(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-28
(45)【発行日】2023-07-06
(54)【発明の名称】位置管理端末、プログラム、システム、及び位置管理方法
(51)【国際特許分類】
G01S 1/68 20060101AFI20230629BHJP
G01S 5/02 20100101ALI20230629BHJP
G01S 19/48 20100101ALI20230629BHJP
H04W 64/00 20090101ALI20230629BHJP
【FI】
G01S1/68
G01S5/02 A
G01S19/48
H04W64/00 171
H04W64/00 160
(21)【出願番号】P 2021197285
(22)【出願日】2021-12-03
【審査請求日】2022-03-18
(73)【特許権者】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中島 智志
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 達郎
(72)【発明者】
【氏名】吉田 真一朗
【審査官】東 治企
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-517697(JP,A)
【文献】特表2015-521400(JP,A)
【文献】特開2015-080174(JP,A)
【文献】特開2016-212035(JP,A)
【文献】特開2018-201172(JP,A)
【文献】特開2018-072162(JP,A)
【文献】特開2011-254367(JP,A)
【文献】国際公開第2016/143445(WO,A1)
【文献】特開2015-115822(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 1/68
G01S 5/00-5/14
G01S 19/00-19/55
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
H04M 1/00,99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置管理端末であって、
無線APのAP識別情報と前記無線APの位置情報とを対応付けて記憶するAP情報記憶部と、
無線APスキャンを実行して取得した前記AP識別情報と当該AP識別情報に対応する前記位置情報とが前記AP情報記憶部に記憶されていない場合、当該AP識別情報
と、セルスキャンを実行して取得したセル情報とを
NW測位サーバに送信して前記NW測位サーバから位置情報を取得し、記憶されている場合、当該AP識別情報に対応する前記位置情報に基づいて測位結果の位置情報を特定する測位処理実行部と
を備える位置管理端末。
【請求項2】
前記測位処理実行部は、予め定められた条件が満たされたことに応じてGNSS測位を実行し、前記GNSS測位が成功した場合、前記GNSS測位の前記測位結果の前記位置情報を取得し、前記GNSS測位が失敗した場合に、前記無線APスキャンを実行して、取得したAP識別情報と当該AP識別情報に対応する位置情報とが前記AP情報記憶部に記憶されていない場合、前記NW測位サーバに当該AP識別情報
及び前記セル情報を送信し
て前記NW測位サーバから位置情報を取得し、記憶されている場合、当該AP識別情報に対応する前記位置情報に基づいて
前記測位結果の前記位置情報を特定する、請求項1に記載の位置管理端末。
【請求項3】
予め定められた時間毎に無線APスキャンを実行する定期スキャン実行部と、
前記定期スキャン実行部が前記無線APスキャンを実行して取得した前記AP識別情報の履歴を記憶する履歴記憶部と
を備え、
前記測位処理実行部は、前記定期スキャン実行部が前回前記無線APスキャンを実行して取得した前記AP識別情報に、前記AP情報記憶部に記憶されている前記AP識別情報が含まれている場合、前記無線APスキャンを実行して、取得した前記AP識別情報と当該AP識別情報に対応する前記位置情報が前記AP情報記憶部に記憶されている場合、当該AP識別情報に対応する前記位置情報に基づいて前記測位結果の前記位置情報を特定する、請求項1に記載の位置管理端末。
【請求項4】
位置管理端末であって、
無線APのAP識別情報と前記無線APの位置情報とを対応付けて記憶するAP情報記憶部と、
予め定められた時間毎に無線APスキャンを実行する定期スキャン実行部と、
前記定期スキャン実行部が前記無線APスキャンを実行して取得した前記AP識別情報の履歴を記憶する履歴記憶部と、
測位処理実行部
であって、
前記定期スキャン実行部が前回前記無線APスキャンを実行して取得した前記AP識別情報に、前記AP情報記憶部に記憶されている前記AP識別情報が含まれている場合、前記無線APスキャンを実行して、取得した前記AP識別情報と当該AP識別情報に対応する前記位置情報が前記AP情報記憶部に記憶されている場合、当該AP識別情報に対応する前記位置情報に基づいて測位結果の前記位置情報を特定し、記憶されていない場合、NW測位サーバに当該AP識別情報を送信して前記NW測位サーバから位置情報を取得し、
前記定期スキャン実行部が前回前記無線APスキャンを実行して取得した前記AP識別情報に、前記AP情報記憶部に記憶されているAP識別情報が含まれていない場合、GNSS測位を実行し、前記GNSS測位が成功した場合、前記GNSS測位の前記測位結果の前記位置情報を取得し、前記GNSS測位が失敗した場合、前記NW測位サーバに当該AP識別情報を送信して、前記NW測位サーバから前記測位結果の前記位置情報を受信する
、測位処理実行部と
を備える位置管理端末。
【請求項5】
位置管理端末であって、
無線APのAP識別情報と前記無線APの位置情報とを対応付けて記憶するAP情報記憶部と、
予め定められた時間毎に無線APスキャンを実行する定期スキャン実行部と、
前記定期スキャン実行部が前記無線APスキャンを実行して取得した前記AP識別情報の履歴を記憶する履歴記憶部と、
前記定期スキャン実行部が前回前記無線APスキャンを実行して取得した前記AP識別情報に、前記AP情報記憶部に記憶されている前記AP識別情報が含まれている場合に、前記無線APスキャンを実行し、
取得した前記AP識別情報と当該AP識別情報に対応する前記位置情報が前記AP情報記憶部に記憶されている場合、当該AP識別情報に対応する前記位置情報に基づいて測位結果の前記位置情報を特定し、取得した前記AP識別情報と当該AP識別情報に対応する前記位置情報が前記AP情報記憶部に記憶されていない場合、GNSS測位を実行し、前記GNSS測位が成功した場合、前記GNSS測位の前記測位結果の前記位置情報を取得し、前記GNSS測位が失敗した場合、NW測位サーバに当該AP識別情報を送信して、前記NW測位サーバから前記測位結果の前記位置情報を受信する
測位処理実行部と
を備える位置管理端末。
【請求項6】
前記定期スキャン実行部は、予め設定された期間内に、前記予め定められた時間毎に前記無線APスキャンを実行する、請求項
3から
5のいずれか一項に記載の位置管理端末。
【請求項7】
前記定期スキャン実行部が前記無線APスキャンを実行して取得した前記AP識別情報が、予め登録された登録AP識別情報と一致した場合に通知情報を送信する通知情報送信部
を備える、請求項
3から
6のいずれか一項に記載の位置管理端末。
【請求項8】
前記無線APスキャンを実行して取得した前記AP識別情報を通信端末に送信するスキャン結果送信部と、
前記通信端末において選択された前記AP識別情報と、前記AP識別情報に対応する前記位置情報とを前記通信端末から受信して、前記AP情報記憶部に記憶させるAP情報登録部と
を備える、請求項1から
7のいずれか一項に記載の位置管理端末。
【請求項9】
コンピュータを、請求項1から
8のいずれか一項に記載の位置管理端末として機能させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項1から
7のいずれか一項に記載の位置管理端末と、
通信端末と
を備え、
前記通信端末は、
前記通信端末のユーザインタフェースを介して取得したAP識別情報と、前記AP識別情報に対応する位置情報とを前記位置管理端末に送信するAP識別情報送信部
を有し、
前記位置管理端末は、
前記AP識別情報送信部によって送信された前記AP識別情報及び前記位置情報を前記AP情報記憶部に記憶させるAP情報登録部
を有する、システム。
【請求項11】
前記通信端末は、
前記位置管理端末が無線APスキャンを実行して取得した前記AP識別情報を前記位置管理端末から受信するスキャン結果受信部
を有し、
前記AP識別情報送信部は、前記通信端末の前記ユーザインタフェースを介して前記スキャン結果受信部が受信した前記AP識別情報から選択された前記AP識別情報と、当該AP識別情報に対応する前記位置情報とを前記位置管理端末に送信する、請求項
10に記載のシステム。
【請求項12】
前記通信端末は、
表示部に表示させた地図データ上で指定された位置を示す前記位置情報を取得する位置情報取得部
を有し、
前記AP識別情報送信部は、前記位置情報取得部が取得した前記位置情報を前記位置管理端末に送信する、請求項
10又は
11に記載のシステム。
【請求項13】
位置管理端末によって実行される位置管理方法であって、
無線APのAP識別情報と前記無線APの位置情報とを対応付けてAP情報記憶部に記憶する記憶段階と、
無線APスキャンを実行して取得した前記AP識別情報と当該AP識別情報に対応する前記位置情報とが前記AP情報記憶部に記憶されていない場合、当該AP識別情報
と、セルスキャンを実行して取得したセル情報とを
NW測位サーバに送信して前記NW測位サーバから位置情報を取得し、記憶されている場合、当該AP識別情報に対応する前記位置情報に基づいて測位結果の位置情報を特定する測位処理実行段階と
を備える位置管理方法。
【請求項14】
位置管理端末によって実行される位置管理方法であって、
無線APのAP識別情報と前記無線APの位置情報とを対応付けてAP情報記憶部に記憶する記憶段階と、
予め定められた時間毎に無線APスキャンを実行する定期スキャン実行段階と、
前記定期スキャン実行段階において前記無線APスキャンを実行して取得した前記AP識別情報の履歴を履歴記憶部に記憶する履歴記憶段階と、
測位処理実行段階であって、
前記定期スキャン実行段階において前回前記無線APスキャンを実行して取得した前記AP識別情報に、前記AP情報記憶部に記憶されている前記AP識別情報が含まれている場合、前記無線APスキャンを実行して、取得した前記AP識別情報と当該AP識別情報に対応する前記位置情報が前記AP情報記憶部に記憶されている場合、当該AP識別情報に対応する前記位置情報に基づいて測位結果の前記位置情報を特定し、記憶されていない場合、NW測位サーバに当該AP識別情報を送信して前記NW測位サーバから位置情報を取得し、
前記定期スキャン実行段階において前回前記無線APスキャンを実行して取得した前記AP識別情報に、前記AP情報記憶部に記憶されているAP識別情報が含まれていない場合、GNSS測位を実行し、前記GNSS測位が成功した場合、前記GNSS測位の前記測位結果の前記位置情報を取得し、前記GNSS測位が失敗した場合、前記NW測位サーバに当該AP識別情報を送信して、前記NW測位サーバから前記測位結果の前記位置情報を受信する、測位処理実行段階と
を備える位置管理方法。
【請求項15】
位置管理端末によって実行される位置管理方法であって、
無線APのAP識別情報と前記無線APの位置情報とを対応付けてAP情報記憶部に記憶する記憶段階と、
予め定められた時間毎に無線APスキャンを実行する定期スキャン実行段階と、
前記定期スキャン実行段階において前記無線APスキャンを実行して取得した前記AP識別情報の履歴を履歴記憶部に記憶する履歴記憶段階と、
前記定期スキャン実行段階において前回前記無線APスキャンを実行して取得した前記AP識別情報に、前記AP情報記憶部に記憶されている前記AP識別情報が含まれている場合に、前記無線APスキャンを実行し、取得した前記AP識別情報と当該AP識別情報に対応する前記位置情報が前記AP情報記憶部に記憶されている場合、当該AP識別情報に対応する前記位置情報に基づいて測位結果の前記位置情報を特定し、取得した前記AP識別情報と当該AP識別情報に対応する前記位置情報が前記AP情報記憶部に記憶されていない場合、GNSS測位を実行し、前記GNSS測位が成功した場合、前記GNSS測位の前記測位結果の前記位置情報を取得し、前記GNSS測位が失敗した場合、NW測位サーバに当該AP識別情報を送信して、前記NW測位サーバから前記測位結果の前記位置情報を受信する測位処理実行段階と
を備える位置管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置管理端末、プログラム、システム、及び位置管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、携帯端末の所持者であるユーザの位置を、離れた場所にある他の携帯端末やパーソナルコンピュータの画面上に表示した地図で確認する技術について記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2010-171483号公報
【発明の概要】
【0003】
本発明の一実施態様によれば、位置管理端末が提供される。位置管理端末は、無線AP(Access Point)のAP識別情報と無線APの位置情報とを対応付けて記憶するAP情報記憶部を備えてよい。位置管理端末は、無線APスキャンを実行して取得したAP識別情報と当該AP識別情報に対応する位置情報とがAP情報記憶部に記憶されていない場合、NW(Network)測位サーバに当該AP識別情報を送信してNW測位サーバから位置情報を取得し、記憶されている場合、当該AP識別情報に対応する位置情報に基づいて測位結果の位置情報を特定する測位処理実行部を備えてよい。
【0004】
上記測位処理実行部は、上記無線APスキャンを実行して取得した上記AP識別情報と当該AP識別情報に対応する上記位置情報とが上記AP情報記憶部に記憶されていない場合、当該AP識別情報と、セルスキャンを実行して取得したセル情報とを上記NW測位サーバに送信してよい。
【0005】
上記測位処理実行部は、予め定められた条件が満たされたことに応じてGNSS(Global Navigation Satellite System)測位を実行してよい。上記測位処理実行部は、上記GNSS測位が成功した場合、上記GNSS測位の上記測位結果の上記位置情報を取得してよい。上記測位処理実行部は、上記GNSS測位が失敗した場合に、上記無線APスキャンを実行してよい。上記測位処理実行部は、取得したAP識別情報と当該AP識別情報に対応する位置情報とが上記AP情報記憶部に記憶されていない場合、上記NW測位サーバに当該AP識別情報を送信し、記憶されている場合、当該AP識別情報に対応する上記位置情報に基づいて測位結果の上記位置情報を特定してよい。
【0006】
上記位置管理端末は、予め定められた時間毎に無線APスキャンを実行する定期スキャン実行部を備えてよい。位置管理端末は、上記定期スキャン実行部が上記無線APスキャンを実行して取得した上記AP識別情報の履歴を記憶する履歴記憶部を備えてよい。上記測位処理実行部は、上記定期スキャン実行部が前回上記無線APスキャンを実行して取得した上記AP識別情報に、上記AP情報記憶部に記憶されている上記AP識別情報が含まれている場合、上記無線APスキャンを実行して、取得した上記AP識別情報と当該AP識別情報に対応する上記位置情報が上記AP情報記憶部に記憶されている場合、当該AP識別情報に対応する上記位置情報に基づいて上記測位結果の上記位置情報を特定してよい。
【0007】
上記測位処理実行部は、上記定期スキャン実行部が前回上記無線APスキャンを実行して取得した上記AP識別情報に、上記AP情報記憶部に記憶されているAP識別情報が含まれていない場合、上記GNSS測位を実行し、上記GNSS測位が成功した場合、上記GNSS測位の上記測位結果の上記位置情報を取得し、上記GNSS測位が失敗した場合、上記NW測位サーバに当該AP識別情報を送信して、上記NW測位サーバから上記測位結果の上記位置情報を受信してよい。
【0008】
上記測位処理実行部は、上記定期スキャン実行部が前回上記無線APスキャンを実行して取得した上記AP識別情報に、上記AP情報記憶部に記憶されている上記AP情報が含まれている場合に、上記無線APスキャンを実行し、取得した上記AP識別情報と当該AP識別情報に対応する上記位置情報が上記AP情報記憶部に記憶されていない場合、上記 GNSS測位を実行し、上記GNSS測位が成功した場合、上記GNSS測位の上記測位結果の上記位置情報を取得し、上記GNSS測位が失敗した場合、上記NW測位サーバに当該AP識別情報を送信して、上記NW測位サーバから上記測位結果の上記位置情報を受信してよい。
【0009】
上記定期スキャン実行部は、予め定め設定された期間内に、上記予め定められた時間毎に上記無線APスキャンを実行してよい。
【0010】
上記定期スキャン実行部が上記無線APスキャンを実行して取得した上記AP識別情報が、予め登録された登録AP識別情報と一致した場合に通知情報を送信する通知情報送信部を備えてよい。
【0011】
上記位置管理端末は、上記無線APスキャンを実行して取得した上記AP識別情報を通信端末に送信するスキャン結果送信部を備えてよい。位置管理端末は、上記通信端末において選択された上記AP識別情報と、上記AP識別情報に対応する位置情報とを上記通信端末から受信して、上記AP情報記憶部に記憶させるAP情報登録部を備えてよい。
【0012】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータを、上記位置管理端末として機能させるためのプログラムが提供される。
【0013】
本発明の一実施態様によれば、システムが提供される。システムは、上記位置管理端末と、通信端末とを備えてよい。通信端末は、通信端末のユーザインタフェースを介して取得したAP識別情報と、AP識別情報に対応する位置情報とを位置管理端末に送信するAP識別情報送信部を有してよい。位置管理端末は、AP識別情報送信部によって送信されたAP識別情報及び位置情報をAP情報記憶部に記憶させるAP情報登録部を有してよい。
【0014】
上記通信端末は、上記位置管理端末が無線APスキャンを実行して取得した上記AP識別情報を上記位置管理端末から受信するスキャン結果受信部を有してよい。上記AP識別情報送信部は、上記通信端末の上記ユーザインタフェースを介して上記スキャン結果受信部が受信した上記AP識別情報から選択された上記AP識別情報と、当該AP識別情報の上記位置情報とを上記位置管理端末に送信してよい。
【0015】
上記通信端末は、表示部に表示させた地図データ上で指定された位置を示す上記位置情報を取得する位置情報取得部を有してよい。上記AP識別情報送信部は、上記位置情報取得部が取得した上記位置情報を上記位置管理端末に送信してよい。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、位置管理端末によって実行される位置管理方法が提供される。位置管理方法は、無線APのAP識別情報と無線APの位置情報とを対応付けてAP情報記憶部に記憶する記憶段階を備えてよい。位置管理方法は、無線APスキャンを実行して取得したAP識別情報と当該AP識別情報に対応する位置情報とがAP情報記憶部に記憶されていない場合、NW測位サーバに当該AP識別情報を送信してNW測位サーバから位置情報を取得し、記憶されている場合、当該AP識別情報に対応する位置情報に基づいて測位結果の位置情報を特定する測位処理実行段階を備えてよい。
【0017】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図2】位置管理端末100による測位処理の流れの一例を概略的に示す。
【
図3】位置管理端末100によるLWPの処理の流れの一例を概念的に示す。
【
図4】位置管理端末100によるLWPの処理の流れの他の一例を概略的に示す。
【
図5】位置管理端末100の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図6】通信端末200の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図7】位置管理端末100による処理の流れの他の一例の前半部分を概略的に示す。
【
図8】位置管理端末100による処理の流れの他の一例の後半部分を概略的に示す。
【
図9】位置管理端末100による処理の流れの他の一例の後半部分を概略的に示す。
【
図10】測位処理において実行される測位機能について説明するための測位処理実行パターン説明
図500である。
【
図11】通信端末200におけるWi-Fi(登録商標)Fence設定画面520の一例を概念的に示す。
【
図12】位置管理端末100おけるAP識別情報管理テーブル600の一例を示す。
【
図13】位置管理端末100、通信端末200又は位置管理サーバ400として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
位置管理端末に搭載された加速度センサによって端末の移動を検知し、測位結果を位置管理サーバに送信することによって、スマートフォン等によって端末の位置情報を確認可能にする技術が知られている。位置管理端末は、例えば、まずGNSS測位を実行し、GNSS測位に失敗した場合にNW測位を実行するような構成を採用している。NW測位は、例えば、Wi-Fiスキャン及びセルスキャンの少なくともいずれかを実行して取得した情報を、NW測位サーバに送信して、NW測位サーバから位置情報を取得する測位手法であってよい。既存のこのような端末の測位結果の精度は、測位時の環境に依存し、測位時の環境が悪い場合に、測位ずれが生じる場合がある。特にNW測位の精度が低い場合があり、いわゆる位置飛びが生じることがある。これに対して、GNSS測位時間を延長したり、Wi-Fi測位で扱うWi-FiAP数を増加したり、セル測位で扱うセル情報を増加することによって、精度を改善することはできるが、このような改善をしたとしても、環境依存に伴う測位ずれは発生する。
【0020】
これに対して、本実施形態に係る位置管理端末は、既存のNW測位サーバが実行しているようなWi-Fi測位を、位置管理端末自身が実行してよい。位置管理端末は、例えば、Wi-FiAPのSSID(Service Set Identifier)と、当該Wi-FiAPが存在する位置情報を事前に設定する。そして、Wi-Fiスキャンを実行した際に、設定されたSSIDとそれに紐づく位置情報が存在するならば、設定された位置情報を測位結果として採用する。
【0021】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0022】
図1は、システム10の一例を概略的に示す。システム10は、位置管理端末100、及び位置管理サーバ400を備える。システム10は、通信端末200を備えてよい。システム10は、NW測位サーバ40を備えてもよい。
【0023】
システム10は、例えば、位置管理端末100によって取得されたユーザ102の位置が、ネットワーク20を介して位置管理サーバ400に送信され、位置管理サーバ400に保存されていくものである。また、システム10は、通信端末200を利用するユーザ202が、通信端末200を介して位置管理サーバ400に接続することにより、予め保存されているユーザ102の位置を確認することができるものである。
【0024】
位置管理端末100は、位置管理端末100のユーザ102の位置情報を位置管理サーバ400によって管理可能にするための端末である。位置管理端末100は、予め定められた条件が満たされる毎に位置情報を位置管理サーバ400に報告するための測位処理を実行する。
【0025】
位置管理端末100は、例えば、予め定められた時間毎に、位置管理端末100に搭載された加速度センサ等のセンサの出力によって位置管理端末100の移動/静止を検知し、移動していた場合に、位置情報を位置管理サーバ400に報告するための測位処理を実行する。位置管理端末100は、移動/静止の検知を行うことなく、予め定められた時間毎に、位置情報を位置管理サーバ400に報告するための測位処理を実行してもよい。位置管理端末100は、ユーザ102に使用されるものであり、計測された位置情報はユーザ102の位置を表してよい。
【0026】
位置管理サーバ400は、位置管理端末100の位置情報を管理する。位置管理サーバ400は、例えば、認証されたデバイスからの要求に応じて、位置管理端末100の位置情報を提供する。例えば、親が子供に位置管理端末100を所持させ、自身のスマートフォン等にインストールしたアプリによって位置管理サーバ400にアクセスし、位置管理端末100の位置情報を確認する、といった利用が行われる。
【0027】
位置管理端末100は、移動体通信を実行可能であってよい。位置管理端末100は、例えば、無線基地局を介してネットワーク20にアクセスする。位置管理端末100は、Wi-FiAPを介してネットワーク20にアクセスしてもよい。ネットワーク20は、移動体通信ネットワークを含む。ネットワーク20は、インターネットを含んでよい。位置管理端末100は、ネットワーク20を介して位置管理サーバ400と通信する。
【0028】
位置管理端末100は、複数種類の測位機能を有する。位置管理端末100は、GPS(Global Positioning System)測位等のGNSS測位を実行可能であってよい。位置管理端末100は、NW測位を実行可能であってよい。位置管理端末100は、例えば、セルスキャンを実行して取得したセルのセル識別情報と、Wi-Fiスキャンを実行して取得したWi-FiAPのSSIDとをNW測位サーバ40に送信して、NW測位サーバ40から位置情報を取得する。セルスキャンの実行結果には、1又は複数のセル識別情報が含まれ得る。Wi-Fiスキャンの実行結果には、1又は複数のSSIDが含まれ得る。なお、Wi-FiAPは、無線APの一例であってよく、Wi-Fiスキャンは、無線APスキャンの一例であってよく、SSIDは、無線APのAP識別情報の一例であってよい。
【0029】
NW測位サーバ40は、公知の測位技術を用いて、位置管理端末100の位置を特定してよい。例えば、NW測位サーバ40は、複数のWi-FiAPのSSIDと位置情報とを登録していて、位置管理端末100から通知されたSSIDに対応するWi-FiAPの位置情報から、位置管理端末100の位置を推定する。また、NW測位サーバ40は、複数のセルのセル識別情報と位置情報とを登録していて、位置管理端末100から通知されたセル情報に対応する位置情報から、位置管理端末100の位置を推定する。
【0030】
本実施形態に係る位置管理端末100には、1又は複数のWi-FiAPについて、SSIDと位置情報が予め登録されてよい。例えば、位置管理端末100には、位置管理端末100のユーザ102が位置する可能性が高い場所のWi-FiAPのSSID及び位置情報が登録される。位置情報として、例えば、Wi-FiAPの緯度経度が登録される。ユーザ102が子供である場合、このような場所の例として、自宅、学校、及び習い事の場所等が挙げられるが、これらは例であり、任意の場所であってよい。
【0031】
位置管理端末100は、例えば、予め定められた条件が満たされたことに応じて、GNSS測位を実行し、GNSS測位が成功した場合、GNSS測位の測位結果の位置情報を取得する。GNSS測位が失敗した場合、位置管理端末100は、Wi-Fiスキャンを実行して、取得したSSIDと当該SSIDに対応する位置情報とが予め登録されているか否かを判定する。
【0032】
登録されている場合、位置管理端末100は、当該SSIDに対応する位置情報を測位結果の位置情報とする。このような、Wi-Fiスキャンによって取得したSSIDに対応する位置情報が登録されている場合に、当該位置情報を測位結果としたり、当該位置情報から測位結果の位置を特定したりする測位を、LWP(Local Wi-Fi Positioning)と記載する場合がある。
【0033】
登録されていない場合、位置管理端末100は、当該SSIDと、セルスキャンを実行して取得したセル識別情報とをNW測位サーバ40に送信して、NW測位サーバ40から位置情報を取得する。
【0034】
NW測位によって特定される位置情報と比較すると、予め登録された位置情報の方が精度が高いので、このような構成とすることによって、位置管理サーバ400に通知される位置情報の精度を向上することができる。また、NW測位の場合には、Wi-Fiスキャン及びセルスキャンと、NW測位サーバ40との通信が必要になるが、LWP測位の場合、これらのうちのWi-Fiスキャンのみでよいことになるので、電池消費量を低減することもできる。
【0035】
位置管理端末100は、予め登録されたWi-FiAPのエリアに入ったときに、予め登録された宛先に通知を行うための処理を実行してもよい。例えば、位置管理端末100は、予め設定された期間内に、予め定められた時間毎にWi-Fiスキャンを実行して、スキャン結果に予め登録されたSSIDが含まれる場合に、通知情報を位置管理サーバ400に送信する。位置管理サーバ400は、位置管理端末100から通知情報を受信した場合に、当該位置管理端末100に対応する通信端末200に対して通知情報を送信する。これにより、例えば、位置管理端末100を所持する子供が、自宅のWi-FiAPのエリアに入った場合に、その旨を親の通信端末200に通知することができる。このような機能は、たたいま通知機能や、Wi-Fi Fence機能と呼ばれる場合がある。本実施形態では、単にFence機能と記載する場合がある。なお、位置管理端末100は、Fence機能とは別に、定期的にWi-Fiスキャンを実行する機能を有してもよい。
【0036】
通信端末200は、移動体通信を実行可能であってよい。通信端末200は、例えば、無線基地局を介してネットワーク20にアクセスする。通信端末200は、Wi-FiAPを介してネットワーク20にアクセスしてもよい。通信端末200は、ネットワーク20を介して位置管理サーバ400と通信する。
【0037】
通信端末200は、ユーザ102の位置として位置管理端末100の位置を確認する機能を有する。通信端末200は、ユーザ202に操作されることにより、ネットワーク20を介して位置管理サーバ400に接続する。通信端末200は、位置管理サーバ400に保持された位置管理端末100の位置情報を参照して、通信端末200上に表示し、ユーザ202に提供する。ユーザ202は、例えば、位置管理端末100を所持するのが子供である場合に親である。
【0038】
通信端末200は、位置管理端末100に対して各種設定を実行可能であってよい。通信端末200は、位置管理端末100と近距離無線通信を実行してよい。通信端末200は、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)によって、位置管理端末100と通信する。なお、通信端末200は、ネットワーク20を介して、位置管理端末100と通信してもよい。通信端末200は、位置管理端末100に対して各種設定を実行するアプリを有し、アプリによって位置管理端末100に各種設定を行ってもよい。
【0039】
通信端末200は、位置管理端末100に、LWPのための設定を行ってよい。例えば、通信端末200は、ユーザ202の指示に従って、1又は複数のWi-FiAPのSSID及び位置情報を位置管理端末100に設定する。
【0040】
通信端末200は、位置管理端末100に、Fence機能のための設定を行ってよい。例えば、通信端末200は、ユーザ202の指示に従って、1又は複数のWi-FiAPのSSIDを位置管理端末100に設定する。
【0041】
通信端末200は、位置管理端末100に、LWP及びFence機能の両方のための設定を行ってもよい。例えば、通信端末200は、ユーザ202の指示に従って、1又は複数のWi-FiAPのSSID及び位置情報を位置管理端末100に設定する。
【0042】
図2は、位置管理端末100による測位処理の流れの一例を概略的に示す。ここでは、測位処理を実行するための予め定められた条件が満たされた状態を開始状態として説明する。
【0043】
ステップ(ステップをSと省略して記載する場合がある。)302では、位置管理端末100が、GNSS測位を実行する。S302におけるGNSS測位が成功した場合(S304でYes)、S306に進み、失敗した場合(S304でNo)、S308に進む。GNSS測位が失敗する場合とは、例えば、位置管理端末100を所持するユーザ102が地下にいたり、何らかの遮蔽物が存在することによって、測位衛星からの電波を受信できないような場合である。
【0044】
S306では、位置管理端末100が、S302で取得した測位結果を、位置管理サーバ400へ送信する。位置管理サーバ400は、受信した測位結果を保存する。
【0045】
S308では、位置管理端末100が、Wi-Fiスキャンを実行する。S310では、位置管理端末100が、S308で実行したWi-Fiスキャンの結果を使用して、LWPを行う。LWPの詳細については、後述する。LWPが成功した場合(S312でYes)、S306へ進み、LWPが失敗した場合(S312でNo)、S314へ進む。S306では、位置管理端末100が、LWPによって取得した測位結果を位置管理サーバ400へ送信する。
【0046】
S314では、位置管理端末100が、セルスキャンを実行する。S316では、位置管理端末100が、S308及びS314の結果を使用して、NW測位を実行する。すなわち、位置管理端末100は、S308において取得したSSIDと、S314において取得したセル識別情報とをNW測位サーバ40に送信する。
【0047】
NW測位に成功した場合、すなわち、NW測位サーバ40から位置情報を取得できた場合(S318でYes)、S306へ進み、失敗したと場合(S318でNo)、すなわち、NW測位サーバ40から位置情報を取得できなかった場合、処理を終了する。S306では、位置管理端末100が、NW測位によって取得した測位結果を位置管理サーバ400へ送信する。
【0048】
図3は、位置管理端末100によるLWPの処理の流れの一例を概略的に示す。S322では、位置管理端末100が、S308で実行したWi-Fiスキャンのスキャン結果のSSIDの位置情報の登録が有るか否かを判定する。位置情報の登録が有ると判定した場合、S328へ進む。位置情報の登録がないと判定した場合、S324へ進む。
【0049】
S324では、位置管理端末100が、S308で実行したWi-Fiスキャンのスキャン結果のうち、全てのスキャン結果についてS322の判定が終了したか否かを判定する。終了したと判定した場合、S326へ進む。終了していないと判定した場合、S322へ戻る。Wi-Fiスキャンのスキャン結果は、複数のSSIDを含む場合があり、S324ではそのすべての判定を終えた際に、終了したと判定される。
【0050】
S326では、位置管理端末100が、LWP失敗のフラグを設定する。S328では、位置管理端末100が、LWP成功のフラグを設定する。
【0051】
図4は、位置管理端末100によるLWPの処理の流れの他の一例を概略的に示す。ここでは、位置管理端末100に、LWP及びFence機能の両方のための設定が行われている場合におけるLWPについて説明する。位置管理端末100に、Fence機能のための複数のSSIDと、当該複数のSSIDの緯度経度とが登録されていることを前提とする。
【0052】
位置管理端末100は、最大で、Fence機能の設定数、S334、S336、S338、S340の処理を繰り返す。S334では、位置管理端末100が、Fence設定から、1つ目のSSIDに対応する緯度経度の取得を試みる。緯度経度の値が存在する場合(S336でYes)、S338に進み、存在しない場合(S336でNo)、S342に進む。
【0053】
S338では、位置管理端末100が、Fence設定からSSIDを取得する。S340では、位置管理端末100が、S308で実行したWi-Fiスキャンのスキャン結果に、S338で取得したSSIDが存在するか否かを判定する。SSIDが存在すると判定した場合に、ループを抜けて、S344へ進む。SSIDが存在すると判定されなかった場合、S342へ進む。S342で、Fence機能の設定数繰り返したと判定しなかった場合、S334に戻り、位置管理端末100は、Fence機能設定から次のSSIDに対応する緯度経度の取得を試みる。S342で、Fence機能の設定数繰り返したと判定した場合、処理を終了する。この場合、位置管理端末100は、LWP失敗のフラグを設定する。
【0054】
S344では、位置管理端末100が、Fence設定からSSID及び当該SSIDに対応する緯度経度を取得して、処理を終了する。この場合、位置管理端末100は、LWP成功のフラグを設定する。
【0055】
図5は、位置管理端末100の機能構成の一例を概略的に示す。位置管理端末100は、記憶部110、AP情報登録部120、スキャン結果送信部122、測位処理実行部130、Fence情報登録部142、定期スキャン実行部144、及び通知情報送信部146を備える。位置管理端末100がこれらの全てを備えることは必須とは限らない。
【0056】
記憶部110は、AP情報記憶部112、Fence情報記憶部114、及び履歴記憶部116を有する。AP情報記憶部112は、LWPのための情報を記憶してよい。AP情報記憶部112は、例えば、無線APのAP識別情報と、無線APの位置情報とを対応付けて記憶する。Fence情報記憶部114は、Fence機能のための情報を記憶してよい。Fence情報記憶部114は、例えば、無線APのAP識別情報を記憶する。履歴記憶部116は、定期的に実行される無線APスキャンの履歴を記憶してよい。
【0057】
AP情報登録部120は、LWPのための情報の登録を受け付けて、AP情報記憶部112に記憶させる。AP情報登録部120は、例えば、通信端末200による、AP識別情報及び位置情報の登録を受け付ける。AP情報登録部120は、受け付けたAP識別情報及び位置情報をAP情報記憶部112に記憶させる。
【0058】
スキャン結果送信部122は、無線APスキャンを実行して取得したAP識別情報を通信端末200に送信する。スキャン結果送信部122は、例えば、通信端末200からの指示に従って、無線APスキャンを実行して、無線APスキャンによって取得したAP識別情報を通信端末200に送信する。具体例として、スキャン結果送信部122は、通信端末200からの指示に従って、無線APスキャンを実行して、取得したAP識別情報を含むリストを通信端末200に送信する。AP情報登録部120は、スキャン結果送信部122が送信したAP識別情報のうち通信端末200において選択されたAP識別情報と、当該AP識別情報に対応する位置情報とを、通信端末200から受信して、AP情報記憶部112に記憶させてよい。
【0059】
測位処理実行部130は、測位処理を実行する。測位処理実行部130は、無線APスキャンを実行して取得したAP識別情報と当該AP識別情報に対応する位置情報とがAP情報記憶部112に記憶されていない場合、NW測位サーバ40に当該AP識別情報を送信してNW測位サーバ40から位置情報を取得してよい。測位処理実行部130は、無線APスキャンを実行して取得したAP識別情報と当該AP識別情報に対応する位置情報とがAP情報記憶部112に記憶されている場合、当該AP識別情報に対応する位置情報に基づいて測位結果の位置情報を特定してよい。測位処理実行部130は、例えば、1つのAP識別情報に対応する位置情報を、測位結果の位置情報として特定する。測位処理実行部130は、例えば、複数のAP識別情報に対応する複数の位置情報から、測位結果の位置情報を特定する。複数の位置情報から1つの位置情報を特定する手法として、測位処理実行部130は、公知の特定手法を用いてよい。
【0060】
測位処理実行部130は、無線APスキャンを実行して取得したAP識別情報と当該AP識別情報に対応する位置情報とがAP情報記憶部112に記憶されていない場合に、当該AP識別情報に加えて、セルスキャンを実行して取得したセル情報をNW測位サーバ40に送信してもよい。
【0061】
測位処理実行部130は、予め定められた条件が満たされたことに応じてGNSS測位を実行し、GNSS測位が成功した場合、GNSS測位の測位結果の位置情報を取得し、GNSS測位が失敗した場合に、無線APスキャンを実行して、取得したAP識別情報と当該AP識別情報に対応する位置情報とがAP情報記憶部112に記憶されていない場合、NW測位サーバ40に当該AP識別情報を送信し、記憶されている場合、当該AP識別情報に対応する位置情報に基づいて測位結果の位置情報を特定してもよい。予め定められた条件について、例えば、測位処理実行部130は、予め定められた時間毎に、位置管理端末100に搭載された加速度センサ等のセンサの出力によって位置管理端末100の移動/静止を検知し、移動していた場合に、GNSS測位を実行する。また、例えば、測位処理実行部130は、前回の測位から予め定められた時間が経過した場合に、GNSS測位を実行する。
【0062】
Fence情報登録部142は、Fence機能のための情報の登録を受け付けて、Fence情報記憶部114に記憶させる。Fence情報登録部142は、例えば、通信端末200による、AP識別情報の登録を受け付ける。Fence情報登録部142は、受け付けたAP識別情報をFence情報記憶部114に記憶させる。Fence情報登録部142は、例えば、通信端末200による、Fence機能のために定期的に無線APスキャンを実行する期間の登録を受け付ける。Fence情報登録部142は、受け付けた期間をFence情報記憶部114に記憶させてよい。当該期間は、分単位、時間単位等の単位で任意に設定可能であってよい。
【0063】
定期スキャン実行部144は、予め定められた時間毎に無線APスキャンを実行する。定期スキャン実行部144は、例えば、通信端末200によって設定された時間毎に無線APスキャンを実行する。当該時間は、秒単位、分単位等の単位で任意に設定可能であってよい。定期スキャン実行部144は、スキャン結果のAP識別情報を履歴記憶部116に記憶させる。
【0064】
定期スキャン実行部144は、Fence機能のために、定期スキャンを実行してもよい。例えば、定期スキャン実行部144は、予め設定された期間内に、予め定められた時間毎に無線APスキャンを実行してよい。通知情報送信部146は、定期スキャン実行部144が無線APスキャンを実行して取得したAP識別情報が、予め登録された登録AP識別情報と一致した場合に通知情報を送信してよい。通知情報送信部146は、例えば、定期スキャン実行部144が無線APスキャンを実行して取得したAP識別情報が、Fence情報記憶部114に記憶されているAP識別情報と一致した場合に、通知情報を送信する。
【0065】
位置管理端末100による通知情報の送信先は、位置管理サーバ400であってよい。位置管理サーバ400は、位置管理端末100から通知情報を受信したことに応じて、位置管理端末100に対応する通信端末200に対して通知情報を送信してよい。
【0066】
測位処理実行部130は、上述したように、予め定められた条件が満たされたことに応じて、まずGNSS測位を実行し、GNSS測位が失敗した場合に、LWPを実行してよいが、状況によって、GNSS測位の前に、LWPを実行するようにしてもよい。例えば、測位処理実行部130は、LWPが成功する可能性が高い場合に、まず、LWPを実行して、成功した場合、LWPの結果を測位結果の位置情報として特定し、LWPが失敗した場合に、GNSS測位を実行する。
【0067】
具体例として、測位処理実行部130は、定期スキャン実行部144が前回無線APスキャンを実行して取得したAP識別情報に、AP情報記憶部112に記憶されているAP識別情報が含まれている場合、無線APスキャンを実行して、取得したAP識別情報と当該AP識別情報に対応する位置情報がAP情報記憶部112に記憶されている場合、当該AP識別情報に対応する位置情報に基づいて測位結果の位置情報を特定する。
【0068】
そして、測位処理実行部130は、定期スキャン実行部144が前回無線APスキャンを実行して取得したAP識別情報に、AP情報記憶部112に記憶されているAP識別情報が含まれていない場合、GNSS測位を実行し、GNSS測位が成功した場合、GNSS測位の測位結果の位置情報を取得し、GNSS測位が失敗した場合、NW測位サーバ40に当該AP識別情報を送信して、NW測位サーバ40から測位結果の位置情報を受信してよい。
【0069】
また、測位処理実行部130は、定期スキャン実行部144が前回無線APスキャンを実行して取得したAP識別情報に、AP情報記憶部112に記憶されているAP識別情報が含まれている場合に、無線APスキャンを実行し、取得したAP識別情報と当該AP識別情報に対応する位置情報がAP情報記憶部112に記憶されていない場合、GNSS測位を実行し、GNSS測位が成功した場合、GNSS測位の測位結果の位置情報を取得し、GNSS測位が失敗した場合、NW測位サーバ40に当該AP識別情報を送信して、NW測位サーバ40から測位結果の位置情報を受信してよい。
【0070】
図6は、通信端末200の機能構成の一例を概略的に示す。通信端末200は、記憶部210、入力部212、表示部214、位置情報取得部216、AP識別情報送信部218、及びスキャン結果受信部220を備える。
【0071】
記憶部210は、各種情報を記憶する。記憶部210は、入力部212、位置情報取得部216、及びスキャン結果受信部220から受け付けた情報を記憶してよい。記憶部210は、表示部214とAP識別情報送信部218とから情報を参照されてよい。
【0072】
入力部212は、ユーザ202からの入力を受け付ける。入力部212は、通信端末200のユーザインタフェースを介してユーザ202からの入力を受け付けてよい。入力部212は、例えば、ユーザ202からのAP識別情報の入力を受け付ける。入力部212は、例えば、ユーザ202からの無線APの位置情報の入力を受け付ける。
【0073】
表示部214は、各種情報を表示する。表示部214は、ユーザ202の入力に必要な情報を表示してよい。表示部214は、入力部212と一体で、例えばタッチ入力を受け付けるディスプレイであってもよい。
【0074】
位置情報取得部216は、ユーザ202によって入力部212を介して入力された無線APの位置情報を取得する。位置情報取得部216は、例えば、表示部214に表示させた地図データ上で指定された位置を示す位置情報を取得する。
【0075】
AP識別情報送信部218は、通信端末200のユーザインタフェースを介して取得したAP識別情報と、AP識別情報に対応する位置情報とを位置管理端末100に送信する。AP識別情報送信部218は、通信端末200のユーザインタフェースを介してスキャン結果受信部220が受信したAP識別情報から選択されたAP識別情報と、当該AP識別情報に対応する位置情報とを位置管理端末100に送信する。AP情報登録部120は、AP識別情報送信部218によって送信されたAP識別情報及び位置情報を、AP情報記憶部112に記憶させてよい。
【0076】
AP識別情報送信部218は、位置情報取得部216が、表示部214に表示させた地図データ上で指定された位置を示す位置情報を取得した場合に、当該位置情報を位置管理端末100に送信してもよい。
【0077】
スキャン結果受信部220は、スキャン結果送信部122が送信したAP識別情報を受信する。位置情報取得部216は、スキャン結果受信部220が受信したAP識別情報を、選択可能に表示部214に表示させてよい。位置情報取得部216は、表示部214に表示されたAP識別情報のうち、通信端末200のユーザインタフェースを介して選択されたAP識別情報に対応する位置情報を取得してよい。AP識別情報送信部218は、当該選択されたAP識別情報と、当該AP識別情報に対応する位置情報とを位置管理端末100に送信する。
【0078】
図7は、位置管理端末100による処理の流れの他の一例の前半部分を概略的に示す。ここでは、Fence機能の対象として複数のAP識別情報が設定されており、複数のAP識別情報のそれぞれについて、位置管理端末100が圏内に位置するか否かを管理している状態を開始状態として説明する。
図7に示すフローチャート中のAは、
図8又は
図9のAへと遷移し、
図7に示すフローチャート中のBは、
図8又は
図9のBへと遷移する。
【0079】
S350では、測位処理実行部130が、履歴記憶部116を参照して、Fence機能の対象として設定されている複数のAP識別情報のうち、いずれかが圏内であるか否かを判定する。圏内であると判定された場合、S352へ進む。圏内であると判定されなかった場合に、S358へ進む。
【0080】
S352では、測位処理実行部130が、Wi-Fiスキャンを実行する。S354では、測位処理実行部130が、S352で取得したSSIDを用いて、LWPを実行する。
【0081】
LWPが成功した場合(S356でYes)、Aに進み、成功しなかった場合、S358に進む。S358では、測位処理実行部130が、GNSS測位を実行する。GNSS測位が成功した場合(S360でYes)、Aに進む。GNSS測位が成功しなかった場合(S360でNo)、Bに進む。
【0082】
図8は、位置管理端末100による処理の流れの他の一例の後半部分を概略的に示す。
図8におけるフローチャートは、
図7のA又はBから遷移してきた測位処理の続きを表す。Aから遷移してきた場合、S362では、測位処理実行部130が、S358において取得したGNSS測位の測位結果を位置管理サーバ400へ送信する。
【0083】
S370では、測位処理実行部130が、Wi-Fiスキャンを実行する。S372では、測位処理実行部130が、セルスキャンを実行する。S374では、測位処理実行部130が、S370及びS372の実行結果を用いて、NW測位を実行する。
【0084】
NW測位が成功した場合(S376でYes)、S362へ進む。S362では、測位処理実行部130が、S374におけるNW測位の測位結果を位置管理サーバ400へ送信する。NW測位が成功しなかった場合(S376でNo)、処理は終了する。
【0085】
図7及び
図8において示したように、位置管理端末100は、過去のWi-Fiスキャンで取得したAP情報を履歴記憶部116に保持しておいて、過去に対象のSSIDの圏内であると判定された場合に、GNSS測位前のWi-Fiスキャンを実行する構成を備える。これにより、過去に対象のSSIDの圏内にいた場合は、GNSS測位よりも前に、LWP実行し、LWPによる測位が成功した場合には、GNSS測位を実行しない。このため、位置管理端末100の省電力性能の向上に貢献することができる。
【0086】
図9は、位置管理端末100による処理の流れの他の一例の後半部分を概略的に示す。
図9におけるフローチャートは、
図8の一部の処理が異なるだけであるため、その異なる箇所について主に説明する。
【0087】
S380では、測位処理実行部130が、Wi-Fiスキャンを実行する。S382では、測位処理実行部130が、S380で実行したWi-Fiスキャンで得られたSSIDを元に、LWPを実行する。LWPが成功した場合(S384でYes)、S362へ進む。S362では、測位処理実行部130が、S382におけるLWPの測位結果を位置管理サーバ400へ送信する。LWPが成功しなかった場合(S384でNo)、S386へ進む。
【0088】
S386では、測位処理実行部130が、セルスキャンを実行する。S388では、測位処理実行部130が、S380及びS386の実行結果を用いて、NW測位を実行する。NW測位が成功した場合(S390でYes)、S362へ進む。S362では、測位処理実行部130が、S388におけるNW測位の測位結果を位置管理サーバ400へ送信する。NW測位が成功しなかった場合(S390でNo)、処理は終了する。
【0089】
図7及び
図9において示したように、位置管理端末100は、測位処理において、2回目のLWP処理を行う構成を備える。これにより、1回目のWi-Fiスキャン後のLWP処理が失敗した場合であっても、2回目のWi-Fiスキャン後のLWP処理が成功した場合は、セルスキャンと、NW測位を実行せずに測位結果を得ることができる。このため、特定のパターンにおいて、位置管理端末100のさらなる省電力性能の向上に貢献することができる。
【0090】
図10は、測位処理において実行される測位機能について説明するための測位処理実行パターン説明
図500である。ここでは、
図7において示したように、Fence設定の複数のAP識別情報のうちのいずれかが圏内である場合にはまずLWPを実行し、いずれも圏内でない場合にはまずGNSS測位を実行する場合における効果について説明する。
【0091】
測位処理実行パターン説明
図500は、LWP結果行502、Wi-FiFence状態列504、GNSS測位成功列506、及びGNSS測位失敗列508を有する。測位処理実行パターン説明
図500は、LWPの成功する場所又は、LWPの失敗する場所において、Wi-FiFenceの状態とGNSS測位との関係を表した図である。
【0092】
LWP結果行502は、LWPが成功する場所と、LWPが失敗する場所とを表している。Wi-FiFence状態列504は、Wi-FiFenceの状態を表しており、圏内または、圏外である状態を取る。GNSS測位成功列506は、GNSS測位が成功する場所で、実行される測位の種類を表している。GNSS測位成功列506で実行されうる測位の種類は、GNSS測位、LWPを含む。
【0093】
GNSS測位失敗列508は、GNSSが失敗する場所で、実行される測位の種類を表している。GNSS測位失敗列508で実行されうる測位の種類は、GNSS測位、LWP、NW測位を含む。
【0094】
図10に示すように、LWP結果行502が「LWPが成功する場所」であって、Wi-FiFence状態列504が「Wi-FiFenceが圏内」である場合、LWPのみが実行されることになり、測位精度の向上及び省電力に貢献し得る。LWP結果行502が「LWPが成功する場所」であって、Wi-FiFence状態列504が「Wi-FiFenceが圏外」である場合、メリットもデメリットもないことになる。
【0095】
LWP結果行502が「LWPが失敗する場所」であって、Wi-FiFence状態列504が「Wi-FiFenceが圏内」である場合、LWPを無駄に実行してしまうことにはなるが、一度失敗すると、「前回が圏内」状態になるので、悪影響は最小限に留まる。LWP結果行502が「LWPが失敗する場所」であって、Wi-FiFence状態列504が「Wi-FiFenceが圏外」である場合、メリットもデメリットもないことになる。
【0096】
図11は、通信端末200におけるWi-FiFence設定画面520の一例を概略的に示す。Wi-FiFence設定画面520は、ユーザ202が、位置管理端末100のWi-FiFenceの設定をする際に、表示部214に表示され、入力部212からの入力を受け付ける画面である。
【0097】
Wi-FiFence設定画面520は、画面名表示欄522、設定保存ボタン524、通知設定名表示欄526、通知設定名入力欄528、Wi-Fi設定(SSID)表示欄530、Wi-Fi設定(SSID)入力欄532、Wi-Fi位置設定表示欄534、Wi-Fi位置設定入力地
図536、位置設定アイコン538、通知日時設定欄540、及び通知日時設定入力欄542を有する。
【0098】
画面名表示欄522は、Wi-FiFence設定画面520の名称を示している。設定保存ボタン524は、押下されることで、通知設定名入力欄528等に入力された設定が確定される。
【0099】
通知設定名表示欄526は、下の欄が通知設定名入力欄528であることを示す。通知設定名入力欄528は、通知設定の名前を入力部212から入力することができる欄である。通知設定名入力欄528への入力内容は任意であり、ユーザ202が自ら設定した設定を識別することができればどのようなものであってもよい。
【0100】
Wi-Fi設定(SSID)表示欄530は、下の欄がWi-Fi設定(SSID)入力欄532であることを示す。Wi-Fi設定(SSID)入力欄532は、Wi-FiFenceの設定対象となるSSIDの入力を入力部212から受け付ける欄である。SSIDの入力は、位置管理端末100から送信されたSSIDの情報によってもよいし、ユーザ202が自ら入力してもよい。
【0101】
Wi-Fi位置設定表示欄534は、下の欄がWi-Fi位置設定入力地
図536であることを示す。Wi-Fi位置設定入力地
図536は、Wi-Fi設定(SSID)入力欄532に入力したSSIDに登録する位置情報の入力を入力部212から受け付ける欄である。Wi-Fi位置設定入力地
図536への入力は、例えば、表示されている地図上で位置設定アイコン538をタップして移動させるような形で行うことができる。通知日時設定欄540は、下の欄が通知日時設定入力欄542であることを示す。
【0102】
図12は、位置管理端末100におけるAP識別情報管理テーブル600の一例を示す。AP識別情報管理テーブル600は、位置管理端末100の記憶部110に保存されるAP識別情報を含むテーブルの一例である。
【0103】
AP識別情報管理テーブル600は、設定番号602、AP識別情報603、及び位置情報605を有する。AP識別情報603は、SSID名604を含む。位置情報605は、緯度606と、経度608とを含む。
【0104】
設定番号602は、AP識別情報管理テーブル600が記憶する設定ごとの番号を管理する番号である。例えば、設定番号が1のテーブルは、SSID名604が「ZITAKU1-2G」、緯度606が「35.aaaaaa」、経度が「139.bbbbbb」であることを示す。本例では、設定番号1から5を例示しているが、設定数は5つに限らない。
【0105】
AP識別情報603は、予め通信端末200を操作するユーザ202等により登録されたSSID名604を保持する。位置情報605は、予め通信端末200を操作するユーザ202等により登録された緯度606と経度608とを保持する。
【0106】
図13は、位置管理端末100、通信端末200又は位置管理サーバ400として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブは、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0107】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0108】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVDドライブは、プログラム又はデータをDVD-ROM等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0109】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0110】
プログラムは、DVD-ROM又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0111】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0112】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0113】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0114】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0115】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0116】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピーディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0117】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0118】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0119】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0120】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0121】
10 システム、20 ネットワーク、40 NW測位サーバ、100 位置管理端末、102 ユーザ、110 記憶部、112 AP情報記憶部、114 Fence情報記憶部、116 履歴記憶部、120 AP情報登録部、122 スキャン結果送信部、130 測位処理実行部、142 Fence情報登録部、144 定期スキャン実行部、146 通知情報送信部、200 通信端末、202 ユーザ、210 記憶部、212 入力部、214 表示部、216 位置情報取得部、218 AP識別情報送信部、220 スキャン結果受信部、400 位置管理サーバ、500 測位処理実行パターン説明図、502 LWP結果行、504 Wi-FiFence状態列、506 GNSS測位成功列、508 GNSS測位失敗列、520 Wi-FiFence設定画面、522 画面名表示欄、524 設定保存ボタン、526 通知設定名表示欄、528 通知設定名入力欄、530 Wi-Fi設定(SSID)表示欄、532 Wi-Fi設定(SSID)入力欄、534 Wi-Fi位置設定表示欄、536 Wi-Fi位置設定入力地図、538 位置設定アイコン、540 通知日時設定欄、542 通知日時設定入力欄、600 AP識別情報管理テーブル、602 設定番号、603 AP識別情報、604 SSID名、605 位置情報、606 緯度、608 経度、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1230 ROM、1240 入出力チップ