(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-14
(45)【発行日】2023-06-22
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20230615BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
(21)【出願番号】P 2021009834
(22)【出願日】2021-01-25
【審査請求日】2022-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】市原 卓人
(72)【発明者】
【氏名】藤原 海
(72)【発明者】
【氏名】窪田 倫也
【審査官】本村 眞也
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-116446(JP,A)
【文献】特開2015-226625(JP,A)
【文献】特開2016-140364(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作手段と、
発光部と、
遊技者に有利な特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、
所定の演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、
前記演出実行手段は、
前記発光部を所定の発光態様で発光可能であり、
特定期間中に前記操作手段の操作を遊技者に促す操作促進演出を実行可能であり、
前記所定の発光態様には、第1態様と、前記第1態様とは異なる第2態様と、を含み、
前記操作手段は、
前記発光部から発光された光を遊技者に視認させ得るものであり、
前記第1態様の発光色には、第1発光色と第2発光色とがあり、
前記発光部は、
前記特定期間中に前記第1発光色を伴う前記第1態様で発光するときと、前記第2発光色を伴う前記第1態様で発光するときと、があり、
前記特定期間中に前記第2発光色を伴う前記第1態様で発光するよりも前記第1発光色を伴う前記第1態様で発光する場合の方が、その後に前記特別遊技が行われる可能性が高く、
前記特定期間中に前記第1発光色を伴う前記第1態様で発光する場合には、当該特定期間の直前の期間に当たる直前期間に前記第1発光色と同じ発光色を伴う前記第2態様で発光するときがあり、
前記特定期間中に前記第2発光色を伴う前記第1態様で発光する場合には、当該特定期間の直前の前記直前期間に前記第2態様で発光しないことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機に代表される遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、表示部にて演出図柄を用いた変動表示演出の実行中に、遊技機枠に設けられた操作ボタンを遊技者に操作するのを促す演出を実行可能な遊技機が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の遊技機では、演出の興趣向上の観点から改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示される遊技機は、
操作手段と、
発光部と、
遊技者に有利な特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、
所定の演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、
前記演出実行手段は、
前記発光部を所定の発光態様で発光可能であり、
特定期間中に前記操作手段の操作を遊技者に促す操作促進演出を実行可能であり、
前記所定の発光態様には、第1態様と、前記第1態様とは異なる第2態様と、を含み、
前記操作手段は、
前記発光部から発光された光を遊技者に視認させ得るものであり、
前記第1態様の発光色には、第1発光色と第2発光色とがあり、
前記発光部は、
前記特定期間中に前記第1発光色を伴う前記第1態様で発光するときと、前記第2発光色を伴う前記第1態様で発光するときと、があり、
前記特定期間中に前記第2発光色を伴う前記第1態様で発光するよりも前記第1発光色を伴う前記第1態様で発光する場合の方が、その後に前記特別遊技が行われる可能性が高く、
前記特定期間中に前記第1発光色を伴う前記第1態様で発光する場合には、当該特定期間の直前の期間に当たる直前期間に前記第1発光色と同じ発光色を伴う前記第2態様で発光するときがあり、
前記特定期間中に前記第2発光色を伴う前記第1態様で発光する場合には、当該特定期間の直前の前記直前期間に前記第2態様で発光しないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、演出を通じて遊技の興趣向上に寄与する遊技機を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】(A)は遊技状態の種類を示す説明図であり、(B)は大当たり遊技の種類を示す説明図である。
【
図4】(A)は大当たり遊技の流れを示すタイムチャートであり、(B)は小当たり遊技の流れを示すタイムチャートであり、(C)は補助遊技の流れを示すタイムチャートである。
【
図6】特図変動演出の通常変動の具体例を示す説明図である。
【
図7】特図変動演出のNリーチの具体例を示す説明図である。
【
図8】特図変動演出のSPリーチの具体例を示す説明図である。
【
図9】特図変動演出のSPSPリーチの具体例を示す説明図である。
【
図13】遊技機の制御に関わる部分のブロック図である。
【
図14】変動パターン判定テーブルの具体例である。
【
図18】第1実施形態の変動パターン判定テーブルの具体例である。
【
図19】(A)は「大当たり当選」の場合に選択される特
図1変動パターンの振分率を示す表であり、(B)は「リーチ有りハズレ」の場合に選択される特
図1変動パターンの振分率を示す表である。
【
図20】第1実施形態の客待ち演出の説明図である。
【
図21】第1実施形態のOFF設定態様の単押ボタン演出の説明図である。
【
図22】第1実施形態のOFF設定態様の連打ボタン演出の説明図である。
【
図23】第1実施形態のON設定態様の単押ボタン演出の説明図である。
【
図24】第1実施形態のON設定態様の連打ボタン演出の説明図である。
【
図25】自動モードがOFFのときに、第1態様で通常ボタンが発光することについての説明図である。
【
図26】(A)は自動モードがONのときに、第2態様で通常ボタンが発光することについての説明図であり、(B)は自動モードがONのときに、第3態様で通常ボタンが発光することについての説明図である。
【
図27】(A)は自動モードがONのときに、第2態様で通常ボタンが発光することについての説明図であり、(B)は自動モードがONのときに、第2態様で通常ボタンが発光することについての説明図である。
【
図28】通常ボタンの発光態様の説明図であり、(A-1)は自動モードがOFF時における単押ボタン演出の実行前後についてのものであり、(A-2)は自動モードがOFF時における連打ボタン演出の実行前後についてのものであり、(B-1)および(B-2)は自動モードがON時における単押ボタン演出の実行前後についてのものであり、(B-3)および(B-4)は自動モードがON時における連打ボタン演出の実行前後についてのものである。
【
図29】第1実施形態のボタン演出の種別選択テーブルであり、(A)は自動モードがOFF時におけるものであり、(B)は自動モードがON時におけるものである。
【
図30】変更例の通常ボタンの発光態様の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態の例を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。尚、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。また、後述に任意のフローチャートがある場合、そのフローチャートにおいて、任意の複数のステップにおける複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる又は並列に実行できる。
【0009】
<基本実施形態>
後に、本発明の遊技機の第1実施形態を説明するが、まず、その第1実施形態の基礎となる基本実施形態を説明する。基本実施形態では、本発明の遊技機を、パチンコ遊技機PY1に適用している。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機PY1の各部の左右上下方向は、そのパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者にとっての(正面視の)左右上下方向のことである。また、「前方」は、パチンコ遊技機PY1から当該パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者に近づく方向とし、「後方」は、パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者から当該パチンコ遊技機PY1に近づく方向とする。
【0010】
1.遊技機の構造
最初に、パチンコ遊技機PY1の構造について
図1を用いて説明する。
図1は、パチンコ遊技機PY1の正面図である。
【0011】
パチンコ遊技機PY1は、パチンコホールの島構造体に取り付けられる外枠22と、外枠22に対して開閉自在に取り付けられる前扉23と、を具備する。前扉23は、遊技盤1が取り付けられる遊技盤取付枠2Aと、遊技盤取付枠2Aに対して開閉自在に取り付けられる前枠23mと、を具備する。また、前枠23mは、透明性を有する透明板23tを具備し、透明板23tを介して、遊技盤1を前方(遊技者側)から視認することが可能である。
【0012】
また、前扉23は、遊技球を貯留するための上皿34、および、遊技球を遊技盤1に発射するためのハンドル72k、を具備する。上皿34は、前扉23の下部に設置され、ハンドル72kに供給される遊技球を貯留する。ハンドル72kは、前扉23の右下部に設置され、遊技者がハンドル72kを操作することによって、上皿34に貯留された遊技球が遊技盤1に発射される。
【0013】
また、前扉23は、所定の音声を出力可能なスピーカ52、所定の発光色で発光可能な枠ランプ53、および、所定の動作態様で動作可能な枠可動体58k、を具備する。スピーカ52は、前扉23の左上部および右上部に設置され、例えば、BGM(Back Ground Music)や効果音等を出力する。枠ランプ53は、前扉23の左部および右部であって透明板23tの周囲に設置され、例えば、複数のLED(Light Emitting Diode)で構成される。枠可動体58kは、前扉23の上部に設置される。また、枠可動体58kは、駆動モータ(不図示)を具備し、例えば、
図1に示すように、駆動モータによって上下に移動可能に構成される。なお、枠可動体58kの動きは、上下の移動以外であっても良い。
【0014】
また、前扉23は、遊技者が操作可能な通常ボタン40、および、遊技者が操作可能な特殊ボタン41、を具備する。通常ボタン40および特殊ボタン41は、例えば、押下面を有するボタン,把持部を有するレバー等で構成される。通常ボタン40は、所定の発光色で発光可能なランプ(不図示)、および、所定の振動態様で振動可能な振動モータ(不図示)、を具備し、ランプによって発光可能に構成されるとともに、振動モータによって振動可能に構成される。一方、特殊ボタン41は、所定の発光色で発光可能なランプ(不図示)、および、所定の振動態様で振動可能な振動モータ(不図示)、を具備し、ランプによって発光可能に構成されるとともに、振動モータによって振動可能に構成される。なお、通常ボタン40または特殊ボタン41は、所定の動作態様(例えば回転,突出等)で動作可能に構成されるようにしても良いし、十字キーやタッチパネル等で構成されるようにしても良い。
【0015】
2.遊技盤の構造
次に、遊技盤取付枠2Aに取り付けられる遊技盤1の構造について
図2を用いて説明する。
図2は、遊技盤1の正面図である。
【0016】
遊技盤1は、ハンドル72kの操作によって発射された遊技球が流下(落下)可能な遊技領域6を備える。遊技領域6には、遊技球の流下方向に変化を与える遊技釘(不図示)が設置されるとともに、遊技球が入賞(入球または通過)可能な入賞装置が設置される。入賞装置には、一般入賞口10、第1始動口11、第2始動口12、ゲート13、第1大入賞口14および第2大入賞口15が含まれる。各入賞装置のそれぞれは、遊技球の入球または通過を検出する検出センサを具備する。
【0017】
第1始動口11は、遊技球が入球可能となるように、遊技領域6の下部に設置される。パチンコ遊技機PY1は、遊技球が第1始動口11に入球すると、上皿34に、賞球として、所定個数(例えば3個)の遊技球を払い出す。また、パチンコ遊技機PY1は、遊技球が第1始動口11に入球すると、後述する大当たり判定を受けるための権利を取得する。第1始動口11は、常に遊技球の入球のし易さが不変に構成される。
【0018】
第2始動口12は、遊技球が入球可能となるように、遊技領域6の下部であって第1始動口11の下方に設置される。パチンコ遊技機PY1は、遊技球が第2始動口12に入球すると、上皿34に、賞球として、所定個数(例えば1個)の遊技球を払い出す。また、パチンコ遊技機PY1は、遊技球が第2始動口12に入球すると、遊技球が第1始動口11に入球したときと同様に、大当たり判定を受けるための権利を取得する。第2始動口12は、第1始動口11と異なり、開閉可能な開閉部材12kおよび開閉ソレノイド(不図示)を具備する。パチンコ遊技機PY1は、開閉ソレノイドを用いて開閉部材12kを開閉することによって、第2始動口12に遊技球が入球しないまたは入球し難い閉状態(閉口した状態)と、閉状態よりも第2始動口12に遊技球が入球し易い開状態(開放した状態)と、のどちらかの状態にする。
【0019】
ゲート13は、遊技球が通過可能となるように、遊技領域6の右部に設置される。パチンコ遊技機PY1は、遊技球がゲート13を通過すると、後述する当たり判定を受けるための権利を取得する。なお、パチンコ遊技機PY1は、遊技球がゲート13を通過しても、上皿34に賞球を払い出さない。
【0020】
第1大入賞口14は、遊技球が入球可能となるように、遊技領域6の右下部に設置される。パチンコ遊技機PY1は、遊技球が第1大入賞口14に入球すると、上皿34に、賞球として、所定個数(例えば15個)の遊技球を払い出す。第1大入賞口14は、開閉可能な第1開閉扉14kおよび開閉ソレノイド(不図示)を具備する。パチンコ遊技機PY1は、開閉ソレノイドを用いて第1開閉扉14kを開閉することによって、第1大入賞口14に遊技球が入球不可能な閉状態(閉口した状態)と、遊技球が入球可能な開状態(開放した状態)と、のどちらかの状態にする。
【0021】
第2大入賞口15は、遊技球が入球可能となるように、遊技領域6の右下部であって第1大入賞口14の下方に設置される。パチンコ遊技機PY1は、遊技球が第2大入賞口15に入球すると、上皿34に、賞球として、所定個数(例えば15個)の遊技球を払い出す。第2大入賞口15は、開閉可能な第2開閉扉15kおよび開閉ソレノイド(不図示)を具備する。パチンコ遊技機PY1は、開閉ソレノイドを用いて第2開閉扉15kを開閉することによって、第2大入賞口15に遊技球が入球不可能な閉状態(閉口した状態)と、遊技球が入球可能な開状態(開放した状態)と、のどちらかの状態にする。
【0022】
一般入賞口10は、遊技球が入球可能となるように、遊技領域6の左下部および右下部に設置される。パチンコ遊技機PY1は、遊技球が一般入賞口10に入球すると、上皿34に、賞球として、所定個数(例えば5個)の遊技球を払い出す。
【0023】
また、遊技領域6の最下部には、アウト口19が設置され、一般入賞口10、第1始動口11、第2始動口12、第1大入賞口14および第2大入賞口15の何れにも入賞しなかった遊技球が、アウト口19を介してパチンコ遊技機PY1から排出される。
【0024】
また、遊技盤1は、所定の演出表示を表示可能な画像表示装置50、所定の発光色で発光可能な盤ランプ54、および、所定の動作態様で動作可能な盤上可動体55k、を具備する。画像表示装置50は、遊技盤1の中央部に設置され、例えば、液晶ディスプレイ,ドット表示器,7セグ表示器等で構成される表示部50aを具備する。盤ランプ54は、表示部50aの上方に設置され、例えば、複数のLEDで構成される。盤上可動体55kは、表示部50aの前方且つ上方に設置される。盤上可動体55kは、駆動モータ(不図示)を具備し、例えば、
図2に示すように、駆動モータによって上下に移動可能に構成される。なお、盤上可動体55kの動きは、上下の移動以外であっても良い。
【0025】
また、遊技盤1は、パチンコ遊技機PY1の状態を報知するための表示器類8を具備する。表示器類8は、遊技盤1の左下部に設置され、例えば、複数のLEDで構成される。パチンコ遊技機PY1は、複数のLEDの点灯、点滅および消灯の組み合わせによって、パチンコ遊技機PY1の遊技の状態(後述する、特図の可変表示および停止表示,普図の可変表示および停止表示,特
図1保留数,特
図2保留数,普図保留数等)を遊技者に報知する。
【0026】
3.基本遊技
次に、パチンコ遊技機PY1の基本遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、ハンドル72kの操作によって発射された遊技球を用いて、特図遊技および普図遊技を実行可能である。
【0027】
3-1.特図遊技
パチンコ遊技機PY1は、遊技球の第1始動口11への入賞または遊技球の第2始動口12への入賞が発生すると、大当たり判定を受けるための権利を取得し、取得した権利に基づいて大当たり判定を行う。そして、パチンコ遊技機PY1は、大当たり判定の結果に応じて特図の可変表示を行う。特図の可変表示の態様(「可変表示時間」ともいう)は、後述する変動パターンの種類によって異なる。
【0028】
大当たり判定を受けるための権利は、例えば乱数値であり、パチンコ遊技機PY1は、取得した乱数値に基づいて大当たり判定を行う。大当たり判定は、大当たり遊技を行うか否かを判定するものであり、大当たり遊技を行う場合には大当たり当選とし、小当たり遊技を行う場合には小当たり当選とし、大当たり遊技および小当たり遊技の何れも行わない場合にはハズレとする。
【0029】
パチンコ遊技機PY1は、遊技球の第1始動口11への入賞によって大当たり判定を行うと、第1特図の可変表示を行う。第1特図の可変表示は、例えば、表示器類8の左上部の2つのLEDが点滅する表示である。パチンコ遊技機PY1は、変動パターンの種類に応じた可変表示時間が経過すると、大当たり判定の結果を示す態様で第1特図の停止表示を行う。第1特図の停止表示の態様として、大当たり当選を示す態様(例えば、左上部の2つのLEDが点灯)と、小当たり当選を示す態様(例えば、左上部の一方のLEDだけが点灯)と、ハズレを示す態様(例えば、左上部の他方のLEDだけが点灯)と、がある。
【0030】
一方、パチンコ遊技機PY1は、遊技球の第2始動口12への入賞によって大当たり判定を行うと、第2特図の可変表示を行う。第2特図の可変表示は、例えば、表示器類8の左下部の2つのLEDが点滅する表示である。パチンコ遊技機PY1は、変動パターンの種類に応じた可変表示時間が経過すると、大当たり判定の結果を示す態様で第2特図の停止表示を行う。第2特図の停止表示の態様として、大当たり当選を示す態様(例えば、左下部の2つのLEDが点灯)と、小当たり当選を示す態様(例えば、左下部の一方のLEDだけが点灯)と、ハズレを示す態様(例えば、左下部の他方のLEDだけが点灯)と、がある。
【0031】
また、パチンコ遊技機PY1は、特図の可変表示中に遊技球が第1始動口11に入賞した場合、後述する先読み判定を行うとともに、取得した大当たり判定を受けるための権利を特
図1保留として記憶する。一方、パチンコ遊技機PY1は、特図の可変表示中に遊技球が第2始動口12に入賞した場合、先読み判定を行うとともに、取得した大当たり判定を受けるための権利を特
図2保留として記憶する。パチンコ遊技機PY1は、特
図1保留および特
図2保留を、所定数(例えば、特
図1保留が4,特
図2保留が4)まで記憶することが可能である。パチンコ遊技機PY1は、特図の停止表示後に、特
図1保留および特
図2保留に対する大当たり判定を行う。なお、特
図1保留と特
図2保留とが同時に記憶されている場合には、特
図2保留に対する大当たり判定が優先的に行われるようにしても良いし、特
図1保留に対する大当たり判定が優先的に行われるようにしても良いし、記憶された順に大当たり判定が行われるようにしても良い。
【0032】
先読み判定は、大当たり判定が行われる前に、大当たり遊技が行われるか否か(大当たり判定にて大当たり当選となるか否か)を事前に判定するものであり、大当たり遊技が行われる場合には先読み当選とし、大当たり遊技が行われない場合には先読み非当選とする。なお、複数種類の変動パターンが決定可能になっている場合には、先読み判定において、決定される変動パターンを事前に判定する変動パターン事前判定を行うようにしても良い。
【0033】
パチンコ遊技機PY1は、特
図1保留または特
図2保留を記憶しているときに、その数を遊技者に報知する。特
図1保留数は、例えば、表示器類8の中上部の2つのLEDの点灯または点滅によって報知され、特
図1保留数が「1」のときには、1つのLEDだけが点灯し、特
図1保留数が「2」のときには、2つのLEDだけが点灯し、特
図1保留数が「3」のときには、1つのLEDだけが点滅し、特
図1保留数が「4」のときには、2つのLEDだけが点滅する。一方、特
図2保留数は、例えば、表示器類8の中下部の2つのLEDの点灯または点滅によって報知され、特
図2保留数が「1」のときには、1つのLEDだけが点灯し、特
図2保留数が「2」のときには、2つのLEDだけが点灯し、特
図2保留数が「3」のときには、1つのLEDだけが点滅し、特
図2保留数が「4」のときには、2つのLEDだけが点滅する。
【0034】
また、パチンコ遊技機PY1は、大当たり当選を示す態様で第1特図または第2特図を停止表示した後に、大当たり遊技を行う。大当たり遊技は、詳細については後述するが、第1大入賞口14または第2大入賞口15が開放するラウンド遊技が複数回(例えば10回)行われる遊技である。大当たり遊技は、第1大入賞口14または第2大入賞口15の開放によって、遊技球の入賞の機会(賞球の機会)が与えられるため、遊技者にとって有利な遊技である。なお、大当たり遊技は、複数回のラウンド遊技の全てが行われることによって終了する。
【0035】
一方、パチンコ遊技機PY1は、小当たり当選を示す態様で第1特図または第2特図を停止表示した後に、小当たり遊技を行う。小当たり遊技は、詳細については後述するが、第1大入賞口14または第2大入賞口15が所定時間(例えば5秒)だけ開放する遊技である。小当たり遊技は、第1大入賞口14または第2大入賞口15の開放によって、遊技球の入賞の機会(賞球の機会)が与えられるため、遊技者にとって有利な遊技である。
【0036】
3-2.普図遊技
パチンコ遊技機PY1は、遊技球のゲート13への通過が発生すると、当たり判定を受けるための権利を取得し、取得した権利に基づいて当たり判定を行う。そして、パチンコ遊技機PY1は、当たり判定の結果に応じて普図の可変表示を行う。
【0037】
当たり判定は、補助遊技を行うか否かを判定するものであり、補助遊技を行う場合には当たり当選とし、補助遊技を行わない場合にはハズレとする。
【0038】
パチンコ遊技機PY1は、遊技球のゲート13への入賞によって当たり判定を行うと、普図の可変表示を行う。普図の可変表示は、表示器類8の右上部の複数のLEDが点滅する表示である。パチンコ遊技機PY1は、普図の可変表示の開始から所定時間が経過すると、当たり判定の結果を示す態様で普図の停止表示を行う。普図の停止表示の態様として、当たり当選を示す態様(例えば、全てのLEDが点灯)と、ハズレを示す態様(例えば、一方のLEDだけが点灯)と、がある。
【0039】
また、パチンコ遊技機PY1は、普図の可変表示中において遊技球がゲート13に入賞すると、取得した当たり判定の受けるための権利を普図保留として記憶する。パチンコ遊技機PY1は、普図保留を、所定数(例えば2)まで記憶可能である。パチンコ遊技機PY1は、普図の停止表示後に、普図保留に対する当たり判定を行う。
【0040】
パチンコ遊技機PY1は、普図保留を記憶しているときに、その数を遊技者に報知する。普図保留数は、表示器類8の右下部の複数のLEDの点灯によって報知され、例えば、普図保留数が「1」のときには、1つのLEDだけが点灯し、普図保留数が「2」のときには、2つのLEDだけが点灯する。
【0041】
パチンコ遊技機PY1は、当たり当選を示す態様で普図を停止表示した後に、補助遊技を行う。補助遊技は、詳細については後述するが、第2始動口12が所定時間(例えば3.5秒)だけ開放する遊技である。補助遊技は、第2始動口12の開放によって、第2始動口12への遊技球の入賞の機会(賞球の機会,大当たり判定を受けるための権利の取得の機会)が与えられるため、遊技者にとって有利な遊技である。
【0042】
4.遊技状態
次に、パチンコ遊技機PY1の遊技状態について
図3(A)を用いて説明する。
図3(A)は、パチンコ遊技機PY1がとり得る遊技状態を示す図である。パチンコ遊技機PY1は、
図3(A)に示すように、大当たり遊技が行われる大当たり遊技状態を除いて、「低確率低ベース遊技状態」(「通常遊技状態」ともいう)、「低確率高ベース遊技状態」(「時短遊技状態」ともいう)、「高確率低ベース遊技状態」(「潜確遊技状態」ともいう)、および、「高確率高ベース遊技状態」(「確変遊技状態」ともいう)、の4種類の遊技状態のうち、何れか1つまたは複数の遊技状態をとり得るようにすることが可能である。
【0043】
「低確率低ベース遊技状態」は、パチンコ遊技機PY1の初期状態における遊技状態である。パチンコ遊技機PY1は、前扉23の背面に設けられる初期化スイッチ(「RAMクリアスイッチ」ともいう)(不図示)の操作によって、遊技状態を初期状態にすることが可能である。
【0044】
「低確率高ベース遊技状態」は、大当たり遊技状態の後にとり得ることがある遊技状態であり、所定の時短終了条件が成立するまで継続する。所定の時短終了条件には、大当たり遊技が行われることと、特図の可変表示の回数が所定回数(例えば200回)に達することと、が含まれる。
【0045】
また、「低確率高ベース遊技状態」は、「低確率低ベース遊技状態」における大当たり判定にて特定のハズレとなった場合にもとり得ることがある。特定のハズレには、予め定めた特定回数(例えば900回)の全ての大当たり判定でハズレとなった場合の特定回数目のハズレと、大当たり判定でのハズレのうちの特定割合(例えば1/200)のハズレと、が含まれる。パチンコ遊技機PY1は、特定のハズレとなった特図の可変表示の終了後(特図の停止表示後)に「低確率高ベース遊技状態」にする。この場合の「低確率高ベース遊技状態」も、大当たり遊技状態の後に「低確率高ベース遊技状態」になった場合と同様に、所定の時短終了条件が成立するまで継続する。
【0046】
「高確率低ベース遊技状態」は、大当たり遊技状態の後にとり得ることがある遊技状態であり、所定の潜確終了条件が成立するまで継続する。所定の潜確終了条件には、大当たり遊技が行われることと、特図の可変表示の回数が所定回数(例えば200回)に達することと、が含まれる。なお、大当たり遊技中に、第1大入賞口14または第2大入賞口15の内部に設けられる特定領域を遊技球が通過することによって、「高確率低ベース遊技状態」になるようにしても良い。
【0047】
「高確率高ベース遊技状態」は、大当たり遊技状態の後にとり得ることがある遊技状態であり、所定の確変終了条件が成立するまで継続する。所定の確変終了条件には、大当たり遊技が行われることと、特図の可変表示の回数が所定回数(例えば100回)に達することと、が含まれる。なお、大当たり遊技中に、第1大入賞口14または第2大入賞口15の内部に設けられる特定領域を遊技球が通過することによって、「高確率高ベース遊技状態」になるようにしても良い。
【0048】
「低確率低ベース遊技状態」および「低確率高ベース遊技状態」は、大当たり判定にて大当たり当選となる確率が通常確率(例えば1/300)の通常確率状態に属し、「高確率低ベース遊技状態」および「高確率高ベース遊技状態」は、大当たり判定にて大当たり当選となる確率が通常確率よりも高い高確率(例えば1/30)の高確率状態に属する。従って、「高確率低ベース遊技状態」および「高確率高ベース遊技状態」は、大当たり当選確率に関し、「低確率低ベース遊技状態」および「低確率高ベース遊技状態」よりも遊技者に有利な遊技状態であると言える。
【0049】
また、「低確率低ベース遊技状態」および「高確率低ベース遊技状態」は、第2始動口12に遊技球が入賞しない又は入賞し難い状態(例えば、当たり判定にて当たり当選とならない又はなり難い状態や、第2始動口12の開放時間が比較的短い状態)の非時短状態に属し、「低確率高ベース遊技状態」および「高確率高ベース遊技状態」は、第2始動口12に遊技球が入賞し易い状態(例えば、当たり判定にて当たり当選となり易い状態や、第2始動口12の開放時間が比較的長い状態)の時短状態に属する。従って、第2始動口12に関し(第2始動口12への遊技球の入賞し易さに関し)、「低確率高ベース遊技状態」および「高確率高ベース遊技状態」は、「低確率低ベース遊技状態」および「高確率低ベース遊技状態」よりも遊技者に有利な遊技状態であると言える。
【0050】
なお、非時短状態は、第2始動口12に遊技球が入賞しない又は入賞し難い状態であるため、「低確率低ベース遊技状態」および「高確率低ベース遊技状態」は、第2始動口12よりも第1始動口11に遊技球が入賞し易い遊技状態であると言える一方、時短状態は、第2始動口12に遊技球が入賞し易い状態であるため、「低確率高ベース遊技状態」および「高確率高ベース遊技状態」は、第1始動口11よりも第2始動口12に遊技球が入賞し易い遊技状態であると言える。
【0051】
また、パチンコ遊技機PY1は、前扉23の背面に設けられる設定変更スイッチ(不図示)の操作によって、通常確率状態および高確率状態における大当たり当選確率を変更することが可能である。設定変更スイッチは、例えば、上段、中段、下段の3段階に切り替え可能なディップスイッチである。設定変更スイッチが上段にあることを「設定1」といい、設定変更スイッチが中段にあることを「設定2」といい、設定変更スイッチが下段にあることを「設定3」という。「設定1」は、通常確率状態における大当たり当選確率が第1の確率(例えば1/300)であり、高確率状態における大当たり当選確率が第2の確率(例えば1/30)である。また、「設定2」は、通常確率状態における大当たり当選確率が第1の確率よりも高い第3の確率(例えば1/280)であり、高確率状態における大当たり当選確率が第2の確率よりも高い第4の確率(例えば1/28)である。また、「設定3」は、通常確率状態における大当たり当選確率が第3の確率よりも高い第5の確率(例えば1/260)であり、高確率状態における大当たり当選確率が第4の確率よりも高い第6の確率(例えば1/26)である。なお、大当たり当選確率については、「設定1」<「設定2」<「設定3」の順に高くなる範囲で、適宜に変更することが可能である。
【0052】
5.大当たり遊技
次に、パチンコ遊技機PY1が行う大当たり遊技について
図3(B),
図4(A)を用いて説明する。パチンコ遊技機PY1は、
図3(B)に示すように、「大当たり遊技Wα」、「大当たり遊技Xα」、「大当たり遊技Yα」および「大当たり遊技Zα」の4種類の大当たり遊技のうち、何れか1種類または複数種類の大当たり遊技を行うことが可能である。
【0053】
「大当たり遊技Wα」は、その後に「高確率高ベース遊技状態」になる大当たり遊技であり、α回数のラウンド遊技が終了するまで継続する。αは、2~10の整数であり、パチンコ遊技機PY1は、1回のラウンド遊技において、第1大入賞口14および第2大入賞口15の何れか一方を開放する。つまり、「大当たり遊技Wα」では、αに応じて、2回~10回の何れかの回数のラウンド遊技が行われる。
【0054】
「大当たり遊技Xα」は、その後に「低確率高ベース遊技状態」になる大当たり遊技であり、α回数のラウンド遊技が終了するまで継続する。αは、2~10の整数であり、パチンコ遊技機PY1は、1回のラウンド遊技において、第1大入賞口14および第2大入賞口15の何れか一方を開放する。つまり、「大当たり遊技Xα」では、αに応じて、2回~10回の何れかの回数のラウンド遊技が行われる。
【0055】
「大当たり遊技Yα」は、その後に「高確率低ベース遊技状態」になる大当たり遊技であり、α回数のラウンド遊技が終了するまで継続する。αは、2~10の整数であり、パチンコ遊技機PY1は、1回のラウンド遊技において、第1大入賞口14および第2大入賞口15の何れか一方を開放する。つまり、「大当たり遊技Yα」では、αに応じて、2回~10回の何れかの回数のラウンド遊技が行われる。
【0056】
「大当たり遊技Zα」は、その後に「低確率低ベース遊技状態」になる大当たり遊技であり、α回数のラウンド遊技が終了するまで継続する。αは、2~10の整数であり、パチンコ遊技機PY1は、1回のラウンド遊技において、第1大入賞口14および第2大入賞口15の何れか一方を開放する。つまり、「大当たり遊技Zα」では、αに応じて、2回~10回の何れかの回数のラウンド遊技が行われる。
【0057】
なお、「大当たり遊技Wα」、「大当たり遊技Xα」、「大当たり遊技Yα」および「大当たり遊技Zα」において、全てのラウンド遊技に対して第1大入賞口14だけが開放されるようにしても良いし、全てのラウンド遊技に対して第2大入賞口15だけが開放されるようにしても良いし、一部のラウンド遊技に対しては第1大入賞口14が開放され、残りのラウンド遊技に対しては第2大入賞口15が開放されるようにしても良い。第1大入賞口14が開放されるラウンド遊技、および、第2大入賞口15が開放されるラウンド遊技、の何れのラウンド遊技も、遊技球の入賞の機会(賞球の機会)が与えられるため、遊技者にとって有利な遊技である。
【0058】
「大当たり遊技Wα」および「大当たり遊技Yα」は、遊技状態が高確率状態になる所謂確変大当たり遊技に属し、「大当たり遊技Xα」および「大当たり遊技Zα」は、遊技状態が通常確率状態になる所謂通常大当たり遊技に属する。従って、「大当たり遊技Wα」および「大当たり遊技Yα」は、その後の大当たり当選確率に関し、「大当たり遊技Xα」および「大当たり遊技Zα」よりも遊技者に有利な大当たり遊技であると言え、「大当たり遊技Wα」および「大当たり遊技Yα」の何れかが行われる大当たり遊技状態は、「大当たり遊技Xα」および「大当たり遊技Zα」の何れかが行われる大当たり遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態であると言える。
【0059】
また、「大当たり遊技Wα」および「大当たり遊技Xα」は、遊技状態が時短状態になる所謂電サポ付大当たり遊技に属し、「大当たり遊技Yα」および「大当たり遊技Zα」は、遊技状態が非時短状態になる所謂電サポ無大当たり遊技に属する。従って、「大当たり遊技Wα」および「大当たり遊技Xα」は、その後の第2始動口12に関し(その後の第2始動口12への遊技球の入賞し易さに関し)、「大当たり遊技Yα」および「大当たり遊技Zα」よりも遊技者に有利な大当たり遊技であると言え、「大当たり遊技Wα」および「大当たり遊技Xα」の何れかが行われる大当たり遊技状態は、「大当たり遊技Yα」および「大当たり遊技Zα」の何れかが行われる大当たり遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態であると言える。
【0060】
ここで、大当たり遊技の流れについて説明する。
図4(A)は、大当たり遊技の流れを示すタイムチャートである。ここでは、第1大入賞口14だけが開放する大当たり遊技を例示する。
【0061】
図4(A)に示すように、特図の停止表示後、大当たり遊技が開始すると、最初に大当たりオープニング(「大当たりOP」ともいう)が設定される。大当たりOPは、所定時間(例えば10秒)が経過するまで継続し、大当たりOPが終了すると、1ラウンド目のラウンド遊技が開始される。ラウンド遊技は、所定時間(例えば30秒)が経過するまで、もしくは、所定個数(例えば10個)の遊技球が第1大入賞口14に入賞するまで継続する。1ラウンド目のラウンド遊技が終了すると、ラウンド間インターバル(「ラウンドIT」ともいう)が設定される。ラウンドITは、所定時間(例えば2秒)が経過するまで継続し、ラウンドITが終了すると、2ラウンド目のラウンド遊技が開始される。そして、最終ラウンド遊技(例えば10ラウンド目のラウンド遊技)が終了すると、大当たりエンディング(「大当たりED」ともいう)が設定される。大当たりEDは、所定時間(例えば10秒)が経過するまで継続し、大当たりEDの終了によって、1回の大当たり遊技が終了する。なお、大当たりOPおよび大当たりEDのうち、何れか一方または両方が設定されないようにしても良い。
【0062】
6.小当たり遊技
次に、パチンコ遊技機PY1が行う小当たり遊技について
図3(B),
図4(B)を用いて説明する。パチンコ遊技機PY1は、
図3(B)に示すように、大当たり遊技とは異なる遊技として、小当たり遊技を行うことが可能である。小当たり遊技は、大当たり遊技とは異なり、その後に遊技状態が変更されない遊技である。例えば、「低確率低ベース遊技状態」におい小当たり遊技が行われた場合には、小当たり遊技後も、「低確率低ベース遊技状態」が継続する。パチンコ遊技機PY1は、小当たり遊技において、第1大入賞口14および第2大入賞口15の何れか一方を開放する。
【0063】
図4(B)は、小当たり遊技の流れを示すタイムチャートである。ここでは、第1大入賞口14だけが開放する小当たり遊技を例示する。
図4(B)に示すように、特図の停止表示後、小当たり遊技が開始すると、最初に開放前インターバル(「開放前IT」ともいう)が設定される。開放前ITは、所定時間(例えば2秒)が経過するまで継続し、開放前ITが終了すると、第1大入賞口14が開放する。第1大入賞口14の開放は、所定時間(例えば5秒)が経過するまで、もしくは、所定個数(例えば10個)の遊技球が第1大入賞口14に入賞するまで継続する。第1大入賞口14の開放が終了すると、開放後インターバル(「開放後IT」ともいう)が設定される。開放後ITは、所定時間(例えば2秒)が経過するまで継続し、開放後ITの終了によって、1回の小当たり遊技が終了する。なお、開放前ITおよび開放後ITのうち、何れか一方または両方が設定されないようにしても良い。また、パチンコ遊技機PY1の遊技性を考慮して、小当たり遊技が行われないようにしても良い。
【0064】
7.補助遊技
次に、パチンコ遊技機PY1が行う補助遊技について
図3(B),
図4(C)を用いて説明する。パチンコ遊技機PY1は、
図3(B)に示すように、大当たり遊技および小当たり遊技とは異なる遊技として、補助遊技を行うことが可能である。補助遊技は、大当たり遊技および小当たり遊技とは異なり、第2始動口12が開放する遊技である。補助遊技は、遊技状態に応じて第2始動口12の開放時間が変化し、例えば、非時短状態におい補助遊技が行われる場合には、第1の開放時間(例えば0.1秒)だけ第2始動口12が開放する一方、時短状態において補助遊技が行われる場合には、第1の開放時間よりも長い第2の開放時間(例えば3.5秒)だけ第2始動口12が開放する。
【0065】
図4(C)は、補助遊技の流れを示すタイムチャートである。
図4(C)に示すように、普図の停止表示後、補助遊技が開始すると、第2始動口12が開放する。第2始動口12の開放は、所定時間(非時短状態であれば第1の開放時間,時短状態であれば第2の開放時間)が経過するまで、もしくは、所定個数(例えば4個)の遊技球が第2始動口12に入賞するまで継続する。第2始動口12の開放が終了すると、開放後インターバル(「開放後IT」ともいう)が設定される。開放後ITは、所定時間(例えば2秒)が経過するまで継続し、開放後ITの終了によって、1回の補助遊技が終了する。
【0066】
8.演出
次に、パチンコ遊技機PY1が行う演出について
図5~
図12を用いて説明する。パチンコ遊技機PY1は、遊技状態に応じて、異なる演出モードを設定することが可能である。パチンコ遊技機PY1は、各演出モードにおいて、パチンコ遊技機PY1が具備する各種演出装置(通常ボタン40,特殊ボタン41,画像表示装置50,スピーカ52,枠ランプ53,盤ランプ54,盤上可動体55k,枠可動体58k等)を用いて、以下に示す演出を行うことが可能である。
【0067】
8-1.演出モード
最初に、演出モードについて
図5を用いて説明する。演出モードは、演出の区分(あるいは、上位概念的な属性)のことである。パチンコ遊技機PY1は、演出モードとして、客待ち演出モード、通常演出モード、確変演出モード、時短演出モードおよび大当たり演出モードを設定することが可能である。
【0068】
客待ち演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」および「高確率高ベース遊技状態」において、特図の停止表示が行われているとき(特図の可変表示が行われていないとき)に設定されることがある演出モードである。客待ち演出モードでは、特図の可変表示を待機している状態であることが遊技者に示唆される。パチンコ遊技機PY1は、客待ち演出モードの設定中に、客待ち演出を行うことが可能である。客待ち演出は、
図5(A-1)に示すように、パチンコ遊技機PY1を紹介する客待ちデモ動画G100が表示部50aに表示される演出である。また、パチンコ遊技機PY1は、客待ちデモ動画G100の表示中に、例えば、通常ボタン40が操作されると、
図5(A-2)に示すように、パチンコ遊技機PY1の演出に関する設定を行うための設定画面G101を表示部50aに表示することがある。パチンコ遊技機PY1は、設定画面G101の表示中に、パチンコ遊技機PY1の演出に関する設定を可能にする。演出に関する設定は、スピーカ52から出力される音の音量設定、表示部50aの輝度設定(「光量設定」ともいう)、実行される演出の頻度設定(「演出設定」ともいう)等である。
【0069】
通常演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」または「高確率低ベース遊技状態」において、1回または複数回の特図の可変表示にわたって設定されることがある演出モードである。通常演出モードでは、非時短状態であることが遊技者に示唆される。パチンコ遊技機PY1は、通常演出モードにおいて、
図5(B-1)に示すように、例えば、山の景色を表す背景の通常背景画像G102を表示部50aに表示する。なお、通常演出モードにおいて表示される背景は、通常背景画像G102だけに限られず、複数種類の背景が順番もしくはランダムに表示されるようにしても良い。
【0070】
確変演出モードは、「高確率高ベース遊技状態」において、1回または複数回の特図の可変表示にわたって設定されることがある演出モードである。確変演出モードでは、高確率状態且つ時短状態であることが遊技者に示唆される。パチンコ遊技機PY1は、確変演出モードにおいて、
図5(B-2)に示すように、例えば、宇宙を表す背景の確変背景画像G103を表示部50aに表示する。なお、確変演出モードにおいて表示される背景は、確変背景画像G103だけに限られず、複数種類の背景が順番もしくはランダムに表示されるようにしても良い。
【0071】
時短演出モードは、「低確率高ベース遊技状態」において、1回または複数回の特図の可変表示にわたって設定されることがある演出モードである。時短演出モードでは、通常確率状態且つ時短状態であることが遊技者に示唆される。パチンコ遊技機PY1は、時短演出モードにおいて、
図5(B-3)に示すように、例えば、空を表す背景の時短背景画像G104を表示部50aに表示する。なお、時短演出モードにおいて表示される背景は、時短背景画像G104だけに限られず、複数種類の背景が順番もしくはランダムに表示されるようにしても良い。
【0072】
大当たり演出モードは、大当たり遊技状態において設定される演出モードである。大当たり演出モードでは、大当たり遊技の実行中であることが遊技者に示唆される。パチンコ遊技機PY1は、大当たり演出モードにおいて、大当たり遊技の開始の際に、
図5(C-1)に示すように、大当たり遊技の開始を示唆するオープニング画像G107,「右打ち」を促す右打ち画像G108等を表示部50aに表示する。なお、これらの画像の表示を「オープニング演出」という。
【0073】
また、パチンコ遊技機PY1は、大当たり演出モードにおいて、ラウンド遊技中に、
図5(C-2)に示すように、ラウンド数を示すラウンド画像G109等を表示部50aに表示するとともに、その後に高確率状態になる場合には、高確率状態になることを示唆する昇格画像G110を表示部50aに表示する。なお、これらの画像の表示を「ラウンド演出」という。
【0074】
また、パチンコ遊技機PY1は、大当たり演出モードにおいて、大当たり遊技の終了の際に、
図5(C-3)に示すように、大当たり演出モードの後に設定される演出モードを示唆するエンディング画像G111,払い出された総賞球数を示唆する総賞球数画像G112等を表示部50a表示する。なお、これらの画像の表示を「エンディング演出」という。
【0075】
基本実施形態では、客待ち演出モード、通常演出モード、確変演出モード、時短演出モードおよび大当たり演出モードの5種類の演出モードが設定されるようにしているが、演出モードの種類については、適宜に変更または追加しても良い。
【0076】
8-2.特図変動演出
次に、特図変動演出(「変動演出」ともいう)について
図6~
図8を用いて説明する。特図変動演出は、大当たり判定の結果を示唆するための演出である。パチンコ遊技機PY1は、特図の可変表示が開始されると、特図の可変表示と並行して、演出図柄を用いた特図変動演出を実行する。演出図柄は、
図6(A)に示すように、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3で構成される。
【0077】
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出において、背景(通常背景画像G102,確変背景画像G103,時短背景画像G104)上に、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を変動表示する。なお、図中の「↓」は、演出図柄の変動表示中であることを示す。演出図柄EZ1,EZ2,EZ3は、例えば、それぞれ「1」~「9」の数字図柄で構成され、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示では、特図の可変表示の開始に伴って演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が変動し、特図の停止表示に伴って演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止する。そして、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示の態様によって大当たり判定の結果が示唆される。
【0078】
8-2-1.通常変動
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出において、最初に、通常変動を行うことが可能である。通常変動は、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が変動表示する演出であり、特図の可変表示が開始されたことを示唆する演出として機能する。
【0079】
パチンコ遊技機PY1は、通常変動において、
図6(B)に示すように、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示を開始する。そして、パチンコ遊技機PY1は、通常変動後にリーチを発生させることなくハズレとする場合には、
図6(C-1)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とを異なる態様で停止ししてから、6(D)に示すように、ハズレを示唆する態様(所謂バラケ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を停止表示する。ハズレを示唆する態様は、「1・1・2」や「2・4・6」等、左右の演出図柄が同一ではない態様である。一方、パチンコ遊技機PY1は、通常変動後にリーチを発生させる場合には、
図6(C-2)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とを同じ態様(所謂リーチ目)で停止表示してリーチを成立させる。なお、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止順序は、適宜に変更することが可能である。
【0080】
8-2-2.Nリーチ
パチンコ遊技機PY1は、リーチの成立後に、Nリーチを行うことが可能である。Nリーチは、例えば、中演出図柄EZ2の変動速度が徐々に減速するリーチ演出であり、大当たり遊技が行われる可能性があることを示唆する演出として機能する。
【0081】
パチンコ遊技機PY1は、Nリーチにおいて、
図7(A)に示すように、中演出図柄EZ2の変動速度を徐々に減速させる。そして、パチンコ遊技機PY1は、Nリーチでハズレとする場合には、
図7(B)に示すように、中演出図柄EZ2を停止し、リーチハズレを示唆する態様(所謂リーチハズレ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を停止表示する。リーチハズレを示唆する態様は、「7・6・7」や「5・3・5」等、左右の演出図柄が同一且つ中の図柄が左右の演出図柄と異なる態様である。一方、パチンコ遊技機PY1は、Nリーチ後にSPリーチに発展させる場合には、中演出図柄EZ2を停止しない。なお、Nリーチの演出内容については、適宜に変更することが可能である。
【0082】
8-2-3.SPリーチ
パチンコ遊技機PY1は、Nリーチの後に、SPリーチを行うことが可能である。SPリーチは、例えば、主人公キャラクタと敵キャラクタとがバトルする様子が表示されるリーチ演出であり、大当たり遊技が行われる可能性が高いことを示唆する演出として機能する。
【0083】
パチンコ遊技機PY1は、SPリーチにおいて、
図8(A)に示すように、SPリーチの開始を表すSPタイトル画像G1を表示部50aに表示する。SPタイトル画像G1は、例えば、「敵Aを撃破せよ!」も文字画像である。その後、パチンコ遊技機PY1は、
図8(B)に示すように、主人公キャラクタを表す主人公キャラクタ画像G200と、敵キャラクタを表す敵キャラクタ画像G201と、を表示部50aに表示し、主人公キャラクタと敵キャラクタとがバトルする動画を表示部50aに表示する。そして、バトルの最終局面を迎えると、パチンコ遊技機PY1は、SPリーチで大当たりとする場合には、
図8(C-1)に示すように、大当たりを示唆するように、主人公キャラクタがバトルに勝利して喜んでいる様子を表示するとともに、大当たりを示唆する態様(所謂ゾロ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を停止表示する。また、パチンコ遊技機PY1は、SPリーチでハズレとする場合には、
図8(C-2)に示すように、ハズレを示唆するように、敵キャラクタがバトルに勝利して喜んでいる様子を表示するとともに、リーチハズレを示唆する態様で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を停止表示する。一方、パチンコ遊技機PY1は、このSPリーチ後にSPSPリーチに発展させる場合には、中演出図柄EZ2を停止しない。なお、SPリーチの演出内容については、適宜に変更することが可能である。
【0084】
8-2-4.SPSPリーチ
パチンコ遊技機PY1は、SPリーチの後に、SPSPリーチを行うことが可能である。SPSPリーチは、例えば、主人公キャラクタと強敵キャラクタとがバトルする様子が表示されるリーチ演出であり、大当たり遊技が行われる可能性が高いことを示唆する演出として機能する。
【0085】
パチンコ遊技機PY1は、SPSPリーチにおいて、
図9(A)に示すように、SPSPリーチの開始を表すSPSPタイトル画像G2を表示部50aに表示する。SPSPタイトル画像G2は、例えば、「敵Bを撃破せよ!」の文字画像である。その後、パチンコ遊技機PY1は、
図9(B)に示すように、主人公キャラクタを表す主人公キャラクタ画像G200と、強敵キャラクタを表す強敵キャラクタ画像G202と、を表示部50aに表示し、主人公キャラクタと強敵キャラクタとがバトルする動画を表示部50aに表示する。そして、バトルの最終局面を迎えると、パチンコ遊技機PY1は、SPSPリーチで大当たりとする場合には、
図9(C-1)に示すように、大当たりを示唆するように、主人公キャラクタがバトルに勝利して喜んでいる様子を表示するとともに、大当たりを示唆する態様(所謂ゾロ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を停止表示する。一方、パチンコ遊技機PY1は、SPSPリーチでハズレとする場合には、
図9(C-2)に示すように、ハズレを示唆するように、強敵キャラクタがバトルに勝利して喜んでいる様子を表示するとともに、リーチハズレを示唆する態様で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を停止表示する。なお、SPSPリーチの演出内容については、適宜に変更することが可能である。
【0086】
ここで、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示す態様で停止する可能性(「大当たり期待度」ともいう)について説明する。大当たり期待度は、大当たり判定の結果に基づく実行確率によって定められる。例えば、Nリーチの実行確率が、大当たり判定の結果がハズレの場合には10%に設定され、大当たり判定の結果が大当たり当選の場合には100%に設定されている場合、SPリーチの実行確率を、大当たり判定の結果がハズレの場合には4%に設定する一方、大当たり判定の結果が大当たり当選の場合には100%に設定すると、SPリーチに対する大当たり期待度を、Nリーチに対する大当たり期待度よりも高くすることができる。
【0087】
また、例えば、SPリーチの実行確率が、大当たり判定の結果がハズレの場合には4%に設定され、大当たり判定の結果が大当たり当選の場合には100%に設定されている場合、SPSPリーチの実行確率を、大当たり判定の結果がハズレの場合には2%に設定する一方、大当たり判定の結果が大当たり当選の場合には100%に設定すると、SPSPリーチに対する大当たり期待度を、SPリーチに対する大当たり期待度よりも高くすることができる。このように、実行可能な演出に対して、大当たり判定の結果に応じた実行確率を予め設定することで、その演出に対する大当たり期待度を定めることができる。
【0088】
8-3.保留アイコンおよび当該アイコン
パチンコ遊技機PY1は、特
図1保留または特
図2保留の記憶中に、保留アイコンHAを表示部50aに表示することが可能である。保留アイコンHAは、例えば、「〇」のアイコン画像である。また、パチンコ遊技機PY1は、特図の可変表示中に、当該アイコンTAを表示部50aに表示することが可能である。当該アイコンTAは、例えば、保留アイコンHAと同じ「〇」のアイコン画像である。
【0089】
表示部50aの下部には、保留アイコン表示領域50dが設置される。保留アイコン表示領域50dは、
図10(A)に示すように、第1表示領域50d1、第2表示領域50d2、第3表示領域50d3および第4表示領域50d4で構成される。パチンコ遊技機PY1は、特
図1保留数または特
図2保留数に応じて、各表示領域50d1,50d2,50d3,50d4に、保留アイコンHAを表示する。例えば、特
図1保留数が「1」の場合には、第1表示領域50d1に保留アイコンHAが表示され、特
図1保留数が「2」の場合には、第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示される。なお、保留アイコン表示領域50dには、特
図1保留数および特
図2保留数の両方が表示されるようにしても良いし、特
図1保留数および特
図2保留数の一方だけが表示されるようにしても良い。また、保留アイコン表示領域50dを構成する表示領域の数については、適宜に変更することが可能である。
【0090】
また、表示部50aの下部であって保留アイコン表示領域50dの近傍には、当該アイコン表示領域50eが設置される。当該アイコン表示領域50eは、
図10(A)に示すように、1つの表示領域からなる当該アイコン表示領域50eで構成される。パチンコ遊技機PY1は、特図の可変表示を開始すると、当該アイコン表示領域50eに、保留アイコンHAと同じまたは異なる当該アイコンTAを表示する。なお、パチンコ遊技機PY1の遊技性を考慮して、当該アイコンTAが表示されないようにしても良い。
【0091】
8-3-1.保留演出
パチンコ遊技機PY1は、遊技球が第1始動口11または第2始動口12に入賞することに応じて、保留演出を行うことが可能である。保留演出は、例えば、保留アイコンHAが保留アイコン表示領域50dに表示される演出であり、特
図1保留または特
図2保留の数を遊技者に報知するための演出として機能する。
【0092】
パチンコ遊技機PY1は、特図の可変表示が行われておらず、特
図1保留数が「0」のときに遊技球が第1始動口11に入賞すると、
図10(B)に示すように、当該アイコン表示領域50eに当該アイコンTAを表示する。また、パチンコ遊技機PY1は、例えば、特図の可変表示中に2個の遊技球が第1始動口11に入賞すると、
図10(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAを表示し、特
図1保留数が「2」であることを遊技者に報知する。また、パチンコ遊技機PY1は、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAを表示しているときに、新たな特図の可変表示を開始すると、
図10(D)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1の保留アイコンHAを、当該アイコン表示領域50eに移動して当該アイコンTAとして表示するとともに、保留アイコン表示領域50dの第2表示領域50d2の保留アイコンHAを、第1表示領域50d1に移動して表示し、特
図1保留数が「1」であることを遊技者に報知する。
【0093】
8-4.予告演出
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出における任意のタイミングで予告演出を行うことが可能である。予告演出は、画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、盤上可動体55k、枠可動体58k、通常ボタン40、特殊ボタン41等が用いられる演出であり、大当たり遊技が行われる可能性を示唆する演出として機能する。
【0094】
8-4-1.可動体演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、盤上可動体55kまたは枠可動体58kを用いた可動体演出を行うことが可能である。可動体演出は、例えば、盤上可動体55kや枠可動体58kが動作する演出である。
【0095】
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出における任意のタイミング(例えば、NリーチからSPリーチに発展するタイミング)で、可動体演出を行う。ここでは、盤上可動体55kを用いた可動体演出を例示する。可動体演出は、
図11(A)に示すように、盤上可動体55kが表示部50a上に移動する演出である。パチンコ遊技機PY1は、可動体演出において、表示部50aの盤上可動体55kと重なっていないスペースに、エフェクト画像G4を表示する。可動体演出の後には、
図11(B)に示すように、盤上可動体55kが通常の待機状態(初期位置)に戻り、演出が発展する。
図11(B)は、SPSPリーチに発展した場合を示している。なお、可動体演出における盤上可動体55kの動きについては、適宜に変更することが可能である。
【0096】
8-4-2.操作演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、通常ボタン40または特殊ボタン41を用いた操作演出を行うことが可能である。操作演出は、例えば、遊技者が通常ボタン40や特殊ボタン41を操作する演出である。
【0097】
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出における任意のタイミング(例えば、SPリーチ中)で、操作演出を行う。ここでは、通常ボタン40を用いた操作演出を例示する。パチンコ遊技機PY1は、操作演出において、通常ボタン40の押下操作が有効な期間(「ボタン操作有効期間」という)を発生させ、このボタン操作有効期間の発生に伴って、
図12(A)に示すように、通常ボタン40の操作を促す演出(「ボタン操作促進演出」という)を行う。ボタン操作促進演出では、ボタン操作促進画像G3が表示され、ボタン操作促進画像G3は、通常ボタン40を模した通常ボタン画像G31と、通常ボタン40の操作態様(すなわち、押下操作)を表す押下操作画像G32(ここでは、「押せ」の文字画像)と、ボタン操作有効期間の残り時間を表す操作有効期間残り時間画像G33と、で構成される。パチンコ遊技機PY1は、ボタン操作有効期間において通常ボタン40が押下操作されることに応じて、または、ボタン操作有効期間において通常ボタン40が操作されることなくボタン操作有効期間が経過した後、
図12(B)に示すように、ボタン操作促進演出を終了して、操作結果演出を行う。
図12(B)は、操作結果演出として、盤上可動体55kが動作する可動体演出が行われた場合を示している。なお、操作演出の演出内容については、適宜に変更することが可能である。
【0098】
8-4-3.先読み演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、先読み判定に基づいた先読み演出を行うことが可能である。先読み演出は、例えば、保留アイコンHAが変化する演出であり、大当たり判定の結果を事前に示唆するための演出として機能する。
【0099】
パチンコ遊技機PY1は、特
図1保留または特
図2保留を記憶することに応じて、先読み演出を行う。ここでは、特
図1保留に対する先読み演出を例示する。パチンコ遊技機PY1は、遊技球が第1始動口11に入球すると、特
図1保留を記憶する際に、特
図1保留に対する先読み判定の結果に基づいて、
図10(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dに、保留アイコンHAとして、通常は「〇」のアイコン画像を表示するところを、「☆」のアイコン画像を表示する。なお、先読み演出内容については適宜に変更することが可能である。
【0100】
9.内部構成
次に、パチンコ遊技機PY1の内部構成について
図13~
図16を用いて説明する。
図13は、パチンコ遊技機PY1の制御に関わる部分のブロック図である。
図13に示すように、パチンコ遊技機PY1は、遊技を制御する主制御部100と、演出を実行する演出制御部120と、を具備する。主制御部100と演出制御部120とは、電気的に接続され、演出制御部120は、主に、主制御部100の指示に従って演出を実行する。
【0101】
9-1.主制御部
主制御部100は、遊技制御用マイコン101を具備する。遊技制御用マイコン101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を含んで構成され、主に、各種遊技(特図遊技,普図遊技,遊技状態,賞球払出等)を制御する。また、遊技制御用マイコン101は、遊技入力部101a、遊技出力部101bおよび遊技記憶部101cを具備する。遊技入力部101aは、遊技盤1に設けられる入賞装置(第1始動口11,第2始動口12,ゲート13,第1大入賞口14,第2大入賞口15,一般入賞口10等)からの遊技球の入賞情報,初期化スイッチの操作情報,設定変更スイッチの操作情報等を入力する。遊技出力部101bは、遊技の制御に応じて生成される演出用データや演出用コマンドを、演出制御部120やパチンコ遊技機PY1の外部に出力する。遊技記憶部101cは、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)で構成され、遊技内容を選択するためのテーブル,遊技の制御に応じて生成される遊技データ(特
図1保留,特
図2保留,普図保留等)等を記憶する。
【0102】
各種遊技は、主に、遊技入力部101aが入力した入賞情報および操作情報に基づいて制御される。遊技制御用マイコン101は、遊技記憶部101cに記憶されたテーブルや遊技データを用いて、各種遊技を制御する。
【0103】
9-2.テーブル
遊技制御用マイコン101は、遊技を制御するにあたって様々な選択を行うことが可能である。選択に際しては、遊技記憶部101cに記憶されているテーブルが参照される。遊技記憶部101cには、以下に示すテーブルが記憶される。
【0104】
9-2-1.変動パターン判定テーブル
遊技記憶部101cには、
図14に示す変動パターン判定テーブル103a1が記憶される。変動パターン判定テーブル103a1は、変動パターンの種類を選択する際に参照されるテーブルである。遊技制御用マイコン101は、大当たり判定の結果に基づく第1特図または第2特図の可変表示を行う際に、変動パターン判定テーブル103a1を参照して、変動パターンの種類を選択する。
【0105】
遊技制御用マイコン101は、
図14に示すように、遊技状態,始動口の種類,大当たり判定の結果,リーチ判定の結果,特図保留数等に基づいて、変動パターンの種類を選択する。リーチ判定は、特図の可変表示中に、前述のリーチ演出(Nリーチ,SPリーチ,SPSPリーチ)を行わせるか否かを判定するものであり、リーチ演出を行わせる場合にはリーチ有りとし、リーチ演出を行わせない場合にはリーチ無しとする。遊技制御用マイコン101は、変動パターンとして、「THP001」~「THP002」、「THP011」~「THP013」および「THP021」~「THP022」の7種類の変動パターンの何れか1つを選択することが可能である。遊技制御用マイコン101は、選択した変動パターンに応じた可変表示の態様(可変表示の時間)で第1特図または第2特図の可変表示を行う。なお、変動パターンの種類については、適宜に変更することが可能である。
【0106】
ここで、各変動パターンの役割について説明する。前述したように、特図の可変表示中には、特図変動演出が行われる。特図変動演出では、単数または複数の演出で構成される演出フローが実行されるが、各変動パターンは、特図の可変表示時間および特図変動演出で実行される演出フローに対応付けられる。例えば、
図14に示すように、「THP001」および「THP011」は、特図の可変表示の時間が120000msであって「通常変動」→「リーチ」→「Nリーチ」→「SPリーチ」→「SPSPリーチ」で構成される演出フローに対応付けられ、「THP002」および「THP012」は、特図の可変表示の時間が100000msであって「通常変動」→「リーチ」→「Nリーチ」→「SPリーチ」で構成される演出フローに対応付けられ、「THP013」は、特図の可変表示の時間が20000msであって「通常変動」→「リーチ」→「Nリーチ」で構成される演出フローに対応付けられ、「THP021」および「THP022」は、特図の可変表示の時間が13000msまたは2000msであって「通常変動」のみで構成される演出フローに対応付けられる。このように、遊技制御用マイコン101が選択した変動パターンの種類に応じて、特図変動演出の時間および特図変動演出で実行される演出を異ならせている。
【0107】
「THP001」は、大当たり判定の結果が大当たり当選の場合に選択され、演出フローの最後が「SPSPリーチ」であるため、「THP001」を「SPSP大当たり変動」という。また、「THP002」は、大当たり判定の結果が大当たり当選の場合に選択され、演出フローの最後が「SPリーチ」であるため、「THP002」を、「SP大当たり変動」という。また、「THP011」は、大当たり判定の結果がハズレの場合に選択され、演出フローの最後が「SPSPリーチ」であるため、「THP011」を「SPSPハズレ変動」という。また、「THP012」は、大当たり判定の結果がハズレの場合に選択され、演出フローの最後が「SPリーチ」であるため、「THP012」を「SPハズレ変動」という。また、「THP013」は、大当たり判定の結果がハズレの場合に選択され、演出フローの最後が「Nリーチ」であるため、「THP013」を「Nハズレ変動」という。また、「THP021」および「THP022」は、大当たり判定の結果がハズレの場合に選択され、演出フローの最後が「通常変動」であるため、「THP021」および「THP022」を「通常ハズレ変動」という。なお、変動パターンの選択割合については、パチンコ遊技機PY1の遊技性を考慮して、適宜に設定することが可能である。
【0108】
9-2-2.先読み判定テーブル
遊技記憶部101cには、
図15に示す先読み判定テーブル103b1が記憶される。先読み判定テーブル103b1は、先読みパターンの種類を選択する際に参照されるテーブルである。遊技制御用マイコン101は、大当たり判定を受けるための権利が取得された場合に、先読み判定テーブル103b1を参照して、先読みパターンの種類を選択する。
図15に示す図は、先読み判定テーブル103b1である。
【0109】
遊技制御用マイコン101は、
図15に示すように、遊技状態,始動口の種類,先読み判定の結果等に基づいて、先読みパターンの種類を選択する。遊技制御用マイコン101は、先読みパターンとして、「SHP001」~「SHP003」の3種類の先読みパターンの何れか1つを選択することが可能である。なお、先読みパターンの種類については、適宜に変更することが可能である。
【0110】
「SHP001」は、先読み判定の結果が先読み当選の場合に選択されるため、「SHP001」を「大当たり先読みパターン」という。また、「SHP002」は、先読み判定の結果が先読み非当選の場合に選択され、変動パターン事前判定の結果がリーチ有りの変動パターン(「THP011」~「THP013」)であるため、「SHP002」を「リーチハズレ先読みパターン」という。また、「SHP003」は、先読み判定の結果が先読み非当選の場合に選択され、変動パターン事前判定の結果がリーチ無しの変動パターン(「THP021」~「THP022」)であるため、「SHP003」を「通常ハズレ先読みパターン」という。
【0111】
9-2-3.図柄判定テーブル
遊技記憶部101cには、
図16に示す図柄判定テーブル103c1が記憶される。図柄判定テーブル103c1は、第1特図および第2特図の停止図柄の種類を選択する際に参照されるテーブルである。遊技制御用マイコン101は、大当たり判定が行われた場合に、図柄判定テーブル103c1を参照して、第1特図および第2特図の停止図柄の種類を選択する。
図16に示す図は、図柄判定テーブル103c1である。
【0112】
遊技制御用マイコン101は、
図16に示すように、始動口の種類,大当たり判定の結果等に基づいて、第1特図および第2特図の停止図柄の種類を選択する。遊技制御用マイコン101は、停止図柄の種類として、「大当たりWα図柄」,「大当たりXα図柄」,「大当たりYα図柄」,「大当たりZα図柄」,「小当たり図柄」,「ハズレA図柄」,「ハズレB図柄」の7種類の停止図柄の何れか1つを選択することが可能である。遊技制御用マイコン101は、選択した停止図柄に応じた態様で第1特図または第2特図の停止表示を行う。なお、停止図柄の種類については、適宜に変更することが可能である。
【0113】
ここで、各停止図柄の役割について説明する。前述したように、特図の停止表示後には、大当たり遊技が行われるときと、小当たり遊技が行われるときと、時短状態になるときと、何も行われずにハズレとなるときと、がある。大当たり遊技の種類は4種類(「大当たり遊技Wα」,「大当たり遊技Xα」,「大当たり遊技Yα」,「大当たり遊技Zα」)あり、小当たり遊技の種類は1種類あり、ハズレの種類は2種類(前述の特定のハズレ,単なるハズレ)あるが、各停止図柄は、大当たり遊技の種類、小当たり遊技の種類およびハズレの種類に対応付けられる。例えば、
図16に示すように、「大当たりWα図柄」は「大当たり遊技Wα」に対応付けられ、「大当たりXα図柄」は「大当たり遊技Xα」に対応付けられ、「大当たりYα図柄」は「大当たり遊技Yα」に対応付けられ、「大当たりZα図柄」は「大当たり遊技Zα」に対応付けられ、「小当たり図柄」は小当たり遊技に対応付けられ、「ハズレA図柄」は何も行われない単なるハズレに対応付けられ、「ハズレB図柄」は時短状態に対応付けられる。このように、遊技制御用マイコン101が選択した停止図柄の種類に応じて、実行する大当たり遊技の種類、小当たり遊技の種類およびハズレの種類(時短状態にするか否か)を異ならせている。
【0114】
「大当たりWα図柄」および「大当たりYα図柄」は、その後に高確率状態になる大当たり遊技が行われる場合に選択されるため、「大当たりWα図柄」および「大当たりYα図柄」を「確変図柄」ということがある。また、「大当たりXα図柄」および「大当たりZα図柄」は、その後に通常確率状態になる大当たり遊技が行われる場合に決定されるため、「大当たりXα図柄」および「大当たりZα図柄」を「通常図柄」ということがある。また、「ハズレA図柄」は、その後に何も行われない単なるハズレの場合に決定されるため、「ハズレA図柄」を「通常ハズレ図柄」ということがある。また、「ハズレB図柄」は、その後に時短状態になる特定のハズレの場合に決定されるため、「ハズレB図柄」を「ハズレ時短図柄」ということがある。なお、停止図柄の選択割合については、パチンコ遊技機PY1の遊技性を考慮して、適宜に設定することが可能である。
【0115】
9-3.コマンド
遊技制御用マイコン101は、遊技の制御に応じて生成された演出用コマンドを、遊技出力部101bを介して、演出制御部120に出力することが可能である。遊技制御用マイコン101は、以下に示すコマンドを生成することが可能である。
【0116】
9-3-1.入賞コマンド
入賞コマンドは、遊技球の各種入賞装置(第1始動口11,第2始動口12,ゲート13,第1大入賞口14,第2大入賞口15,一般入賞口10等)への入賞に関連して生成される。入賞コマンドとして、遊技球が第1始動口11に入賞することによって生成される第1始動口コマンド,遊技球が第2始動口12に入賞することによって生成される第2始動口コマンド,遊技球がゲート13を通過することによって生成されるゲートコマンド,遊技球が第1大入賞口14に入賞することによって生成される第1大入賞口コマンド,遊技球が第2大入賞口15に入賞することによって生成される第1大入賞口コマンド,遊技球が一般入賞口10に入賞することによって生成される一般入賞口コマンド等がある。
【0117】
9-3-2.特図コマンド
特図コマンドは、第1特図および第2特図の動作に関連して生成される。特図コマンドとして、特図の変動パターンが決定されることによって生成される特図変動パターンコマンド,特図の停止図柄が決定されることによって生成される特図停止図柄コマンド,特図の可変表示の開始によって生成される特図開始コマンド,特図の停止表示によって生成される特図確定コマンド等がある。
【0118】
9-3-3.普図コマンド
普図コマンドは、普図の動作に関連して生成される。普図コマンドとして、普図の可変表示の開始によって生成される普図開始コマンド,普図の停止表示によって生成される普図確定コマンド等がある。
【0119】
9-3-4.保留コマンド
保留コマンドは、特
図1保留、特
図2保留および普図保留の保留数の増減に関連して生成される、保留コマンドとして、特
図1保留数の増加によって生成される特
図1保留増加コマンド,特
図1保留数の減少によって生成される特
図1保留減少コマンド,特
図2保留数の増加によって生成される特
図2保留増加コマンド,特
図2保留数の減少によって生成される特
図2保留減少コマンド,普図保留数の増加によって生成される普図保留増加コマンド,普図保留数の減少によって生成される普図保留減少コマンド等がある。
【0120】
9-3-5.大当たり遊技コマンド
大当たり遊技コマンドは、大当たり遊技の動作に関連して生成される。大当たり遊技コマンドとして、OPの開始によって生成されるOPコマンド,各ラウンド遊技の開始によって生成されるラウンドコマンド,EDの開始によって生成されるEDコマンド等がある。
【0121】
9-3-6.小当たり遊技コマンド
小当たり遊技コマンドは、小当たり遊技の動作に関連して生成される。小当たり遊技コマンドとして、開放前ITの開始によって生成される開放前ITコマンド,開放後ITの開始によって生成される開放後ITコマンド等がある。
【0122】
9-3-7.補助遊技コマンド
補助遊技コマンドは、補助遊技の動作に関連して生成される。補助遊技コマンドとして、補助遊技の開始によって生成される補助遊技開始コマンド等がある。
【0123】
9-3-8.遊技状態コマンド
遊技状態コマンドは、現在の遊技状態に関連して生成される。遊技状態コマンドとして、遊技状態が通常確率状態であることによって生成される通常確率コマンド,遊技状態が高確率状態であることによって生成される高確率コマンド,遊技状態が非時短状態であることによって生成される非時短コマンド,遊技状態が時短状態であることによって生成される時短コマンド,遊技状態が大当たり遊技状態であることによって生成される大当たりコマンド等がある。
【0124】
9-4.演出制御部
演出制御部120は、演出制御用マイコン121を具備する。演出制御用マイコン121は、例えば、CPUを含んで構成され、主に、各種演出(演出モード,特図変動演出,保留演出,予告演出等)を実行する。また、演出制御用マイコン121は、演出入力部121aおよび演出記憶部121bを具備する。演出入力部121aは、主制御部100から出力された演出用コマンド,通常ボタン40の操作情報,特殊ボタン41の操作情報等を入力する。演出記憶部121bは、例えば、ROMやRAMで構成され、予告演出等を選択するためのテーブル,演出の実行に応じて生成される演出データ等を記憶する。
【0125】
各種演出は、主に、演出入力部121aが入力した演出用コマンドおよび操作情報に基づいて実行される。演出制御用マイコン121は、演出記憶部121bに記憶されたテーブルや演出データを参照して、各種演出を実行する。
【0126】
<第1実施形態>
以下、第1実施形態を説明する。特に述べない限り、上述の基本実施形態のパチンコ遊技機PY1が第1実施形態にも適用される。
【0127】
1.通常ボタン
最初に、第1実施形態(以下、単に実施形態ともいう)のパチンコ遊技機PY1の通常ボタン40について、
図17を用いて説明する。本実施形態の通常ボタン40は、遊技者が押圧操作(押下操作)可能な押下面40Fを有するボタンである(
図17参照)。この通常ボタン40の押下面40Fは、概半円球(お椀)型の形状の半透明の樹脂部材からなる。この押下面40Fの内側には、所定の発光色で発光可能なLEDランプ40Lが配されている。また、通常ボタン40では、振動モータ(付図示)によって押下面40F全体が振動可能に構成されている。
【0128】
2.変動パターン判定テーブル
次に、本実施形態のパチンコ遊技機PY1の構成のうち遊技制御用マイコン101が決定可能な変動パターンについて、
図18に基づいてさらに説明する。本実施形態の遊技記憶部101cには、
図14に示す変動パターン判定テーブルに加え、
図18に示す変動パターン判定テーブルが格納されている。
【0129】
遊技制御用マイコン101は大当たり判定の結果およびリーチ判定の結果に基づいて、特図の変動パターンを決定する。具体的に、遊技状態が非時短状態で第1特図の大当たり判定の結果が「大当たり」の場合の変動パターンには、上記「THP002」に、変動パターン「THP051」を加えた2種類がある。
【0130】
「THP051」は、通常変動後、リーチ、Nリーチ、SPリーチ、ボタン演出および発展演出を経て、成功態様でのSPSPリーチが行われる変動パターンである。この変動パターン「THP051」を「SPSP大当たり変動」ともいう。
【0131】
一方、遊技状態が非時短状態で第1特図の大当たり判定の結果が「ハズレ」で、リーチ判定の結果が「リーチ有り」の場合の変動パターンには、上記「THP013」に、変動パターン「THP061」および「THP062」を加えた3種類がある。
【0132】
「THP061」は、通常変動後、リーチ、Nリーチ、SPリーチ、ボタン演出および発展演出を経て、失敗態様でのSPSPリーチが行われる変動パターンである。この変動パターン「THP061」を「SPSPハズレ変動」ともいう。
【0133】
「THP062」は、通常変動後、リーチ、Nリーチ、SPリーチを経て、ボタン演出が行われる変動パターンである。この変動パターン「THP062」を「SPハズレ変動」ともいう。
【0134】
図19には、
図18に示す変動パターン判定テーブルにおける変動パターンの振分率(実行確率)を示す。本実施形態では、非時短状態で第1特図の大当たり判定の結果が「大当たり」である場合に、遊技制御用マイコン101は
図19(A)に示す振分率で変動パターンを選択する。また、非時短状態で第1特図の大当たり判定の結果が「ハズレ」でリーチ判定の結果が「リーチ有り」である場合に、遊技制御用マイコン101は
図19(B)に示す振分率で変動パターンを選択する。
【0135】
図19(A)によれば、変動パターン「THP051」の振分率の値は「92%」であり、変動パターン「THP002」の振分率の値(8%)よりも大きい。そのため、非時短状態で第1特図の大当たり判定の結果が大当たりである場合の大半がボタン演出を経てSPSPリーチに進行することになる。よって、SPSPリーチに進行した場合、その後に「大当たり遊技」が実行される可能性が高いかもしれないことを遊技者に意識させることが可能となっている。一方、非時短状態で第1特図の大当たり判定の結果が「大当たり当選」である場合には、SPリーチの実行後、ボタン演出が実行されずに演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示唆する停止態様で停止表示することが稀にある。そのため、SPリーチの実行後に演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示唆する停止態様で停止表示した場合には、SPリーチの実行後にボタン演出の実行を期待している遊技者の意表を突くことが可能であり、遊技者に驚きと喜びを与えることが可能となっている。
【0136】
また、
図19(B)によれば、変動パターン「THP061」および「THP062」の振分率の合計の値(「30%」)よりも、変動パターン「THP013」の振分率の値(70%)の方が大きい。上述したように、非時短状態で第1特図の大当たり判定の結果が「大当たり当選」である場合、SPリーチの後に失敗態様でのボタン演出(発展演出に進行しないボタン演出)が実行されることはない。よって、ボタン演出の後に発展演出が行われた場合には、その後に「大当たり遊技」が実行されるかもしれないことを遊技者に意識させることが可能となっている。
【0137】
3.演出
続いて、本実施形態における各種演出について、
図20~
図29に基づいて説明する。本実施形態の演出制御用マイコン121は、自動モードの設定をON又はOFFに選択可能な客待ち演出を実行可能である。また、特図変動演出において「ボタン演出」を実行可能である。これら各種演出について以下に説明する。
【0138】
3-1.客待ち演出
まず、本実施形態の客待ち演出について
図5(A-2)および
図20を用いて説明する。客待ち演出は、上述の客待ち演出モードの設定中に実行される演出である。本実施形態では、この客待ち演出の実行中に自動モードの設定を「ON(有効)」または「OFF(無効)」に遊技者が選択可能である。自動モードとは、通常ボタン40および特殊ボタン41を遊技者が操作しなくても、遊技者がそれらを操作したときと同じようにボタン演出(後述)が進行し得るモードである。よって、自動モードがOFF(「自動モードOFF」)に設定されている場合には、遊技者による通常ボタン40又は特殊ボタン41の操作が無い限り、所定の期間内にボタン演出は進行しないけれども、自動モードがON(「自動モードON」)に設定されている場合には、遊技者による通常ボタン40又は特殊ボタン41の操作が無くても所定の期間内にボタン演出が進行可能となっている。なお、本パチンコ遊技機PY1の電源投入時には自動モードがOFFに設定される。
【0139】
具体的には、
図5(A-2)に示す客待ち演出の実行中に通常ボタン40が操作されると、上述の設定画面G101が表示部50aに表示される。本実施形態では、このときに表示される「演出設定」を遊技者が選択した場合、続いて「自動モード設定」が表示される。この「自動モード設定」は、自動モードをONまたはOFFに設定するための表示である。遊技者によってこの「自動モード設定」が選択された場合、
図20(A)に示すような、文字列「自動ボタンモード」を示すタイトル画像G117、「OFF(特殊ボタンを押せ)」を示すボタン画像G118、および、「ON(通常ボタンを押せ)」を示すボタン画像G119を含む設定画面G101が表示部50aに表示される。遊技者は、ボタン画像G118によって、特殊ボタン41を操作(押下操作,押圧操作)することで自動モードをONに設定できることを把握でき、ボタン画像G119によって、通常ボタン40を操作(押下操作,押圧操作)することで自動モードをOFFに設定できることを把握できるようになっている。
【0140】
そのような設定画面G101の表示中に遊技者が通常ボタン40を押下した場合には自動モードがOFFに設定されて、
図20(A)に示す設定画面G101が消える。そして、
図20(B)に示すように、表示部50aの中央には客待ちデモ動画G100、表示部50aの左下部には文字列「自動モードOFF」を示す画像G120Aがそれぞれ表示される。画像G120Aの表示によって、自動モードがOFFに設定されていることを遊技者が把握可能となっている。
【0141】
一方、
図20(A)に示す設定画面G101の表示中に遊技者が特殊ボタン41を押下した場合には自動モードがONに設定されて、その設定画面G101が消える。そして、
図20(C)に示すように、表示部50aの中央には客待ちデモ動画G100、表示部50aの左下部には文字列「自動モードON」を示す画像G120Bがそれぞれ表示される。画像G120Bの表示によって、自動モードがONに設定されていることを遊技者が把握可能となっている。
【0142】
なお、上述の画像G120Aおよび画像G120Bを合わせて自動モード設定報知画像G120ともいう。
【0143】
3-2.ボタン演出
次に、ボタン演出について
図21~
図29を用いて説明する。ボタン演出は、特図変動演出において、SPリーチの実行後に実行され得る演出である。このボタン演出の実行後には、後述の発展演出が実行されるときと、発展演出が実行されること無くリーチハズレを示唆する停止態様で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示されるときとがある。そのため、本実施形態のボタン演出は、その後の発展演出の実行の可能性があることを示唆する演出であるといえる。
【0144】
ボタン演出は、ボタン画像CG1、テキスト画像CG3のうち少なくともボタン画像CG1を含む複合画像G131(、G132、G133又はG134)と、直線状のプログレスバーを示す期間表示画像CG2とを表示する演出である。
【0145】
このボタン演出には、通常ボタン40についての演出内容が異なる2種類のボタン演出(「単押ボタン演出」および「連打ボタン演出」)がある。単押ボタン演出は、通常ボタン40の1回操作(押下操作,押圧操作)に関連した内容になっている。また、連打ボタン演出は、通常ボタン40の複数回操作(押下操作,押圧操作)に関連した内容になっている。
【0146】
また、このボタン演出には「OFF設定態様」と「ON設定態様」とがある。「OFF設定態様」とは、自動モードがOFFに設定されているときのボタン演出の演出態様であり、「ON設定態様」とは、自動モードがONに設定されているときのボタン演出の演出態様である。具体的に、「OFF設定態様」とは、期間表示画像CG2に示すボタン操作有効期間の途中で通常ボタン40が操作されればボタン演出が途中で終了する一方、ボタン操作有効期間内に通常ボタン40が操作されなければボタン演出が途中で終了しない演出態様である。それに対し「ON設定態様」とは、ボタン操作有効期間の途中でボタン演出の実行が終了し得る演出態様である。
【0147】
3-3.OFF設定態様の単押ボタン演出
図21には、自動モードの設定がOFFのときにおける単押ボタン演出、つまりOFF設定態様の単押ボタン演出を示す。このOFF設定態様の単押ボタン演出では、まず
図21(A)に示すような、通常ボタン40を模したボタン画像CG1と、文字列「押せ!」を示すテキスト画像CG3とを含む複合画像G131、および、期間表示画像CG2が表示部50aに表示される。なお、この場合の期間表示画像CG2は、通常ボタン40の操作有効期間(ボタン操作有効期間)の残り時間を表している。このような表示によって、ボタン操作有効期間に通常ボタン40を操作するよう遊技者に指示可能となっている。
【0148】
期間表示画像CG2が示すボタン操作有効期間内に遊技者が通常ボタン40を操作した場合には、
図21(B)に示すような、通常ボタン40を模したボタン画像CG1と、このボタン画像CG1の上部に重なって出現するエフェクト画像CE1とを含む複合画像G132が表示される。エフェクト画像CEは、ボタン画像CG1の上部に出現して、通常ボタン40への操作があったことを示す画像である。また、ボタン画像CG1は、操作によってボタンが下方に沈んだ画像になっている。ボタン操作有効期間内における通常ボタン40への遊技者の操作に合わせて、複合画像G132が第1表示期間(具体的には0.5秒間)表示される。その第1表示期間が過ぎると、OFF設定態様の単押ボタン演出の実行が終了する。
【0149】
なお、本実施形態では、ボタン操作有効期間内に遊技者が通常ボタン40を操作しなかった場合には、実行中の単押ボタン演出にて複合画像G131から複合画像G132に切り替わらない。具体的には、この単押ボタン演出が開始してボタン操作有効期間内に遊技者が通常ボタン40を操作した場合には、複合画像G131から複合画像G132に切り替わる。それに対し、この単押ボタン演出が開始してボタン操作有効期間内に遊技者が通常ボタン40を操作しなかった場合には、複合画像G131から複合画像G132に切り替わることなく単押ボタン演出の実行が終了する。つまり、その場合に、ボタン画像CG1の上部にエフェクト画像CE1が出現することはない。
【0150】
また、OFF設定態様の単押ボタン演出は、ボタン操作有効期間内に遊技者が通常ボタン40を操作した場合には、複合画像G131から複合画像G132に切り替わって、上記第1表示期間後、実行が終了する。つまり、その場合には、ボタン操作有効期間が残っていても、単押ボタン演出の実行が終了する。一方、ボタン操作有効期間内に遊技者が通常ボタン40を操作しなかった場合には、ボタン操作有効期間、その単押ボタン演出は実行され、そのボタン操作有効期間の終了とともにその単押ボタン演出の実行が終了する。
【0151】
また、この単押ボタン演出が、変動パターン「HTP062」に対応するボタン演出である場合には、その実行後に、
図21(C)に示すような、文字列「残念」を示すテキスト画像CG3が表示される。さらに、リーチハズレを示唆する停止態様で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示される。これにより、第1特図の大当たり判定の結果が「ハズレ」であることを遊技者に報知可能となっている。一方、この単押ボタン演出が、変動パターン「HTP051」又は「HTP061」に対応するボタン演出である場合には、その実行後に後述の発展演出が引き続き実行される。
【0152】
3-4.OFF設定態様の連打ボタン演出
続いて、自動モードの設定がOFFのときにおける連打ボタン演出、つまりOFF設定態様の連打ボタン演出を
図22に示す。このOFF設定態様の連打ボタン演出では、まず
図22(A)に示すような通常ボタン40を模したボタン画像CG1と、文字列「連打!」を示すテキスト画像CG3とを含む複合画像G133、および、期間表示画像CG2が表示部50aに表示される。なお、この場合の期間表示画像CG2は、上述のOFF設定態様の単押ボタン演出と同じく、ボタン操作有効期間の残り時間を表している。このような表示によって、ボタン操作有効期間に通常ボタン40を複数回、操作するよう遊技者に指示可能となっている。
【0153】
期間表示画像CG2が示すボタン操作有効期間内に遊技者が通常ボタン40を操作する毎に、
図22(B)に示すような、ボタン画像CG1とテキスト画像CG3とエフェクト画像CE1とを含む複合画像G134が切り替わって表示される。つまり、ボタン操作有効期間内における通常ボタン40への遊技者の1回の操作に合わせて、複合画像G134が第1表示期間、表示される。
【0154】
なお、本実施形態では、ボタン操作有効期間内に遊技者が通常ボタン40を1回も操作しなかった場合には、実行中の連打ボタン演出にて複合画像G133から複合画像G134に切り替わらない。具体的には、連打ボタン演出の実行開始後、ボタン操作有効期間内に遊技者が通常ボタン40を操作しなかった場合、表示部50a上では複合画像G133から複合画像G134に切り替わることなく連打ボタン演出の実行が終了することになる。
【0155】
但し、OFF設定態様の連打ボタン演出は、OFF設定態様の単押ボタン演出とは異なり、遊技者の操作にかかわらずボタン操作有効期間まで行われ、そのボタン操作有効期間の終了に合わせて実行が終了する。
【0156】
また、この連打ボタン演出が、変動パターン「HTP062」に対応するボタン演出である場合には、その実行後に、
図22(C)に示すような、文字列「残念」を示すテキスト画像CG3が表示される。さらに、リーチハズレを示唆する停止態様で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示される。これにより、第1特図の大当たり判定の結果が「ハズレ」であることを遊技者に報知可能となっている。一方、この連打ボタン演出が、変動パターン「HTP051」又は「HTP061」に対応するボタン演出である場合には、その実行後に後述の発展演出が引き続き実行される。
【0157】
3-5.ON設定態様の単押ボタン演出
図23には、自動モードの設定がONのときにおける単押ボタン演出、つまりON設定態様の単押ボタン演出を示す。このON設定態様の単押ボタン演出では、
図23(A)に示すような、通常ボタン40を模したボタン画像CG1と、文字列「押せ!」を示すテキスト画像CG3とを含む複合画像G131、および、期間表示画像CG2が表示部50aにまず表示される。つまり、OFF設定態様の単押ボタン演出と同じ複合画像G131および期間表示画像CG2が表示部50aにまず表示される。
【0158】
ON設定態様の単押ボタン演出における複合画像G131のボタン画像CG1は、自動モードの設定がOFFのときのボタン画像CG1と同様、通常ボタン40を摸した画像になっている。そのため、表示部50aに出現したボタン画像CG1を見て、遊技者が反射的に通常ボタン40を操作可能となっている。
【0159】
この複合画像G131は、このON設定態様の単押ボタン演出の「第1のタイミング」まで継続して表示される。「第1のタイミング」とは、OFF設定態様の単押ボタン演出の実行期間の途中のタイミングに該当する。具体的には、期間表示画像CG2が示すボタン操作有効期間の1/2に到達するタイミングである。
【0160】
ON設定態様の単押ボタン演出の実行開始から上記第1のタイミングに達したら、複合画像G133から
図23(B)に示す複合画像G132に表示が切り替わる。この複合画像G132は、OFF設定態様の単押ボタン演出の実行中、期間表示画像CG2が示すボタン操作有効期間内に遊技者が通常ボタン40を操作した場合に切り替わって表示される複合画像である。この複合画像G132の表示によって、遊技者による操作によらずに通常ボタン40が操作されたように遊技者に認識させることが可能となっている。
【0161】
この複合画像G132は、OFF設定態様の単押ボタン演出と同様、第1表示期間(具体的には0.5秒間)表示される。その第1表示期間が過ぎると、ON設定態様の単押ボタン演出の実行が終了する。
【0162】
この単押ボタン演出が変動パターン「HTP062」に対応するボタン演出である場合には、その実行後に、
図23(C)に示すような、文字列「残念」を示すテキスト画像CG3が表示される。さらに、リーチハズレを示唆する停止態様で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示される。これにより、第1特図の大当たり判定の結果が「ハズレ」であることを遊技者に報知する。一方、この単押ボタン演出が、変動パターン「HTP051」又は「HTP061」に対応するボタン演出である場合には、その実行後に後述の発展演出が引き続き実行される。
【0163】
なお、本実施形態では、自動モードの設定がONのときに通常ボタン40が遊技者によって操作された場合には、自動モードの設定がONからOFFに切り替わる。よって、例えば自動モードの設定がONのときにおけるON設定態様の単押ボタン演出の実行中に、遊技者が反射的に通常ボタン40を操作した場合には、その操作によって自動モードの設定がONからOFFに切り替わる。この設定の切り替わりに伴い、表示部50a上で実行されているON設定態様の単押ボタン演出がOFF設定態様の単押ボタン演出に切り替わることになる。
【0164】
3-6.ON設定態様の連打ボタン演出
図24には、自動モードの設定がONのときにおける連打ボタン演出、つまりON設定態様の連打ボタン演出を示す。このON設定態様の連打ボタン演出では、
図24(A)に示すような、通常ボタン40を模したボタン画像CG1と、文字列「連打!」を示すテキスト画像CG3と、ボタン画像CG1の上部に重なって出現するエフェクト画像CE1とを含む複合画像G134、および、期間表示画像CG2が表示部50aにまず表示される。つまり、OFF設定態様の連打ボタン演出と同じ複合画像G134および期間表示画像CG2が表示部50aに表示される。
【0165】
この複合画像G134は、期間表示画像CG2が示す実行期間が終了するまで繰り返し表示される(
図24(A)および
図24(B)参照)。そして、その実行期間の終了に合わせて表示部50aから消える。つまり、ON設定態様の連打ボタン演出もまた、OFF設定態様の連打ボタン演出と同様、実行期間の終了に合わせて実行が終了する。
【0166】
この連打ボタン演出が変動パターン「HTP062」に対応するボタン演出である場合には、その実行後に、
図24(C)に示すような、文字列「残念」を示すテキスト画像CG3が表示される。さらに、リーチハズレを示唆する停止態様で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示される。これにより、第1特図の大当たり判定の結果が「ハズレ」であることを遊技者に報知する。一方、この連打ボタン演出が、変動パターン「HTP051」又は「HTP061」に対応するボタン演出である場合には、その実行後に後述の発展演出が引き続き実行される。
【0167】
なお、上述したように本実施形態では、自動モードの設定がONのときに通常ボタン40が遊技者によって操作された場合には、自動モードの設定がONからOFFに切り替わる。よって、例えば自動モードの設定がONのときにおけるON設定態様の連打ボタン演出の実行中に、遊技者によって通常ボタン40が操作された場合には、その操作によって自動モードの設定がONからOFFに切り替わる。この設定の切り替わりに伴い、表示部50a上で実行されているON設定態様の連打ボタン演出がOFF設定態様の連打ボタン演出に切り替わることになる。
【0168】
3-7.演出ボタンのLEDランプの発光態様
続いて、本実施形態における演出ボタン40のLEDランプ40Lの発光態様について、
図25、
図26、
図27および
図28を用いて説明する。本実施形態の演出ボタン40の押下面40F内のLEDランプ40Lは、白色およびオレンジ色を含む複数の発光色で発光可能となっている。また、このLEDランプ40Lは、点灯態様または点滅態様で発光可能となっている。演出ボタン40の押下面40Fは、上述したように半透明の樹脂部材からなるため、LEDランプ40Lが所定の発光色を伴って点灯態様または点滅態様で発光した場合、遊技者には押下面40Fを通じて演出ボタン40が発光しているように見える。
【0169】
演出ボタン40のLEDランプ40Lの発光態様には、第1態様、第2態様および第3態様がある。第1態様とは、LEDランプ40Lが白色、且つ点灯態様で発光する発光態様であり、第2態様とは、LEDランプ40Lがオレンジ色、且つ点灯態様で発光する発光態様であり、第3態様とは、LEDランプ40Lが白色、且つ点滅態様で発光する発光態様である。LEDランプ40Lが第1態様で発光する場合には、遊技者にとって演出ボタン40がそのように発光しているように見える。よって、LEDランプ40Lが第1態様で発光しているときの演出ボタン40の発光態様も第1態様という。同じく、LEDランプ40Lが第2態様で発光する場合には、遊技者にとって演出ボタン40がそのように発光しているように見える。よって、LEDランプ40Lが第2態様で発光しているときの演出ボタン40の発光態様も第2態様という。同じく、LEDランプ40Lが第3態様で発光する場合には、遊技者にとって演出ボタン40がそのように発光しているように見える。よって、LEDランプ40Lが第3態様で発光しているときの演出ボタン40の発光態様も第3態様という。
【0170】
本実施形態の通常ボタン40のLEDランプ40Lは、自動モード設定がOFFのときの単押ボタン演出(又は連打ボタン演出)の実行中には、
図25に示すように第1態様で発光する。また、自動モードの設定がONで単押ボタン演出(又は連打ボタン演出)が実行されていないときには、
図26(A)に示すように第2態様で発光可能である。但し、自動モードの設定がON、且つ第1態様でのLEDランプ40Lの発光を伴う単押ボタン演出(又は連打ボタン演出)が行われる直前には、
図26(B)に示すように第3態様で発光する。また、自動モードがONのときの単押ボタン演出(又は連打ボタン演出)の実行中には、
図27(A)に示す第1態様で発光するときと、
図27(B)に示す第2態様で発光するときとがある。
【0171】
また、本実施形態の通常ボタン40のLEDランプ40Lは、自動モードの設定がONで各種ボタン演出が実行されないときには、第2態様で発光する。それに対し、自動モードの設定がOFFで各種ボタン演出が実行されないときには発光しない。そのため、遊技者は、各種ボタン演出が実行されていないときに通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光の有無を見れば、自動モードの設定がOFFなのかONなのかを把握可能となっている。
【0172】
続いて、
図28を用いて、通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光態様について、各種ボタン演出(単押ボタン演出,連打ボタン演出)の実行前、実行中および実行後に分けて説明する。
【0173】
まず、
図28(A-1)に、自動モードの設定がOFFでの単押ボタン演出の実行前後および実行中についての通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光態様を示す。上述したように、自動モードがOFFのときの単押ボタン演出の実行中にLEDランプ40Lは第1態様で発光する。
図28(A-1)に示す時刻t01から時刻t02までの期間を単押ボタン演出の実行期間とすると、その実行期間中、第1態様で通常ボタン40のLEDランプ40Lが発光する。よって、その実行期間中、遊技者には通常ボタン40が第1態様で発光しているように見える。なお、本実施形態で、自動モードの設定がOFFで単押ボタン演出が行われないときには、演出ボタン40のLEDランプ40Lは発光しない。具体的に、単押ボタン演出が実行される前の期間(例えば前回のボタン演出の実行から時刻t01までの期間)やその単押ボタン演出が実行された後の期間(時刻t02から例えば次回のボタン演出の実行までの期間)には、
図28(A-1)に示すように通常ボタン40のLEDランプ40Lは発光しない。そのため、自動モードの設定がOFFの場合には、単押ボタン演出の実行の開始とともに演出ボタン40のLEDランプ40Lが「発光なし」から「第1態様」に切り替わることになる。したがって、単押ボタン演出の実行に伴いLEDランプ40Lが第1態様で発光することで、操作可能な通常ボタン40を遊技者に注目させることが可能となっている。
【0174】
次に、
図28(A-2)に、自動モードの設定がOFFでの連打ボタン演出の実行前後および実行中についての通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光態様を示す。上述したように、自動モードの設定がOFFのときの連打ボタン演出の実行中には、そのときの単押ボタン演出の実行中と同じく第1態様でLEDランプ40Lが発光する。
図28(A-2)に示す時刻t01から時刻t03までの期間を連打ボタン演出の実行期間とすると、その実行期間中、第1態様で通常ボタン40のLEDランプ40Lが発光する。よって、その実行期間中、遊技者には通常ボタン40が第1態様で発光しているように見える。なお、本実施形態で、自動モードの設定がOFFで連打ボタン演出が行われないときには、演出ボタン40のLEDランプ40Lは発光しない。具体的に、連打ボタン演出が実行される前の期間(例えば前回のボタン演出の実行から時刻t01までの期間)や、その連打ボタン演出が実行された後の期間(時刻t03から例えば次回のボタン演出の実行までの期間)には、
図28(A-2)に示すように通常ボタン40のLEDランプ40Lは発光しない。そのため、自動モードの設定がOFFの場合には、連打ボタン演出の実行の開始とともに演出ボタン40のLEDランプ40Lが「発光なし」から「第1態様」に切り替わることになる。したがって、連打ボタン演出の実行に伴いLEDランプ40Lが第1態様で発光することで、操作可能な通常ボタン40を遊技者に注目させることが可能となっている。
【0175】
続いて、
図28(B-1)に、自動モードの設定がONで、第2態様でのLEDランプ40Lの発光に伴う単押ボタン演出の実行前後および実行中についての通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光態様を示す。上述したように、自動モードがONで単押ボタン演出が行われないときには、演出ボタン40のLEDランプ40Lは第2態様で発光可能である。具体的に、
図28(B-1)に示す、単押ボタン演出が実行される前の期間(例えば前回のボタン演出の実行から時刻t01までの期間)、および、その単押ボタン演出が実行された後の期間(時刻t02から例えば次回のボタン演出の実行までの期間)にはいずれも通常ボタン40のLEDランプ40Lは第2態様で発光する。しかも、
図28(B-1)に示す単押ボタン演出の発光態様は、ボタン演出が実行されないときと同じ第2態様である。かくして、単押ボタン演出のLEDランプ40Lの発光態様が第2態様の場合には、その単押ボタン演出の実行の前後も、演出ボタン40のLEDランプ40Lの発光態様が変化しない構成になっている。そのため、自動モードの設定がONで、第2態様でのLEDランプ40Lの発光を伴う単押ボタン演出が実行される場合には、その単押ボタン演出の実行が開始されても、自動モードをONに設定している遊技者が通常ボタン40に注目するのを防ぐことができる。
【0176】
また、
図28(B-2)に、自動モードの設定がONで、第1態様でのLEDランプ40Lの発光に伴う単押ボタン演出の実行前後および実行中についての通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光態様を示す。上述したように、自動モードがONで単押ボタン演出が行われないときには、演出ボタン40のLEDランプ40Lは第2態様で発光可能である。それに対し、
図28(B-2)に示す単押ボタン演出の実行に伴うLEDランプ40Lの発光態様は、ボタン演出が実行されないときの発光態様とは異なる第1態様である。しかも、その第1態様でのLEDランプ40Lの発光を伴う単押ボタン演出の実行の直前(
図28(B-2)に示す時刻t11から時刻t01までの期間)に、第3態様で通常ボタン40のLEDランプ40Lが発光する。つまり、単押ボタン演出の実行に伴うLEDランプ40Lの発光態様が第1態様の場合には、その単押ボタン演出の実行の直前に第2態様とは異なる第3態様でLEDランプ40Lが発光する。したがって、自動モードの設定がONで、第2態様ではなく第1態様でのLEDランプ40Lの発光を伴う単押ボタン演出が行われる場合には、その単押ボタン演出の実行直前に第2態様の発光色(オレンジ色)とは異なる発光色(白色)である第3態様でLEDランプ40Lが発光することになる。それにより、自動モードをONに設定している遊技者に、第2態様とは異なる発光態様でのLEDランプ40Lの発光を伴う単押ボタン演出の実行が開始されることを予め把握させることが可能となっている。
【0177】
また、
図28(B-3)に、自動モードの設定がONで、第2態様でのLEDランプ40Lの発光に伴う連打ボタン演出の実行前後および実行中についての通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光態様を示す。
図28(B-3)に示す、連打ボタン演出が実行される前の期間、および、その連打ボタン演出が実行された後の期間(時刻t03から例えば次回のボタン演出の実行までの期間)にはいずれも通常ボタン40のLEDランプ40Lは第2態様で発光する。しかも、
図28(B-3)に示す連打ボタン演出の実行に伴うLEDランプ40Lの発光態様は、ボタン演出が実行されないときと同じ第2態様である。したがって、連打ボタン演出の実行に伴うLEDランプ40Lの発光態様が第2態様の場合には、その連打ボタン演出の実行の前後も、演出ボタン40のLEDランプ40Lの発光態様が変化しない構成になっている。そのため、自動モードがONで、第2態様でのLEDランプ40Lの発光を伴う連打ボタン演出が行われる場合には、その連打ボタン演出の実行が開始されても、自動モードをONに設定している遊技者が通常ボタン40に注目するのを防ぐことができる。
【0178】
また、
図28(B-4)に、自動モードがONで、第1態様でのLEDランプ40Lの発光に伴う連打ボタン演出の実行前後および実行中についての通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光態様を示す。
図28(B-4)に示す連打ボタン演出の実行に伴うLEDランプ40Lの発光態様は、ボタン演出が実行されないときの発光態様とは異なる第1態様である。しかも、その第1態様でのLEDランプ40Lの発光を伴う連打ボタン演出の実行の直前(
図28(B-4)に示す時刻t11から時刻t01までの期間)に、第3態様で通常ボタン40のLEDランプ40Lが発光する。つまり、連打ボタン演出の実行に伴うLEDランプ40Lの発光態様が第1態様の場合には、その連打ボタン演出の実行の直前に第2態様とは異なる第3態様でLEDランプ40Lが発光する。したがって、自動モードがONで、第2態様ではなく第1態様でのLEDランプ40Lの発光を伴う連打ボタン演出が行われる場合には、その連打ボタン演出の実行直前に第2態様の発光色(オレンジ色)とは異なる発光色(白色)を伴う第3態様で演出ボタン40のLEDランプ40Lが発光することになる。それにより、自動モードをONに設定している遊技者に、第2態様とは異なる発光態様でのLEDランプ40Lの発光を伴う連打ボタン演出の実行が開始されることを予め把握させることが可能となっている。
【0179】
3-8.ボタン演出の実行選択
続いて、本実施形態におけるボタン演出の実行選択について、
図18および
図29を用いて説明する。本実施形態では、受信した第1特図の特図開始コマンドに基づいて、演出制御用マイコン121は、ボタン演出の実行の有無を決定する。具体的には、受信した第1特図の特図開始コマンドが、
図18に示す上述の変動パターン「HTP051」、「HTP061」又は「HTP062」についてのものであれば、演出制御用マイコン121は、当該の第1特図の可変表示中におけるボタン演出の実行を決定する。さらに「HTP051」又は「HTP061」についてのものであれば、成功態様でのボタン演出の実行を決定し、「HTP062」についてのものであれば、失敗態様でのボタン演出の実行を決定する(
図18参照)。
【0180】
ボタン演出の実行が決定したら、演出制御用マイコン121は、
図29に示すボタン演出種別選択テーブルを参照して、実行するボタン演出の種別を決める。このボタン演出種別選択テーブルは、ボタン演出が行われる場合の種別(単押ボタン演出および連打ボタン演出)を決定するためのテーブルである。本実施形態では、演出制御用マイコン121は、第1特図の大当たり判定の結果に応じた振分率でボタン演出の種別を選択する。また、自動モードの設定状況によって、参照するテーブルが異なる。具体的に、ボタン演出の種別を選択する時点(詳細には、例えば第1特図の特図開始コマンドに対応した特図変動表示の開始直前の時点)において、自動モードがOFFに設定されている場合には
図29(A)に示すボタン演出種別選択テーブルを参照し、自動モードがONに設定されている場合には
図29(B)に示すボタン演出種別選択テーブルを参照する。
【0181】
図29(A)に示す、自動モードがOFFに設定されている場合でのボタン演出種別選択テーブルによれば、自動モードがOFFに設定されている非時短状態で第1特図の大当たり判定の結果が「大当たり当選」である場合には、連打ボタン演出の振分率の値(「60%」)の方が単押ボタン演出の振分率の値(「40%」)よりも大きい。一方、自動モードがOFFに設定されている非時短状態で第1特図の大当たり判定の結果が「ハズレ」(リーチ有りハズレ)である場合に、連打ボタン演出の振分率の値(「33%」)の方が、単押ボタン演出の振分率の値(「67%」)よりも小さい。以上により、本実施形態では、自動モードがOFFに設定されている際に、ボタン演出として単押ボタン演出が実行された場合よりも連打ボタン演出が実行された場合の方が遊技者は「大当たり」の当選を期待できる。
【0182】
図29(B)に示す、自動モードがONに設定されている場合でのボタン演出種別選択テーブルによれば、自動モードがONに設定されている非時短状態で第1特図の大当たり判定の結果が「大当たり当選」である場合には、第1態様および第2態様での通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光を伴う連打ボタン演出の振分率の合計値(「60%」)の方が、第1態様および第2態様での通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光を伴う単押ボタン演出の振分率の合計値(「40%」)よりも大きい。一方、自動モードがONに設定されている非時短状態で第1特図の大当たり判定の結果が「ハズレ」(リーチ有りハズレ)である場合に、第1態様および第2態様での通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光を伴う連打ボタン演出の振分率の合計値(「33%」)の方が、第1態様および第2態様での通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光を伴う単押ボタン演出の振分率の合計値(「67%」)よりも小さい。以上により、本実施形態では、自動モードがONに設定されている際に、ボタン演出として単押ボタン演出が実行された場合よりも連打ボタン演出が実行された場合の方が遊技者は「大当たり」の当選を期待できる。
【0183】
さらに、自動モードがONに設定されている非時短状態で第1特図の大当たり判定の結果が「大当たり当選」である場合に、第1態様での通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光を伴う単押ボタン演出の振分率の値(「30%」)の方が、第2態様での通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光を伴う単押ボタン演出の振分率の値(「10%」)よりも大きい。また、自動モードがONに設定されている非時短状態で第1特図の大当たり判定の結果が「大当たり当選」である場合に、第1態様での通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光を伴う連打ボタン演出の振分率の値(「45%」)の方が、第2態様での通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光を伴う連打ボタン演出の振分率の値(「15%」)よりも大きい。一方、自動モードがONに設定されている非時短状態で第1特図の大当たり判定の結果が「ハズレ」(リーチ有りハズレ)である場合に、第1態様での通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光を伴う単押ボタン演出の振分率の値(「7%」)の方が第2態様での通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光を伴う単押ボタン演出の振分率の値(「60%」)よりも小さい。また、自動モードがONに設定されている非時短状態で第1特図の大当たり判定の結果が「ハズレ」(リーチ有りハズレ)である場合に、第1態様での通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光を伴う連打ボタン演出の振分率の値(「3%」)の方が、第2態様での通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光を伴う連打ボタン演出の振分率の値(「30%」)よりも小さい。以上により、本実施形態では、自動モードがONに設定されている際に、単押ボタン演出でも連打ボタン演出でも、第2態様での通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光を伴う場合よりも第1態様での通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光を伴う場合の方が遊技者は「大当たり」の当選を期待できる。
【0184】
演出制御用マイコン121は、
図29(A)に示すボタン演出種別選択テーブルを参照して、実行するボタン演出の種別を第1態様での通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光を伴う単押ボタン演出に決めた場合に、その単押ボタン演出の実行開始時に自動モードがOFFに設定されていれば当該単押ボタン演出(第1態様での通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光を伴う単押ボタン演出)を行う。それに対し、実行するボタン演出の種別を第1態様での通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光を伴う単押ボタン演出に決めた場合、実行開始時に自動モードがONに設定されていれば第2態様での通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光を伴う単押ボタン演出に変更して行う。
【0185】
また、演出制御用マイコン121は、
図29(A)に示すボタン演出種別選択テーブルを参照して、実行するボタン演出の種別を第1態様での通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光を伴う連打ボタン演出に決めた場合に、その連打ボタン演出の実行開始時に自動モードがOFFに設定されていれば当該連打ボタン演出(第1態様での通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光を伴う連打ボタン演出)を行う。それに対し、実行するボタン演出の種別を第1態様での通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光を伴う連打ボタン演出に決めた場合、実行開始時に自動モードがONに設定されていれば第2態様での通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光を伴う連打ボタン演出に変更して行う。
【0186】
また、演出制御用マイコン121は、
図29(B)に示すボタン演出種別選択テーブルを参照して、実行するボタン演出の種別を第2態様での通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光を伴う単押ボタン演出に決めた場合に、その単押ボタン演出の実行開始時に自動モードがONに設定されていれば当該単押ボタン演出を行う。それに対し、実行するボタン演出の種別を第2態様での通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光を伴う単押ボタン演出に決めた場合、実行開始時に自動モードがOFFに設定されていれば第1態様での通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光を伴う単押ボタン演出に変更して行う。
【0187】
一方、演出制御用マイコン121は、
図29(B)に示すボタン演出種別選択テーブルを参照して、実行するボタン演出の種別を第1態様での通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光を伴う単押ボタン演出に決めた場合に、その単押ボタン演出の実行開始時に自動モードがONに設定されていれば当該単押ボタン演出(第1態様での通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光を伴う単押ボタン演出)を行う。また、実行するボタン演出の種別を第1態様での通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光を伴う単押ボタン演出に決めた場合、実行開始時に自動モードがOFFに設定されていれば、そのときも当該単押演出(第1態様での通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光を伴う単押ボタン演出)を行う。
【0188】
また、演出制御用マイコン121は、
図29(B)に示すボタン演出種別選択テーブルを参照して、実行するボタン演出の種別を第2態様での通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光を伴う連打ボタン演出に決めた場合に、その連打ボタン演出の実行開始時に自動モードがONに設定されていれば当該連打ボタン演出(第2態様での通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光を伴う連打ボタン演出)を行う。それに対し、実行するボタン演出の種別を第2態様での通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光を伴う連打ボタン演出に決めた場合、実行開始時に自動モードがOFFに設定されていれば第1態様での通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光を伴う連打ボタン演出に変更して行う。
【0189】
一方、演出制御用マイコン121は、
図29(B)に示すボタン演出種別選択テーブルを参照して、実行するボタン演出の種別を第1態様での通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光を伴う連打ボタン演出に決めた場合に、その連打ボタン演出の実行開始時に自動モードがONに設定されていれば当該連打ボタン演出(第1態様での通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光を伴う連打ボタン演出)を行う。また、実行するボタン演出の種別を第1態様での通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光を伴う連打ボタン演出に決めた場合、実行開始時に自動モードがOFFに設定されていれば、そのときも当該連打演出(第1態様での通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光を伴う連打ボタン演出)を行う。
【0190】
3-9.発展演出
次いで、発展演出について
図11を用いてさらに説明する。パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出における、SPリーチからSPSPリーチに発展するタイミングで、発展演出を実行可能である。本実施形態の発展演出は、盤上可動体55kを用いた可動体演出である。この発展演出は、
図11(A)に示すように、盤上可動体55kが表示部50a上に移動する演出である。パチンコ遊技機PY1は、発展演出において、表示部50aの盤上可動体55kと重なっていないスペースに、エフェクト画像G4を表示する。可動体演出の後には、
図11(B)に示すように、盤上可動体55kが通常の待機状態(初期位置)に戻り、表示部50a上ではSPSPリーチに進行(発展)する。
【0191】
本実施形態の発展演出は、上述のボタン演出の実行を経て実行可能である。つまり、ボタン演出を経ないで発展演出が実行されることはない。また、この発展演出は、上述したボタン演出の実行後に行われるときと行われないときとがある。具体的に、変動パターンとして「THP051」又は「THP061」が選択された場合の特図変動演出においては、ボタン演出の実行後に発展演出が実行される。それに対し、変動パターンとして「THP062」が選択された場合の特図変動演出においては、ボタン演出の実行後に発展演出が実行されない。
【0192】
<第1実施形態の効果>
以下、第1実施形態で説明したパチンコ遊技機PY1の効果について説明する。
【0193】
(1)本実施形態のパチンコ遊技機PY1によれば、
図28(B-2)に示すような、自動モードの設定がONで、単押ボタン演出の実行前の時刻t11から時刻t01までの期間に第3態様で発光する。そのため、単押ボタン演出の実行前に通常ボタン40のLEDランプ40Lに遊技者の注目を予め集めることが可能であり、その後の単押ボタン演出の実行期間(時刻t01から時刻t02までの期間)、または、連打ボタン演出の実行期間(時刻t01から時刻t03までの期間)にも、LEDランプ40Lに遊技者の注目をそのまま集めることが可能となっている。
【0194】
(2)また、点灯と消灯が交互に変化する点滅態様である第3態様で通常ボタン40のLEDランプ40Lが発光した場合、遊技者がそのLEDランプ40Lの発光に気付き易い。したがって、そのような第3態様で時刻t11から時刻t01までの期間に発光した場合、単押ボタン演出または連打ボタン演出の実行前に予め通常ボタン40のLEDランプ40Lに遊技者の注目を確実に集めることが可能となっている。
【0195】
(3)また、単押ボタン演出の実行期間中に白色の発光色を伴う第1態様でLEDランプ40Lが発光した場合には、オレンジ色の発光色を伴う第2態様でLEDランプ40Lが発光する場合よりも大当たり遊技が行われることを遊技者に期待させることが可能となっている。
【0196】
(4)また、第1態様の発光色(白色)と同じ発光色を伴う第3態様でLEDランプ40Lが発光した場合には、その直後に白色を伴う第1態様でLEDランプ40Lが発光することを遊技者に予め意識させることができる。したがって、そのような場合には、大当たり遊技が行われることを時刻t11から時刻t01までの期間から遊技者に確実に期待させることが可能となっている。
【0197】
<基本実施形態および第1実施形態の変更例>
以下、基本実施形態または第1実施形態で説明したパチンコ遊技機PY1の変更例について説明する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0198】
第1実施形態では、時刻t11から時刻t01までの期間(本発明に係る「直前期間」)に、演出ボタン40(本発明に係る「操作手段」)のLEDランプ40L(本発明に係る「発光部」)が第3態様(本発明に係る「第2態様」)で発光するときがある構成とした。つまり、第1態様での発光部の点灯を伴う単押ボタン演出(本発明に係る「操作促進演出」)の実行前の直前期間に、発光部が第2態様で発光するときがある構成とした。しかしながら、第1態様での発光部の点灯を伴う操作促進演出の実行前の直前期間に、発光部が第2態様以外の発光態様で発光部が発光する構成としてもよい。
【0199】
具体的に、例えば
図30(A)には、自動モードがONで、第1態様での単押ボタン演出の実行前後および実行中についての通常ボタン40のLEDランプ40Lの発光態様について、上述した第1実施形態の変更例を示す。本変更例では、第1態様での単押ボタン演出の実行の直前(
図30(A)に示す時刻t21から時刻t01までの期間)に、第1実施形態の第3態様とは異なる第4態様で通常ボタン40のLEDランプ40Lが発光する。つまり、単押ボタン演出の発光態様が第1態様の場合には、その単押ボタン演出の実行の直前に第2態様とは異なる第4態様で発光する。
【0200】
第4態様の詳細について
図30(B)を用いて説明する。
図30(B)に示すように、第4態様では、時刻t21から時刻t22までの期間(具体的に0.2秒間)に白色点灯でLEDランプ40Lが発光する。そして、その後の時刻t22から時刻t23までの期間(具体的に0.2秒間)にLEDランプ40Lが消灯する(
図30(B)参照)。さらに、その後の時刻t23以降、時刻t24、時刻t25、時刻t26、時刻t27および時刻t28を経て、時刻t01までの期間、白色点灯および消灯が交互に行われる(
図30(B)参照)。具体的に、時刻t23から時刻t24までの期間、時刻t25から時刻t26までの期間および時刻t27から時刻t28までの期間にLEDランプ40Lが白色点灯する一方、時刻t24から時刻t25までの期間、時刻t26から時刻t27までの期間および時刻t28から時刻t01までの期間にLEDランプ40Lが消灯する。つまり、時刻t23から時刻t01までの期間、所定周期(具体的に0.1秒間)での点滅態様(0.05秒間の白色点灯および0.05秒間の消灯の繰り返し態様)になっている。
【0201】
本変更例では、
図30(B)に示すように時刻t21から時刻t22までの期間と時刻t22から時刻t23までの期間とは同じ期間であり、時刻t23から時刻t01までの期間における点滅態様の所定周期が、時刻t21から時刻t22までの期間よりも短く、且つ時刻t22から時刻t23までの期間よりも短い。そのため、時刻t21から時刻t23までの期間の、白色点灯および消灯を組み合わせた発光態様よりも、その後の点滅態様の方がより早い変化とすることが可能となっている。よって、第4態様の前段よりも後段の方が、第4態様でLEDランプ40Lが発光していることを遊技者に気付かせることが可能となっている。したがって、時刻t23までにLEDランプ40Lが発光していることに気付くことができなかった遊技者に、その後の時刻t23から時刻t01までの期間に、LEDランプ40Lが発光していることを気付かせることが可能となっている。
【0202】
なお、上記変更例では、第4態様(本発明に係る「第2態様」)が点灯と消灯とが交互に行われる態様であって、点灯と消灯との周期(つまり点滅の周期)が2段階変化する構成とした。しかしながら、点滅の周期が3段階以上変化する構成としてもよい。また、点滅の周期が短く変化する構成としたが、点滅の周期が逆に長く変化する構成としてもよい。あるいは、点滅の周期が相対的に長くなったり短くなったり、交互に変化する構成としてもよい。
【0203】
また、第1実施形態では、通常ボタン40を本発明に係る「操作手段」としたが、特殊ボタン41を「操作手段」としてもよい。また、レバーやダイヤルやハンドルやタッチパネルなど、ボタン以外に遊技者によって操作可能な手段を「操作手段」としてもよい。
【0204】
また、第1実施形態では、通常ボタン40(操作手段)の内部にあるLEDランプ40Lを本発明に係る「発光部」としたが、操作手段の表面に配したLEDランプを「発光部」としてもよい。また、LEDランプを「発光部」としたが、光を発光可能なものであれば、LEDランプ以外のものを「発光部」としてもよい。
【0205】
また、第1実施形態では、時刻t11から時刻t01までの期間(本発明に係る「直前期間」)をボタン演出(本発明に係る「操作促進演出」)のボタン操作有効期間(本発明に係る「特定期間」)の直前の期間とした。しかしながら、直前期間を特定期間中としてもよい。つまり、特定期間中に発光部が第1態様で発光する場合に、当該特定期間中、且つ、発光部が第1態様で発光する前に、第2態様で発光する構成としてもよい。
【0206】
また、第1実施形態では、白色を伴う点灯態様である第1態様およびオレンジ色を伴う点灯態様である第2態様を本発明に係る「第1態様」とした。つまり、複数種類の色があるうちの1色を伴う点灯態様を「第1態様」とした。しかしながら、特定の1種類の色(例えば「白色」のみ、「赤色」のみ、「青色」のみ等)を伴う点灯態様を「第1態様」としてもよい。また、点灯態様を「第1態様」としたが、点滅態様を「第1態様」としてもよい。
【0207】
また、第1実施形態では、白色を本発明に係る「第1発光色」としたが、白色以外の色を「第1発光色」としてもよい。また、オレンジ色を本発明に係る「第2発光色」としたが、オレンジ色以外の色を「第2発光色」としてもよい。
【0208】
また、第1実施形態では、白色を伴う点滅態様である第3態様を本発明に係る「第2態様」とした。しかしながら、白色以外の色を伴う点滅態様を「第2態様」としてもよい。また、点滅態様を「第2態様」としたが、点灯態様を「第2態様」としてもよい。
【0209】
また、第1実施形態では、ボタン操作有効期間を本発明に係る「特定期間」としたが、そのボタン操作有効期間以外の期間を「特定期間」としてもよい。
【0210】
また、第1実施形態では、自動モードの設定がONでボタン演出(単押ボタン演出,連打ボタン演出)が実行されていないときには、第2態様でLEDランプ40L(発光部)が発光可能な構成とした。しかしながら、自動モードの設定がONでボタン演出が実行されていないときには、発光部が発光しない構成としてもよい。
【0211】
また、第1実施形態では、自動モードの設定がOFFでボタン演出(単押ボタン演出,連打ボタン演出)が実行されていないときには、LEDランプ40L(発光部)が発光しない構成とした。しかしながら、自動モードの設定がOFFでボタン演出が実行されていないときには、所定の発光態様で発光部が発光可能な構成としてもよい。
【0212】
また、第1実施形態では、ボタン演出の種類を単押ボタン演出および連打ボタン演出の2種類とした。しかしながら、ボタン演出の種類を単押ボタン演出または連打ボタン演出の1種類としてもよい。あるいは、ボタン演出の種類を単押ボタン演出および連打ボタン演出に、例えば遊技者に通常ボタン(操作手段)を所定期間、操作を維持させる長押しボタン演出など、その他のボタン演出を加えた3種類以上としてもよい。
【0213】
また、第1実施形態では、ON設定態様の単押ボタン演出の演出態様について、「第1のタイミング」まで継続して表示される1種類とした。しかしながら、ON設定態様の単押ボタン演出の演出態様を複数種類としてもよい。そのようなON設定態様の単押ボタン演出の演出態様として、例えばボタン操作有効期間の4/5に到達するタイミングなど、第1のタイミングとは異なるタイミングまで継続して表示される演出態様も含まれる構成が挙げられる。
【0214】
また、第1実施形態では、ボタン画像CG1が通常ボタン40を模した画像としたが、通常ボタン40を模していない画像でもよい。また、複合画像G132および複合画像G134の両方に、エフェクト画像CE1が含まれる構成としたが、複合画像G132または複合画像G134にエフェクト画像CE1が含まれる構成としてもよい。または、複合画像G132にも複合画像G134にもエフェクト画像CE1が含まれない構成としてもよい。
【0215】
また、第1実施形態では、自動モードの設定をONにすることが可能な遊技機とした。しかしながら、自動モードの設定ができない(自動モードの設定機能を有しない)遊技機としてもよい。
【0216】
また、第1実施形態では、客待ち演出モードの設定中に自動モードの設定が可能な構成とした。しかしながら、通常演出モード、確変演出モード、時短演出モード又は大当たり演出モードなど、客待ち演出モードの設定中以外に自動モードの設定が可能な構成としてもよい。
【0217】
また、第1実施形態では、ボタン演出(操作促進演出)について、SPリーチの実行後に実行され得る演出とした。しかしながら、操作促進演出について、SPリーチの実行後ではなく、SPリーチの実行中や、SPリーチの実行前(具体的に例えば、リーチ前の特図変動演出の通常変動の実行中)に実行され得る演出としてもよい。または、操作促進演出について、SPリーチの実行後のSPSPリーチの実行中に実行され得る演出としてもよい。
【0218】
また、第1実施形態では、3D液晶ディスプレイを表示部50aとした。しかしながら、例えば2D液晶ディスプレイ、ドット表示器、7セグ表示器またはLEDランプといったものを表示部としてもよい。
【0219】
また、第1実施形態では、1つの「表示部」を備えた遊技機とした。しかしながら、例えば複数の表示部を備えた遊技機としてもよい。
【0220】
また、第1実施形態に示す各実行期間に示す時間は例示であって、それ以外の時間としてもよい。
【0221】
また、基本実施形態では、「低確率低ベース遊技状態」および「高確率低ベース遊技状態」の何れにおいても、通常背景画像G102が表示されるようにしているが、「低確率低ベース遊技状態」と「高確率低ベース遊技状態」とで、異なる背景が表示されるようにしてもよい。例えば、「高確率低ベース遊技状態」においては、高確率状態であることを示唆する画像を含んだ背景が表示されるようにしてもよい。
【0222】
また、基本実施形態では、特図の可変表示と並行して演出図柄EZ1,EZ2,EZ3だけが表示部50aに変動表示されるようにしているが、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3と並行して他の図柄が表示部50aに変動表示されるようにしてもよい。この場合、他の図柄の大きさを演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の大きさよりも小さくするのが好ましい。
【0223】
また、基本実施形態では、特図の可変表示と並行して演出図柄EZ1,EZ2,EZ3だけが画像表示装置50の表示部50aに変動表示されるようにしているが、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3と並行して、画像表示装置50以外の表示装置において、他の図柄が変動表示されるようにしてもよい。例えば、他の図柄を変動表示させるための専用のLEDを遊技盤1に設置し、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示中に、専用のLEDが点滅するようにしてもよい。
【0224】
また、基本実施形態では、第1特図と第2特図とが、同時に可変表示しないで、何れか一方だけが可変表示するようにしているが、第1特図と第2特図とが同時に可変表示するようにしてもよい。
【0225】
また、基本実施形態では、遊技の進行と演出とが、別々の制御部によって制御されるようにしているが、遊技の進行と演出とが、1つの制御部によって制御されるようにしてもよい。例えば、遊技の進行および演出の両方が、主制御部100だけによって制御されるようにしてもよい。
【0226】
また、本発明の遊技機を、アレンジボール機、雀球遊技機等の他の弾球遊技機などに適用することも可能である。
【0227】
<第1実施形態に開示されている発明>
この[発明を実施するための形態]における前段落までには、以下の発明Aが開示されている。発明Aの説明では、前述した発明を実施する形態における対応する構成の名称や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明を構成する手段などの要素はこの付記に限定されるものではない。なお、発明Aは、以下の発明A1~A5の総称である。
【0228】
発明A1に係る遊技機は、
操作手段(通常ボタン40)と、
発光部(LEDランプ40L)と、
所定の演出を実行可能な演出実行手段(演出制御部120)と、を備え、
前記演出実行手段は、
前記発光部を所定の発光態様(第1態様,第2態様,第3態様,第4態様)で発光可能であり、
特定期間(操作有効期間)中に前記操作手段の操作を遊技者に促す操作促進演出(単押ボタン演出)を実行可能であり、
前記所定の発光態様には、第1態様と、前記第1態様とは異なる第2態様(第3態様,第4態様)と、を含み、
前記操作手段は、
前記発光部から発光された光を遊技者に視認させ得るものであり、
前記発光部は、
前記特定期間中に前記第1態様で発光する場合には、当該第1態様で発光する直前の期間にあたる直前期間(時刻t11から時刻t01までの期間)に前記第2態様で発光するときがあることを特徴とする遊技機(パチンコ遊技機PY1)である。
【0229】
この構成の遊技機によれば、直前期間に第2態様で発光するため、操作促進演出の実行前に予め操作手段の発光部に遊技者の注目を集めることが可能であり、その後の操作促進演出の特定期間にも操作手段の発光部に遊技者の注目をそのまま集めることが可能である。
【0230】
発明A2に係る遊技機は、
発明A1に記載の遊技機であって、
前記第1態様とは点灯態様であり、
前記第2態様とは点灯と消灯とが交互に行われる態様であることを特徴とする遊技機である。
【0231】
この構成の遊技機によれば、点灯と消灯が交互に変化する第2態様で発光部が発光した場合、遊技者がその発光部の発光に気付き易い。したがって、そのような第2態様で直前期間に発光した場合、操作促進演出の実行前に予め操作手段の発光部に遊技者の注目を確実に集めることが可能である。
【0232】
発明A3に係る遊技機は、
発明A2に記載の遊技機であって、
前記第2態様とは、第1期間(時刻t21から時刻t22までの期間)の点灯、その後の第2期間(時刻t22から時刻t23までの期間)の消灯、およびその後の、前記第1期間または前記第2期間よりも短い周期での点滅からなる態様(第4態様)であることを特徴とする遊技機である。
【0233】
この構成の遊技機によれば、第1期間の点灯とその後の第2期間の消灯とを組み合わせた発光態様で発光部が発光する場合よりも、第1期間または第2期間よりも短い周期での点滅態様で発光部が発光する場合の方が、早い変化とすることが可能である。よって、第2態様の前段よりも後段の方が、発光部が発光していることを遊技者に気付かせることが可能である。したがって、第2期間が終わるまでの第2態様での発光部の発光によってそのこと(発光)に気付くことができなかった遊技者に、その後の点滅態様での発光部の発光によって、そのことを気付かせることが可能である。
【0234】
発明A4に係る遊技機は、
発明A1、発明A2および発明A3のうちのいずれか1の発明に記載の遊技機であって、
遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)を実行可能な特別遊技実行手段(大当たり遊技を実行する遊技制御用マイコン101)を備え、
前記第1態様の発光色には、第1発光色(白色)と第2発光色(オレンジ色)とがあり、
前記発光部は、
前記特定期間中に前記第1発光色を伴う前記第1態様(白色点灯)で発光するときと、前記第2発光色を伴う前記第1態様(オレンジ色点灯)で発光するときと、があり、
前記特定期間中に前記第2発光色を伴う第1態様で発光するよりも前記第1発光色を伴う前記第1態様で発光する場合の方が、その後に前記特別遊技が行われる可能性が高いことを特徴とする遊技機である。
【0235】
この構成の遊技機によれば、特定期間中に第1発光色を伴う第1態様で発光部が発光した場合には、第2発光色を伴う第1態様で発光部が発光する場合よりも、特別遊技が行われることを遊技者に期待させることが可能である。
【0236】
発明A5に係る遊技機は、
発明A4に記載の遊技機であって、
前記発光部は、
前記特定期間中に前記第1発光色を伴う前記第1態様で発光する場合には、当該特定期間の直前の前記直前期間に前記第1発光色と同じ発光色を伴う前記第2態様で発光するときがあり、
前記特定期間中に前記第2発光色を伴う前記第1態様で発光する場合には、当該特定期間の直前の前記直前期間に前記第2態様で発光しないことを特徴とする遊技機である。
【0237】
この構成の遊技機によれば、第1発光色と同じ発光色を伴う第2態様で発光部が発光した場合には、その直後に第1発光色を伴う第1態様で発光部が発光することを遊技者に予め意識させることが可能である。したがって、そのような場合には、特別遊技が行われることを直前期間から遊技者に確実に期待させることが可能である。
【符号の説明】
【0238】
40…通常ボタン(操作手段)
40L…LEDランプ(発光部)
100…主制御部
101…遊技制御用マイコン
120…演出制御部(演出実行手段)
121…演出制御用マイコン
PY1…パチンコ遊技機(遊技機)