(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-09
(45)【発行日】2023-06-19
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20230612BHJP
【FI】
A63F7/02 320
(21)【出願番号】P 2018033375
(22)【出願日】2018-02-27
【審査請求日】2021-02-19
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】土屋 良孝
(72)【発明者】
【氏名】川添 智久
(72)【発明者】
【氏名】中山 覚
(72)【発明者】
【氏名】牧 智宣
(72)【発明者】
【氏名】柏木 浩志
(72)【発明者】
【氏名】梶野 浩司
【審査官】酒井 保
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-022246(JP,A)
【文献】特開2016-049411(JP,A)
【文献】特開2018-108423(JP,A)
【文献】特開2015-157021(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の演出を実行可能な演出実行手段と、
判定情報を取得する取得手段と、
所定の条件の成立により、取得された前記判定情報に基づき遊技者に有利な特別遊技の実行か否かの第1判定を行う第1判定手段と、
前記第1判定手段による前記第1判定の結果が前記特別遊技の実行である場合には、前記特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
前記所定の条件が成立する前に、取得された前記判定情報に基づき前記特別遊技の実行か否かの第2判定を行う第2判定手段と、を備え、
前記特別遊技には、特定の入球口に入球可能なラウンド遊技と、前記特別遊技の開始から前記ラウンド遊技の開始までのオープニングと、が含まれており、
前記演出実行手段は、
前記特別遊技が実行されていることを示唆する示唆表示を実行可能であり、
前記取得手段は、
前記判定情報として第1の判定情報を取得することと、当該第1の判定情報よりも後に第2の判定情報を取得することが可能であり、
前記示唆表示には、
前記特別遊技が実行されていることに加えて、前記第2の判定情報に基づく前記第2判定の結果によって、前記特別遊技が実行されることも示唆する特殊示唆表示が含まれ、
前記特殊示唆表示には、前記オープニング中に実行可能な第1特殊示唆表示と、前記ラウンド遊技中に実行可能な第2特殊示唆表示とがあり、
前記第1の判定情報に基づく前記第1判定の結果によって前記特別遊技が行われている場合に
は、当該特別遊技の前記オープニング中
に前記第1特殊示唆表示が、前記ラウンド遊技中に前記
第2特殊示唆表示が
それぞれ行われるときがあり、
前記第1の判定情報に基づいて行われる前記特別遊技の前記オープニング中
に前記第1特殊示唆表示が、前記ラウンド遊技中に前記
第2特殊示唆表示が
それぞれ行われた場合には、その後の、前記第2の判定情報に基づく前記第1判定の結果によって行われる前記特別遊技の前記オープニング中に前記示唆表示は行われず、前記ラウンド遊技中に前記
第2特殊示唆表示が行われるときがあ
り、
前記第2特殊示唆表示は、前記第1特殊示唆表示を縮小した表示形態であることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等に代表される遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機では、取得済みの判定情報に基づき判定が行われ、その判定の結果に基づいて特別遊技(大当たり遊技)が実行可能となっている。遊技者は、特別遊技のラウンド遊技で大入賞口に遊技球を入賞させることで多数の賞球を獲得可能である。
【0003】
また、特別遊技に伴って、判定情報の判定結果に基づいた様々な演出が行われる。例えば、特許文献1に記載の遊技機では、特別遊技中に、大当たりに当選する判定情報が既に取得されている場合に、特殊な演出(「保留連演出」)が行われるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の特殊な演出とは、所謂「保留連」の発生を単に報知するための演出である。よって、そのような演出にはさらなる改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の遊技機は、
所定の演出を実行可能な演出実行手段と、
判定情報を取得する取得手段と、
所定の条件の成立により、取得された前記判定情報に基づき遊技者に有利な特別遊技の実行か否かの第1判定を行う第1判定手段と、
前記第1判定手段による前記第1判定の結果が前記特別遊技の実行である場合には、前記特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
前記所定の条件が成立する前に、取得された前記判定情報に基づき前記特別遊技の実行か否かの第2判定を行う第2判定手段と、を備え、
前記特別遊技には、特定の入球口に入球可能なラウンド遊技と、前記特別遊技の開始から前記ラウンド遊技の開始までのオープニングと、が含まれており、
前記演出実行手段は、
前記特別遊技が実行されていることを示唆する示唆表示を実行可能であり、
前記取得手段は、
前記判定情報として第1の判定情報を取得することと、当該第1の判定情報よりも後に第2の判定情報を取得することが可能であり、
前記示唆表示には、前記特別遊技が実行されていることに加えて、前記第2の判定情報に基づく前記第2判定の結果によって、前記特別遊技が実行されることも示唆する特殊示唆表示が含まれ、
前記特殊示唆表示には、前記オープニング中に実行可能な第1特殊示唆表示と、前記ラウンド遊技中に実行可能な第2特殊示唆表示とがあり、
前記第1の判定情報に基づく前記第1判定の結果によって前記特別遊技が行われている場合には、当該特別遊技の前記オープニング中に前記第1特殊示唆表示が、前記ラウンド遊技中に前記第2特殊示唆表示がそれぞれ行われるときがあり、
前記第1の判定情報に基づいて行われる前記特別遊技の前記オープニング中に前記第1特殊示唆表示が、前記ラウンド遊技中に前記第2特殊示唆表示がそれぞれ行われた場合には、その後の、前記第2の判定情報に基づく前記第1判定の結果によって行われる前記特別遊技の前記オープニング中に前記示唆表示は行われず、前記ラウンド遊技中に前記第2特殊示唆表示が行われるときがあり、
前記第2特殊示唆表示は、前記第1特殊示唆表示を縮小した表示形態であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、演出の興趣向上が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図4】第2大入賞装置等を詳細に示す正面図である。
【
図6】(A)は盤後可動装置が待機状態のときの演出用ユニットの正面図、(B)は盤後下可動装置が作動したときの演出用ユニットの正面図、(C)は盤後上可動装置が作動したときの演出用ユニットの正面図、(D)は盤後下可動装置および盤後上可動装置が作動したときの演出用ユニットの正面図である。
【
図7】主制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図8】サブ制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図9】(A)は普図関係乱数を示す表であり、(B)は特図関係乱数を示す表である。
【
図10】(A)は当たり判定テーブルであり、(B)は普図変動パターン判定テーブルであり、(C)は補助遊技制御テーブルである。
【
図11】(A)は大当たり判定テーブルであり、(B)は大当たり図柄種別判定テーブルであり、(C)はリーチ判定テーブルである。
【
図17】客待ち演出モードの具体例を示す説明図である。
【
図19】(A)は第1表示演出の具体例を示す説明図であり、(B)は第1ラウンド演出の具体例を示す説明図であり、(C)はエンディング演出の具体例を示す説明図である。
【
図20】リーチ無しハズレの特図変動演出の具体例を示す説明図である。
【
図21】特図変動演出が開始してからリーチになるまでの具体例を示す説明図である。
【
図22】Nリーチからハズレを示す演出図柄の停止表示が行われる場合と大当たりを示す演出図柄の停止表示が行われる場合の具体例を示す説明図である。
【
図23】可動体演出(発展演出)の具体例を示す説明図である。
【
図25】SPリーチの具体例であり、
図24の続きを示す説明図である。
【
図26】SPリーチの具体例であり、
図25の続きを示す説明図である。
【
図27】SPリーチの具体例であり、
図26の続きを示す説明図である。
【
図29】主制御メイン処理のフローチャートである。
【
図30】メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図31】サブ制御メイン処理のフローチャートである。
【
図32】1msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図33】10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図34】詳細な大当たり図柄種別判定テーブルである。
【
図36】第1獲得数予告演出の具体例を示す説明図である。
【
図37】(A)は第2獲得数予告演出の具体例を示す説明図であり、(B)は第3獲得数予告演出の具体例を示す説明図である。
【
図38】(A)は第2表示演出の具体例を示す説明図であり、(B)は第3表示演出の具体例を示す説明図である。
【
図39】(A)は第2ラウンド演出の具体例を示す説明図であり、(B)は第3ラウンド演出の具体例を示す説明図である。
【
図40】(A)はエンディング演出の具体例を示す説明図であり、(B)~(E)はつなぎ演出の具体例を示す説明図であり、(F)は「保留連」による大当たり遊技に伴うオープニング演出の具体例を示す説明図である。
【
図41】獲得数予告演出、右打ち報知演出、タイトル表示演出、および、つなぎ演出に関する演出の流れを示すタイミングチャートである。
【
図42】獲得数予告演出、右打ち報知演出、タイトル表示演出、および、つなぎ演出に関する演出の流れを示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の遊技機の実施形態(第1実施形態)を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。なお、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。また、後述の任意のフローチャートにおいて、任意の複数のステップにおける複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる又は並列に実行できる。
【0010】
1.遊技機の構造
本発明の遊技機の実施形態であるパチンコ遊技機PY1について説明する。最初に、パチンコ遊技機PY1の構造について
図1~
図6を用いて説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機PY1の各部の左右上下方向は、そのパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者にとっての(正面視の)左右上下方向のことである。また、「前方」は、パチンコ遊技機PY1から当該パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者に近づく方向とし、「後方」は、パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者から当該パチンコ遊技機PY1に近づく方向とする。
【0011】
図1および
図2に示すように、パチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2を備えている。遊技機枠2は、後述する遊技盤ユニットYUが取り付けられる遊技盤取付枠2Aと、遊技盤取付枠2Aにヒンジ2Bを介して回転自在に支持される前枠23mと、を備える。前枠23mは遊技盤取付枠2Aに対して開閉が可能である。前枠23mには、透明板23tが取り付けられている。前枠23mが閉じられているとき、遊技盤取付枠2Aに取り付けられた遊技盤1と透明板23tとは対面する。よって、パチンコ遊技機PY1が遊技店に設置されると、当該パチンコ遊技機PY1の前方にいる遊技者は、透明板23tを通して、遊技盤1に形成された遊技領域6を視認することができる。透明板23tは、透明なガラス板や透明な合成樹脂板等を用いることができる。パチンコ遊技機PY1の前方から遊技領域6を視認可能であればよい。
【0012】
前枠23mの前面の右下部には、遊技球を発射させるための回転操作が可能なハンドル72kが設けられている。ハンドル72kが操作された量(回転角度)が、遊技球を発射させるために遊技球に与えられる力(後述する発射装置72が発射ソレノイド72sに駆動させる量)の大きさ(発射強度)に対応付けられている。よって、遊技球は、ハンドル72kの回転操作に応じた発射強度で発射される。また、前枠23mの前面の下部中央には、前方に向けて大きく突出した下部装飾体36が設けられている。下部装飾体36の上面には、ハンドル72kに供給される遊技球を貯留するための上皿34が形成されている。また、下部装飾体36の正面の下部中央には、上皿34に収容しきれない余剰の遊技球を貯留するための下皿35が設けられている。
【0013】
下部装飾体36の上面の上皿34より前方側には、下方に押下操作可能な第1入力装置(以下「半球型ボタン」)40が設けられている。また、前枠23mの表面の右縁部から前方に突出して形成されている右部装飾体32において、下方に押下操作可能な第2入力装置(以下「剣型ボタン」)41が設けられている。
【0014】
また、前枠23mの表面の上部から前方に突出して形成されている上部装飾体31の底面に、音を出力可能なスピーカ52が設けられている。スピーカ52は、左側に配置された左スピーカ52Lと、右側に配置された右スピーカ52Rと、からなる。また、前枠23mの右縁部と、下部装飾体36における正面の下皿35の左側および右側とに、発光可能な枠ランプ53が設けられている。さらに、前枠23mの左縁部および右縁部の上側には、遊技興趣を高めることを目的とする演出装置としての可動式の枠可動装置58が取り付けられている。枠可動装置58は、左側に配置された左枠可動装置58Lと、右側に配置された右枠可動装置58Rと、で構成される。
【0015】
なお、遊技機枠2に設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0016】
次に、遊技盤ユニットYUについて、主に
図3~
図6を用いて説明する。遊技盤ユニットYUは、遊技盤1と、遊技盤1の背面側に取り付けられた演出用ユニット1Uと、を有する。最初に、遊技盤1について説明する。遊技盤1は透明な合成樹脂板で構成されている。遊技盤1の略中央には正面視略円形の開口部1Aが形成されている。開口部1Aに沿って、遊技球が流下可能な遊技領域6を区画するための略リング状の内側壁部1Bが前方に突出して形成されている。また、内側壁部1Bの外側にも、遊技領域6を区画するための略リング状の外側壁部1Cが前方に突出して形成されている。
【0017】
遊技盤1の前面には、内側壁部1B、外側壁部1Cなどで囲まれた遊技領域6が形成されている。すなわち、遊技盤1の前面が、内側壁部1Bおよび外側壁部1Cによって、遊技領域6とそれ以外の領域とに仕切られている。
【0018】
遊技領域6は、ハンドル72kの操作によって発射された遊技球が流下可能な領域であり、パチンコ遊技機PY1で遊技を行うために設けられている。なお、遊技領域6には、多数の遊技くぎ(図示なし)が突設されている。遊技くぎは、遊技領域6に進入して遊技領域6を流下する遊技球を、後述する第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、ゲート13、第1大入賞口14、および、第2大入賞口15などに適度に誘導する経路を構成している。
【0019】
遊技領域6における内側壁部1Bの中央直下には、上方が開口した第1始動口11が形成された第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動口11の左下には、右側方が開口した第2始動口12が設けられている。第2始動口12の右脇には、第2始動口12への入球を可能、又は、不可能にさせる第2始動入賞装置(所謂「電チュー」)12Dが設けられている。
【0020】
第1始動入賞装置11Dは不動である。そのため、第1始動口11は、遊技球の入球し易さが変化せずに一定(不変)である。遊技球の第1始動口11への入賞は、第1特別図柄(以下、「特
図1」という)の抽選(後述の特
図1関係乱数の取得と判定:以下、「特
図1抽選」という)および特
図1の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第1始動口11へ入賞すると、所定個数(例えば4個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0021】
電チュー12Dは、作動可能な電チュー開閉部材12kを備えている。電チュー開閉部材12kは、平面視で左斜め下方向に下降する略横長長方形状の舌状片からなる。平面視で、電チュー開閉部材12kの上面左端が、第2始動口12の最下点の右隣に位置する。電チュー開閉部材12kは、通常は(通常状態では)その先端(前方側側面)が遊技領域6、すなわち遊技盤1の前面辺りに位置するよう、遊技盤1より後方に収納されている。電チュー開閉部材12kはその収納されている状態から前後方向に移動(進退)することができる。そして、特別状態になると、電チュー開閉部材12kが前方へ移動する。電チュー開閉部材12kが前方へ移動すると、電チュー開閉部材12kが第2始動口12への誘導する経路となる。よって、電チュー開閉部材12kが遊技領域6より後方に収納された通常状態では、この誘導する経路がないので、第2始動口12へ遊技球を入球させることはほとんど不可能である。このように、電チュー開閉部材12kが突出状態になることを第2始動口12、又は、電チュー12Dの「開状態」ともいい、開状態であるときだけ遊技球の第2始動口12への入球が可能となる。一方、電チュー開閉部材12kが収納されている状態を第2始動口12、又は、電チュー12Dの「閉状態」ともいう。このように、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12が開閉する。また、第2始動口12、又は、電チュー12Dが「開状態」になることを「電チュー12Dが開放する」ともいい、電チュー12Dが「閉状態」になることを「電チュー12Dが閉鎖する」ともいう。
【0022】
遊技球の第2始動口12への入賞は、第2特別図柄(以下、「特
図2」という)の抽選(後述の特
図2関係乱数の取得と判定:以下、「特
図2抽選」という)および特
図2の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第2始動口12へ入賞すると、所定個数(例えば4個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0023】
また、遊技領域6における第1始動入賞装置11Dの左側には、2つの一般入賞口10が設けられている。また、電チュー12Dの右側には、1つの一般入賞口10が設けられている。遊技球が一般入賞口10へ入賞すると、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0024】
また、遊技盤1の開口部1Aの右斜め下側に、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。遊技球のゲート13の通過は、普通図柄(以下、「普図」という)の抽選(すなわち普通図柄乱数の取得と判定:以下、「普図抽選」という)および普図の可変表示の契機となっている。補助遊技が実行されることによって電チュー12Dを開放する。すなわち、補助遊技は、電チュー12Dの開放を伴う遊技である。
【0025】
また、遊技領域6における第1始動入賞装置11Dの右側でゲート13の直下には、第1大入賞口14が形成された第1大入賞装置14D(以下、「通常AT14D」ともいう)が設けられている。
【0026】
第1大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とをとる通常AT開閉部材14kを備える。通常AT開閉部材14kの作動により第1大入賞口14が開閉する。通常AT開閉部材14kは正面視略横長矩形状の平板からなり、通常は第1大入賞口14を塞いでいる。通常AT開閉部材14kは下端を中心に、上端が前方へ倒れるように略90度回転することができる。通常AT開閉部材14kが回転すると、通常AT開閉部材14kが遊技領域6に垂直に突出した状態になり、流下する遊技球を受け止めて第1大入賞口14の中に入球させる。このように、通常AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球の第1大入賞口14への入球が可能となる。遊技球が第1大入賞口14へ入賞すると、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0027】
また、遊技領域6における第1大入賞装置14Dの直下には、その上面が左斜め下方に形成され、遊技球を第2始動口12へ誘導する誘導ステージ12gが遊技領域6(遊技盤1の前面)から前方に突出して設けられている。なお、誘導ステージ12gの上面を転動する遊技球は、第2始動口12の方へ向かって流下可能であるが、基本的には第1始動口11へ入賞することはできない。
【0028】
遊技領域6におけるゲート13や第1大入賞口14の右斜め上方、換言すると、上流側に、第2大入賞口15が形成された第2大入賞装置15D(以下、「VAT15D」ともいう)が設けられている。第2大入賞装置15Dは、作動可能なVAT開閉部材15kを備えている。VAT開閉部材15kは、正面視で羽根のような形状を呈している棒状体であり、通常は水平方向に対して略90度の姿勢で保持され、第2大入賞口15を塞いでいる。VAT開閉部材15kは下端を中心に、上端が左側へ倒れるように略70度回転し、開状態をとることができる。VAT開閉部材15kが開状態であるときだけ遊技球の第2大入賞口15への入球が可能となる。一方、VAT開閉部材15kが第2大入賞口15を塞いでいる状態を「閉状態」ともいう。このように、VAT開閉部材15kの作動によって第2大入賞口15が開閉する。遊技球が第2大入賞口15へ入賞すると、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0029】
ここで、
図4を用いて、第2大入賞装置15Dについて詳細に説明する。第2大入賞装置15Dの内部には、第2大入賞口15に入球した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させることが可能なゲート状の第2大入賞口センサ15aが設けられている。
【0030】
第2大入賞口センサ15aの下流域には、遊技球が通過(進入)可能な特定領域16と非特定領域17とが設けられている。第2大入賞口センサ15aを通過した遊技球は、振分装置16Dによって、特定領域16か非特定領域17かに振り分けられる。振分装置16Dは、略矩形状の平板からなる振分部材16kと、振分部材16kを駆動する振分ソレノイド16sとを備えている。振分部材16kは、振分ソレノイド16sの駆動により、左右にスライド可能に構成されている。
【0031】
振分ソレノイド16sが通電されていないとき、振分部材16kは特定領域16への遊技球の通過を妨げる第1状態(通過阻止状態:
図4(A)の正面視で振分部材16kの左端が特定領域16の左端よりやや右側に位置し、振分部材16kが特定領域16をその直上で覆う状態)にある。振分部材16kが第1状態にあるときは、第2大入賞口15に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ15aを通過した後、特定領域16を通過することは不可能であり、非特定領域17を通過する。この第2大入賞口15から非特定領域17まで流下する遊技球のルートを第1のルートという。
【0032】
一方、振分ソレノイド16sが通電されているとき、振分部材16kは遊技球の特定領域16の通過(進入)を許容する第2状態(通過許容状態:
図4(B)の正面視で振分部材16kの左端が特定領域16の右端よりやや左側に位置し、振分部材16kが特定領域16をその直上で覆わず、特定領域16の直上が開放している状態)にある。振分部材16kが第2状態にあるときは、第2大入賞口15に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ15aを通過したあと特定領域16を通過容易である。この第2大入賞口15から特定領域16まで流下する遊技球のルートを第2のルートという。
【0033】
なお、基本的に、振分部材16kは第1状態で保持されている。すなわち、第1状態が振分部材16kの通常の状態であるといえる。そして、後述する大当たり遊技の最後のラウンド遊技(16R)においてのみ、振分ソレノイド16sが通電され、第2状態に変化することができる。
【0034】
特定領域16と非特定領域17には、各領域16、17を通過(進入)した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させる特定領域センサ16a、非特定領域センサ17aが設けられている。
【0035】
なお、第1大入賞装置14Dおよび第2大入賞装置15Dは、遊技に支障をきたさない範囲で、一方だけを設けるようにすることが可能である。
【0036】
また
図3に示すように、遊技領域6の略最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6の外部へ排出する2つのアウト口19が設けられている。
【0037】
ところで、遊技球が流下可能な遊技領域6について、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域(第2遊技領域)とに分けることが可能である。遊技球が左遊技領域を流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「左打ち」という。一方、遊技球が右遊技領域を流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「右打ち」という。パチンコ遊技機PY1において、左打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第2流路R2という。第1流路R1および第2流路R2は、多数の遊技くぎなどによっても構成されている。
【0038】
第1流路R1上には、第1始動口11と、2つの一般入賞口10とが設けられている。よって、遊技者は、左打ちにより第1流路R1を流下するように遊技球を発射させることで、第1始動口11、又は、一般入賞口10への入賞を狙うことができる。一方、第2流路R2上には、第2始動口12と、ゲート13と、第1大入賞口14と、第2大入賞口15とが設けられている。よって、遊技者は、右打ちにより第2流路R2を流下するように遊技球を発射させることで、ゲート13の通過や、第2始動口12、第1大入賞口14、又は、第2大入賞口15への入賞を狙うことができる。
【0039】
なお、何れの入賞口(第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、第1大入賞口14および第2大入賞口15)にも入球しなかった遊技球は、アウト口19へ誘導されて排出される。また、各入賞口への入賞による賞球数は、適宜に設定することが可能である。
【0040】
また、遊技盤1の前面に形成された遊技領域6の下方の左隣(遊技領域6以外の部分)には表示器類8が配置されている。
図5に示すように、表示器類8には、特
図1を可変表示する特
図1表示器81a、特
図2を可変表示する特
図2表示器81b、および、普図を可変表示する普図表示器82が含まれている。また、表示器類8には、後述する特
図1保留数(U1:特
図1表示器81aによる特
図1の可変表示が保留されている数)を表示する特
図1保留表示器83a、および後述する特
図2保留数(U2:特
図2表示器81bによる特
図2の可変表示が保留されている数)を表示する特
図2保留表示器83bが含まれている。
【0041】
特
図1の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機に特
図1抽選が行われると実行される。また、特
図2の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機に特
図2抽選が行われると実行される。なお、以下の説明では、特
図1および特
図2を総称して特図といい、特
図1抽選および特
図2抽選を総称して特図抽選という。また、特
図1表示器81aおよび特
図2表示器81bを総称して特図表示器81という。さらに、特
図1保留表示器83aおよび特
図2保留表示器83bを総称して特図保留表示器83という。
【0042】
特図の可変表示は、特図抽選の結果を報知する。特図の可変表示では、特図が可変表示したあと停止表示する。停止表示される特図(停止特図、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特図抽選によって複数種類の特図の中から選択された一つの特図である。停止特図が予め定めた特定の特図(特定の停止態様の特図すなわち大当たり図柄)である場合には、大入賞口(第1大入賞口14および第2大入賞口15)を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。
【0043】
特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成され、その点灯態様によって特図抽選の結果に応じた特図を表示する。例えば特図抽選の結果が大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)である場合には、特図表示器81は、「□□■■□□■■」(□:点灯、■:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDの点灯で構成される大当たり図柄を表示する。また、特図抽選の結果がハズレである場合には、特図表示器81「■■■■■■■□」というように一番右にあるLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。なお、特図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。よって、例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させてもよい。
【0044】
また、特図の可変表示において、特図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特図の可変表示がなされる。特図の可変表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様である。なお、特図の可変表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してよい。
【0045】
ところで、パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11、又は、第2始動口12への遊技球の入賞(入球)があると、特図抽選などを行うための各種乱数(数値情報や判定情報の一例)が取得されることがある。この各種乱数は、特図保留として後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。なお、以下において、第1始動口11への遊技球の入賞(入球)により取得された各種乱数のことを「特
図1関係乱数」といい、第2始動口12への遊技球の入賞(入球)により取得された各種乱数のことを「特
図2関係乱数」という。ここで、特
図1関係乱数は、特
図1保留として、特図保留記憶部105の中の特
図1保留記憶部105aに記憶される。一方、特
図2関係乱数は、特
図2保留として、特図保留記憶部105の中の特
図2保留記憶部105bに記憶される。特
図1保留記憶部105aに記憶可能な特
図1保留の数(特
図1保留数)および特
図2保留記憶部105bに記憶可能な特
図2保留の数(特
図2保留数)には上限(例えば4個)を設定することが可能である。なお、以下において、特
図1保留と特
図2保留を総称して「特図保留」といい、特
図1保留数と特
図2保留数を総称して「特図保留数」という。また、特
図1関係乱数と特
図2関係乱数とを総称して「特図関係乱数」という。
【0046】
パチンコ遊技機PY1では、遊技球が第1始動口11、又は、第2始動口12へ入賞した後すぐに特図の可変表示が行われない場合、具体的には、特図の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に入賞があった場合、その入賞に対する特図の可変表示(あるいは、特図抽選の権利)を留保することができる。特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特図の可変表示が可能となったときに消化される。すなわち、特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特図関係乱数等を判定して、その判定結果を示すための特図の可変表示を実行することをいう。
【0047】
そして、特図保留数は、特図保留表示器83に表示される。特
図1保留表示器83aと特
図2保留表示器83bのそれぞれは、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留数の分だけLEDを点灯させることにより特図保留数を表示することが可能である。
【0048】
また、普図の可変表示は、普図抽選の結果を報知する。普図の可変表示では、普図が可変表示したあと停止表示する。停止表示される普図(停止普図、可変表示の表示結果として導出表示される普図)は、普図抽選によって複数種類の普図の中から選択された一つの普図である。停止表示された普図が予め定めた特定の普図(所定の停止態様の普図すなわち当たり図柄)である場合には、第2始動口12(電チュー12D)を開放させる補助遊技が行われる。
【0049】
普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普図抽選の結果に応じた普図を表示する。普図抽選の結果が当たりである場合には、普図表示器82は、「□□」(□:点灯、■:消灯)というように両LEDの点灯で構成される当たり図柄を表示する。また普図抽選の結果がハズレである場合には、「■□」というように右のLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお、普図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。
【0050】
また、普図が停止表示される前には、所定の変動時間にわたって普図の可変表示が行われる。普図の可変表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお、普図の可変表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してもよい。
【0051】
パチンコ遊技機PY1では、遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を行うための普通図柄乱数(数値情報や判定情報の一例)が取得されることがある。この乱数は、普図の可変表示、又は、補助遊技が実行されていないことを条件に、後述の普図保留記憶部106に記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数(普図保留数)には上限(例えば4個)を設定することが可能である。なお、以下において、遊技球がゲート13を通過することにより取得された普通図柄乱数のことを「普図関係乱数」ともいう。
【0052】
次に、
図6を用いて、遊技盤1の背面に取り付けられた演出用ユニット1Uについて説明する。演出用ユニット1Uは、主に演出を行う複数の装置をユニット化したものである。演出用ユニット1Uには、画像表示装置(演出手段に相当)50、第1盤可動装置(以下「盤前可動装置」)55、第2盤可動装置(以下「盤後可動装置」)56および第3盤可動装置(以下「ロゴ役物装置」)57が搭載されている。
【0053】
画像表示装置50は、例えば20インチの3D液晶ディスプレイ2枚で構成され、3D画像を表示可能な表示部(所定の表示手段に相当)50aを具備する。
【0054】
盤前可動装置55は、例えばさらにその中で上に配置される盤前上可動装置55UL,55URと、下に配置される盤前下可動装置55Dとを備える。盤前上可動装置55ULは、移動可能に構成され、主に前面部分が立体的な装飾が施された盤前上左可動体55ULkを具備する。盤前上可動装置55URは、移動可能に構成され、主に前面部分が立体的な装飾が施された盤前上右可動体55URkを具備する。盤前下可動装置55Dは、移動可能に構成され、主に前面部分に立体的な装飾が施された盤前下可動体55Dkを具備する。
【0055】
盤後可動装置56は、例えばさらにその中で上側に配される盤後上可動装置56Uと、下側に配される盤後下可動装置56Dとを備えている。盤後上可動装置56Uは、移動可能に構成され、平面的な装飾が施された盤後上可動体56Ukを具備する。盤後下可動装置56Dは、移動可能に構成され、平面的な装飾が施された盤後下可動体56Dkを具備する。
【0056】
ロゴ役物装置57は、例えばパチンコ遊技機PY1の題材である主人公キャラクタ「ロゴ」のロゴタイプ「L・O・G・O」が前面側に施されたロゴ可動体57kを備え、ロゴ可動体57kは、表示部50aに沿って平面的に上昇および下降が可能に構成される。
【0057】
図6(A)は、盤後上可動体56Ukおよび盤後下可動体56Dkが作動していない通常の待機状態(初期位置)で保持されている様子を概略化して表している。盤後上可動体56Ukおよび盤後下可動体56Dkは、前後方向に略直交する平面上、言い換えると、画像表示装置50の表面に沿って上下方向に移動可能である(上昇および下降が可能である)。そして、盤後上可動装置56Uおよび盤後下可動装置56Dのそれぞれの駆動源が駆動すると、盤後下可動体56Dkは正面視でその上端が画像表示装置50の高さ方向中央あたりに位置するように上向きに移動する(上昇する)(
図6(B)参照)。一方、盤後上可動体56Ukは正面視でその下端が画像表示装置50の高さ方向中央あたりに位置するよう下向きに移動する(下降する)(
図6(C)参照)。その結果、正面視で画像表示装置50の高さ方向中央あたりで、盤後上可動体56Ukと盤後下可動体56Dkとが上下方向に接合して合体し、それぞれの表面に施された模様(意匠,デザイン)が全体で一つになり、パチンコ遊技機PY1の題材である主人公キャラクタの顔を表している(
図6(D)参照)。このとき、画像表示装置50の大部分は合体した盤後上可動体56Ukと盤後下可動体56Dkに覆われるので、画像表示装置50は視認困難となる。
【0058】
なお、遊技盤ユニットYUに設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0059】
2.遊技機の電気的構成
次に、
図7~
図8に基づいてパチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。
図7~
図8に示すように、パチンコ遊技機PY1は、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、後述する遊技状態の設定、普図抽選、普図の可変表示、補助遊技などの遊技利益に関する制御(遊技の進行)を行う遊技制御基板(以下「主制御基板」)100、主制御基板100による遊技の進行に応じた遊技演出(特図変動演出、保留演出、大当たり遊技演出)、客待ち演出、半球型ボタン40や剣型ボタン41の操作が有効な期間(操作有効期間)において操作を促す操作促進演出などの演出に関する制御を行う演出制御基板(演出実行手段に相当、以下「サブ制御基板」)120、および、遊技球の払い出しに関する制御などを行う払出制御基板170等を、遊技盤1の画像表示装置50よりさらに背面側に備えている。主制御基板100を、遊技の制御を行う遊技制御部と位置づけることができる。また、サブ制御基板120を、後述する画像制御基板140、ランプ制御回路151および音声制御回路161とともに、演出の制御を行う演出制御部と位置づけることができる。なお、演出制御部は、少なくともサブ制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、および、可動装置55,56,57等)を用いた遊技演出、客待ち演出および操作促進演出を制御可能であればよい。
【0060】
また、パチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、主制御基板100、サブ制御基板120および払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板100の遊技用RAM104やサブ制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、主制御基板100の遊技用RAM104やサブ制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また、電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切り換えられる。なお、主制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を主制御基板100に設けたり、サブ制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板120に設けたりしてもよい。
【0061】
図7に示すように、主制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラムやテーブル等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM(Random Access Memory)104、および、その遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102が含まれている。
【0062】
遊技用ROM103には、後述する主制御メイン処理やメイン側タイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。また、遊技用ROM103には、後述する大当たり判定テーブル、大当たり図柄種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン判定テーブル、先読み判定テーブル、大当たり遊技制御テーブル、当たり判定テーブル、普図変動パターン判定テーブル、補助遊技制御テーブルなどが格納されている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。また、遊技用RAM104には、前述した特図保留記憶部105や普図保留記憶部106などが設けられている。
【0063】
また、主制御基板100には、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート部118、および、遊技用RAM104に記憶されている情報を遊技用CPU102にクリアさせるためのRAMクリアスイッチ119が実装されている。
【0064】
主制御基板100には、所定の中継基板(図示なし)を介して各種センサ類やソレノイド類が接続されている。そのため、主制御基板100には、各種センサ類が出力した信号が入力する。また、主制御基板100は、各種ソレノイド類に信号を出力する。
【0065】
主制御基板100に接続されている各種センサ類には、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、一般入賞口センサ10a、ゲートセンサ13a、第1大入賞口センサ14a、第2大入賞口センサ15a、特定領域センサ16aおよび非特定領域センサ17aが含まれている。
【0066】
第1始動口センサ11aは、第1始動口11に入賞した遊技球を検知する。第2始動口センサ12aは、第2始動口12に入賞した遊技球を検知する。一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10に入賞した遊技球を検知する。ゲートセンサ13aは、ゲート13に設けられておりゲート13を通過した遊技球を検知する。第1大入賞口センサ14aは、第1大入賞口14に入賞した遊技球を検知する。第2大入賞口センサ15aは、第2大入賞口15に入賞した遊技球を検知する。特定領域センサ16aは特定領域16を通過(特定領域16に進入)した遊技球を検知する。非特定領域センサ17aは、非特定領域17を通過(非特定領域17に進入)した遊技球を検知する。各センサは、遊技球を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板100に出力する。
【0067】
なお、主制御基板100に接続されるセンサの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0068】
また、主制御基板100に接続されている各種アクチュエータ類には、電チューソレノイド12s、第1大入賞口ソレノイド14s、第2大入賞口ソレノイド15sおよび振分ソレノイド16sが含まれている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動する。第1大入賞口ソレノイド14sは、第1大入賞装置14Dの通常AT開閉部材14kを駆動する。第2大入賞口ソレノイド15sは、第2大入賞装置15DのVAT開閉部材15kを駆動する。振分ソレノイド16sは、振分装置16Dの振分部材16kを駆動する。
【0069】
なお、主制御基板100に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0070】
さらに主制御基板100には、表示器類8(特図表示器81、普図表示器82および特図保留表示器83)が接続されている。これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
【0071】
また、主制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドを送信するとともに、払い出しの監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。なお、発射装置72には、ハンドル72k(
図1参照)が含まれる。
【0072】
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73の賞球モータ73mを駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のための賞球センサ73aにより検知されて、賞球センサ73aによる検知信号が払出制御基板170に出力される。
【0073】
また、発射装置72には、遊技者などの人のハンドル72k(
図1参照)への接触を検知可能なタッチスイッチ72aが設けられている。遊技者によるハンドル72kの操作があった場合には、タッチスイッチ72aが遊技者のハンドル72kへの接触を検知し、検知信号を払出制御基板170に出力する。また、発射装置72には、ハンドル72kの回転角度(操作量)を検出可能な発射ボリュームつまみ72bが接続されている。発射装置72は、発射ボリュームつまみ72bが検出したハンドル72kの回転角度に応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド72sを駆動させる。なお、パチンコ遊技機PY1においては、ハンドル72kへの回転操作が維持されている状態では、約0.6秒毎に1球の遊技球が発射されるようになっている。
【0074】
また、主制御基板100は、遊技の進行に応じて、サブ制御基板120に対し、遊技に関する情報を含んだ各種コマンドを送信する。サブ制御基板120は、主制御基板100から送られる各種コマンドに基づいて、主制御基板100による遊技の進行状況(遊技の制御内容)を把握することができる。なお、主制御基板100とサブ制御基板120との接続は、主制御基板100からサブ制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板100とサブ制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
【0075】
図8に示すように、サブ制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン121には、主制御基板100による遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、および、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122が含まれている。
【0076】
また、演出用ROM123には、後述するサブ制御メイン処理、受信割り込み処理、1msタイマ割り込み処理、および、10msタイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
【0077】
また、サブ制御基板120には、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート部138、および、RTC(Real Time Clock)139が実装されている。RTC139は、現時点の日時(日付および時刻)を計測する。RTC139は、パチンコ遊技機PY1に、所定の島電源供給装置(図示なし)から電力が供給されているときにはその電力によって動作し、島電源供給装置から電力が供給されていないときには、電源基板190が備えるバックアップ電源回路192から供給される電力によって動作する。このため、RTC139は、パチンコ遊技機PY1の電源が投入されていないときにも現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC139に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板120に設けてもよい。バックアップ電源回路には、コンデンサや内蔵電池(ボタン電池等)を含む回路を採用することができる。
【0078】
サブ制御基板120には、画像制御基板140が接続されている。サブ制御基板120の演出制御用マイコン121は、主制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板100による遊技の進行に応じて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の表示制御を行わせる。なお、サブ制御基板120と画像制御基板140とは、サブ制御基板120から画像制御基板140への信号の送信と、画像制御基板140からサブ制御基板120への信号の送信との双方が可能な双方向通信接続になっている。
【0079】
また、画像制御基板140は、画像制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、および、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。さらに、画像表示装置50に表示される画像のデータを記憶したCGROM145、CGROM145に記憶されている画像データの展開等に使用されるVRAM146、および、VDP(Video Display Processor)144を備えている。勿論、これらの電子部品の全部又は一部がワンチップで構成されていてもよい。CGROM145には、例えば、画像表示装置50に表示される画像を表示するための画像データ(静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データ)が格納されている。
【0080】
VDP144は、演出制御用マイコン121からの指令に基づき画像用CPU141によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM145から画像データを読み出してVRAM146内の展開領域に展開する。そして、展開した画像データを適宜合成してVRAM146内のフレームバッファに画像を描画する。そして、フレームバッファに描画した画像をRGB信号として画像表示装置50に出力する。これにより、種々の演出画像が表示部50aに表示される。
【0081】
なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されている。このディスプレイリストには、描画する画像の種類、画像を描画する位置、表示の優先順位、表示倍率、画像の透過率等の種々のパラメータの情報が含まれている。
【0082】
演出制御用マイコン121は、主制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板100による遊技の進行に応じて、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声、楽曲、効果音等を出力する。
【0083】
スピーカ52から出力する音声等の音声データは、サブ制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御回路161を、基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装し、そのROMに音声データを格納してもよい。また、スピーカ52を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音声データを格納してもよい。
【0084】
また、サブ制御基板120には、所定の中継基板(図示なし)を介して、入力部となる各種スイッチ類、駆動源となる各種アクチュエータ類、各種ランプ類が接続されている。サブ制御基板120には、各種スイッチ類が出力した信号が入力する。また、サブ制御基板120は、各種アクチュエータ類に信号を出力する。また、サブ制御基板120は、主制御基板100から受信したコマンドなどに基づいて、ランプ制御回路151を介して各種ランプ類の点灯制御を行う。
【0085】
サブ制御基板120に接続されている各種スイッチ類には、半球型ボタン検出スイッチ40aおよび剣型ボタン検出スイッチ41aが含まれている。半球型ボタン検出スイッチ40aは、半球型ボタン40が押下操作されたことを検出する。剣型ボタン検出スイッチ41aは、剣型ボタン41が押下操作されたことを検出する。各検出スイッチ40a,41aは、検出内容に応じた信号をサブ制御基板120に出力する。
【0086】
なお、サブ制御基板120に接続されるスイッチの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0087】
サブ制御基板120に接続された各種アクチュエータ類には、左枠可動体モータ58Lm、右枠可動体モータ58Rm、盤前上可動体モータ55Um、盤前下可動体モータ55Dm、盤後上可動体モータ56Um、盤後下可動体モータ56Dmおよびロゴ可動体モータ57mが含まれている。左枠可動体モータ58Lmは、左枠可動装置58Lを駆動して、所定の動作を行わせることが可能である。右枠可動体モータ58Rmは、右枠可動装置58Rを駆動して、所定の動作を行わせることが可能である。盤前上可動体モータ55Umは、盤前上可動体55ULk,55URkを駆動して、それぞれ所定の動作を行わせることが可能である。盤前下可動体モータ55Dmは、盤前下可動体55Dkを駆動して、表示部50a上をスライドさせることが可能である。盤後上可動体モータ56Umは、盤後上可動体56Ukを駆動して、表示部50a上をスライドさせることが可能である。盤後下可動体モータ56Dmは、盤後下可動体56Dkを駆動して、表示部50a上をスライドさせることが可能である。ロゴ可動体モータ57mは、ロゴ可動体57kを駆動して所定の動作を行わせることが可能である。詳細には演出制御用マイコン121は、盤前上可動体55ULk,55URk、盤前下可動体55Dk、盤後上可動体56Ukおよび盤後下可動体56Dkの動作態様を決める動作パターンデータを作成し、ランプ制御回路151を介して、盤前上可動体55ULk,55URk、盤前下可動体55Dk、盤後上可動体56Ukおよび盤後下可動体56Dkの動作を制御する。また、演出制御用マイコン121は、ロゴ可動体57kの動作態様を決める動作パターンデータを作成し、ランプ制御回路151を介して、ロゴ可動体57kの動作を制御する。
【0088】
なお、サブ制御基板120に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0089】
サブ制御基板120に接続された各種ランプ類には、枠ランプ53(左枠発光装置53L、右枠発光装置53R)および盤ランプ54(盤後上点発光装置54Ua、盤後上面発光装置54Ub、盤後下点発光装置54Da、盤後下面発光装置54Db)が含まれる。詳細には演出制御用マイコン121は、枠ランプ53および盤ランプ54の発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ53および盤ランプ54の発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
【0090】
なお、ランプ制御回路151を基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに、枠ランプ53および盤ランプ54等の点灯制御、および、盤前可動装置55、盤後可動装置56、ロゴ役物装置57および枠可動装置58等の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装して、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。また、サブ制御基板120に接続されるランプの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0091】
3.遊技機による主な遊技
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な遊技について、
図9~
図16を用いて説明する。
【0092】
3-1.普図に関わる遊技
最初に、普図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を行う。普図抽選を行うと、普図表示器82において、普図の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行う。ここで、停止表示される普図には、当たり図柄とハズレ図柄とがある。なお、普図のハズレ図柄については、後述する特図のハズレ図柄と区別をするために「ハズレ普図」ともいう。当たり図柄が停止表示されると補助遊技が実行されて、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。一方、ハズレ普図が停止表示されると、補助遊技は行われず、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。また、以下において、普図の可変表示、又は、補助遊技が行われていないときに遊技球がゲート13を通過することを「普図変動始動条件の成立」という。
【0093】
パチンコ遊技機PY1は、このような一連の遊技(普図抽選、普図の可変表示、補助遊技)を行うにあたり、普図変動始動条件の成立により、普図関係乱数を取得する。取得する普図関係乱数には、
図9(A)に示すように、普通図柄乱数がある。普通図柄乱数は当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。
【0094】
3-1-1.当たり判定
当たり判定は、
図10(A)に示すような当たり判定テーブルを用いて、当たりか否か(補助遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。当たり判定テーブルは、後述する遊技状態に関連付けることが可能である。すなわち、当たり判定テーブルには、非時短状態で用いる当たり判定テーブル(非時短用当たり判定テーブル)と、時短状態で用いる当たり判定テーブル(時短用当たり判定テーブル)とがある。各当たり判定テーブルでは、当たり判定の結果である当たりとハズレに、普通図柄乱数の判定値(普通図柄乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した普通図柄乱数を当たり判定テーブルに照合して、当たりかハズレかの当たり判定を行う。そして、当たり判定の結果に基づいて、普図の可変表示を行うための普図変動パターン判定を行う。当たり判定の結果が当たりであると、基本的には、普図の可変表示で当たり図柄が停止表示される。一方、当たり判定の結果がハズレであると、基本的には、普図の可変表示でハズレ普図が停止表示される。また、当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。
【0095】
3-1-2.普図変動
普図変動パターン判定は、
図10(B)に示すような普図変動パターン判定テーブルを用いて、普図変動パターンを決定するための判定である。普図変動パターンとは、普図変動時間などの普図の可変表示に関する所定事項に関する識別情報である。
【0096】
普図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。すなわち、普図変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(非時短普図変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(時短普図変動パターン判定テーブル)とがある。
【0097】
各普図変動パターン判定テーブルには、普図変動パターン判定の結果である普図変動パターンが、停止される普図毎に1つ格納されている。すなわち、パチンコ遊技機PY1は、非時短状態においてと時短状態においてとで、普図変動時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態においては、ハズレの普図(ハズレ普図)を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば30秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば30秒となる普図変動パターンに決定する。また、時短状態においては、ハズレ普図を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば5秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば5秒となる普図変動パターンに決定する。この判定で決定された普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間の普図の可変表示が、普図表示器82で行われる。また、これら普図変動時間については、適宜に変更することが可能である。このように、当たり判定、および、普図変動パターン判定が行われることによって、普図表示器82において普図の可変表示が行われる。
【0098】
3-1-3.補助遊技
補助遊技は、普図の可変表示で、表示結果(普図抽選の結果)として、当たり図柄が停止表示(導出)されると実行される。
【0099】
補助遊技を構成する要素(補助遊技構成要素)、すなわち、電チュー12Dが開放する回数、および各開放についての開放時間などの様々な要素が含まれている。そして、これらの各要素は、遊技状態(非時短状態/時短状態)に対応付けられている。パチンコ遊技機PY1は、遊技状態(非時短状態/時短状態)に基づいて、
図10(C)に示すような補助遊技制御テーブルを用いて補助遊技を制御する。補助遊技制御テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に対応付けられている。各補助遊技制御テーブルには、補助遊技構成要素が格納されている。また、これらの各要素における開放回数や開放時間については、適宜に変更することが可能である。
【0100】
パチンコ遊技機PY1は、非時短状態における補助遊技と時短状態における補助遊技とで、電チュー12Dの開放時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態における補助遊技では、第1の開放時間(遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが困難な時間(例えば0.08秒))だけ電チュー12Dを開放する。なお、以下において、非時短状態における補助遊技のことを「ショート開放補助遊技」ともいう。また、時短状態における補助遊技では、第1の開放時間よりも長い第2の開放時間(遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが容易な時間(例えば3.00秒))だけ電チュー12Dを開放する。なお、以下において、時短状態における補助遊技のことを「ロング開放補助遊技」ともいう。
【0101】
3-2.特図に関わる遊技
次に、特図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第1始動口11に入賞すると、特
図1抽選を行う。特
図1抽選が行われると、特
図1表示器81aにおいて、特
図1の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特
図1抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特
図1には、大当たり図柄およびハズレ図柄がある。すなわち、特
図1抽選の結果には大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると、大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
【0102】
同様に、パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第2始動口12に入賞すると、特
図2抽選を行う。特
図2抽選が行われると、特
図2表示器81bにおいて、特
図2の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特
図2抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特
図2には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特
図2抽選の結果には、大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
【0103】
なお、以下において、第1始動口11に遊技球が入賞することを「第1始動条件の成立」といい、第2始動口12に遊技球が入賞することを「第2始動条件の成立」という。また、「第1始動条件の成立」と「第2始動条件の成立」をまとめて「始動条件の成立」と総称する。また、特別図柄のハズレ図柄については、前述の普図のハズレ図柄と区別するために「ハズレ特図」ともいう。
【0104】
パチンコ遊技機PY1は、このような一連の遊技(特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、遊技状態の設定)を行うにあたり、始動条件の成立により、特図関係乱数を取得し、当該乱数について種々の判定を行う。取得する特図関係乱数には、
図9(B)に示すように、特別図柄乱数(大当たり乱数)、大当たり図柄種別乱数、リーチ乱数および特図変動パターン乱数がある。特別図柄乱数は大当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。大当たり図柄種別乱数は大当たり図柄種別判定を行うための乱数(判定情報)である。リーチ乱数はリーチ判定を行うための乱数(判定情報)である。特図変動パターン乱数は特別図柄の変動パターン判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。
【0105】
3-2-1.大当たり判定
大当たり判定は、
図11(A)に示すような大当たり判定テーブルを用いて、大当たりか否か(大当たり遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。大当たり判定テーブルは、遊技状態、詳細には、通常確率状態であるか高確率状態であるかに関連付けられている。すなわち、大当たり判定テーブルには、通常確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(通常確率用大当たり判定テーブル)と高確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(高確率用大当たり判定テーブル)とがある。
【0106】
各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たりおよびハズレに、特別図柄乱数の判定値(判定情報に相当、特別図柄乱数値ともいう)が振り分けられている。パチンコ遊技機PY1は、取得した特別図柄乱数を大当たり判定テーブルに照合して、大当たり、又は、ハズレの何れであるかを判定する。
図11(A)に示すように、高確率用大当たり判定テーブルの方が、通常確率用大当たり判定テーブルよりも、大当たりと判定される特別図柄乱数判定値が多く設定されている。また、大当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。
【0107】
3-2-2.大当たり図柄種別判定
大当たり図柄種別判定は、大当たり判定の結果が大当たりである場合に、
図11(B)に示すような大当たり図柄種別判定テーブルを用いて大当たり図柄の種別(大当たり図柄種別)を決定するための判定である。大当たり図柄の種別毎に、大当たりの内容、換言すれば、遊技者に付与される遊技特典などで構成される大当たりの構成要素を対応付けることが可能である。
【0108】
大当たり図柄種別判定テーブルは、可変表示される特別図柄の種別(特
図1/特
図2)、言い換えれば、当該大当たり図柄種別判定が起因する(当該大当たり図柄種別判定を発生させた)入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、大当たり図柄種別判定テーブルには、特
図1の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第1大当たり図柄種別判定テーブル)と特
図2の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第2大当たり図柄種別判定テーブル)とがある。
【0109】
大当たり図柄には複数種類の種別があり、各大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別判定の結果である大当たり図柄種別に、大当たり図柄種別乱数の判定値(大当たり図柄種別乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した大当たり図柄種別乱数を大当たり図柄種別判定テーブルに照合して、大当たり図柄の種別を判定する。そして、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。また、大当たり図柄種別の振分率については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり図柄の種別については、適宜に増加したり減少したりすることが可能である。
【0110】
例えば、
図11(B)に示すように、特
図1についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率を、大当たり図柄Aが50%、大当たり図柄Bが50%にし、特
図2についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率を、大当たり図柄Cが100%にすることが可能である。このように、第1始動口11に遊技球が入賞して行われる特
図1抽選と、第2始動口12に遊技球が入賞して行われる特
図2抽選とで、大当たり図柄種別の振分率を異ならせることが可能である。
【0111】
3-2-3.リーチ判定
リーチ判定は、大当たり判定の結果がハズレである場合に、
図11(C)に示すようなリーチ判定テーブルを用いて、後述する特図変動演出でリーチを発生させるか否かを決定するための判定である。
【0112】
リーチ判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。すなわち、リーチ判定テーブルには、非時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(非時短用リーチ判定テーブル)と時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(時短用リーチ判定テーブル)とがある。
【0113】
各リーチ判定テーブルでは、リーチ判定の結果である「リーチ有り(リーチを発生させる)」と「リーチ無し(リーチを発生させない)」に、リーチ乱数の判定値(リーチ乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得したリーチ乱数をリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しか(リーチを発生させる否か)を判定する。
図11(C)に示すように、非時短用リーチ判定テーブルと時短用リーチ判定テーブルとで、「リーチ有り(リーチを発生させる)」と判定されるリーチ乱数値の数を異ならせることが可能である。なお、以下において、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることを前提に行われる「リーチ有り(リーチを発生させる)」のことを「リーチ有りハズレ」といい、「リーチ無し(リーチを発生させない)」のことを「リーチ無しハズレ」ということもある。
【0114】
3-2-4.特図変動
特図変動パターン判定は、
図12~
図13に示すような特別図柄の変動パターン判定テーブル(特図変動パターン判定テーブル)を用いて、特図の可変表示の変動パターン(特図変動パターン)を決定するための判定であり、大当たり判定の結果が大当たり、およびハズレの何れの場合にも行われる。特図変動パターンとは、特図変動時間や後述する特図変動演出の演出フロー(演出内容)などに関する所定事項を識別するための識別情報である。なお、特図変動パターンには、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)の他、大当たり判定の結果とリーチ判定の結果に関する識別情報を含ませることが可能である。特図変動パターンとして、それぞれ識別情報が異なる複数種類の特図変動パターンを用いることが可能であり、その数は適宜に変更することが可能である。
【0115】
特図変動パターン判定テーブルは、判定対象となる可変表示を行う特別図柄の種別(特
図1/特
図2)、言い換えれば、当該特図変動パターン判定が起因する入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けることが可能である。すなわち、特図変動パターン判定テーブルには、特
図1の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特
図1変動パターン判定テーブル:
図12)と、特
図2の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特
図2変動パターン判定テーブル:
図13)とがある。
【0116】
そして、各特図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)にも関連付けることが可能である。すなわち、特
図1変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる特
図1変動パターン判定テーブル(非時短用特
図1変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる特
図1変動パターン判定テーブル(時短用特
図1変動パターン判定テーブル)とがある。一方、特
図2変動パターン判定テーブルについても同様に、非時短状態のときに用いられる特
図2変動パターン判定テーブル(非時短用特
図2変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特
図2変動パターン判定テーブル(時短用特
図2変動パターン判定テーブル)とがある。
【0117】
また、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルは、さらに、大当たり判定結果およびリーチ判定結果にも関連付けることが可能である。すなわち、非時短用特
図1変動パターン判定テーブルおよび非時短用特
図2変動パターン判定テーブルにはそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。同様に、時短用特
図1変動パターン判定テーブルおよび時短用特
図2変動パターン判定テーブルにもそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。
【0118】
さらに、各リーチ無しハズレ用の特
図1変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けることが可能である。例えば、特
図1保留数(U1)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特
図1変動パターン判定テーブルと、特
図1保留数(U1)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特
図1変動パターン判定テーブルとがある。また、各リーチ無しハズレ用の特
図2変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けられている。具体的には、特
図2保留数(U2)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特
図2変動パターン判定テーブルと、特
図2保留数(U2)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特
図2変動パターン判定テーブルとがある。
【0119】
そして、各特図変動パターン判定で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間の特図の可変表示が、特図表示器81で行われる。そして、特図の可変表示で、表示結果(特図抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、即座に次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。
【0120】
また、各特図変動パターンには、
図12~
図13の表の右から2番目の欄に示すような特図変動演出の演出フローに関連付けることが可能である。
【0121】
なお、
図12~
図13の表の一番右の欄に示すように、特図変動パターンについて、特図(大当たり判定結果)および特図変動演出の演出内容などに関連付けて名称を付すことがある。例えば、大当たりに係る特図変動パターンのことを「大当たり変動」という。一方、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SPハズレ変動」、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるLリーチが行われる特図変動パターンのことを「Lハズレ変動」、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるNリーチで特図変動演出が終わる特図変動パターンのことを「Nハズレ変動」、リーチ無しハズレに係る特図変動パターンのことを「通常ハズレ変動」という。
【0122】
3-2-5.先読み判定
パチンコ遊技機PY1は、取得した特図関係乱数に基づいて、
図14に示すような先読み判定テーブルを用いて先読み判定を行う。先読み判定には、例えば、特別図柄乱数が大当たり判定で大当たりと判定されるか否かの判定、大当たり図柄種別乱数が大当たり図柄種別判定で何れの大当たり図柄の種別に決定されるかの判定、特図変動パターン乱数が特図変動パターン判定で何れの特図変動パターンに決定されるかの判定、などがある。先読み判定テーブルは、その始動入賞に係る始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けることが可能である。すなわち、先読み判定テーブルには、第1始動口11に入賞した場合の先読み判定テーブル(第1先読み判定テーブル)と、第2始動口12に入賞した場合の先読み判定テーブル(第2先読み判定テーブル)とがある。
【0123】
また、先読み判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)にも関連付けることが可能である。すなわち、先読み判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる先読み判定テーブル(非時短用先読み判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる先読み判定テーブル(時短用先読み判定テーブル)とがある。
【0124】
つまり、先読み判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、時短状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、非時短状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、時短状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルとがある。なお、先読み判定にどのような判定を含ませるかは適宜に変更可能である。
【0125】
3-3.大当たり遊技
次に、大当たり遊技について説明する。大当たり遊技は、大入賞口(第1大入賞口14および第2大入賞口15)の開閉を伴う複数回のラウンド遊技と、大当たり遊技が開始してから初回のラウンド遊技が開始されるまでのオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了してから大当たり遊技が終了するまでのエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、オープニングの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はエンディングの開始によって終了する。また、OPやEDを設けないようすることが可能である。なお、以下において、所定回数目(所定の順番)のラウンド遊技を単に「ラウンド」という。例えば、初回(1回目)のラウンド遊技のことを「1ラウンド(1R)」といい、10回目のラウンド遊技のことを「10ラウンド(10R)」という。
【0126】
このような大当たり遊技を構成する要素(大当たり遊技構成要素)には、ラウンド遊技の回数、各回のラウンド遊技における大入賞口(第1大入賞口14および第2大入賞口15)の開放回数、各開放が行われる大入賞口の種別および開放時間(開放パターン)、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間)、オープニングの時間(オープニング時間)、およびエンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。パチンコ遊技機PY1は、特図の停止表示後、
図15に示すような大当たり遊技制御テーブルを用いて大当たり遊技を制御する。大当たり遊技制御テーブルには、大当たり遊技毎に大当たり遊技構成要素が格納されている。大当たり遊技として、1種類又は複数種類の大当たり遊技を制御することが可能である。
【0127】
例えば、
図15に示すように、1Rから15Rまでは、最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技、又は、最大で0.1秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技が行われる。そして、16R(最終ラウンド)では、最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技、又は、最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技が行われる。また、各ラウンド遊技では、予め定めた所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口センサ14a,15aによって検出されると、大入賞口14,15の最大開放時間が経過する前であっても、ラウンド遊技を終了させる。
【0128】
具体的に、
図15に示す大当たり遊技Aでは、最大で29.5秒間にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技が1Rから8Rまでのラウンド遊技として行われる。また、最大で0.1秒間にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技が9Rから15Rまでのラウンド遊技として行われる。さらに、最大で29.5秒間にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技が16Rのラウンド遊技として行われる。つまり、大当たり遊技Aは実質9Rの大当たり遊技となっている。
【0129】
また、大当たり遊技Bでは、最大で29.5秒間にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技が1Rから8Rまでのラウンド遊技として行われる。また、最大で0.1秒間にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技が9Rから15Rまでのラウンド遊技として行われる。さらに、最大で0.1秒間にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技が16Rのラウンド遊技として行われる。つまり、大当たり遊技Bは実質8Rの大当たり遊技となっている。
【0130】
さらに、大当たり遊技Cでは、最大で29.5秒間にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技が1Rから15Rまでのラウンド遊技として行われる。また、最大で29.5秒間にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技が16Rのラウンド遊技として行われる。つまり、大当たり遊技Cは実質16Rの大当たり遊技となっている。
【0131】
また、各要素における回数や時間については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり遊技を、第1大入賞口14および第2大入賞口15の両方を用いて行うことも一方だけを用いて行うことも可能である。
【0132】
ここで、特定領域16について詳細に説明する。特定領域16は、振分部材16kによって、入賞不可能な閉状態と、入賞可能な開状態とをとるので、振分部材16kの作動態様は、特定領域16の開閉態様ということができる。以下において、振分部材16kの作動態様のことを「特定領域16の開閉態様」ともいう。このように、振分部材16kが一定の作動態様(特定領域16が一定の開閉態様)で制御されるが、振分部材16kの一定の作動態様(特定領域16の一定の開閉態様)と、大当たり遊技における第2大入賞口15の開閉態様との組み合わせで、大当たり遊技において遊技球を特定領域16に進入させることの困難性(容易性)が設定されることになる。なお、以下において、特定領域16が開状態にあることを「V開放」ともいう。
【0133】
第2大入賞口の開放が開始してから15秒間、振分ソレノイド16sが通電され、振分部材16kが第2状態(
図4(B))に制御される。よって、最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技では、第2大入賞口15の開放時間およびタイミングと、振分部材16kの第2状態に制御されている時間およびタイミングとの関係から、遊技球が特定領域16を通過する(遊技球を特定領域16に進入させる)ことが容易である。一方、最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技では、第2大入賞口15の開放時間およびタイミングと、振分部材16kの第2状態に制御されている時間およびタイミングとの関係から、遊技球が特定領域16を通過する(遊技球を特定領域16に進入させる)ことはほぼ不可能(困難)である。このように、大当たり遊技には、当該大当たり遊技中に、遊技球の特定領域16の通過(以下、「V通過」ともいう)が容易な第1開放パターン(Vロング開放パターン)でVAT開閉部材15kおよび振分部材16kが作動する大当たり遊技と、遊技球の特定領域16の通過が不可能又は困難な第2開放パターン(Vショート開放パターン)でVAT開閉部材15kおよび振分部材16kが作動する大当たり遊技と、を実行することが可能である。このように、Vロング開放パターンでVAT開閉部材15kおよび振分部材16kが作動する大当たり遊技を「Vロング大当たり」という。一方、Vショート開放パターンでVAT開閉部材15kおよび振分部材16kが作動する大当たり遊技を「Vショート大当たり」という。
【0134】
すなわち、
図15に示す大当たり遊技Aおよび大当たり遊技Cは、上記Vロング大当たりであるのに対し、大当たり遊技Bは、Vショート大当たりである。従って、大当たり遊技Aおよび大当たり遊技Cの16Rのラウンド遊技では、開放する第2大入賞口15に入球する遊技球を特定領域16に進入させることが可能である。一方、大当たり遊技Bの16Rのラウンド遊技では、第2大入賞口15に遊技球を入球させることが困難であり、特定領域16に遊技球を進入させることが実質上不可能である。なお、本実施形態では、Vロング大当たりである大当たり遊技Cには、後述する2種類の大当たり遊技C(大当たり遊技C1,大当たり遊技C2)がある。
【0135】
3-4.遊技状態
次に、遊技状態について説明する。パチンコ遊技機PY1は、
図16に示すように「低確率低ベース遊技状態(低確低ベース状態)」、「低確率高ベース遊技状態(低確高ベース状態)」、「高確率低ベース遊技状態(高確低ベース状態)」、「高確率高ベース遊技状態(高確高ベース状態)」および「大当たり遊技状態」の何れかの遊技状態にすることが可能である。遊技状態を構成する状態として、大当たり判定において「大当たり」と判定される確率に係る状態と、電チュー12Dの開放の容易性に係る状態とがある。前者としては、通常確率状態と高確率状態とがある。一方、後者としては非時短状態と時短状態とがある。
【0136】
通常確率状態は、「低確率低ベース遊技状態」又は「低確率高ベース遊技状態」において設定され、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常の確率である状態である。高確率状態は、「高確率低ベース遊技状態」又は「高確率高ベース遊技状態」において設定され、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常確率より高い高確率である状態である。従って、高確率状態は通常確率状態よりも遊技者に有利な状態であるといえる。パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには通常確率状態が設定される。そして、大当たりに当選することによって通常確率状態から高確率状態に切り替えることが可能になる。例えば、大当たり遊技において遊技球が特定領域16を通過することによって高確率状態に切り替えることが可能である。また、大当たり図柄の種別によって高確率状態に切り替えることも可能である。高確率状態は、大当たりに当選することなく所定回数の大当たり判定が行われることや、次回の大当たりに当選することで、高確率状態から通常確率状態に切り替えることが可能である。
【0137】
非時短状態は、「低確率低ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」又は「大当たり遊技状態」において設定される。時短状態は、「低確率高ベース遊技状態」又は「高確率高ベース遊技状態」において設定され、非時短状態に比べて、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い遊技状態である。例えば、時短状態においては、非時短状態における電チュー12Dの開放時間(例えば0.08秒)よりも長い開放時間(例えば3.0秒)となる。また、時短状態では、特図変動時間の短い特図変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた特図変動パターン判定テーブルを用いて、特図変動パターン判定が行われるようにすることも可能である(
図12~
図13参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生し易くなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
【0138】
また、時短状態は、非時短状態に比べて、普図変動時間が短くなり易くすることが可能である。例えば、時短状態においては、非時短状態において決定される普図変動時間(30秒)よりも短い普図変動時間(5秒)が決定される。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおける普図抽選の実行回数が多い。
【0139】
また、時短状態は、非時短状態に比べて、当たり判定で当たりと判定され易くすることが可能である。例えば、時短状態では、非時短状態で当たりと判定される確率(例えば6600/65536)よりも高い確率(例えば59936/65536)で当たりと判定される。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおいて当たり判定で当たりと判定される回数が多い。
【0140】
このように時短状態では、非時短状態に比して、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12へ遊技球が頻繁に入賞し易くなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。よって、ベースの高い時短状態では、所持する遊技球を大きく減らすことなく大当たり当選を狙うことができる。従って、時短状態は非時短状態よりも遊技者に有利な状態であるといえる。
【0141】
パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには非時短状態が設定される。そして、例えば、大当たりに当選することによって時短状態が設定可能になる。時短状態は、大当たりに当選することなく所定回数の大当たり判定が行われることや、次回の大当たりに当選することで、時短状態から非時短状態に変更することが可能である。
【0142】
なお、時短状態では、非時短状態に比して、当たりに当選し易く、普図変動時間が短くなり易く、且つ、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い。普図に係る遊技について3つの点で、遊技者に有利に設定されている。しかし、この遊技者に有利に設定されている点はこれらの中の一部であってもよい。
【0143】
なお、パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入された後の遊技状態は、通常確率状態且つ非時短状態が設定される「低確率低ベース遊技状態」である。この遊技状態を「通常遊技状態」ともいう。なお、「大当たり遊技状態」では、当たり判定は行われるが大当たり判定は行われないため、大当たり遊技の開始に伴って、非時短状態が設定される。また、遊技状態については、前述した遊技状態の全てを用いることも一部だけを用いることも可能である。
【0144】
4.遊技機による主な演出
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な演出について、
図17~
図28を用いて説明する。
【0145】
4-1.演出モード
最初に、演出モードについて説明する。演出モードは、演出の区分(あるいは、上位概念的な属性)のことである。パチンコ遊技機PY1は、演出モードとして、客待ち演出モード、通常演出モード、確変演出モード、時短演出モードおよび大当たり演出モードを設定することが可能である。
【0146】
客待ち演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」および「高確率高ベース遊技状態」にて、特図変動演出が行われていないときに設定可能である。つまり、特図変動演出が行われていない待機状態であることを示す演出モードである。この客待ち演出モードが設定されているときに客待ち演出が行われる。客待ち演出では、例えば、
図17(A)に示すように、表示部50aにおいてパチンコ遊技機PY1を紹介する客待ちデモ動画G100が表示される。また、客待ちデモ動画G100が表示されているときに半球型ボタン40が操作された場合には、
図17(B)に示すように、パチンコ遊技機PY1の演出に関する設定を行うための設定画面G101が表示される。演出に関する設定には、スピーカ52から出力される音の音量設定、表示部50aの輝度設定、実行される演出の頻度設定等がある。
【0147】
通常演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」又は「高確率低ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能であり、非時短状態であることを示す演出モードである。通常演出モードには、例えば、
図18(A)に示すように、表示部50aにおいて昼間の山の景色を表す背景画像(昼間通常用背景画像G102)が表示される第1通常演出モードと、
図18(B)に示すように、表示部50aにおいて夕方の山の景色を表す背景画像(夕方通常用背景画像G103)が表示される第2通常演出モードと、
図18(C)に示すように、表示部50aにおいて夜間の山の景色を表す背景画像(夜間通常用背景画像G104)が表示される第3通常演出モードとがあり、大当たりに当選することなく1回、又は、複数回の特図変動演出が行われることを1つの条件として切り替えられる。さらに、第1~第3通常演出モードのそれぞれには、特図変動演出において、リーチが成立する前の通常前段演出モードと、リーチが成立した後の通常後段演出モードとがある。通常前段演出モードでは、表示部50aにおいて、昼間通常用背景画像G102、夕方通常用背景画像G103および夜間通常用背景画像G104の何れかが表示されるが、通常後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。また「高確率低ベース遊技状態」においてのみ設定される特殊演出モードを設けてもよい。
【0148】
確変演出モードは、「高確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能な演出モードであり、高確率状態且つ時短状態であることを示す演出モードである。確変演出モードでは、例えば、
図18(D)に示すように、表示部50aにおいて宇宙を表す背景画像(確変用背景画像G105)が表示される。さらに、確変演出モードには、特図変動演出において、リーチが成立する前の確変前段演出モードと、リーチが成立した後の確変後段演出モードとがある。確変前段演出モードでは、表示部50aにおいて、確変用背景画像G105が表示されるが、確変後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
【0149】
時短演出モードは、「低確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能な演出モードであり、通常確率状態且つ時短状態であることを示す演出モードである。時短演出モードでは、例えば、
図18(E)に示すように、表示部50aにおいて空を表す背景画像(時短用背景画像G106)が表示される。さらに、時短演出モードには、特図変動演出において、リーチが成立する前の時短前段演出モードと、リーチが成立した後の時短後段演出モードとがある。時短前段演出モードでは、表示部50aにおいて、時短用背景画像G106が表示されるが、時短後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
【0150】
大当たり演出モードは、「大当たり遊技状態」において大当たり遊技が行われているときに設定可能な演出モードであり、大当たり遊技が行われていることを示す演出モードである。大当たり演出モードでは、例えば、大当たり遊技におけるオープニング中には、
図19(A)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技の開始を示唆するオープニング画像G107や「右打ち」を促す右打ち画像G108が表示されるオープニング演出が行われる。大当たり遊技におけるラウンド中には、
図19(B)に示すように、表示部50aにおいて、ラウンド数を示すラウンド画像G109や払い出された賞球数を示唆する賞球数画像G110が表示されるラウンド演出が行われる。大当たり遊技におけるエンディング中には、
図19(C)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技後に設定される演出モードを示唆するエンディング画像G111や払い出された総賞球数を示唆する総賞球数画像G112が表示されるエンディング演出が行われる。
【0151】
なお、演出モードの種類については、適宜に変更、又は、追加することが可能である。
【0152】
4-2.特図変動演出
次に、特図変動演出(単に「変動演出」ともいう)について説明する。パチンコ遊技機PY1は、特図の可変表示が開始されると、特図の可変表示に係る特図変動パターンおよび特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果、リーチ判定結果、および、特図変動パターン判定結果)などに基づいて、特図変動演出を実行する。特図変動演出では、表示部50aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄の変動表示が行われる。演出図柄の変動表示では、演出図柄が変動した後に停止する。すなわち、特図変動時間、演出図柄の変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄の停止表示が行われる。そして、演出図柄の停止表示によって特図抽選の結果が報知される。
【0153】
なお、特図変動演出では、演出図柄の変動表示以外に、画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、各種可動装置55,56,57,58、半球型ボタン40、剣型ボタン41などの様々な演出装置を用いた演出を行うことが可能である。
【0154】
4-2-1.演出図柄表示領域
画像表示装置50の表示部50aには、
図20(A)に示すような、水平方向に略均等割りした3領域(左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2および右演出図柄領域50b3)を設けることができる。左演出図柄領域50b1は、特図変動演出における演出図柄の停止表示のときに左演出図柄(所定の演出図柄に相当)EZ1を表示する領域である。同様に、中演出図柄領域50b2および右演出図柄領域50b3は、中演出図柄(所定の演出図柄に相当)EZ2および右演出図柄(所定の演出図柄に相当)EZ3を表示する領域である。
【0155】
また、
図20(A)に示すように、表示部50aの上端部の左端(左上隅)の一区画に、小図柄領域50cを設けることが可能である。小図柄領域50cは、特図の可変表示が行われているときに左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3を変動表示する領域である。
【0156】
なお、
図20(A)において、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3および小図柄領域50cは二点鎖線で明示されているが、これは左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3および小図柄領域50cの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。
【0157】
4-2-2.通常変動
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出において、先ず通常変動を行うことが可能である。通常変動は、特図の可変表示が開始されたことを示唆する演出として機能する。
【0158】
特図の可変表示が開始されると、
図20(B)に示すように、その開始に伴って演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始されると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3の変動表示が開始される。そして、この特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ無しハズレの特図変動パターン(例えば、通常ハズレ変動)であると、リーチが発生することなく、特図の可変表示の終了(特図の停止表示)に伴って、リーチ無しハズレに特有なハズレ目(所謂「バラケ目」)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示が行われる。演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示に向けて、例えば、最初に
図20(C)に示すように、左演出図柄EZ1が上下方向略中央位置で仮停止し、次に
図20(D)に示すように、右演出図柄EZ3が上下方向略中央位置で仮停止し、さらに、
図20(E)に示すように、中演出図柄EZ2が上下方向略中央位置で仮停止する。そして、最後に、上下方向略中央位置で水平方向に並んだ状態で仮停止している演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が、
図20(F)に示すように、そのまま一斉に完全に停止し、停止が確定する(演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示が行われる)。仮停止していた演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がバラケ目で完全に停止するとき、すなわち、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示が行われるとき、3つの小図柄KZ1,KZ2,KZ3が、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3と同一のバラケ目で一斉に停止し、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の停止表示も行われる。
【0159】
なお、
図20の例では、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示が行われる際に、左演出図柄EZ1→右演出図柄EZ3→中演出図柄EZ2の順で演出図柄が仮停止したが、仮停止する態様はこれに限られず、適宜に設定することができる。
【0160】
一方、特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ有りハズレの特図変動パターン(例えば、Nハズレ変動)の場合には、前述のリーチ無しの場合と同様に、表示部50aにおいて、
図21(A)に示すように、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されていると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3が停止表示されている状態から、特図の可変表示が開始されて、
図21(B)に示すように、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始されると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3の変動表示が開始される。そして、例えば
図21(C)に示すように、数字「5」からなる左演出図柄EZ1が上下方向略中央位置で仮停止し、次に、
図21(D)に示すように、同一の数字「5」からなる右演出図柄EZ3が上下方向略中央位置で水平方向に並んで仮停止して、リーチになる(リーチが発生、又は、成立する)。演出図柄でリーチが成立しても、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3の変動表示は継続して行われている。
【0161】
なお、
図21の例では、リーチが成立する際に、左演出図柄EZ1→右演出図柄EZ3の順で演出図柄が仮停止したが、仮停止する態様はこれに限られず、適宜に設定することができる。また、リーチを構成する演出図柄の数字も「5」に限られない。また、仮停止する位置も上下方向略中央位置に限られない。また、リーチを構成する演出図柄が並ぶ方向も水平方向に限られず斜め方向など他の方向であってもよい。
【0162】
4-2-3.Nリーチ
パチンコ遊技機PY1は、通常変動の後にリーチが成立するとNリーチを行うことが可能である。Nリーチは、特図抽選の抽選結果が「大当たり」であった可能性があることを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
【0163】
リーチが成立すると、例えば、
図21(D)に示すように、その時点からNリーチが行われる。Nリーチでは、
図22(A)に示すように、リーチが成立した状態が所定時間(例えば、10秒)維持される。Nリーチが開始されると、
図22(B)に示すように、通常態様の高速で変動表示(スクロール)をしている中演出図柄EZ2が徐々に減速していく。
【0164】
特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ有りハズレの特図変動パターン(例えば、Nハズレ変動)であると、リーチが成立した状態から、中演出図柄EZ2が上下方向略中央位置で仮停止してハズレを示す演出図柄の停止表示が行われる。このとき、リーチが成立しているので、
図22(C-1)に示すように、リーチを構成する数字とは異なる数字(
図22(C-1)において「4」)からなる中演出図柄EZ2が仮停止する。そして、特図の可変表示の終了(特図の停止表示)に伴って、
図22(D-1)に示すように、仮停止状態が完全な停止状態になり、リーチ有りハズレに特有なハズレ目で左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3の停止表示が行われる。また、仮停止していた演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチ有りハズレに特有なハズレ目で完全に停止するとき、すなわち、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示が行われるとき、3つの小図柄KZ1,KZ2,KZ3が、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3と同一のリーチ有りハズレに特有なハズレ目で一斉に停止し、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の停止表示も行われる。
【0165】
一方、特図の可変表示の特図変動パターンが大当たりの特図変動パターン(例えば、N大当たり変動)であると、
図22(C-2)に示すように、例えば、リーチを構成する数字と同一の数字からなる中演出図柄EZ2が上下方向略中央位置で仮停止し、特図の可変表示の終了(特図の停止表示)に伴って、
図22(D-2)に示すように、仮停止状態が完全な停止状態になり、ゾロ目などの大当たりに特有な当たり目で左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3の停止表示が行われる。また、仮停止していた演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりに特有な当たり目で完全に停止するとき、すなわち、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示が行われるとき、3つの小図柄KZ1,KZ2,KZ3が、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3と同一の大当たりに特有な当たり目で一斉に停止し、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の停止表示も行われる。Nリーチの内容は、適宜に変更、又は、追加することが可能である。
【0166】
4-2-4.SPリーチ
パチンコ遊技機PY1は、Nリーチの後にSPリーチを行うことが可能である。SPリーチは、特図抽選の抽選結果が「大当たり」であった可能性が、Nリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
【0167】
Nリーチの後に、例えば、
図24(A)に示すように、表示部50aにSPリーチ専用の背景画像(SPリーチ用背景画像G113)が表示され、敵キャラクタAが出現し、
図24(B)に示すように、主人公キャラクタと敵キャラクタAが対峙しているシーンが表示される。そして、
図24(C)に示すように、表示部50aの中央にSPリーチが開始されたことを表す画像(SPリーチ開始タイトル画像)G1が表示される。SPリーチ開始タイトル画像G1は、SPリーチのタイトルを表すタイトル画像G11「
図24(C)において「敵Aを撃破せよ!」」と、タイトル画像G11を引き立てるエフェクト画像G12とで構成される。
【0168】
そして、SPリーチにおけるバトルがさらに進み、
図25(A)に示すように、SPリーチ用背景画像G113にて、特別状態に変身した主人公キャラクタの横顔のアップが表示され、
図25(B)に示すように、敵キャラクタAの横顔のアップが表示されると、
図25(C)に示すように、両者の剣が差し違えようとし、主人公キャラクタと敵キャラクタAとのバトルに決着がつこうとする場面を迎える。この場面は、バトルで主人公キャラクタが勝利するか敗北するかの分岐点(勝敗分岐点)を構成する。そして、この勝敗分岐点後、特図の可変表示の特図変動パターンが大当たりの特図変動パターン(例えば、SP大当たり変動)であると、
図27(A)に示すように、表示部50aに、バトルに勝利して仁王立ちしている特別状態の主人公キャラクタが表示されると共に、スピーカ52から所定の効果音が出力される。このとき、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3は大当たりを示す態様で仮停止表示している。このように、バトルに勝利して仁王立ちしている特別状態に変身した主人公キャラクタの表示と、所定の効果音の出力とが、大当たりを報知する演出(大当たり報知演出)を構成する。その後、
図27(B)に示すように、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3および小図柄KZ1,KZ2,KZ3の停止表示が行われる。
【0169】
一方、勝敗分岐点後、特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ有りハズレの特図変動パターン(例えば、SPハズレ変動)であると、大当たり報知演出が行われることなく、SPリーチ用背景画像G113にて、主人公キャラクタがバトルに敗北する映像が流れるハズレ報知演出が行われる。そして、例えば
図22(C-1)に示すように、ハズレ目で演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の仮停止表示が行われ、
図22(D-1)に示すように、そのままハズレ目で演出図柄EZ1、EZ2、EZ3および小図柄KZ1,KZ2,KZ3の停止表示が行われる。SPリーチの内容は、キャラクタ同士がバトルする内容に限られず、適宜に変更、又は、追加することが可能である。
【0170】
ここで、各リーチに対する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示す態様で停止される可能性(大当たり期待度)について詳細に説明する。各リーチに対する大当たり期待度は、特図抽選の抽選結果に基づく実行確率によって定められる。例えば、Nリーチの実行確率を、特図抽選の抽選結果が「ハズレ」の場合には10%とし、特図抽選の抽選結果が「大当たり」の場合には100%とした場合、SPリーチの実行確率を、特図抽選の抽選結果が「ハズレ」の場合には4%とし、特図抽選の抽選結果が「大当たり」の場合には100%とすれば、SPリーチの大当たり期待度を、Nリーチの大当たり期待度よりも高く設定することが可能である。また、SPリーチとしてSPリーチAとSPリーチBとを実行可能にし、SPリーチAの実行確率を、特図抽選の抽選結果が「ハズレ」の場合には2%とし、特図抽選の抽選結果が「大当たり」の場合には20%とした場合、SPリーチBの実行確率を、特図抽選の抽選結果が「ハズレ」の場合には2%とし、特図抽選の抽選結果が「大当たり」の場合には30%とすれば、SPリーチBの大当たり期待度を、SPリーチAの大当たり期待度よりも高く設定することが可能である。このように、特図抽選の抽選結果に応じた実行確率を適宜に設定することで、大当たり期待度を設定することが可能である。
【0171】
4-3.保留アイコン表示領域
画像表示装置50の表示部50aには、
図28(A)に示すように、4つの表示領域からなる保留アイコン表示領域50dを設けることが可能である。保留アイコン表示領域50dは、第1表示領域50d1、第2表示領域50d2、第3表示領域50d3および第4表示領域50d4で構成され、特
図1保留数、又は、特
図2保留数に応じて、各表示領域50d1,50d2,50d3,50d4に、保留アイコンHAを表示することが可能である。例えば、特
図1保留数が「1」の場合には、第1表示領域50d1に保留アイコンHAが表示され、特
図1保留数が「2」の場合には、第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示される。
【0172】
また、保留アイコン表示領域50dの近傍に、
図28(A)に示すように、1つの表示領域からなる当該アイコン表示領域50eを設けることが可能である。当該アイコン表示領域50eは、特図変動演出が開始されることに応じて、保留アイコンHAと同じ、又は、異なる当該アイコンTAを表示することが可能である。
【0173】
なお、保留アイコン表示領域50dを構成する表示領域の数については、適宜に変更することが可能である。また、保留アイコン表示領域50dを、特
図1保留数および特
図2保留数の両方を表示する表示領域とすることも一方だけを表示する表示領域とすることも可能である。
【0174】
4-3-1.保留演出
パチンコ遊技機PY1は、遊技球が第1始動口11、又は、第2始動口12に入賞することに応じて、保留演出を行うことが可能である。保留演出は、特
図1保留、又は、特
図2保留の数を遊技者に報知することが可能である。
【0175】
例えば、特
図1保留数が「0」のときに遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図変動演出が開始され、
図28(B)に示すように、当該アイコン表示領域50eに当該アイコンTAが表示される。そして、特図変動演出中に更に2個の遊技球が第1始動口11に入賞すると、
図28(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示され、特
図1保留数が「2」であることが遊技者に報知される。その後、特図変動演出が終了し、新たな特図変動演出が開始されると、
図28(D)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1に表示されていた保留アイコンHAが、当該アイコン表示領域50eに移動して当該アイコンTAとして表示され、保留アイコン表示領域50dの第2表示領域50d2に表示されていた保留アイコンHAが、第1表示領域50d1に移動して表示され、特
図1保留数が「1」であることが遊技者に報知される。
【0176】
4-4.予告演出
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出中の任意のタイミングで予告演出を行うことが可能である。予告演出は、画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、可動装置55,56,57,58、入力装置40,41等を用いた演出であり、大当たり判定の結果や特図変動パターン判定の結果を示唆することが可能である。
【0177】
4-4-1.可動体演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、可動装置55,56,57,58を用いた可動体演出を行うことが可能である。可動体演出は、可動装置55,56,57,58を作動させる演出であり、その後に行われる演出(例えばSPリーチ)への発展などを事前に示唆することが可能である。
【0178】
例えば、特図変動パターン判定の結果がSP大当たり変動、又は、SPハズレ変動であった場合、NリーチからSPリーチに発展する際に、
図23(A)に示すように、まず盤前可動装置55が作動して、盤前上左可動体55ULk、盤前上右可動体55URkおよび盤前下可動体55Dkが合体して、表示部50aに表示されている通常状態の主人公キャラクタを覆う。そして、
図23(B)に示すように、盤後可動装置56が作動して、盤後上可動体56Ukおよび盤後下可動体56Dkが合体して、表示部50aに表示されている通常状態の主人公キャラクタと、合体して一体化している盤前上左可動体55ULk、盤前上右可動体55URkおよび盤前下可動体55Dkとの間に入り込み、通常状態の主人公キャラクタを覆う。そして、
図23(C)に示すように、一旦、盤前上左可動体55ULk、盤前上右可動体55URkおよび盤前下可動体55Dkが通常の待機状態(初期位置)に戻る。このとき、表示部50aの全域では、消灯しているように黒い画像が表示(ブラックアウト)され、SPリーチに発展することが示唆される。
【0179】
その後、
図23(D)に示すように、再び、盤前可動装置55が作動して、盤前上左可動体55ULk、盤前上右可動体55URkおよび盤前下可動体55Dkが合体し、合体して一体化している盤後上可動体56Ukおよび盤後下可動体56Dkを覆う。そして、
図23(E)~
図23(F)に示すように、盤前可動装置55と盤後可動装置56とが通常の待機状態(初期位置)に戻ってSPリーチに発展する。この可動体演出は、発展演出の一例である。
【0180】
なお、可動体演出については、SPリーチへの発展示唆に限られず、適宜に変更、又は、追加することが可能である。また、可動体演出における可動装置の作動内容は、適宜に変更、又は、追加することが可能である。また、演出が発展しない場合(例えばNリーチハズレ変動の場合)に、所謂ガセ演出として、可動体演出を行うようにすることも可能である。
【0181】
4-4-2.操作演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、半球型ボタン40や剣型ボタン41を用いた操作促進演出および半球型ボタン40や剣型ボタン41の操作に応じた操作結果演出を含む操作演出を行うことが可能である。操作演出は、遊技者が半球型ボタン40や剣型ボタン41を操作する演出であり、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示す態様で停止することを示唆することが可能である。
【0182】
例えば、
図25(C)に示すように、SPリーチにおいて、剣型ボタン41の押下操作が有効な期間(剣型ボタン操作有効期間)が発生し、この剣型ボタン操作有効期間の発生に伴って、
図26(A)に示すように、剣型ボタン41の操作を促す演出(剣型ボタン操作促進演出)が行われる。剣型ボタン操作促進演出において、表示部50aに、剣型ボタン操作促進画像G3が表示される。剣型ボタン操作促進画像G3は、剣型ボタン41を表す画像(剣型ボタン画像)G31と、剣型ボタン41の操作態様(すなわち、押下操作)を表す画像(押下操作画像)G32と、剣型ボタン41の操作に係る操作有効期間(剣型ボタン操作有効期間)の残り時間を表す画像(操作有効期間残り時間画像)G33と、を含む。なお、操作有効期間残り時間画像G33は、おおむね曲線状のプログレスバーからなり、時間の経過に伴って、遊技者が操作有効期間の残り時間を容易に理解できるように変化する。
図26(B)は、剣型ボタン操作有効期間が発生して、剣型ボタン操作有効時間の1/3の時間が経過した様子を表している。
【0183】
その後、大当たり判定の結果が「大当たり」であった場合には、剣型ボタン操作有効期間において剣型ボタン41が押下操作された後、又は、剣型ボタン操作有効期間において剣型ボタン41が操作されることなく操作有効期間の残り時間がなくなった後、特図の可変表示が終了する前に、操作結果演出(大当たり示唆演出)が行われる。この操作結果演出とは、具体的には、
図26(C)に示すように、盤前可動装置55が作動して、盤前上左可動体55ULk、盤前上右可動体55URkおよび盤前下可動体55Dkが合体するとともに、盤後可動装置56が作動して、盤後上可動体56Uk、盤後下可動体56Dkが合体して、これらが一体化する演出である。一方、大当たり判定の結果が「ハズレ」であった場合には、剣型ボタン操作有効期間において剣型ボタン41が押下操作されても、又は、剣型ボタン41が押下操作されることなく演出ボタン操作有効期間の残り時間がなくなっても、特図の可変表示が終了する前に、盤前可動装置55および盤後可動装置56が作動しない操作結果演出(ハズレ示唆演出)が行われる。
【0184】
なお、操作結果演出については、盤前可動装置55や盤後可動装置56の作動に限られず、適宜に変更、又は、追加することが可能である。また、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合に、所謂ガセ演出として、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合と同じ操作結果演出を行うようにすることも可能である。
【0185】
4-4-3.先読み演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、特図抽選が行われていない特
図1保留、又は、特
図2保留に対する先読み演出を行うことが可能である。先読み演出は、特
図1保留、又は、特
図2保留に対する特図抽選の抽選結果を事前に示唆することが可能である。
【0186】
例えば、特
図1保留に対する先読み判定の結果が「大当たり」の場合、
図28(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dに通常は「〇」で表示される保留アイコンHAを「☆」で表示する。
【0187】
なお、先読み演出は、特
図1保留および特
図2保留の両方、又は、一方に対して行うことが可能である。また、保留アイコンHAの表示態様の変化に限られず、適宜に変更、又は、追加することが可能である。また、先読み判定の結果が「ハズレ」の場合に、所謂ガセ演出として、先読み判定の結果が「大当たり」の場合と同じ先読み演出を行うようにすることも可能である。
【0188】
5.遊技制御用マイコン101による遊技の制御
次に
図29~
図30に基づいて遊技制御用マイコン101による遊技の制御について説明する。なお、以下において説明する遊技制御用マイコン101による遊技の制御において登場するカウンタ、タイマ、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。
【0189】
[1.主制御メイン処理]
主制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、遊技用ROM103から
図29に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず、電源投入時処理(S001)を行う。電源投入時処理では、遊技用RAM104へのアクセスの許可設定、遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定等が行われる。
【0190】
電源投入時処理に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、
図9(A)および
図9(B)に示した種々の乱数のカウンタ値を1加算して更新する。各乱数のカウンタ値は上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数のカウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数のうちの少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
【0191】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、メイン側タイマ割り込み処理(S005)は4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による種々の乱数のカウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
【0192】
[2.メイン側タイマ割り込み処理]
次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。
図30に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板120や払出制御基板170等に出力する。
【0193】
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、遊技制御用マイコン101は、例えば、下皿35の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号を取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
【0194】
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、
図29の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。すなわち、
図9(A)および
図9(B)に示した各種乱数のカウンタ値の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
【0195】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、遊技制御用マイコン101は、センサ検出処理(S104)を行い、続いて普通動作処理(S105)を行い、さらに特別動作処理(S106)を行う。センサ検出処理、普通動作処理および特別動作処理については後述する。
【0196】
特別動作処理(S106)に次いで、振分装置16Dを制御するための振分装置制御処理を行う(S107)。
【0197】
次に、遊技制御用マイコン101は、その他の処理(S108)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S108)としては、電源が断たれる際の電源断監視処理、遊技用RAM104に設けられているタイマの更新などが行われる。また、その他の処理(S108)として、遊技者に賞球を払い出す払出制御処理が行われる。払出制御処理では、各入賞口への遊技球の入賞に応じて、賞球要求信号を払出制御基板170に送信する。つまり、払出制御基板170は、賞球要求信号に基づいて、賞球を払い出す。
【0198】
そして、遊技制御用マイコン101は、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002~S004の処理を繰り返し実行し(
図29参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)を実行する。遊技制御用マイコン101は、再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)において、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にて遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等を出力する。
【0199】
[2-1.センサ検出処理]
センサ検出処理(S104)では、一般入賞口センサ処理、ゲートセンサ処理、第2始動口センサ処理、第1始動口センサ処理、第1大入賞口センサ処理、第2大入賞口センサ処理、特定領域センサ処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
【0200】
一般入賞口センサ処理では、一般入賞口センサ10aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じて、一般入賞口センサ用コマンドを生成する。
【0201】
ゲートセンサ処理では、ゲートセンサ13aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、普通図柄乱数カウンタのカウンタ値が示す普通図柄乱数を取得し、取得した普通図柄乱数を、遊技用RAM104に設けられた普図保留記憶部106に記憶する。なお、普図保留記憶部106に普通図柄乱数が所定数(例えば4個)記憶されている場合には、新たに取得された普通図柄乱数は記憶されない。また、当該処理の結果に応じて、ゲートセンサ用コマンドを生成する。
【0202】
第2始動口センサ処理では、第2始動口センサ12aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、特別図柄乱数カウンタ、大当たり図柄種別乱数カウンタ、リーチ乱数カウンタおよび特図変動パターン乱数カウンタからなる特
図2関係乱数を取得し、取得した特
図2関係乱数を、遊技用RAM104に設けられた特
図2保留記憶部105bに記憶する。特
図2保留記憶部105bは、第1領域から第n領域まで(nは2以上の整数)の複数の記憶領域があり、取得された特
図2関係乱数は、第1領域から順に記憶される。なお、第n領域まで特
図2関係乱数が記憶されている場合には、新たに取得された特
図2関係乱数は記憶されない。また、取得した特
図2関係乱数と第2先読み判定テーブル(
図14参照)とを用いて第2先読み判定を行う。また、当該処理の結果に応じて、特
図2保留記憶部105bに記憶されている特
図2関係乱数の数(特
図2保留数)を表す特
図2保留数コマンドおよび第2先読み判定の結果を表す第2始動入賞コマンドを含む第2始動口センサ用コマンドを生成する。
【0203】
第1始動口センサ処理では、第1始動口センサ11aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、特別図柄乱数カウンタ、大当たり図柄種別乱数カウンタ、リーチ乱数カウンタおよび特図変動パターン乱数カウンタからなる特
図1関係乱数を取得し、取得した特
図1関係乱数を、遊技用RAM104に設けられた特
図1保留記憶部105aに記憶する。特
図1保留記憶部105aは、第1領域から第n領域まで(nは2以上の整数)の複数の記憶領域があり、取得された特
図1関係乱数は、第1領域から順に記憶される。なお、第n領域まで特
図1関係乱数が記憶されている場合には、新たに取得した特
図1関係乱数は記憶されない。また、取得した特
図1関係乱数と第1先読み判定テーブル(
図14参照)とを用いて第1先読み判定を行う。また、当該処理の結果に応じて、特
図1保留記憶部105aに記憶されている特
図1関係乱数の数(特
図1保留数)を表す特
図1保留数コマンドおよび第1先読み判定の結果を表す第1始動入賞コマンドを含む第1始動口センサ用コマンドを生成する。
【0204】
第1大入賞口センサ処理では、第1大入賞口センサ14aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じた第1大入賞口センサ用コマンドを生成する。
【0205】
第2大入賞口センサ処理では、第2大入賞口センサ15aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じた第2大入賞口センサ用コマンドを生成する。
【0206】
特定領域センサ処理では、特定領域センサ16aによって遊技球が検出されたか否か判定する。また、当該処理の結果に応じて、特定領域センサ用コマンドを生成する。
【0207】
[2-2.普通動作処理]
普通動作処理(S105)では、普通図柄待機処理、普通図柄変動処理、普通図柄確定処理、補助遊技制御処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
【0208】
普通図柄待機処理は、普図の可変表示および補助遊技が行われていない待機中に行われる処理である。普通図柄待機処理では、普図保留記憶部106に記憶された普通図柄乱数に基づいて当たり判定を行う。また、現在の遊技状態に基づいて普図変動パターン判定を行って普図変動パターンを決定する。そして、当たり判定および普図変動パターンの結果に関する情報を含む普図変動開始コマンドを生成する。それから、決定した普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間に基づいて、普図の可変表示を普図表示器82に開始させる。
【0209】
普通図柄変動処理は、普図の可変表示中に行われる処理である。普通図柄変動処理では、実行中の普図の可変表示が開始してから普図変動時間が経過することに応じて、当たり判定結果に基づいて普図の停止表示を行う。そして、普図の可変表示の終了を示す普図変動停止コマンドを生成する。
【0210】
普通図柄確定処理は、普図が停止表示しているときに行われる処理である。普通図柄確定処理では、実行中の普図の停止表示が開始してから所定の停止時間(例えば、0.8秒)が経過することに応じて、停止表示している普図が当たり図柄であるか否かを判定する。当たり図柄が停止表示していれば、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を開始させ、補助遊技の開始を示す補助遊技開始コマンドを生成する。
【0211】
補助遊技制御処理は、補助遊技が行われているときに行われる処理である。補助遊技制御処理では、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を制御する。また、当該処理の結果に応じて、補助遊技制御用コマンドを生成する。
【0212】
[2-3.特別動作処理]
特別動作処理(S106)では、特別図柄待機処理、特別図柄変動処理、特別図柄確定処理、大当たり遊技制御処理、遊技状態設定処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
【0213】
[2-3-1.特別図柄待機処理]
特別図柄待機処理は、大当たり遊技状態ではなく、特図の可変表示が行われていない待機中に行われる処理である。特別図柄待機処理では、特
図2保留記憶部105bに記憶されている特
図2関係乱数に基づいて、特
図2判定処理および特
図2変動パターン判定処理を行うとともに、特
図2保留記憶部シフト処理を行う。また、特
図1保留記憶部105aに記憶されている特
図1関係乱数に基づいて、特
図1判定処理および特
図1変動パターン判定処理を行うとともに、特
図1保留記憶部シフト処理を行う。
【0214】
特
図2判定処理では、特
図2保留記憶部105bの第1領域に記憶されていた特
図2関係乱数のうちの特別図柄乱数と、現在の遊技状態に応じた大当たり判定テーブル(
図11(A)参照)と、を用いて、大当たり、又は、ハズレの何れであるかを判定する大当たり判定を行う。大当たり判定の結果が大当たりであれば、特
図2関係乱数のうちの大当たり図柄種別乱数と特
図2大当たり図柄種別判定テーブル(
図11(B)参照)とを用いて、大当たり図柄の種別を判定する大当たり図柄種別判定を行う。そして、判定された大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドを生成する。また、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレを表す図柄指定コマンドを生成する。
【0215】
特
図2変動パターン判定処理は、特
図2判定処理の後に行われる処理である。特
図2変動パターン判定処理では、特
図2保留記憶部105bの第1領域に記憶されていた特
図2関係乱数のうちの特図変動パターン乱数と、現在の遊技状態に応じた特
図2変動パターンテーブル(
図13参照)と、を用いて、特
図2変動パターンを判定する。なお、特
図2変動パターンの判定は、特
図2保留記憶部105bに記憶されている特
図2関係乱数の数(特
図2保留数)にも関連付けられる。そして、判定された特
図2変動パターンを表す特
図2変動開始コマンドを生成する。特
図2変動開始コマンドには、特
図2であることに関する情報、大当たり判定の結果に関する情報、リーチ判定の結果に関する情報、特
図2変動パターンに対応付けられた特図変動時間の情報などが含まれる。そして、判定された特
図2変動パターンに対応付けられた特図変動時間に基づいて特
図2表示器81bに特
図2の可変表示を開始させる。
【0216】
特
図2保留記憶部シフト処理は、特
図2判定処理および特
図2変動パターン判定処理が行われる際に行われる処理である。特
図2保留記憶部シフト処理では、特
図2保留記憶部105bに記憶されていた特
図2関係乱数を第1領域側に一つシフトするとともに、第1領域の特
図2関係乱数を特
図2保留記憶部105bからクリアする。このようにして、特
図2関係乱数は取得された順に消化される。そして、当該処理後の特
図2保留数を表す特
図2保留数コマンド生成する。
【0217】
特
図1判定処理では、特
図1保留記憶部105aの第1領域に記憶されていた特
図1関係乱数のうちの特別図柄乱数と、現在の遊技状態に応じた大当たり判定テーブル(
図11(A)参照)と、を用いて、大当たり、又は、ハズレの何れであるかを判定する大当たり判定を行う。大当たり判定の結果が大当たりであれば、特
図1関係乱数のうちの大当たり図柄種別乱数と特
図1大当たり図柄種別判定テーブル(
図11(B)参照)とを用いて、大当たり図柄の種別を判定する大当たり図柄種別判定を行う。そして、判定された大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドを生成する。また、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレを表す図柄指定コマンドを生成する。
【0218】
特
図1変動パターン判定処理は、特
図1判定処理の後に行われる処理である。特
図1変動パターン判定処理では、特
図1保留記憶部105aの第1領域に記憶されていた特
図1関係乱数のうちの特図変動パターン乱数と、現在の遊技状態に応じた特
図1変動パターンテーブル(
図12参照)と、を用いて、特
図1変動パターンを判定する。なお、特
図1変動パターンの判定は、特
図1保留記憶部105aに記憶されている特
図1関係乱数の数(特
図1保留数)にも関連付けられる。そして、判定された特
図1変動パターンを表す特
図1変動開始コマンドを生成する。特
図1変動開始コマンドには、特
図1であることに関する情報、大当たり判定の結果に関する情報、リーチ判定の結果に関する情報、大当たり種別判定の結果に関する情報、特
図1変動パターンに対応付けられた特図変動時間の情報などが含まれる。そして、判定された特
図1変動パターンに対応付けられた特図変動時間に基づいて特
図1表示器81aに特
図1の可変表示を開始させる。
【0219】
特
図1保留記憶部シフト処理は、特
図1判定処理および特
図1変動パターン判定処理が行われる際に行われる処理である。特
図1保留記憶部シフト処理では、特
図1保留記憶部105aに記憶されていた特
図1関係乱数を第1領域側に一つシフトするとともに、第1領域の特
図1関係乱数を特
図1保留記憶部105aからクリアする。このようにして、特
図1関係乱数は取得された順に消化される。そして、当該処理後の特
図1保留数を表す特
図1保留数コマンド生成する。
【0220】
なお、特
図2保留数および特
図1保留数の何れも存在する場合、特
図2判定処理が優先して行われ、特
図2の可変表示と特
図1の可変表示とが並行して行われないようになっている。
【0221】
[2-3-2.特別図柄変動処理]
特別図柄変動処理は、特図の可変表示中に行われる処理である。特別図柄変動処理では、特図変動時間が経過することに応じて、特図表示器81に、特図の可変表示を終了させるとともに、大当たり判定の結果に応じた特図を停止表示させる。大当たり判定の結果が大当たりであれば、大当たりを示す大当たり図柄を停止表示させ、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレを示すハズレ図柄を停止表示させる。そして、特図の可変表示の終了を示す特図変動停止コマンドを生成する。
【0222】
[2-3-3.特別図柄確定処理]
特別図柄確定処理は、特図が停止表示しているときに行われる処理である。特別図柄確定処理では、現在停止表示している特図が大当たり図柄である場合には、大当たり遊技状態に移行させる。そして、大当たり遊技の開始を示すオープニングコマンドを生成する。オープニングコマンドには、大当たり種別判定の結果に関する情報が含まれる。また、現在停止表示している特図がハズレ図柄であり且つ高確率状態を終了させる場合には、通常確率状態を設定する。そして、通常確率状態への移行を示す高確率終了コマンドを生成する。また、現在停止表示している特図がハズレ図柄であり且つ時短状態を終了させる場合には、非時短状態を設定する。そして、非時短状態への移行を示す時短終了コマンドを生成する。なお、現在停止表示している特図がハズレ図柄であり且つ特
図2保留数および特
図1保留数が「0」の場合には、パチンコ遊技機PY1が待機状態であることを示す客待ちコマンドを生成する。
【0223】
[2-3-4.大当たり遊技制御処理]
大当たり遊技制御処理は、大当たり遊技状態において行われる処理である。大当たり遊技制御処理では、大当たり遊技制御テーブル(
図15参照)を用いて、大当たり遊技を行う。大当たり遊技状態への移行後、オープニング時間、又は、閉鎖時間の経過に応じて、各ラウンド遊技を開始する。そして、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技コマンドを生成する。また、最終のラウンド遊技を終了させることに応じて、エンディングを開始する。そして、大当たり遊技の終了を示すエンディングコマンドを生成する。エンディングコマンドには、大当たり種別判定の結果に関する情報が含まれる。
【0224】
[2-3-5.遊技状態設定処理]
遊技状態設定処理は、大当たり遊技状態が終了する際に行われる処理である。遊技状態設定処理では、通常確率状態から高確率状態に変更する場合は、大当たり遊技状態の終了の際に高確率状態を設定する。高確率状態の継続期間を制限する場合には、高確率状態の継続期間(例えば、大当たりに当選することなく高確率状態が継続できる特図の可変表示の回数)も併せて設定する。そして、高確率状態の設定を示す高確率設定コマンドを生成する。また、非時短状態から時短状態に変更する場合は、大当たり遊技状態の終了の際に時短状態を設定する。時短状態の継続期間を制限する場合には、時短状態の継続期間(例えば、大当たりに当選することなく時短状態が継続できる特図の可変表示の回数)も併せて設定する。そして、時短状態の設定を示す時短設定コマンドを生成する。
【0225】
6.演出制御用マイコン121による演出の制御
次に、
図31~
図33に基づいて演出制御用マイコン121による演出の制御について説明する。なお、以下の演出制御用マイコン121による演出の制御の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。
【0226】
[1.サブ制御メイン処理]
サブ制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、
図31に示したサブ制御メイン処理のプログラムを演出用ROM123から読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、例えば、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
【0227】
次に、割り込みを禁止し(S4002)、乱数更新処理を実行する(S4003)。乱数更新処理(S4003)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。種々の演出についての演出判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の主制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
【0228】
乱数更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4004)。コマンド送信処理では、サブ制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板140に送信する。コマンドを受信した画像制御基板140は、受信したコマンドに従って、表示部50aに画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。また、サブ制御基板120は、画像制御基板140によって行われる種々の演出とともに、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声を出力させたり(音声による種々の音演出を実行したり)、ランプ制御回路151を介して枠ランプ53、および盤ランプ54を発光させたり(発光による種々の発光演出を実行したり)、可動装置55,56,57,58を作動させたり(動作による種々の可動体演出を実行したり)する。
【0229】
演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4005)。以降、ステップS4002~ステップS4005をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。
【0230】
受信割り込み処理(S4010)は、主制御基板100から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン121に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン121は主制御基板100の出力処理(S101)により送信されてきて受信した各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011、S4012)に優先して実行される。
【0231】
[2.1msタイマ割り込み処理]
1msタイマ割り込み処理(S4011)は、サブ制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。1msタイマ割り込み処理(S4011)では、
図32に示すように、入力処理(S4101)、発光データ出力処理(S4102)、可動装置制御処理(S4103)、ウォッチドッグタイマ処理(S4104)を順次行う。
【0232】
入力処理では、半球型ボタン検出スイッチ40aや剣型ボタン検出スイッチ41aなどの遊技者が操作可能な操作部に対する操作を検出する。発光データ出力処理では、後述する演出データ作成処理で作成された演出用データに基づいて、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ53、および盤ランプ54などのランプを発光させるべく、発光データをランプ制御回路151に出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、発光データに従って枠ランプ53、および盤ランプ54などを所定の発光態様で発光させる。可動装置制御処理では、演出データ作成処理で作成された演出用データに基づいて、所定のタイミングで可動装置55,56,57,58などの可動装置を動作させる可動体演出を行うべく、駆動データを出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、駆動データに従って、可動装置55,56,57,58などを所定の動作態様で動作させる可動体演出を行う。ウォッチドッグタイマ処理では、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行う。
【0233】
[3.10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4012)は、サブ制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。10msタイマ割り込み処理(S4012)では、
図33に示すように、受信コマンド解析処理(S4201)、演出タイマ更新処理(S4202)、音声制御処理(S4203)、演出用データ作成処理(S4204)を順次行う。
【0234】
受信コマンド解析処理では、受信割り込み処理(S4010)によって演出用RAM124の受信バッファに格納されたコマンドを解析し、そのコマンドに応じた処理(例えば演出の選択や演出モードの設定、コマンドのセット等)を行う。演出タイマ更新処理では、各演出に関する時間を計測するためのタイマを更新する。音声制御処理では、受信コマンド解析処理の処理結果に基づいて、音声データ(スピーカ52からの音声の出力を制御するデータ)の作成と音声制御回路161への出力が行われる。演出用データ作成処理では、受信コマンド解析処理の処理結果に基づいて、演出用データの作成が行われる。
【0235】
7.第1実施形態の特徴点の説明
以下に、第1実施形態のパチンコ遊技機PY1における特徴点について、さらに詳細な説明を加える。本実施形態(第1実施形態)のパチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技の実行後に所謂「保留連」がなされる場合には、その「保留連」を示唆する示唆表示を行う。「保留連」とは、大当たり遊技の実行中に記憶されている特図保留に大当たりと判定されるものがあり、その特図保留に基づいて、大当たり遊技の実行後に新たな大当たり遊技が連続的に実行されることをいう。なお、実行されるそれら2つの大当たり遊技との間には、厳密には、数回(1回以上、且つ、4回以内)の特図の可変表示が介在している。
【0236】
7-1.大当たり図柄種別判定テーブル
まず、本実施形態における大当たり図柄種別判定テーブルについて、
図34に基づいて説明する。本実施形態の大当たり図柄種別判定では、
図34に示す大当たり図柄種別判定テーブルを用いて大当たり図柄の種別を決定する。
【0237】
具体的には、特
図2での大当たり図柄種別判定による大当たり図柄として、大当たり図柄C1、大当たり図柄C2および大当たり図柄Dを設けている。本実施形態では、特
図2における大当たり図柄C1、大当たり図柄C2および大当たり図柄Dの振分率をそれぞれ「30%」、「40%」および「30%」としている(
図34参照)。
【0238】
7-2.大当たり遊技
次に、本実施形態における大当たり遊技について、
図35に基づいて説明する。
図35に示すように、本実施形態の大当たり遊技には、大当たり遊技A、大当たり遊技B、大当たり遊技C1、大当たり遊技C2および大当たり遊技Dの5種類の大当たり遊技がある。
【0239】
具体的に、大当たり遊技Aでは、最大で29.5秒間にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技が1Rから8Rまでのラウンド遊技として行われる。また、最大で0.1秒間にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技が9Rから15Rまでのラウンド遊技として行われる。さらに、最大で29.5秒間にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技が16Rのラウンド遊技として行われる。つまり、大当たり遊技Aは実質9Rの大当たり遊技となっている。
【0240】
大当たり遊技Bでは、最大で29.5秒間にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技が1Rから8Rまでのラウンド遊技として行われる。また、最大で0.1秒間にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技が9Rから15Rまでのラウンド遊技として行われる。さらに、最大で0.1秒間にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技が16Rのラウンド遊技として行われる。つまり、大当たり遊技Bは実質8Rの大当たり遊技となっている。
【0241】
大当たり遊技C1では、最大で29.5秒間にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技が1Rから15Rまでのラウンド遊技として行われる。また、最大で29.5秒間にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技が16Rのラウンド遊技として行われる。つまり、大当たり遊技C1は実質16Rの大当たり遊技となっている。
【0242】
大当たり遊技C2では、最大で29.5秒間にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技が1Rから4Rまでのラウンド遊技として行われる。そして、最大で0.1秒間にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技が5Rから15Rまでのラウンド遊技として行われる。さらに、大当たり遊技C1と同じ、最大で29.5秒間にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技が16Rのラウンド遊技として行われる。つまり、大当たり遊技C2は、実質5Rの大当たり遊技となっている。
【0243】
大当たり遊技Dでは、最大で29.5秒間にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技が1Rから4Rまで行われ、最大で0.1秒間にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技が5Rから15Rまで行われる。そして、最大で0.1秒間にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技が16Rに行われる。つまり、大当たり遊技Dは実質4Rの大当たり遊技となっている。
【0244】
大当たり遊技Aは、上記大当たり図柄Aに対応した大当たり遊技である。つまり、特図抽選で大当たり図柄Aの大当たりに当選した場合には、その特図の可変表示後に大当たり遊技Aが実行される。同じく、大当たり遊技Bは上記大当たり図柄Bに、大当たり遊技C1は上記大当たり図柄C1に、大当たり遊技C2は上記大当たり図柄C2に、そして、大当たり遊技Dは上記大当たり図柄Dにそれぞれ対応した大当たり遊技である。
【0245】
7-3.遊技状態の移行
本実施形態では、上述の各種大当たり遊技のうち、大当たり遊技A、大当たり遊技C1および大当たり遊技C2の実行直後の遊技状態は、高確率高ベース遊技状態に制御される。一方、大当たり遊技Bおよび大当たり遊技Dの実行直後の遊技状態は、低確率高ベース遊技状態に制御される。
【0246】
従って、例えば、低確率低ベース遊技状態(通常遊技状態)における特
図1抽選で、種別が「大当たり図柄A」の大当たりに当選した場合には、その当選に伴う大当たり遊技Aの実行直後、遊技状態が高確率高ベース遊技状態になる。つまり、遊技状態は、大当たり遊技Aの実行前後で通常遊技状態から高確率高ベース遊技状態に切り替わる。よって、大当たり図柄Aの大当たりに当選した場合には、その後の遊技状態が、遊技者にとって有利な状態に切り替わることになる。すなわち、高ベース状態となって、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞が発生し易くなる。そのため、遊技者は、遊技球をあまり減らすことなく、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことが可能となっている。しかも、高確率状態となるため、遊技球をあまり減らすことなく、次の大当たりに当選し易くなっている。
【0247】
また、高確率高ベース遊技状態における特
図2抽選で、種別が「大当たり図柄C1」(又は「大当たり図柄C2」)の大当たりに当選した場合には、その当選に伴う大当たり遊技C1(又は大当たり遊技C2)の実行直後、遊技状態が高確率高ベース遊技状態になる。つまり、遊技状態は、大当たり遊技C1の実行前後で切り替わらない。よって、大当たり図柄C1(又は大当たり図柄C2)の大当たりに当選した場合には、その後も、遊技者にとって有利な状態が継続可能となっている。すなわち、その大当たりの当選後も、遊技球をあまり減らすことなく、次の大当たりに当選し易くなっている。
【0248】
一方、高確率高ベース遊技状態における特
図2抽選で、種別が「大当たり図柄D」の大当たりに当選した場合には、その当選に伴う大当たり遊技Dの実行直後、遊技状態が低確率高ベース遊技状態になる。つまり、遊技状態は、大当たり遊技Dの実行前後で、高確率高ベース遊技状態から低確率高ベース遊技状態に切り替わる。よって、遊技者は、大当たり図柄Dの大当たりに当選した場合には、その後も、遊技球をあまり減らすことなく、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことが可能となっている。但し、その大当たりの当選後は、大当たりに当選し難い。
【0249】
なお、通常遊技状態における特
図1抽選で、種別が「大当たり図柄B」の大当たりに当選した場合には、その当選に伴う大当たり遊技Bの実行直後、遊技状態が低確率高ベース遊技状態になる。つまり、遊技状態は、大当たり遊技Bの実行前後で、通常遊技状態から低確率高ベース遊技状態に切り替わる。よって、大当たり図柄Bの大当たりに当選した場合には、その後の遊技状態が、遊技者にとって有利な状態に切り替わることになる。すなわち、高ベース状態となって、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞が発生し易くなる。そのため、遊技者は、遊技球をあまり減らすことなく、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことが可能となっている。
【0250】
また、低確率高ベース遊技状態における特
図2抽選で、種別が「大当たり図柄C1」(又は「大当たり図柄C2」)の大当たりに当選した場合には、その当選に伴う大当たり遊技C1(又は大当たり遊技C2)の実行直後、遊技状態が高確率高ベース遊技状態になる。つまり、遊技状態は、大当たり遊技C1の実行前後で低確率高ベース遊技状態から高確率高ベース遊技状態に切り替わる。よって、その大当たりに当選した場合には、その後の遊技状態が、遊技者にとって有利な状態に切り替わることになる。すなわち、遊技者は、大当たり図柄C1(又は大当たり図柄C2)の大当たりに当選した場合には、その後も、遊技球をあまり減らすことなく、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことが可能となっている。そして、遊技球をあまり減らすことなく、次の大当たりに当選し易い。
【0251】
一方、低確率高ベース遊技状態における特
図2抽選で、種別が「大当たり図柄D」の大当たりに当選した場合には、その当選に伴う大当たり遊技Dの実行直後、遊技状態が低確率高ベース遊技状態になる。つまり、遊技状態は、大当たり遊技Dの実行前後で変わらない。そのため、その大当たりの当選後も、遊技球をあまり減らすことなく、次の大当たりに当選し易くなっている。
【0252】
7-4.特図変動
次に、本実施形態における特図変動パターン判定についてさらに説明する。本実施形態では、上述した特
図1変動パターン判定テーブル(
図12)および特
図2変動パターン判定テーブル(
図13)を用いて、特図の可変表示の変動パターン(特図変動パターン)が決まる。
【0253】
上述したように、大当たり遊技の実行後は必ず時短状態に制御されるため、大当たり遊技の実行後は、所定の条件が成立するまで「時短状態」の判定テーブル(時短用特
図1変動パターン判定テーブル、および、時短用特
図2変動パターン判定テーブル)が用いられことになる。なお、所定の条件とは、大当たり遊技が大当たり遊技B又は大当たり遊技Dの場合には、その大当たり遊技後に100回の特図の可変表示が行われること、又は、その100回の可変表示が行われるまでに大当たりに当選して大当たり遊技状態に移行することである。一方、大当たり遊技が大当たり遊技A、大当たり遊技C1又は大当たり遊技C2の場合には、次の大当たりに当選して大当たり遊技状態に移行することである。
【0254】
さらに、大当たり遊技の実行直後から所定の回数(具体的には「4回」)までと、5回目以降とは、異なる判定テーブルが用いられる。具体的には、大当たり遊技の実行後の4回までの特図変動パターンは、
図12に示すP81、P82およびP83、或いは、
図13に示すP91、P92およびP93から選択される。また、大当たり遊技の実行後の5回目以降の特図変動パターンは、
図12に示すP11~P16、或いは、
図13に示すP61~P66から選択される構成になっている。
【0255】
図12および
図13に示すように、大当たり遊技の実行後の4回までの特図変動パターンはいずれも特図変動時間が「3000」msになっている。つまり、いずれの特図変動時間も同じである。そのため、特図抽選の結果によらず、大当たり遊技の実行後の4回までの各特図変動(特図の可変表示)について同じ時間をかけて行うことが可能である。しかも、「3000」msの特図変動時間は比較的に短い時間であるため、大当たり遊技の実行後の4回までの各特図変動をすばやく消化可能であり、大当たり遊技を実行した直後の4回分の特図変動の期間を短くすることが可能となっている。
【0256】
7-5.演出
続いて、上述した主な演出に加え、通常演出モード中、時短演出モード中又は確変演出モード中や大当たり演出モード中に実行可能な各種演出について説明する。そのような演出には、以下に示す「獲得数予告演出」、「タイトル表示演出」、「右打ち報知演出」、「ラウンド演出」および「つなぎ演出」がある。
【0257】
7-5-1.獲得数予告演出
まず、獲得数予告演出(利益表示に相当)について
図36に基づいて説明する。獲得数予告演出とは、大当たり遊技で払い出し予定の賞球数の総数を報知するための演出である。
【0258】
すなわち、大当たり遊技が大当たり遊技Aの場合には、払い出し予定の賞球数の総数として「1350」を報知する獲得数予告演出を実行する。また、大当たり遊技Bの場合には、「1200」を報知する獲得数予告演出を実行する。さらに、大当たり遊技C1の場合には、「2400」を報知する獲得数予告演出を実行する。しかも、大当たり遊技C2の場合には、「750」を報知する獲得数予告演出を実行する。また、大当たり遊技Dの場合も、大当たり遊技C2の場合と同じく「750」を報知する獲得数予告演出を実行する。
【0259】
本実施形態では、1個の遊技球が入賞した場合に払い出される大入賞口14,15の賞球数をいずれも「15球」にしている。また、大入賞口14,15の開放時には、予め定めた所定個数(本実施形態では10個)に達した場合に大入賞口14,15の開放を終了させる。そこで、1回のラウンド遊技あたりの払い出し予定の賞球数を「150」とした上で、
図35に示すラウンド遊技の実質的な回数に基づいて、各大当たり遊技の獲得数予告演出で報知する賞球数の総数を上記のようにした。
【0260】
獲得数予告演出には、「第1獲得数予告演出」、「第2獲得数予告演出」および「第3獲得数予告演出」の3種類の獲得数予告演出がある。「第1獲得数予告演出」と「第2獲得数予告演出」および「第3獲得数予告演出」とは実行されるタイミングが異なる。
【0261】
すなわち、第1獲得数予告演出は、確変演出モードの特
図2変動中に実行される演出である。具体的には、特図表示器81の変動に伴う特図変動演出の実行中における演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の仮停止の後に行われる。つまり、確変演出モード中に、
図36(A)に示すような、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の仮停止がなされた後に、第1獲得数予告演出が実行される。
【0262】
一方、第2獲得数予告演出および第3獲得数予告演出は、大当たり遊技のオープニング中に実行される演出である。なお、第2獲得数予告演出は、1回目の「保留連」による大当たり遊技のオープニング中に実行される演出であり、第3獲得数予告演出は、2回目の「保留連」による大当たり遊技のオープニング中に実行される演出である。
【0263】
また、上述した第1獲得数予告演出は、実行される大当たり遊技が大当たり遊技C1である可能性を示唆した後に、その大当たり遊技の種類に応じた演出内容を示す演出となっている。
【0264】
具体的には、まず、
図36(B)に示すように、剣型ボタン画像G31と、操作有効期間残り時間画像G33と、文字列「MAX(2400pt)狙え!」を表す画像G120とを表示部50aに表示する。これにより、大当たり遊技が実質16Rの大当たり遊技C1かもしれないことを遊技者に期待させることが可能となっている。従って、遊技者は、期待を込めて剣型ボタン41を操作することが可能であり、獲得数予告演出に対して高い関心を寄せることが可能となっている。
【0265】
実行される大当たり遊技が大当たり遊技C1の場合には、
図36(B)に示す演出が行われた後、大当たり遊技C1であることを示す演出内容で第1獲得数予告演出が行われる。すなわち、剣型ボタン操作有効期間中に剣型ボタン41が押下操作された後、又は、剣型ボタン41の操作がなく操作有効期間の残り時間がなくなった後に、
図36(C)に示すように、文字列「おめでとう2400pt獲得しよう!」を表す画像G121を表示部50aに表示する。これにより、大当たり遊技が実質16Rの大当たり遊技C1であることを遊技者に示唆可能となっている。従って、遊技者は、獲得可能な賞球数が相対的に有利な大当たり遊技であることを確信できるようになっている。
【0266】
一方、大当たり遊技が大当たり遊技C2又は大当たり遊技Dの場合には、
図36(B)に示す演出が行われた後、大当たり遊技C2又は大当たり遊技Dであることを示す演出内容で第1獲得数予告演出が行われる。すなわち、剣型ボタン操作有効期間中に剣型ボタン41が押下操作された後、又は、剣型ボタン41の操作がなく操作有効期間の残り時間がなくなった後に、
図36(D)に示すように、文字列「750pt獲得しよう!」を表す画像G122を表示部50aに表示する。これにより、大当たり遊技が実質5Rの大当たり遊技であることを遊技者に示唆可能となっている。
【0267】
第1獲得数予告演出に対し、第2獲得数予告演出は、「保留連」による大当たり遊技(大当たり遊技C1)の払い出し予定の賞球数の総数として「2400」を報知するとともに、2回分の大当たり遊技C1の払い出し予定の賞球数の総数として「4800」を報知する演出になっている。具体的には、
図37(A)に示すように、文字列「+2400pt」を表す画像G137と、文字列「4800pt獲得しよう!」を表す画像G138とを表示部50aに表示する。
【0268】
上記画像G137を用いた第2獲得数予告演出によって、「保留連」による大当たり遊技が大当たり遊技C1であることを遊技者に示唆可能となっている。さらに、画像G138を用いた第2獲得予告演出によって、「保留連」による大当たり遊技と、その大当たり遊技よりも先の大当たり遊技(以下、単に「先の大当たり遊技」ともいう)とを合わせた2回分の払い出し予定の賞球数の総数を速やかに把握させることが可能となっている。
【0269】
また、第3獲得数予告演出は、「保留連」による大当たり遊技(大当たり遊技C1)の払い出し予定の賞球数の総数として「2400」を報知するとともに、3回分の大当たり遊技C1の払い出し予定の賞球数の総数として「7200」を報知する演出になっている。具体的には、
図37(B)に示すように、文字列「+2400pt」を表す画像G137と、文字列「7200pt獲得しよう!」を表す画像G139とを表示部50aに表示する。
【0270】
上記画像G137を用いた第3獲得数予告演出によって、「保留連」による大当たり遊技が大当たり遊技C1であることを遊技者に示唆可能となっている。さらに、画像G139を用いた第3獲得予告演出によって、「保留連」による大当たり遊技と、その大当たり遊技よりも先の2回分の大当たり遊技とを合わせた3回分の払い出し予定の賞球数の総数を速やかに把握させることが可能となっている。
【0271】
7-5-2.タイトル表示演出
次に、タイトル表示演出(示唆表示に相当)について
図19(A)および
図38に基づいて説明する。タイトル表示演出とは、大当たり遊技の実行が開始されることを示唆するための演出である。本実施形態では、タイトル表示演出は、上記大当たり演出モード中のオープニング演出として実行されるときがある。よって、タイトル表示演出の実行がなされた場合には、大当たり遊技の開始を遊技者に知らせることが可能となっている。
【0272】
上記タイトル表示演出には、表示態様の異なる3種類のものがある。具体的には、
図19(A)に示すような、文字列「大当たり」を含むタイトル画像G107Aを表示する第1表示演出と、
図38(A)に示すような、文字列「マキシマム大当たり」を含むタイトル画像G130Aを表示する第2表示演出と、
図38(B)に示すような、文字列「プレミアム大当たり」を含むタイトル画像G131A、および、そのタイトル画像G131Aの背後に配した虹画像G132を表示する第3表示演出とがある。第1表示演出および第2表示演出が通常示唆表示に、第3表示演出が特別示唆表示にそれぞれ相当する。
【0273】
第1表示演出は、大当たり遊技が大当たり遊技A、大当たり遊技B、大当たり遊技C2、又は、大当たり遊技Dの場合に行われる。第2表示演出は、大当たり遊技が大当たり遊技C1の場合に行われ得る演出である。第3表示演出は、大当たり遊技が大当たり遊技C1の場合、且つ、その大当たり遊技(大当たり遊技C1)の実行後に、「保留連」により大当たり遊技C1が実行される場合に行われる。よって、開始される大当たり遊技が大当たり遊技C1の場合には、第2表示演出が行われるときと、第3表示演出が行われるときと、タイトル表示演出が行われないときとがある。
【0274】
なお、本実施形態では、大当たり遊技の実行開始時にタイトル表示演出の実行の有無が選択される。さらに、タイトル表示演出が実行される場合には、そのタイトル表示演出の種類(表示態様)が選択される。
【0275】
詳細には、サブ制御基板120の演出制御用マイコン121は、まず、実行が開始される大当たり遊技が「保留連」による大当たり遊技C1であるかどうかを判定する。具体的に例えば、直前の特図の可変表示に伴って、後述のつなぎ演出を行ったかどうかに基づいて、実行が開始される大当たり遊技が「保留連」による大当たり遊技C1であるかどうかを判定する。
【0276】
上述したように、本実施形態では「保留連」による大当たり遊技C1の場合にタイトル表示演出を実行しないため、演出制御用マイコン121は、実行が開始される大当たり遊技が「保留連」による大当たり遊技C1であれば、タイトル表示演出の不実行を選択する。これにより、実行が開始される大当たり遊技C1のオープニングでは、タイトル表示演出が実行されないことになる。一方、実行が開始される大当たり遊技が「保留連」による大当たり遊技C1でなければ、タイトル表示演出の実行を選択する。
【0277】
演出制御用マイコン121は、タイトル表示演出の実行を選択した場合には、続いて、実行するタイトル表示演出の種類を選択する。具体的には、まず、実行が開始される大当たり遊技が大当たり遊技C1であるかどうかを判定する。大当たり遊技C1であれば、続いて「保留連」の有無を判定する。具体的に例えば、主制御基板100(遊技制御用マイコン101)からの第2始動入賞コマンド(第2先読み判定の結果)に基づいて、「保留連」の有無を判定する。すなわち、本実施形態では、特
図2の特図保留だけを対象に「保留連」の有無を判定する。これにより、本パチンコ遊技機PY1では、高ベース状態のときに記憶された特図保留に基づいて「保留連」が発生し易い。
【0278】
演出制御用マイコン121は、「保留連」があると判定した場合には、実行するタイトル表示演出として第3表示演出を選択する。これにより、実行後に「保留連」が発生する大当たり遊技C1のオープニングでは、第3表示演出が実行されることになる。一方、「保留連」がないと判定した場合には、実行するタイトル表示演出として第2表示演出を選択する。これにより、実行後に「保留連」が発生しない大当たり遊技C1のオープニングでは、第2表示演出が実行されることになる。
【0279】
なお、演出制御用マイコン121は、開始される大当たり遊技が大当たり遊技C1ではないと判定した場合には、実行開始される大当たり遊技の種別に応じた種類のタイトル表示演出を選択する。具体的には、実行開始される大当たり遊技が大当たり遊技A、大当たり遊技B、大当たり遊技C2、又は、大当たり遊技Dの場合には、タイトル表示演出として第1表示演出を選択する。また、実行開始される大当たり遊技が大当たり遊技C1の場合には、第2表示演出を選択する。
【0280】
かくして、タイトル表示演出が実行された場合には、遊技者は、そのタイトル表示演出の表示態様から、実行中の大当たり遊技の遊技内容を把握可能となっている。しかも、タイトル表示演出として第2表示演出が実行された場合には、遊技者は、実行中の大当たり遊技が実質16Rの大当たり遊技C1であることを把握可能となっている。つまり、遊技者は、獲得可能な賞球数が最多である大当たり遊技の開始について歓喜できるようになっている。
【0281】
さらに、タイトル表示演出として第3表示演出が実行された場合には、遊技者は、実行中の大当たり遊技が大当たり遊技C1であることに加えて、その大当たり遊技C1の後に「保留連」があることも把握可能となっている。つまり、第3表示演出によって、遊技者は「保留連」による大当たり遊技C1の実行を事前(実行前)に確信できるようになっている。そのため、賞球数が最多である大当たり遊技の開始だけでなく、それを含む2回の大当たり遊技の実行がなされることに対し、大きな満足感を得ることが可能となっている。つまり、遊技者は、第3タイトルを目にしてからしばらくの間、至福の一時を味わえるようになっている。
【0282】
なお、「保留連」による大当たり遊技(大当たり遊技C1)のオープニング中にはタイトル表示演出を実行しない。そのため、「保留連」による大当たり遊技C1の実行の開始を遊技者が気付きづらくなっており、「先の大当たり遊技」に引き続いて「保留連」による大当たり遊技が行われているように遊技者に認識させることが可能となっている。
【0283】
7-5-3.右打ち報知演出
右打ち報知演出(開始演出に相当)について
図19、
図38および
図39に基づいて説明する。右打ち報知演出とは、大当たり遊技の実行の開始を示唆するとともに、その開始にあわせて右打ちを行うよう遊技者に知らせるための演出である。この右打ち報知演出は、大当たり遊技(オープニング、ラウンド遊技およびエンディング)の実行に伴って行われる。
【0284】
具体的に、大当たり遊技のオープニング中には、
図19(A)、
図38(A)および
図38(B)に示すような、表示部50aの右上部に表示する右打ち画像G108Aを用いた画像演出が行われる。これに対し、大当たり遊技のラウンド遊技中およびエンディング中には、
図19(B)、
図19(C)、
図39(A)、
図39(B)および
図40(A)に示すような、表示部50aの右上部に表示する右打ち画像G108Bを用いた画像演出が行われる。右打ち画像G108Bは、上記右打ち画像G108Aを縮小表示したものである。
【0285】
このような右打ち報知演出によって、大当たり遊技の実行が開始されたことを遊技者が把握可能となっている。また、大当たり遊技の実行時には右打ちにて遊技を進めることを遊技者に気付かせることが可能であり、大当たり遊技に伴って得られる利益を遊技者が確実に獲得できるようになっている。
【0286】
7-5-4.ラウンド演出
ラウンド演出(示唆表示に相当)について
図19(B)および
図39に基づいて説明する。ラウンド演出とは、ラウンド遊技中であることを示唆するための演出である。本実施形態では、入賞可能な形態、すなわち開放時間が最大29.5秒で大入賞口14,15が開放するラウンド遊技の場合に、そのラウンド遊技に伴ってラウンド演出を実行する。よって、ラウンド演出が行われる場合には、大入賞口14,15が入賞可能に開放中であることを遊技者に報知可能となっている。
【0287】
ラウンド演出には、表示態様の異なる3種類のものがある。具体的に、
図19(B)に示すように、文字列「大当たり」を含む画像G107Bを表示する第1ラウンド演出と、
図39(A)に示すように、文字列「マキシマム大当たり」を含む画像G130Bを表示する第2ラウンド演出とがある。さらに、
図39(B)に示すように、文字列「プレミアム大当たり」を含む画像G131Bを表示する第3ラウンド演出がある。なお、画像G107Bを用いる第1ラウンド演出、および、画像G130Bを用いる第2ラウンド演出が通常示唆表示に、画像G131Bを用いる第3ラウンド演出が特別示唆表示にそれぞれ相当する。
【0288】
なお、各ラウンド演出で用いる画像は、上述のタイトル表示演出で用いるタイトル画像に類似している。すなわち、第1ラウンド演出の画像G107Bは、上記第1表示演出のタイトル画像G107A(
図19(A)参照)を縮小表示したものである。第2ラウンド演出の画像G130Bは、上記第2表示演出のタイトル画像G130A(
図38(A)参照)を縮小表示したものである。さらに、第3ラウンド演出の画像G131Bは、上記第3表示演出のタイトル画像G131A(
図38(B)参照)を縮小表示したものである。
【0289】
第1ラウンド演出は、実行中の大当たり遊技が、大当たり遊技A、大当たり遊技B、大当たり遊技C2、又は、大当たり遊技Dの場合に行われる。第2ラウンド演出は、大当たり遊技が大当たり遊技C1の場合に行われ得る演出である。第3ラウンド演出は、大当たり遊技が大当たり遊技C1の場合、且つ、その大当たり遊技の実行後に、「保留連」により大当たり遊技C1が実行される場合に行われる。よって、実行中の大当たり遊技が大当たり遊技C1の場合には、第2ラウンド演出が行われるときと、第3ラウンド演出が行われるときとがある。
【0290】
よって、ラウンド演出として第2ラウンド演出の実行がなされた場合には、遊技者は、実行中の大当たり遊技が大当たり遊技C1であることを把握可能となっている。また、ラウンド演出として第3ラウンド演出の実行がなされた場合には、遊技者は、実行中の大当たり遊技が大当たり遊技C1であることを把握可能であるとともに、「保留連」があることも把握することが可能となっている。つまり、第3ラウンド演出によって、遊技者は、「保留連」による大当たり遊技C1の実行を事前(実行前)に確信できるようになっている。
【0291】
7-5-5.つなぎ演出
つなぎ演出について
図40に基づいて説明する。つなぎ演出とは、「先の大当たり遊技」と「保留連」による大当たり遊技との間の特図変動中に行われる特別な演出である。
【0292】
具体的には、
図40(A)に示す、大当たり遊技(「先の大当たり遊技」)のエンディングに伴うエンディング演出の実行後、つなぎ演出として、
図40(B)に示すような、表示部50aの全域がブラックアウトの状態になる画像演出が行われる。これにより、エンディング演出の実行後、通常の特図変動演出が実行されるだろうと思っていた遊技者の意表を突き、遊技者に大きな驚きを与えることが可能となっている。
【0293】
続いて、
図40(C)に示すような、ブラックアウトの状態が終了して、表示部50aの右下部に、キャラクタ人形の頭部のキャラクタ画像G133と、このキャラクタ画像G133の左方に位置する「吹き出し」形状の図形画像G134とを表示する画像演出が行われる。図形画像G134の内部には文字列「NO!NO!」を含んでいる。このような画像演出が行われることにより、ブラックアウトの状態になったのは遊技機の故障(不具合)によるものではないこと、および、通常の特図変動演出とは異なる演出が行われていることを遊技者に報知可能であり、遊技者を安心させることが可能となっている。
【0294】
次いで、
図40(D)に示すような、キャラクタ画像G133と「吹き出し」形状の図形画像G135とを表示する画像演出が行われる。図形画像G135の内部には、文字列「プレミアム大当たりなので・・・」を含んでいる。このような画像演出が行われることにより、行われた大当たり遊技のタイトル表示演出が第3表示演出、すなわち「プレミアム大当たり」を表示する演出であったことを遊技者が再認識できるようになっている。
【0295】
次に、
図40(E)に示すような、キャラクタ画像G133と「吹き出し」形状の図形画像G136とを表示する画像演出が行われる。図形画像G136の内部には、文字列「まだまだおたのしみは続くよ!」を含んでいる。このような画像演出が行われることにより、「保留連」による大当たり遊技が間もなく実行されることを遊技者に報知可能となっている。
【0296】
本実施形態のつなぎ演出は、大当たり遊技直後の特図の可変表示とともに開始される。そのため、つなぎ演出の実行開始とともに、表示部50aの左上部では、特図変動演出として小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示が行われる(
図40(B)参照)。また、つなぎ演出の実行中も、表示部50aの左上部では、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示が行われる(
図40(C)および
図40(D)参照)。
【0297】
そして、つなぎ演出は、「保留連」による大当たり遊技に対応する大当たり図柄を示す特図の停止表示とともに終了する。そのため、つなぎ演出の終了とともに、表示部50aの左上部では、特図変動演出として小図柄KZ1,KZ2,KZ3が大当たりを示す態様(例えば、「5」のゾロ目)で停止表示されることになる(
図40(E)参照)。なお、「保留連」による大当たり遊技の実行直前の特図変動演出では、大当たりを示す態様で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の仮停止の表示がなされることなく、小図柄KZ1,KZ2,KZ3が大当たりを示す態様で停止表示される。
【0298】
つなぎ演出の後には、「保留連」による大当たり遊技(大当たり遊技C1)の実行が開始される。その大当たり遊技のオープニングに伴うオープニング演出として、例えば、
図37(A)に示す上記第2獲得数予告演出、或いは、
図37(B)に示す上記第3獲得数予告演出が実行される。
図40(F)に示す獲得数予告演出は、第2獲得数予告演出である。
【0299】
なお、本実施形態では、「先の大当たり遊技」の実行終了時に、つなぎ演出の実行の有無が選択される。そして、つなぎ演出が実行されることになった場合には、さらに、つなぎ演出の実行期間が選択される。
【0300】
詳細には、演出制御用マイコン121は、まず、つなぎ演出の実行の有無を判定する。具体的に例えば、「保留連」がある場合には、つなぎ演出の実行を選択し、「保留連」がない場合には、つなぎ演出の不実行を選択する。
【0301】
演出制御用マイコン121は、つなぎ演出の実行を選択したら、続いて、つなぎ演出の実行期間を選択する。
【0302】
本実施形態では、「先の大当たり遊技」と「保留連」による大当たり遊技との間における特図の可変表示の実行期間の間、つなぎ演出を行う。そのため、「保留連」による大当たり遊技の実行までの特図の可変表示の回数によって、つなぎ演出の実行期間が異なっている。
【0303】
例えば、「先の大当たり遊技」の実行後、1番目に消化する特図保留が「保留連」による大当たり遊技に対応する大当たり図柄に関する特図保留の場合には、「先の大当たり遊技」と「保留連」による大当たり遊技との間に、特図の可変表示が1回行われることになる。同じように、「先の大当たり遊技」後、2番目に消化する特図保留が「保留連」による大当たり遊技に対応する特図保留の場合には、特図の可変表示が2回行われることになる。また「先の大当たり遊技」後、3番目に消化する特図保留が「保留連」による大当たり遊技に対応する特図保留の場合には、特図の可変表示が3回行われることになる。さらに「先の大当たり遊技」後、4番目に消化する特図保留が「保留連」による大当たり遊技に対応する大当たり図柄に関する特図保留の場合には、特図の可変表示が4回行われることになる。
【0304】
上述したように、大当たり遊技後、4回までの特図の可変表示の特図変動パターンは、特図変動時間が同じのもの(
図12に示すP81~P83、或いは、
図13に示すP91~P93)から選択される。そのため、演出制御用マイコン121は、「先の大当たり遊技」の実行後、1番目に消化する特図保留が「保留連」による大当たり遊技に対応するものであれば、実行期間が「3秒間」のつなぎ演出を選択する。同じようにして、実行後2番目に消化する特図保留が「保留連」による大当たり遊技に対応するものであれば「6秒間」のつなぎ演出を、実行後3番目に消化する特図保留が「保留連」による大当たり遊技に対応するものであれば「9秒間」のつなぎ演出を、そして、実行後4番目に消化する特図保留が「保留連」による大当たり遊技に対応するものであれば「12秒間」のつなぎ演出をそれぞれ選択する。
【0305】
本実施形態では、具体的に例えば、
図40(B)に示すブラックアウトの状態を示す画像演出の実行期間を異ならせることで、実行期間の異なるつなぎ演出としている。
【0306】
7-6.演出の流れ
次に、本実施形態(第1実施形態)のパチンコ遊技機PY1における、上述の獲得数予告演出(第1獲得数予告演出,第2獲得数予告演出)、右打ち報知演出、タイトル表示演出、および、つなぎ演出に関する演出の流れについて、
図41および
図42に基づいて説明する。
【0307】
7-6-1.「保留連」によって2回の大当たり遊技が連続的に行われる場合
まず、
図41を用いて、大当たり遊技C1の実行後に「保留連」で新たな大当たり遊技C1が連続的に実行される場合について説明する。なお、この場合における、先の大当たり遊技C1を「第1大当たり遊技」、後の大当たり遊技C1(「保留連」による大当たり遊技C1)を「第2大当たり遊技」という。
【0308】
また、この場合における第2大当たり遊技について、第1大当たり遊技の開始時点までに記憶された合計「3個」の特図保留のうち、その第1大当たり遊技の実行後、3番目に消化するもの(可変表示を行うもの)が、第2大当たり遊技に対応する大当たり図柄C1に関する特図保留であるとする。そのため、第1大当たり遊技と第2大当たり遊技との間の期間には、3回の特図(特
図2)の可変表示が行われることになる。
【0309】
さらに、
図41に示すように、第1大当たり遊技に対応した大当たり図柄C1を停止表示することになる特
図2の可変表示に伴う演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の仮停止の時間を「時間t01」とする。また、第1大当たり遊技の実行開始時間を「時間t02」とする(
図41参照)。この時間t02の直前には、特
図2が大当たり図柄C1で停止表示されることになる。
【0310】
第1大当たり遊技の実行直後(1回目)の特
図2の可変表示の開始時間を「時間t03」とする(
図41参照)。この時間t03の直前には、第1大当たり遊技の実行が終了する。なお、第1大当たり遊技の実行後、1回目の特図の可変表示を特に第1特図可変表示という。また、上記第1特図可変表示の後の特図の可変表示(第2特図可変表示という)の開始時間を「時間t04」、その第2特図可変表示の後の特図の可変表示(第3特図可変表示という)の開始時間を「時間t05」、第2大当たり遊技の実行開始時間を「時間t06」とする。時間t06の直前には、第3特図可変表示の停止態様として、特
図2が大当たり図柄C1で停止表示されることになる。
【0311】
上記第1獲得数予告演出は、第1大当たり遊技に対応する大当たりに当選した特
図2の可変表示中に実行される。具体的には、特図変動演出の演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の仮停止を示す態様の表示(
図36(A))後、それら演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止を示す停止表示(
図36(D))までの期間に行われる。
【0312】
なお、本パチンコ遊技機PY1は、
図36(A)に示すように、第1大当たり遊技に対応する大当たりに当選した特
図2の可変表示中には、特図変動演出の演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を「5」のゾロ目で仮停止させる。そのため、遊技者は、そのような演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の仮停止の態様を通じて、大当たりに当選したことを把握可能となっている。
【0313】
しかしながら、本実施形態では、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が1種類の図柄のゾロ目をなしている場合には、大当たりの当選を示唆しているけれども、当選した大当たりの種別までは示唆していない。例えば、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がゾロ目を示した場合には、当選した大当たりが、大当たり遊技C1に対応する大当たりの場合も、大当たり遊技C2に対応する大当たりの場合も、大当たり遊技Dに対応する大当たりの場合も含んでいる。そのため、遊技者は、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の仮停止の時点で、当選した大当たりの種類について判別し難い。
【0314】
そこで、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の仮停止を示す態様の表示後に、上述した第1獲得数予告演出が実行される。これにより、当選した大当たりについての情報を遊技者に知らせることが可能である。すなわち、各種大当たり遊技に応じた払い出し予定の賞球数の総数が表示部50a上に表示されることにより、どの種類の大当たり遊技が実行されるのかを遊技者に示唆可能となっている。従って、遊技者は、大当たり遊技の種類を判別可能な情報を提供する第1獲得数予告演出に注目し易い。
【0315】
しかも、払い出し予定の賞球数の総数が表示されるため、遊技者にとって相対的に有利な大当たり遊技なのか、そうではない大当たり遊技なのかを、視覚を通じて速やかに把握できるようになっている。
【0316】
続いて、
図41に示すように、第1大当たり遊技の実行中に、タイトル表示演出および右打ち報知演出がそれぞれ行われる。このうち、タイトル表示演出は、第1大当たり遊技の実行に伴うオープニング演出として実行される(
図41参照)。
【0317】
なお、上述したように、演出制御用マイコン121は、第1大当たり遊技の実行開始時にタイトル表示演出の種類を選択する。
図41に示す場合には、タイトル表示演出として上記第3表示演出(
図38(B))を選択する。よって、
図41に示す第1大当たり遊技のオープニング演出として、第3表示演出が実行されることになる。
【0318】
この第3表示演出では、
図38(B)に示すタイトル画像G131Aを用いるので、この第1大当たり遊技の実行中に「保留連」の発生を示唆可能となっている。つまり、第1大当たり遊技の実行中に、実行前の第2大当たり遊技の実行を示唆可能となっている。従って、遊技者は、第1大当たり遊技のオープニングの時点で、第2大当たり遊技の実行を確信することが可能となっている。つまり、1回目の大当たり遊技C1の開始時点で、既に2回分の大当たり遊技C1(32ラウンド分のラウンド遊技)の実行を確信可能となっている。そのため、遊技者は、この上ない興奮とともに第1大当たり遊技を楽しむことが可能となっている。
【0319】
また、第1大当たり遊技の実行とともに右打ち報知演出が行われる(
図41参照)。すなわち、第1大当たり遊技のオープニング中には、
図19(A)、
図38(A)および
図38(B)に示す画像G108Aを用いて実行される。これに対し、ラウンド遊技中およびエンディング中には、
図19(B)、
図19(C)、
図39(A)および
図39(B)に示す画像G108Bを用いて実行される。
【0320】
そのため、
図19(A)等に示す画像G108Aを用いた右打ち報知演出によって、遊技者は、第1大当たり遊技の実行開始を把握することが可能となっている。しかも、画像G108Aは、画像G108Bよりも相対的に大きくなっているため、第1大当たり遊技のラウンド遊技中やエンディング中における表示よりもオープニング中(実行開始時)における表示を目立たせることが可能であり、第1大当たり遊技の実行開始を遊技者により確実に知らせることが可能となっている。
【0321】
さらに、画像G108A,G108Bを用いた右打ち報知演出の実行によって、第1大当たり遊技の実行中は右打ちであることを遊技者に気付かせることが可能であり、第1大当たり遊技に伴って得られる利益を遊技者が確実に獲得できるようになっている。
【0322】
続いて、第1大当たり遊技と第2大当たり遊技との間の特図の可変表示中には、つなぎ演出が行われる(
図41参照)。
【0323】
すなわち、第1特図可変表示、第2特図可変表示および第3特図可変表示にわたって(すなわち、第1特図可変表示の開始から第3特図可変表示の終了までの間)、
図40(B)~
図40(E)にそれぞれ示した画像演出が一連で行われる。
【0324】
これにより、特
図2の可変表示(第1特図可変表示、第2特図可変表示および第3特図可変表示)の実行よりもつなぎ演出に遊技者の意識を集めることが可能となっている。すなわち、つなぎ演出の実行によって、第1大当たり遊技の終了から第2大当たり遊技の開始までに行われる可変表示に対し、遊技者の意識が向かないようにすることが可能となっている。
【0325】
なお、本実施形態では、第1大当たり遊技に対応する大当たりに当選した特
図2の可変表示中とは異なり、第2大当たり遊技に対応する大当たりに当選した第3特図可変表示中に、上述したような第1獲得数予告演出が行われない。つまり、第1大当たり遊技とは異なり、第2大当たり遊技の実行直前に、つなぎ演出の実行に加えて獲得数予告演出が実行されない。そのため、遊技者は、一連のつなぎ演出を邪魔されることなく楽しむことが可能であり、第1大当たり遊技の終了から第2大当たり遊技の開始までに行われる可変表示へ遊技者の意識が向かないようにすることが可能となっている。
【0326】
また、本実施形態では、第1大当たり遊技に対応する大当たりに当選した特
図2の可変表示中とは異なり、第3特図可変表示中に、特図変動演出の演出図柄(小図柄KZ1,KZ2,KZ3)を仮停止させずに停止させる。これにより、つなぎ演出の実行中に、表示部50aの小図柄領域50cに遊技者の意識が向きづらい。そのため、遊技者は、一連のつなぎ演出に集中して注目することが可能であり、第1大当たり遊技の終了から第2大当たり遊技の開始までに行われる可変表示へ遊技者の意識が向かないようにすることが可能となっている。
【0327】
次に、
図41に示すように、第2大当たり遊技中には、
図37(A)に示す第2獲得数予告演出、および、上述の右打ち報知演出が行われる。このうち、第2獲得数予告演出は、第2大当たり遊技の実行に伴うオープニング演出として実行される(
図41参照)。
【0328】
そのため、実行中の第2大当たり遊技が大当たり遊技C1であることを遊技者に示唆可能となっている。さらに、
図37(A)に示す画像G138を用いているので、第1大当たり遊技と第2大当たり遊技とを合わせた2回分の払い出し予定の賞球数の総数を速やかに遊技者に把握させることが可能となっている。よって、遊技者は、第2大当たり遊技の実行が終了した時点における2回分の大当たり遊技の賞球数を容易に想像でき、第2大当たり遊技を良い気分で楽しむことが可能となっている。
【0329】
また、第1大当たり遊技のときと同じように、画像G108Aを用いた右打ち報知演出によって、遊技者は、第2大当たり遊技の実行開始を把握することが可能となっている。しかも、画像G108Aは、画像G108Bよりも大きい表示であるため、第2大当たり遊技の実行開始を遊技者により確実に知らせることが可能となっている。
【0330】
さらに、画像G108A,G108Bを用いた右打ち報知演出の実行によって、第2大当たり遊技の実行中は右打ちであることを遊技者に気付かせることが可能であり、遊技者は、第2大当たり遊技に伴って得られる利益を確実に獲得することが可能となっている。
【0331】
7-6-2.「保留連」によって3回の大当たり遊技が連続的に行われる場合
次に、
図42を用いて、大当たり遊技C1の実行後に2回の「保留連」が発生し、2回の新たな大当たり遊技C1が連続的に実行される場合について説明する。なお、この場合における、最先の大当たり遊技C1を「第1大当たり遊技」、第1大当たり遊技の次の大当たり遊技C1(1回目の「保留連」による大当たり遊技C1)を「第2大当たり遊技」、第2大当たり遊技の次の大当たり遊技C1(2回目の「保留連」による大当たり遊技C1)を「第3大当たり遊技」という。
【0332】
また、この場合における第2大当たり遊技について、第1大当たり遊技の開始時点までに記憶された合計「3個」の特図保留のうち、その第1大当たり遊技の実行後、すぐ(1番目)に消化するもの(可変表示を行うもの)が、第2大当たり遊技に対応する大当たり図柄C1に関する特図保留であるとする。さらに、第3大当たり遊技について、第2大当たり遊技の開始時点までに記憶された合計「4個」の特図保留のうち、その第2大当たり遊技の実行後、2番目に消化するものが、第3大当たり遊技に対応する大当たり図柄C1に関する特図保留であるとする。よって、第1大当たり遊技と第2大当たり遊技との間の期間には、1回の特図(特
図2)の可変表示が、また、第2大当たり遊技と第3大当たり遊技との間の期間には、2回の特図の可変表示が、それぞれ行われる。
【0333】
さらに、
図42に示すように、第1大当たり遊技に対応した大当たり図柄C1を停止表示することになる特
図2の可変表示に伴う演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の仮停止の時間を「時間t11」とする。また、第1大当たり遊技の実行開始時間を「時間t12」とする(
図42参照)。この時間t12の直前には、特
図2が大当たり図柄C1で停止表示されることになる。
【0334】
第1大当たり遊技の実行直後(1回目)の特
図2の可変表示の開始時間を「時間t13」とする(
図42参照)。この時間t13の直前には、第1大当たり遊技の実行が終了する。なお、第1大当たり遊技の実行後、1回目の特図の可変表示を特に第4特図可変表示という。また、第2大当たり遊技の実行開始時間を「時間t14」とする。時間t14の直前には、第4特図可変表示の停止態様として、特
図2が大当たり図柄C1で停止表示されることになる。
【0335】
そして、第2大当たり遊技の実行直後(1回目)の特
図2の可変表示の開始時間を「時間t15」とする(
図42参照)。この時間t15の直前には、第2大当たり遊技の実行が終了する。なお、第2大当たり遊技の実行後、1回目の特図の可変表示を特に第5特図可変表示という。また、上記第5特図可変表示の後の特図の可変表示(第6特図可変表示という)の開始時間を「時間t16」、さらに、第3大当たり遊技の実行開始時間を「時間t17」とする。時間t17の直前には、第6特図可変表示の停止態様として、特
図2が大当たり図柄C1で停止表示されることになる。
【0336】
図42に示す、第1大当たり遊技の直前に実行される第1獲得数予告演出、並びに、第1大当たり遊技の実行中に実行されるタイトル表示演出、右打ち報知演出およびラウンド演出は、
図41に示す場合と同様である。すなわち、特図変動演出の演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が仮停止した後、それら演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止を示す停止表示までに、
図36(B)~
図36(D)に示す第1獲得数予告演出が実行される。そして、第1大当たり遊技のオープニング演出として、
図38(B)に示す第3表示演出が、ラウンド演出として
図39(B)に示す第3ラウンド演出がそれぞれ行われる。また、第1大当たり遊技の実行中に
図38(B)等に示す右打ち報知演出が実行される。
【0337】
続いて、第1大当たり遊技と第2大当たり遊技との間の特図の可変表示中には、
図41の場合と同じく、つなぎ演出が行われる(
図42参照)。すなわち、第4特図可変表示の実行期間に、
図40(B)~
図40(E)にそれぞれ示した画像演出が一連で行われる。
【0338】
但し、
図42に示す場合には、第1大当たり遊技と第2大当たり遊技との間の特図の可変表示が第4特図可変表示の1回であるため、実行期間が「3秒間」のつなぎ演出が行われる。
【0339】
また、
図41の場合と同じように、
図42に示す場合には、第2大当たり遊技に対応する大当たりに当選した第4特図可変表示中に、上述したような第1獲得数予告演出が行われない。つまり、第1大当たり遊技とは異なり、第2大当たり遊技の実行直前に、つなぎ演出の実行に加えて獲得数予告演出が実行されない。さらに、第4特図可変表示中に、特図変動演出の演出図柄(小図柄KZ1,KZ2,KZ3)を仮停止させずに停止させる。
【0340】
次に、第2大当たり遊技中には、
図41の場合と同じく、上述の第2獲得数予告演出および右打ち報知演出が行われる。第2獲得数予告演出は、第2大当たり遊技の実行に伴うオープニング演出として実行される(
図42参照)。
【0341】
続いて、第2大当たり遊技と第3大当たり遊技との間の特図の可変表示中には、第1大当たり遊技と第2大当たり遊技との間の特図の可変表示中と同じく、つなぎ演出が行われる(
図42参照)。すなわち、第5特図可変表示および第6特図可変表示の実行期間に、
図40(B)~
図40(E)にそれぞれ示した画像演出が一連で行われる。
【0342】
なお、第2大当たり遊技と第3大当たり遊技との間の特図の可変表示が第5特図可変表示および第6特図可変表示の2回であるため、実行期間が「6秒間」のつなぎ演出が行われる。
【0343】
また、第1大当たり遊技と第2大当たり遊技との間の特図の可変表示中のときと同じように、第3大当たり遊技に対応する大当たりに当選した第6特図可変表示中に、第1獲得数予告演出が実行されない。つまり、第1大当たり遊技とは異なり、第3大当たり遊技の実行直前に、つなぎ演出の実行に加えて獲得数予告演出が行われない。さらに、第6特図可変表示中に、特図変動演出の演出図柄(小図柄KZ1,KZ2,KZ3)を仮停止させずに停止させる。
【0344】
次に、第3大当たり遊技中には、上述の第3獲得数予告演出および右打ち報知演出が行われる。第3獲得数予告演出は、第2大当たり遊技の実行に伴うオープニング演出として実行される(
図42参照)。
【0345】
8.第1実施形態の効果
以上詳細に説明したように、本第1実施形態のパチンコ遊技機PY1では、
図41に示すように、保留連による第2大当たり遊技が実行される際にタイトル表示演出を実行しない。そのため、第2大当たり遊技が第1大当たり遊技に引き続いて行われるように遊技者に示すことが可能となっている。すなわち、第1大当たり遊技のラウンド遊技(16R)に、第2大当たり遊技のラウンド遊技(16R)を加えた多数(32R)のラウンド遊技が連続的に行われるように遊技者に見せることが可能となっている。従って、遊技者は、第3表示演出を伴う第1大当たり遊技について、通常の第1大当たり遊技のラウンド遊技数を超える規模、つまり、遊技者の想定を超える規模の大当たり遊技が行われたように感じることが可能であり、興趣向上が可能となっている。
【0346】
また、上述したように、第2大当たり遊技が行われる際にタイトル表示演出を実行しないことで第2大当たり遊技が第1大当たり遊技に引き続いて行われるように示しつつ、右打ち報知演出(特に
図19(A)等に示す画像G108Aを用いた演出)の実行によって、第2大当たり遊技の開始を知らせることが可能となっている。そのため、遊技者は、想定を超えた大当たり遊技が行われたように感じることが可能であるとともに、右打ち報知演出の実行によって、第2大当たり遊技の実行開始を確実に把握することが可能となっている。
【0347】
また、大当たり遊技C1のラウンド遊技の実行中に、
図39(B)に示す画像G131Bを用いた第3ラウンド遊技が行われた場合には、遊技者は、実行中の大当たり遊技C1が第1大当たり遊技であることを把握可能となっている。その上で、遊技者は、この大当たり遊技C1の後に、さらにもう一回の大当たり遊技C1(第2大当たり遊技)が連続的に行われることを実行前に確信することが可能となっている。かくして、興趣向上が可能となっている。
【0348】
なお、
図41および
図42に示すように、第2大当たり遊技の実行中に
図39(A)に示す画像G130Bを用いた第2ラウンド遊技が行われた場合には、その実行中の第2大当たり遊技の後に大当たり遊技が連続的に行われないことを遊技者に示唆することが可能となっている。
【0349】
また、
図42に示すように、第2大当たり遊技の実行中に
図39(A)に示す画像G130Bを用いた第2ラウンド遊技と同じ表示を行う場合には、その第2大当たり遊技が第1大当たり遊技と連続的に実行していることを遊技者に意識させることが可能となっている。
【0350】
しかも、そのような場合には、遊技者は、その第2大当たり遊技の後にさらにもう一回の大当たり遊技C1(第3大当たり遊技)が連続的に行われることを実行前に確信することが可能となっている。
【0351】
また、獲得数予告演出には、互いに実行タイミングが異なる第1獲得数予告演出および第2獲得数予告演出の2種類がある。すなわち、第2獲得数予告演出は、第1大当たり遊技の終了後、所定回数(4回)までの特図抽選にて当選する大当たりに対応した大当たり遊技(例えば、第2大当たり遊技)のオープニング中に行われるのに対し、第1獲得数予告演出は、それ以外の期間における特図抽選にて当選する大当たりに対応した大当たり遊技(例えば、第1大当たり遊技)の実行直前に行われる。そのため、遊技者は、バラエティに富んだ獲得数予告演出を楽しむことが可能であり、演出についての興趣向上が可能となっている。
【0352】
また、
図41に示すように、第1獲得数予告演出は大当たり遊技(第1大当たり遊技)の実行を示唆する態様での演出図柄の仮停止後に行われる。そのため、遊技者は、その大当たり遊技の実行前に、実行される大当たり遊技の遊技利益を把握することが可能となっている。
【0353】
また、第2大当たり遊技が実行される際に、その第2大当たり遊技のオープニングに伴ってタイトル表示演出が行われることはない(
図41参照)。そのため、その第2大当たり遊技が先の第1大当たり遊技に引き続いて行われるように見せることが可能となっている。しかも、その第2大当たり遊技のオープニングの実行中に
図37(A)に示す第2獲得数予告演出が行われるので、第2大当たり遊技の実行中に、その第2大当たり遊技の遊技利益を遊技者に示唆可能となっている。
【0354】
また、上述したように、変動演出には、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の仮停止を伴うものと演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の仮停止を伴わないものとの2種類がある。すなわち例えば、第1大当たり遊技に対応した大当たりに当選の場合の変動演出では、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が仮停止した後に完全に停止する一方、第1大当たり遊技と第2大当たり遊技との間の変動演出では、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が仮停止せずに停止する(
図41参照)。そのため、遊技者は、バラエティに富んだ変動演出を遊技中に楽しむことが可能であり、興趣向上が可能となっている。
【0355】
また、第1大当たり遊技の実行直前の変動演出では、第1大当たり遊技の実行を示唆した態様で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が仮停止され、その仮停止後に、第3表示演出が行われる(
図41参照)。そのような態様での演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の仮停止によって、第1大当たり遊技が実行されることについて、第3表示演出によって、第1大当たり遊技の後に保留連が発生することについて、遊技者はそれぞれ把握することが可能となっている。つまり、遊技者は、連続的に実行される2つの大当たり遊技(第1大当たり遊技および第2大当たり遊技)について段階的に把握することが可能となっている。
【0356】
9.変更例
次に、上記第1実施形態のパチンコ遊技機PY1の変更例について説明する。なお、変更例の説明において、第1実施形態のパチンコ遊技機PY1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記第1実施形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0357】
上記第1実施形態では、タイトル表示演出を、大当たり遊技のオープニングに伴うオープニング演出として実行する構成とした。しかしながら、大当たり遊技(特別遊技)の実行直前の特図の可変表示中にタイトル表示演出を実行可能な構成でもよい。具体的に例えば、特図の可変表示に伴う特図変動演出の演出図柄の仮停止後、その演出図柄の停止までの期間に、タイトル表示演出を実行可能な構成が挙げられる。
【0358】
また、上記第1実施形態では、第2表示演出又は第3表示演出で、実質16Rの大当たり遊技である大当たり遊技C1を示唆し、第1表示演出で、実質16R以外の大当たり遊技である大当たり遊技A、大当たり遊技B、大当たり遊技C2および大当たり遊技Dを示唆する構成とした。つまり、タイトル表示演出が示唆する演出内容を、大当たり遊技(特別遊技)の実質的なラウンド数とした。しかしながら、その演出内容を、実質的なラウンド数以外に、例えば、特別遊技の実行後の遊技状態としてもよい。
【0359】
また、上記第1実施形態では、画像G130Bを用いた第2ラウンド演出、又は、画像G131Bを用いた第3ラウンド演出で、実質16Rの大当たり遊技である大当たり遊技C1を示唆し、画像G107Bを用いた第1ラウンド演出で、実質16R以外の大当たり遊技である大当たり遊技A、大当たり遊技B、大当たり遊技C2および大当たり遊技Dを示唆する構成とした。つまり、タイトル表示演出と同じく、所定の画像を用いたラウンド演出が示唆する演出内容を、特別遊技の実質的なラウンド数とした。しかしながら、その演出内容を、実質的なラウンド数以外に、例えば、特別遊技の実行後の遊技状態としてもよい。
【0360】
また、上記第1実施形態では、パチンコ遊技機PY1を、1つの態様のタイトル表示演出(例えば、第1表示演出)で、複数の種類の大当たり遊技(特別遊技)を示唆する構成を含んだ遊技機とした。しかしながら、1つの態様のタイトル表示演出で1種類の特別遊技を示唆する構成を備えた遊技機としてもよい。また、1つの表示態様の画像を用いたラウンド演出で、1種類の特別遊技を示唆する構成を備えた遊技機としてもよい。
【0361】
また、上記第1実施形態では、表示部50aに表示される画像G108A,G108Bを用いた右打ち報知演出(開始演出)とした。しかしながら、そのような画像を用いた演出以外に、例えば、枠ランプや盤ランプを用いたランプ演出でもよい。具体的に例えば、特別遊技の実行が開始される際に、大入賞口およびその付近の少なくともいずれかに配置された盤ランプを点灯させたり点滅させたりする演出が挙げられる。また例えば、特別遊技の実行が開始される際に、大入賞口の付近に配置した枠ランプを点灯させたり点滅させたりする演出が挙げられる。
【0362】
また、上記第1実施形態では、画像G107B,G130B,G131Bを用いたラウンド演出を、全ラウンドで実行する構成とした。しかしながら、一部のラウンドでラウンド演出を実行する構成としてもよい。
【0363】
また、上記第1実施形態では、
図42に示す第2大当たり遊技の実行中に、画像G131Bを用いた第3ラウンド演出を実行する構成とした。すなわち、
図42に示す第2大当たり遊技の実行中には、第1大当たり遊技の実行中のラウンド演出で用いる画像G131Bと同じ画像を用いる構成とした。しかしながら、その第2大当たり遊技の実行中に、第1大当たり遊技の実行中のラウンド演出で用いる画像と類似のものを用いる構成でもよい。また、非類似のものを用いる構成でもよい。
【0364】
また、上記第1実施形態では、獲得数予告演出で払い出し予定の賞球数の総数を大当たり遊技(特別遊技)の遊技利益とした。しかしながら、その遊技利益を、特別遊技の実質的なラウンド数としてもよい。また、特別遊技の実行後の遊技状態としてもよい。
【0365】
また、上記第1実施形態では、「特定の条件下」として、大当たり遊技(特別遊技)が終了してから「4」回までの判定が行われるまでの期間とした。しかしながら、「4」回以外の値(「1」~「3」のいずれかの値、或いは、「5」以上の値)としてもよい。
【0366】
また、上記第1実施形態では、大当たり遊技(特別遊技)が実行されることを示唆する演出図柄の態様を「ゾロ目」としたが、「ゾロ目」に限定されない。例えば、複数の演出図柄が所定の組み合わせで構成された「チャンス目」を、特別遊技が実行されることを示唆する演出図柄の態様としてもよい。
【0367】
また、上記第1実施形態では、第1獲得数予告演出を、大当たり遊技(特別遊技)の実行直前の特図の可変表示に伴う、演出図柄の仮停止後に実行する構成とした。しかしながら、そのような演出図柄の仮停止時、又は、停止前に実行する構成としてもよい。
【0368】
また、上記第1実施形態では、第2獲得数予告演出を、第2大当たり遊技(特別遊技)のオープニングに伴う大当たり演出のオープニング演出として実行可能な構成とした。しかしながら、大当たり遊技のラウンド演出やエンディング演出としてもよい。
【0369】
また、上記第1実施形態では、タイトル表示演出を、大当たり遊技(特別遊技)のオープニングに伴う大当たり演出のオープニング演出として実行可能な構成とした。しかしながら、その特別遊技の実行直前の特図の可変表示に伴う、演出図柄の仮停止後に実行する構成としてもよい。
【0370】
また、上記第1実施形態では、実行される大当たり遊技が大当たり遊技C1で、且つ、その後に「保留連」が発生する場合に、第3表示演出、および、画像G131Bを用いた第3ラウンド演出を実行した。しかしながら、実行される大当たり遊技が大当たり遊技C1以外の大当たり遊技でもよい。また、「保留連」による大当たり遊技が大当たり遊技C1の場合にのみ、第3表示演出、画像G131Bを用いた第3ラウンド演出、および、つなぎ演出を実行する構成とした。しかしながら、「保留連」による大当たり遊技が大当たり遊技C1以外の大当たり遊技の場合に、第3表示演出、画像G131Bを用いた第3ラウンド演出、および、つなぎ演出を実行する構成としてもよい。
【0371】
また、上記第1実施形態では、「先の大当たり遊技」の実行開始時にタイトル表示演出の種類を選択する構成とした。しかしながら、「先の大当たり遊技」の実行前における特図の可変表示中に、タイトル表示演出の種類を選択する構成でもよい。また、「先の大当たり遊技」の実行中(例えば、オープニング中)に、タイトル表示演出の種類を選択する構成でもよい。
【0372】
また、上記第1実施形態では、特
図2の特図保留だけを対象に「保留連」の有無を判定する構成とした。しかしながら、特
図2の特図保留に加えて、特
図1の特図保留についても「保留連」の有無を判定する構成でもよい。このような構成の場合には、特図保留が記憶された遊技状態にかかわらず、「保留連」を発生可能な遊技機とすることが可能である。
【0373】
また、上記第1実施形態では、つなぎ演出をシナリオで管理する演出としたが、シナリオによらない演出としてもよい。具体的に例えば、つなぎ演出を複数の区間に分けて、つなぎ演出の実行とともに各区間の演出内容を決定してもよい。
【0374】
また、上記第1実施形態では、例えば、
図41に示す2つの大当たり遊技(第1大当たり遊技および第2大当たり遊技)の間に、つなぎ演出を実行する構成とした。つまり、第1大当たり遊技に伴う大当たり演出、つなぎ演出、および、第2大当たり遊技に伴う大当たり演出を順次行う構成とした。しかしながら、第1大当たり遊技に伴う大当たり演出、つなぎ演出、および、第2大当たり遊技に伴う大当たり演出を、演出内容が関連する一連の演出としてもよい。つまり、それら2つの大当たり遊技にわたって、一連の演出を実行してもよい。このような構成によれば、遊技者にとって、第1大当たり遊技と第2大当たり遊技との間が気付きづらいため、遊技者は、想定を超える規模の大当たり遊技が行われたように感じることが可能である。
【0375】
さらに、上記一連の演出に加えて、上述のタイトル表示演出、右打ち報知演出、上記所定の画像を用いたラウンド演出、および、獲得数予告演出の少なくとも1つの演出を実行可能な構成としてもよい。
【0376】
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、所謂「第1種」,「デジパチ」といわれるパチンコ遊技機PY1を遊技機として示した。しかしながら遊技機を、所謂「第3種」,「権利物」といわれるパチンコ遊技機や、「第1種」のパチンコ遊技機の特徴と「第2種」のパチンコ遊技機の特徴とを併せ持つ所謂「1種2種混合」といわれるパチンコ遊技機としてもよい。また、ST(スペシャルタイム)の期間、当選確率が高確率状態に制御される所謂「ST機」といわれるパチンコ遊技機としてもよい。
【0377】
「第1条件の成立」とは、始動口へ遊技球が入賞(入球)して、入賞した始動口についての特図保留数が上限値に達していない場合をいう。また、「第2条件の成立」とは、先に行われていた特図の可変表示が終了後に、特図保留数が「0」でない場合をいう。
【0378】
10.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
【0379】
〈手段A〉
手段A1に係る発明は、
所定の表示手段(表示部50a)を含む演出手段(画像表示装置50)を用いて所定の演出を実行可能な演出実行手段(サブ制御基板120)と、
第1条件の成立により、判定情報(特別図柄乱数値)を取得する取得手段(ステップS104のセンサ検出処理のうち、特図関係乱数の取得を行う遊技制御用マイコン101)と、
第2条件の成立により、取得された前記判定情報に基づき遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)の実行か否かの第1判定を行う第1判定手段(ステップS106の特別動作処理のうち、特別図柄待機処理を実行する遊技制御用マイコン101)と、
前記第1判定手段による前記第1判定の結果が前記特別遊技の実行の場合には、前記特別遊技を実行する特別遊技実行手段(ステップS106の特別動作処理のうち、大当たり遊技制御処理を実行する遊技制御用マイコン101)と、
前記第2条件が成立する前に、取得された前記判定情報に基づき前記特別遊技の実行か否かの第2判定を行う第2判定手段(ステップS104のセンサ検出処理のうち、先読み判定を実行する遊技制御用マイコン101)と、を備え、
前記演出実行手段は、
前記取得手段によって取得された第1の判定情報に基づく前記第1判定の結果が前記特別遊技の実行の場合には、その特別遊技が実行される際に前記所定の表示手段を用いて示唆表示(タイトル表示演出)を行うことがあり、
前記示唆表示を行う場合には、前記特別遊技の実行を示唆する通常示唆表示(第1表示演出等)を行うときと、前記第1の判定情報よりも後に取得された第2の判定情報に基づく前記第2判定の結果に基づいて、連続的に前記特別遊技が実行されることを示唆する特別示唆表示(第3表示演出)を行うときと、があり、
前記特別示唆表示を行った場合には、前記第2の判定情報に基づく前記特別遊技が実行される際に、前記示唆表示を行わないことを特徴とする遊技機(パチンコ遊技機PY1)である。
【0380】
この構成の遊技機によれば、第2の判定情報に基づく特別遊技が実行される際に示唆表示を行わないので、第2の判定情報に基づく特別遊技が先の特別遊技に引き続いて行われるように見せることが可能である。従って、遊技者は、特別示唆表示を伴う特別遊技として、想定を超える規模の特別遊技が行われたように感じることが可能であり、興趣向上が可能である。
【0381】
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機であって、
前記特別遊技には、遊技内容が互いに異なる複数種類の特別遊技があり、
前記示唆表示は、前記遊技内容を示唆する表示であり、
前記演出実行手段は、
前記特別遊技の実行が開始される際に、前記示唆表示とともに前記特別遊技の開始を示唆する開始演出(右打ち報知演出)を実行するときがあり、
前記特別示唆表示とともに前記開始演出を実行した場合には、前記第2の判定情報に基づく前記特別遊技の実行が開始される際に、前記示唆表示を行わずに前記開始演出を実行するときがあることを特徴とする遊技機である。
【0382】
この構成の遊技機によれば、第2の判定情報に基づく特別遊技が先の特別遊技に引き続いて行われるように見せつつ、開始演出の実行によって、第2の判定情報に基づく特別遊技の開始を知らせることが可能である。よって、遊技者は、想定を超えた特別遊技が行われたように感じることが可能であるとともに、第2の判定情報に基づく特別遊技の実行開始を把握可能である。
【0383】
〈手段B〉
手段B1に係る発明は、
所定の表示手段(表示部50a)を含む演出手段(画像表示装置50)を用いて所定の演出を実行可能な演出実行手段(サブ制御基板120)と、
第1条件の成立により、判定情報(特別図柄乱数値)を取得する取得手段(ステップS104のセンサ検出処理のうち、特図関係乱数の取得を行う遊技制御用マイコン101)と、
第2条件の成立により、取得された前記判定情報に基づき遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)の実行か否かの第1判定を行う第1判定手段(ステップS106の特別動作処理のうち、特別図柄待機処理を実行する遊技制御用マイコン101)と、
前記第1判定手段による前記第1判定の結果が前記特別遊技の実行の場合には、前記特別遊技を実行する特別遊技実行手段(ステップS106の特別動作処理のうち、大当たり遊技制御処理を実行する遊技制御用マイコン101)と、
前記第2条件が成立する前に、取得された前記判定情報に基づき前記特別遊技の実行か否かの第2判定を行う第2判定手段(ステップS104のセンサ検出処理のうち、先読み判定を実行する遊技制御用マイコン101)と、を備え、
前記特別遊技には、遊技内容が互いに異なる複数種類の特別遊技があり、
前記演出実行手段は、
前記取得手段によって取得された第1の判定情報に基づく前記第1判定が前記特別遊技の実行の場合には、その特別遊技の実行中に、前記所定の表示手段を用いて示唆表示(画像G107B等を用いたラウンド演出)を行うときがあり、
前記示唆表示を行う場合には、前記遊技内容を示唆する通常示唆表示(画像G107Bを用いた第1ラウンド演出等)を行うときと、前記第1の判定情報よりも後に取得された第2の判定情報に基づく前記第2判定の結果に基づいて、連続的に前記特別遊技が実行されることを示唆する特別示唆表示(画像G131Bを用いた第3ラウンド演出)を行うときと、があることを特徴とする遊技機(パチンコ遊技機PY1)である。
【0384】
この構成の遊技機によれば、特別遊技の実行中に特別示唆表示が行われた場合には、遊技者は、実行中の特別遊技の後にさらにもう一回の特別遊技が連続的に行われることを実行前に確信することが可能である。
【0385】
手段B2に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記特別示唆表示を行った場合には、前記第2の判定情報に基づく前記特別遊技の実行中に、前記特別示唆表示を行わないで前記通常示唆表示を行うときがあることを特徴とする遊技機である。
【0386】
この構成の遊技機によれば、第2の判定情報に基づく特別遊技の実行中に通常示唆表示を行う場合には、その実行中の特別遊技の後に特別遊技が連続的に行われないことを遊技者に示唆可能である。
【0387】
手段B3に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記特別示唆表示を行った場合には、前記第2の判定情報に基づく前記特別遊技の実行中にも、前記特別示唆表示と同じ表示を行うときがあることを特徴とする遊技機である。
【0388】
この構成の遊技機によれば、第2の判定情報に基づく特別遊技の実行中に特別示唆表示と同じ表示を行う場合には、その特別遊技が先の特別遊技と連続的に実行していることを遊技者に意識させることが可能である。
【0389】
手段B4に係る発明は、
手段B3に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記第2の判定情報よりも後に取得された第3の判定情報に基づく前記第2判定の結果に基づいて、前記第2の判定情報に基づく前記特別遊技の実行中に、前記特別示唆表示と同じ表示を行うときがあることを特徴とする遊技機である。
【0390】
この構成の遊技機によれば、第2の判定情報に基づく特別遊技の実行中に特別示唆表示と同じ表示が行われた場合には、遊技者は、その実行中の特別遊技の後にさらにもう一回の特別遊技(第3の判定情報に基づく特別遊技)が連続的に行われることを実行前に確信可能である。
【0391】
〈手段C〉
手段C1に係る発明は、
所定の表示手段(表示部50a)を含む演出手段(画像表示装置50)を用いて所定の演出を実行可能な演出実行手段(サブ制御基板120)と、
遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)の実行か否かの判定を行う判定手段(ステップS106の特別動作処理のうち、特別図柄待機処理を実行する遊技制御用マイコン101)と、
前記判定手段による前記判定の結果が前記特別遊技の実行の場合には、前記特別遊技を実行する特別遊技実行手段(ステップS106の特別動作処理のうち、大当たり遊技制御処理を実行する遊技制御用マイコン101)と、を備え、
前記特別遊技には、遊技利益が互いに異なる複数種類の特別遊技があり、
前記演出実行手段は、
前記判定の結果が前記特別遊技の実行の場合には、その特別遊技が実行される際に前記所定の表示手段を用いて前記遊技利益を示唆する利益表示(獲得数予告演出)を行うときがあり、
特定の条件下における前記判定の結果が前記特別遊技の実行の場合には、その特別遊技の実行開始後に前記利益表示を行うときがあり、
前記特定の条件下ではないときにおける前記判定の結果が前記特別遊技の実行の場合には、その特別遊技が実行される前に前記利益表示を行うときがあることを特徴とする遊技機(パチンコ遊技機PY1)である。
【0392】
この構成の遊技機によれば、利益表示のタイミングには複数あり、興趣向上が可能である。
【0393】
手段C2に係る発明は、
手段C1に記載の遊技機であって、
前記特定の条件下とは、前記特別遊技が終了してから所定回数の前記判定が行われるまでの期間であることを特徴とする遊技機である。
【0394】
この構成の遊技機によれば、特別遊技が終了してから所定回数の判定が行われるまでの期間での判定結果が特別遊技の実行の場合と、それ以外の期間での判定結果が特別遊技の実行の場合との間で、利益表示を行うタイミングを異なるようにすることが可能である。
【0395】
手段C3に係る発明は、
手段C1又は手段C2に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記判定の結果に基づいて、所定の演出図柄(EZ1,EZ2,EZ3)を変動させてから前記判定の結果を示唆する態様で停止させる変動演出を実行可能であり、
前記特別遊技が実行される前に前記利益表示を行う場合には、前記変動演出において、前記特別遊技が実行されることを示唆する態様で前記演出図柄を仮停止させた後に、前記利益表示を行うことを特徴とする遊技機である。
【0396】
この構成の遊技機によれば、特別遊技の実行を示唆する態様での演出図柄の仮停止後に利益表示が行われるので、遊技者は、特別遊技の実行前に、実行される特別遊技の遊技利益を把握することが可能である。
【0397】
手段C4に係る発明は、
手段C3に記載の遊技機であって、
第1条件の成立により、判定情報(特別図柄乱数値)を取得する取得手段(ステップS104のセンサ検出処理のうち、特図関係乱数の取得を行う遊技制御用マイコン101)を備え、
前記判定手段は、
前記第1条件とは異なる第2条件の成立により、取得された前記判定情報に基づき前記判定を行うものであり、
前記第2条件が成立する前に、取得された前記判定情報に基づき前記特別遊技の実行か否かの事前判定を行う事前判定手段(ステップS104のセンサ検出処理のうち、先読み判定を実行する遊技制御用マイコン101)を備え、
前記演出実行手段は、
前記取得手段によって取得された第1の判定情報に基づく前記判定の結果が前記特別遊技の実行の場合には、前記特別遊技が実行されることを示唆する態様で前記演出図柄を仮停止させた後に、前記所定の表示手段を用いて示唆表示(タイトル表示演出)を行うことがあり、
前記示唆表示を行う場合には、前記特別遊技の実行を示唆する通常示唆表示(第1表示演出等)を行うときと、前記第1の判定情報よりも後に取得された第2の判定情報に基づく前記事前判定の結果に基づいて、連続的に前記特別遊技が実行されることを示唆する特別示唆表示(第3表示演出)を行うときと、があり、
前記特別示唆表示を行った場合には、前記第2の判定情報に基づく前記特別遊技が実行される際に前記示唆表示を行わずに、その特別遊技の実行中に前記利益表示を行うことを特徴とする遊技機である。
【0398】
この構成の遊技機によれば、第2の判定情報に基づく特別遊技が実行される際に示唆表示を行わないので、第2の判定情報に基づく特別遊技が先の特別遊技に引き続いて行われるように見せることが可能である。しかも、その特別遊技の実行中に利益表示を行うので、第2の判定情報に基づく特別遊技の実行中に、その特別遊技の遊技利益を示唆可能である。
【0399】
〈手段D〉
手段D1に係る発明は、
所定の演出を実行可能な演出実行手段(サブ制御基板120)と、
第1条件の成立により、判定情報(特別図柄乱数値)を取得する取得手段(ステップS104のセンサ検出処理のうち、特図関係乱数の取得を行う遊技制御用マイコン101)と、
第2条件の成立により、取得された前記判定情報に基づき遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)の実行か否かの判定を行う判定手段(ステップS106の特別動作処理のうち、特別図柄待機処理を実行する遊技制御用マイコン101)と、
前記判定手段による前記判定の結果が前記特別遊技の実行の場合には、前記特別遊技を実行する特別遊技実行手段(ステップS106の特別動作処理のうち、大当たり遊技制御処理を実行する遊技制御用マイコン101)と、を備え、
前記演出実行手段は、
前記判定の結果に基づいて、所定の演出図柄(EZ1,EZ2,EZ3)を変動させてから前記判定の結果を示唆する態様で停止させる変動演出を実行可能であり、
前記取得手段によって取得された第1の判定情報に基づく前記判定の結果が前記特別遊技の実行の場合には、その前記判定の結果に基づく前記変動演出中に、前記特別遊技が実行されることを示唆する態様で前記演出図柄を仮停止させるときがあり、
前記第1の判定情報よりも後に取得された第2の判定情報に基づく前記判定の結果が前記特別遊技の実行の場合には、その前記判定の結果に基づく前記変動演出中に、前記演出図柄を仮停止させないときがあることを特徴とする遊技機(パチンコ遊技機PY1)である。
【0400】
この構成の遊技機によれば、変動演出に、演出図柄の仮停止を伴うものと演出図柄の仮停止を伴わないものとを設けることが可能である。そのため、遊技者は、バラエティに富んだ変動演出を遊技中に楽しむことが可能であり、興趣向上が可能である。
【0401】
手段D2に係る発明は、
手段D1に記載の遊技機であって、
前記第2条件が成立する前に、前記取得手段によって取得された前記判定情報に基づいて、前記特別遊技の実行か否かの事前判定を行う事前判定手段(ステップS104のセンサ検出処理のうち、先読み判定を実行する遊技制御用マイコン101)を備え、
前記演出実行手段は、
取得された前記第1の判定情報に基づく前記判定の結果が前記特別遊技の実行の場合には、前記変動演出中に前記演出図柄を仮停止させた後に、前記第2の判定情報に基づく前記事前判定の結果に基づいて、連続的に前記特別遊技が実行されることを示唆する特別示唆表示(第3表示演出)を行うときがあることを特徴とする遊技機である。
【0402】
この構成の遊技機によれば、特別遊技の実行を示唆した態様での演出図柄の仮停止、その後の特別示唆表示によって、遊技者は、連続的に実行される2つの特別遊技について段階的に把握可能である。
【符号の説明】
【0403】
50…画像表示装置(演出手段)
50a…表示部(所定の表示手段)
100…主制御基板
101…遊技制御用マイコン
120…サブ制御基板(演出実行手段)
121…演出制御用マイコン
EZ1…左演出図柄(所定の演出図柄)
EZ2…中演出図柄(所定の演出図柄)
EZ3…右演出図柄(所定の演出図柄)
PY1…パチンコ遊技機