(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-02
(45)【発行日】2023-06-12
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20230605BHJP
【FI】
A63F7/02 320
(21)【出願番号】P 2017145376
(22)【出願日】2017-07-27
【審査請求日】2020-07-16
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110002158
【氏名又は名称】弁理士法人上野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】安藤 康晃
(72)【発明者】
【氏名】上野 雅博
(72)【発明者】
【氏名】西村 仁
(72)【発明者】
【氏名】平 勇輝
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 嵩登
【審査官】中野 直行
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-086757(JP,A)
【文献】特開2013-208263(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
当否判定結果を報知する報知演出が開始され、かつ当否判定結果の報知が完了していないものの存在を示す特定画像を表示する表示手段と、
前記特定画像に対応する報知演出において、前記特定画像の態様を通常態様とは異なる特別態様とすることで、当該特定画像に対応する当否判定結果が当たりとなる蓋然性である信頼度が高まったことを示唆する画像変化演出を実行する演出実行手段と、
を備え、
前記特定画像に対応する当否判定結果がはずれであることが報知されたときに当該特定画像が消去されるに至るまでの演出は、当該特定画像が前記通常態様である場合には通常演出とされ、前記特別態様である場合には特別演出とされるものであり、
前記通常演出は、前記通常態様の前記特定画像が前触れなく消去されるものであり、
前記特別演出は、前記特別態様の前記特定画像が一旦別の態様に変化した後消去されるものである
ことを特徴とする遊技機。
ただし、前記特定画像に対応する当否判定結果が当たりであることが報知されたときには、前記特別演出が発生しないものとする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、当否判定結果を報知する演出が開始されているものの、報知が完了していない「当該変動保留」を示す画像(以下、特定画像と称することもある)が表示される遊技機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、特定画像を用いて遊技の趣向性向上を図ることが可能な遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた本発明にかかる遊技機は、当否判定結果を報知する報知演出が開始され、かつ当否判定結果の報知が完了していないものの存在を示す特定画像を表示する表示手段と、前記特定画像に対応する報知演出において、当否判定結果の蓋然性である信頼度が高まったことを示唆する装飾図柄の擬似停止回数に応じて前記特定画像の態様を変化させる画像変化演出を実行する演出実行手段と、を備えることを特徴する。
【発明の効果】
【0006】
本発明にかかる遊技機によれば、特定画像を用いて遊技の趣向性向上を図ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】表示装置の表示領域に表示される装飾図柄と保留画像を示した図である。
【
図4】特定画像が消去される直前の演出を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明にかかる遊技機1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。まず、
図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。
【0009】
遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する通路を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
【0010】
遊技領域902には、始動入賞口904、大入賞口906、アウト口907などが設けられている。各種演出を実行する表示装置91の表示領域911は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能となる領域である。なお、表示領域911の形状等は適宜変更可能である(開口901の形状や大きさ、表示装置91自体の形状や大きさを変更することで表示領域911の形状等を変更することができる)。
【0011】
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
【0012】
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動入賞口904や大入賞口906等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
【0013】
なお、遊技機1の枠体、遊技球を貯留する下皿や上皿など、本発明に関係のない遊技機1の構成要素は説明を省略する。これらについては公知の遊技機と同様の構造のものが適用できる。
【0014】
大当たりの抽選は、図示されない制御基板に設けられた当否判定手段が始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として実行する(このような始動入賞口904は複数設けられていてもよい)。具体的には、始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として乱数源から数値(以下、当否判定情報と称することもある)が取得され、当該数値が予め定められた大当たりの数値と同じである場合には大当たりとなり、異なる場合にははずれとなる。本実施形態では、公知の遊技機と同様に、大当たりとなる場合には、装飾図柄80(
図2参照)が所定の組み合わせ(例えば同じ図柄の三つ揃い)となることによって報知され、それ以外の組み合わせが表示された場合にははずれとなる。本実施形態では、複数種の装飾図柄80を含む装飾図柄80群が変動表示され、それぞれから一の図柄が選択されて停止することで、当否判定結果を示す組み合わせを構築する。
【0015】
本実施形態では、上記当否判定のための数値が取得された順に当否判定結果の報知が開始される(装飾図柄80の変動が開始される)こととなるが、ある数値が取得されたときに、それより前に取得された数値に基づく当否判定結果が報知されている際には、当該ある数値に基づく当否判定結果の報知が開始されるまで、図示されない制御基板に設けられた記憶手段に記憶される。未だ当否判定結果の報知(装飾図柄80の変動)が開始されていない数値(当該数値のそれぞれに対応するものが「保留(情報)」である。保留(情報)は当否判定情報の下位概念であるといえる)の最大の記憶数(最大保留数)は適宜設定することができる。本実施形態における記憶手段が記憶できる最大保留数は、一種の始動入賞口904につき四つである。なお、本実施形態では、当否判定結果の報知が開始される時点で、取得された数値が大当たりとなる数値か否かが判断されることとなるが、数値が取得されたときに当否判定を行い、当否判定結果自体を記憶させておく構成としてもよい。また、取得された数値は、当否判定結果を報知する演出の具体的な内容を決定するための数値としても利用される。
【0016】
本実施形態にかかる遊技機1では、記憶手段に記憶されている上記数値(当否判定情報)であって、当否判定結果を報知する演出が開始(装飾図柄80の変動が開始)されていないものに対応するマークである保留画像70が、表示装置91の表示領域911に表示される(
図2参照)。具体的には、当否判定を実行するための数値が取得された順に並ぶよう、保留画像70が表示装置91の表示領域911に表示される。本実施形態では、数値が取得されたタイミングが早いものから(いわゆる保留消化が早いものから)順に左から並ぶよう表示される。
【0017】
また、本実施形態では、既に当否判定結果を報知する演出が開始(装飾図柄80の変動が開始)されているものの、当否判定結果の報知が完了(全ての装飾図柄80の変動が停止)していないもの、いわゆる「当該変動保留」が存在していることを示す画像(以下、特定画像10と称する)が表示領域911に表示される(
図2参照)。当該特定画像10は、上記保留画像70と区別することができるようにするとよい。例えば、特定画像10と保留画像70の基本的態様(後述する具体的態様とは異なる概念である)が異なるものとすることが考えられる。本実施形態では、特定画像10に付随する付随画像11が表示されることで、当該付随画像11が付随しているものが「当該変動保留」であることを遊技者が容易に把握できるよう構成されている。
【0018】
これら保留画像70や特定画像10として、対応する当否判定結果が大当たりとなる蓋然性(以下、(大当たり)信頼度と称することもある)が異なる複数種の具体的態様が設定された構成としてもよい。すなわち、いわゆる保留変化演出が発生し、それにより信頼度が示唆されるようにしてもよい。なお、保留画像70や特定画像10は、静止画であってもよいし動画であってもよい。なお、以下の説明で「画像」というときは、静止画と動画の両方を含むものとする。
【0019】
本実施形態にかかる遊技機1は、上記特定画像10を利用した画像変化演出を実行することが可能である。以下、当該画像変化演出について説明する。
【0020】
画像変化演出(
図3参照)は、特定画像10に対応する当否判定結果を報知する一連の報知演出(装飾図柄80の変動が開始されてから当否判定結果を示す組み合わせで停止するまでの演出のことをいう)において、大当たり信頼度が高まったことを示唆する特定演出が発生した回数を示すというものである。特定演出は、いわゆる「チャンスアップ演出」であるということができる。つまり、画像変化演出は、「チャンスアップ」の回数を示すものであるということができる。特定演出の発生回数が多いほど、大当たり信頼度が高くなるよう設定されている。なお、特定演出の発生回数には上限が定められているとよい。また、一連の報知演出において、特定演出の発生回数が4回、6回となることはない、といったように、特定演出の発生回数がある特定の回数となるケースが発生しないように設定されていてもよい。また、特定演出の発生回数が7回である場合には大当たり確定、といったように、特定演出の発生回数がある特定の回数となった場合には大当たり確定となる(信頼度が100%である)ケースが設定されていてもよい。
【0021】
特定演出は、一の当否判定結果を報知する報知演出において、一または複数回発生しうるものであればよい。本実施形態では、一の報知演出において発生する各特定演出の基本的態様は同じものである。つまり、一の報知演出において複数回の特定演出が発生する場合、ある特定演出とそれとは別の特定演出の基本的態様が異なるものではない。本実施形態では、変動する装飾図柄80が擬似的に停止し、再び変動を開始すること(
図3(a)~(c)、(c)~(e)参照)を一回の特定演出とみなす。ここで、「擬似的に停止」とは、遊技者には図柄が停止しているように見えるものの、完全には停止していない状態をいう。例えば、図柄がわずかに揺れ動いているような状態をいう。つまり、複数回の特定演出が発生するケースでは、装飾図柄80が擬似的な停止後に再び変動を開始することが複数回発生することが複数回発生することになる。擬似的に停止する際の装飾図柄80は、所定の組み合わせ(例えば、左から順目になる組み合わせ。
図3(b)(d)参照)となるようにして、チャンスであることが示唆されるようにするとよい。なお、本実施形態では、特定演出が複数回発生する場合には特定演出間の間隔は短い。つまり、公知の「擬似連続演出」のように、擬似停止間の間隔が比較的長いものではない。また、「擬似連続演出」が搭載された遊技機において、当該演出の発生(図柄の擬似的な停止)とともに当該演出が発生したことを示すような画像が表示されるものが知られているところ、本実施形態ではこのような画像が表示されず、高速で装飾図柄80の擬似停止→変動再開が繰り返されることになる。
【0022】
画像変化演出は、一の報知演出において発生した特定演出に応じて特定画像10の具体的態様を変化させるものである。本実施形態では、特定画像10に発生した特定演出の回数が示される。つまり、特定画像10は、特定演出が発生する度にその具体的態様を変化させるということである。
【0023】
特定演出が発生していない状態においては、特定画像10は通常の態様(デフォルトの態様)にある(
図3(a)参照)。本実施形態における通常の態様は、外形が「丸」の図柄である。具体的には「水晶」を表したような図柄である。なお、当該通常の態様は、特定演出の発生回数が「0」であることを示すものではない(「0」は表示されない)が、数字の「0」もしくはそれに相応するようなもの(例えば、漢字の「零」や「無」)を含むものとしてもよい。
【0024】
そして、最初の特定演出が発生した場合には、特定画像10に数字の「1」が表示される(回数表示101が表示される)。具体的には、特定画像10は、上記通常の態様に数字の「1」が重ね合されたような具体的態様となる(
図3(c)参照)。その後、特定演出が発生する度に当該数字が「2」、「3」、「4」といったように加算されていく(
図3(e)参照)。つまり、本実施形態では、一回の特定演出が発生する度に、特定画像10の具体的態様が変化するということになる。なお、アラビア数字による表示の態様はあくまで例示である。漢数字等により特定演出の発生回数を表示してもよい。
【0025】
このように、本実施形態では、「当該変動保留」の存在を示す特定画像10に、特定演出が発生した回数が表示される。したがって、一連の報知演出において、いわゆるチャンスアップ演出である特定演出が何回発生したのか分かりやすくなる。また、ある当否判定結果に対応する「チャンスの度合」を、対応する画像である特定画像10に視覚的に表示するものであるため、遊技の趣向性向上に資する。
【0026】
対応する当否判定結果の報知が完了した場合には、特定画像10は消去される。この点に関しては公知の遊技機と同様である。本実施形態では、水晶を表した特定画像10が破壊されたかのような演出を経て当該特定画像10が消去される(
図4(特に
図4(c))参照)。報知演出中に一または複数回の特定演出が発生し、特定画像10がそれに応じた具体的態様となっている場合であっても同様である。つまり、特定画像10がどのような具体的態様にある場合であっても、特定画像10が破壊されたかのような演出を経て当該特定画像10が消去される。
【0027】
このように、特定画像10が破壊されたかのような演出を経て消去されるようにすれば、特定画像10に表示されていた特定演出の発生回数がリセットされるということを分かりやすくすることが可能である。
【0028】
また、本実施形態では、上記のように「破壊されたかのような演出」を経て特定画像10が消去されるのは、対応する当否判定結果がはずれとなる場合のみとしている(対応する当否判定結果が大当たりである場合には実行されない)。つまり、破壊されたような演出により、当否判定結果がはずれであったことを分かりやすく示すという効果もある。また、本実施形態では、特定演出が発生しなかった場合(特定画像10の態様が通常の態様のままであった場合)でも、「破壊されたかのような演出」を経て特定画像10が消去される。
【0029】
以下、上記実施形態にかかる遊技機1を改良、変形、具体化等した具体例について説明する。なお、以下の各具体例を用いて説明する事項を複数適用した構成としてもよい。
【0030】
○第一具体例
上記実施形態では、特定画像10に特定演出が発生した回数が「数字」により示されることを説明したが、「数字」以外の要素により特定演出の発生回数が示される構成としてもよい。例えば、特定演出が発生することを契機として特定画像10の色が変化していく構成とすることが考えられる。また、「A、B、C、D・・・」「い、ろ、は、に・・・」といったように特定演出が発生する度に当該特定画像10が含む文字が変化するような構成としてもよい。
【0031】
○第二具体例
上記実施形態では、一回の特定演出が発生する度に、特定画像10の具体的態様が変化する(「数字」が変化する)ことを説明したが、一回の特定演出の発生では、特定画像10の態様が変化しないこともある構成とする。例えば、複数回の特定演出の発生を1セットとして、当該1セット分の特定演出が発生したときに特定画像10の具体的態様が変化するようにする(なお、1セット分の特定演出の回数は、一定であってもよいし、それぞれ異なっていてもよい)(
図5参照)。このような構成としても、おおよその特定演出の発生回数を把握することが可能である。また、このような構成とする場合には、1セット分の特定演出が発生することを区切りとして、大当たり信頼度が高まる設定とする(一回の特定演出の発生で必ず信頼度が高まるわけではない設定とする)。このようにすれば、特定画像10の具体的態様の変化と、信頼度の上昇がリンクする構成となる。
【0032】
本例においても上記実施形態と同様に特定演出の回数が「数字」で表示されるようにすることができる。例えば、1セット分の特定演出の回数が全て5回に設定された構成において、5、10、15・・・というように、特定画像10の数字が変化していくようにすることが考えられる。
【0033】
また、上記第一具体例にて説明したように、数字以外の要素(色等)が変化していくようにしてもよい。色の変化を分かりやすくするということ(同系統の色を採用すると変化が分かりにくく不適当であること)に鑑みれば、特定画像10の色として採用しうる色の種類の数は限られているため、複数回の特定演出の発生を区切りとして特定画像10の色の変化が発生するようにすることは、理にかなった構成であるといえる。
【0034】
○第三具体例
特定演出が発生すると見せかけて失敗に終わるような演出(以下、失敗演出と称することもある)が発生しうる設定とする。例えば、複数の装飾図柄80が所定の組み合わせで擬似停止し、再び変動を開始することを一回の特定演出とする場合において、当該複数の装飾図柄80が所定の組み合わせで擬似停止すること(成功演出(=特定演出)が発生すること)もあれば、擬似停止しないこと(失敗演出が発生すること)もある(
図6参照)設定とする。
【0035】
このような場合、演出の成功・失敗が分からず、厳密な特定演出の発生回数を遊技者が把握することができないおそれがある。本実施形態では、特定画像10に特定演出の発生回数が示され、成功の場合には回数表示101が増加し、失敗の場合には回数表示101が増加しないのであるから、成功・失敗の区別がつかない場合であっても、発生した特定演出の回数を容易に把握することが可能となる。また、初めて特定演出に接した遊技者は、どのような演出が成功であるのか(失敗であるのか)把握することができないおそれがあるところ、特定画像10の変化(数字の増加)と演出を見比べることで、成功の演出(特定演出)がどのような態様のものであるのか把握することが可能となる。
【0036】
○第四具体例
上記実施形態における特定演出は、変動する装飾図柄80が一旦擬似的に停止し、再び変動を開始することを一回とするものであること、すなわち一連の報知演出において複数回発生しうる特定演出は同種(一種)の演出(遊技者には実質的に同じであるように見えるものをいう)であることを説明したが、特定演出として発生しうる複数種の演出が設定された構成としてもよい。別種の特定演出としては、所定の画像(以下、好機画像20と称することもある)が表示されること等を例示することができる(
図7(特に
図7(b))参照)。
【0037】
このような構成とする場合、種々の特定演出の発生により、特定画像10が含む数字の値が増加していくことになるから、遊技の趣向性を向上させることが可能となる。また、本遊技機1の遊技経験の浅い遊技者は、いわゆるチャンスアップとなる演出はどのようなものなのか把握することができないおそれがあるところ、当該チャンスアップとなる演出(特定演出)が発生した場合には特定画像10の数字が増加していくことになるから、どのような演出がチャンスアップとなる演出であるのか把握することが可能となる。
【0038】
○第五具体例
画像変化演出が発生しうる特定画像10の形態が限定された構成とする。具体的には、特定画像10(当該変動保留を示す画像)として複数種の基本的形態(いわゆる保留変化が発生することによる形態の変化は除く)が設定されており、当該複数種の基本的形態のうちの一部である一または複数種の所定の形態のときに画像変化演出が発生しうるものとする。例えば、特定画像10の基本的形態として、外形が丸である第一形態、三角である第二形態、四角である第三形態の三種が設定されており、このうち第一形態である場合に限って画像変化演出が発生しうるものとする(
図8参照)。これに合わせて、特定演出も特定画像10が第一形態である場合に限り発生するようにするとよい。このような構成とすれば、特定画像10の基本的形態にも注目させることが可能となる。第一形態および第二形態である場合に画像変化演出が発生しうるものとするといったように、画像変化演出が発生しうる基本的形態が複数種であってもよい。
【0039】
特定画像10の基本的形態は、報知演出のモード(ステージ等とも称される)に応じて設定される。モードは、報知演出の基本的形態を変化させるために設定されているものである。モードが変化すると、報知演出の基本的な構成が変化する。例えば、装飾図柄80の背景として表示される背景画像30の基本的な構成がモードに応じて変化するようにすることが考えられる(
図8参照)。上記特定画像10の基本的形態のそれぞれは、互いに異なるモードに対応づけられている。したがって、画像変化演出は、報知演出が一または複数種の所定のモードに設定されているときに発生するものであるといえる。このような構成とすれば、報知演出のモードの変化にも注目させることが可能となる。
【0040】
○第六具体例
上記実施形態では、特定画像10に対応する当否判定結果の報知(はずれ報知)が完了したとき、特定画像10が破壊されたかのような演出を経て当該特定画像10が消去されることを説明したが、このような態様を経て特定画像10が消去されるのは、少なくとも一回の特定演出が発生し、特定画像10に回数表示101が示された場合のみとする。つまり、特定演出が発生したことにより特定画像10の具体的態様が変化した場合と、特定演出が発生せずに特定画像10の通常の態様のままであった場合とでは、特定画像10が消去されるに至るまでの演出(消去直前の態様)が異なるものとする。例えば、特定演出が発生した場合には上記のような破壊されるような演出を経て消去される(
図9(a-1)~(a-3)参照)一方、特定演出が発生しなかった場合には前触れなく消去される構成とする(
図9(b-1)~(b-3)参照)。このような構成とすれば、特定演出が発生した場合における特定画像10が消去されるに至るまでの態様は、特定演出が発生しなかった場合と異なるのであるから、それとの比較により、当否判定結果の報知が完了したことで回数がリセットされるということがより分かりやすくなる。
【0041】
なお、特定演出が発生した場合に発生する「破壊されるような演出」はあくまで一例である。具体的態様が変化した特定画像10が消去される直前の態様が、通常態様のままであった特定画像10が消去される直前の態様と異なるものでありさえすればよい。
【0042】
○第七具体例
いわゆる先読み演出として、特定演出の発生回数を示唆する演出が発生するようにする。先読み演出それ自体は公知であるため詳細な説明を省略するが、先読み演出は、ある当否判定情報に基づく当否判定結果が大当たりとなる蓋然性を、当該当否判定情報よりも先に取得された一または複数の当否判定情報に基づく先の当否判定結果の報知演出が実行されている最中にも示唆するというものである。
【0043】
対象の当否判定結果に対応する報知演出が未だ開始されていない段階、すなわち保留画像70として表示されている段階にて特定演出を発生させ、発生した特定演出の回数(回数表示101)を対応する保留画像70に表示する(
図10(a)(b)参照)。つまり、先読み演出として発生した特定演出の回数を保留画像70の段階で表示する。その後、先の当否判定結果の報知が完了する度にいわゆる保留消化順が繰り上がっていき、最終的に当該保留画像70は特定画像10となる。保留画像70の状態で加算された特定演出の回数(回数表示101)は、そのまま特定画像10に引き継がれるようにする(
図10(c)参照)。そして、特定画像10となった後(対象の当否判定結果に対応する報知演出が開始された後)も、特定演出が発生することを契機として回数が加算されていくようにする。
【0044】
このように、保留画像70として表示されている段階から、当該保留画像70に対応する当否判定結果を示唆する先読み演出として特定演出が発生しうる設定とし、当該段階で特定演出が発生した場合には、それに合わせて保留画像70の具体的態様が変化するようにしてもよい。
【0045】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【0046】
上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
【0047】
・手段1
当否判定結果を報知する報知演出が開始され、かつ当否判定結果の報知が完了していないものの存在を示す特定画像を表示する表示手段と、
前記特定画像に対応する報知演出において、当否判定結果が当たりとなる蓋然性である信頼度が高まったことを示唆する特定演出が発生した回数に応じて前記特定画像の態様を変化させる画像変化演出を実行する演出実行手段と、
を備えることを特徴する遊技機。
上記遊技機では、特定演出が発生した回数に応じて特定画像の態様が変化する。したがって、一連の報知演出において、いわゆるチャンスアップ演出である特定演出がどの程度発生したのか分かりやすくなる。また、ある当否判定結果に対応する「チャンスの度合」を、対応する画像である特定画像に視覚的に表示するものであるため、遊技の趣向性向上に資する。
【0048】
・手段2
前記画像変化演出は、前記特定演出が発生する度に、その発生回数が前記特定画像に示されるように当該特定画像の態様を変化させていくものであることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
このようにすることで、特定演出の発生回数が分かりやすくなる。
【0049】
・手段3
前記特定画像の基本的形態として複数種の形態が設定されており、
前記画像変化演出は、前記特定画像の基本的形態が一または複数種の所定の形態のときに発生するものであることを特徴とする手段1または手段2に記載の遊技機。
このような構成とすれば、特定画像の基本的形態に注目することになるため、遊技の趣向性向上に資する。
【0050】
・手段4
前記報知演出の基本的形態が変化する複数種のモードが設定されており、
前記画像変化演出は、前記報知演出の基本的形態が一または複数種の所定のモードに設定されているときに発生するものであることを特徴とする手段1から手段3のいずれかに記載の遊技機。
このように、報知演出が一または複数種の所定のモードに設定されているときに発生するような構成とすれば、報知演出のモードの変化にも注目させることが可能となる。
【0051】
・手段5
前記特定画像がどのような態様となった場合であっても、対応する当否判定結果がはずれであることの報知が完了した際、破壊されたかのような演出を経て当該特定画像が消去されることを特徴とする手段1から手段4のいずれかに記載の遊技機。
このような構成とすれば、特定演出の発生回数(特定演出の発生による特定画像の態様変化)が、対応する当否判定結果の報知の完了によりリセットされたということを分かりやすく示すことが可能である。
【0052】
・手段6
前記報知演出を通じて一以上の前記特定演出が発生し、それに応じて前記特定画像の態様が変化した場合と、前記報知演出を通じて前記特定演出が発生せず、前記特定画像の態様の変化が発生しなかった場合とでは、対応する当否判定結果がはずれであることの報知が完了したときに当該特定画像が消去されるに至るまでの演出が異なることを特徴とする手段1から手段4のいずれかに記載の遊技機。
このような構成とすれば、特定演出が発生した場合における特定画像が消去されるに至るまでの態様は、特定演出が発生しなかった場合と異なるのであるから、それとの比較により、特定演出の発生回数(特定演出の発生による特定画像の態様変化)が、対応する当否判定結果の報知の完了によりリセットされたということをより分かりやすく示すことが可能である。
【符号の説明】
【0053】
1 遊技機
10 特定画像
101 回数表示
20 好機画像
30 背景画像
70 保留画像
80 装飾図柄
91 表示装置(表示手段)
911 表示領域