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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-22
(45)【発行日】2023-06-30
(54)【発明の名称】道路コーン設置回収装置
(51)【国際特許分類】
   E01F 13/02 20060101AFI20230623BHJP
   B65G 67/22 20060101ALI20230623BHJP
【FI】
E01F13/02 A
B65G67/22
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022131750
(22)【出願日】2022-08-22
(62)【分割の表示】P 2019083849の分割
【原出願日】2019-04-25
(65)【公開番号】P2022164736
(43)【公開日】2022-10-27
【審査請求日】2022-08-22
(73)【特許権者】
【識別番号】302072930
【氏名又は名称】株式会社トーテック
(73)【特許権者】
【識別番号】509185446
【氏名又は名称】株式会社ネクスコ・メンテナンス新潟
(74)【代理人】
【識別番号】100092691
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 勇治
(74)【代理人】
【識別番号】100199543
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 隆史
(72)【発明者】
【氏名】関 一徳
【審査官】石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-104936(JP,A)
【文献】特開平09-279532(JP,A)
【文献】特開2003-206514(JP,A)
【文献】特開2013-181340(JP,A)
【文献】特開2004-052379(JP,A)
【文献】特開平04-237709(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 13/02
B65G 67/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動車両に配備され、道路の路面に対する道路コーンの設置回収装置であって、上記移動車両の荷台に複数個の道路コーンを貯留可能な貯留部が設けられ、該貯留部の外側方に道路コーンの受渡部が設けられ、該受渡部の受渡位置と上記路面上の設置回収位置との間で該道路コーンを上下旋回移送可能な旋回移送機構を備えてなり、上記旋回移送機構は、上記設置回収位置と上記受渡位置との間で上下旋回可能な旋回部材と、該旋回部材を往復旋回させる往復旋回機構と、該旋回部材に設けられ、該道路コーンの下部を保持釈放可能な対向一対の下部保持部材と、該旋回部材に設けられ、該道路コーンの上部を保持釈放可能な対向一対の上部保持部材と、該対向一対の下部保持部材及び対向一対の上部保持部材をそれぞれ保持釈放動作させる挟持機構とからなり、上記挟持機構として、上記旋回部材に挟持用のシリンダ機構を取付け、旋回部材に対向一対の開閉桟板を枢着し、各開閉桟板の上端部と上記挟持用のシリンダ機構のロッド部とを連結し、上記各開閉桟板の中程部に上記対向一対の上部保持部材を固定し、かつ、上記各開閉桟板の下端部に開閉枠板の上部を枢着し、各開閉枠板間に挟着用バネを掛架し、各開閉枠板の下端部に上記対向一対の下部保持部材を枢着し、下部保持部材の対向端部間にガイド桟板を架設し、旋回部材にガイド杆を枢着し、ガイド杆を上記ガイド桟板の挿通穴に遊挿してなり、挟持用のシリンダ機構のロッド部の伸縮作動により上記対向一対の下部保持部材は上記道路コーンの下部の挟持又は解除により保持釈放可能に形成され、上記対向一対の上部保持部材は上記道路コーンの上部の圧潰又は解除により保持釈放可能に形成されていることを特徴とする道路コーン設置回収装置。
【請求項2】
上記旋回移送機構は上記移動車両の左右両側位置にそれぞれ配設されていることを特徴とする請求項1記載の道路コーン設置回収装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、高速道路の工事現場と車道との境界に設置される円錐状の中空の道路コーン設置回収装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の道路コーン設置回収装置として、移動車両の荷台に複数個の道路コーンを貯留可能な貯留部が設けられ、貯留部の外側方に道路コーンの受渡部が設けられ、受渡部の受渡位置と道路の路面上の設置回収位置との間で道路コーンを上下旋回移送可能な旋回移送機構が設けられ、旋回移送機構は、設置回収位置と受渡位置との間で上下旋回可能な旋回部材と、旋回部材を往復旋回させる往復旋回機構と、旋回部材に設けられ、道路コーンを保持釈放可能な対向一対の保持部材と、対向一対の保持部材を保持釈放動作させる挟持機構とからなる構造のものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平6-57716号公報
【文献】特公平7-62326号公報
【文献】特開2018-104936
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記従来構造の場合、上記道路コーンを上記挟持機構の対向一対の保持部材で挟持し、受渡部の受渡位置と道路の路面上の設置回収位置との間で道路コーンを上下旋回移送して道路の路面に対して設置及び回収作業を行うに際し、道路コーンは例えば合成樹脂製又はゴム製の中空円錐形状に形成され、円錐形状の外周面を保持部材で挟持して旋回移送するため、道路コーンの自重及び遠心力により道路コーンが保持部材から離脱するおそれがあり、不安定な回収設置作業になることがあるという不都合を有している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はこのような不都合を解決することを目的とするもので、本発明のうち、請求項1記載の発明は、移動車両に配備され、道路の路面に対する道路コーンの設置回収装置であって、上記移動車両の荷台に複数個の道路コーンを貯留可能な貯留部が設けられ、該貯留部の外側方に道路コーンの受渡部が設けられ、該受渡部の受渡位置と上記路面上の設置回収位置との間で該道路コーンを上下旋回移送可能な旋回移送機構を備えてなり、上記旋回移送機構は、上記設置回収位置と上記受渡位置との間で上下旋回可能な旋回部材と、該旋回部材を往復旋回させる往復旋回機構と、該旋回部材に設けられ、該道路コーンの下部を保持釈放可能な対向一対の下部保持部材と、該旋回部材に設けられ、該道路コーンの上部を保持釈放可能な対向一対の上部保持部材と、該対向一対の下部保持部材及び対向一対の上部保持部材をそれぞれ保持釈放動作させる挟持機構とからなり、上記挟持機構として、上記旋回部材に挟持用のシリンダ機構を取付け、旋回部材に対向一対の開閉桟板を枢着し、各開閉桟板の上端部と上記挟持用のシリンダ機構のロッド部とを連結し、上記各開閉桟板の中程部に上記対向一対の上部保持部材を固定し、かつ、上記各開閉桟板の下端部に開閉枠板の上部を枢着し、各開閉枠板間に挟着用バネを掛架し、各開閉枠板の下端部に上記対向一対の下部保持部材を枢着し、下部保持部材の対向端部間にガイド桟板を架設し、旋回部材にガイド杆を枢着し、ガイド杆を上記ガイド桟板の挿通穴に遊挿してなり、挟持用のシリンダ機構のロッド部の伸縮作動により上記対向一対の下部保持部材は上記道路コーンの下部の挟持又は解除により保持釈放可能に形成され、上記対向一対の上部保持部材は上記道路コーンの上部の圧潰又は解除により保持釈放可能に形成されていることを特徴とする道路コーン設置回収装置にある。
【0006】
又、請求項2記載の発明は、上記旋回移送機構は上記移動車両の左右両側位置にそれぞれ配設されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明は上述の如く、請求項1記載の発明にあっては、道路コーンを路面上に設置する場合、移動車両を進行方向に進行し、貯留部の道路コーンは受渡部の受渡位置に移送され、受渡位置に移送された道路コーンは旋回移送機構の挟持機構により下部保持部材及び上部保持部材で挟持され、旋回移送機構の往復旋回機構により旋回部材は受渡部の移動車両の外側方の受渡位置から上記路面上の設置回収位置に下向きに旋回され、設置回収位置において、挟持機構は道路コーンを釈放し、道路コーンは路面上に設置され、道路コーンを釈放すると、旋回部材は設置回収位置から受渡位置に上向き旋回し、順次、移動車両の進行及び上記繰返動作により路面上に道路コーンを設置することができ、かつ、路面上に設置された道路コーンを回収する場合、移動車両を上記道路コーン設置時の進行方向とは互いに逆向きの進行方向に進行し、旋回部材を受渡位置から上記路面上の設置回収位置に下向きに旋回し、設置回収位置において、道路コーンが旋回部材の下部に接近したとき挟持機構は道路コーンを挟持し、旋回部材は道路コーンを保持して設置回収位置から受渡位置に上向きに旋回し、上記受渡位置の道路コーンは貯留部に貯留され、これにより道路コーンの設置及び回収を確実に行うことができ、さらに、この際、上記旋回移送機構は、上記設置回収位置と上記受渡位置との間で上下旋回可能な旋回部材と、旋回部材を往復旋回させる往復旋回機構と、旋回部材に設けられ、道路コーンの下部を保持釈放可能な対向一対の下部保持部材と、旋回部材に設けられ、道路コーンの上部を保持釈放可能な対向一対の上部保持部材と、対向一対の下部保持部材及び対向一対の上部保持部材をそれぞれ保持釈放動作させる挟持機構とから構成されているから、道路コーンは対向一対の下部保持部材及び対向一対の上部保持部材により上部及び下部の両部位を両持ち状態で保持することができ、受渡部の受渡位置と道路の路面上の設置回収位置との間で道路コーンを上下旋回移送して道路の路面に対して設置及び回収作業を行うに際し、道路コーンを下部保持部材及び上部保持部材の両部材で確実に保持することができ、自重及び遠心力による道路コーンの離脱を防ぐことができ、安定的に回収設置作業を行うことができ、さらに、上記挟持機構として、上記旋回部材に挟持用のシリンダ機構を取付け、旋回部材に対向一対の開閉桟板を枢着し、各開閉桟板の上端部と上記挟持用のシリンダ機構のロッド部とを連結し、上記各開閉桟板の中程部に上記対向一対の上部保持部材を固定し、かつ、上記各開閉桟板の下端部に開閉枠板の上部を枢着し、各開閉枠板間に挟着用バネを掛架し、各開閉枠板の下端部に上記対向一対の下部保持部材を枢着し、下部保持部材の対向端部間にガイド桟板を架設し、旋回部材にガイド杆を枢着し、ガイド杆を上記ガイド桟板の挿通穴に遊挿してなり、挟持用のシリンダ機構のロッド部の伸縮作動により上記対向一対の下部保持部材は上記道路コーンの下部の挟持又は解除により保持釈放可能に形成され、上記対向一対の上部保持部材は上記道路コーンの上部の圧潰又は解除により保持釈放可能に形成されているから、道路コーンを一層確実に保持することができる。
【0008】
又、請求項2記載の発明にあっては、上記旋回移送機構は上記移動車両の左右両側位置にそれぞれ配設されているから、移動車両の進行方向左側の旋回移送機構又は右側の他方の旋回移送機構により行うことができ、進行方向左右両側位置で設置及び回収することができ、道路コーンの設置及び回収の融通性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態例の全体正面図である。
図2】本発明の実施の形態例の全体平面図である。
図3】本発明の実施の形態例の部分拡大正面図である。
図4】本発明の実施の形態例の部分拡大平面図である。
図5】本発明の実施の形態例の部分拡大正面図である。
図6】本発明の実施の形態例の部分拡大側面図である。
図7】本発明の実施の形態例の部分拡大平断面図である。
図8】本発明の実施の形態例の部分拡大平断面図である。
図9】本発明の実施の形態例の部分拡大平断面図である。
図10】本発明の実施の形態例の部分拡大平断面図である。
図11】本発明の実施の形態例の部分拡大側面図である。
図12】本発明の実施の形態例の部分拡大平断面図である。
図13】本発明の実施の形態例のコーン設置時の使用状態図である。
図14】本発明の実施の形態例のコーン回収時の使用状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1乃至図14は本発明の実施の形態例を示し、図1図2の如く、移動車両Aに配備され、道路の路面Gに対する道路コーンWの設置回収装置であって、道路コーンWは合成樹脂製又はゴム製が採用され、大別すると、移動車両Aと、移動車両Aの荷台Aに設けられ、複数個の道路コーンW・・を貯留可能な貯留部Bと、貯留部Bの外側方に設けられ、貯留部Bに対する道路コーンW・・の受渡部Cと、受渡部Cの受渡位置Tと上記路面G上の設置回収位置SKとの間で道路コーンWを上下旋回移送可能な旋回移送機構Dとを備えている。
【0011】
そして、上記旋回移送機構Dは、図3図4の如く、上記設置回収位置SKと上記受渡位置Tとの間で上下旋回可能な旋回部材1と、旋回部材1を往復旋回させる往復旋回機構2と、旋回部材1に設けられ、道路コーンWの下部を保持釈放可能な対向一対の下部保持部材3・3と、旋回部材1に設けられ、道路コーンWの上部を保持釈放可能な対向一対の上部保持部材4・4と、対向一対の下部保持部材3・3及び対向一対の上部保持部材4・4をそれぞれ保持釈放動作させる挟持機構5とから構成されている。
【0012】
この場合、上記貯留部Bは、図1図2の如く、移動車両Aの荷台Aに複数個の道路コーンW・・を収納自在に設けられ、道路コーンWの路面Gに対する設置作業時にあっては、貯留部Bの取出収納位置Bを介して複数個の道路コーンW・・を上記受渡部Cの受渡位置Tに一個宛分離供給し、道路コーンWの路面Gに対する回収作業時にあっては、上記旋回移送機構Dにより上記受渡部Cの受渡位置Tに一個宛回収移送されてくる道路コーンWを貯留部Bの取出収納位置Bを介して貯留部Bに横並び状態で貯留する図示省略の搬送及び収納取出機構を備えている。
【0013】
又、この場合、上記旋回移送機構Dは、図3図4の如く、移動車両Aの荷台Aに架台6を設け、架台6に移動板7を一対のガイド8・8及び油圧式の移動用シリンダ9により移動車両Aの進行方向Hと交差する左右方向にして上記取出収納位置Bと上記受渡位置Tとの間で移動自在に設けられ、かつ、移動板7に旋回支持軸10を軸受11・11により旋回自在に設けると共に旋回支持軸10を往復旋回させる油圧式の旋回用シリンダ12を設け、旋回支持軸10にリンク13の基部を固定し、旋回用シリンダ12のロッド部12aとリンク13の先端部とをピン13aにより連結し、旋回支持軸10に旋回アーム14を突設し、旋回アーム14の先端部に旋回部材1を取付け、旋回部材1に上記対向一対の下部保持部材3・3及び上記対向一対の上部保持部材4・4をそれぞれ保持釈放動作させる単一の駆動機構5aを備えてなる挟持機構5を設けて構成している。
【0014】
この場合、上記挟持機構5として、図6図7図8図9の如く、上記四角筒状の旋回部材1内に油圧式の挟持用のシリンダ機構15を取付け、図8の如く、旋回部材1の下端開口部に取付片16を固定し、取付片16に対向一対の略H状の支点板17・17をボルト18・18で固定し、図6図8図11の如く、支点板17・17に対向一対の開閉桟板19・19を支点軸20・20により枢着し、開閉桟板19・19の上端部と上記挟持用のシリンダ機構15のロッド部15aとを一対の開閉リンク21・21によりピン22・23・24で連結し、図6図7の如く、上記開閉桟板19・19の中程部に上記対向一対の上部保持部材4・4をL状板25・25及びボルト26・26により固定し、かつ、図6図7図9の如く、上記開閉桟板19・19の下端部に平断面コ状の開閉枠板27・27の上部を枢着ピン28・28で枢着し、各開閉枠板27・27にバネ掛けピン29・29を突設し、バネ掛けピン29・29間に挟着用バネ30を掛架し、図6図11の如く、開閉桟板19・19に各開閉枠板27・27の内面に当接可能なストッパ部19a・19aを形成し、図10図11の如く、各開閉枠板27・27の下端部内に駒部材31・31をピン32・32により枢着し、各駒部材31・31の底面に上記対向一対の平面円弧状の下部保持部材3・3の中程部をピン33・33により枢着し、下部保持部材3・3の対向端部間にガイド桟板34をピン35・35により架設し、さらに、図5図8の如く、旋回部材1にL状ガイド36を取付け、L状ガイド36にコ状枠37を連結軸38により枢着し、コ状枠37に2個のガイド杆39・39を固定し、2個のガイド杆39・39を上記ガイド桟板34の挿通穴34a・34aに遊挿してなり、しかして、挟持用のシリンダ機構15のロッド部15aの伸縮作動により上記対向一対の下部保持部材3・3は上記道路コーンWの下部の挟持又は解除により保持釈放可能に形成され、上記対向一対の上部保持部材4・4は上記道路コーンWの上部の圧潰又は解除により保持釈放可能に形成されている。
【0015】
この場合、上記旋回移送機構Dは、図13の如く、上記道路コーンWの設置時において、上記移動車両Aの進行方向Hと上記受渡位置Tから上記設置回収位置SKに向かう下向き旋回方向Rとが互いに逆方向となるように構成され、かつ、上記移動車両Aの進行速度Hと上記旋回部材1の旋回速度R(道路コーンWの接地部位の周速度)とが互いに逆向きの略同速度に設定されている。
【0016】
又、この場合、図14の如く、上記道路コーンWの回収時において、上記移動車両Aの進行方向は上記道路コーンW設置時の進行方向Hとは互いに逆向きの進行方向Pとされ、移動車両Aの進行方向Pと上記設置回収位置SKから上記受渡位置Tに向かう上向き旋回方向Sとが互いに逆方向となるように構成され、上記旋回部材1の下部に図示省略のコーン検出センサが設けられている。
【0017】
又、この場合、図示省略しているが、上記旋回移送機構Dは上記移動車両Aの左右両側位置にそれぞれ配設され、この左右両側の一対の旋回移送機構D・Dは左右対称の構造に形成されている。
【0018】
この実施の形態例は上記構成であるから、例えば、図13の如く、高速道路の追越車線規制時において、工事が行われる追越車線と走行車線との境界の路面G上に道路コーンWを間隔をおいて設置するに際し、道路コーンWは移動車両Aの荷台A上の貯留部Bに複数個互いに重ね合わせた状態で貯留され、移動車両Aを進行方向H、この場合、前進方向に進行をし、この貯留部Bの道路コーンWは取出収納位置Bを介して上記受渡部Cの受渡位置Tに移送され、受渡位置Tに移送された道路コーンWは旋回移送機構Dの挟持機構5により下部保持部材3・3及び上部保持部材4・4で挟持され、旋回移送機構Dの往復旋回機構2により旋回部材1は移動車両Aの外側方の受渡位置Tから上記路面G上の設置回収位置SKに下向きに旋回され、設置回収位置SKにおいて、図11図12の如く、挟持機構5は道路コーンWを釈放し、道路コーンWは路面G上に設置され、道路コーンWを釈放すると、旋回部材1は設置回収位置SKから受渡位置Tに上向き旋回し、順次、移動車両Aの進行及び上記繰返動作により路面G上に間隔をおいて道路コーンWを設置することができる。
【0019】
又、例えば、工事完了後において、図14の如く、路面G上に設置された道路コーンWを回収するに際し、移動車両Aを上記道路コーンW設置時の進行方向Hとしての前進方向とは互いに逆向きの進行方向Pである後退進行をし、上記旋回移送機構Dの往復旋回機構2により旋回部材1は移動車両Aの外側方の受渡位置Tから上記路面G上の設置回収位置SKに下向きに旋回され、設置回収位置SKにおいて、道路コーンWが旋回部材1の下部に接近したことをコーン検出センサが検出すると、図6図7の如く、上記挟持機構5により下部保持部材3・3及び上部保持部材4・4で道路コーンWを挟持し、上記往復旋回機構2により旋回部材1は道路コーンWを保持して設置回収位置SKから受渡位置Tに上向きに旋回し、移動車両Aの進行方向Pと上記設置回収位置SKから上記受渡位置Tに向かう上向き旋回方向Sとが互いに逆方向となるように構成され、上記受渡位置Tの道路コーンWは受渡位置Tから移動車両Aの内方の上記取出収納位置Bに移送され、道路コーンWは取出収納位置Bを介して貯留部Bに貯留され、順次、移動車両Aの進行及び上記繰返動作により路面G上に間隔をおいて設置された道路コーンWを回収することができる。
【0020】
したがって、図13の如く、上記道路コーンWを路面G上に設置する場合、移動車両Aを進行方向Hに進行し、貯留部Bの道路コーンWは取出収納位置Bを介して上記受渡部Cの受渡位置Tに移送され、受渡位置Tに移送された道路コーンWは旋回移送機構Dの挟持機構5により下部保持部材3・3及び上部保持部材4・4で挟持され、旋回移送機構Dの往復旋回機構2により旋回部材1は受渡部Cの移動車両Aの外側方の受渡位置Tから上記路面G上の設置回収位置SKに下向きに旋回され、設置回収位置SKにおいて、図11図12の如く、挟持機構5は道路コーンWを釈放し、道路コーンWは路面G上に設置され、道路コーンWを釈放すると、旋回部材1は設置回収位置SKから受渡位置Tに上向き旋回し、順次、移動車両Aの進行及び上記繰返動作により路面G上に道路コーンWを設置することができ、又、図14の如く、路面G上に設置された道路コーンWを回収する場合、移動車両Aを上記道路コーンW設置時の進行方向Hとは互いに逆向きの進行方向Pに進行し、旋回部材1を受渡位置Tから上記路面G上の設置回収位置SKに下向きに旋回し、設置回収位置SKにおいて、図6図7の如く、道路コーンWが旋回部材1の下部に接近したとき挟持機構5は道路コーンWを挟持し、旋回部材1は道路コーンWを保持して設置回収位置SKから受渡位置Tに上向きに旋回し、移動車両Aの進行方向Pと上記設置回収位置SKから上記受渡位置Tに向かう上向き旋回方向Sとが互いに逆方向となり、上記受渡位置Tの道路コーンWは取出収納位置Bを介して貯留部Bに貯留され、これにより道路コーンWの設置及び回収を確実に行うことができる。
【0021】
この際、上記旋回移送機構Dは、上記設置回収位置SKと上記受渡位置Tとの間で上下旋回可能な旋回部材1と、旋回部材1を往復旋回させる往復旋回機構2と、旋回部材1に設けられ、道路コーンWの下部を保持釈放可能な対向一対の下部保持部材3・3と、旋回部材1に設けられ、道路コーンWの上部を保持釈放可能な対向一対の上部保持部材4・4と、対向一対の下部保持部材3・3及び対向一対の上部保持部材4・4をそれぞれ保持釈放動作させる挟持機構5とから構成されているから、道路コーンWは対向一対の下部保持部材3・3及び対向一対の上部保持部材4・4により上部及び下部の両部位を両持ち状態で保持することができ、受渡部Cの受渡位置Tと道路の路面G上の設置回収位置SKとの間で道路コーンWを上下旋回移送して道路の路面Gに対して設置及び回収作業を行うに際し、道路コーンWを下部保持部材及び上部保持部材の両部材で確実に保持することができ、自重及び遠心力による道路コーンWの離脱を防ぐことができ、安定的に回収設置作業を行うことができる。
【0022】
又、この場合、上記対向一対の下部保持部材3・3は上記道路コーンWの下部の挟持又は解除により保持釈放可能に形成され、上記対向一対の上部保持部材4・4は上記道路コーンWの上部の圧潰又は解除により保持釈放可能に形成されているから、合成樹脂製又はゴム製の道路コーンWを確実に保持することができ、又、この場合、上記挟持機構5は上記対向一対の下部保持部材3・3及び上記対向一対の上部保持部材4・4をそれぞれ保持釈放動作させる単一の駆動機構5aを備えてなるから、下部保持部材3・3及び上部保持部材4・4の保持釈放動作を共通化することができ、挟持機構5の構造を簡素化することができ、又、この場合、上記単一の駆動機構5aはシリンダ機構15であるから、挟持機構5の構造を一層簡素化することができる。
【0023】
この場合、上記往復旋回機構2は、図13の如く、上記道路コーンWの設置時において、上記移動車両Aの進行方向Hと上記受渡位置Tから上記設置回収位置SKに向かう下向き旋回方向Rとが互いに逆方向となるように構成されているから、移動車両Aの進行により働く道路コーンWの慣性力による道路コーンWの倒伏を抑制することができ、安定した設置作業を行うことができ、又、この場合、上記移動車両Aの進行速度Hと上記旋回部材1の旋回速度Rとが互いに逆向きの略同速度に設定されているから、移動車両Aの進行により働く道路コーンWの慣性力による道路コーンWの倒伏を一層抑制することができ、安定した設置作業を行うことができる。
【0024】
又、この場合、上記往復旋回機構2は、図14の如く、上記道路コーンWの回収時において、上記移動車両Aの進行方向Pは上記道路コーンW設置時の進行方向Hとは互いに逆向きの進行方向Pとされ、移動車両Aの進行方向Pと上記設置回収位置SKから上記受渡位置Tに向かう上向き旋回方向Sとが互いに逆方向となるように構成されているから、旋回部材1を設置回収位置SKで停止し、道路コーンWが旋回部材1に接近したとき、挟持機構5は道路コーンWを挟持し、旋回部材1は設置回収位置SKから受渡位置Tに上向きに旋回し、移動車両Aの進行方向Pと上記設置回収位置SKから上記受渡位置Tに向かう上向き旋回方向Sとが互いに逆方向となり、道路コーンWと路面Gとの摺動を抑制することができ、道路コーンWの回収を円滑に行うことができる。
【0025】
又、この場合、上記旋回移送機構Dは上記移動車両Aの左右両側位置にそれぞれ配設され、かつ、この場合、左右両側の一対の旋回移送機構D・Dは左右対称の構造に形成されているから、例えば、高速道路の走行車線規制時において、工事が行われる走行車線と追越車線との境界の路面G上に対する道路コーンWの設置及び回収する場合には、進行方向左側の旋回移送機構D又は右側の他方の旋回移送機構Dにより行うことができ、進行方向左右両側位置で設置及び回収することができ、道路コーンWの設置及び回収の融通性を高めることができる。
【0026】
尚、本発明は上記実施の形態例に限られるものではなく、例えば、路面G、道路コーンW、移動車両A、荷台A、貯留部B、受渡部C、受渡位置T、設置回収位置SK、旋回移送機構D、旋回部材1、往復旋回機構2、下部保持部材3、上部保持部材4、挟持機構5、駆動機構5a、シリンダ機構15の数や形態、構造等は適宜変更して設計されるものである。
【0027】
また、上記実施の形態例においては、移動車両Aを連続的に進行して道路コーンWを連続的に設置回収するようにしているが、道路コーンWの設置回収位置SKに応じて、移動車両Aの進行及び停止を交互に繰り返し、移動車両Aを間欠的に進行して道路コーンWを設置又は回収することもある。
【0028】
以上、所期の目的を充分達成することができる。
【符号の説明】
【0029】
G 路面
W 道路コーン
A 移動車両
荷台
B 貯留部
C 受渡部
T 受渡位置
SK 設置回収位置
D 旋回移送機構
1 旋回部材
2 往復旋回機構
3 下部保持部材
4 上部保持部材
5 挟持機構
15 シリンダ機構
15a ロッド部
19 開閉桟板
27 開閉枠板
30 挟着用バネ
34 ガイド桟板
34a 挿通穴
39 ガイド杆
図1
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