
【0172】
図23は、本発明によるアタッチメント14の他の実施形態を示す。図23の実施形態は、図22の実施形態に類似しており、取り付け部20の可動セグメント77及び78は、半径方向外向きに延びる付加的なアーム26を有するが、それぞれが、トレッド部16又はその円周セグメント100及び102を可動セグメント77及び78に接続するために締め付け装置38を具備する。
【0173】
図24は、本発明によるアタッチメント14の実施形態を示しており、クランプ装置22の1つが、取り付け部20に対して移動可能に実装されている。クランプ装置22の動きに対して、ねじ付きロッドとして実装されている結合手段62を介して、このねじ付きロッドにねじ込むことができるナット80を介して、張力を加えることができる。
【0174】
図24の変形例では、トレッド部16は、第1の円周セグメント100および第2の円周セグメント102を有し、第1の円周セグメント100は、240°をわずかに超える円周方向伸長部を有し、第2の円周方向セグメント102は、120°をわずかに下回る円周方向伸長部を有する。
【0175】
図25は、図24のアタッチメントに別のやり方で対応する、代替的張力装置60を備えたアタッチメントを示す。図25の実施形態では、歯車110を支持するねじ付きロッドとして実装された結合手段62を、取り付け部分20の軸方向外側から工具適用点114で駆動することができるウォームギア112を介して駆動することができる。例えば、アレンキーとして実施された工具を工具適用点114に適用することができ、又は電気駆動を適用することができ、これによりウォームギア112を駆動することができる。
【0176】
本発明による他のアタッチメント14が図26に示されている。図26のアタッチメント14は、中央張力装置60を介して半径方向内側に移動可能な3つのクランプ装置22を具備する取り付け部20を具備する。
【0177】
後部グリップ部を支えるクランプ装置22の部品は、それぞれ、ばねシート130を介して、結合手段62の受け部64として設計された結合装置40を備える結合部122に接続される。
【0178】
クランプ装置22の後方グリップ部分28と、結合手段62のための受け部64を具備する結合部122との接続は、ここでは、軸方向Aにばねシート130によって曲げることが可能であるように、又は円周方向Uに旋回可能であるように設計される。
【0179】
移動が純粋に半径方向内向きに並進的に方向付けられている連結部分122の張力運動は、ここではクランプデバイス22の軸方向外側の斜面状の隆起132として設計されたガイド装置132により、結合部122が純粋に並進的に半径方向内側に移動するとき軸方向内側に向けられるクランプ装置22の後方グリップ部28のピボット運動を導く。
【0180】
図27は、プレロード装置133を介して半径方向内向きにプレロードされたクランプ装置22を示す。プレロード装置133は、ねじ付きロッドの形態の結合手段62が、クランプ装置22内でばね支持された結合部122に接続されることにより、ここに実装される。結合手段62が結合部122又は受け部64にねじ込まれ、嵌合ねじ76が受け部64に配置されたとき、最初に結合部122が半径方向内側に引っ張られ、次にクランプ装置22のそれを取り囲む部分と接触するので、クランプ装置22も半径方向内側に引っ張られる。これにより、クランプ装置22をリムフランジ10に吊り下げることが可能になり、クランプ装置22は、リムフランジ10の後方でしっかりと係合する位置までまだ引っ張られていないがばねがプレロードされているのでリムフランジ10の後方で係合する。
【0181】
図28は、マルチパート後部グリップ部28を有するクランプ装置を示す。後部グリップ部28は、主後部グリップ部140と、横方向に配置された2つの補助後部グリップ部142及び144とを有する。2つの横方向補助後部グリップ部142及び144は、ばね145を介して主後部グリップ部分40に対して半径方向内側にプレロードがかけられている。これにより、横方向補助後部グリップ部142及び144がリムフランジを把持した後、主後部グリップ部140が張力装置60を介してリムフランジと後方で係合する(図28c~図28e)。これにより、補助後部グリップ部142及び144がリムフランジを把持し、取り付け部20を固定した後主後部グリップ部140に最終的に張力をかけられるので、クランプ装置22をリムフランジ10への引っ掛けるのが簡単になる。図27のクランプ装置22は、その他の点では、図8のアタッチメントで使用されるクランプ装置22にほぼ対応する。
【0182】
主後部グリップ部140と、これに対して横方向に配置された2つの補助後部グリップ部142及び144は、それぞれ図28のマルチパート後部グリップ部28のサブセクションを形成し、半径方向Rに相互に移動可能である。補助後部グリップ部142及び144はそれぞれ、後部グリップ部の主サブセクションを形成し、これは、後部グリップ部の、ここでは主後部グリップ部140の補助サブセクションに関して、特に半径方向内側にオフセットされた位置にプリロードされる(図28c及び図28d)。クランプ装置22は、主サブセクション142、144が補助サブセクション140に対して半径方向外側にずらされた位置に持ち込まれないように設計されたリミットストップ150を有する。主サブセクション142、144がリミットストップ150に接触した場合、その後、主サブセクション142、144は、リムフランジに面する側面が補助サブセクション140の側面と面一になる位置に配置される(図28e)。
【0183】
図29は、クランプ装置22とは別に実装された固定手段160を示す。固定手段160は、確実なロック部164がその上に配置された接触部166にリムフランジ10と確実な後方での係合をもたらすことができるように、ピボット軸162を介して旋回可能である。
【0184】
固定手段160は、ここではバネを介してプレロードされ、ここではボルト170として実施されるロック手段170を具備するロック機構168を具備する。固定手段160が図30に示される位置にあるとき、リムフランジ10の後方で係合し、ばねでプレロードされたボルト170は、固定手段160の対応するレセプタクルに係合して、確実なロック部164が図29IIに示す位置から外れることを防ぐ。固定手段160、ならびにロック機構168及びばねプレドロードボルト170は、ケーシング172内に配置される。接触要素174もまた、ケーシング172上に配置される。接触要素174は、固定手段160が接触要素174と接触した時、図29Iに示されている位置から図29IIに示されている位置へと旋回するよう、固定手段160に結合される。
【0185】
固定手段160が図29IIに示される位置に配置されていないときにボルト170の後端がケーシング172から突き出るように、ケーシング172及びボルト170として実行されているロック要素170は、互いに相対的に設計及び配置される。従って、ボルト170は、固定手段160及びその確実なロック部164がリムフランジ10の後方で係合したかどうかを光学的に表示する。
【0186】
図31は、様々なクランプ装置22を示しており、各クランプ装置22は、基準面180の軸方向内側にある後部グリップ部分の材料(図31では参照文字Aの矢印が軸方向内側を指す)が完全に仮想軌道182の内側にある後部グリップ部分28を具備する。
【0187】
ここで、基準面180は、本例では、接触面186から6mmの距離184にある。しかし、4mm又は7mmの距離であっても、本発明の意味の範囲内である。接触面186は、アタッチメント14がクランプ装置22を介してリムフランジ10に完全に固定されたときに、リムフランジ10とアタッチメント14との軸方向外側の接触点が位置する軸方向に直交する面に対応する。平面186は、ここでは接触面30と一致する。仮想軌道182は、12mm、特に10mm、特に9mm、特に8mm、特に7mm、特に6mm、特に5mmの幅188を有する。
【0188】
仮想軌道182の中心線190は、半径方向Rに対して少なくとも42°、特に45°、特に47°(図31a)、特に49°、特に51°、特に53°、特に55°の角度192、最大でも特に72°、特に69°、特に67°(図31c)、特に65°、特に63°、特に61°、特に59°の角度192で延び、特に、角度192は、半径方向Rに対して57°(図31b)の角度192で延びる。
【0189】
ここで、中心線190は、軸方向内側に向けられた方向で半径方向内側に延び、角度192は、中心線190の進行方向と半径方向内側に向けられた方向との間で測定される(参照符号Rの矢印とは反対)。中心線190の幅及び角度は、図31の仮想平面に対応する半径方向R及び軸方向Aに走る平面の図を参照してここで定義される。特に、この観察平面は、円周方向Uにおける後部グリップ部28の材料の中心198に横たわる。しかし、後部グリップ部分28は、円周方向延長部196全体にわたってこの条件を満たすことが好ましい。
【0190】
仮想軌道の中心線190は、基準平面180(図31a~図31c)を備えた断面で、後部グリップ部28の材料中心点194を通る半径方向及び軸方向に延びる平面で表示される。半径方向Rかつ軸方向Aに延びる平面の視点から、仮想軌道182の中心線190が、基準平面180に平行であり、後部グリップ部28の軸方向内側端が位置する平面202を備える断面内の後部グリップ部28の材料中心点200を通って走るときも、本発明の範囲内を意味する。
【0191】
クランプ装置22の代替的実施形態が図32に示され、後部グリップ部28も同様に仮想軌道182にある。図32に示される実施形態では、基準面は、接触面186から4mmの距離だけ離間している。図32の場合、接触面186は、トレッド部16上に配置された支持面IIIの軸方向位置によって形成され、この面は、クランプ装置22に対して円周方向Uにずらして配置される。
【0192】
本発明によるアタッチメントの場合、張力装置が、軸方向外側に向けられた牽引要素210の動きを、半径方向内側に向けられたクランプ装置22の動きに変換するようにできる。そのような張力装置60を備えた取り付け部が図33及び34に示されている。
【0193】
張力装置60は、特に、軸方向外側に向けられた駆動動作BBを、半径方向内側に向けられたクランプ装置22の結合部分122の動作に変換するように実装することができる。特に、張力装置60は、支持要素230に関して、距離変更要素220、特にねじ付きロッド220を介して軸方向外向きに移動させることができる牽引要素210として設計することができるクランプユニット210を具備することができ、支持要素230は、リム2のボルトパターンの領域に配置することができ、張力運動中にこの領域でリム2で支持することができる。特に、支持要素230は、ホイールボルトを支持するための延長部240を有する。
【0194】
図35は、棒状の結合手段に組み込むことができるプレロード装置133を示す。結合手段62a及び62bの2つの部分には、ばね250を介して互いに張力がかけられている。結合手段62に張力がかかる場合、結合手段62a及び62bの2つの部分は、最初に、部分62aがリミットストップ260に当接するまで、互いに離れるように動かされ、結合手段62が全体として動かされる。この種のプレロード装置133は、特に、結合部122と後部グリップ部28及び/又はクランプ装置22の接触面30との間に配置することもできる。
【0195】
図36は、取り付け部20のアーム26ならびにトレッド部16の一部を示す。取り付け部20及びトレッド部16は、互いに調整された位置決め装置270を有することができる。特に、取り付け部20は、軸方向Aに延びる少なくとも1つの、特にピン状のガイド突起280を含むことができ、トレッド部16は、ガイド突起280と相補的に設計された少なくとも1つのガイド開口290を具備することができ、これにより、取り付け部20がすでに車両ホイール1に取り付けられている場合、ガイド突起280がガイド開口部290に係合するように、トレッド部16又はトレッド部16の一部を取り付け部20に配置することができ、取り付け部20及び車両ホイール1に対するトレッド部16の軸方向への取り付け運動は、ガイド開口部290内のガイド突起280の係合にガイドされる。ガイド開口部290が取り付け部20に配置され、ガイド突起280がトレッド部16に配置されることも考えられる。
【0196】
図37の例では、5つのクランプ装置22のすべてが張力装置60を介して移動可能であり、この実施形態では、5つのクランプ装置22のすべてが、それぞれの場合に出力傘歯車72を備えた結合手段62を介して中央駆動傘歯車70に接続される。
【0197】
図38の例も同様に実行されるが、4つのクランプ装置が使用されている。
【0198】
図39の取り付け部20には、それぞれ両面に実装されたクランプ装置22があり、各側面は他のリム直径に調整されているため、例えば、片側を17インチのリム直径に調整し、もう一方の側面を19インチのリム直径に調整できる。このような両面クランプ装置22は、本発明によるアタッチメント14のそれぞれに設けることができる。約180°の単純な回転により、クランプ装置22は、異なるリムサイズにプリセットすることができる。次に、それらは、緊張装置60を介して、最短距離で後方係合部に動くことができる。
【0199】
図40は、本発明によるクランプ装置22を示し、その結合結合部122は、ばねシート300によって形成される。ばねシート300は、接触面30及び後部グリップ部28に接続される。結合部122について、後部グリップ部分28及び接触面30は、ばねシート300による接続によって、結合部分122に対して軸方向外向きに旋回可能である。
【0200】
図41に示すように、取り付け部20は、結合部122に対して作動要素68が回転運動中に連結手段62が旋回し、それによって結合部122が半径方向内側に動かされる張力装置60を有することができる。
【0201】
図42に示すように、取り付け部20は、湾曲したトラック320を含むトランスミッション66に結合手段が連結される張力装置60を有することができる。この例の湾曲したトラック320はまた、同時に作動要素68を形成し、このとき、軸方向を中心に回転すると、結合部分122は半径方向内向きに移動する。
【0202】
図43に示すように、取り付け部20は、クランプ装置22の領域に配置された張力装置60を用いて設計することができる。図43に示す張力装置60は、結合手段62を介してクランプ装置22に結合されている駆動傘歯車70及び出力傘歯車72を備えるトランスミッション66を具備する。駆動要素68が作動すると、又はこの駆動要素68が回転すると、駆動傘歯車70が回転し、出力傘歯車72に係合し、これもまた回転し、それによって出力傘歯車72に運動結合された結合手段62も回転する。結合手段62は、クランプ装置22の結合部122上の対応するねじ山に係合するねじを有し、従って、確実にクランプ装置22を並進させることができる。同様に他のタイプの張力装置66も考えられる。
【0203】
図20の取り付け部は、ここでは円形リングの形で設計されたベーシックボディ400を有する。個々のクランプ装置22は、ベーシックボディ400に取り付けられている。この例では、クランプ装置22のうちの1つだけが、張力装置60のために半径方向内側に移動可能である。
【0204】
図43の変形例では、クランプ装置22のそれぞれは、締め付け装置38を支持する。クランプ装置22は、それぞれのシート410で受け取られる。可動クランプ装置22のシート410は、ここで、クランプ装置22がシート410の内部で並進移動可能となるように設計される。クランプ装置22の領域に配置された張力装置60の使用により、別に形成されたベーシックボディ400、特に本出願に記載された取り付け部20の他の実施形態、と組み合わせることができる。
【0205】
特に締め付け装置22の領域に配置された張力装置60と組み合わせて、車両ホイールのボルトパターンの領域を空間とするように取り付け部20のベーシックボディ400を実装するとすることは好都合となり得る。そのような取り付け部20は、例えば、アタッチメント14を、この領域において軸方向外向きに突出するリム2のために簡単な方法で使用することを可能にする。図43に示されるように、取り付け部のベーシックボディ400は、円周方向に閉じて実装され、空間となっている中央領域420を取り囲むことができる。しかしながら、図44に示されているものと同様の実施形態も、本発明の範囲内を意味する。中央の空間領域420は、基本本体400によって部分的のみに囲むことができる。対応する取り付け部20は、例えば、これにより材料を節約する方法として実装することができる。
【0206】
図45は、中央の空間領域420を周方向Uに閉じた状態で囲むベーシックボディ400を有する取り付け部20の代替的実施形態を示す。図45に示す取り付け部20の場合でも、クランプ装置22の1つは、クランプ装置22の領域に配置された張力装置60を介して半径方向に移動可能に設計されている。
【0207】
図46は、本発明による取り付け部の別の変形例を示し、この変形例では、中央の空間領域420は、ベーシックボディ400の2つのリム430によって囲まれている。ただし、中央の空間領域420は、閉じた状態で囲まれてはいない。
【0208】
図47は、本発明によるアタッチメント14を示し、アタッチメント14は、電気駆動装置440を備えた張力装置60を有する。張力装置60の電気駆動装置440は、アタッチメント14のすべての実施形態において、設けることができる。
【0209】
本実施例の電気駆動装置440は、結合手段62を回転状態に設定するように設計されており、これによりねじを介してクランプ装置22に作用し、クランプ装置22を並進移動させることができる。クランプ装置22に張力をかけるためのこの種の電気駆動装置を本出願で説明したすべての取り付け部において、提供することができる。ここで、電気駆動装置440は、2つの駆動要素450を介して作動させることができ、これらの駆動要素450は、半径方向内側に押して電気駆動装置440を作動させることができ、同時に取り付け部20を車両ホイール1に適用するためのハンドルとして使用することができる。ここで、電気駆動装置440をアタッチメント14又は取り付け部20の引張り及び解放の両方に使用することができるようにするために、電気駆動装置440の回転方向は、アタッチメント14上のセレクタユニット460を介して設定することができる。
【0210】
図48は、本発明によるアタッチメントの取り付け部20の他の変形例を示す。図48の取り付け部20は、円周方向へ約180°の延長部を有するクランプ装置22を含む。このようなクランプ装置22は、非常に大きな領域にわたって、車両ホイールのリムフランジ10との接触を可能にする。その他の点は、図48の実施形態における取り付け部20は、図15と同様の設計がなされている。
【0211】
図49は、トレッド部16との接触を改善するためにその軸方向外側に溝460を有する本発明によるクランプ装置を示す。
【0212】
図50は、本発明によるクランプ装置が1つ以上のコーティングを有することができることを示している。例えば、本発明によるクランプ装置22は、接着力を高めるように設計された接触面30の領域にコーティング470を有することができる。特に、この領域にはゴムコーティングが施されている。同様に接着力強化コーティング480を、後部グリップ部28の領域、特に保持部42の領域に設けることができ、このコーティングは同様に、特にゴムコーティングとして設計することができる。挿入部44の領域では、特に摩擦低減コーティング490を設けることができ、これは例えばテフロンコーティングとして特に実装することができる。挿入部44の領域のコーティングは、挿入部44の半径方向内側及び/又は半径方向外側に配置することができる。挿入部44のコーティングにより、特に後部グリップ部28の半径方向外側の上部を完全に覆うことができる。
【0213】
図51は、本発明によるアタッチメント14において、支持部105を軸方向内側に突出させて実装することができることを示す。図51の2つの図に示されているように、支持部105が突出部分480なしで設計されているが、トレッドコーティング104が代わりに軸方向内側に突出していると考えることもできる。しかしながら、軸方向内側に突出する部分480を備えた支持部105を使用することにより、特に高い安定性が得られる。
【0214】
図52は、電気駆動装置を中央に配置することもでき、いくつかのクランプ装置22を運動連結方式で半径方向内側又は外側に移動できることを示している。図52の電気駆動装置440は、電気駆動装置440を介して半径方向内側又は半径方向外側にクランプ装置22をそれぞれ移動させることができる操作ノブ450として設計された駆動要素450を含む。
【0215】
図52では、電気駆動装置440は、図8のトランスミッション66と同様に設計することができるトランスミッション60を隠している。トランスミッション66は、電気ドライブ440によってもたされる回転運動を、例えば、図8と同様に、駆動要素68を介して、結合要素62の対応する回転運動に変換するように設計することができる。
【0216】
本発明によるアタッチメント14の電気駆動装置440に電力を供給するために、両方、例えば、ブーツの12Vプラグソケット、又はシガーライターの車両のオンボード電圧ネットワークを使用することができ、又は、例えば、電気エネルギー貯蔵装置、蓄電池、又は電池の外部電源を使用することができる。
【0217】
本発明によるアタッチメント14及び本発明によるクランプ装置22に関して、図53に示すように、クランプ装置22に関連し、それによりクランプ装置22が後方係合状態にあるかどうか、好ましくはクランプ装置22が想定位置でリムフランジ10と後方係合状態にあるかどうかを認識することができる特別な機械的表示装置600を提供することができ、特にこの表示装置600は、リムフランジ10の想定位置で後部グリップ部28の領域にクランプされ、リムフランジ10の後方で係合すると、リムフランジ10との接触によってこの位置から押し出され、好ましくは、これを超えてクランプ装置22の軸方向及び/又は半径方向外側に突出し、その方向から、リムフランジ10が後方で係合されているかどうかを認識できるようにした、ばね荷重要素610を具備する。表示装置600又はそのばね荷重要素610は、クランプ装置22に対して円周方向Uにずらして配置することもできる。図53に示すように、表示装置600又はそのばね荷重要素610は、クランプ装置22に統合することもできる。
【0218】
表示装置600のばね荷重要素610は、特にクランプ装置22の材料を通って延在することができる。特に、ばね荷重要素610の引張方向は、クランプ装置22の保持部42の向きに平行とすることができる。
【0219】
図54は、図22に示すものと同じ様に設計された本発明によるアタッチメントの実施形態を示す。図54に示す実施形態では、可動である取り付け部20の2つのセグメント77、78が互いの方向に相対的に張力をかけることができる。図54に示すように、結合手段62は、例えば、図22に示されたものと同様に構成されたトランスミッション66を介して回転可能とすることができ、それにより、牽引要素700は、結合手段62を介して半径方向Rに移動することができる。このため、ここでは、結合手段62は、雄ねじを有し、牽引要素700は、雌ねじを有する。第1の可動セグメント77は、ばね710を介して、第2の可動セグメント78の方向に牽引要素700から離れるように張力がかけられている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
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図17
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