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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-20
(45)【発行日】2023-06-28
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 29/00 20060101AFI20230621BHJP
   F25D 23/00 20060101ALI20230621BHJP
   F25D 27/00 20060101ALI20230621BHJP
【FI】
F25D29/00 Z
F25D23/00 301G
F25D23/00 301Q
F25D27/00
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020072267
(22)【出願日】2020-04-14
(62)【分割の表示】P 2017232607の分割
【原出願日】2012-08-22
(65)【公開番号】P2020112349
(43)【公開日】2020-07-27
【審査請求日】2020-04-14
【審判番号】
【審判請求日】2022-07-01
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】金子 尚太
(72)【発明者】
【氏名】薮上 裕也
【合議体】
【審判長】平城 俊雅
【審判官】槙原 進
【審判官】西村 泰英
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-20743(JP,A)
【文献】特開2010-230225(JP,A)
【文献】国際公開第2010/095733(WO,A1)
【文献】特開2009-117223(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 1/00 - 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に開口部を有する本体と、
前記開口部を開閉する扉と、
前記扉の前面に設けられている表示領域内において冷蔵庫の機能に関する表示を行う複数の表示部と、
前記扉の前面に設けられている操作領域内において操作を受け付ける複数の操作部と、
を備え、
前記表示部は、後方から照明することで表示する表示部であり、
前記操作部として、透明電極を用いて前記扉の前面への接触を検知することで操作可能であるとともに、後方から照明することで操作を受け付ける部分を表示する複数の第1形式の操作部と、常時表示されている第2形式の操作部と、を有し、
前記表示部の光源と前記操作部の光源とが同じ回路基板に設けられており、
前記第2形式の操作部が操作されると、前記第1形式の操作部が点灯状態となるとともに、
前記第2形式の操作部は、前記第1形式の操作部に囲まれておらず、前記第1形式の操作部が点灯状態となった後においても表示されており、
前記表示領域内の複数の前記表示部は、前記操作領域内の複数の前記第1形式の操作部とそれぞれ対をなす位置に配置されており、且つ、前記表示領域内の前記表示部は、いずれも、当該表示部と対をなす前記第1形式の操作部との間に別の操作部および別の表示部を介在することなく配置されている冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫においては、本体の前面開口部を開閉する扉の前面に、モード等を設定する複数の操作部と、モード等を表示する複数の表示部を備えた操作パネルが設けられていて、操作部を操作することに基づき、それに対応する表示部の裏側に設けられた光源(例えばLED)が点灯することで、設定状態を表示する構成となっているのが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-78086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した構成のものでは、操作パネルの操作部を見ても操作が可能か否かがわからない。
そこで、操作部の操作が可能か否かをわかりやすくすることができる冷蔵庫を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態の冷蔵庫は、前面に開口部を有する本体と、前記開口部を開閉する扉と、前記扉の前面に設けられている表示領域内において冷蔵庫の機能に関する表示を行う複数の表示部と、前記扉の前面に設けられている操作領域内において操作を受け付ける複数の操作部と、を備える。前記表示部は、後方から照明することで表示する表示部であり、前記操作部として、透明電極を用いて前記扉の前面への接触を検知することで操作可能であるとともに、後方から照明することで操作を受け付ける部分を表示する複数の第1形式の操作部と、常時表示されている第2形式の操作部と、を有し、前記表示部の光源と前記操作部の光源とが同じ回路基板に設けられており、前記第2形式の操作部が操作されると、前記第1形式の操作部が点灯状態となるとともに、前記第2形式の操作部は、前記第1形式の操作部に囲まれておらず、前記第1形式の操作部が点灯状態となった後においても表示されており、前記表示領域内の複数の前記表示部は、前記操作領域内の複数の前記第1形式の操作部とそれぞれ対をなす位置に配置されており、且つ、前記表示領域内の前記表示部は、いずれも、当該表示部と対をなす前記第1形式の操作部との間に別の操作部および別の表示部を介在することなく配置されていることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】一実施形態の冷蔵庫を示す全体の正面図
図2】操作表示装置部分を正面から見た図で、(a)は待機モードの状態を示す図、(b)は操作可能モードで、かつ表示部をすべて表示した状態を示す図
図3】扉の収容部に操作パネルユニットを組み込む状態を概略的に示す斜視図
図4】操作パネルユニットの概略的な分解斜視図
図5図2(b)のX5-X5線に沿う部分で破断した状態を模式的に示す横断面図
図6図2(b)のX6-X6線に沿う部分で破断した状態を模式的に示す横断面図
図7】操作部の光源の制御内容を示す図
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、一実施形態について図面を参照して説明する。まず、冷蔵庫全体の正面を示す図1において、冷蔵庫の本体1は、断熱性を有するキャビネットにより構成されていて、内部に複数の貯蔵室が形成されている。貯蔵室としては、上から順に冷蔵室2、野菜室3が設けられ、この野菜室3の下に製氷室4と小冷凍室5が左右に並べて設けられ、そして最下部に主冷凍室6が設けられている。このうち、上部の冷蔵室2と野菜室3は冷蔵温度帯の貯蔵室であり、約3℃~5℃の温度に調整される。また、製氷室4、小冷凍室5および主冷凍室6は冷凍温度帯の貯蔵室であり、約-20℃前後の温度に調整される。本体1には、図示はしないが、冷蔵温度帯の貯蔵室を冷却するための冷蔵用冷却器と、冷凍温度帯の貯蔵室を冷却するための冷凍用冷却器とを含む冷凍サイクルが設けられている。また、製氷室4には、図示はしないが自動製氷装置が設けられている。
【0008】
冷蔵室2の前面には、当該冷蔵室2の前面開口部を開閉する左右2枚の扉7,8が設けられている。これら左右2枚の扉7,8は観音開き式であり、左側の扉7は左端部が図示しないヒンジにより回動可能に枢支されており、また、右側の扉8は右端部が図示しないヒンジにより回動可能に枢支されている。野菜室3の前面、製氷室4の前面、小冷凍室5の前面、および主冷凍室6の前面には、それぞれ対応する貯蔵室の前面開口部を開閉する扉9,10,11,12が設けられている。これら扉9~12はそれぞれ引き出し式であり、各扉9~12の裏側には、図示はしないがそれぞれ貯蔵容器が設けられている。
【0009】
冷蔵室2の左右の扉7,8と、野菜室3、製氷室4、小冷凍室5および主冷凍室6の各扉9~12の前面にはそれぞれ扉前面板13が設けられていて、各扉前面板13は、この場合透光性を有するガラス板により構成されている。また、各扉7~12は、基本的には図5に示すように、扉前面板13と扉内板14との間に断熱材15を設けた構成で、断熱性を有している。なお、図5および図6は、冷蔵室2の左側の扉7の断面図を模式的に示している。
【0010】
そして、冷蔵室2の左右の扉7,8のうち左側の扉7には、右寄りで、かつ下寄りの部位に操作表示装置17が設けられている。以下、この操作表示装置17について図2図7も参照して説明する。左側の扉7の右寄りで、かつ下寄りの部位に位置させて、右側面が開口した収容部18(図3参照)が設けられていて、この収容部18に、操作パネルユニット19が横方向からのスライドにより収容配置されている。収容部18の右側面の開口部は、着脱可能な蓋18aにより閉鎖される。
【0011】
操作パネルユニット19が設けられた扉7の扉前面板13の前面には、図1および図2に示すように、操作パネルユニット19の前方に位置させて、操作領域20と表示領域21(いずれも二点鎖線で囲まれた領域)が設けられている。このうち操作領域20は、上下方向に長い領域となっている。また、表示領域21は、操作領域20の左側に位置していて、操作領域20に沿って上下方向に長い領域となっている。表示領域21の下部の一部は、操作領域20の下方にも位置している。
【0012】
操作領域20内の下部には、第2操作部22が設けられている。この第2操作部22は、この場合扉前面板13の裏面に印刷により設けられていて(図6参照)、扉前面板13の前方から常時見ることができるように表示されている。この第2操作部22は、家をデザイン化した表示となっている。なお、扉前面板13の裏面において、透光性が必要な部分以外には有色の塗料16が設けられている。これにより、扉前面板13の前方から断熱材15などが見えないように処理されている。
【0013】
操作パネルユニット19の前面には、透光性を有する表示用フィルム23(図3および図4参照)が設けられている。この表示用フィルム23には、前記操作領域20の後方に位置させて複数この場合5個の操作部24が抜き文字印刷により設けられているとともに、前記表示領域21の後方に位置させて複数の表示部25が抜き文字印刷により設けられている。この場合、操作部24および表示部25は、通常状態では前記扉前面板13の前方からは見えず、後述する光源(LED)により裏側から照明されると、扉前面板13の前方から見えるようになる。
【0014】
5個の操作部24は上下方向に一列に並んでいて、上から順に、「冷蔵」、「冷凍」、「冷凍機能」、「製氷」、および「節電」の文字と、その文字を囲む丸が表示されている。表示部25には、上から順に、冷却強さ表示部25a、冷凍機能表示部25b、製氷機能表示部25c、節電機能表示部25d、エコモード表示部25e、半ドア表示部25f、キーロック表示部25gが設けられ、また、第2操作部22の下方に位置させて、キーロック説明用表示部25hが設けられている。
【0015】
このうち、冷却強さ表示部25aは、「冷蔵」の操作部24と「冷凍」の操作部24の中間の左横に位置していて、冷蔵温度帯の貯蔵室若しくは冷凍温度帯の貯蔵室の冷却強さを表示するもので、「冷蔵」の操作部24と「冷凍」の操作部24に対して共用の表示となっている。冷凍機能表示部25bは、「冷凍機能」の操作部24の左横に位置して複数の冷凍機能が表示されていて、「冷凍機能」の操作部24の操作に基づき切り替えられる。製氷機能表示部25cは、「製氷」の操作部24の左横に位置して2つの製氷機能が表示されていて、「製氷」の操作部24の操作に基づき切り替えられる。節電機能表示部25dは、「節電」の操作部24の左横に位置して複数の節電モードが表示されていて、「節電」の操作部24の操作に基づき切り替えられる。
【0016】
エコモード表示部25eは、第2操作部22の左横に位置していて、エコモードの際に表示される。半ドア表示部25fは、前記扉7~12の開閉を検出する扉スイッチ(図示せず)のいずれかが所定時間「開」状態を検出したときに表示(点灯)され、「閉」状態を検出したときに表示解除(消灯)される。キーロック表示部25gは、第2操作部22が3秒以上長押し操作されることに基づき表示され、操作部24の操作が無効状態とされる。キーロック説明用表示部25hは、第2操作部22の下方に配置されている。
【0017】
前記表示用フィルム23の裏側には、タッチ検出用シート27(図4参照)が設けられている。このタッチ検出用シート27には、前記5個の操作部24の後方に位置させて、5個の静電容量式のタッチ検出部28が設けられ、また、前記第2操作部22の後方に位置させて、1個の静電容量式のタッチ検出部29が設けられている。操作部24に対応するタッチ検出部28は、操作部24の外形に対応して円形状に形成され、第2操作部22に対応するタッチ検出部29は、第2操作部22に対応した形状(野球のホームベース形状)に形成されている。タッチ検出部28および29は、それぞれ透光性を有する透明電極により構成されている。
【0018】
タッチ検出用シート27の後方には、遮光用カバー30を介して回路基板31(図5および図6参照)が設けられている。回路基板31には、前記5個の操作部24の後方に位置させて、この場合LEDからなる光源32がそれぞれ設けられているとともに、前記表示部25における各表示部25a~25hの後方に位置させて、これもLEDからなる光源33がそれぞれ設けられている。遮光用カバー30には、光源32、33の光を対応する操作部24、表示部25a~25hに案内するための光案内部34が設けられている。回路基板31には、例えばマイクロコンピュータを含む制御部35(図5および図6参照)が設けられている。この制御部35には、前記タッチ検出部28,29と前記光源32,33が電気的に接続されている。制御部35は制御手段を構成する。この制御部35は、操作表示装置17の制御手段であり、冷凍サイクルなどを制御する本体1側の制御装置(図示せず)と電気的に接続されている。
【0019】
ここで、制御部35は、後述するように扉7の扉前面板13における操作領域20のうち、第2操作部22に対応する部分に人の手指が触れるまたは近接すると、静電容量の変化に基づき、第2操作部22が操作されたことを検出し、これに基づき操作部24に対応する光源32の点灯状態を制御する。制御部35は、第2操作部22に対する操作は常に有効状態として扱うが、操作部24に対する操作はそうではない。具体的には後述するが、制御部35は、操作部24に対応する光源32が点灯した状態では、操作部24に対する操作を有効状態として扱うが、操作部24に対応する光源32が消灯した状態では、操作部24に対する操作は無効状態(受け付けない)として取り扱う。
【0020】
次に上記構成の作用を説明する。
操作表示装置17において、第2操作部22および操作部24に対する操作が所定時間ない場合、待機モードとなっている。この待機モードの状態では、操作部24に対応する光源32はすべて消灯状態となっていて、扉7の前方からは操作部24は見えない(図2(a)参照)。この状態では、扉7の扉前面板13の操作領域20における操作部24に人の手指が触れても、操作部24に対する操作は無効状態となっているので、制御部35はその操作を受け付けない。また、この待機モードの状態では、表示部25において、最上部の冷却強さ表示部25aは消灯している。この冷却強さ表示部25aは、「冷蔵」の操作部24または「冷凍」の操作部24が有効状態のときに操作されたときに、その操作に応じて光源33が点灯制御され、操作が終了して所定時間経過すると、光源33は自動的に消灯される。表示部25において、操作部24の操作で設定されたモードに対応する表示部の光源32は点灯表示されている。
【0021】
図7は、制御部35の制御内容のうち、特に操作部24の光源32の制御に関係した制御内容を示したフローチャートである。制御部35は、上記した待機モードにおいて、第2操作部22の操作があるまで待機している(ステップS1)。制御部35は、第2操作部22が操作された(第2操作部22がONした)ことを検出すると、ステップS1で「YES」に従ってステップS2へ移行し、5個の各操作部24の光源32を点灯させる。この状態では、5個の各操作部24は光源32により裏側から照明され、扉7の前方から見える状態となる(図2(b)参照)。制御部35は、5個の各操作部24の光源32を点灯させることで、各操作部24を有効状態(操作を受付可能状態)とする(ステップS3)。この状態が操作可能モードとなる。また、このとき制御部35は、表示部25のうちキーロック説明用表示部25hに対応する光源33も点灯させる。これにより、そのキーロック説明用表示部25hは、裏側から照明されることで、扉7の前方から見える状態となる(図2(b)参照)。
【0022】
この後、制御部35は、操作部24のいずれかが操作されるか、第2操作部22が操作されるか、あるいは予め設定された所定時間(例えば10秒間)操作なしかを判断するステップS4,S5,S6)。そして、制御部35は、所定時間経過するまでに、操作部24のいずれかが操作(ON)されたことを検出した場合には、ステップS4で「YES」に従ってステップS7へ移行し、操作中の操作部24に対応する光源32を点灯状態にしたまま、操作対象以外の操作部24(操作された操作部24を除いた他の操作部24)に対応する光源32は、操作された操作部24に対応する光源32の点灯状態とは異なる状態、この場合、通常の点灯状態よりも暗い減光状態にし(ステップS8)、この後ステップS4へ戻る。このとき、制御部35は、操作された操作部24の操作に基づき対応する表示部25の光源33を点灯制御することで、設定モードを変更する。使用者はその表示部25の表示を見てモードを選択する。
【0023】
またこのとき、操作中の操作部24に対応する光源32を点灯状態にしたまま、操作対象以外の操作部24に対応する光源32は、操作された操作部24に対応する光源32の点灯状態とは異なる状態、この場合通常の点灯状態よりは暗い減光状態とすることで、使用者にとっては、操作中の操作部24と操作対象以外の操作部24とがわかりやすい。操作部24に対する光源32が減光状態にある場合でも、操作部24に対する操作は有効であり、減光状態の操作部24が操作されると、その操作された操作部24に対応する光源32が減光状態から通常の点灯状態に変わり、他の操作対象以外の操作部24に対応する光源32は減光状態となる。
【0024】
この場合、操作対象以外の操作部24に対応する光源32は、操作された操作部24に対応する光源32の点灯状態とは異なる状態であれば、減光状態とすることに代えて、例えば点滅状態とすることもできる。その点滅状態のときでも、操作部24に対する操作は有効とする。なお、制御部35は、ステップS6の所定時間経過する前に第2操作部22が操作されたことを検出した場合には、ステップS5で「YES」に従ってステップS2へ戻り、5個の操作部24に対応する光源32をすべて点灯状態とする。
【0025】
制御部35は、操作部24も第2操作部22も操作されない時間が所定時間経過したと判断したら、そこまでに操作された内容でモードを決定し、ステップS6で「YES」に従ってステップS9へ移行し、操作部24に対応する光源32をすべて消灯するとともに、キーロック説明用表示部25hに対応する光源33も消灯する。この後、ステップS1へ戻る。
【0026】
制御部35は、第2操作部22が3秒以上長押しされたことを検出した場合には、操作部24に対応する光源32をすべて消灯するとともに、操作部24に対する操作を無効状態とし、また、キーロック表示部25gに対応する光源33を点灯させ、キーロック状態であることを表示する。なお、制御部35は、この状態で再度第2操作部22が3秒以上長押しされたことを検出した場合には、キーロック表示部25gに対応する光源33を消灯し、キーロック状態が解除されたことを表示する。
【0027】
上記した実施形態によれば次のような作用効果を得ることができる。
扉7の扉前面板13における操作領域20内に設けられた操作部24と、この操作部24を後方から照明する光源32と、この光源32の点灯状態を制御する制御部35と、を備え、前記光源32が点灯時には前記操作部24に対する操作は有効で、前記光源32が消灯時には前記操作部24に対する操作は無効である構成とした。この構成の結果、操作部24が光源32により照明されていれば操作部24に対する操作が可能であり、操作部24が光源32により照明されず、前方から見えない場合には操作部24に対する操作が無効であるため、使用者にとっては操作部24の操作が可能か否かがわかりやすく、使いやすくなる。
【0028】
操作領域20内には、操作部24とは別に設けられ常時操作が有効な第2操作部22を備えていて、制御部35は、その第2操作部22の操作に基づき前記操作部24の光源32の点灯状態を変更する。この構成の結果、第2操作部22の操作に基づき、光源32を点灯状態にして操作部24を照明するとともに、当該操作部24の操作を有効状態にすることができる。
【0029】
操作領域20内に操作部24が複数存しているとともに、操作部24に対応する光源32も複数存していて、制御部35は、複数の操作部24のうちの一つの操作部24が操作された場合、当該一つの操作部24に対応する光源32は点灯状態とし、他の操作部24に対応する光源32は、操作された操作部24に対応する光源32の点灯状態とは異なる状態、本実施形態では減光状態とする。これによれば、操作中の操作部24の照明と、それ以外の操作部24の照明とが異なる照明となるので、操作中の操作部24とそれ以外の操作部24とがわかりやすい。また、操作された操作部24以外の操作部24の光源32を減光状態とすることで、操作された操作部24以外の操作部24も操作が可能(有効)であることがわかりやすい。
【0030】
操作部24はモードを変更するものであり、操作部24により選択されたモードは、所定時間経過すると、その選択されたモードで決定される。これによれば、決定操作を別途必要としない。またこの場合、操作部24が操作されない時間が所定時間経過したと判断したら、そこまでに操作された内容でモードを決定することに代えて、例えば第2操作部22を2度押しした場合に、そこまでに操作された内容でモードを決定するようにしてもよい。
【0031】
制御部35は、操作部24に対応する光源32が減光状態(または点滅状態)のときに第2操作部22が操作された場合、減光状態の光源32を点灯状態に戻す。これによれば、点灯状態で照明される操作部24が有効状態(操作可能状態)であることがわかりやすくなる。
制御部35は、操作部24に対する操作が所定時間ない場合、操作部24に対応する光源32を消灯状態とする.これによれば、操作部24が無効状態となったことがわかりやすい。
第2操作部22は、光源による照明はなく、常時見える表示とされている。これによれば、第2操作部22を照明する光源を不要にできるとともに、その光源の制御も不要となる。
【0032】
操作表示装置17において、操作部24および表示部25を設けた表示用フィルム23、タッチ検出部28を設けたタッチ検出用シート27、前記操作部24および表示部25を照明する光源32,33を設けた回路基板31をユニット化した操作パネルユニット19を備え、この操作パネルユニット19を、扉7の収容部18にスライドにより収容配置する構成としている。これによれば、操作部24および表示部25と、これらを照明する光源32,33の位置がずれることを防止できる。
【0033】
ここで、例えば操作部24の表示および表示部25を、扉前面板13の裏面に印刷などにより設けることも可能である。しかし、このようにした状態で、それらを照明する光源32,33を備えた回路基板31を、上記したように収容部18にスライドで収容配置しようとした場合、操作部24および表示部25と、それらを照明する光源32,33の位置がずれるおそれがあるが、本実施形態の構成とするとことで、その位置ずれを未然に防止することが可能になる。
【0034】
なお、第2操作部22は、扉前面板13の裏面に印刷により設ける構成としているが、その第2操作部22は光源で照明する必要はない。このため、その第2操作部22と光源の位置がずれるおそれもない。第2操作部22とタッチ検出部29の位置は合わせる必要があるが、タッチ検出部29が第2操作部22の裏側に位置すれば、少しぐらいずれても問題はない。第2操作部22としては、扉前面板13の裏面に設けることに代えて、常時扉7の前方から見える状態にできれば、操作部24および表示部25と同様に表示用フィルム23に設けることもできる。
【0035】
(その他の実施形態)
上記した実施形態では、第2操作部22を操作して操作部24の光源32をすべて点灯状態とした後、一つの操作部24を操作することに伴い、他の操作部24に対応する光源32を減光状態または点滅状態として、その減光状態または点滅状態の操作部24を有効状態とした。これに代えて、操作された操作部24以外の操作部24の光源32は減光状態または点滅状態として、その減光状態または点滅状態の操作部24に対する操作を無効状態とすることができる。また、この場合、操作された操作部24以外の操作部24の光源32を減光状態または点滅状態にすることに代えて消灯状態とし、その消灯状態の操作部24に対する操作を無効状態とすることができる。
【0036】
操作表示装置17は、冷蔵室2の左側の扉7に限られず、右側の扉8に設けてもよく、また他の貯蔵室の扉9~12に設けることも可能である。
操作部24および第2操作部22は、扉前面板13の前面から操作することができれば、静電容量式のタッチセンサに限られず、他の方式のものでも可能である。
【0037】
以上説明したように本実施形態の冷蔵庫によれば、操作部が光源により照明されていれば操作部に対する操作が有効であり、操作部が光源により照明されていない場合には操作部に対する操作が無効であるため、使用者にとっては操作部の操作が可能か否かかがわかりやすく、使いやすくなる。
【0038】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0039】
図面中、1は本体、7~12は扉、13は扉前面板、17は操作表示装置、18は収容部、19は操作パネルユニット、20は操作領域、21は表示領域、22は第2操作部、24は操作部、25は表示部、28,29はタッチ検出部、31は回路基板、32,33は光源、35は制御部(制御手段)を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7