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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-19
(45)【発行日】2023-05-29
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F24F 6/00 20060101AFI20230522BHJP
   F24F 13/20 20060101ALI20230522BHJP
【FI】
F24F6/00 A
F24F13/20
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020535805
(86)(22)【出願日】2019-08-06
(86)【国際出願番号】 JP2019030957
(87)【国際公開番号】W WO2020032054
(87)【国際公開日】2020-02-13
【審査請求日】2022-03-23
(31)【優先権主張番号】P 2018151490
(32)【優先日】2018-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】山田 慶太郎
(72)【発明者】
【氏名】山口 晃広
(72)【発明者】
【氏名】中村 芳紀
【審査官】渡邉 聡
(56)【参考文献】
【文献】実開平04-120537(JP,U)
【文献】特開2001-033061(JP,A)
【文献】特開2010-019527(JP,A)
【文献】特開2002-250539(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 6/00
F24F 13/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯水トレイと、
前記貯水トレイを収納する収納部を有する本体と、を備えた空気調和機であって、
前記貯水トレイにおける第1面に第1係止部が設けられており、
前記収納部のうち、前記貯水トレイを収納したときに当該貯水トレイの前記第1面と対向する第2面に直接又は他の部材を介して第2係止部が設けられており、
前記第1係止部及び前記第2係止部は、
前記収納部における前記貯水トレイの設置面に当該貯水トレイを接触させた状態で、前記貯水トレイを引き出し方向に引き出すと互いに係わり合わず、前記設置面から前記貯水トレイを浮かせた状態で引き出し方向に引き出すと、互いに係わり合うことで当該貯水トレイの引き出しを停止させることを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
前記貯水トレイにおける前面には、取手部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
平面視において、前記第2係止部は、前記貯水トレイが前記収納部に収納された状態から前記引き出し方向に引き出される際に前記第1係止部が移動する経路上に位置するように設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記第1面は、前記貯水トレイの上面であり、
前記第2面は、前記収納部の天面であり、前記第2係止部は、当該天面に設けられていることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の空気調和機。
【請求項5】
前記第1面は前記貯水トレイの側面であり、
前記第2面は前記収納部の側面であり、当該収納部の側面にはガイドレールが設けられており、
前記第2係止部は、前記ガイドレールに設けられていることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の空気調和機。
【請求項6】
前記第1係止部と、前記第2係止部とは、
突出した形状同士の組み合わせ、又は、一方が突出した形状であり他方が凹んだ形状の組合せであることを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の空気調和機。
【請求項7】
前記第1係止部は突出した形状であり、
前記第2係止部は前記ガイドレールに設けられた貫通孔であることを特徴とする請求項5に記載の空気調和機。
【請求項8】
前記第1係止部及び前記第2係止部は、突出した形状であり、それぞれ、
前記収納部における前記貯水トレイの設置面に当該貯水トレイを接触させた状態で、前記貯水トレイを引き出し方向に引き出すと互いに接触せず、前記設置面から前記貯水トレイを浮かせた状態で引き出し方向に引き出すと、互いに接触することで当該貯水トレイの引き出しが停止する高さであることを特徴とする請求項6に記載の空気調和機。
【請求項9】
前記第1係止部は突出した形状であり、当該第1係止部において、頭頂面と、引き出し方向前方側の側面とが成す角は湾曲形状であることを特徴とする請求項6又は8に記載の空気調和機。
【請求項10】
前記第1係止部は突出した形状であり、当該第1係止部において、頭頂面と、引き出し方向後方側の側面とが成す角は湾曲形状であることを特徴とする請求項6、8及び9の何れか1項に記載の空気調和機。
【請求項11】
前記第1係止部は突出した形状であり、当該第1係止部において、引き出し方向前方側の側面は、前記第1面側から頭頂面側にかけて、引き出し方向前方側となるように傾斜していることを特徴とする請求項6、8~10の何れか1項に記載の空気調和機。
【請求項12】
前記第2係止部は突出した形状であり、当該第2係止部において、頭頂面と、引き出し方向前方側の側面とが成す角は湾曲形状であることを特徴とする請求項6、8~11の何れか1項に記載の空気調和機。
【請求項13】
前記第2係止部は突出した形状であり、当該第2係止部において、引き出し方向後方側の側面と、前記第2面とが成す角は90°であることを特徴とする請求項6、8~12の何れか1項に記載の空気調和機。
【請求項14】
前記本体には、当該収納部に収納された前記貯水トレイが有する前記取手部とは対象となる位置に、別の取手部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の加湿機能付空気洗浄機は、本体における、上部側に空気洗浄ユニットが設けられ、下部側に加湿ユニットが設けられている。この加湿ユニットには、給水トレイが収納されたトレイ部が設けられている。トレイ部の前面下部には、取手部が設けられている。これにより、ユーザは、給水トレイに給水する際、取手部を持って引っ張ることで、トレイ部を本体部から引き出すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】日本国公開特許公報「特開2008‐25899号公報」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に係る加湿機能付空気洗浄機は、ある程度の大きさ及び重さを有するため、本体をユーザが持ち上げるための持ち手が必要となる。しかし、当該加湿機能付空気洗浄機に持ち手を設けるにはその持ち手を設けるためのスペースが必要となるため、本体を持ち上げるための持ち手を取手部とは別に設けると、本体が大きくなってしまう一因となる。
【0005】
また、特許文献1に係る加湿機能付空気洗浄機に持ち手を設けず、ユーザがトレイ部に設けられた取手部を持って本体を持ち上げた場合、誤って、トレイ部が本体から抜けてしまい、本体を落下させてしまう等の問題が生じる場合がある。
【0006】
本発明の一態様は、大型化を防止して、空気調和機本体を持ち上げる際のユーザビリティの向上を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る空気調和機は、貯水トレイと、前記貯水トレイを収納する収納部を有する本体と、を備えた空気調和機であって、前記貯水トレイにおける第1面に第1係止部が設けられており、前記収納部のうち、前記貯水トレイを収納したときに当該貯水トレイの前記第1面と対向する第2面に直接又は他の部材を介して第2係止部が設けられており、前記第1係止部及び前記第2係止部は、前記収納部における前記貯水トレイの設置面に当該貯水トレイを接触させた状態で、前記貯水トレイを引き出し方向に引き出すと互いに係わり合わず、前記設置面から前記貯水トレイを浮かせた状態で引き出し方向に引き出すと、互いに係わり合うことで当該貯水トレイの引き出しを停止させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、大型化を防止して、空気調和機本体を持ち上げる際のユーザビリティの向上を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態1に係る加湿機の外観を示す斜視図であり、(a)は前面蓋を装着した状態を示す斜視図であり、(b)は前面蓋を取り外した状態を示す斜視図である。
図2】(a)は、図1の(a)のAA線矢視断面図であり、(b)は、図1の(a)のBB線矢視断面図である。
図3】本発明の実施形態1に係る加湿機の本体と貯水トレイの構造を示す斜視図である。
図4】本発明の実施形態1に係る貯水トレイの平面図である。
図5】本発明の実施形態1に係る、収納部に収納された状態の貯水トレイの側面図である。
図6図5に示す貯水トレイの上面図である。
図7】本発明の実施形態1に係る、収納部に収納された貯水トレイの引き出し方向前方側の裏底面が浮いた状態を表す側面を表す図である。
図8】本発明の実施形態1に係る、第1突起部及び第2突起部の断面形状を表す図であり、(a)は、貯水トレイの裏底面が収納部の底面と接触している状態の第1突起部及び第2突起部の位置関係を表し、(b)は、貯水トレイの引き出し方向前方側の裏底面が、収納部の底面が浮いた状態の第1突起部及び第2突起部の位置関係を表す図である。
図9】本発明の実施形態1の変形例1に係る加湿機の本体における貯水トレイが収納された収納部近傍の断面図である。
図10】実施形態2に係る加湿機の本体が備える収納部に収納された状態の貯水トレイの側面図である。
図11】実施形態2に係る、収納部に収納された貯水トレイの引き出し方向前方側の裏底面が浮いた状態を表す側面を表す図である。
図12】実施形態2の変形例に係る加湿機の本体が備える収納部に収納された状態の貯水トレイの側面図である。
図13】実施形態3に係る貯水トレイの側面図である。
図14】実施形態3に係る収納部の側面の平面形状を表す図である。
図15】実施形態3に係る加湿機の本体が備える収納部に収納された状態の貯水トレイの側面図である。
図16】実施形態3に係る、収納部に収納された貯水トレイの引き出し方向前方側の裏底面が浮いた状態を表す側面を表す図である。
図17】実施形態3の変形例に係る収納部の側面を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。本実施形態では、本発明に係る空気調和機を、加湿機に適用した例について説明する。当該空気調和機は、加湿機に限らず、除湿機、除湿機能および/または加湿機能を有する空気清浄機などであってよい。除湿機は、除湿の結果生じた水を貯留するために後述する貯水トレイ2と同様な貯水トレイ及び収納部1aと同様の収納部を備えている。また、この貯水トレイは、除湿で生じたすべての水を貯留するように大容量に構成されている。
【0011】
除湿機は、コンプレッサ式、デシカント式、ハイブリッド式などの方式があり、それぞれの方式で、取り込んだ空気から水分を除去する除湿部(蒸発器、熱交換器など)を備えるが、筐体内部で空気の流れを生じるためにファンも備える。このため、除湿機は、上述の加湿機100と同様なファンと貯水トレイとの配置構造を採ることもある。
【0012】
また、加湿機は、気化式の加湿機であってもよいし、気化式の加湿機以外の他の形式の加湿機、例えば、スチーム(加熱)式、超音波式の加湿機であってもよい。
【0013】
(加湿機の概要)
図1は、本実施形態に係る加湿機101の外観を示す斜視図であり、(a)は裏蓋7を装着した状態を示す斜視図、(b)は裏蓋7を取り外した状態を示す斜視図である。図2の(a)は、図1の(a)のAA線矢視断面図であり、(b)は、図1の(a)のBB線矢視断面図である。図3は、本実施形態に係る加湿機(空気調和機)101の本体1と貯水トレイ2との斜視図である。なお、図3では、貯水トレイ2内の説明のため、本体1の下部である、天面1a2以外の収納部1aの図示を省略し、さらに、本体1の上部と貯水トレイ2とを離して図示している。
【0014】
加湿機101は、図1に示すように、加湿機101の本体1と、本体1における下部に設けられた貯水トレイ2とを備えている。本体1の上面に排気口(吹出口)11と給水口12が設けられている。排気口11は、加湿機101の本体1内部で加湿された空気を排出するための開口である。給水口12は、本体1における下部に配置された貯水トレイ2に水を供給するための開口である。
【0015】
排気口11は、加湿機101の前面側(操作パネル等が設けられている側、すなわち貯水トレイ2から上記排気口11まで加湿された空気を導く吹出路20の形成面(本体の他側面)側)に設けられ、当該加湿機101の前面側に加湿された空気を排出するように設計されている。一方、給水口12は、排気口11とは反対側の加湿機101の裏面側(貯水トレイ2への給水路(溝13,第1給水路14,第2給水路15)の形成面(本体1の一側面)側)に設けられ、当該加湿機101の上部から、加湿機101の下部に設けられた貯水トレイ2に水を供給するように設計されている。このように、給水口12と排気口11は隣接していない。つまり、給水口12は、排気口11から排出される空気の影響を受けない位置に形成されている。ここで、排気口11から排出される空気の影響を受けない位置とは、当該排気口11から排出される空気によって、注水中の水が飛び散らない位置をいう。具体的に、排気口11から排出される空気の影響を受けない位置とは、給水中の水が排気口11から排出される空気と接触しない位置をいう。
【0016】
図1の(a)に示すように、本体1の裏面には、着脱自在な裏蓋7が設けられている。裏蓋7を取り外すと、図1の(b)に示すように、給水口12と貯水トレイ2とを繋げるように形成された溝13が露出する。給水口12から注がれた水は、溝13を伝って貯水トレイ2に注がれる。溝13の露出した面は、裏蓋7を加湿機101に装着することで塞がる。これにより、図2の(a)に示すように、給水口12から貯水トレイ2までの第1給水路14が形成される。この第1給水路14は、後述する貯水トレイ2に形成された第2給水路15に連通する。
【0017】
図1及び図2に示すように、貯水トレイ2は、本体1の下部に設けられた収納部1aに、本体1の裏面側から着脱可能に収納されている。収納部1aは、本体1の下部に設けられた、貯水トレイ2が収納可能な程度の大きさを有する空間である。そして、貯水トレイ2の前面2a(貯水トレイ2が収納部1aに収納されている時に露出する面)における下部には取手部4が設けられている。取手部4は、前面2aから貯水トレイ2内部へ凹んだ形状である。これにより、ユーザが取手部4を持って、収納部1aに収納された状態の貯水トレイ2を矢印P1方向(加湿機101の設置面に平行な引き出し方向)に引き出すことで、貯水トレイ2を収納部1aから取り外したり、収納部1aから取り外された状態の貯水トレイ2を矢印P1の逆方向に押し込むことで、貯水トレイ2を収納部1aへ収納したりすることができる。
【0018】
なお、後述するように、取手部4は、貯水トレイ2を収納部1aへ出し入れするための取手だけではなく、貯水トレイ2を収納部1aに収納した状態で本体1を持ち上げるための取手としても機能する。
【0019】
図2及び図3に示すように、貯水トレイ2は、容器である筐体3と、筐体3で囲まれた水を貯めるための凹部内に設けられた加湿フィルタ16とを有する。筐体3は、例えば、樹脂材料により構成することができる。なお、貯水トレイ2の凹部を囲む枠状の縁のうち、収納部1aに収納されたときに収納部1aの天面(第2面)1a2と対向する面を上面(第1面)3aと称する。
【0020】
図2に示すように、貯水トレイ2には、加湿機101に装着した状態で、第1給水路14に連通する第2給水路15が形成されている。従って、第2給水路15に第1給水路14から水が供給されることで、貯水トレイ2の凹部に水が満たされることになる。
【0021】
加湿フィルタ16は、高い含水性を有すると共に通気が可能な材料(不織布等)のシートである。加湿機101内の送風路17から、送風路17の出口である収納部1aの天面1a2に設けられた格子部25を通って、貯水トレイ2内に送り込まれた空気と接触するように配置されている。具体的には、加湿フィルタ16は、図2の(a)に示すように、定量の水を貯留する貯水トレイ2内で下部が浸漬した状態で設置されている。つまり、加湿フィルタ16は、水に浸漬されていない上部(吸水部分)に空気が接触しながら通過できるように貯水トレイ2内に設置されている。従って、加湿フィルタ16に接触した空気によって当該加湿フィルタ16に含まれる水が気化され、加湿された空気として排気口11から外部に排出される。
【0022】
ここで、加湿フィルタ16の貯水トレイ2の凹部底面からの高さは、例えば、貯水トレイ2の凹部内の底面から上面3aまでの高さに等しいことが好ましい。これにより、加湿フィルタ16を通過しない空気を極力少なくすることで、湿度を適切にコントロールした空気を排気口11から排出することができる。従って、貯水トレイ2の凹部内の底面から上面3aまでの高さと、加湿フィルタ16の高さとが同じであることが好ましい。
【0023】
加湿機101には、図2の(a)(b)に示すように、送風路17に空気を送り込むための送風ファン18と、送風ファン18を駆動するモータ19とが設けられている。
【0024】
送風ファン18は、モータ19によって駆動されると、加湿機101の吸気口(図示せず)から外気を送風路17内に導入して、当該送風路17から格子部25を通って、貯水トレイ2に空気を送り出すようになっている。送風ファン18は、図2の(b)では、シロッコファンを例示しているが、軸流ファンであってもよい。
【0025】
図2及び図3に示すように、送風路17からの空気は、貯水トレイ2内の加湿フィルタ16の手前の空間である第1の領域21に送り込まれる。そして、当該加湿フィルタ16に接触しながら通過して、当該貯水トレイ2の加湿フィルタ16を介して第1の領域21と反対側の空間である第2の領域22を経て、吹出路20を通り排気口11から外部に送り出される。従って、加湿フィルタ16、送風路17および送風ファン18によって、貯水トレイ2の水を用いて空気を加湿する加湿部を構成している。また、送風路17と送風ファン18によって、加湿フィルタ16に含まれた水を気化させる送風部を構成している。
【0026】
以上のように、上記構成の加湿機101では、上記給水口12から上記貯水トレイ2まで水を導く給水路(第1給水路14、第2給水路15)と、導入された外気を上記貯水トレイ2から上記排気口11まで導く送風路(送風路17、吹出路20)とが別に形成されている。
【0027】
(給水路)
次に、貯水トレイ2への給水路について説明する。給水路は、上述したように、図2の(a)及び図3に示す、給水口12から第1給水路14を経て、第2給水路15までの経路である。第1給水路14は、送風路17の外側面に沿って形成され、且つ、図1の(b)に示すように、裏蓋7と、当該裏蓋7を取り外した状態で露出する溝13とによって構成されている。裏蓋7の裏面(溝13に対向する面)と溝13の表面は、ロータス効果を奏する微細な凹凸(シボ加工)が施されていることが好ましい。これにより、汚れが付着し難くなる。また、裏蓋7を取り外せば、溝13が露出された状態となるため、第1給水路14の清掃等の手入れが容易になる。
【0028】
第2給水路15は、図2の(a)及び図3に示すように、貯水トレイ2の端部に形成されており、第1給水路14と連通する部分の第1開口部15aから水を取り入れ、当該貯水トレイ2の下方に向けて形成された第2開口部15bから水を排出するようになっている。これにより、貯水トレイ2には、底辺から水が供給されることになる。
【0029】
なお、第2給水路15の凹部内面も、裏蓋7の裏面、溝13の表面と同様に、ロータス効果を奏する微細な凹凸(シボ加工)が施されていることが好ましい。これにより、汚れが付着し難くなる。
【0030】
また、給水口12の給水面についても、ロータス効果を奏する微細な凹凸(シボ加工)が施されていることが好ましい。これにより、汚れが付着し難くなる。さらに、第1給水路14の給水面は、第1給水路14に向かって水が流れ込むような放射反射面形状となっていることが好ましい。これにより、給水口12の給水面のどの部分に注水しても、水が飛散せず、且つ、外にこぼれずに、第1給水路14に向かって水が適切に流れ込むようになる。
【0031】
以上のように、給水口12から注がれた水は、給水路を構成する、第1給水路14、第2給水路15を経て、貯水トレイ2に供給される。給水路から供給された水は、貯水トレイ2の第1の領域21側に流れ込み、加湿フィルタ16を経て第2の領域22に流れ込む。つまり、送風路17に近い側から遠い側に向かって水が供給されることになる。
【0032】
通常、貯水トレイ2への給水のタイミングは、当該貯水トレイ2の貯水量が所定の量以下になったときできある。例えば、貯水トレイ2の貯水量が所定の量以下になれば、使用者に報知(音声によるお知らせ、LEDの点灯など)して、給水を促すようにしてもよい。貯水トレイ2の貯水量を検出するために、水位センサを本体1に設けてもよい。
【0033】
(貯水トレイ2及び収納部1aの詳細)
図4は、実施形態1に係る貯水トレイ2の平面図である。図3及び図4に示すように、貯水トレイ2は、凹部内に設けられた加湿フィルタ16によって、第1の領域21と、第2の領域22とに仕切られている。第1の領域21は、収納部1aの天面1a2に設けられた格子部25と対向する。貯水トレイ2の上面3aは、貯水トレイ2の凹部の周囲、すなわち、第1の領域21、加湿フィルタ16及び第2の領域22の周囲を囲っている。
【0034】
貯水トレイ2の上面3aには、上面3aから突出した形状である第1突起部(第1係止部)31が設けられている。本実施形態では、第1突起部31は上面3aに直接設けられている。また、本実施形態では、第1突起部31は、貯水トレイ2の凹部を介在させて上面3aの2箇所に設けられている。図3及び図4に示す例では、2個の第1突起部31が、間に第1の領域21を介在させて上面3aに設けられている。
【0035】
また、図3に示すように、貯水トレイ2の凹部及び上面3aと対向する収納部1aの天面1a2には、天面1a2から突出した形状である第2突起部(第2係止部)32が設けられている。本実施形態では、第2突起部32は天面1a2に直接設けられている。また、図3に示す例では、2個の第2突起部32が、間に格子部25を介在させて天面1a2に設けられている。なお、第1突起部31及び第2突起部32の個数は、それぞれ2個に限定されず、1個又は3個以上であってもよい。このように本実施形態では、第1突起部31及び第2突起部32は、突出した形状同士の組み合わせである。
【0036】
図5は、実施形態1に係る、収納部1aに収納された状態の貯水トレイ2の側面図である。図6は、図5に示す貯水トレイ2の上面図である。図6では、天面1a2越しに収納部1a内を見た様子を表している。
【0037】
図5及び図6に示すように、貯水トレイ2が収納部1aに収納されると、収納部1a内の設置面である底面1a1と貯水トレイ2の裏底面とが接触している。そして、収納部1aにおける天面1a2と、貯水トレイ2における凹部及び上面3aとが対向している。そして、ユーザが取手部4を持って貯水トレイ2を収納部1aに出し入れする際、収納部1aにおける設置面である底面1a1と貯水トレイ2の裏底面とが接触した状態で貯水トレイ2がスライドする。
【0038】
なお、例えば、収納部1a内の側面等の底面1a1以外の面に、貯水トレイ2の設置面となるガイドレール等を設けてもよい。この場合、ユーザが取手部4を持って貯水トレイ2を収納部1aに出し入れする際、収納部1aにおけるガイドレールと貯水トレイ2のガイドレールとの接触面とが接触した状態で、貯水トレイ2がガイドレール上をスライドする。
【0039】
図3図5図6に示すように、第2突起部32は、収納部1aに貯水トレイ2を収納した状態において、第1突起部31よりも、引き出し方向(矢印P1方向)の前方側に設けられている。さらに具体的には、図6に示すように、平面視において、第2突起部32は、貯水トレイ2が収納部1aに収納された状態から引き出し方向(矢印P1方向)に引き出される際に第1突起部31が移動する経路(図6の矢印P31に示す経路)上となるように天面1a2に設けられている。
【0040】
図5に示すように、収納部1aに貯水トレイ2が収納されて、収納部1aの底面1a1と貯水トレイ2の裏底面とが接触している状態における、貯水トレイ2の上面3aと収納部1aの天面1a2との距離をH1とする。また、上面3aから第1突起部31の頭頂面(天面1a2に対する第1突起部31の対向面)までの距離を第1突起部31の高さH31とし、天面1a2から第2突起部32の頭頂面(上面3aに対する第2突起部32の対向面)までの距離を第2突起部32の高さH32とする。
【0041】
すると、第1突起部31の高さH31及び第2突起部32の高さH32は、距離H1より小さい(H1>H31+H32)。換言すると、第1突起部31及び第2突起部32それぞれの高さH31・H32は、収納部1aにおける貯水トレイ2の設置面である底面1a1に貯水トレイ2を接触させた状態で、貯水トレイ2を引き出し方向(矢印P1に示す方向)に引き出すと互いに接触しない(すなわち、係わり合わない)高さである。
【0042】
図7は、実施形態1に係る、収納部1aに収納された貯水トレイ2の引き出し方向前方側の裏底面が浮いた状態を表す側面を表す図である。ユーザが加湿機101の本体1を持ち上げるには、図7に示すように、収納部1aに収納された状態の貯水トレイ2の取手部4を持って、引き出し方向(矢印P1に示す方向)よりも鉛直上向きの成分を含む方向(矢印P2に示す方向)に貯水トレイ2を引き出す。すると、収納部1aに収納された貯水トレイ2のうち、引き出し方向前方側の裏底面が、収納部1aの設置面である底面1a1から浮く。そして、さらにユーザが、貯水トレイ2の取手部4を持って矢印P2に示す方向に力を加えると、貯水トレイ2の上面3aに設けられている第1突起部31が、収納部1aの天面1a2に設けられている第2突起部32と衝突する(すなわち、互いに係わり合う)。これは、図6を用いて説明したように、平面視において、第2突起部32は、貯水トレイ2が収納部1aに収納された状態から引き出し方向(矢印P1方向)に引き出される際に第1突起部31が移動する経路(図6の矢印P31に示す経路)上に位置するように天面1a2に設けられているためである。
【0043】
図7に示すように、第1突起部31が第2突起部32と接触することで、ユーザが貯水トレイ2の取手部4を持って矢印P2に示す方向に力を加え続けても、貯水トレイ2の収納部1aからの引き出しが停止する。そして、この状態からさらに、ユーザが貯水トレイ2の取手部4を持って矢印P2に示す方向に力を加え続けると、本体1が、鉛直上向き(矢印PVに示す方向)に浮き上がる。このようにして、ユーザは、本体1を持ち上げることができる。
【0044】
このように、加湿機101によると、収納部1aにおける貯水トレイ2の設置面である底面1a1に貯水トレイ2を接触させた状態で、ユーザが取手部4を持って貯水トレイ2を引き出し方向(矢印P1に示す方向)に引き出した場合、第1突起部31及び第2突起部32は互いに接触しない。すなわち、第1突起部31及び第2突起部32は互いに係わり合わない。これにより、ユーザは、取手部4を持って、貯水トレイ2を収納部1aから取り外すことができる。
【0045】
そして、ユーザが取手部4を持って、引き出し方向(矢印P1に示す方向)よりも鉛直上向きの成分を含む方向(矢印P2に示す方向)に貯水トレイ2を引き出すことで、収納部1aにおける貯水トレイ2の設置面である底面1a1から貯水トレイ2の引き出し方向前方側の裏底面(底面1a1との接触面)を浮かせた状態で引き出すと、第1突起部31及び第2突起部32は互いに接触する。すなわち、第1突起部31及び第2突起部32は互いに係わり合う。これにより、貯水トレイ2の引き出しが停止する。このため、ユーザが取手部4を持って貯水トレイ2に力を加えて加湿機101全体を持ち上げたとしても、貯水トレイ2が収納部1aから外れて加湿機101が落下してしまうことを防止することができる。これにより、加湿機101を持ち上げる際のユーザビリティ(持ち上げの容易性)を向上させることができる。
【0046】
そして、収納部1aに収納された貯水トレイ2を引き出すための取手部4と、加湿機101全体を持ち上げるための取手部4とを共通化することができ、収納部1aに収納された貯水トレイ2を引き出すための取手部4以外に、加湿機101全体を持ち上げるための持ち手を設ける必要がない。このように、加湿機101全体を持ち上げるための持ち手を設けるスペースが必要ないため、加湿機101の大型化を防止することができる。
【0047】
図8は、実施形態1に係る、第1突起部31及び第2突起部32の断面形状を表す図であり、(a)は、貯水トレイ2の裏底面が収納部1aの底面1a1と接触している状態の第1突起部31及び第2突起部32の位置関係を表し、(b)は、貯水トレイ2の引き出し方向前方側の裏底面が、収納部1aの底面1a1が浮いた状態の第1突起部31及び第2突起部32の位置関係を表す図である。
【0048】
図8の(a)に示すように、第1突起部31において、頭頂面と、引き出し方向前方側の側面31cとが成す角31aは直角ではなく、面取りがされた湾曲形状であることが好ましい。これにより、収納部1aに収納された状態の貯水トレイ2を引き出し方向(矢印P1に示す方向)に引き出した際、何らかの原因で第1突起部31と第2突起部32とが接触しても、第1突起部31が第2突起部32に引っかかることを抑制して、スムーズに、貯水トレイ2を収納部1aから引き出すことができる。
【0049】
第1突起部31において、頭頂面と、引き出し方向後方側の側面とが成す角31bは直角であってもよいが、直角よりも面取りがされた湾曲形状であることが好ましい。これにより、貯水トレイ2を押込み方向(矢印P3に示す方向、矢印P1とは逆方向)に押し込んだ際、何らかの原因で第1突起部31と第2突起部32とが接触しても、第1突起部31が第2突起部32に引っかかることを抑制して、スムーズに、貯水トレイ2を押し込んで、収納部1aへ収納することができる。
【0050】
第2突起部32において、頭頂面と、引き出し方向前方側の側面とが成す角32aは直角であってもよいが、直角よりも面取りがされた湾曲形状であることが好ましい。これにより、貯水トレイ2を押込み方向(矢印P3に示す方向、矢印P1とは逆方向)に押し込んだ際、何らかの原因で第1突起部31と第2突起部32とが接触しても、第1突起部31が第2突起部32に引っかかることを抑制して、スムーズに、貯水トレイ2を押し込んで、収納部1aへ収納することができる。
【0051】
第1突起部31における引き出し方向前方側の側面31cと、上面3aとが成す角θ1は、種々の角度を採り得るが、特に、90°未満となるように、側面31cが傾斜していることが好ましい。すなわち、側面31cは、上面3a側から頭頂面側にかけて、引き出し方向前方側に傾斜していることが好ましい。これにより、図8の(b)の破線Dに示すように、ユーザが取手部4を持って貯水トレイ2を矢印P2に示す方向に持ち上げた際、第1突起部31の側面31cが第2突起部32の側面32cに引っかかりやすくなる。これにより、より確実に、安定して、ユーザは、取手部4を持って加湿機101を持ち上げることができる。
【0052】
また、図8の(a)に示すように、第2突起部32における引き出し方向後方側の側面32cと、天面1a2とが成す角θ2は、種々の角度を採り得るが、特に90°であることが好ましい。これにより、図8の(b)の破線Dに示すように、ユーザが取手部4を持って貯水トレイ2を矢印P2に示す方向に持ち上げた際、第1突起部31の側面31cが第2突起部32の側面32cに引っかかりやすくなる。これにより、より確実に、安定して、ユーザは、取手部4を持って加湿機101を持ち上げることができる。
【0053】
また、図8の(a)に示すように、第2突起部32において、頭頂面と、引き出し方向後方側の側面32cとが成す角32bは面取りがされた湾曲形状であってもよいが、湾曲形状よりも直角であることが好ましい。これにより、図8の(b)の破線Dに示すように、ユーザが取手部4を持って貯水トレイ2を矢印P2に示す方向に持ち上げた際、第2突起部32の角32bが第1突起部31の側面31cに引っかかりやすくなる。これにより、より確実に、安定して、ユーザは、取手部4を持って加湿機101を持ち上げることができる。
【0054】
図9は、変形例1に係る加湿機101の本体1における貯水トレイ2が収納された収納部1a近傍の断面図である。図1図8を用いて説明した加湿機101には、貯水トレイ2に設けられた取手部4以外に、加湿機101を持ち上げるための持ち手が設けられていなくてもよい。これにより、持ち手を設けるためのスペースを減らし、装置全体を小型化することができる。
【0055】
図9に示す例では、貯水トレイ2に設けられた取手部4以外も、本体1に取手部1b1が設けられている。取手部1b1は、収納部1aに収納された貯水トレイ2が有する取手部4と対称となる位置(加湿機101の前面)に設けられている。取手部1b1は、加湿機101の前面(すなわち本体1の前面)から凹んだ形状である。これにより、ユーザは、貯水トレイ2に設けられた取手部4と、本体1に設けられた取手部1b1とを持って、加湿機101を安定して持ち上げることができる。
【0056】
本体1に設けられた取手部1b1と、貯水トレイ2に設けられた取手部4とは、高さ(本体1の裏面からの距離)が同じであることが好ましい。これにより、さらに、安定して、ユーザは加湿機101を持ち上げることができる。なお、変形例1に係る加湿機101は、取手部4・1b1以外に、加湿機101を持ち上げるための持ち手が設けられていなくてもよい。これにより、持ち手を設けるためのスペースを減らし、装置全体を小型化することができる。
【0057】
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0058】
図10は実施形態2に係る加湿機101の本体1が備える収納部1aに収納された状態の貯水トレイ2の側面図である。図11は、実施形態2に係る、収納部1aに収納された貯水トレイ2の引き出し方向前方側の裏底面が浮いた状態を表す側面を表す図である。
【0059】
図10に示すように、収納部1aは、第2突起部32(図5参照)に換えて、第2凹部(第2係止部)32Aを備えていてもよい。本実施形態では、第2凹部32Aは、天面1a2に直接設けられており、天面1a2から凹んだ形状である。第2凹部32Aは、第1突起部31が嵌る程度の面積を有する。なお、第2凹部32Aの形成位置及び個数は、第2突起部32(図5参照)と同じである。
【0060】
図10に示すように、第1突起部31と第2凹部32Aとのように、突出した形状と凹んだ形状との組み合わせであってもよい。これにより、収納部1aにおける貯水トレイ2の設置面である底面1a1に貯水トレイ2を接触させた状態で、ユーザが取手部4を持って貯水トレイ2を引き出し方向(矢印P1に示す方向)に引き出した場合、第1突起部31及び第2凹部32Aは互いに接触しない。すなわち、第1突起部31及び第2凹部32Aは互いに係わり合わない。これにより、ユーザは、取手部4を持って、貯水トレイ2を収納部1aから取り外すことができる。
【0061】
そして、図11に示すように、ユーザが取手部4を持って、引き出し方向(矢印P1に示す方向)よりも鉛直上向きの成分を含む方向(矢印P2に示す方向)に貯水トレイ2を引き出すことで、収納部1aにおける貯水トレイ2の設置面である底面1a1から貯水トレイ2の引き出し方向前方側の裏底面(底面1a1との接触面)を浮かせた状態で引き出すと、第1突起部31及び第2凹部32Aは互いに接触する。すなわち、第1突起部31及び第2凹部32Aは互いに係わり合う。さらに換言すると、第1突起部31は第2凹部32Aに嵌る。これにより、貯水トレイ2の引き出しが停止する。このため、ユーザが取手部4を持って貯水トレイ2に力を加えて加湿機101全体を持ち上げたとしても、貯水トレイ2が収納部1aから外れて加湿機101が落下してしまうことを防止することができる。これにより、加湿機101を持ち上げる際のユーザビリティ(持ち上げの容易性)を向上させることができる。
【0062】
そして、収納部1aに収納された貯水トレイ2を引き出すための取手部4と、加湿機101全体を持ち上げるための取手部4とを共通化することができる。
【0063】
図12は、実施形態2の変形例に係る加湿機101の本体1が備える収納部1aに収納された状態の貯水トレイ2の側面図である。図12に示すように、貯水トレイ2の上面3aと収納部1aの天面1a2に設けられている凹凸が逆であってもよい。図12に示す例では、収納部1aは、天面1a2に第2突起部32を備え、貯水トレイ2の上面3aに、第1突起部31(図5参照)に換えて、第1凹部(第1係止部)31Aを備えていてもよい。本変形例では、第1凹部31Aは、上面3aに直接設けられており、上面3aから凹んだ形状である。第1凹部31Aは、第2突起部32が嵌る程度の面積を有する。なお、第1凹部31Aの形成位置及び個数は、第1突起部31(図5参照)と同じである。
【0064】
図12の構成によっても、収納部1aにおける貯水トレイ2の設置面である底面1a1に貯水トレイ2を接触させた状態で、ユーザが取手部4を持って貯水トレイ2を引き出し方向(矢印P1に示す方向)に引き出した場合、第1凹部31A及び第2突起部32は互いに接触しない。すなわち、第1凹部31A及び第2突起部32は互いに係わり合わない。
【0065】
また、ユーザが取手部4を持って、引き出し方向(矢印P1に示す方向)よりも鉛直上向きの成分を含む方向に貯水トレイ2を引き出すことで、収納部1aにおける貯水トレイ2の設置面である底面1a1から貯水トレイ2の引き出し方向前方側の裏底面(底面1a1との接触面)を浮かせた状態で引き出すと、第1凹部31A及び第2突起部32は互いに接触する。すなわち、第1凹部31A及び第2突起部32は互いに係わり合う。さらに換言すると、第1凹部31Aは第2突起部32に嵌る。これにより、貯水トレイ2の引き出しが停止する。
【0066】
〔実施形態3〕
本発明の実施形態3について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0067】
図13は、実施形態3に係る貯水トレイ2の側面図である。図13に示すように、貯水トレイ2に設けられた第1突起部31Bのように、上面3aではなく、貯水トレイ2の側面(第1面)3cに設けられていてもよい。側面3cは、貯水トレイ2を収納部1aから引き出す際の引き出し方向に平行な面である。第1突起部31Bは側面3cから突出した形状である。第1突起部31Bは、両側面3cのうち、一方の側面3cにだけ設けられていてもよいが、両側面3cそれぞれに設けられている方が、安定性の観点から好ましい。
【0068】
図14は、実施形態3に係る収納部1aの側面1cの平面形状を表す図である。なお、説明のため、側面1cは破線で図示している。本実施形態では、収納部1aの側面1cに、貯水トレイ2の引き出し方向に平行に延設されたガイドレール35が設けられている。収納部1aの側面(第2面)1cは、貯水トレイ2を収納した際に、貯水トレイ2の側面3cと対向する面である。ガイドレール35は、両側面1cのうち一方の側面1cにだけ設けられていてもよいが、両側面1cそれぞれに設けられている方が、安定性の観点から好ましい。
【0069】
ガイドレール35のうち、下面35aに第2凹部(第2係止部)32Bが設けられている。換言すると、本実施形態においては、第2凹部32Bは、ガイドレール35本体を介して収納部1aの側面1cに設けられていると表現することもできる。
【0070】
図15は実施形態3に係る加湿機101の本体1が備える収納部1aに収納された状態の貯水トレイ2の側面図である。図16は、実施形態3に係る、収納部1aに収納された貯水トレイ2の引き出し方向前方側の裏底面が浮いた状態を表す側面を表す図である。
【0071】
図15及び図16に示すように、貯水トレイ2が収納部1aに収納された状態において、第1突起部31Bの上面は、ガイドレール35の下面35aと対向する。
【0072】
また、第2凹部32Bは、ガイドレール35において、貯水トレイ2が収納部1aに収納された状態における第1突起部31Bよりも、引き出し方向前方に設けられている。すなわち、平面視において、第2凹部32Bは、貯水トレイ2が収納部1aに収納された状態から引き出し方向に引き出される際に第1突起部31が移動する経路上に位置するように設けられている。
【0073】
図15に示すように、収納部1aにおける貯水トレイ2の設置面である底面1a1に貯水トレイ2を接触させた状態で、ユーザが取手部4を持って貯水トレイ2を引き出し方向(矢印P1に示す方向)に引き出した場合、第1突起部31及び第2凹部32Bは互いに接触しない。すなわち、第1突起部31及び第2凹部32Bは互いに係わり合わない。
【0074】
図16に示すように、ユーザが取手部4を持って、引き出し方向(矢印P1に示す方向)よりも鉛直上向きの成分を含む方向に貯水トレイ2を引き出すことで、収納部1aにおける貯水トレイ2の設置面である底面1a1から貯水トレイ2の引き出し方向前方側の裏底面(底面1a1との接触面)を浮かせた状態で引き出すと、第1突起部31及び第2凹部32Bは互いに接触する。すなわち、第1突起部31及び第2凹部32Bは互いに係わり合う。さらに換言すると、第1突起部31は第2凹部32Bに嵌る。これにより、貯水トレイ2の引き出しが停止する。
【0075】
図17は、実施形態3の変形例に係る収納部1aの側面1cを表す図である。図17に示すように、ガイドレール35に、第2凹部32Bに換えて、ガイドレール35を貫通する貫通孔(第2係止部)32Cを設けてもよい。貫通孔32Cの形成位置は、第2凹部32Bと同じであり、第1突起部31が嵌る程度の面積を有する。このように、ガイドレール35に貫通孔32Cを設けても、ガイドレール35に第2凹部32Bを設けた場合と同様の効果を得ることができる。
【0076】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0077】
1 本体
1a 収納部
1a1 底面(設置面)
1a2 天面(第2面)
1c 側面(第2面)
4・1b1 取手部
2 貯水トレイ
2a 前面
3 筐体
3a 上面(第1面)
3c 側面(第1面)
7 裏蓋
11 排気口
12 給水口
16 加湿フィルタ
17 送風路
18 送風ファン
19 モータ
20 吹出路
21 第1の領域
22 第2の領域
25 格子部
31 第1突起部(第1係止部)
31A 第1凹部(第1係止部)
31B 第1突起部(第1係止部)
32 第2突起部(第2係止部)
32A 第2凹部(第2係止部)
32B 第2凹部(第2係止部)
32C 貫通孔(第2係止部)
31c、32c 側面
101 加湿機(空気調和機)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17