(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-15
(45)【発行日】2023-06-23
(54)【発明の名称】コンピュータシステム、ゲームシステム及びゲーム進行制御方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20230616BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20230616BHJP
A63F 13/795 20140101ALI20230616BHJP
【FI】
A63F13/69 500
A63F13/79 500
A63F13/795
(21)【出願番号】P 2018167546
(22)【出願日】2018-09-07
【審査請求日】2021-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【氏名又は名称】井上 一
(72)【発明者】
【氏名】倉田 大光
【審査官】右田 純生
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-047128(JP,A)
【文献】特開2016-039884(JP,A)
【文献】特開2016-101426(JP,A)
【文献】特開2015-093025(JP,A)
【文献】特開2009-112708(JP,A)
【文献】特開2008-194312(JP,A)
【文献】特開2018-011632(JP,A)
【文献】特開2014-064704(JP,A)
【文献】特開2013-208270(JP,A)
【文献】特開2013-236844(JP,A)
【文献】特表2016-513988(JP,A)
【文献】特開2015-036033(JP,A)
【文献】国際公開第2019/088172(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/151086(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0137871(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2006-0122236(KR,A)
【文献】アイドルマスターシリーズの携帯サイト「アイマスモバイル」が12月20日にリニューアル。全国を巡って国民的アイドルを育てよう,4Gamer.net [online],Aetas 株式会社,2010年12月10日,<URL:http://www.4gamer.net/games/115/G011531/20101210003/>,[2013年 1月21日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1種ゲーム構成単位(以下「第1種ゲーム」と略称する)と、第2種ゲーム構成単位(以下「第2種ゲーム」と略称する)とを少なくとも含む複数のゲーム構成単位で構成されるゲームの進行を制御するためのコンピュータシステムであって、
所与のグループに所属する第1のプレーヤが前記第1種ゲームをプレイすることにより、
前記第2種ゲームがプレイ可能となる権利、を取得するための条件を満たした場合に、当該権利を当該第1のプレーヤに付与する制御を行う権利付与制御手段と、
前記権利が付与された前記第1のプレーヤによる寄託操作に基づいて前記権利を寄託先の前記グループと関連づけて登録する寄託権利登録手段と、
前記寄託権利登録手段に登録されている前記権利を前記権利と関連づけられた前記グループ内に通知する制御を行う通知制御手段と、
前記寄託権利登録手段に登録されている前記権利に基づいて、前記権利と関連づけられた前記グループの所属プレーヤによる前記第2種ゲームのプレイを許可する制御を行い、前記第2種ゲームのプレイと引き換えに、前記寄託権利登録手段に登録されている当該権利を消失させる制御を行うプレイ許可制御手段と、
を備えたコンピュータシステム。
【請求項2】
第1種ゲーム構成単位(以下「第1種ゲーム」と略称する)と、第2種ゲーム構成単位(以下「第2種ゲーム」と略称する)とを少なくとも含む複数のゲーム構成単位で構成されるゲームの進行を制御するためのコンピュータシステムであって、
所与のグループに所属する第1のプレーヤが前記第1種ゲームをプレイすることにより、
前記第2種ゲームがプレイ可能となる権利、を取得するための条件を満たした場合に、当該権利を当該第1のプレーヤに付与する制御を行う権利付与制御手段と、
前記権利が付与された前記第1のプレーヤによる寄託操作に基づいて前記権利を寄託先の前記グループと関連づけて登録する寄託権利登録手段と、
前記寄託権利登録手段に登録されている前記権利を前記権利と関連づけられた前記グループ内に通知する制御を行う通知制御手段と、
前記寄託権利登録手段に登録されている前記権利に基づいて、前記権利と関連づけられた前記グループの所属プレーヤによる前記第2種ゲームのプレイを許可する制御を行うプレイ許可制御手段と、
前記プレイ許可制御手段によりプレイが許可された前記第2種ゲームのプレイの結果、当該第2種ゲームのゲームクリア条件を満たした場合に、前記寄託権利登録手段に登録されている前記権利を消失させる制御を行う手段と、
を備えたコンピュータシステム。
【請求項3】
第1種ゲーム構成単位(以下「第1種ゲーム」と略称する)と、第2種ゲーム構成単位(以下「第2種ゲーム」と略称する)とを少なくとも含む複数のゲーム構成単位で構成されるゲームの進行を制御するためのコンピュータシステムであって、
所与のグループに所属する第1のプレーヤが前記第1種ゲームをプレイすることにより、
前記第2種ゲームがプレイ可能となる権利、を取得するための条件を満たした場合に、当該権利を当該第1のプレーヤに付与する制御を行う権利付与制御手段と、
前記権利が付与された前記第1のプレーヤによる寄託操作に基づいて前記権利を寄託先の前記グループと関連づけて登録する寄託権利登録手段と、
前記寄託権利登録手段に登録されている前記権利を
前記権利と関連づけられた前記グループ内に通知する制御を行う通知制御手段と、
前記権利に基づいて、
前記権利と関連づけられた前記グループの所属プレーヤによる前記第2種ゲームのプレイを許可する制御を行うプレイ許可制御手段と、
を備え、
前記プレイ許可制御手段は、前記権利付与制御手段により前記権利が付与されたプレーヤに対しては当該権利に基づく前記第2種ゲームのプレイを禁止とし、当該権利が付与されたプレーヤ以外の
前記権利と関連づけられた前記グループの所属プレーヤに対してのみ当該権利に基づく前記第2種ゲームのプレイを許可する、
コンピュータシステム。
【請求項4】
前記権利付与制御手段は、前記権利を示すゲームオブジェクトを前記第1のプレーヤに前記第1種ゲームのプレイ中に獲得させる制御によって、前記権利を付与する制御を行う、
請求項1~3の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記グループとしての前記第2種ゲームに関する進捗度合又はやりこみ度合を示す第2種ゲームプレイ指標を管理する第2種ゲームプレイ指標管理手段と、
前記第2種ゲームのゲーム内容を前記第2種ゲームプレイ指標に基づいて変更制御するゲーム内容変更制御手段と、
を更に備えた請求項1~4の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
前記第2種ゲームプレイ指標管理手段は、前記グループの所属プレーヤが前記第2種ゲームをプレイしたプレイ結果と、当該所属プレーヤが前記第2種ゲームを過去にプレイした回数と、に基づいて前記第2種ゲームプレイ指標の変更量を決定する、
請求項5に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
前記権利は、個別の権利であり、
前記プレイ許可制御手段は、1以上の前記権利に基づいて前記第2種ゲームのプレイを許可し、
前記プレイ許可制御手段による許可の根拠となった前記権利の数に基づいて、前記第2種ゲームのゲーム内容を変更制御するゲーム内容変更制御手段、
を更に備えた請求項1~4の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
前記グループ、又は、前記グループの所属プレーヤ毎に、前記第2種ゲームをクリアしたか否かの情報を管理するゲームクリア情報管理手段と、
前記第2種ゲームをクリアした所属プレーヤが前記第2種ゲームをもう一度プレイする場合に、前記第2種ゲームのゲーム内容を変更制御するゲーム内容変更制御手段、
を更に備えた請求項1~4の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項9】
前記ゲーム内容変更制御手段は、前記第2種ゲームに係るゲームステージを定義するパラメータ値を変更することで、ゲーム内容を変更制御する、
請求項5~8の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項10】
前記ゲーム内容変更制御手段は、前記第2種ゲームにおいてプレイ可能なゲームステージを変更することで、ゲーム内容を変更制御する、
請求項5~9の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項11】
前記プレイ許可制御手段によりプレイが許可された許可プレーヤが前記第2種ゲームをプレイした結果に基づいて、前記第1のプレーヤ及び/又は前記許可プレーヤに報酬を付与する報酬付与制御手段、
を更に備えた請求項1~10の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項12】
前記第2種ゲームには、プレイするために、前記権利の他に、所定の特別アイテムが必要となる特別第2種ゲームが含まれ、
前記プレイ許可制御手段は、前記特別第2種ゲームについては、前記グループの所属プレーヤが前記特別アイテムを所有している場合に、前記グループの所属プレーヤによる前記特別第2種ゲームのプレイを許可する制御を行う、
請求項1~11の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項13】
前記コンピュータシステムは、前記プレーヤのプレーヤ端末と通信接続されるサーバシステムである、
請求項1~12の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項14】
請求項13に記載のコンピュータシステムである前記サーバシステムと、
前記プレーヤ端末と、
を具備するゲームシステム。
【請求項15】
第1種ゲーム構成単位(以下「第1種ゲーム」と略称する)と、第2種ゲーム構成単位(以下「第2種ゲーム」と略称する)とを少なくとも含む複数のゲーム構成単位で構成されるゲームの進行を制御するためのゲーム進行制御方法であって、
所与のグループに所属する第1のプレーヤが前記第1種ゲームをプレイすることにより、
前記第2種ゲームがプレイ可能となる権利、を取得するための条件を満たした場合に、当該権利を当該第1のプレーヤに付与する制御を行う権利付与制御ステップと、
前記権利が付与された前記第1のプレーヤによる寄託操作に基づいて前記権利を寄託先の前記グループと関連づけて登録する寄託権利登録ステップと、
前記登録されている前記権利を前記権利と関連づけられた前記グループ内に通知する制御を行う通知制御ステップと、
前記登録されている前記権利に基づいて、前記権利と関連づけられた前記グループの所属プレーヤによる前記第2種ゲームのプレイを許可する制御を行い、前記第2種ゲームのプレイと引き換えに、前記登録されている当該権利を消失させる制御を行うプレイ許可制御ステップと、
を含むゲーム進行制御方法。
【請求項16】
第1種ゲーム構成単位(以下「第1種ゲーム」と略称する)と、第2種ゲーム構成単位(以下「第2種ゲーム」と略称する)とを少なくとも含む複数のゲーム構成単位で構成されるゲームの進行を制御するためのゲーム進行制御方法であって、
所与のグループに所属する第1のプレーヤが前記第1種ゲームをプレイすることにより、
前記第2種ゲームがプレイ可能となる権利、を取得するための条件を満たした場合に、当該権利を当該第1のプレーヤに付与する制御を行う権利付与制御ステップと、
前記権利が付与された前記第1のプレーヤによる寄託操作に基づいて前記権利を寄託先の前記グループと関連づけて登録する寄託権利登録ステップと、
前記登録されている前記権利を前記権利と関連づけられた前記グループ内に通知する制御を行う通知制御ステップと、
前記登録されている前記権利に基づいて、前記権利と関連づけられた前記グループの所属プレーヤによる前記第2種ゲームのプレイを許可する制御を行うプレイ許可制御ステップと、
前記プレイ許可制御ステップでプレイが許可された前記第2種ゲームのプレイの結果、当該第2種ゲームのゲームクリア条件を満たした場合に、前記登録されている前記権利を消失させる制御を行うステップと、
を含むゲーム進行制御方法。
【請求項17】
第1種ゲーム構成単位(以下「第1種ゲーム」と略称する)と、第2種ゲーム構成単位(以下「第2種ゲーム」と略称する)とを少なくとも含む複数のゲーム構成単位で構成されるゲームの進行を制御するためのゲーム進行制御方法であって、
所与のグループに所属する第1のプレーヤが前記第1種ゲームをプレイすることにより、
前記第2種ゲームがプレイ可能となる権利、を取得するための条件を満たした場合に、当該権利を当該第1のプレーヤに付与する制御を行う権利付与制御ステップと、
前記権利が付与された前記第1のプレーヤによる寄託操作に基づいて前記権利を寄託先の前記グループと関連づけて登録する寄託権利登録ステップと、
前記登録されている前記権利を
前記権利と関連づけられた前記グループ内に通知する制御を行う通知制御ステップと、
前記権利に基づいて、
前記権利と関連づけられた前記グループの所属プレーヤによる前記第2種ゲームのプレイを許可する制御を行うプレイ許可制御ステップと、
を含み、
前記プレイ許可制御ステップは、前記権利付与制御ステップで前記権利が付与されたプレーヤに対しては当該権利に基づく前記第2種ゲームのプレイを禁止とし、当該権利が付与されたプレーヤ以外の
前記権利と関連づけられた前記グループの所属プレーヤに対してのみ当該権利に基づく前記第2種ゲームのプレイを許可するステップである、
ゲーム進行制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームの進行を制御するコンピュータシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、希少な装備等を特定のイベントのクリア報酬として獲得できるようにし、そのイベントをプレイするための権利(以下「プレイ権利」という)を抽選等によって付与するゲームが知られている。イベントは、例えば、特定の敵キャラクタと戦うゲーム要素であり、プレーヤは、前述のプレイ権利を行使して敵キャラクタとの戦闘に勝利すると、その報酬を入手することができる(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のゲームにおいてプレーヤに付与されたプレイ権利は、入手したプレーヤが自分で使用することを前提としている。そのため、例えば、入手したプレーヤにとってイベントの難易度が高すぎてクリアできない等の場合は、せっかくプレイ権利を手に入れても目的の報酬が入手できず、無駄になる場合があった。また、他の例として、そのプレーヤにとって興味の低い報酬しか獲得できないイベントのプレイ権利を入手できたとしても、そのプレーヤは当該イベントをプレイする可能性が低く、無駄になる場合があった。
【0005】
また、従来のゲームにおいては、プレイ権利を手に入れたとしても、結局のところ1人で楽しむことしかできないため、興趣性に欠けていた。
【0006】
本発明は、上記した課題に鑑みてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための第1の発明は、第1種ゲーム構成単位(以下「第1種ゲーム」と略称する)と、第2種ゲーム構成単位(以下「第2種ゲーム」と略称する)とを少なくとも含む複数のゲーム構成単位で構成されるゲームの進行を制御するためのコンピュータシステムであって、所与のグループに所属する第1のプレーヤが前記第1種ゲームをプレイすることにより、当該グループの所属プレーヤが前記第2種ゲームをプレイ可能となる権利、を取得するための条件を満たした場合に、当該権利を当該第1のプレーヤに付与する制御を行う権利付与制御手段(例えば、
図6のゲーム進行制御部235)と、前記権利を前記グループ内に通知する制御を行う通知制御手段(例えば、
図6の通知制御部233)と、前記権利に基づいて、前記グループの所属プレーヤによる前記第2種ゲームのプレイを許可する制御を行うプレイ許可制御手段(例えば、
図6のプレイ許可制御部237)と、を備えたコンピュータシステム(例えば、
図1のサーバシステム1100)である。
【0008】
第1の発明によれば、第1種ゲームをプレイしたプレーヤに、その所属するグループの所属プレーヤが第2種ゲームをプレイ可能となる権利(以下、「第2種ゲームのプレイ権利」ともいう)を付与することができる。そして、第1のプレーヤが取得した当該権利に基づいて、そのグループの所属プレーヤによる第2種ゲームのプレイを許可することができる。これによれば、第1のプレーヤが取得した第2種ゲームのプレイ権利によって、当該第1のプレーヤが所属するグループの所属プレーヤが第2種ゲームをプレイできるようになる。したがって、プレーヤが取得した第2種ゲームのプレイ権利を無駄にすることなく、他のプレーヤが当該権利を行使可能な仕組みを実現できる。また、取得したプレイ権利を、第1プレーヤの所属するグループ内に通知することができるため、グループ内のコミュニティを盛り上げる手段となり、興趣性が向上する。
【0009】
第2の発明は、前記権利付与制御手段は、前記権利を示すゲームオブジェクトを前記第1のプレーヤに前記第1種ゲームのプレイ中に獲得させる制御によって、前記権利を付与する制御を行う、第1の発明のコンピュータシステムである。
【0010】
第2の発明によれば、第1プレーヤは、第2種ゲームをプレイすることで、第2種ゲームのプレイ権利を取得することができる。
【0011】
第3の発明は、前記通知制御手段は、前記権利を付与された前記第1のプレーヤによる寄託操作に基づいて当該権利が前記グループに寄託された場合に、前記通知を行う、第1又は第2の発明のコンピュータシステムである。
【0012】
第3の発明によれば、第2種ゲームのプレイ権利を取得した第1のプレーヤが寄託操作を行うことで、その所属するグループに当該権利を寄託することができる。そして、第2種ゲームのプレイ権利が寄託されたときには、グループ内にその旨を通知することができる。
【0013】
第4の発明は、前記プレイ許可制御手段は、前記第2種ゲームのプレイと引き換えに、前記権利を消失させる、第1~第3の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0014】
また、第5の発明は、前記第2種ゲームのプレイの結果、当該第2種ゲームのゲームクリア条件を満たした場合に、前記権利を消失させる手段、を更に備えた第1~第3の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0015】
第4の発明によれば、第2種ゲームのプレイ権利を取得した第1のプレーヤや、当該権利に基づいてそのプレイが許可された所属プレーヤが当該権利を行使し、第2種ゲームをプレイした場合に、当該権利を消失させることができる。一方、第5の発明によれば、第1のプレーヤや所属プレーヤが第2種ゲームのプレイ権利を行使し、第2種ゲームのゲームクリア条件を満たした場合に、当該権利を消失させることができる。
【0016】
第6の発明は、前記グループとしての前記第2種ゲームに関する進捗度合又はやりこみ度合を示す第2種ゲームプレイ指標を管理する第2種ゲームプレイ指標管理手段(例えば、
図14の第2種ゲームプレイ指標管理部241)と、前記第2種ゲームのゲーム内容を前記第2種ゲームプレイ指標に基づいて変更制御するゲーム内容変更制御手段(例えば、
図14のゲーム内容変更制御部243)と、を更に備えた第1~第5の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0017】
第6の発明によれば、グループ単位での第2種ゲームに関する進捗度合又はやりこみ度合を第2種ゲームプレイ指標として管理し、第2種ゲームのゲーム内容を、そのグループの第2種ゲームプレイ指標に基づいて変更することができる。
【0018】
第7の発明は、前記第2種ゲームプレイ指標管理手段は、前記グループの所属プレーヤが前記第2種ゲームをプレイしたプレイ結果と、当該所属プレーヤが前記第2種ゲームを過去にプレイした回数と、に基づいて前記第2種ゲームプレイ指標の変更量を決定する、第6の発明のコンピュータシステムである。
【0019】
第7の発明によれば、グループの所属プレーヤが第2種ゲームをプレイした際のプレイ結果と、当該所属プレーヤによる第2種ゲームの過去のプレイ回数と、に応じた変更量を用いて第2種ゲームプレイ指標を随時更新することができる。
【0020】
第8の発明は、前記権利は、個別の権利であり、前記プレイ許可制御手段は、1以上の前記権利に基づいて前記第2種ゲームのプレイを許可し、前記プレイ許可制御手段による許可の根拠となった前記権利の数に基づいて、前記第2種ゲームのゲーム内容を変更制御するゲーム内容変更制御手段、を更に備えた第1~第5の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0021】
第8の発明によれば、行使する第2種ゲームのプレイ権利の数に応じて、第2種ゲームのゲーム内容を変更することができる。
【0022】
第9の発明は、前記グループ、又は、前記グループの所属プレーヤ毎に、前記第2種ゲームをクリアしたか否かの情報を管理するゲームクリア情報管理手段(例えば、
図14の第2種ゲームプレイ指標管理部241)と、前記第2種ゲームをクリアした所属プレーヤが前記第2種ゲームをもう一度プレイする場合に、前記第2種ゲームのゲーム内容を変更制御するゲーム内容変更制御手段、を更に備えた第1~第5の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0023】
第9の発明によれば、権利を行使するプレーヤがすでに第2種ゲームをクリアしている場合に、第2種ゲームのゲーム内容を変更することができる。
【0024】
第10の発明は、前記ゲーム内容変更制御手段は、前記第2種ゲームに係るゲームステージを定義するパラメータ値を変更することで、ゲーム内容を変更制御する、第6~第9の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0025】
第10の発明によれば、そのゲームステージを定義するパラメータ値を変えることで、第2種ゲームのゲーム内容を変更することができる。
【0026】
第11の発明は、前記ゲーム内容変更制御手段は、前記第2種ゲームにおいてプレイ可能なゲームステージを変更することで、ゲーム内容を変更制御する、第6~第10の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0027】
第11の発明によれば、そのゲームステージを変更することで、第2種ゲームのゲーム内容を変更することができる。
【0028】
第12の発明は、前記プレイ許可制御手段は、前記権利付与制御手段により前記権利が付与されたプレーヤに対しては当該権利に基づく前記第2種ゲームのプレイを禁止とし、当該権利が付与されたプレーヤ以外の他のプレーヤに対してのみ当該権利に基づく前記第2種ゲームのプレイを許可する、第1~第11の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0029】
第12の発明によれば、第1のプレーヤは取得した第2種ゲームのプレイ権利を行使できず、その所属するグループの他の所属プレーヤのみが当該権利を行使できるようになる。
【0030】
第13の発明は、前記他のプレーヤが前記第2種ゲームをプレイした結果に基づいて、前記第1のプレーヤ及び/又は前記他のプレーヤに報酬を付与する報酬付与制御手段(例えば、
図6の報酬付与制御部239)、を更に備えた第12の発明のコンピュータシステムである。
【0031】
第13の発明によれば、第1のプレーヤが第2種ゲームのプレイ権利を取得し、その所属するグループの所属プレーヤが当該権利を行使して第2種ゲームをプレイした場合に、その報酬を、実際にプレイした所属プレーヤと第1のプレーヤの両方に付与したり、或いは、その何れか一方に付与するといったことが可能となる。
【0032】
第14の発明は、前記第2種ゲームには、プレイするために、前記権利の他に、所定の特別アイテムが必要となる特別第2種ゲームが含まれ、前記プレイ許可制御手段は、前記特別第2種ゲームについては、前記グループの所属プレーヤが前記特別アイテムを所有している場合に、前記グループの所属プレーヤによる前記特別第2種ゲームのプレイを許可する制御を行う、第1~第13の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0033】
第14の発明によれば、所属プレーヤが第2種ゲームのプレイ権利を行使する際、所有する特別アイテムを併せて使用することで、特別第2種ゲームをプレイすることが可能となる。
【0034】
第15の発明は、前記コンピュータシステムは、前記プレーヤのプレーヤ端末(例えば、
図1のプレーヤ端末1500)と通信接続されるサーバシステム(例えば、
図1のサーバシステム1100)である、第1~第14の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0035】
第15の発明によれば、第1の発明と同様の効果を奏するサーバシステムを実現できる。
【0036】
第16の発明は、第15の発明のコンピュータシステムである前記サーバシステムと、前記プレーヤ端末と、を具備するゲームシステム(例えば、
図1のゲームシステム1000)である。
【0037】
第16の発明によれば、第1の発明と同様の効果を奏するゲームシステムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図6】第1実施形態におけるサーバシステムの機能構成例を示すブロック図。
【
図8】第1実施形態における地図アイテムデータのデータ構成例を示す図。
【
図9】サークル別共有地図データのデータ構成例を示す図。
【
図10】プレーヤ端末の機能構成例を示すブロック図。
【
図11】第1実施形態のサーバシステムにおける処理の流れを説明するためのフローチャート。
【
図14】第2実施形態におけるサーバシステムの機能構成例を示すブロック図。
【
図15】第2実施形態における地図アイテムデータのデータ構成例を示す図。
【
図16】第2実施形態におけるサークルデータのデータ構成例を示す図。
【
図17】第2種ゲーム管理データのデータ構成例を示す図。
【
図18】第2実施形態のサーバシステムにおける処理の流れを説明するためのフローチャート。
【
図19】変形例におけるプレーヤ端末の機能構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下説明する実施形態によって本発明が限定されるものではなく、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限定されるものでもない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付す。
【0040】
〔第1実施形態〕
先ず、第1実施形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるゲームシステム1000の全体構成例を示す図である。
図1に示すように、ゲームシステム1000は、コンピュータシステムであるサーバシステム1100と、本実施形態のゲームのプレーヤ2であるユーザが所持するプレーヤ端末1500とを含み、これらが通信回線9を介して相互にデータ通信可能に接続されて構成される。
【0041】
通信回線9は、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、通信回線9とは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLAN(Local Area Network)の他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線/無線を問わない。
【0042】
サーバシステム1100は、本体装置1101と、キーボード1106と、タッチパネル1108と、ストレージ1140とを備え、本体装置1101は制御基板1150を内蔵している。
【0043】
制御基板1150には、CPU(Central Processing Unit)1151やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等の各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM、ROM等の各種ICメモリ1152、通信装置1153等の電子部品が搭載される。なお、制御基板1150の一部又は全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(field-programmable gate array)、SoC(System on a Chip)により実現するとしてもよい。
【0044】
このサーバシステム1100は、CPU1151等が所定のプログラム及びデータに基づいて演算処理することにより、ユーザ登録等に係るユーザ管理機能と、プレーヤ端末1500でゲームをプレイするのに必要なデータを提供してプレーヤ端末1500でのゲームの実行制御を管理するゲーム管理機能と、を実現する。つまり、本実施形態におけるゲームは、一種のクライアント・サーバ型のオンラインゲームとして実現される。プレーヤ2は、自身のプレーヤ端末1500でサーバシステム1100にアクセスし、発給されたアカウント(プレーヤID)によりログインして、本実施形態のゲームを楽しむ。
【0045】
また、サーバシステム1100は、電子決済業者等が運営する外部の電子決済サーバと連携し、仮想通貨相当ポイント(以下単に「仮想通貨」という)の購入手続き(課金処理)を行う。課金処理に際し、電子決済サーバは、サーバシステム1100からの問合せに応答して仮想通貨の購入額をプレーヤ2のクレジットカードやプリペイドカード等で清算する処理を行う。そして、サーバシステム1100は、電子決済サーバにより清算された購入額相当をプレーヤ2に付与する。
【0046】
なお、サーバシステム1100は、
図1に示す単体の構成に限らず、各機能を分担する複数のブレードサーバを搭載して相互に内部バスを介してデータ通信可能に接続した構成であってもよい。或いは、離れた場所に設置された独立した複数のサーバを、通信回線9を介してデータ通信させることで、全体としてサーバシステム1100として機能させる構成であってもよい。
【0047】
プレーヤ端末1500は、マンマシンインターフェースの機能を担うコンピュータシステムであって、携帯電話基地局や無線通信基地局等を介して通信回線9に接続し、サーバシステム1100とデータ通信を行うことができる。このプレーヤ端末1500は、例えば、スマートフォン、携帯電話機、携帯型ゲーム装置、据置型家庭用ゲーム装置、据置型家庭用ゲーム装置のコントローラ、業務用ゲーム装置、パソコン、タブレット型コンピュータ、ウェアラブルコンピュータ等の形態を取り得る。
【0048】
図2は、プレーヤ端末1500の一例であるスマートフォンの装置構成例を示す図である。
図2に示すように、プレーヤ端末1500は、方向入力キー1502と、ホームキー1504と、画像表示デバイス兼接触位置入力デバイスとして機能するタッチパネル1506と、内蔵バッテリー1509と、スピーカ1510と、マイク1512と、制御基板1550と、コンピュータ読み出し可能な記憶媒体であるメモリカード1540に対してデータを読み書きできるメモリカード読取装置1542とを備える。その他、図示しない電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。
【0049】
制御基板1550には、CPU1551やGPU、DSP等の各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1552、通信回線9に接続する携帯電話基地局や無線LAN基地局等と無線通信するための無線通信モジュール1553、インターフェース回路1557等が搭載されている。また、制御基板1550には、方向入力キー1502やホームキー1504からの信号を受信する回路、タッチパネル1506のドライバ回路、スピーカ1510へ音声信号を出力する出力アンプ回路、マイク1512で集音された音声の信号を生成する音声信号生成回路、メモリカード読取装置1542への信号入出力回路といった、いわゆるI/F回路(インターフェース回路)1557等が搭載されている。これら制御基板1550に搭載されている各要素は、それぞれがバス回路等を介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。なお、制御基板1550の一部または全部をASICやFPGA、SoCにて構成してもよい。
【0050】
この制御基板1550においてICメモリ1552には、ゲームクライアントプログラムや、このゲームクライアントプログラムを実行するのに必要な各種設定データ等が格納される。ゲームクライアントプログラム等は、適宜のタイミングでサーバシステム1100からダウンロードされる。なお、別途入手したメモリカード1540等の記憶媒体から読み出す構成としてもよい。そして、CPU1551等がゲームクライアントプログラムを実行して演算処理を実行し、タッチパネル1506や方向入力キー1502、ホームキー1504に対する操作入力に応じてプレーヤ端末1500の各部を制御することで、プレーヤ2のゲームプレイを可能にする。
【0051】
[ゲームの概要]
本実施形態のゲームは、例えば、ゲームステージを順にクリアしていくステージクリア型の対戦ゲームである。プレーヤは、所有しているキャラクタをプレーヤキャラクタとして用い、ゲームステージ毎に登場(出現)する敵キャラクタとのバトルに挑む。最終的に、ボスキャラクタとのバトルに勝利するとステージクリアとなる。
【0052】
より詳細には、本実施形態のゲームは、前述のメインのゲームステージである第1種ゲーム構成単位(第1種ゲーム)と、地図アイテムの使用によって開放されるゲームステージである第2種ゲーム構成単位(第2種ゲーム)と、を含むゲーム構成単位で構成される。
【0053】
ゲームをプレイする過程で所定の取得条件を満たすと、プレーヤは、ゲームに利用可能な各種ゲームオブジェクトを入手することができる。例えば、ゲームステージ内の宝箱を開けることで所定のゲームオブジェクトを入手でき、出現した敵キャラクタを倒すことでそのドロップオブジェクトとして所定のゲームオブジェクトを入手でき、或いは、ゲームステージをクリアすることでそのクリア報酬として所定のゲームオブジェクトを入手できる。その他にも、ログインボーナス、各種イベントの報酬、ガチャと呼ばれる抽選等によって入手したり、所定額の仮想通貨と引き換えに入手(購入)することもできる。
【0054】
ゲームオブジェクトには、第2種ゲームをプレイするための地図アイテムの他、プレーヤキャラクタとして選択可能なキャラクタ、プレーヤキャラクタが装備し、又は使用することができる武器や防具等の装備、弾、薬等の各種アイテム、プレーヤキャラクタの乗り物、召喚獣、魔法やスキル等のプレーヤキャラクタに付加できる追加能力、抽選権等が含まれる。
【0055】
そして、地図アイテムを使用すると開放されるゲームステージには、クリア報酬や宝箱の中身、ドロップオブジェクト等(以下、包括して「第2種ゲーム報酬オブジェクト」という)として、例えば限定の装備やキャラクタ等が定められており、プレーヤは、当該ゲームステージをクリアすることでそれらを入手できる。勿論、第2種ゲーム報酬オブジェクトには、例えば別の地図アイテム等、装備やキャラクタ以外のゲームオブジェクトを含めてもよい。
【0056】
つまり、本実施形態のゲームでは、プレーヤは、メインのゲームステージをプレイして第1種ゲームを進めつつ、その過程で入手した地図アイテムを使用し、第2種ゲーム報酬オブジェクトを入手すべく第2種ゲーム(当該地図アイテムに係るゲームステージ)をプレイする。
【0057】
また、本実施形態のゲームでは、ゲーム世界に用意されたチャットルームにおいて、プレーヤ同士がメッセージを送受してチャットを行うことができる。チャットルームは、例えば、プレーヤのグループであるサークル(ギルド等とも呼ばれる)単位で用意される。サークルは、各プレーヤが自由に作成できる。また、プレーヤは、既存のサークルに対して所定の参加申請をすることで、その所属プレーヤとなって当該サークルのチャットルームに入室できるようになる。
【0058】
[原理]
さて、本実施形態のゲームでは、地図アイテムは、これを入手(取得)したプレーヤ(第1のプレーヤ;以下、「取得プレーヤ」という)が使用できるだけでなく、当該取得プレーヤが所属するサークルの所属プレーヤによっても適宜使用が可能とされる。そのために、取得プレーヤは、所有する地図アイテムを、所属するサークルの所属プレーヤが使用できるようにするための寄託操作を行う。
【0059】
図3は、寄託操作と、それによって寄託された地図アイテムの使用原理を説明する図である。先ず、寄託操作は、取得プレーヤ20aが所有する地図アイテムの中から寄託する地図アイテムM1を選び、寄託先のサークル(
図3の例では「××サークル」)を指定することで行う。この寄託操作を行うと、地図アイテムM1は、「××サークル」に係る共有地図(サークル別共有地図)として登録される。
【0060】
ここで、具体的な寄託操作について、
図4及び
図5に例示するゲーム画面を参照して説明する。例えば、地図共有操作は、
図4に示す所有地図アイテム画面W11から行うことができる。この所有地図アイテム画面W11は、取得プレーヤ20aが所有している地図アイテムを一覧表示する画面であり、地図共有ボタンB11を備えている。この所有地図アイテム画面W11においてサークル別共有地図として登録したい地図アイテムM1を選択し、地図共有ボタンB11をタッチ操作すると、
図5に示すサークル指定画面W13が表示される。
【0061】
サークル指定画面W13には、取得プレーヤ20aの所属しているサークルが一覧表示される。このサークル指定画面W13において寄託先サークル(
図5の例では「××サークル」)を指定し、実行ボタンB13をタッチ操作すると、寄託操作が完了する。これにより、所有地図アイテム画面W11で選んだ地図アイテムM1が、サークル指定画面W13で指定した「××サークル」に係るサークル別共有地図に登録される。そうすると、「××サークル」の所属プレーヤ20が地図アイテムM1を使用し、そのゲームステージをプレイできるようになる。
【0062】
すなわち、地図アイテムは、第2種ゲーム(当該地図アイテムに係るゲームステージ)をプレイする権利であり、プレーヤは、第1種ゲームをプレイすることで地図アイテムを取得することができる。また、それに加えて、地図アイテムは、取得プレーヤが寄託操作をすることによって、寄託先サークルの所属プレーヤによる当該第2種ゲームのプレイを可能にする権利である。したがって、取得プレーヤは、地図アイテムの使用指示操作を行って当該地図アイテムに係る権利を行使し、自分で第2種ゲームをプレイすることもできるし、そうせずに寄託操作を行うこともできる。そして、寄託操作を行った場合は、その寄託先サークルの所属プレーヤが当該地図アイテムに係る権利を行使し、第2種ゲームをプレイできるようになる。
【0063】
そして、このようにサークルに寄託された地図アイテムが所属プレーヤによって使用され、当該所属プレーヤが第2種ゲームとしてそのゲームステージをプレイした結果、ゲームクリア条件を満たしたとする。例えば、
図3に示すように、「××サークル」の所属プレーヤ20bが地図アイテムM1の使用指示操作を行い、そのゲームステージをクリアしたとする。その場合は、クリアした所属プレーヤ20bに第2種ゲーム報酬オブジェクトO1が付与されるとともに、地図アイテムM1を取得して「××サークル」に寄託した取得プレーヤ20aに対しても、第2種ゲーム報酬オブジェクトO1が付与される。
【0064】
これによれば、例えば、地図アイテムを取得したもののその難易度が高く、自分でプレイしてもクリアするのは困難と判断した場合に、所属するサークルの仲間に代わりにプレイしてもらうことでその第2種ゲーム報酬オブジェクトを入手することが可能となる。一方で、地図アイテムに係るゲームステージをクリアすると、その第2種ゲーム報酬オブジェクトとして希少な装備等を入手できる。したがって、その地図アイテムの取得機会を逸したプレーヤにとっては、取得プレーヤによる地図アイテムの寄託が未入手の希少な装備等の入手機会となる。また、同じサークルに所属するプレーヤ間で地図アイテムが共有されるため、サークルのコミュニティを盛り上げる作用が発揮され、興趣性が向上する。
【0065】
ここで、地図アイテムは、誰かが地図アイテムを使用してそのゲームステージをプレイしている間は、他のプレーヤにより使用できなくなる。また、当該プレイの結果ゲームステージがクリアされると、その地図アイテムは消滅する。クリアできずに終了した場合は、再度当該所属プレーヤや別の所属プレーヤによって使用可能な状態に戻る。なお、クリアしたか否かに関わらず、1度使用されると、そのプレイと引き換えに地図アイテムが消失する構成でもよい。
【0066】
なお、第2種ゲーム報酬オブジェクトは、地図アイテムを取得した取得プレーヤと、それを使用した所属プレーヤの両方に付与する構成に限らず、取得プレーヤのみに付与するとしてもよいし、所属プレーヤのみに付与するのでもよい。第2種ゲームオブジェクトとして、高付加価値のオブジェクトと、低付加価値のオブジェクトとを用意して、取得プレーヤおよび所属プレーヤの一方に高付加価値のオブジェクトを、他方に低付加価値のオブジェクトを付与することとしてもよい。
【0067】
また、取得プレーヤが地図アイテムを寄託すると、その取得プレーヤによる当該地図アイテムの使用をできなくしてもよい。例えば、サークル別共有地図に登録された地図アイテムについては、寄託先サークルの所属プレーヤであって、取得プレーヤ以外の所属プレーヤに対してのみそのゲームステージのプレイを許可し、取得プレーヤに対してはプレイ禁止とすることで実現できる。
【0068】
[機能構成]
1.サーバシステム
図6は、第1実施形態におけるサーバシステム1100の機能構成例を示すブロック図である。
図6に示すように、本実施形態のサーバシステム1100は、操作入力部100sと、サーバ処理部200sと、画像表示部390sと、音出力部392sと、通信部394sと、サーバ記憶部500sとを備える。
【0069】
操作入力部100sは、システム管理や保守等のための各種操作を入力するためのものであり、例えばキーボードやマウス、タッチパネル等で実現できる。
図1では、キーボード1106やタッチパネル1108がこれに該当する。
【0070】
サーバ処理部200sは、例えばCPUやGPU、ASIC、FPGA等の演算回路であるプロセッサや、ICメモリ等の電子部品によって実現でき、操作入力部100sやサーバ記憶部500sを含む装置各部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100sからの操作入力信号、プレーヤ端末1500から受信したデータ等に基づいて各種の演算処理を行い、サーバシステム1100の動作を統括制御する。
図1では、制御基板1150やそのCPU1151がこれに該当する。
【0071】
このサーバ処理部200sは、ユーザ管理部210と、課金処理部220と、ゲーム管理部230と、計時部280sと、画像生成部290sと、音生成部292sと、通信制御部294sとを備える。
【0072】
ユーザ管理部210は、ユーザ登録に係る処理及びアカウントに紐付けられる各登録ユーザ(プレーヤ)のデータの管理を行う。例えば、登録ユーザへの固有のアカウントの付与処理、アカウント別に個人情報を登録管理する登録情報管理処理、ログイン及びログアウトの履歴等を管理する利用履歴管理処理等を実行することができる。勿論、これら以外のユーザアカウントに紐付けられる他のデータの管理処理も適宜含めることができる。
【0073】
課金処理部220は、プレーヤによる仮想通貨の購入操作に応じて課金処理を行い、購入額相当の仮想通貨を当該プレーヤに付与する。
【0074】
ゲーム管理部230は、ゲームの実行管理に係る各種処理を行う。本実施形態のゲームは、クライアント・サーバ型のオンラインゲームなので、ゲーム管理部230は、プレーヤ端末1500と通信を行いながらゲームプレイに必要なデータを提供する制御を行う。このゲーム管理部230は、地図共有処理部231と、通知制御部233と、ゲーム進行制御部235と、プレイ許可制御部237と、報酬付与制御部239とを含む。
【0075】
地図共有処理部231は、プレーヤ端末1500での寄託操作に応じて、寄託された地図アイテムを、寄託先サークルのサークル別共有地図として登録する処理を行う。
【0076】
通知制御部233は、地図共有処理部231がサークル別共有地図の登録を行った際に、そのサークルの所属プレーヤに向けて新たに地図アイテムが寄託された旨の通知制御を行う。例えば、各所属プレーヤのプレーヤ端末1500を対象に、そのゲーム画面に寄託された旨のメッセージを表示制御する。
【0077】
ゲーム進行制御部235は、プレーヤ端末1500との通信を随時行って当該プレーヤ端末1500におけるゲームプレイの進行を制御し、プレイ結果の反映に関する処理を行う。本実施形態では、第1種ゲームの進行制御を行うとともに、プレーヤによる地図アイテムの使用時に、第2種ゲーム(当該地図アイテムに係るゲームステージ)の進行制御を行う。
【0078】
また、ゲーム進行制御部235は、ゲームの進行状況等に応じて、地図アイテムを含む各種ゲームオブジェクトをプレーヤに付与する制御を行う。本実施形態では、第1種ゲームのプレイ中に例えばクリア報酬や宝箱の中身、ドロップオブジェクト等としてプレーヤに獲得させる制御によって、当該プレーヤに地図アイテムを付与する。
【0079】
プレイ許可制御部237は、サークル別共有地図に登録された地図アイテムについてそのサークルの所属プレーヤの使用指示操作を受け付けて、当該所属プレーヤによる第2種ゲームのプレイを許可する制御を行う。
【0080】
報酬付与制御部239は、第2種ゲームのプレイ結果に基づいて、当該第2種ゲームをプレイしたプレーヤに第2種ゲーム報酬オブジェクトを付与する制御を行う。具体的には、使用した地図アイテムに係るゲームステージをクリアした場合は、そのクリアしたプレーヤ(取得プレーヤ又は所属プレーヤ)に第2種ゲーム報酬オブジェクトを付与する制御を行う。また、使用した地図アイテムがサークル別共有地図であり、そのサークルの所属プレーヤによるクリア時であれば、さらに、当該地図アイテムの取得プレーヤに第2種ゲーム報酬オブジェクトを付与する制御を行う。
【0081】
計時部280sは、システムクロックを利用して現在日時や制限時間等の計時を行う。
【0082】
画像生成部290sは、サーバシステム1100のシステム管理等に関する画像を生成し、画像表示部390sへ出力する。
【0083】
音生成部292sは、音声データの生成やデコードをするICやソフトウェアの実行により実現され、サーバシステム1100のシステム管理や動画配信に係る操作音、BGM等の音声データを生成し、或いはデコードする。システム管理に関する音声信号は、音出力部392sへ出力される。
【0084】
通信制御部294sは、通信部394sを介して外部装置(例えばプレーヤ端末1500)とのデータ通信のための通信接続及びデータ処理を行い、外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0085】
画像表示部390sは、画像生成部290sから入力される画像信号に基づいてシステム管理等のための各種画面を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。
図1では、タッチパネル1108がこれに該当する。
【0086】
音出力部392sは、音生成部292sから入力される音声信号を放音する。
図1では、本体装置1101やタッチパネル1108が備えるスピーカ(不図示)がこれに該当する。
【0087】
通信部394sは、通信回線9と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。
図1では、通信装置1153がこれに該当する。
【0088】
サーバ記憶部500sには、サーバシステム1100を動作させ、サーバシステム1100が備える種々の機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め格納され、或いは処理の都度一時的に格納される。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現できる。
図1では、ICメモリ1152やストレージ1140がこれに該当する。
【0089】
また、サーバ記憶部500sには、サーバプログラム501と、配信用ゲームクライアントプログラム503と、ユーザ管理データ510と、ゲーム初期設定データ520と、サークルデータ540と、サークル別共有地図データ580と、プレイデータ590と、現在日時800とが格納される。また、その他にも、タイマーやカウンタ、各種フラグ等、必要なデータが適宜格納される。
【0090】
サーバプログラム501は、サーバ処理部200sをユーザ管理部210、課金処理部220、及びゲーム管理部230として機能させるためのプログラムである。なお、画像生成部290sや音生成部292s、通信制御部294sとして機能させるプログラムも適宜これに含めることができる。
【0091】
配信用ゲームクライアントプログラム503は、プレーヤ端末1500にダウンロードされるゲームクライアントプログラム502(
図10を参照)の原本である。
【0092】
ユーザ管理データ510は、ユーザ登録を済ませたプレーヤ毎に用意され、当該プレーヤのゲームプレイに関する管理用の各種データを格納する。具体的には、1つのユーザ管理データ510は、
図7に示すように、該当するプレーヤのプレーヤID(アカウント)511と、決済媒体帳簿データ513と、所有オブジェクトデータ515とを含む。また、その他にも、プレイ日時やプレイ時間等のプレイ履歴、第1種ゲームの進行状況に係るセーブデータ等を含む。
【0093】
決済媒体帳簿データ513は、該当するプレーヤに紐付けられる電子決済媒体(本実施形態では仮想通貨相当ポイント)の収支の情報、例えば、仮想通貨の購入日時や購入数(課金額)の履歴、仮想通貨の消費日時や消費数の履歴等を格納する。
【0094】
所有オブジェクトデータ515は、プレーヤがゲームをプレイする過程で入手し、現時点で所有しているゲームオブジェクトのデータを格納する。例えば、当該プレーヤが所有するキャラクタのリストやその能力値の現在値、当該プレーヤが所有するアイテムのリストやその所有数等を格納する。また、所有オブジェクトデータ515は、地図アイテムに係る所有地図アイテムデータ517を含む。所有地図アイテムデータ517には、当該プレーヤが所有する地図アイテムの地図アイテムIDが、その地図種類IDと対応付けて設定される。地図アイテムIDは、地図アイテムに固有の識別情報であり、地図種類IDは、該当する地図アイテムの種類を示す。
【0095】
ゲーム初期設定データ520は、ゲームを実行するために必要な各種初期設定データを格納する。このゲーム初期設定データ520は、地図アイテムデータ530を含む。また、その他にも、第1種ゲームのゲームステージを設定するためのデータや、地図アイテム以外の各種ゲームオブジェクトの定義データ等を含む。
【0096】
地図アイテムデータ530は、地図アイテムの種類毎に用意される。具体的には、1つの地図アイテムデータ530は、
図8に示すように、地図種類ID531と、ゲームステージ設定データ533と、クリア報酬設定535とを含む。
【0097】
ゲームステージ設定データ533は、第2種ゲームである当該地図アイテムに係るゲームステージを設定するためのデータであり、そのゲーム空間設定、イベントの発生設定、キャラクタの出現設定、アイテムの付与設定といった当該ゲームステージを定義する各種パラメータ値の規定値を格納する。
【0098】
ゲーム空間設定には、そのゲームステージに配置される背景オブジェクトのモデルデータやテクスチャデータ、配置位置データ等が含まれる。イベントの発生設定には、そのゲームステージで発生するイベントの種類やその発生確率等が含まれる。キャラクタの出現設定には、出現する敵キャラクタの種類やその出現確率、ボスキャラクタの種類や能力値等が含まれる。アイテムの付与設定には、宝箱の中身として獲得可能なアイテムの種類、ドロップオブジェクトとして獲得可能なアイテムの種類やそのドロップ確率等が含まれる。
【0099】
クリア報酬設定535は、当該地図アイテムに係るゲームステージをクリアすると付与されるクリア報酬の設定を格納する。例えば、装備やキャラクタ等がクリア報酬とされる場合には、該当するゲームオブジェクトの種類を示すIDが設定される。
【0100】
サークルデータ540は、ゲームのプレーヤが作成したサークル毎に用意される。例えば、1つのサークルデータ540は、当該サークルのサークルID、サークル名、所属プレーヤのプレーヤIDやプレーヤ名等のリスト等を格納する。
【0101】
サークル別共有地図データ580は、サークル毎に用意され、サークル別共有地図を登録する。具体的には、1つのサークル別共有地図データ580は、
図9に示すように、サークルID581と、共有地図リスト583とを含む。共有地図リスト583は、当該サークル別共有地図の地図アイテムID及び地図種類IDと、その取得プレーヤのプレーヤIDである取得プレーヤIDとを対応付けたデータテーブルである。
【0102】
プレイデータ590は、ゲームをプレイしているプレーヤ毎(つまりサーバシステム1100に接続しているプレーヤ端末1500毎)に用意され、ゲームのプレイ状況を記述する。
【0103】
2.プレーヤ端末
図10は、プレーヤ端末1500の機能構成例を示すブロック図である。
図10に示すように、プレーヤ端末1500は、操作入力部100と、端末処理部200と、画像表示部390と、音出力部392と、通信部394と、端末記憶部500とを備える。
【0104】
操作入力部100は、ユーザが各種操作を入力するためのものであり、例えば、ボタンスイッチ、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、加速度センサ、角速度センサ、CCDモジュール等によって実現できる。
図2では、方向入力キー1502やホームキー1504、タッチパネル1506がこれに該当する。
【0105】
端末処理部200は、例えばCPUやGPU、ASIC、FPGA等の演算回路であるプロセッサや、ICメモリ等の電子部品によって実現でき、操作入力部100や端末記憶部500を含む装置各部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号、サーバシステム1100から受信したデータ等に基づいて各種の演算処理を行い、プレーヤ端末1500の動作を統括制御する。
図2では、制御基板1550やそのCPU1551がこれに該当する。そして、本実施形態における端末処理部200は、プレーヤ端末演算部270と、計時部280と、画像生成部290と、音生成部292と、通信制御部294とを備える。
【0106】
プレーヤ端末演算部270は、プレーヤ端末30をプレーヤのゲームプレイのための端末として機能させるための各種演算処理を実行する。例えば、プレーヤ端末演算部270は、操作信号送信制御部271と、ゲーム画面表示制御部273とを含む。
【0107】
操作信号送信制御部271は、操作入力部100に対する操作入力に応じて、各種データやリクエスト情報をサーバシステム1100へ送信するための処理を行う。
【0108】
ゲーム画面表示制御部273は、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて、ゲーム画面を表示するための制御を行う。例えば、本実施形態のオンラインゲームをウェブゲームとして実現するならば、ウェブブラウザをベースとしてHTMLとともにJava(登録商標)やCSS(Cascading Style Sheets)を利用して能動的に画面表示を制御するウェブ技術、Adobe(登録商標)Flash等のプラグインを用いて実現できる。勿論、その他の方法でもかまわない。また、本実施形態の構成では、ゲーム画面のベースとなるゲーム空間画像(例えば、3DCG等)はサーバシステム10にて生成されるが、ゲーム空間画像をプレーヤ端末1500で生成する構成も可能である。その場合、ゲーム画面表示制御部273は、3DCGを生成するための仮想3次元空間に配置されたオブジェクトの制御を行うこととなる。
【0109】
画像生成部290は、ゲーム画面表示制御部273と連係して、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚のゲーム画面を表示するための画像信号を生成し、生成した画像信号を画像表示部390に出力する。例えば、GPU、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)等のプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデック等のプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現できる。
【0110】
音生成部292は、例えば、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成IC等のプロセッサ、音声ファイルを再生するためのオーディオコーデック等によって実現され、ゲームの効果音やBGM、各種操作音の音声信号を生成して音出力部392に出力する。
【0111】
通信制御部294は、通信部394を介して外部装置(例えばサーバシステム1100)とのデータ通信のための通信接続及びデータ処理を行い、外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0112】
画像表示部390は、画像生成部290から入力される画像信号に基づいて、ゲーム画面等の各種画面を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。
図2では、タッチパネル1506がこれに該当する。
【0113】
音出力部392は、音生成部292から入力される音声信号に基づいてゲームに関する効果音やBGM等を放音する。
図2では、スピーカ1510がこれに該当する。
【0114】
通信部394は、通信回線9と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。
図2では、無線通信モジュール1553がこれに該当する。
【0115】
端末記憶部500には、プレーヤ端末1500を動作させ、プレーヤ端末1500が備える機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め格納され、或いは処理の都度一時的に格納される。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現できる。
図2では、ICメモリ1552や、メモリカード1540がこれに該当する。
【0116】
また、端末記憶部500には、ゲームクライアントプログラム502と、現在日時800とが格納される。ゲームクライアントプログラム502は、端末処理部200をプレーヤ端末演算部270として機能させるためのプログラムである。このゲームクライアントプログラム502は、オンラインゲームを実現する技術手法に応じた専用のクライアントプログラムであってもよいし、ウェブブラウザプログラム及びインタラクティブな画像表示を実現するプラグイン等により構成するとしてもよい。本実施形態では、サーバシステム1100から提供される配信用ゲームクライアントプログラム503(
図6を参照)のコピーとする。
【0117】
[処理の流れ]
図11は、第1実施形態のサーバシステム1100における処理の流れを説明するためのフローチャートであり、着目する1つの地図アイテムの寄託及び使用に係る処理フローを示している。
図11に示すように、サーバシステム1100では、プレーヤ端末1500での取得プレーヤによる地図アイテムの寄託操作を検出すると(ステップS101:YES)、地図共有処理部231が、当該地図アイテムをその寄託先サークルのサークル別共有地図として登録する(ステップS103)。ここでの処理により、取得プレーヤの所有地図アイテムデータ517からその地図アイテムIDに係るデータが削除される。そして、該当するサークルのサークル別共有地図データ580において、その地図アイテムIDに係るレコードを共有地図リスト583に追加する。
【0118】
続いて、通知制御部233が、寄託サークルに所属する各所属プレーヤのプレーヤ端末1500を対象に、ステップS103での登録を通知する制御を行う(ステップS105)。
【0119】
その後は、プレイ許可制御部237が、寄託先サークルの所属プレーヤによる当該地図アイテムの使用指示操作を受け付けて、そのゲームステージのプレイを許可する(ステップS107)。そして、何れかの所属プレーヤのプレーヤ端末1500での使用指示操作を検出したならば(ステップS109:YES)、ゲーム進行制御部235が、当該地図アイテムのゲームステージ設定データ533に従ってそのゲームステージを設定し、第2種ゲームの進行制御を行う(ステップS111)。そして、その結果第2種ゲームのゲームクリア条件を満たした場合には(ステップS113:YES)、ゲーム進行制御部235は、当該地図アイテムを消失させる(ステップS115)。ここでの処理により、共有地図リスト583からその地図アイテムIDに係る1レコード分が削除される。
【0120】
その後、報酬付与制御部239が、第2種ゲーム(当該地図アイテムに係るゲームステージ)をクリアした所属プレーヤに第2種ゲーム報酬オブジェクトを付与する制御を行うとともに(ステップS117)、当該地図アイテムの取得プレーヤに第2種ゲーム報酬オブジェクトを付与する制御を行う(ステップS119)。
【0121】
以上説明したように、本実施形態によれば、プレーヤは、第1種ゲームのプレイ中に取得した地図アイテムを、所属するサークルに寄託することができる。これによって、当該地図アイテムは、寄託したサークルの所属プレーヤによって使用可能となる。したがって、プレーヤが取得した地図アイテム(第2種ゲームをプレイする権利)を無駄にすることなく、当該権利を他のプレーヤが行使可能な仕組みを実現できる。また、当該権利を所属するサークルで共有できるので、サークル内の一体感を向上させたり、話題作りの切っ掛けとなるなど、コミュニティを盛り上げる作用効果を生む。
【0122】
また、所属プレーヤが当該地図アイテムを使用して第2種ゲームをプレイし、そのゲームステージをクリアした場合には、クリアした所属プレーヤに第2種ゲーム報酬オブジェクトを付与するとともに、当該地図アイテムの取得プレーヤにも第2種ゲーム報酬オブジェクトを付与することができる。これによれば、プレーヤは、取得した地図アイテムに係るゲームステージを自分でプレイしない場合もその報酬を入手することができる。また、当該地図アイテムを使用してそのゲームステージをクリアしたプレーヤもまた、その報酬を入手することができる。
【0123】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態について説明する。なお、以下では、第1実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付して重複する説明は省略し、主に第1実施形態との差異について説明することとする。
【0124】
[原理]
本実施形態では、プレーヤのグループであるサークル毎に、その所属プレーヤによる第2種ゲームの進行を制御する。そのために、本実施形態では、第2種ゲームに関するプレイ指標をサークル毎に管理する処理(プレイ指標管理処理)を行う。そして、所属プレーヤによる地図アイテムの使用指示操作を受け付けた際には、そのサークルのプレイ指標を用いて第2種ゲーム(当該地図アイテムに係るゲームステージ)の内容を変更制御する処理(ゲーム内容変更制御処理)を行う。また、前述のプレイ指標に基づいて、第2種ゲームに関するランキング処理を行う。以下、1つのサークルに着目して、各処理を順に説明する。
【0125】
1.プレイ指標管理処理
図12は、プレイ指標管理処理を説明する図であり、着目する「××サークル」における第2種ゲームの進行状況を示している。先ず、本実施形態では、第2種ゲームは、所定数の種類(
図12では15種類)の地図アイテムM2に係るゲームステージで構成される。なお、第2種ゲームを構成するゲームステージの数(地図アイテム種類の数)は固定である必要はなく、随時新種の地図アイテムM2に係るゲームステージが追加されていく構成とすることもできる。
【0126】
次に、本実施形態の地図アイテムM2は、これを取得した取得プレーヤが寄託操作をすることで使用可能になる。すなわち、本実施形態では、取得プレーヤが寄託操作を行って所有する地図アイテムを寄託先サークルに寄託すると、当該寄託先サークルに所属する全ての所属プレーヤを対象にそのゲームシステムが開放される。そして、開放後は、各所属プレーヤは、個別に何度でも当該ゲームステージをプレイすることができる。寄託操作自体は、第1実施形態と同様の要領で行われる。例えば、
図12において、「××サークル」の所属プレーヤが取得プレーヤとして寄託操作を行い、所有する地図アイテムM2-1を「××サークル」に寄託したとする。すると、当該取得プレーヤを含む「××サークル」の全ての所属プレーヤが、当該地図アイテムM2-1に係るゲームステージをプレイできるようになる。
【0127】
なお、寄託済みの地図アイテムM2をさらに寄託しても、そのゲームステージは既に開放されているため、当該操作によって直接的に新たなゲームステージが開放されることはない。ただし、後述するように、地図アイテムM2の寄託数はプレイ指標の1つとされ、第2種ゲームの変更制御に反映される。
【0128】
図12中実線で示すのが、「××サークル」の何れかの所属プレーヤによって寄託された地図アイテムM2である。地図アイテムM2-1や地図アイテムM2-2のように複数枚を重ねた表示態様のものは、同種の地図アイテムM2-1,M2-2がその枚数分寄託されたことを示している。一方、
図12中に破線で示すのが、未寄託の地図アイテムM2である。
【0129】
つまりは、本実施形態の第2種ゲームは、取得プレーヤが自身の所属するサークルに地図アイテムを寄託し、それによって開放されたゲームステージを、当該サークルの所属プレーヤがプレイすることで進行していく。
図12の場合であれば、「××サークル」の所属プレーヤは、各々が取得した地図アイテムを寄託操作することで実線の地図アイテムM2を増やし、さらに、それによって解放されたゲームステージを各々がプレイすることによって、協力して第2種ゲームを楽しむ。
【0130】
さて、プレイ指標管理処理では、
図12において下段中央の地図アイテムM2-1から吹き出しでその内容の詳細を示すように、(1)攻略回数、(2)攻略指標値、(3)寄託枚数、(4)攻略プレーヤリスト、(5)攻略履歴の5項目の値を、15種類の地図アイテム種類毎に随時算出・更新して管理する。また、プレイ指標管理処理では、
図12において下段右方の欄外に太線で囲って示すように、(6)寄託地図種数、(7)攻略地図種数、(8)総攻略指標値の3項目の値を、サークル毎に随時算出・更新して管理する。本実施形態では、主に、地図アイテム種類毎の(1)~(5)の各値をプレイ指標管理処理で用い、サークル毎の(6)~(8)の各値はランキング処理に用いる。
【0131】
攻略回数は、着目サークル(ここでは「××サークル」)においてその地図アイテムM2に係るゲームステージがクリアされた回数である。プレイ指標管理処理では、所属プレーヤが当該ゲームステージをクリアした際に、その攻略回数をカウントアップする。
【0132】
攻略指標値は、第2種ゲームに関するやりこみ度合を示す第2種ゲームプレイ指標に相当し、着目サークルの所属プレーヤがその地図アイテムM2に係るゲームステージをどの程度やりこんだのかを示す。例えば、プレイ指標管理処理では、所属プレーヤが当該ゲームステージをクリアした際に、所定の点数を攻略指標値に加算して更新する。具体的には、その所属プレーヤがそれまでに当該ゲームステージをクリアしたことがない場合は+10、過去に当該ゲームステージをクリアした実績があれば+2といったように、予め変更量として設定された点数を加算する。
【0133】
なお、クリアされなかった場合も加点するとか、或いは減点する等としてもよく、加点又は減点する点数(変更量)と、加減点を行う条件との組み合わせを適宜設定しておくこともできる。例えば、クリアされない場合でも、その所属プレーヤが当該ゲームステージを初めてプレイした場合は加点するといったことが可能である。
【0134】
また、(5)の攻略履歴を参照し、その所属プレーヤによる当該ゲームステージのプレイ回数やクリア回数を計数して用いて、変更量を決定(調整)するようにしてもよい。例えば、プレイ回数やクリア回数が少ないときに変更量を大きく調整することができる。逆に、小さく調整するとしてもよい。さらに、当該所属プレーヤによる他の地図アイテムに係るゲームステージのプレイ回数やクリア回数についても計数し、変更量の調整に用いるとしてもよい。例えば、プレイしている地図アイテム種類の数が多いとか、クリアしている地図アイテム種類の数が多い場合に、変更量を大きく調整する。これによれば、当該所属プレーヤの第2種ゲーム全体に対するやりこみ度合を、攻略指標値に反映させることが可能となる。
【0135】
寄託枚数は、その地図アイテムM2の寄託枚数である。プレイ指標管理処理では、取得プレーヤが寄託操作を行った際に、その寄託先サークルに対する当該地図アイテムM2の寄託枚数をカウントアップする。
【0136】
攻略プレーヤリストは、着目サークルにおいてその地図アイテムM2に係るゲームステージをクリアしたことのある所属プレーヤのリストである。プレイ指標管理処理では、所属プレーヤが当該ゲームステージをクリアした際に、その攻略プレーヤリストに設定がなければ、当該所属プレーヤを追加する。
【0137】
攻略履歴は、着目サークルにおけるその地図アイテムM2の使用履歴である。プレイ指標管理処理では、所属プレーヤが地図アイテムM2の使用指示操作をしてそのゲームステージをプレイした場合に、プレイした所属プレーヤのプレーヤID、プレイ日時、プレイ結果(クリアしたか否か)等を対応付けて当該攻略履歴に追加する。
【0138】
寄託地図種数は、着目サークルに寄託された地図アイテム種類の数である。プレイ指標管理処理では、取得プレーヤが寄託操作を行った場合に、寄託された地図アイテムM2が「××サークル」において初めて寄託された種類のものであれば、その寄託地図種数をカウントアップする。
【0139】
攻略地図種数は、着目サークルにおいてそのゲームステージがクリア済みである地図アイテム種類の数である。プレイ指標管理処理では、所属プレーヤが地図アイテムM2の使用指示操作をしてそのゲームステージをクリアした場合に、着目サークルで当該ゲームステージが初めてクリアされた場合には、その攻略地図種数をカウントアップする。
【0140】
総攻略指標値は、着目サークルにおける攻略指標値の合計値である。プレイ指標管理処理では、前述の攻略指標値の更新時等において、総攻略指標値を併せて更新する。
【0141】
2.ゲーム内容変更制御処理
所属プレーヤは、自身が所属するサークルに寄託された地図アイテムを配置して第2種ゲームの進行状況を表示するゲーム画面にて地図アイテムを選び、使用指示操作を行うことで、そのゲームステージをプレイできる。そして、ゲーム内容変更制御処理では、この使用指示操作を受け付けた際に、上記プレイ指標管理処理で管理されるプレイ指標を用いてそのゲームステージを定義するパラメータ値を適宜変更し、その上で当該ゲームステージを設定する。
【0142】
そのために、ゲーム内容変更制御処理では先ず、次式(1)に従って、プレイ指標をプレイ地図ポイントPに換算する。本実施形態では、式(1)の係数K1,K2,K3は何れも「1」以上の値とされ、プレイ地図ポイントPは、攻略指標値以上の値として算出される。
プレイ地図ポイントP=攻略指標値×K1×K2×K3 ・・・(1)
【0143】
係数K1は、使用指示操作された地図アイテムの攻略回数に基づいて設定される。例えば、係数K1は、攻略回数が0回の場合を「1」として、当該回数が多いほど値が「1」より大きくなるように調整される。
【0144】
係数K2は、使用指示操作された地図アイテムの寄託枚数に基づいて設定される。例えば、係数K2は、寄託枚数が1枚の場合を「1」として、当該枚数が多いほど値が「1」より大きくなるように調整される。
【0145】
係数K3は、使用指示操作された地図アイテムの攻略プレーヤリストと攻略履歴に基づいて設定される。例えば、係数K3は、当該使用指示操作を行った所属プレーヤが攻略プレーヤリストに設定されておらず、過去に当該地図アイテムに係るゲームステージをクリアしたことのないプレーヤの場合に、「1」とされる。一方、当該所属プレーヤが攻略プレーヤリストに設定されている場合には、攻略履歴が参照され、そのクリア回数が計数される。そして、係数K3は、クリア回数が多いほど値が「1」より大きくなるように調整される。
【0146】
なお、例示した係数K1,K2,K3以外にも、その他のプレイ指標である寄託地図種数や攻略地図種数、総攻略指標値に基づく係数を更に設定して用い、プレイ地図ポイントPを算出する構成としてもよい。或いは、それらプレイ指標の各項目に係る係数から1つ以上を取捨選択して用いるとしてもよいし、攻略指標値をそのままプレイ地図ポイントPとして、後段の処理に用いるのでもよい。また、プレイ地図ポイントPの算出式は式(1)以外でもよく、上述した各係数Kを変数とする関数で定義することとしてもよい。
【0147】
プレイ地図ポイントPを算出したならば、当該プレイ地図ポイントPに応じて第2種ゲームのゲーム内容を変更する制御を行う。本実施形態では、プレイ地図ポイントPに応じて第2種ゲームのゲーム内容を変更するための変更設定が、予め地図アイテム種類毎になされている。
図13は、ある地図アイテム種類について定められた変更設定例を示す図である。本実施形態では、ゲーム内容の変更は、イベントの発生設定やキャラクタの出現設定、アイテムの付与設定といったゲームステージを定義する各種パラメータ値を変更することで行う。そして、
図13に例示するように、プレイ地図ポイントPの値幅と対応付けて、変更するパラメータ値が予め設定されている。
【0148】
例えば、
図13の例では、プレイ地図ポイントPの値が小さいとき(最上段の値幅の場合)には、パラメータ値を変更しない設定とされており、規定値に従ってゲームステージを設定することとなる。これに対し、2段目以降の各値幅については、当該ゲームステージを定義するパラメータ値の一部又は全部を規定値とは変える設定がされている。
【0149】
この変更設定によれば、プレイ地図ポイントPが大きいほど例えば特別なイベントを発生し易くするとか、特別なアイテムを獲得し易くする、或いは、強い敵キャラクタを出現させて当該ゲームステージの難易度を上げるかわりに希少なアイテムを必ず付与するといった制御が実現できる。総じて、プレイ地図ポイントPが大きいほどやりごたえのある設定となる。
【0150】
なお、ゲームステージを定義するパラメータ値の変更以外にも、ゲームステージを別のゲームステージに変更することで、第2種ゲームのゲーム内容を変更するとしてもよい。その場合は、対応する変更設定として、差し替えるゲームステージ設定データを用意しておくことで実現できる。
【0151】
上記したように、攻略指標値は、第2種ゲームに関するやりこみ度合を示す。より詳細には、攻略指標値は、該当するサークルの所属プレーヤがその地図アイテムに係るゲームステージをどれだけやりこんだのかを示しており、そのサークルにおいて当該ゲームステージをプレイし、クリアしている所属プレーヤが多いほど値は大きくなる。さらに、本実施形態では、この攻略指標値を含むプレイ指標からプレイ地図ポイントPを算出して用い、第2種ゲームのゲーム内容を変更する。したがって、同じ地図アイテムを使用する場合でも、そのときのプレイ指標に応じて発生するイベントや出現する敵キャラクタ、獲得可能なアイテム等が変化し得る。したがって、所属プレーヤは、飽きずに互いに協力して、地図アイテムを使った第2種ゲームを楽しむことができる。
【0152】
3.ランキング処理
本実施形態では、サークル毎のプレイ指標である寄託地図種数、攻略地図種数、又は総攻略指標値を用いて各サークルをランク付けし、ランキングをプレーヤ端末1500に通知する制御を行う。例えば、総攻略指標値の大きい順にランク付けするのでもよいし、総攻略指標値に寄託地図種や攻略地図種数を反映させたランキング指標値を算出し、その大きい順にランク付けするのでもよい。そして、所定のランキング画面において、当該ランキングを表示する制御を行う。このランキング処理によれば、所属プレーヤがまんべんなく第2種ゲームをプレイしているサークルの順位が高くなる。
【0153】
[機能構成]
図14は、第2実施形態におけるサーバシステム1100の機能構成例を示すブロック図である。本実施形態では、サーバ処理部200sにおいて、ゲーム管理部230Aは、地図共有処理部231Aと、通知制御部233と、ゲーム進行制御部235と、プレイ許可制御部237と、第2種ゲームプレイ指標管理部241と、ゲーム内容変更制御部243と、ランキング処理部245とを含む。
【0154】
地図共有処理部231Aは、プレーヤ端末1500での寄託操作に応じて、寄託された地図アイテムを、寄託先サークルのサークル別共有地図として登録する処理を行う。本実施形態では、寄託操作に係る地図アイテムが当該サークルにおいて初めて寄託された地図アイテムである場合にその開放フラグをONにし、開放設定データ511を更新することで、サークル別共有地図の登録を行う。
【0155】
第2種ゲームプレイ指標管理部241は、取得プレーヤが寄託操作をした際や、所属プレーヤが地図アイテムに係るゲームステージをプレイした際に、上記した(1)~(8)の各項目の値を算出・更新し、そのサークルにおける第2種ゲームのプレイ指標として管理する(プレイ指標管理処理)。
【0156】
ゲーム内容変更制御部243は、所属プレーヤが地図アイテムの使用指示操作をした際に、そのサークルにおける第2種ゲームのプレイ指標から式(1)によりプレイ地図ポイントPを算出し、算出したプレイ地図ポイントPに応じて第2種ゲームのゲーム内容を変更制御する(ゲーム内容変更制御処理)。本実施形態では、当該地図アイテムに係るゲームステージを定義するパラメータ値を変更することで、当該変更制御を行う。
【0157】
ランキング処理部245は、プレイ指標のうちの寄託地図種数や攻略地図種数、総攻略指標値を用いてランキング処理を行い、各サークルを順位付けする。
【0158】
また、サーバ記憶部500sには、サーバプログラム501と、配信用ゲームクライアントプログラム503と、ユーザ管理データ510と、ゲーム初期設定データ520と、サークルデータ540Aと、プレイデータ590と、現在日時800とが格納される。また、その他にも、タイマーやカウンタ、各種フラグ等、必要なデータが適宜格納される。
【0159】
そして、ゲーム初期設定データ520において、1つの地図アイテムデータ530Aは、
図15に示すように、地図種類ID531と、ゲームステージ設定データ533と、パラメータ値変更設定537と、クリア報酬設定535とを含む。
【0160】
パラメータ値変更設定537は、プレイ地図ポイントPに応じたパラメータ値の変更設定(
図13を参照)を格納する。
【0161】
また、1つのサークルデータ540Aは、
図16に示すように、サークルID541と、サークル名543と、所属プレーヤリスト545と、第2種ゲーム管理データ550とを含む。
【0162】
第2種ゲーム管理データ550は、第2種ゲームの進行状況を管理するためのデータである。具体的には、第2種ゲーム管理データ550は、
図17に示すように、開放設定データ511と、地図別プレイ指標データ560と、サークル別プレイ指標データ570とを含む。
【0163】
開放設定データ511は、第2種ゲームを構成するゲームステージの地図アイテム種類毎に、そのゲームステージが開放されているか否かのフラグ情報を格納する。フラグ情報は、例えば初期値がOFFとされ、そのサークルにおいて該当する種類の地図アイテムが最初に寄託されたときに、ONに変更される。
【0164】
地図別プレイ指標データ560は、地図アイテム種類毎に用意され、第2種ゲームプレイ指標管理部241が地図アイテム種類毎に管理する攻略回数561、攻略指標値563、寄託枚数565、攻略プレーヤリスト567、及び攻略履歴569の各値を格納する。一方、サークル別プレイ指標データ570は、第2種ゲームプレイ指標管理部241がサークル毎に管理する寄託地図種数571、攻略地図種数573、及び総攻略指標値575の各値を格納する。
【0165】
[処理の流れ]
図18は、第2実施形態のサーバシステム1100における処理の流れを説明するフローチャートであり、着目する1つのサークルについての第2種ゲームの進行に係る処理フローを示している。
【0166】
図18に示すように、サーバシステム1100では先ず、第2種ゲームプレイ指標管理部241が、当該第2種ゲームに関するプレイ指標を随時算出・更新して管理するプレイ指標管理処理を開始する(ステップS201)。
【0167】
続いて、プレーヤ端末1500での取得プレーヤによる地図アイテムの寄託操作を検出したならば(ステップS203:YES)、地図共有処理部231Aが、当該地図アイテムをその寄託先サークルのサークル別共有地図として登録する(ステップS205)。そして、通知制御部233が、寄託サークルに所属する各所属プレーヤのプレーヤ端末1500を対象に、ステップS205での登録を通知する制御を行う(ステップS207)。その後は、プレイ許可制御部237が、寄託先サークルの所属プレーヤによる当該地図アイテムの使用指示操作を受け付けて、そのゲームステージのプレイを許可する(ステップS209)。
【0168】
また、何れかの所属プレーヤによるプレーヤ端末1500での使用指示操作を検出した場合には(ステップS211:YES)、ゲーム内容変更制御部243が、着目サークルの地図別プレイ指標データ560を参照し、その使用指示操作に係る地図アイテムの攻略回数561や攻略指標値563、寄託枚数565、攻略プレーヤリスト567、攻略履歴569を用いて式(1)によりプレイ地図ポイントPを算出する(ステップS213)。
【0169】
そして、ゲーム内容変更制御部243は、プレイ地図ポイントPに応じた変更設定を当該地図アイテムのパラメータ値変更設定537から読み出し、当該地図アイテムのゲームステージ設定データ533において当該読み出した変更設定に係るパラメータ値を変更する(ステップS215)。その上で、ゲーム進行制御部235が、ゲームステージ設定データ533に従ってそのゲームステージを設定し、第2種ゲームの進行制御を行う(ステップS217)。そして、第2種ゲームのゲームクリア条件を満たした場合には(ステップS219:YES)、第2種ゲーム(当該地図アイテムに係るゲームステージ)をクリアした所属プレーヤに、第2種ゲーム報酬オブジェクトを付与する制御を行う(ステップS221)。
【0170】
その後、第2種ゲームを終了する場合は(ステップS223:YES)、本処理を終える。
【0171】
以上説明したように、第2実施形態によれば、複数種類の地図アイテムに係るゲームステージで構成された第2種ゲームのプレイ指標として、地図アイテム毎に攻略指標値等のプレイ指標を随時算出・更新して管理することができる。そして、当該プレイ指標に基づき第2種ゲームのゲーム内容を変更することができ、地図アイテムの使用に関するゲームの興趣性を高めることが可能となる。
【0172】
なお、本発明を適用可能な形態は上記した実施形態に限定されるものではなく、適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0173】
[変形例1]
例えば、上記実施形態では、ゲーム管理の処理主体をサーバシステム1100として説明したが、プレーヤ端末を処理主体とする構成としてもよいし、当該ゲーム管理に関する処理をサーバシステムとプレーヤ端末とで分散して実行する構成とすることもできる。例えば、第1実施形態の構成についてプレーヤ端末を処理主体とする場合、プレーヤ端末1500Bの機能構成例は
図19のようになる。この場合、プレーヤ端末1500Bがコンピュータシステムとなる。
図19では、上記実施形態と同様の構成には同一の符号を付して示している。
【0174】
図19に示すように、本変形例のプレーヤ端末1500Bは、端末処理部200がゲーム管理部230を有し、ゲーム画面表示制御部273が省略される。すなわち、本変形例のプレーヤ端末1500Bは、サーバシステム1100からゲーム画面の画像を表示するためのデータを取得するのではなく、自身のゲーム管理部230がゲーム管理に関する処理を実行してゲームの進行を制御し、ゲーム画面の画像を生成する。このプレーヤ端末1500Bの記憶部500には、端末処理部200をプレーヤ端末演算部270及びゲーム管理部230として機能させるためのゲームプログラム504が格納され、当該プレーヤ端末1500Bのプレーヤに係るユーザ管理データ510及びプレイデータ590と、ゲーム初期設定データ520と、サークルデータ540と、サークル別共有地図データ580とが格納される。本変形例のプレーヤ端末1500Bの処理の流れは
図11に示したフローチャートと基本的には同じで、プレーヤ端末1500Bのゲーム管理部230により各ステップを実行するものと読み替えればよい。
【0175】
また、第2実施形態の構成についてプレーヤ端末を処理主体とする場合には、
図19においてゲーム管理部230の構成を
図14のゲーム管理部230Aに置き換え、ユーザ管理データ510やプレイデータ590、ゲーム初期設定データ520、サークルデータ540Aを記憶部500に格納することで実現できる。その場合のプレーヤ端末1500Bの処理の流れは
図18に示したフローチャートと基本的には同じで、当該プレーヤ端末のゲーム管理部により各ステップを実行するものと読み替えればよい。
【0176】
[変形例2]
また、上記実施形態では、第2種ゲームに関するやりこみ度合を示す第2種ゲームプレイ指標として、攻略指標値を例示した。そして、この攻略指標値を用いて求めたプレイ地図ポイントPに基づいて、第2種ゲームのゲーム内容を変更することとした。これに対し、総攻略指標値からプレイ地図ポイントPを求め、これに基づいてゲーム内容を変更するとしてもよい。総攻略指標値をそのままプレイ地図ポイントPとしてもよいし、式(1)と同様の要領で寄託地図種数に基づく係数や攻略地図種数に基づく係数を総攻略指標値に乗じて、プレイ地図ポイントPを算出するようにしてもよい。これによれば、第2種ゲームに関する進捗度合に基づいて、第2種ゲームのゲーム内容を変更することができる。したがって、そのサークルの所属プレーヤの各々が積極的に地図アイテムを寄託してそのゲームステージをプレイしており、サークル全体として第2種ゲームに参加している場合に、例えば特別なイベントを発生し易くしたり、特別なアイテムを獲得し易くする等の制御が実現できる。
【0177】
[その他の変形例]
地図アイテムに係るゲームステージとして、当該ゲームステージをプレイするには地図アイテムに加えて所定の特別アイテムを必要とするゲームステージ(特別第2種ゲーム)を含めてもよい。その場合は、特別アイテムを所有していない所属プレーヤによる使用指示操作は受け付けずに、特別アイテムを所有している所属プレーヤの使用指示操作のみを受け付けてそのゲームステージのプレイを許可する。例えば、地図アイテムの地図情報が暗号化或いは密閉されていることとし、解読或いは開封するためのコードアイテムやキーアイテムを特別アイテムとすることとする。また、上述した実施形態では地図アイテムとしたが、地図である必要はなく、ゲームステージをプレイ可能とするための何らかのアイテムであればよい。
【0178】
また、第1種ゲームや第2種ゲームのジャンルや内容は、特に限定されない。
【符号の説明】
【0179】
1000…ゲームシステム
1100…サーバシステム
100s…操作入力部
200s…サーバ処理部
210…ユーザ管理部
220…課金処理部
230,230A…ゲーム管理部
231,231A…地図共有処理部
233…通知制御部
235…ゲーム進行制御部
237…プレイ許可制御部
239…報酬付与制御部
241…第2種ゲームプレイ指標管理部
243…ゲーム内容変更制御部
290s…画像生成部
292s…音生成部
294s…通信制御部
390s…画像表示部
392s…音出力部
394s…通信部
500s…サーバ記憶部
501…サーバプログラム
503…配信用ゲームクライアントプログラム
510…ユーザ管理データ
515…所有オブジェクトデータ
517…所有地図アイテムデータ
520…ゲーム初期設定データ
530,530A…地図アイテムデータ
533…ゲームステージ設定データ
537…パラメータ値変更設定
540,540A…サークルデータ
550…第2種ゲーム管理データ
511…開放設定データ
560…地図別プレイ指標データ
570…サークル別プレイ指標データ
580…サークル別共有地図データ
583…共有地図リスト
580…プレイデータ
1500,1500B…プレーヤ端末
100…操作入力部
200…端末処理部
270…プレーヤ端末演算部
271…操作信号送信制御部
273…ゲーム画面表示制御部
290…画像生成部
292…音生成部
294…通信制御部
390…画像表示部
392…音出力部
394…通信部
500…端末記憶部
502…ゲームクライアントプログラム
504…ゲームプログラム
9…通信回線
2,20…プレーヤ(取得プレーヤ/所属プレーヤ)