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  • 特許-カップホルダユニット 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-05
(45)【発行日】2023-06-13
(54)【発明の名称】カップホルダユニット
(51)【国際特許分類】
   B60N 3/10 20060101AFI20230606BHJP
   B60R 7/04 20060101ALI20230606BHJP
【FI】
B60N3/10 A
B60R7/04
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020154840
(22)【出願日】2020-09-15
(65)【公開番号】P2022048810
(43)【公開日】2022-03-28
【審査請求日】2022-06-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 圭一
【審査官】細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-199947(JP,A)
【文献】米国特許第05745565(US,A)
【文献】特表2003-522672(JP,A)
【文献】特開2004-249839(JP,A)
【文献】特開2020-082982(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 3/10
B60R 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用のカップホルダユニットであって、
カップホルダと、
前記カップホルダの隣に設けられており、携帯電話を収容可能であり、上から見たときに中心軸の延長線が前記カップホルダと交差しない向きに伸びているスリット溝、
を有しており、
前記スリット溝が、底面と、前記底面よりも前記カップホルダから遠い側に位置する第1側面と、前記底面よりも前記カップホルダに近い側に位置する第2側面と、を有しており、
前記底面が、
水平に伸びており、前記底面の最下部を構成する平坦面と、
前記第1側面に隣接する範囲に配置されており、前記平坦面と前記第1側面の間に配置されており、前記第1側面と前記平坦面を接続しており、前記第1側面から遠ざかるにしたがって下側に変位するように傾斜した第1傾斜面
を有しており、
前記スリット溝を横断する断面において、前記平坦面の中心が、前記第1側面よりも前記第2側面に近い位置に配置されている、
カップホルダユニット。
【請求項2】
前記底面が、前記第2側面に隣接する範囲に配置されており、前記平坦面と前記第2側面の間に配置されており、前記第2側面と前記平坦面を接続しており、前記第2側面から遠ざかるにしたがって下側に変位するように傾斜した第2傾斜面を有しており、
前記スリット溝を横断する断面において、前記第1傾斜面の水平方向における幅が前記第2傾斜面の水平方向における幅よりも広い、
請求項1のカップホルダユニット。
【請求項3】
前記カップホルダが、前記カップホルダユニットの上面に設けられた穴であり、
前記スリット溝が、前記カップホルダユニットの前記上面に設けられた溝である(ただし、前記スリット溝が前記カップホルダに対して相対的に移動可能な場合を除く。)、
請求項1または2に記載のカップホルダユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示の技術は、カップホルダユニットに関する。
【0002】
特許文献1には、車両用のカップホルダが開示されている。カップホルダには、飲料容器を載置することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-187473号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カップホルダの隣に携帯電話を保持するためのスリット溝を設けることができる。このようなスリット溝において、携帯電話がカップホルダ側に傾斜した状態で保持されると、カップホルダに保持された飲料容器から携帯電話に汚れが移り易い。本明細書では、カップホルダの隣に設けられたスリット溝(携帯電話保持用のスリット溝)において、携帯電話の汚れを抑制する技術を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示する車両用のカップホルダユニットは、カップホルダと、スリット溝を有している。前記スリット溝は、前記カップホルダの隣に設けられており、携帯電話を収容可能であり、上から見たときに中心軸の延長線が前記カップホルダと交差しない向きに伸びている。前記スリット溝が、底面と、前記底面よりも前記カップホルダから遠い側に位置する第1側面と、前記底面よりも前記カップホルダに近い側に位置する第2側面と、を有している。前記底面が、前記第1側面に隣接する範囲に、前記第1側面から遠ざかるにしたがって下側に変位するように傾斜した第1傾斜面を有している。前記スリット溝を横断する断面において、前記底面の最下部の中心が、前記第1側面よりも前記第2側面に近い位置に配置されている。
【0006】
このカップホルダユニットでは、スリット溝に携帯電話を挿入するときに、携帯電話の底部がスリット溝の底面の第1傾斜面にあたり易い。携帯電話の底部が第1傾斜面にあたると、携帯電話の底部がスリット溝の底面の最下部の中心に向かって(すなわち、カップホルダに近い側に向かって)にスライドする。すると、携帯電話の上部がカップホルダから離れるように携帯電話が傾斜し、そのように傾斜した状態で携帯電話がスリット溝に保持される。このため、スリット溝に保持された携帯電話とカップホルダに保持された飲料容器の間に広い間隔を確保することができる。したがって、携帯電話の汚れを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】カップホルダユニット10の断面図(図2のI-I線における断面図)。
図2】カップホルダユニット10の上面図。
図3】スリット溝30の拡大断面図。
図4】第1変形例のスリット溝30の拡大断面図。
図5】第2変形例のスリット溝30の拡大断面図。
図6】第3変形例のスリット溝30の拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書が開示する一例のカップホルダユニットでは、前記底面が、前記第2側面に隣接する範囲に、前記第2側面から遠ざかるにしたがって下側に変位するように傾斜した第2傾斜面を有していてもよい。また、前記スリット溝を横断する断面において、前記第1傾斜面の水平方向における幅が前記第2傾斜面の水平方向における幅よりも広くてもよい。
【0009】
この構成によれば、携帯電話をスリット溝に挿入するときに、携帯電話の底部が第2傾斜面よりも第1傾斜面にあたり易い。このため、携帯電話の上部がカップホルダから離れる方向に傾斜した状態で携帯電話がスリット溝に保持され易い。
【実施例
【0010】
図1、2に示すカップホルダユニット10は、自動車の座席の肘掛け(アームレスト)として用いられる。カップホルダユニット10は、カップホルダ20とスリット溝30を有している。
【0011】
カップホルダ20は、カップホルダユニット10の上面に設けられた略円形の穴である。カップホルダ20は、カップホルダ20内に挿入された飲料容器70を安定的に保持する。
【0012】
スリット溝30は、カップホルダユニット10の上面に設けられた溝である。スリット溝30は、カップホルダ20の前方(車両の進行方向)に設けられている。スリット溝30は、カップホルダ20の隣に設けられている。図2に示すように、上から見たときに、スリット溝30は車幅方向(車両の左右方向)に長く伸びている。したがって、上から見たときに、スリット溝30は、スリット溝30の中心軸の延長線30aがカップホルダ20と交差しない向きに伸びている。
【0013】
図3に示すように、スリット溝30は、底面34と、第1側面31と、第2側面32を有している。第1側面31は、底面34の前方に配置されている。すなわち、第1側面31は、底面34よりもカップホルダ20から遠い側に配置されている。第2側面32は、底面34の後方に配置されている。すなわち、第2側面32は、底面34よりもカップホルダ20に近い側に配置されている。
【0014】
底面34は、第1側面31の下端と第2側面32の下端とを接続している。底面34は、平坦面44と傾斜面41を有している。平坦面44は、略水平に伸びている。傾斜面41は、平坦面44と第1側面31の間に配置されている。傾斜面41は、第1側面31に隣接する範囲に設けられている。傾斜面41は、第1側面31から遠ざかるにしたがって下側に変位するように傾斜している。傾斜面41は、第1側面31と平坦面44を接続している。平坦面44は、第2側面32に接続されている。
【0015】
上述したように、平坦面44は、略水平に伸びている。したがって、平坦面44の全体が、底面34の最下部である。図3に示すようにスリット溝30を横断する断面において、平坦面44の中心44a(すなわち、底面34の最下部の中心)は、第1側面31よりも第2側面32に近い位置に配置されている。
【0016】
図1の破線50aに示すように、スリット溝30に携帯電話50を挿入すると、携帯電話50の底部52が傾斜面41にあたる。すると、図1の一点鎖線50bに示すように、傾斜面41に沿って底部52が第2側面32に近い側にスライドする。すると、携帯電話50の上部54が第2側面32から離れるように携帯電話50が傾斜する。すると、携帯電話50の側面56(第1側面31側の側面)が第1側面31の上端に接触し、携帯電話50が安定して保持される。このように、スリット溝30に携帯電話50を挿入すると、携帯電話50が第1側面31側に傾斜した状態で携帯電話50が保持される。
【0017】
スリット溝30に挿入された携帯電話50がカップホルダ20側に傾斜すると、携帯電話50が飲料容器70に接触して携帯電話50が汚れる場合がある。これに対し、上述したように、実施例のカップホルダユニット10では、携帯電話50が第1側面31側に傾斜した状態でスリット溝30に保持される。したがって、スリット溝30に収容された携帯電話50とカップホルダ20に収容された飲料容器70の間に広い間隔が確保される。より詳細には、携帯電話50の上部54と飲料容器70の上部との間に広い間隔が確保される。これにより、携帯電話50が汚れることが防止される。
【0018】
なお、上述した実施例では、スリット溝30の底面34が、傾斜面41と平坦面44を有していた。しかしながら、図4に示すように、底面34が傾斜面42をさらに有していてもよい。傾斜面42は、平坦面44と第2側面32の間に配置されている。傾斜面42は、第2側面32に隣接する範囲に設けられている。傾斜面42は、第2側面32から遠ざかるにしたがって下側に変位するように傾斜している。傾斜面42は、第2側面32と平坦面44を接続している。図4に示すようにスリット溝30を横断する断面において、傾斜面41の水平方向における幅W1は、傾斜面42の水平方向における幅W2よりも広い。この構成では、傾斜面41の幅W1が傾斜面42の幅W2よりも広いので、携帯電話50をスリット溝30に挿入すると、携帯電話50の底部52が傾斜面41にあたり易い。したがって、上述した実施例と同様に、携帯電話50が第1側面31側に傾斜した状態でスリット溝30に保持される。したがって、携帯電話50の汚れを抑制することができる。
【0019】
また、図5に示すように、底面34が傾斜面41、42を有する一方で平坦面44を有していなくてもよい。図5の構成では、傾斜面41が傾斜面42に直接接続されている。この場合、底面34の最下部は傾斜面41と傾斜面42の接続部48であり、底面34の最下部の中心は接続部48自体である。また、図6に示すように、底面34が傾斜面42と平坦面44を有しておらず、傾斜面41が第2側面32に直接接続されていてもよい。この場合、底面34の最下部は傾斜面41と第2側面32の接続部49であり、底面34の最下部の中心は接続部49自体である。図5、6に例示されるように、底面34が第1側面31に隣接する範囲に傾斜面41を有しており、底面34の最下部の中心が第1側面31よりも第2側面32に近い位置に配置されていれば、スリット溝30は携帯電話50を第1側面31側に傾斜した状態で保持することができ、携帯電話50の汚れを抑制することができる。
【0020】
以上、実施形態について詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独あるいは各種の組み合わせによって技術有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの1つの目的を達成すること自体で技術有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0021】
10:カップホルダユニット
20:カップホルダ
30:スリット溝
31:第1側面
32:第2側面
34:底面
41:傾斜面
42:傾斜面
44:平坦面
50:携帯電話
70:飲料容器
図1
図2
図3
図4
図5
図6