(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-08
(45)【発行日】2023-06-16
(54)【発明の名称】自動搬送システム
(51)【国際特許分類】
H02H 5/04 20060101AFI20230609BHJP
B60L 5/00 20060101ALI20230609BHJP
B60L 53/12 20190101ALI20230609BHJP
B60M 7/00 20060101ALI20230609BHJP
B65G 49/06 20060101ALI20230609BHJP
H02G 1/06 20060101ALI20230609BHJP
H02G 3/30 20060101ALI20230609BHJP
H02J 50/12 20160101ALI20230609BHJP
【FI】
H02H5/04
B60L5/00 B
B60L53/12
B60M7/00 X
B65G49/06 Z
H02G1/06
H02G3/30
H02J50/12
(21)【出願番号】P 2021198505
(22)【出願日】2021-12-07
【審査請求日】2021-12-07
(31)【優先権主張番号】10-2020-0170717
(32)【優先日】2020-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0017342
(32)【優先日】2021-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519031612
【氏名又は名称】グリーン パワー カンパニー, リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GREEN POWER CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】792, Dongbu-daero, Dongtan-myeon Hwaseong-si Gyeonggi-do 18487, KR
(74)【代理人】
【識別番号】100160543
【氏名又は名称】河野上 正晴
(74)【代理人】
【識別番号】100170874
【氏名又は名称】塩川 和哉
(72)【発明者】
【氏名】チョ,チョング
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ドゥイク
【審査官】右田 勝則
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-201006(JP,A)
【文献】特開昭62-092720(JP,A)
【文献】特開2010-177185(JP,A)
【文献】特開2012-060771(JP,A)
【文献】特開2009-004123(JP,A)
【文献】特開2008-104245(JP,A)
【文献】特開平11-341713(JP,A)
【文献】国際公開第2021/225056(WO,A1)
【文献】特開平11-115559(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02H 5/04
B60M 7/00
B60L 5/00
B60L 53/12
H02G 3/30
H02G 1/06
H02J 50/12
B65G 49/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レールに沿って移動し、誘導給電により電力の供給を受ける自動搬送システムであって、
前記レールに沿って設置される給電ケーブルと、
一つ以上の前記給電ケーブルが互いに連結されて閉ループとして構成される給電線路と、
前記給電線路に交流電流を流すインバータと、
前記インバータの出力を前記給電線路に連結させる引込ケーブルと、
前記給電ケーブルまたは前記引込ケーブルの内部または外部に設置され、ケーブルの発熱を感知する感熱線と、
前記インバータ内に設置され、前記感熱線のオープン/ショートを感知する感知装置と、
一つ以上の前記給電ケーブルを互いに連結させるか前記給電ケーブルと前記引込ケーブルを連結させ
、前記感熱線を連結させる端子台とを含み、
前記端子台は、2個のケーブルを電気的に接続するための端子と、
前記端子の過熱を感知のための過熱感知手段とを含み、
前記過熱感知手段の出力を用いて
前記端子の過熱が感知される場合に、前記給電ケーブルの発熱だけでなく、前記感熱線をショートさせることで、前記端子台の過熱状態を前記インバータが認知するようにすることを特徴とする、自動搬送システム。
【請求項2】
前記過熱感知手段は、
予め設定された温度以上で短絡される温度接点であり、
前記温度接点の出力を前記感熱線に直接連結して前記端子台の過熱状態時に前記感熱線をショートさせることを特徴とする、請求項1に記載の自動搬送システム。
【請求項3】
前記過熱感知手段は、
温度センサと制御器とリレーを含み、前記制御器が端子台の温度センシングを行い、過熱時にリレーを駆動して前記感熱線を短絡させることを特徴とする、請求項1に記載の自動搬送システム。
【請求項4】
前記過熱感知手段は、
前記制御器の駆動のために前記給電ケーブルで発生する磁束を受けて電力を生産する磁気誘導による非接触電源供給部をさらに含むことを特徴とする、請求項3に記載の自動搬送システム。
【請求項5】
前記制御器は、
前記温度センサにより測定される端子台の温度を警告レベルと遮断レベルとに分け、前記感熱線をオープンしショートするパターンを異ならせることで、前記インバータに警告と遮断信号を与えることを特徴とする、請求項3に記載の自動搬送システム。
【請求項6】
前記インバータは、
前記端子台が復数個である場合、前記感熱線のショート時に形成される感熱線閉ループの抵抗測定により前記過熱状態の端子台の位置を認識し、認識結果をディスプレイするかまたは上位制御器に知らせることを特徴とする、請求項1に記載の自動搬送システム。
【請求項7】
前記端子台は、
前記給電線路と前記引込ケーブルとの間に設置されることを特徴とする、請求項1に記載の自動搬送システム。
【請求項8】
前記端子台は、
前記給電線路の設置および延長が容易であるように、前記給電線路の配置経路端部のリターンケーブルヨーク上に備えられることを特徴とする、請求項1に記載の自動搬送システム。
【請求項9】
前記リターンケーブルヨーク上に備えられる端子台は、
前記ヨークと一体型に実現されることを特徴とする、請求項8に記載の自動搬送システム。
【請求項10】
前記給電線路の延長のための端子台は、
既存の給電線路と延長給電線路の電流方向が一致するように連結されることを特徴とする、請求項8に記載の自動搬送システム。
【請求項11】
前記端子台は、
前記給電線路が長くなる場合に、前記給電ケーブルの両端に高電圧がかかることを防止するために、2個の給電ケーブルが互いに連結される端子と端子との間に補償用共振キャパシタを挿入できることを特徴とする、請求項1に記載の自動搬送システム。
【請求項12】
前記端子台は、
搬送台車の車輪の転がりに支障がないように、前記レールの下部を切り出して空間を作り、その空間に備えられ、この際、プラスチックハウジングを挿入して構成され、給電ケーブル連結端子と感熱線連結端子と給電ケーブル端子に設置される前記過熱感知手段を含むことを特徴とする、請求項1に記載の自動搬送システム。
【請求項13】
前記端子台は、
給電ケーブルの長さ誤差を収容するようにバスバーに多数の固定ホールを備え、連結しようとする給電ケーブルの長さに合うホールに固定することを特徴とする、請求項1に記載の自動搬送システム。
【請求項14】
前記レールと給電ケーブルを設置する方法は、
ケーブルサポートおよび端子台が設置された多数のケーブルヨークを含むレールを設置し、その後に給電ケーブルを設置し、この際、給電ケーブルを現場で裁断する代わりに、各端子台と端子台との間の長さに合わせて給電ケーブルを予め裁断し、両方をラグ処理してから、レール設置の後に予め用意した給電ケーブルを設置することで、レールと給電ケーブルの設置時間を短縮することを特徴とする、請求項1に記載の自動搬送システム。
【請求項15】
前記レールと給電ケーブルを設置する方法は、
前記レールを構成する一つ以上の単位レールと前記給電ケーブルと前記給電ケーブルを支持するケーブルサポートと前記給電ケーブルを前記単位レールの端部に引き出すための曲線部ケーブルガイドと前記単位レール連結部に設置されるレール端子台が一体型に予め組み立てられ、レール/給電ケーブルアセンブリーを構成し、前記レール/給電ケーブルアセンブリーを順に設置することで、前記レールと前記給電ケーブルの設置が容易であるように実現されることを特徴とする、請求項1に記載の自動搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レールに沿って移動し、誘導給電により電力の供給を受ける自動搬送システムに関する。より詳細には、給電線路の構成のためのケーブルの設置および延長を容易にするとともに、過熱感知手段を備えることで過熱による火災事故を予め防止するように構成された端子台およびこれを活用した自動搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
以下に記述する内容は、単純に本実施形態と関連する背景情報のみを提供するだけであって、従来技術を構成するものではない。
【0003】
一般的に、自動搬送システムは、搬送台車が工場の生産ラインに設置される走行レールに沿って移動し、素材や部品などを運搬、保管、入出庫するように構成される。
【0004】
例えば、自動搬送システムは、移送する小型搬送対象物が多い大型病院、半導体および平板ディスプレイ生産工場、物流倉庫などに設置され、搬送台車は、底部に設置されるレールまたは天井に設置されるレールに沿って走行する。
【0005】
自動搬送システムは、一般的に、走行レールに沿って給電ケーブルが設置され、給電線路が閉ループとして構成され、給電線路にインバータを連結して給電ケーブルに高周波電流を流すと、搬送台車が磁気誘導による非接触で電力の供給を受けて搬送台車を駆動させることで対象物を搬送する。
【0006】
自動搬送システムにおいて、一般的に、給電ケーブルの設置は、インバータの一出力端から出て走行レールの一方に沿って設置され、給電線路の端部でリターンし、走行レールの他の一方に沿って設置され、インバータの他の出力端に連結されて設置される。
【0007】
給電ケーブルの長さが長い場合には、重いケーブルを運搬しながら設置しなければならないため、設置作業が非常に複雑で危険であり、長い時間がかかるという欠点がある。特に、走行レールが複雑に構成される場合は問題がより深刻である。また、走行レールを延長する場合に、給電ケーブルをまた敷設しなければならないという欠点がある。
【0008】
給電ケーブルを複数の線に分けて設置し、給電ケーブルの線を端子台を介して連結する場合に、設置作業が容易であり、レールを延長する場合にも給電ケーブルをまた敷設する必要なく延長部だけ端子台を介して連結すれば良いため、非常に便利であるという利点があるが、端子台を介して給電ケーブルが連結され、これを介して高周波電流が流れる場合に、端子台の接続不良などで過熱が発生する場合が多く、深刻な場合には火災に発展することがあり、給電ケーブルには端子台をあまり使用しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記の点に鑑みて案き出されたものであり、自動搬送システムにおいて給電線路を構成する際、一つ以上の給電ケーブルを互いに連結させるか給電ケーブルと引込ケーブルを連結させる端子台を活用したケーブル設置構造を提供することにより、給電線路の構成のためのケーブルの設置および延長作業がより効率的に行われるようにすることを目的とする。
【0010】
また、給電線路の構成のために活用される端子台は、高周波電流によってボルト締結不良などによる過熱が発生することがあり、極端な場合、火災につながり得、相当危険である。
【0011】
本発明では、端子台上に過熱感知手段を備え、端子台に過熱が発生した場合に、インバータがこれを認知し遮断することができるようにすることで、過熱による火災事故を予め防止するようにすることを目的とする。
【0012】
安全な端子台が導入されると、端子台と端子台との間に連結される給電ケーブルを予め裁断し、ラグ処理してレールに舗設すると、簡単に組み立てられるため、設置時間を大幅に短縮することができる。しかし、普通の端子台は、ケーブルラグを固定するホールが一つになっており、予め裁断されラグ処理されたケーブルをレールに沿って舗設する場合に、ケーブルの設置方法に応じて若干のケーブル長さの誤差が発生し、そうなると、ケーブルが足りないか残る場合が発生し、端子台への連結が困難になり得る。本発明では、予め裁断されラグ処理された給電ケーブルを所定の長さ以下の長さ誤差があっても端子台に簡単に連結することができる方法を提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するために、レールに沿って移動し、誘導給電により電力の供給を受ける自動搬送システムであって、前記レールに沿って設置される給電ケーブルと、一つ以上の前記給電ケーブルが互いに連結されて閉ループとして構成される給電線路と、前記給電線路に交流電流を流すインバータと、前記インバータの出力を前記給電線路に連結させる引込ケーブルと、前記給電ケーブルまたは前記引込ケーブルの内部または外部に設置され、ケーブルの発熱を感知する感熱線と、前記インバータ内に設置され、前記感熱線のオープン/ショートを感知する感知装置と、一つ以上の前記給電ケーブルを互いに連結させるか前記給電ケーブルと前記引込ケーブルを連結させる端子台とを含み、
前記端子台は、2個のケーブルを電気的に接続するための端子と、前記端子の過熱を感知のための過熱感知手段とを含み、前記過熱感知手段の出力を用いて前記感熱線をショートさせることで、前記端子台の過熱状態を前記インバータが認知するようにすることを特徴とする。
【0014】
前記端子台は、多数の固定ホールを有するバスバー形態で構成することで予め裁断し、端部(ラグ)処理された給電ケーブルが長さに誤差が一部存在しても容易に連結することができることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明による自動搬送システムによる場合、過熱を感知し、遮断することができる安全な端子台を提供し、その端子台を用いて給電ケーブルを互いに連結させるか、給電ケーブルと引込ケーブルを連結させることで、給電線路の構成のためのケーブルの設置および延長作業がより効率的に行われるようにする効果があり、また、前記給電ケーブルをレールに設置する時に、給電ケーブルを予め裁断しラグ処理して現場ですぐ設置、組み立てを可能にすることで、作業時間を大幅に低減する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本実施形態による自動搬送システムの構造を説明するための構成図である。
【
図2】本実施形態による引込ケーブルおよび給電ケーブルの構造を説明するための図である。
【
図3】本実施形態による給電ケーブルと引込ケーブルを連結させる引込端子台を例示した図である。
【
図4】本実施形態による一つ以上の給電ケーブルを互いに連結させるヨーク端子台を例示した図である。
【
図5】本実施形態による給電線路構成のための引込端子台およびヨーク端子台の構造を説明するための図である。
【
図6】本実施形態によるヨーク端子台を活用した給電線路の延長構造を例示した図である。
【
図7】本実施形態によるヨーク端子台を活用した給電線路の延長構造を例示した図である。
【
図8】他の実施形態による第2端子台の構造を説明するための図である。
【
図9】他の実施形態による第2端子台の構造を説明するための図である。
【
図10】本実施形態によるレール連結部の下部に設置されるレール端子台の構造を説明するための図である。
【
図11】本実施形態によるレール連結部の下部に設置されるレール端子台の構造を説明するための図である。
【
図12】多数の固定ホールを有するバスバーヨーク端子台の構造を説明するための図である。
【
図13】多数の固定ホールを有し、ヨークの両側面に連結されたバスバーヨーク端子台の構造を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施形態を、添付の図面を参照して、当該分野において通常の知識を有する者が容易に実施することができるように説明する。添付の図面において、構成または作用に表記されている参照番号は、他の図面でも同じ構成または作用を表記する時に、できるだけ同じ参照番号を使用していることに留意すべきである。また、下記で本発明を説明する際に、関連する公知の機能または公知の構成に関する具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にし得ると判断した場合には、その詳細な説明を省略する。
【0018】
図1は本実施形態による自動搬送システムの構成を説明するための構成図である。
【0019】
図1を参照すると、本実施形態による自動搬送システムは、インバータ110、引込ケーブル112、給電ケーブル122、給電ケーブルで構成される給電線路120、ケーブルヨーク124、引込端子台126、ヨーク端子台128、レール端子台129、搬送台車130を含み、搬送台車130は、ピックアップコイル132と共振回路134を含んで構成される。
【0020】
インバータ(inverter)110は、電力源(power source)から供給された直流電源を交流電源に変換して給電ケーブル122に供給する機能を果たす。
【0021】
インバータ110は、給電ケーブル122で構成される閉ループの給電線路120の共振周波数マッチングのための共振回路を含んで構成されることができる。
【0022】
本実施形態において、インバータ110は、給電ケーブル122または引込ケーブル112の内部または外部に設置され、ケーブルの発熱を感知する感熱線のオープン/ショートを感知するための感知装置(図示せず)を含んで構成されることができる。
【0023】
このような感知装置は、持続的あるいは周期的に感熱線のオープン/ショート状態を感知し、感知した感熱線の状態をインバータ110に知らせる。一方、本実施形態において、感熱線のショート状態は、端子台が過熱状態であることを示す約束された信号として使用され、これにより、インバータ110は、感知装置により感熱線のショートが感知された場合、端子台の現在の状態が過熱状態であることを認知することができる。
【0024】
インバータ110は、端子台で過熱が発生して感熱線が短絡すると、これを感知し、インバータ出力を遮断させることで、給電ケーブル122への交流電源供給を遮断することができる。
【0025】
一方、インバータ110は、自動搬送システム内に端子台が復数個備えられる場合、過熱状態の端子台の位置を認識し、認識結果をディスプレイによりユーザに出力するか、上位制御器に知らせることができる。例えば、インバータ110は、感熱線のショート時に形成される感熱線閉ループの抵抗測定により、過熱状態の端子台の位置を認識することができる。このために、インバータ110は、自動搬送システム内に設置された各端子台に対する識別情報および設置位置情報などの情報を予め収集し貯蔵することができる。
【0026】
引込ケーブル112は、インバータ110の出力を給電線路に連結させる機能を果たす。
【0027】
引込ケーブル112は、給電ケーブル2本を重ねて構成したり、給電線路がインバータ110から遠く離れて配置される場合、引込ケーブルのインダクタンスが増加して、電力伝送効率を低下させるか無駄な磁束発生によって引込ケーブル周辺の磁性体を加熱する問題を解決するために、
図2の(a)のように同軸ケーブルを使用することがある。同軸ケーブル構造の引込ケーブル112は、
図2の(a)における200のように、内側心線210、外側心線220および感熱線230を含んで構成される。
【0028】
内側心線210は、インバータ110から印加される強い高周波電流が流れ、この電流は、インバータ110から給電線路120の方向に流れるか給電線路120からインバータ110の方向に流れることができる。
【0029】
外側心線220は、内側心線210の周縁を包む形態に配置され、インバータ110から印加される高周波電流が内側心線210とは逆の方向に流れる。
【0030】
引込ケーブル(lead-in cable)112は、内側心線210が外側心線220の真中に挿入される形態で構成され、内側心線210と外側心線220から発生する磁束が互いに相殺し、外側心線220と内側心線210からインダクタンスがゼロ状態になるように実現されることができる。
【0031】
感熱線230は、引込ケーブル112の内部に設置され、ケーブルの発熱を感知する機能を果たす。他の実施形態において、感熱線230は、引込ケーブル112の外部に設置されることもできる。
【0032】
感熱線230は、引込ケーブル112の場合、ケーブルの長さ方向に沿ってケーブルの内部に相互対称に設置される。これにより、引込ケーブル112の発熱を正確且つ信頼性をもって感知することができる。
【0033】
感熱線230の原理は、所定の温度で溶ける被覆で覆われた2個の弾性を有する導線を撚り合わせて製造したものであり、周辺の温度が所定の温度以上に上がると、感熱導線の被覆が溶け、2個の導線が弾性によって互いにくっつき短絡になる。このような感熱導線の短絡現象を感知し、ケーブルの発熱状態を知ることができる。
【0034】
本実施形態において、感熱線230は、ケーブルの過熱感知だけでなく、端子台が過熱状態である場合、端子台内の過熱感知手段の出力を用いてショートされ、これにより、端子台の過熱状態をインバータが認知可能になるように動作する。
【0035】
給電線路(induction power track)120は、搬送台車130が走行可能になるように予め所定の経路に沿って設置される走行レール上に給電ケーブル122が設置されて構成されることができる。
【0036】
本実施形態において、給電線路120は、一つ以上の給電ケーブル122が互いに連結されて閉ループとして構成されることができる。
【0037】
給電ケーブル122は、走行レールに沿って設置され、磁気誘導方式によって搬送台車130に電力を供給する。
【0038】
以下、
図2の(b)および(c)をともに参照して、本実施形態による給電ケーブル122の構造について説明する。一方、
図2の(b)は感熱線一体型給電ケーブル300を、
図2の(c)は感熱線分離型給電ケーブル400を例示している。
【0039】
先ず、
図2の(b)に図示されているように、本実施形態による給電ケーブル122は、多数の心線310および感熱線230を含んで構成される。多数の心線310と感熱線230は、ケーブル長さ方向に撚り続けて構成され、感熱線230は、給電ケーブルの内部発熱や給電ケーブルの外部発熱をいずれも感知することができることを特徴とする。
【0040】
他の実施形態において、給電ケーブル122の感熱線230は、
図2の(c)のように、ケーブルの外部に設置されることもできる。
【0041】
一方、給電線路120の経路上には、少なくとも一つ以上のケーブルヨーク(York)124が備えられることができる。このようなケーブルヨーク124は、給電線路120の一側に沿って設置される給電ケーブル122を給電線路120の他側にリターンさせるかあるいは他の給電線路120に案内するための連結ルートとして機能する。
【0042】
例えば、
図1を参照すると、給電線路120の一側に設置される給電ケーブルがループの端部でリターンケーブルヨーク124を介してリターンし、給電線路120の他端に連結されることを確認することができる。
【0043】
端子台(terminal block)は、一つ以上の給電ケーブル122を連結させるか、給電ケーブル122と引込ケーブル112を連結させる機能を果たす。
【0044】
本実施形態において、端子台は、引込端子台126とヨーク端子台128とレール端子台129を含んでなることができる。
【0045】
引込端子台126は、給電ケーブル122と引込ケーブル112を互いに連結させる機能を果たす。
【0046】
例えば、
図3を参照すると、本実施形態による自動搬送システムにおいて、引込端子台126を用いて、給電ケーブル122と引込ケーブル112が連結された形態を確認することができる。
【0047】
このような引込端子台126は、給電線路120と高周波電流を供給するインバータ110との距離が遠い場合、延長線として使用される引込ケーブル112と給電ケーブル122を互いに連結させることで、距離の増加によって引き起こされる電力損失の問題を解決可能にする。
【0048】
ヨーク端子台128は、プラスチック材質で構成されるケーブルヨーク上に設置されて給電線路を構成する際に、2個の給電ケーブル122を互いに連結させる機能を果たす。
【0049】
例えば、
図4を参照すると、本実施形態による自動搬送システムにおいて、ヨーク端子台128を用いて2個の給電ケーブルが互いに連結された形態を確認することができる。一方、
図4の(a)はヨーク端子台128が適用されていない従来の自動搬送システムを、
図4の(b)はヨーク端子台128が適用された本実施形態の自動搬送システムを図示している。
【0050】
ヨーク端子台128は、好まししくは、給電線路120の設置および延長が容易であるように、給電線路120の配置経路の端部に備えられるリターンケーブルヨーク上に備えられることができ、当該ヨークと一体型(york embeded terminal block)に実現されることができる。
【0051】
本実施形態によるヨーク端子台128による場合、従来の給電線路120が一つのケーブルが切れることなく連結されて構成されたこととは異なり、2個のケーブルがヨーク端子台128を介して互いに連結されて構成可能になるように実現される。これは、従来に比べて、ケーブル設置のための作業を簡素化することができ、ケーブル延長のための作業もより簡単に行われるようにする効果がある。
【0052】
レール端子台129は、
図1のように、レールの中間に設置されて給電ケーブルを連結する装置として給電ケーブルをより多く分けることができ、したがって、給電ケーブルの設置をより容易にする。レール端子台は、
図10のように、搬送台車の車輪の転がりに支障がないように、単位レールが連結される連結部の下方にレールの下部を切り出して空間を作り、プラスチック材質の端子台ハウジングと給電ケーブル端子702、感熱線端子704、過熱感知手段710などで構成される。給電ケーブルは、レール123に沿って設置されるケーブルサポート125溝に設置され、レール端子台129の連結のために、給電ケーブルをレールの方に取り出すためのケーブルガイド730が設置される。
【0053】
一方、給電線路の構成のために活用される端子台は、高周波電流によってボルト締結不良などによる過熱が発生することがあり、極端な場合、火災につながり得、相当危険である。
【0054】
このような問題を解決するために、本実施形態において、引込端子台126、ヨーク端子台128およびレール端子台129は、端子上に過熱感知手段を備え、備えられた過熱感知手段により端子台の過熱を感知する。端子台の過熱が感知された場合に、過熱感知手段の出力を用いて感熱線をショートさせることで、端子台の過熱状態をインバータ110が認知するようにし、これにより、インバータ110の出力が遮断されるようにすることで、過熱による火災事故を予め防止することができる。これについては、端子台の構造を説明する過程でより詳細に説明する。
【0055】
搬送台車130は、給電線路120上を走行しながら所定の搬送物を移送する動作を行う。搬送台車130は、給電ケーブル122から非接触方式で電力の伝送を受ける受電部と搬送台車130を走行させる駆動部と受電部から供給される電力を貯蔵するエネルギー貯蔵装置(図示せず)などを含んで構成されることができる。
【0056】
受電部は、第1ピックアップコイル(pickup coil 1)132、第1ピックアップコイル132に連結される第2共振回路134、第1ピックアップコイル132の出力電圧を整流する整流器(rectifier)と整流器に連結されるレギュレータ(regulator)を含んで構成されることができる。
【0057】
受電部は、給電ケーブル122から供給を受けた電力を駆動部に供給することで、搬送台車130を走行させることができる。
【0058】
以下、
図5~
図8をともに参照して本実施形態による端子台の構造について説明する。
【0059】
図5は本実施形態による給電線路構成のための引込端子台およびヨーク端子台の構造を説明するための図である。
【0060】
図5を参照すると、本実施形態による引込端子台126およびヨーク端子台128は、それぞれ、給電ケーブル端子502、602と感熱線端子504、604および過熱感知手段510、610を含んで構成されることができる。
【0061】
端子は、2個のケーブルを電気的に接続する機能を果たす。例えば、
図5を参照すると、引込端子台126は、給電ケーブルと引込ケーブルを電気的に接続するための引込ケーブル用端子502および感熱線端子504を含んで構成されることができる。
【0062】
ヨーク端子台128は、給電ケーブルと給電ケーブルを電気的に接続するための給電ケーブル用端子602および感熱線端子604を含んで構成されることができる。
【0063】
過熱感知手段510、610は、端子の過熱を感知する機能を果たす。
【0064】
本実施形態において、過熱感知手段510、610は、温度センサあるいは温度接点として実現されることができる。端子台は、過熱感知手段510、610の出力を用いて感熱線230をショートさせることで、端子台の過熱状態をインバータ110が認知するように動作する。
【0065】
以下、端子台が過熱感知手段510、610、710の出力を用いて感熱線230をショートさせる具体的な動作について説明する。
【0066】
先ず、端子台は、過熱感知手段510、610、710が温度接点である場合、温度接点は、予め設定された温度以上で短絡される特性を有しており、温度接点の出力を感熱線に直接連結することで、端子台の過熱状態時に簡単に感熱線をショートさせることができる。
【0067】
他の実施形態において、端子台は、過熱感知手段510、610、710が温度センサである場合、端子台の温度センシングを行い、過熱時にリレー(図示せず)を介して感熱線をショートさせることができる。
【0068】
このために、端子台は、温度センシングおよびリレー駆動のための接点信号を生成する制御器520、620を含んで実現されることができる。例えば、制御器520、620は、温度センサにより測定される端子台の温度を警告レベルと遮断レベルとに分け、感熱線をオープンしショートするパターンを異ならせることで、インバータ110に警告と遮断信号を区分して与えることができる。
【0069】
これとともに、端子台は、制御器の駆動のために給電ケーブル122で発生する磁束を受けて電力を生産する磁気誘導による非接触電源供給部をさらに含んで実現されることができる。
【0070】
一方、
図5では、閉ループとして構成される一つの給電線路の実現のために、ヨーク端子台128の一側連結バスバーの端子だけが使用される場合を例示しているが、給電線路(=第2給電線路、640)が延長設置される場合、
図6および
図7に図示されているように、他側連結バスバー630の端子がさらに用いられることができる。
【0071】
図6は一つの給電線路120に隣接した別の給電線路640が設置される場合を例示した図である。
図6を参照すると、ヨーク端子台128の他側連結バスバー630の端子を活用して、別のインバータと連結される給電線路640が対称的に追加構成されることを確認することができる。
【0072】
図7は既存の給電線路120を延長して拡張構成した場合を例示した図である。
【0073】
図7を参照すると、初期に設置された給電線路120は、給電ケーブル122がヨーク端子台128を介して戻り閉ループを構成し、後にレールと給電線路を延長する必要がある時に、
図7のように、ヨーク端子台128内の連結バスバーの方向を変えて延長する給電線路に流れる電流の方向670が既存に設置された給電線路の電流方向660と一致するように構成することができる。
【0074】
これとともに、感熱線端子も給電ケーブルが連結される方向にともに連結されるように、感熱線がクロスする形態で連結されることができる。
【0075】
一方、本実施形態においては、延長給電線路を構成するための連結バスバーの形状および感熱線の連結形態に対して特定の形状および形態に限定しない。
【0076】
図8は他の実施形態による端子台の構造を説明するための図である。
【0077】
本実施形態において、端子台上のケーブルの連結は、一つの端子あるいは一つのケーブルを複数個に分けて複数個の端子で連結可能になるように構成されることができる。例えば、
図8を参照すると、給電ケーブルが複数個に分けて復数個の端子で連結されることを確認することができる。本実施形態においては、ケーブルが端子台上に分けて連結される形態およびこれに対応して備えられる端子の個数に対して特定の値に限定しない。
【0078】
図9はさらに他の実施形態による端子台の構造を説明するための図である。一方、さらに他の実施形態による端子台の構造は、2個の給電ケーブルを互いに連結させるヨーク端子台128に対して適用されることができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0079】
図9を参照すると、端子台は、2個の給電ケーブルが互いに連結される端子と端子との間に補償用共振キャパシタ900が挿入される形態に実現されることができる。例えば、このような補償用キャパシタは、給電線路120が長くなる場合に、給電ケーブル122の両端に高電圧がかかることを防止するために挿入されることができる。
【0080】
本発明の一実施形態は、
図11のように、レール123、給電ケーブル122、ケーブルサポート125、ケーブルガイド730およびレール端子台129が結合したレール/給電ケーブルアセンブリー1000を示す。
【0081】
従来のレールおよび給電ケーブルの設置方法は、レールを先に設置し、ケーブルサポートを設置し、その後に給電ケーブルを設置するため、長い設置時間がかかり作業が危険であるという欠点があるが、本発明の一実施形態は、予め製作されたレール/給電ケーブルアセンブリーを単純に順番通りに連結、固定さえすれば良いため、相当設置が容易で安全な利点がある。
【0082】
本実施形態において、ケーブルサポートおよび端子台が設置された多数のケーブルヨークを含むレールを設置し、その後に給電ケーブルを設置するが、給電ケーブルを現場で裁断する代わりに各端子台と端子台との長さに合わせて給電ケーブルを予め裁断し、両方にラグ処理してからレール設置後に予め用意された給電ケーブルを設置することで、レールと給電ケーブルの設置時間を短縮することができる。
【0083】
さらに、本発明によるさらに他の実施形態は、
図10のように、レール123、ケーブルサポート125、ケーブルガイド730およびレール端子台129が結合したレールアセンブリー1000を予め組み立てて設置し、給電ケーブルは、端子台と端子台との間の様々な長さを予め測定し、予め長さに合わせて裁断してから、後に設置することで、給電ケーブルの設置が単純であり、同時に複数個の給電ケーブル設置作業が可能であることから、設置時間を大幅に短縮することができる利点がある。しかし、この場合に、ケーブルの設置方法に応じてケーブル長さの誤差が発生することがあり、結局、ケーブルを端子台を組み立て難いことがある。
【0084】
図12はこのような場合に備えて多数の固定ホールを有するヨーク端子台800の構成を示す。広いバスバーに所定の間隔で固定ホールを開けてケーブルラグがどのホールにも連結されるように端子801が構成される。給電ケーブルが連結される端子台固定ホールが一つである場合に、ケーブル長さに誤差が許容されないが、固定ホールを複数個備え、ケーブル長さに合うホールにケーブルラグを固定可能にすることで、所定の範囲内の給電ケーブル長さの誤差を解消することができる。
【0085】
図13はケーブルヨークの両方に端子台を備えた場合であり、両方の端子台は、一つのバスバー804で連結されることもでき、両方に
図12のような端子台800が備えられ、その間をケーブルで連結することもできる。両方のレールに沿って設置される給電ケーブルは、ヨーク端子台に上がりそれぞれ連結される構造である。両方の端子台が大きいバスバーで連結される構成は、コストが高いという欠点がある。
【0086】
以上の説明は、本実施形態の技術思想を例示的に説明したものであって、本実施形態が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本実施形態の本質的な特性から逸脱しない範囲で様々な修正および変形が可能である。したがって、本実施形態は、本実施形態の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであって、このような実施形態によって本実施形態の技術思想の範囲が限定されるものではない。本実施形態の保護範囲は、下記の請求の範囲によって解釈されなければならず、それと同等な範囲内にあるすべての技術思想は、本実施形態の権利範囲に含まれるものと解釈すべきである。
【符号の説明】
【0087】
110 インバータ
112,200 引込ケーブル
120 給電線路
122 給電ケーブル
123 レール
124 ケーブルヨーク
125 ケーブルサポート
126 引込端子台
128 ヨーク端子台
129 レール端子台
130 搬送台車
210 内側心線
220 外側心線
230 感熱線
240 絶縁内被
250 引込線外被
260 ダミーコア
300 感熱線一体型給電ケーブル
310 給電ケーブル心線
320 給電ケーブル外被
400 感熱線分離型給電ケーブル
502、602、702 ケーブル端子
504、604、704 感熱線端子
510、610、710 過熱感知手段
520、620 制御器
530、720 ケーブルラグ
640 第2給電線路
660、670 給電電流
730 ケーブルガイド
800 多数の固定ホールバスバー端子台
801 バスバー端子
802 シングル端子台ケーブルヨーク
803 ダブル端子台ケーブルヨーク
804 端子台一体型連結バスバー
900 補償用共振キャパシタ
1000 レール/給電ケーブルアセンブリー