(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-13
(45)【発行日】2023-06-21
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
A61F 13/539 20060101AFI20230614BHJP
A61F 13/533 20060101ALI20230614BHJP
A61F 13/53 20060101ALI20230614BHJP
【FI】
A61F13/539
A61F13/533 100
A61F13/53 100
(21)【出願番号】P 2019119884
(22)【出願日】2019-06-27
【審査請求日】2022-05-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000183462
【氏名又は名称】日本製紙クレシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100144048
【氏名又は名称】坂本 智弘
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 景
【審査官】山尾 宗弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-015886(JP,A)
【文献】特表2017-531531(JP,A)
【文献】特開2008-093290(JP,A)
【文献】特開2009-028186(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/539
A61F 13/533
A61F 13/53
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、前記トップシート及び前記バックシートの間に配置される吸収体とを有し、
前記トップシートと前記吸収体との間に、複数の漏斗状の開孔を有する開孔フィルムが配置される、吸収性物品であって、
前記吸収体は、幅方向中央部に、長手方向に沿って厚さ方向に吸収体を貫通する凹溝を少なくとも1条有し、
前記開孔フィルムは、前記凹溝に沿い、かつ、前記吸収体の全体を覆うように配置され、
前記開孔フィルムの、前記凹溝に沿った部分のうち、前記バックシートと接触する部分は、前記バックシートと接着固定され
、
前記開孔フィルムのうち前記凹溝に沿った部分の肌側には、前記トップシートによって覆われる空間が設けられ、
前記開孔フィルムは、前記開孔の開孔径の大きい方の面が前記吸収体側を向くように配置されていることを特徴とする、吸収性物品。
【請求項2】
前記開孔フィルムは、開孔径が1mm以下であり、開孔の数が30個/cm
2以上であることを特徴とする、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記トップシートは、前記凹溝に沿うように配置されていないことを特徴とする、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記開孔フィルムは、厚み方向で一方の面の開孔径が小さく、他方の面の開孔径が大きい開孔が施され、
前記開孔径が大きい一方の面の開孔径と、前記開孔径が小さい他方の面の開孔径の差が、0.03mm以上0.15mm以下であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記開孔フィルムと、前記バックシートの接着固定は、接着剤で接着し固定されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開孔フィルムを具備した吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、軽失禁パッド、パンツ型紙おむつ、テープ止め紙おむつ等の吸収性物品は、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、両シートの間に配置された吸収体と、で構成されている。これにより、尿等の体液は、トップシートを通って吸収体に吸収され、バックシートにより外部へ漏れないようになっている。このような吸収性物品には、体液の吸収性の向上、着用者の装着感の向上、漏れ防止等を図るために、様々な工夫がなされている。
【0003】
近年では、吸収速度を上げ、また、尿を拡散させるため、吸収体にスリットを設ける吸収体物品が多く存在する。それに伴い、吸水後、スリットの凹凸状態を維持させて、吸収速度を低下させない形態が求められている。
【0004】
そこで一般的に、シートで吸収体のスリット部分を覆い、固定して凹凸状態を維持させるため、(3D)トップシートやキャリアシート(ティシュ)が使用されている。
【0005】
例えば、特許文献1は、股間部を含む前後方向範囲に設けられた吸収体と、この吸収体の表側を覆うトップシートとを有し、少なくとも股間部における吸収体に、表面から裏側に窪む所定幅の凹溝又は所定幅のスリットが前後方向に延在されており、トップシートは吸収体の凹溝又はスリット内に落ち込んだ落ち込み部分を有しており、落ち込み部分の少なくとも一部に凸部を有する吸収性物品が開示されている。
【0006】
また、特許文献2は、透液性表面シートと裏面シートとの間に吸収体が介在された吸収性物品において、透液性表面シートは、相対的に目付が高い多数の凸部と、凸部の周囲に形成され、相対的に目付が低い凹部とからなる凹凸状のシートであり、凹溝を形成した状態で、凹溝の内部で透液性表面シートの凹凸状が維持されている吸収性物品が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2017-60633号公報
【文献】特開2016-49324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、キャリアシート(ティシュ)ではシート自体が尿を含み、吸収体に尿が到達するまで時間がかかる。また、(3D)トップシートをスリットの凹凸に沿わせて固定すると、スリットの凹凸部が直接肌に触れ、着用時の快適性が劣る。
【0009】
したがって、本発明は以上の課題に鑑みてなされたものであり、スリットの凹凸状態を維持しつつ、尿を素早く吸収体に到達させることができ、かつ、着用時の快適性を保つことができる吸収性物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意研究を行った。その結果、吸収体の幅方向中央部に長手方向に沿って凹溝を設け、吸収体の上に配置される開孔フィルムの凹溝に沿ってバックシートと接触する部分を接着固定することで上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
【0011】
(1)本発明の第1の態様は、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、前記トップシート及び前記バックシートの間に配置される吸収体とを有し、前記トップシートと前記吸収体との間に、複数の漏斗状の開孔を有する開孔フィルムが配置される、吸収性物品であって、前記吸収体は、幅方向中央部に、長手方向に沿って厚さ方向に吸収体を貫通する凹溝を少なくとも1条有し、前記開孔フィルムは、前記凹溝に沿い、かつ、前記吸収体の全体を覆うように配置され、前記開孔フィルムの、前記凹溝に沿った部分のうち、前記バックシートと接触する部分は、前記バックシートと接着固定されていることを特徴とする、吸収性物品である。
【0012】
(2)本発明の第2の態様は、(1)に記載の吸収性物品であって、前記開孔フィルムは、開孔径が1mm以下であり、開孔の数が30個/cm2以上であることを特徴とするものである。
【0013】
(3)本発明の第3の態様は、(1)又は(2)に記載の吸収性物品であって、前記トップシートは、前記凹溝に沿うように配置されていないことを特徴とするものである。
【0014】
(4)本発明の第4の態様は、(1)から(3)のいずれかに記載の吸収性物品であって、前記開孔フィルムは、厚み方向で一方の面の開孔径が小さく、他方の面の開孔径が大きい開孔が施され、前記開孔径が大きい一方の面の開孔径と、前記開孔径が小さい他方の面の開孔径の差が、0.03mm以上0.15mm以下であることを特徴とするものである。
【0015】
(5)本発明の第5の態様は、(1)から(4)のいずれかに記載の吸収性物品であって、前記開孔フィルムと、前記バックシートの接着固定は、接着剤で接着し固定されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
したがって、本発明によれば、スリットの凹凸状態を維持しつつ、尿を素早く吸収体に到達させることができ、かつ、着用時の快適性を保つことができる吸収性物品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明するが、これらは例示の目的で掲げたもので、これらにより本発明を限定するものではない。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ符号を付する。
【0019】
また、本明細書の説明において、吸収性物品1の着用時とは、吸収性物品1の着用時及び着用後の少なくとも一方をいう。吸収性物品1の長手方向とは、吸収性物品1が着用されたときに着用者の前後にわたる方向であり、図中、符号Yで示す方向である。また、吸収性物品1の幅方向とは、長手方向に対して横又は直交する方向であり、図中、符号Xで示す方向である。さらに、肌当接面とは、吸収体等の各部材の表裏両面のうち、着用時に着用者の肌側に配される面であり、非肌当接面とは、吸収体等の各部材の表裏両面のうち、着用時に着用者の肌側とは反対側に向けられる面である。体液とは、尿や血液、軟便中の水分等の体内から体外に排出された液体をいう。さらに、吸収性物品1としては、ベビー用又は成人用を問わず、軽失禁パッド、パンツ型紙おむつ、テープ止め紙おむつが例示されるが、これに限定されるものではなく、その他の吸収性物品であってもよい。
【0020】
<吸収性物品>
図1は、本発明の実施形態に係る吸収性物品1をトップシート10側から見た平面図であり、
図2は
図1のX
1-X
1の断面図である。
図1に示すように、吸収性物品1は、肌当接面側に配された液透過性のトップシート10と、トップシート10に対向して非肌当接面側に配置された液不透過性のバックシート20と、トップシート10とバックシート20との間に配置された吸収体30と、を備える。これにより、吸収体30は、トップシート10とバックシート20の間に挟まれた構造となっている。
【0021】
吸収性物品1の、長手方向の寸法は100mm以上800mm以下、幅方向の寸法は50mm以上500mm以下であることが好ましい。吸収性物品1の寸法を上記の範囲に調整することにより、軽失禁パッド、パンツ型紙おむつ、テープ止め紙おむつ等に適した吸収性物品1を得ることができる。
【0022】
また、吸収性物品1には、
図2に示すように、使用者の排泄した体液の横漏れを防止するため、吸収性物品1の長手方向に沿って、トップシート10上に、立体ギャザー用弾性部材を有する一対の立体ギャザー50を備えていてもよい。吸収性物品1の幅方向における立体ギャザー50の外端は、バックシート20に固定され、その内端はトップシート10に固着され、その中央はトップシート10に固定されない自由端となるように、立体ギャザーシートが配される。立体ギャザー用弾性部材を長手方向に沿って設けることで、立体ギャザー50が起立性を有し、着用者の体型に合わせて変形可能なものとなる。立体ギャザー用弾性部材としては、例えば、ポリウレタン糸、帯状のポリウレタンフィルム、糸状又は帯状の天然ゴム等が使用され、立体ギャザーシートとしては、疎水性繊維にて形成された撥水性又は液不透過性の不織布、例えば、スパンボンド不織布やメルトブロー不織布、スパンボンド/メルトブロー/スパンボンドを積層した複合不織布等が使用される。
【0023】
<トップシート>
トップシート10は、体液が吸収体30へと移動するような液透過性を備えた基材から形成されればよく、例えば、エアスルー不織布、サーマルボンド不織布、スパンボンド不織布等の不織布、サーマルボンド/スパンボンドを積層した複合不織布、ウレタンフォーム等の発泡フィルム、あるいは、これらを積層した複合シートといった材料から形成される。また、トップシート10には、液透過性を向上させるために、表面にエンボス加工や穿孔加工を施してもよい。これらのエンボス加工や穿孔加工を施すための方法としては、公知の方法を制限なく実施することができる。また、肌への刺激を低減させるため、トップシート10には、ローション、酸化防止剤、抗炎症成分、pH調整剤、抗菌剤、保湿剤等を含有させてもよい。
強度、加工性及び液戻り量の点から、トップシート10の坪量は、18g/m2以上40g/m2以下であることが好ましい。トップシート10の形状としては特に制限はないが、漏れがないように体液を吸収体30へと誘導するために必要とされる、吸収体30を覆う形状であればよい。また、トップシート10は後述する吸収体30の凹溝31に沿うように配置されないことが好ましい。トップシート10を凹溝31に沿うように配置しないことにより、吸収体30のスリットの凹凸部が直接肌に触れることがなく、吸収性物品1の着用時の快適性が維持される。
【0024】
<バックシート>
バックシート20は、吸収体30が保持している体液が衣類を濡らさないような液不透過性を備えた基材を用いて形成されればよく、樹脂フィルムや、樹脂フィルムと不織布とを積層した複合シートといった材料から形成される。複合シートに用いられる不織布としては、製法を特に限定せず、例えば、スパンボンド不織布やメルトブロー不織布、あるいは、スパンボンド/メルトブロー、スパンボンド/メルトブロー/スパンボンドを積層した複合不織布及びこれらの複合材料が挙げられる。また、樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンの複合フィルム等が挙げられる。
【0025】
強度及び加工性の点から、バックシート20の坪量は、15g/m2以上60g/m2以下であることが好ましい。また、装着時の蒸れを防止するため、バックシート20には、通気性を持たせることが好ましい。バックシート20に通気性を備えさせるためには、例えば、基材の樹脂フィルムにフィラーを配合したり、バックシート20にエンボス加工を施したりすればよい。なお、フィラーとしては炭酸カルシウムを挙げることができ、その配合方法は、公知の方法を制限なく行うことができる。
【0026】
<吸収体>
本発明の吸収性物品1において、吸収体30の長手方向の寸法LOは、100mm以上800mm以下であることが好ましく、150mm以上700mm以下であることがより好ましい。また、吸収体30の幅方向の寸法WOは、50mm以上500mm以下であることが好ましく、70mm以上400mm以下であることがより好ましい。
また、本発明の吸収体30は、
図1及び
図2に示すように、幅方向中央部に、長手方向に沿って厚さ方向に吸収体30を貫通する凹溝31を少なくとも1条有する。吸収体30に凹溝31を設けることで、吸収性物品1にスリットの凹凸部が形成され、吸収性物品1の吸収速度が上昇し、かつ、体液を吸収体30の全体に拡散させやすくなる。なお、凹溝31の存在する幅方向中央部とは、
図1に示すように、吸収性物品1の長手中心線X
1-X
1を中心とした長手方向の最長幅LCと、吸収性物品1の幅方向中心線Y
1-Y
1を中心とした幅方向の最長幅WCで囲まれる領域である。凹溝31の幅方向の最長幅WCの寸法は5mm以上100mm以下であることが好ましく、10mm以上50mm以下であることがより好ましい。長手方向の最長幅LCの寸法は、30mm以上700mm以下であることが好ましい。
【0027】
(吸収性繊維)
吸収体30は、基材としての吸収性繊維と、高吸収性ポリマー(SAP)とを含有する。
吸収性繊維は、一般に生理用ナプキンや紙おむつ、尿取りパッド等の吸収性物品に使用されるものであれば特に制限はなく、例えば、フラッフパルプ、コットン、レーヨン、アセテート、ティシュ、吸収紙、親水性不織布等を挙げることができる。これらの中でも、吸収性の観点から、フラッフパルプを使用することが好ましい。フラッフパルプとしては、木材パルプ(例えば、サウザンパインやダグラスファー等の針葉樹晒クラフトパルプ(N-BKP))、合成繊維、樹脂繊維、非木材パルプ等を綿状に解繊したものを挙げることができる。吸収体30に、基材としての吸収性繊維にフラッフパルプを用いた場合、吸収性繊維の坪量は、100g/m2以上800g/m2以下であることが好ましく、325g/m2以上615g/m2以下であることがより好ましい。これにより、肌触りを損なわずに、より多くの体液を吸収させることができる。
【0028】
(高吸収性ポリマー)
吸収体30の高吸収性ポリマーとしては、体液を吸収し、かつ、逆流を防止できるものであれば特に制限はなく、ポリアクリル酸ナトリウム系、ポリアスパラギン酸塩系、(デンプン-アクリル酸)グラフト共重合体、(アクリル酸-ビニルアルコール)共重合体、(イソブチレン-無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物等の材料から形成されたものを使用することができる。これらの中でも、重量当たりの吸収量の観点から、ポリアクリル酸ナトリウム系が好ましい。
【0029】
吸収体30に含有されるSAPの坪量は、100g/m2以上600g/m2以下であることが好ましく、245g/m2以上445g/m2以下であることがより好ましい。上記の数値範囲内とすることで、吸収体30におけるゲルブロッキングを防止し、かつ、吸収体30において多量の体液を吸収させることができる。
【0030】
<開孔フィルム>
本発明においては、トップシート10と吸収体30との間に、複数の漏斗状の開孔を有する開孔フィルム40が配されている。
開孔フィルム40は、体液が吸収体30へと移動するような液透過性、液拡散性を備えていることが好ましく、開孔フィルム40の形状としては特に制限はないが、液透過性の点から、開孔の数は30個/cm2以上であることが好ましく、50個/cm2以上60個/cm2以下であることがより好ましい。また、液拡散性の点で、開孔径は1mm以下であることが好ましく、0.3mm以上1.0mm以下であることがより好ましい。さらに、強度、加工性の点から、開孔フィルム40の坪量は、15g/m2以上60g/m2以下であることが好ましく、20g/m2以上30g/m2以下であることがより好ましい。開孔フィルム40の開孔の数、開孔径及び坪量を上記の範囲とすることにより、強度及び加工性の点で優れ、液透過性や液拡散性に優れた開孔フィルム40が得られる。なお、開孔フィルム40の材質は、例えば、ポリエチレンといった材料から形成される。
【0031】
開孔フィルム40は、
図3に示すように、厚み方向で一方の面の開孔径L1は小さく、他方の面の開孔径L2が大きいという開孔が施されている。開孔フィルム40は、どちらの開孔が吸収体30を向いていても構わないが、漏斗の開孔径の大きい方、すなわち開孔径L2の側の開孔が吸収体30側を向くように配置されていることが好ましい。これにより、下部の吸収体30への浸透に加え、横方向(前後左右)への拡散にも優れる吸収性物品1を得ることができる。また、液拡散性の点から、開孔径が大きい一方の面の開孔径L2と、開孔径が小さい他方の面の開孔径L1の差が、0.03mm以上0.15mm以下であることが好ましい。
また、本発明の吸収性物品1の開孔フィルム40は、吸収体30の凹溝31に沿い、かつ、吸収体30の全体を覆うように配置され、開孔フィルム40の、凹溝31に沿った部分のうち、バックシート20と接触する部分は、バックシート20と接着固定されている。開孔フィルム40で吸収体30の凹溝31を覆い、接着固定することで、体液の吸収後も凹溝31周辺の凹凸状態を維持しつつ、体液を素早く吸収体30に到達させることができる吸収性物品1が得られる。なお、開孔フィルム40と、バックシート20の接着固定は、接着剤で接着し固定されていることが好ましい。用いる接着剤の種類としては、ホットメルト接着剤や、澱粉系又はカルボキシメチルセルロース等の水溶性の接着剤等、通常吸収性物品のシート同士の接着に用いる接着剤であれば、特に制限はない。
【0032】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態や実施例に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0033】
1 吸収性物品
10 トップシート
20 バックシート
30 吸収体
31 凹溝
40 開孔フィルム
50 立体ギャザー