(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-19
(45)【発行日】2023-05-29
(54)【発明の名称】不動産費用の保証システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/08 20120101AFI20230522BHJP
G06Q 50/16 20120101ALI20230522BHJP
G06Q 30/012 20230101ALI20230522BHJP
【FI】
G06Q40/08
G06Q50/16
G06Q30/012
(21)【出願番号】P 2022078728
(22)【出願日】2022-05-12
【審査請求日】2022-09-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520099106
【氏名又は名称】ほっと保証株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100216286
【氏名又は名称】篠崎 史典
(72)【発明者】
【氏名】東村 健司
【審査官】田上 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-026414(JP,A)
【文献】特開2007-079752(JP,A)
【文献】特開2005-128728(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保証会社用電子端末(A)と管理サーバ(B)とがネットワークを介して接続された、不動産費用の保証システムであって、
前記保証会社用電子端末(A)は、
保証対象項目情報を入力する保証対象入力部(A1)と、
入力された保証対象項目情報を管理サーバ(B)に送信する送信部(A2)と有し、
前記管理サーバ(B)は、
標準保証項目を保証するための保証金の金額情報(M1)、特別保証項目を保証するための保証金の金額情報(M2)および保証項目ごとに紐づけられた保証予定の保証金額を記憶した保証金プール情報記憶部(B1)と、
送信部(A2)により送信された保証対象項目情報を受信するための受信部(B2)と、
当該受信された保証対象項目情報が、標準保証項目に該当するかを判断する判断部(B3)と、
当該判断部(B3)で保証項目が標準保証項目であると判断されなかった場合、保証予定の保証金額および金額情報(M2)の
、保証後の金額情報である残金情報を保証会社用電子端末(A)に送信する送信部(B4)とを有することを特徴とする不動産費用の保証システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不動産費用の保証システムに関し、より具体的には、不動産の賃貸契約において、迅速かつ適切に、保証内容の把握し、保証金額などを特定できるとともに、回収リスクに応じた保証原資を選択できることで倒産リスク低減と保証の充実化の両立が可能となる不動産費用の保証システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、賃貸契約などの不動産契約においては、月額賃料、管理費、駐車場代などの不払いや違約金の発生などによる貸主のリスク(倒産リスク)を低減するため、保証会社を仲介して保証契約を締結することが多い。
【0003】
ここで、保証内容、保証金額などの各種条件は、不動産価値、契約者(借主、貸主(加盟店))の属性、加盟店の申込件数などを考慮して、保証会社が審査をすることで決定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、借主が保証会社と保証契約を締結する際の審査には、内容によっては審査時間が長期化することもある上に、審査の結果により、保証範囲と倒産リスクとのバランスをとることが容易ではなかった。
たとえば、保証範囲が広く、可決率が高い場合、使い勝手がよいものの倒産リスクが高まるのに対して、保証範囲が狭い場合、保証そのものが十分でない(保証が充実していない)などといった二律背反の問題が生じている。
【0005】
本発明者は、このようなリスクコントロールの問題に着目し、回収率に基づいて、「標準保証項目」(回収率が高い項目)と「特別保証項目」(回収率が低い項目)とに分け、それぞれの項目の保証金プールを準備しておき、保証すべき事情が発生した場合、特定の手順で情報処理するITシステムにより、容易かつ迅速に、保証内容の把握し、保証金額などを特定できるとともに、回収リスクに応じた保証原資を選択できることで倒産リスク低減と保証の充実化を両立できることを見出した。
【0006】
すなわち、本発明は、不動産の賃貸契約において、迅速かつ適切に、保証内容の把握し、保証金額などを特定できるとともに、回収リスクに応じた保証原資を選択できることで倒産リスク低減と保証の充実化の両立が可能となる不動産費用の保証システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る不動産費用の保証システムは、保証会社用電子端末(A)と管理サーバ(B)とがネットワークを介して接続された、不動産費用の保証システムであって、
前記保証会社用電子端末(A)は、
保証対象項目情報を入力する保証対象入力部(A1)と、
入力された保証対象項目情報を管理サーバ(B)に送信する送信部(A2)と有し、
前記管理サーバ(B)は、
標準保証項目を保証するための保証限度額の金額情報(M1)、特別保証項目を保証するための保証枠の金額情報(M2)および保証項目ごとに紐づけられた保証予定の保証金額を記憶した保証金プール情報記憶部(B1)と、
送信部(A2)により送信された保証対象項目情報を受信するための受信部(B2)と、
当該受信された保証対象項目情報が、標準保証項目に該当するかを判断する判断部(B3)と、
当該判断部(B3)で保証項目が標準保証項目であると判断されなかった場合、保証予定の保証金額および保証枠情報(M2)の残金情報を保証会社用電子端末(A)に送信する送信部(B4)とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る不動産費用の保証システムによれば、不動産の賃貸契約において、保証すべき事情が発生した場合、迅速かつ適切に、保証内容の把握し、その保証金額などを特定できるとともに、回収リスクに応じた保証原資を選択できることで倒産リスク低減と保証の充実化の両立が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明に係る不動産費用の保証システムを説明するための概略図である。
【
図2】
図2は、本発明に不動産費用の保証システムにおける情報の処理を説明するためのフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る不動産費用の保証システムについて、図面を適宜参照しながら、詳細に説明する。なお、標準保証項目を保証するための保証限度額の金額情報(M1)および特別保証項目を保証するための保証限度額の金額情報(M2)を、以下、「保証枠」という。
【0011】
本発明の不動産費用の保証システムは、
図1に例示されるように、保証会社用電子端末Aと管理サーバBとがネットワークを介して接続されており、これらを必須構成要件とする。また、保証会社用電子端末Aと管理サーバB以外にも、必要に応じてその他の構成を有していてもよい。なお、ネットワークとしては、WIFIルータなどの中継通信機器や、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などの無線又は有線のインターネットネットワークが使用される。また、Wifi/有線LANが共に届かない時(有効に使用できない時)は、たとえば、3G/LTEモジュールを用いてもよい。
【0012】
保証会社用電子端末Aとしては、特に限定されるものではないが、たとえば、
図1に示されるように、スマートフォンやデスクトップ型パーソナルコンピュータが挙げられるが、その他にも、タブレット端末、携帯電話、PDA、ノート型PCなどが挙げられる。
【0013】
図示はしていないが、保証会社用電子端末Aは、保証対象項目情報を入力する保証対象入力部(A1)と、
入力された保証対象項目情報を管理サーバ(B)に送信する送信部(A2)と有する。ここで、保証対象入力部(A1)は、保証対象項目情報として、賃貸契約において生じた保証すべき事項(保証会社が代位弁済の対象となりうる事項)を入力するためのものであり、保証対象項目情報としては、具体的には、各種賃料や料金・手数料など金銭の不払い内容(例:月額賃料、管理費、駐車場代)や、不動産物件の破損などにより生じる原状回復費用、契約内容の違反(違約)に起因した解約違約金(例:短期解約違約金)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。当然、契約内容に依存して、保証対象項目情報が追加、削除、改変されてもよい。
【0014】
また、送信部(A2)は、管理サーバ(B)に入力された保証対象項目情報を送信するためのものである。
図2は、本発明のシステムの情報の処理手順を示すための図であるが、前記保証対象入力部(A1)および送信部(A2)において、付番S1で示される処理がなされる。
【0015】
一方、管理サーバBは、保証金プール情報記憶部(B1)を有し、当該保証金プール情報記憶部(B1)において、標準保証項目を保証するための保証限度額の金額情報(M1)、特別保証項目を保証するための保証枠の金額情報(M2)および保証項目ごとに紐づけられた保証予定の保証金額がデーターテーブルとして記憶されている。
【0016】
ここで、「標準保証項目」および「特別保証項目」(枠保証項目)は、それぞれ、保証内容を規定する契約の内容、保証内容の金額リスク・発生頻度などを考慮して、保証会社などが任意に規定(分類)することができる。たとえば、標準保証項目としては、基本的な保証項目であり、たとえば、月額賃料、管理費、駐車場代などの料金不払いに起因した保証項目が挙げられる。
【0017】
一方、たとえば、特別保証項目としては、標準保証項目と比べると発生頻度が少なく、あるいは発生した場合、重大な内容であるものを設定することが一般的である。たとえば、原状回復、解約に起因した保証項目が挙げられる。
【0018】
このように、「標準保証項目」および「特別保証項目」の内容が予め分類されており、それぞれ保証項目に対応するための金額情報が、それぞれ金額情報(M1)および金額情報(M2)として関連付けられている(紐づけられている)。
ここで、これらの金額情報は、たとえば、契約者が支払った保証料等に関する情報(例:入金額、保証枠)などである。
なお、「特別保証項目」(枠保証項目)については、契約者が、初回に支払った保証料に応じて、保証枠の組み入れ金額が変更されることが一般的である。さらに、加盟店などの属性と保証契約件数(実績数)を考慮して、上記額が変更され得る。
【0019】
図2の付番S2に示されるように、管理サーバBは、受信部(B2)において、保証会社用電子端末Aの送信部(A2)により送信された保証対象項目情報を受信する。
【0020】
次いで、付番S3に示されるように、受信された保証対象項目情報が、標準保証項目に該当するかを判断する判断部(B3)に供される。
【0021】
前記判断部(B3)においては、付番S3~S5に示されるように、当該受信された保証対象項目情報が、保証金プール情報記憶部(B1)のデーターテーブル(保証限度額情報(M1)、保証枠情報(M2)および保証項目ごとに紐づけられた保証予定の保証金額の関係データ)を参照して、まず標準保証項目に該当するかを判断し(付番S3)、保証内容が標準保証項目の内容に該当するか否かの判断結果を示す。
【0022】
ここで、保証内容が標準保証項目の内容に該当する場合(付番S5)、保証予定の保証金額が、望ましくは、当該保証金額とともに、保証後の金額情報(すなわち、残金情報)が、保証会社用電子端末Aに提示される。
【0023】
一方で、保証内容が標準保証項目の内容に該当しない場合、当然、保証内容が特別保証項目(枠保証)の内容に該当することになる(付番S4)。この場合も、保証予定の保証金額が、望ましくは、当該保証金額とともに、保証後の金額情報(すなわち、残金情報)が、保証会社用電子端末Aに提示される。
なお、保証金額などの情報は、送信部(B4)により保証会社用電子端末(A)に送信されることになる。
【0024】
また、本発明に係る不動産費用の保証システムは、上述のような構成要件の下、特定の情報処理がなされれば特に、その運用態様などは限定されない。たとえば、システムを起動する際に、保証会社用電子端末(A)の表示画面にパスワードやログインIDを要求するような仕様であってもよいし、判断部(B3)により保証内容とその保証金額が特定された時点、代位弁済が完了した時点など、各種手続の段階を表示するような仕様を採用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明によれば、不動産の賃貸契約において、迅速かつ適切に、保証内容の把握し、保証金額などを特定できるとともに、回収リスクに応じた保証原資を選択できることで倒産リスク低減と保証の充実化の両立が可能となる不動産費用の保証システムを提供できる。
【要約】 (修正有)
【課題】不動産の賃貸契約において、迅速かつ適切に、保証内容を把握し、保証金額などを特定できるとともに、回収リスクに応じた保証原資を選択できることで倒産リスク低減と保証の充実化の両立が可能となる不動産費用の保証システムを提供すること。
【解決手段】本発明に係る不動産費用の保証システムは、保証会社用電子端末(A)と管理サーバ(B)とがネットワークを介して接続された、不動産費用の保証システムであって、前記保証会社用電子端末(A)は、所定の保証対象入力部(A1)と送信部(A2)と有し、前記管理サーバ(B)は、所定の保証金プール情報記憶部(B1)と受信部(B2)判断部(B3)と送信部(B4)とを有することを特徴とする。
【選択図】
図1