(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-20
(45)【発行日】2023-06-28
(54)【発明の名称】管理サーバ、電力管理システム、蓄電装置、及び充電スタンド
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/06 20120101AFI20230621BHJP
H02J 7/35 20060101ALI20230621BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20230621BHJP
H02J 3/00 20060101ALI20230621BHJP
【FI】
G06Q50/06
H02J7/35 K
H02J3/38 130
H02J3/38 160
H02J3/38 110
H02J3/00 180
(21)【出願番号】P 2019072456
(22)【出願日】2019-04-05
【審査請求日】2022-03-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】弁理士法人青海国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安達 香
(72)【発明者】
【氏名】古田 貴幸
(72)【発明者】
【氏名】吉村 尚秀
(72)【発明者】
【氏名】鹿野 達夫
(72)【発明者】
【氏名】福井 慎一
【審査官】鈴木 和樹
(56)【参考文献】
【文献】特許第5196387(JP,B1)
【文献】特表2012-508912(JP,A)
【文献】特開2001-078304(JP,A)
【文献】特開2003-085352(JP,A)
【文献】国際公開第2011/111768(WO,A1)
【文献】特開2012-014503(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
H02J 7/35
H02J 3/38
H02J 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力生成装置で生成されて電力系統に送出された電気エネルギーに対応する送出情報を取得する情報取得部と、
前記送出情報に基づいてエネルギー対価値を算出する対価演算部と、
算出された前記エネルギー対価値をユーザ管理情報と関連付けて記憶する記憶部と、
前記電力系統から前記ユーザ管理情報に含まれる電動車両に前記電気エネルギーが給電された場合、前記記憶部に記憶されている前記エネルギー対価値から、前記電動車両への給電量に基づいて算出された給電値を減算する給電演算部と、
前記ユーザ管理情報のステータス条件に応じて異なる付加値を、前記エネルギー対価値に付加する付加演算部と、
を備え
、
前記ステータス条件は、前記電動車両の総走行距離が所定距離以上である場合、同一メーカーにおける車両利用期間が所定期間以上である場合、および、貢献度が所定値以上である場合に設定される第1ステータス条件と、前記総走行距離が所定距離未満である場合、前記車両利用期間が所定期間未満である場合、および、前記貢献度が所定値未満である場合に設定される第2ステータス条件と、を含み、
前記付加演算部は、
前記第1ステータス条件の方が、前記第2ステータス条件よりも、前記付加値を大きく設定し、
前記第1ステータス条件と前記第2ステータス条件の両方の条件を満たしている場合、前記第1ステータス条件を優先する管理サーバ。
【請求項2】
前記付加演算部は、前記電力生成装置の電力生成条
件に応じて異なる付加値を、前記エネルギー対価値に付加す
る請求項1に記載の管理サーバ。
【請求項3】
前記電力生成条件は、前記電力生成装置が再生可能エネルギーに基づいて前記電気エネルギーを生成する第1電力生成条件と、前記電力生成装置が枯渇性エネルギーに基づいて前記電気エネルギーを生成する第2電力生成条件と、を含み、
前記付加演算部は、前記第1電力生成条件の方が、前記第2電力生成条件よりも、前記付加値を大きく設定する請求項2に記載の管理サーバ。
【請求項4】
電気エネルギーを生成する電力生成装置と、
前記電力生成装置によって生成された前記電気エネルギーを蓄電する蓄電装置と、
管理サーバと、
を含み、
前記蓄電装置は、蓄電された前記電気エネルギーに関する情報を前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、前記蓄電装置から送信された情報に基づいてエネルギー対価値を算出し、算出した前記エネルギー対価値をユーザ管理情報と関連付けて記憶し、電力系統から前記ユーザ管理情報に含まれる電動車両に電気エネルギーが給電された場合、前記記憶されている前記エネルギー対価値から、給電量に対応する給電値を減算
し、
前記管理サーバは、前記ユーザ管理情報のステータス条件に応じて異なる付加値を、前記エネルギー対価値に付加し、
前記ステータス条件は、前記電動車両の総走行距離が所定距離以上である場合、同一メーカーにおける車両利用期間が所定期間以上である場合、および、貢献度が所定値以上である場合に設定される第1ステータス条件と、前記総走行距離が所定距離未満である場合、前記車両利用期間が所定期間未満である場合、および、前記貢献度が所定値未満である場合に設定される第2ステータス条件と、を含み、
前記管理サーバは、
前記第1ステータス条件の方が、前記第2ステータス条件よりも、前記付加値を大きく設定し、
前記第1ステータス条件と前記第2ステータス条件の両方の条件を満たしている場合、前記第1ステータス条件を優先する電力管理システム。
【請求項5】
前記電力系統から供給された電気エネルギーを前記電動車両に供給する充電スタンドをさらに含み、
前記充電スタンドは、前記電動車両への給電を完了すると給電完了情報を生成し、生成した給電完了情報を前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、前記充電スタンドから送信された前記給電完了情報に基づいて前記記憶されている前記エネルギー対価値から、前記給電量に対応する前記給電値を減算する請求項
4に記載の電力管理システム。
【請求項6】
前記給電完了情報には、前記電動車両に給電された前記給電量に関する情報、および、情報媒体から取得したユーザに関する情報が含まれる請求項
5に記載の電力管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理サーバ、電力管理システム、蓄電装置、及び充電スタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ユーザが管理している蓄電装置に蓄電された電気エネルギーを売電可能な管理サーバについて開示がある。ユーザは、売電した電気エネルギーに相当する対価を請求する債権を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ユーザは、例えば、電力会社に対し債権を請求しないと、売電した電気エネルギーに相当する対価を利用することができず、利便性に優れなかった。
【0005】
本発明は、ユーザの利便性を向上させることが可能な管理サーバ、電力管理システム、蓄電装置、及び充電スタンドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一側面としての管理サーバは、電力生成装置で生成されて電力系統に送出された電気エネルギーに対応する送出情報を取得する情報取得部と、送出情報に基づいてエネルギー対価値を算出する対価演算部と、算出されたエネルギー対価値をユーザ管理情報と関連付けて記憶する記憶部と、電力系統からユーザ管理情報に含まれる電動車両に電気エネルギーが給電された場合、記憶部に記憶されているエネルギー対価値から、電動車両への給電量に基づいて算出された給電値を減算する給電演算部と、ユーザ管理情報のステータス条件に応じて異なる付加値を、エネルギー対価値に付加する付加演算部と、を備え、ステータス条件は、電動車両の総走行距離が所定距離以上である場合、同一メーカーにおける車両利用期間が所定期間以上である場合、および、貢献度が所定値以上である場合に設定される第1ステータス条件と、総走行距離が所定距離未満である場合、車両利用期間が所定期間未満である場合、および、貢献度が所定値未満である場合に設定される第2ステータス条件と、を含み、付加演算部は、第1ステータス条件の方が、第2ステータス条件よりも、付加値を大きく設定し、第1ステータス条件と第2ステータス条件の両方の条件を満たしている場合、第1ステータス条件を優先する。
【0007】
付加演算部は、電力生成装置の電力生成条件に応じて異なる付加値を、エネルギー対価値に付加してもよい。
【0008】
電力生成条件は、電力生成装置が再生可能エネルギーに基づいて電気エネルギーを生成する第1電力生成条件と、電力生成装置が枯渇性エネルギーに基づいて電気エネルギーを生成する第2電力生成条件と、を含み、付加演算部は、第1電力生成条件の方が、第2電力生成条件よりも、付加値を大きく設定してもよい。
【0009】
ステータス条件は、電動車両の総走行距離が所定距離以上である場合に設定される第1ステータス条件と、総走行距離が所定距離未満である場合に設定される第2ステータス条件と、を含み、付加演算部は、第1ステータス条件の方が、第2ステータス条件よりも、付加値を大きく設定してもよい。
【0010】
ステータス条件は、同一メーカーにおける車両利用期間が所定期間以上である場合に設定される第1ステータス条件と、車両利用期間が所定期間未満である場合に設定される第2ステータス条件と、を含み、付加演算部は、第1ステータス条件の方が、第2ステータス条件よりも、付加値を大きく設定してもよい。
【0011】
ステータス条件は、貢献度が所定値以上である場合に設定される第1ステータス条件と、貢献度が所定値未満である場合に設定される第2ステータス条件と、を含み、付加演算部は、第1ステータス条件の方が、第2ステータス条件よりも、付加値を大きく設定してもよい。
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の他の側面としての電力管理システムは、電気エネルギーを生成する電力生成装置と、電力生成装置によって生成された電気エネルギーを蓄電する蓄電装置と、管理サーバと、を含み、蓄電装置は、蓄電された電気エネルギーに関する情報を管理サーバに送信し、管理サーバは、蓄電装置から送信された情報に基づいてエネルギー対価値を算出し、算出したエネルギー対価値をユーザ管理情報と関連付けて記憶し、電力系統からユーザ管理情報に含まれる電動車両に電気エネルギーが給電された場合、記憶されているエネルギー対価値から、給電量に対応する給電値を減算し、管理サーバは、ユーザ管理情報のステータス条件に応じて異なる付加値を、エネルギー対価値に付加し、ステータス条件は、電動車両の総走行距離が所定距離以上である場合、同一メーカーにおける車両利用期間が所定期間以上である場合、および、貢献度が所定値以上である場合に設定される第1ステータス条件と、総走行距離が所定距離未満である場合、車両利用期間が所定期間未満である場合、および、貢献度が所定値未満である場合に設定される第2ステータス条件と、を含み、管理サーバは、第1ステータス条件の方が、第2ステータス条件よりも、付加値を大きく設定し、第1ステータス条件と第2ステータス条件の両方の条件を満たしている場合、第1ステータス条件を優先する。
【0013】
電力系統から供給された電気エネルギーを電動車両に供給する充電スタンドをさらに含み、充電スタンドは、電動車両への給電を完了すると給電完了情報を生成し、生成した給電完了情報を管理サーバに送信し、管理サーバは、充電スタンドから送信された給電完了情報に基づいて記憶されているエネルギー対価値から、給電量に対応する給電値を減算してもよい。
【0014】
給電完了情報には、電動車両に給電された給電量に関する情報、および、情報媒体から取得したユーザに関する情報が含まれていてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、エネルギー管理システム(電力管理システム)の構成を説明するための図である。
【
図2】
図2は、蓄電装置の構成を示す概略ブロック図である。
【
図3】
図3は、管理サーバの構成を示す概略ブロック図である。
【
図4】
図4は、情報端末の構成を示す概略ブロック図である。
【
図5】
図5は、本実施形態のエネルギー管理システムにおける処理の流れを説明するための図である。
【
図6】
図6は、算出処理の流れを説明するフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0020】
図1は、エネルギー管理システム(電力管理システム)1の構成を説明するための図である。
図1では、電力の流れを実線矢印で示し、信号の流れを破線矢印で示す。
図1に示すように、エネルギー管理システム1は、電力生成装置10と、蓄電装置20と、電力系統30と、充電スタンド40と、電動車両50と、情報端末60と、通信基地局70aを有する通信網70と、管理サーバ100とを含んで構成される。
【0021】
電力生成装置10は、ユーザにより管理され、例えば、ユーザ宅UHに設けられる。電力生成装置10は、第1電力生成部10aと、第2電力生成部10bと、を含んで構成される。本実施形態では、電力生成装置10は、第1電力生成部10aおよび第2電力生成部10bで構成される例について説明するが、これに限定されず、電力生成装置10は、第1電力生成部10aおよび第2電力生成部10bのいずれか一方のみで構成されてもよい。つまり、電力生成装置10は、第1電力生成部10aのみで構成されてもよいし、第2電力生成部10bのみで構成されてもよい。
【0022】
第1電力生成部10aは、例えば、太陽光発電、風力発電、水力発電等の再生可能エネルギーに基づいて電気エネルギーを生成する。第2電力生成部10bは、例えば、石油、石炭、天然ガス等の枯渇性エネルギーに基づいて電気エネルギーを生成する。このように、電力生成装置10は、電気エネルギーを生成することができる。
【0023】
蓄電装置20は、ユーザにより管理され、例えば、ユーザ宅UHに設けられる。蓄電装置20は、第1電力生成部10aおよび第2電力生成部10bにより生成された電気エネルギーを蓄電する。
【0024】
電力系統30は、ユーザ宅UH(蓄電装置20)および充電スタンド40に電気エネルギーを供給する。また、電力系統30は、後述するように蓄電装置20から電気エネルギーが供給される。
【0025】
充電スタンド40は、例えば、充電ステーションCSに設けられる。本実施形態では、充電ステーションCSは、ユーザ宅UHから離隔した離隔地に配される。充電スタンド40は、給電部42と、情報取得部44と、情報生成部46と、情報送信部48とを含んで構成される。
【0026】
給電部42は、充電ケーブル42aを備える。給電部42は、充電ケーブル42aを介して電動車両50に接続されることで、電動車両50と電気的に接続される。ただし、これに限定されず、給電部42は、電動車両50と非接触で電気的に接続されてもよい。給電部42は、電力系統30から供給される電気エネルギーを電動車両50に供給(給電)する。
【0027】
情報取得部44は、ユーザのクレジットカードや会員カード等の情報媒体を読み込み、情報媒体からユーザに関する情報(個人情報)を取得する。また、情報取得部44は、電動車両50と電気的に接続された際に、電動車両50に関する情報を取得する。情報生成部46は、給電部42による給電が完了した場合に、後述する給電完了情報を生成する。情報送信部48は、情報取得部44によって取得された情報および情報生成部46によって生成された情報を管理サーバ100に送信する。
【0028】
電動車両50は、少なくとも走行モータを備え、電気エネルギーにより走行可能な車両である。本実施形態では、電動車両50は、不図示のエンジン、および、走行モータを動力源として走行するハイブリッド自動車で構成される。ただし、電動車両50は、走行モータのみで走行する電気自動車であってもよい。なお、電動車両50は、本実施形態ではユーザの所有物である。
【0029】
情報端末60は、通信基地局70aおよび通信網70を介して管理サーバ100との通信を確立することができ、専用の画像を表示可能な電子機器を広く含む。情報端末60としては、例えば、スマートフォン、携帯電話、パーソナルコンピュータ、専用端末、さらには、ナビゲーションシステムを有する車両情報端末等が挙げられる。本実施形態では、情報端末60として、スマートフォンが用いられる場合について説明する。なお、情報端末60は、本実施形態ではユーザの所有物である。
【0030】
通信基地局70aは、通信網70と接続され、情報端末60と無線により情報の送受信を行う。通信基地局70aは、情報端末60から無線により送信された情報を、通信網70を介して管理サーバ100に送信する。また、通信基地局70aは、管理サーバ100で生成された情報を情報端末60に送信する。通信網70は、携帯電話網、インターネット、LAN(Local Area Network)、専用回線等で構成され、通信基地局70aを介して情報端末60と管理サーバ100との通信を接続する。
【0031】
管理サーバ100は、ユーザに関するさまざまな情報(以下、ユーザ管理情報という)を管理する。管理サーバ100は、蓄電装置20および充電スタンド40から入力された情報を管理する。詳しくは後述するが、管理サーバ100は、蓄電装置20および充電スタンド40から入力された情報に基づいて、ユーザ管理情報を更新制御する。
【0032】
図2は、蓄電装置20の構成を示す概略ブロック図である。
図2に示すように、蓄電装置20は、蓄電通信部21と、蓄電記憶部23と、蓄電制御部25とを備える。
【0033】
蓄電通信部21は、管理サーバ100への情報の出力、および、管理サーバ100からの情報の入力に係る処理を行う。
【0034】
蓄電記憶部23は、蓄電装置20に蓄電された電気エネルギーに関する情報を記憶する。例えば、蓄電記憶部23は、第1電力生成部10aおよび第2電力生成部10bにより生成された電気エネルギーに関する情報(生成元となる動力の種類、電力量等)を記憶する。具体的に、蓄電記憶部23は、電気エネルギーの生成元となる動力の種類(例えば、太陽光や石油等)、および、生成した電力量に関する情報を記憶する。
【0035】
蓄電制御部25は、蓄電装置20の全体を制御し、蓄電装置20に蓄電された電気エネルギーを外部に出力する際の制御、および、外部から蓄電装置20に電気エネルギーを入力する際の制御に係る処理を行う。蓄電制御部25は、電力測定部25aと、送受電制御部25bとして機能する。
【0036】
電力測定部25aは、外部から蓄電装置20に入力された電気エネルギー(電力量)を測定する。例えば、電力測定部25aは、第1電力生成部10aおよび第2電力生成部10bから蓄電装置20に入力された電気エネルギー(電力量)を測定する。このとき、電力測定部25aは、蓄電装置20に入力された電気エネルギーに関する情報(以下、入力情報という)を生成する。つまり、電力測定部25aは、電力生成装置10によって生成された電気エネルギーに関する情報(生成元となる動力の種類、電力量等)を生成する電力情報生成部として機能する。具体的に、電力測定部25aは、入力された電気エネルギーが、例えば、太陽光発電により生成された電気エネルギーである場合、生成元となる動力の種類に関する情報(すなわち、太陽光)、および、生成した電力量に関する情報(例えば、100Wh)を入力情報として生成する。
【0037】
また、電力測定部25aは、蓄電装置20が蓄電する電気エネルギーに関する情報(以下、蓄電情報という)を生成する。例えば、電力測定部25aは、蓄電装置20に蓄電される蓄電量(電力量)を測定し、蓄電量に関する情報を蓄電情報として生成する。
【0038】
また、電力測定部25aは、蓄電装置20から外部に送出した電気エネルギー(電力量)を測定する。例えば、電力測定部25aは、蓄電装置20から電力系統30に送出した電気エネルギー(電力量)を測定する。このとき、電力測定部25aは、電力系統30に送出した電気エネルギーに対応する情報(以下、送出情報という)を生成する。具体的に、電力測定部25aは、電力系統30に送出した電気エネルギーの生成元となる動力の種類に関する情報(例えば、太陽光)、および、送出した電力量に関する情報(例えば、100Wh)を送出情報として生成する。
【0039】
送受電制御部25bは、電力測定部25aにより生成された電気エネルギーに関する情報(すなわち、入力情報、蓄電情報、送出情報)に基づいて、蓄電装置20から外部(電力系統30)に出力する電気エネルギーの出力量を制御する。このように、送受電制御部25bは、蓄電装置20から外部(電力系統30)に出力する電気エネルギーの出力量を制御する出力制御部として機能する。
【0040】
また、送受電制御部25bは、電力測定部25aにより生成された電気エネルギーに関する情報(すなわち、入力情報、蓄電情報、送出情報)を、蓄電記憶部23に記憶させると同時に管理サーバ100に出力する。このように、送受電制御部25bは、電力測定部25aにより生成された電気エネルギーに関する情報(入力情報、蓄電情報、送出情報)を制御する情報制御部として機能する。
【0041】
図3は、管理サーバ100の構成を示す概略ブロック図である。
図3に示すように、管理サーバ100は、サーバ通信部101と、サーバ記憶部103と、サーバ制御部105とを備える。
【0042】
サーバ通信部101は、蓄電装置20と、充電スタンド40と、情報端末60への情報の出力、および、蓄電装置20と、充電スタンド40と、情報端末60からの情報の入力に係る処理を行う。
【0043】
サーバ記憶部103には、各ユーザのユーザ管理情報が記憶される。ユーザ管理情報は、例えば、ユーザ自身(個人)に関する情報、ユーザが所有(管理)する電力生成装置10に関する情報、ユーザが所有(管理)する蓄電装置20に関する情報、ユーザが所有(管理)する車両(電動車両50)に関する情報、ユーザが所有(管理)する情報端末60に関する情報、ユーザの世帯に関する情報など、さまざまな情報が含まれる。ユーザ自身に関する情報は、ユーザの個人情報、ユーザが保有するポイント保有値に関する情報、ユーザのステータス情報(ステータス条件)、ユーザの貢献度に関する情報などが含まれる。
【0044】
サーバ記憶部103は、蓄電装置20、充電スタンド40、情報端末60から取得した情報を、ユーザ管理情報と関連付けて記憶する。例えば、サーバ記憶部103は、第1電力生成部10aおよび第2電力生成部10bにより生成された電気エネルギーに関する情報(生成元となる動力の種類、電力量等)、および、蓄電装置20に蓄電される電力量を、ユーザ管理情報と関連付けて記憶する。また、サーバ記憶部103は、後述するように、サーバ制御部105で算出された情報をユーザ管理情報と関連付けて記憶する。
【0045】
サーバ制御部105は、管理サーバ100の全体を制御し、後述するように、ユーザ管理情報の更新制御を行う。サーバ制御部105は、情報取得部105aと、対価演算部105bと、給電演算部105cと、付加演算部105dとして機能する。
【0046】
情報取得部105aは、蓄電装置20から出力された情報(すなわち、電気エネルギーに関する情報(入力情報、蓄電情報、送出情報))、および、充電スタンド40から出力された情報(後述するユーザの個人情報、給電完了情報等)を取得する。
【0047】
対価演算部105bは、蓄電装置20から出力された情報に基づいて、エネルギー対価値を算出する。具体的に、対価演算部105bは、情報取得部105aにより取得された入力情報に基づいて、電力生成装置10から蓄電装置20に入力された電気エネルギーに相当するエネルギー対価値を算出する。また、対価演算部105bは、情報取得部105aにより取得された蓄電情報に基づいて、蓄電装置20に蓄電された電気エネルギーに相当するエネルギー対価値を算出する。また、対価演算部105bは、情報取得部105aにより取得された送出情報に基づいて、蓄電装置20から電力系統30に送出した電気エネルギーに相当するエネルギー対価値を算出する。対価演算部105bは、算出したエネルギー対価値を、ユーザ管理情報と関連付けてサーバ記憶部103に記憶させる。
【0048】
給電演算部105cは、情報取得部105aにより取得された給電完了情報に基づいて、電力系統30から電動車両50に電気エネルギーを給電した場合、サーバ記憶部103に記憶されているエネルギー対価値から、給電量に対応する給電値を減算する。
【0049】
付加演算部105dは、サーバ記憶部103に記憶されているエネルギー対価値に付加値を付加する。この付加値は、詳細については後述するが、電力生成装置10の電力生成条件、または、ユーザのステータス条件(ステータス情報)に応じて異なる値が設定される。
【0050】
図4は、情報端末60の構成を示す概略ブロック図である。
図4に示すように、情報端末60は、端末表示部61と、端末操作部63と、端末通信部65と、端末記憶部67と、端末制御部69とを備える。
【0051】
端末表示部61は、液晶ディスプレイで構成され、端末制御部69の制御によってさまざまな画像が表示される。
【0052】
端末操作部63は、情報端末60の操作を受け付けるものであり、ボタンや端末表示部61に設けられるタッチパネル、あるいはこれらの組み合わせで構成される。ここでは、端末操作部63がタッチパネルで構成される場合について説明する。ただし、端末操作部63は、ユーザの操作を受け付けることができれば、その構成は特に限定されるものではない。
【0053】
端末通信部65は、通信基地局70aへの情報の出力、および、通信基地局70aからの情報の入力に係る処理を行う。
【0054】
端末記憶部67は、端末操作部63により操作(入力)された情報、および、管理サーバ100から出力された情報を記憶する。
【0055】
端末制御部69は、情報端末60の全体を制御し、ユーザの入力指示に応じて管理サーバ100に指示情報を送信する。端末制御部69は、情報取得部69aと、表示制御部69bと、入力制御部69cとして機能する。
【0056】
情報取得部69aは、管理サーバ100から出力された情報を取得し、端末記憶部67に記憶させる。
【0057】
表示制御部69bは、端末表示部61における画像の表示制御を行う。
【0058】
入力制御部69cは、ユーザが端末操作部63を操作した際に、ユーザの入力指示に応じて指示情報を生成し、生成した指示情報を管理サーバ100に送信する。
【0059】
以下、エネルギー管理システム1における具体的な処理の流れについて説明する。
図5は、本実施形態のエネルギー管理システム1における処理の流れを説明するための図である。ここでは、ユーザがユーザ宅UHから電動車両50に乗り、充電ステーションCSまで移動しているものとする。
【0060】
蓄電装置20は、蓄電記憶部23に記憶される情報を参照し、蓄電装置20に蓄電された電気エネルギーが所定量以上であるか否か判定する。ここで、所定量は、予め設定されている任意の値でもよいし、ユーザにより設定された任意の値でもよい。
【0061】
蓄電装置20は、蓄電された電気エネルギーが所定量未満である場合、蓄電装置20に電気エネルギーを蓄電する蓄電処理を行う。一方、蓄電装置20は、蓄電された電気エネルギーが所定量以上である場合、蓄電した電気エネルギーを電力系統30に送出する売電処理(送電処理)を実行する(ステップS101)。
【0062】
このとき、電力測定部25aは、蓄電装置20から電力系統30に送出する電気エネルギー(電力量)を測定する。また、電力測定部25aは、電力系統30に送出した電気エネルギーの生成元となる動力の種類に関する情報(例えば、太陽光)、および、送出した電力量に関する情報(例えば、100Wh)を送出情報として生成する。
【0063】
送受電制御部25bは、蓄電装置20に蓄電された電気エネルギーが所定量未満になると、売電完了情報を生成し、生成した売電完了情報を管理サーバ100に送信する。ここで、売電完了情報には、電力測定部25aにより生成された送出情報が含まれる。
【0064】
充電スタンド40は、ユーザによる操作(給電指示)を受け、電力系統30から供給される電気エネルギーを用いて、電動車両50に給電する給電処理を実行する(ステップS103)。このとき、ユーザは、充電スタンド40に対し、クレジットカードや会員カード等の情報媒体を読み込ませ、充電スタンド40は、情報媒体からユーザに関する情報(個人情報)と、電動車両50に関する情報とを取得する。
【0065】
充電スタンド40は、ユーザからの給電指示に含まれる電力量(給電量)だけ電動車両50に給電すると(すなわち、電動車両50への給電が完了すると)、給電完了情報を生成し、生成した給電完了情報を管理サーバ100に送信する。ここで、給電完了情報には、電動車両50に関する情報、電動車両50に給電された給電量に関する情報(給電情報)、および、情報媒体から取得したユーザに関する情報(個人情報)が含まれる。なお、給電完了情報において、給電情報は、ユーザに関する情報(個人情報)と関連付けられている。
【0066】
管理サーバ100は、蓄電装置20から売電完了情報、および、充電スタンド40から給電完了情報を受信すると、売電完了情報および給電完了情報をサーバ記憶部103に記憶し、以下で説明する算出処理を実行する(ステップS105)。
【0067】
図6は、算出処理の流れを説明するフローチャート図である。
図6に示すように、まず、情報取得部105aは、サーバ記憶部103に記憶された送出情報を取得する(ステップS201)。送出情報は、上述したように、蓄電装置20から電力系統30に送出した電気エネルギーの生成元となる動力の種類に関する情報、および、送出した電力量に関する情報を含んでいる。
【0068】
対価演算部105bは、送出情報に基づいて、電力系統30に送電した電気エネルギーに相当するエネルギー対価値(ポイント値)を算出する(ステップS203)。ここで、エネルギー対価値は、電力系統30に送電した電力量(kWh)を用いて算出可能である。本実施形態では、例えば、エネルギー対価値は、電力量「1kWh」に対し、「1ポイント」として設定され、電力系統30に送電した電力量が「100kWh」である場合、エネルギー対価値は「100ポイント」として算出される。
【0069】
対価演算部105bは、エネルギー対価値を算出すると、算出したエネルギー対価値に関する情報をサーバ記憶部103に記憶させる。このとき、対価演算部105bは、算出したエネルギー対価値をユーザ管理情報に関連付けて記憶させる。
【0070】
なお、エネルギー対価値は、ユーザが保有するポイント保有値と同質のものであり、ポイント保有値に対し加算または減算することができる。したがって、対価演算部105bは、算出したエネルギー対価値をユーザ管理情報と関連付けてサーバ記憶部103に記憶させる際に、ユーザが保有するポイント保有値にエネルギー対価値を加算してサーバ記憶部103に記憶させてもよい。
【0071】
付加演算部105dは、サーバ記憶部103に記憶された送出情報、あるいは、ユーザ管理情報に基づいて、付加値を設定する(ステップS205)。具体的に、付加演算部105dは、送出情報に含まれる、電力系統30に送出した電気エネルギーの生成元となる動力の種類に関する情報に基づいて、付加値を設定する。ここで、付加演算部105dは、電気エネルギーの生成元となる動力の種類(電力生成条件)に応じて異なる付加値を設定する。
【0072】
例えば、付加演算部105dは、電気エネルギーの生成元となる動力の種類が再生可能エネルギー(例えば、太陽光、風力、水力等)である場合、「第1電力生成条件」により電気エネルギーが生成されたと判定する。また、付加演算部105dは、電気エネルギーの生成元となる動力の種類が枯渇性エネルギー(例えば、石油、石炭、天然ガス等)である場合、「第2電力生成条件」により電気エネルギーが生成されたと判定する。
【0073】
ここで、付加演算部105dは、「第1電力生成条件」の方が、「第2電力生成条件」よりも、付加値を大きく設定する。例えば、付加演算部105dは、電力生成装置10の電力生成条件が「第1電力生成条件」である場合、付加値として「10ポイント」を設定し、「第2電力生成条件」である場合、付加値として「0ポイント」を設定する。つまり、付加演算部105dは、電気エネルギーを生成する際に排出される有害物質の排出量が少ないクリーンなエネルギーほど、付加値として大きい値を設定する。
【0074】
上記では、付加演算部105dが電力生成条件に応じて異なる付加値を設定する例について説明したが、これに限定されず、付加演算部105dは、ユーザ管理情報のステータス条件(ステータス情報)に応じて異なる付加値を設定してもよい。具体的に、付加演算部105dは、ユーザが所有する車両(電動車両50)の総走行距離に基づいて、異なる付加値を設定してもよい。
【0075】
例えば、付加演算部105dは、車両の総走行距離が所定距離以上(例えば、10万km以上)である場合、ユーザが「第1ステータス条件」を満たしていると判定する。また、付加演算部105dは、車両の総走行距離が所定距離未満(例えば、10万km未満)である場合、ユーザが「第2ステータス条件」を満たしていると判定する。
【0076】
ここで、付加演算部105dは、「第1ステータス条件」の方が、「第2ステータス条件」よりも、付加値を大きく設定する。例えば、付加演算部105dは、ユーザが「第1ステータス条件」を満たしている場合、付加値として「10ポイント」を設定し、ユーザが「第2ステータス条件」を満たしている場合、付加値として「0ポイント」を設定する。つまり、付加演算部105dは、ユーザの総走行距離が大きくなるほど、付加値として大きい値を設定する。
【0077】
他の例では、付加演算部105dは、同一メーカーにおける車両利用期間に基づいて、異なる付加値を設定してもよい。例えば、付加演算部105dは、車両利用期間が所定期間以上(例えば、10年以上)である場合、ユーザが「第1ステータス条件」を満たしていると判定する。また、付加演算部105dは、車両利用期間が所定期間未満(例えば、10年未満)である場合、ユーザが「第2ステータス条件」を満たしていると判定する。
【0078】
ここで、付加演算部105dは、「第1ステータス条件」の方が、「第2ステータス条件」よりも、付加値を大きく設定する。例えば、付加演算部105dは、ユーザが「第1ステータス条件」を満たしている場合、付加値として「10ポイント」を設定し、ユーザが「第2ステータス条件」を満たしている場合、付加値として「0ポイント」を設定する。つまり、付加演算部105dは、ユーザの同一メーカーにおける車両利用期間が長くなるほど、付加値として大きい値を設定する。
【0079】
他の例では、付加演算部105dは、ユーザの貢献度に基づいて、異なる付加値を設定してもよい。例えば、付加演算部105dは、ユーザの貢献度が所定値以上である場合、ユーザが「第1ステータス条件」を満たしていると判定する。また、付加演算部105dは、ユーザの貢献度が所定値未満である場合、ユーザが「第2ステータス条件」を満たしていると判定する。この貢献度は、ユーザの行動に応じて変動する値である。例えば、貢献度は、メーカーが実施するアンケートにユーザが回答することや、実験に協力すること、または他のユーザを援助したことで上昇する。
【0080】
付加演算部105dは、「第1ステータス条件」の方が、「第2ステータス条件」よりも、付加値を大きく設定する。例えば、付加演算部105dは、ユーザが「第1ステータス条件」を満たしている場合、付加値として「10ポイント」を設定し、ユーザが「第2ステータス条件」を満たしている場合、付加値として「0ポイント」を設定する。つまり、付加演算部105dは、ユーザの貢献度が大きいほど、付加値として大きい値を設定する。
【0081】
なお、付加演算部105dは、ユーザが「第1ステータス条件」と「第2ステータス条件」の両方の条件を満たしている場合、「第1ステータス条件」を優先するように判定する。例えば、ユーザが所有する車両の総走行距離が15万km(すなわち、10万km以上)であり、同一メーカーにおける車両利用期間が5年(すなわち、10年未満)である場合、付加演算部105dは、ユーザが「第1ステータス条件」を満たしているものと判定する。
【0082】
上述したように、付加値が設定されると、付加演算部105dは、サーバ記憶部103からエネルギー対価値を読み込む。付加演算部105dは、読み込んだエネルギー対価値に対し、設定した付加値を付加(加算)して、付加値を付加したエネルギー対価値をサーバ記憶部103に記憶させる。このとき、付加演算部105dは、付加値を付加したエネルギー対価値をユーザ管理情報に関連付けて記憶させる。なお、付加演算部105dは、エネルギー対価値をサーバ記憶部103に記憶させる際に、ユーザが保有するポイント保有値にエネルギー対価値および付加値を加算してサーバ記憶部103に記憶させてもよい。
【0083】
給電演算部105cは、サーバ記憶部103から給電完了情報(給電情報)およびエネルギー対価値を読み込む。給電演算部105cは、読み込んだ給電情報に基づいて、充電スタンド40(電力系統30)からユーザ管理情報に含まれる電動車両50に電気エネルギーが給電された給電量に対応する給電値を算出する。
【0084】
給電演算部105cは、読み込んだエネルギー対価値に対し、電動車両50への給電量に基づいて算出された給電値を減算する(ステップS207)。給電演算部105cは、給電値を減算したエネルギー対価値をサーバ記憶部103に記憶させる。このとき、給電演算部105cは、給電値を減算したエネルギー対価値をユーザ管理情報に関連付けて記憶させる。なお、給電演算部105cは、エネルギー対価値をサーバ記憶部103に記憶させる際に、ユーザが保有するポイント保有値に減算されたエネルギー対価値を加算してサーバ記憶部103に記憶させてもよい。
【0085】
図5に戻り、管理サーバ100は、算出処理が終了すると、ユーザ更新情報を生成し、生成したユーザ更新情報を情報端末60に送信する。このユーザ更新情報は、サーバ制御部105により更新されたユーザ管理情報である。したがって、ユーザ更新情報には、サーバ制御部105で算出された情報、例えば、エネルギー対価値、付加値、給電値、ユーザの更新されたポイント保有値(すなわち、エネルギー対価値に付加値が加算された、あるいは、給電値が減算されたポイント保有値)等の情報が含まれる。
【0086】
情報端末60は、管理サーバ100からユーザ更新情報を受信すると、端末表示部61にユーザ更新情報を表示させる。
【0087】
本実施形態によれば、管理サーバ100は、売電した電気エネルギーに対応するエネルギー対価値を算出する対価演算部105bを備えている。また、算出したエネルギー対価値に対し、給電量に対応する給電値を減算する給電演算部105cを備えている。そのため、売電した電気エネルギーに相当する対価をリアルタイムで利用することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0088】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0089】
例えば、コンピュータを管理サーバ100として機能させるプログラムや、当該プログラムを記録した、コンピュータで読み取り可能なフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD、DVD、BD等の記憶媒体も提供可能である。
【0090】
上記実施形態では、管理サーバ100が付加演算部105dを備える例について説明した。しかし、付加演算部105dは、管理サーバ100に必須の構成ではなく、管理サーバ100は付加演算部105dを備えていなくてもよい。
【0091】
上記実施形態では、対価演算部105bが電力系統30に送電した電気エネルギーに基づいてエネルギー対価値を算出する例について説明した。しかし、これに限定されず、対価演算部105bは、例えば、電力生成装置10から蓄電装置20に入力される電気エネルギーに基づいてエネルギー対価値を算出してもよいし、蓄電装置20に蓄電される電気エネルギーに基づいてエネルギー対価値を算出してもよい。その場合、給電演算部105cは、蓄電装置20に入力される電気エネルギーや蓄電される電気エネルギーに基づいて算出されたエネルギー対価値に対し、給電値を減算してもよい。
【0092】
上記実施形態では、付加演算部105dがサーバ記憶部103に記憶された送出情報に基づいて付加値を設定する例について説明した。しかし、これに限定されず、付加演算部105dは、例えば、サーバ記憶部103に記憶された入力情報や蓄電情報に基づいて付加値を設定してもよい。
【符号の説明】
【0093】
10 電力生成装置
30 電力系統
50 電動車両
100 管理サーバ
103 サーバ記憶部
105a 情報取得部
105b 対価演算部
105c 給電演算部
105d 付加演算部