(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-05
(45)【発行日】2023-06-13
(54)【発明の名称】FinFET構造体を有する分割ゲート不揮発性メモリセル及び論理デバイス、並びにその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/336 20060101AFI20230606BHJP
H01L 29/788 20060101ALI20230606BHJP
H01L 29/792 20060101ALI20230606BHJP
H10B 41/35 20230101ALI20230606BHJP
H10B 41/40 20230101ALI20230606BHJP
H01L 21/8234 20060101ALI20230606BHJP
H01L 27/088 20060101ALI20230606BHJP
H10B 41/49 20230101ALI20230606BHJP
H01L 29/78 20060101ALI20230606BHJP
【FI】
H01L29/78 371
H10B41/35
H10B41/40
H01L27/088 B
H01L27/088 C
H10B41/49
H01L29/78 301X
(21)【出願番号】P 2020557204
(86)(22)【出願日】2019-01-31
(86)【国際出願番号】 US2019016187
(87)【国際公開番号】W WO2019203911
(87)【国際公開日】2019-10-24
【審査請求日】2021-11-15
(32)【優先日】2018-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500147506
【氏名又は名称】シリコン ストーリッジ テクノロージー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SILICON STORAGE TECHNOLOGY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゾウ、フェン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジンホ
(72)【発明者】
【氏名】リウ、シアン
(72)【発明者】
【氏名】ジョルバ、セルゲイ
(72)【発明者】
【氏名】デコベルト、キャサリン
(72)【発明者】
【氏名】ドー、ナン
【審査官】小山 満
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第09570454(US,B2)
【文献】米国特許出願公開第2006/0208307(US,A1)
【文献】特表2016-531434(JP,A)
【文献】特開2012-234885(JP,A)
【文献】特開2011-109106(JP,A)
【文献】特表2018-503263(JP,A)
【文献】特開2013-143437(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0035040(US,A1)
【文献】国際公開第2015/017495(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0273747(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0121406(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0218110(US,A1)
【文献】国際公開第2016/118785(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0175611(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
H10B 41/35
H10B 41/40
H01L 21/8234
H10B 41/49
H01L 27/088
H01L 29/788
H01L 29/792
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリデバイスであって、該メモリデバイスは、
複数の上向きに延在しているフィンを備えた上面を有する半導体基板であって、前記フィンの各々は、互いに対向し、かつ上面で終端する第1及び第2の側面を含む、半導体基板と、
前記複数のフィンのうちの第1のフィンに形成されたメモリセルであって、
前記第1のフィン内に間隔をあけて配置されたソース領域及びドレイン領域であって、前記第1のフィンのチャネル領域は、前記ソース領域とドレイン領域との間の前記第1のフィンの前記上面及び前記対向する側面に沿って延在している、ソース領域及びドレイン領域と、
前記チャネル領域の第1の部分に沿って延在する浮遊ゲートであって、前記第1のフィンの前記第1及び第2の側面並びに前記上面に沿って延在し、かつ前記第1のフィンの前記第1及び第2の側面並びに前記上面から絶縁される、浮遊ゲートと、
前記チャネル領域の第2の部分に沿って延在する選択ゲートであって、前記第1のフィンの前記第1及び第2の側面並びに前記上面に沿って延在し、かつ前記第1のフィンの前記第1及び第2の側面並びに前記上面から絶縁される、選択ゲートと、
前記浮遊ゲートに沿って延在し、かつ前記浮遊ゲートから絶縁された制御ゲートと、
前記ソース領域に沿って延在し、かつ前記ソース領域から絶縁され
、前記第1のフィンの前記第1及び第2の側面並びに前記上面に沿って延在し、かつ前記第1のフィンの前記第1及び第2の側面並びに前記上面から絶縁され、前記浮遊ゲートの上縁に沿って延在し、かつ前記浮遊ゲートの上縁から絶縁された消去ゲート、を備える、メモリセルと、
前記複数のフィンのうちの第2のフィンに形成された論理デバイスであって、
前記第2のフィン内に間隔をあけて配置された論理ソース領域及び論理ドレイン領域であって、前記第2のフィンの論理チャネル領域は、前記論理ソース領域とドレイン領域との間の前記第2のフィンの前記上面及び前記対向する側面に沿って延在している、論理ソース領域及び論理ドレイン領域と、
前記論理チャネル領域に沿って延在する論理ゲートであって、前記第2のフィンの前記第1及び第2の側面並びに前記上面に沿って延在し、かつ前記第2のフィンの前記第1及び第2の側面並びに前記上面から絶縁される、論理ゲート、を備える、論理デバイス、を備える、メモリデバイス。
【請求項2】
前記消去ゲートは、前記浮遊ゲートの前記上縁に面するノッチを含む、請求項
1に記載のメモリデバイス。
【請求項3】
前記第1及び第2のフィンは、単一の連続フィンとして形成される、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項4】
前記第1及び第2のフィンは、別個の別々のフィンとして形成される、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項5】
前記第2のフィンは、前記基板に対して前記第1のフィンよりも高く延在する、請求項
4に記載のメモリデバイス。
【請求項6】
前記論理ゲートは、金属材料を含み、前記論理ゲートは、高K絶縁材料によって前記第2のフィンの前記第1及び第2の側面並びに前記上面から絶縁される、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項7】
前記浮遊ゲート、前記選択ゲート、前記制御ゲート、及び前記消去ゲートは各々、ポリシリコン材料を含む、請求項
6に記載のメモリデバイス。
【請求項8】
前記複数のフィンのうちの第3のフィンに形成された第2の論理デバイスであって、
前記第3のフィン内に間隔をあけて配置された第2の論理ソース領域及び論理ドレイン領域であって、前記第3のフィンの第2の論理チャネル領域は、前記第2の論理ソース領域とドレイン領域との間の前記第3のフィンの前記上面及び前記対向する側面に沿って延在している、第2の論理ソース領域及び論理ドレイン領域と、
前記第2の論理チャネル領域に沿って延在する第2の論理ゲートであって、前記第3のフィンの前記第1及び第2の側面並びに前記上面に沿って延在し、かつ前記第3のフィンの前記第1及び第2の側面並びに前記上面から絶縁される、第2の論理ゲート、を備える、第2の論理デバイスを更に備える、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項9】
前記論理ゲートは、第1の絶縁材によって前記第2のフィンから絶縁され、
前記第2の論理ゲートは、第2の絶縁材によって前記第3のフィンから絶縁され、
前記第1の絶縁材は、前記第2の絶縁材の厚さよりも大きい厚さを有する、請求項
8に記載のメモリデバイス。
【請求項10】
前記第1のフィンに形成された第2のメモリセルであって、該第2のメモリセルは、
前記第1のフィン内に前記ソース領域から間隔をあけて配置された第2のドレイン領域であって、前記第1のフィンの第2のチャネル領域は、前記ソース領域と第2のドレイン領域との間の前記第1のフィンの前記上面及び前記対向する側面に沿って延在している、第2のドレイン領域と、
前記第2のチャネル領域の第1の部分に沿って延在する第2の浮遊ゲートであって、前記第1のフィンの前記第1及び第2の側面並びに前記上面に沿って延在し、かつ前記第1のフィンの前記第1及び第2の側面並びに前記上面から絶縁される、第2の浮遊ゲートと、
前記第2のチャネル領域の第2の部分に沿って延在する第2の選択ゲートであって、前記第1のフィンの前記第1及び第2の側面並びに前記上面に沿って延在し、かつ前記第1のフィンの前記第1及び第2の側面並びに前記上面ら絶縁される、第2の選択ゲートと、
前記第2の浮遊ゲートに沿って延在し、かつ前記第2の浮遊ゲートから絶縁された第2の制御ゲートと、
前記ソース領域に沿って延在し、かつ前記ソース領域から絶縁された第2の消去ゲート、を備える、第2のメモリセルを更に備える、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項11】
メモリデバイスを形成する方法であって、該方法は、
半導体基板の上面に複数の上向きに延在しているフィンを形成するステップであって、前記フィンの各々は、互いに対向し、かつ上面で終端する第1及び第2の側面を含む、複数のフィンを形成するステップと、
前記複数のフィンのうちの第1のフィンにメモリセルを形成するステップであって、
前記第1のフィン内に間隔をあけて配置されたソース領域及びドレイン領域を形成することであって、前記第1のフィンのチャネル領域は、前記ソース領域とドレイン領域との間の前記第1のフィンの前記上面及び前記対向する側面に沿って延在している、ソース領域及びドレイン領域を形成することと、
前記チャネル領域の第1の部分に沿って延在する浮遊ゲートを形成することであって、前記浮遊ゲートは、前記第1のフィンの前記第1及び第2の側面並びに前記上面に沿って延在し、かつ前記第1のフィンの前記第1及び第2の側面並びに前記上面から絶縁される、浮遊ゲートを形成することと、
前記チャネル領域の第2の部分に沿って延在する選択ゲートを形成することであって、前記選択ゲートは、前記第1のフィンの前記第1及び第2の側面並びに前記上面に沿って延在し、かつ前記第1のフィンの前記第1及び第2の側面並びに前記上面から絶縁される、選択ゲートを形成することと、
前記浮遊ゲートに沿って延在し、かつ前記浮遊ゲートから絶縁された制御ゲートを形成することと、
前記ソース領域に沿って延在し、かつ前記ソース領域から絶縁され
、前記第1のフィンの前記第1及び第2の側面並びに前記上面に沿って延在し、かつ前記第1のフィンの前記第1及び第2の側面並びに前記上面から絶縁され、前記浮遊ゲートの上縁に沿って延在し、かつ前記浮遊ゲートの上縁から絶縁された消去ゲートを形成すること、によって、メモリセルを形成するステップと、
前記複数のフィンのうちの第2のフィンに論理デバイスを形成するステップであって、
前記第2のフィン内に間隔をあけて配置された論理ソース領域及び論理ドレイン領域を形成することであって、前記第2のフィンの論理チャネル領域は、前記論理ソース領域とドレイン領域との間の前記第2のフィンの前記上面及び前記対向する側面に沿って延在している、論理ソース領域及び論理ドレイン領域を形成することと、
前記論理チャネル領域に沿って延在する論理ゲートを形成することであって、前記論理ゲートは、前記第2のフィンの前記第1及び第2の側面並びに前記上面に沿って延在し、かつ前記第2のフィンの前記第1及び第2の側面並びに前記上面から絶縁される、論理ゲートを形成すること、によって、論理デバイスを形成するステップ、を含む、方法。
【請求項12】
前記第1及び第2のフィンは、単一の連続フィンとして形成される、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1及び第2のフィンは、別個の別々のフィンとして形成される、請求項
11に記載の方法。
【請求項14】
前記第2のフィンは、前記基板に対して前記第1のフィンよりも高く延在する、請求項
13に記載の方法。
【請求項15】
前記複数のフィンの前記形成するステップは、
前記基板の前記上面の第1の領域を酸化することと、
前記上面の第2の領域に対して前記上面の前記第1の領域を陥凹させるために酸化物エッチングを行うことと、
前記第1の領域に前記第1のフィンを形成することと、
前記第2の領域に前記第2のフィンを形成すること、を含む、請求項
14に記載の方法。
【請求項16】
前記論理ゲートは、金属材料を含み、前記論理ゲートは、高K絶縁材料によって前記第2のフィンの前記第1及び第2の側面並びに前記上面から絶縁される、請求項
11に記載の方法。
【請求項17】
前記浮遊ゲート、前記選択ゲート、前記制御ゲート、及び前記消去ゲートは各々、ポリシリコン材料を含む、請求項
16に記載の方法。
【請求項18】
前記複数のフィンのうちの第3のフィンに第2の論理デバイスを形成するステップであって、
前記第3のフィン内に間隔をあけて配置された第2の論理ソース領域及び論理ドレイン領域を形成することであって、前記第3のフィンの第2の論理チャネル領域は、前記第2の論理ソース領域とドレイン領域との間の前記第3のフィンの前記上面及び前記対向する側面に沿って延在している、第2の論理ソース領域及び論理ドレイン領域を形成することと、
前記第2の論理チャネル領域に沿って延在する第2の論理ゲートを形成することであって、前記第2の論理ゲートは、前記第3のフィンの前記第1及び第2の側面並びに前記上面に沿って延在し、かつ前記第3のフィンの前記第1及び第2の側面並びに前記上面から絶縁される、第2の論理ゲートを形成すること、によって、第2の論理デバイスを形成するステップを更に含む、請求項
11に記載の方法。
【請求項19】
前記論理ゲートは、第1の絶縁材によって前記第2のフィンから絶縁され、
前記第2の論理ゲートは、第2の絶縁材によって前記第3のフィンから絶縁され、
前記第1の絶縁材は、前記第2の絶縁材の厚さよりも大きい厚さを有する、請求項
18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のフィンに第2のメモリセルを形成するステップであって、
前記第1のフィン内に前記ソース領域から間隔をあけて配置された第2のドレイン領域を形成することであって、前記第1のフィンの第2のチャネル領域は、前記ソース領域と第2のドレイン領域との間の前記第1のフィンの前記上面及び前記対向する側面に沿って延在している、第2のドレイン領域を形成することと、
前記第2のチャネル領域の第1の部分に沿って延在する第2の浮遊ゲートを形成することであって、前記第2の浮遊ゲートは、前記第1のフィンの前記第1及び第2の側面並びに前記上面に沿って延在し、かつ前記第1のフィンの前記第1及び第2の側面並びに前記上面から絶縁される、第2の浮遊ゲートを形成することと、
前記第2のチャネル領域の第2の部分に沿って延在する第2の選択ゲートを形成することであって、前記第2の選択ゲートは、前記第1のフィンの前記第1及び第2の側面並びに前記上面に沿って延在し、かつ前記第1のフィンの前記第1及び第2の側面並びに前記上面から絶縁される、第2の選択ゲートを形成することと、
前記第2の浮遊ゲートに沿って延在し、かつ前記第2の浮遊ゲートから絶縁された第2の制御ゲートを形成することと、
前記ソース領域に沿って延在し、かつ前記ソース領域から絶縁された第2の消去ゲートを形成すること、によって、第2のメモリセルを形成するステップを更に含む、請求項
11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2018年4月19日に出願された米国特許出願第15/957,615号の利益を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、不揮発性フラッシュメモリセルアレイに関する。
【背景技術】
【0003】
分割ゲート不揮発性メモリセルは、当技術分野において周知である。例えば、米国特許第7,927,994号は、分割ゲート不揮発性メモリセルを開示している。
図1は、半導体基板12に形成されたかかる分割ゲートメモリセルの一例を例証する。ソース領域及びドレイン領域16及び14は、基板12内の拡散領域として形成され、それらの間にチャネル領域18を画定する。メモリセルは、4つの導電性ゲート、すなわち、チャネル領域18の第1の部分及びソース領域16の一部分の上方に配設され、かつチャネル領域18の第1の部分及びソース領域16の一部分から絶縁された浮遊ゲート22、浮遊ゲート22の上方に配設され、かつ浮遊ゲート22から絶縁された制御ゲート26、ソース領域16の上方に配設され、かつソース領域16から絶縁された消去ゲート24、及びチャネル領域18の第2の部分の上方に配設され、かつチャネル領域18の第2の部分から絶縁された選択ゲート20を含む。導電性接点10が形成されて、ドレイン領域14に電気的に接続することができる。チャネル領域は半導体基板の平面に沿って形成されるため、デバイスの幾何形状が小さくなるにつれて、チャネル領域の総面積(例えば、幅)も小さくなる。これにより、ソース領域とドレイン領域との間の電流の流れが低減し、メモリセルの状態を検出するために、より高感度のセンス増幅器が必要になる。
【0004】
リソグラフィ・サイズが縮小し、それによってチャネル幅が狭くなるという問題は、全ての半導体デバイスに影響を与えるので、Fin-FET型の構造体が提案された。Fin-FET型の構造体において、半導体材料のフィン形部材が、ソース領域をドレイン領域に接続する。フィン形部材は、2つの側面を有する。その結果、ソース領域からドレイン領域への電流は、2つの側面に沿って流れることができる。したがって、チャネル領域の幅が増大し、これにより電流の流れが増大する。しかしながら、チャネル領域を2つの側面に「折り畳み」、これによりチャネル領域の「フットプリント」を小さくすることによって、より多くの半導体の占有面積を犠牲にすることなく、チャネル領域の幅が増大する。かかるFin-FETを用いる不揮発性メモリセルが開示されており、浮遊ゲートは、フィン形部材の側面のうちの1つに隣接して配設される。先行技術のFin-FET型不揮発性メモリ構造体のいくつかの例(ただし、ゲートの数及び構成は、上記の
図1の平面例から変化するが)としては、米国特許第7,423,310号、同第7,410,913号及び同第8,461,640号、並びに米国特許公開第2017/0345840号が挙げられる。フィン形部材に論理デバイスを形成することも提案されている。例えば、米国特許公開第2017/0125429号及び係属中の米国特許出願第15/933,124号を参照されたい。
【0005】
しかしながら、これらの先行技術のFin-FET構造体は、電荷を格納するために、浮遊ゲートをスタック・ゲート構成に用いること、又はトラップ材料を用いること、又はシリコン・リッチ酸化物(silicon rich oxide、SRO)を用いること、又はナノ結晶シリコンを用いること、又は他のより複雑なメモリセル構成を開示している。
【発明の概要】
【0006】
改良されたメモリデバイスは、複数の上向きに延在しているフィンを備えた上面を有する半導体基板であって、フィンの各々は、互いに対向し、上面で終端する第1及び第2の側面を含む、半導体基板と、複数のフィンのうちの第1のフィンに形成されたメモリセルと、複数のフィンのうちの第2のフィンに形成された論理デバイスと、を含む。メモリセルは、第1のフィン内に間隔をあけて配置されたソース領域及びドレイン領域であって、第1のフィンのチャネル領域は、ソース領域とドレイン領域との間の第1のフィンの上面及び対向する側面に沿って延在している、ソース領域及びドレイン領域と、チャネル領域の第1の部分に沿って延在する浮遊ゲートであって、浮遊ゲートは、第1のフィンの第1及び第2の側面並びに上面に沿って延在し、かつ第1のフィンの第1及び第2の側面並びに上面から絶縁される、浮遊ゲートと、チャネル領域の第2の部分に沿って延在する選択ゲートであって、選択ゲートは、第1のフィンの第1及び第2の側面並びに上面に沿って延在し、かつ第1のフィンの第1及び第2の側面並びに上面から絶縁される選択ゲートと、浮遊ゲートに沿って延在し、かつ浮遊ゲートから絶縁される制御ゲートと、ソース領域に沿って延在し、かつソース領域から絶縁される消去ゲート、を含む。論理デバイスは、第2のフィン内に間隔をあけて配置された論理ソース領域及び論理ドレイン領域であって、第2のフィンの論理チャネル領域は、論理ソース領域とドレイン領域との間の第2のフィンの上面及び対向する側面に沿って延在している、論理ソース領域及び論理ドレイン領域と、論理チャネル領域に沿って延在する論理ゲートであって、論理ゲートは、第2のフィンの第1及び第2の側面並びに上面に沿って延在し、かつ第2のフィンの第1及び第2の側面並びに上面から絶縁される、論理ゲート、を含む。
【0007】
メモリデバイスを形成する方法は、半導体基板の上面に複数の上向きに延在しているフィンを形成するステップであって、フィンの各々は、互いに対向し、上面で終端する第1及び第2の側面を含む、複数のフィンを形成するステップと、複数のフィンのうちの第1のフィンにメモリセルを形成するステップと、複数のフィンのうちの第2のフィンに論理デバイスを形成するステップ、を含む。メモリセルを形成するステップは、第1のフィン内に間隔をあけて配置されたソース領域及びドレイン領域を形成することであって、第1のフィンのチャネル領域は、ソース領域とドレイン領域との間の第1のフィンの上面及び対向する側面に沿って延在している、ソース領域及びドレイン領域を形成することと、チャネル領域の第1の部分に沿って延在する浮遊ゲートを形成することであって、浮遊ゲートは、第1のフィンの第1及び第2の側面並びに上面に沿って延在し、かつ第1のフィンの第1及び第2の側面並びに上面から絶縁される、浮遊ゲートを形成することと、チャネル領域の第2の部分に沿って延在する選択ゲートを形成することであって、選択ゲートは、第1のフィンの第1及び第2の側面並びに上面に沿って延在し、かつ第1のフィンの第1及び第2の側面並びに上面から絶縁される、選択ゲートを形成することと、浮遊ゲートに沿って延在し、かつ浮遊ゲートから絶縁された制御ゲートを形成することと、ソース領域に沿って延在し、かつソース領域から絶縁された消去ゲートを形成すること、を含む。論理デバイスを形成するステップは、第2のフィン内に間隔をあけて配置された論理ソース領域及び論理ドレイン領域を形成することであって、第2のフィンの論理チャネル領域は、論理ソース領域とドレイン領域との間の第2のフィンの上面及び対向する側面に沿って延在している、論理ソース領域及び論理ドレイン領域を形成することと、論理チャネル領域に沿って延在する論理ゲートを形成することであって、論理ゲートは、第2のフィンの第1及び第2の側面並びに上面に沿って延在し、かつ第2のフィンの第1及び第2の側面並びに上面から絶縁される、論理ゲートを形成すること、を含む。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
本発明の他の目的及び特徴は、明細書、特許請求の範囲、及び添付図面を精読することによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】従来の不揮発性メモリセルの横断面図である。
【
図2】他の図の様々な断面図方向を示すメモリ領域の上面図である。
【
図3A】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(
図2のc-c線に沿った)メモリ領域の横断面図である。
【
図3B】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(フィン方向に直交する)論理領域の横断面図である。
【
図4A】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(
図2のc-c線に沿った)メモリ領域の横断面図である。
【
図4B】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(フィン方向に直交する)論理領域の横断面図である。
【
図5A】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(
図2のc-c線に沿った)メモリ領域の横断面図である。
【
図5B】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(フィン方向に直交する)論理領域の横断面図である。
【
図6A】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(
図2のc-c線に沿った)メモリ領域の横断面図である。
【
図6B】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(フィン方向に直交する)論理領域の横断面図である。
【
図7A】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(
図2のc-c線に沿った)メモリ領域の横断面図である。
【
図7B】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(フィン方向に直交する)論理領域の横断面図である。
【
図8A】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(
図2のc-c線に沿った)メモリ領域の横断面図である。
【
図8B】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(フィン方向に直交する)論理領域の横断面図である。
【
図9A】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(
図2のc-c線に沿った)メモリ領域の横断面図である。
【
図9B】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(フィン方向に直交する)論理領域の横断面図である。
【
図10A】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(
図2のc-c線に沿った)メモリ領域の横断面図である。
【
図10B】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(フィン方向に直交する)論理領域の横断面図である。
【
図10C】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(
図2のa-a線に沿った)メモリ領域の横断面図である。
【
図10D】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(
図2のd-d線に沿った)メモリ領域の横断面図である。
【
図11C】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(
図2のa-a線に沿った)メモリ領域の横断面図である。
【
図11D】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(
図2のd-d線に沿った)メモリ領域の横断面図である。
【
図12C】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(
図2のa-a線に沿った)メモリ領域の横断面図である。
【
図12D】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(
図2のd-d線に沿った)メモリ領域の横断面図である。
【
図13C】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(
図2のa-a線に沿った)メモリ領域の横断面図である。
【
図13D】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(
図2のd-d線に沿った)メモリ領域の横断面図である。
【
図14A】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(
図2のc-c線に沿った)メモリ領域の横断面図である。
【
図14B】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(フィン方向に直交する)論理領域の横断面図である。
【
図15C】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(
図2のa-a線に沿った)メモリ領域の横断面図である。
【
図15D】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(
図2のd-d線に沿った)メモリ領域の横断面図である。
【
図16A】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(
図2のc-c線に沿った)メモリ領域の横断面図である。
【
図16B】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(フィン方向に直交する)論理領域の横断面図である。
【
図17C】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(
図2のa-a線に沿った)メモリ領域の横断面図である。
【
図17D】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(
図2のd-d線に沿った)メモリ領域の横断面図である。
【
図18A】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(
図2のc-c線に沿った)メモリ領域の横断面図である。
【
図18B】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(フィン方向に直交する)論理領域の横断面図である。
【
図19A】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(
図2のc-c線に沿った)メモリ領域の横断面図である。
【
図19B】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(フィン方向に直交する)論理領域の横断面図である。
【
図19C】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(
図2のa-a線に沿った)メモリ領域の横断面図である。
【
図19D】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(
図2のd-d線に沿った)メモリ領域の横断面図である。
【
図20A】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(
図2のc-c線に沿った)メモリ領域の横断面図である。
【
図20B】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(フィン方向に直交する)論理領域の横断面図である。
【
図20C】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(
図2のa-a線に沿った)メモリ領域の横断面図である。
【
図20D】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(
図2のd-d線に沿った)メモリ領域の横断面図である。
【
図21C】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(
図2のa-a線に沿った)メモリ領域の横断面図である。
【
図21E】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(フィン方向に沿った)論理領域の横断面図である。
【
図22C】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(
図2のa-a線に沿った)メモリ領域の横断面図である。
【
図22E】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(フィン方向に沿った)論理領域の横断面図である。
【
図23C】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(
図2のa-a線に沿った)メモリ領域の横断面図である。
【
図23E】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(フィン方向に沿った)論理領域の横断面図である。
【
図24C】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(
図2のa-a線に沿った)メモリ領域の横断面図である。
【
図24E】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(フィン方向に沿った)論理領域の横断面図である。
【
図25C】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(
図2のa-a線に沿った)メモリ領域の横断面図である。
【
図25E】本発明のメモリデバイスを形成するステップを示す、(フィン方向に沿った)論理領域の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、各々が4つのゲート、すなわち、浮遊ゲート28、制御ゲート30、選択ゲート32、及び消去ゲート34を有するFin-FET分割ゲート型メモリセルを有するメモリデバイスである。Fin-FET論理デバイスは、メモリセルと同じ基板に形成される。
図2は、基板のメモリ領域内のメモリセルのミラーペアの構成を示す上面図である。メモリセルのミラーペアは、共通ソース領域36(すなわち、基板の第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する基板の領域)を共有し、(第2の導電型の)ドレイン領域38は、隣接するメモリセルのペア(図示せず)間で共有される。メモリセルは、半導体基板42の上面のフィン形部分52に形成される。
図2は、後で説明される図について断面図方向a-a、b-b、c-c及びd-dを更に示す。
【0017】
製造プロセスは、半導体基板42の異なる領域を選択的に注入することによって開始される。基板42の様々な領域が
図3A及び
図3Bに示されており(すなわち、
図3A及び
図3Bは、同一の基板42の異なる領域を示している)、基板は、メモリセル及び論理デバイスに関連する4つの領域、すなわち、(メモリセルが形成される)メモリ領域42aと、(高電圧論理デバイスが形成される)HV領域42bと、(コア論理デバイスが形成される)論理コア領域42cと、(入力/出力論理デバイスが形成される)論理IO領域42d、を有する。領域42b、42c及び42dは、本明細書では、論理領域と総称される。好ましくは、選択的な注入は、1つ以上の注入ステップ(例えば、この領域内に形成された高電圧論理デバイス内のソースからドレインへの漏出を防止するアンチパンチスルー注入)に晒されるHV領域を除いて、マスキング材料で基板を覆うことによって開始される。これをメモリ領域に対して繰り返すことができる(例えば、マスキング材料で他の領域を覆い、この領域内に形成されたメモリセル内のソースからドレインへの漏出を防止するアンチパンチスルー注入を行う)。
【0018】
次いで、基板42のメモリ領域の上面は、基板の論理領域と比較して陥凹している(下がっている)。これは、好ましくは、基板42に材料層(例えば、窒化ケイ素)44を形成し、続いて、マスキングステップ(すなわち、フォトレジスト堆積、選択的なフォトリソグラフィ露光、及び選択的なフォトレジスト除去)を形成し、論理領域の窒化ケイ素にフォトレジストを残すが、メモリ領域に窒化ケイ素を露出させたままにすることよって行われる。窒化ケイ素エッチングを用いて、
図4A及び
図4Bに示すように、基板表面を露出させたまま、メモリ領域から窒化ケイ素を除去する。基板42の露出部分(メモリ領域内)を酸化させ、続いて、基板の酸化部分を除去するための湿式酸化物エッチングが続き、基材の上部分を効果的に除去する(その上面を効果的に下げる/陥凹させる)。これらのステップは、所望のレベルの表面凹部Rが達成されるまで(例えば、300~500nm)、繰り返すことができる。次に、窒化物エッチングにより、窒化物44を除去する。結果として得られた構造体を
図5A及び
図5Bに示す。
【0019】
次いで、フィンは、以下のように基材上面に形成される。二酸化ケイ素(酸化物)層46は、基板42の4つの領域(メモリ、HV、論理コア、及び論理IO)全ての上面に形成される。酸化物層46に窒化ケイ素(窒化物)層48が形成される。窒化物層48にハードマスク材料が形成される。フォトレジストは、ハードマスク材料に形成され、マスキングステップを用いてパターン形成されて、ハードマスク材料のストリップを露出させる。ハードマスク材料の垂直ストリップを残して、ハードマスク材料の露出部分を除去するためにエッチングが行われる。酸化物スペーサは、酸化物堆積を行い、続いて、異方性酸化物エッチングを行うことによって、ハードマスク材料ストリップの側面に沿って形成され、異方性酸化物エッチングにより、ハードマスクストリップの垂直側壁にスペーサを残す。フォトレジストは構造体の上方に形成され、メモリ領域内の交互スペーサ(及び他の領域内の全てのスペーサ)を覆うフォトレジストのストリップを残すようにパターン形成される。次いで、酸化物エッチングを用いて、フォトレジストによって露出されたままの酸化物スペーサを除去する。フォトレジストの除去後、エッチングが行われてハードマスクストリップを除去する。次いで、1つ以上のエッチングが行われて、酸化物スペーサの下にない窒化物48、酸化物46の一部分及び基板42の上部分を除去し、これにより、基板内に延在するトレンチ50をもたらし、隣接するトレンチ50間に基板42の薄いフィン構造体52が残る。フィン52は、垂直方向/縦方向に延在し、互いに対して平行である。結果として得られた構造体を
図6A及び
図6Bに示す(酸化物スペーサの除去後)。
【0020】
図6Bは、HV、論理コア、及び論理IO領域の各々に1つのフィン52のみを示しているが、
図6Aは、メモリ領域内の2つのフィン52のみを示し、多くの複数のフィンが各領域内に形成される。図示されていないが、フィン間の間隔は、領域に基づいて変化する。例えば、論理コア領域内の隣接するフィン間の距離は、好ましくは、メモリ領域内の隣接するフィンを分離する距離の約半分である。絶縁材54(例えば、酸化物)は、構造体の上方に形成され(酸化物54でトレンチ50を充填することを含む)、続いて、酸化物平坦化(例えば、CMP)が行われ、窒化物48の上部より上の酸化物54の任意の部分を除去する。ハードマスク層(例えば、窒化物)56は、論理領域の上方に形成されるが、メモリ領域の上方には形成されない。次いで、酸化物エッチングを用いて、メモリ領域内の酸化物54を陥凹させる(すなわち、酸化物54の上部分を除去する)。結果として得られた構造体を
図7A及び
図7Bに示す。
【0021】
(論理領域内の窒化物層56を保護するためのフォトレジストを用いて)、メモリ領域内のフィン52の上部にある窒化物48及び酸化物46を除去する。次いで、酸化物層58が、(例えば、酸化によって)メモリ領域内の各フィン52の2つの側面及び上面に形成される。次に、
図8A及び
図8Bに示すように、ポリシリコン(ポリ)60のコンフォーマル層が(酸化物58を含む)構造体に形成される。次いで、ポリ層60のin-situドーピングが行われる。マスキングステップ及びポリエッチングが行われて、(フィン52間の)メモリ領域内のトレンチ50の底部にあるポリ層60の選択された部分を除去する。絶縁層62(例えば、酸化物、窒化物、酸化物の副層を備えたONO(oxide-nitride-oxide sublayer))は、構造体に形成される。次に、ポリシリコン64の厚い層は、(in-situドーピングに晒され得る)ONO層62に形成される。次いで、ハードマスク層66をポリ層64に形成する。結果として得られた構造体を
図9A及び
図9Bに示す。
【0022】
マスキングステップ及び1つ以上のエッチングが行われて、
図10C~
図10Dに示すように(
図10A及び
図10Bでは、材料が除去されていない場所では変化がないことを示している)、記憶領域内のフィン52の上面に沿って、ハ-ドマスク層66、ポリ層64、及びONO層62のうちの選択された部分が除去され、記憶領域内の各フィン52の上面には、ゲートスタックS1、S2ペアが残される。HTO堆積及びアニールが行われて、ゲートスタックS1及びS2の側面に沿って酸化物層68を形成する。窒化物堆積及びエッチングが行われて、酸化物層68に沿って窒化物層70を形成する。犠牲酸化物スペーサ72は、酸化物堆積及びエッチングによって、窒化物層70に沿って形成される。結果として得られた構造体を
図11C~
図11Dに示す。
【0023】
フォトレジスト74は、マスキングステップを用いてゲートスタックペアS1及びS2の各々間に形成される。次に、
図12C~
図12Dに示すように、WLVT注入が行われて、続いて、スタックペアS1及びS2の外側の酸化物スペーサ72を除去する酸化物エッチングが行われる。フォトレジストの除去後、
図13C~
図13Dに示すように、ポリエッチングを用いて、(スタックS1とS2との間から)浮遊ゲートのポリ層60の露出部分を除去する。フォトレジスト76は、
図14A~
図14Bに示すように、マスキングステップを用いてメモリ領域内のポリ層64に形成され、続いて、ポリエッチングを行って、論理領域からポリ層60を除去する。フォトレジストの除去後、酸化物スペーサ78は、
図15C~
図15Dに示すように、酸化物堆積及びエッチングを用いてゲートスタックS1及びS2の外側側壁に沿って形成される(フォトレジストを用いて他の構造体を保護することができる)。
【0024】
マスキングステップを用いて、酸化物及び窒化物エッチングに晒してフィン52の窒化物及び酸化物を除去し、フィン52の両側の酸化物54を陥凹させるHV領域以外の構造体をフォトレジストで覆う。次いで、酸化物層80は、
図16A及び
図16Bに示すように、HV領域(例えば、RTO+HTO及びアニール)内の露出したフィン52に形成される。マスキングステップを用いて、各ゲートスタックペアS1及びS2間の領域以外の構造体をフォトレジスト82で覆う。各ゲートスタックペアS1及びS2間の基板に注入を行う(すなわち、以下に記載されるように、ソース領域に対するソース線注入を完成させる)。次に、
図17C及び
図17Dに示すように、酸化物エッチングを用いて、同じ領域内のスペーサ72を除去し、続いて、(例えば、基板に酸化物を厚化するための湿式又は部分的な湿式堆積によって、続いて、ポリ層60で所望の厚さを達成するためのHTO堆積によって)ポリ層60の露出表面及びゲートスタックS1及びS2の内側側壁にトンネル酸化物層84を形成する。
【0025】
フォトレジストの除去後、メモリ及びHV領域は、フォトレジストによって覆われ、論理コア領域及び論理IO領域は、(好ましくは、これらの領域内に形成された論理デバイス内のソースからドレインへの漏出を防止するアンチパンチスルー注入を含む)1つ以上の注入に晒される。フォトレジストの除去後、フォトレジストは、ゲートスタックS1及びS2の各々間の領域に形成され、続いて、酸化物エッチングによって、スタックペアの外側の基板の酸化物を除去する。次いで、フォトレジストがメモリ領域及びHV領域に形成され、続いて、酸化物及び窒化物エッチングによって、論理コア領域及び論理IO領域内のフィン52の酸化物及び窒化物を除去し、酸化物54を陥凹させる。次に、
図18A及び
図18Bに示すように、論理コア領域及び論理IO領域(及び基板42の他の露出部分)内の露出したフィン52に酸化物86が形成される。論理コア領域及び論理IO領域内のフィン52の酸化物86は、HV領域内のフィンの酸化物80よりも薄い。
【0026】
図19A~
図19Dに示すように、ポリ層88が構造体の上方に形成される。
図20A~
図20Dに示すように、ケミカルメカニカル研磨(chemical mechanical polish、CMP)を用いて構造体の上部分を除去し、平坦化する。
図21Cに示すように、マスキングステップ及びポリエッチングを用いて、ゲートスタックS1及びS2の各々間のポリ層88の中央部分、及び隣接するゲートスタックペア間のポリ層88の一部分を除去し、ゲートスタックS1及びS2の各々間の別個のポリブロック88a及び88b、並びにゲートスタックS1及びS2の各ペアの外側部分のポリブロック88c及び88dは残す。ポリエッチングはまた、(これらの論理領域内のフィンの長さに沿った断面図である)
図21Eに示すように、論理コア領域及び論理IO領域内のフィン52のポリ層88の一部分を除去し、論理コア領域内のポリブロック88e及び論理IO領域内のポリブロック88fは残す。1つ以上のマスキングステップ及び注入ステップを用いて、論理領域内に基板を選択的に注入する。
【0027】
窒化物堆積及びエッチングを用いて、構造体の露出した側壁に窒化物スペーサ89を形成する。1つ以上の注入が行われて、基板42内にメモリセル及び論理デバイスのためのソース領域及びドレイン領域を形成する。具体的には、ゲートスタックS1とS2との間の基板内にメモリセルソース領域36の形成が完了する。メモリセルドレイン領域38は、ポリブロック88c及び88dに隣接して形成される。論理ソース領域94及びドレイン領域96は、
図22C及び
図22Eに示すように、残りのポリブロック88e及び88f(並びに、図示されていないHV領域内のポリブロック)に隣接するHV領域、論理コア領域及び論理IO領域内に形成される。好ましくは、論理デバイス及びメモリセルのためのフィンのソース領域及びドレイン領域は、少なくとも部分的にエッチング除去されてもよく、続いて、SiGe(PFetデバイス用)又はSiC(NFetデバイス用)エピタキシープロセスによって、メモリセルのための隆起したソース領域36a及びドレイン領域38a、並びに論理デバイスのための隆起したソース領域94a及びドレイン領域96aを形成し、これは、移動性を改良する(すなわち、直列抵抗を低減する)圧縮応力又は引張応力を誘発する。絶縁層(例えば、酸化物)98は、構造体の上方に形成され、(例えば、研磨停止部としてポリブロック88を使用するCMPによって)平坦化される。次いで、フォトレジストがメモリ領域の上方に形成され、露出した論理領域内にポリブロック88e及び88fを残す。次に、ポリエッチングによってポリブロック88e及び88fを除去し、高K材料100の層(すなわち、HfO2、ZrO2、TiO2、Ta2O5などの酸化物の誘電率Kを超える材料、又は他の適切な材料など)、及び金属ブロック102と置換される。次いで、窒化物104の層を構造体に堆積する。結果として得られた構造体を
図23C及び
図23Eに示す。窒化物層104は、メモリ領域から除去され、サリサイド106は、(例えば、Tiスパッタリング、TiSiアニール及びTi湿式ストリップによって)ポリブロック88a、88b、88c、88d及び64の露出した上面に形成される。次に、窒化物104を論理領域から除去する。次いで、ILD絶縁材料108を構造体の上方に形成し、(例えば、CMPによって)平坦化する。接触孔は、マスキング及びエッチングプロセスを用いてILD材料108により形成され、その後、接触孔は金属で充填されて、様々なポリ/金属ブロック及びソース/ドレイン領域に電気的に接続された金属接点110を形成する。メモリ領域、論理コア領域及び論理IO領域内のフィン52の上面に形成された、結果として得られた構造体を
図24C及び
図24Eに示す。
【0028】
メモリ領域42a内のフィン52及びその周囲の最終的な構造体を
図25Cに示す。メモリセルのペアは、各フィン52に沿って端から端まで形成される。各メモリセルは、ソース領域36とドレイン領域38との間に延在する基板のチャネル領域112(すなわち、ソース/ドレイン領域36/38の間のフィン52の2つの側面及び上面に沿った基板の部分)を含む。ポリ60は、チャネル領域112の第1の部分の上方に配設され、かつチャネル領域112の第1の部分から絶縁される浮遊ゲート28である。ポリ64は、浮遊ゲート28の上方に延在し、かつ浮遊ゲート28から絶縁される制御ゲート30である。ポリ88c/dは、各々選択ゲート32であり、その各々はチャネル領域112の第2の部分の上方に配設され、かつチャネル領域112の第2の部分から絶縁される。ポリ88a/bは、各々消去ゲート34であり、その各々は浮遊ゲート28に隣接し、かつ浮遊ゲート28から絶縁され、ソース領域36の上方にあり、かつソース領域36から絶縁される。消去ゲート34は、浮遊ゲートの角部に面する切り欠きを含む。フィン52は、2つの対向する側面及び上面を有する。浮遊ゲート28は、フィン52の上面だけでなく、フィン52の対向する両側の側面に隣接し、かつフィン52の対向する両側の側面から絶縁されるように、フィン52を取り囲む。選択ゲート32もまた、フィン52の対向する両側の側面、及び上面に隣接し、かつフィン52の対向する両側の側面、及び上面から絶縁されるように、フィン52を取り囲む。したがって、本構成の1つの利点は、チャネル領域112の表面積が、平坦なチャネル領域にわたって、等しいサイズのメモリセルに対してサイズが大きい(すなわち、浮遊ゲートと、選択ゲートと、基板との間の表面重なり量が、これらの要素によって占有される基板の水平領域よりも大きい)ことである。
【0029】
HV領域42b、論理コア領域42c、及び論理IO領域42d内のフィン52及びその周囲の最終的な構造体を
図25Eに示す。論理トランジスタデバイスは、論理領域内のフィン52に形成される。各論理デバイスは、導電性ゲート(すなわち、金属ブロック102)を含む。HV領域内のブロック102の下のゲート酸化物80は、より高い電圧動作のために、他の論理領域内のゲート酸化物86よりも厚い。各論理デバイスは、論理ソース94及びドレイン96を含み、それらの間に論理チャネル領域95を有する。ゲート102は、フィン52の対向する両側の側面、及び上面に隣接し、かつフィン52の対向する両側の側面、及び上面から絶縁されるように、それぞれのフィン52を各々取り囲む。したがって、本構成の別の利点は、論理デバイスの各々のチャネル領域の表面積が、平坦なチャネル領域にわたって、等しいサイズの論理デバイスに対してサイズが大きい(すなわち、論理ゲートと基板との間の表面重なり量が、この要素によって占有される基板の水平領域よりも大きい)ことである。
【0030】
他の利点としては、フィン52の上面及び両側の側面を取り囲むコンフォーマルゲートが、メモリ領域(すなわち、浮遊ゲート及び選択ゲート)並びに論理領域(すなわち、論理ゲート)の両方に形成されることが挙げられる。更に、メモリ領域内のフィンを陥凹させることによって、メモリセルの上部及び論理デバイスは、メモリセルのゲートスタックが論理デバイスの論理ゲートよりも高い場合であっても、互いに対してほぼ等しい。加えて、メモリセル及び3つの異なる型の論理デバイスは全て、同じ半導体基板のフィン形基板構造体上に形成され、各メモリセルは、単一のフィンに形成され、各論理デバイスは、単一のフィンに形成され、フィン間の間隔の低減を可能にする。
【0031】
本発明は、本明細書で図示した上記実施形態例(複数可)に限定されるものではなく、それらによりサポートされる特許請求の範囲内に属するあらゆる全ての変形例も包含することが理解されよう。例えば、本明細書で本発明に言及することは、任意の特許請求項又は特許請求項の用語の範囲を限定することを意図しておらず、その代わり、単に、1つ以上の特許請求項によって網羅され得る1つ以上の特徴に言及するものである。上述の材料、プロセス、及び数値例は単に代表的なものであり、いずれの請求項も限定するものとみなされるべきではない。更に、全ての方法ステップを、例示した厳密な順序で行う必要はない。フィンは、メモリと論理領域との間に連続的に延在することができる。例えば、(メモリセルが形成される)メモリ領域内の1つ以上のフィンは、メモリ領域から、(論理デバイスが形成される)論理領域内に連続的に延在することができ、この場合、メモリデバイス及び論理デバイスは、同じ連続的に形成されたフィンに形成することができる。最後に、単一層の材料をそのような又は同様の材料の複数層として形成することができ、逆もまた同様である。
【0032】
本明細書で使用される、用語「の上方に(over)」及び「に(on)」は共に、「に直接」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)及び「の上に間接的に」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を包括的に含むことに留意されるべきである。同様に、「隣接した」という用語は、「直接隣接した」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)、及び「間接的に隣接した」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を含み、「取り付けられた」は、「直接取り付けられた」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)、及び「間接的に取り付けられた」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を含み、「電気的に結合された」は、「直接電気的に結合された」(中間材料又は要素がそれらの間で要素を電気的に連結していない)、及び「間接的に電気的に結合された」(中間材料又は要素がそれらの間で要素を電気的に連結している)を含む。例えば、「基板の上方に」要素を形成することは、中間材料/要素が介在せずに直接基板にその要素を形成することも、1つ以上の中間材料/要素が介在して間接的に基板の上にその要素を形成することも含む可能性がある。