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特許7297108液体シリコンを製造するための装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-15
(45)【発行日】2023-06-23
(54)【発明の名称】液体シリコンを製造するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 33/029 20060101AFI20230616BHJP
【FI】
C01B33/029
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021575318
(86)(22)【出願日】2020-07-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-06
(86)【国際出願番号】 EP2020068743
(87)【国際公開番号】W WO2021001513
(87)【国際公開日】2021-01-07
【審査請求日】2022-01-14
(31)【優先権主張番号】102019209898.3
(32)【優先日】2019-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510261201
【氏名又は名称】シュミット シリコン テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100103816
【弁理士】
【氏名又は名称】風早 信昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120927
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 典子
(72)【発明者】
【氏名】シュミット, クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ぺトリック, ゲオルギー
(72)【発明者】
【氏名】ハーン, ヨヘム
(72)【発明者】
【氏名】フェイナーグレ, ペーター
【審査官】小野 久子
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-520760(JP,A)
【文献】特表2011-521874(JP,A)
【文献】特表2008-531461(JP,A)
【文献】特表2012-509834(JP,A)
【文献】特表2013-521219(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 33/00-33/193
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体シリコンを形成するための装置であって
(a)装置が、ガスが少なくとも部分的にプラズマとして存在する高温状態にガスをもたらすことができる手段を含み、
(b)装置が、反応空間(100)、及び反応空間(100)中に開口する高温ガスのための供給管(101)を含み、
(c)装置が、ノズル通路(103)を有するノズル(102)を含み、ノズル通路(103)が、反応空間(100)中に直接開口し、ノズル通路(103)を通ってガス状又は粒状シリコン含有開始材料を反応空間(100)中に供給することができ、
(d)装置が、高温ガスから生じる熱応力に対してノズル通路(103)の出口開口(103a)を保護するように不活性ガスを反応空間(100)中に導入することができる手段(104)を含む装置において、
(a)ノズル(102)が、第一ノズル通路(103)としてシリコン含有開始材料を供給するためのノズル通路(103)を有する多流体ノズルであり、かつ
(b)多流体ノズル(102)が、不活性ガスを導入するための手段として反応空間(100)中に直接開口する第二ノズル通路(104)を含み、かつ
(c)第二ノズル通路(104)が、第一ノズル通路(103)の出口開口(103a)を包囲する出口開口(104a)中に開口するか、
又は
(a)装置が、第一ノズルとしてシリコン含有開始材料を供給するためのノズルを含み、かつ
(b)装置が、不活性ガスを導入するための手段として、反応空間(100)中に直接開口する少なくとも一つの第二ノズルを含み、かつ
(c)少なくとも一つの第二ノズルが、それが反応空間(100)において不活性ガス流を生成し、不活性ガス流が第一ノズルのノズル通路の出口開口を包囲するように構成及び/又は配置される、装置
【請求項2】
以下の追加の特徴を有する、請求項1に記載の装置:
(a)反応空間(100)が、少なくとも一つの区域において又はその全体において円筒形であり、
(b)高温ガスのための供給管(101)が、この区域において反応空間(100)中に接線方向に開口する。
【請求項3】
以下の追加の特徴を有する、請求項1又は2に記載の装置:
(a)反応空間(100)が、少なくとも一つの区域(100a)において又はその全体において円筒形であり、
(b)円筒形区域(100a)が、周囲側壁(105)によって半径方向に、その一つの側で円形又は楕円形の閉鎖要素(106)によって軸方向に画定され、
(c)シリコン含有開始材料を供給するためのノズル(102)のノズル通路(103)が、閉鎖要素(106)を通って導かれ、軸方向に、又は軸方向の配向から45°以下の偏りで反応空間(100)中に開口する。
【請求項4】
以下の追加の特徴の少なくとも一つを有する、請求項に記載の装置:
(a)シリコン含有開始材料を供給するためのノズル(102)のノズル通路(103)が、周囲側壁(105)からある距離だけ離れて反応空間(100)中に開口し、
(b)周囲側壁(105)からのノズル通路(103)の出口開口(103a)の距離が、円筒形区域(100a)における反応空間(100)の最小直径の少なくとも20%である。
【請求項5】
以下の追加の特徴を有する、請求項のいずれかに記載の装置:
(a)反応空間(100)が、直径が重力の方向に小さくなる円錐形区域(100b)を含み、
(b)反応空間(100)が、円筒形区域(100a)、及び円筒形区域(100a)に直接隣接する円錐形区域(100b)を含む。
【請求項6】
以下の追加の特徴を有する、請求項1~のいずれかに記載の装置:
(a)反応空間(100)が、ガス状シリコンが反応空間(100)から放出されることができる出口(107)を含み、
(b)出口(107)が、少なくとも二つの凝縮チャンバー(108,109,110)中に直接又は間接的に開口し、凝縮チャンバーが、互いに平行に配置され、重力の方向に円錐状に先細である。
【請求項7】
出口(107)が、二つから四つの凝縮チャンバー(108,109,110)中に直接又は間接的に開口し、凝縮チャンバーが、互いに平行に配置され、重力の方向に円錐状に先細である、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
以下の追加の特徴を有する、請求項1~のいずれかに記載の装置:
(a)ノズル通路(103)を含むノズル(102)が、反応空間(100)の壁(105;106)を通って反応空間中に導かれ、
(b)ノズル(102)が、ノズル通路(103)の出口開口(103a)が壁(105;106)からある距離だけ離れて反応空間(100)中に開口するように反応空間(100)中に突出し、壁(105;106)を通ってノズル(102)が、反応空間(100)中に導かれ、
(c)手段(104)が、絶縁要素(114)によって壁(105;106)から熱的に絶縁されている。
【請求項9】
体シリコンを形成するための方法であって、
(a)ガスが少なくとも部分的にプラズマとして存在する高温状態にガスをもたらすこと、
(b)反応空間(100)中に高温ガスを導入すること、
(c)反応空間(100)中に直接開口するノズル通路(103)を有するノズル(102)を介して反応空間(100)中にガス状又は粒状シリコン含有開始材料を供給すること、及び
(d)反応空間(100)が高温ガスから生じる熱応力に対してノズル通路(103)の出口開口(103a)を保護するように反応空間(100)中に不活性ガスを導入することを含む方法において、
(a)ノズル(102)が、第一ノズル通路(103)としてシリコン含有開始材料を供給するためのノズル通路(103)を有する多流体ノズルであり、かつ
(b)多流体ノズル(102)が、不活性ガスを導入するための手段として反応空間(100)中に直接開口する第二ノズル通路(104)を含み、かつ
(c)第二ノズル通路(104)が、第一ノズル通路(103)の出口開口(103a)を包囲する出口開口(104a)中に開口するか、
又は
(a)装置が、第一ノズルとしてシリコン含有開始材料を供給するためのノズルを含み、かつ
(b)装置が、不活性ガスを導入するための手段として、反応空間(100)中に直接開口する少なくとも一つの第二ノズルを含み、かつ
(c)少なくとも一つの第二ノズルが、それが反応空間(100)において不活性ガス流を生成し、不活性ガス流が第一ノズルのノズル通路の出口開口を包囲するように構成及び/又は配置される、方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下に記載される本発明は、液体シリコンを製造するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高純度シリコンは、一般に相対的に高い割合の不純物を有する冶金シリコンから開始する多段階プロセスで製造されることが普通である。冶金シリコンを精製するために、それは、例えばトリクロロシラン(SiHCl)のようなトリハロシランに変換されることができ、それは、次いで高純度シリコンを与えるために熱分解される。かかる方法は、例えばDE2919086A1から知られている。代替法として、例えばDE3311650A1に記載されるように、モノシラン(SiH)の熱分解によっても高純度シリコンが製造されることができる。
【0003】
近年において、モノシランの熱分解によって高純度シリコンを得ることは、ますます最前面になってきた。即ち、例えばDE102011089695A1,DE102009003368B3、及びDE102015209008A1は、モノシランを噴射することができ、高温に加熱されたシリコン棒が配置され、そのシリコン棒の上でモノシランが分解される装置を記載する。形成されたシリコンは、シリコン棒の表面に固体形態で付着される。
【0004】
代替的なアプローチは、DE102008059408A1に従う。そこには、高温に加熱されたガス流が導入される反応空間中へのモノシランの噴射が記載されている。ガス流と接触すると、モノシランは、その元素構成成分に分解される。形成されたシリコン蒸気は、凝縮されることができる。凝縮物は、液体シリコンの小滴を形成する。小滴は、収集され、このようにして得られた液体シリコンは、直接、即ち中間冷却なしでさらに加工されることができる。例えばフロートゾーン法又はチョクラルスキー法で単結晶シリコンに変換されることができる。
【0005】
しかしながら、DE102008059408A1に提案される方法と関連した進行中の問題は、分解によって形成されたシリコンの有意な部分が希望の液滴形態で得られず、代わりにシリコンダストとして得られることであった。さらに、モノシランが反応空間中に噴射されるノズル通路が固体Siの付着の結果としてブロックされることが頻繁に観察された。
【0006】
プラズマ火炎中へのモノシラン又はシリコン粒子の直接噴射は、WO2018/157256A1及びUS7615097B2から知られている。ここで形成されるシリコン蒸気は、急冷されてシリコン粒子を形成する。しかしながら、プラズマ火炎中へ前述の開始材料を直接噴射することは、出願人の経験によれば、シリコンの工業的生産のために好ましくない。上述の開始材料を多量に噴射するときにプラズマ火炎を安定に保つことは極めて難しい。なぜなら既に形成されたモノシラン又はシリコン粒子、特にシリコン液滴は、プラズマの生成を妨げるからである。
【発明の概要】
【0007】
以下に記載される本発明の目的は、上述の問題を回避又は少なくとも減少しながら液体シリコンを形成するための技術解決策を提供することである。
【0008】
この目的を達成するために、本発明は、請求項1に示された特徴を有する装置、及び請求項10に示された特徴を有する方法を提案する。本発明の実施形態は、従属請求項の主題である。
【0009】
本発明の装置は、液体シリコンを製造するために役立つ。それは、常に以下の特徴によって特徴づけられる:
(a)装置は、ガスが少なくとも部分的にプラズマとして存在する高温状態にガスをもたらすことができる手段を含み、
(b)装置は、反応空間、及び反応空間中に開口する高温ガスのための供給管を含み、
(c)装置は、ノズル通路を有するノズルを含み、ノズル通路は、反応空間中に直接開口し、ノズル通路を通ってガス状又は粒状シリコン含有開始材料を反応空間中に供給することができ、
(d)装置は、高温ガスから生じる熱応力に対してノズル通路の出口開口を保護するように不活性ガスを反応空間中に導入することができる手段を含む。
【0010】
本発明の装置及び本発明の方法は、半導体用途のために好適な高純度半導体シリコンを形成するため、及び太陽モジュールを製造するために好適である純度に劣るソーラシリコンを形成するために好適である。
【0011】
液体シリコンを製造するための基本原理は、DE102008059408A1から引き継がれたものである。高温ガスは、シリコン含有開始材料と接触させられる。ガスは、開始材料と接触するとき、その性質に依存して、開始材料を分解、溶融又は蒸発するために十分な温度を持たなければならない。形成されたシリコン蒸気は、続く工程で凝縮されることができる。
【0012】
本発明によれば、ガスの加熱、特にプラズマ形成は、反応空間内で起こさないことが好ましい。むしろ、本発明によれば、プラズマ形成、及びシリコン含有開始材料と高温ガスの接触は、DE102008059408A1に前述したように互いに空間的に分離されることが好ましい。
【0013】
高温ガスを製造するための手段は、プラズマ発生手段であることが好ましい。これは、形成されるシリコンの希望の純度の関数として選択されることができる。従って、例えば誘導結合されたプラズマを製造するための手段は、高純度シリコンの製造のために特に好適である。一方、低純度シリコンの製造は、DCプラズマ発生手段を使用して実施されることができる。DCプラズマ発生手段の場合には、電気アークが電極間に形成され、ガス中にエネルギー入力を与え、それを高温状態に変換する。
【0014】
DCプラズマ発生手段は、極めて簡単な構造を有することができる。最も簡単な場合では、それらは、電気アークを生成するための電極、及び好適な電圧供給源を含むことができ、電極は、加熱されるガスが流れる空間又は通路に配置される。
【0015】
加熱と、シリコン含有開始材料と高温ガスの接触との上述の空間分離は、DCプラズマ発生手段を使用するとき、特にシリコン含有開始材料が電気アークと接触できないことを意味する。この目的のため、DCプラズマ発生手段の電極は、反応空間中への供給管開口、又は供給管の上流に位置されるDCプラズマ発生手段のいずれかに配置されることが好ましい。ガスは、特に好ましくは、まず電気アークを通って流れ、そこで加熱されるか又はプラズマに変換され、次いで電気アークの下流で、シリコン含有開始材料と接触する。このようにして、ガスの加熱又はプラズマの発生は、シリコン含有開始材料の導入から分離され、導入による悪影響を受けない。
【0016】
誘導結合されたプラズマを使用するとき、シリコン含有開始材料との接触は、同じ理由のため、使用されている誘導コイル(単数又は複数)の有効領域の外側で行なうことが好ましい。ガスは、まず誘導コイル(単数又は複数)を通って流れ、そこでガスは、加熱され、次いで誘導コイル(単数又は複数)の下流で、シリコン含有開始材料と接触することが特に好ましい。
【0017】
本発明の一部の好ましい実施形態では、高温ガスは、加熱された後、シリコン含有開始材料と接触される前に比較的低い温度を有する緩和ガスと高温ガスを混合するような目的の技術手段によって冷却されることさえある。使用されるシリコン含有開始材料によって、プラズマの温度は、開始材料の蒸発又は分解のために絶対必要ではない。緩和ガスは、高温ガスのために与えられる管における適切な供給点を介して高温ガス中に混合されることができる。緩和ガスは、例えば水素であることができる。
【0018】
ガスの加熱と、ガスとシリコン含有開始材料の接触との空間分離は、相対的に多い量のシリコン含有開始材料がプラズマの安定性に悪影響を与えずに反応されることができることも確実にする。
【0019】
高温ガスを製造するための手段を使用して水素プラズマが製造されることが特に好ましい。水素は、シリコン化合物がモノシランである場合に高温ガスとして特に有利である。モノシランは、高温ガスと接触すると、シリコンと水素に分解する。従って、二つの元素のみが次いで互いに分離されなければならない。
【0020】
さらに好ましい実施形態では、貴ガス又は貴ガスと水素の混合物は、水素の代わりに使用されることができる。例えば、アルゴンが好適であり、例えば1%~50%の割合で水素に添加されることができる。
【0021】
ガスは、高温ガスを製造するための手段によって、2000℃~10000℃、好ましくは2000℃~6000℃の範囲の温度に加熱されることが好ましい。
【0022】
シリコン含有開始材料はまた、希望の純度の関数として選択されることができる。半導体シリコンを製造するためには、上述のモノシラン又はトリクロロシランのようなガス状シリコン含有開始材料がシリコン含有開始材料として特に好適である。トリクロロシランは、モノシランと比較すると、高温状態にもたらされたガスと接触すると化学的にアグレッシブな分解物を形成するという欠点を有する。対照的に、シリコン及び水素だけがモノシランの分解において形成される。
【0023】
純度に劣るシリコンを製造するためには、粒状の冶金シリコンもまた、開始材料として使用されることができる。これは、高温ガス、特にプラズマと接触すると溶融又は蒸発する。例えば、粒状のシリコンは、キャリアガス流、例えば水素の助けで反応空間中に供給されることができる。
【0024】
粒状形態の石英もまた、粒状シリコン含有開始材料として役立つことができる。石英は、水素プラズマと接触すると金属シリコンに還元されることができる。
【0025】
原則として、粒状シリコン合金、例えば粒状フェロシリコンもまた、粒状シリコン含有開始材料として使用されることができる。シリコン合金は、そのときそれから形成される。
【0026】
さらに、用語「粒状」は、シリコン含有開始材料が10nm~100μmの範囲の平均サイズを有する粒子の形で存在することを意味することを意図される。粒状シリコン含有開始材料は、100μmを越えるサイズを有する粒子を有さないことが好ましい。
【0027】
もしモノシランがシリコン含有開始材料として役立つなら、それと接触する高温ガスは、接触前に好ましくは1410℃~2500℃、特に好ましくは1600℃~1800℃の範囲の温度に加熱される。これは、例えば比較的低い温度を有する上述のガス中で混合することによって行なわれることができる。他方、上述の固体シリコン含有開始材料が使用されるとき、相対的に高い温度が要求されることが一般的である。これらの場合において、ガスは、3000℃を越える温度を有することが好ましい。
【0028】
ノズル通路を有し、かつ反応空間中に直接開口するノズルは、DE102008059408A1において出願人によって記載されるタイプのプラズマ反応手段において既に設置されている。最初に述べたように、出口開口は、操作時に極めて素早くブロックされる。このタイプの問題は、不活性ガスを導入するための手段によって驚くほど効率的に克服されることができる。
【0029】
本発明によれば、不活性ガスは、ある種の熱バリヤーを形成し、それは、高温ガスからノズル通路の出口開口を遮蔽し、従って反応空間に入るシリコン含有開始材料が出口で直接分解又は溶融するのを防止する。代わりに、シリコン含有開始材料の分解及び/又は溶融は、出口開口からある距離だけ離れて行なわれることができる。
【0030】
本発明によれば、不活性ガスとして、反応空間中で優勢である条件下でシリコン含有開始材料とも形成されたシリコンとも実質的に反応しないガスを使用することが好ましい。高温ガスを製造するための手段で加熱されるのと同じガス、特に水素、アルゴンのような貴ガス、及びそれらの混合物が基本的に好適である。
【0031】
不活性ガス及び高温ガスとして同じガスを使用すること、特に各場合において水素又は水素/アルゴンの混合物を使用することが好ましい。
【0032】
不活性ガスは、反応空間中への導入時には室温であることが好ましい。しかしながら、一部の実施形態では、不活性ガスは、それと高温ガスの間の温度差が大きくなりすぎないようにその温度を変更されることができ、例えば予備加熱されることができる。冷却した不活性ガスの使用もまた、熱遮蔽を改善するために考えられる。
【0033】
本発明の好ましい実施形態では、装置は、すぐ下の特徴(a)~(c)の少なくとも一つによって特徴づけられる:
(a)ノズルは、第一ノズル通路としてシリコン含有開始材料を供給するためのノズル通路を有する多流体ノズルであり、
(b)多流体ノズルは、不活性ガスを導入するための手段として反応空間中に直接開口する第二ノズル通路を含み、
(c)第二ノズル通路は、第一ノズル通路の出口開口を包囲する出口開口中に開口する。
【0034】
すぐ上の特徴(a)~(c)は、互いに組み合わせて実現されることが特に好ましい。このようにして、出口開口の熱遮蔽が特にうまく実現されることができる。
【0035】
第一ノズル通路の出口開口は、丸く、特に円形であり、第二ノズル通路の出口開口は、環状形状であることが特に好ましい。この開口を通って反応空間中に導入された不活性ガスは、反応空間中に流れるシリコン含有開始材料を包囲する環状の不活性ガス流を形成する。
【0036】
本発明のさらに好ましい実施形態では、装置は、すぐ下の特徴(a)~(c)の少なくとも一つによって特徴づけられる:
(a)装置は、第一ノズルとしてシリコン含有開始材料を供給するためのノズルを含み、
(b)装置は、不活性ガスを導入するための手段として、反応空間中に直接開口する少なくとも一つの第二ノズルを含み、
(c)少なくとも一つの第二ノズルは、それが反応空間において不活性ガス流を生成し、不活性ガス流が第一ノズルのノズル通路の出口開口を、好ましくは環状態様で包囲するように構成及び/又は配置される。
【0037】
すぐ上の特徴(a)~(c)は、互いに組み合わせて実現されることが特に好ましい。この実施形態は、前述の多流体ノズルの代替策である。好ましくは環状の出口開口を有する第二ノズル通路の機能は、ここでは少なくとも一つの第二ノズルによって引き受けられる。好ましい実施形態では、複数のノズルが、例えばその出口開口が少なくとも一つの第二ノズルのような環状態様で第一ノズルの出口開口を包囲するように配置されることができる。これらのノズルは、同様にともに環状の不活性ガス流を発生することができる。
【0038】
本発明のさらに好ましい実施形態では、装置は、すぐ下の特徴(a)又は(b)の少なくとも一つによって特徴づけられる:
(a)反応空間は、少なくとも一つの区域において、任意選択的にその全体において円筒形であり、
(b)高温ガスのための供給管は、この区域において反応空間中に接線方向に開口する。
【0039】
すぐ上の特徴(a)及び(b)は、互いに組み合わせて実現されることが特に好ましい。
【0040】
円筒形区域は、角ばっていない横断面、特に円形又は楕円形の横断面を有することが好ましい。円筒形区域の円筒軸、従って円筒形区域自体は、鉛直方向に配向されることが特に好ましい。
【0041】
特に好ましい実施形態では、高温ガスのための供給管は、鉛直方向に配向された円筒形区域の上端の反応空間中に接線方向に開口する。もし高温ガスがかかる通路開口を通って反応空間中に接線方向に高い流速で導入されるなら、ガスは、通路の接線方向の開口のために回転させられる。これは、ガスの円形の渦巻き運動、又は供給されたシリコン含有開始材料、形成されたシリコン蒸気、及び反応空間内で生じる分解物とガスとの混合をもたらす。
【0042】
本発明のさらに好ましい実施形態では、装置は、すぐ下の特徴(a)~(c)の少なくとも一つによって特徴づけられる:
(a)反応空間は、少なくとも一つの区域において、任意選択的にその全体において円筒形であり、
(b)円筒形区域は、周囲側壁によって半径方向に、その一つの側で円形又は楕円形の閉鎖要素によって軸方向に画定され、
(c)シリコン含有開始材料を供給するためのノズルのノズル通路は、閉鎖要素を通って導かれ、軸方向に、又は軸方向の配向から45°以下の偏りで反応空間中に開口する。
【0043】
すぐ上の特徴(a)~(c)は、互いに組み合わせて実現されることが特に好ましい。
【0044】
この実施形態においても、円筒形区域は、角ばっていない横断面、特に円形又は楕円形の横断面を有することが好ましい。
【0045】
さらに、この実施形態では、円筒形区域の円筒軸が好ましく、円筒形区域自体は、鉛直方向に配向されることが好ましい。これは、すぐ上の特徴(c)によりシリコン含有開始材料を供給するためのノズルのノズル通路の軸方向又は本質的に軸方向の配向の場合において、シリコン含有開始材料が閉鎖要素を通って上から、特に上から鉛直方向に供給されることが好ましいことを意味し、閉鎖要素は、この場合には反応空間中への反応空間のカバーを形成する。この実施形態では、高温ガスのための管は、半径方向の周囲側壁を通って反応空間中に接線方向に開口することが好ましい。
【0046】
本発明のさらに好ましい実施形態では、装置は、すぐ下の特徴(a)又は(b)の少なくとも一つによって特徴づけられる:
(a)シリコン含有開始材料を供給するためのノズルのノズル通路は、周囲側壁からある距離だけ離れて反応空間中に開口し、
(b)周囲側壁からのノズル通路の出口開口の距離は、円筒形区域における反応空間の最小直径の少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも40%である。
【0047】
すぐ上の特徴(a)及び(b)は、互いに組み合わせて実現されることが特に好ましい。
【0048】
すぐ上の特徴(a)及び(b)は、請求項4の特徴(a)~(c)及び請求項3の特徴(a)及び(b)と組み合わせて実現されることが特に好ましい。
【0049】
円筒形区域を画定する閉鎖要素は、円形形状を有することが特に好ましく、シリコン含有開始材料を供給するためのノズルのノズル通路は、周囲側壁に対する距離が全ての方向において最大であるように閉鎖要素の中心で反応空間中に開口することが好ましい。
【0050】
高温ガスとシリコン含有開始材料の接触を別として、特に形成されたシリコン蒸気の液相への移行の問題は、大きな役割を果たす。シリコン蒸気の迅速な凝縮は、ダスト状シリコンの形成を避けるために重要である。周囲側壁からノズル通路の出口開口を離隔することは、シリコンダストを避けることに関して有利であることがわかった。さらに、シリコン蒸気の凝縮は、特に上述の渦巻き運動によって促進されることができる。
【0051】
本発明の第一の特に好ましい実施形態では、装置は、すぐ下の特徴(a)又は(b)の少なくとも一つによって特徴づけられる:
(a)反応空間は、直径が重力の方向に小さくなる円錐形区域を含み、
(b)反応空間は、前記円筒形区域、及び円筒形区域に直接隣接する円錐形区域を含む。
【0052】
すぐ上の特徴(a)及び(b)は、互いに組み合わせて実現されることが好ましい。円筒形区域が鉛直方向に配向されるとき、円錐形区域は、円筒形区域の下端に直接接触することが好ましい。
【0053】
しかしながら、反応空間が円錐形区域を含むだけでなく、全体に円錐形であることも全く可能である。反応空間は、そのとき円形又は楕円形の横断面と、直径が先端の方向に小さくなる先端とを有することが好ましい。円筒形構成の場合と同様に、それは、半径方向では、先端へと延びる外壁によって、軸方向では最大領域の側で円形又は楕円形の閉鎖要素によって画定される。
【0054】
凝縮されたシリコンが円錐形区域又は円錐形反応空間の最も低い場所で、即ちその先端で反応空間から放出されることができる出口があることが好ましい。
【0055】
円錐形区域又は円錐形反応空間では、形成されたシリコン蒸気は、遠心分離機のように、出口に向かって重力の方向に区域の壁のまわりで渦巻き運動で下方に移動することができる。出願人の経験によれば、区域の円錐形設計は、同様に改善された凝縮に導く。反応空間が本質的に完全に円筒形である実施形態と比較して、この点で有意な改善が得られた。
【0056】
本発明の特に好ましい変形例では、円筒形区域に隣接する閉鎖要素は、円形形状を有し、シリコン含有開始材料を供給するためのノズルのノズル通路は、周囲側壁への距離が全ての方向で最大であるように閉鎖要素の中心で反応空間中に開口する。シリコン含有開始材料を供給するためのノズルのノズル通路は、この実施形態では周囲側壁からある距離だけ離れて反応空間中に開口する。
【0057】
本発明のさらに特に好ましい変形例では、高温ガスのための供給管、及びシリコン含有開始材料を供給するためのノズルのノズル通路は、ともに円形又は楕円形の閉鎖要素を通って導かれ、反応空間中に軸方向に、特に上から軸方向に開口する。この場合において、高温ガスのための供給管は、閉鎖要素の中心で反応空間中に開口することが好ましい。
【0058】
装置がすぐ下の特徴(a)又は(b)の少なくとも一つによって特徴づけられるとき、凝縮、従って凝縮されたシリコンの収率がさらに最適化されることができることを驚くべきことに見出した。
(a)反応空間は、ガス状シリコンが反応空間から放出されることができる出口を含み、
(b)出口は、少なくとも二つ、好ましくは2~12個、特に好ましくは3~10個、特に4~8個の凝縮チャンバー中に直接又は間接的に開口し、それらの凝縮チャンバーは、互いに平行に配置され、重力の方向に円錐状に先細である。
【0059】
すぐ上の特徴(a)及び(b)は、互いに組み合わせて実現されることが特に好ましい。
【0060】
反応空間の円錐形区域の代わりにもしくはそれに加えて、又は反応空間の円錐形形状の代わりにもしくはそれに加えて、本質的に遠心分離機のように作動する複数の凝縮チャンバーがこの実施形態では与えられる。凝縮チャンバーは、円錐形区域と比べて凝縮チャンバーでより速いガス流速が実現されることができるように反応空間の円錐形区域又は円錐形反応空間と比較して小さい流量の横断面を有することが好ましい。
【0061】
互いに平行に配置された凝縮チャンバーの利点は、ガス流速の最適化が全処理量から独立して実現されることができることである。従って、例えば追加の凝縮チャンバーを平行に接続し、従ってガス流速を適応して全処理量を増加することが可能である。
【0062】
本発明の目的のため、凝縮チャンバーの平行配置は、ガス状シリコンの流れが、凝縮チャンバーにわたって好ましくは均一に分割され、副流が同時に、即ち互いに平行に凝縮チャンバー中に流れることを意味する。
【0063】
凝縮チャンバーは、少なくとも一つの副領域において円形又は楕円形の横断面を有し、それらの副領域において円筒形であることが好ましい。この副領域は、凝縮チャンバーが上述の円錐形の先細りを示す副領域によって隣接されることが好ましい。
【0064】
ガス状シリコンは、各場合において凝縮チャンバー中に、特に凝縮チャンバーの円筒形副領域中に接線方向に開口する通路を介して凝縮チャンバー中に導入されることが好ましい。
【0065】
凝縮チャンバー中のガス流速は、特に接線方向の入口開口の横断面積によって決定される。ここで、上限は、音速である。なぜならこれが達成されるとき、衝撃波及び大きく増大した圧力低下が起こるからである。凝縮チャンバーの直径が小さいほど、ガスが渦巻き運動で流れなければならない曲線が小さくなる。しかしながら、もし直径が小さすぎるなら、渦巻き運動は衰え、ガスは、接線方向の入口開口にかかわらず凝縮チャンバーを通って通常の押出し流れで流れる。
【0066】
入口開口は、好ましくは5~25mm、特に好ましくは7~10mmの範囲の直径を有する。
【0067】
円筒形副領域における凝縮チャンバーの直径は、好ましくは20~100mm、特に好ましくは30~40mmの範囲である。
【0068】
一般に、凝縮チャンバーは、それぞれ(円錐形区域と同様に)それらの最も低い場所で凝縮された液体シリコンのための出口を有する。
【0069】
凝縮チャンバーの正確な数は、特に本発明による装置のサイズに依存する。もし装置が例えば20kgのシリコンを1時間で製造するために設計されるなら、四つから六つの凝縮チャンバーで十分であることを見出した。より高い処理量(例えば1時間あたり50kgのシリコン)では、凝縮チャンバーの数は、例えば八つに増加されることができる。上述したように、処理量に変化がある場合には凝縮チャンバーの数を柔軟に適応することも可能である。
【0070】
大気圧よりわずかに高い圧力、特に1013mbar~2000mbarの範囲の圧力が、反応チャンバー中で優勢であることが好ましい。
【0071】
一部の実施形態では、反応空間は、過剰の高温ガスのため、ガス状分解物のため、及び形成された粒状シリコンのための放出管を有することができる。例えば、この放出管は、一つの側で円筒形区域を軸方向に画定する閉鎖要素を通って導かれることができる。しかしながら、過剰のガス及びガス状分解物はまた、ガス状及び/又は液体状のシリコンの放出のための上述の出口を通って反応空間から放出されることができるので、かかる放出管は、任意である。
【0072】
本発明の特に好ましい実施形態では、装置は、すぐ下の特徴(a)~(c)の少なくとも一つによって特徴づけられる:
(a)ノズル通路を含むガス状又は粒状のシリコン含有開始材料を供給するためのノズルは、反応空間の壁を通って、特に閉鎖要素を通って反応空間中に導かれ、
(b)ノズルは、ノズル通路の出口開口が壁からある距離だけ離れて反応空間中に開口するように反応空間中に突出し、
(c)高温ガスから生じる熱応力に対してノズル通路の出口開口を保護するように反応空間中に不活性ガスを導入することができる手段は、絶縁要素によって壁から熱的に絶縁されている。
【0073】
すぐ上の特徴(a)及び(b)は、互いに組み合わせて実現されることが好ましい。特徴(a)~(c)は、互いに組み合わせて実現されることが特に好ましい。
【0074】
これらの好ましい実施形態では、ノズルが導かれる反応空間の壁は、上記の閉鎖要素によって形成されることが好ましく、ノズルは、上記の多流体ノズルであることが好ましく、反応空間中へ不活性ガスを導入するための手段は、上記の第二ノズル通路であることが好ましい。
【0075】
反応空間の壁から軸方向開口を離隔することは、ノズルまわりの固体シリコン堆積物の形成を避けるために役立つ。反応空間中に導入される不活性ガスは、シリコンの融点より有意に低い温度を持つことが好ましい。結果として、ノズルが導かれる壁の温度は、特にノズル及び第二ノズル通路のすぐ近くではシリコンの融点より低い温度に冷却することができる。冷却された壁領域は、もし可能ならシリコン含有開始材料又はガス状シリコンと接触しないようにすべきである。さらに、絶縁要素は、壁の冷却に対抗するべきである。絶縁要素は、グラファイトフェルトからなることが好ましい。
【0076】
実際には、ノズルは、反応空間中に少なくとも0.5mm、好ましくは少なくとも1cm突出する。
【0077】
シリコン含有開始材料が高温ガスと接触される反応空間は、高温ガスから生じる熱応力に耐えることができるために耐熱性でなければならない。例えば、反応空間は、この目的のためにグラファイトのような耐熱性材料でライニングされるか、又はかかる材料からなることができる。特に、反応空間の壁、特に上述の側壁及び上述の閉鎖要素は、少なくとも部分的に又は完全にかかる材料からなることができる。代替的に又は追加的に、反応空間は、それをその周囲から熱的に遮蔽する断熱体を有することができる。
【0078】
形成されたシリコンは、操作時に反応空間内で凝固しないことが重要である。それゆえ、反応空間の壁は、固体シリコン堆積物が形成できないように操作時にシリコンの融点の領域の温度に維持されることが好ましい。反応空間の壁は、シリコンの薄い閉じた層で被覆されることが理想的であるが、この被覆は、操作時に成長しない層である。これを確実にするために別個の冷却手段及び/又は加熱手段を反応空間に割り当てることができる。
【0079】
液体シリコンを形成するための本発明の方法は、記載された反応空間で実施されることが好ましい。それは、すぐ下の工程(a)~(c)を常に含む:
(a)ガスが少なくとも部分的にプラズマとして存在する高温状態にガスをもたらすこと、
(b)反応空間中に高温ガスを導入すること、
(c)反応空間中に直接開口するノズル通路を有するノズルを介して反応空間中にガス状又は粒状シリコン含有開始材料を供給すること。
【0080】
この方法は、特にすぐ下の工程(d)によって特徴づけられる:
(d)高温ガスから生じる熱応力に対してノズル通路の出口開口を保護するように反応空間中に不活性ガスを導入すること。
【0081】
この方法の好ましい実施形態は、本発明の装置の記載において上で開示されている。
【0082】
得られた液体シリコンは、さらに直接加工されることができる。例えば、得られた液体シリコンを単結晶に直接変換することができる。
【0083】
本発明のさらなる特徴、詳細、及び好ましい態様は、請求項及び要約書(それらの各々の記載は、参考としてここに組み入れられる)、本発明の好ましい実施形態の以下の記載、及び図面の助けで導かれることができる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
図1図1は、シリコン含有開始材料を供給するための多流体ノズル(長手方向区域)である。
図2図2は、シリコン含有開始材料がプラズマと接触されることができる反応空間(部分切断図)である。
図3図3は、シリコンの凝縮のための複数の凝縮チャンバー(部分切断図)である。
図4図4は、本発明による装置の好ましい実施形態(部分切断図)である。
図5図5は、本発明による装置の好ましい実施形態(部分切断図)である。
【発明を実施するための形態】
【0085】
図1は、シリコン含有開始材料(通常はモノシラン)を供給するための多流体ノズル102を示す。ノズル102は、図2に示される反応空間100の閉鎖要素106中に一体化され、従ってシリコン含有開始材料を供給するのに役立つノズル102のノズル通路103は、反応空間100中に直接、軸方向にかつ反応空間100の側壁105からある距離だけ離れて開口する(出口開口103a)。ノズルは、グラファイトリング115によって包囲される環状絶縁要素114によって閉鎖要素106から熱的に絶縁されている。
【0086】
ノズル102は、反応空間100中に突出し、従ってノズル通路103の出口開口103aが反応空間100中に閉鎖要素106からある距離だけ離れて(間隔dで)開口することを容易に見ることができる。これは、ノズル102のまわりの固体シリコン堆積物の形成を避けることを意図される。
【0087】
ノズル通路103以外に、多流体ノズル102は、第二ノズル通路104を含む。これも反応空間100中に直接、軸方向に開口する(出口開口104a)。ノズル通路103及び104は、同心に配置された環状通路壁102a及び102bによって画定される。
【0088】
操作中、不活性ガス(通常は水素)は、ノズル通路104の開口104aを通って反応空間100中に移動され、その開口は、環状間隙として構成される。この不活性ガスは、環状態様でノズル通路103を通って噴射されたモノシラン流を包囲し、反応空間100内の熱応力からノズル通路103の出口開口103aを遮蔽する。
【0089】
図1に示される多流体ノズル102が開口する反応空間100は、図2に示される。反応空間100は、円筒形区域100a、及び円筒形区域100aに直接隣接する円錐形区域100bを含む。円筒形区域100a、従って反応空間100は、鉛直方向に配向される。円筒形区域100aは、周囲側壁105によって半径方向に、そして円形閉鎖要素106によって軸方向に画定される。
【0090】
プラズマ発生手段によって高温に加熱されたガスは、管101を介して反応空間100中に供給されることができる。高温ガスのための供給管101は、円筒形区域100aにおいて反応空間100中に接線方向に開口する。
【0091】
図3は、シリコンの凝縮のための複数の凝縮チャンバー108,109及び110を示す。反応空間100は、出口107を含み、出口107は、反応空間の下端に位置され、出口107を通ってガス状シリコンは、反応空間100から予め凝縮されたシリコンとともに放出されることができる。分配チャンバー111を介して、ガス状シリコンは、重力の方向に円錐状に先細になる三つの凝縮チャンバー108,109,110中に移動される。三つの凝縮チャンバー108,109,110は全て、流れ方向に減少する横断面を有し、それは、凝縮チャンバー内の高い流速を保証する。ガス状シリコンは、凝縮チャンバーにおいて凝縮することができる。凝縮されたシリコンは、収集空間113を介して流出することができる。
【0092】
図4に示された装置は、反応空間100、分配チャンバー111、及び複数の凝縮チャンバー108,109を含む。モノシランは、多流体ノズル102を介して反応空間100中に供給される。ノズル102は、図1に示されるように構成される。供給管101を通って、プラズマ発生手段によって高温に加熱されたガスは、反応空間100中に供給される。高温ガスのための供給管101は、反応空間100中に接線方向に開口する。
【0093】
反応空間100は、大部分において円筒形である。その下端においてだけ、それは、分配チャンバー111中に導く通路116に開口する円錐形の先端を有する。通路112及び119は、分配チャンバーの最下点から凝縮チャンバー108,109中に導く。凝縮されたシリコンのための出口は、描かれた区域では見ることができない。
【0094】
図5に示された装置は、反応空間100、分配チャンバー111、及び複数の凝縮チャンバー108,109,110及び117を含む。モノシランは、二つの多流体ノズル102によって反応空間100中に供給されることができる。ノズル102は、必ずしも同時に操作される必要はない。これは、希望の処理量の関数として変動されることができる。プラズマ発生手段によって高温に加熱されたガスは、供給管101を通って反応空間100中に供給される。供給管130は、高温ガスの温度を緩和するのに役立つ。これによって、高温ガスは、反応空間中に供給される前に緩和ガスと混合されることができる。
【0095】
高温ガスのための供給管101は、反応空間100中に軸方向にかつ中央に開口する。ノズル102は、他方ではオフセットされて供給管101に角度をなして、反応空間の側壁からある距離だけ離れて配置される。結果として、ノズル102によって供給されるモノシラン流又はモノシラン含有流は、15~35°の角度で高温ガスの流れの上に衝突する。
【0096】
反応空間100は、円錐形を有する。その下端では、それは、分配チャンバー111中に導く通路116中に開口する。反応空間100中で形成されるシリコンは、通路116を通って放出されることができる。
【0097】
分配チャンバー111の最下点から、通路112,119,135及び136は、凝縮チャンバー108,109,110及び117中に導く。描かれた装置は、全部で九つの凝縮チャンバーを有し、それらは、遠心分離機として構成され、分配チャンバー111のまわりに円状に配置される。複数の凝縮チャンバーは、示された断面では見ることができない。凝縮チャンバーで凝縮されたシリコンは、収集空間113を介して流出することができる。
図1
図2
図3
図4
図5