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特許7304796原稿送り装置、画像読取装置および画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-29
(45)【発行日】2023-07-07
(54)【発明の名称】原稿送り装置、画像読取装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20230630BHJP
   G03B 27/62 20060101ALI20230630BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20230630BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20230630BHJP
   B65H 1/04 20060101ALI20230630BHJP
【FI】
H04N1/00 567C
H04N1/00 350
G03B27/62
G03G15/00 107
G03G21/00 386
B65H1/04 322
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019210112
(22)【出願日】2019-11-21
(65)【公開番号】P2021082978
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168217
【弁理士】
【氏名又は名称】大村 和史
(72)【発明者】
【氏名】山崎 眞一
(72)【発明者】
【氏名】三好 文徳
【審査官】松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-174373(JP,A)
【文献】特開2018-129653(JP,A)
【文献】特開2012-90085(JP,A)
【文献】特開2007-243353(JP,A)
【文献】特開平06-191652(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00-1/64
G03B 27/62
G03G 15/00
G03G 21/00
B65H 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿が載置される原稿載置トレイから原稿を読み取る画像読取位置を経て排紙トレイまで原稿を搬送する原稿送り装置であって、
前記原稿載置トレイ上に設けられ、原稿の搬送方向に直交する方向に移動可能に設けられ、原稿搬送方向に直交する方向において原稿の位置を規制する一対の原稿ガイド、
前記一対の原稿ガイドのうち、少なくとも一方の原稿ガイドの上端部かつ原稿搬送方向の下流側端部に設けられ、光が入射された場合に、当該光が拡散反射されて外周面が発光する発光部、および
前記発光部よりも原稿搬送方向の下流側に設けられ、原稿搬送方向の上流側に向かって光を放射する光放射部を備える、原稿送り装置。
【請求項2】
前記光放射部は、定形サイズに対応する位置に配置される、請求項1記載の原稿送り装置。
【請求項3】
前記光放射部は、互いに異なる色の光放射する複数の光源を含み、
前記複数の光源のそれぞれは、互いに異なる定形サイズに対応する位置に配置される、請求項2記載の原稿送り装置。
【請求項4】
前記光放射部は、光を放射する光源および前記光源からの光を反射して原稿搬送方向の上流側に導くミラーを含み、
前記一対の原稿ガイドが原稿の搬送方向に直交する方向に移動する際に、当該一対の原稿ガイドに連動して、前記ミラーが前記発光部に対向する位置に位置するように、当該ミラーを移動させる移動機構をさらに備える、請求項1記載の原稿送り装置。
【請求項5】
前記原稿載置トレイに原稿が存在するかどうかを検出する原稿検出部、および
前記原稿載置トレイに原稿が存在することが検出されたとき、前記光放射部から光を放射させ、前記原稿載置トレイに原稿が存在しないことが検出されたとき、前記光放射部から光を放射させない制御部をさらに備える、請求項1から4までのいずれかに記載の原稿送り装置。
【請求項6】
前記一対の原稿ガイドの位置を検出するガイド位置検出部、および
前記一対の原稿ガイドが定形サイズに対応する位置に位置するかどうかを判定する判定部をさらに備える、請求項5記載の原稿送り装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記一対の原稿ガイドが定形サイズに対応する位置に位置すると判定されたとき、前記光放射部から光を放射させ、前記一対の原稿ガイドが定形サイズに対応する位置に位置しないと判定されたとき、前記光放射部から光を放射させない、請求項6記載の原稿送り装置。
【請求項8】
前記一対の原稿ガイドが定形サイズに対応する位置に位置しないと判定されたとき、前記一対の原稿ガイドが定形サイズに対応する位置に位置しないことをユーザに報知する報知部をさらに備える、請求項6または7記載の原稿送り装置。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれかに記載の原稿送り装置を備える、画像読取装置。
【請求項10】
請求項9に記載の画像読取装置を備える、画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は原稿送り装置、画像読取装置および画像形成装置に関し、特にたとえば、原稿載置トレイに載置された原稿を画像読取位置に対して搬送する、原稿送り装置、画像読取装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術の自動原稿搬送装置の一例が特許文献1に開示される。背景技術の自動原稿搬送装置は、搬送中の原稿のサイズを検知するためのサイズセンサおよび各種定形用紙サイズのそれぞれに対応する複数のLEDが配置される操作パネルを備える。サイズセンサで搬送中の原稿のサイズが検出されると、原稿のサイズに対応するLEDが点灯される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平05-035009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、背景技術の自動原稿搬送装置では、搬送中の用紙サイズを認識することができるだけであり、原稿を原稿トレイに載置する際に、原稿ガイドの位置が適切かどうかをユーザに案内することはできないという問題がある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、原稿送り装置、画像読取装置および画像形成装置を提供することである。
【0006】
この発明の他の目的は、この発明の主たる目的は、原稿ガイドの位置が適切かどうかを案内することができる、原稿送り装置、画像読取装置および画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、原稿が載置される原稿載置トレイから原稿を読み取る画像読取位置を経て排紙トレイまで原稿を搬送する原稿送り装置であって、一対の原稿ガイド、発光部および光放射部を備える。一対の原稿ガイドは、原稿載置トレイ上に設けられ、原稿の搬送方向に直交する方向に移動可能に設けられ、原稿搬送方向に直交する方向において原稿の位置を規制する。発光部は、一対の原稿ガイドのうち、少なくとも一方の原稿ガイドの上端部かつ原稿搬送方向の下流側端部に設けられ、光が入射された場合に、当該光が拡散反射されて外周面が発光する。光放射部は、発光部よりも原稿搬送方向の下流側に設けられ、原稿搬送方向の上流側に向かって光を放射する。
【0008】
第2の発明は、第1の発明に従属する原稿送り装置であって、光放射部は、定形サイズに対応する位置に配置される。
【0009】
第3の発明は、第2の発明に従属する原稿送り装置であって、光放射部は、互いに異なる色の光放射する複数の光源を含み、複数の光源のそれぞれは、互いに異なる定形サイズに対応する位置に配置される。
【0010】
第4の発明は、第1の発明に従属する原稿送り装置であって、光放射部は、光を放射する光源および光源からの光を反射して原稿搬送方向の上流側に導くミラーを含み、一対の原稿ガイドが原稿の搬送方向に直交する方向に移動する際に、当該一対の原稿ガイドに連動して、ミラーが発光部に対向する位置に位置するように、当該ミラーを移動させる移動機構をさらに備える。
【0011】
第5の発明は、第1から第4までのいずれかの発明に従属する原稿送り装置であって、原稿載置トレイに原稿が存在するかどうかを検出する原稿検出部、および原稿載置トレイに原稿が存在することが検出されたとき、光放射部から光を放射させ、原稿載置トレイに原稿が存在しないことが検出されたとき、光放射部から光を放射させない制御部をさらに備える。
【0012】
第6の発明は、第5の発明に従属する原稿送り装置であって、一対の原稿ガイドの位置を検出するガイド位置検出部、および一対の原稿ガイドが定形サイズに対応する位置に位置するかどうかを判定する判定部をさらに備える。
【0013】
第7の発明は、第6の発明に従属する原稿送り装置であって、制御部は、一対の原稿ガイドが定形サイズに対応する位置に位置すると判定されたとき、光放射部から光を放射させ、一対の原稿ガイドが定形サイズに対応する位置に位置しないと判定されたとき、光放射部から光を放射させない。
【0014】
第8の発明は、第6または第7の発明に従属する原稿送り装置であって、一対の原稿ガイドが定形サイズに対応する位置に位置しないと判定されたとき、一対の原稿ガイドが定形サイズに対応する位置に位置しないことをユーザに報知する報知部をさらに備える。
【0015】
第9の発明は、第1から第8までのいずれかの発明の原稿送り装置を備える、画像読取装置である。
【0016】
第10の発明は、第9の発明の画像読取装置を備える画像形成装置である。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、原稿ガイドの位置が適切かどうかを案内することができる。
【0018】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】この発明の画像読取装置を備える画像形成装置の外観を示す図解図である。
図2】画像読取装置の内部構造を示す斜視図である。
図3】画像読取装置の外観を示す斜視図である。
図4】原稿載置トレイおよびその周辺構造を示す概略平面図である。
図5図1の画像形成装置の電気的な構成を示すブロック図である。
図6図5に示したRAMのメモリマップの一例を示す図解図である。
図7】画像形成装置の点灯処理の一例を示すフロー図である。
図8】第2実施例の原稿載置トレイおよびその周辺構造を示す概略平面図である。
図9】第2実施例の画像形成装置の電気的な構成を示すブロック図である。
図10】第2実施例のRAMのメモリマップの一例を示す図解図である。
図11】第2実施例の点灯処理の一例を示すフロー図である。
図12】第3実施例の報知画面の一例を示す図解図である。
図13】第3実施例の点灯処理の一例を示すフロー図である。
図14】第4実施例の原稿載置トレイおよびその周辺構造を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第1実施例]
図1を参照して、この発明の第1実施例である画像形成装置100は、画像読取装置10および画像形成装置本体90を備える。この実施例では、画像形成装置100は、複写機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能などを有する複合機(MFP:Multifunction Peripheral)である。ただし、画像形成装置100は、少なくとも画像読取装置10(スキャナ機能)を備えていればよく、上記の他の機能は任意に採用することができる。また、本発明は、画像形成装置だけでなく、単体の画像読取装置(スキャナ)にも適用することができる。
【0021】
先ず、画像形成装置100の基本構成について概略的に説明する。なお、この発明においては、ユーザの立ち位置に対向する面、つまり操作部80が設けられる側の面を前面(正面)として画像形成装置100およびその構成部材の前後方向(奥行方向)を規定し、画像形成装置100およびその構成部材の左右方向(横方向)は、ユーザから画像形成装置100を見た状態を基準として規定する。また、後述する原稿の搬送方向(原稿搬送方向)と直交する方向を主走査方向と呼び、この主走査方向と直交する方向、すなわち原稿搬送方向を副走査方向と呼ぶ。この第1実施例で前後方向が主走査方向であり、左右方向が副走査方向である。
【0022】
さらに、画像読取装置10の前面側には、ユーザによる入力操作を受け付ける操作部80が設けられる。操作部80は、操作装置または操作パネルなどとも呼ばれ、ユーザによる入力操作を受け付ける。この操作部80の上面には、タッチパネル82付きのディスプレイ84等が設けられる。タッチパネル82付きのディスプレイ84には、各種設定または印刷指示などをユーザから受け付けるためのソフトウェアキーおよびメッセージ等を含む操作画面が表示される。なお、ソフトウェアキーとは、たとえばタッチパネル82付きのディスプレイ84の表示面上にソフトウェア的に再現されたキー(アイコン)のことを言う。
【0023】
画像形成装置本体90には、露光ユニット、感光体ドラム、帯電器、現像装置および定着ローラ等を備える画像形成部92が内蔵される。画像形成部92は、汎用のレーザプリンタであり、給紙カセット94等から搬送される用紙(記録媒体)上に画像を形成し、画像形成済みの用紙を排出トレイ96に排出する。用紙上に画像を形成するための画像(印刷画像)のデータ(印刷画像データ)としては、画像読取装置10で読み取った画像データまたは外部コンピュータから送信された画像データ等が利用される。
【0024】
なお、詳細な説明は省略するが、画像形成部92は、カラーのプリント機能を備えており、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色について、感光体ドラム、帯電器および現像装置等を含む画像形成ステーションが構成される。また、画像形成部92は、レーザプリンタに代えて、インクジェットプリンタで構成されてもよい。
【0025】
画像読取装置10は、画像形成装置本体90の上方に配置され、装置本体12および原稿押えカバー14を含む。
【0026】
図2に示すように、装置本体12は、透明材によって形成される原稿載置台(プラテンガラスとも言う)16およびSPFガラス18を上面に有する筐体20を備える。なお、原稿載置台16とSPFガラス18とは、1枚の板体(単一のガラス)によって構成されていてもよいし、別体(別々のガラス)で構成されていてもよい。
【0027】
また、筐体20内には、原稿上の画像を読み取るためのCIS(Contact Image Sensor)走査体22が設けられる。CIS走査体22は、いわゆる密着型のイメージセンサであり、副走査方向(左右方向)に往復移動可能に設けられる基台(キャリッジ)24と、基台24によって保持される画像読取部26とを含む。
【0028】
基台24は、上側開放の矩形箱状に形成され、長手方向が主走査方向(前後方向)に延びるように筐体20内に配置される。画像読取部26は、主走査方向に長く延びるように配置された、画像読取用の光源、ロッドレンズアレイ、複数の撮像素子(光電変換素子)などを備える。画像読取用の光源は、たとえば複数の発光ダイオード(LED)が配列されたLEDアレイであり、原稿表面を照射する。ロッドレンズアレイは、原稿からの反射光を複数の撮像素子へ集光させる。複数の撮像素子は、ロッドレンズアレイによって結像された画素情報を読み取る。
【0029】
図示は省略するが、筐体20内には、CIS走査体22を往復移動させるための移動機構およびCIS走査体22で取得された画像データを制御部(後述するCPU)に伝達するための、CIS走査体22の移動に追従して変形することが可能なフラットケーブル等が設けられる。
【0030】
図1図3に示すように、原稿押えカバー14は、装置本体12(筐体20)の上方に配置される。原稿押えカバー14は、ヒンジ等を介して筐体20に対して開閉自在に取り付けられる。たとえば、筐体20の背面部にヒンジが設けられ、原稿押えカバー14は、筐体20の背面部を開閉支点として前面側が上下動(開閉)するように開閉自在とされる。
【0031】
また、原稿押えカバー14は、その外殻をなす合成樹脂製の本体ケース30を備え、本体ケース30には自動原稿送り装置(ADF:Auto Document Feeder)32が内蔵される。
【0032】
本体ケース30の上部には、給紙口34が形成されており、この給紙口34から斜め上方(右上)に延びるようにADF用の原稿載置トレイ36が設けられる。また、原稿載置トレイ36の下方には、ADF用の排紙トレイ38が設けられる。
【0033】
簡単に説明すると、ADF32は、原稿載置トレイ36に載置された原稿を自動的に給紙して、原稿を読み取る画像読取位置40を経て排紙トレイ38まで原稿を搬送する。すなわち、原稿押えカバー14は、画像読取装置10の原稿載置台16に載置された原稿を押さえる機能(原稿押さえ機能)と、ADF用の原稿載置トレイ36に載置された原稿を、画像読取位置40を経由させて排紙トレイ38に連続的に搬送(給送)する機能を備える。
【0034】
図2に示すように、本体ケース30内には、給紙口34から画像読取位置40を経由して排紙トレイ38に向かって開口する排紙口46まで延びる原稿搬送路L1が形成される。ただし、画像読取位置40は、SPFガラス18に対向する位置に設定される。また、ADF32は、ピックアップローラ48、給紙ローラ50、複数の搬送ローラ52および排紙ローラ54等の各種ローラを含む。これらのローラは、原稿搬送路L1に設けられる。
【0035】
ピックアップローラ48は、給紙口34の近傍(原稿搬送路L1の最上流側)に設けられ、原稿載置トレイ36に載置された原稿を取り出すための部材である。給紙ローラ50は、ピックアップローラ48の下流側に設けられ、ピックアップローラ48によって原稿載置トレイ36から取り出された原稿を原稿搬送路L1に送り出すための部材である。これらピックアップローラ48および給紙ローラ50の上方および周囲を覆うように、ピックアップホルダ56が設けられる。ピックアップローラ48は、このピックアップホルダ56によって、給紙ローラ50の回転軸を中心として上下動可能に支持される。
【0036】
また、給紙ローラ50の対向位置には、原稿の重送を防止するための分離ユニット58が設けられる。分離ユニット58は、給紙ローラ50によって送り出される原稿を1枚に分離する分離部材である分離パッドおよび分離パッドを支持する支持部材である分離パッドホルダなどを備える。
【0037】
また、複数の搬送ローラ52は、給紙ローラ50の下流側に適宜設けられ、排紙ローラ54は、排紙口46の近傍(原稿搬送路L1の最下流側)に設けられる。
【0038】
給紙ローラ50によって原稿搬送路L1に送り出された原稿は、搬送ローラ52によって画像読取位置40まで搬送される。そして、画像読取位置40上を原稿が搬送されている間(通過する間)に、画像読取装置10のCIS走査体22(画像読取部26)によって原稿表面の画像が読み取られる。画像読取位置40を通過した原稿は、搬送ローラ52および排紙ローラ54によって排紙口46を通って排紙トレイ38上に排出される。
【0039】
このような画像読取装置10において、原稿載置台16に載置された原稿上の画像を読み取る場合(固定読みの場合)には、CIS走査体22が原稿載置台16の下方で副走査方向に往復移動することによって、当該原稿上の画像が読み取られ、その読取画像データが取得される。一方、原稿載置トレイ36に載置された原稿上の画像を読み取る場合(流し読みの場合)には、CIS走査体22は、所定の画像読取位置40(SPFガラス18)の下方で待機され、ADF32によって搬送される原稿が画像読取位置40を通過するときに当該原稿上の画像が読み取られ、その読取画像データが取得される。
【0040】
また、図示は省略するが、本体ケース30内には、ADF32の駆動部が設けられる。ADF32の駆動部は、給紙用モータおよび搬送用モータを含む。給紙用モータおよび搬送用モータは、汎用の回転モータである。給紙用モータは、ピックアップローラ48および給紙ローラ50に回転駆動力を付与する。搬送用モータは、搬送ローラ52および排紙ローラ54に回転駆動力を付与する。
【0041】
さらに、図1および図3に示すように、原稿載置トレイ36の上面には、主走査方向(原稿搬送方向に直交する方向)に移動可能な一対の原稿ガイド(サイドガイド)42,44が設けられる。原稿ガイド42,44は、原稿載置トレイ36に載置された原稿を両側から規制して整列させる機能を有する。ただし、原稿ガイド42,44は、原稿載置トレイ36の主走査方向の中央を中心として、前後対称(主走査方向において線対称)に配置される。
【0042】
また、原稿ガイド42,44は、一方が移動されると、他方も連動して主走査方向において線対称に移動される。たとえば、手前側の原稿ガイド42が原稿載置トレイ36の主走査方向の外側から内側(中央)に向かって(後方に向かって)移動されると、背面側の原稿ガイド44は、原稿載置トレイ36の主走査方向の外側から内側(中央)に向かって(前方に向かって)移動される。
【0043】
ただし、原稿ガイド42,44のうち、少なくとも一方(本実施例では、手前側の原稿ガイド42)には、発光部60が設けられる。発光部60は、原稿ガイドの上端部であって、かつ、原稿搬送方向の下流側端部に設けられる。
【0044】
発光部60は、原稿搬送方向の下流側から光が入射された場合に、当該光が拡散反射されて外面が発光する。図示は省略するが、発光部60は、光分散部、光拡散部材およびフィルタを含む。光分散部は、原稿搬送方向の下流側から入射された光を発光部60内の全体に万遍なく分散させる。光拡散部材(光拡散シート)は、光が入射された部分およびその周辺が発光する。フィルタは、光拡散部材からの光を透過させて外部に出射し、発光部60の外周面を構成する。また、フィルタは、発光部60の内部形状が外部から直接わからないようにするため、白色等に着色されている。
【0045】
したがって、発光部60の原稿搬送方向の下流側から光が入射されると、光分散部によって光が発光部60内の全体に万遍なく分散され、光分散部によって分散された光が光拡散部材に入射されて光拡散部材が発光し、光拡散部材からの光がフィルタを通過して外部に出射される。
【0046】
したがって、発光部60の原稿搬送方向の下流側に光が入射されると、発光部60の外周面が発光する。このとき、発光部60の外周面の発光色は、発光部60に入射された光の色と同じ色である。
【0047】
また、図2および図4に示すように、本体ケース30の内部には、光放射部62が設けられる。光放射部62は、原稿ガイド42,44の上端部よりも原稿搬送方向の下流側に設けられ、原稿搬送方向の上流側に向かって光を放射する。すなわち、光放射部62は、原稿搬送方向において発光部60と向かい合う(発光部60に対向する)ように設けられる。
【0048】
光放射部62は、光源(発光素子)620を含み、光源620が点灯されることによって光を放射し(点灯状態)、光源620が消灯されることによって光を放射しなくなる(消灯状態)。光源620は、たとえば単色発光するLEDでも良いし、発光色を切り替え可能なLEDでも良い。
【0049】
また、光放射部62は、主走査方向(原稿搬送方向に直交する方向)において、原稿ガイド42,44が或る定形サイズに対応する位置に位置する場合に、発光部60(原稿ガイド42,44のうち発光部60が設けられる原稿ガイド)に対向する位置に配置される。たとえば、光放射部62は、画像読取装置10において最も使用頻度が高いと考えられる(最も使用される可能性が高いと推定される)定形サイズ(たとえばA4サイズ)に対応する位置に配置される。
【0050】
図5図1に示す画像形成装置100の電気的な構成の一例を示すブロック図である。図5に示すように、画像形成装置100はCPU120を含み、CPU120には、バス122を介して、RAM124、記憶部126、タッチパネル制御回路128、表示制御回路130、点灯制御回路132、原稿検出部134、ADF32(ADF32の駆動部)、画像読取部26および画像形成部92などが接続される。また、タッチパネル制御回路128はタッチパネル82に接続され、表示制御回路130はディスプレイ84に接続され、点灯制御回路132は、光放射部62に接続される。
【0051】
CPU120は、画像形成装置100の全体的な制御を司り、上述した画像形成装置100の各コンポーネントの動作を統括的に制御する。RAM124は、CPU120のワーク領域およびバッファ領域として使用される。記憶部126は、たとえばHDDであり、CPU120が画像形成装置100の各コンポーネントの動作を制御するための制御プログラムなどを記憶する画像形成装置100の主記憶装置である。ただし、HDDに代えて、またはHDDとともに、SSD、フラッシュメモリ、EEPROMなどの他の不揮発性メモリが用いられてもよい。
【0052】
タッチパネル制御回路128は、タッチパネル82に必要な電圧などを付与するとともに、タッチパネル82のタッチ有効範囲内でのタッチ操作またはタッチ入力を検出して、そのタッチ入力の位置を示すタッチ座標データをCPU120に出力する。
【0053】
表示制御回路130は、GPUおよびVRAMなどを含んでおり、CPU120の指示の下、GPUは、RAM124に記憶された画像生成データを用いてディスプレイ84に種々の画面を表示するための表示画像をVRAMに生成し、生成した表示画像をディスプレイ84に出力する。ディスプレイ84としては、たとえばLCD(Liquid Crystal Display)またはEL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどを用いることができる。タッチパネル82は、汎用のタッチパネルであり、静電容量方式、電磁誘導方式、抵抗膜方式、赤外線方式など、任意の方式のものを用いることができる。
【0054】
点灯制御回路132は、光放射部62(光源620)を制御して、光源620を点灯させて光放射部62から光を放射させたり、光源620を消灯して光放射部62から光を放射させなかったりする。すなわち、点灯制御回路132は、光源620の点灯および消灯を制御する。
【0055】
原稿検出部134は、原稿載置トレイ36に原稿が存在するかどうかを検出するために設けられる。たとえば、原稿検出部134は、原稿載置トレイ36に設けられる専用の原稿検出センサを含み、原稿検出センサは、原稿載置トレイ36上の原稿の有無に応じた信号をCPU120に出力する。CPU120は、原稿検出センサの出力に応じて、原稿載置トレイ36に原稿が存在するかどうかを判断する。原稿検出センサとしては、汎用の光学センサおよびアクチュエータおよびフォトセンサを含む接触式センサなどを用いることができる。
【0056】
なお、図5に示す画像形成装置100の電気的な構成は単なる一例であり、これに限定される必要はない。
【0057】
以下、本実施例の画像形成装置100の動作例を説明する。本実施例では、原稿載置トレイ36に原稿が存在することが検出されたとき、光源620が点灯され、光放射部62から光が放射される。このとき、発光部60(発光部60が設けられる原稿ガイド)が、光放射部62に対向する位置に位置する場合には、光放射部62から光の光によって発光部60の外周面が発光する。
【0058】
一方、光放射部62から光が放射された場合であっても、発光部60(発光部60が設けられる原稿ガイド)が、光放射部62に対向する位置に位置しない場合には、発光部60は発光しない。
【0059】
また、光放射部62から光が放射された後、所定の条件(消灯条件)が満たされた場合に、光源620が消灯され、光放射部62から光が放射されなくなる。たとえば、消灯条件は、原稿載置トレイ36に原稿が存在しないことが検出されなくなること、または印刷指示を受け付けること(コピーが開始されること)などである。したがって、原稿載置トレイ36に原稿が存在しなくなったり、印刷指示を受け付けたりした場合に、光源620が消灯され、光放射部62から光が放射されなくなる。
【0060】
画像読取装置10(画像形成装置100)の上記のような動作は、CPU120がRAM124に記憶された制御プログラムを実行することによって実現される。具体的な処理については、後でフロー図を用いて説明する。
【0061】
図6図3に示したRAM124のメモリマップ300の一例を示す図解図である。図6に示すように、RAM124は、プログラム記憶領域302およびデータ記憶領域304を含む。RAM124のプログラム記憶領域302には、上述したように、画像形成装置100の制御プログラムが記憶される。ただし、画像形成装置100は、画像読取装置10を含むため、この制御プログラムは、画像読取装置10の制御プログラムを含む。画像形成装置100の制御プログラムは、原稿検出プログラム302a、点灯制御プログラム302b、画像形成プログラム302cおよび画像読取プログラム302dを含む。
【0062】
原稿検出プログラム302aは、原稿検出センサの出力を取得して、原稿載置トレイ36に載置された原稿を検出するためのプログラムである。すなわち、原稿検出プログラム302aは、原稿載置トレイ36に原稿が存在するかどうかを検出するためのプログラムである。
【0063】
点灯制御プログラム302bは、点灯制御回路132を制御して、光源620を点灯させたり、消灯させたりして、光放射部62の状態を切り替えるためのプログラムである。
【0064】
画像形成プログラム302cは、コピーまたはプリントが実行される際に、画像形成部92を制御して、印刷画像に応じて多色または単色の印刷画像を用紙に印刷するためのプログラムである。画像読取プログラム302dは、画像読取部26を制御して、原稿の画像を読み取り、読み取った画像に対応する画像信号(読取画像データ)を出力するためのプログラムである。
【0065】
なお、図示は省略するが、プログラム記憶領域302には、ADF32を制御して、原稿載置トレイ36に載置された原稿を自動的に給紙して、画像読取位置40を経て排紙トレイ38まで原稿を搬送するためのプログラム、画像形成装置100の各種の機能を選択および実行するためのプログラムなども記憶される。
【0066】
RAM124のデータ記憶領域304には、原稿載置フラグ304aなどが記憶される。原稿載置フラグ304aは、原稿載置トレイ36に原稿が存在するかどうかを判断するためのフラグである。原稿載置フラグ304aは、原稿載置トレイ36に原稿が存在するときにオンにされ(1が設定される)、原稿載置トレイ36に原稿が存在しないときに、オフにされる(0が設定される)。
【0067】
なお、図示は省略するが、データ記憶領域304には、その他の制御プログラムの実行に必要なレジスタが設けられたり、制御プログラムの実行に必要な他のデータが記憶されたりする。
【0068】
図7は画像形成装置100のCPU120の点灯処理の一例を示すフロー図である。この点灯処理は、画像形成装置100の電源がオンされたときに開始され、画像形成装置100の電源がオフされたときに終了される。また、点灯処理が開始される時点では、光源620は消灯されている。つまり、点灯処理が開始される時点では光放射部62は消灯状態である。
【0069】
図7に示すように、CPU120は、点灯処理を開始すると、ステップS1で、原稿検出センサの出力を取得して、原稿載置トレイ36に原稿が存在するかどうかを判断する。ステップS1で“NO”であれば、つまり、原稿載置トレイ36に原稿が存在しないと判断した場合は、ステップS1に戻る。
【0070】
一方、ステップS1で“YES”であれば、つまり、原稿載置トレイ36に原稿が存在すると判断した場合は、ステップS3で、光源620を点灯して、光放射部62を点灯状態に遷移させ、ステップS5で、消灯するかどうかを判断する。ここでは、消灯条件が満たされたかどうかを判断する。
【0071】
ステップS5で“NO”であれば、つまり、消灯条件が満たされないと判断した場合は、ステップS3に戻る。一方、ステップS5で“YES”であれば、つまり、消灯条件が満たされたと判断した場合は、ステップS7で、光源620を消灯して、光放射部62を消灯状態に遷移させ、ステップS9で、点灯処理を終了するかどうかを判断する。ステップS9で“NO”であれば、つまり、点灯処理を終了しないと判断した場合には、ステップS1に戻る。一方、ステップS9で“YES”であれば、点灯処理を終了する。
【0072】
この第1実施例では、原稿載置トレイ36に原稿が載置されると、光放射部62から光が放射され、原稿ガイド42,44の少なくとも一方に設けられた発光部60が光放射部62に対向する位置に位置する場合には、光放射部62から放射された光によって発光部60の外周面が発光する。このため、発光部60の外周面が発光するかどうかに応じて、原稿ガイド42,44の位置が適切かどうかを案内することができる。
【0073】
また、第1実施例によれば、光放射部62は、最も使用される可能性が高いと推定される定形サイズに対応する位置に配置されるので、発光部60の外周面は、発光部60が定形サイズに対応する位置に位置する場合に発光する。このため、発光部60の外周面が発光するかどうかに応じて、原稿ガイド42,44の位置が最も使用される可能性が高いと推定される定形サイズに合っているかどうかを案内することができる。
【0074】
さらに、第1実施例によれば、原稿載置トレイ36に原稿が載置されたときに光放射部62から光が放射され、所定の消灯条件が満たされた場合に、光放射部62から光が放射されなくなるので、発光部60の外周面が発光するかどうかに応じて、原稿載置トレイ36に原稿が載置されているかどうか、または画像読取装置10(画像形成装置100)の動作状態を案内することができる。
[第2実施例]
第2実施例の画像形成装置100は、光放射部62の構成およびその制御方法が一部異なる以外は、第1実施例の画像形成装置100と同じであるため、第1実施例と異なる内容について説明し、重複した説明については省略することにする。
【0075】
図8に示すように、第2実施例の光放射部62は、互いに異なる色の光を放射する複数の光源622を含む。複数の光源622のそれぞれは、主走査方向(原稿搬送方向に直交する方向)において互いに異なる位置に配置され、原稿ガイド42,44がそれぞれ異なる定形サイズに対応する位置に位置する場合に、発光部60に対向するように設けられる。
【0076】
図8に示す例では、光放射部62は、A4サイズに対応する光源622aと、B5サイズに対応する光源622bと、A4縦置きサイズに対応する光源622cとを含む。たとえば、A4サイズに対応する光源622aは、青色の光を放射し、B5サイズに対応する光源622bは、緑色の光を放射し、A4縦置きサイズに対応する光源622cは、赤色の光を放射する。
【0077】
図9は第2実施例の画像形成装置100の電気的な構成の一例を示すブロック図である。図9に示すように、第1実施例の構成に加えて、CPU120には、ガイド位置検出部136が接続される。
【0078】
ガイド位置検出部136は、原稿ガイド42,44の主走査方向(原稿搬送方向に直交する方向)の位置を検出するために設けられる。ガイド位置検出部136は、原稿載置トレイ36の上面における原稿ガイド42,44の位置に応じた信号または原稿ガイド42,44の間の長さ(主走査方向における原稿ガイド42と原稿ガイド44との距離)に応じた信号等をCPU120に出力する。CPU120は、ガイド位置検出部136の出力に応じて、原稿ガイド42,44の主走査方向の位置を判断する。
【0079】
そして、第2実施例では、原稿載置トレイ36に原稿が存在することが検出された場合であって、原稿ガイド42,44が、光源622が設けられる定形サイズに対応する位置に位置する場合に、当該定形サイズに対応する光放射部62から光が放射される。このとき、他の定形サイズに対応する光放射部62からは光が放射されない。ただし、発光部60が設けられる原稿ガイドが定形サイズに対応する位置に位置しない場合には、原稿載置トレイ36に原稿が存在することが検出されていたとしても、全ての光放射部62から光が放射されない。
【0080】
また、上述したように、発光部60の発光色は、発光部60に入射された光の色と同じ色であり、複数の光源622のそれぞれは、互いに異なる色の光を放射するので、原稿ガイド42,44の位置に応じて、発光部60の発光色が変わる。このため、原稿ガイド42,44が対応する用紙サイズを分かりやすく案内することができる。
【0081】
図10に示すように、第2実施例では、上述したような動作を実現するために、画像形成装置100のRAM124に記憶された画像形成装置100用の情報処理プログラムには、ガイド位置検出プログラム302eおよび判定プログラム302fがさらに含まれる。
【0082】
ガイド位置検出プログラム302eは、ガイド位置検出部136の出力を取得して、原稿ガイド42,44の主走査方向の位置を検出するためのプログラムである。
【0083】
判定プログラム302fは、原稿ガイド42,44の主走査方向の位置と、光源622が設けられる定形サイズの端部の位置とを比較して、原稿ガイド42,44が、光源622が設けられる定形サイズに対応する位置に位置するかどうかを判定するためのプログラムである。
【0084】
また、RAM124のデータ記憶領域304には、定形サイズデータ304bおよびガイド位置データ304cがさらに記憶される。定形サイズデータ304bは、光源622が設けられる定形サイズの位置のデータまたは定形サイズに対応する原稿ガイド42,44の位置のデータである。ガイド位置データ304cは、ガイド位置検出プログラム302eに従って検出される原稿ガイド42,44の位置のデータである。
【0085】
以下、フロー図を用いて、第2実施例における画像形成装置100の点灯処理について説明するが、第1実施例で説明した点灯処理と同じ処理については同じ参照符号を付し、重複した内容については、説明を省略するまたは簡単に説明することにする。
【0086】
図11は第2実施例における点灯処理の一例を示すフロー図である。図11に示すように、CPU120は、点灯処理を開始すると、ステップS1で“YES”であれば、ステップS31で、原稿ガイド42,44の主走査方向の位置を検出して、ステップS33で、原稿ガイド42,44の主走査方向の位置が定形サイズに対応するかどうか、すなわち、原稿ガイド42,44が、光源622が設けられる定形サイズに対応する位置に位置するかどうかを判断する。
【0087】
ステップS33で“NO”であれば、つまり、原稿ガイド42,44の位置が定形サイズに対応しないと判断した場合は、ステップS1に戻る。一方、ステップS33で“YES”であれば、つまり、原稿ガイド42,44の位置が定形サイズに対応すると判断した場合は、ステップS35で、原稿ガイド42,44の位置に応じた定形サイズに対応する光放射部62を点灯状態に遷移させ、ステップS5に進む。
【0088】
なお、ステップS1の処理内容およびステップS5以降の処理内容については、第1実施例と同じであるので詳しい説明を省略する。
【0089】
この第2実施例によれば、発光部60の外周面は、発光部60が定形サイズに対応する位置に位置する場合に発光し、さらに、原稿ガイド42,44の位置に応じて、発光部60の発光色が変わるので、原稿ガイド42,44が対応する用紙サイズを分かりやすく案内することができる。
[第3実施例]
第3実施例の画像形成装置100は、原稿ガイド42,44の位置が定形サイズに対応しない場合の制御方法が一部異なる以外は、第2実施例の画像形成装置100と同じであるため、第2実施例と異なる内容について説明し、重複した説明については省略することにする。
【0090】
第3実施例では、原稿ガイド42,44の位置が定形サイズに対応しない場合には、原稿ガイド42,44の位置が定形サイズに対応しないことがユーザに報知される(報知処理が実行される)。このとき、原稿ガイド42,44の位置が定形サイズに対応しないので、光放射部62から光が放射されず、発光部60の外周面は、発光しない。
【0091】
たとえば、原稿ガイド42,44の位置が定形サイズに対応しない場合には、図12に示すように、報知画面140がディスプレイ84に表示される。報知画面140は、原稿ガイド42,44の位置が定形サイズに対応しない旨および原稿ガイド42,44を定形サイズに対応する位置に移動させると発光部60が発光する旨のメッセージ142および閉じるボタン144を含む。閉じるボタン144は、報知画面140を閉じるために設けられる。したがって、閉じるボタン144がタッチされると、報知画面140がディスプレイ32から消去(非表示に)され、報知画面140が表示される前の画面に戻る。
【0092】
なお、図示は省略するが、画像形成装置100が不図示のスピーカを含む音声出力手段を備える場合には、報知画面140の表示に加えて、もしくは、当該報知画面140の表示に代えて、原稿ガイド42,44の位置が定形サイズに対応しない旨を音声で表す適当な報知メッセージがスピーカから出力されてもよい。
【0093】
また、報知画面140の表示または報知メッセージの出力等の報知処理が1度実行されると、その後所定の条件(報知開始条件)が満たされるまでの間、報知処理は実行されない。たとえば、報知開始条件は、コピーが実行されること、または報知処理が終了されてから所定時間が経過したことなどである。
【0094】
第3実施例では、上述したような動作を実現するために、画像形成装置100のRAM124に記憶された画像形成装置100用の情報処理プログラムには、原稿ガイド42,44が定形サイズに対応する位置に位置しないことをユーザに報知する報知プログラムがさらに含まれる。
【0095】
以下、フロー図を用いて、第3実施例における画像形成装置100の点灯処理について説明するが、第2実施例で説明した点灯処理と同じ処理については同じ参照符号を付し、重複した内容については、説明を省略するまたは簡単に説明することにする。
【0096】
図13は第3実施例における点灯処理の一例を示すフロー図である。図13に示すように、CPU120は、点灯処理を開始すると、ステップS33で“NO”であれば、ステップS51で、報知開始条件が満たされるかどうかを判断する。ステップS51で“NO”であれば、つまり、報知開始条件が満たされないと判断した場合は、ステップS1に戻る。一方、ステップS51で“YES”であれば、つまり、報知開始条件が満たされると判断した場合は、ステップS53で、報知画面140の表示または報知メッセージの出力等の報知処理を実行して、ステップS55で、報知処理を終了するかどうかを判断する。ステップS55で“NO”であれば、つまり、報知処理を終了しないと判断した場合は、ステップS53に戻る。一方、ステップS55で“YES”であれば、つまり、報知処理を終了すると判断した場合は、ステップS1に戻る。
【0097】
なお、ステップS1の処理内容およびステップS5以降の処理内容については、第2実施例と同じであるので詳しい説明を省略する。
【0098】
この第3実施例によれば、原稿ガイド42,44の位置が定形サイズに対応しない場合には、原稿ガイド42,44の位置が定形サイズに対応しないことがユーザに報知されるので、原稿ガイド42,44の位置が適切かどうかを効果的に案内することができる。
【0099】
なお、第3実施例に示した態様は、第1実施例にも組み合わせて採用することが可能である。この場合、原稿ガイド42,44の位置が光放射部62の位置(最も使用される可能性が高いと推定される定形サイズの位置)に対応しない場合には、原稿ガイド42,44の位置が最も使用される可能性が高いと推定される定形サイズに対応しないことがユーザに報知される。
[第4実施例]
第4実施例の画像形成装置100は、光放射部62の構成が一部異なる以外は、第1実施例の画像形成装置100と同じであるため、第1実施例と異なる内容について説明し、重複した説明については省略することにする。
【0100】
図14に示すように、第4実施例の光放射部62は、光源620からの光を反射して当該光を原稿搬送方向の上流側に導くミラー624を含む。また、画像読取装置10は、原稿ガイド42,44が主走査方向(原稿搬送方向に直交する方向)に移動する際に、原稿ガイド42,44の動きに連動して、ミラー624が発光部60に対向する位置に位置するように、ミラー624を移動させる移動機構64を備える。
【0101】
移動機構64は、有端の牽引部材66、第1プーリ68aおよび第2プーリ68bを含む。第1プーリ68aは、発光部60が設けられる原稿ガイド(本実施例では原稿ガイド42)の主走査方向の外側(本実施例では前方)に設けられ、第2プーリ68bは、発光部60が設けられる原稿ガイド(本実施例では原稿ガイド42)を挟んで第1プーリ68aの主走査方向の反対側に設けられる。牽引部材66は、ワイヤまたはチェーン等で構成され、一方端が発光部60が設けられる原稿ガイド(本実施例では原稿ガイド42)に取り付けられ、第1プーリ68a、第2プーリ68bの順に巻き掛けられ、他方端がミラー624に取り付けられる。ただし、ミラー624は、主走査方向において発光部60が設けられる原稿ガイドに対応する位置に配置される。
【0102】
このような移動機構64では、原稿ガイド42,44が主走査方向に移動されると、すなわち、牽引部材66の一方端部が移動されると、これに連動して牽引部材66の他方端部が移動される。このとき、牽引部材66の他方端部は、牽引部材66の一方端部と同じ方向に同じ距離移動される。したがって、ミラー624は、原稿ガイド42,44の動きに連動して、発光部60に追従するように移動される。
【0103】
なお、移動機構64は、ミラー624または牽引部材66の他方端部を主走査方向の外側に引っ張る引張部材をさらに備えてもよい。また、ミラー624と発光部60との間であって、各定形サイズに対応する位置に互いに異なる色のフィルムを設けても良い。このようにすれば、ミラー624が定形サイズに対応する位置に位置する場合に、当該定形サイズに応じた色の光が発光部60に入射される。すなわち、原稿ガイド42,44の位置に応じて、発光部60の発光色が変わる。このため、原稿ガイド42,44が対応する用紙サイズを分かりやすく案内することができる。
【0104】
この第4実施例によれば、原稿ガイド42,44の位置が認識しやすくなり、原稿ガイド42,44の位置が適切かどうかを案内することができる。
【0105】
なお、上述の各実施例では、走査体としてCIS走査体22を用いたが、CIS走査体22の代わりに、CCD(Charge Coupled Device)センサを利用する走査体を用いることもできる。
【0106】
また、上述の実施例で挙げた具体的な形状等は一例であり、実際の製品に応じて適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0107】
100…画像形成装置
10 …画像読取装置
30 …本体ケース
32 …ADF
26 …画像読取部
60 …発光部
62 …光放射部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14