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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-19
(45)【発行日】2023-06-27
(54)【発明の名称】フィルムおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08J 5/18 20060101AFI20230620BHJP
   C08L 67/02 20060101ALI20230620BHJP
   C08K 3/04 20060101ALI20230620BHJP
【FI】
C08J5/18 CFD
C08L67/02
C08K3/04
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019111720
(22)【出願日】2019-06-17
(65)【公開番号】P2020203973
(43)【公開日】2020-12-24
【審査請求日】2022-03-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】加藤 祥平
(72)【発明者】
【氏名】南部 孝太
(72)【発明者】
【氏名】早野 知子
(72)【発明者】
【氏名】若原 隆一
【審査官】武貞 亜弓
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-144781(JP,A)
【文献】特開昭63-259824(JP,A)
【文献】特開2019-056109(JP,A)
【文献】特開2017-115062(JP,A)
【文献】特開2018-130950(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 5/00-02;5/12-22
C08L 1/00-101/14
C08K 3/00- 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
黒色顔料を含有するフィルムであって、少なくとも一方のフィルム表面(A面)において光学濃度が6.0を超え、光沢度が54.3%以上、SPc(2.5nm)が400個/0.2mm以上であり、フィルムの厚みが1μm以上50μm以下であり、前記フィルムを構成する樹脂がポリエステル樹脂を主成分とし、前記フィルムを構成する樹脂に対する、結晶核剤の含有量が0.05重量%以下であるフィルム。
【請求項2】
前記フィルム表面(A面)のSPc(50.0nm)が20個/0.2mm以下である請求項1に記載のフィルム。
【請求項3】
前記フィルム表面(A面)の表面粗さSRaが100nm以下である請求項1または2に記載のフィルム。
【請求項4】
前記フィルム表面(A面)のL値が16以下である請求項1~3のいずれかに記載のフィルム。
【請求項5】
前記フィルムが単層構成である請求項1~4のいずれかに記載のフィルム。
【請求項6】
前記ポリエステル樹脂が、ジカルボン酸成分を2種類以上含んでなり、前記ポリエステル樹脂に対する、最も多く含まれるジカルボン酸成分以外のジカルボン酸成分のしめる割合が0.1重量%~5.0重量である請求項1~5のいずれかに記載のフィルム。
【請求項7】
電子機器の遮光部材として用いられる請求項1~のいずれかに記載のフィルム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い遮光性を有し、意匠性、易滑性に優れたフィルムとその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遮光性に優れるフィルムは、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラのレンズシャッターなどのシャッター羽根または絞り羽根、カメラ付き携帯電話や車載モニターのレンズユニット内の固定絞り、プロジェクターの光量調整モジュールの絞り羽根などの光学機器部品などに使用されている。中でも、スマートフォン等の携帯電子端末や、テレビなどの液晶表示装置の部品に使用される用途の需要が伸びてきている。
【0003】
前記液晶表示装置の代表的な構成としては、例えば、光源(バックライト)を備えた筐体に、導光板や反射板や光拡散シートやプリズムシート、または液晶表示パネルの搭載された構成がある。液晶表示パネルと筐体は粘着テープによって固定されている場合が多い。
前記粘着テープには、単に液晶表示パネルを固定するだけでなく、液晶表示装置の外観を良くするとともに、バックライトからの光が集積回路(IC)へ漏れることによる液晶表示誤動作を防止することを目的とされており、高い遮光性が求められている。
前記粘着テープに高い遮光性を付与したものとして、安価で機械特性に優れるポリエステルなどの樹脂に、カーボンブラックをはじめとした黒色顔料を練りこんだものが代表として挙げられ、さらに耐久性を付与する検討もなされている(特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-192180号公報
【文献】特開2014-145046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、電子端末の小型化が進み、電子端末に用いられる粘着テープに用いるフィルムには、薄膜でかつ高い遮光性が求められている。しかしながら、薄膜化と遮光性向上の両目的を達成するためには、薄膜フィルムに高濃度で黒色顔料を含有させる必要があるが、薄膜フィルムに高濃度で黒色顔料を含有させると、フィルム製膜時に膜破れが発生しやすく、またフィルム製膜時に黒色顔料が滑落し製膜ラインを汚染するという問題が発生する。また、薄膜フィルムに高濃度で黒色顔料を含有させると、フィルムの表面粗さが上昇しやすくなるために、フィルムの光沢度が低下してマット調となる傾向がある。そのため、薄膜で高い遮光性を有しながらも、光沢のある意匠性に優れたフィルムを得ることは困難であった。
【0006】
また、遮光性、意匠性(高い光沢度)を両立するための手段として、黒色顔料を含有し遮光性を担保する層(遮光層)と、黒色顔料を含有せず光沢を担保する層(光沢層)を有する構成とし、光沢層をフィルムの表層に有するよう積層したフィルムとする方法が挙げられる。しかしながら、本フィルムは、フィルム製膜時の易滑性に劣るという課題を有しており、また本フィルムを電子機器の遮光部材として使用した際、光沢層からの光漏れが発生するため、機器に不具合を生じてしまう可能性がある。
【0007】
そこで、本発明はかかる問題を解決し、高い遮光性を有し、意匠性、易滑性に優れたフィルムとその製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成をとる。すなわち、
[1]黒色顔料を含有するフィルムであって、少なくとも一方のフィルム表面(A面)において光学濃度が6.0を超え、光沢度が50%以上、SPc(2.5nm)が400個/0.2mm以上であるフィルム。
[2]前記フィルム表面(A面)のSPc(50.0nm)が20個/0.2mm以下である[1]に記載のフィルム。
[3]前記フィルム表面(A面)の表面粗さSRaが100nm以下である[1]または[2]に記載のフィルム。
[4]前記フィルム表面(A面)のL値が16以下である[1]~[3]のいずれかに記載のフィルム。
[5]前記フィルムが単層構成である[1]~[4]のいずれかに記載のフィルム。
[6]前記フィルムを構成する樹脂に対する、結晶核剤の含有量が0.05重量%以下である[1]~[5]のいずれかに記載のフィルム。
[7]前記フィルムを構成する樹脂がポリエステル成分を主成分とするものである[1]~[6]のいずれかに記載のフィルム。
[8]前記ポリエステル樹脂が、ジカルボン酸成分を2種類以上含んでなり、前記ポリエステル樹脂に対する、最も多く含まれるジカルボン酸成分以外のジカルボン酸成分のしめる割合が0.1重量%~5.0重量%である[7]に記載のフィルム。
[9]電子機器の遮光部材として用いられる[1]~[8]のいずれかに記載のフィルム。
[10]黒色顔料を含有する樹脂を溶融押出し、冷却ドラムにて冷却固化して未延伸フィルムを得た後、未延伸フィルムをフィルムの走行方向に延伸した後、延伸温度を112℃~150℃として走行方向とは垂直な方向に延伸して二軸延伸フィルムを得る工程と、二軸延伸フィルムを200℃以上で7秒以上熱処理する工程を含むフィルムの製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、高い遮光性を有しながらも、意匠性、易滑性に優れたフィルムおよびその製造方法を提供できる。また、本発明のフィルムを用いることで、より薄い遮光部材を製造でき、薄型の液晶表示装置内部や、電子部材の表面に好適に適用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のフィルムを構成する樹脂としては、例えばポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等を使用できる。ポリエステル樹脂は、比較的安価で入手しやすく、黒色顔料の分散性に優れるため、ポリエステル樹脂を主成分とすることが好ましい。なお、本発明において主成分とするとは、フィルムを構成する樹脂の50重量%以上を占めることを表す。
【0011】
本発明に用いられるポリエステル樹脂としては、たとえば酸成分として、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカジオン酸、アゼライン酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸を用い、アルコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどの脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノールなどの芳香族グリコールを用いたものが挙げられる。これらのポリエステル樹脂は、単独で用いてもよく、他の成分と共重合したものであってもよい。具体的には、コスト、特性からみて、ポリエチレンテレフタレート、あるいはポリエチレン-2,6-ナフタレートが好適である。
【0012】
ポリエステル樹脂としてポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン-2、6-ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のホモポリエステル、およびこれらの共重合体が挙げられ、本発明のフィルムを構成するポリエステル樹脂は前記のホモポリエステルおよび共重合体の中から1種類を選択して用いても良く、ホモポリエステル同士、またはホモポリエステルと共重合体をブレンドして用いても良い。
【0013】
ここでポリエステル樹脂として、ホモポリエステルを用いる場合、製膜性の観点からポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン-2、6-ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸が好ましく、中でも加工性が容易であることからポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン-2、6-ナフタレート、がより好ましく、製膜性により優れることからポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
【0014】
また、ポリエステル樹脂の共重合体とは、ジオール成分とジカルボン酸成分のうち少なくとも一方が2種類以上のポリエステル原料を用いて得られる共重合体のことを示し、ホモ重合体とのブレンドを想定する場合は、対象のホモポリエステルと同じ分子構造が全体の50mol%以上を構成する共重合体を用いることが好ましい。
【0015】
ここでポリエステル樹脂の共重合体としては、重合適性や熱安定性、ホモポリエステルとの相溶性に優れる観点からジカルボン酸成分として、脂環族ジカルボン酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸が、ジオール成分としてはブタンジオール、エチレングリコール、スピログリコール、シクロヘキサンジメタノールを共重成分として含むものが好ましく用いられ、これらは単独で用いても、必要に応じて組み合わせて用いても良い。中でも製膜性を向上させる観点からジカルボン酸成分としてイソフタル酸を共重合体成分として含むものや、ジオール成分としてシクロヘキサンジメタノールを共重合体成分として含むものがより好ましく用いられる。
【0016】
本発明のフィルムは、二軸配向フィルムであることが機械強度の向上、熱安定性の向上、耐薬品性の向上、電気特性の向上など、フィルムの機能として必要な主要特性が発現されるため好ましい。ここで言う「二軸配向」とは、広角X線回折で二軸配向のパターンを示すものをいう。二軸配向フィルムは、一般に、未延伸状態のシートをシート長手方向および幅方向に各々2.5~5.0倍程度延伸し、その後、熱処理を施し、結晶配向を完了させることにより得ることができる。なお、長手方向と幅方向の延伸は、それぞれ個別に順次実施するいわゆる逐次二軸延伸法であっても、同時に実施する同時二軸延伸法であってもよい。
【0017】
本発明のフィルムは、黒色顔料を含有する必要がある。黒色顔料を含有することでフィルムに高い遮光性を付与することができる。また、黒色顔料を含有するフィルムは、遮光テープとして用いられる電子機器のデザイン性の観点から好ましく用いられる。
【0018】
黒色顔料としては、例えばカーボンブラック(ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等)、グラファイト、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、ペリレンブラック、チタンブラック、シアニンブラック、活性炭、フェライト、マグネタイト、酸化クロム、酸化鉄、二硫化モリブテン、クロム錯体、複合酸化物系黒色色素、アントラキノン系有機黒色色素等の黒色顔料を、単独または2種以上組合せ使用することができ、なかでも、安価で遮光性及び前記樹脂への分散性に優れるカーボンブラックを使用することが好ましい。
【0019】
本発明のフィルムは、少なくとも一方のフィルム表面(A面)の光学濃度が6.0を超える必要がある。光学濃度が6.0を超えると、遮光性が高く、電子機器の遮光部材に本フィルムを用いたとき、光漏れがなく、誤作動のない機器を提供することができる。光学濃度が6.0以下であると、フィルムをテープやカメラなどの遮光部材に用いたときに遮光性が十分でなく、光漏れなどの悪影響を引き起こす場合がある。フィルムの遮光性の評価は、後述する評価方法に記載するスマートフォンのカメラライトをフィルムに接触させたときの光の漏れ具合による観察と測定機による光学濃度の測定値で判断する。また、本発明では、光学濃度は、後述するXrite361T(日本平板機械製)を用いて測定するが、該測定機の測定上限値は6.0であるため、測定値が6.0を示せば光学濃度は6.0を超えるとみなす。少なくとも一方のフィルム表面(A面)の光学濃度が6.0以上とするには、例えば、黒色顔料を添加する方法で調整が容易である。
【0020】
本発明のフィルムは、前記フィルム表面(A面)における光沢度が50%以上であることが必要である。光沢度が50%以上であると、フィルム表面につやのある、ピアノブラックのような意匠性の高い外観を得ることができる。光沢度が50%未満であると、表面がマット調であることに繋がり、意匠性の高い外観とならない。フィルム表面(A面)における光沢度は、好ましくは53%以上、より好ましくは60%以上である。光沢度は100%に近づくほど、意匠性が高くなるため、光沢度の上限を設ける必要はないが、高い遮光性を有しながら光沢度を得るには、90%以下であることが好ましい。前記フィルム表面(A面)における光沢度が50%以上とするには、例えば、フィルム中の黒色顔料の含有量の調整、フィルムの製膜時における延伸条件で制御することができる。フィルム中の黒色顔料の含有量の増やすと、フィルムの光学濃度は高くなる一方、光沢度は低下する傾向にあるが、フィルムを構成する樹脂を後述する成分を含有せしめると、フィルムの光学濃度を高くしつつ、光沢度も高く維持できるため好ましい。
【0021】
本発明のフィルムは、前記フィルム表面(A面)におけるSPc(2.5nm)が400個/0.2mm以上である必要がある。SPc(2.5nm)が400個/0.2mm以上であるとは、フィルム表面に突起高さが2.5nm以上という極めて微小な突起を多く有することを表す。フィルム表面におけるSPc(2.5nm)が400個/0.2mm未満である場合は、フィルム表面にそもそも突起が少ない平滑なフィルム表面である場合か、フィルム表面に突起はあるがその突起1つ1つが大きい場合が考えられる。フィルム表面にそもそも突起が少なくてSPc(2.5nm)が400個/0.2mm未満である場合には、フィルムの表面の光沢度は高くなるが、フィルムの易滑性が悪化し、フィルムの搬送性が悪くなり、本発明のフィルムの製造時や加工プロセスにおいて、フィルムを巻き取ったフィルムロールからフィルムを巻き出す時にフィルムの面同士が密着してしまうブロッキングや巻き取り時や加工時のシワ等の発生という、問題が生じやすくなる。フィルム表面に突起はあるがその突起1つ1つが大きい場合は、フィルム表面における光沢度50%以上とすることが難しくなる。また、粗大突起が形成されている点で、シワの発生は著しく、また、その突起がフィルムを巻き取った際に転写跡となる場合があるため、意匠性に劣る。前記フィルム表面(A面)におけるSPc(2.5nm)は450個/0.2mm以上1000個/0.2mm以下であることが好ましく、480個/0.2mm以上600個/0.2mm以下であることがより好ましい。SPc(2.5nm)を上述の範囲とするには、含有する黒色顔料として粒径の小さい黒色顔料を用いる方法、後述する条件でフィルム製膜を行なうことなどが挙げられる。
【0022】
本発明のフィルムは、前記フィルム表面(A面)におけるSPc(50.0nm)が20個/0.2mm以下であることが好ましい。SPc(50.0nm)が20個/0.2mm以下であるとは、フィルム表面に突起高さが50.0nm以上という粗大な突起が少ないことを表す。前記フィルム表面(A面)におけるSPc(2.5nm)が400個/0.2mm以上としつつ、SPc(50.0nm)が20個/0.2mm以下であると、フィルム表面には突起高さが2.5nm以上50.0nm未満という極微小な突起は多く有するものの、突起高さが50.0nm以上の粗大突起が少ないことを表しており、フィルム表面の突起径がより均一であることを表す。そのため、より光沢度の高い意匠性に優れたフィルムとすることができる。前記フィルム表面(A面)におけるSPc(50.0nm)が20個/0.2mmを超えると、フィルム表面に粗大突起が形成されている場合があり、前記フィルム表面における光沢度が低下する場合がある。また、上述したとおり、粗大突起によるフィルムロール作成時の転写痕が発生する場合があることから、フィルムの使用に制限が生じる場合がある。前記フィルム表面(A面)におけるSPc(50.0nm)はより好ましくは15個/0.2mm以下である。易滑性、搬送性の観点から2個/0.2mm以上であることが好ましい。
【0023】
本発明のフィルムは、前記フィルム表面(A面)における表面粗さSRaが100nm以下であることが好ましく、より好ましくは85nm以下であり、さらに好ましくは70nm以下である。よりさらに好ましくは60nm以下である。前記フィルム表面(A面)の表面粗さSRaが100nm以下であると、フィルム表面が平滑であることに繋がり、光沢のある意匠性に優れたフィルムとすることができる。前記フィルム表面(A面)の表面粗さSRaが100nmを超えると、フィルム表面の平滑性が悪化し、前記フィルム表面における光沢度が低下する場合がある。本発明の意匠性の観点からは、フィルム表面(A面)における表面粗さSRaはより低い値であることが好ましいが、フィルム製造工程や加工時における易滑性の観点や、フィルムロールとして巻き取られる際のブロッキングやシワの観点から、フィルム表面におけるSRaは20nm以上であることが好ましく、より好ましくは30nm以上である。
【0024】
本発明のフィルムは、前記フィルム表面(A面)におけるL値が16以下であることが好ましく、より好ましくは15以下である。L値が前述の範囲であると、フィルムの黒味が強くなり、さらに漆黒に近い黒味とすることができるため好ましい。前記フィルム表面(A面)におけるL値が16を超えると、フィルムが白味がかり、灰色に近い外観となる場合がある。L値は後述する測定方法により測定されるものであり、色の明るさを評価するものである。L値には0~100までの範囲があり、L値が大きいほど白色、小さいほど黒色に近づく。
【0025】
本発明のフィルムは、単層構成であることが好ましい。単層で、フィルム全体に均一に黒色顔料が含有されていることで、フィルムを電子製品の遮光部材として使用した際に、フィルムの平面方向からの光漏れが無くなり、より繊細で高機能な電子製品を開発することができる。また、フィルムを単層とすることで、遮光部材としてのフィルム厚みを小さく抑えることができ、電子製品の小型化に貢献できる。
【0026】
本発明のフィルムは、厚みが50μm以下であることが好ましい。50μm以下とすることで、薄型、小型化が進む電子基材に好適に用いることができる。製膜性、遮光性の観点から、より好ましくは1μm以上40μm以下であり、さらに好ましくは3μm以上30μm以下である。
【0027】
本発明のフィルムは、フィルムを構成する樹脂に対する、結晶核剤の含有量が0.05重量%以下であることが好ましい。本発明でいう結晶核剤とは、ポリエステルフィルムの結晶性を高める特性を有する核剤をあらわし、このような結晶核剤としては、無機系核剤、有機系核剤が挙げられる。無機系核剤の具体例としては、タルク、カオリナイト、モンモリロナイト、マイカ、合成マイカ、クレー、ゼオライト、シリカ、グラファイト、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化チタン、硫化カルシウム、窒化ホウ素、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化ネオジウムおよびフェニルホスホネートの金属塩などが挙げられる。また、有機系核剤としては、脂肪酸アミド、脂環式カルボン酸アミド、芳香族カルボン酸アミドなどのアミド化合物、ヒドラジド化合物、有機カルボン酸金属塩、有機スルホン酸金属塩などを挙げることができる。
【0028】
フィルム中に結晶核剤が0.05重量%を超えて含有されていると、フィルムの延伸時や、延伸後の熱処理時に、結晶核剤が結晶起点となってフィルム表面に微小な突起が形成しやすくなり、フィルム表面(A面)におけるSPc(2.5nm)が400個/0.2mm以上を達成することが容易となるが、結晶核剤の含有により、フィルムが脆化し、フィルム製造時における延伸プロセスで、結晶核剤を起点とした破れが発生する可能性が高くなる。
【0029】
本発明のフィルムは、黒色顔料含有量が、フィルムを構成する樹脂全体に対して2~10重量%であることが好ましく、さらに好ましくは3~8重量%である。この範囲にすることで、フィルムが薄膜であっても高い遮光性を有しつつ、フィルム製造時の製膜安定性を担保することができ、光沢度や、SPc(2.5nm)の突起個数、SPc(50.0nm)の突起個数、SRaを調整しやすくなる。黒色顔料含有量が2重量%未満であっても、フィルムの光沢性は向上しやすく、また、SPc(2.5nm)も400個/0.2mm以上とすることができる場合はあるが、光学濃度が6.0以下となりやすく、フィルムの遮光性が不足してしまう場合がある。また、黒色顔料含有量が10重量%を超えると、光学濃度は6.0を超えやすく遮光性には優れるが、フィルムの表面が粗らされ、本発明の光沢度とSPc(2.5nm)の突起個数を両立することが難しくなる、また、SRaや、SPc(50.nm)の突起個数が高くなる傾向にあり、光沢度は低下してしまう。さらに、添加した黒色含有量を起点にフィルムの結晶化の速度が大きくなるためにフィルムが脆化し、フィルム製造時における製膜安定性が低下する場合がある。
【0030】
(フィルムの製造方法)
本発明のフィルムの製造方法について、例えば以下に示した工程によって製造することが好ましい。ここでは、フィルムを構成する樹脂としてポリエステル樹脂を用いた例を挙げて説明するが、本発明は、かかる例によって得られる物のみに限定して解釈されるものではない。
まず、ポリエステルフィルムを構成する樹脂の製造方法は、以下の方法で製造することができる。
【0031】
ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸成分、もしくはそのエステル誘導体と、ジオール成分を周知の方法でエステル交換反応、もしくはエステル化反応させることによって得ることができる。従来公知の反応触媒としてはアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、亜鉛化合物、鉛化合物、マンガン化合物、コバルト化合物、アルミニウム化合物、アンチモン化合物、チタン化合物、リン化合物などを挙げることが出来る。好ましくは前記のポリエステル樹脂の製造方法が完結する以前の任意の段階において、重合触媒としてアンチモン化合物またはゲルマニウム化合物、チタン化合物を添加することが好ましい。このような方法としては例えば、ゲルマニウム化合物を例に取ると、ゲルマニウム化合物粉体をそのまま添加することが好ましい。
【0032】
前記の方法により得られたポリエステル樹脂を用いて、フィルムに製膜する。このとき、ポリエステル樹脂に黒色顔料を含有させることで、黒色顔料を含有したフィルムとすることができる。ポリエステル樹脂に黒色顔料を含有させる方法としては、黒色顔料を高濃度でマスターバッチ化した原料を作成し、押出機に投入する際に黒色顔料を含まないポリエステル樹脂で希望の濃度になるように希釈する方法(マスターバッチ法)が好ましく用いられ、具体的には、ポリエステル樹脂に黒色顔料を1~30重量%含有せしめた、黒色顔料高濃度含有ポリエステルチップを得た後、黒色顔料を含有していないポリエステル樹脂と目的とする黒色顔料含有量となるようにブレンドして用いる方法が挙げられる。
【0033】
また、前記ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸成分を2種類以上含んでなり、前記ポリエステル樹脂に対する、最も多く含まれるジカルボン酸成分以外のジカルボン酸成分のしめる割合が0.1重量%~5.0重量%であることが好ましい。また、前記ポリエステル樹脂は、ジオール成分を2種類以上含んでなり、前記ポリエステル樹脂に対する、最も多く含まれるジオール成分以外のジオール成分のしめる割合が0.1重量%~5.0重量%であることが好ましい。ポリエステル樹脂に共重合成分を導入する(ジカルボン酸成分やジオール成分を2種類以上含む)ことで、ポリエステルの結晶性を低下させることにより、黒色顔料を多量に含有しても、製膜性に優れたフィルムとすることが可能となるとともに、フィルム面の光沢度の低下を抑制することができる。また、最も多く含まれるジカルボン酸成分、ジオール成分以外のしめる割合が5.0重量%以下であると、フィルム中の主成分濃度が高く、成型性が安定することとなり、延伸ムラの少ないフィルムを得ることができる。前記ポリエステル樹脂に対する、最も多く含まれるジカルボン酸成分以外のジカルボン酸成分のしめる割合や、前記ポリエステル樹脂に対する、最も多く含まれるジオール成分以外のジオール成分のしめる割合は0.5重量%以上4.0重量%以下であることがより好ましく、1.0重量%以上3.5重量%以下であることがさらに好ましい。
【0034】
前述の方法で得られた黒色顔料を含有したポリエステル樹脂原料を溶融押出し、冷却ドラムにて冷却固化して未延伸フィルムを得た後、未延伸フィルムをフィルムの走行方向に延伸した後、走行方向とは垂直な方向に延伸して二軸延伸フィルムを得る。ポリエステル樹脂原料の溶融押出は、ポリエステル樹脂原料を押出ホッパー内に投入し、押出機内で250~320℃で樹脂を溶融させることで行われる。次に溶融されたポリエステル樹脂は、スリット状のダイにて押出し、表面温度20~70℃の冷却ドラムに巻き付け、冷却ドラムとは反対側のポリエステルフィルムにエアーを吹きつけて冷却固化させ、未延伸フィルムとする。続いて未延伸フィルムを60~120℃でフィルムの走行方向に2.5倍~3.5倍延伸して、一軸配向フィルムを得る。二軸配向フィルムを製造する場合は、その後一軸配向フィルムをテンター内に導入し、112~150℃に加熱した雰囲気中で、フィルムの走行方向とは垂直な方向に2.0~5.0倍延伸し、二軸配向フィルムを得る。その後、一軸配向または二軸配向フィルムを210~240℃で熱処理してもよい。前述の熱処理前にさらにフィルムの走行方向ないしフィルムの走行方向とは垂直の方向、またはフィルムの走行方向およびフィルムの走行方向とは垂直の方向の両方向に再度延伸させて強度を高めることも可能である。フィルムの走行方向とは垂直な方向の延伸倍率を5.0倍以上にすると、フィルムの走行方向とは垂直な方向の熱収縮率が大きくなり過ぎて、製品とするときに、精密な寸法規定がある加工過程で不具合を招く場合がある。フィルムの走行方向とは垂直な方向のフィルムの延伸温度が112℃以上であると、フィルム延伸性が向上し、フィルム表面により均一な粒子を形成しやすくなる。
【0035】
上述した本発明のフィルム表面(A面)における光沢度や、SPc(2.5nm)を高くする方法として、フィルムをフィルムの走行方向とは垂直な方向に延伸する際の温度と、二軸延伸した後の熱処理温度と時間を制御する方法が挙げられる。フィルムの走行方向とは垂直な方向に延伸する際の延伸温度を112℃~150℃とすることが好ましく、より好ましくは114~140℃であり、さらに好ましくは124~134℃である。延伸温度が前述の範囲であると、樹脂の延伸性が向上し、樹脂内部の黒色顔料や粒子が良く均され、後述する熱処理工程で微小な突起が多量に形成されやすくなる。フィルムの走行方向とは垂直な方向に延伸する際の延伸温度が低すぎると、フィルムの延伸にムラが生じやすくなり、微細な突起が均一に多く形成することが難しくなる傾向があり、また延伸温度が高すぎると、フィルムの結晶化が進行し、微細な突起が多く形成することが難しくなるだけでなく、フィルム延伸時に破れが発生しやすくなり、製造安定性が悪化する傾向がある。
【0036】
本発明のフィルム製造方法においては、前述の温度範囲にてフィルムの走行方向とは垂直な方向に延伸して二軸延伸フィルムを得た後、二軸延伸フィルムを200℃以上で7秒以上熱処理することが好ましく、より好ましくは220℃以上で8秒以上である。熱処理温度と時間を前述の範囲とすることで、樹脂内部で均一に均された黒色顔料を起点として、微小な突起を多量にかつ均一に形成しやすくなる。フィルムの熱処理温度が200℃未満、また7秒未満であると、微小な突起を多量にかつ均一に形成しにくい傾向にある。より好ましくは、226℃以上245℃以下で、8秒以上25秒以下熱処理することである。
【0037】
本発明のフィルムは、高い遮光性を有しながらも、意匠外観と易滑性に優れているため、高品位で用途を選ばずに好適に遮光部材に用いることができる。
【実施例
【0038】
以下では実施例2、3を参考実施例2、3と読み替えるものとする。
[物性の測定法]
(1)厚み(μm)
日本ミクロトーム研究所製電動ミクロトームST-201を用いて断面切削したフィルムのスライス片を透過光顕微鏡で観察し、厚みを測定した。
【0039】
(2)光学濃度
光学濃度計は、XRite361T(日本平板機械製)を用い、試料に垂直透過光束を照射して、試料がない状態との比をlog(対数)で表したものを光学濃度とした。光学濃度6.0以上は測定の検出上限値である。
【0040】
(3)光沢度
JIS-Z-8741(1997年)に規定された方法に従って、スガ試験機製デジタル変角光沢度計UGV-5Dを用いて、フィルム両面(I面/II面)について60°鏡面光沢度を、それぞれフィルム幅方向に50mmおきに9点測定した。その平均値を光沢度とした。表には、I面/II面の光沢度のうち高い値を示した。
【0041】
(4)SPc
フィルムの表面を3次元表面粗さ計ET4000AK(小坂研究所社製)を用い、次の条件で触針法により測定を行った。なお、SPc(2.5nm)は、フィルム表面0.2mmあたりの2.5nmを超える突起高さを持つ表面突起個数、SPc(50.0nm)は、フィルム表面0.2mmあたりの50.0nmを超える突起高さを持つ表面突起個数をカウントしたものである。
針径 2μmR
針圧 10mg
測定長 500μm
縦倍率 20000倍
CUT OFF 250μm
測定速度 100μm/s
測定間隔 5μm
記録本数 80本
測定面積 0.2mm
【0042】
(5)フィルムの表面粗さ(SRa)
フィルムの表面を3次元表面粗さ計ET4000AK(小坂研究所社製)を用い、次の条件で触針法により測定を行った。なお、表面粗さ(SRa)(単位:nm)は、粗さ曲面の高さと粗さ曲面の中心面の高さの差をとり、その絶対値の平均値を表したものである。
針径 2μmR
針圧 10mg
測定長 500μm
縦倍率 20000倍
CUT OFF 250μm
測定速度 100μm/s
測定間隔 5μm
記録本数 80本
測定面積 0.2mm
【0043】
(6)L値
分光式色差計(日本電色工業製ZE-2000)を用いて、フィルムのL値を反射法により測定した。測定は、C光源、視野角2°、反射測定モード、試料測定径を28mmφにて測定した。標準合わせは、付属の標準白色板(上述の測定方法におけるX値、Y値、Z値が、93.11、95.11、112.05)を用いた。
【0044】
(7)黒色顔料含有量(重量%)
フィルム片5mgを、示差熱分析装置(TAインスツルメント製(型番Q5000IR)に設置し、空気中、2℃/分の昇温速度にて室温から1000℃まで昇温した。その時の550℃から900℃の間での重量減少(重量%)を黒色顔料の減量として解析した。
【0045】
(8)遮光性評価
暗室にて、スマートフォン(iphone6s Model:A1688)のカメラライトをフィルムに接触させ、ライトを接触させていない方からフィルムを見たときに、(2)の方法で測定される光学濃度とともに以下のように定義し、◎を合格とし、×を不合格とした。
光学濃度が6.0を超え、光が見えない場合:◎
光学濃度が6.0以下の場合:×。
【0046】
(9)外観意匠性評価
(3)で測定した光沢度により、フィルム表面外観の意匠性を以下のように定義し、◎、〇、△を合格とした。
光沢度が60%以上:◎
光沢度が53%以上60%未満:〇
光沢度が50%以上53%未満:△
光沢度が50%未満:×。
【0047】
[フィルムの製造]
(樹脂の製造方法)
1.ポリエチレンテレフタレート(PET)
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール57.5重量部、酢酸マグネシウム2水和物0.03重量部、三酸化アンチモン0 .03重量部を150℃、窒素雰囲気下で溶融した。この溶融物を撹拌しながら230℃まで3時間かけて昇温し、メタノールを留出させ、エステル交換反応を終了した。エステル交換反応終了後、リン酸0.005重量部をエチレングリコール0.5重量部に溶解したエチレングリコール溶液(pH5.0)を添加した。このときのポリエステル組成物の固有粘度は0.2未満であった。この後、重合反応を最終到達温度285℃、真空度0.1Torrで行い、固有粘度0.65、末端カルボキシル基量が34当量/トンのポリエチレンテレフタレートを得た。
【0048】
2.ポリエチレンテレフタレート-IPA共重合体1(PET/I)
ジカルボン酸成分として、テレフタル酸ジメチル82.5重量部とイソフタル酸ジメチル17.5重量部を用いた以外は前記1.項のポリエチレンテレフタレートと同様に重合を行い、イソフタル酸(IPA)が17.5mol%共重合されたポリエチレンテレフタレートを得た。
【0049】
3.CBマスターバッチ(CB-MB)
上記1.項によって得られたポリエチレンテレフタレート80重量%と、一次粒径18nmのファーネス法によって製造されたカーボンブラック(CB-1)20重量%を、ベントした280℃の押出機内で溶融混練し、CBマスターバッチ1を作製した。
【0050】
4.シリカマスターバッチ(Si-MB)
上記1.項によって得られたポリエチレンテレフタレート98.0重量%と、一次粒径2.6nmのシリカ粒子2.0重量%をベントした280℃の押出機内で溶融混練し、シリカ粒子マスターバッチを作製した。
【0051】
(実施例1)
原料ポリマーを、以下に示す配合比で混合し、以下の手順でフィルムとした。
・PET:61.5重量%
・PET/I:12重量%
・CB-MB:25重量%
・Si-MB:1.5重量%
上記原料チップを、回転式真空乾燥機を用いて100ppmの減圧下にて110℃で10時間乾燥した後、押出機に供給し280℃で溶融押出を行った。ステンレス鋼繊維を焼結圧縮した平均目開き27μmのフィルターで濾過した後、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度25℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化せしめた。この未延伸フィルムを予熱ロールにて76℃に予熱後、ラジエーションヒーターを用いて86℃まで加熱しつつロール間の周速差を利用して長手方向に3.2倍延伸し、引き続き冷却ロールにて25℃まで冷却し、一軸配向フィルムとした。この一軸配向フィルムの幅方向両端部をクリップで把持してオーブン中にて雰囲気温度120℃で予熱し、引き続き連続的に130℃の延伸ゾーンで幅方向に3.8倍延伸した。得られた二軸配向フィルムを引き続き230℃の加熱ゾーンで9秒間熱処理を実施後、230℃から155℃まで冷却しながら幅方向に向かい合うクリップの間隔を縮めることで7.1%の弛緩処理を施した。その後オーブンにて65℃まで冷却後フィルム幅方向両端部を把持しているクリップを離間することでオーブンからフィルムを取り出し、幅方向両端部を切断除去し、搬送ロールにて搬送後に巻き取り、フィルムの厚さが25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0052】
(実施例2~実施例5、比較例1~比較例5)
表1に記載すること以外は、実施例1と同様にして、二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0053】
【表1】