(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-05
(45)【発行日】2023-06-13
(54)【発明の名称】折り畳み式照明塔
(51)【国際特許分類】
F21S 6/00 20060101AFI20230606BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20230606BHJP
F21S 9/02 20060101ALI20230606BHJP
F21W 131/10 20060101ALN20230606BHJP
【FI】
F21S6/00 420
F21S2/00 612
F21S6/00 120
F21S9/02 100
F21W131:10
(21)【出願番号】P 2019559725
(86)(22)【出願日】2018-11-15
(86)【国際出願番号】 US2018061323
(87)【国際公開番号】W WO2019099700
(87)【国際公開日】2019-05-23
【審査請求日】2021-09-30
(32)【優先日】2017-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591144947
【氏名又は名称】ザ ウィルーバート カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE WILL-BURT COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】ブラックウェルダー、ポール、ブラスフォード
(72)【発明者】
【氏名】ワッソン、アンドリュー、ポール
【審査官】下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-020098(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2015/0092430(US,A1)
【文献】特開昭61-039307(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 6/00
F21S 2/00
F21S 9/02
F21W 131/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源を持ち上げるための折り畳み式塔システムであって、
第1の端部と第2の端部とを有する固定式基部と、
第1の端部と第2の端部とを有する下方リフトアームであって、前記下方リフトアームの前記第1の端部は前記基部に連結されているものである、前記下方リフトアームと、
前記基部及び前記下方リフトアームに取り付けられたアクチュエータと、
第1の端部と第2の端部とを有する上方リフトアームであって、前記第1の端部はそれに前記光源を設置するように適合されているものである、前記上方リフトアームと、
前記下方リフトアームの前記第2の端部と前記上方リフトアームの前記第2の端部とを互いに対して回転するように連結する4棒リンク機構と
を有
し、
前記折り畳み式塔システムは前記基部及び前記上方リフトアームに回転自在に連結された1若しくはそれ以上の支持支柱をさらに有するものであり、前記1若しくはそれ以上の支持支柱は、第1の支持支柱と第2の支持支柱とを有するものであり、この第1の支持支柱と第2の支持支柱は前記折り畳み式塔システムの対向する側に配置されているものであり、前記第1の支持支柱は、前記基部の一方の側に回転自在に連結された第1の玉継手と、前記4棒リンク機構の前記上方リフトアームの一方の側に回転自在に連結された第2の玉継手とを有するものであり、前記第2の支持支柱は、前記基部の対向する側に回転自在に連結された第1の玉継手と、前記4棒リンク機構の前記上方リフトアームの対向する側に回転自在に連結された第2の玉継手とを有するものである
折り畳み式塔システム。
【請求項2】
請求項1記載の折り畳み式塔システムにおいて、前記固定式基部と前記下方リフトアームを枢動自在に連結するピンアセンブリをさらに有するものである折り畳み式塔システム。
【請求項3】
請求項1記載の折り畳み式塔システムにおいて、前記アクチュエータの一方の端部は前記基部に取り付けられ、且つ、前記アクチュエータの他方の端部は前記下方リフトアームに枢動自在に連結されているものである折り畳み式塔システム。
【請求項4】
請求項3記載の折り畳み式塔システムにおいて、前記基部及び前記下方リフトアームに対して前記アクチュエータの角度を調整するように適合された調整機構をさらに有するものである折り畳み式塔システム。
【請求項5】
請求項1記載の折り畳み式塔システムにおいて、前記固定式基部と前記下方及び上方リフトアームは、引込められた形態にあるとき、互いに水平方向に平行に配置されるものである折り畳み式塔システム。
【請求項6】
請求項1記載の折り畳み式塔システムにおいて、前記下方及び上方リフトアームは、上下方向に伸ばされた形態にあるとき、前記基部に対して上下方向に垂直に配置されるものである折り畳み式塔システム。
【請求項7】
請求項1記載の折り畳み式塔システムにおいて、前記4棒リンク機構は、少なくとも1つのリフトリンクと、前記下方及び上方リフトアームに回転自在に連結されたナックルとを有するものである折り畳み式塔システム。
【請求項8】
請求項
7記載の折り畳み式塔システムにおいて、前記ナックルは、第1の側壁と、第2の側壁とをさらに有するものである折り畳み式塔システム。
【請求項9】
請求項
8記載の折り畳み式塔システムにおいて、前記第1及び第2の側壁は上方仕切り壁及び下方仕切り壁によって連結され、前記上方及び下方仕切り壁は前記折り畳み式塔システムの過回転を防止するように適合されているものである折り畳み式塔システム。
【請求項10】
請求項1記載の折り畳み式塔システムにおいて、1若しくはそれ以上のバネ要素をさらに有するものであり、前記1若しくはそれ以上のバネ要素は、前記基部に取り付けられ、前記基部と前記下方リフトアームとの間において前負荷継手を提供するものである折り畳み式塔システム。
【請求項11】
請求項1記載の折り畳み式塔システムにおいて、1若しくはそれ以上のバネ要素をさらに有するものであり、前記1若しくはそれ以上のバネ要素は、前記上方リフトアームに取り付けられ、前記上方リフトアームと前記4棒リンク機構との間において前負荷継手を提供するものである折り畳み式塔システム。
【請求項12】
請求項1記載の折り畳み式塔システムにおいて、前記上方リフトアームに設置された灯箱をさらに有するものである折り畳み式塔システム。
【請求項13】
請求項1記載の折り畳み式塔システムにおいて、前記基部及び上方リフトアームの一方の側に回転自在に連結された第1の支持支柱と、前記基部及び上方リフトアームの対向する側に回転自在に連結された第2の支持支柱とをさらに有するものである折り畳み式塔システム。
【請求項14】
光源を持ち上げるための折り畳み式塔システムであって、
第1の端部と第2の端部とを有する固定式基部と、
第1の端部と第2の端部とを有する下方リフトアームであって、前記下方リフトアームの前記第1の端部は前記基部に連結されているものである、前記下方リフトアームと、
前記基部及び前記下方リフトアームに取り付けられたアクチュエータと、
第1の端部と第2の端部とを有する上方リフトアームであって、前記第1の端部はそれに前記光源を設置するように適合されているものである、前記上方リフトアームと、
前記下方リフトアームの前記第2の端部と前記上方リフトアームの前記第2の端部とを互いに対して回転するように連結する4棒リンク機構と
を有し、
前記折り畳み式塔システムは機械的なケーブルをさらに有するものであり、前記機械的なケーブルの一方の端部はプーリを通して前記上方リフトアーム内に入れ子にされた第2の角管に取り付けられているものであり、前記機械的なケーブルの他方の端部は前記固定式基部に取り付けられているものであり、前記第2の角管は前記4棒リンク機構が前記基部から引き離されるときに伸びるように構成されているものである折り畳み式塔システム。
【請求項15】
光源を持ち上げるための折り畳み式塔システムであって、
第1の端部と第2の端部とを有する固定式基部と、
第1の端部と第2の端部とを有する下方リフトアームであって、前記下方リフトアームの前記第1の端部は前記基部に連結されているものである、前記下方リフトアームと、
前記基部及び前記下方リフトアームに取り付けられたアクチュエータであって、前記アクチュエータの一方の端部は前記基部に取り付けられ、前記アクチュエータの他方の端部は前記下方リフトアームに枢動自在に連結されているものである、前記アクチュエータと、
第1の端部と第2の端部とを有する上方リフトアームであって、前記第1の端部はそれに前記光源を設置するように適合されているものである、前記上方リフトアームと、
前記下方リフトアームの前記第2の端部と前記上方リフトアームの前記第2の端部とを互いに対して回転するように連結する4棒リンク機構と、
前記基部及び前記下方リフトアームに対して前記アクチュエータの角度を調整するように適合された調整機構と、
前記基部及び前記上方リフトアームに回転自在に連結された少なくとも2つの支持支柱であって、前記折り畳み式塔システムの対向する側に配置された第1の支持支柱及び第2の支持支柱を有するものである、前記少なくとも2つの支持支柱と、
1若しくはそれ以上のバネ要素であって、前記上方リフトアームに取り付けられ、前記上方リフトアームと前記4棒リンク機構との間において前負荷継手を提供するものである、1若しくはそれ以上のバネ要素と
を有する折り畳み式塔システム。
【請求項16】
光源を持ち上げる方法であって、
固定式基部と、下方リフトアームと、アクチュエータと、上方リフトアームと、前記上方リフトアームに設置された灯箱と、前記下方リフトアームと前記上方リフトアームとを回転自在に連結する4棒リンク機構とを含む折り畳み式塔システムを提供する工程と、
前記アクチュエータによって前記下方アームに力を加え、前記下方アームを前記基部に対して回転させて上下方向に伸ばされた形態にする工程と、
前記上方リフトアームを回転させる工程であって、前記4棒リンク機構により前記上方リフトアームを回転させて前記上下方向に伸ばされた形態にするものである、前記回転させる工程と
を有
し、
この方法は、前記下方及び上方リフトアームを、引込められた形態から前記上下方向に伸ばされた形態に持ち上げる工程をさらに有し、前記基部と、前記下方及び上方リフトアームは前記引込められた形態にあるとき、互いに水平方向に平行に配置されるものであり、前記下方及び上方リフトアームは前記上下方向に伸ばされた形態にあるとき、前記基部に対して垂直に配置されるものであり、前記アクチュエータは前記下方リフトアームに直線力を加えるものであり、前記上方リフトアームを回転させる工程は前記直線力を角回転に変える工程をさらに有するものである
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2017年11月16日付で出願された米国仮特許出願第62/586,941号の利益を主張するものであり、この参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
例示的な本実施形態は上下方向に伸縮可能な機構に関する。それは、様々な種類の光源のための可搬式又は固定式の折り畳み式塔に関連する特定の用途が見出され、特にそれを参照して説明される。しかしながら、例示的な本実施形態は、アンテナ、監視機器、及び他のペイロードなど、他の同様の用途にも適していることを理解されたい。
【背景技術】
【0003】
照明塔は、夜間作業の生産性を高め且つ安全性を保証するため、応急復旧の捜索及び作業、監視、又は会場及び現場などの様々な状況におけるシーン照明の解決法を提供する。照明塔は、固定式の地上設置型塔、又は車両の側部若しくは屋根に設置される可搬式塔を含め、設置についての複数の選択肢を有する。照明塔は、例えば、防犯カメラ、スピーカーシステム、赤外線検出器などの様々な用途に必要とされる多数の異なる装置又はセンサーも含むことができる。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、以下のものがある(国際出願日以降国際段階で引用された文献及び他国に国内移行した際に引用された文献を含む)。
(先行技術文献)
(特許文献)
(特許文献1) 豪国特許出願公開第8938901号明細書
(特許文献2) 米国特許出願公開第2015/023017号明細書
(特許文献3) 米国特許出願公開第2016/375281号明細書
(特許文献4) 米国特許出願公開第2015/092430号明細書
(特許文献5) 豪国特許出願公開第200189389号明細書
(特許文献6) 米国特許出願公開第2016/0002946号明細書
(特許文献7) 豪国特許出願公告第782813号明細書
(特許文献8) 仏国特許発明第2684127号明細書
(特許文献9) 米国特許第5,207,747号明細書
(特許文献10) 欧州特許出願公開第459847号明細書
(特許文献11) 中国特許出願公開第103629547号明細書
(特許文献12) キルギス共和国特許発明第1882号明細書
(特許文献13) 米国特許出願公開第2017/0136272号明細書
(非特許文献)
(非特許文献1) International Search Report mailed 08/04/2019 for International Application No.PCT/US2018/061323
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、折り畳み式照明塔用の既存の伸縮可能な機構は、複雑で高価であることが知られており、完全に伸ばされた上下方向形態を達成するには少なくとも2つのアクチュエータを必要とする。そのため、あまり複雑でなく、製造が簡単であり、且つより低コストの折り畳み式照明塔を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の1つの観点によれば、折り畳み式塔灯は4棒リンク機構を利用して1つのアクチュエータの使用で塔灯の完全な上下方向延伸を可能にする。バネ要素が塔のヒンジ又は継手に前負荷を加えるために使用されるものであり、塔が広げられているとき/上下方向延伸プロセス中の遊び及び動きを除去するのに役立つ。折り畳み式塔は、典型的な伸縮可能な機構の既存のフットプリントを合理的に網羅する入れ子状又は引込められた形態を有するものであり、且つ典型的な伸縮可能な機構よりも迅速に展開する、完全に伸ばされた上下方向形態を有するものである。
【0006】
本開示の別の観点によれば、光源を持ち上げるのに使用する折り畳み式塔システムが開示される。折り畳み式塔システムは、第1の端部と第2の端部とを有する固定式基部と、第1の端部と第2の端部とを有する下方リフトアームであって、下方リフトアームの第1の端部は基部に連結されているものである、下方リフトアームと、基部及び下方リフトアームに取り付けられたアクチュエータと、第1の端部と第2の端部とを有する上方リフトアームであって、第1の端部はそれに光源を設置するように適合されているものである、上方リフトアームと、下方リフトアームの第2の端部と上方リフトアームの第2の端部とを互いに対して回転するように連結する4棒リンク機構とを含む。いくつかの実施形態では、ピンアセンブリが固定式基部と下方リフトアームとを枢動自在に連結するものであり、またアクチュエータの他方の端部は下方リフトアームに枢動自在に連結することができる。基部及び下方リフトアームに対するアクチュエータの角度を調整するように適合された調整機構を含むことができる。固定式基部と下方及び上方リフトアームは、引込められた形態にあるとき、互いに水平方向に平行に配置することができる。下方及び上方リフトアームは、上下方向に伸ばされた形態にあるとき、基部に対して上下方向に垂直に配置することができる。さらに、基部及び上方リフトアームに回転自在に連結された1若しくはそれ以上の支持支柱を含むことができる。1若しくはそれ以上の支持支柱は、折り畳み式塔システムの対向する側に配置される第1の支持支柱及び第2の支持支柱を有することができる。第1の支持支柱は、基部の一方の側に回転自在に連結された第1の玉継手と、4棒リンク機構の上方リ
フトアームの一方の側に回転自在に連結された第2の玉継手とを有することができる。第2の支持支柱は、基部の対向する側に回転自在に連結された第1の玉継手と、4棒リンク機構の上方リフトアームの対向する側に回転自在に連結された第2の玉継手とを有することができる。4棒リンク機構はまた、少なくとも1つのリフトリンクと、下方及び上方リフトアームに回転自在に連結されたナックルとを有することができる。ナックルは、上方仕切り壁及び下方仕切り壁によって連結された第1の側壁及び第2の側壁をさらに含むことができる。上方及び下方仕切り壁は折り畳み式塔システムの過回転を防止するように適合されている。基部に取り付けられた1若しくはそれ以上のバネ要素を含むこともでき、これは基部と下方リフトアームとの間において前負荷継手を提供する。さらに、上方リフトアームに取り付けられた1若しくはそれ以上のバネ要素を含むことができ、これは上方リフトアームと4棒リンク機構との間において前負荷継手を提供する。さらに、灯箱は上方リフトアームに設置することができる。いくつかの実施形態では、第1の支持支柱は基部及び上方リフトアームの一方の側に回転自在に連結され、第2の支持支柱は基部及び上方リフトアームの対向する側に回転自在に連結されている。いくつかの実施形態では、折り畳み式塔灯システムは機械的なケーブルを含むものであり、機械的なケーブルの一方の端部はプーリを通して上方リフトアーム内に入れ子にされた第2の角管に取り付けられ且つ機械的なケーブルの他方の端部は固定式基部に取り付けられているものであり、第2の角管は4棒リンク機構が基部から引き離されるときに伸びるように構成されている。
【0007】
本開示の別の観点によれば、光源を持ち上げるための折り畳み式塔システムが開示される。折り畳み式照明塔システムは、第1の端部と第2の端部とを有する固定式基部と、第1の端部と第2の端部とを有する下方リフトアームであって、下方リフトアームの第1の端部は基部に連結されているものである、下方リフトアームとを含む。アクチュエータが基部及び下方リフトアームに取り付けられているものであり、当該アクチュエータの一方の端部は基部に取り付けられ、当該アクチュエータの他方の端部は下方リフトアームに枢動自在に連結されている。折り畳み式照明塔システムは、第1の端部と第2の端部とを有する上方リフトアームであって、第1の端部はそれに光源を設置するように適合されているものである、上方リフトアームと、下方リフトアームの第2の端部と上方リフトアームの第2の端部とを互いに対して回転するように連結する4棒リンク機構とをさらに含む。調整機構が基部及び下方リフトアームに対してアクチュエータの角度を調整するように適合されている。少なくとも2つの支持支柱が基部及び上方リフトアームに回転自在に連結されており、当該少なくとも2つの支持支柱は折り畳み式塔システムの対向する側に配置された第1の支持支柱と第2の支持支柱とを含む。1若しくはそれ以上のバネ要素は、上方リフトアームに取り付けられて、上方リフトアームと4棒リンク機構との間において前負荷継手を提供する。
【0008】
本開示のさらに別の観点によれば、光源を持ち上げるためのプロセスであって、固定式基部と、下方リフトアームと、アクチュエータと、上方リフトアームと、上方リフトアームに設置された灯箱と、下方リフトアームと上方リフトアームとを回転自在に連結する4棒リンク機構とを有する折り畳み式塔システムを提供する工程を含むプロセスが開示される。アクチュエータによって下方アームに力が加えられる。下方アームは基部に対して回転されて上下方向に伸ばされた形態になる。上方リフトアームは4棒リンク機構により回転されて上下方向に伸ばされた形態になる。いくつかの実施形態では、アクチュエータは下方リフトアームに直線力を加え、上方リフトアームの回転は直線力を角回転に変えることをさらに含む。下方及び上方リフトアームは引込められた形態から上下方向に伸ばされた形態に持ち上げられることができ、基部と下方及び上方リフトアームは引込められた形態にあるとき、互いに水平方向に平行に配置されるものであり、下方及び上方リフトアームは上下方向に伸ばされた形態にあるとき、基部に対して垂直に配置されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】
図1Aは、本開示による、折り畳まれた又は引込められた形態にある例示的な折り畳み式塔灯アセンブリの側面図を示すものである。
【
図2A】
図2Aは、本開示による基部の斜視図を示すものである。
【
図2B】
図2Bは、関連の枢動ブロック及び調整機能の追加的な詳細を示す、
図2Aに図示される基部の一方の端部の斜視図を示すものである。
【
図3A】
図3Aは、本開示による、
図2Aに図示される基部及び下方リフティングアームの第1の分解斜視図を示すものである。
【
図3B】
図3Bは、基部及び下方リフティングアームの第2の分解斜視図を示すものである。
【
図3C】
図3Cは、
図2Bに図示されるアクチュエータと枢動ブロックとの間の連結配置構成の追加的な詳細を示す、基部及び下方リフティングアームの一方の端部の斜視図を示すものである。
【
図4】
図4は、本開示による、4棒リンク機構と共に、組み立てられた形態にある
図3Aの基部並びに下方リフティングアーム及び上方リフトアームを示す分解斜視図を示すものである。
【
図5】
図5は、本開示による、引込められた形態にある例示的な折り畳み式塔灯アセンブリ及び4棒リンク機構の斜視図を示すものである。
【
図6A】
図6Aは、本開示による、完全に伸ばされた上下方向形態にある例示的な折り畳み式塔灯アセンブリの斜視図を示すものである。
【
図6B】
図6Bは、完全に伸ばされた上下方向形態にある例示的な折り畳み式塔灯アセンブリの側面図を示すものである。
【
図7】
図7は、本開示による、4棒リンク機構の代替的な実施形態の斜視図を示すものである。
【
図8A】
図8Aは、本開示による、完全に伸ばされた上下方向形態にある折り畳み式塔灯アセンブリの代替的な実施形態の斜視図を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
折り畳み式塔灯用の典型的なリフトシステムは、塔灯の完全な上下方向延伸を達成するために2つのアクチュエータの使用に依存している。具体的には、照明ツリーが取り付けられるリフトアームを持ち上げるのに第1のアクチュエータが使用される。その後、前記照明ツリーを持ち上げるのに第2のアクチュエータが使用される。
【0011】
対照的に、本開示による例示的な折り畳み式塔灯アセンブリは、4棒リンク機構を利用するものであり、これは1つのアクチュエータを使用することにより塔灯の完全な上下方向延伸を可能にする。例示的な塔は一般的に、基部と、下方リフトアームと、上方リフトアームとを含む。塔の下方リフトアーム及び上方リフトアームの回転継手の近くでバネ要素が使用される。バネ要素は、継手に前負荷を加えるように作用するものであり、塔が広げられているとき/上下方向延伸プロセス中の遊び及び動きを除去するのに役立つ。上方及び下方リフトアームは、塔灯の複数の灯のための内部配線を簡易にするために内部通路を提供する中空管とすることができる。塔の追加的な構造支持は、2つの並列の末広状の支持材又は支柱からのものである。末広状の支柱の非直交の幾何学的配置に起因して、各支柱の両端部は、上下方向延伸中の塔の動きを可能にするために玉継手を備える。
【0012】
上述の通り、塔灯の完全な上下方向延伸を可能にするために4棒リンク機構を利用することが好ましい。本開示では、4棒リンク機構は、一般的に、下方及び上方リフトアームのそれぞれの一方の端部間に配置される。折り畳まれた又は引込められた形態では、塔の基部と下方及び上方リフトアームとは互いに水平方向に平行に配置されている。単一のアクチュエータ機構は塔の下方アームに直線力を加えるものであり、そして下方リフトアームを基部に対して回転できるようにするピンアセンブリの使用により、アクチュエータのその直線運動が下方リフトアームの角回転運動に変わる。4棒リンク機構は、アクチュエータピストンの直線の動きを4棒リンク機構の周りでの上方リフトアームの角回転に変えることができる。一般的に、下方及び上方リフトアームは、折り畳まれた形態におけるそれらの水平位置から、完全に伸ばされた上下方向の形態へと回転する。このプロセスを逆にして、下方及び上方リフトアームを折り畳まれた形態におけるそれらの水平位置に戻す。
【0013】
ここで、
図1A~1Cを見ると、例示的な折り畳み式塔灯100が、折り畳まれた又は引込められた形態において図示されている。
図5も引込められた形態にある例示的な折り畳み式塔灯を示す。折り畳み式塔灯100の主要部品は、一般的に、基部110と、下方リフトアーム140と、リニアアクチュエータ170と、4棒リンク機構190と、上方リフトアーム200と、1若しくはそれ以上の灯を含む灯箱216と、第1及び第2の並列の支持支柱218a及び218bとをそれぞれ含む。基部110は一般的に、設置面に対して固定されており、設定面上に基部が取り付けられ又は置かれ、設定面は地面又は車両若しくはトレーラなどの可搬装置を含む。基部110と下方リフトアーム140は一般的に支柱ピンアセンブリ160によって互いに枢動自在に連結されている。リニアアクチュエータ170の一方の端部は基部110に取り付けられ、アクチュエータの他方の端部は下方リフトアーム140に枢動自在に連結されている。具体的には、アクチュエータ170は、フランジ部分152の一方の端部において、アクチュエータ・ピン・アセンブリ156を介して下方リフトアーム140に枢動自在に連結されている。フランジ部分152は一般的に、下方リフトアーム140から上方に延在してアクチュエータ170を受け入れ、且つ下方リフトアームと基部110との間に斜めに配置される。さらに、フランジ部分152の他方の端部において及びその脚部分166に隣接して、下方リフトアーム140は支柱ピンアセンブリ160を介して基部110に枢動自在に連結されている。下方リフトアーム140及び上方リフトアーム200は4棒リンク機構190により互いに回転自在に連結されている。
【0014】
引込められた形態にあるとき、基部110と下方及び上方リフトアーム140、200は互いに水平方向に平行に配置される。下方リフトアーム140は一般的に、基部110のチャンネル部分(
図2Aの122)内にも置かれる。アクチュエータ170も一般的に、下方リフトアーム140の開放した中央セクション(
図3の150)内に配置される。上下方向に伸ばされた形態にあるとき、
図6A及び
図6Bに示すように、下方及び上方リフトアーム140、200は、基部110に対して上下方向に垂直に配置される。
【0015】
4棒リンク機構は、一般的に参照符号190で示されており、下方及び上方リフトアーム140、200を互いに回転させるように連結するよう適合されている。上述の通り、アクチュエータ170は下方リフトアーム140に直線力を加え、4棒リンク機構190は水平の折り畳まれた形態から上下方向に伸ばされた形態への上方リフトアーム200の角回転を可能にする。さらに、
図1A~1Cに図示され且つ
図5に示される収縮された形態にあるとき、4棒リンク機構190は、折り畳まれた塔の高さHを規定する。4棒リンク機構190は、下方支柱ピンアセンブリ164、上方支柱ピンアセンブリ204、上方リンク・ピン・アセンブリ198、及び下方リンク・ピン・アセンブリ192のそれぞれによって規定される4つの主要継手A、B、C、及びDを含む。ピンアセンブリ164、204、198、及び192は、例えば、ブシュ、軸受、ワッシャ、止め輪など、回転自在な継手又はヒンジを生じるのに有用であることが当業者に公知の様々な他の構成部品をさらに含むことができる。下方及び上方支柱ピンアセンブリ164、204は、同様にリンクABとして示すナックル部品188を介して連結されている。ナックル部品188は、ナックルが下方及び上方リフトアーム140、200の左側及び右側の両方に適合できるようにする2つの側壁(
図4の189及び191)を含み、ABリンクが塔の両側に設けられるようにする。下方及び上方リンク・ピン・アセンブリ192、198は、左側及び右側リフトリンク194a、194bを介して連結され、リンクDCが塔の両側に設けられるようにする。
【0016】
例示的な折り畳み式照明は、それぞれ塔の片側に置かれた第1及び第2の並列の支持支柱218a及び218bをさらに含む。折り畳まれた形態にあるとき、支持支柱218a及び218bは、基部110と上方リフトアーム200との間に斜めに延在し、それらに対して回転自在に連結されている。支持支柱218a及び218bの斜めの向きは一般的に、アクチュエータ170の斜めの向きとは反対向きである。さらに、各支持支柱218a、218bは、上方リフトアーム200におけるそのそれぞれの連結点から、基部110に置かれたそれぞれのアンカー118、120まで外向きに末広になっている。具体的には、第1の並列の支柱218aは第1の端部220a及び第2の端部222aを有し、各端部はそれぞれの玉継手224a及び226aを含む。玉継手224aは第2のサイドアンカー120に回転自在に取り付けられ、玉継手226aは隣接する継手Bをナックル188の側壁191(
図4)に回転自在に取り付ける。第2の並列の支柱218bは、第1の端部220b及び第2の端部222bとを有し、各端部は、それぞれの玉継手224b及び226bを含む。玉継手224bは第1のサイドアンカー118に回転自在に取り付けられ、玉継手226bは、隣接する継手Bをナックル188の側壁193(
図4)に回転自在に取り付ける。支持支柱218a、218bは、支持支柱が非直交の向きにあるにもかかわらず回転運動を可能にすることに加えて、
図6A及び
図6Bに示すような上下方向に伸ばされた形態にあるとき、折り畳み式塔に追加的な構造支持を追加する。
【0017】
ここで、
図2A~2B及び
図3A~3Cを参照して説明すると、例示的な折り畳み式照明塔の基部110及び下方リフティングアーム140の追加的な特徴が図示されている。基部110はT字形状を有するものとして示されており、T字形状の上部112は第1の側部114と第2の側部116とを有する。第1の側部114は第2の支持支柱218bの玉継手224bを受け入れるように適合されたアンカー118を含む。第2の側部116は第1の支持支柱218aの玉継手224aを受け入れるように適合されたアンカー120を含む。
【0018】
任意選択的に、第1及び第2の並列の支柱支持材218a及び218bは支柱を動かすことにより長さを調整可能である。
図1Aは、各支柱の端部に薄ナットが取り付けられている並列の支柱のネジ付き調整継手228a及び228bを示す。より詳細には、調整継手228a及び228bは、右ネジ及び左ネジ(図示せず)を有し、それに応じて回転して支柱の長さを増減できるようにする。支柱の長さ調整は、伸ばされた位置における上方リフトアーム200の角度を調整して基部110との垂直を達成可能にする。
【0019】
また基部110は中心に置かれたチャンネル部分122を含み、これは第1の端部124と第2の端部126との間に延在する。チャンネル122は、第1の側壁128と第2の側壁130との間に配置され、一般的に、塔が引込められた形態にあるとき、第1の側壁と第2の側壁との間に下方リフトアーム140を受け入れるようなサイズにされる。収容孔132a及び132bは、第1及び第2の側壁128、130のそれぞれに基部110の第2の端部126の近くで配置され、アクチュエータ・テイル・ピン182を受け入れるように適合されている。アクチュエータ170のテイル端部174は、アクチュエータのテイル端部を枢動ブロック136に枢動自在に連結するために、テイルピン182を受け入れる収容孔184を含む。枢動ブロック136は、基部110の第2の端部126において取り付けられ、同様に基部の第2の端部に取り付けられた調整機構138の一部として含まれる。調整機構138は、基部110及び下方リフトアーム140に対してアクチュエータ170を所望の角度に調整するように適合されている。或いは、アクチュエータの角度調整は、アクチュエータ170の端部176に取り付けられた調整可能なクレビス又は同様の装置によって達成することができる。収容孔132c及び132dも、第1及び第2の側壁128、130のそれぞれに配置され、且つ基部110の第1の端部124の近くに置かれる。収容孔132c及び132dは、下方リフトアーム140を基部110に枢動自在に連結する支柱ピンアセンブリ160を受け入れるように適合されている。
【0020】
基部110は、第1の側壁128と第2の側壁130との間のチャンネル122内の中心に配置された1若しくはそれ以上のバネ要素134をさらに含む。バネ要素134は、一般的に、第1の端部124と収容孔132c及び132dとの間の箇所でチャンネル122に取り付けられ、塔が、
図6A及び
図6Bに示す完全に伸ばされた上下方向形態にあるとき、下方リフト塔140のフランジ152の脚部分166が1若しくはそれ以上のバネ要素に当接して係合するようにする。この点に関して、下方リフトアーム140を基部110に枢動自在に連結する、支柱ピンアセンブリ160によって形成された継手又はヒンジは、脚166によるバネ要素134の圧縮に関して、前負荷継手又はヒンジであるとみなされる。前負荷継手を提供するための1若しくはそれ以上のバネ要素134の使用は、有利には、アクチュエータが下方リフトアームをその引込められた形態からその伸ばされた形態まで動かすときに下方リフトアーム140の遊び及び動きを除去し、それにより既存の折り畳み式塔と比較して塔の安定性を高める。
【0021】
図3A~3Cに示すような下方リフトアーム140の追加的な特徴は、第1の端部142と、第2の端部144と、第1のサイドアーム146と、第2のサイドアーム148とを含む。第1及び第2のサイドアーム146、148は、第2の端部の枢動ブロック149及びフランジ部分152の外側に取り付けられ、開放した中央セクション150を規定する。アクチュエータ170は、一般的に、開放した中央セクション150に配置される。特に
図3Bに示すように、サイドアーム146、148は、中空管又はチャンネルであり、関連の灯箱又は他の装置の単純な内部配線のための内部通路を提供する。フランジ部分152、脚166、及び下方支柱ピンアセンブリ160のための収容孔158は、一般的に、下方リフトアーム140の第1の端部142の近くに配置される。フランジ部分152は、アクチュエータ・ピン・アセンブリ156を受け入れるための収容孔154を含む。支柱ピン収容孔158は、アクチュエータピン収容孔154の下方及び後ろ側に(すなわち第1の端部142の方に向かって)位置決めされ、且つ第1及び第2のサイドアーム146、148及び脚166を貫通して配置される。アクチュエータピン収容孔154は、支柱ピン収容孔158の上方及び前側に(すなわち第2の端部144の方に向かって)位置決めされ、且つフランジ152の隆起部分の側面を貫通して配置される。アクチュエータの前端部172は一般的にシリンダー又はピストン176を含むものであり、これはアクチュエータ・ピン・アセンブリ156を収容する孔178を含み、それによりアクチュエータの前端部を下方リフトアーム140のフランジ152に枢動自在に連結する。
【0022】
下方リフトアーム140の第2の端部144は一般的に枢動ブロック149を含み、この枢動ブロックは、収容孔162を有して、下方リフトアームをナックル188の下方収容孔193に枢動自在に連結するために支柱ピンアセンブリ(
図4の164)を受け入れる。この枢動自在な連結は、4棒リンク機構190において継手Aとしても示されている。第2の端部144の枢動ブロック149は、リフトリンク194a、194bを下方リフトアームに枢動自在に連結するためのリンク・ピン・アセンブリ(
図4の192)を受け入れるためのピンブロック168も含む。この枢動自在な連結は、4棒リンク機構190において継手Dとしても示されている。ピンブロック168は、収容孔162の上方及び後ろ側に(すなわち第1の端部142の方に向かって)位置決めされ、枢動ブロック149の上面に配置される。収容孔162は、ピンブロック168の下方及び前側に(すなわち第2の端部144の方に向かって)位置決めされ、枢動ブロック149の側面を貫通して配置される。
【0023】
ここで、
図4を参照して説明すると、4棒リンク機構190及び上方リフトアーム200の追加的な詳細が図示されている。上方リフトアーム200は、第1の端部206及び第2の端部208を有する矩形の管又はチャンネル部材である。上方リフトアーム200の中空の内部部分は内部配線のための内部通路を提供するものであり、内部配線は、下方リフトアーム140bの中空のアーム部材146及び148から続いており、灯箱(
図1Aの216)に連結されている。上方リフトアーム200の第1の端部206はそれに灯箱216を設置するように適合されている。
【0024】
上方リフトアーム200の第2の端部208において、孔202は、支柱ピンアセンブリ204を受け入れるように適合され、それにより上方リフトアームをナックル188の上方収容孔195に枢動自在に連結する。この枢動自在な連結は4棒リンク機構190において継手Bとしても示されている。第2の端部208は、リフトリンク194a、194bを上方リフトアーム200に枢動自在に連結するためのリンク・ピン・アセンブリ198を受け入れるためのピンブロック196も含む。この枢動自在な連結は4棒リンク機構190において継手Cとしても示されている。ピンブロック196は、収容孔202の上方及び前側に(すなわち第2の端部208の方に向かって)位置決めされ、上方リフトアーム200の上面に配置される。収容孔202は、ピンブロック168の下方及び後ろ側に(すなわち第1の端部206の方に向かって)位置決めされ、上方リフトアーム200の側面を貫通して配置される。
【0025】
上方リフトアーム200は、第2の端部208に1若しくはそれ以上のバネ要素210をさらに含み、これらは一般的にピンブロック196が置かれる上面に対向する上方リフトアームの下面に取り付けられる。塔が
図6A及び
図6Bに示す完全に伸ばされた上下方向形態にあるとき、1若しくはそれ以上のバネ要素210はナックル188の上方仕切り壁199に当接して係合する。この点に関して、上方リフトアーム200を下方リフトアーム140及びナックル188にそれぞれ枢動自在に連結する、上方支柱ピン204及び上方リンクピン198によって形成された継手又はヒンジは、上方仕切り壁199による1若しくはそれ以上のバネ要素210の圧縮に関して、前負荷継手又はヒンジであるとみなされる。前負荷継手を提供するための1若しくはそれ以上のバネ要素210の使用は有利には、4棒リンク機構190が上方リフトアームをその引込められた形態からその伸ばされた形態に動かすとき、上方リフトアーム200の遊び及び動きを除去し、それにより既存の折り畳み式塔と比べて塔の安定性を高める。エンドキャップ212が第2の端部208に提供され、上方リフトアーム200の中空管部分の内部通路に嵌るように適合されている。この点に関して、エンドキャップ212はまた封止の機能を果たして上方リフトアーム200の内部通路内に置かれるいずれの内部配線を保護する。
【0026】
ナックル188は下方仕切り壁197も含み、これは上方仕切り壁199と一緒にナックルの両方の側壁189及び191を連結する。下方及び上方仕切り壁197、199は、一般的に平行な平面に沿って配置されるが、ナックル188上の異なる箇所に位置決めされる。具体的には、仕切り壁197は下方収容孔193の近くに位置決めされ、仕切り壁199は上方収容孔195の近くに位置決めされる。側壁189、191を連結することに加え、下方及び上方仕切り壁197、199はまた、塔の過回転を防止するように適合されている。例えば、過回転は塔がその引込められた形態からその伸ばされた上下方向形態に動くとき、又は塔を使用する間、風などの外力から発生する。
【0027】
4棒リンク機構のナックル188は、一般的に、展開中、固定式基部110から離れるように移動する。そのため、任意選択的に、機械的なケーブル302の一方の端部は、プーリ304を通して、上方要素の管200内に入れ子にされた第2の(又は複数の)角管306に取り付けられる。
図7、
図8A、
図8Bを参照されたい。機械的なケーブル302の他方の端部は、基部110に取り付けられる。ケーブル302は銘板308の後ろ側に延びる。ケーブル302はナックル188を通して基部取り付け点310まで送られる。ケーブル302は、複数の管306間において外管200の上部にある追加的なプーリ(図示せず)まで延びる。その後、ケーブル302は、複数の管において内管306の底部にある固定点まで下方に戻るように延びる。これにより、ナックル188が基部110から引き離されるとき、内管306を強制的に伸ばすようにする。4棒リンク機構と基部との相対的な動きにより、展開中、1つ又は複数の新しい内管306を上方管200から上方に延在させる。その後、1つ又は複数の新しい管306は、例えば、1つ又は複数の新しい管を既存の管200に取り付ける機械バネ(図示せず)によって引込められる。この手法の利点は、既存の機構と同じ機械的フットプリント内において、ペイロード312についてより高く上昇された高さを達成することである。ペイロード312は、1つ又は複数の新しい管306に取り付けられる。そうでなければ、フットプリントは、より高く上昇された高さを達成するために拡大される必要がある。さらに、基部フットプリントは、入れ子式管の特徴を追加するために変更しない。例えば、この手法は、2.0メートルの高さのマストが同じフットプリント内で2.65メートルまで伸びることができるようにする。この実施形態は、1つの入れ子式管によって説明しているが、複数の管を入れ子式にでき、及びより高い高さを達成するためにケーブルを駆動できる。
【0028】
図1Cに戻って説明すると、上方リフトアーム200は、その第1の端部206と第2の端部208との間で測定されるような全長Lu、及び幅Wuを有する。4棒リンク機構190の継手Bは、上方リフトアームの第1の端部206から全長Lu未満の距離DBで離間している。引込められた形態では、アクチュエータ170は長さLu及びDB未満の長さLaにわたって延在する。いくつかの具体的な実施形態では、全長Luは約40インチ(約101.6cm)であり、継手Bの距離DBは約34インチ(約86.36cm)であり、及びアクチュエータの長さLaは、約25インチ(約63.5cm)である。さらに、
図1Aに図示するような収縮された形態にあるとき、4棒リンク機構190は高さHを規定する。特定の実施形態では、高さHは約12インチ(約30.48cm)である。しかしながら、例示的な折り畳み式塔の上述の構成部品は、本開示の範囲から逸脱することなく、任意の所望の寸法を有することができることを理解すべきである。
【0029】
これに限定されるものではないが、基部110と、下方リフトアーム140と、リニアアクチュエータ170と、4棒リンク機構190と、上方リフトアーム200と、1若しくはそれ以上の灯を含む灯箱216と、第1及び第2の並列の支持支柱218a及び218bとの主要部品を含む、本明細書で説明する例示的な折り畳み式塔灯の構成部品は、当業者に公知の任意の好適な材料から作製することができる。例えば、例示的な折り畳み式照明塔の様々な構成部品は、所望の適切な構造強度、耐久性、信頼性などを提供する任意の材料から作製することができる。そのような材料は、これに限定されるものではないが、金属、合金、プラスチック及び他のポリマー、木材などを含む。
【0030】
本明細書で説明する例示的な折り畳み式照明塔は、既存のシステムで一般的に実施されているような2つのアクチュエータを使用するのとは対照的に、有利には、下方及び上方リフトアームの完全に伸ばされた上下方向の形態を達成するために4棒リンク機構を利用する。4棒リンク機構は、アクチュエータよりも比較的簡単に且つより安価に製造でき、総合的な用途で既存の塔灯システムよりも安価にする。さらに、4棒リンク機構は、2つのアクチュエータの使用に依存する従来の設計と比較して展開時間の短縮を達成し、これは、時間的制約のある用途に利益をもたらす。さらに、4棒リンク機構は、純粋に機械的なものであり、追加的なアクチュエータからの漏れのリスクを排除する。
【0031】
さらに、前負荷バネ継手の使用は、公知の照明塔と比べてより高い安定性を可能にし、監視などのいくつかの用途に利益をもたらす。さらに、例示的な折り畳み式塔におけるヒンジ又は継手は、全て摺動とは対照的に回転自在であり、単純なパワーアップ、パワーダウン操作を可能にし、これは、氷又は他の汚染物質によって引き起こされた複雑な事態をより許容できる。
【0032】
さらに、例示的な本実施形態は、アンテナ、監視機器、及び他のペイロードを持ち上げるためなど、他の同様の用途にも適していることを理解されたい。
【0033】
好ましい実施形態を参照して例示的な実施形態を説明した。先の詳細な説明を読み理解することで修正形態及び代替形態が他者に想到されることは明らかである。それらが添付の特許請求の範囲又はそれらの均等物の範囲内に入る限り、例示的な実施形態は、全てのそのような修正形態例及び代替形態を含むとみなされるものとする。