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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-29
(45)【発行日】2023-06-06
(54)【発明の名称】空気調和装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/89 20180101AFI20230530BHJP
   F24F 1/0033 20190101ALI20230530BHJP
   F24F 1/0014 20190101ALI20230530BHJP
   F24F 1/0076 20190101ALI20230530BHJP
   F24F 11/33 20180101ALI20230530BHJP
   F24F 11/65 20180101ALI20230530BHJP
   F24F 110/10 20180101ALN20230530BHJP
   F24F 110/64 20180101ALN20230530BHJP
【FI】
F24F11/89
F24F1/0033
F24F1/0014
F24F1/0076
F24F11/33
F24F11/65
F24F110:10
F24F110:64
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022112850
(22)【出願日】2022-07-14
【審査請求日】2022-08-08
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大石 剛久
(72)【発明者】
【氏名】薄田 健太
(72)【発明者】
【氏名】新開 優美
【審査官】町田 豊隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-107819(JP,A)
【文献】特開平11-023035(JP,A)
【文献】中国実用新案第210601933(CN,U)
【文献】特開2015-222173(JP,A)
【文献】特開平11-023028(JP,A)
【文献】特開2009-074788(JP,A)
【文献】特開2018-017440(JP,A)
【文献】特開2018-017680(JP,A)
【文献】国際公開第2009/028634(WO,A1)
【文献】国際公開第2008/122932(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/89
F24F 1/0033
F24F 1/0014
F24F 1/0076
F24F 11/33
F24F 11/65
F24F 110/10
F24F 110/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主通風路と、前記主通風路の一端側を外部に連通させる吸込み口と、前記主通風路の他端側を外部に連通させる吹出し口と、が設けられた室内機筐体と、
前記主通風路に設けられ、前記吸込み口から前記吹出し口へ風を送るファンと、
前記主通風路に設けられ、前記主通風路を通る空気と熱交換を行う熱交換器と、
前記主通風路を通過する空気中の除去対象粒子を除去できる除去部と、
前記主通風路とは異なる独立した通風路であって、一端側に前記外部に連通する検出用吸込み口を備え、他端側に前記外部に連通する検出用吹出し口を備え、前記検出用吸込み口から吸い込んだ空気の除去対象粒子による汚れ状態を維持したまま前記検出用吹出し口から排出する副通風路と、
前記副通風路の中に設けられ、前記ファンが停止中でも駆動可能な検出用ファンと、
前記検出用ファンが発生する空気の流れにより前記検出用吸込み口から吸い込んだ、前記室内機筐体が設置される室内空間の空気に含まれ得る除去対象粒子の検出を行う粒子検出部と、
前記ファンの駆動の有無に関わらず前記粒子検出部を検出状態に制御する制御部と、
を備え
前記制御部は、前記ファンの非駆動を含む空気調和制御の非駆動中に前記粒子検出部の検出結果が所定値以上になった場合、前記ファンを駆動状態に移行させるとともに、前記除去部を動作させる第1制御モードを実行可能である、空気調和装置。
【請求項2】
室外機筐体に内蔵された圧縮機を備え、
前記制御部は、前記ファン及び前記圧縮機の駆動の有無に関わらず、前記粒子検出部を検出状態に制御する、請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項3】
前記検出用吸込み口および前記検出用吹出し口は、前記室内機筐体の側面に設けられている、請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項4】
前記除去部は、前記主通風路を通る空気に含まれる前記除去対象粒子を帯電させる帯電ユニットと、所定の電位またはアース電位が印加された捕集部と、を含む、請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項5】
前記ファンの非駆動を含む空気調和制御の非駆動中に前記室内空間の温度を検出可能な温度検出部をさらに、備え、
前記制御部は、前記温度検出部の温度検出結果が所定温度以上の場合、前記空気調和制御による冷房運転を実行させる第2制御モードを実行可能であるとともに、当該第2制御モードは、前記第1制御モードより優先して実行する、請求項4に記載の空気調和装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、空気調和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、運転時に塵埃の捕集を行う機能、いわゆる、空気清浄(空清)機能を有する空気調和装置が実用化されている。例えば、電気集塵機能を備える空気調和装置が提案されている。電気集塵機能は、空気調和装置の内部を通過する空気に含まれる塵埃等を帯電させて、熱交換器等を捕集部として利用して集塵するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2009/028634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の空気清浄機能を備える空気調和装置の場合、冷房モードや暖房モードとともに、運転モードの一つとして空気清浄モード(空清モード)を備える場合が多く、空気調和装置の運転中であり、かつ利用者により運転モードの一つとしての空気清浄モードが選択された場合に機能する。つまり、空気調和装置が設置された室内空間の空気状態の悪化を利用者が認識した場合や空気状態に拘わらず利用者の要望により空気清浄モードを選択した場合に実施されることになる。その結果、室内空間に適した空気清浄が十分にできない、または効率的かつ効果的な空気清浄が行われにくいという問題があった。
【0005】
本発明が解決する課題の一例は、室内空間に適した空気清浄を効率的かつ効果的に実施することができる空気調和装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの実施形態に係る空気調和装置は、室内機筐体と、ファンと、熱交換器と、除去部と、副通風路と、検出用ファンと、粒子検出部と、制御部と、を備える。室内機筐体には、主通風路と、前記主通風路の一端側を外部に連通させる吸込み口と、前記主通風路の他端側を外部に連通させる吹出し口と、が設けられている。ファンは、前記主通風路に設けられ、前記吸込み口から前記吹出し口へ風を送る。熱交換器は、前記主通風路に設けられ、前記主通風路を通る空気と熱交換を行う。除去部は、前記主通風路を通過する空気中の除去対象粒子を除去できる。副通風路は、前記主通風路とは異なる独立した通風路であって、一端側に前記外部に連通する検出用吸込み口を備え、他端側に前記外部に連通する検出用吹出し口を備え、前記検出用吸込み口から吸い込んだ空気の除去対象粒子による汚れ状態を維持したまま前記検出用吹出し口から排出する。検出用ファンは、前記副通風路の中に設けられ、前記ファンが停止中でも駆動可能である。粒子検出部は、前記検出用ファンが発生する空気の流れにより前記検出用吸込み口から吸い込んだ、前記室内機筐体が設置される室内空間の空気に含まれ得る除去対象粒子の検出を行う。制御部は、前記ファンの駆動の有無に関わらず前記粒子検出部を検出状態に制御する。この制御部は、前記ファンの非駆動を含む空気調和制御の非駆動中に前記粒子検出部の検出結果が所定値以上になった場合、前記ファンを駆動状態に移行させるとともに、前記除去部を動作させる第1制御モードを実行可能である。
【0007】
また、室外機筐体に内蔵された圧縮機を備え、前記制御部は、前記ファン及び前記圧縮機の駆動の有無に関わらず、前記粒子検出部を検出状態に制御するようにしてもよい。
【0009】
また、前記検出用吸込み口および前記検出用吹出し口は、前記室内機筐体の側面に設けられていてもよい。
【0011】
また、前記除去部は、前記主通風路を通る空気に含まれる前記除去対象粒子を帯電させる帯電ユニットと、所定の電位またはアース電位が印加された捕集部と、を含んでいてもよい。
【0013】
また、前記ファンの非駆動を含む空気調和制御の非駆動中に前記室内空間の温度を検出可能な温度検出部をさらに、備え、前記制御部は、前記温度検出部の温度検出結果が所定温度以上の場合、前記空気調和制御による冷房運転を実行させる第2制御モードを実行可能であるとともに、当該第2制御モードは、前記第1制御モードより優先して実行するようにしてもよい。
【0014】
以上の空気調和装置によれば、例えば、空位調和装置の駆動の有無に拘わらず、室内空気の汚れ状態の検出が可能になり、室内空間に適した空気清浄を効率的かつ効果的に行いやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、実施形態に係る空気調和装置の概略構成を示す例示的かつ模式的なブロック図である。
図2図2は、実施形態における空気調和装置の室内機の構成を示す図であり、上下風向板が閉状態の場合を示す例示的かつ模式的な断面図である。
図3図3は、実施形態における空気調和装置の室内機の構成を示す図であり、上下風向板が開状態の場合を示す例示的かつ模式的な断面図である。
図4図4は、実施形態における空気調和装置の室内機の構成を示す例示的かつ模式的な斜視図である。
図5図5は、実施形態における空気調和装置の室内機の構成を示す図であり、通風部材が開状態の場合を示す例示的かつ模式的な断面図である。
図6図6は、実施形態における空気調和装置の通風部材を示す例示的かつ模式的な斜視図である。
図7図7は、実施形態における空気調和装置の通風部材により乱流が発生することを説明する例示的かつ模式的な断面図である。
図8図8は、実施形態における空気調和装置の粒子検出ユニットの構成を示す例示的かつ模式的な説明図である。
図9図9は、実施形態に係る空気調和装置の室内機制御部の詳細を示す例示的かつ模式的なブロック図である。
図10図10は、実施形態に係る空気調和装置の清浄見張り及び高温見張りの処理の流れを説明する例示的なフローチャートである。
図11図11は、実施形態における空気調和装置に吹出し口ごとに、通風部材を配置する場合を示す例示的かつ模式的な断面図である。
図12図12は、図11に用いる通風部材の詳細を示す例示的かつ模式的な正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、本開示に係る空気調和装置の実施形態について説明する。本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明が、複数の表現で記載されることがある。構成要素及びその説明は、一例であり、本明細書の表現によって限定されない。構成要素は、本明細書におけるものとは異なる名称でも特定され得る。また、構成要素は、本明細書の表現とは異なる表現によっても説明され得る。
【0017】
図1は、室内機10および室外機120で構成される実施形態に係る空気調和装置1の概略構成を示す例示的かつ模式的なブロック図である。
【0018】
本実施形態の空気調和装置1の室内機10は、当該室内機10が休止中(少なくともファンの停止中であって、いずれの運転モードも実行していない状態)でも一部のセンサ機能を有効化して、センサ値が所定値を超えた場合に、ユーザの操作の有無に拘わらず室内機10が駆動状態に移行する監視運転モードを備える。室内機10は、例えば、粒子検出センサ5(粒子検出部の一部)を備え、室内機10が休止中でも、室内機10が設置された室内空間の空気の状態、特にPM2.5等の塵埃や花粉、カビ等の微細粒子による空気の汚れ状態を検出(監視)する。そして、室内空気の汚れ状態に基づき、室内機10を自動制御し、室内の空気環境を最適な状態に維持するような「空気清浄(空清)見張りモード」に基づく監視制御を行う。また、室内機10は、室温センサ3を備え、室内機10の設置された室内空間の温度に基づいて、室内機10の自動制御を行う。例えば、室内空間の温度が所定値以上に上昇している場合に冷房運転を自動的に実行する「高温見張りモード」に基づく監視制御を行う。なお、室内機10は、レーダー2を備え、室内機10が設置された室内空間に存在する人やペット等の生物や家具(椅子やソファ、ベッド等)の検出を行い、室内機10の制御に反映させる、「レーダー制御モード」を備えてもよい。
【0019】
本実施形態において、空気調和装置1(室内機10)は、操作端末94aを備える。操作端末94aは、室内領域に存在するユーザ(利用者)CRからの操作指示を受け付け、受け付けられた操作指示に応じて、室内機10に指令を送信する。操作端末94aは、例えばリモートコントローラである。また、室内機10には、操作端末94aの他、後述する室内機制御部80と連携が可能な専用のアプリケーションで動作する外部端末装置94b(例えばスマートフォンやタブレット等)も接続可能である。外部端末装置94bは、操作端末94aによる操作及び操作端末94aの操作に含まれない操作や制御を可能にするものでもよい。
【0020】
室内機10は、粒子検出センサ5、室温センサ3、レーダー2の他、室内機制御部80、上下風向板25、左右風向板29を有する。室内機制御部80は、操作端末94aや外部端末装置94bから受信された指令に応じて、空気調和処理を行う。
【0021】
室内機10は、吸込み口を介して室内領域から吸い込んだ空気に対して空気調和処理を行い、空気調和処理が施された空調空気を室内領域に向けて吹き出す。空気調和処理は、例えば、吸熱処理(冷房)、加熱処理(暖房)、除湿処理、加湿処理、送風処理、空気清浄処理等を含む。吸熱処理、加熱処理、除湿処理、加湿処理、送風処理、空気清浄処理は、それぞれ、空気調和装置1の運転モード(主運転モード)としての、冷房運転モード、暖房運転モード、除湿運転モード、加湿運転モード、送風運転モード、空気清浄運転モードに対応する。
【0022】
空気調和処理において、加湿処理は、省略されてもよい。このとき、空気調和装置1の運転モードとして、加湿運転モードは、省略されてもよい。
【0023】
室内機10は、補助運転モードとして、空調空気を吹き出す際に2種類の流速の風を混在させることで広範囲に拡散する乱流を発生させて、放出される風を全体的に緩やかな風流(いわゆる無風感(登録商標)の風)にする、無風感モードを有する。
【0024】
室内機10は、運転モードとして、自動運転モードを有してもよい。室内機10は、当該室内機10の運転中(駆動中)でも上述したように、室温センサ3(温度検知部)で室内領域の温度を検知する。室内機10(室内機制御部80)は、自動運転モードにおいて、検知温度が設定温度より高ければ、冷房運転モードで動作し、検知温度が設定温度より低ければ、暖房運転モードで動作するようにしてもよい。なお、室温センサ3の検出結果を用いた制御は、上述したように、室内機10の休止中に自動的に実行される「高温監視モード」を含む。なお、自動運転モードは、検出結果に応じて、空気清浄運転を実行してもよい。また、冷房運転モード、暖房運転モード、除湿運転モード、加湿運転モード、送風運転モード等を実行する際に、空気清浄運転モードを同時に実行するようにしてもよい。
【0025】
空気清浄処理は、室内機10運転中(駆動中)にユーザCRの操作によって実行される手動清浄処理と、自動運転モード中に実行される自動清浄処理、上述したように、室内機10の休止中(運転停止中:ファン23の駆動停止中または、ファン23及び室外機120の圧縮機125の駆動停止中)に粒子検出センサ5の検出結果に基づいて自動的に実行される監視清浄処理とを含む。空気清浄処理は、例えば、空気中にイオンを放出するイオン放出方式、紫外線を室内機10の内部に照射し、除菌を行う紫外線照射方式、室内領域の空気を室内機10内に吸い込んだ際に集塵を行う集塵方式等により実行される。なお、集塵方式には、例えば、フィルタ集塵方式や電気集塵方式等がある。フィルタ集塵方式では、HEPAフィルタなどの目の細かいフィルタに空気を通し、フィルタで埃等の汚れ物質をろ過することで、空気中から除去する。電気集塵方式では、吸い込んだ空気に含まれる埃等の汚れ物質を高圧放電で帯電させて、集塵部(例えば、反対極性に帯電(または接地)させた熱交換器22やフィルタ)に吸着させることで捕集する。なお、熱交換器22に吸着された汚れ物質は、例えば、熱交換器の表面に結露した結露水を排出する際に、一緒に屋外に自動的に排出することができる。
【0026】
図1に示されるように、空気調和装置1において、室内機10は、粒子検出センサ5、レーダー2、室内機制御部80、室温センサ3の他、熱交換器22、ファン23、フィルタ24(後述)、上下風向板25、左右風向板29、通風部材26、検出用ファン90、送受信装置94等を含む。また、室内機10は、室内機制御部80によって制御される、第1制御回路81、第2制御回路82、第3制御回路83、検出ファン駆動回路88、およびフォンモータ84、上下風向板モータ85、左右風向板モータ86、切替モータ87、検出ファンモータ89等を含む。なお、図1に示す構成の場合、空気清浄処理として、電気集塵方式を実行する帯電ユニット4が室内機制御部80によって制御される例が示されている。帯電ユニット4で帯電された除去対象粒子(塵埃、花粉、カビ等)は、熱交換器22の表面で捕集される。したがって、帯電ユニット4と熱交換器22とで空気中の除去対象粒子を除去する除去部を構成する。
【0027】
また、室外機120は、図示を省略した室外機筐体の内部に、熱交換器122、ファン123、四方弁124、圧縮機125、室外機制御部180、第4駆動回路181、第5駆動回路182、第6駆動回路183、ファンモータ184、弁切替モータ185、圧縮機モータ186等を含む。
【0028】
室内機10において、ファン23は、熱交換器22付近に配される。ファン23は、室内機10の吸込み口を介して室内領域から吸い込んだ空気を熱交換器22へ導くとともに、熱交換器22で熱交換された空調空気を室内機10の吹出し口へ導く。室内機制御部80は、第1制御回路81でフォンモータ84を駆動し、ファン23を回転軸周りに回転させる。室内機制御部80は、ファン23の回転数を変更可能である。
【0029】
熱交換器22は、例えば冷媒配管(冷媒回路)と複数のフィンとを有する。熱交換器22は、近くを通る冷媒回路に熱的に接触する。熱交換器22は、室内から吸い込まれた空気に対して冷媒との間で熱交換を行う。なお、熱交換器22を除去対象粒子の捕集を行わせるため、熱交換器22の少なくとも表面に所定の電位またはアース電位を印加して、帯電した除去対象粒子を吸着させる。なお、除去対象粒子を帯電させる帯電ユニット4は、例えば、図1に示されるように、熱交換器22の上流側(前方領域)の一部と重畳するように配置され、熱交換器22に向かう除去対象粒子を確実に帯電させるようにしている。なお、帯電ユニット4の形状および配置は、熱交換器22に向かう空気に含まれる除去対象粒子の帯電ができれば、適宜変更可能であり、同様の効果を得ることができる。
【0030】
室外機120において、ファン123は、熱交換器122の付近に配される。ファン123は、室外機制御部180による制御に応じて、回転する。これにより、ファン123は、外気を吸い込み熱交換器122へ導くとともに、熱交換器122で熱交換された外気を室外機120外へ排出する。室外機制御部180は、第4駆動回路181でファンモータ184を駆動し、ファン123を回転軸周りに回転させる。室内機制御部80は、室外機制御部180を介して、ファン123の回転数を変更可能である。
【0031】
熱交換器122は、例えば冷媒配管(冷媒回路)と複数のフィンとを有する。熱交換器122は、近くを通る冷媒回路に熱的に接触する。熱交換器122は、外気に対して冷媒との間で熱交換を行う。
【0032】
四方弁124は、冷媒回路内に配される。四方弁124は、室外機制御部180による制御に応じて、冷媒回路における冷媒の流路を冷房側と暖房側とで切り替え可能である。室外機制御部180は、第5駆動回路182で弁切替モータ185を駆動し、四方弁124を冷房側と暖房側とで切り替え可能である。室内機制御部80は、室外機制御部180を介して、四方弁124を冷房側と暖房側とで切り替え可能である。
【0033】
圧縮機125は、冷媒回路内に配される。圧縮機125は、室内機制御部80による制御に応じて室外機制御部180により、冷媒を圧縮して冷媒回路内に送り出す。室外機制御部180は、第6駆動回路183で圧縮機モータ186を駆動し、圧縮機125に冷媒の圧縮のサイクル動作を行わせる。室内機制御部80は、室外機制御部180を介して、圧縮機125のサイクル数(単位時間当たりの圧縮サイクルの実行回数)を変更可能である。
【0034】
例えば、空気調和装置1は、室内機制御部80及び室外機制御部180により、冷房運転モードにおいて、四方弁124を冷房側に切り替える。そして、熱交換器22で吸熱処理を行い、室内領域の空気から冷媒に熱を吸収させ、吸熱された空調空気を室内領域へ吹き出す。そして、熱交換器122で放熱処理を行い、冷媒に吸収された熱を外気へ放出させる。
【0035】
あるいは、空気調和装置1は、室内機制御部80及び室外機制御部180により、暖房運転モードにおいて、四方弁124を暖房側に切り替える。そして、熱交換器122で吸熱処理を行い、外気から冷媒に熱を吸収させる。そして、熱交換器22で加熱処理を行い、冷媒に吸収された熱で室内領域の空気を加熱し、加熱された空調空気を室内領域へ吹き出す。
【0036】
上下風向板25、左右風向板29は、それぞれ、室内領域に吹き出される空調空気の風向を調整する。風向とは、風の向きを意味する。本明細書では、室内機制御部80は直接的に上下風向板25、左右風向板29が向く方向を制御するが、上下風向板25、左右風向板29が向く方向と、室内機10の吹出し口から吹き出された直後の風の向き(風向)とは、おおむね一致するものとして扱う。すなわち、上下風向板25、左右風向板29は、その向きで風向を調整可能であり、室内機制御部80は、上下風向板25、左右風向板29の向きを制御することで、風向を制御可能である。なお、上下風向板25、左右風向板29は、それぞれ個別にその向きを制御することができる。これにより、室内機10の吹出し口全体から風向が一方向に揃えられた風を吹き出すこともできるし、室内機10の吹出し口のうち上下風向板25、左右風向板29等で区画される2以上の領域からそれぞれ風向が異なる2以上の風を吹き出すこともできる。
【0037】
上下風向板25は、閉じ位置と開き位置とで切り替え可能である。上下風向板25は、閉じ位置に切り替えられた状態で、吹出し口を閉塞する。上下風向板25は、開き位置に切り替えられた状態で、吹出し口を開口する。上下風向板25の動作により吹出し口が開口された状態で、上下風向板25、左右風向板29は、室内領域に吹き出される空調空気の風向を調整する。上下風向板25は、空調空気の風向を上下方向に調整する。左右風向板29は、空調空気の風向を左右方向に調整する。
【0038】
図2から図7を用いて、室内機10のより具体的な構造を説明する。図2は、室内機10の構成を示す例示的かつ模式的な断面図である。
【0039】
室内機10は、筐体21(室内機筐体)の内部に、上述したように、帯電ユニット4と、熱交換器22と、ファン23と、フィルタ24と、二つの上下風向板25(25A,25B)と、複数の左右風向板29(図1図4参照)、通風部材26等を有する。上下風向板25、左右風向板29及び通風部材26は、ルーバーとも称され得る。
【0040】
図2以降の各図面に示されるように、本明細書において、便宜上、X軸、Y軸及びZ軸が定義される。X軸とY軸とZ軸とは、互いに直交する。X軸は、室内機10の幅に沿って設けられる。Y軸は、室内機10の奥行に沿って設けられる。Z軸は、室内機10の高さに沿って設けられる。
【0041】
さらに、本明細書において、X方向、Y方向及びZ方向が定義される。X方向は、X軸に沿う方向であって、X軸の矢印が示す+X方向と、X軸の矢印の反対方向である-X方向とを含む。Y方向は、Y軸に沿う方向であって、Y軸の矢印が示す+Y方向と、Y軸の矢印の反対方向である-Y方向とを含む。Z方向は、Z軸に沿う方向であって、Z軸の矢印が示す+Z方向と、Z軸の矢印の反対方向である-Z方向とを含む。本実施形態において、+Z方向は上方向であり、-Z方向は下方向である。
【0042】
筐体21は、X方向に延びた略直方体状に形成される。なお、筐体21は、他の形状に形成されてもよい。筐体21は、例えば、建造物(室内)の壁等に架けられる。筐体21は、上面21aと、下面21bとを有する。上面21aは、筐体21の上方向の端部またはその近傍に設けられ、略上方向に向く。下面21bは、筐体21の下方向の端部またはその近傍に設けられ、略下方向に向く。
【0043】
筐体21に、通風路31、吸込み口32、及び吹出し口33が設けられる。通風路31は、筐体21の内部に設けられ、ファン23によって、室内機10の駆動時には強制的に空気が流れる主通風路を構成する。吸込み口32は、例えば、筐体21の上面21aに開口する。吹出し口33は、例えば、筐体21の下面21bに開口する。吸込み口32及び吹出し口33は、筐体21の他の部分に開口してもよい。
【0044】
室内機10は、通風路31に風を通すことができる。風は、空気のような気体の流れである。吸込み口32は、通風路31の一方の端に設けられ、通風路31を室内機10の外部に連通する。なお、吸込み口32から吸い込まれる空気には、除去対象粒子(塵埃、花粉、カビ等)が含まれ得る。吹出し口33は、通風路31の他方の端に設けられ、通風路31を室内機10の外部に連通する。言い換えると、通風路31は、筐体21の内部において、吸込み口32と吹出し口33との間に設けられる。
【0045】
熱交換器22は、通風路31に設けられる。熱交換器22は、通風路31において周囲の気体と熱交換を行う。これにより、熱交換器22は、冷房運転時に通風路31を流れる風を冷却し、暖房運転時に通風路31を流れる風を加熱する。
【0046】
帯電ユニット4は、熱交換器22の吸込み口32側に配置された、例えば櫛形構造体で、ファン23から取り込まれた空気が熱交換器22を通過する前に確実に櫛形構造体を通過ように構成されている。帯電ユニット4は、周知の技術により櫛形構造体を通過する空気に含まる除去対象粒子(塵埃、花粉、カビ等)を強制的に帯電させる。
【0047】
ファン23は、通風路31に設けられる。ファン23は、X方向に延びる回転軸Axfまわりに回転することで、通風路31において吸込み口32から吹出し口33へ風を送る。これにより、室内機11は、吸込み口32から室内の空気を通風路31へ吸い込み、吹出し口33から通風路31の空気(風)を吹き出す。このため、本明細書では、通風路31において吸込み口32に近い側を上流、吹出し口33に近い側を下流と称する。
【0048】
ファン23は、熱交換器22の下流に位置する。このため、ファン23が風を生じさせると、吸込み口32から吸い込まれた空気が帯電ユニット4に続いて熱交換器22のフィンを通過する。これにより、通風路31を流れる空気に含まれる除去対象粒子(塵埃、花粉、カビ等)が帯電される。さらに、22は、除去対象粒子(塵埃、花粉、カビ等)を含む空気が通過する際に熱交換を行うとともに、帯電した除去対象粒子を熱交換器22の表面で捕集する。つまり、電気集塵を実行する。
【0049】
フィルタ24は、吸込み口32、または通風路31における吸込み口32の近傍に設けられる。フィルタ24は、熱交換器22の上流に位置する。フィルタ24は、筐体21の内部から吸込み口32を覆う。フィルタ24は、例えば、吸込み口32から吸い込まれた空気を濾過し、当該空気中の比較的大きさサイズの塵埃を捕捉する。上述したように、フィルタ24をHEPAフィルタ等で構成することにより、より高品質の空気清浄処理を実現することができる。なお帯電ユニット4と熱交換器22との間にフィルタを配置してもよく、帯電済みの除去対象粒子のうち比較的大きなサイズの粒子を捕集するようにしてもよい。
【0050】
上下風向板25、左右風向板29は、図2図4に示すように構成され得る。図2は、上下風向板25が閉じ位置Pc1(第1閉じ位置という場合もある)にある状態を示す。図3は、室内機10の構成及び動作を示す断面図であり、上下風向板25が開き位置Po1(第1開き位置という場合もある)にある状態を示す。図4は、室内機10の構成及び動作を示す斜視図であり、上下風向板25が開き位置にあり、左右風向板29が見えている状態を示す。
【0051】
上下風向板25は、複数の上下風向板25A,25Bを含んでもよい。上下風向板25A,25Bは、それぞれ、空調空気の風向を上下方向に調整する部材であり、上下ルーバーとも呼ばれる。上下風向板25Aは、空調空気の第1の流路C1を形成し、上下風向板25Bは、空調空気の第2の流路C2を形成する。上下風向板25A,25Bは、それぞれ、軸部41と板部42とを有する。
【0052】
軸部41は、X方向に延びる略円柱状に形成される。軸部41は、X方向に延びる回転軸Axlまわりに回転可能に筐体21に支持される。なお、上下風向板25A,25Bはそれぞれ、個別の回転軸Axlを有する。板部42は、軸部41から回転軸Axlと略直交する方向に突出する。板部42は、X方向に延びる略矩形の板状に形成される。
【0053】
上下風向板25Aは、回転軸Axlによって支持され、第2制御回路82によって上下風向板モータ85が制御され、図2に示される閉じ位置Pc1と、図3に示される開き位置Po1との間で移動可能である。上下風向板25Bは、回転軸Axlによって支持され、第2制御回路82によって上下風向板モータ85が制御され、図2に示される閉じ位置Pc1と、図3に示される開き位置Po1との間で移動可能である。
【0054】
図2に示すように、上下風向板25Aは、閉じ位置Pc1に切り替えられた状態で、第1の流路C1の出口となる吹出し口33を閉塞する。上下風向板25Bは、閉じ位置Pc1に切り替えられた状態で、第2の流路C2の出口となる吹出し口33を閉塞する。第1の流路C1及び第2の流路C2は、室内機10の吹出し口33を形成する。
【0055】
図3及び図4に示すように、上下風向板25Aは、開き位置Po1に切り替えられた状態で、第1の流路C1を開口する。上下風向板25Bは、開き位置Po1に切り替えられた状態で、第2の流路C2を開口する。
【0056】
開き位置Po1は、上下風向板25A,25Bが吹出し口33の一部を開放する種々の位置を含む。例えば、開き位置Po1は、図3のように上下風向板25A,25Bが略水平方向に向く位置と、上下風向板25A,25Bが下方に向く位置と、これら二つの位置の間の複数の位置とを含む。すなわち、上下風向板25A,25Bは、略水平方向に向く位置と、下方に向く位置との間で回動可能である。
【0057】
開き位置Po1に位置する上下風向板25A,25Bは、当該上下風向板25A,25Bの向きにより、吹出し口33から放出された風の上下方向(+Z方向、-Z方向)における向きを調整する。すなわち、図3のように上下風向板25A,25Bが略水平方向に向くことで、室内機10は略水平方向に風を放出する。一方、上下風向板25A,25Bが下方に向くことで、室内機10は下方向に風を放出する。
【0058】
図4に示されるように、左右風向板29は、X方向に延設される回転軸Ax2(図示せず)によって支持され、第2制御回路82によって左右風向板モータ86が制御され、-X側端に向かう回動位置と+X側端に向かう回動位置との間で移動可能である。
【0059】
左右風向板29は、複数の左右風向板29-1~29-k,29-(k+1)~29-2kを含んでもよい。複数の左右風向板29-1~29-k,29-(k+1)~29-2kは、それぞれ、空調空気の風向を左右方向(-X方向、+X方向)に調整する部材であり、左右ルーバーとも呼ばれる。なお、-X側の左右風向板29-1~29-kと+X側の左右風向板29-(k+1)~29-2kとは、その向きが室内機制御部80により独立に制御可能であってもよい。
【0060】
-X側の左右風向板29-1~29-kは、共通の回転軸Ax2(不図示)に連結され、第2制御回路82によって86が制御され、-X側端の開き位置と+X側端の開き位置との間で一括して移動可能であってもよい。+X側の左右風向板29-(k+1)~29-2kは、共通の回転軸Ax2(不図示)に連結され、第2制御回路82によって左右風向板モータ86が制御され、-X側端の開き位置と+X側端の開き位置との間で一括して移動可能であってもよい。
【0061】
図2に示す通風部材26は、閉じ位置Pc2(第2閉じ位置という場合もある:図5参照)と開き位置Po2(第2開き位置という場合もある:図3参照)とで切り替え可能である。通風部材26は、開き位置Po1に位置する上下風向板25Aによって開放された吹出し口33(第1の流路C1)の少なくとも一部を覆う閉じ位置Pc2に配置可能である。通風部材26は、閉じ位置Pc2において通風路31に向く内面と、閉じ位置Pc2において外部に向く外面と、を有し、内面及び外面に開口する少なくとも一つの通風口56が設けられている。通風部材26は、閉じ位置Pc2において、ファン23により送られてくる風が通風口56を通って外部に放出される第1の吹出流路(第1の流路C1)と、通風口56を通らずに第1の吹出流路(第1の流路C1)に隣接して外部に放出される第2の吹出流路(第2の流路C2)を形成できる。つまり、通風部材26は、閉じ位置Pc2に切り替えられた状態で、室内に吹き出される空調空気の流路の一部に挿入され、流路の一部の開口率を変更する。
【0062】
通風部材26は、開き位置Po2に切り替えられた状態で、流路の一部への挿入が解除され(例えば、流路の一部から退避され)、流路の一部の開口率がもとに戻される。
【0063】
空気調和装置1において、室内機制御部80は、補助運転モードとしての無風感モードになると、通風部材26を閉じ位置Pc2に切り替える。通風部材26は、閉じ位置Pc2に切り替えられた状態で、第1の流路C1に選択的に挿入され第1の流路C1の開口率を変更する。一方、通風部材26が存在しない上下風向板25Bで開閉される第2の流路C2の開口率は元のまま維持される。室内機制御部80は、補助運転モードとしての無風感モードが解除されると、通風部材26を開き位置Po2に切り替える。通風部材26は、開き位置Po2に切り替えられた状態で、第1の流路C1から退避され、第1の流路C1の開口率がもとに戻される。
【0064】
例えば、通風部材26は、図3に示される開き位置Po2から図5に示される閉じ位置Pc2との間で開閉可能である。図6は、通風部材26の構成を示す斜視図である。
【0065】
図3に示すように、通風部材26は、開き位置Po2に切り替えられた状態で、吹出し口33の近傍に設けられた筐体21の窪み21cに収容される。窪み21cは、通風路31の一部を形成する筐体21の内面21dから窪んでいる。開き位置Po2に位置する通風部材26は、窪み21cに収容されることで、第1の流路C1を流れる風を妨げることを抑制される。
【0066】
図5に示すように、通風部材26は、閉じ位置Pc2に切り替えられた状態で、第1の流路C1に挿入され、当該第1の流路C1の開口率を変更する。第1の流路C1の開口率は、通風部材26が挿入される前に比べて小さくなる。通風部材26は、図6に示すように、板状の板部52に複数の通風口56が配列された部材である。通風部材26は、軸部51によって支持され、第3制御回路83によって切替モータ87が制御され、閉じ位置Pc2と開き位置Po2との間で移動可能である。そして、閉じ位置Pc2に移動した場合に、図7に示すように、ファン23によって通風路31内を移動する風は通風口56を通り、風W2aに変化する。
【0067】
一方、第2の流路C2を形成する吹出し口33には、通風部材26が設けられない。第2の流路C2の開口率は、元のまま維持されている。つまり、第2の流路C2から放出される風は、通風部材26を通過しない風W1a(層流)となる。その結果、第1の流路C1に設けられた通風部材26を通過する風W2aと通風部材26が設けられない第2の流路C2を通過した風W1aが隣接して形成されることになる。
【0068】
この場合、第1の流路C1の開口率が小さくなったことに応じて、風W2aの流速が早くなる。このため、風W2aは、風W1aを引き込む。これにより、風W1aが風W2aに当たる。また、乱流に遷移した風W2aは拡散することで、当該風W2aに隣接して流れる風W1aに当たる。このように、流速や状態(層流または乱流)が異なる風W1a及び風W2aは、隣り合って流れることで、互いに当たる。すなわち、通風部材26(通風口56)を通過しない風W1aと、通風部材26(通風口56)を通過した風W2aとが互いに干渉する。
【0069】
風W1aと風W2aとが互いに当たることで、例えば、風W1a及び風W2aの塊が砕かれ、乱流である風W2aが風W1aに運ばれる。風W1a及び風W2aは、このような種々の相互作用を生じて、広範囲に拡散する乱流Ws(混合風)を発生させる。その結果、室内機10から放出される乱流Wsは、吹出し口33から放出された直後の風よりも自然の風(いわゆる、無風感の風)に近い状態になる。この場合、通風部材26は、第1の流路C1と第2の流路C2のいずれか一方に形成すればよいので、部品点数の増加、室内機10の構成の複雑化、コスト上昇の抑制に寄与することができる。また、通風部材26は、通風口56のみを備えるシンプルな構造になり、コストの上昇や通風部材26の強度低下等の抑制に寄与することができる。
【0070】
図1に戻り、レーダー2は、室内における検知対象(例えばユーザCR)の位置及び移動速度、角度、形状(床面からの高さ等)を検知可能である。レーダー2は、超音波レーダー、ミリ波レーダー、マイクロ波レーダー、ライダーなどのドップラーレーダである。レーダー2は、送信部2a、受信部2b、信号処理部2cを有する。レーダー2は、ミリ波・マイクロ波などの電波、音波、光を信号処理部2cで生成して送信部2aから室内領域に送信し、室内領域に存在し得る検知対象(ユーザCR)等によって反射した反射波を受信部2bで受信して信号処理部2cへ渡す。レーダー2は、室内機10の筐体21の前面のいずれかの位置に設けられるが、室内領域における検知対象(ユーザCR)の位置等を検知しやすい位置に設けられることが望ましい。レーダー2は、図2図5に点線で示すように、筐体21の+Y側の部分におけるX方向中央近傍の位置に埋め込まれていてもよい。なお、送信部2aおよび受信部2bは、図4に示されるように、筐体21の表面から露出することが望ましい。
【0071】
上述したように、本実施形態の室内機10は、ファン23の駆動の有無に拘わらず、つまり、室内機10が空気調和制御を実行していない状態でも、室内空気の汚れ状態に基づき、室内の空気環境を最適な状態に維持するような「空清見張りモード」に基づく監視制御を行う。そのため、室内機10は、最小限の電力により常時駆動可能な粒子検出ユニット5M(粒子検出部)を備える。粒子検出ユニット5Mは、図4に示されるように、例えば、筐体21の側外壁21eに配置される。図4の場合、室内機10の左側壁に粒子検出ユニット5Mの検出用吸込み口5Maと、検出用吹出し口5Mbが露出している例が示されている。なお、室内空気の汚れ状態は、その汚れレベルに応じた表示を行う表示部により表示するようにしてもよい。表示部は例えば、室内機10の一部(例えば、前面部分等)に配置され、汚れレベルに応じて、例えば、赤色(汚れレベル:大)、黄色(汚れレベル:中)、青色(汚れレベル:低(清浄度:ほぼ良好)等の色識別表示を行ってもよい。なお、表示レベルの態様は、一例であり、例えば、より詳細な色分け(4段階以上)を行ってもよいし、逆に赤色表示のみや赤色表示と青色表示の2段階等の簡易表示とうしてもよい。また、数値等他の態様で表現してもよい。また、この汚れレベルは、例えば、ユーザCR等が携帯する操作端末94aや外部端末装置94b(例えば、スマートフォン等)に転送して表示するようにしてもよい。また、操作端末94aや外部端末装置94bには、汚れレベルに加えて、室内機10が設置されている室内空間の温度、湿度、室内機10の現在の運転モード等を表示するようにしてもよい。
【0072】
図8は、粒子検出ユニット5Mの構成を示す例示的かつ模式的な説明図である。粒子検出ユニット5Mは、検出用吸込み口5Maと検出用吹出し口5Mbとの間に、室内機10の通風路31(主通風路)とは異なる(独立した)副通風路5Mcを構成している。つまり、副通風路5Mcの一端側に検出用吸込み口5Maが設けられ、副通風路5Mcの他端側に検出用吹出し口5Mbが設けられている。粒子検出ユニット5Mは、副通風路5Mcの中に通風路31(主通風路)のファン23が停止中でも駆動可能な検出用ファン90を備える。副通風路5Mc中に通風路31のファン23と異なる独立した検出用ファン90を配置することにより、ファン23の駆動(室内機10の空気調和制御の実行の有無)及びファン23の駆動強度(強風、弱風等)に拘わらず、室内機10が設置された室内空間の空気を検出用吸込み口5Maから粒子検出ユニット5Mの内部(副通風路5Mc内部)に強制的に、かつ安定的に引き込むことができる。なお、検出用ファン90はファン23より小型であり、消費電力も少ないため、室内機10の休止中の駆動でも室内機10のトータルの運転コストへの影響は少ない。
【0073】
また、粒子検出ユニット5Mは、図8に示されるように、副通風路5Mcの内部で例えば、検出用ファン90の上流側(検出用吸込み口5Maに近い側)には、粒子検出センサ5が配置されている。粒子検出センサ5は、周知の粒子検出センサで、例えば、光学式のセンサが利用可能で、副通風路5Mcの壁面に当該副通風路5Mcを挟んで発光部5aと受光部5bとが対向配置されている。したがって、検出用ファン90によって検出用吸込み口5Maから吸い込まれた室内空気に含まれる除去対象粒子を検出することができる。検出用ファン90は、通風路31のファン23の動作とは独立して副通風路5Mc内で一定の流速を維持できるように制御することができるので、室内空気に含まれる除去対象粒子の単位時間当たりの密度をより正確かつ安定的に検出することができる。すなわち、室内空気の汚れ度(例えば、3段階の汚れ度(清浄度))の安定的かつ正確な検出が可能となる。なお、この場合、室内機10が設置された室内空間の空気における除去対象粒子の分布密度は、ほぼ均一であると仮定して、室内機10(粒子検出ユニット5M)の周囲の空気の汚れ度を、室内空間全体の汚れ度と見なして、室内機10の制御に反映させる。室内機10が空気調和制御を実行している場合、空気清浄制御を実行している場合、送風制御を実行している場合等は、ファン23によって、吹出し口33から吹出される空気によって室内空間の空気が撹拌されるため、室内空間の除去対象粒子の分布がより均一化され、粒子検出ユニット5Mによる空気の汚れ度の検出精度を向上することができる。なお、粒子検出ユニット5Mの構成は一例であり、室内空気に含まれる除去対象粒子の検出が可能であれば、適宜変更可能であり、同様な効果を得ることができる。
【0074】
図9は、以上のように構成される室内機10(空気調和装置1)の室内機制御部80の詳細を示す例示的かつ模式的なブロック図である。なお、室内機制御部80は、室外機制御部180と一体的に構成された制御部とされてもよい。この場合、一体化された制御部は、室内機10と室外機120のいずれに設けられていてもよい。
【0075】
室内機制御部80を構成するCPUは、ROM等の不揮発性の記憶装置にインストールされ記憶された制御プログラムを読み出し、当該プログラムにしたがって各種制御や演算処理を実行するモジュールを実現する。室内機制御部80は、運転モード制御部80a、駆動回路制御部80b、レーダー制御部80c、粒子検出制御部80d、温度監視部80e、優先処理部80f、空気清浄制御部80g、風制御部80h等のモジュールを備える。また、粒子検出制御部80dは、検出ファン制御部80d1、センサ値取得部80d2、判定部80d3等の詳細モジュールを備える。なお、これらの各モジュールは、ハードウエアで構成されてもよい。また、各モジュールは、機能ごとに統合や分割されてもよい。なお、上述した各モジュールは、室外機制御部180側で実現されてもよい。
【0076】
運転モード制御部80aは、室外機制御部180と連動して、室内機10および室外機120を制御し、各種運転モードを実行する。すなわち、運転モード制御部80aは、室内機10の運転モードとして上述した、「空清見張りモード」や「高温見張りモード」等の監視運転モードの制御、「レーダー制御モード」、「主運転モード」としての冷房運転モード、暖房運転モード、除湿運転モード、加湿運転モード、送風運転モード、空気清浄運転モード等の切り替えを行う。監視運転モードの切り替え動作は、粒子検出センサ5や室温センサ3等の結果に基づいて実行される。また、「レーダー制御モード」、「主運転モード」等の切り替え動作は、送受信装置94を介して室内機制御部80に接続される、ユーザが操作する操作端末94aや外部端末装置94bからの指令信号に基づいて実行されたり、レーダー2の検知結果に基づいて自動的に行われたりする。
【0077】
駆動回路制御部80bは、運転モード制御部80aで切り替えた運転モードに基づき、第1制御回路81、第2制御回路82、第3制御回路83、検出ファン駆動回路88の制御行い、ファン23、上下風向板25、左右風向板29、通風部材26、検出用ファン90の動作制御を行う。なお、運転モードに応じて、室外機120の室外機制御部180の制御が行われ、ファン123、四方弁124、圧縮機125等の室外機120側機器が駆動する。
【0078】
レーダー制御部80cは、レーダー2(送信部2a、受信部2b)の送受信を制御するとともに、信号処理部2cを制御して、送信波および受信波の解析結果(検知結果)を取得する。なお、レーダー2は、室内機10が操作端末94a等の操作によって起動した後に検知処理を有効としてもよいし、室内機10の起動に拘わらず、常時スタンバイモードで待機して、例えば初期設定された室内領域で物体(検知対象のユーザCR)の移動(動き)を検知した場合、通常起動するようにしてもよい。
【0079】
粒子検出制御部80dは、粒子検出ユニット5Mの制御を行い、室内空気の粒子検出ユニット5Mへの取り込み、取り込んだ室内空気における除去対象粒子の量の検出、検出結果にも基づく空気の汚れ判定処理を行う。上述したように、粒子検出制御部80dは、検出ファン制御部80d1、センサ値取得部80d2、判定部80d3を含む。
【0080】
検出ファン制御部80d1は、例えば、操作端末94a、外部端末装置94b等の操作に基づき、室内機10の主駆動モードの制御とは独立して、検出ファン駆動回路88を介した検出ファンモータ89の制御により検出用ファン90を駆動する。なお、本実施形態の場合、検出用ファン90は基本的には一定の強さで継続的に運転するため、検出ファン制御部80d1は、オン・オフ制御をするものでもよい。
【0081】
センサ値取得部80d2は、粒子検出センサ5からセンサ値を逐次取得し、判定部80d3に提供する。なお、センサ値取得部80d2が取得したセンサ値は、図示を省略した記憶部に一時的に記憶し、適宜必要なタイミングで読み出し、利用するようにしてもよい。判定部80d3は、図示を省略した記憶部等に予め記憶された基準値とセンサ値取得部80d2が取得した粒子検出センサ5のセンサ値との比較を行う。そして、判定部80d3は、現在、粒子検出ユニット5Mを通過中の空気に含まれる除去対象粒子の量が基準値以上であるか、室内機10の空気清浄運転を実行させるか否かの判定を行う。現在の室内空気が所定値以上に汚れている場合、判定部80d3は、例えば、休止中の室内機10を通常運転モードで駆動させ(自動起動させ)、空気清浄運転モードでの運転(第1制御モードという場合もある)を自動的に開始させる。なお、前述したように、粒子検出ユニット5Mは、室内機10の休止中(ファン23の非駆動中、及び室内機10のファン23、室外機120のファン123、圧縮機125の非駆動中:この状態を主電源のオフ状態という場合もある)にも継続動作させる必要があるため、粒子検出制御部80dを含め検出ファン駆動回路88は室内機10の電源供給系とは別系統の独立電源供給系により駆動制御されるようにしてもよい。
【0082】
温度監視部80eは室温センサ3(温度検知部)から提供される室内空間の温度情報(室温情報、センサ値)を取得するとともに、室内空間の温度に基づき、運転モード制御部80aを制御し、操作端末94aの操作に拘わらず、少なくとも冷房制御を実行させる。また、温度監視部80eは、粒子検出制御部80dと同様に、室内機10の休止中(主電源のオフ状態)でも、室内空気の温度を常時監視し、室内温度が所定の冷房実行温度以上(例えば、32℃以上)になった場合、自動的に冷房運転(第2制御モードという場合がある)を実行する。このような監視モードを「高温監視モード」という。例えば、室内温度の上昇を認識しにくい、老人や幼児、ペット等が室内にいる場合、また、室内温度の上昇を認識しても何らかの原因により操作端末94aや外部端末装置94bの操作ができない場合等でも、室内温度に応じて、冷房運転を自動的に実行することができるため、熱中症等の発症を抑制し易くなる。なお、温度監視部80eは、室内温度が例えば、制御準備温度である、例えば28℃以上になった場合、冷房運転に先立ち送風運転を行い、室内空気の循環を積極的に行い、温度分布の偏り等を軽減し、冷房運転を過剰に実施することを回避するとともに、送風による緩やかな温度低下を試みるようにしてもよい。
【0083】
優先処理部80fは、「空清見張りモード」と「高温見張りモード」との両方が実行されている場合、「高温見張りモード」を優先させる制御を実行する。例えば、「空清見張りモード」の実行中に空気の汚れが所定値以上となり制御空気清浄運転が実行されている場合に、「高温見張りモード」の実行による室内温度が所定温度以上になったことが検出された場合、空気清浄運転を一時的に中止し、冷房運転を優先して実行する。空気清浄運転時の空気清浄の効率は、ファン23の駆動力に左右される。すなわち、できるだけファン23を高回転させて、室内機10内で、空気が除去対象粒子を除去する除去部として機能する帯電ユニット4及び熱交換器22を効率的に通過させて捕集を行う必要がある。一方、高温監視モードによる判断により冷房運転が開始される場合、室内には、体調の悪い人や幼児等がいる場合がある。その場合、冷房運転時に空気清浄運転のためにファン23を高回転させてしまうと、急速な温度低下が生じたり、運転音の増加等が生じて、違和感や不快感を与えてしまったりする場合がある。そのため、高温監視モードによる判定により冷房運転が開始する場合には、ファン23を低速回転させて、緩やかに、静かに室内温度を低下させることが望ましい。
【0084】
前述したように、空気清浄運転はファン23を高回転で駆動することが望ましく、高温監視の結果の冷房運転と空気清浄運転を並行して実行する場合、効率上の矛盾が生じる。したがって、本実施形態では、「空清見張りモード」と「高温見張りモード」が並行して実行されている場合、「高温見張りモード」による制御を優先させ、まず、室内の温度を危険のない温度(冷房実行温度未満)に低下させる。その後、室内温度が制御準備温度未満の状態が、所定時間(例えば、180分)維持された場合、冷房運転を一旦停止する。そのとき、室内空気の汚れ程度が、所定値を超えていた場合、空気清浄運転を自動的に開始する。この場合、ファン23の動作音はするものの、吹出し口33から吹出す風は、空気清浄のための循環空気であり、室内温度の変化に影響しにくい。前述したように、空気清浄はファン23の高回転により効率的に行われるため、比較的短時間で終了可能である。例えば、粒子検出センサ5による空気状態を示すセンサ値が所定時間(例えば、15分)維持された場合、自動的に実行された空気清浄制御を一旦停止させる。
【0085】
空気清浄制御部80gは、室内空間における空気の汚れ状態が、予め定められた所定値以上になった場合(所定値以上汚れていると見なせる場合)空気清浄処理を実行する。すなわち、空気清浄制御部80gは、粒子検出ユニット5Mを通過する室内空気の汚れ程度を粒子検出センサ5で監視して、空気の汚れレベル(塵埃、花粉、カビ等による汚れ程度)が所定値以上になった場合、帯電ユニット4を制御し、副通風路5Mcを通過する空気に含まれる粒子(例えば、塵埃、花粉、カビ等の除去対象粒子)をプラズマ放電等の周知の技術を用いて帯電させる。この場合、空気清浄制御部80gは、熱交換器22に所定の電位またはアース電位を印加し、帯電した粒子を捕集可能な状態に制御する。また、空気清浄制御部80gは、第1制御回路81を介してフォンモータ84を例えば高速回転制御し、ファン23を駆動して、除去対象粒子の捕集効率を制御する。なお、空気清浄制御中のファン23の回転速度は、操作端末94aや外部端末装置94bを用いて、ユーザCRの好みに合わせて適宜設定可能である。
【0086】
なお、熱交換器22の表面に捕集された除去対象粒子は、例えば、室内機10が冷房運転時に熱交換器22の表面で生じる結露水等を用いて流して、室内機10の外部(例えば、屋外等)に結露水とともに排出することができる。なお、室内機10が例えば加湿運転時に用いる水を貯留しておくタンク等を備える場合、そのタンクの水を用いて、熱交換器22の表面で捕集した除去対象粒子を流して排出してもよい。
【0087】
風制御部80hは、運転モード制御部80aにより制御される各種モードにしたがって、吹出し口33から吹き出す風(例えば冷房風や暖房風、空気清浄済み空気等)の方向や吹き出す風の質を制御する。風制御部80hは、第2制御回路82を介して上下風向板モータ85を制御して上下風向板25の左右方向の位置制御を行う。また、風制御部80hは、左右風向板モータ86を介して左右風向板モータ86を制御して左右風向板29の左右方向の位置制御を行う。風制御部80hは、上下風向板25と左右風向板29の方向制御を組み合わせて行うことにより、吹出し口33から吹き出される風の方向(到達位置)を適宜変更することができる。例えば、風制御部80hは、風向や風質を制御して、例えば、冷房制御時には、清涼感を向上させることができる。例えば、風制御部80hは、レーダー2の検出結果に基づき、室内空間に存在する人の位置を認識し、その人に意図的に空気調和した風を当てたり、逆に空気が当たらないようにしたりする制御を行うことができる。
【0088】
風制御部80hは、前述したように、第3制御回路83を介して切替モータ87を制御し、通風部材26を閉じ位置Pc2に移動させて、乱流(いわゆる無風感の風)を吹出し口33から吹き出すことができる。風制御部80hは、通風部材26に加え、上下風向板25や左右風向板29の制御を行い、無風感の風の方向を制御し、例えば、通常運転時にユーザCRの存在する方向や逆に存在しない方向に向けることができる。例えば、無風感の風(すなわち、自然の風)がユーザCRに当たるようにすることにより、冷房制御時には、冷風が当たることによる不快感を抑制しつつ、より清涼感を向上させ、暖房制御時には、温風が当たることによる不快感を抑制しつつ、より暖かさを感じさせ易くすることができる。逆に、無風感の風をユーザCRの存在しない方向に吹き出すことにより、風が直接当たることを一層抑制することができる。なお、空気清浄制御部80gにより空気清浄運転が行われる場合、早急に室内空間の空気に含まれる除去対象粒子を捕集することが望ましいため、風制御部80hは、空気清浄運転時は、例えば、上下風向板25及び左右風向板29を連続的に動作させ、吹出し空気の方向を上下左右方向に振り、空気の撹拌を効率的に行い、除去対象粒子の捕集効率を向上することが望ましい。
【0089】
以上のように構成される室内機10における運転のうち特に「高温見張りモード」及び「空清見張りモード」による制御の流れを図10の例示的なフローチャートを用いて説明する。「高温見張りモード」や「空清見張りモード」がオンの場合は、室内機10や操作端末94a、外部端末装置94b等と端末装置において、「高温見張りモード」や「空清見張りモード」がオンになっていることを表示するようにしてもよい。
【0090】
まず、室内機制御部80は、「空清見張りモード」及び「高温見張りモード」がONになっているか否か判定する(S100)。そして、「空清見張りモード」及び「高温見張りモード」がONになっている場合(S100のYes)、まず、温度監視部80eは、室温センサ3から取得したセンサ値に基づき、室温が所定の制御準備温度T1(例えば、28℃)以上になったか否かを判定すする(S102)。室温が制御準備温度T1以上の場合(S102のYes)、さらに、室内温度が冷房実行温度T2(例えば、32℃)以上になったか否かを判定する(S104)。室内温度が、冷房運転を強制的に実行する冷房実行温度T2以上になっていると判定される場合(S104のYes)、室内機制御部80は、室内機10の主電源を自動的にオンするとともに、運転モード制御部80aは、室内機10の運転モードを冷房運転に切り替え、冷房運転を実行する「高温見張りモード」における自動冷房処理を実行する(S106)。すなわち、室温が冷房実行温度T2である場合、優先的に自動冷房運転を実行して、室温を低下させて、熱中症等の発症の危険性を軽減するとともに、室内の環境温度を快適な状態に移行させる制御を優先的に行う。なお、室温が制御準備温度T1以上になった場合、高温注意に関する報知を室内機10や操作端末94a、外部端末装置94b等に、例えば音声や表示等で行うようにしてもよい。同様に、冷房実行温度T2以上になった場合は、自動冷房運転が開始されたことを示す報知を室内機10や操作端末94a、外部端末装置94b等に、例えば音声や表示等で行うようにしてもよい。なお、冷房実行温度T2以上になった場合、制御準備温度T1以上になった場合より、強調した報知を行うことが望ましい。
【0091】
なお、「高温見張りモード」における自動冷房運転の実行中に、操作端末94aや外部端末装置94bの操作により冷房運転以外の運転モードが選択されず、かつ冷房運転の停止スイッチ(SW)が押下されない場合で(S108のNo)、制御準備温度T1未満の状態がY分以上継続していない場合(S110のNo)、S106の処理に移行し、自動冷房運転処理を継続する。
【0092】
一方、「高温見張りモード」における自動冷房運転の実行中に、操作端末94aや外部端末装置94bの操作により冷房運転以外の運転モードが選択された場合、または冷房運転の停止スイッチ(SW)が押下させた場合(S108のYes)、自動冷房運転を停止する(S112)。また、S110の処理において、室内温度が制御準備温度T1未満の状態が、Y分以上継続した場合(S110のYes)、自動冷房運転を停止する(S112)。そして、操作端末94aや外部端末装置94bを介して室内機10の運転停止後に「空清見張りモード」及び「高温見張りモード」のOFF操作が行われたか否か判定する(S114)。「空清見張りモード」及び「高温見張りモード」のOFF操作が行われていない場合、S100の処理に戻り、上述した処理を継続して行う。一方、S114の処理で、「空清見張りモード」及び「高温見張りモード」のOFF操作が行われた場合、つまり、ユーザCRが意図的に、粒子検出ユニット5Mの駆動をOFFした場合、このフローを一旦終了する。
【0093】
S104の処理において、室内温度が、冷房運転を強制的に実行する冷房実行温度T2以上になっていないと判定される場合(S104のNo)、運転モード制御部80aは、室内機10の運転モードを送風運転に切り替える自走送風処理を実行する(S116)。つまり、室内の空気の循環(撹拌)を促進することにより、部屋全体や部屋の一部の温度が上昇することを抑制するとともに、送風による清涼感を室内に存在する利用者等に与えるようにする。
【0094】
「高温見張りモード」における自動送風運転の実行中に、操作端末94aや外部端末装置94bの操作により送風運転以外の運転モードが選択されず、かつ送風運転の停止スイッチ(SW)が押下されない場合で(S118のNo)、制御準備温度T1未満の状態がY分以上継続していない場合(S120のNo)、S116の処理に移行し、自動送風運転処理を継続する。
【0095】
一方、「高温見張りモード」における自動送風運転の実行中に、操作端末94aや外部端末装置94bの操作により送風運転以外の運転モードが選択された場合、または送風運転の停止スイッチ(SW)が押下させた場合(S118のYes)、自動送風運転を停止する(S122)。また、S120の処理において、室内温度が制御準備温度T1未満の状態が、Y分以上継続した場合(S120のYes)、自動送風運転を停止し(S122)、S114の処理に移行する。
【0096】
S102の処理において、室温が制御準備温度T1未満の場合(S102のNo)、粒子検出制御部80dは、粒子検出ユニット5Mを通過する室内空気の汚れレベルが、予め定めた所定値(汚れレベルD)以上になった場合(S124のYes)、空気清浄制御部80gは、自動で空気清浄運転を行う自動空清処理を実行する(S126)。この場合、室内機10や操作端末94a、外部端末装置94b等において、室内空気が汚れていること、または室内空気の汚れレベルをユーザCR等に報知するようにしてもよい。自動空清運転の結果、室内空気の汚れレベルが、予め定めた所定値(汚れレベルDよりも低い汚れレベルD1)未満となる状態が、所定時間X分(例えば、15分)以上継続さいた場合(S128のYes)、室内機10が設置された室内空間の空気の清浄度が所定値以上になったと判定し、空気清浄制御部80gは、一旦自動空清処理を停止し(S130)、S114の処理に移行し、以降の処理を継続する。なお、自動空清処理を開始する汚れレベルDと、自動空清処理を停止する汚れレベルD1を同じにしてもよい。本実施形態のように、自動空清処理を開始する汚れレベルDに対して、自動空清処理を停止する汚れレベルD1を低くすれば、自動空清処理が開始と停止を頻繁に繰り返す現象を抑制することができる。
【0097】
なお、S128の処理で、室内空気の汚れレベルが、予め定めた所定値(汚れレベルD1)未満となる状態が、所定時間X分未満の場合(S128のNo)、S126の自動清浄処理を継続する。また、S124の処理において、粒子検出ユニット5Mを通過する室内空気の汚れレベルが、予め定めた所定値(汚れレベルD)以上になっていなと、判定部80d3が判定した場合(S124のYes)、S114の処理に移行し、S114以降の処理を継続する。つまり、室内の空気は一定の清浄度を備えていると判定し、空気清浄処理を保留する。
【0098】
このように、本実施形態の室内機10によれば、空位調和装置の駆動(ファン23の駆動)の有無に拘わらず、「空調見張りモード」で室内空気の汚れ状態の検出が可能になり、室内空間に適した空気清浄を効率的かつ効果的に行いやすくなる。また、併せて「高温見張りモード」を併用することにより、室内温度の上昇による熱中症との発症を優先的に抑制可能になり、より快適かつ安全な室内空間の空調環境の提供及び維持がし易くなる。
【0099】
なお、図10に示すフローチャートは一例であり、「空清見張りモード」または、「高温見張りモード」のいずれか一方が室内機10の休止中に実行されるようにしてもよく、自動空気清浄運転処理または、自動冷房運転処理による効果を得るようにしてもよい。
【0100】
図11は、無風感の風を生成する他の構成を示す例示的かつ模式的な断面図である。図11に示す室内機10の場合、吹出し口33ごとに、通風部材26(26A,26B)を配置している。図12は、通風部材26(26A,26B)の構成を示す例示的かつ模式的な図であり、第1の流路C1に配置された通風部材26Aと第2の流路C2に配置された通風部材26Bを示す正面図である。なお、通風部材26Aと通風部材26Bの構成は、実質的に同じであり、区別して説明する必要が無い場合には、通風部材26として説明する。また、図11に示す室内機10の構成は、通風部材26が各吹出し口33に配置されている以外は、図5に示す構成と実質的に同じであり、同じ機能の部材には同じ符号を付し、その説明を省略または簡略化して示す。
【0101】
例えば、通風部材26Aは、図5に示す構成と同様に、第1の流路C1の上方向の端部の近傍に位置する。通風部材26Bは、Z方向において、第2の流路C2の上方向の端部に位置する。なお、通風部材26Aは、第1の流路C1を閉じ位置Pc2において閉塞し、通風部材26Bは、第2の流路C2を閉じ位置Pc2において閉塞できればよく、図11の例に限られない。
【0102】
閉じ位置Pc2に位置する通風部材26Aは、開き位置Po1に位置する上下風向板25Aによって開放された第1の流路C1を覆う。また、閉じ位置Pc2に位置する通風部材26Bは、開き位置Po1に位置する上下風向板25Bによって開放された第2の流路C2を覆う。
【0103】
なお、閉じ位置Pc2に位置する二つの通風部材26は、吹出し口33を完全に塞ぐ必要はない。例えば、吹出し口33は、X方向において通風部材26に覆われずに室内に連通していてもよいし、風が通風部材26と上下風向板25との間の隙間を通行可能であってもよい。例えば、風の進行方向に見た場合に、第1の流路C1、第2の流路C2の大部分が通風部材26A,26Bに覆われていればよい。
【0104】
開き位置Po2に位置する通風部材26は、開き位置Po1に位置する上下風向板25によって開放された吹出し口33の一部を開放する。図11の場合、開き位置Po2に位置する通風部材26Aは、開き位置Po1に位置する上下風向板25Aによって開放された第1の流路C1を開放する。また、開き位置Po2に位置する通風部材26Bは、開き位置Po1に位置する上下風向板25Bによって開放された第2の流路C2を開放する。
【0105】
通風部材26は、図6に示す通風部材26と同様に、例えば、合成樹脂により作られる。通風部材26は、金属のような他の材料により作られてもよい。二つの通風部材26はそれぞれ、軸部51と、板部52とを有する。
【0106】
軸部51は、X方向に延びる略円柱状に形成される。軸部51は、X方向に延びる回転軸Axcまわりに回転可能に筐体21に支持される。なお、複数の通風部材26はそれぞれ、個別の回転軸Axcを有する。板部52は、軸部51から回転軸Axcと略直交する方向に突出する。板部52は、X方向に延びる略矩形の板状に形成される。軸部51が回転軸Axcまわりに回転することで、通風部材26は閉じ位置Pc2と開き位置Po2との間で移動することができる。
【0107】
通風部材26の軸部51は、開き位置Po1に位置する上下風向板25の板部42から上方向に離間している。閉じ位置Pc2に位置する通風部材26の板部52は、軸部51から、上下風向板25の板部42に向かって延びている。
【0108】
閉じ位置Pc2に位置する通風部材26の板部52の先端52aは、上下風向板25の板部42に当接し、または板部42の近傍に配置される。これにより、閉じ位置Pc2に位置する通風部材26は、開き位置Po1に位置する上下風向板25によって開放された吹出し口33の一部を覆う。先端52aは、軸部51の反対側に位置する板部52の端部である。
【0109】
X方向における板部52の長さは、X方向における吹出し口33の長さに略等しい。これにより、閉じ位置Pc2に位置する通風部材26A,26Bは、第1の流路C1、第2の流路C2の大部分を覆うことができる。
【0110】
板部52が軸部51から突出する方向における板部52の長さは、Z方向における第1の流路C1、第2の流路C2のそれぞれの最大の長さよりも短い。これにより、通風部材26が、閉じ位置Pc2と開き位置Po2との間で移動するときに、上下風向板25に干渉することを抑制される。
【0111】
板部52は、内面52bと、外面52cとを有する。内面52bは、閉じ位置Pc2において通風路31に向く。外面52cは、内面52bの反対側に位置する。外面52cは、閉じ位置Pc2において室内機10の外部に向く。
【0112】
二つの通風部材26がともに開き位置Po2に位置する場合、二つの通風部材26は、開き位置Po1に位置する上下風向板25によって開放された吹出し口33のほぼ全域を開放する。なお、二つの通風部材26が開き位置Po2に位置していても、上下風向板25が閉じ位置Pc1に位置する場合、第1の流路C1、第2の流路C2は対応する上下風向板25に覆われる。
【0113】
図11に示すように、開き位置Po2に位置する通風部材26Aは、吹出し口33の近傍に設けられた筐体21の窪み21cに収容される。窪み21cは、通風路31の一部を形成する筐体21の内面21dから窪んでいる。開き位置Po2に位置する通風部材26Aは、窪み21cに収容されることで、通風路31を流れる風を妨げることを抑制される。
【0114】
通風部材26Bは、吹出し口33の近傍で、通風路31に設けられる。開き位置Po2に位置する通風部材26Bの板部52は、通風路31における風の流れに沿う方向に延びている。これにより、開き位置Po2に位置する通風部材26Bは、通風路31を流れる風を妨げることを抑制される。なお、開き位置Po2に位置する通風部材26A,26Bの配置は、以上の例に限られない。
【0115】
図12に示されるように、通風部材26のそれぞれに、複数の第1の通風口55と複数の第2の通風口56aとが設けられる。なお、通風部材26のそれぞれに、一列の第1の通風口55と一列の第2の通風口56aとが設けられてもよい。
【0116】
図12に示すように、複数の第1の通風口55及び複数の第2の通風口56aはそれぞれ、板部52を貫通する貫通孔である。このため、複数の第1の通風口55及び複数の第2の通風口56aはそれぞれ、板部52の内面52b及び外面52cに開口する。
【0117】
複数の第1の通風口55と複数の第2の通風口56aとは、配置方向Dpに交互に配置される。このため、第1の通風口55と第2の通風口56aとは、配置方向Dpに並んで設けられる。配置方向Dpは、第1の方向の一例であり、板部52の外面52cに沿う方向である。
【0118】
配置方向Dpは、板部52が軸部51から延びる方向に略等しい。また、通風部材26が閉じ位置Pc2に位置する場合、配置方向DpはZ方向に略等しい。なお、配置方向Dpはこの例に限られず、X方向のような他の方向であってもよい。
【0119】
図12に示すように、第1の通風口55は、X方向に延びる例えば略矩形のスリットである。X方向は、第2の方向の一例であり、板部52の外面52cに沿うとともに配置方向Dpと交差する方向である。なお、第1の通風口55は、円形、四角形、三角形、または他の形状の断面を有する孔であってもよい。複数の第1の通風口55は、配置方向Dpに並べられる。
【0120】
第2の通風口56aは、図6に示す例と同様に、円形の断面を有する孔である。なお、第2の通風口56aは、四角形、三角形、または他の形状の断面を有する孔であってもよい。第1の通風口55及び第2の通風口56aの断面は、第1の通風口55及び第2の通風口56aが板部52を貫通する方向と直交する断面である。
【0121】
複数の第2の通風口56aは、X方向に並べられる。言い換えると、複数の第2の通風口56aは、X方向に互いに間隔を介して配置される。このため、複数の第2の通風口56aは、X方向に並ぶ複数の第2の通風口56aの列58を形成する。板部52において、複数の列58が配置方向Dpに並べられる。複数の第2の通風口56aは、格子状に配置されてもよいし、千鳥状に配置されてもよい。
【0122】
スリット状の複数の第1の通風口55と、第2の通風口56aの列58とが、配置方向Dpに交互に配置される。このため、複数の第1の通風口55と複数の第2の通風口56aは、配置方向Dpに並ぶ第1の通風口55と第2の通風口56aとの列59を形成する。
【0123】
配置方向Dpに並ぶ第1の通風口55と第2の通風口56aとの列59における両端に、第1の通風口55が配置される。このため、配置方向Dpにおいて、複数の第2の通風口56aは、複数の第1の通風口55のうち二つの間に位置する。なお、変形例の通風部材26においては、配置方向Dpに並ぶ第1の通風口55と第2の通風口56aとの列59における端に、第2の通風口56aが配置されてもよい。この場合、配置方向Dpにおいて、複数の第1の通風口55は、複数の第2の通風口56aのうち二つの間に位置する。
【0124】
図12に示すように、第2の通風口56aのそれぞれの断面は、第1の通風口55のそれぞれの断面よりも小さい。また、複数の列58のそれぞれに含まれる複数の第2の通風口56aの断面の合計は、複数の第1の通風口55のうち一つの断面よりも小さい。その結果、第2の通風口56aを通過する風(W2a)の流速は、第1の通風口55を通る風(W1a)の流速より早くなる。その結果、通風部材26A(26B)を通過する風は、図7で説明した例と同様な挙動を示す。つまり、風W2aは、風W1aを引き込む。これにより、風W1aが風W2aに当たる。また、乱流に遷移した風W2aは拡散することで、当該風W2aに隣接して流れる風W1aに当たる。このように、流速や状態(層流または乱流)が異なる風W1a及び風W2aは、隣り合って流れることで、互いに当たる。すなわち、通風部材26(第2の通風口56a)を通過しない風W1aと、通風部材26(第2の通風口56a)を通過した風W2aとが互いに干渉する。
【0125】
風W1aと風W2aとが互いに当たることで、例えば、風W1a及び風W2aの塊が砕かれ、乱流である風W2aが風W1aに運ばれる。風W1a及び風W2aは、このような種々の相互作用を生じて、広範囲に拡散する乱流Wsを発生させる。その結果、室内機10から放出される乱流Wsは、吹出し口33から放出された直後の風よりも自然の風(いわゆる、無風感の風)に近い状態にすることができる。
【0126】
なお、上述した実施形態では、例えば住宅用の空気調和装置1を想定して説明したが、各種空気調和装置1についても同様に本実施形態の構成が適用可能である。例えば、業務用(店舗用等)の空気調和装置についても本実施形態の構成が適用可能であり、同様の効果を得ることができる。
【0127】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0128】
1…空気調和装置、3…室温センサ、4…帯電ユニット、5…粒子検出センサ、5M…粒子検出ユニット、5Ma…検出用吸込み口、5Mb…検出用吹出し口、5Mc…副通風路、5a…発光部、5b…受光部、10…室内機、21…筐体、22…熱交換器、23…ファン、25…上下風向板、26…通風部材、29…左右風向板、31…通風路(主通風路)、32…吸込み口、33…吹出し口、80…室内機制御部、80a…運転モード制御部、80b…駆動回路制御部、80c…レーダー制御部、80d…粒子検出制御部、80d1…検出ファン制御部、80d2…センサ値取得部、80d3…判定部、80e…温度監視部、80f…優先処理部、80g…空気清浄制御部、80h…風制御部、88…検出ファン駆動回路、89…検出ファンモータ、90…検出用ファン。
【要約】
【課題】室内空間に適した空気清浄を効率的かつ効果的に実施することができる空気調和装置を提供する。
【解決手段】空気調和装置は、室内機筐体と、ファンと、熱交換器と、除去部と、粒子検出部と、制御部と、を備える。室内機筐体には、主通風路と、主通風路の一端側を外部に連通させる吸込み口と、主通風路の他端側を外部に連通させる吹出し口と、が設けられている。ファンは、主通風路に設けられ、吸込み口から吹出し口へ風を送る。熱交換器は、主通風路に設けられ、主通風路を通る空気と熱交換を行う。除去部は、主通風路を通過する空気中の除去対象粒子を除去できる。粒子検出部は、室内機筐体が設置される室内空間の空気の除去対象粒子の検出を行う。制御部は、ファンの駆動の有無に関わらず粒子検出部を検出状態に制御する。
【選択図】図9
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