(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-22
(45)【発行日】2023-06-30
(54)【発明の名称】凹面回折格子の製造方法
(51)【国際特許分類】
G02B 5/18 20060101AFI20230623BHJP
G01J 3/18 20060101ALI20230623BHJP
B29C 53/04 20060101ALI20230623BHJP
【FI】
G02B5/18
G01J3/18
B29C53/04
(21)【出願番号】P 2022101492
(22)【出願日】2022-06-24
(62)【分割の表示】P 2018160640の分割
【原出願日】2018-08-29
【審査請求日】2022-06-24
(73)【特許権者】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】青野 宇紀
(72)【発明者】
【氏名】江畠 佳定
(72)【発明者】
【氏名】八重樫 健太
(72)【発明者】
【氏名】松井 繁
【審査官】植野 孝郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第4798446(US,A)
【文献】特開昭61-84604(JP,A)
【文献】国際公開第2016/059928(WO,A1)
【文献】米国特許第4012843(US,A)
【文献】特開2011-187733(JP,A)
【文献】特開2008-51822(JP,A)
【文献】特開平9-15410(JP,A)
【文献】特開2004-53992(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/18
G02B 5/32
G01J 3/18
B29C53/04
B29D11/00-11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトリソグラフィおよびエッチング、または機械加工により、平面状基板上に鋸歯形状を形成し、不等間隔の格子溝であって、格子溝の間隔がブレーズ方向に等差的に拡大させた形状を有するよう形成して、一定のブレーズ角を有する平面状の回折格子基板を作製する工程と、
前記格子溝が形成された面に凹面が対向するよう凹面基板を設置すると共に、前記格子溝が形成された面とは反対側の面に凸面が対向するよう接着層を介して凸面基板を設置する工程と、
前記平面状の回折格子基板の格子溝が形成された面を前記凹面基板に倣わせると共に、前記接着層により前記平面状の回折格子基板を前記凸面基板に接着する接着工程と、
前記凹面基板が取り外された後、前記平面状の回折格子基板のうち前記凸面基板の凸面よりも外側へと延在する外周部を除去し、凹面回折格子の型を形成する工程と、
格子溝の間隔がブレーズ方向に等差的に拡大させた形状を有すると共に凹面回折格子の反射面は球面の一部を成す前記凹面回折格子の型を、金属または樹脂の表面に転写する工程と、を備えることを特徴とする凹面回折格子
の製造方法。
【請求項2】
フォトリソグラフィおよびエッチング、または機械加工により、平面状基板上に鋸歯形状を形成し、不等間隔の格子溝であって、相互に隣接する格子溝の間隔が、ブレーズ方向に沿って狭間隔から広間隔へと段階的に徐々に変化する形状を有するよう形成して、一定のブレーズ角を有する平面状の回折格子基板を作製する工程と、
前記格子溝が形成された面に凹面が対向するよう凹面基板を設置すると共に、前記格子溝が形成された面とは反対側の面に凸面が対向するよう接着層を介して凸面基板を設置する工程と、
前記平面状の回折格子基板の格子溝が形成された面を前記凹面基板に倣わせると共に、前記接着層により前記平面状の回折格子基板を前記凸面基板に接着する接着工程と、
前記凹面基板が取り外された後、前記平面状の回折格子基板のうち前記凸面基板の凸面よりも外側へと延在する外周部を除去し、凹面回折格子の型を形成する工程と、
相互に隣接する格子溝の間隔が、ブレーズ方向に沿って狭間隔から広間隔へと段階的に徐々に変化する形状を有すると共に凹面回折格子の反射面は球面の一部を成す前記凹面回折格子の型を、金属または樹脂の表面に転写する工程と、を備えることを特徴とする凹面回折格子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凹面回折格子およびその製造方法に係り、特に光を分光、収束させる曲面回折格子および、それを用いた光学装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、分光光度計等の光学装置に搭載される光学素子である曲面回折格子は、光の分光、収束の両方の性能を有しており、部品点数を少なくでき、装置の構成を簡便にすることが可能である。
【0003】
従来、球面の凹面回折格子において、格子溝の間隔を等間隔とすると、分光光はローランド円上に集光されるため、検出器をローランド円上に設置することで、光学装置の性能を向上させることは可能である。しかし、検出器をローランド円上に設置することで、光学装置の大型化が懸念される。そこで、凹面回折格子に形成する格子溝を不等間隔とすることで、集光位置、すなわち検出器の設置場所をローランド円から近似的な直線位置に補正でき、光学装置を小型化できる。このような球面の凹面回折格子を実現するために、例えば、特許文献1、特許文献2、及び特許文献3に記載される方法が提案されている。
【0004】
凹面回折格子は、凸面基板にルーリングエンジン等の機械で格子溝を刻印する方法で凹面回折格子の型を作製し、刻印した格子溝を樹脂、金属等に転写することで、凹面回折格子を製造している。球面の凹面回折格子では、特許文献1に記載されるように格子溝の間隔を不等間隔にすることで、分光光の収差を抑制している。
また、特許文献2では、凹面基板上に格子溝の間隔を不等間隔にレジストを形成し、イオンエッチングによりラミナー型(矩形)格子溝を形成し、凹面回折格子を作製している。特許文献3では、鋸歯形状の格子溝を有する平面回折格子を凹凸面基板で挟み込み、変形させ、凸面基板上に接合して、凹面回折格子の型を形成している。その凹面回折格子の型を金属や樹脂などに転写して凹面回折格子を作製している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開昭55-13918号公報
【文献】特開2011-106842号公報
【文献】WO2016/059928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
球面の凹面回折格子において、格子溝の間隔を等間隔とすると、分光光はローランド円上に集光されるため、検出器をローランド円上に設置することで、光学装置の性能を向上させることは可能である。しかし、検出器をローランド円上に設置することで、光学装置の大型化が懸念される。そこで、凹面回折格子に形成する格子溝を不等間隔とすることで、集光位置、すなわち検出器の設置場所をローランド円から近似的な直線位置に補正でき、光学装置を小型化できるが、以下に示す課題がある。
【0007】
特許文献1に記載される凹面回折格子の製造方法において、凸面基板にルーリングエンジン等の機械で刻印する方法で回折格子の型を作製すると、刻印ツールの角度が一定であるため、曲面基板の中心部、端部において、鋸歯形状の格子溝に浅い部分と深い部分とが形成され、ブレーズ角が一定にならない課題がある。
【0008】
特許文献2に記載される半導体プロセスを用いた曲面回折格子の製造方法では、任意の曲面基板に対して、フォトリソグラフィによるレジストの格子溝パターンを正確に作製することが困難であり、且つ曲面上へのエッチングでは曲面の垂線から傾きを持ったラミナー型(矩形)の格子溝が形成されるという不具合が生じ得る。
【0009】
特許文献3に記載される曲面回折格子の型を作製する技術では、平面基板上に鋸歯状の格子溝を形成した後、曲面に接合するため、曲面基板の中心部、端部においてもブレーズ角一定の凹面回折格子を作製することは可能であるが、格子溝が等間隔であるため収差の抑制は不十分であり、回折効率が低下して、検出光を有効に活用することができない。
【0010】
また仮に、特許文献2に記載されるラミナー型回折格子を平面基板上に作製し、特許文献3に記載される方法を適用した場合、曲面の垂線方向に傾きを持たずに、不等間隔で矩形の格子溝を有する曲面回折格子を作製することはできるが、凹凸面基板で挟み、荷重を印加すると、荷重が矩形の格子溝に加わり、矩形の格子溝が破損する虞がある。また、凹面回折格子の型を転写する際に、矩形の格子溝が噛みこむため、凹面回折格子が型から剥離し難いという課題がある。
【0011】
そこで、本発明は、球面収差の抑制により回折効率を向上し得る凹面回折格子及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る凹面回折格子の製造方法は、(1)フォトリソグラフィおよびエッチング、または機械加工により、平面状基板上に鋸歯形状を形成し、不等間隔の格子溝であって、格子溝の間隔がブレーズ方向に等差的に拡大させた形状を有するよう形成して、一定のブレーズ角を有する平面状の回折格子基板を作製する工程と、(2)前記格子溝が形成された面に凹面が対向するよう凹面基板を設置すると共に、前記格子溝が形成された面とは反対側の面に凸面が対向するよう接着層を介して凸面基板を設置する工程と、(3)前記平面状の回折格子基板の格子溝が形成された面を前記凹面基板に倣わせると共に、前記接着層により前記平面状の回折格子基板を前記凸面基板に接着する接着工程と、(4) 前記凹面基板が取り外された後、前記平面状の回折格子基板のうち前記凸面基板の凸面よりも外側へと延在する外周部を除去し、凹面回折格子の型を形成する工程と、(5)格子溝の間隔がブレーズ方向に等差的に拡大させた形状を有すると共に凹面回折格子の反射面は球面の一部を成す前記凹面回折格子の型を、金属または樹脂の表面に転写する工程と、を備えることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る凹面回折格子の製造方法は、(1)フォトリソグラフィおよびエッチング、または機械加工により、平面状基板上に鋸歯形状を形成し、不等間隔の格子溝であって、相互に隣接する格子溝の間隔が、ブレーズ方向に沿って狭間隔から広間隔へと段階的に徐々に変化する形状を有するよう形成して、一定のブレーズ角を有する平面状の回折格子基板を作製する工程と、(2)前記格子溝が形成された面に凹面が対向するよう凹面基板を設置すると共に、前記格子溝が形成された面とは反対側の面に凸面が対向するよう接着層を介して凸面基板を設置する工程と、(3)前記平面状の回折格子基板の格子溝が形成された面を前記凹面基板に倣わせると共に、前記接着層により前記平面状の回折格子基板を前記凸面基板に接着する接着工程と、(4)前記凹面基板が取り外された後、前記平面状の回折格子基板のうち前記凸面基板の凸面よりも外側へと延在する外周部を除去し、凹面回折格子の型を形成する工程と、(5)相互に隣接する格子溝の間隔が、ブレーズ方向に沿って狭間隔から広間隔へと段階的に徐々に変化する形状を有すると共に凹面回折格子の反射面は球面の一部を成す前記凹面回折格子の型を、金属または樹脂の表面に転写する工程と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、球面収差の抑制により回折効率を向上し得る凹面回折格子及びその製造方法を提供することが可能となる。
また、本発明によれば、一定のブレーズ角の鋸歯形状を有し、不等間隔の格子溝を備えた凹面回折格子を光学装置に搭載することで、球面収差の抑制により回折効率を向上でき且つ検出器を直線上に設置可能とし得る光学装置を提供することが可能となる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施例に係る実施例1の凹面回折格子を用いた光学装置の全体概略構成図である。
【
図2】
図1に示す凹面回折格子(球面回折格子)の概略構成を示す斜視図である。
【
図3】
図2に示す凹面回折格子(球面回折格子)のA-A断面矢視図及び格子溝の拡大図である。
【
図4】本発明の他の実施例に係る実施例2の凹面回折格子(球面回折格子)の型の概略構成を示す斜視図である。
【
図5】
図4に示す凹面回折格子(球面回折格子)型のB-B断面矢視図である。
【
図6】
図4に示す凹面回折格子の型を用いた凹面回折格子の製造方法を示す図であって、
図6(a)は凹面回折格子の型を用意する工程を、
図6(b)は凹面回折格子の型上に金属層を形成する工程を、
図6(c)は金属層上に凹面基板を設置する工程を、
図6(d)は凹面回折格子の型から剥離し凹面回折格子を得る工程を示す図である。
【
図7】本発明の他の実施例に係る実施例3の凹面回折格子の型の製造方法を示す図であって、
図7(a)は金属製回折格子を形成する工程を、
図7(b)は金属製回折格子の上方に凹面基板を下方に凸面基板を設置する工程を、
図7(c)は接着工程を、
図7(d)は凹面基板を取り外す工程を、
図7(e)は金属製回折格子の外周部を除去することで凹面回折格子の型を得る工程を示す図である。
【
図8】本発明の他の実施例に係る実施例4の凹面回折格子の型の製造方法を示す図であって、
図8(a)は平面回折格子を形成する工程を、
図8(b)は金属製回折格子を形成する工程を、
図8(c)は平面回折格子から金属製回折格子を剥離する工程を、
図8(d)は金属製回折格子の上方に凹面基板を下方に凸面基板を設置する工程を、
図8(e)は接着工程を、
図8(f)は凹面基板を取り外す工程を、
図8(g)は金属製回折格子の外周部を除去することで凹面回折格子の型を得る工程を示す図である。
【
図9】本発明の他の実施例に係る実施例5の凹面回折格子の型の製造方法を示す図であって、
図9(a)は金属製回折格子を形成する工程を、
図9(b)は金属製回折格子の上方に凹面基板を下方に凸面基板を設置する工程を、
図9(c)は接着工程を、
図9(d)は凹面基板を取り外す工程を、
図9(e)は金属製回折格子の外周部を除去することで凹面回折格子の型を得る工程を示す図である。
【
図10】本発明の他の実施例に係る実施例6の凹面回折格子の型の製造方法を示す図であって、
図10(a)は平面回折格子を形成する工程を、
図10(b)は金属材料を積層する工程を、
図10(c)は金属製回折格子を形成する工程を、
図10(d)は金属製回折格子の上方に凹面基板を下方に凸面基板を設置する工程を、
図10(e)は接着工程を、
図10(f)は凹面基板を取り外す工程を、
図10(g)は金属製回折格子の外周部を除去することで凹面回折格子の型を得る工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を用いて本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0019】
図1は、本発明の一実施例に係る実施例1の凹面回折格子を用いた光学装置の全体概略構成図である。光学装置1は、化学物質、生体物質などにおいて、物質の化学結合に特有の波長の光を選択的に吸収して、濃度測定、物質同定に使用される。
図1に示すように、光学装置1は、白色光源11、集光レンズ12a、試料室13、集光レンズ12b、スリット14、凹面回折格子2、及び複数の直線上に配置された検出器16にて構成される。
白色光源11からの光は集光レンズ12aにより集光され、試料室13内の計測対象に照射される。試料室13ら透過してくる光は、集光レンズ12bによりスリット14の開口部上に集光される。スリット14を通過した光は凹面回折格子2によって波長分散されスペクトルを形成する。形成されたスペクトルを検出器16で検出する。
【0020】
凹面回折格子2について説明する。
図2は
図1に示す凹面回折格子2の概略構成を示す斜視図であり、
図3は
図2に示す凹面回折格子2のA-A断面矢視図及び格子溝の拡大図である。
図2及び
図3に示すように、凹面回折格子2は、任意の曲率を有する凹面基板24、格子溝21が形成された金属層22、及び凹面基板24上に金属層22を固定する樹脂層23にて構成される。凹面回折格子の反射面(表面)は球面の一部を成している。そのため凹面回折格子を球面回折格子と称する場合もある。等間隔の格子溝を備えた凹面回折格子では、ローランド円上に結像する。これに対して、
図3に示すように、格子溝21の間隔をブレーズ方向に等差的に縮小させた凹面回折格子2では、近似的に直線上に結像することができる。換言すれば、格子溝21の間隔をブレーズ方向に沿って段階的に縮小させた凹面回折格子2では、近似的に直線上に結像することができる。ここで、ブレーズ方向とは、
図3に示すように、鋸歯形状の格子溝21の頂角211から最小角度(ブレーズ角212)を有する頂点へ向かう方向と定義される。従って、ブレーズ方向に沿って、相互に隣接する格子溝21の間隔が広間隔から狭間隔へと段階的に徐々に変化する形状を有する。
【0021】
このようにブレーズ方向に等差的に縮小させた凹面回折格子2を、
図1に示す光学装置1に適用することで、複数の検知器16を直線上に配置できるため、検出器16の実装を簡略化でき、光学装置1を小型化することができる。
また、凹面回折格子2で一定のブレーズ角212を有することで、特有の波長の光を選択的に分光できるため、ノイズ(迷光)の小さい光学装置1とでき、検出効率を向上することができる。
【0022】
以上の通り、本実施例によれば、球面収差の抑制により回折効率を向上し得る凹面回折格子を提供することが可能となる。
また、本実施例によれば、一定のブレーズ角の鋸歯形状を有し、不等間隔の格子溝を備えた凹面回折格子を光学装置に搭載することで、球面収差の抑制により回折効率を向上でき且つ検出器を直線上に設置可能とし得る光学装置を提供することが可能となる。
また、本実施例によれば、検出器を直線上に設置できるため、小型の光学装置を実現できる。
更には、光学素子の部品点数が少ない低コストの光学装置を実現できる。
【実施例2】
【0023】
凹面回折格子の型の構造、及び凹面回折格子の製造方法について、
図4乃至
図6を用いて説明する。
図4は本発明の他の実施例に係る実施例2の凹面回折格子の型の概略構成を示す斜視図であり、
図5は
図4に示す凹面回折格子型のB-B断面矢視図である。
【0024】
図4及び
図5に示すように、凹面回折格子の型3は、任意の曲率を有する凸面基板34、格子溝31が形成された金属膜である金属製回折格子32、および凸面基板34上に金属膜である金属製回折格子32を固定する接着層33にて構成される。
図5に示されるように、凹面回折格子の型3を構成する金属製回折格子32の格子溝31の間隔は、ブレーズ方向に等差的に拡大している。換言すれば、金属製回折格子32の格子溝31の間隔をブレーズ方向に沿って段階的に拡大させている。従って、ブレーズ方向に沿って、凹面回折格子の型3を構成する金属製回折格子32は、相互に隣接する格子溝31の間隔が狭間隔から広間隔へと段階的に徐々に変化する形状を有する。
【0025】
次に、上述の実施例1で示した凹面回折格子2の製造方向について説明する。
図6は、
図4に示す凹面回折格子の型を用いた凹面回折格子の製造方法を示す図であって、
図6(a)は凹面回折格子の型を用意する工程を、
図6(b)は凹面回折格子の型上に金属層を形成する工程を、
図6(c)は金属層上に凹面基板を設置する工程を、
図6(d)は凹面回折格子の型から剥離し凹面回折格子を得る工程を示す図である。
【0026】
図6(a)に示す凹面回折格子の型を用意する工程にて、先ず、鋸歯形状の格子溝31を有する凹面回折格子の型3を用意する。
次に、
図6(b)に示す凹面回折格子の型上に金属層を形成する工程にて、鋸歯形状の格子溝31を有する凹面回折格子の型3上に剥離層(図示せず)、金属層22を形成する。
図6(c)に示す金属層上に凹面基板を設置する工程では、金属層22上に樹脂層23を形成した後、樹脂層23の上に凹面基板24を設置する。
【0027】
図6(d)に示す凹面回折格子の型から剥離し凹面回折格子を得る工程では、樹脂層23が硬化した後、凹面回折格子の型3から、金属層22、樹脂層23、凹面基板24を外す(剥離する)ことで、凹面回折格子2を製造する。
【0028】
なお、凹面回折格子の型3を用いて、ナノインプリント等の技術により、樹脂層23に格子溝31を転写した後、その表面に金属層22を成膜しても良い。ここで、凹面回折格子2は、凹面回折格子の型3を転写して形成するため、
図6の右図に示すように、格子溝21の間隔を頂角211からブレーズ角212の頂点に向かって、すなわち、ブレーズ方向(凹面回折格子2のブレーズ方向)に等差的に縮小した凹面回折格子2を形成するためには、凹面回折格子の型3の格子溝31の間隔を頂角311からブレーズ角312の頂点に向かって、すなわち、ブレーズ方向(凹面回折格子の型3のブレーズ方向)に等差的に拡大して形成する必要がある。
【0029】
以上の通り本実施例によれば、上述の実施例1に示した凹面回折格子2を容易に製造することが可能となる。
【0030】
次に凹面回折格子の型の製法について説明する。以下の複数の製法は、上記球面回折格子に代表される凹面回折格子の製造方法に用いることができる。
【実施例3】
【0031】
図7は、本発明の他の実施例に係る実施例3の凹面回折格子の型の製造方法を示す図であって、
図7(a)は金属製回折格子を形成する工程を、
図7(b)は金属製回折格子の上方に凹面基板を下方に凸面基板を設置する工程を、
図7(c)は接着工程を、
図7(d)は凹面基板を取り外す工程を、
図7(e)は金属製回折格子の外周部を除去することで凹面回折格子の型を得る工程を示す図である。
【0032】
図7(a)に示す金属製回折格子を形成する工程にて、平面の金属基板上に、鋸歯形状を有し、ブレーズ方向に等差的に拡大させた格子溝31を機械刻印して、金属製回折格子32を形成する。換言すれば、金属製回折格子32の格子溝31の間隔をブレーズ方向に沿って段階的に拡大させている。従って、ブレーズ方向に沿って、金属製回折格子32は、相互に隣接する格子溝31の間隔が狭間隔から広間隔へと段階的に徐々に変化する形状を有する。
【0033】
次に、
図7(b)に示す金属製回折格子の上方に凹面基板を下方に凸面基板を設置する工程にて、金属製回折格子32の格子溝31を形成した面を凹面基板35側に、格子溝31を形成した面と反対側の面に、接着層33、凸面基板34側に設置する。すなわち、金属製回折格子32の格子溝31を形成した面の上方に、凹面基板35の凹面が対向するよう設置すると共に、金属製回折格子32の格子溝31を形成した面とは反対側の面の下方に、接着層33、接着層33の下方に凸面基板34の凸面が対向するよう設置する。
【0034】
図7(c)に示す接着工程では、真空雰囲気下で、接着層33の軟化点以上の温度、および荷重を印加して、金属製回折格子32の格子溝31の形成面を凹面基板35に倣わせると共に、接着層33により金属製回折格子32を凸面基板34の凸面に接着する。
次に、
図7(d)に示す凹面基板を取り外す工程では、荷重を印加した状態で冷却させて、接着層33を硬化させ、凹面基板35を取り外す(除去する)。続いて、
図7(e)に示す金属製回折格子の外周部を除去することで凹面回折格子の型を得る工程にて、曲面上に変形した金属製回折格子32の外周部(金属製回折格子32のうち凸面基板34の凸面よりも外側へと延在する外周部)を除去することで、凹面回折格子の型3を形成する。
金属製回折格子32を凹面基板35に倣わせて曲面に変形させることで、格子溝31を形成した面は、凹面基板35の面精度となる。また、接着層33は、接着時に軟化しており、金属製回折格子32の厚さばらつき、凸面基板34の面精度ばらつきの影響を吸収することができる。
【0035】
機械による刻印、若しくは半導体プロセス(フォトリソ及びエッチング)により、格子溝31を金属の平面基板上に形成した金属製回折格子32、または機械による刻印、若しくは半導体プロセスにより、格子溝31を形成した平面回折格子を金属の平面基板に転写して、金属製回折格子32を作製する。金属の平面基板への平面回折格子の格子溝の転写においては、スパッタリング、蒸着、めっきを用いる。これらの金属製回折格子32を曲面に変形させて、凸面基板34に実装することで、凹面回折格子の型3を作製する。この凹面回折格子の型3を、上述の実施例1における
図6に示した方法で、金属層22、樹脂層23に転写させて、凹面回折格子2を作製する。
【0036】
機械刻印により平面状の基板に格子溝31を作製すると、刻印ツールの角度が一定であるため、基板の全面において、一定のブレーズ角度312を持った鋸歯形状の格子溝31を、形状ばらつきが少なく形成することができる。
半導体プロセスにより平面基板上に格子溝31を作製すると、曲面上へのフォトリソグラフィ及びエッチングと比較して、一定のブレーズ角度312(
図6)を有する鋸歯形状の格子溝31を、形状ばらつきを少なく形成しやすいと共に、従来のフォトリソグラフィやエッチングに適用する装置を適用できる。これらの方法で作製した平面状の回折格子基板(金属製回折格子)32を曲面に変形させて、凸面基板34に実装するため、曲面(凸面)全面において、ほぼ一定のブレーズ角度を有する鋸歯形状を有し、ブレーズ方向に等差的に間隔を変化させた格子溝31を有する凹面回折格子の型3を作製することができる。
【0037】
金属製回折格子32の曲面への変形、凸面基板34への実装においては、金属製回折格子32を、高い面精度を有する凹面基板35と凸面基板34とで挟み込み、荷重、温度を印加して、凹面回折格子の型3を作製する。金属製回折格子32の格子溝31を形成した面を凹面基板35に倣わせることで、金属製回折格子32の基板厚さばらつき、金属製回折格子32と凸面基板34とを固定する接着層33の厚さばらつき、凸面基板の面精度等の影響なく、凹面回折格子の型3の面精度を向上できる。金属製回折格子32を凹面基板35と凸面基板34とで挟み込み、荷重を印加して、曲面に変形させたときに、格子溝31の変形、潰れ等が懸念されるが、凹面基板35から格子溝31に加わる荷重は、鋸歯形状の格子溝31の頂角311(
図6)の隣辺方向へと分散されるため、変形、潰れなく、凹面回折格子の型3を作製できる。
【0038】
以上の通り本実施例によれば、曲面(凸面)全面において、ほぼ一定のブレーズ角度を有する鋸歯形状を有し、ブレーズ方向に等差的に間隔を変化させた格子溝31を有する凹面回折格子の型3を作製することが可能となる。その結果、転写されたほぼ一定のブレーズ角度を有する鋸歯形状を有する凹面回折格子2を作製することができる。
また、本実施例によれば、凹面回折格子の型3の面精度を向上することが可能となる。
【実施例4】
【0039】
図8は、本発明の他の実施例に係る実施例4の凹面回折格子の型の製造方法を示す図であって、
図8(a)は平面回折格子を形成する工程を、
図8(b)は金属製回折格子を形成する工程を、
図8(c)は平面回折格子から金属製回折格子を剥離する工程を、
図8(d)は金属製回折格子の上方に凹面基板を下方に凸面基板を設置する工程を、
図8(e)は接着工程を、
図8(f)は凹面基板を取り外す工程を、
図8(g)は金属製回折格子の外周部を除去することで凹面回折格子の型を得る工程を示す図である。
【0040】
図8(a)に示す平面回折格子を形成する工程にて、平面基板上に機械刻印により、鋸歯形状を有する格子溝41aを、ブレーズ方向に等差的に縮小させて、平面回折格子40を形成する。換言すれば、平面回折格子40の格子溝41aの間隔をブレーズ方向に沿って段階的に縮小させている。従って、ブレーズ方向に沿って、平面回折格子40は、相互に隣接する格子溝41aの間隔が広間隔から狭間隔へと段階的に徐々に変化する形状を有する。
【0041】
次に、
図8(b)に示す金属製回折格子を形成する工程にて、格子溝41aを形成した面に、シード膜を形成した後、電解めっきにより、金属を積層して、金属製回折格子42を形成する。
図8(c)に示す平面回折格子から金属製回折格子を剥離する工程では、平面回折格子40からシード膜をエッチングして、金属製回折格子42を剥離する。ここで、金属製回折格子42の鋸歯形状の格子溝41bは、ブレーズ方向に等差的に拡大した間隔で形成される。換言すれば、金属製回折格子42の格子溝41bの間隔をブレーズ方向に沿って段階的に拡大させている。従って、ブレーズ方向に沿って、金属製回折格子42は、相互に隣接する格子溝41bの間隔が狭間隔から広間隔へと段階的に徐々に変化する形状を有する。
【0042】
次に、
図8(d)に示す金属製回折格子の上方に凹面基板を下方に凸面基板を設置する工程にて、金属製回折格子42の格子溝41bを形成した面を凹面基板45側に、格子溝41bを形成した面の反対側の面に、接着層43、凸面基板44を設置する。すなわち、金属製回折格子42の格子溝41bを形成した面の上方に、凹面基板45の凹面が対向するよう設置すると共に、金属製回折格子42の格子溝41bを形成した面とは反対側の面の下方に、接着層43、接着層43の下方に凸面基板44の凸面が対向するよう設置する。
【0043】
図8(e)に示す接着工程では、真空雰囲気下で、接着層43の軟化点以上の温度、および荷重を印加して、金属製回折格子42の格子溝41bの形成面を凹面基板45に倣わせると共に、接着層43により金属製回折格子42を凸面基板44の凸面に接着する。
【0044】
次に、
図8(f)に示す凹面基板を取り外す工程では、荷重を印加した状態で冷却させて、接着層43を硬化させた後、凹面基板45を取り外す(除去する)。続いて、
図8(g)に示す金属製回折格子の外周部を除去することで凹面回折格子の型を得る工程にて、曲面上に変形した金属製回折格子42の外周部(金属製回折格子42のうち凸面基板44の凸面よりも外側へと延在する外周部)を除去することで、凹面回折格子の型4を形成する。上記方法により、ブレーズ方向に等差的に拡大した間隔を有する凹面回折格子の型4を形成できる。
【実施例5】
【0045】
図9は、本発明の他の実施例に係る実施例5の凹面回折格子の型の製造方法を示す図であって、
図9(a)は金属製回折格子を形成する工程を、
図9(b)は金属製回折格子の上方に凹面基板を下方に凸面基板を設置する工程を、
図9(c)は接着工程を、
図9(d)は凹面基板を取り外す工程を、
図9(e)は金属製回折格子の外周部を除去することで凹面回折格子の型を得る工程を示す図である。
【0046】
図9(a)に示す金属製回折格子を形成する工程にて、平面の金属基板上に半導体プロセス(フォトリソグラフィ及びエッチング)により、ブレーズ方向に等差的に拡大させた間隔を有する鋸歯形状の格子溝51を形成して、金属製回折格子52を形成する。換言すれば、金属製回折格子52の格子溝51の間隔をブレーズ方向に沿って段階的に拡大させている。従って、ブレーズ方向に沿って、金属製回折格子52は、相互に隣接する格子溝51の間隔が狭間隔から広間隔へと段階的に徐々に変化する形状を有する。ここで、半導体プロセス(フォトリソグラフィ及びエッチング)を適用することで、機械刻印による金属製回折格子52の作製と比較して、短時間での作製が可能である。
【0047】
次に、
図9(b)に示す金属製回折格子の上方に凹面基板を下方に凸面基板を設置する工程にて、金属製回折格子52の格子溝51を形成した面を凹面基板55側に、格子溝51を形成した面と反対側の面に接着層53、凸面基板54を設置する。すなわち、金属製回折格子52の格子溝51を形成した面の上方に、凹面基板55の凹面が対向するよう設置すると共に、金属製回折格子52の格子溝51を形成した面とは反対側の面の下方に、接着層53、接着層53の下方に凸面基板54の凸面が対向するよう設置する。
【0048】
図9(c)に示す接着工程では、真空雰囲気下で、接着層53の軟化点以上の温度、および荷重を印加して、金属製回折格子52の格子溝51の形成面を凹面基板55に倣わせると共に、接着層53により金属製回折格子52を凸面基板54の凸面に接着する。
【0049】
次に、
図9(d)に示す凹面基板を取り外す工程では、荷重を印加した状態で冷却させて、接着層53を硬化させた後、凹面基板55を取り外す(除去する)。続いて、
図9(e)に示す金属製回折格子の外周部を除去することで凹面回折格子の型を得る工程にて、金属製回折格子52の凸面基板54の凸面に接着されていない外周部(金属製回折格子52のうち凸面基板54の凸面よりも外側へと延在する外周部)を除去することで、凹面回折格子の型5を形成する。
【0050】
以上の通り本実施例によれば、平面の金属基板上に半導体プロセス(フォトリソグラフィ及びエッチング)により、ブレーズ方向に等差的に拡大させた間隔を有する鋸歯形状の格子溝51を形成して、金属製回折格子52を形成することにより、機械刻印による金属製回折格子52の作製と比較して、短時間での作製が可能となる。
【実施例6】
【0051】
図10は、本発明の他の実施例に係る実施例6の凹面回折格子の型の製造方法を示す図であって、
図10(a)は平面回折格子を形成する工程を、
図10(b)は金属材料を積層する工程を、
図10(c)は金属製回折格子を形成する工程を、
図10(d)は金属製回折格子の上方に凹面基板を下方に凸面基板を設置する工程を、
図10(e)は接着工程を、
図10(f)は凹面基板を取り外す工程を、
図10(g)は金属製回折格子の外周部を除去することで凹面回折格子の型を得る工程を示す図である。
【0052】
図10(a)に示す平面回折格子を形成する工程にて、平面基板上にフォトリソグラフィにより、レジスト(樹脂)で、ブレーズ方向に等差的に縮小した間隔で、鋸歯形状を持った格子溝61aを形成して、平面回折格子60を形成する。換言すれば、平面回折格子60の格子溝61aの間隔をブレーズ方向に沿って段階的に縮小させている。従って、ブレーズ方向に沿って、平面回折格子60は、相互に隣接する格子溝61aの間隔が広間隔から狭間隔へと段階的に徐々に変化する形状を有する。
【0053】
次に、
図10(b)に示す金属材料を積層する工程にて、格子溝61aを形成した面に、シード膜を形成した後、電解めっきにより、金属材料を積層する。
図10(c)に示す金属製回折格子を形成する工程では、平面回折格子60から金属材料を剥離させ、ブレーズ方向に等差的に拡大した間隔で、鋸歯形状の格子溝61bを有する金属製回折格子62を形成する。換言すれば、金属製回折格子62の格子溝61bの間隔をブレーズ方向に沿って段階的に拡大させている。従って、ブレーズ方向に沿って、金属製回折格子62は、相互に隣接する格子溝61bの間隔が狭間隔から広間隔へと段階的に徐々に変化する形状を有する。ここで、フォトリソグラフィでの平面回折格子60の作製は、機械刻印と比較して、短時間で作製でき、且つ平面回折格子60から金属製回折格子62を剥離する際に、レジスト(樹脂)を溶解させることで、容易に剥離させることができる。
【0054】
次に、
図10(d)に示す金属製回折格子の上方に凹面基板を下方に凸面基板を設置する工程にて、金属製回折格子62の格子溝61bを形成した面を凹面基板65側に、格子溝61bを形成した面の反対側の面に接着層63、凸面基板64を設置する。すなわち、金属製回折格子62の格子溝61bを形成した面の上方に、凹面基板65の凹面が対向するよう設置すると共に、金属製回折格子62の格子溝61bを形成した面とは反対側の面の下方に、接着層63、接着層63の下方に凸面基板64の凸面が対向するよう設置する。
【0055】
図10(e)に示す接着工程では、真空雰囲気下で、接着層63の軟化点以上の温度、および荷重を印加して、金属製回折格子62の格子溝61bの形成面を凹面基板65に倣わせると共に、金属製回折格子62を接着層63で凸面基板64の凸面に接着する。
【0056】
次に、
図10(f)に示す凹面基板を取り外す工程では、荷重を印加した状態で冷却させて、接着層63を硬化させた後、凹面基板65を取り外す(除去する)。続いて、
図10(g)に示す金属製回折格子の外周部を除去することで凹面回折格子の型を得る工程にて、曲面上に変形した金属製回折格子62の凸面基板64の凸面に接着されていない外周部(金属製回折格子62のうち凸面基板64の凸面よりも外側へと延在する外周部)を除去することで、凹面回折格子の型6を形成する。
【0057】
以上の通り本実施例によれば、フォトリソグラフィにて平面回折格子60を作製することにより、機械刻印と比較して、短時間で作製でき、且つ平面回折格子60から金属製回折格子62を剥離する際に、レジスト(樹脂)を溶解させることで、容易に剥離させることができる。
【0058】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。
例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。
【符号の説明】
【0059】
1…光学装置
2…凹面回折格子
3,4,5,6…凹面回折格子の型
11…光源
12a,12b…集光レンズ
13…試料室
14…スリット
16…検出器
21…格子溝
22…金属層
23…樹脂層
24…凹面基板
30,50,60…平面回折格子
31,41,51,61…格子溝
32,42,52,62…金属製回折格子
33,43,53,63…接着層
34,44,54,64…凸面基板
35,45,55,65…凹面基板