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特許7287496トルク伝達継手およびウォーム減速機付電動モータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-29
(45)【発行日】2023-06-06
(54)【発明の名称】トルク伝達継手およびウォーム減速機付電動モータ
(51)【国際特許分類】
   F16D 3/68 20060101AFI20230530BHJP
   B62D 5/04 20060101ALI20230530BHJP
   H02K 7/116 20060101ALI20230530BHJP
   H02K 7/00 20060101ALI20230530BHJP
【FI】
F16D3/68
B62D5/04
H02K7/116
H02K7/00 A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021562700
(86)(22)【出願日】2020-12-02
(86)【国際出願番号】 JP2020044945
(87)【国際公開番号】W WO2021112153
(87)【国際公開日】2021-06-10
【審査請求日】2022-05-13
(31)【優先権主張番号】P 2019219337
(32)【優先日】2019-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】石井 徹
(72)【発明者】
【氏名】瀬川 徹
(72)【発明者】
【氏名】大澤 亮
(72)【発明者】
【氏名】内山 裕貴
【審査官】松江川 宗
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-081669(JP,A)
【文献】特開2015-169225(JP,A)
【文献】国際公開第2019/049389(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/216233(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 3/68
B62D 5/04
H02K 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向片側面の円周方向複数箇所に、軸方向片側に向けて突出する第1凸部を有する、第1回転部材と、
軸方向他側面の円周方向複数箇所に、軸方向他側に向けて突出する第2凸部を有する、第2回転部材と、
円周方向複数箇所に、少なくとも軸方向他側面に開口し、前記第1凸部のそれぞれが円周方向の相対変位を可能に係合される第1凹部を有し、かつ、前記第1凹部から円周方向に外れた円周方向複数箇所に、少なくとも軸方向片側面に開口し、前記第2凸部のそれぞれが円周方向の相対変位を可能に係合される第2凹部を有する、カップリングと、
前記第1凸部のそれぞれと、前記カップリングとの間で円周方向に挟持される、複数個の第1弾性片を有する、第1弾性体と、
前記第2凸部のそれぞれと、前記カップリングとの間で円周方向に挟持される、複数個の第2弾性片を有する、第2弾性体と、
を備え
前記カップリングは、
円筒状または円柱状のボス部と、
前記ボス部の外周面の円周方向複数箇所から径方向外側に向けて突出する、複数個の腕部と、
前記ボス部の軸方向片側の端部外周面の円周方向複数箇所から、径方向外側に向けて突出し、かつ、円周方向に隣り合う一対の前記腕部の軸方向片側の端部同士を円周方向に接続する、複数個の第1側板部と、
前記ボス部の軸方向他側の端部外周面のうち、前記第1側板部から円周方向に外れた円周方向複数箇所から径方向外側に向けて突出し、かつ、円周方向に隣り合う一対の前記腕部の軸方向他側の端部同士を円周方向に接続する、複数個の第2側板部と、
を備え、
前記第1凹部のそれぞれが、前記ボス部の外周面と、前記第1側板部のそれぞれの軸方向他側面と、前記第1側板部のそれぞれに軸方向片側の端部を接続した、一対の前記腕部の互いに対向する円周方向側面とにより画成され、
前記第2凹部のそれぞれが、前記ボス部の外周面と、前記第2側板部のそれぞれの軸方向片側面と、前記第2側板部のそれぞれに軸方向他側の端部を接続した、一対の前記腕部の互いに対向する円周方向側面とにより画成されている、
トルク伝達継手。
【請求項2】
前記カップリングは、前記第2側板部のそれぞれの軸方向他側面に、前記第1弾性体を支持するための第1支持部を有し、かつ、前記第1側板部のそれぞれの軸方向片側面に、前記第2弾性体を支持するための第2支持部を有する、
請求項に記載のトルク伝達継手。
【請求項3】
前記第1弾性体は、円周方向に関して交互に複数ずつ配置された、第1内径側接続片および第1外径側接続片と、第1係止片とをさらに備え、
前記第1内径側接続片は、円周方向に隣り合う一対の前記第1弾性片の径方向内側の端部同士を接続しており、
前記第1外径側接続片は、円周方向に隣り合う一対の前記第1弾性片の径方向外側の端部同士を接続しており、
前記第1係止片は、前記第1内径側接続片により径方向内側の端部同士を接続された一対の前記第1弾性片の径方向外側の端部同士を接続しており、
前記第1弾性体は、円周方向に隣り合う一対の前記第1弾性片と、前記第1内径側接続片と、前記第1係止片とからなる第1被支持部を、前記第1支持部に外嵌することで、前記カップリングに支持されており、
前記第2弾性体は、円周方向に関して交互に複数ずつ配置された、第2内径側接続片および第2外径側接続片と、第2係止片とをさらに備え、
前記第2内径側接続片は、円周方向に隣り合う一対の前記第2弾性片の径方向内側の端部同士を接続しており、
前記第2外径側接続片は、円周方向に隣り合う一対の前記第2弾性片の径方向外側の端部同士を接続しており、
前記第2係止片は、前記第2内径側接続片により径方向内側の端部同士を接続された一対の前記第2弾性片の径方向外側の接続部同士を接続しており、
前記第2弾性体は、円周方向に隣り合う一対の前記第2弾性片と、前記第2内径側接続片と、前記第2係止片とからなる第2被支持部を、前記第2支持部に外嵌することで、前記カップリングに支持されている、
請求項に記載のトルク伝達継手。
【請求項4】
前記カップリングは、前記第1支持部の径方向外側面に、円周方向に伸長する、前記第1係止片を係止するための第1係止溝を有し、かつ、前記第2支持部の径方向外側面に、円周方向に伸長する、前記第2係止片を係止するための第2係止溝を有する、
請求項に記載のトルク伝達継手。
【請求項5】
前記第1凹部は、互いに円周方向に対向する内側面のうちの軸方向他側部分同士の円周方向幅寸法を軸方向片側部分同士の円周方向幅寸法よりも大きくしており、
前記第2凹部は、互いに円周方向に対向する内側面のうちの軸方向片側部分同士の円周方向幅寸法を軸方向他側部分同士の円周方向幅寸法よりも大きくしている、
請求項1~のいずれか1項に記載のトルク伝達継手。
【請求項6】
前記第1弾性片が円周方向に弾性的に押し潰され、前記第1凹部の円周方向内側面と前記第1凸部の円周方向外側面とが当接し、かつ、前記第2弾性片が円周方向に弾性的に押し潰され、前記第2凹部の円周方向内側面と前記第2凸部の円周方向外側面とが当接した状態において、前記第1凹部の円周方向内側面のうちで前記第1凸部の円周方向外側面と当接する部分の軸方向他側部分と、前記第2凹部の円周方向内側面のうちで前記第2凸部の円周方向外側面と当接する部分の軸方向片側部分とが円周方向に重畳している、
請求項に記載のトルク伝達継手。
【請求項7】
前記第1弾性体は、軸方向他側面に、軸方向他側に向けて突出する、複数個の第1突起を有し、
前記第2弾性体は、軸方向片側面に、軸方向片側に向けて突出する、複数個の第2突起を有する、
請求項1~のいずれか1項に記載のトルク伝達継手。
【請求項8】
前記カップリングが軸方向に対して傾いていない場合、前記複数個の第1突起は前記第1回転部材の軸方向片側面に接触せず、かつ、前記複数個の第2突起は前記第2回転部材の軸方向他側面に接触せず、
前記カップリングが軸方向に対して傾いた場合、前記複数個の第1突起は前記第1回転部材の軸方向片側面に接触し、かつ、前記複数個の第2突起は前記第2回転部材の軸方向他側面に接触する、
請求項1~のいずれか1項に記載のトルク伝達継手。
【請求項9】
前記第1弾性体と前記第2弾性体とが、互いに同じ形状および寸法を有し、かつ、同じ材料により構成されている、
請求項1~のいずれか1項に記載のトルク伝達継手。
【請求項10】
出力軸を有する電動モータと、
外周面に、ホイール歯を有するウォームホイールと、外周面に、前記ホイール歯と噛合するウォーム歯を有するウォームとを含む、ウォーム減速機と、
前記出力軸と前記ウォームとをトルクの伝達を可能に接続するトルク伝達継手とを備え、
前記トルク伝達継手は、請求項1~のいずれか1項に記載のトルク伝達継手により構成され、
前記第1回転部材が、前記ウォームにより構成されるか、または、前記ウォームに支持固定され、
前記第2回転部材が、前記出力軸により構成されるか、または、前記出力軸に支持固定される、
ウォーム減速機付電動モータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種機械装置に組み込まれて、一対の回転部材同士の間でトルクを伝達するために利用するトルク伝達継手、および、トルク伝達継手を備えるウォーム減速機付電動モータに関する。
【背景技術】
【0002】
パワーステアリング装置は、運転者がステアリングホイールを操作するのに要する力の軽減を図れるため、広く使用されている。パワーステアリング装置には、補助動力源として電動モータを利用する電動パワーステアリング装置と、補助動力源として油圧を利用する油圧パワーステアリング装置と、の2種類がある。このうちの電動パワーステアリング装置は、油圧パワーステアリング装置に比べて、小型かつ軽量に構成でき、補助動力の大きさの制御が容易で、しかもエンジンの動力損失が少ないなどの利点があり、利用頻度が増えている。
【0003】
電動パワーステアリング装置では、ステアリングホイールの操作に基づき回転する操舵用回転軸に対して、電動モータの補助動力を減速機を介して付与する。減速機としては、大きな減速比が得られるなどの理由から、ウォーム減速機が広く使用されている。
【0004】
ただし、ウォーム減速機を構成するウォームホイールとウォームとの噛合部には、不可避のバックラッシュが存在しているため、ウォームホイールの回転方向が変化する際に、歯打ち音を発生させやすいという問題がある。
【0005】
日本国特開2004-306898号公報(特許文献1)には、ウォームをハウジングに対して回転自在に支持するための一対の軸受のうち、ウォームの先端側に配置された軸受とハウジングとの間に、ばねを含んで構成される付勢部材を配置し、ウォームの先端部をウォームホイールに向けて付勢する構造が開示されている。このような構造によれば、噛合部のバックラッシュを抑えることができ、ウォームホイールとウォームとの噛合部での歯打ち音の発生を抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】日本国特開2004-306898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
日本国特開2004-306898号公報に記載の構造では、電動モータの出力軸の先端部に備えられたスプライン軸部と、ウォームの基端部に備えられたスプライン孔と、をスプライン係合させることで、出力軸とウォームとがトルクの伝達を可能に接続されている。スプライン軸部とスプライン孔とが、円周方向に関する隙間なく(バックラッシュなしで)スプライン係合していれば、出力軸とウォームとの接続部(スプライン係合部)で、異音が発生することはない。しかしながら、日本国特開2004-306898号公報に記載の構造では、付勢部材により、ウォームの先端部をウォームホイールに向けて付勢すべく、ウォームを揺動変位させる必要があるため、スプライン係合部のバックラッシュを完全になくすことはできない。したがって、異音の発生を抑えるためには改良の余地がある。
【0008】
本発明は、上述のような事情に鑑み、一対の回転部材の中心軸同士が互いに不一致になっても、前記一対の回転部材同士の間でのトルク伝達を円滑に行うことができ、かつ、前記一対の回転部材同士の間での異音の発生を防止することができる、トルク伝達継手の構造を実現することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のトルク伝達継手は、
軸方向片側面の円周方向複数箇所に、軸方向片側に向けて突出する第1凸部を有する、第1回転部材と、
軸方向他側面の円周方向複数箇所に、軸方向他側に向けて突出する第2凸部を有する、第2回転部材と、
円周方向複数箇所に、少なくとも軸方向他側面に開口し、前記第1凸部のそれぞれが円周方向の相対変位を可能に係合される第1凹部を有し、かつ、前記第1凹部から円周方向に外れた円周方向複数箇所に、少なくとも軸方向片側面に開口し、前記第2凸部のそれぞれが円周方向の相対変位を可能に係合される第2凹部を有する、カップリングと、
前記第1凸部のそれぞれと、前記カップリングとの間で周方向に挟持される、複数個の第1弾性片を有する、第1弾性体と、
前記第2凸部のそれぞれと、前記カップリングとの間で周方向に挟持される、複数個の第2弾性片を有する、第2弾性体と、
を備える。
【0010】
前記カップリングは、
円筒状または円柱状のボス部と、
前記ボス部の外周面の円周方向複数箇所から径方向外側に向けて突出する、複数個の腕部と、
前記ボス部の軸方向片側の端部外周面の円周方向複数箇所から、径方向外側に向けて突出し、かつ、円周方向に隣り合う一対の前記腕部の軸方向片側の端部同士を円周方向に接続する、複数個の第1側板部と、
前記ボス部の軸方向他側の端部外周面のうち、前記第1側板部から円周方向に外れた円周方向複数箇所から径方向外側に向けて突出し、かつ、円周方向に隣り合う一対の前記腕部の軸方向他側の端部同士を円周方向に接続する、複数個の第2側板部と、
を備えることができる。
この場合、前記第1凹部のそれぞれは、前記ボス部の外周面と、前記第1側板部のそれぞれの軸方向他側面と、前記第1側板部のそれぞれに軸方向片側の端部を接続した、一対の前記腕部の互いに対向する円周方向側面とにより画成され、および、前記第2凹部のそれぞれは、前記ボス部の外周面と、前記第2側板部のそれぞれの軸方向片側面と、前記第2側板部のそれぞれに軸方向他側の端部を接続した、一対の前記腕部の互いに対向する円周方向側面とにより画成される。
【0011】
前記カップリングは、前記第2側板部のそれぞれの軸方向他側面に、前記第1弾性体を支持するための第1支持部を有し、かつ、前記第1側板部のそれぞれの軸方向片側面に、前記第2弾性体を支持するための第2支持部を有することができる。
【0012】
前記第1弾性体は、円周方向に関して交互に複数ずつ配置された、第1内径側接続片および第1外径側接続片と、第1係止片とをさらに備えることができる。
この場合、前記第1内径側接続片は、円周方向に隣り合う一対の前記第1弾性片の径方向内側の端部同士を接続し、前記第1外径側接続片は、円周方向に隣り合う一対の前記第1弾性片の径方向外側の端部同士を接続し、前記第1係止片は、前記第1内径側接続片により径方向内側の端部同士を接続された一対の前記第1弾性片の径方向外側の接続部同士を接続する。
前記第1弾性体は、円周方向に隣り合う一対の前記第1弾性片と、前記第1内径側接続片と、前記第1係止片とからなる第1被支持部を、前記第1支持部に外嵌することで、前記カップリングに支持される。
前記第2弾性体は、円周方向に関して交互に複数ずつ配置された、第2内径側接続片および第2外径側接続片と、第2係止片とをさらに備えることができる。
この場合、前記第2内径側接続片は、円周方向に隣り合う一対の前記第2弾性片の径方向内側の端部同士を接続し、前記第2外径側接続片は、円周方向に隣り合う一対の前記第2弾性片の径方向外側の端部同士を接続し、前記第2係止片は、前記第2内径側接続片により径方向内側の端部同士を接続された一対の前記第2弾性片の径方向外側の端部同士を接続する。 前記第2弾性体は、円周方向に隣り合う一対の前記第2弾性片と、前記第2内径側接続片と、前記第2係止片とからなる第2被支持部を、前記第2支持部に外嵌することで、前記カップリングに支持される。
【0013】
前記カップリングは、前記第1支持部の径方向外側面に、円周方向に伸長する、前記第1係止片を係止するための第1係止溝を有し、かつ、前記第2支持部の径方向外側面に、円周方向に伸長する、前記第2係止片を係止するための第2係止溝を有することができる。
【0014】
前記第1凹部は、互いに円周方向に対向する内側面のうちの軸方向他側部分同士の円周方向幅寸法を軸方向片側部分同士の円周方向幅寸法よりも大きくし、および、前記第2凹部は、互いに円周方向に対向する内側面のうちの軸方向片側部分同士の円周方向幅寸法を軸方向他側部分同士の円周方向幅寸法よりも大きくすることができる。
【0015】
前記第1弾性片が円周方向に弾性的に押し潰され、前記第1凹部の円周方向内側面と前記第1凸部の円周方向外側面とが当接し、かつ、前記第2弾性片が円周方向に弾性的に押し潰され、前記第2凹部の円周方向内側面と前記第2凸部の円周方向外側面とが当接した状態において、前記第1凹部の円周方向内側面のうちで前記第1凸部の円周方向外側面と当接する部分の軸方向他側部分と、前記第2凹部の円周方向内側面のうちで前記第2凸部の円周方向外側面と当接する部分の軸方向片側部分とが円周方向に重畳していることが好ましい。
【0016】
前記第1弾性体は、軸方向他側面に、軸方向他側に向けて突出する、複数個の第1突起を有し、および、前記第2弾性体は、軸方向片側面に、軸方向片側に向けて突出する、複数個の第2突起を有することができる。
【0017】
前記カップリングが軸方向に対して傾いていない場合、前記複数個の第1突起は前記第1回転部材の軸方向片側面に接触せず、かつ、前記複数個の第2突起は前記第2回転部材の軸方向他側面に接触しない。
前記カップリングが軸方向に対して傾いた場合、前記複数個の第1突起は前記第1回転部材の軸方向片側面に接触し、かつ、前記複数個の第2突起は前記第2回転部材の軸方向他側面に接触する。
【0018】
前記第1弾性体と前記第2弾性体とは、互いに同じ形状および寸法を有し、かつ、同じ材料により構成されていることが好ましい。
【0019】
本発明のウォーム減速機付電動モータは、
外周面に、ホイール歯を有するウォームホイールと、
外周面に、前記ホイール歯と噛合するウォーム歯を有する、ウォームと、
出力軸を有する電動モータと、
前記出力軸と前記ウォームとをトルクの伝達を可能に接続する、トルク伝達継手とを備える。
特に本発明のウォーム減速機付電動モータにおいては、前記トルク伝達継手は、本発明のトルク伝達継手により構成され、
前記第1回転部材が、前記ウォームにより構成されるか、または、前記ウォームに支持固定され、
前記第2回転部材が、前記出力軸により構成されるか、または、前記出力軸に支持固定される。
【発明の効果】
【0020】
本発明のトルク伝達継手によれば、一対の回転部材の中心軸同士が互いに不一致になっても、前記一対の回転部材同士の間でのトルク伝達を円滑に行うことができ、かつ、前記一対の回転部材同士の間での異音の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本発明の実施形態の1例のウォーム減速機付電動モータを備える電動パワーステアリング装置の1例を示す部分切断側面図である。
図2図2は、図1のA-A断面図である。
図3図3(A)は、本発明の実施形態の1例のトルク伝達継手を示す端面図であり、図3(B)は、図3(A)の左側から見た側面図であり、図3(C)は、図3(A)のB-B断面図である。
図4図4は、図3(B)のC-C断面図である。
図5図5は、図3(C)のD-D断面図である。
図6図6は、図3(C)のE-E断面図である。
図7図7は、図3(C)のF-F断面図である。
図8図8は、本発明の実施形態の1例のトルク伝達継手を、その一部を分解し、かつ、第2回転部材をウォームに支持固定して示す斜視図である。
図9図9は、本発明の実施形態の1例のトルク伝達継手を分解して示す斜視図である。
図10図10(A)は、第1回転部材を示す端面図であり、図10(B)は、図10(A)の左側から見た側面図であり、図10(C)は、図10(A)のG-G断面図である。
図11図11(A)は、第2回転部材を示す端面図であり、図11(B)は、図11(A)の右側から見た側面図であり、図11(C)は、図11(A)のH-H断面図である。
図12図12(A)は、カップリングを示す端面図であり、図12(B)は、図12(A)の右側から見た側面図であり、図12(C)は、図12(A)のI-I断面図である。
図13図13は、図12(B)のJ部拡大図である。
図14図14(A)は、弾性体の側面図であり、図14(B)は、図14(A)の右側から見た端面図であり、図14(C)は、図14(A)の左側から見た端面図である。
図15図15は、実施形態の1例の変形例を示す、図13に相当する図である。
図16図16は、本発明のウォーム減速機付電動モータを組み込み可能な、ピニオンアシスト型の電動パワーステアリング装置を示す、部分切断側面図である。
図17図17は、本発明のウォーム減速機付電動モータを組み込み可能な、ダブルピニオン型の電動パワーステアリング装置を示す、部分切断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[実施形態の1例]
図1図14(C)は、本発明の実施形態の1例を示している。本例は、本発明のウォーム減速機付電動モータを、コラムアシスト型の電動パワーステアリング装置に適用した例である。電動パワーステアリング装置1では、ステアリングホイール2の回転が、ステアリングギヤユニット3の入力軸4に伝達される。すなわち、ステアリングホイール2は、ステアリングシャフト5の後側の端部に支持固定されており、ステアリングシャフト5の前側の端部は、自在継手6aを介して中間シャフト7の後側の端部に接続されている。中間シャフト7の前側の端部は、別の自在継手6bを介して、入力軸4に接続されている。入力軸4の回転は、ステアリングギヤユニット3において、車体の幅方向に配置された、図示しないラック軸の軸方向の直線運動に変換される。ラック軸の直線運動に伴って、該ラック軸の軸方向両側の端部に接続された、一対のタイロッド8が押し引きされると、操舵輪に舵角が付与される。なお、ステアリングシャフト5は、車体に対し支持されたステアリングコラム9の内側に回転自在に支持されている。
【0023】
電動パワーステアリング装置1は、ウォーム減速機付電動モータ10を備える。本例の電動パワーステアリング装置1は、ウォーム減速機付電動モータ10の動力を、ステアリングシャフト5に付与することにより、運転者がステアリングホイール2を操作するために要する力を低減できるように構成されている。ウォーム減速機付電動モータ10は、電動モータ11と、ウォーム減速機12と、トルク伝達継手13と、を備える。
【0024】
電動モータ11は、出力軸14を有する。電動モータ11は、通電に基づいて出力軸14を両方向に回転駆動する。
【0025】
ウォーム減速機12は、ハウジング15と、ウォームホイール16と、ウォーム17と、を備える。
【0026】
ハウジング15は、ホイール収容部18と、ホイール収容部18の中心軸に対しねじれの位置にある中心軸を有し、かつ、その軸方向中間部がホイール収容部18に開口したウォーム収容部19と、を備える。
【0027】
ホイール収容部18は、自身の中心軸とステアリングコラム9の中心軸とが同軸となるように、ステアリングコラム9の前側の端部に支持固定されている。
【0028】
ウォーム収容部19は、筒状に構成され、かつ、軸方向両側の端部に開口部を有する。ウォーム収容部19の軸方向片側(図2の右側)の開口部は、ハウジング15に結合固定された電動モータ11により塞がれている。ウォーム収容部19の軸方向他側(図2の左側)の開口部は、蓋体20により塞がれている。
【0029】
なお、ウォーム収容部19、ウォーム収容部19の内側に回転自在に支持されるウォーム17、および、ウォーム17と電動モータ11の出力軸14とを接続するトルク伝達継手13に関して、軸方向片側とは、ウォーム17の基端側であって、図2図3(B)、図3(C)、図8図9図10(B)、図10(C)、図11(B)、図11(C)、図12(B)および図12(C)の右側を言い、軸方向他側とは、ウォーム17の先端側であって、図2図3(B)、図3(C)、図8図9図10(B)、図10(C)、図11(B)、図11(C)、図12(B)および図12(C)の左側を言う。
【0030】
ウォーム収容部19は、軸方向片側部分の内周面に、円筒面状の円筒面部21を有し、かつ、円筒面部21の軸方向他側の端部に、軸方向片側を向いた段差部22を有する。さらに、ウォーム収容部19は、軸方向他側部分の内周面に、円筒面状のガイド保持部23を有する。
【0031】
ウォームホイール16は、外周面に、はすば歯車であるホイール歯24を有し、かつ、ホイール収容部18の内側に回転自在に支持される。本例では、ウォームホイール16は、ホイール収容部18の内側に回転自在に支持されたステアリングシャフト5の前側の端部の周囲に、ステアリングシャフト5と一体に回転するように支持固定されている。なお、本例のウォームホイール16は、金属製で円輪板状の内側ホイール素子25の周囲に、外周面にホイール歯24を有する合成樹脂製の外側ホイール素子26を結合固定してなる。
【0032】
ウォーム17は、軸方向中間部外周面に、ウォームホイール16のホイール歯24と噛合する、ねじ状のウォーム歯27を有し、かつ、ウォーム収容部19の内側に回転自在に支持される。
【0033】
すなわち、ウォーム17は、ウォーム歯27よりも軸方向片側部分に嵌合筒部28を備えている。嵌合筒部28は、玉軸受29により、ウォーム収容部19の円筒面部21に対して回転自在に支持されている。玉軸受29の外輪は、円筒面部21に、軸方向の変位を阻止した状態で内嵌されている。玉軸受29の内輪は、嵌合筒部28にがたつきなく外嵌される。また、玉軸受29の内輪は、ウォーム17のうちでウォーム歯27の軸方向片側に隣接する部分に備えられた鍔部30と、ウォーム17の基端部に外嵌固定されたトルク伝達継手13の第1回転部材31と、の間で、1対の弾性部材32を介して、軸方向両側から挟持されている。玉軸受29は、外輪および内輪と、玉との間にラジアル隙間を有する。要するに、ウォーム17の嵌合筒部28は、ウォーム収容部19の円筒面部21に対して、回転および揺動変位を可能に支持されている。
【0034】
なお、ウォーム17のうち、ウォーム歯27よりも軸方向片側に位置する部分を、ウォーム収容部19に対して、回転および揺動変位を可能に支持する構造については、上述の例に限らず、各種構造を採用することができる。
【0035】
ウォーム17は、先端部に小径筒部33を備えている。小径筒部33は、ウォーム収容部19のガイド保持部23に対して、支持軸受34およびガイド部材35により、回転を自在に、かつ、ウォームホイール16に対する遠近動を可能に支持されている。支持軸受34の内輪は、小径筒部33に外嵌固定されている。支持軸受34の外輪は、ガイド部材35の内側に、ウォームホイール16に対する遠近動を可能に保持されている。ガイド部材35は、ガイド保持部23の内側に、回転を阻止された状態で保持されている。なお、ガイド部材35は、外周面に、全周にわたって備えられた係止溝36に弾性リング37を係止する。そして、弾性リング37により、ガイド部材35の外周面のうちでウォームホイール16から遠い側の部分を、ガイド保持部23に押し付けることで、ガイド保持部23に対するがたつきを抑えている。支持軸受34は、支持軸受34の外輪とガイド部材35との間部分のうち、ウォームホイール16から遠い側の端部に配置された板ばね38により、ウォームホイール16側に向けて弾性的に付勢されている。これにより、ホイール歯24とウォーム歯27との間のバックラッシュを抑えている。
【0036】
なお、ウォーム17の先端部を、ウォームホイール16側に向けて弾性的に付勢する機構については、上述の例に限らず、各種構造のものを採用することができる。
【0037】
ウォーム17は、基端部を、電動モータ11の出力軸14に、トルク伝達継手13を介して、トルクの伝達を可能に接続している。トルク伝達継手13は、例えば図9に示すように、それぞれが同軸に配置された、第1回転部材31と、第2回転部材39と、カップリング40と、第1弾性体41と、第2弾性体42と、を備える。
【0038】
第1回転部材31は、軸方向片側面の円周方向複数箇所に、軸方向片側に向けて突出する第1凸部43を有する。具体的には、図10(A)~図10(C)に示すように、第1回転部材31は、円筒状の基部44と、基部44の軸方向片側の端部から径方向外側に向けて全周にわたって突出した円輪状のフランジ部45と、フランジ部45の軸方向片側面の円周方向等間隔複数箇所(図示の例では4箇所)の径方向外側の端部から軸方向片側に向けて突出した第1凸部43と、を備える。第1凸部43は、軸方向から見て扇形の端面形状を有する。さらに、第1回転部材31は、基部44の軸方向片側面の径方向内側の端部から軸方向片側に向け全周にわたって突出した円筒状の突状部46を有する。なお、突状部46は、ウォーム17の基端部に対する第1回転部材31の嵌合長さを確保するための部分である。
【0039】
第1回転部材31は、ウォーム17の基端部に、トルクの伝達を可能に外嵌固定されている。第1回転部材31は、第1弾性体41を構成するゴムの如きエラストマーなどの弾性材よりも剛性が高い(弾性変形しにくい)、合成樹脂や焼結金属などにより構成されている。
【0040】
第2回転部材39は、軸方向他側面の円周方向複数箇所に、軸方向他側に向けて突出する第2凸部47を有する。具体的には、図11(A)~図11(C)に示すように、第2回転部材39は、円輪板状の基部48と、基部48の軸方向他側面の円周方向等間隔複数箇所(図示の例では4箇所)の径方向外側の端部から軸方向他側に向けて突出した第2凸部47と、を備える。第2凸部47は、軸方向から見て扇形の端面形状を有する。さらに、第2回転部材39は、基部48の軸方向他側面の径方向内側の端部から軸方向他側に向け全周にわたって突出した円筒状の突状部49を有する。なお、突状部49は、電動モータ11の出力軸14の先端部に対する第2回転部材39の嵌合長さを確保するための部分である。
【0041】
第2回転部材39は、電動モータ11の出力軸14の先端部に、トルクの伝達を可能に外嵌固定されている。第2回転部材39は、第2弾性体42を構成するゴムの如きエラストマーなどの弾性材よりも剛性が高い(弾性変形しにくい)、合成樹脂や焼結金属などにより構成されている。なお、第2回転部材39は、第1回転部材31を構成する材料と同じ材料により構成することもできるし、異なる材料により構成することもできる。
【0042】
カップリング40は、第1凹部50と、第2凹部51と、を有する。第1凹部50は、カップリング40の円周方向複数箇所に、軸方向他側面と外周面とに開口し、第1回転部材31の第1凸部43のそれぞれが円周方向の相対変位を可能に係合される。第2凹部51は、カップリング40の第1凹部50から円周方向に外れた円周方向複数箇所に、軸方向片側面と外周面とに開口し、第2回転部材39の第2凸部47のそれぞれが円周方向の相対変位を可能に係合される第2凹部51を有する。
【0043】
本例では、カップリング40は、図12(A)~図12(C)に示すように、円筒状のボス部52と、複数個の腕部53と、複数個の第1側板部54と、複数個の第2側板部55と、を備える。なお、ボス部52の形状は、円筒状に限られず、円柱状であってもよい。
【0044】
腕部53のそれぞれは、矩形板状に構成されており、ボス部52の外周面の円周方向複数箇所から径方向外側に向けて放射状に突出している。本例では、腕部53のそれぞれの円周方向両側の側面は、互いに平行な平坦面により構成されている。
【0045】
第1側板部54のそれぞれは、ボス部52の軸方向片側の端部外周面の円周方向複数箇所から径方向外側に向けて突出し、かつ、円周方向に隣り合う一対の腕部53の軸方向片側の端部同士を接続している。第1側板部54のそれぞれは、軸方向から見て扇形の端面形状を有する。
【0046】
第2側板部55のそれぞれは、ボス部52の軸方向他側の端部外周面のうち、第1側板部54から円周方向に外れた円周方向複数箇所から径方向外側に向けて突出し、かつ、円周方向に隣り合う一対の腕部53の軸方向他側の端部同士を接続している。すなわち、第1側板部54と第2側板部55とは、ボス部52の外周面に、円周方向に関して交互に配置されている。第2側板部55のそれぞれは、軸方向から見て扇形の端面形状を有する。
【0047】
第1凹部50のそれぞれは、ボス部52の外周面と、第1側板部54のそれぞれの軸方向他側面と、第1側板部54のそれぞれに軸方向片側の端部を接続した、一対の腕部53の互いに対向する円周方向側面と、により画成されている。第1凹部50のそれぞれには、第1回転部材31の第1凸部43のそれぞれが、円周方向の相対変位を可能に係合される。すなわち、第1凹部50の内側に第1凸部43を配置した状態で、第1凹部50の円周方向両側の内側面と、第1凸部43の円周方向両側の外側面との間部分のうちの少なくとも一方の間部分に、円周方向の隙間が存在するようにしている。また、第1凸部43の径方向内側面と、ボス部52の外周面との間に部分には、径方向の隙間が存在するようにしている。
【0048】
第2凹部51のそれぞれは、ボス部52の外周面と、第2側板部55のそれぞれの軸方向片側面と、第2側板部55のそれぞれに軸方向他側の端部を接続した、一対の腕部53の互いに対向する円周方向側面とにより画成されている。第2凹部51のそれぞれには、第2回転部材39の第2凸部47のそれぞれが、円周方向の相対変位を可能に係合される。すなわち、第2凹部51の内側に第2凸部47を配置した状態で、第2凹部51の円周方向両側の内側面と、第2凸部47の円周方向両側の外側面との間部分のうちの少なくとも一方の間部分に、円周方向の隙間が存在するようにしている。また、第2凸部47の径方向内側面と、ボス部52の外周面との間に部分には、径方向の隙間が存在するようにしている。
【0049】
換言すれば、第1回転部材31の第1凸部43のそれぞれと、第2回転部材39の第2凸部47のそれぞれとは、円周方向に関して交互に配置されており、かつ、第1凸部43の円周方向外側面と第2凸部47の円周方向外側面との間に、カップリング40の腕部53が円周方向の変位を可能に配置されている。
【0050】
また、第1凹部50の内側に第1凸部43が配置され、且つ、第2凹部51の内側に第2凸部47が配置した状態においては、第1凸部43及び第2凸部47は少なくとも一部が軸方向にオーバーラップする。すなわち、図4に示されるように、図3(B)のC-C断面においては、第1凸部43及び第2凸部47が周方向に対向している。したがって、万が一、カップリング40が破損することがあったとしても、第1凸部43及び第2凸部47によってトルク伝達機能を維持することができる。
【0051】
さらに、カップリング40は、第2側板部55のそれぞれの軸方向他側面に、第1弾性体41を支持するための第1支持部56を有し、かつ、第1側板部54のそれぞれの軸方向片側面に、第2弾性体42を支持するための第2支持部57を有する。
【0052】
第1支持部56のそれぞれは、軸方向から見て扇形の端面形状を有し、第2側板部55の軸方向他側面から軸方向他側に向けて突出している。本例では、第1支持部56のそれぞれは、径方向外側面に、円周方向に伸長する第1係止溝58を有する。
【0053】
第2支持部57のそれぞれは、軸方向から見て扇形の端面形状を有し、第1側板部54の軸方向片側面から軸方向片側に向けて突出している。本例では、第2支持部57のそれぞれは、径方向外側面に、円周方向に伸長する第2係止溝59を有する。
【0054】
カップリング40は、第1弾性体41および第2弾性体42を構成する材料よりも剛性が高く(弾性変形しにくく)、かつ、第1回転部材31の第1凸部43および第2回転部材39の第2凸部47との接触する際の衝撃を小さく抑えられる材料により構成される。具体的には、カップリング40は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)若しくはナイロン、または、これらに強化繊維を混入してなる樹脂や、ゴムの如きエラストマー、織布でゴムを強化してなるベルト材料などにより構成することができる。
【0055】
第1弾性体41は、第1回転部材31の第1凸部43のそれぞれと、カップリング40との間で円周方向に挟持される、複数個の第1弾性片60を有する。具体的には、図14(A)~図14(C)に示すように、第1弾性体41は、複数個(図示の例では8個)の第1弾性片60と、円周方向に関して交互に複数個ずつ(図示の例では4個ずつ)配置された、第1内径側接続片61および第1外径側接続片62と、複数個(図示の例では4個)の第1係止片63と、を備える。
【0056】
第1弾性片60のそれぞれは、矩形柱状に構成され、放射方向に配置されている。
【0057】
第1内径側接続片61のそれぞれは、円周方向に隣り合う一対の第1弾性片60の径方向内側の端部同士を接続している。第1内径側接続片61のそれぞれは、軸方向から見て円弧形の端面形状を有する。
【0058】
第1外径側接続片62のそれぞれは、第1内径側接続片61から円周方向に外れた位置に配置され、かつ、円周方向に隣り合う一対の第1弾性片60の径方向外側の端部同士を接続している。第1外径側接続片62のそれぞれは、軸方向から見て円弧形の端面形状を有する。
【0059】
第1係止片63のそれぞれは、第1内径側接続片61と円周方向に関する位相が一致する位置、換言すれば第1外径側接続片62から円周方向に外れた位置に配置され、かつ、円周方向に隣り合う一対の第1弾性片60の径方向外側の端部同士を接続している。第1係止片63のそれぞれは、軸方向から見て円弧形の端面形状を有する。すなわち、第1外径側接続片62と第1係止片63とは、全体として円環状になるように、円周方向に交互に配置されている。
【0060】
本例では、第1係止片63の軸方向厚さを、第1弾性片60、第1内径側接続片61および第1外径側接続片62の軸方向厚さよりも小さくしている。具体的には、第1係止片63の軸方向厚さを、第1弾性片60、第1内径側接続片61および第1外径側接続片62の軸方向厚さの半分程度にしている。なお、第1弾性片60、第1内径側接続片61および第1外径側接続片62の軸方向厚さは、すべて同じである。すなわち、第1弾性体41のうちの第1係止片63の軸方向他側面が、残りの部分の軸方向他側面よりも軸方向片側に位置する。
【0061】
また、第1外径側接続片62に径方向外側の端部を接続した、一対の第1弾性片60同士の間部分の円周方向寸法は、カップリング40の第1凹部50の円周方向寸法よりも小さい。
【0062】
第1弾性体41は、円周方向に隣り合う一対の第1弾性片60と、第1内径側接続片61と、第1係止片63と、からなる、略台形環状の第1被支持部73を有する。そして、第1被支持部73のそれぞれを、第1支持部56のそれぞれに係合(外嵌)させることで、第1弾性体41はカップリング40の軸方向他側の端部に支持されている。具体的には、第1係止片63を第1係止溝58に係止し、一対の第1弾性片60により、第1支持部56を円周方向両側から弾性的に挟持し、かつ、第1内径側接続片61の径方向外側面を第1支持部56の径方向内側面に弾性的に当接させることにより、第1弾性体41をカップリング40の軸方向他側の端部に支持している。
【0063】
第1弾性体41のうち、第1外径側接続片62に径方向外側の端部を接続した、一対の第1弾性片60同士の間部分に、第1回転部材31の第1凸部43が挿入される。すなわち、第1弾性片60のそれぞれは、第1回転部材31の第1凸部43のそれぞれの円周方向側面と、カップリング40の第1支持部56のそれぞれの円周方向側面と、の間で挟持されている。なお、第1凸部43の径方向外側面は、第1外径側接続片62の径方向内側面に接触させることもできるし、非接触とすることもできる。
【0064】
さらに、第1弾性体41は、軸方向他側面に、軸方向他側に向けて突出する複数個(図示の例では4個)の第1突起64を有する。具体的には、第1弾性体41は、第1内径側接続片61のそれぞれの軸方向他側面の円周方向中央位置に、第1突起64を有する。ウォーム17の中心軸および/または出力軸14の中心軸に対しカップリング40の中心軸が一致する場合(カップリング40が軸方向に対して傾いていない場合)には、第1突起64のそれぞれは、第1回転部材31のフランジ部45の軸方向片側面に接触しない。一方、ウォーム17の中心軸および/または出力軸14の中心軸に対しカップリング40の中心軸が一致しない場合(カップリング40が軸方向に対して傾いた場合)、第1突起64のそれぞれは、第1回転部材31のフランジ部45の軸方向片側面に弾性的に接触する。
【0065】
第2弾性体42は、第2回転部材39の第2凸部47のそれぞれと、カップリング40との間で円周方向に挟持される、複数個の第2弾性片65を有する。本例では、第2弾性体42として、第1弾性体41と仕様が同じもの(形状、寸法および材質が同じもの)を使用している。すなわち、第2弾性体42は、図14(A)~図14(C)に示すように、複数個(図示の例では8個)の第2弾性片65と、円周方向に関して交互に複数個ずつ(図示の例では4個ずつ)配置された、第2内径側接続片66および第2外径側接続片67と、複数個(図示の例では4個)の第2係止片68と、を備える。
【0066】
第2弾性体42は、円周方向に隣り合う一対の第2弾性片65と、第2内径側接続片66と、第2係止片68と、からなる、略台形環状の第2被支持部74を有する。そして、第2被支持部74のそれぞれを、第2支持部57のそれぞれに係合(外嵌)させることで、第2弾性体42はカップリング40の軸方向片側の端部に支持されている。具体的には、第2係止片68を第2係止溝59に係止し、一対の第2弾性片65により、第2支持部57を円周方向両側から弾性的に挟持し、かつ、第2内径側接続片66の径方向外側面を第2支持部57の径方向内側面に弾性的に当接させることにより、第2弾性体42をカップリング40の軸方向片側の端部に支持している。
【0067】
第2弾性体42のうち、第2外径側接続片67に径方向外側の端部を接続した、一対の第2弾性片65同士の間部分に、第2回転部材39の第2凸部47が挿入される。すなわち、第2弾性片65のそれぞれは、第2回転部材39の第2凸部47のそれぞれの円周方向側面と、カップリング40の第2支持部57のそれぞれの円周方向側面との間で挟持されている。なお、第2凸部47の径方向外側面は、第2外径側接続片67の径方向内側面に接触させることもできるし、非接触とすることもできる。
【0068】
さらに、第2弾性体42は、軸方向片側面に、軸方向片側に向けて突出する複数個(図示の例では4個)の第2突起69を有する。具体的には、第2弾性体42は、第2内径側接続片66のそれぞれの軸方向片側面の円周方向中央位置に、第2突起69を有する。ウォーム17の中心軸および/または出力軸14の中心軸に対しカップリング40の中心軸が一致する場合(カップリング40が軸方向に対して傾いていない場合)には、第2突起69のそれぞれは、第2回転部材39の基部48の軸方向他側面に接触しない。一方、ウォーム17の中心軸および/または出力軸14の中心軸に対しカップリング40の中心軸が一致しない場合(カップリング40が軸方向に対して傾いた場合)、第2突起69のそれぞれは、第2回転部材39の基部48の軸方向他側面に弾性的に接触する。
【0069】
本例のウォーム減速機付電動モータ10では、電動モータ11の出力軸14と、ウォーム17との間で伝達されるトルクが比較的小さい場合には、出力軸14の回転に伴い、第2回転部材39の第2凸部47の円周方向外側面が、第2弾性体42の第2弾性片65を介して、カップリング40の第2支持部57の円周方向外側面を円周方向に押圧する。そして、カップリング40の回転に伴い、カップリング40の第1支持部56の円周方向外側面が、第1弾性体41の第1弾性片60を介して、第1回転部材31の第1凸部43の円周方向外側面を押圧する。このようにして、出力軸14の回転トルクが、ウォーム17に伝達される。
【0070】
これに対して、出力軸14とウォーム17との間で伝達されるトルクが大きくなると、第2弾性体42の第2弾性片65が、カップリング40の第2支持部57の円周方向外側面と、第2回転部材39の第2凸部47の円周方向外側面との間で円周方向に弾性的に押し潰され、かつ、第1弾性体41の第1弾性片60が、カップリング40の第1支持部56の円周方向外側面と、第1回転部材31の第1凸部43の円周方向外側面との間で円周方向に弾性的に押し潰される。そして、第2回転部材39の第2凸部47の円周方向外側面と、カップリング40の第2凹部51の円周方向内側面とが直接衝合(当接)し、かつ、第1回転部材31の第1凸部43の円周方向外側面と、カップリング40の第1凹部50の円周方向内側面と、が直接衝合する。これらの衝合の勢いは、第1弾性体41および第2弾性体42により弱められているため、衝合に伴って、第2凸部47の円周方向外側面と第2凹部51の円周方向内側面との当接部、および、第1凸部43の円周方向外側面と第1凹部50の円周方向内側面との当接部で耳障りな歯打ち音などの異音が発生する事を防止できる。また、この状態では、出力軸14の回転トルクの大部分は、第2凸部47の円周方向外側面と第2凹部51の円周方向内側面との当接部からカップリング40に伝達され、かつ、カップリング40に伝達されたトルクの大部分は、第1凸部43の円周方向外側面と第1凹部50の円周方向内側面と、の当接部からウォーム17に伝達される。
【0071】
また、本例のウォーム減速機付電動モータ10では、ウォーム17が揺動変位したり、ウォーム17の中心軸と出力軸14の中心軸とが偏心するなどにより不一致になったりした場合でも、カップリング40が、第1弾性体41および/または第2弾性体42を弾性変形させつつ、ウォーム17の中心軸および/または出力軸14の中心軸に対して傾くことにより、出力軸14とウォーム17との間でのトルク伝達を円滑に行わせることができる。
【0072】
また、本例では、第1弾性体41は、第1内径側接続片61のそれぞれの軸方向他側面の円周方向中央位置に、第1突起64を有する。ウォーム17の中心軸および/または出力軸14の中心軸に対しカップリング40の中心軸が一致する場合(カップリング40が軸方向に対して傾いていない場合)には、第1突起64のそれぞれは、第1回転部材31のフランジ部45の軸方向片側面に接触しない。一方、ウォーム17の中心軸および/または出力軸14の中心軸に対しカップリング40の中心軸が一致しない場合(カップリング40が軸方向に対して傾いた場合)、第1突起64のそれぞれは、第1回転部材31のフランジ部45の軸方向片側面に弾性的に接触する。このため、ウォーム17の中心軸および/または出力軸14の中心軸に対しカップリング40が傾いた場合に、第1回転部材31のフランジ部45の軸方向片側面が第1突起64に衝突する速度を、第1突起64を径方向外側部分に配置した場合と比較して小さくする(緩やかにする)ことができる。したがって、第1回転部材31のフランジ部45の軸方向片側面が第1突起64に衝突することに伴う異音を小さく抑えることができる。
同様に、第2弾性体42は、第2内径側接続片66のそれぞれの軸方向他側面の円周方向中央位置に、第2突起69を有する。ウォーム17の中心軸および/または出力軸14の中心軸に対しカップリング40の中心軸が一致する場合(カップリング40が傾いていない場合)には、第2突起69のそれぞれは、第2回転部材39の基部48の軸方向他側面に接触しない。一方、ウォーム17の中心軸および/または出力軸14の中心軸に対しカップリング40の中心軸が一致しない場合(カップリング40が傾いた場合)、第2突起69のそれぞれは、第2回転部材39の基部48の軸方向他側面に弾性的に接触する。このため、ウォーム17の中心軸および/または出力軸14の中心軸に対しカップリング40が傾いた場合に、第2回転部材39の基部48の軸方向他側面が第2突起69に衝突する速度を小さくする(緩やかにする)ことができる。したがって、第2回転部材39の基部48の軸方向他側面が第2突起69に衝突することに伴う異音を小さく抑えることができる。
【0073】
なお、本発明を実施する場合、第1弾性体と第2弾性体との剛性を互いに異ならせたり、第1凸部と第1凹部との間の円周方向隙間と、第2凸部と第2凹部との間の円周方向隙間と、を互いに異ならせたりすることもできる。これにより、第1凸部の円周方向外側面と第1凹部の円周方向内側面とが衝合する伝達トルクの大きさと、第2凸部の円周方向外側面と第2凹部の円周方向内側面とが衝合する伝達トルクの大きさと、を異ならせることができる。この結果、電動モータの出力軸とウォームとの間でのトルクの伝達特性を多段階に分けることができ、ステアリングホイールの操作感をより良好にすることができる。
【0074】
[実施形態の1例の変形例]
本発明の実施形態の1例の変形例について、図15を用いて説明する。本変形例では、第1凹部50aのそれぞれは、互いに円周方向に対向する内側面のうちの軸方向他側部分同士の円周方向幅寸法を軸方向片側部分同士の円周方向幅寸法よりも大きくしており、第2凹部51aのそれぞれは、互いに円周方向に対向する内側面のうちの軸方向片側部分同士の円周方向幅寸法を軸方向他側部分同士の円周方向幅寸法よりも大きくしている。
【0075】
具体的には、第1凹部50aのそれぞれの円周方向両側の内側面(第1側板部54のそれぞれに軸方向片側の端部を接続した、一対の腕部53aの互いに対向する円周方向側面)の軸方向中間部に、軸方向他側に向かうほど互いに離れる方向に傾斜した段部72aが形成される。これにより、第1凹部50aのそれぞれの内側面のうちの軸方向他側部分同士の円周方向幅寸法を、軸方向片側部分同士の円周方向幅寸法よりも大きくしている。また、第2凹部51aのそれぞれの円周方向両側の内側面(第2側板部55のそれぞれに軸方向他側の端部を接続した、一対の腕部53aの互いに対向する円周方向側面)の軸方向中間部のうちで段部72aよりも軸方向片側に位置する部分に、軸方向片側に向かうほど互いに離れる方向に傾斜した段部72bが形成される。第2凹部51のそれぞれの内側面のうちの軸方向片側部分同士の円周方向幅寸法を軸方向他側部分同士の円周方向幅寸法よりも大きくしている。
【0076】
出力軸14とウォーム17との間で大きなトルクを伝達する際には、第1凹部50aの円周方向内側面のうち、軸方向片側部分(図15の鎖線αで囲んだ部分)が、第1凸部43の円周方向外側面と当接し、かつ、第2凹部51aの円周方向内側面のうち、軸方向他側部分(図15の鎖線βで囲んだ部分)が、第2凸部47の円周方向外側面と当接する。図15からも明らかなとおり、第1凹部50aの円周方向内側面と第1凸部43の円周方向外側面との当接部のうちの軸方向他側の端部と、第2凹部51aの円周方向内側面と第2凸部47の円周方向外側面との当接部のうちの軸方向片側の端部とは、円周方向に重畳している。このため、トルク伝達継手13を介した、出力軸14とウォーム17との間でのトルクの伝達を安定して行うことができる。
【0077】
また、本変形例によれば、ウォーム17の中心軸および/または出力軸14の中心軸に対しカップリング40aが傾いたり、軸方向に相対変位したりした場合でも、第1凸部43の円周方向外側面に対する第1凹部50aの円周方向内側面の当接位置を、カップリング40aの軸方向中央位置近傍にすることができ、かつ、第2凸部47の円周方向外側面に対する第2凹部51aの円周方向内側面の当接位置を、カップリング40aの軸方向中央位置近傍にすることができる。すなわち、ウォーム17の中心軸および/または出力軸14の中心軸に対しカップリング40aが傾いた場合、カップリング40aを、軸方向中央位置近傍を中心に傾かせることができる。この面からも、トルク伝達継手13を介した、出力軸14とウォーム17との間でのトルクの伝達を安定して行うことができる。
【0078】
なお、本変形例を実施する場合、第1凹部のそれぞれの互いに円周方向に対向する内側面のうちの軸方向他側部分同士の円周方向幅寸法を軸方向にわたり一定とし、かつ、軸方向片側部分同士の円周方向幅寸法よりも大きくするとともに、第2凹部のそれぞれの互いに円周方向に対向する内側面のうちの軸方向片側部分同士の円周方向幅寸法を軸方向にわたり一定とし、軸方向他側部分同士の円周方向幅寸法よりも大きくすることもできる。
【0079】
本発明のウォーム減速機付電動モータは、コラムアシスト型の電動パワーステアリング装置に限らず、各種構造の電動パワーステアリング装置に組み込むことができる。
【0080】
具体的には、例えば、本発明のウォーム減速機付電動モータを、図16に示すようなピニオンアシスト型の電動パワーステアリング装置1aに組み込む場合には、ステアリングギヤユニット3aの入力軸4aに、ウォーム減速機12のウォームホイール16を支持固定する。
【0081】
本発明のウォーム減速機付電動モータを、図17に示すようなダブルピニオン型の電動パワーステアリング装置1bに組み込む場合には、ステアリングギヤユニット3の入力軸4から車両の幅方向に外れた部分に、ウォームホイール16を外嵌固定した回転軸70を配置し、回転軸70の先端部に備えられたピニオン歯を、ステアリングギヤユニット3を構成するラック71の歯部に噛合させる。
【0082】
また、本発明のウォーム減速機付電動モータは、電動パワーステアリング装置に限らず、各種機械装置に組み込むことができる。さらに、本発明のトルク伝達継手は、ウォーム減速機付電動モータに限らず、各種機械装置のトルク伝達経路中に、互いに同軸に配置された一対の回転軸同士の間に組み込んで使用することができる。
【0083】
本出願は、2019年12月4日出願の日本特許出願2019-219337に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
【符号の説明】
【0084】
1、1a、1b 電動パワーステアリング装置
2 ステアリングホイール
3、3a ステアリングギヤユニット
4、4a 入力軸
5 ステアリングシャフト
6a、6b 自在継手
7 中間シャフト
8 タイロッド
9 ステアリングコラム
10 ウォーム減速機付電動モータ
11 電動モータ
12 ウォーム減速機
13 トルク伝達継手
14 出力軸
15 ハウジング
16 ウォームホイール
17 ウォーム
18 ホイール収容部
19 ウォーム収容部
20 蓋体
21 円筒面部
22 段差部
23 ガイド保持部
24 ホイール歯
25 内側ホイール素子
26 外側ホイール素子
27 ウォーム歯
28 嵌合筒部
29 玉軸受
30 鍔部
31 第1回転部材
32 弾性部材
33 小径筒部
34 支持軸受
35 ガイド部材
36 係止溝
37 弾性リング
38 板ばね
39 第2回転部材
40 カップリング
41 第1弾性体
42 第2弾性体
43 第1凸部
44 基部
45 フランジ部
46 突状部
47 第2凸部
48 基部
49 突状部
50、50a 第1凹部
51、51a 第2凹部
52 ボス部
53、53a 腕部
54 第1側板部
55 第2側板部
56 第1支持部
57 第2支持部
58 第1係止溝
59 第2係止溝
60 第1弾性片
61 第1内径側接続片
62 第1外径側接続片
63 第1係止片
64 第1突起
65 第2弾性片
66 第2内径側接続片
67 第2外径側接続片
68 第2係止片
69 第2突起
70 回転軸
71 ラック
72a、72b 段部
73 第1被支持部
74 第2被支持部
図1
図2
図3
図4
図5
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図10
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