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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-23
(45)【発行日】2023-07-03
(54)【発明の名称】水素の製造方法および水素の製造装置
(51)【国際特許分類】
   C01B 3/04 20060101AFI20230626BHJP
   C02F 1/68 20230101ALI20230626BHJP
【FI】
C01B3/04 Z
C02F1/68 510A
C02F1/68 520K
C02F1/68 520L
C02F1/68 520N
C02F1/68 520P
C02F1/68 520S
C02F1/68 540D
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020139003
(22)【出願日】2020-08-19
(65)【公開番号】P2022035006
(43)【公開日】2022-03-04
【審査請求日】2022-04-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516047979
【氏名又は名称】山本 泰弘
(73)【特許権者】
【識別番号】516047980
【氏名又は名称】高橋 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100080654
【弁理士】
【氏名又は名称】土橋 博司
(72)【発明者】
【氏名】山本 泰弘
(72)【発明者】
【氏名】高橋 剛
【審査官】森坂 英昭
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/008330(WO,A1)
【文献】特開2001-031401(JP,A)
【文献】国際公開第2006/101214(WO,A1)
【文献】特開2018-039710(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 3/00 - 3/58
C02F 1/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
改質した水と、
水素化ホウ素ナトリウムと、
酸性薬品と、
を反応させて水素を発生させる水素の製造方法であって、
前記改質した水は、日本国内基準の工業用及び飲料用水道水、または、浄水器を通過した硬水及び軟水、一般的な井戸水、海水を原水とした一定の浄水後の水、ないし天然鉱石と人工鉱石に前記の水を通過させることによって生成され、さらにRO膜処理からなる純水処理が行われる工程と、ミネラル成分を添加する工程があり、
前記水素化ホウ素ナトリウムは、前記改質した水の100重量部に対して、前記水素化ホウ素ナトリウムを5~15重量部とするものであり、
前記酸性薬品は、希塩酸、硫酸、塩酸、酢酸、りんご酸、クエン酸の内一種類からなるとともに、前記酸性薬品の濃度を1%から30%に希釈した水溶液であり、
前記水素化ホウ素ナトリウムを前記容器の底に投入または予め備え、その水素化ホウ素ナトリウムの最上位よりも前記改質した水の液面を上位として前記水素化ホウ素ナトリウムと前記改質した水とを接触させた状態で、
前記容器内の温度を、前記改質した水と前記水素化ホウ素ナトリウムの水和反応による反応熱のみによって5℃以上、かつ前記改質した水の沸点未満で保持し、
その後に前記酸性薬品を加えて反応させて水素を発生させることを特徴とする水素の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水または改質した水とアルカリ系水素含有薬品とを用いて水素を発生させるための水素の製造方法および水素の製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
燃料ガスとして水素を使用することが従来から知られている。水素を製造する製造方法として、多くの発明が提供されている。
例えば水100%を熱分解して水素を得る方法や、硫酸を熱分解し、ヨウ素水を用いて水素を取り出すIS法(Iodine-Sulfe)法等が知られている。IS法は、ブンゼン反応工程と、ヨウ化水素濃縮分解行程と、硫酸濃縮分解行程による3つの行程を経て、水から水素と酸素とを分解して取り出すもの(特許文献1)である。
その他に、金属亜鉛とマグネタイトと水とを反応させ、反応生成物として水素を発生させる水の分解方法が知られている(特許文献2)。
【0003】
アルミニウムやマグネシウムと水とを接触させることで、水素を発生させる水素の製造方法が知られている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-41764
【文献】特開2001-270701
【文献】特開2007-290888
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
水100%を熱分解して水素を得る方法では、水は水素と酸素との結びつきが強いため、理論上3,000℃~5,000℃の温度を与えないと、水素と酸素に分解しないと言われている。3,000℃以上の温度で水を熱分解して水素を得る方法では、3,000 ℃以上の高温を得る実質的な方法が得られないことや、そのような高温状態の空間を外界から保つための設備を安価に作れないことや、高温の空間内に連続的に水を供給する手段が考えられないこと等、多くの問題を含んでいることから、水の熱分解による水素の生成は実現には至っていない。
【0006】
特許文献1に示すIS法では、900℃程度の高熱を必要とするため、熱源として、高温ガス炉等を用いなければならない。この高温ガス炉は製造コストが高く、しかも3つの工程を経て水素を製造することになり、水素を製造するためのコストが非常に高いものとなっていた。
【0007】
特許文献2に示す水の分解方法では、金属亜鉛とマグネタイトと600℃で水蒸気と反応させることで水素を製造するものであり、600℃の水蒸気を作るための加熱手段を備えなければならない。
【0008】
特許文献3に示す水の製造方法では、水としてpHが4~10の不凍水を使用するもので、0℃以下でも水素を発生させるものである。この特許文献3では、アルミニウムと水との反応によって水素を発生するが、0℃以下の低温で反応を行なうことから、低温では水素を大量に発生することはでず、高い経済効率で水素を発生することができない。
【0009】
本発明は、水または改質した水とアルカリ系水素含有薬品とを接触させることで水素を製造することができる水素の製造方法と、水または改質した水とアルカリ系水素含有薬品とを接触させアルカリ系水素含有薬品の、アルカリ濃度を下げることで低温かつ、自身の反応熱を利用し、外部からのエネルギーを極力使用せず、低エネルギー及び効率良く水素を製造するための水素製造装置とを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の水素の製造方法は、日本国内基準の工業用及び飲料用水道水、または、浄水器を通過した硬水及び軟水、一般的な井戸水、海水を原水とした一定の浄水後の水、ないし天然鉱石と人工鉱石に前記の水を通過させることによって生成するものを改質した水を使用し、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ナトリウム、水素化カルシウム、リチウムハイドライド、リチウムアルミハイドライド、マグネシウムハイドライドの内一種類からなるアルカリ系水素含有薬品を容器内に入れて容器内で水と接触させた状態で容器内の温度を5℃以上、かつ前記の水を沸点未満で保持し、その後に酸性薬品を加え、前記の水ないし改質した水とアルカリ系水素含有薬品、主に水素化ホウ素ナトリウムと、酸性薬品、例えば希塩酸、硫酸、塩酸、酢酸、りんご酸、クエン酸を濃度1%から30%に希釈したものとを反応させて水素を発生させることを特徴とする。
【0011】
請求項2の水素の製造方法は、容器内の温度を5℃以上であって、反応熱による温度上昇水を沸点未満、および150℃の間に保つことをも特徴とするものである。
【0012】
請求項3の水素の製造方法は、アルカリ系水素含有薬品を、容器内の温度を5℃以上で水の沸点未満にして水素を発生させることで水とアルカリ性水素含有薬品と、容器内に希釈された酸性薬品の水溶液とを供給し、電気などエネルギーを加えることなく、反応容器を加熱無しに容器温度を5℃以上で水の沸点未満及び150℃の間に保持して水素を発生させることをも特徴とするものである。
【0013】
請求項4の水素の製造方法は、容器内の温度が5℃以上の場合に、容器内の温度を加熱手段は加熱しないが、前記の水にアルカリ系水素含有薬品と酸性薬品を投入することによって継続的に容器内の反動温度を上昇させることができるようにしたことをも特徴とするものである。
【0014】
請求項5の水素の製造方法は、前記水道水、または浄水器を通過した水が、RO膜処理のような純水処理が行われる工程と、ミネラル成分の含有または後期にその水に添加する工程があることをも特徴とするものである。
【0015】
請求項6の水素の製造方法は、改質した水を生成するための天然鉱石および人工鉱石を使用する工程であって、
天然鉱石では次の≪天然石種類≫
黄鉄鉱、白鉄鉱、辰砂、方鉛鉱、斑銅鉱、ハロゲン化鉱物、蛍石、氷晶石、トルマリン、黒曜石、マグネシウム、方解石、ウレキサイト(テレビ石)、コールマン石、硼砂、ハウライト、石膏、重晶石、天青石、燐灰ウラン石、カルノー石、錦石、黒砂金石 麦飯石 石英 流紋岩
≪大きさ≫
1~5mm、5~10mm、10~20mm、20~40mm、30~50mm
その他の素材で、アルミニウム、ステンレス、銀からなる少なくとも1種類の金属を混合させたことをも特徴とするものである。
【0016】
請求項7の水素の製造方法は、前記流紋岩として、黒曜石,真珠岩,松脂岩のうち少なくとも1つからなる岩石としたことをも特徴とするものである。
【0017】
請求項8の水素の製造方法は、改質した水の100重量部に対して、アルカリ系水素含有薬品を5~15重量部以上とすることをも特徴とするものである。
【0018】
請求項9の水素の製造方法は、前記アルカリ系水素含有薬品の重量を5重量部以上としたことをも特徴とするものである。
【0019】
請求項10の水素の製造方法は、改質した水に容器内でアルカリ系水素含有薬品と接触させることをも特徴とするものである。
【0020】
請求項11の水素の製造方法は、容器の外部からの熱を加える加熱手段を用いずに、水とアルカリ系水素含有薬品の水和反応による反応熱によって容器内の温度を25℃以上にすることをも特徴とするものである。
【0021】
請求項12の水素の製造方法は、水とアルカリ系水素含有薬品との反応熱によって容器内の温度を25℃以上であり、改質した水の沸点~150℃未満にすることをも特徴とするものである。
【0022】
請求項13の水素の製造方法は、水とアルカリ系水素含有薬品との混合比率は、水に対してアルカリ系水素含有薬品の比率は1%~30%以上とすることを特徴とし、反応温度と水に対してのアルカリ系水素含有薬品の濃度で、熱の上昇や反応時間が変化するようにしたことをも特徴とするものである。
【0023】
請求項14の水素の製造方法は、水酸化ナトリウム水溶液における水酸化ナトリウムの濃度を3%以上とすることをも特徴とするものである。
【0024】
請求項15の水素の製造方法は、容器の底にアルカリ系水素含有薬品を投入または予め備え、そのアルカリ系水素含有薬品の最上位よりも水の液面を上位とすることをも特徴とするものである。
【0025】
請求項16の水素の製造装置は、水道水または、浄水器を通過した水、硬水及び軟水である水に、はじめに天然鉱石および人工鉱石を通過させ、その水を改質させた水を収容するための容器と、前記容器とアルカリ系水素含有薬品を投入するためのアルカリ系水素含有薬品投入手段と、前記アルカリ系水素含有薬品投入手段から前記容器内に投入されたアルカリ系水素含有薬品は、水素発生後にナトリウム粉体、および水素を含有させたそれぞれの薬品、例えば水素化ホウ素ナトリウムでは、ホウ素になるようアルカリ系水素含有薬品は変化を遂げるものであって、なお投入するアルカリ系水素含有薬品はその形を密閉袋、カートリッジ式、前記容器内で安易に交換できる装置であること、また変化されたアルカリ系水素含有薬品のナトリウム粉体またはその他の薬品粉体、例えば水素化ホウ素ナトリウムは、水素反応後に液体を遠心分離機で分離し、回収可能な状態で取り出すことができることを特徴とするものである。
【0026】
請求項17の水素の製造装置は、改質した水を生成するタンクおよびフィルタ筒を設置し、タンクの中には、天然鉱石及び人工鉱石を配置する構造と、フィルタ筒の中に天然鉱石及び人工鉱石を配置する構造を用い、その改質した水は、アルカリ系水素含有薬品と反応するための前記容器に投入し、前記改質した水が反応容器から、次の容器に発生する水素、その他にわずかな酸素とわずかな水分とが第一次反応容器から第二次容器へ移行する工程を含むことをも特徴とするものである。
【0027】
請求項18の水素の製造装置は、前記の水、または改質した水は、前記水または改質した水とアルカリ系水素含有薬品とを容器内で温度を5℃ 以上にして水素を発生させることで生成したものであることをも特徴とするものである。
【0028】
請求項19の水素の製造装置は、前記アルカリ性の改質した水は、前記改質した水に水酸化ナトリウムを混合して水酸化ナトリウムの濃度を0.1%以上としたものであることをも特徴とするものである。
【0029】
請求項20の水素の製造装置は、前記水または改質した水とアルカリ系水素含有薬品水溶液の濃度1%以上とすることをも特徴とするものである。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、水または改質した水とアルカリ系水素含有薬品とを接触させることで水素を製造することができる水素の製造方法と、水または改質した水とアルカリ系水素含有薬品とを接触させアルカリ系水素含有薬品の、アルカリ濃度を下げることで低温かつ、自身の反応熱を利用し、外部からのエネルギーを極力使用せず、低エネルギー及び効率良く水素を製造するための水素製造装置とを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】1階と2階の連絡配管を示す概略正面図である。
図2】1階と2階の連絡配管を示す概略側面図である。
図3】(a)は配管サポートの概略平面図、(b)は配管サポートの概略側面図である。
図4】(a)は配管固定台を示す概略正面図、(b)はその概略側面図、(c)は固定台取付用のアンカーボルトの概略側面図である。
図5】(a)は固定台上板を示す概略平面図、(b)は固定台下板を示す概略平面図、(c)は固定台上板の概略側面図である。
図6】各種タンクを接続した水素工場の概略平面図である。
図7】その概略側面図である。
図8】薬液投入器を示す概略正面図である。
図9】その概略側面図である。
図10】その概略拡大平面図である。
図11】その概略拡大側面図である。
図12】触媒投入缶を示す概略側面図である。
図13】そのA部の詳細を示す概略拡大側面図である。
図14】触媒缶取付架台の概略拡大側面図である。
図15】上部触媒缶の概略拡大側面図である。
図16】下部触媒缶の概略拡大側面図である。
図17】外輪触媒缶の概略拡大側面図である。
図18】触媒缶取付架台の概略側面図である。
図19】触媒缶下取付架台の概略拡大側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明は、水素化ホウ素ナトリウム、その他(下記に明記する)と水を接触させることで、水素化ホウ素ナトリウム中に安定している水素が放出されることにより、水素を外部エネルギーを使わずに取り出す水素の製造方法である。
【0033】
水素化ホウ素ナトリウムは、強いアルカリ性の粉末である。
そして、水素化ホウ素ナトリウムの特徴は水との接触により、アルカリ値が低くなると水素が放出される。ナトリウムイオンおよび正四面体型の水素化ホウ素イオンBH4-よりなる白色の固体で、多くは粉末として市販されている。やや吸湿性があり水分により分解しやすいので、密栓して保存する。そして、水溶液は分解生成物のため強い塩基性を示す。酸性および中性条件で分解して水素を発生するため、アルカリ溶液中で保存するのである。また、水で分解し水素を発生する。
水素発生元として、水素ガスはクリーンな燃料として期待されているが、気体であるため貯蔵が難しいこと、また爆発などの危険がある。
他方、水素化ホウ素ナトリウムは酸性条件や、特定の触媒の存在下で分解して水素ガスを放出し、また比較的安定な固体で、発火などの危険もないこと、廃棄物も害の少ないホウ酸であることなどから、携帯可能な水素源の候補物質の一つとなっている。
そこで、本発明は、外部エネルギーなしに、一定的に大量製造水素を発生させることのできる技術であって水素発生機構の発明である。
(一般的な反応例)
BF存在下で反応を行うと、カルボン酸をアルコールにまで還元することが可能である。[化1]
【化1】
【0034】


ヨウ素存在下にて、系中でBH3-THF錯体を生成させることができる。このためカルボン酸をアルコールに還元することができる。[化2]
【化2】
【0035】


水、または改質した水、水素化ホウ素ナトリウム、クエン酸を用いて反復テストを行った。また、水素発生実証装置も製作した。
【0036】
(実験例)
10L容積で圧力5気圧までの容器(以下10Lタンク)を用いてのテストを行った。すなわち、
10Lタンクに
1、200gから500gの水素化ホウ素ナトリウム
2、水3Lから9L
3、重量5g~50gの25%濃度クエン酸水溶液
上記を順番に10Lタンクに投入する。このレシピでは1.2Nm3の水素を発生させて別のタンク内に保存することができる。
必要時間は20分から90分である。
3の液体の投入重量で反応速度を調整することが可能である。その際は、水素発生スピードが3の重量が多いほど激しくなるのでタンク内圧力の上昇も激しく上がることになる。
タンクの大きさと1と2の投入量が大きい場合はその反応を緩やかにするために3の投入重量を少なくすることが必要になる。
【0037】
(実施テスト例)
概要は、
10Lタンク
100Lタンク
200Lタンク
500Lタンク
1000Lタンク
を用いて実証テストを行った。
それぞれの1と2と3の配分はそれぞれに比例して10Lタンクの時の投入レシピに比例する。
【0038】
(水素発生製造装置について)
10Lタンクを数個並べたものから。自動化プログラムを用いた1000L水素発生製造装置を建設した。
構成は以下の通り
反応タンク1000Lを6機備える。以下に続く
発生水素の温度を冷やす
冷却タンク6機
発生した水素を一度水に潜らせる洗浄タンクを3機
一次水素を貯留する貯留タンク3機
水素を1Mpsに貯留するタンクへ昇圧し送り出す昇圧ポンプ6機
水素を1Mpsに貯留する1400m3のタンク6機から構成する製造装置である。
【0039】
(本発明の水素の製造方法)
水を最初にイオン交換樹脂に通過させ、その後にトルマリンと、流紋岩または花崗岩の少なくとも1つからなる二酸化珪素を65~76%含む岩石とのどちらか一方を先に他方を後に通過させることによって生成するものを特殊な水とし、前記特殊な水とアルカリ系水素含有薬品とを容器内に入れて前記容器内で接触させた状態で前記容器内の温度を5℃以上および前記特殊な水の150℃未満とする。さらに前記容器の内圧力は、0.01Mpsから0.7Mpsが好ましい範囲であることである。前記特殊な水と前記アルカリ系水素含有薬品とを反応させて水素を発生させることを特徴とするものである。
本発明は、前記容器内の温度を5℃以上および前記特殊な水の150℃の間に保つことを特徴とするものである。本発明は、前記アルカリ系水素含有薬品として、それは水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ナトリウム、水素化カルシウム、リチウムハイドライド、リチウムアルミハイドライド、マグネシウムハイドライドとする。前記容器内の温度を5℃以上前記特殊な水の沸点未満にして水素を発生させることで前記特殊な水をアルカリ性(アルカリ性の特殊な水)とし、前記容器内のアルカリ性の特殊な水に新たなアルカリ系水素含有薬品を供給することで、加熱手段による加熱無しに前記容器内の温度を5℃以上前記特殊な水の150℃未満の間に保持して水素を発生させることを特徴とするものである。
本発明は、前記容器内の温度が30℃以上で110℃未満の場合に、前記容器内の温度を加熱手段なしによって継続的に上昇させることを特徴とするものである。水素発生濃度が高く、水分が少なく、酸素濃度も極めて低い状態の反応温度である。
本発明は、前記イオン交換樹脂を強酸性カチオン交換樹脂(RzSO 3 Na)としたことを特徴とするものである。
本発明は、前記特殊な水を生成するためのトルマリンにアルミニウム、ステンレス、銀の少なくとも1種類の金属を混合させたことを特徴とするものである。
本発明は、前記流紋岩を黒曜石,真珠岩,松脂岩のうち少なくとも1つからなる岩石としたことを特徴とするものである。
本発明は、水又は前記特殊な水の100重量部に対して、前記水素含有薬品を5重量部以上とすることを特徴とするものである。
本発明は、前記アルカリ系水素含有薬品の重量を5重量部以上としたことを特徴とするものである。
本発明は、前記特殊な水に水酸化ナトリウムを加えた水酸化ナトリウム水溶液を前記容器内でアルカリ系水素含有薬品と接触させることを特徴とするものである。
本発明は、前記容器の外部からの熱を加える加熱手段を用いずに、前記水又は改質した水と前記アルカリ系水素含有薬品との反応熱によって前記容器内の温度を5℃以上にすることを特徴とするものである。
本発明は、前記水又は改質した水と前記アルカリ系水素含有薬品との反応熱によって前記容器内の温度を30℃以上にすることを特徴とするものである。
本発明は、第二の投入液として、酸性薬品を投入する工程を有するものである。
本発明は、前記、酸性薬品の水溶液例えば前記のクエン酸、塩酸、希塩酸、硫酸、りんご酸のいずれかを25%以上とする水溶液であることを特徴とするものである。
本発明は、前記容器に、初めにアルカリ系水素含有薬品を投入し、その後に前記水又は改質した水を投入する。その後に前記酸性薬品を投入する順番が好ましい。
【0040】
(2.4t/日の水素を製造するための立米(m)計算)
2.4tをグラムに換算すると、2,4t-2,400kg=2,400,000g
水素は、立米当たり90g/mなので
2,400,000g÷90g/m=26,666mとなる。
つまり、Z,4tの水素を立米に換算すると、26,666mとなる。
【0041】
(次に、実測値に基づく水素発生量を計算)8月19日の実験データより
6Lの水と、触媒1.2855kgと薬0.3kgで発生する水素量は、1.4472m
(レシピは、700mlの水に対し、触媒100g、薬25gもしくは70g)
3回連続生成(2回目と3回目は、触媒のみ投入)
(実測値)
水6L-触媒1.2855kg-薬0.3kg-水素量1.4472m

水1リッター当たりに換算すると、1.4472m÷水6L=水素量0.2412m/L

2,412m/10L

24.12m/100L

241.2m/1,000L(1t)

2,412m/10,000L(10t)

上記から、26,666mの水素を1日あたり製造するには、
26,666m÷2,412m/10,000L(10t)=11.05h/日
1時間あたり、l0tの水から水素を2,412m発生させ、連続11時間稼働で達成する計算となる。(フル稼働生産のため、実際は、17時間で達成予定)
【0042】
図1は1階と2階の連絡配管11を示す概略正面図であり、図2は1階と2階の連絡配管11を示す概略側面図である。各連絡配管11は所定の間隔でH鋼12に溶接止めされている。
図3(a)は前記所定の間隔でH鋼12に溶接止めされている配管サポート13の概略平面図であり、図3(b)は配管サポート13の概略側面図である。
次に、図4(a)は連絡配管11下部の配管固定台14を示す概略正面図であり、図4(b)はその概略側面図、図4(c)は配管固定台14を取り付けるためのアンカーボルト15の概略側面図である。
また図5(a)は図4(a),(b)に示す配管固定台14の固定台上板16の概略平面図であり、図5(b)は図4(a),(b)に示す配管固定台14の固定台下板17を示す概略平面図であり、図5(c)は前記固定台上板16の概略側面図である。
【0043】
次に、図6および図7はそれぞれ4本の支持脚25を備えた反応タンク21、ドレンタンク22、水タンク23、発生水素の温度を冷やす冷却タンク24の各種タンクを接続した水素工場の概略平面図である。前記水タンク23にはポンプ26が2台付設されており、前記冷却タンク24にはポンプ26が3台付設されている。
また上記各種タンクに薬液を送り込む薬液タンク27が冷却タンク24側に接続されている。なお、28,29は発生した水素ガスを貯留する貯留タンクである。
次に、図8は薬液投入器31を備えた冷却タンク24を示す概略正面図であり、図9は薬液投入器31を備えた冷却タンク24を示す概略側面図である。
図10は前記薬液投入器31の概略拡大平面図であり、図11(a)は前記薬液投入器31の概略拡大側面図である。図11(b)に示すように、薬液投入器31は上部から圧力調整電磁弁32、チャッキ弁33が付設されており、また上面には耐圧防爆液面計34を敷設するとともに、側面には液面計カバー36の内部に液面計35が配設されている。37はバッフル板、38は薬液投入器31の下部に取り付けたチャッキ弁である。
【0044】
図12はハンドル42で開閉式とした触媒投入缶41の概略側面図であり、渦巻パッキング43で密閉できるように構成されている。
図13はそのA部(ホッパ44)の詳細を示す概略拡大側面図である。
また図14は触媒缶取付架台45の概略拡大側面図である。
さらに図15は上部触媒缶46の概略拡大側面図である。
図16は下部触媒缶47の概略拡大側面図である。
そして、図17は外輪触媒缶48の概略拡大側面図である。
図18はフランジ49を有する触媒缶取付架台45の概略平面図である。
図19は触媒缶下取付架台50の概略拡大側面図である。
【符号の説明】
【0045】
11 連絡配管
12 H鋼
13 配管サポート
14 配管固定台
15 アンカーボルト
16 固定台上板
17 固定台下板
21 反応タンク
22 ドレンタンク
23 水タンク
24 冷却タンク
25 支持脚
26 ポンプ
27 薬液タンク
28,29 水素ガスの貯留タンク
31 薬液投入器
32 圧力調整電磁弁
33 チャッキ弁
34 耐圧防爆液面計
35 液面計
36 液面計カバー
37 バッフル板
38 チャッキ弁
41 触媒投入缶
42 ハンドル
43 渦巻パッキング
44 ホッパ
45 触媒缶取付架台
46 上部触媒缶
47 下部触媒缶
48 外輪触媒缶
49 フランジ
50 触媒缶下取付架台
図1
図2
図3
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