(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-01
(45)【発行日】2023-06-09
(54)【発明の名称】表示装置、表示システム、及び表示方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/16 20060101AFI20230602BHJP
G06F 3/04842 20220101ALI20230602BHJP
【FI】
G06F3/16 630
G06F3/16 620
G06F3/04842
(21)【出願番号】P 2019158259
(22)【出願日】2019-08-30
【審査請求日】2022-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】粂谷 幸司
【審査官】岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-015393(JP,A)
【文献】特開2012-014516(JP,A)
【文献】特開2008-052676(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048-3/04895
G06F 3/16
G09G 5/00-5/42
B43L 1/00-12/02
B43L 15/00-27/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像が表示される表示部と、
音声を受け付ける音声受付部と、
前記表示部を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、
前記音声受付部が受け付けた音声を表す文字を前記表示部に表示する音声入力モードと、
前記音声受付部が受け付けた設定音声に基づいて、前記表示部内での前記文字の表示を開始する位置である開始位置の設定、又は、前記表示部内での前記文字を表示する領域である文字領域の設定を行う設定モードと
で動作
し、
前記設定モードの際、前記表示部に設定画面を表示し、
前記設定画面は、前記文字を前記表示部内に表示する候補位置が予め配置されると共に前記候補位置に対応する情報が表示され、
前記設定音声は、前記情報を含む、表示システム。
【請求項2】
前記設定画面において、入力画像が背面に配置された状態で、前記候補位置に対応する情報が透明または半透明で表示される、請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
前記設定画面において、前記候補位置に対応する情報が入力画像と重ならないように表示される、請求項1に記載の表示システム。
【請求項4】
前記設定画面には、前記開始位置の候補となる複数の候補位置が予め設定され、
前記複数の候補位置は、それぞれ、複数の位置を示す
前記情報と対応し、
前記制御部が前記設定モードで動作する際、前記設定画面上における、前記複数の候補位置の各々が位置する場所には、対応する前記位置を示す
前記情報が、それぞれ表示され、
前記設定音声は、前記複数の位置を示す
前記情報のうちのいずれかの
前記情報を表す音声を含み、
前記制御部は、前記複数の候補位置のうち、前記設定音声として発せられた前記位置を示す
前記情報と対応する候補位置を前記開始位置に設定する、請求項1
から3のいずれか1項に記載の表示システム。
【請求項5】
前記設定画面には、前記文字領域の候補となる複数の候補領域が予め設定され、
前記複数の候補領域は、それぞれ、複数の位置を示す
前記情報と対応し、
前記制御部が前記設定モードで動作する際、前記設定画面上における、前記複数の候補領域の各々が位置する場所には、対応する前記位置を示す
前記情報が、それぞれ表示され、
前記設定音声は、前記複数の位置を示す
前記情報のうちのいずれかの
前記情報を表す音声を含み、
前記制御部は、前記複数の候補領域のうち、前記設定音声として発せられた前記位置を示す
前記情報と対応する候補領域を前記文字領域に設定する、請求項1
から3のいずれか1項に記載の表示システム。
【請求項6】
前記制御部は、
前記音声受付部が受け付けた音声に基づいて、前記文字領域内で前記文字の表示を開始する文字開始位置を設定する文字開始位置設定モードでさらに動作する、請求項
5に記載の表示システム。
【請求項7】
前記複数の位置を示す情報は、OSD(On Screen Display)上に表示される、請求項
4から請求項
6のいずれか1項に記載の表示システム。
【請求項8】
音声を受け付ける音声受付部と通信可能に接続され、又は、前記音声受付部を含む表示装置であって、
画像が表示される表示部と、
前記表示部を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、
前記音声受付部が受け付けた音声を表す文字を前記表示部に表示する音声入力モードと、
前記音声受付部が受け付けた設定音声に基づいて、前記表示部内で前記文字の表示を開始する位置である開始位置の設定、又は、前記表示部内で前記文字を表示する領域である文字領域の設定を行う設定モードと
で動作
し、
前記設定モードの際、前記表示部に設定画面を表示し、
前記設定画面は、前記文字を前記表示部内に表示する候補位置が予め配置されると共に前記候補位置に対応する情報が表示され、
前記設定音声は、前記情報を含む、表示装置。
【請求項9】
画像が表示される表示部と、音声を受け付ける音声受付部と、前記表示部を制御する制御部とを用いた表示方法であって、
前記制御部により、前記音声受付部が受け付けた設定音声に基づいて、前記表示部内で文字の表示を開始する位置である開始位置の設定、又は、前記表示部内で前記文字を表示する領域である文字領域の設定を行う工程と
前記制御部により、前記音声受付部が受け付けた音声を表す前記文字を前記表示部に表示する工程と、
前記開始位置の設定、又は、前記文字領域の設定を行う際、前記表示部に設定画面を表示する工程と、
を含
み、
前記設定画面は、前記文字を前記表示部内に表示する候補位置が予め配置されると共に前記候補位置に対応する情報が表示され、
前記設定音声は、前記情報を含む、表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、表示システム、及び表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、所定のボード上に所定のペンで描画された描画軌跡に基づいて情報を表示する電子黒板装置が記載されている。ユーザーは、音声入力によって電子黒板装置に文字を表示させる場合、表示させたい内容を発声しながら、電子黒板装置のうち文字を表示させる領域をペンで指示することによって設定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、電子黒板装置のうち文字を表示させる領域をユーザーがペンで設定する場合、ユーザーは、自身の手が電子黒板装置に届く位置まで電子黒板装置に近づかなければならず、煩雑であった。
【0005】
本発明は、表示部内での文字を表示する領域を、ユーザーが容易に設定できる表示装置、表示システム、及び表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の第1局面によれば、表示システムは、表示部と、音声受付部と、制御部とを備える。表示部には、画像が表示される。音声受付部は、音声を受け付ける。制御部は、前記表示部を制御する。前記制御部は、音声入力モードと、設定モードとで動作する。音声入力モードは、前記音声受付部が受け付けた音声を表す文字を前記表示部に表示するモードである。設定モードは、前記音声受付部が受け付けた設定音声に基づいて、前記表示部内での前記文字の表示を開始する位置である開始位置の設定、又は、前記表示部内での前記文字を表示する領域である文字領域の設定を行うモードである。
【0007】
本願の第2局面によれば、表示装置は、音声を受け付ける音声受付部と通信可能に接続され、又は、前記音声受付部を含む。表示装置は、表示部と、制御部とを備える。表示部には、画像が表示される。制御部は、前記表示部を制御する。前記制御部は、音声入力モードと、設定モードとで動作する。音声入力モードは、前記音声受付部が受け付けた音声を表す文字を前記表示部に表示するモードである。設定モードは、前記音声受付部が受け付けた設定音声に基づいて、前記表示部内で前記文字の表示を開始する位置である開始位置の設定、又は、前記表示部内で前記文字を表示する領域である文字領域の設定を行うモードである。
【0008】
本願の第3局面によれば、表示方法は、画像が表示される表示部と、音声を受け付ける音声受付部と、前記表示部を制御する制御部とを用いた方法である。表示方法は、前記制御部により、前記音声受付部が受け付けた設定音声に基づいて、前記表示部内で文字の表示を開始する位置である開始位置の設定、又は、前記表示部内で前記文字を表示する領域である文字領域の設定を行う工程を含む。表示方法は、前記制御部により、前記音声受付部が受け付けた音声を表す前記文字を前記表示部に表示する工程を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明の表示装置、表示システム、及び表示方法によれば、表示部内での文字を表示する領域を、ユーザーが容易に設定できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係る表示システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】表示装置の動作の一例を示すフロー図である。
【
図5】制御部の動作モードが音声入力モードに切り替わるときのユーザーの動作を示す図である。
【
図6】音声入力処理が行われている状態を示す模式図である。
【
図7】制御部の動作モードが設定モードに切り替わるときのユーザーの動作を示す模式図である。
【
図9】ユーザーが、複数の候補位置のうちの第3候補位置を開始位置に指定している状態を示す模式図である。
【
図10】表示部から設定画面が消去された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0012】
図1を参照して、本発明の実施形態に係る表示システム1について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る表示システム1の構成を示すブロック図である。
【0013】
図1に示すように、表示システム1は、音声受付装置100と、サーバ200と、表示装置300とを備える。音声受付装置100と、サーバ200と、表示装置300とは、ネットワークNを介して接続される。
【0014】
表示システム1は、音声受付装置100が受け付けた音声をサーバ200により文字に変換し、変換した文字を表示装置300に表示させるシステムである。
【0015】
音声受付装置100は、例えば、マイクを内蔵したタッチペンである。音声受付装置100は、音声受付部110と、操作部120と、通信部130と、記憶部140と、制御部150とを備える。なお、音声受付装置100は、タッチペンでなくてもよい。音声受付装置100は、受け付けた音声をサーバ200に送信する機能があれよい。例えば、音声受付装置100は、音声受付部110と通信部130とで構成されるデバイスであってもよい。
【0016】
音声受付部110は、ユーザーによる発話の入力を受け付ける。音声受付部110は、例えば、マイクを含む。
【0017】
操作部(音声入力ボタン)120は、音声受付装置100に対する外部からの指示を受け付ける。操作部120は、例えば、操作ボタンである。操作部120が操作されると、表示装置300に操作信号が送信される。その結果、表示装置300が、操作信号に基づいて動作する。操作部120は、音声受付部110の動作モードを、入力モードと、待機モードとの間で切り替える。
【0018】
入力モードは、音声受付部110が音声入力の受け入れ中の状態になるモードである。待機モードは、音声受付部110が音声入力の受け入れを解除した状態になるモードである。
【0019】
操作部120が操作され度に、音声受付部110の動作モードが、入力モードと待機モードとの間で交互に切り替わる。
【0020】
通信部130は、ネットワーク網を介しサーバ200と無線通信する。また、通信部130は、ワイヤレスLAN、又はBluetooth(登録商標)により表示装置300と無線通信する。通信部130は、無線LANモジュール(通信機器)である。なお、通信部130は、サーバ200及び表示装置300の各々と有線接続され、有線通信を行ってもよい。
【0021】
記憶部140は、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)のような主記憶装置(例えば、半導体メモリー)を含み、補助記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)をさらに含んでもよい。記憶部140は、制御部150によって実行される種々のコンピュータープログラムを記憶する。
【0022】
制御部150は、CPU(Central Processing Unit)及びMPU(Micro Processing Unit)のようなプロセッサーを含む。制御部150は、記憶部140に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、音声受付装置100の各要素を制御する。
【0023】
なお、記憶部140及び制御部150は、ASIC、又はFPGAのような集積回路で構成されてもよい。
【0024】
サーバ200は、通信部210と、記憶部220と、制御部230とを含む。
【0025】
通信部210は、音声受付装置100及び表示装置300の各々と通信する。通信部210は、例えば、LANボードのような通信モジュールである。
【0026】
記憶部220は、ROM、及びRAMのような主記憶装置を含み、補助記憶装置をさらに含んでもよい。記憶部220は、制御部230によって実行される種々のコンピュータープログラムを記憶する。
【0027】
制御部230は、CPU及びMPUのようなプロセッサーを含む。制御部230は、記憶部220に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、サーバ200の各要素を制御する。
【0028】
表示装置300は、例えば、電子黒板である。表示装置300は、表示部310と、入力部320と、通信部330と、記憶部340と、制御部350とを含む。
【0029】
表示部310は、画像を表示する。表示部310は、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)である。
【0030】
入力部320は、例えば、表示装置300の筐体に設けられた操作キー、又は表示部310に設けられたタッチパネルを含む。なお、表示装置300は、タッチパネルを備えていなくてもよい。操作キーには、マウス、及び/又は、キーボードのような入力デバイスも含まれる。
【0031】
通信部330は、音声受付装置100及びサーバ200の各々と通信する。通信部330は、例えば、LANボードのような通信モジュールである。
【0032】
記憶部340は、ROM、及びRAMのような主記憶装置を含み、補助記憶装置をさらに含んでもよい。記憶部340は、制御部350によって実行される種々のコンピュータープログラムを記憶する。
【0033】
制御部350は、CPU及びMPUのようなプロセッサーを含む。制御部350は、記憶部340に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、表示装置300の各要素を制御する。
【0034】
表示システム1の動作について説明する。
【0035】
まず、音声受付部110の動作モードが入力モードの状態で、音声受付部110が音声を受け付けると、制御部150は音声受付部110に入力された音声の音声データを生成する。そして、音声データが、音声受付装置100の通信部130からサーバ200に送信される。そして、サーバ200の制御部230は、音声データをテキストデータに変換し、変換したテキストデータに該当するインテントを生成する。インテントは、音声受付部110に入力された音声に対応したデータである。具体的には、インテントは、音声受付部110に入力された音声が示す内容を表すテキスト形式のデータである。そして、サーバ200の制御部230は、インテントに対応した制御信号を生成する。そして、制御信号が、サーバ200の通信部210から表示装置300に送信される。その結果、表示装置300が、制御信号に基づいた処理を行う。
【0036】
次に、
図1~
図10を参照して、表示システム1の動作の一例について説明する。
図2は、表示システム1の動作の一例を示すフロー図である。
【0037】
図1及び
図2に示すように、ステップS1において、通信部330によりサーバ200からの制御信号(音声コマンド)が受信されたか否かを、制御部350が判定する。通信部330により制御信号が受信されたと制御部350が判定すると(ステップS1で、Yes)、処理がステップS2に移行する。通信部330により制御信号が受信されていないと制御部350が判定すると(ステップS1で、No)、処理がステップS3に移行する。
【0038】
図5を参照して、通信部330が制御信号を受信する手順について説明する。
図5は、音声受付装置100の音声受付部110が起動している状態を示す図である。
【0039】
図5に示すように、ユーザーが音声受付装置100に対して所定の第1音声D1を発すると、音声受付部110の動作モードが入力モードに切り替わる。本実施形態では、第1音声D1は、「コマンド文字入力開始」である。
図1に示すように、音声受付部110の動作モードが入力モードの状態で、音声受付部110が音声を受け付けると、音声受付装置100からサーバ200へ音声データが送信されて、サーバは、音声データをテキストデータに変換し、変換したテキストデータに該当するインテントを生成し、インテントに対応した制御信号を生成する。そして、サーバ200から表示装置300へ制御信号が送信される。
【0040】
図1及び
図2に示すように、ステップS2において、制御部350は、制御信号に基づいた処理(音声コマンド処理)を行う。
【0041】
なお、ユーザーが音声受付装置100に対して、「コマンド文字入力終了」のような所定の終了音声を発すると、音声受付部110の動作モードが待機モードに切り替わり、音声コマンド処理が終了する。
【0042】
ステップS3において、音声受付装置100の制御部150は、操作部120が操作されたか否かを判定する。操作部120が操作されたと制御部150が判定すると(ステップS3で、Yes)、処理がステップS4に移行する。操作部120が操作されていないと制御部150が判定すると(ステップS3で、No)、処理がステップS5に移行する。
【0043】
ステップS4において、制御部150は、操作部120の操作内容に対応した処理(操作処理)を行う。
【0044】
ステップS5において、表示装置300に対してその他の操作が行われたか否かを制御部350が判定する。その他の操作は、例えば、表示部310の画面の明るさを調整する操作である。その他の操作が行われたと制御部350が判定すると(ステップS5で、Yes)、処理がステップS6に移行する。その他の操作が行われていないと制御部350が判定すると(ステップS5で、No)、処理がステップS7に移行する。
【0045】
ステップS6において、制御部350は、その他の操作に基づいた処理(その他の処理)を行う。
【0046】
ステップS7において、制御部350は、終了コマンドを受け付けたか否かを判定する。終了コマンドは、表示装置300の電源をオフにするコマンドである。制御部350が終了コマンドを受け付けていないと判定すると(ステップS7で、No)、処理がステップS1に移行する。制御部350が終了コマンドを受け付けたと判定すると(ステップS7で、Yes)、処理が終了する。
【0047】
次に、
図1、
図3、及び
図5~
図10を参照して、音声コマンド処理について説明する。
図3は、音声コマンド処理を示すフロー図である。
【0048】
図1及び
図3に示すように、ステップS21において、制御部350は、ステップS1(
図2参照)において通信部330が受信した制御信号の種類を判定する。制御信号が設定信号でないと制御部350が判定すると(ステップS21で、No)、処理がステップS22に移行する。制御信号が設定信号であると制御部350が判定すると(ステップS21で、Yes)、処理がステップS26に移行する。
【0049】
設定信号は、制御部350の動作モードを設定モードに切り替えるための制御信号である。設定モードは、表示部310内において、文字の表示を開始する位置である開始位置を設定するためのモードである。
【0050】
ステップS22において、制御部350は、音声入力モードで動作する。音声入力モードは、音声受付部110が受け付けた音声を表す文字が表示部310に表示されるように、制御部350が動作するモードである。
【0051】
ステップS23において、制御部350は、音声受付部110が受け付けた音声を表す文字を、表示部310に表示させる音声入力処理を行う。
【0052】
図6は、音声入力処理が行われている状態を示す模式図である。
【0053】
図1、
図3及び
図6に示すように、ユーザーが音声受付装置100に対して音声を発すると、ユーザーが発した音声の音声データがサーバ200に送信される。そして、サーバ200から表示装置300に対し、音声のテキストデータを含む制御信号が送信される。その結果、制御部350は、ユーザーの発した音声を文字の形式で表示部310に表示させる。
【0054】
ステップS23に示す処理が終了すると、処理がステップS3(
図2参照)に移行する。
【0055】
ステップS26において、制御部350は、設定モードで動作する。
【0056】
図7は、制御部350の動作モードが設定モードに切り替わるときのユーザーの動作を示す模式図である。
【0057】
図1、
図3及び
図7に示すように、ユーザーが音声受付装置100に対して所定の第2音声D2を発すると、音声受付装置100からサーバ200に対して第2音声D2の音声データが送信される。サーバ200は、第2音声D2の音声データを受信すると、表示装置300に対して、設定信号を送信する。その結果、制御部350の動作モードが設定モードに切り替わる。本実施形態では、第2音声D2は、「コマンド文字位置」である。
【0058】
制御部350の動作モードが設定モードに切り替わると、処理がステップS27に移行する。
【0059】
ステップS27において、表示部310が設定画面G1を表示するように、制御部350が表示部310を制御する。設定画面G1は、表示部310内において、文字の表示を開始する開始位置を設定するための画面である。なお、設定画面G1は、OSD(On Screen Display)画面でもよい。
【0060】
【0061】
図1、
図3及び
図8に示すように、設定画面G1には、複数の候補位置Pが予め設定されている。複数の候補位置Pは、表示部310内において、文字の表示を開始する開始位置の候補となる位置である。
【0062】
複数の候補位置Pは、第1候補位置(X1,Y1)~第N候補位置(Xt,Yu)で構成される。Nは、2以上の整数である。t、及びuの各々は、2以上の整数である。tは、例えば、候補位置PのX軸方向(
図8の左右方向)の順番を示し、uは、例えば、候補位置PのY軸方向(
図8の上下方向)の順番を示す。
【0063】
設定画面G1は、複数の記号Qを含む。複数の記号Qは、第1記号A01~第N記号K20を含む。複数の記号Qは、本発明の位置を示す情報の一例である。
【0064】
第1候補位置(X1,Y1)~第N候補位置(Xt,Yu)は、それぞれ、第1記号A01~第N記号K20と対応する。
【0065】
設定画面G1上において、複数の候補位置Pの各々が位置する場所には、対応する記号Qが、それぞれ表示される。本実施形態では、表示部310の左上隅を候補位置Pの始点とし、表示部310の右下を候補位置Pの終点として、第1候補位置(X1、Y1)~第N候補位置(Xt、Yu)が配置される。始点には第1候補位置(X1、Y1)が配置され、終点には第N候補位置(Xt、Yu)が配置される。第1候補位置(X1、Y1)には第1記号A01が表示され、第N候補位置(Xt、Yu)には第N記号K20が表示される。なお、本実施形態では、表示部310の左上隅を候補位置Pの始点として説明するが、本発明はこれに限定されず、ユーザーによって予め定められた位置が候補位置Pの始点に設定されて、各候補位置P上に対応する記号Qが表示されるように構成してもよい。すなわち、表示部310上において、候補位置Pの始点となる位置が、任意に設定できるように構成してもよい。
【0066】
表示部310に設定画面G1が表示されると、処理がステップS28に移行する。
【0067】
ステップS28において、通信部330により文字の表示を開始する開始位置を示す指定信号が受信されたか否かを、制御部350が判定する。指定信号は、複数の候補位置Pのうち開始位置に指定された候補位置Pを示す信号である。
【0068】
ユーザーにより開始位置が指定されることで、通信部330が指定信号を受信する。以下では、ユーザーにより開始位置が指定される手順について説明する。
【0069】
図9は、ユーザーが、複数の候補位置Pのうちの第2候補位置(X1、Y10)を開始位置に指定している状態を示す模式図である。
【0070】
図1、
図3、及び
図9に示すように、ユーザーは、第2候補位置(X1、Y10)を開始位置に指定する場合、音声受付装置100に対して、第2記号A10を表す設定音声D3を発する。
【0071】
サーバ200は、設定音声D3の音声データを受信すると、設定音声D3のテキストデータを生成する。そして、サーバ200は、表示装置300に対して、制御部230で開始位置を指定する制御信号を生成し、生成した制御信号を送信する。開始位置は、設定音声D3のテキストデータが表す記号Qと対応する候補位置Pに指定される。その結果、表示装置300の通信部330が制御信号を受信する。なお、本実施形態では、設定音声D3のテキストデータは、第2記号A10を表すテキストデータである。この場合、候補位置Pは、第2候補位置(X1、Y10)となる。
【0072】
通信部330により制御信号が受信されたと制御部350が判定すると(ステップS28で、Yes)、処理がステップS29に移行する。通信部330により制御信号が受信されていないと制御部350が判定すると(ステップS28で、No)、ステップS28に示す処理が繰り返される。
【0073】
ステップS29において、表示装置300の制御部350は、制御信号で示された記号Qと対応する候補位置Pを、開始位置に設定する。本実施形態では、ユーザーが設定音声D3として第2記号A10を表す音声を発する。その結果、制御部350は、第2記号A10と対応する第2候補位置(X1、Y10)を、開始位置に設定する。
【0074】
ステップS30において、表示部310から設定画面G1が消去されるように、制御部350が表示部310を制御する。
【0075】
図10は、表示部310から設定画面G1が消去された状態を示す図である。
【0076】
図1、
図3、及び
図10に示すように、ステップS31において、表示部310のうち開始位置に設定された場所にカーソルCが表示されるように、制御部350が表示部310を制御する。本実施形態では、カーソルCは、矩形の図で示される。なお、カーソルCの視認性を向上させるため、カーソルC(矩形の図)を点滅させてもよい。その後、音声入力処理が行われると、開始位置から文字の表示が開始される。なお、本実施形態では、第2候補位置(X1、Y10)が開始位置に設定されるので、第2候補位置(X1、Y10)にカーソルCが表示される。
【0077】
ステップS32において、制御部350の設定モードが終了する。
【0078】
ステップS32に示す処理が終了すると、処理がステップS3(
図2参照)に移行する。
【0079】
以上、
図1、
図3、及び
図5~
図10を参照して説明したように、制御部350は、設定モードで動作する際、音声受付部110が受け付けた設定音声D3に基づいて、開始位置を設定する。従って、ユーザーは、開始位置を設定する場合、設定音声D3を発すればよいので、表示部310まで近づいて、開始位置をペンで指定する作業を行う必要がない。その結果、ユーザーは、開始位置を容易に設定できる。また、ユーザーは、設定音声D3により開始位置を設定することで、表示部310から離れた場所からでも開始位置を設定できるので、開始位置を設定する際、表示部310に近づく必要がない。従って、例えば、会議中に、他の者が表示部310を視認している状態で、ユーザーが開始位置を設定する場合でも、ユーザーが他の者の視線を遮ることを防止できる。
【0080】
次に、
図1、
図3、及び
図4を参照して、操作処理について説明する。
図4は、操作処理を示すフロー図である。
【0081】
図1、
図4に示すように、ステップS41において、音声受付装置100の制御部150は、音声受付部110が、音声入力の受け入れ中であり、入力モードで動作しているか否かを判定する。
【0082】
音声受付部110が入力モードであると制御部150が判定すると(ステップS41で、Yes)、処理がステップS42に移行する。音声受付部110が入力モードであないと制御部150が判定すると(ステップS41で、No)、処理がステップS43に移行する。
【0083】
ステップS42において、音声受付部110が、音声入力の受け入れを解除することで、待機モードになる。すなわち、
図2に示すステップS3において、操作部120が操作された際に、音声受付部110が入力モードで動作していると、ステップS42において、音声受付部110の動作モードが待機モードに切り替わる。その結果、表示装置300が、
図3に示す音声入力処理(ステップS23参照)、及び、開始位置を設定する処理(ステップS29参照)を実行不能な状態になる。ステップS42に示す処理が終了すると、処理がステップS5(
図2参照)に移行する。
【0084】
ステップS43において、音声受付部110が、音声入力の受け入れを準備することで、入力モードになる。すなわち、
図2に示すステップS3において、操作部120が操作された際に、音声受付部110が待機モードで動作していると、ステップS42において、音声受付部110の動作モードが入力モードに切り替わる。その結果、表示装置300が、
図3に示す音声入力処理、及び、開始位置を設定する処理を実行可能な状態になる。ステップS42に示す処理が終了すると、処理がステップS5(
図2参照)に移行する。
【0085】
以上、図面(
図1~
図10)を参照しながら本発明の実施形態について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、(1)~(9))。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の個数等は、図面作成の都合から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0086】
(1)
図9に示すように、制御部350は、設定画面G1上において、開始位置に設定された候補位置Pの場所に応じて、表示部310に横書きで文字を表示するか、又は、縦書きで文字を表示するかを決定してもよい。例えば、設定画面G1上において、左側の候補位置Pが開始位置に設定されると、制御部350は、開始位置から右側に向かって横書きで文字を表示する。具体例として、第1候補位置(X1、Y1)が開始位置に設定されると、制御部350は、第1候補位置(X1、Y1)から第3候補位置(X11、Y1)に向かって横書きで文字を表示する。また、例えば、設定画面G1上において、上側の候補位置Pが開始位置に設定されると、制御部350は、開始位置から下側に向かって縦書きで文字を表示する。具体例として、設定画面G1上において、第3候補位置(X11、Y1)が開始位置に設定されると、制御部350は、第3候補位置(X11、Y1)から候補位置第4(X11、Y20)に向かって縦書きで文字を表示する。その結果、開始位置が設定される場所に合わせて、文字の表示態様を適宜変更できる。
【0087】
(2)
図11を参照して、ステップS26~ステップS32に示す設定モード(
図3参照)の変形例について説明する。
図11は、設定画面G2を示す図である。設定画面G2は、表示部310内において、文字を表示する領域である文字領域を設定するための画面である。
【0088】
図11に示すように、設定モードの変形例では、制御部350の動作モードが設定モードに切り替わると、表示部310に設定画面G2が表示される。
【0089】
設定画面G2には、複数の候補領域Eが予め設定されている。複数の候補領域Eは、表示部310内において、文字領域の候補となる領域である。
【0090】
本実施形態では、複数の候補領域Eは、表示部310が複数の候補領域に分割されることで、第1候補領域E1~第4候補領域E4で構成される。
【0091】
設定画面G2は、複数の候補領域Eとそれぞれ対応する複数の領域記号を含む。本実施形態では、複数の領域記号は、第1領域記号A~第4領域記号Dで構成される。
【0092】
第1候補領域E1~第4候補領域E4は、それぞれ、第1領域記号A~第4領域記号Dと対応する。
【0093】
設定画面G2上において、複数の候補領域Eの各々が位置する場所には、対応する領域記号が、それぞれ表示される。本実施形態では、第1候補領域E1~第4候補領域E4上には、それぞれ、第1領域記号A~第4領域記号Dが表示される。
【0094】
表示部310に設定画面G2が表示されている状態において、表示装置300の制御部350は、音声受付装置100の音声受付部110が受け付けた設定音声D4に基づいて、文字領域の設定を行う。設定音声D4は、複数の領域記号(第1領域記号A~第4領域記号D)のうちのいずれかの領域記号を表す音声を含む。例えば、音声受付部110が第1領域記号Aを表す「A」の音声を受け付けると、制御部350は、第1領域記号Aと対応する第1候補領域E1を、文字領域に設定する。文字領域の設定が完了すると、制御部350は、表示部310から設定画面G2を消去する。その後、音声入力処理が行われると、文字領域に設定された第1候補領域E1内に文字が表示される。
【0095】
その結果、ユーザーは、設定音声D4により文字領域を設定できるので、文字領域を容易に設定できる。また、ユーザーは、表示部310から離れた場所からでも文字領域を設定できるので、他の者の表示部310に対する視線を遮ることを防止できる。
【0096】
(3)
図11及び
図12を参照して、制御部350の動作モードの追加例である、開始位置設定モードについて説明する。開始位置設定モードは、文字開始位置を設定するモードである。
【0097】
文字開始位置は、文字領域内において、文字の表示を開始する位置である。
【0098】
図12は、位置設定画面G3を示す図である。位置設定画面G3は、文字領域内に文字開始位置を設定するための画面である。
【0099】
図11に示す設定画面G2から文字領域が設定されると、制御部350の動作モードが文字開始位置設定モードに切り替わる。その結果、文字領域には、
図12に示す位置設定画面G3が表示される。
【0100】
図11及び
図12に示すように、本実施形態では、第1候補領域E1が文字領域に設定されるので、第1候補領域E1に位置設定画面G3が表示される。
【0101】
位置設定画面G3には、複数の候補位置Rが予め設定されている。複数の候補位置Rは、位置設定画面G3内において、文字開始位置の候補となる位置である。
【0102】
本実施形態では、複数の候補位置Rは、第1候補位置R1~第10候補位置R10で構成される。
【0103】
位置設定画面G3は、複数の候補位置Rとそれぞれ対応する複数の候補記号Tを含む。本実施形態では、複数の候補記号Tは、第1候補記号T1~第10候補記号T10で構成される。
【0104】
第1候補位置R1~第10候補位置R10は、それぞれ、第1候補記号T1~第10候補記号T10と対応する。
【0105】
位置設定画面G3上において、複数の候補位置Rの各々が位置する場所には、対応する候補記号Tが、それぞれ表示される。
【0106】
文字領域(本実施形態では、第1候補領域E1)に位置設定画面G3が表示されている状態において、表示装置300の制御部350は、音声受付装置100の音声受付部110が受け付けた設定音声D5に基づいて、文字開始位置の設定を行う。設定音声D5は、複数の候補記号T(第1候補記号T1~第10候補記号T10)のうちのいずれかの候補記号Tを表す音声を含む。例えば、音声受付部110が、設定音声D5として、第1候補記号T1を表す「0」の音声を受け付けると、制御部350は、第1候補記号T1と対応する第1候補位置R1を、文字開始位置に設定する。文字開始位置の設定が完了すると、制御部350は、表示部310から位置設定画面G3を消去する。その後、音声入力処理が行われると、文字領域に設定された第1候補領域E1内に文字が表示され、さらに、文字開始位置に設定された第1候補位置R1から文字の表示が開始される。
【0107】
その結果、音声入力処理が行われる際、ユーザーは、文字領域内の所望の位置から文字の表示を開始することができる。
【0108】
なお、複数の候補位置Rの各々が位置する場所には、候補記号T(第1候補記号T1~第10候補記号T10)に代えて、互いに異なる色が表示されてもよい。この場合、例えば、音声受付装置100の音声受付部110が、色を表す音声を受け付けることで、位置設定画面上において、音声で表された色が表示されている場所が、文字開始位置に設定される。複数の候補位置Rの各々が位置する場所に表示される互いに異なる色は、本発明の位置を示す情報の二例である。
【0109】
(4)
図13を参照して、
図9に示す設定画面G1の第1変形例について説明。する。
図13は、
図9に示す設定画面G1の第1変形例を示す図である。
【0110】
図13に示すように、設定画面G1の第1変形例では、設定画面G1は、透明又は半透明のOSD上に表示される。その結果、入力画像VがOSDの背面に配置された状態で、表示部310に表示される。その結果、ユーザーは、入力画像Vの位置を考慮しつつ、開始位置を決定できる。また、ユーザーは、表示部310に設定画面G1が表示されている状態で、入力画像Vを視認できる。入力画像Vは、例えば、ペン等により表示部310に描かれた画像、PC(Personal Computer)のような外部装置から表示装置300に送信された画像、及び/又は、音声入力処理により表示部310に表示された文字を示す。
【0111】
(5)
図14を参照して、
図9に示す設定画面G1の第2変形例について説明する。
図14は、
図9に示す設定画面G1の第2変形例を示す図である。
【0112】
図14に示すように、設定画面G1の第2変形例では、設定画面G1上において、入力画像Vを含む矩形領域と重ならないように、記号Qが表示される。その結果、入力画像V上に開始位置が設定されることを防止できる。なお、設定画面G1上において、入力画像Vと重ならないように、記号Qが表示されてもよい。
【0113】
(6)本実施形態では、表示装置300にはタッチパネルが含まれる。しかし、本発明はこれに限定されない。表示装置300にはタッチパネルが含まれなくてもよい。
【0114】
(7)複数の音声受付装置100(
図1参照)が存在する場合、複数の音声受付装置100のうち、操作部120が操作された音声受付装置100のみからの指示を表示装置300が受け付けるように構成してもよい。その結果、複数の音声受付装置100からの指示に対し優先順位を設定することができる。
【0115】
(8)音声受付装置100の音声受付部110は、表示装置300に内蔵されることで、表示装置300に含まれていてもよく、又は、スタンドマイクでもよい。
【0116】
(9)本実施形態では、サーバ200が音声受付装置100から送信された音声データをテキストデータに変換する変換処理を行う。しかし、本発明はこれに限定されない。音声受付装置100、又は、表示装置300が変換処理を行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0117】
本発明は、表示装置、表示システム、及び表示方法の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0118】
1 表示システム
110 音声受付部
150 制御部
310 表示部
D3 設定音声