(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-23
(45)【発行日】2023-07-03
(54)【発明の名称】画像形成装置システム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20230626BHJP
G06F 40/166 20200101ALI20230626BHJP
G06F 40/186 20200101ALI20230626BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20230626BHJP
【FI】
G06F3/12 343
G06F3/12 304
G06F40/166
G06F40/186
B41J29/38
(21)【出願番号】P 2018219083
(22)【出願日】2018-11-22
【審査請求日】2021-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐枝 政夫
(72)【発明者】
【氏名】中井 康博
(72)【発明者】
【氏名】片本 浩司
(72)【発明者】
【氏名】村上 光一
(72)【発明者】
【氏名】早野 康友
【審査官】白石 圭吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-046856(JP,A)
【文献】特開2012-058989(JP,A)
【文献】特開2015-165394(JP,A)
【文献】特開2017-076160(JP,A)
【文献】特開2018-074520(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09-3/12
G06F 40/00-40/197
H04N 1/00
B41J 29/00-29/70
B41J 5/00-5/52;21/00-21/18
G03G 13/34;15/00;15/36;21/00;21/02;21/14;21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置と、
前記画像形成装置とネットワークを介して通信可能なサーバーと、を有する画像形成装置システムであって、
前記サーバーは、
文書データを記憶する記憶手段と、
前記文書データに基づいて、用紙に印刷される所定の文書において共通の記載である固定部分及び前記所定の文書において変更可能な記載がなされる可変部分を検出する記載位置検出手段と、
前記可変部分に記載される内容につい
て決定するための記載ルールを記憶する記載ルール記憶手段と、
前記文書データに基づいて、前記固定部分に記載されている固定情報を決定し、前記可変部分に記載されることとなる可変情報を前記記載ルールに基づいて決定する記載情報決定手段と、
前記記載情報決定手段により決定された前記固定情報が、前記記載位置検出手段により検出された前記固定部分に記載され、かつ、前記記載情報決定手段により決定された前記可変情報が、前記記載位置検出手段により検出された前記可変部分に記載されるように前記固定情報及び前記可変情報を合成して文書を作成する合成手段と、を備え、
前記所定の文書において前記可変部分は複数であり、複数の前記可変部分のそれぞれに前記記載ルールが規定された組合せが複数設定されており、
さらに、前記記載ルールが規定された組合せは、画像形成サービスを利用する使用者ごとに分けて前記記載ルール記憶手段に記憶されていて、
前記画像形成装置は、
前記ネットワークを介して前記サーバーから送信された合成後の文書についての合成後文書データを取得するデータ取得手段と、
前記データ取得手段が取得した前記合成後文書データに基づいて用紙に印刷を行う印刷手段と、を備える、ことを特徴とする画像形成装置システム。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置システムであって、
前記可変情報には、日付情報、宛名情報、及び前記画像形成装置の設置場所に関係する情報の少なくとも何れかが含まれている、ことを特徴とする画像形成装置システム。
【請求項3】
請求項1に記載の画像形成装置システムであって、
前記画像形成装置の設置場所に基づいて前記可変情報が決定される、ことを特徴とする画像形成装置システム。
【請求項4】
請求項3に記載の画像形成装置システムであって、
前記画像形成装置の設置場所には前記画像形成装置が設置される箇所の環境に関する情報が含まれている、ことを特徴とする画像形成装置システム。
【請求項5】
請求項1から請求項4までの何れか1つに記載の画像形成装置システムであって、
前記サーバーには文書の出力期限が記憶されており、
前記画像形成装置は、出力期限を過ぎている文書は印刷しない、ことを特徴とする画像形成装置システム。
【請求項6】
請求項5に記載の画像形成装置システムであって、
前記画像形成装置は、出力期限を過ぎている文書の印刷指示があった場合は、期限が過ぎていることを警告する警告手段を備える、ことを特徴とする画像形成装置システム。
【請求項7】
請求項1から請求項6までの何れか1つに記載の画像形成装置システムであって、
前記画像形成装置は、前記合成後文書データに基づく文書を表示する表示手段を備えている、ことを特徴とする画像形成装置システム。
【請求項8】
請求項1から請求項7までの何れか1つに記載の画像形成装置システムであって、
前記画像形成装置は、入力手段と、前記入力手段による操作に応じて前記合成後文書データの編集を行う編集手段と、を備えている、ことを特徴とする画像形成装置システム。
【請求項9】
請求項1から請求項7までの何れか1つに記載の画像形成装置システムであって、
前記画像形成装置は、携帯端末と通信可能であり、
前記携帯端末による操作に応じて、前記合成後文書データの編集を行う編集手段を備えている、ことを特徴とする画像形成装置システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリントサービスを提供する画像形成装置システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストア等に設置された画像形成装置の中には、プリントサービスを提供するものがある。プリントサービスとは、例えば、使用者が自宅等でパーソナルコンピュータを用いて作成した文書等を、コンビニエンスストア等に設置された画像形成装置を用いて印刷することができるサービスである。具体的には、使用者はパーソナルコンピュータを用いて作成した文書における文書データを、インターネット等のネットワークを介して外部サーバーに予め記憶させておく。そして、使用者が外出先のコンビニエンスストアの画像形成装置を操作することにより、画像形成装置が外部サーバーから文書データを取得し、当該文書を印刷して出力する。
【0003】
このように、プリントサービスを利用することにより、使用者は外出先であってもコンビニエンスストアに設置された画像形成装置を用いて文書等を印刷することができる。そのため、会社や自宅以外であっても、コンビニエンスストアさえあればすぐに印刷することができ、利便性が高い。
【0004】
このような画像形成装置のプリントサービスに関して様々な技術が開示されている。例えば、特許文献1には、コンテンツ登録サーバーから送信された印刷対象のコンテンツ情報を受信し、受信したコンテンツ情報の種類を判定し、判定した種類に応じた印刷方式と印刷パラメータとを自動的に設定して印刷する画像形成装置が開示されている。これにより、使用者による印刷方式等の設定操作を軽減することができ、利便性を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、プリントサービスに関して様々な技術が開示されているが、画像形成装置によるプリントサービス事業は今後もさらに拡大すると考えられており、なお一層、使用者の利便性を向上させることが望まれている。
【0007】
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、使用者の利便性を向上させることができる画像形成装置システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る画像形成装置システムは、画像形成装置と、前記画像形成装置とネットワークを介して通信可能なサーバーと、を有する画像形成装置システムであって、前記サーバーは、文書データを記憶する記憶手段と、前記文書データに基づいて、用紙に印刷される所定の文書において共通の記載である固定部分及び前記所定の文書において変更可能な記載がなされる可変部分を検出する記載位置検出手段と、前記可変部分に記載される内容について決定するための記載ルールを記憶する記載ルール記憶手段と、前記文書データに基づいて、前記固定部分に記載されている固定情報を決定し、前記可変部分に記載されることとなる可変情報を前記記載ルールに基づいて決定する記載情報決定手段と、前記記載情報決定手段により決定された前記固定情報が、前記記載位置検出手段により検出された前記固定部分に記載され、かつ、前記記載情報決定手段により決定された前記可変情報が、前記記載位置検出手段により検出された前記可変部分に記載されるように前記固定情報及び前記可変情報を合成して文書を作成する合成手段と、を備え、前記所定の文書において前記可変部分は複数であり、複数の前記可変部分のそれぞれに前記記載ルールが規定された組合せが複数設定されており、さらに、前記記載ルールが規定された組合せは、画像形成サービスを利用する使用者ごとに分けて前記記載ルール記憶手段に記憶されていて、前記画像形成装置は、前記ネットワークを介して前記サーバーから送信された合成後の文書についての合成後文書データを取得するデータ取得手段と、前記データ取得手段が取得した前記合成後文書データに基づいて用紙に印刷を行う印刷手段と、を備える、ことを特徴とする。
【0009】
これにより、サーバーに記憶させた文書において、一部のみが異なる文書を印刷することが容易に実行できる。つまり、従来は、文書の一部のみが異なる場合は、異なる文書ごとに文書データを作成し、それらそれぞれの文書データをすべてサーバーに記憶させることが必要であった。しかし、上記画像形成装置システムによれば、文書において共通の記載である固定部分及び文書において変更される記載である可変部分に関する情報をサーバーに記憶させておくことにより、共通の記載であって一部のみが異なる文書を容易に作成することができる。そのため、使用者の作業負担が軽減され、利便性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、使用者の利便性を向上させることができる画像形成装置システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置システムの構成を示す概略図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置システムが備える画像形成装置の外観概略構成を示す斜視図である。
【
図3】
図2に示す画像形成装置における制御構成を概略的に示すブロック図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置システムが備えるサーバーにおける制御構成を概略的に示すブロック図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係るサーバーに記憶される文書データの一例である。
【
図6】本発明の第1実施形態に係るサーバーに記憶される文書データにおいて可変部分が特定されている状態の一例を示す図である。
【
図7】本発明の第1実施形態に係るサーバーに記憶される可変情報に関する情報である記載ルールの一例である。
【
図8】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置により印刷された文書の一例である。
【
図9】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置システムが備えるサーバーの制御動作の一例を示すフローチャートである。
【
図10】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置システムが備えるサーバーの制御動作の一例を示すフローチャートである。
【
図11】本発明の第3実施形態に係る画像形成装置システムが備える画像形成装置の制御構成を概略的に示すブロック図である。
【
図12】本発明の第3実施形態に係る画像形成装置と携帯端末を接続した構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0013】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置システムの構成を示す概略図である。
【0014】
図1に示すように、画像形成装置システム500は、画像形成装置100及びサーバー200を備えている。そして、画像形成装置100及びサーバー200は、例えばインターネット等のネットワーク400を介して通信可能に接続されている。なお、図示はしていないが、サーバー200は、使用者のパーソナルコンピュータ(以下、PCという)ともネットワーク400を介して接続されている。
【0015】
使用者は例えばPCにより作成した文書をデータとしてサーバー200に記憶させることが可能である。そして、使用者は画像形成装置100を操作することにより、サーバー200に記憶させている文書を画像形成装置100により用紙に印刷することができる。このようなプリントサービスを利用するためには、使用者は予め登録してアカウントを取得しておく必要がある。これにより、使用者を特定することができる。使用者はアカウントを用いてログインし、文書データをPCからサーバー200へと送信することにより、文書データがサーバー200に記憶される。
【0016】
図面を用いて、画像形成装置100について説明する。
【0017】
図2は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置システムが備える画像形成装置の外観概略構成を示す斜視図である。
図3は、
図2に示す画像形成装置における制御構成を概略的に示すブロック図である。
【0018】
図2に示すように、画像形成装置100は、画像形成装置本体110と原稿読取装置120とを備えている。
【0019】
原稿読取装置120は、画像形成装置本体110の上部に設けられており、原稿載置台121、原稿読取部122及び原稿自動送り装置123を備えている。原稿読取装置120は、原稿載置台121に載置された原稿の画像を原稿読取部122にて読み取るか又は原稿自動送り装置123にて自動的に送られる原稿の画像を原稿読取部122にて読み取り、読み取った原稿の画像データを画像形成装置本体110に送信する。原稿読取装置120は、原稿自動送り装置123にて搬送されて原稿読取部122にて読み取られた原稿を原稿排出トレイ123aに排出する。
【0020】
画像形成装置本体110は、シート収容部111、シート搬送部112、画像形成部113、シート排出部114及び操作部115を有している。画像形成装置本体110は、記録用紙等の記録シートをシート収容部111に収容し、シート収容部111に収容された記録シートをシート搬送部112にて搬送し、シート搬送部112にて搬送された記録シートに原稿読取装置120又は外部から送信されてきた画像データに基づいてカラー画像又はモノクロ画像を画像形成部113にて形成し、画像形成部113にて画像を形成した記録シートをシート排出部114におけるシート排出トレイ114aに排出するようになっている。また、画像形成部113は、外部から送信されてきた文書データに基づいて用紙等に文書の印刷を行うこともできる。
【0021】
操作部115は、表示部161を含み、操作部材165を備えている。なお、表示部161はタッチパネルディスプレイであって、操作に関する画像を表示するだけでなく、表示部161の画面に触れることにより、入力が可能となっている。また、表示部161は、印刷を行う文書や画像等のプレビュー表示等も可能である。
【0022】
また、
図3に示すように、画像形成装置100は、画像形成装置100全体の制御を司る制御部180をさらに備えている。上述したように、画像形成装置100は、コピー、プリント、ファックス、スキャナ及びコンテンツサービス等の機能を有しており、制御部180はこれらの各機能の動作を司っており、原稿読取装置120及び画像形成部113の動作についても制御部180が制御している。
【0023】
制御部180は、処理部181及びデータ取得部182を備えている。制御部180は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のマイクロコンピュータであって、所定のプログラムを実行することにより、処理部181及びデータ取得部182の機能を実現する。
【0024】
また、画像形成装置100は記憶部162も備えている。記憶部162は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)やデータ書き換え可能な不揮発性メモリ等の記憶装置であり、画像形成装置100の制御用のプログラムを記憶したり、画像形成部113により形成される画像や文書に関するデータを記憶したりしている。
【0025】
処理部181は、記憶部162のROMに予め格納された制御プログラムを記憶部162のRAM上にロードして実行することにより、各種構成要素の作動制御を行う。記憶部162のRAMは、それぞれ、処理部181に対して作業用のワークエリア、画像データを格納する画像メモリ及び文書データを格納するメモリとしての領域を提供する。
【0026】
データ取得部182は、サーバー200から送信された文書データを取得する。処理部181は、データ取得部182が取得した文書データに基づいて、画像形成部113が用紙に文書を印刷するように制御する。
【0027】
次に、図面を用いて、サーバー200について説明する。
【0028】
図4は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置システムが備えるサーバーにおける制御構成を概略的に示すブロック図である。
【0029】
図4に示すように、サーバー200は、制御部210及び記憶部220を備えている。
【0030】
制御部210は、記載位置検出部211、固定情報決定部212、可変情報決定部213及び合成部214を備えている。
【0031】
制御部210は、サーバー200の全体の動作を統括的に制御したり、各種の判断を行ったりするものである。制御部210は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のマイクロコンピュータであって、所定のプログラムを実行することにより、記載位置検出部211、固定情報決定部212、可変情報決定部213及び合成部214の機能を実現する。
【0032】
また、記憶部220は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)やデータ書き換え可能な不揮発性メモリ等の記憶装置である。記憶部220には、使用者がPC等を用いて作成した文書データが記憶されている。なお、記憶部220は、文書データにおいて共通の記載である固定情報が記載される文書における固定部分と、文書データにおいて状況に応じて変更可能な記載がなされた文書における可変部分と、のそれぞれについても記憶している。さらに、記憶部220は、可変部分に記載される可変情報に関するデータである記載ルールについても記憶している。固定部分、可変部分、固定情報、可変情報及び記載ルール等については後述する。
【0033】
記載位置検出部211は、記憶部220に記憶されている文書データにおいて固定部分の位置及び可変部分の位置を検出する。
【0034】
固定情報決定部212は、固定部分に記載する固定情報を決定する。
【0035】
可変情報決定部213は、記憶部220に記憶されている記載ルールにしたがって、可変情報を決定する。
【0036】
合成部214は、固定部分に固定情報が記載され、可変部分に可変情報が記載されるように固定情報及び可変情報を合成して文書を作成する。
【0037】
この合成後の文書のデータである合成後文書データは画像形成装置100へと送信される。
【0038】
ここで、文書における可変部分、固定部分、可変情報及び固定情報について図面を用いて説明する。
図5は、本発明の第1実施形態に係るサーバーに記憶される文書データの一例である。
図6は、本発明の第1実施形態に係るサーバーに記憶される文書データの可変部分の特定方法の一例を示す図である。
【0039】
図5には、固定情報を示されている。つまり、
図5において記載がなされている部分が固定部分であり、記載が固定情報である。
【0040】
図6に示すように、文書600には、第1指定枠601、第2指定枠602及び第3指定枠603が記載されている。これら第1指定枠601、第2指定枠602及び第3指定枠603により囲まれた箇所が可変部分であり、これらの箇所の記載は変更され得る。
【0041】
例えば、第1指定枠601に囲まれた範囲内にはこの文書の宛先が記載されている。また、第2指定枠602に囲まれた範囲内にはこの文書の作成された日付が記載されている。また、第3指定枠603に囲まれた範囲内には、「CONFIDENTIAL」との記載がなされている。このように、これら、宛先、日付、秘密文書か否かについては自動で変更される。
【0042】
例えば、プリントサービスを利用する使用者はPCを用いて、自らのアカウントを入力してログインし、
図5に示された固定情報が固定部分に記載されている文書600のデータをサーバー200の記憶部220に記憶させる。つまり、
図5に示された文書データを記憶部220に記憶させる。さらに、使用者は可変部分を特定する。特定の方法としては、
図6における第1指定枠601、第2指定枠602及び第3指定枠603のように、文書中の可変部分を指定することとすればよい。さらに、これら指定した部分の可変情報に関するデータである記載ルールも記憶部220に記憶させる。
【0043】
例えば、第2指定枠602で指定された部分には印刷した日付を記載し、有効期限としては印刷した日から1ヶ月とすることといった記載ルールを記憶させる。これにより、可変情報決定部213はこの記載ルールにしたがって、第2指定枠602で囲まれた部分に可変情報である本日の日付及びそこから1ヶ月先に当たる有効期限を記載することを決定する。そして、これら本日の日付及び有効期限は、固定情報に合成して記載される。
【0044】
このように、サーバー200は、固定情報に可変情報を自動で合成して、合成後文書データを作成する。
【0045】
次に、記載ルールの例について図を用いて説明する。
図7は、本発明の第1実施形態に係るサーバーに記憶される可変情報に関する情報である記載ルールの一例である。
図7に示すように、使用者ごとに記載ルールが規定されている。なお、
図7において、使用者については、利用者A、Bと記載されている。可変部分の特定の際に、各可変部分の区別がつくように指定範囲の枠の色が変更されている。
図7に示すように、青枠、緑枠、黄色枠、赤枠で囲うように区別されている。
【0046】
この記載ルールにしたがって、可変情報決定部213が可変部分における可変情報を決定する。記載ルールには、例えば、日付情報、宛名情報、及び設置場所に関係する情報等が含まれている。日付情報は、いつの日付を記載するか、有効期限又は締め切り日等を記載するかに関する情報とすればよい。
【0047】
また、宛名情報は、文書を送付する相手の名前に関する情報である。
【0048】
また、設置場所に関係する情報としては、例えば寒冷地に設置された画像形成装置100から文書を印刷する場合は、寒冷地仕様のオプション部品の追加記載を行うこととすればよい。また、都心に設置された画像形成装置100は狭小型であり機能が制限されることから、その機能の範囲内でできる印刷以外は行わないこととすればよい。具体的には、狭小型の画像形成装置100は、写真の印刷ができないことから、文書中に写真を載せないこととすればよい。
【0049】
また、画像形成装置100の設置場所によっては、通信条件が異なることから、通信条件に応じた印刷を行うこととしてもよい。これら以外に、設置場所に応じた印刷オプションを行うこととすればよい。このように、設置場所に関係する情報により、可変情報が決定されることから、印刷を行う画像形成装置100はサーバー200に設置場所を指示することとすればよい。
【0050】
なお、記載ルールに含まれる情報は、上述した日付情報、宛名情報、設置場所に関係する情報及び秘密文書に関する情報に限定されるわけではなく、これら以外の情報を含むこととしてもよい。
【0051】
合成部214により、固定情報及び可変情報が合成されて作成された文書のデータである合成後文書データは画像形成装置100へと送信されるが、送信された合成後文書データは、画像形成装置100のデータ取得部182により取得され、画像形成部113により用紙に印刷されて排出される。
【0052】
図8は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置により印刷された文書の一例である。
図8に示すように、印刷された用紙610には可変情報である宛先、日付、有効期限、「CONFIDENTIAL」の記載がなされ、可変情報以外に固定情報も記載されている。
【0053】
次に、図面を用いてサーバー200の制御動作について説明する。
【0054】
図9は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置システムが備えるサーバーの制御動作の一例を示すフローチャートである。
【0055】
使用者が画像形成装置100により、サーバー200に記憶されている文書データについて印刷する場合は、画像形成装置100を操作してログインし、印刷する文書の文書番号を入力することにより印刷する文書を選択する。
【0056】
これにより、画像形成装置100からサーバー200に送信が行われる。そして、
図9に示すように、サーバー200が、画像形成装置100から送信された使用者のアカウント、文書番号等のデータを受け取る(ステップS1)。サーバー200において、受け取った使用者のアカウント及び文書番号等より、印刷される文書データを特定し、固定部分及び可変部分の位置の検出と、固定情報及び可変情報の決定とを行う(ステップS2)。ここで、可変情報は、記載ルールにしたがって決定する。
【0057】
サーバー200は、固定部分及び可変部分を考慮して、固定情報及び可変情報の合成を行う(ステップS3)。そして、これらが合成されることで作成された合成後文書データを、画像形成装置100へと送信して(ステップS4)、終了する。
【0058】
画像形成装置100において、合成後文書データを取得すると、処理部181は表示部161に合成後の文書を表示する。これにより、使用者は印刷前に文書の内容を確認することができる。使用者は、文書を確認した後、操作部115を操作して文書を印刷すればよい。
【0059】
以上、第1実施形態に係る画像形成装置システム500について説明した。この画像形成装置システム500によれば、文書の可変部分に記載される可変情報は自動で作成されて文書に記載されることから、使用者の作業量が軽減され、利便性を向上させることができる。
【0060】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る画像形成装置システムは、記載ルールに文書の出力期限(印刷期限)が規定されており、出力期限が過ぎているものについては印刷しない点が、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置システム500とは異なり、その他の点は画像形成装置システム500と同様である。したがって、第2実施形態に係る画像形成装置システムの構成は、第1実施形態に係る画像形成装置システム500と同様であるので説明を省略し、動作について説明する。
【0061】
図10は、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置システムが備えるサーバーの制御動作の一例を示すフローチャートである。
【0062】
使用者が画像形成装置100により、サーバー200に記憶されている文書データについて印刷する場合は、画像形成装置100を操作してログインし、印刷する文書の文書番号を入力することにより印刷する文書を選択する。
【0063】
これにより、画像形成装置100からサーバー200に送信が行われる。そして、
図10に示すように、サーバー200が、画像形成装置100から送信された使用者のアカウント、文書番号等のデータを受け取る(ステップS11)。サーバー200において、受け取った使用者のアカウント及び文書番号等より、対象となる文書データに関する記載ルール中に出力期限について規定されているかを判断する(ステップS12)。なお、この判断は、例えば可変情報決定部213により行うこととしてもよい。
【0064】
対象となる文書データに関する記載ルール中に出力期限について規定されていない場合は(ステップS12:No)、サーバー200において、受け取った使用者のアカウント及び文書番号等より、印刷される文書データを特定し、固定部分及び可変部分の位置の検出と、固定情報及び可変情報の決定とを行う(ステップS13)。ここで、可変情報は、記載ルールにしたがって決定する。
【0065】
サーバー200は、固定部分及び可変部分を考慮して、固定情報及び可変情報の合成を行う(ステップS14)。そして、合成されることで作成された合成後文書データを、画像形成装置100へと送信して(ステップS15)、終了する。
【0066】
また、対象となる文書データに関する記載ルール中に出力期限について規定されている場合は(ステップS12:Yes)、出力期限内か否かを判断する(ステップS16)。この判断も、例えば可変情報決定部213により行うこととしてもよい。
【0067】
出力期限内である場合は(ステップS16:Yes)、ステップS13へと進み、出力期限内でない場合は(ステップS16:No)、出力期限が過ぎているとの情報を画像形成装置100に送信して(ステップS17)、終了する。
【0068】
画像形成装置100において、合成後文書データを取得すると、処理部181は表示部161に合成後の文書を表示する。これにより、使用者は印刷前に文書の内容を確認することができる。使用者は、文書を確認した後、操作部115を操作して文書を印刷すればよい。
【0069】
また、画像形成装置100において、出力期限が過ぎているとの情報を取得した場合は、処理部181は表示部161により、出力期限が過ぎていることから、出力(印刷)できないことを警告する表示を行う。
【0070】
なお、出力(印刷)できないことの警告は、表示部161により行わずに、例えば音声により行う等、他の方法により行ってもよい。
【0071】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態に係る画像形成装置システムは、使用者が画像形成装置において可変情報を変更することができる点が、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置システム500とは異なり、その他の点は画像形成装置システム500と同様である。なお、以下の説明では、第1実施形態と同様の点については説明を省略する。また、図面において同様の部材については同じ符号を付している。
【0072】
図11は、本発明の第3実施形態に係る画像形成装置システムが備える画像形成装置の制御構成を概略的に示すブロック図である。
図12は、本発明の第3実施形態に係る画像形成装置と携帯端末を接続した構成を示す概略図である。
【0073】
図11に示すように、第3実施形態に係る画像形成装置システムが備える画像形成装置100aにおいて、携帯端末接続部163を備え、制御部180が編集部183を有する点が画像形成装置100とは異なるが、その他の点は同様である。
【0074】
携帯端末接続部163は、画像形成装置100aに携帯端末を接続させるためのコネクタである。
図12に示すように、例えば携帯端末接続部163にスマートフォン等の携帯端末300に接続したコード301を接続することにより、携帯端末接続部163と画像形成装置100aとを接続すればよい。これにより、携帯端末300と画像形成装置100aとが通信可能に接続される。
【0075】
使用者は携帯端末300を操作することにより、合成後文書データにおける可変情報を編集することができる。具体的には、携帯端末300の操作に応じて、編集部183はデータ取得部182により取得された合成後文書データを編集する。また、合成後文書データにおける可変情報の編集は、画像形成装置100aにより行うことができることとしてもよい。例えば、画像形成装置100aの操作部材165のソフトキーボード等が操作されることにより、データ取得部182により取得された合成後文書データを編集部183が編集することとしてもよい。なお、使用者が携帯端末300及び画像形成装置100aの両方を操作することにより、合成後文書データにおける可変情報の編集が行われることとしてもよい。
【0076】
これにより、固定情報及び可変情報を合成した後でも、文書の修正が可能であり、利便性が高い。
【0077】
なお、携帯端末300は、スマートフォン以外であってもよく、例えば、タブレット型のPCやノート型のPCとすればよい。また、有線により携帯端末300と画像形成装置100aとを接続することとしたが、例えばWi-Fi等の無線LANにより携帯端末300及び画像形成装置100a間の通信が可能であることとしてもよい。また、可変情報だけでなく、固定情報についても使用者が編集可能であることとしてもよい。
【0078】
また、本発明の一態様に係る画像形成装置システムにおいて、前記サーバーは、前記可変部分に記載される内容について規定された記載ルールを記憶する記載ルール記憶手段を備え、前記記載情報決定手段は、前記記載ルール記憶手段に記憶された前記記載ルールにしたがって、前記可変部分に記載される可変情報を決定することとしてもよい。
【0079】
これにより、記載ルールにしたがって、サーバーが可変情報を決定するので、使用者が可変情報を指示する操作を行う必要がなく、使用者の作業量が軽減することから、利便性が高い。
【0080】
また、本発明の一態様に係る画像形成装置システムにおいて、前記可変情報には、日付情報、宛名情報、及び設置場所に関係する情報の少なくとも何れかが含まれていることとしてもよい。
【0081】
これにより、日付や宛名を自動で変更して印刷したり、画像形成装置が設置された場所特有の事項を自動で文書に追加して印刷したり、することができる。そのため、使用者の作業量が軽減され、利便性が高い。
【0082】
また、本発明の一態様に係る画像形成装置システムにおいて、前記画像形成装置の設置場所に基づいて前記可変情報が決定されることとしてもよい。
【0083】
これにより、画像形成装置が設置された場所における特有の事項を自動で文書に追加して印刷することができる。例えば、画像形成装置において印刷する文書が、商品のカタログである場合に、寒冷地に設置された画像形成装置であれば寒冷地仕様のオプション等の部品についても共通の記載に追加して印刷することができる。また、都心部に設置された画像形成装置には狭小化のために写真の印刷ができないものもあり、このような場所に設置された画像形成装置であれば写真の印刷を省略することができる。このため、使用者の作業量が軽減され、利便性が高い
また、本発明の一態様に係る画像形成装置システムにおいて、前記サーバーには文書の出力期限が記憶されており、前記画像形成装置は、出力期限を過ぎている文書は印刷しないこととしてもよい。
【0084】
これにより、出力期限が過ぎている文書を誤って印刷することを防ぐことができ、無駄な印刷を防ぐことができ、利便性が高い。
【0085】
また、本発明の一態様に係る画像形成装置システムにおいて、前記画像形成装置は、出力期限を過ぎている文書の印刷指示があった場合は、期限が過ぎていることを警告する警告手段を備えることとしてもよい。
【0086】
これにより、使用者は、印刷しようとしている文書の出力期限が過ぎていることを容易に認識することができる。
【0087】
また、本発明の一態様に係る画像形成装置システムにおいて、前記画像形成装置は、前記合成後文書データに基づく文書を表示する表示手段を備えていることとしてもよい。
【0088】
これにより、使用者は、印刷前に、文書を確認することができ、利便性が高い。
【0089】
また、本発明の一態様に係る画像形成装置システムにおいて、前記画像形成装置は、入力手段と、前記入力手段による操作に応じて前記合成後文書データの編集を行う編集手段と、を備えていることとしてもよい。
【0090】
これにより、使用者は自分でも文書の編集を容易に行うことができるため、利便性が高い。
【0091】
また、本発明の一態様に係る画像形成装置システムにおいて、前記画像形成装置は、携帯端末と通信可能であり、前記携帯端末による操作に応じて、前記合成後文書データの編集を行う編集手段を備えていることとしてもよい。
【0092】
これにより、使用者は自分でも文書の編集を容易に行うことができるため、利便性が高い。
【0093】
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、かかる実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0094】
100、100a 画像形成装置
110 画像形成装置本体
111 シート収容部
112 シート搬送部
113 画像形成部(印刷手段)
114 シート排出部
114a シート排出トレイ
115 操作部
120 原稿読取装置
121 原稿載置台
122 原稿読取部
123 原稿自動送り装置
123a 原稿排出トレイ
161 表示部(警告手段)
162 記憶部
163 携帯端末接続部
165 操作部材(入力手段)
180 制御部
181 処理部
182 データ取得部
183 編集部
200 サーバー
210 制御部
211 記載位置検出部
212 固定情報決定部(記載情報決定手段)
213 可変情報決定部(記載情報決定手段)
214 合成部
220 記憶部(文書データ記憶手段、記載ルール記憶手段)
300 携帯端末
301 コード
400 ネットワーク
500 画像形成装置システム
600 文書
610 用紙
601 第1指定枠
602 第2指定枠
603 第3指定枠