(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-01
(45)【発行日】2023-06-09
(54)【発明の名称】画像形成装置及び画像形成装置の設定表示方法
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20230602BHJP
H04N 1/387 20060101ALI20230602BHJP
G03G 15/36 20060101ALI20230602BHJP
【FI】
H04N1/00 350
H04N1/387
G03G15/36
(21)【出願番号】P 2019120322
(22)【出願日】2019-06-27
【審査請求日】2022-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】久保田 和久
【審査官】花田 尚樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-114792(JP,A)
【文献】特開平10-191018(JP,A)
【文献】特開2008-228026(JP,A)
【文献】特開2010-119063(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
H04N 1/38 - 1/393
G03G 15/00
15/36
21/00
21/02
21/14
21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を読み取って原稿画像データを生成する読取部と、
操作部と、
原稿画像の向きを指示する原稿向き指示表示を表示可能な第1の領域と、前記原稿画像の仕上げの設定を指示する仕上げ設定指示表示を表示可能な第2の領域と、印刷プレビュー画像を表示可能な第3の領域と、を有する表示部と、
記録紙に前記印刷プレビュー画像が示す
前記原稿画像の向きで前記原稿画像データに基づく画像を形成する画像形成部と、
前記操作部からの操作入力に応じて前記表示部及び前記画像形成部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記第1の領域に前記原稿向き指示表示を選択可能に表示し、
前記原稿向き指示表示が前記操作部により選択されることで前記原稿画像の向きの指示がされた後、前記仕上げ設定指示表示を選択可能に表示し、
前記仕上げ設定指示表示が前記操作部により選択されることで前記仕上げの設定が設定された後、指示された前記原稿画像の向き及び前記仕上げの設定に基づいて、前記印刷プレビュー画像を表示する
画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記第3の領域に、前記印刷プレビュー画像の向きの回転操作を受け付けるために回転方向を図示した回転操作表示を表示し、
前記回転操作表示が前記操作部により選択されることで回転操作の指示を受け付けたとき、その回転操作の指示に合わせて、前記印刷プレビュー画像の向きを回転して表示するとともに前記原稿画像データの向きを回転する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第3の領域に、前記画像形成部により前記画像が形成されるときの向きを示すアイコンを表示する請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第3の領域に、前記画像が形成されるときの向きを示すアイコンとともに、
前記原稿
画像の向きの説明を行う文字とを組み合わせて表示する請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記仕上げの設定は、両面印刷の仕上がりに関する設定である請求項1から4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記仕上げの設定は、集約印刷の仕上がりに関する設定である請求項1から4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記第3の領域に、前記印刷プレビュー画像として、前記原稿の表面に対応するプレビュー画像と、当該原稿の裏面に対応するプレビュー画像とを併せて表示する請求項1から6の何れか一項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿を両面印刷や集約印刷として印刷する場合に、読み取った原稿を正しい方向に修正して印刷できる画像形成装置及び画像形成装置の設定表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストアに設置された多機能複合機(MFP)は、原稿や用紙の設定が制限されている。具体的には、
図14に示すように原稿510,520は画像読み取り部500に固定の向き(例えば、長手方向が横になる方向)に載置して読み取りするようになっている。原稿510は縦長原稿、原稿520は横長原稿である。
【0003】
このMFPを使って両面コピーを行う場合、ユーザは、原稿記載内容の向きと、綴じ位置とを考慮して、MFPの画像読み取り部分に原稿を置く際の向きを設定し、載置しなければならなかった。
【0004】
しかしながら、コンビニエンスストアのユーザは、MFPに精通している人ばかりではないため、画像読取部に原稿をセットする際に、どの向きに原稿をセットすべきかがわからなくなる場合がよくある。そこで、特許文献1の発明では、両面コピーを行う際に、ユーザが原稿の向きと綴じ方向を入力すると、表裏の原稿の置き方を案内してくれる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の従来技術では、一般的なユーザにとっては、案内される表示/文言がユーザの持ちこんだ原稿の用紙の向きなのか、原稿に記載されている内容(縦書き/横書き)の向きなのか、原稿を読み取るときの原稿のセット方向の向きなのか、原稿が印字される用紙の向きなのかが理解しにくい。さらに両面印刷時の綴じ位置の違いにより表裏の印字がどのように変わるかのイメージがしづらく、実際に印字された結果を確認しないとわからないという問題がある。従って、印刷して確認したときに原稿のセット方向に誤りがあった場合、また最初から原稿を読み込ませる必要が生じ、ユーザの処理がさらに煩雑なものになってしまうと同時に不必要な出費も生じてしまう。
【0007】
更に、コンビニエンスストアに設置される複合機においては、コンビニエンスストア業界の取り決めのため、前述したように事務機用とは異なり、どの原稿においても固定方向(例えば、横方向)にセットするようになっているため、より複雑となり、ユーザが混乱してしまうという問題がある。
【0008】
本発明は、斯かる実情に鑑み、原稿を読み込ませた後、画面上に読み取った原稿画像とともに印刷の仕上げ設定に応じた正しい原稿方向を示して、ユーザが簡単に原稿画像の方向を修正できる画像形成装置及び画像形成装置の設定表示方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、
原稿を読み取って原稿画像データを生成する読取部と、
原稿の向き及びとじ位置に応じて原稿画像の向きを設定する仕上がり設定と、前記原稿画像の向き修正との操作を行う操作部と、
印刷原稿画像の向きを指示する原稿向き指示表示と、前記原稿画像の向きを示す印刷プレビュー画像の表示とを行う表示部と、
記録紙に前記印刷プレビュー画像が示す原稿画像の向きで前記原稿画像データに基づく画像を形成する画像形成部と、
前記操作部からの操作入力に応じて前記表示部及び前記画像形成部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記表示部に対し、前記操作部による前記仕上がり設定に対応する前記原稿向き指示表示をさせるとともに、前記印刷プレビュー画像を表示させることを特徴とする画像形成装置である。
【0010】
また、本発明は、前記制御部が、前記表示部に対し、前記操作部により前記印刷プレビュー画像の向きの修正操作があった場合に、その修正操作に合わせて、前記印刷プレビュー画像の向きを修正して表示するとともに前記原稿画像データの向きを修正することを特徴とする。
【0011】
ここで、前記原稿向き指示表示は、原稿向きを示すアイコンであってもよいし、原稿向きを示すアイコンと原稿向きの説明を行う文字の組み合わせであってもよい。
【0012】
また、前記仕上がり設定は、両面印刷の仕上がりに関する設定であってもよいし、集約印刷の仕上がりに関する設定であってもよい。
【0013】
また本発明は、
原稿を読み取って原稿画像データを生成する読取部と、
原稿の向き及びとじ位置に応じて原稿画像の向きを設定する仕上がり設定と、前記原稿画像の向き修正との操作を行う操作部と、
印刷原稿画像の向きを指示する原稿向き指示表示と、前記原稿画像の向きを示す印刷プレビュー画像の表示とを行う表示部と、
記録紙に前記印刷プレビュー画像が示す原稿画像の向きで前記原稿画像データに基づく画像を形成する画像形成部と、
前記操作部からの操作入力に応じて前記表示部及び前記画像形成部を制御する制御部とを備える画像形成装置の設定表示方法であって、
前記制御部が、前記表示部に対し、前記操作部による前記仕上がり設定に対応する前記原稿向き指示表示をさせるとともに、前記印刷プレビュー画像を表示させることを特徴とする画像形成装置の設定表示方法である。
【0014】
また、本発明は、前記制御部が、前記表示部に対し、前記操作部により前記印刷プレビュー画像の向きの修正操作があった場合に、その修正操作に合わせて、前記印刷プレビュー画像の向きを修正して表示するとともに前記原稿画像データの向きを修正するステップを備えることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置の設定表示方法である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ユーザが、原稿向き及びとじ位置の仕上がり設定を行うと、その設定に対応する原稿向きの指示表示と、読取部で読み取った原稿の印刷プレビュー画像を表示するので、ユーザは、画像形成装置の仕組みを理解していなくとも、直ちに読み取った原稿向きの不備を把握することができる。
【0016】
さらに、表示部で印刷プレビュー画像の修正操作を行うことにより、その修正操作を反映した印刷プレビュー画像が表示され、原稿画像データの向きも修正されるので、ユーザは表示部の画面上での向き修正ができるとともに、正しい向きになったかを簡単に確認でる。従って、読み取った原稿画像の向きが誤っている場合でも、最初から原稿を読み込ませて印刷する必要もなく、処理が効率化し不必要な出費も防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1実施形態における画像形成装置の外観斜視図である。
【
図2】第1実施形態における画像形成装置のブロック図である。
【
図3】第1実施形態における画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【
図4】第1実施形態における画像形成装置の表示部の原稿向き設定選択画面を示す図である。
【
図5】第1実施形態における画像形成装置の表示部の原稿向き設定決定画面を示す図である。
【
図6】第1実施形態における画像形成装置の表示部のとじ位置設定選択画面を示す図である。
【
図7】第1実施形態における画像形成装置の表示部のとじ位置設定決定画面を示す図である。
【
図8】第1実施形態における画像形成装置の表示部の原稿画像操作表示の画面を示す図である。
【
図9】第1実施形態における画像形成装置の表示部の原稿画像操作表示の操作後画面を示す図である。
【
図10】第1実施形態における画像形成装置の表示部の原稿画像操作表示の別画面を示す図である。
【
図11】第1実施形態における画像形成装置の表示部の原稿画像操作表示の操作後別画面を示す図である。
【
図12】第2実施形態における画像形成装置の表示部の原稿画像操作表示の画面を示す図である。
【
図13】第2実施形態における画像形成装置の表示部の原稿画像操作表示の操作後画面を示す図である。
【
図14】原稿読取部に載置する原稿を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を説明するための一例であり、特許請求の範囲に記載の発明の技術的範囲が、以下の記載に限定されるものではない。
【0019】
〔第1実子形態〕
(概要説明)
まず、画像形成装置10の概要について説明する。
図1は、画像形成装置10の外観斜視図を模式的に示した図である。
図2は、この画像形成装置のブロック図である。
【0020】
図1に示す画像形成装置10は、コンビニエンスストアなどに配置されるMFP(多機能複合機)であり、複数のモードを有している。本実施形態における画像形成装置10は、以下のモードを有している。
【0021】
画像形成装置10において、一般的なコピー機能、FAX機能、スキャナ機能を実現できるモードである。例えば、画像形成装置10がコピーモードの場合、コピージョブを実行することができる。
【0022】
コピージョブについて以下、簡単に説明する。まず、原稿読取部130に原稿がセットされ、操作部160によりコピー操作が行われる。ユーザは、設定されている原稿サイズ、用紙サイズ、コピー設定(例えば、片面印刷、両面印刷、集約印刷の設定等)を表示部150で確認することができる。
【0023】
ユーザが、操作部160からコピースタートの操作を行うと、コピー処理が実行される。具体的には、原稿読取部130は、ユーザによりセットされた原稿を読み取る。後述する制御部100は、原稿読取部130により読み取られた原稿から画像データを生成する。
【0024】
画像形成部140は、用紙トレイ1410から搬送された用紙に、画像データに基づく画像を生成し、排紙トレイ1420に出力する。本実施形態において、用紙とは、画像を形成する記録紙、記録用紙である。通常の普通紙だけでなく、厚紙、光沢紙等の種々の紙媒体に加え、画像が形成可能であればフィルム等も含む。
【0025】
次ぎに画像形成装置10がFAXモードの場合、FAXジョブを実行することができる。FAXジョブについて以下、簡単に説明する。
【0026】
FAXの送信を行う場合は、原稿読取部130に原稿がセットされ、操作部160によりFAX送信操作が行われる。ユーザは、設定されている原稿サイズ、送信設定(送信先FAX番号等)を表示部150で確認することができる。
【0027】
ユーザが、操作部160からFAXスタートの操作を行うと、FAX処理が実行される。後述する制御部100が、通信部170にて、相手先との通信手続きを行う。そして、制御部100は、送信可能な状態が確保されたときに、圧縮ファイルに対して圧縮形式の変更等の必要な処理を施してから、相手先に通信回線を介して順次送信する処理を行う。
【0028】
また、FAXの受信を行う場合は、制御部100が、通信部170にて通信手続きを行いながら、相手先から送信される圧縮ファイルを受信し、受信した圧縮ファイルに対し、不図示の圧縮/伸張処理部で伸張処理を施す。そして、画像データに各種画像処理を施し、画像形成部140へ出力する。画像形成部140は、出力された画像データに基づき、記録シート上に出力画像を形成する。
【0029】
次ぎに画像形成装置10がスキャナモードの場合、スキャナジョブを実行することができる。スキャナジョブについて以下、簡単に説明する。
【0030】
まず、原稿読取部130に原稿がセットされ、操作部160によりスキャナ操作が行われる。ユーザは、設定されている原稿サイズ、出力画像設定(画像ファイル種類等)を表示部150で確認することができる。
ユーザが、操作部160からスキャナスタートの操作を行うと、スキャナ処理が実行される。具体的には、原稿読取部130は、ユーザによりセットされた原稿を読み取る。後述する制御部100は、原稿読取部130により読み取られた原稿から画像データを生成する。
【0031】
(機能構成)
画像形成装置10の機能構成について、
図2を参照して説明する。
【0032】
制御部100は、画像形成装置10の全体を制御するための機能部である。制御部100は、記憶部120に記憶されている制御プログラム121を読み出して実行することにより各種機能を実現しており、1又は複数の演算装置(例えば、CPU(Central Processing Unit))等により構成されている。以下、制御部100が実現する機能について説明する。
【0033】
制御部100は、コピーモードにおいて、コピー機能を実現するものであり、表示部150を制御する表示処理部101と、画像形成部140を制御する画像形成処理部102からなる。表示処理部101は、印刷設定時に表示部150に操作のための表示をする処理を行う。例えば、設定操作に関する表示をユーザが操作しやすいようにして表示部150に表示する(詳しくは後述)。
同様に、FAXモードやスキャナモードにおいても、制御部100により両機能を実現するものである。印刷設定時には、設定操作に関する表示をユーザが操作しやすいようにして表示部150に表示する点は、上記コピーモードと同様である。
【0034】
コピー機能、FAX機能、スキャナ機能については、一般的な複合機において実行される機能である。それぞれの動作・処理については公知技術であり、公知の処理により実現できるものである。
【0035】
例えば 、特開2017-216540号公報(発明の名称:画像処理装置、画像形成装置、プログラム及び記録媒体)、特開2017-158210号公報(発明の名称:画像送信装置、画像送信方法および画像送信装置を備えた画像形成装置)等に開示された発明を参照し、援用することで、各機能が実現可能である。
【0036】
記憶部120は、プログラムやデータが記憶されている機能部である。記憶部120は、例えば、SSD(Solid State Drive)等の半導体メモリや、HDD(Hard Disk Drive)等により構成されている。
【0037】
記憶部120は、制御プログラム121、原稿読取部130で読み取った原稿画像データ122、操作部160により入力された設定情報123、表示部150に表示する画像や文字などの表示データ124を記憶している。
【0038】
制御プログラム121は、画像形成装置10の動作制御に関するプログラムである。
原稿画像データ122は、原稿読取部130で読み取った原稿の画像データである。
設定情報123は、ユーザが操作部160によって入力した各種の設定情報である。
表示データ124は、画像形成装置10の操作に関する表示情報である。ここでは、原稿印刷における仕上げ設定に対応する、表示部150に表示するアイコンなどの指示画像や文字などである。
【0039】
原稿読取部130は、原稿の画像を読み取って画像データを生成するものであり、例えばCIS(Contact Image Sensor)やCCD(Charge Coupled Device)等の光学情報を電気信号に変換するデバイスを備えたスキャナ装置等により構成されている。
【0040】
例えば、原稿読取部130は、載置台に載置された原稿を、原稿サイズにより設定された範囲で読み取り、画像データとして出力する。なお、原稿は、載置台にセットされてもよいし、自動原稿送り装置(ADF:Auto Document Feeder)にセットされてもよいが、本実施形態では、載置台に原稿がセットされるものとして説明する。
【0041】
本実施形態では、原稿読取部130に原稿を載置するときは、
図14に示すように、原稿を横長に置くようになっている。
【0042】
画像形成部140は、画像データを記録媒体(例えば記録紙)に形成するための機能部である。例えば、
図1の用紙トレイ1410から記録紙を給紙し、画像形成部140において記録紙の表面に画像が形成された後に排紙トレイ1420から排紙される。画像形成部140は、例えば電子写真方式を利用したレーザプリンタ等により構成されている。
【0043】
また、用紙トレイ1410は、通常1~複数備えられて、用紙が収容されている。
【0044】
表示部150は、画像形成装置10の各種状態を表示したり、操作入力の状態を表示したりする。例えば、液晶ディスプレイ(LCD:liquid crystal display)や、有機ELパネル、電気泳動方式を利用した電子ペーパ等により構成されている。
【0045】
操作部160は、利用者からの操作入力を受け付けるボタン、スイッチ等である。操作部160は、スイッチ、キーボードといったハードウェアの入力装置で実現してもよいし、表示部150と一体と形成されるタッチパネル等により実現してもよい。この場合において、タッチパネルの入力を検出する方式は、例えば、抵抗膜方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式といった、一般的な検出方式であればよい。
本実施形態の操作部160は、ハードウェアの入力装置と表示部150のタッチパネルを備えており、それぞれ操作可能となっている。
【0046】
通信部170は、他の装置と通信を行う。例えば、通信部170は、ネットワークに接続可能なインタフェースを有し、有線/無線LAN(Local Area Network)を解して他の装置と通信できればよい。なお、USB(Universal Serial Bus)インタフェース等により、他の装置(例えばUSBメモリ等)から画像データを送受信してもよい。また、公衆回線網、LAN(Local Area Network)又はインターネット等の通信ネットワークに接続可能であり、ファクシミリ又は電子メール等の通信方法により、通信ネットワークを介して外部へ圧縮ファイルを送信することもできる。
【0047】
図2に記載された構成は、少なくとも制御部及び記憶部を備えていればよく、本実施形態における動作を実現できるものを備えていればよい。また、一部の機能は外部の装置で実現されてもよい。例えば、表示部150は接続された表示装置であってもよい。
【0048】
また、一部の機能はハードウェアで実現されてもよいし、ソフトウェアで実現されてもよい。また、記憶部120に記憶されている情報は、クラウド上に記憶されている情報であってもよい。
【0049】
また、画像形成装置10は、上述した構成以外にも必要な機能を更に備えていてもよい。例えば、課金管理部を有することで、ユーザから料金が投入されたときのみ画像形成装置10が利用可能になるような管理部を設けてもよい。
【0050】
(両面印刷処理動作)
次に、上記した画像形成装置10による両面印刷(両面コピー)の動作を説明する。この処理は、ユーザにより各種機能、例えば本図ではコピー機能が選択された場合に、制御部100の表示処理部101及び画像形成処理部102が実行する処理である。
【0051】
図3は、画像形成装置10が行う両面コピー処理を示すフローチャートである。
まず、制御部100の画像形成処理部102は、原稿読取処理を行う(ステップS11)。この処理は、詳しく説明しないが、表示部150に原稿読取の指示を示す表示を行い、ユーザに原稿読取部130に原稿を載置させて、原稿読取部130により原稿の画像を読み取り、原稿画像データを生成する。
画像形成処理部102は、この原稿画像データ122を、記憶部120に一旦保存する(ステップS12)。
【0052】
次に、制御部100は、仕上げ設定処理に進む。
制御部100の表示処理部101は、記憶部120より表示情報から仕上げ設定の表示データ124を読み出し、表示部150に表示する(
図4参照)。
【0053】
ここで、
図4の表示部150の表示画面構成は、操作内容の表示201と、原稿向き設定表示202,203と、とじ位置設定表示204,205と、原稿画像操作表示206,207と、決定ボタン208と、戻るボタン209と、処理経過表示210と、投入金額表示211とからなるものである。
【0054】
まずは、ステップS13での操作内容の表示201は設定項目として「仕上げの設定」と、ユーザへの指示として「原稿の向きを選んでください。」とが表示される。さらに原稿向き設定表示202では、縦長原稿向きを示すアイコン202aと、「縦長原稿」という文字202bが表示される。
また、原稿向き設定表示203では、横長原稿向きを示すアイコン203aと、「横長原稿」という文字203bが表示される。
このとき、原稿向き設定表示202,203が選択要素であることを色や点滅などの処理でユーザにわかりやすくしてもよい。
【0055】
ユーザは、この表示部150の画面を見て、操作部160により原稿向きの設定を行う(ステップS14)。例えば、
図5に示すように、ユーザが縦長原稿向き設定表示202にタッチした場合は、この部分がアクティブ表示となって、縦長原稿向き設定表示202が選択されたことを示す。縦長原稿向き設定表示202が選択されると、原稿向きとして「縦長原稿」が確定されたことになる。なお、原稿向きの設定を変更する場合は、横長原稿向き設定表示203にタッチすれば、この部分がアクティブ表示となり、縦長原稿向き設定表示202が非アクティブ表示となって、横長原稿向き設定表示203が選択される。
【0056】
制御部100の表示処理部101は、仕上げ設定操作が終了していないので(ステップS15;No)、ステップS13に戻り、
図6に示すようにとじ位置設定表示204,205を表示する。このとき、とじ位置設定表示204,205が選択要素であることを色や点滅などの処理でユーザにわかりやすくしてもよい。
【0057】
左とじ/右とじのとじ位置設定表示204は、同方向を向いた原稿の表面と裏面とが一部が重なった状態の原稿のアイコン204aと、「左とじ/右とじ」の文字表示204bからなる。これは原稿の左横あるいは原稿の右横をとじ位置とするので、表裏の原稿が同一方向で印刷する必要がある。なお、アイコン204aは、横方向(左右方向)に回転することで原稿の表面と裏面とが同方向を向いていることを示すアニメーションで表示されてもよい。
【0058】
上とじ/下とじのとじ位置設定表示205は、上下逆方向を向いた原稿の表面と裏面とが一部が重なった状態の原稿のアイコン205aと、「上とじ/下とじ」の文字表示205bからなる。これは原稿の上側あるいは下側をとじ位置とするので、表裏の原稿が上下逆方向で印刷する必要がある。なお、アイコン205aは、縦方向(上下方向)に回転することで原稿の表面と裏面とが逆方向を向いていることを示すアニメーションで表示されてもよい。
【0059】
例えば、
図7に示すように、ユーザが上とじ/下とじのとじ位置設定表示205にタッチした場合は、この部分がアクティブ表示となって、上とじ/下とじのとじ位置設定表示205が選択されたことを示す。とじ位置設定表示205が選択されると、とじ位置設定として「上とじ/下とじ」が確定されたことになる。なお、とじ位置設定を変更する場合は、左とじ/右とじのとじ位置設定表示204にタッチすれば、この部分がアクティブ表示となり、上とじ/下とじのとじ位置設定表示205が非アクティブ表示となって、左とじ/右とじのとじ位置設定表示204が選択される。
【0060】
これで、制御部100の画像形成処理部102は、仕上げ設定が終了したので(ステップS15;Yes)、ステップS16にて設定情報123を記憶部120に保存する。
【0061】
制御部100の表示処理部101は、記憶部120に記憶された原稿画像データ122と、設定情報123と、表示データ124に基づいて、
図8に示すように、原稿画像操作表示206,207を表示する。
ここでは、原稿画像操作表示206は用紙表面に印刷する画像操作、原稿画像操作表示207は、用紙裏面に印刷する画像操作、を示す表示である。
【0062】
図8と
図9には、1枚目の原稿画像を示しているが、処理の進行とともに次の用紙の表裏への印刷画像が次々と表示されていく。
ここでは、表裏一組として表示されているが、表裏各1ずつ順に表示されてもよいし、複数枚の表裏がまとめて表示されてもよい。
【0063】
原稿画像操作表示206,207は、原稿向き指示表示206a,207aと、読み取った原稿画像に基づいた印刷プレビュー画像206d,207dと、90度回転操作アイコン206e,207eとから構成される。
【0064】
原稿向き指示表示206a,207aは、ユーザが設定した仕上げ設定情報123に基づいて正しい原稿向きをユーザに指示する表示であり、原稿向き指示アイコン206b,207bと、「画像をこの向きに設定してください。」という文字表示206c,207cとから構成される。
【0065】
このように向きを示すアイコンとその説明を行う文字を両方表示することにより、ユーザは原稿の向きを直ちに把握することができる。ここでは、アイコンと文字の組み合わせ表示としたが、これに限るわけではなく、どちらか一方の表示でも構わない。また、アイコンは原稿の向きがわかるものであればよいし、矢印などの向きを示す記号のようなものでもよい。また、アイコンに限らず、向きがわかりやすい原稿画像でもよい。
【0066】
制御部100の表示処理部101は、記憶部120に記憶された設定情報123に基づいて、記憶部120に記憶された表示データ124から画像や文字等のデータを抽出して、表示部150の原稿画像操作表示206,207に、原稿向き指示表示206a,207aと、90度回転操作アイコン206e,207eとを表示させる。また、表示処理部101は、原稿画像データ122に基づいた印刷プレビュー画像206d,207dを表示する(ステップS17)。
【0067】
印刷プレビュー画像は、原稿画像の印刷向きが分かればよいので、画質を落とさない原稿画像の縮小画像でもよいし、向きが分かる程度に画質を落としたものでも構わないし、向きが分かるように一部を拡大した画像でもよい。また、向きを示す記号のようなものでもよい。さらに上記印刷プレビュー画像に説明文字を加えてもよい。
【0068】
図8においては、原稿向き指示アイコン207bと、印刷プレビュー画像207dの向きが異なることが一目で分かる。そこで、ユーザは、原稿向き指示アイコン207bの原稿向きの指示に従って、印刷プレビュー画像207dの向きを180度回転する。この場合、ユーザは、90度回転操作アイコン207eを2度タッチする(両面設定の場合は、90度回転操作アイコン207eを180度回転操作アイコンとし、1度のタッチで180度回転できるようにしてもよい)。制御部100の表示処理部101は、
図9に示すように、印刷プレビュー画像207dの向きを180度回転して表示する。これでよければ、ユーザは、決定ボタン208にタッチし、操作部160による修正操作内容が確定される。制御部100の表示処理部101は、向き修正操作があったことを判定し(ステップS18;Yes)、向き修正に合わせて記憶部120に記憶されている原稿画像データの向きを修正する(ステップS19)。
【0069】
制御部100の表示処理部101は、修正なく決定ボタン208がタッチされた場合、向き修正操作がなかったと判定し(ステップS18;No)、ステップS20に移動する。
【0070】
制御部100の表示処理部101は、記憶部120に、表示処理が行われていない残りの原稿画像データ122があるかを確認し(ステップS20)、残りがあればステップS17に戻り、処理を繰り返す。残りの画像データがなければ、ステップS21進む。制御部100の画像形成処理部102は、記憶部120の原稿画像データ122に基づいて画像形成部140に画像形成処理(両面印刷処理)をさせる(ステップS21)。
【0071】
こうして画像形成装置10の表示部150に、正しい原稿向きの指示と、読み込んだ画像が表示されるので、ユーザは、原稿が正しい向きに読み込まれたか否かが直ちに分かる。さらに、表示部150を見ながら、読み込んだ原稿画像の向きを修正できるので、初めから原稿を読み直す必要がなく、操作が効率化され、無駄な出費もなくなる。
【0072】
この動作処理においては、最終印刷形態の確認は行っていないが、原稿の最終印刷形態を示す印刷プレビュー画像を表示してユーザに最終確認をさせてもよい。この段階で原稿向きが誤っているものは、表示上で向き修正を行えるようにする。
【0073】
また、例えば、裏面の向きがすべて同一方向に誤っている場合は、一括処理で正しい向きに修正できるようにしてもよい。
【0074】
(第1実施形態の変形例)
図10、
図11に第1実施形態の変形例を示す。
この変形例は、両面印刷の仕上げ設定において、原稿向き設定では横長原稿向き設定表示203が選択され、とじ位置設定では左とじ/右とじ位置設定表示204が選択された場合を示す。
【0075】
この例では、原稿画像操作表示206において、原稿向き指示表示206aと印刷プレビュー画像206dの向きが一致していない。ユーザは、90度回転操作アイコン206eを2回タッチすることによって、
図11に示すように印刷プレビュー画像206dを180度回転する。これによって記憶部120に記憶されている原稿画像データも向きが180度回転される処理が行われるので、正しい向きに両面印刷されることになる。
【0076】
以上の処理は、第1実施形態で説明したものと同様の処理が行われるので、詳しい説明は省略する
【0077】
〔第2実施形態〕
図12、
図13は第2実施形態における画像形成装置10の表示部150を示す図である。第2実施形態は、1枚に複数の読み取り原稿画像を印刷する集約印刷に関するものである。この集約印刷処理動作は、
図3のフローチャートと同じ処理である。
【0078】
ステップS11、S12は第1実施形態と同じである。
ステップS13での仕上げ設定画面は、
図12に示す通りであり、第1実施形態と表示で異なる点は、集約印刷数設定表示224,225の部分である。集約印刷数設定表示224,225は、1枚の用紙に読み取った画像をいくつ印刷するかを設定するものである。
【0079】
集約印刷数設定表示224は、集約印刷数2であり、アイコン224aと、「集約印刷2」の文字224bとから構成される。
集約印刷数設定表示225は、集約印刷数4であり、アイコン225aと、「集約印刷2」の文字225bとから構成される。
【0080】
ステップS14、S15、S16におけるユーザによる仕上げ設定において、
図12に示すように、ユーザは、集約印刷の仕上げ設定で、横長原稿と集約印刷数2を選択している。従って、この設定に基づいて、ステップS17において、制御部100の表示処理部101は、表示部150に原稿画像操作表示206,207を表示している。原稿画像操作表示206は、集約印刷数2における用紙上側の印刷画像を示し、原稿画像操作表示207は、集約印刷数2における用紙下側の印刷画像を示す。ここで、ユーザは、設定に基づく原稿向きを指示するアイコン206b,207bと、印刷プレビュー画像206d,207dの向きが一致していないことはすぐ分かる。従って、ユーザは、90度回転操作アイコン206e,207eを一度タッチして、
図13に示すように印刷プレビュー画像206d,207dを90度時計回りに回転する。これで原稿向き指示アイコン206b,207bと、印刷プレビュー画像206d,207dの向きが一致したので、次に決定ボタン208をタッチして操作を確定する。制御部100表示処理部101は、ステップS18において、向き修正操作があったので、ステップS19において記憶部120に記憶されている原稿画像データを同じ向きに修正する。こうして読み取り原稿画像をすべて処理して(ステップS20)、ステップS21において、印刷処理(画像形成処理)を行う。
【0081】
こうして画像形成装置10の表示部150に、正しい原稿向きの指示と、読み込んだ画像が表示されるので、ユーザは、原稿が正しい向きに読み込まれたか否かが直ちに分かる。さらに、表示部150を見ながら、読み込んだ原稿画像の向きを修正できるので、初めから原稿を読み直す必要がなく、操作が効率化され、無駄な出費もなくなる。
【符号の説明】
【0082】
100 制御部
120 記憶部
121 制御プログラム
122 原稿画像データ
123 設定情報
124 表示データ
130 原稿読取部
140 画像形成部
150 表示部
160 操作部
170 通信部
202,203 原稿向き設定表示
204,205 とじ位置設定表示
206,207 原稿画像操作表示
206a,207a 原稿向き指示表示
206b,207b 原稿向き指示アイコン
206c,207c 文字表示
206d,207d 印刷プレビュー画像
206e,207e 90度回転操作アイコン
208 決定ボタン
224,225 集約印刷数設定表示