(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-29
(45)【発行日】2023-07-07
(54)【発明の名称】冷却部を活用した電算ラック装置
(51)【国際特許分類】
G06F 1/20 20060101AFI20230630BHJP
H05K 7/18 20060101ALI20230630BHJP
G06F 1/16 20060101ALI20230630BHJP
【FI】
G06F1/20 C
H05K7/18 K
G06F1/20 B
G06F1/16 313
(21)【出願番号】P 2020504153
(86)(22)【出願日】2018-07-16
(86)【国際出願番号】 KR2018008003
(87)【国際公開番号】W WO2019022420
(87)【国際公開日】2019-01-31
【審査請求日】2021-07-06
(31)【優先権主張番号】10-2017-0094549
(32)【優先日】2017-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520027497
【氏名又は名称】リ,スン キョン
【氏名又は名称原語表記】LEE, Sung Kyun
(74)【代理人】
【識別番号】100166545
【氏名又は名称】折坂 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】リ,スン キョン
【審査官】松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-191959(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0105317(US,A1)
【文献】特開2008-084916(JP,A)
【文献】特開2006-138519(JP,A)
【文献】特開2010-238805(JP,A)
【文献】特開2008-171078(JP,A)
【文献】特開2013-258166(JP,A)
【文献】特開2002-319785(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0085707(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/00
G06F 1/16-1/20
H05K 7/18-7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバを収納するためのラックハウジングと、
前記ラックハウジングの内部に配置され、前記サーバが締結して搭載されるラックフレームと、
前記ラックハウジングの内部に配置され、冷却空気を吐出する吐出口、及び冷却ゾーンを経た内部空気を吸入する吸入口を有する冷却部とを含み、
前記吐出口は、前記サーバの前面として定義される境界部を基準として第1領域に位置し、前記吸入口は、前記境界部を基準として第2領域に位置し、前記第1及び第2領域は前記冷却ゾーンをなし、
前記サーバと前記冷却部との間の空間は開放されてオープン構造をなし、
前記ラックフレームは、前記サーバの前面と前面ドアとの間で、地面に対して垂直に位置し、前記吐出口は前記ラックフレームに締結された前記サーバの前面と前記前面ドアとの間の空間に突出され
、
前記冷却部は、前記ラックハウジングから脱着できるように形成されたボックス状のケースを含み、
前記ケースの内部には、蒸発器、空冷式全熱交換器、水冷式熱交換器、またはそれらの組み合わせから選択されたいずれか1つの冷却手段を含み、
前記ケースの内部は、前記冷却手段を含む第3領域が、外部空気が流れる領域である第4領域と隔壁によって区分される
ことを特徴とする、冷却部を活用した電算ラック装置。
【請求項2】
前記吐出口から吐出される前記冷却空気は、前記吐出口、前記冷却ゾーン及び前記吸入口の方向に沿って流れることを特徴とする、請求項1に記載の冷却部を活用した電算ラック装置。
【請求項3】
前記吐出口から吐出される前記冷却空気は、前記冷却部の上側にあるサーバの方向に流れるか、または前記冷却部の下側にあるサーバの方向に流れることを特徴とする、請求項1に記載の冷却部を活用した電算ラック装置。
【請求項4】
前記冷却部は前記ラックフレームに固定されることを特徴とする、請求項1に記載の冷却部を活用した電算ラック装置。
【請求項5】
前記第4領域は、前記外部空気が吸入される吸気通路と連通する吸入ダクト、及び前記外部空気が排出される排気通路と連通する排出ダクトのうちの少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする、請求項
1に記載の冷却部を活用した電算ラック装置。
【請求項6】
前記ラックハウジングは、前面ドアに形成され、前記吸入ダクトと接続された複数個の吸入ベントホール、及び後面ドアに形成され、前記排出ダクトと接続された複数個の排出ベントホールのうちの少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする、請求項
5に記載の冷却部を活用した電算ラック装置。
【請求項7】
前記第3領域には、水分を貯蔵する貯水槽を含むことを特徴とする、請求項
5に記載の冷却部を活用した電算ラック装置。
【請求項8】
前記貯水槽は、水位センサ及びヒータを含むことを特徴とする、請求項
7に記載の冷却部を活用した電算ラック装置。
【請求項9】
前記第3領域には制御部が搭載されることを特徴とする、請求項
5に記載の冷却部を活用した電算ラック装置。
【請求項10】
前記第4領域は、外部空気が吸入される吸気通路及び前記外部空気が排出される排気通路のうちの少なくともいずれか1つが、前記冷却部の底に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の冷却部を活用した電算ラック装置。
【請求項11】
前記第4領域は、外部空気が吸入される吸気通路及び前記外部空気が排出される排気通路のうちの少なくともいずれか1つが、前記冷却部の天井に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の冷却部を活用した電算ラック装置。
【請求項12】
サーバを収納するためのラックハウジングと、
前記ラックハウジングの内部に配置され、前記サーバが締結して搭載されるラックフレームと、
前記ラックハウジングの内部に配置され、冷却空気を吐出する吐出口、及び冷却ゾーンを経た内部空気を吸入する吸入口を有する冷却部とを含み、
前記吐出口は、前記サーバの前面として定義される境界部を基準として第1領域に位置し、前記吸入口は、前記境界部を基準として第2領域に位置し、前記第1及び第2領域は前記冷却ゾーンをなし、
前記サーバと前記冷却部との間の空間は開放されてオープン構造をなし、
前記ラックフレームは、前記サーバの前面と前面ドアとの間で、地面に対して垂直に位置し、前記吐出口は前記ラックフレームに締結された前記サーバの前面と前記前面ドアとの間の空間に突出され、
前記冷却部は、前記ラックハウジングから脱着できるように形成されたボックス状のケースを含み、
前記
ケースの内部は、冷却手段を含む第3領域
が、外部空気が流れる領域である第4領域と隔壁によって区分され、
前記第3領域は、蒸発器が位置し、
前記第4領域は、前記蒸発器を稼働するための圧縮機及び凝縮器を含み、
前記第4領域は、前記外部空気が吸入される吸気通路と連通する吸入ダクト、及び前記外部空気が排出される排気通路と連通する排出ダクトのうちの少なくとも1つを含み、
前記第3領域には、水分を貯蔵する貯水槽を含み、前記貯水槽は、水位センサ及びヒータを含む
ことを特徴とする、冷却部を活用した電算ラック装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電算ラック装置に関し、より詳細には、サーバを装着するためのラックハウジングの内部を冷却するための冷却部を活用する電算ラック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、サーバなどの情報処理装置の構成及び収納と設置において電算ラック方式が主流となっている。電算ラック方式とは、それぞれの機能を有する機器、例えば、サーバを特定の規格に合わせた電算ラックに段積み収納するものである。前記装置は、それぞれ、機器の選択及び配置を自由に行うことができるので、装置構成の柔軟性及び拡張性に優れ、装置全体の占有面積を減らすことができる。一方、サーバ関連では、IEC(International Electrical Commission)規格及びEIA(Electrical Industries Association)規格に規定された19インチの電算ラックが主流となっている。19インチの電算ラックは、サーバを搭載するためのラックフレームの左右幅寸法が451mm、搭載における高さ寸法が1U(1EIA)=44.45mmという単位で規定されている。
【0003】
電算ラック装置は、サーバから発生する熱を効果的に除去するために冷却が要求される。電算ラック装置の冷却技術に関連して、日本公開特許第2004-246649号の液体で冷却する冷却構造、日本公開特許第2004-063755号の空調ユニットから送風される冷気を活用する方案などが提示されている。前記特許で提示されたような従来の冷却構造を有する電算ラック装置は、冷却構造が複雑であり、外部装置が別途に構成されなければならないので製作原価を上昇させる。
【0004】
上記問題点を解決するために、韓国登録特許第10-1718414号において内部空気を冷却させる冷却部を活用する方案が提示された。前記特許は、冷却ゾーンと冷却部を分離する分離板が存在し、吸入筒の構造を備えている。また、前記特許には表現されていないが、電算ラック装置を制御する制御部は一般に上部に配置し、このために、制御部は、別途のケースに内蔵される。ところが、前記特許による電算ラック装置は、分離板、吸入筒、制御部のケースなどが要求されるので、構造が過度に複雑で製造原価を上昇させる要因となる。また、分離板により、内部空気の温度を冷却部に十分に活用できずに浪費される熱損失が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、構造を簡単にして製造原価を減らし、内部空気の温度が冷却部に活用されるようにする電算ラック装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の課題を解決するための冷却部を活用した電算ラック装置は、サーバを収納するためのラックハウジングと、前記ラックハウジングの内部に配置され、前記サーバが締結して搭載されるラックフレームと、前記ラックハウジングの内部に配置され、冷却空気を吐出する吐出口、及び冷却ゾーンを経た内部空気を吸入する吸入口を有する冷却部とを含む。このとき、前記吐出口は、前記サーバの前面として定義される境界部を基準として第1領域に位置し、前記吸入口は、前記境界部を基準として第2領域に位置し、前記第1及び第2領域は前記冷却ゾーンをなす。
【0007】
本発明の装置において、前記サーバと前記冷却部との間の空間は開放されてオープン構造をなす。前記吐出口から吐出される前記冷却空気は、前記吐出口、前記冷却ゾーン及び前記吸入口の方向に沿って流れる。前記吐出口から吐出される前記冷却空気は、前記冷却部の上側にあるサーバの方向に流れるか、または前記冷却部の下側にあるサーバの方向に流れる。前記冷却部は前記ラックフレームに固定される。前記冷却部の内部には、蒸発器、空冷式全熱交換器、水冷式熱交換器、またはそれらの組み合わせから選択されたいずれか1つの冷却手段を含むことができる。
【0008】
本発明の装置において、前記冷却部は、冷却手段を含む第3領域は、外部空気が流れる第4領域と隔壁によって区分される。前記第4領域は、前記外部空気が吸入される吸気通路と連通する吸入ダクト、及び前記外部空気が排出される排気通路と連通する排出ダクトのうちの少なくともいずれか1つを含むことができる。前記ラックハウジングは、前面ドアに形成され、前記吸入ダクトと接続された複数個の吸入ベントホール、及び後面ドアに形成され、前記排出ダクトと接続された複数個の排出ベントホールのうちの少なくともいずれか1つを含むことができる。
【0009】
好ましい本発明の装置において、前記第3領域には、水分を貯蔵する貯水槽を含む。前記貯水槽は、水位センサ及びヒータを含むことができる。前記第3領域には制御部が搭載されてもよい。
【0010】
本発明の装置において、前記冷却部は、冷却手段を含む第3領域、及び隔壁によって前記第3領域と区分される第4領域を含み、前記第4領域は、外部空気が吸入される吸気通路及び前記外部空気が排出される排気通路のうちの少なくともいずれか1つが、前記冷却部の底または天井に配置されてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の冷却部を活用した電算ラック装置によれば、冷却部で冷却される冷却空気が吐出される位置をサーバの前面の空間に設定することによって、構造を簡単にして製造原価を減らし、内部空気の温度を冷却部に活用することができる。また、冷却手段は蒸発器を含むことができ、圧縮機などが含まれた空間は、吸気及び排気のための手段を活用して、蒸発器がある空間から遮断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明に係る冷却部を活用した電算ラック第1装置を概略的に説明するための図である。
【
図2】本発明に係る第1冷却部を説明するための斜視図である。
【
図3】
図2のIII-III線に沿って切断した断面図である。
【
図4】本発明に係る第2冷却部を示す断面図である。
【
図5】本発明に係る第3冷却部を示す断面図である。
【
図6】本発明に係る第4冷却部を示す断面図である。
【
図7】本発明に係る第5冷却部を示す断面図である。
【
図8】本発明に係る冷却部を活用した電算ラック第2装置を概略的に説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付の図面を参照しながら本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。以下で説明される実施例は様々な他の形態に変形可能であり、本発明の範囲が、以下に詳述される実施例に限定されるものではない。本発明の実施例は、当分野で通常の知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。一方、上部、下部、正面などのように位置を指す用語は、図面に示したものと関連するだけである。実際に、電算ラック装置は、任意の選択的な方向に使用され得、実際に使用するときの空間的な方向は、電算ラック装置の方向及び回転に応じて変わる。
【0014】
本発明の実施例は、冷却部で冷却される冷却空気が吐出される位置をサーバの前面の空間に設定することによって、構造を簡単にして製造原価を減らし、内部空気の温度を冷却部に活用するようにする電算ラック装置を提示する。このために、冷却空気の吐出位置が調節された冷却部の構造及びこれを活用した電算ラック装置の構造について具体的に説明し、前記電算ラック装置が作動する過程を詳細に説明する。また、本発明の実施例に係る電算ラック装置に加えて、前記電算ラック装置の運用をより効率的に行うための要素を詳細に調べる。
【0015】
図1は、本発明の実施例に係る冷却部を活用した電算ラック第1装置100を概略的に説明するための図である。
【0016】
図1によれば、本発明の第1装置100は、内部にサーバSが収納されたラックハウジング10を含む。ラックハウジング10の内部には、好ましくは、地面に対して垂直に位置するラックフレーム20が設置されている。ラックフレーム20には、サーバSのような電算装備がボルトなどの締結により設置され、19インチ又は23インチの国際規格(IEC、EIA、DIN)で定める標準ラックを構成する。ラックハウジング10は、直方体の室内空間を提供し、本発明の電算ラック装置の外観を形成する。ラックハウジング10の内部には、第1冷却部30によって冷却が起こる冷却ゾーンCZを形成する。ラックハウジング10には、ヒンジ軸を中心に回転する前面ドア11及び後面ドア12が設置されている。ドア11,12は、透明な材質、例えば、ガラスからなっているので、内部を目視で確認することができる。
【0017】
図示していないが、それぞれのドア11,12及びラックハウジング10にはロック装置が含まれる。前記ロック装置は、様々な方式を適用できるが、電磁気的な力によって動作する電気錠(electromagnetic lock)が好ましい。また、それぞれのドア11,12にはプランジャー(plunger)が存在し得、ドア11,12は、パスワードや臨界温度のような方式で開放され得る。さらに、ラックハウジング10にはドアセンサが装着されて、ドア11,12が開くと、第1冷却部30の動作を停止させることができる。このようなロック装置、プランジャー及びドアセンサは、公知の方式が活用される。また、本発明の範疇内で電算ラック装置をより効率的に動作させるために、ここで提示していない部品が装着されてもよい。
【0018】
ラックハウジング10の下部及び中間には、吐出口31及び吸入口32を含む第1冷却部30が位置する。図面では、下部に位置する第1冷却部30を示した。第1冷却部30は、固定フランジ33によってラックフレーム20に固定される。言い換えると、ラックフレーム20には、サーバSだけでなく第1冷却部30が固定される。サーバは、サーバの前面S1、サーバの上面S2、サーバの後面S3、及びサーバの下面S4を含む。サーバSの固定は、サーバの前面S1の部分が固定される。第1冷却部30は、冷却された冷却空気を発生させ、吐出口31を介して冷却ゾーンCZに流す。説明の便宜のため、吐出口31から吐出される空気は冷却空気、冷却ゾーンCZを流れる空気は内部空気、及び吸入口32に吸入される空気は吸入空気という。
【0019】
冷却ゾーンCZは、サーバの前面S1として定義される境界部aを中心に第1領域bと第2領域cとに区分される。実質的には、サーバの前面S1がラックフレーム20に搭載されるので、境界部aはラックフレーム20と見なすことができる。ここで、境界部aは、線のように明確に区分されるものでなく、吐出口31及び吸入口32を中心に概念的に区画したものである。これによって、境界部aは、本発明の範疇内でサーバの前面S1またはラックフレーム20のいずれか1つとして定義することができる。ここでは、説明の便宜のため、境界部aを、サーバの前面S1として設定する。すなわち、サーバの前面S1を基準として左側空間は第1領域bであり、右側空間は第2領域cとなる。
【0020】
吐出口31を経た前記内部空気は、サーバSの上側の経路(
)、サーバSとサーバSとの間の経路(
)、サーバSの内部の経路(
)、及びサーバSの下側の経路(
)を経て再び吸入口32に戻る。前記経路(
、
、
、
)を経ながら、サーバSは、前記内部空気によって冷却される。実質的にサーバSの冷却は、サーバの内部の経路(
)による冷却が主なメカニズムである。具体的には、サーバSは、前面S1から第1領域bに存在する前記冷却空気を吸入し、サーバSの内部のCPU、メモリ、電源供給装置などの部品を冷やした後、前記内部空気を後面S3に放出する。前記内部空気はサーバSの熱を吸収して温められ、温められた内部空気は吸入口32に吸入される。吸入口32から流入した吸入空気は、第1冷却部30で再び冷却される。
【0021】
第1領域bは吐出口31を含み、第2領域cは吸入口32を含む所である。第2領域cは、サーバSを冷却させ、また、温められた内部空気を吸入口32に吸入する。言い換えると、第1領域bを経た冷却空気は、第2領域cにおいて、サーバSを含む冷却ゾーンCZを冷却させる。もし、サーバSが従来の韓国登録特許第10-1718414号のように吐出口31の上部に位置すると、前述した経路(
、
、
、
)を円滑に形成しにくい。なぜなら、吐出口31がサーバの下面S4と対向して、前記冷却空気はサーバの下面S4と衝突するためである。これによって、吐出口31は、ラックフレーム20に締結されたサーバの前面S1と前面ドア11との間の空間に突出した形状を有する。一方、第1冷却部30とサーバSとの間の最短間隔Dは、流体力学的な流れ、前記内部空気の量、流速などを考慮して定められる。
【0022】
第1冷却部30の内部には冷却手段が内蔵され、前記冷却手段は、冷却ゾーンCZから吸入される吸入空気を冷却することができれば、いずれも使用可能である。例えば、前記冷却手段は、蒸発器、空冷式全熱交換器、水冷式熱交換器、またはそれらの組み合わせであってもよい。前記蒸発器は、膨張弁を通過して低温及び低圧に減圧された冷媒を流入して液体の蒸発による熱吸収を行う機器である。前記空冷式全熱交換器は、熱交換を通じて熱い空気と冷たい空気が熱交換する機器である。前記水冷式熱交換器は、前記吸入空気と冷たい液体との熱交換が行われる機器である。
【0023】
前記組み合わせは、蒸発器と空冷式全熱交換器、蒸発器と水冷式熱交換器、空冷式全熱交換器と水冷式熱交換器のように冷却手段が複合されるものである。前記冷却手段は、蒸発器、空冷式全熱交換器、及び水冷式熱交換器のいずれか1つを複数個とすることができる。例えば、前記蒸発器を複数台設置することができる。さらに、複数個の蒸発器、複数個の空冷式全熱交換器、及び複数個の水冷式熱交換器のいずれか1つを、1つの蒸発器、1つの空冷式全熱交換器、及び1つの水冷式熱交換器のいずれか1つと組み合わせることができる。例えば、複数個の空冷式全熱交換器を1つの蒸発器と組み合わせることができる。
【0024】
選択的に、第1冷却部30と前面ドア11との間には、外部空気を吸入する吸入ダクト40、及び第1冷却部30と後面ドア12との間には、外部空気を外部に排出する排出ダクト41を含むことができる。ここで、間とは、吸入ダクト40及び排出ダクト41の少なくとも1つが、前面もしくは後面ドア11,12に付着されるか、または第1冷却部30に付着されることをいう。これに符合するために、前面ドア11及び後面ドア12には、複数個の吸入ベントホール13及び複数個の排出ベントホール14が存在する。すなわち、吸入ベントホール13及び吸入ダクト40を介して吸入された外部空気は、第1冷却部30を経た後、排出ダクト41及び排出ベントホール14を介してラックハウジング10の外部に排出される。前記外部空気は、後で
図2及び
図3を通じて説明するが、冷却手段によって冷却される空気と区分される。
【0025】
吸入ダクト40と前面ドア11との間及び排出ダクト41と後面ドア12との間にはそれぞれ、密閉のための吸入パッキン42及び排出パッキン43が付加され得る。吸入パッキン42及び排出パッキン43によって、吸入ダクト40及び排出ダクト41を流れる外部空気は冷却ゾーンCZに漏出しない。前記外部空気が冷却ゾーンCZに流入すると、冷却ゾーンCZの温度の制御が難しくなる。また、吸入パッキン42及び排出パッキン43はそれぞれ、吸入ダクト40と第1冷却部30との間及び第1冷却部30と排出ダクト41との間に配置することができる。すなわち、吸入パッキン42及び排出パッキン43は、吸入ダクト40及び排出ダクト41のいずれか一方または両方の両側に配置することができる。
【0026】
本発明の実施例に係る電算ラック装置は、第1冷却部30及びサーバSがある空間(D参照)が分離されずに開放されている。これによって、第1冷却部30とサーバSがある空間を分離するための分離構造が必要でない。従来の韓国登録特許第10-1718414号には、前記分離構造として分離板が提示されている。また、第1冷却部30は冷却ゾーンCZに露出しているため、冷却ゾーンCZの温度が第1冷却部30に直接伝達されて第1冷却部30を付加的に冷却する。すなわち、冷却ゾーンCZの内部空気の温度は第1冷却部30の冷却に活用される。これによって、吸入空気を冷却させるためのエネルギーを削減することができる。
【0027】
以下では、蒸発器を前記冷却手段として適用する事例を例に挙げる。前記蒸発器は、冷却の効果が他の冷却手段に比べて相対的に大きく、比較的簡単な構造を有するので、本発明の電算ラック装置の冷却手段として適切であるためである。
【0028】
図2は、本発明の実施例に係る第1冷却部30を説明するための斜視図であり、
図3は、
図2のIII-III線に沿って切断した断面図である。このとき、本発明の電算ラック第1装置100の全体的な構造は
図1を参照する。これによって、吸入ダクト40、排出ダクト41、吸入パッキン42及び排出パッキン43は、
図1に詳細に説明されている。
【0029】
図2及び
図3を参照すると、第1冷却部30は、蒸発器50を含む冷却手段が内蔵されたケース35を含む。ケース35は、直方体状のボックス(box)が好ましい。第1冷却部30は、固定フランジ33の固定孔34によってラックフレーム20に固定される。もちろん、第1冷却部30は、ラックハウジング10の底または中間にラックフレーム20に固定されてもよい。ケース35のサーバSに臨む面35aには、前述した吐出口31及び吸入口32が存在することがよい。すなわち、吐出口31及び吸入口32は、ケース35をなす複数の面のうちの1つの面に配置される。図面では、ケース35の上面がサーバSに臨む面35aと同様である。
【0030】
もちろん、本発明の範疇内で、吸入口32はケース35の側面に位置することもできる。また、吸入口32は、ケース35のコーナーに位置してもよい。このように、吸入口32の位置は、流体力学的な流れ、前記内部空気の量、流速などを考慮して定められる。しかし、吐出口31は、サーバSに臨む面35aに位置することが好ましい。
【0031】
第1冷却部30の内部は、第1隔壁36によって第3領域dと第4領域eとに区分される。第3領域dは蒸発器50が位置し、第4領域eは、蒸発器50を稼動するための圧縮機60及び凝縮器61を含む。これを概念的に拡張すれば、第3領域dは、冷却手段が内在された所であり、第4領域eは、前記冷却手段の冷却を助けるために付随的に提供される領域である。場合によって、冷却手段の冷却を助けるための空間が必要でなければ、第4領域eなしに第3領域dのみが存在してもよい。このとき、第1隔壁36は断熱処理され得る。
【0032】
第3領域dには、吸入口32から吸入された吸入空気を冷却させる蒸発器50が位置し、蒸発器50は支持板52に載置される。支持板52には複数個の貫通孔53があるので、第3領域dの内部で形成された湿気を吸い込んで貯水槽54に送る。蒸発器50を経た冷却空気は吐出ファン51によって吐出口31に送られる。吐出ファン51は、シロッコファンまたはクロッシングファンであってもよい。吐出口31に向かう第1隔壁36は傾斜しているので、前記冷却空気の流れを上部方向である第1領域bに向かうようにする。言い換えると、隔壁の傾斜部36aは、冷却空気が冷却ゾーンCZの方向に向かうようにする役割を果たす。
【0033】
貯水槽54には水位センサ56及びヒータ55が設置されている。水位センサ56によって貯水槽54に一定の程度の水が貯蔵されたと確認されると、ヒータ55をオン(ON)させて前記水を加熱する。ここで、ヒータ55は電気式ヒータであって、水の蒸発温度以上に加熱する機能をする。貯蔵された水がヒータ55で加熱されると、前記水は蒸発して水蒸気の形態で第3領域dを経て冷却ゾーンCZに排出される。一方、冷却ゾーンCZは、静電気によるサーバSの故障を防止するために、一定の程度の湿度が必要である。ヒータ55から蒸発した水蒸気は、前記湿度を形成するのに役立つ加湿器の役割を果たす。もし、水位センサ56が貯蔵された水が不足すると判定すると、ヒータ55をオフ(OFF)させて前記水の加熱を中断させる。
【0034】
制御部70は第3領域dに装着される。制御部70は、別途のケースに内蔵されず、必要な部品及び回路がある印刷回路基板であってもよい。一方、冷却ゾーンCZの内部空気は適切な湿度及び温度を維持するので、印刷回路基板に搭載された部品及び回路が損傷しない。このようになると、制御部70は、従来とは異なって別途のケースに内蔵する必要がない。もちろん、制御部70は、簡単な蓋などで保護することはできる。このような蓋は、単に開く機能のみがあるので、従来のようにケースを分解して制御部70を点検する必要がない。また、制御部70を第3領域dに設置する場合、蒸発器50、圧縮機60などと距離が近いため、このための電源線、通信線、各種信号線などのような電気的な接続が簡単になる。
【0035】
第4領域eは、第1隔壁36によって第3領域dと遮断され、圧縮機60、凝縮器61及び排出ファン62が配置される。このとき、排出ファン62は、シロッコファンまたはクロッシングファンであってもよく、凝縮器を冷やす役割を行うことができる。第4領域eは、凝縮器61及び圧縮機60により、内部の温度が第3領域dに比べて高い。第4領域eには、図示していない他の装置を付加することができる。例えば、膨張弁、圧縮機60及び貯水槽54が溢れる場合に備えるための補助貯水槽、液分離器、受液器、外部の冷たい空気を流入する流入路などがある。
【0036】
外部空気は、吸入ダクト40、吸気通路63、排出ファン62、排気通路64及び排出ダクト41を経る経路(
)を通じて流動する。ここで、吸気通路63は、前記外部空気が第1冷却部30の内部に流入する所であり、排気通路64は、前記外部空気が第1冷却部30の外に流出される所である。吸気通路63及び排気通路64は、一つの貫通孔または複数個の貫通孔で具現されてもよく、例えば、メッシュ(mesh)で具現することができる。
【0037】
本発明の実施例に係る第1冷却部30とサーバの下面S4との間は、間隔Dを有する空き空間である。言い換えると、本発明の第1装置100は、従来の韓国登録特許第10-1718414号とは異なり、冷却ゾーンと冷却部を分離する分離板及び吸入筒などのような構造物が必要でない。これによって、第1装置100を製造するコストを画期的に削減することができる。このように、第1冷却部30とサーバの下面S4との間に空き空間をなすものをオープン(open)構造という。それに対し、従来の韓国登録特許第10-1718414号は閉鎖構造という。
【0038】
図4は、本発明の実施例に係る第2冷却部30aを示す断面図である。このとき、第2冷却部30aは、吐出口31の近くの形状が異なることを除いて、第1冷却部30と同一である。また、第1冷却部30をなす構成要素の一部は、形状が少し変形するか、または装着される位置が変更されたが、同一の参照符号は同一の機能及び役割を果たす。これによって、重複する部分についての詳細な説明は省略する。ここで、このとき、本発明の電算ラック第1装置100の全体的な構造は
図1を参照する。
【0039】
図4によれば、第2冷却部30aは、第1冷却部30とは異なり、ケース35bにおいて吐出口31が、側面が傾斜せずに平坦である。これによって、吸入ダクト40は平坦な面に付着される。吸入ダクト40が付着されたケース35bの側面は平坦であるので、第3及び第4領域d,eを区分する第2隔壁36bは、平坦であるか、または若干傾斜するようにすることができる。また、蒸発器50を支持する支持板52は、第1固定部37によって支持される。ケース35bを平坦にすると、ケース35bの構造が単純になるので、製作コストを削減することができる。一方、ケース35bにおいて、第2隔壁36bの下部は一定の幅で窪んで形成され得る。このようになると、吸入ダクト40は、図示されたものより、ケース35bの内側に配置される。
【0040】
図5は、本発明の実施例に係る第3冷却部30bを示す断面図である。このとき、第3冷却部30bは、排気通路64がケース35の底に位置することを除いて、第1冷却部30と同一である。これによって、重複する部分についての詳細な説明は省略する。もちろん、第3冷却部30bは、第2冷却部30aと同様にケース35bの側面が平坦であってもよい。ここで、このとき、本発明の電算ラック第1装置100の全体的な構造は
図1を参照する。
【0041】
図5によれば、第3冷却部30bは、排気通路64がケース35の底に配置される。ここで、底は、第3及び第4領域d,eを挟んでサーバSに臨む面35aに対向する部分である。排出ファン62は、必ずしもこれに限定するものではないが、排気通路64の近くに位置することがよい。吸気通路63は、第1冷却部30でのように、吸入ダクト40と連通する。すなわち、外部空気は、吸入ダクト40、吸気通路63、排出ファン62及び排気通路64の経路(
)を通じて地面方向に排出される。図示していないが、第3冷却部30bとラックハウジング10との間の空間には排出ダクト41が設置され得、選択的に排出パッキン43を含むことができる。このために、ラックハウジング10には、
図1で説明したものと同一の機能及び役割を果たす排出ベントホール14が存在する。
【0042】
図6は、本発明の実施例に係る第4冷却部30cを示す断面図である。このとき、第4冷却部30cは、吸気通路63がケース35の底に位置することを除いて、第2冷却部30aと概念的に同一である。これによって、重複する部分についての詳細な説明は省略する。ここで、このとき、本発明の電算ラック第1装置100の全体的な構造は
図1を参照する。
【0043】
図6によれば、第4冷却部30cは、吸気通路63がケース35の底に位置する。排気通路64は、第1冷却部30でのように、排出ダクト41と連通する。すなわち、外部空気は、地面方向から吸入され、吸気通路63、排出ファン62、排気通路64及び排出ダクト41の経路(
)を通じて後面ドア12の外部に排出される。このようになると、第4冷却部30cは、第1冷却部30での吸入ダクト40及び吸入パッキン42を備えなくてもよいので、第1装置100の構造を単純にすることができる。このとき、前面ドア11の複数個の吸入ベントホール13は、その位置がラックハウジング10の底に変更されて設置される。図示していないが、第4冷却部30cとラックハウジング10との間の空間には吸入ダクト40が設置され得、選択的に吸入パッキン42を含むことができる。このために、ラックハウジング10には、
図1で説明したものと同一の機能及び役割を果たす吸入ベントホール13が存在する。
【0044】
図7は、本発明の実施例に係る第5冷却部30dを示す断面図である。このとき、第5冷却部30dは、吸気通路63及び排気通路64がケース35の底に位置することを除いて、第2冷却部30aとほぼ同一である。これによって、重複する部分についての詳細な説明は省略する。ここで、このとき、本発明の電算ラック第1装置100の全体的な構造は
図1を参照する。
【0045】
図7によれば、第5冷却部30dは、吸気通路63及び排気通路64がケース35の底に位置する。このようになると、外部空気は、地面方向から吸入され、吸気通路63、排出ファン62及び排気通路64の経路(
)を通じて地面方向に排出される。このようになると、第5冷却部30dは、第1冷却部30での吸入ダクト40、吸入パッキン42、排出ダクト41及び排出パッキン43を備えなくてもよいので、第1装置100の構造をさらに単純にすることができる。このとき、前面ドア11及び後面ドア12の複数個の吸入ベントホール13及び排出ベントホール14は、その位置がラックハウジング10の底に変更されて設置される。図示していないが、吸気通路63が位置する第5冷却部30dとラックハウジング10との間、排気通路64が位置する第5冷却部30dとラックハウジング10との間の空間にはそれぞれ、吸入ダクト40及び排出ダクト41のうちの少なくとも1つが設置され得、それぞれには吸入パッキン42及び排出パッキン43を含むことができる。このために、ラックハウジング10には、
図1で説明したものと同一の機能及び役割を果たす吸入ベントホール13及び排出ベントホール14が存在する。
【0046】
図8は、本発明の実施例に係る冷却部を活用した電算ラック第2装置200を概略的に説明するための図である。このとき、第2装置200は、第6冷却部30eがラックハウジング10の上部に配置されることを除いて、第1装置100と同一である。第6冷却部30eは、本発明の範疇内で第1~第5冷却部30,30a,30b,30c,30dでの概念を全て適用することができ、ここでは、第5冷却部30dの概念を導入して説明する。
【0047】
図8によれば、第2装置200は、第6冷却部30eが、サーバSの上側であるラックハウジング10の上部に配置される。このために、第6冷却部30eは、ラックフレーム20の上部に固定される。第6冷却部30eを固定する方法は第1装置100で詳細に提示した。第6冷却部30eでの吐出口31及び吸入口32は、第1装置100とは異なり、サーバSに向かって下方向に向かっている。吐出口31を経た前記冷却空気は、サーバSの下側の経路(
)、サーバSとサーバSとの間の経路(
)、サーバSの内部の経路(
)、及びサーバSの上側の経路(
)を経て再び吸入口32に戻る。経路(
)、経路(
)、経路(
)及び経路(
)についての詳細な説明は、第1装置100の経路(
)、経路(
)、経路(
)及び経路(
)と同一である。
【0048】
第3及び第4領域d,eは第3隔壁36cにより分離される。第2装置200の第3及び第4領域d,eは、第1装置100の第3及び第4領域d,eと上下を変えた構造である。支持板52は、貯水槽54を囲む形態の第2固定部38に固定される。第2固定部38は、本発明の範疇内で様々な形態に変更可能である。例えば、第2固定部38は、図示のものよりも小さい構造物で具現することができ、貯水槽54を囲む程度であれば十分である。図面では、第6冷却部30eがラックハウジング10に挿入される構造を提示したが、ラックハウジング10自体で第6冷却部30eを具現することができる。このようになると、ラックハウジング10の一部が第6冷却部30eとなり得る。
【0049】
第4領域eには、第6冷却部30eの吸気通路63及び排気通路64がケース35の天井に位置する。このようになると、外部空気は、吸気通路63、排出ファン62及び排気通路64の経路(
)を通じて前記天井の外部に排出される。このとき、前面ドア11及び後面ドア12の複数個の吸入ベントホール13及び排出ベントホール14は、その位置がケース35の天井に変更されて設置される。ラックハウジング10の外部には、吸入ベントホール13及び排出ベントホール14を介した空気の流れが互いに混合しないように分離壁80が追加され得る。
【0050】
本発明の実施例に係る第2装置200は、サーバの前面S1として定義される境界部aを基準として第1領域bと第2領域cとに分離される。第1領域bは吐出口31を含み、第2領域cは吸入口32を含む所である。第2領域cは、サーバSを冷却させ、また、温められた内部空気を吸入口32に吸入する。言い換えると、第1領域bを経た冷却空気は、第2領域cにおいて、サーバSを含む冷却ゾーンCZを冷却させる。また、第6冷却部30eとサーバの上面S2との間に空き間をなすオープン(open)構造を有する。
【0051】
図示していないが、吸気通路63が位置する第6冷却部30eとラックハウジング10との間、排気通路64が位置する第6冷却部30eとラックハウジング10との間の空間にはそれぞれ、吸入ダクト40及び排出ダクト41のうちの少なくとも1つが設置され得、それぞれは吸入パッキン42及び排出パッキン43を含むことができる。このために、吸入ダクト40及び排出ダクト41は、ラックハウジング10の吸入ベントホール13及び排出ベントホール14と連通する。
【0052】
上述したように、吸入ダクト40及び排出ダクト41は、様々な方式で配置され得る。まず、吸入ダクト40及び排出ダクト41は、2つのうち一方または両方である少なくとも1つが設置され得る。また、吸入ダクト40及び排出ダクト41は、
図1乃至
図4に示したようにそれぞれ前面ドア11及び後面ドア12に結合されてもよく、
図5乃至
図8に示したようにラックハウジング10に結合されてもよい。場合によって、吸入ダクト40及び排出ダクト41の少なくとも1つは第1冷却部30と結合されてもよい。これによって、吸入ダクト40及び排出ダクト41はそれぞれ、第1冷却部30と、前面ドア11、後面ドア12またはラックハウジング10との間に位置するといえる。言い換えると、吸入ダクト40及び排出ダクト41はそれぞれ、外部空気の吸入及び排出のために第1冷却部30と連通すると定義することができる。
【0053】
以上、本発明は、好ましい実施例を挙げて詳細に説明したが、本発明は、前記実施例に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で当分野における通常の知識を有する者によって様々な変形が可能である。例えば、第1~第6冷却部は、第3及び第4領域d,eが全て含まれた状態を表現したが、第3及び第4領域d,eが分離されてもよい。分離された第3及び第4領域d,eはそれぞれ、ラックハウジング10の上部及び下部にそれぞれ適切に配置されてもよい。
【符号の説明】
【0054】
10;ラックハウジング 11;前面ドア
12;後面ドア 13;吸入ベントホール
14;排出ベントホール 20;ラックフレーム
30,30a,30b,30c,30d,30e;第1冷却部~第6冷却部
31;吐出口 32;吸入口
33;固定フランジ 34;固定孔
35,35a;ケース
36,36b,36c;第1~第3隔壁
36a;傾斜部 40;吸入ダクト
41;排出ダクト 42;吸入パッキン
43;排出パッキン 50;蒸発器
51;吐出ファン 52;支持板
53;貫通孔 54;貯水槽
55;ヒータ 56;水位センサ
60;圧縮機 61;凝縮器
62;排出ファン 63;吸気通路
64;排気通路 70;制御部
a;境界部
b,c,d,e;第1~第4領域