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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-19
(45)【発行日】2023-05-29
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/511 20060101AFI20230522BHJP
   A61F 13/514 20060101ALI20230522BHJP
【FI】
A61F13/511 100
A61F13/511 400
A61F13/514 310
A61F13/514 320
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019102728
(22)【出願日】2019-05-31
(65)【公開番号】P2020049200
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2022-03-18
(31)【優先権主張番号】P 2018175051
(32)【優先日】2018-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】弁理士法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 了一
(72)【発明者】
【氏名】富田 美奈
(72)【発明者】
【氏名】幸田 拓也
【審査官】住永 知毅
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/051518(WO,A1)
【文献】特開平11-299829(JP,A)
【文献】特開2000-189454(JP,A)
【文献】特開2018-007954(JP,A)
【文献】特開2009-136349(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F13/511
A61F13/514
A61F13/515
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
凸部及び凹部を複数有する凹凸構造の表面シートと、裏面シートとを備え、着用者の前後方向に対応する長手方向及び該長手方向と直交する幅方向を有する吸収性物品であって、
前記長手方向の端部域が、少なくとも前記表面シート及び前記裏面シートから構成されており、
少なくとも一方の前記端部域において、前記表面シートにおける前記凸部が、前記裏面シートの端縁から長手方向の外方に延出しており、
前記凸部の長手方向外方への延出量が、幅方向側部域よりも、幅方向中央域の方が大きくなっている吸収性物品。
【請求項2】
前記表面シートが、着用者の肌側に位置する上層不織布と、着用者の肌から遠い側に位置する下層不織布とを接合した積層構造からなり、
前記凸部は、前記上層不織布が、該上層不織布と前記下層不織布とを接合する接合部以外の部位において該下層不織布から離間するように突出して形成されており、
前記上層不織布及び前記下層不織布は、それらの接合前における長手方向に沿う長さが、該下層不織布よりも該上層不織布の方が長く、
前記上層不織布が前記裏面シートの端縁から長手方向の外方に延出している、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記吸収性物品の平面視において、前記下層不織布の長手方向の端縁の位置と前記裏面シートの端縁の位置とが一致している、請求項2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記下層不織布は平坦な形状をしている、請求項2又は3に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記凸部は、前記上層不織布が、該上層不織布と前記下層不織布とを接合する接合部以外の部位において該下層不織布から離間するように突出することで、該上層不織布と該下層不織布との間に空間を有するように形成されており、
前記裏面シートの端縁において、前記凸部の空間が視認可能となっている、請求項2~4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記裏面シートの端縁における幅方向に沿う断面視において、前記凸部の空間の面積が、幅方向側部域よりも、幅方向中央域の方が大きくなっている、請求項5に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記裏面シートは、吸収体の非肌当接面に配された液難透過性のシートであり、
記裏面シートは、液難透過性の第1シートと、前記第1シートの非肌当接面に配された第2シートとを有する積層構造からなり、
前記第2シートは、第II凸部及び第II凹部を複数有する凹凸構造のものであり、
前記長手方向の端部域が、少なくとも前記裏面シートから構成されており、
少なくとも一方の前記端部域において、前記第2シートにおける前記第II凸部が、前記第1シートの端縁から長手方向の外方に延出している、請求項1~6のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項8】
なくとも一方の前記端部域において、前記表面シートにおける前記凸部が、前記第1シートの端縁から長手方向の外方に延出している、請求項に記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記凸部における前記第1シートの端縁から延出している部分の端と、前記第II凸部における前記第1シートの端縁から延出している部分の端とが係合している、請求項に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
吸収性物品の長手方向端縁に処理を施すことで、該物品の装着感を向上させる技術が知られている。例えば本出願人は先に、長手方向の前後の端部それぞれにおいて、表面シートが、吸収体及び裏面シートのいずれの端縁よりも外方に延出した延出部を有している吸収性物品を提案した(特許文献1参照)。この吸収性物品によれば、着用中において、吸収性物品の長手方向の前後の端部が肌に当たることによる違和感や不快感を低減できるという利点がある。
【0003】
特許文献2には、透液性表面シート及び裏面シートを吸収体の長手方向の端縁より外側に延在させ、長手方向の前後端部にそれぞれ、透液性表面シートを裏面シートの端縁より外側に延在させた外側延在部を設けた吸収性物品が開示されている。この吸収性物品によれば、裏面シートの端部が直接肌に当たらない構造となるので装着時の違和感が軽減されると、同文献には記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-100878号公報
【文献】特開2013-154016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、吸収性物品を一層快適に着用するために、該物品の端縁が肌に当たることによって生じる違和感や不快感を更に低減することが要求されている。
【0006】
したがって本発明の課題は、吸収性物品の端部域の端縁が肌に接触したとしても違和感や不快感を与えにくくすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、凸部及び凹部を複数有する凹凸構造の表面シートと、裏面シートとを備え、着用者の前後方向に対応する長手方向及び該長手方向と直交する幅方向を有する吸収性物品であって、
前記長手方向の端部域が、少なくとも前記表面シート及び前記裏面シートから構成されており、
少なくとも一方の前記端部域において、前記表面シートにおける前記凸部が、前記裏面シートの端縁から長手方向の外方に延出している吸収性物品を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、吸収性物品の端部域の端縁が肌に接触したとしても違和感や不快感を与えにくい吸収性物品が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の吸収性物品の一実施形態である展開型の使い捨ておむつを模式的に示す一部破断平面図である。
図2図2は、図1に示すエンドフラップ部の端縁の厚み方向の断面図である。
図3図3は、図1におけるIII-III線断面図である。
図4図4は、図1におけるIV-IV線断面図である。
図5図5は、本発明の別の実施形態である展開型の使い捨ておむつを非肌当接面側から視た状態を模式的に示す一部破断平面図である。
図6図6は、図5に示すエンドフラップ部の端縁の厚み方向の断面図である。
図7図7は、図5におけるVII-VII線断面図である。
図8図8は、本発明の更に別の実施形態である使い捨ておむつのエンドフラップ部においておむつ長手方向に沿って切断した状態を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の吸収性物品の一実施形態である展開型の使い捨ておむつの概略構成が示されている。同図に示すおむつ1は、着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる方向に相当する長手方向Xとこれに直交する幅方向Yとを有する縦長の形状をしている。おむつ1は、着用者の背側に配される背側領域1Aと着用者の腹側に配される腹側領域(図示せず)と、それらの間に位置する股下領域1Bとを有する。股下領域1Bは、おむつ1の着用時に着用者の排泄部に対向配置される排泄部対向部を有している。
【0011】
おむつ1は、図1に示すとおり、背側領域1Aの幅方向Yの両側縁及び腹側領域(図示せず)の幅方向Yの両側縁それぞれが股下領域1Bの幅方向Yの両側縁よりも幅方向Y外方に延出している。股下領域1Bの幅方向Yの両側縁は、幅方向Yの内方に向かって円弧状に湾曲しており、全体として長手方向Xの中央域が内方に括れた形状を有している。
【0012】
おむつ1は、図1に示すとおり、長手方向Xに長い液保持性の吸収体4と、該吸収体4の肌当接面に配される表面シート2と、該吸収体4の非肌当接面に配される裏面シート3とを具備している。表面シート2及び裏面シート3はそれぞれ、吸収体4の幅方向Yの両側縁及び長手方向Xの両端縁から外方に延出している。表面シート2及び裏面シート3はそれぞれ、吸収体4の周縁から外方に延出した延出部において互いに接合されており、吸収体4を挟持・固定している。表面シート2の長手方向Xに沿う左右両側それぞれには、表面シート2の肌当接面上に防漏カフを形成するサイドシート5が配され固定されている。
【0013】
本明細書において、肌当接面とは、吸収性物品の着用時に着用者の肌側に向けられる面、即ち相対的に着用者の肌に近い側であり、非肌当接面は、吸収性物品の着用時に肌側とは反対側に向けられる面、即ち相対的に着用者の肌から遠い側である。
【0014】
おむつ1は、図1に示すとおり、背側領域1A及び腹側領域(図示せず)に位置する長手方向Xの両端部域に、吸収体4の長手方向Xの端縁よりも外方に延出したエンドフラップ部1Eを有している。エンドフラップ部1Eは、幅方向Yに沿って延びる横長の領域である。エンドフラップ部1Eは、表面シート2及び裏面シート3を含む複数のシート材から構成されている。例えばエンドフラップ部1Eは、表面シート2、裏面シート3及びサイドシート5から構成されている。
【0015】
図1図4には、本実施形態で用いられる表面シート2の一例が示されている。これらの図に示す表面シート2は、着用時に着用者の肌側に向かって突出する凸部と、該凸部の間に配される凹部とを複数有する凹凸構造を有する。表面シート2は、着用者の肌側に位置する上層不織布21と、着用者の肌から遠い側に位置する下層不織布22とを複数の接合部23において互いに接合した積層構造となっている。上層不織布21は、接合部23以外の部位において下層不織布22から離れる方向に突出する凸部24を多数形成している。隣り合う凸部24間に位置する接合部23は、凹凸構造を有する表面シート2の凹部の底部を形成している。その結果、表面シート2の肌当接面を形成する上層不織布21には、凹凸構造が形成されている。
【0016】
一方、表面シート2における下層不織布22は、図2図4に示すとおり、略平坦な形状をしている。このことは、表面シート2のクッション性を維持しつつ、おむつ1の厚みが過度に大きくならないことに寄与する。下層不織布22の長手方向Xは、その端縁22eの位置が、図1図2及び図3に示すとおり、背側領域1A及び腹側領域(図示せず)のエンドフラップ部1Eを構成するシート材のうち、裏面シート3の長手方向Xの端縁e1の位置と一致している。端縁e1とは、裏面シート3及びサイドシート5の端縁の位置が一致している場合においても、裏面シート3及びサイドシート5の端縁の位置が一致していない場合においても、裏面シート3の端縁のことをいう。
【0017】
表面シート2における上層不織布21においては、図1に示すとおり、該上層不織布21に形成された凸部24が、背側領域1A及び腹側領域(図示せず)における裏面シート3の端縁e1から長手方向Xの外方に延出している。したがって、おむつ1のエンドフラップ部1Eに着目すると、該端部域を構成するシート材のうち、表面シート2の上層不織布21が長手方向Xの最も外方に位置している。このような構成を採用することによって、本実施形態のおむつ1は、その着用中にエンドフラップ部1Eが肌に接触したとしても、端縁e1から延出した凸部24がクッションとなり、接触に起因する違和感や不快感を与えにくくなっている。
【0018】
凸部24は、図2図4に示すとおり、上層不織布21が接合部23以外の部位において下層不織布22から離間するように突出することで、上層不織布21と下層不織布22との間に空間を有するように形成されている。また、図2に示すとおり、端縁e1は、背側領域1A及び腹側領域(図示せず)において、該端縁e1を幅方向に沿って視たとき、凸部24の空間が視認可能となっている。つまり表面シート2は、凸部24の内部に空間を有する中空構造を有している。このことに起因して、表面シート2は通気性が高く、また肌に対するクッション性が高いものである。
【0019】
表面シート2は、図2に示すとおり、中央域2C及び該中央域2Cの両側に位置する一対の側部域2S,2Sから構成されている。中央域2Cは、おむつ1の幅方向Yの中央部に位置し、且つおむつ1の長手方向Xに沿って延びている。各側部域2S,2Sは、中央域2Cに隣接し、且つおむつ1の長手方向Xに沿って延びている。側部域2Sは、図1に示すとおり、サイドシート5と重なる位置に形成されている。
【0020】
凸部24は、図1に示すとおり、中央域2Cに配された複数の第1凸部41と、側部域2Sに配された複数の第2凸部42とから構成されている。第1凸部41と第2凸部42とは、それらの高さが同一であるか又は異なっていてもよい。高さが異なっている場合には、第1凸部41が、第2凸部42よりも高くなっていることが好ましい。こうすることで、第1凸部41の長手方向X外方への延出量を、第2凸部42の長手方向X外方への延出量よりも大きくすることが容易となる。その結果、おむつ1の着用中に生じる着用者の腹囲変動によって摩擦が上昇し易い着用者の腹側領域でのクッション性が一層向上する。また背側領域1Aにおいても、エンドフラップ部1Eが着用者の肌に接触した場合の違和感や不快感が一層低減される。本実施形態においては、端縁e1の全域から凸部24が延出していることが、着用者の肌に接触したときの違和感や不快感を与えにくい観点から特に好ましいが、端縁e1の全域から凸部24が延出していることは要しない。
【0021】
図3及び図4に示すとおり、第1凸部41と第2凸部42とを比較すると、第1凸部41の空間の面積が、第2凸部42の空間の面積よりも大きくなっている。空間の面積とは、背側領域1A及び腹側領域(図示せず)における裏面シート3の端縁e1を、幅方向に沿う断面視したときの面積である。このように構成することで、おむつ1の着用中に生じる着用者の腹囲変動によって摩擦が上昇し易い着用者の腹側領域でのクッション性が一層向上する。また背側領域1Aにおいても、エンドフラップ部1Eが着用者の肌に接触した場合の違和感や不快感が一層低減される。
【0022】
上述した本発明の有利な効果が一層奏されるようにする観点から、第2凸部42の高さL2(図4参照)に対する第1凸部41の高さL1(図3参照)の比率であるL2/L1の値は、好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.5以上、そして、好ましくは1.0未満、更に好ましくは0.8以下である。第1凸部41の高さL1そのものは、好ましくは0.7mm以上、更に好ましくは1.0mm以上、そして、好ましくは3.0mm以下、更に好ましくは2.0mm以下である。一方、第2凸部42の高さL2そのものは、好ましくは0.5mm以上、更に好ましくは0.7mm以上、そして、好ましくは2.0mm以下、更に好ましくは1.5mm以下である。凸部41,42の高さは、以下に述べる方法で測定する。
【0023】
<表面シート2の凸部41,42の高さの測定方法>
測定対象の表面シート2をその幅方向に沿って鋭利なカミソリで切断する。その後、その切断面を観察して、該表面シート2の無荷重下での肌当接面における凸部24の頂点での高さを測定する。表面シート2の切断面の観察手段は、特に制限されず、肉眼でもよく、光学顕微鏡を用いてもよい。光学顕微鏡を用いる場合は、例えばマイクロスコープ(KEYECE社製VHX-100)用いて20~100倍の倍率で観察できる。
【0024】
着用中の表面シート2の肌触りを向上させる観点から、平面視において、個々の第1凸部41の面積は、好ましくは5mm以上、更に好ましくは10mm以上であり、そして、好ましくは30mm以下、更に好ましくは25mm以下である。一方、個々の第2凸部42の面積は、好ましくは1mm以上、更に好ましくは3mm以上であり、そして、好ましくは20mm以下、更に好ましくは10mm以下である。
【0025】
同様の観点から、第1凸部41は、端縁e1から、2mm以上延出していることが好ましく、3mm以上延出していることが更に好ましく、そして、10mm以下延出していることが好ましく、5mm以下延出していることが更に好ましい。また、第2凸部42は、端縁e1から、1mm以上延出していることが好ましく、2mm以上延出していることが更に好ましく、そして、5mm以下延出していることが好ましく、3mm以下延出していることが更に好ましい。凸部41,42の延出部分の長さは、以下の方法で測定する。
【0026】
<凸部24の延出部分の長さの測定方法>
背側領域1A及び腹側領域(図示せず)における端部域を、吸収性物品の長手方向に沿って鋭利なカミソリで切断する。その切断面を観察し、無荷重下において、端縁e1からの凸部24延出部分の長さを測定する。切断面は、光学顕微鏡を用いて観察する。光学顕微鏡としては、例えばKEYECE社製のVHX-100を用いることができる。測定倍率は20~100倍とする。
【0027】
以上のような構成の表面シート2は、例えば特開2005-111908号公報の図2に記載の装置を用いて製造できる。この装置においては、周面が互いに噛み合い形状となっている第1ロールと第2ロールとが、噛み合い状態で配置されている。更にこの装置は、第1ロールの周面に当接するように配置されたアンビルロールを有している。この装置を用い、帯状の上層不織布21を、第1ロールと第2ロールとの間に供給して、上層不織布21を凹凸形状に変形させる。この場合、クッション性に富んだ凸部24を形成する観点から、上層不織布21が凹凸形状に変形して長さが短くなることを見込んで、上層不織布21を下層不織布22よりも高速で供給することが好ましい。その後、上層不織布21を第1ロールの周面部に沿わせて噛み合い部分から移動させた後、凹凸形状の上層不織布21に帯状の下層不織布22を重ね合わせるように供給して両シートを、第1ロールにおける凸部とヒートロールとの間で加熱下に挟圧する。この挟圧によって、上層不織布21と下層不織布22とが部分的に接合されることにより表面シート2が得られる。このようにして得られた表面シート2においては、上層不織布21の供給量が下層不織布22の供給量よりも多いことに起因して、上層不織布21及び下層不織布22は、それらの接合前における搬送方向に沿う長さが、下層不織布22よりも上層不織布21の方が長くなる。凸部24が第1凸部41及び第2凸部42を有する場合には、凹凸形状に変形させる際に、上層不織布21の幅方向の中央部と側部とで、第1ロール及び第2ロールの凹凸形状、及び第1ロールとヒートロールで形成する接合部のパターンを異ならせることにより形成できる。
【0028】
上述したおむつ1は、いわゆる縦流れ方式の展開型の使い捨ておむつの製造装置を用いて製造することができる。具体的には、一方向に搬送される帯状の裏面シート3上に、吸収体4を搬送方向に沿って間欠的に配置する。吸収体4を配した裏面シート3上に、裏面シート3と同方向に搬送される帯状の表面シート2を重ね合わせるように供給する。帯状の表面シート2は、その一面に凹凸構造を有し、該凹凸構造を有する面が吸収体4と反対側を向くように、吸収体4上に配置される。重ね合わされた表面シート2と吸収体4との間、吸収体4と裏面シート3との間、及び表面シート2と裏面シート3との間を固定しておむつ1の連続体を形成する。おむつ1が防漏カフを備えている場合には、表面シート2を裏面シート3上に重ね合わせる前に、表面シート2の両側部に帯状のサイドシート5,5を固定することが好ましい。そして、搬送方向に隣り合う吸収体4の間で、公知の切断手段を用い、目的とするおむつ1の寸法になるように、おむつ1の連続体をその幅方向にわたり切断する。これによって、目的とするおむつ1が製造される。おむつ1の連続体を切断するときには、該連続体に加わる搬送方向への張力を通常よりも高くすることが好ましい。また、おむつ1の連続体の切断位置は、表面シート2における上層不織布21と下層不織布22との接合部分とすることが好ましい。このような条件で切断を行うことで、表面シート2の凸部を、エンドフラップ部1Eの端縁e1から外方に容易に延出させることができる。なお、先に述べたとおり上層不織布21が凹凸形状に変形することを見込んで、上層不織布21の長さを下層不織布22よりも長くしているので、おむつ1の連続体の搬送時に通常よりも高い張力を加えても、上層不織布21に形成されている凸部24が潰れにくくなる。その結果、凸部24の延出量を十分に確保することができる。
【0029】
以上のおむつ1の表面シート2を構成する上層不織布21及び下層不織布22としては、例えばエアスルー不織布、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、メルトブローン不織布、レジンボンド不織布、ニードルパンチ不織布などが挙げられる。これらの不織布を2種以上組み合わせた積層体や、これらの不織布とフィルム等とを組み合わせた積層体を用いることもできる。これらのなかでも、エアスルー不織布又はスパンボンド不織布を用いることが好ましい。不織布の坪量は、好ましくは10g/m以上、より好ましくは15g/m以上であり、また好ましくは40g/m以下、より好ましくは35g/m以下である。上層不織布21及び下層不織布22を構成する不織布の種類は同じでもよく、あるいは異なっていてもよい。
【0030】
裏面シート3及びサイドシート5としては、例えば液難透過性のフィルムやスパンボンド・メルトブローン・スパンボンド積層不織布などを用いることができる。吸収体4は、吸収性コアを備えている。吸収性コアは例えばパルプを始めとするセルロース等の親水性繊維の積繊体、該親水性繊維と吸収性ポリマーとの混合積繊体、吸収性ポリマーの堆積体、2枚の吸収性シート間に吸収性ポリマーが担持された積層構造体などから構成される。吸収性コアは、少なくともその肌当接面が液透過性のコアラップシートで覆われていてもよく、あるいは肌当接面及び非肌当接面を含む表面の全域がコアラップシートで覆われていてもよい。コアラップシートとしては、例えば親水性繊維からなる薄葉紙や、液透過性を有する不織布などを用いることができる。
【0031】
次に本発明を、その好ましい別の実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図5には、別の実施形態である展開型の使い捨ておむつの概略構成が示されている。同図に示すおむつ1においては、裏面シート3は、液難透過性の第1シート31と、第1シート31の非肌当接面に配された第2シート32とを有する積層構造となっている。
【0032】
第1シート31は、図5図7に示すとおり、略平坦な形状をしている。第1シート31としては、液難透過性のフィルムなどを用いることができる。第2シート32としては、エアスルー不織布、スパンボンド不織布等の不織布を用いることができる。
【0033】
第2シート32は、図5及び図6に示すとおり、第II凸部33及び第II凹部34を複数有する凹凸構造のものである。図5及び図6に示す実施形態では、第II凸部33は、第1シート31の非肌当接面から外方に向けて突出し、且つ長手方向Xに延びる畝状となっている。第II凸部33において第1シート31と第2シート32とで画成される領域は中空となっている。第II凹部34は、幅方向Yに隣り合う畝形状の第II凸部33,33間に形成され、且つ長手方向Xに延びて形成されている。その結果、第2シート32は、畝溝形状となっている。第2シート32は、溝状の第II凹部34が配されている部位において、接着剤(図示せず)を介して第1シート31に接着されている。
【0034】
図5図7に示すおむつ1においては、背側領域1A及び腹側領域(図示せず)に位置する長手方向X両端部域のエンドフラップ部1Eは、表面シート2、裏面シート3及びサイドシート5から構成されている。同図に示すおむつ1においては、裏面シート3における第1シート31の長手方向X端縁e1の位置が、サイドシート5及び表面シート2の端縁の位置と一致している。同図に示すおむつ1において、端縁e1とは、第1シート31、表面シート2及びサイドシート5の端縁の位置が一致している場合においても、一致していない場合においても、第1シート31の端縁のことをいう。
【0035】
図5図7に示すおむつ1においては、図7に示すとおり、裏面シート3における第2シート32の第II凸部33が、背側領域1A及び腹側領域(図示せず)における第1シート31の端縁e1から長手方向Xの外方に延出している。したがって、おむつ1のエンドフラップ部1Eに着目すると、該端部域を構成するシート材のうち、第2シート32が長手方向Xの最も外方に位置している。このような構成を採用することによって、同図に示すおむつ1は、その着用中にエンドフラップ部1Eが肌に接触したとしても、端縁e1から延出した第II凸部33がクッションとなり、接触に起因する違和感や不快感を与えにくくなっている。
【0036】
上述した効果が一層奏されるようにする観点から、第II凸部33の高さは、好ましくは0.2mm以上、更に好ましくは0.4mm以上、そして、好ましくは3mmm以下、更に好ましくは2mm以下である。第II凸部33の高さは、上述した凸部41,42の高さと同じ方法で測定される。同様の観点から、第II凸部33は、端縁e1から、1mm以上延出していることが好ましく、3mm以上延出していることが更に好ましく、そして、10mm以下延出していることが好ましく、5mm以下延出していることが更に好ましい。第II凸部33の延出部分の長さは、上述した凸部41,42の延出部分の長さと同じ方法で測定される。
【0037】
上述した第2シート32の畝溝形状は、例えば、張力が付与された一方のシートの一面に接着剤を帯状かつ複数条塗布したあと、該一方のシートよりも高い張力が付与された他方のシートを、該一方のシートの接着剤塗布面に積層して貼り合わせシートとし、然る後に、貼り合わせシートに付与される張力を他方のシートに付与された張力よりも低くすることによって、形成することができる。
【0038】
おむつ1を構成する第1シート31及び第2シート32を例にとり詳細に説明すると、まず、長尺帯状の第2シート32の一方の面に対して、第2シート32の搬送方向に延びるように、好ましくは第2シート32の搬送方向に沿う方向に延びるように、接着剤を帯状かつ複数条塗布する。つまり、第2シート32には、接着剤が付着した塗布部(接合領域)と、接着剤が付着していない非塗布部とが、第2シート32の搬送方向と交差する方向に、好ましくは第2シート32の搬送方向と直交する方向に交互に形成される。
【0039】
次いで、第2シート32に対して搬送方向と同一方向に張力を付与した状態で、同一方向に搬送している長尺帯状の第1シート31に貼り合わせる。このとき、第2シート32に付与する張力は、第1シート31の搬送時における張力よりも高い高張力状態とする。その後、貼り合わせた積層シートに付与される張力を、第1シート31の搬送時における張力と同じになるようにして、下流の工程に搬送する。
【0040】
積層シートの形成後において第2シート32に付与される張力は、積層シートの形成前に付与されている張力よりも低くなるので、第2シート32に対する高張力状態が解除される。これによって、第2シート32の幅が幅方向Yに広がるように回復するとともに、非塗布部に位置する第2シート32が、第1シート31から離間するように突出して、接着剤の塗布方向に沿って延びる畝状の第II凸部33となる。また、接着剤の塗布部は、第1シート31から離間せずに固定されるので、塗布部が接着剤の塗布方向に沿って延びる溝状の第II凹部34となる。このようにして、畝溝形状の第2シート32が形成される。
【0041】
なお第2シート32が複数枚のシートから構成されているときには、例えば、第2シート32におけるおむつ1の肌対向面側を構成する内層側シートに対して接着剤を帯状かつ複数条塗布して、次いで、該内層側シートと、高張力状態とした他方のシートとを貼りつける。その後、他方のシートの高張力状態を解除して、他方のシートに畝溝形状を形成すればよい。少なくとも他方のシートにはエアスルー不織布を用いることが好ましい。
【0042】
図5図7に示すおむつ1は、上述した図1に示すおむつ1と同様に、縦流れ方式の展開型の使い捨ておむつの製造装置を用いて製造することができる。即ち、畝状の第II凸部33及び溝状の第II凹部34の延びる方向が裏面シート3の搬送方向に一致する帯状の裏面シート3を用意する。そして搬送される帯状の裏面シート3の第1シート31上に、吸収体4を搬送方向に沿って間欠的に配置する。吸収体4は、第1シート31における第2シート32が配された面とは反対側の面上に配置される。吸収体4を配した裏面シート3上に、裏面シート3と同方向に搬送される帯状の表面シート2を重ね合わせるように供給する。重ね合わされた表面シート2と吸収体4との間、吸収体4と裏面シート3との間、及び表面シート2と裏面シート3との間を固定しておむつ1の連続体を形成する。そして、搬送方向に隣り合う吸収体4の間で、公知の切断手段を用い、目的とするおむつ1の寸法になるように、おむつ1の連続体をその幅方向にわたり切断する。これによって、目的とするおむつ1が製造される。おむつ1の連続体を切断するときには、該連続体に加わる搬送方向への張力を通常よりも高くすることが好ましい。このような条件で切断を行うことで、第2シート32の第II凸部33を、エンドフラップ部1Eの端縁e1から外方に容易に延出させることができる。
【0043】
次に図8には、本発明の更に好ましい別の実施形態である展開型の使い捨ておむつの要部概略構成が示されている。同図に示すおむつ1においては、裏面シート3が第1シート31と第2シート32とを有する積層構造となっている。それに加えて、表面シート2が、凸部24を有する上層不織布21と下層不織布22とを有する積層構造となっている。同図に示すおむつ1においては、エンドフラップ部1Eは、表面シート2、裏面シート3及びサイドシート5から構成されている。同図に示すおむつ1においては、裏面シート3における第1シート31の長手方向X端縁e1の位置が、表面シート2における下層不織布22の端縁22e及びサイドシート5の端縁の位置と一致している。
【0044】
図8に示すおむつ1においては、裏面シート3における第2シート32の第II凸部33が、背側領域1A及び腹側領域(図示せず)における第1シート31の端縁e1から長手方向Xの外方に延出している。それに加えて表面シート2における上層不織布21の凸部24が、第1シート31の端縁e1から長手方向Xの外方に延出している。このような構成を採用することによって、同図に示すおむつ1は、その着用中にエンドフラップ部1Eが肌に接触したとしても、端縁e1から延出した凸部24及び第II凸部33がクッションとなり、接触に起因する違和感や不快感を与えにくくなっている。また見栄えを良くする観点から、同図に示すとおり、凸部24における端縁e1から延出している部分の端24eと、第II凸部33における端縁e1から延出している部分の端33eとが係合していることが好ましい。この係合は、肌触りの観点から、融着接合ではなく圧着であることが好ましい。
【0045】
以上、本発明をその実施形態に基づいて説明したが、本発明は、前記実施形態に制限されることなく適宜変更が可能である。
例えば、前記実施形態においては、上層不織布21及び下層不織布22の2枚の不織布を用いて表面シート2に凹凸構造を形成したが、これに代えて、1枚の不織布のみで凹凸構造を形成してもよい。
【0046】
また、前記実施形態で用いた表面シート2は、散点状に複数の凸部24が形成された凹凸構造を有するものであるが、これに代えて例えば特開平8-302555公報に記載の表面シートのように、表面シートの肌当接面側に、一方向に延びる畝部と溝部とを交互に形成した凹凸構造を有するものであってもよい。
【0047】
また、前記実施形態で用いた表面シート2における凸部24は、第1凸部41及び第2凸部42の2種の凸部を有しているが、これに代えて、凸部24は単一の高さのもののみであってもよいし、ランダムな高さのものであってもよい。単一の高さの凸部としては、高さが同一で且つ凸部の空間の面積が同じ形態のもののみならず、高さが同一で且つ凸部の空間の面積が異なる形態のものも挙げられる。
【0048】
また、前記実施形態では、凸部24が、背側領域1A及び腹側領域(図示せず)それぞれの裏面シート3及びサイドシート5の長手方向Xの端縁e1から外方に延出しているが、背側領域1A及び腹側領域(図示せず)の少なくとも一方の端縁e1から外方に延出していればよい。
【0049】
以上の構成を有する本発明の吸収性物品としては、展開型の使い捨ておむつ以外に、例えばパンツ型の使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁パッド等が挙げられるが、これらに限られない。
【0050】
前述した本発明の実施形態に関し、更に以下の吸収性物品を開示する。
<1>
凸部及び凹部を複数有する凹凸構造の表面シートと、裏面シートとを備え、着用者の前後方向に対応する長手方向及び該長手方向と直交する幅方向を有する吸収性物品であって、
前記長手方向の端部域が、少なくとも前記表面シート及び前記裏面シートから構成されており、
少なくとも一方の前記端部域において、前記表面シートにおける前記凸部が、前記裏面シートの端縁から長手方向の外方に延出している吸収性物品。
<2>
前記表面シートが、着用者の肌側に位置する上層不織布と、着用者の肌から遠い側に位置する下層不織布とを接合した積層構造からなり、
前記凸部は、前記上層不織布が、該上層不織布と前記下層不織布とを接合する接合部以外の部位において該下層不織布から離間するように突出して形成されており、
前記上層不織布及び前記下層不織布は、それらの接合前における長手方向に沿う長さが、該下層不織布よりも該上層不織布の方が長く、
前記上層不織布が前記裏面シートの端縁から長手方向の外方に延出している、前記<1>に記載の吸収性物品。
<3>
前記吸収性物品の平面視において、前記下層不織布の長手方向の端縁の位置と前記裏面シートの端縁の位置とが一致している、前記<2>に記載の吸収性物品。
<4>
前記下層不織布は略平坦な形状をしている、前記<2>または<3>に記載の吸収性物品。
<5>
前記凸部は、前記上層不織布が、該上層不織布と前記下層不織布とを接合する接合部以外の部位において該下層不織布から離間するように突出することで、該上層不織布と該下層不織布との間に空間を有するように形成されており、
前記裏面シートの端縁において、前記凸部の空間が視認可能となっている、前記<2>~<4>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<6>
前記裏面シートの端縁における幅方向に沿う断面視において、前記凸部の空間の面積が、幅方向側部域よりも、幅方向中央域の方が大きくなっている、前記<5>に記載の吸収性物品。
<7>
前記凸部の長手方向外方への延出量が、幅方向側部域よりも、幅方向中央域の方が大きくなっている、前記<1>~<6>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<8>
前記吸収性物品が腹側領域、背側領域及び、前記腹側領域と前記背側領域との間に股下領域を備え、前記腹側領域または前記背側領域の少なくとも一方において前記表面シートにおける前記凸部が、裏面シートの端縁から長手方向の外方に延出している前記<1>~<7>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<9>
前記吸収性物品が腹側領域、背側領域及び、前記腹側領域と前記背側領域との間に股下領域を備え、前記腹側領域及び前記背側領域の双方において前記表面シートにおける前記凸部が、裏面シートの端縁から長手方向の外方に延出している前記<1>~<8>のいずれか1に記載の吸収性物品。
【0051】
<10>
吸収体の非肌当接面に配された液難透過性の裏面シートを備え、着用者の前後方向に対応する長手方向及び該長手方向と直交する幅方向を有する吸収性物品であって、
前記裏面シートは、液難透過性の第1シートと、前記第1シートの非肌当接面に配された第2シートとを有する積層構造からなり、
前記第2シートは、第II凸部及び第II凹部を複数有する凹凸構造のものであり、
前記長手方向の端部域が、少なくとも前記裏面シートから構成されており、
少なくとも一方の前記端部域において、前記第2シートにおける前記第II凸部が、前記第1シートの端縁から長手方向の外方に延出している吸収性物品。
<11>
前記吸収性物品は、凸部及び凹部を複数有する凹凸構造の表面シートを備え、
前記長手方向の端部域が、少なくとも前記表面シート及び前記裏面シートから構成されており、
少なくとも一方の前記端部域において、前記表面シートにおける前記凸部が、第1シートの端縁から長手方向の外方に延出している、前記<10>に記載の吸収性物品。
<12>
前記凸部における前記第1シートの端縁から延出している部分の端と、前記第II凸部における前記第1シートの端縁から延出している部分の端とが係合している、前記<10>又は<11>に記載の吸収性物品。
【符号の説明】
【0052】
1 展開型の使い捨ておむつ(吸収性物品)
2 表面シート
21 上層不織布
22 下層不織布
23 接合部
24 凸部
41 第1凸部
42 第2凸部
3 裏面シート
1E エンドフラップ部
e1 端縁
31 第1シート
32 第2シート
33 第II凸部
34 第II凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8