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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-24
(45)【発行日】2023-06-01
(54)【発明の名称】吸収性物品の包装体
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/15 20060101AFI20230525BHJP
   A61F 13/551 20060101ALI20230525BHJP
   A61F 13/536 20060101ALI20230525BHJP
【FI】
A61F13/15 200
A61F13/551
A61F13/536 200
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019095845
(22)【出願日】2019-05-22
(65)【公開番号】P2020188932
(43)【公開日】2020-11-26
【審査請求日】2022-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100196575
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100197398
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 絢子
(72)【発明者】
【氏名】ビンティ アハマド イスマ イマニ
(72)【発明者】
【氏名】横松 弘行
(72)【発明者】
【氏名】山崎 良輔
【審査官】須賀 仁美
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-102472(JP,A)
【文献】実開昭59-008323(JP,U)
【文献】特開2008-307408(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F13/15-13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収体を備え着用者の前後方向に対応する縦方向及び該縦方向に直交する横方向を有する吸収性物品を、該横方向に延びる少なくとも2つの折り線に沿って外装材とともに該縦方向に折り畳み、個別に包装した前記吸収性物品の包装体であって、
前記包装体は、前記折り線のうちの一つによって区画され前記吸収体の前記縦方向一端部を含む第1折り領域と、前記折り線のうちの他の一つによって区画され前記吸収体の前記縦方向他端部を含む第2折り領域と、前記第1折り領域と前記第2折り領域の間に位置する第3折り領域と、を備え、前記第2折り領域が、前記第3折り領域の上に折り畳まれた前記第1折り領域の上にさらに折り重なるように折り畳まれ、
前記吸収体は、前記第1折り領域に位置し前記吸収体の厚み方向に圧縮された第1圧搾領域と、前記第2折り領域に位置し前記厚み方向に圧縮された第2圧搾領域と、を有し、
前記包装体は、前記第2折り領域の前記外装材に固定された固定部と、前記固定部から前記第2折り領域の外方へ突出し前記外装材に剥離可能に接着された突出部と、を有するタブテープをさらに備え、
前記第1圧搾領域又は前記第2圧搾領域の少なくとも一方は、開封補助圧搾領域として、前記包装体の厚み方向から見た平面視において、前記固定部と重なるか、又は近傍に位置し、
前記開封補助圧搾領域は、前記縦方向に延び互いに離間して配置された線状の複数の圧搾溝を含み、
前記圧搾溝は、前記吸収体の肌対向面から前記厚み方向下方に向かって圧縮され、かつ、前記吸収体の非肌対向面から前記厚み方向上方に向かって圧縮されており、
前記開封補助圧搾領域と前記タブテープとは、いずれも、前記包装体の前記横方向における中央部に位置し、かつ、前記中央部の前記横方向両側には位置していない
吸収性物品の包装体。
【請求項2】
前記タブテープの前記突出部は、接着面を含む接着領域と、接着性のない非接着領域と、を含み、
前記第1圧搾領域は、前記平面視において、前記非接着領域と重ならない
請求項に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項3】
前記第1折り領域は、前記吸収体の存在しない第1縦方向周縁部を含み、
前記第2折り領域は、前記吸収体の存在しない第2縦方向周縁部を含み、
前記第2圧搾領域は、前記平面視において、前記第1圧搾領域よりも前記第1縦方向周縁部の端部側に位置し、
前記第1圧搾領域及び前記第2圧搾領域の間には、前記平面視において、前記第1縦方向周縁部又は前記第2縦方向周縁部の少なくとも一部が重なって位置する
請求項1又は2に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項4】
隣り合う前記圧搾溝の前記横方向に沿った間隔は、0.5mm以上3.0mm以下である
請求項1又から3のいずれか一項に記載の吸収性物品の包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品が個別に包装された吸収性物品の包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
吸収性物品の包装体としては、例えば特許文献1に記載されているように、包装シート等の外装材と吸収性物品とが厚さ方向に重ねられ、長手方向に折り畳まれて個別に包装される形態が知られている。当該包装体の長手方向の端部には、リードテープ(タブテープ)の基端部が固定されており、包装シートの表面に剥離可能に貼り付けられている。使用者がこのリードテープを剥がすことで、包装体が開封される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-149025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このリードテープ(タブテープ)が貼り付けられた包装シートに密着してしまってリードテープが掴みにくくなり、包装体が開封しにくくなることがある。
【0005】
本発明の課題は、開封を簡便に行うことができる吸収性物品の包装体に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態に係る吸収性物品の包装体は、吸収体を備え着用者の前後方向に対応する縦方向及び該縦方向に直交する横方向を有する吸収性物品を、該横方向に延びる少なくとも2つの折り線に沿って外装材とともに該縦方向に折り畳み、個別に包装したものである。
前記包装体は、前記折り線のうちの一つによって区画され前記吸収体の前記縦方向一端部を含む第1折り領域と、前記折り線のうちの他の一つによって区画され前記吸収体の前記縦方向他端部を含む第2折り領域と、前記第1折り領域と前記第2折り領域の間に位置する第3折り領域と、を備え、前記第2折り領域が、前記第3折り領域の上に折り畳まれた前記第1折り領域の上にさらに折り重なるように折り畳まれる。
前記吸収体は、前記第1折り領域に位置し前記吸収体の厚み方向に圧縮された第1圧搾領域と、前記第2折り領域に位置し前記厚み方向に圧縮された第2圧搾領域と、を有する。
前記包装体は、前記第2折り領域の前記外装材に固定された固定部と、前記固定部から前記第2折り領域の外方へ突出し前記外装材に剥離可能に接着された突出部と、を有するタブテープをさらに備える。
前記第1圧搾領域又は前記第2圧搾領域の少なくとも一方は、開封補助圧搾領域として、前記包装体の厚み方向から見た平面視において、前記固定部と重なるか、又は近傍に位置する。
【発明の効果】
【0007】
以上のように、本発明の吸収性物品の包装体によれば、開封を簡便に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る吸収性物品及びその包装体を示す平面図であり、包装体の折り畳み前及び開封後の構成を示す図である。
図2図1のII-II線で切断した吸収性物品の断面図である。
図3】上記包装体を折り畳んだ構成を示す平面図である。
図4図3のIV-IV線で切断した吸収性物品の包装体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0010】
[ナプキンの全体構成]
図1に示す吸収性物品1は、本体Mと、一対のウイング部Wと、防漏溝9と、を備える。吸収性物品1は、生理用ナプキンとして構成され、以下、ナプキン1と称する。
ナプキン1は、着用者の前後方向に対応する縦方向Xと、着用者の左右方向に対応し縦方向Xに直交する横方向Yとを有する。さらに、ナプキン1は、縦方向X及び横方向Yの双方に直交する厚み方向Zを有する。なお、本明細書では、ナプキン1の厚み方向Zに関しては、着用時に着用者の肌に近い側を上又は肌側、着衣に近い側を下又は非肌側という事がある。
【0011】
本体Mは、縦方向Xに沿って延び、着用時に着用者の着衣の内面に固定される。本体Mは、後述する吸収体11を有しており、着用者の経血等の液状の排泄物を吸収する機能を有する。
ウイング部Wは、本体Mから横方向Yの外方に大きく突出するように構成される。
なお、ナプキン1は、ウイング部Wを有さなくてもよい。
【0012】
防漏溝9は、本体Mの後述する表面シート12側に形成された線状溝であり、表面シート12と吸収体11とが一体に厚み方向Zに圧縮されて形成される。図1に示す例では、防漏溝9は、本体Mの周縁部を周回する周回溝と、周回溝の横方向Y外側に位置する一対の縦溝と、を有する。「周回」とは、防漏溝9が連続状に延びて周回している形態と、複数の圧搾部が間欠的に配されていて全体として1つの溝として見做せる形状が周回している形態と、のいずれをも含む意味である。なお、防漏溝9は、図1に示す構成に限定されない。
【0013】
図2に示すように、ナプキン1は、吸収体11と、表面シート12と、裏面シート13と、一対のサイドシート14と、を備える。本体Mにおいて、ナプキン1は、表面シート12、吸収体11及び裏面シート13が厚み方向Zに積層された構成を有する。これらの構成は、例えば、接着剤Sやヒートシール等による接合、及び防漏溝9による圧搾加工等によって、適宜接合されて一体化される。
【0014】
表面シート12は、液透過性のシート材として構成され、吸収体11の厚み方向Z上方に配置される。
表面シート12は、例えば、上方に突出する複数の凸部12aを有する。凸部12aは、内部にも繊維が分布する中実な構成でもよいし、内部に繊維がほとんど存在しない中空な構成でもよい。凸部12aにより、着用時に着用者の肌と表面シート12との接触面積を低減させることができ、通気性を高め、不快感を軽減させることができる。
【0015】
裏面シート13は、吸収体11の厚み方向Z下方に配置される。裏面シート13は、例えば周縁部において、表面シート12及びサイドシート14と、接着剤S、熱シール等によって接合される。裏面シート13は、また、接着剤Sによって吸収体11に接合されている。
裏面シート13は、例えば、液難透過性、水蒸気透過性及び撥水性等の機能を有するシート材で形成される。当該シート材としては、例えば熱可塑性樹脂のフィルムや、当該フィルムと不織布とのラミネート等を用いることができる。
【0016】
本体M及びウイング部Wの裏面シート13の外面には、図示しないずれ止め材が配置される。ずれ止め材は、ナプキン1を着衣に対して固定させるとともに、後述する外装材16に対してナプキン1を剥離可能に固定する。ずれ止め材は、例えば、裏面シート13に所定のパターンで粘着剤を塗工することにより形成される。ずれ止め材に用いられる粘着剤として、好ましくは、ゴム系、オレフィン系、エチレン酢酸ビニル(EVA)系等のホットメルト粘着剤が用いられる。
【0017】
一対のサイドシート14は、表面シート12の横方向Y周縁に配置され、表面シート12を挟んで横方向Yに相互に対向する。サイドシート14の材料としては、表面シート12よりも親水性が小さいシート材料が好ましく、具体的には、表面シート12よりも親水性の低い不織布、フィルム材料、及び不織布とフィルム材料のラミネート構造のシートが挙げられる。
【0018】
図1に示すように、吸収体11は、前端部11a及び後端部11bを有し、前端部11aから後端部11bに向かって縦方向Xに延びる。前端部11aは、着用時に着用者の排泄部より腹側に位置し、後端部11bは、着用時に着用者の排泄部より背側に位置する。別の観点から、前端部11aは、後述する第2折り領域R2に位置し、後端部11bは、後述する第1折り領域R1に位置する。
図2に示すように、吸収体11は、表面シート12と裏面シート13との間に配置される。吸収体11は、液状の排泄物を表面シート12側の肌対向面11cから吸収し、内部で拡散させて当該排泄物を保持する。
吸収体11は、吸収性コア6と、コアラップシート7と、を有する。
【0019】
吸収性コア6は、例えば、パルプ繊維等の親水性繊維で構成された繊維集合体と、繊維集合体に保持された吸水性ポリマーと、を有している。これにより、吸収性コア6の液保持力を高めることができる。
【0020】
コアラップシート7は、吸収性コア6を被覆し、例えばティッシュペーパー状の薄く柔らかい紙や液透過性の不織布等で形成される。コアラップシート7の表面シート12側の面は、吸収体11の肌対向面11cを構成し、裏面シート13側の面は、吸収体11の非肌対向面11dを構成する。肌対向面11cは、ホットメルト粘着剤等の接着剤Sにより表面シート12と接着され、非肌対向面11dは、接着剤Sにより裏面シート13と接着される。
【0021】
[圧縮領域の構成]
図1に示すように、吸収体11は、第1圧搾領域2と、第2圧搾領域4と、を有する。第1圧搾領域2は、後述する第1折り領域R1に位置し、例えば後端部が吸収体11の後端部11bに位置する。第2圧搾領域4は、後述する第2折り領域R2に位置し、例えば前端部が吸収体11の前端部11aに位置する。
【0022】
図2に示すように、第1圧搾領域2及び第2圧搾領域4は、吸収体11の厚み方向Zに圧縮されて形成される。具体的には、第1圧搾領域2及び第2圧搾領域4は、それぞれ、線状の複数の圧搾溝3を有する。
圧搾溝3は、吸収性コア6がコアラップシート7で被覆された状態の吸収体11を厚み方向Zに圧縮加工することによって形成される。つまり、圧搾溝3は、吸収体11の吸収性コア6及びコアラップシート7のみが一体に陥凹しており、表面シート12は圧縮されていない。図2に示す例では、圧搾溝3は、肌対向面11cからZ軸方向下方に向かって圧縮されているとともに、非肌対向面11dからもZ軸方向上方に向かって圧縮されている。
圧搾溝3における「線状」は、溝の形状が平面視において直線状の態様に限られず、曲線状の態様を含む。「縦方向Xに延びる」とは、縦方向Xに完全に平行な態様に限られず、前方から後方に向かって延びていればよい。また、圧搾溝3における各線は、連続線でも破線でも良いが、本実施形態では連続線で構成される。
なお、図2では第1圧搾領域2の断面を示しているが、第2圧搾領域4の断面についても同様に構成される。
【0023】
第1圧搾領域2及び第2圧搾領域4は、図2に示すように、圧搾溝3において圧縮されることにより、全体が圧密化され陥凹するように構成される。これにより、第1圧搾領域2及び第2圧搾領域4では、周囲の領域との間に段差及び剛性差が生じ、後述する包装体10を構成した際の開封性の向上に寄与する。以下、包装体10の構成を説明する。
【0024】
[包装体の構成]
図1、3及び4に示す包装体10は、上述したナプキン1を、横方向Yに延びる2つの折り線L1,L2(図1参照)に沿って外装材16とともに縦方向Xに折り畳み、個別に包装したものである。なお、図1では、折り畳み前及び開封後の、ナプキン1をX-Y平面上に引き伸ばした態様の包装体10を示している。
【0025】
外装材16は、包装体10の外面を形成するシート材であり、図1に示す例では、厚み方向Zから見た平面視において、ナプキン1の面積よりも大きく、縦方向Xに長い矩形状に構成される。
外装材16としては、吸収性物品の外装材として従来使用されている各種のものを特に制限なく用いることができ、例えば、樹脂製フィルム、不織布、紙等を用いることができる。このような外装材16は、一般に吸収体11よりも剛性が低く、ナプキン1に沿った形状に容易に折り曲げられることが可能である。
以下、ナプキン1が外装材16とともに、図3及び4のように折り畳まれる過程について説明する。
【0026】
まず図1に示すように、ナプキン1は、外装材16の略中央に、ずれ止め材を介して剥離可能に配置される。これにより、ナプキン1と外装材16との積層体を得る。この際、ナプキン1の一対のウイング部Wは、本体Mの縦方向Xに沿う両側部に沿って表面シート12側(肌対向面側)に折り曲げられることが好ましい。また、ウイング部Wにずれ止め材が形成されている場合には、折り曲げられた状態のウイング部Wのずれ止め材が、剥離シートによって被覆されることが好ましい。
【0027】
図1に示すように、ナプキン1と外装材16との積層体には、ナプキン1の後方側に配置された第1折り線L1と、ナプキン1の前方側に配置された第2折り線L2と、が配置される。より具体的に、第1折り線L1は、ウイング部Wよりも後方(着用者の背側)に配置される。第2折り線L2は、ウイング部Wよりも前方(着用者の腹側)に配置される。第1折り線L1及び第2折り線L2は、包装体10として折り畳む際の折り軸となる仮想的な線である。
【0028】
包装体10は、第1折り線L1によって区画され吸収体11の後端部11bを含む第1折り領域R1と、第2折り線L2によって区画され吸収体11の前端部11aを含む第2折り領域R2と、第1折り領域R1と第2折り領域R2の間に位置する第3折り領域R3と、を備える。本実施形態において、後端部11bが「縦方向X一端部」でもあり、前端部11aが「縦方向X他端部」でもある。
第1折り領域R1は、ナプキン1の、着用時に着用者の排泄部より背側に位置する後方領域を含む領域である。第2折り領域R2は、ナプキン1の、着用時に着用者の排泄部より腹側に位置する前方領域を含む領域である。第3折り領域R3は、ナプキン1の、着用時に着用者の排泄部に対向する排泄部対向領域を含む領域である。
【0029】
第1折り領域R1の最も縦方向Xにおける外方に位置する端部を、第1縦方向端部E11と称する。第1縦方向端部E11は、図1の例では外装材16により構成されるが、ナプキン1が外装材16から突出している場合は、ナプキン1の後端部により構成されていてもよい。
同様に、第2折り領域R2の最も縦方向Xにおける外方に位置する端部を、第2縦方向端部E21と称する。第2縦方向端部E21は、典型的には外装材16により構成される。
【0030】
図1に示した状態から、第1折り線L1を折り軸として、第3折り領域R3の上に第1折り領域R1が折り畳まれる。具体的には、第3折り領域R3の表面シート12上に、第1折り領域R1の表面シート12が重ねられる。
【0031】
次に、第2折り領域R2が、第2折り線L2を折り軸として、第3折り領域R3上に折り畳まれた第1折り領域R1の上にさらに折り重なるように折り畳まれる。具体的には、第1折り領域R1の外装材16上に、第2折り領域R2の表面シート12が重ねられる。これにより、ナプキン1が縦方向Xに3つ折りされ、図3及び図4に示す包装体10が形成される。
【0032】
図4に示すように、包装体10は、第3折り領域R3、第1折り領域R1及び第2折り領域R2がこの順に積層された構成となる。包装体10の外面は、外装材16で覆われている。包装体10の上面は、第2折り領域R2の外装材16と、第2折り領域R2から露出した第1折り領域R1の外装材16と、で構成される。包装体10の下面は、第3折り領域R3の外装材16で構成される。
【0033】
図3及び4に示すように、第1折り領域R1と第3折り領域R3との間の第1折り線L1によって折り曲げられた包装体10の縦方向Xにおける端部を、第1折り端部RE1と称する。第2折り領域R2と第3折り領域R3との間の第2折り線L2によって折り曲げられた包装体10の縦方向Xにおける端部を、第2折り端部RE2と称する。
なお、包装体10における「上」とは、厚み方向Zに関して第2折り領域R2が配置される側をいい、包装体10における「下」とは、厚み方向Zに関して第3折り領域R3が配置される側をいう。
【0034】
さらに、包装体10は、折り畳み形状を維持するための構成として、タブテープTと、側部封止部Fと、を有する。
図3に示すように、側部封止部Fは、ナプキン1から横方向Yの外方に延出する外装材16の側端縁に形成され、ヒートエンボス加工等の公知の接合方法により接合される。
タブテープTは、第2折り領域R2の第2縦方向端部E21と、第1折り領域R1の外装材16とを封止する。
【0035】
図3に示すように、タブテープTは、固定部T1と、突出部T2と、を有する。
固定部T1は、第2折り領域R2の外装材16に固定される。固定部T1は、例えばホットメルト粘着剤等によって第2縦方向端部E21に固定される。
突出部T2は、固定部T1から第2折り領域R2の外方へ突出し、第1折り領域R1の外装材16に剥離可能に接着される。突出部T2は、接着面を含む接着領域T3と、接着性のない非接着領域T4と、を含む。接着領域T3の接着面には、粘着剤が塗布されている。非接着領域T4は、突出部T2の自由端部を構成し、例えば接着面同士が折り重ねられて外面に接着面を有さない構成となっている。包装体10では、非接着領域T4は第1折り領域R1の、第3折り領域R3との境界側端部よりも縦方向Xの内側に留まっており、保存時においてタブテープTが捲れ上がる等して勝手に開封する、といった問題が抑制される。
【0036】
タブテープTは、包装体10の開封時において、ナプキン1の使用者によって突出部T2が摘まれて上方に持ち上げられる。これに伴い、タブテープTが固定された第2縦方向端部E21も、上方に捲り上げられる。これにより、外装材16には、持ち上げられたタブテープTの固定部T1から側部封止部Fに向かって張力が付加され、側部封止部Fの封止が維持できなくなった場合に、第2縦方向端部E21側の側部封止部Fが開封される。そして、第2折り線L2を軸として第2折り領域R2を縦方向Xに開くことで、側部封止部Fが第2縦方向端部E21側から第2折り端部RE2に向かって順次開封され、第2折り領域R2側が開封される。
この後、第1縦方向端部E11が使用者によって上方に持ち上げられ、第1折り線L1を軸として縦方向Xに第1折り領域R1を開くことで、包装体10全体が開封され、図1に示す態様となる。
【0037】
包装体10では、タブテープTと第1圧搾領域2及び第2圧搾領域4の位置関係を以下のように規定することで、開封時に使用者がタブテープTをより摘みやすい構成となり、開封時の利便性を向上させることができる。
【0038】
[第1圧搾領域及び第2圧搾領域とタブテープとの位置関係]
図3及び図4に示すように、第1圧搾領域2又は第2圧搾領域4の少なくとも一方は、開封補助圧搾領域Pとして、包装体10の厚み方向Zから見た平面視において、固定部T1と重なるか、又は近傍に位置する。
図3及び図4に示す例では、第1圧搾領域2が開封補助圧搾領域Pとして、包装体10の厚み方向Zから見た平面視において固定部T1の近傍に位置する。なお、開封補助圧搾領域Pは、第1圧搾領域2及び第2圧搾領域4の双方でもよい。
【0039】
「開封補助圧搾領域Pが包装体10の厚み方向Zから見た平面視において固定部T1と重なる」とは、開封補助圧搾領域Pと固定部T1とが上記平面視において少なくとも一部で重なっていることをいう。
また、「開封補助圧搾領域Pが上記平面視において固定部T1の近傍に位置する」とは、上記平面視において、固定部T1と開封補助圧搾領域Pとの間の最も狭い部分の距離が25mm以内に位置することをいう。これにより、固定部T1上を使用者が親指で押圧する際に、当該親指が上記平面視において開封補助圧搾領域Pと重なる位置に配置され得るため、下記に説明する効果を発揮させることができる。
なお、「開封補助圧搾領域Pが上記平面視において固定部T1と重なるか、又は近傍に位置する」態様には、開封補助圧搾領域Pが厚み方向Zに吸収体11を挟んで重なっている態様は含まないものとする。
【0040】
第1圧搾領域2及び第2圧搾領域4は、圧縮されて陥凹した構成となるため、周囲との境界部分に段差を形成する。上記構成では、突出部T2を摘む際に、使用者が固定部T1近傍を指等によって押圧することで、押圧された外装材16が、開封補助圧搾領域Pにより形成された段差によって下方に沈み込む。これにより、タブテープTの突出部T2が上方に浮き、使用者が突出部T2を摘みやすくなり、包装体10を容易に開封することができる。また、開封補助圧搾領域Pは周囲と比較して剛性が高いため、周囲との感触の違いからこの近傍を使用者が押し込みやすい構成となり、突出部T2の浮きを促進させる。
したがって、上記構成により、タブテープTの突出部T2が掴みやすくなり、ナプキン1の包装体10が簡便に開封される。
【0041】
上記作用効果をより具体的に説明する。包装体10は、ある程度弾性のある吸収体11を折り畳んでいるため、第2折り領域R2及び第1折り領域R1には、常に厚み方向Z上方に開く方向の力が作用している。つまり、包装体10では、この力に抗して各折り領域を側部封止部F及びタブテープTによって封止し、3つ折り形状を維持している。このため、包装体10は、密な積層構造ではなく、内部に各構成の段差に起因する隙間を残している。これにより、包装体10の内部には、第1圧搾領域2の上側及び下側、並びに第2圧搾領域4の下側の領域に、上記段差に起因する厚み方向Zの隙間が形成される。この隙間が固定部T1近傍を押圧した際の沈み込みに寄与し、タブテープTの突出部T2が上方に浮き上がりやすい構成となる。
【0042】
[開封補助圧搾領域とタブテープとの配置]
図3に示すように、開封補助圧搾領域PとタブテープTとは、いずれも、包装体10の横方向Yにおける中央部Cに位置する。
「包装体10の横方向Yにおける中央部C」は、包装体10を横方向Yに3等分した場合の中央の領域とする。
【0043】
この構成により、縦方向Xに対して斜めの方向や、横方向YからタブテープTを摘んで開封しようとする場合にも、摘まれたタブテープTによって外装材16に作用する張力の影響が、外装材16の横方向Yの両側部まで及びやすくなる。これにより、第1折り領域R1から第2折り領域R2を引き剥がしやすくなり、包装体10の開封をより簡便に行うことができる。
【0044】
上記作用効果をより具体的に説明する。タブテープT及び開封補助圧搾領域Pが中央部Cに配置されることで、タブテープTを掴んで上方へ持ち上げる際に、タブテープTの固定部T1から、外装材16を介して左右の側部封止部Fに、より均等に張力が作用しやすくなる。このため、上述のような縦方向Xに対して斜めの方向や、横方向Yなどの、縦方向X以外の方向からタブテープTを掴んだ場合にも、左右の側部封止部Fを開封しやすくなり、開封の簡便性を向上させることができる。
【0045】
[開封補助圧搾領域の詳細な構成]
図1~3に示すように、第1圧搾領域2及び第2圧搾領域4の少なくとも一方である開封補助圧搾領域Pは、縦方向Xに延び、互いに離間して配置された線状の複数の圧搾溝3を含む。包装体10では、第1圧搾領域2及び第2圧搾領域4の双方が、上記構成の複数の圧搾溝3を含む。
【0046】
圧搾溝3は、吸収体11の吸収性コア6及びコアラップシート7が厚み方向Zに圧縮されて圧密化された、剛性の高い部分である。一方で、隣り合う圧搾溝3間の領域は、圧搾溝3の影響で多少圧密化されているものの、剛性は圧搾溝3よりも小さい。このため、固定部T1が押圧される際、開封補助圧搾領域Pの圧搾溝3間の領域が厚み方向Zに圧縮されやすくなり、固定部T1がより下方へ押し込まれやすくなる。したがって、タブテープTの突出部T2が上方へ浮きやすくなり、包装体10の開封をより簡便に行うことができる。
【0047】
[タブテープと第1圧搾領域との位置関係]
図3に示すように、タブテープTの突出部T2は、接着領域T3と、非接着領域T4と、を含む。第1圧搾領域2は、包装体10の厚み方向Zから見た平面視において、非接着領域T4と重ならないように構成される。つまり、非接着領域T4の下方に第1圧搾領域2が位置しない構成となる。
【0048】
これにより、非接着領域T4が、第1圧搾領域2に起因する段差によって下方に沈み込まない構成となる。したがって、非接着領域T4がほぼ平坦な面上に配置されることとなり、固定部T1を押圧した際に非接着領域T4が容易に浮き上がり、包装体10がより開封しやすくなる。
【0049】
[折り領域の縦方向周縁部と圧搾領域との位置関係]
図1、3及び4に示すように、第1折り領域R1は、吸収体11の存在しない第1縦方向周縁部E1を含む。同様に、第2折り領域R2は、吸収体11の存在しない第2縦方向周縁部E2を含む。
【0050】
図1に示すように、第1縦方向周縁部E1は、第1折り領域R1のうち、吸収体11の後端部11bよりもさらに後方に位置する領域である。第1縦方向周縁部E1は、ナプキン1が存在している領域とナプキン1が存在していない領域とを含む。ナプキン1が存在している領域は、例えば表面シート12及び裏面シート13により構成されたナプキン1の後端部と、外装材16と、の積層体からなる。ナプキン1が存在していない領域は、外装材16のみからなる。
第2縦方向周縁部E2も、同様に、第2折り領域R2のうち、吸収体11の前端部11aよりもさらに前方に位置する領域である。第2縦方向周縁部E2は、ナプキン1が存在している領域とナプキン1が存在していない領域とを含む。ナプキン1が存在している領域は、例えば表面シート12及び裏面シート13により構成されたナプキン1の前端部と、外装材16と、の積層体からなる。ナプキン1が存在していない領域は、外装材16のみからなる。
このように、第1縦方向周縁部E1及び第2縦方向周縁部E2は、第1折り領域R1及び第2折り領域R2において、第1圧搾領域2及び第2圧搾領域4が存在する領域よりもさらに厚みの薄い領域となる。
【0051】
図3及び4に示すように、包装体10として折り畳まれた際、第1縦方向周縁部E1は、第2折り端部RE2に向かって延びる。第1縦方向周縁部E1の端部は、上述の第1縦方向端部E11であり、第2折り端部RE2の近傍に位置する。
一方、第2縦方向周縁部E2は、第1折り端部RE1に向かって延びる。第2縦方向周縁部E2の端部は、タブテープTが配置された、上述の第2縦方向端部E21である。
【0052】
図3及び4に示すように、第2圧搾領域4は、包装体10の厚み方向Zから見た平面視において、第1圧搾領域2よりも第1縦方向周縁部E1の端部(第1縦方向端部)E11側に位置する。
第1圧搾領域2及び第2圧搾領域4の間には、包装体10の厚み方向Zから見た平面視において、第1縦方向周縁部E1及び第2縦方向周縁部E2の少なくとも一部が重なって位置する。つまり、上記平面視における第1圧搾領域2及び第2圧搾領域4の間には、第1折り領域R1及び第2折り領域R2のうち、第1圧搾領域2及び第2圧搾領域4が存在する領域よりもさらに厚みが薄い部分が配置される。
【0053】
上述のように、包装体10は、密な積層構造ではなく、内部に各構成の段差に起因する隙間を残している。このため、包装体10の内部の第1縦方向周縁部E1の上側及び下側、並びに第2縦方向周縁部E2の下側の領域に、これらの周縁部の厚みが薄いことに起因する隙間が形成される。この隙間は、上記平面視における第1圧搾領域2及び第2圧搾領域4の間、つまり、開封補助圧搾領域Pの近傍に位置する。したがって、固定部T1を押圧する指の一部がこの隙間の上方に位置することになり、押圧によって指がこの隙間に入り込んでより下方に沈みやすくなる。したがって、タブテープTの突出部T2がより浮きやすくなり、包装体10の開封をより簡便に行うことができる。
【0054】
[本実施形態の追加説明]
以下、本実施形態の説明を補足する。
【0055】
(圧搾領域の寸法例)
図1を参照し、第1圧搾領域2及び第2圧搾領域4の横方向Yにおける長さaは、好ましくは15mm以上、より好ましくは20mm以上であり、そして好ましくは55mm以下、より好ましくは50mm以下である。第1圧搾領域2及び第2圧搾領域4の横方向Yにおける長さaは、各圧搾領域2,4の最も横方向Y外方に位置する一対の圧搾溝3の外側縁間の距離とする。長さaの下限値をこのように設定することで、第1圧搾領域2及び第2圧搾領域4がタブテープTと重なり、又は近傍に位置しやすくなる。また、長さaの上限値をこのように設定することで、第1圧搾領域2及び第2圧搾領域4に起因する隙間が包装体10の内部に確実に形成され、固定部T1を押圧してタブテープTを掴みやすくする効果が発揮されやすくなる。
【0056】
図1を参照し、第1圧搾領域2の縦方向Xにおける長さbは、好ましくは2mm以上、より好ましくは5mm以上であり、そして好ましくは20mm以下、より好ましくは15mm以下である。圧搾溝3の長さbの下限値をこのように設定することで、第1圧搾領域2がタブテープTと重なり、又は近傍に位置した場合に、固定部T1の押圧によって突出部T2をより確実に浮かせることができる。また、第1圧搾領域2の長さbの上限値をこのように設定することで、第1圧搾領域2に起因する隙間が包装体10の内部に確実に形成され、固定部T1を押圧してタブテープTを掴みやすくする効果が発揮されやすくなる。
なお、第1圧搾領域2における各圧搾溝3の縦方向Xの長さは異なっていてもよく、この場合の長さbは、第1圧搾領域2において最も長い圧搾溝3の長さとする。
【0057】
第2圧搾領域4の縦方向Xにおける長さcは、好ましくは5mm以上、より好ましくは7mm以上であり、そして好ましくは25mm以下、より好ましくは20mm以下である。圧搾溝3の長さcの下限値をこのように設定することで、第2圧搾領域4がタブテープTと重なり、又は近傍に位置した場合に、固定部T1の押圧によって突出部T2をより確実に浮かせることができる。また、圧搾溝3の長さcの上限値をこのように設定することで、第2圧搾領域4に起因する隙間が包装体10の内部に確実に形成され、固定部T1を押圧してタブテープTを掴みやすくする効果が発揮されやすくなる。
なお、第2圧搾領域4における各圧搾溝3の縦方向Xの長さは異なっていてもよく、この場合の長さcは、第2圧搾領域4において最も長い圧搾溝3の長さとする。
【0058】
圧搾溝3の厚み方向Zの深さは、第1圧搾領域2及び第2圧搾領域4の境界部分に十分段差及び剛性差を形成する観点から、好ましくは0.3mm以上、より好ましくは0.5mm以上であり、そして好ましくは3.0mm以下、より好ましくは2.0mm以下である。
圧搾溝3の溝幅は、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1.0mm以上であり、そして好ましくは3.0mm以下、より好ましくは2.0mm以下である。
隣り合う圧搾溝3の横方向Yに沿った間隔は、圧搾溝3よりも剛性の低い領域を十分に確保する観点から、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1.0mm以上であり、そして好ましくは3.0mm以下、より好ましくは2.0mm以下である。
第1圧搾領域2及び第2圧搾領域4における圧搾溝3のそれぞれの本数は、図示の例に限定されず、好ましくは2本以上、より好ましくは5本以上であり、そして好ましくは25本以下、より好ましくは20本以下である。
【0059】
(タブテープの寸法例)
図3を参照し、タブテープTの横方向Yにおける幅dは、好ましくは5mm以上、より好ましくは8mm以上であり、好ましくは35mm以下、より好ましくは20mm以下である。タブテープTの幅dの下限値をこのように設定することで、タブテープTが指で掴みやすくなり、開封性を向上させることができる。タブテープTの幅dの上限値をこのように設定することで、幅dを開封補助圧搾領域Pの横方向Yにおける長さa以下とし、固定部T1を押圧した際に突出部T2が浮きやすくする。
【0060】
図3を参照し、タブテープTの固定部T1の縦方向Xの長さeは、タブテープTを外装材16に確実に固定するとともに、使用者に指で押圧する位置を明確に示す観点から、好ましくは5mm以上、より好ましくは10mm以上であり、そして好ましくは25mm以下、より好ましくは20mm以下である。
タブテープTの突出部T2の縦方向Xの長さfは、タブテープTを掴みやすくし、かつ包装体10を開封しやすくする観点から、好ましくは5mm以上、より好ましくは10mm以上であり、そして好ましくは25mm以下、より好ましくは20mm以下である。
タブテープTの接着領域T3の縦方向Xの長さgは、タブテープTを第1折り領域R1に確実に粘着させ、かつ包装体10を開封しやすくする観点から、好ましくは5mm以上、より好ましくは8mm以上であり、そして好ましくは18mm以下、より好ましくは16mm以下である。
タブテープTの非接着領域T4の縦方向Xの長さhは、非接着領域T4を掴みやすくし、かつ接着領域T3も適切に確保する観点から、好ましくは2mm以上、より好ましくは4mm以上であり、そして好ましくは9mm以下、より好ましくは7mm以下である。
包装体10の厚み方向Zから見た平面視における、タブテープTの非接着領域T4の端部から第1折り線L1により形成された包装体10の端部までの縦方向Xにおける距離jは、好ましくは4mm以上、より好ましくは6mm以上であり、そして好ましくは30mm以下、より好ましくは25mm以下である。
【0061】
(タブテープと圧搾領域との詳細な位置関係)
図3を参照し、第1圧搾領域2が開封補助圧搾領域Pとして構成される場合、固定部T1と第1圧搾領域2との縦方向Xにおける距離kは、好ましくは3mm以下である。これにより、第1圧搾領域2が固定部T1の近傍又は重なって配置され、第1圧搾領域2の段差の作用により、固定部T1を押圧した際に突出部T2を良好に浮き上がらせることができる。
なお、固定部T1と第1圧搾領域2との縦方向Xにおける距離kは、包装体10の厚み方向Zから見た平面視における、固定部T1の第2折り端部RE2側の縦方向X端部から、第1圧搾領域2の最も第1折り端部RE1寄りの部分までの縦方向Xにおける距離とする。
【0062】
(包装体の他の構成例)
図1~4では、包装体10が2本の折り線によって縦方向Xに折り畳まれ、第1圧搾領域2が開封補助圧搾領域Pとして機能する例について説明したが、これに限定されない。
【0063】
例えば、包装体が横方向Yに延びる3本の折り線によって縦方向Xに折り畳まれてもよい。この場合、包装体には、第1圧搾領域に近い側から第1折り線、第3折り線、及び第2折り線が配置されているとする。
第1折り線によって区画された第1圧搾領域を含む領域を、第1折り領域とする。第2折り線によって区画された、第2圧搾領域を含む領域を、第2折り領域とする。第1折り領域及び第2折り領域の間に位置する、第3折り線と第2折り線によって区画された領域を、第3折り領域とする。第3折り線と第1折り線によって区画された領域を、第4折り領域とする。
例えば、第1折り領域及び第4折り領域は、ナプキンの、着用時に着用者の排泄部より背側に位置する後方領域を含む領域である。第2折り領域は、ナプキンの、着用時に着用者の排泄部より腹側に位置する前方領域を含む領域である。第3折り領域は、ナプキンの、着用時に着用者の排泄部に対向する排泄部対向領域を含む領域である。
【0064】
この包装体10を折り畳むには、まず、ナプキンと外装材との積層体を、第1折り線を折り軸として第1折り領域を第4折り領域上に折り畳む。次に、第3折り線を折り軸として、折り畳まれた第1折り領域及び第4折り領域を、さらに第3折り領域上に折り重ねる。次に、第2折り線を折り軸として、折り畳まれた第1、第3及び第4折り領域上に、第2折り領域を折り重ねる。そして、第2折り領域に固定されたタブテープが、第4折り領域の外装材に剥離可能に接着される。
【0065】
この包装体では、第1折り領域に位置する第1圧搾領域とタブテープとの間には、第4折り領域の吸収体が存在する。このため、第1圧搾領域は、上述の「開封補助圧搾領域が包装体の厚み方向から見た平面視において固定部と重なるか、又は近傍に位置する」態様には含まれない。
一方で、第2圧搾領域が上記平面視において固定部の近傍に位置する場合、この第2圧搾領域が開封補助圧搾領域として機能する。したがって、このような4つ折り形状の包装体でも、第2圧搾領域が上記平面視において固定部の近傍に位置すれば、固定部を押圧した際に突出部が上方へ浮き、包装体10の開封を簡便に行うことができる。
【0066】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
上述の実施形態においては、第1圧搾領域2及び第2圧搾領域4の平面形状が略矩形である例を示したが、この形状に限定されず、少なくとも一方がタブテープTの固定部T1と平面視において重なるか、又は近傍に位置していればよい。
第1圧搾領域2及び第2圧搾領域4は圧搾溝3を有する構成に限定されず、例えばナプキン1の厚み方向Zから見た平面視において、ドット状等の任意の平面形状の圧搾部を含んでいてもよい。
包装体10は、上述の構成に限定されず、例えば外装材16とナプキン1との間に剥離シートを備えていてもよい。
【0067】
以上の実施形態では、吸収性物品として生理用ナプキンの例を示したが、これに限定されない。本発明の吸収性物品は、例えば、尿取りパットやおりものシート等であってもよい。
【符号の説明】
【0068】
1…ナプキン(吸収性物品)
2…第1圧搾領域
4…第2圧搾領域
10…(吸収性物品の)包装体
11…吸収体
16…外装材
R1…第1折り領域
R2…第2折り領域
T…タブテープ
T1…固定部
T2…突出部
P…開封補助圧搾領域
図1
図2
図3
図4