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特許7305784色調整可能な発光ダイオード(LED)システム、LED照明システム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-30
(45)【発行日】2023-07-10
(54)【発明の名称】色調整可能な発光ダイオード(LED)システム、LED照明システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/50 20100101AFI20230703BHJP
   H05B 45/10 20200101ALI20230703BHJP
   H05B 45/20 20200101ALI20230703BHJP
   H05B 45/325 20200101ALI20230703BHJP
   H05B 47/105 20200101ALI20230703BHJP
   H05B 47/155 20200101ALI20230703BHJP
【FI】
H01L33/50
H05B45/10
H05B45/20
H05B45/325
H05B47/105
H05B47/155
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021557638
(86)(22)【出願日】2020-03-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-26
(86)【国際出願番号】 US2020025338
(87)【国際公開番号】W WO2020198628
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2021-11-26
(31)【優先権主張番号】16/368,413
(32)【優先日】2019-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500507009
【氏名又は名称】ルミレッズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ソエル,ワウテル アンソン
(72)【発明者】
【氏名】ゴッツ,ウェルナー
【審査官】淺見 一喜
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0002167(US,A1)
【文献】特開2012-009684(JP,A)
【文献】特開2014-120708(JP,A)
【文献】特開2010-080935(JP,A)
【文献】国際公開第2014/203839(WO,A1)
【文献】特表2012-532453(JP,A)
【文献】特表2010-524255(JP,A)
【文献】特表2000-513293(JP,A)
【文献】特表2017-531324(JP,A)
【文献】国際公開第2012/023497(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
H05B 45/10,45/20,45/325
H05B 47/105,47/155
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光デバイスであって、
CIE1976色座標0.3<u’<0.35及びv’>0.52を特徴とする不飽和オレンジ色点を有する光を放出するように構成された少なくとも1つの第1蛍光変換LEDと、
前記第1蛍光変換LEDとは別個に構成されており、CIE1976色座標0.15<u’<0.20及び0.47<v’<0.52を特徴とする不飽和シアン色点を有する光を放出するように構成された少なくとも1つの第2蛍光変換LEDと、を備え、
前記第1蛍光変換LED及び前記第2蛍光変換LEDは、前記第1蛍光変換LEDによって放出される光を前記第2蛍光変換LEDによって放出される光と組み合わせて、2700Kから4000Kの相関色温度範囲を通して、前記発光デバイスから白色光を提供するように調整されている、
発光デバイス。
【請求項2】
前記第1蛍光変換LEDへ並びに前記第2蛍光変換LEDへの、駆動電流、デューティサイクル、又は、駆動電流並びにデューティサイクルを別個に制御するように構成されたドライバを備え、
前記発光デバイスから出力される白色光の相関色温度及び出力を制御する、
請求項1記載の発光デバイス。
【請求項3】
前記発光デバイスから出力される白色光は、2700Kから4000Kの相関色温度範囲を通して70を超える色レンダリングインデックスを有する、
請求項2記載の発光デバイス。
【請求項4】
前記発光デバイスから出力される白色光は、2700Kから4000Kの相関色温度範囲を通して70を超える色レンダリングインデックスを有する、
請求項記載の発光デバイス。
【請求項5】
前記第1蛍光変換LEDは、青色光又は紫色光を放出するように構成された第1LEDと、前記第1LEDによって放出される前記青色光又は紫色光の少なくとも一部を吸収し、これに応答して、590nmと650nmとの間のピーク放出波長を有する光を放出するように構成された第1蛍光体と、を備え、
前記第2蛍光変換LEDは、青色光又は紫色光を放出するように構成された第2LEDと、前記第2LEDによって放出される前記青色光又は紫色光の少なくとも一部を吸収し、これに応答して、500nmと560nmとの間のピーク放出波長を有する光を放出するように構成された第2蛍光体と、を備える、
請求項1記載の発光デバイス。
【請求項6】
前記第1蛍光体は2-5-8窒化物蛍光材料を含み、
前記第2蛍光体は1つ以上のガーネット蛍光材料を含む、
請求項記載の発光デバイス。
【請求項7】
前記第1蛍光体は、式[Eu,Ba,Sr(1-y-d)Si、ただし0.003<y<0.03及び0.2<d<0.6、を有する2-5-8窒化物蛍光材料を含む、
請求項記載の発光デバイス。
【請求項8】
前記第2蛍光体は、式[Ce,Lu,Y(1-a-x)[Ga,Al(1-b)12、ただし0.01<x<0.06,0<a<1-x,0<b<0.6、を有する1つ以上のガーネット蛍光材料を含む、
請求項記載の発光デバイス。
【請求項9】
前記第2蛍光体は、異なる組成を有する2つ以上のガーネット蛍光体の混合物を含む、
請求項記載の発光デバイス。
【請求項10】
前記第2蛍光体は、式[Ce,Lu,Y(1-a-x)[Ga,Al(1-b)12,ただし0.01<x<0.06,0<a<1-x,0<b<0.6、を有する1つ以上のガーネット蛍光材料を含む、
請求項記載の発光デバイス。
【請求項11】
前記第2蛍光体は、異なる組成を有する2つ以上のガーネット蛍光体の混合物を含む、
請求項記載の発光デバイス。
【請求項12】
前記第1蛍光変換LEDは、前記第1LEDからの青色光又は紫色光を吸収し、これに応答して緑色光を放出するように構成された蛍光体を含まず、
前記第2蛍光変換LEDは、前記第2LEDからの青色光又は紫色光を吸収し、これに応答して赤色光を放出するように構成された蛍光体を含まない、
請求項記載の発光デバイス。
【請求項13】
発光デバイスを動作させる方法であって、
CIE1976色座標0.3<u’<0.35及びv’>0.52を特徴とする不飽和オレンジ色点を有する光を放出するように構成された少なくとも1つの第1蛍光変換LEDを駆動するステップと、
前記第1蛍光変換LEDとは別個に構成されており、CIE1976色座標0.15<u’<0.20及び0.47<v’<0.52を特徴とする不飽和シアン色点を有する光を放出するように構成された少なくとも1つの第2蛍光変換LEDを駆動するステップと、
前記第1蛍光変換LEDによって放出される光を前記第2蛍光変換LEDによって放出される光と組み合わせて、前記発光デバイスから出力される白色光を提供する、ステップと、
前記第1蛍光変換LEDへ並びに前記第2蛍光変換LEDへの、駆動電流、デューティサイクル、又は、駆動電流並びにデューティサイクルを別個に制御し、
2700Kから4000Kの相関色温度範囲を通して、前記発光デバイスから出力される前記白色光の相関色温度及び出力を制御する、ステップと
を含む方法。
【請求項14】
0.3<u’<0.35及びv’>0.52の範囲のCIE1976色座標u’及びv’からなる不飽和オレンジ色を有する第1光のみを放出するように構成された第1LEDと、
0.15<u’<0.20及び0.47<v’<0.52の範囲のCIE1976色座標u’及びv’からなる不飽和シアン色点を有する第2光のみを放出するように構成された第2LEDとを備え、
前記第1LED及び前記第2LEDは、前記第1光及び前記第2光を組み合わせるように調製され、組み合わされた前記第1光及び前記第2光の相関色温度は、2000Kと4000Kとの間の調整範囲を有する、
発光デバイス。
【請求項15】
前記第1LEDは、赤色窒化物蛍光体を含む蛍光変換LEDであり、
前記第2LEDは、緑色蛍光体を含む蛍光変換LEDである、
請求項14記載の発光デバイス。
【請求項16】
前記赤色窒化物蛍光体は、590nmと650nmとの間にピーク波長を有し、
前記緑色蛍光体は、500nmと560nmとの間にピーク放出波長を有する、
請求項15記載の発光デバイス。
【請求項17】
組み合わされた前記第1光及び前記第2光の相関色温度を調整するように、前記第1光の量と前記第2光の量とを別個に制御するように構成されたドライバをさらに備える、
請求項14記載の発光デバイス。
【請求項18】
前記調整範囲は、約3500Kで黒体軌跡を横切る、
請求項14記載の発光デバイス。
【請求項19】
前記発光デバイスにおいて、前記第1蛍光変換LED及び前記第2蛍光変換LEDが交互に配置されており、かつ、前記第1蛍光変換LED同士及び前記第2蛍光変換LED同士が隣り合わないように配置されている、
請求項1乃至12いずれか1項記載の発光デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年3月28日に出願された米国特許出願第16/368,413号に対する優先権の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
相関色温度(CCT)調整可能発光ダイオード(LED)照明システムは、2つのチャネルLED駆動と2つのLEDエミッタ群を用いて、色空間内の2つの原色点の間で直線的に調整することができ、各群は、オンになったときに、2つの原色点のうちの1つを有する光を発するように構成される。このようなLED照明システムの調整範囲は、原色点間のCCTの範囲であり得る。例えば、白色LED照明システムのCCT調整のために、2つの原色点は、2700KのCCTを有するウォームホワイトと、4000KのCCTを有するニュートラルホワイトとすることができ、2700K~4000KのLED照明システムのための調整範囲を提供する。
【発明の概要】
【0003】
本願明細書において、調整可能なLED照明システム、デバイス及び方法が記載されている。発光デバイスは、CIE1976色座標0.3<u’<0.35及びv’>0.52を特徴とする不飽和オレンジ色点を有する光を放出するように構成された少なくとも1つの第1蛍光変換LEDと、CIE1976色座標0.15<u’<0.20及び0.47<v’<0.52を特徴とするシアン色点を有する光を放出するように構成された少なくとも1つの第1蛍光変換LEDと、を備える。第1蛍光変換LED及び第2蛍光変換LEDは、第1蛍光変換LEDによって放出される光を第2蛍光変換LEDによって放出される光と組み合わせて、発光デバイスから白色光を提供するようにアレンジされている。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1A図1Aは、色空間を表す国際照明委員会(CIE)1976色度図である。
【0005】
図1B図1Bは、第1及び第2LEDエミッタ群に対応するLEDエミッタを含む、3つの例示的なLEDシステムの上面図を示す図である。
【0006】
図1C図1Cは、第1LEDエミッタ群及び第2群LEDエミッタ群におけるLEDエミッタのシミュレートされたスペクトルを示すグラフである。
【0007】
図1D図1Dは、第1群におけるLEDエミッタ及び第2群におけるLEDエミッタによって放射される光にそれぞれ対応し得る、例示的な不飽和オレンジ色点と例示的な不飽和シアン色点との間の調整経路を示すグラフである。
【0008】
図IE図1Eは、本明細書に記載する色調整可能LED照明システムの実施形態と、3つの参照調整可能LED照明システムと、に関する種々のCCTにおける光束の比較を示すグラフを示す。
【0009】
図1F図IFは、本明細書に記載の色調整可能LED照明システムの実施形態と、参照色調整可能LED照明システムと、について、図1Dの調整経路と黒体ライン(BBL)との間の距離を示すグラフである。
【0010】
図1G】本明細書に記載される色調整可能LED照明システムの一実施形態に対するCCTの関数として計算された色レンダリングインデックス(CRI)を示すグラフである。
【0011】
図1H図1Hは、本明細書に記載される色調整可能LED照明システムを動作させる例示的方法のフローチャートである。
【0012】
図2図2は、一実施形態による、統合LED照明システム用の電子回路基板の上面図である。
【0013】
図3A図3Aは、一実施形態におけるLEDデバイス取り付け領域において基板に取り付けられるLEDアレイを有する電子回路基板の上面図である。
【0014】
図3B】回路基板の2つの表面に電子部品が取り付けられた2チャンネル統合LED照明システムの一実施形態の図である。
【0015】
図3C】LEDアレイが駆動回路及び制御回路とは別の電子回路基板上にあるLED照明システムの一実施形態の図である。
【0016】
図3D】LEDアレイを有するLED照明システムを、駆動回路とは別の電子回路基板上の電子回路の一部と共に示すブロック図である。
【0017】
図3E】マルチチャネルを示すLED照明システムの一例の図である。
【0018】
図4図4は、アプリケーションシステムの一例を示す図である。
【0019】
図5A図5Aは、LEDデバイスの一例の図である。
【0020】
図5B図5Bは、LEDシステムの一例の図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
異なる照明システム及び/又は発光ダイオード(「LED」の)実装の例は、添付の図面を参照して、以下より詳細に説明される。これらの実施例は、相互に排他的ではなく、1つの実施例において見出される特徴は、追加の実装を達成するために、1つ以上の他の実施例において見出される特徴と組み合わせることができる。従って、添付の図面に示された実施例は、例示目的のためにのみ提供されており、それらは、本開示を決して限定することを意図するものではないことが理解されるであろう。同様の参照符号は全体を通して同様の要素を指す。
【0022】
本明細書では、第1、第2、第3などの用語は種々の要素を記述するために使用され得るが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではないことが理解されるであろう。これらの用語は、1つの要素を別の要素から区別するためにのみ使用される。例えば、本発明の範囲から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と称することができ、同様に、第2の要素を第1の要素と称することができる。本明細書中で使用される場合、用語「及び/又は」は、関連する列挙されたアイテムの1つ以上の任意の及びすべての組み合わせを含む。
【0023】
層、領域、又は基板などの要素が、他の要素の「上(on)」にある又は「上に(onto)」延在すると言及されている場合、それは、直接、他の要素の上にあり若しくは他の要素の上に延在することができるか、又は、介在要素が存在することもできると理解されるであろう。対照的に、要素が「直接上(directly on)」にある又は「直接上に(directly onto)」延在すると言及されている場合、介在要素は存在しない。また、要素が「接続(connected)」又は「結合(coupled)」されていると言及されている場合、それは、他の要素に直接、接続され若しくは結合されていることもできるか、又は、介在要素が存在することもできると理解されるであろう。対照的に、要素が「直接接続(directly connected)」又は「直接結合(directly coupled)」されていると言及される場合、介在要素は存在しない。これらの用語は、図中に示される任意の方向に加えて、要素の異なる方向を包含することが意図されることが理解されるであろう。
【0024】
「下方(below)」、「上方(above)」、「上部(upper)」、「下部(lower)」、「水平(horizontal)」又は「垂直(vertical)」などの相対的な用語は、本明細書では、図示のように、ある要素、層又は領域と別の要素、層又は領域との関係を説明するために使用することができる。これらの用語は、図示される方向に加えて、デバイスの異なる方向を包含することが意図されることが理解されるであろう。
【0025】
さらに、LEDデバイス、LEDアレイ、電気コンポーネント、及び/又は電子コンポーネントが、1つ、2つ、又はそれ以上の電子ボード上に収容されるかどうかは、設計上の制約及び/又は用途にも依存し得る。
【0026】
半導体発光デバイス(LED)又は紫外線又は赤外線光パワーを発する素子などの光パワー発光デバイスは、現在利用可能な最も効率的な光源の一つである。これらのデバイス(以下「LED」という)は、発光ダイオード、共振キャビティ発光ダイオード、垂直キャビティレーザダイオード、エッジ発光レーザ等を含み得る。例えば、LEDは、そのコンパクトなサイズ及びより低い電力要求のために、多くの異なる用途にとって魅力的な候補となり得る。例えば、それらは、カメラや携帯電話などのハンドヘルドのバッテリ駆動デバイス用の光源(例えば、フラッシュライトやカメラフラッシュ)として使用することができる。また、それらは、例えば、自動車照明、ヘッドアップディスプレイ(HUD)照明、園芸照明、街路照明、ビデオ照明、一般照明(例えば、家庭、店、オフィス及びスタジオ照明、劇場/舞台照明、及び建築照明)、拡張現実(AR)照明、仮想現実(VR)照明のために、ディスプレイのバックライトとして、さらにIR分光法にも使用することができる。単一のLEDは、白熱光源よりも明るくない光を提供することができ、従って、より明るくすることが望まれる、又は必要とされる用途には、マルチジャンクションデバイス又はLEDのアレイ(例えば、モノリシックLEDアレイ、マイクロLEDアレイなど)を使用することができる。ここに記載されるような調整可能LED照明システムは、例えば、異なる周囲照明条件、気象条件、交通条件等の下で、より効率的で、可視的に快適で、かつ/又はより安全な照明環境を提供するために、LED照明システムによって提供される複合光の色点を調整することが望ましい場合がある、街路、道路、トンネル、駐車場、車庫、及び環境に敏感な区域照明のような屋外照明に特に有利であり得る。
【0027】
色空間は3次元空間であり、色は特定の均一な視覚刺激の色と明るさを指定する3つの数字の集合によって定義される。色度図は、人間の目が知覚できるすべての色を二次元空間に投影されて表している。色度図は、パラメータが着色された物体から放射される光のスペクトルパワー分布(SPD)に基づいており、人間の眼について測定された感度曲線によって考慮される(factored)ため、高精度を提供することができる。従って、任意の色は、選択された色度図において、その2つの色座標に関して正確に表現され得る。
【0028】
図1Aは国際照明委員会(CIE)1976色度図100である。CIE1976色空間は、2つの色度座標u’とv’によって指定された対応する色度空間に直接投影され、これらは図1Aのu’軸とv’軸として示されている。CIE1976色度図100は、パラメータFで表される輝度を無視している
【0029】
CIE1976色度図100は、プランク軌跡又は黒体軌跡(BBL)102を含む。BBL102は、黒体の温度が、低いCCTにおいて濃い赤から、オレンジ、黄系白、白、そして最終的には非常に高いCCTにおいて青系白に変化するときに、白熱黒体の色が特定の色度空間においてとる経路又は軌跡である。一般的に言えば、BBL102からあまり離れていない白色点が、一般的な照明のために好ましい。
【0030】
上述のように、リニア色調整可能LED照明システムは、概して、色調整可能LED照明システムの調整範囲のそれぞれの端部にCCTを有するLEDエミッタの2つの群をそれぞれ駆動する2つの主要LEDチャネルを有する。例えば、2700K~4000Kの調整範囲を有するLED照明システムは、2700KのCCTを有する第1LEDエミッタ群と、4000KのCCTを有する第2LEDエミッタ群を含み得る。LED照明システムから出力される合成光の色点は、第1チャネルを介して第1LEDエミッタ群に供給される電力と、第2チャネルを介して第2LEDエミッタ群に供給される電力との混合比を変化させることによって調整され得る。その結果、これらの線形色調整LED照明システムでは、調整範囲のいずれかの端部で、1つのLEDエミッタ群が完全にオフにされる。したがって、このようなLED照明システムでは、LEDエミッタの稼働率(utilization)は比較的低い。
【0031】
低稼働率はいくつかの理由から不利である。例えば、より高い稼働率を有するシステムと同じ光束を達成するために、より多くLEDエミッタが必要とされ得る。これは、LEDエミッタ自体、及びより多くのLEDエミッタを収容する必要がある他のシステム構成要素のコストを上昇させる可能性がある。指向性照明用途の場合、低稼働率はまた、特定の光束を達成するために必要とされる光源サイズを増大させ、LED照明システムの全体的な輝度を低下させることがある。これは、所与の二次光学系によるビーム制御が低減され得るか、及び/又は同じビーム制御を達成するためにより大きな二次光学系が必要とされ得ることを意味し得る。
【0032】
さらに、従来の白色LEDエミッタは、ポンプ光を白色光に変換するために赤色蛍光体及び緑色蛍光体を含む。そのようなLEDエミッタでは、ダウンコンバートされた緑色光は、赤色蛍光体によって再吸収され、その後、赤色光にダウンコンバートされ、2つの蛍光体の効率損失を複合する。
【0033】
本明細書に記載される実施形態は、1つ以上のLEDドライバ回路の2つのチャネルから電力を受け取るように電気的に結合される2つのLEDエミッタ群を提供する。第1LEDエミッタ群は、不飽和オレンジ色を有する光を放射するように構成することができる。第2LEDエミッタ群は、不飽和シアン色を有する光を放射するように構成することができる。第1LEDエミッタ群及び第2LEDエミッタ群のそれぞれに電気的に結合された2つのチャネルは、70を超える演色指数(CRI)で2700Kと4000Kとの間のCTTを有する2つの群からの複合光に対して、最大のLEDエミッタ稼働率及び光束を得ることができる。CCT調整は、より低いフラックス及びCRIで約2000Kまで使用可能にする(enabled)ことができる。実施形態において、第1LEDエミッタ群は、590nmと650nmとの間のピーク発光波長を有する赤窒化物蛍光体のみを含むことができ、第2LEDエミッタ群は、500nmと560nmとの間のピーク発光波長を有する緑色蛍光体のみを含むことができ、これにより、赤色蛍光体と緑色蛍光体との間の相互作用が、同一のLEDエミッタの波長変換層内に含まれるLED照明システムに関して、減少又は排除され得る。
【0034】
図1AのCIE1976色度図100を参照すると、第1LEDエミッタ群は、不飽和オレンジ色点を有することができ、これは、CIE1976色度座標0.30<u’<0.35及びv’>0.52によって特徴付けられ得る。第1群のLEDエミッタ構造は、一般式[Eu,Ba,Sr(i-y-d)Si、ただし0.003<y<0.03、0.2<d<0.6である、2-5-8蛍光体材料を含むことができる波長変換層を有することができる。第2LEDエミッタ群は、不飽和シアン色点を有することができ、これは、CIE1976色度座標0.15<u’<0.20及び0.47<v’<0.52によって特徴付けられ得る。第2の群のLEDエミッタ構造は、一般式[Ce,Lu,Y(i-a-x)[Ga,Al(i-b)12、ただし0.01<x<0.06、0<a<l-x、0<b<0.6である、ガーネット蛍光体を含む波長変換層を有することができる。いくつかの実施形態において、第2群におけるLEDエミッタの波長変換層は、互いに混合される、異なる組成を有する2つ以上のガーネット蛍光体材料を含むことができる。実施形態において、第1群のLEDエミッタは、最小限しか又は全く緑色発光蛍光体材料を含まない波長変換層を有することができ、第2群のLEDエミッタは、最小限しか又は全く赤色発光蛍光体材料を含まない波長変換層を有することができ、蛍光体-蛍光体相互作用及び関連する効率損失を制限できる。
【0035】
図1Bは、第1群及び第2群に対応するLEDエミッタを含む、3つの例示的なLEDシステム110A、110B、110Cの上面図を示す図である。図1Bに示すLEDシステムの例はそれぞれ、パッケージレベル又はモジュールレベルで一体化された複数のLEDエミッタを含む。図1Bに示される例は、第1群及び第2群の両方に対応するLEDエミッタのアレイを含むLEDシステムのものであるが、LED照明システムは、代替的に、各々が第1群又は第2群のいずれかに対応する単一色を有する光を放射する個別のLEDシステムのアレイを含むこともできる。さらに、例えば中出力LEDシステムを含む、本明細書に記載の特定の実施例以外のLEDシステムは、本明細書に記載した実施形態と矛盾しないように使用することができることが理解されよう。例えば、LEDシステム220を図5Bに示し、その構造を以下に詳細に説明する。
【0036】
図1Bに示すLEDシステム110Aの一例は、パッケージレベルに一体化された高出力LEDシステムである。高出力LEDシステム110Aは、複数のLEDエミッタ112を含むことができる。図1Bに示される特定の例において、エミッタは、基板114上の4つの別個のLEDデバイス112A、112B、112C、及び112Dである。LEDデバイス112A、112B、112C、112Dの各々は、第1群Aに属する不飽和オレンジLEDデバイス、又は第2群Bに属する不飽和シアンLEDデバイスのいずれかである。当業者は、高出力LEDシステムが、任意の数の、本明細書に記載される実施形態と一致するLEDデバイスを含んでもよいことを認識するであろう。任意のドーム116が、LEDデバイス112の全て及び基板114の少なくとも一部に設けられることができる。
【0037】
図1Bに示される別の例示的なLEDシステム110Bは、パッケージレベルで統合されたチップオンボード(COB)LEDシステムである。図示の例では、COB LEDシステム110Bは、基板120上に複数のエミッタ118を含む。波長変換層は、個々のエミッタ列が、群Aに対応する不飽和オレンジ色点又は群Bに対応する不飽和シアン色点をそれぞれ有する光を放射するように、エミッタ118上にパターニングされ得る。ドーム(図示せず)は、任意に、エミッタ118及び基板120の少なくとも一部を覆って設けられることができる。この実施例は、COB LEDシステム110Bとして説明されるが、代替の実施形態では、モノリシックLEDアレイが使用され、図1Bに示されるものと同様のパターン化された波長変換層を備えることができる。さらに、図1Bにストライプ状の波長変換層パターンが示されているが、波長変換層は、LEDシステムが2つのチャネルドライバに電気的に結合され、A群のエミッタが不飽和オレンジ色点を有する光を放射し、B群のエミッタが不飽和シアン色点を有する光を放射し、LEDシステム110Bの合成光出力が所望の調整範囲内のCCTを有するように駆動されるように、任意の方法でパターン化されることができる。
【0038】
図1Bに示す別の例示的なLEDシステム1 IOCは、モジュールレベルで一体化された個別のLEDシステム124のアレイ122を含むLEDモジュールである。アレイ122は、基板126上に配置され、12個の個別のLEDシステム124を含み、各々は、群Aに対応する不飽和オレンジ色点又は群Bに対応する不飽和シアン色点のいずれかを有する光を放射するように構成された単一のLEDデバイス又はLEDエミッタのアレイを有する。各LEDシステム124は、ドーム127などのそれ自身の光学系を任意で含んでもよい。図1BのLEDアレイ122には12個の個別のLEDシステム124が含まれているが、設計上の制約に応じて、任意の数のLEDシステムを含めることができることが理解されよう。
【0039】
第1群及び第2群のLEDエミッタは、特定のCCT及び光束を有する複合出力光を提供するために、第1群及び第2群の各々に提供される駆動電流及び/又はデューティサイクルを別々に制御することができる別々のチャネルを介して、ドライバに電気的に結合することができる。LED照明システムは、電流分割回路、電流スイッチング回路、及びパルス幅変調回路などの色調整回路を含むことができ、連続的に又はパルス幅変調パターンのいずれかで各チャネルを介して提供される電流を生成及び制御することができる。ドライバ及び/又は色調整回路は、LED照明システムマイクロコントローラなどの制御ユニットに電気的に及び/又は通信的に結合されてもよく、この制御ユニットは、別々の記憶ユニット(discrete storage unit)からデータを読み出し、1つ以上のセンサ及び/又はタイマから入力を受け取り、及び/又は外部装置から有線又は無線受信機を介して制御コマンドを受け取ることができる。制御ユニットは、色調整回路を制御することができ、1つ以上の受信入力に基づいてLED照明システムのための目標CCT及びフラックスを設定することができる。本明細書に記載されるLEDシステムが組み込まれ得る、ドライバ、制御ユニット、センサ、及び無線及び/又は有線受信機を含み得るLED照明システムの例は、図2、3A、3B、3C、3D及び3Eに関して以下に記載され、したがって、これらのLED照明システム構成要素の説明、及び本明細書に記載されるLED照明システムの動作は、これらの図に関して以下により詳細に提供される。
【0040】
上述のように、本明細書に記載されるように、第1群及び第2群のLEDエミッタを組み込む屋外LED照明システムでは、設計上の制約を設定して、2700K~4000Kの範囲にわたって高い一定の光束が提供される一方で、この範囲にわたって70を超えるCRIを達成し、より低い光束及びCRIが許容され得る2000Kまで調整することを可能にする。
【0041】
図1Cは、第1群のLEDエミッタ及び第2群のLEDエミッタのシミュレートされたスペクトルを示すグラフ150である。グラフ150において、曲線152は、第2群における例示的な不飽和シアンLEDエミッタのスペクトルを表し、曲線154は、第1群における例示的な不飽和オレンジLEDエミッタのスペクトルを表す。グラフ150は、380nmと780nmとの間の波長における2つのLEDエミッタタイプのそれぞれについてのスペクトルパワーをW/nmで示す。
【0042】
図1Dは、例示的な不飽和オレンジ色点166と例示的な不飽和シアン色点168との間の調整経路162を示すグラフ160であり、これは、第1群及び第2群のLEDエミッタによって発光される光に対応し得る。曲線164は、BBLを表し、グラフ160は、BBL 164に関して異なるCCTを示す。見られるように、調整経路162によって表される調整範囲は、3500KでBBLを横切っており、約2000Kから4000Kの間でBBL 164に比較的近接している。
【0043】
実施形態において、LEDエミッタの光束は、スペクトルに含まれる放射線の光効率によって、類似のLEDエミッタの光束をスケーリングすること(すなわち、類似の色ポイントで、及び類似の蛍光体を使用すること)によって推定することができる。これにより、本明細書に記載されるLED照明システムの性能を、BBL 164上にプライマリを有する最先端のCCT調整可能LED照明システムと基本的に比較することができる。
【0044】
図1Eは、本明細書に記載される色調整可能LED照明システムの実施形態(172)と、3つの参照色調整可能LED照明システム:2200~4000K(174)、2200~5000K(176)、及び2200~6500K(178)との間で、種々のCCTにおける光束の間の比較を示すグラフ170である。本明細書に記載の色調整可能LED照明システムから得ることができる最大フラックスは、参照色調整可能LED照明システムのそれよりもわずかに高いだけかもしれない、2700~4000Kの目標範囲にわたって維持することができる一定フラックスは、本明細書に記載のシステムにおいてより高いLED稼働率のために、著しく高い。
【0045】
以下の表1は、本明細書に記載されるLED照明システム及び基準LED照明システムに対するこの一定のフラックスレベルを示す。この計算から17%の増加が推定される。利得は、3000~4000KのCCT範囲にわたる一定フラックスを考慮すると21%になる。これは、同じフラックスを達成し、光学システムを変更することなく光学制御を改善し、及び/又はLEDをより低い駆動条件で駆動し、有効性を改善する一方で、LEDデバイス又はエミッタの数及びフィクスチャのサイズを低減するために利得を利用することができるので、多くの屋外用途において主要な利点を提供することができる。
【表1】
【0046】
図1Fは、本明細書に記載の調整可能なLED照明システムの実施形態(182)及び2200Kから4000K(184)、2200Kから5000K(186)、2200K~6500K(188)にわたって調整可能な参照LED照明システムのBBL(Duvによって表される)からの調整経路の距離を示すグラフ170である。定義によれば、オンBBL白色原色を利用する参照LED照明システムは、BBLを下回る調整経路を有し、2200~6500Kの参照LED照明システムは、-0.009のDuvに達する。本明細書に記載のLED照明システムでは、調整経路は、約3500KでBBLを横断し、より低いCCTではDuvが約-0.005まで、より高いCCTではDuvが約+0.005までである。これは、様々な研究(例えば、Ohnoら、Reaら)で観察された白点選好に定性的に対応し、従って、好ましくないとは予想されず、潜在的にはプランク調整経路に比べて好ましいことさえある。
【0047】
図1Gは、実質的に2-5-8窒化物蛍光体からなる1つ以上のLEDエミッタと、実質的にガーネット蛍光体からなる1つ以上のLEDエミッタとを含むLED照明システムからの合成光出力の計算されたCRIを示すグラフ190である。両群は、個々に、CRIが70未満の出力光である。図中の線192によって示されるが、IG、混合スペクトルは、2700~4000Kの範囲について70をはるかに上回るCRIを有し最大フラックス動作を伴い、2000~2700Kの動作範囲では60を依然として上回るCRIを有する。
【0048】
図1Hは、本明細書に記載される実施形態にしたがってLED照明システムを動作させる例示的な方法のフロー図193である。図1Hで例示される実施例において、第1群のLEDエミッタは、第1電流及び第1デューティサイクルの少なくとも1つを有する第1の信号を受信する(194)。第2群のLEDエミッタは、第2電流及び第2デューティサイクルのうちの少なくとも1つを有する第2の信号を受信することができる(195)。第1群のLEDエミッタは、第1信号に応答して、不飽和オレンジ色点及び第1フラックスを有する光を発することができる(196)。第2群のLEDエミッタは、第2信号に応答して、不飽和シアン色点及び第2フラックスを有する光を発することができる(198)。特定の工程が図1Hに示されているが、当業者は、多少の工程が含まれ得ることを理解するであろう。さらに、任意の工程を組み合わせて、同時に実施することができる。工程の順序も、工程のうちの任意の1つ以上が異なる順序で実施されるように変更されることができる。
【0049】
図2は、一実施形態による、統合LED照明システム用の電子回路基板310の上面図である。代替の実施形態では、LED照明システムのために2つ以上の電子回路基板を使用することができる。例えば、LEDアレイは別個の電子回路基板上にあってもよく、又はセンサモジュールは別個の電子回路基板上にあってもよい。図示の例では、電子回路基板310は、基板320上に、パワーモジュール312、センサモジュール314、接続性及び制御モジュール316、上述のような、LEDアレイ又は(1つ以上の)個々のLEDシステム110の取り付けのために確保されたLED取り付け領域318、を含む。
【0050】
基板320は、電気部品、電子部品、及び/又は電子モジュールを機械的に支持し、これらを、トラック、トレース、パッド、ビア、及び/又はワイヤなどの導電性コネクタを使用して、電気的に結合することができる任意のボードであることができる。基板320は、誘電体複合材料などの非導電性材料の1つ以上の層の間又はその上に配置された1つ以上のメタライゼーション層を含むことができる。パワーモジュール312は、電気及び/又は電子素子を含むことができる。一実施形態では、パワーモジュール312は、AC/DC変換回路、調光回路、LEDドライバ回路、及び色調整回路600を含む。LEDドライバ回路は、例えば、DC/DC変換回路及び他の必要な又は所望の電圧整流回路を含んでもよい。色調整回路600は、本明細書に記載される実施形態にしたがって、第1群及び第2群のLEDエミッタに供給される電力の混合比を変化させて、LEDエミッタによって出力される複合光のCCTを制御するように構成されることができ、他の実施形態ではLEDデバイス取り付け領域318に取り付けられることができる。
【0051】
センサモジュール314は、以下の用途に必要なセンサを含むことができる。LEDデバイス、システム、又はアレイが実装される。例示的なセンサは、光学センサ(例えば、IRセンサ及びイメージセンサ)、運動センサ、熱センサ、機械センサ、近接センサ、又はタイマを含んでもよい。例えば、本明細書に記載されるようなLED照明システムは、ユーザの検出された存在、検出された周囲照明条件、検出された気象条件などの多数の異なるセンサ入力に基づいて、又は昼夜の時間に基づいて、オフ/オン調整及び/又はCCT調整されることができる。これは、例えば、光出力の強度、光出力の形状、及び/又は光出力のCCTを調整すること、及び/又は、エネルギーを節約するためにLEDデバイス、システム、又はエミッタをオン又はオフにすることを含み得る。モーションセンサ自体は、赤外線検出器LEDのようなLEDであってもよい。代替的実施形態では、電子回路基板310は、センサモジュールを含まないが、センサ又はセンサモジュールは、別個の電子回路基板(図示せず)又は他の基板外の位置(off board locations)に設けることができる。
【0052】
接続性及び制御モジュール316は、システムマイクロコントローラ及び外部装置から制御入力を受け取るように構成された任意のタイプの有線又は無線モジュールを含むことができる。例えば、無線モジュールは、ブルートゥース、ジグビー、Z-波、メッシュ、WiFi、近距離無線通信(NFC)及び/又はピアツーピア・モジュールを含むことができる。マイクロコントローラは、LED照明システムに組み込まれ、有線又は無線モジュール又はLED照明システム内の他のモジュール(センサデータ及びLEDモジュールからフィードバックされたデータなど)から入力を受け取り、それに基づいて他のモジュールに制御信号を提供するように構成された又は構成可能な任意のタイプの専用コンピュータ又はプロセッサであってもよい。特殊目的プロセッサによって実装されるアルゴリズムは、特殊目的プロセッサによって実行されるための非一時的コンピュータ読取可能記憶媒体に組み込まれたコンピュータプログラム、ソフトウェア、又はファームウェアで実装することができる。非一時的コンピュータ読取可能記憶媒体の例には、読取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、及び半導体メモリデバイスが含まれる。メモリは、マイクロコントローラの一部として含まれてもよく、又は、電子回路基板310上又は外の他の場所で実装されてもよい。本願明細書に記載される実施形態では、本願明細書に記載されるようなLED照明システムは、有線又は無線モジュールを介するユーザ入力に基づいて、オフ/オン調整及び/又はCCT調整されてもよい。例えば、ユーザは、特定のCCTを有する照明を所望することがあり、携帯電話又はコンピュータのようなユーザ入力装置を介して、所望のCCT又は同様の入力を有線又は無線モジュールに提供することができる。他の実施形態では、ユーザは、LED照明システムをオフ/オンにし、及び/又はLED照明システムのCCTを調整するために、センサデータと共に使用し得る入力を入力できる。
【0053】
本明細書で使用されるモジュールという用語は、1つ以上の電子回路基板310に半田付けされ得る個々の回路基板上に配置される電気及び/又は電子部品を指すことができる。しかしながら、用語「モジュール」は、同様の機能を提供するが、同一の領域又は異なる領域内の1つ以上の回路基板に個別に半田付けされてもよい、電気及び/又は電子部品を指すこともできる。
【0054】
図3Aは、一実施形態におけるLEDデバイス取り付け領域318において基板320に取り付けられたLEDアレイ410を有する電子回路基板310の上面図である。電子回路基板310は、LEDアレイ410と共に、LED照明システム400Aを表す。さらに、パワーモジュール312は、Vin497で電圧入力を受け取り、接続性及び制御モジュール316からの制御信号をトレース418B上で受け取り、トレース418A上でLEDアレイ410に駆動信号を提供する。LEDアレイ410は、本明細書に記載されるように、色調整回路600を含み得るパワーモジュール312からの駆動信号を介してオン及びオフ調整される。図3Aに示す実施形態では、接続性及び制御モジュール316は、トレース418Cを介してセンサモジュール314からセンサ信号を受信する。LEDアレイ410は、本明細書に記載されるように、第1群のLEDエミッタ及び第2群のLEDエミッタを含むことができる。
【0055】
図3Bは、回路基板499の2つの表面に実装された電子部品を有する2チャンネル統合LED照明システムの一実施形態を示す。図3Bに示すように、LED照明システム400Bは、調光信号及びACパワー信号を受信するための入力を有する第1の表面445Aと、その上に取り付けられたAC/DCコンバータ回路412とを含む。LEDシステム400Bは、調光インターフェース回路415、DC‐DCコンバータ回路440A及び440B、マイクロコントローラ472を有する接続性及び制御モジュール416(この例では無線モジュール)、を有する第2の表面445Bと、その上に取り付けられたLEDアレイ410と、を含む。LEDアレイ410は、2つの独立したチャネル411A及び411Bによって駆動される。代替の実施形態では、単一チャネルを使用して、LEDアレイに駆動信号を提供することができ、又は任意の数の複数チャネルを使用して、LEDアレイに駆動信号を提供することができる。例えば、図3Eは、3つのチャネルを有するLED照明システム400Dを示し、以下でさらに詳細に説明する。図3Bには示されていないが、DC-DCコンバータ回路440A及び440Bはそれぞれ、色調整回路(図示せず)を含み得る独立した単一チャネルドライバの一部であり得る。
【0056】
LEDアレイ410は、LEDエミッタの2つの群を含むことができ、これらは、本明細書に記載される第1群及び第2群のLEDエミッタであり得る。例示的な実施形態では、群AのLEDエミッタは、第1チャネル411Aに電気的に結合され、群BのLEDエミッタは、第2チャネル411Bに電気的に結合される。2つのDC-DCコンバータ440A及び440Bのそれぞれは、LEDアレイ410内のLEDエミッタの、A及びBのそれぞれの群を駆動するために、それぞれ単一のチャネル411A及び411Bを介して、それぞれの駆動電流を提供することができる。複数の群のうちの1つの群LEDエミッタは、第2群のLEDエミッタとは異なる色点を有する光を放射するように構成することができる。実施形態において、第1群及び第2群A及びBは、それぞれ、上述のように、不飽和オレンジ色点及び不飽和シアン色点を有してもよい。LEDアレイ410によって放射される光の合成色点の制御は、個々のDC-DCコンバータ回路440A及び440Bによってそれぞれ単一のチャネル411A及び411Bを介して印加される電流及び/又はデューティサイクルを制御することによって、範囲内で調整されることができる。これは、色調整回路(図示せず)を使用して実行されてもよい。図3Bに示される実施形態は(図2及び図3Aに記載されるように)センサモジュールを含まないが、代替的実施形態はセンサモジュールを含み得る。
【0057】
図示されたLED照明システム400Bは、以下を含む統合システムである。LEDアレイ410及びLEDアレイ410を動作させるための回路は、単一の電子回路基板上に設けられる。回路基板499の同じ表面上のモジュール間の接続は、例えば、電圧、電流、及び、モジュール間の制御信号を交換するために、トレース431、432、433、434、及び435などの表面又は表面下の相互接続又はメタライゼーション(図示せず)によって、電気的に結合されることができる。回路基板499の反対側の表面上のモジュール間の接続は、ビア及びメタライゼーション(図示せず)のような基板相互接続によって電気的に結合されることができる。
【0058】
図3Cは、LED照明システム400Cの一実施形態を示し、LEDアレイは、ドライバ及び制御回路とは別の電子回路ボード上にある。LED照明システム400Cは、LEDモジュール490とは別の電子回路基板上にあるパワーモジュール452を含む。パワーモジュール452は、第1電子回路基板上に、AC/DCコンバータ回路412、センサモジュール414、接続性及び制御モジュール416、調光インターフェース回路415、DC-DCコンバータ440、及び色調整回路600を含むことができる。LEDモジュール490は、第2電子回路基板上に、埋め込みLED較正及び設定データ493及びLEDアレイ410を含むことができる。データ、制御信号及び/又はLEDドライバ入力信号485は、パワーモジュール452とLEDモジュール490との間で、2つのモジュールを電気的及び通信的に結合するワイヤを介して、交換されることができる。
【0059】
埋め込まれたLED較正及び設定データ493は、所与のLED照明システム内の他のモジュールによって必要とされる任意のデータを含んでもよく、LEDアレイ内のLEDがどのように駆動されるかを制御する。一実施形態では、埋め込み較正及び設定データ493は、例えば、パルス幅変調(PWM)信号を使用して、A及びBの各LED群に電力を供給するようにドライバに指示する制御信号を生成又は修正するためにマイクロコントローラが必要とするデータを含むことができる。本実施例では、較正及び設定データ493は、マイクロコントローラ(図示せず)に以下を通知することができる。例えば、使用されるべき電力チャネルの数、LEDアレイ410全体によって提供されるべき複合光の所望の色点、及び/又は各チャネルに提供するためにAC/DCコンバータ回路412によって提供される電力のパーセンテージなどである。
【0060】
図3Dは、駆動回路とは別個の電子回路基板上のいくつかの電子機器と共にLEDアレイを有するLED照明システム400Dのブロック図を示す。LEDシステム400Dは、別個の電子回路基板上に配置された電力変換モジュール483及びLEDモジュール481を含む。パワー変換モジュール483は、AC/DCコンバータ回路412、調光インターフェース回路415、DC-DCコンバータ回路440、及び色調整回路600を含むことができ、LEDモジュール481は、埋込LED較正及び設定データ493、LEDアレイ410、センサモジュール414、及び接続性及び制御モジュール416を含むことができる。パワー変換モジュール483は、2つの電子回路基板間の有線接続を介して、LEDドライバ入力信号485をLEDアレイ410に提供することができる。
【0061】
図3Eは、マルチチャネルLEDドライバ回路を示す、LED照明システムの例示的な400Eの図である。図示の例では、LED照明システム400Eは、パワーモジュール452及びLEDモジュール481を含み、LEDモジュール481は、埋込LED較正及び設定データ493と、3つのLEDエミッタ群494A、494B及び494Cとを含む。図3Eには3つのLEDエミッタ群が示されているが、当業者であれば、本明細書に記載した実施形態と一致して、任意の数のLEDエミッタ群を使用することができることを認識するであろう。さらに、各群内の個々のLEDエミッタは、直列に配置されるが、いくつかの実施形態では、並列に配置されてもよい。
【0062】
LEDアレイ494は、異なる色点を有する光を提供するLEDエミッタ群を含むことができる。例えば、LEDアレイ494は、第1LEDエミッタ群494 Aを介する暖白色光源(warm white light source)、第2LEDエミッタ群494Bを介する冷白色光源(cool white light source)、及び第3LEDエミッタ群494Cを介する中性白色光源(neutral while light source)を含むことができる。第1LEDエミッタ群494 Aを介する暖白色光源は、約2700Kの相関色温度(CCT)を有する白色光を提供するように構成された1つ以上のLEDエミッタを含むことができる。第2LEDエミッタ群494Bを介する冷白色光源は、約6500KのCCTを有する白色光を提供するように構成された1つ以上のLEDエミッタを含むことができる。第3LEDエミッタ群494Cを介する中性白色光源は、約4000KのCCTを有する光を提供するように構成された1つ以上のLEDエミッタを含むことができる。この実施例では、様々な白色LEDエミッタが説明されているが、当業者は、他の色の組み合わせが、本明細書で説明した実施形態と整合して、様々な全体的な色を有するLEDアレイ494からの合成光出力を提供することが可能であることを認識するであろう。
【0063】
パワーモジュール452は、3つの別個のチャネル(図3EにおいてLED1+、LED2+、及びLED3+として示される)を介してLEDアレイ494に電力を供給するように構成され得る色調整回路(図示せず)を含むことができる。より具体的には、色調整回路は、第1PWM信号を暖白色光源としての第1LEDエミッタ群494Aに第1チャネルを介して供給し、第2PWM信号を第2LEDエミッタ群494Bに第2チャネルを介して供給し、第3PWM信号を第3LEDエミッタ群494Cに第3チャネルを介して供給しするように構成されることができる。それぞれのチャネルを介して供給される各信号は、対応するLEDデバイス又はLEDエミッタ群にパワーを供給するために使用され得、信号のデューティサイクルは、それぞれの群のオン及びオフ状態の全体的な持続時間を決定し得る。オン及びオフ状態の持続時間は、持続時間に基づいて光特性(例えば、相関色温度(CCT)、色点又は輝度)を有し得る全体的な光効果を生じ得る。動作において、色調整回路は、LEDアレイ494からの所望の発光を有する複合光を提供するために、LEDエミッタ群のそれぞれのそれぞれの光特性を調整するために、第1、第2、及び第3の信号のデューティサイクルの相対的な大きさを変更することができる。上述のように、LEDアレイ494の光出力は、LEDエミッタ群494A、494B、及び494Cの各々からの光発光の組み合わせ(例えば、混合)に基づく色点を有してもよい。上述の実施形態は2つのチャネルドライバに関するものであるが、当業者であれば、所望の場合、第3チャネルによって駆動される第3LEDエミッタ群を上述の実施形態に追加することができ、不飽和オレンジの第1LEDエミッタ群、不飽和シアン第2のLEDエミッタ群、第3色の第3LEDエミッタ群はLEDアレイ494上に設けられるようにできることを、理解するであろう。他の実施形態では、2チャネルドライバは、図3Eに示される実施形態と同様に動作し、2つの駆動チャネルLED1+及びLED2+が、第3の駆動チャネルLED3 +なしで使用され得る
【0064】
動作において、パワーモジュール452は、ユーザ及び/又はセンサ入力に基づいて生成された制御入力を受け取り、個々のチャネルを介して信号を提供して、制御入力に基づいてLEDアレイ494によって出力される光の合成色を制御することができる。いくつかの実施形態において、ユーザは、ノブを回転させるか、又はセンサモジュール(図示せず)の一部であり得るスライダを移動させることによって、LED照明システムに入力を提供することができる。代替的に又は付加的に、いくつかの実施形態では、スマートフォン及び/又は他の電子デバイスを使用してLED照明システム400Eに入力を提供して、所望の色の表示を無線モジュール(図示せず)に送信することができる。
【0065】
図4は、アプリケーションプラットフォーム560を含むシステム550の例を示している。LED照明システム552、556、及び二次光学系554、558。LED照明システム552は、矢印561aと561bとの間に示される光ビーム561を生成する。LED照明システム556は、矢印562aと562bとの間に光ビーム562を生成することができる。図4に示す実施形態では、LED照明システム552から放射された光は、二次光学系554を通過し、LED照明システム556から放射された光は、二次光学系558を通過する。代替的の実施形態では、光ビーム561及び562は、いかなる二次光学系も通過しない。二次光学系は、1つ又は複数の光ガイドであり得るか、又は1つ又は複数の光ガイドを含み得る。1つ以上の光ガイドは、エッジライト(edge lit)であり得るか、又は光ガイドの内部エッジを画定する内部開口部を有することができる。LED照明システム552及び/又は556は、1つ以上の光ガイドの内部エッジ(内部開口光ガイド)又は外部エッジ(エッジライト光ガイド)に光を注入するように、1つ又は複数の光ガイドの内部開口部に挿入されてもよい。LED照明システム552及び/又は556のLEDは、光ガイドの一部であるベースの周囲に配置されてもよい。実施形態によれば、ベースは熱伝導性であることができる。実施形態によれば、ベースは、光ガイド上に配置された放熱要素(heat-dissipating element)に結合されることができる。放熱要素は、熱伝導性ベースを介してLEDによって生成された熱を受け取り、受け取った熱を放散するように構成されることができる。1つ以上の光ガイドは、LED照明システム552及び556によって放出される光を、例えば、勾配、面取り分布、狭い分布、広い分布、角度分布などを用いて所望の方法で成形することを可能にする。
【0066】
例示的な実施形態では、システム550は、カメラフラッシュシステムの携帯電話、屋内又は商業照明、街路照明などの屋外照明、自動車、医療装置、AR/VR装置、及びロボット装置であることができる。図3Aに示される統合LED照明システム400A、図3Bに示される統合LED照明システム400B、図3Cに示されるLED照明システム400C及び図3Dに示されるLED照明システム400Dは、例示的実施形態のLED照明システム552及び556を示す。
【0067】
アプリケーションプラットフォーム560は、本明細書で説明するように、パワーバス565又は他の適用可能な入力を介して、LED照明システム552及び/又は556に電力を供給することができる。さらに、アプリケーションプラットフォーム560は、LED照明システム552及びLED照明システム556の動作のために、ライン565を介して入力信号を提供することができ、この入力は、ユーザ入力/設定(preference)、センシングされた読み取り、予めプログラムされた又は自律的に決定された出力などに基づくことができる。1つ以上のセンサは、アプリケーションプラットフォーム560のハウジングの内部又は外部にあることができる。
【0068】
様々な実施形態において、アプリケーションプラットフォーム560のセンサ及び/又はLED照明システム552及び/又は556のセンサは、視覚データ(例えば、ライダーデータ、IRデータ、カメラを介して収集されたデータなど)、音声データ、距離に基づくデータ、動きデータ、環境データなど、又はそれらの組み合わせなどのデータを収集することができる。データは、物体、個人、車両などの物理的アイテム又は実体と関連付けることができる。例えば、検出装置は、ADAS/AVベースのアプリケーションのためのオブジェクト近接データを収集することができ、これは、物理的なアイテム又はエンティティの検出に基づいて検出及びその後の動作を優先することができる。例えばLED照明システム552及び/又は556による、IR信号などの光信号の放出、及び、放出された光信号に基づくデータの収集に基づいて、データを収集することができる。データは、データ収集のために光信号を放出するコンポーネントとは異なるコンポーネントによって収集されることができる。続いて、検知装置は、自動車上に配置され、垂直共振器表面発光レーザを用いてビームを放出することができる。1つ以上のセンサは、放出されたビーム又は他の任意の適用可能な入力に対する応答を感知することができる。
【0069】
図5Aは、例示的実施形態におけるLEDデバイス200の図である。LEDデバイス200は、基板202、活性層204、波長変換層206、及び一次光学系208を含んでもよい。他の実施形態では、LEDデバイスは、波長変換層及び/又は一次光学系を含まなくてもよい。個々のLEDデバイス200は、上述のLED照明システムのいずれかなど、LED照明システム内のLEDアレイに含まれてもよく、エミッタと称されてもよい。
【0070】
図5Aに示すように、活性層204は基板202と隣接することができ、励起されたときにポンプ光を放出する。基板202及び活性層204を形成するために用いられる適切な材料は、サファイヤ、SiC、GaN、Siliconを含み、より詳しくは、AIN,A1P,AlAs,AlSb, GaN,GaP,GaAs,GaSb,InN,InP,InAs,InSbを含むがこれらに限定されないIII-V半導体、ZnS,ZnSe,CdSe,CdTeを含むがこれらに限定されないII-VI半導体、Ge,Si,SiCを含むがこれらに限定されないIV族半導体、及びこれらの混合物若しくは合金から形成されることができる。
【0071】
波長変換層206は、活性層204から離れていても、活性層204に近接していても、又はその直接上にあってもよい。活性層204は、波長変換層206内にポンプ光を放出する。波長変換層206は、ポンプ光の少なくとも一部を吸収して、活性層204によって放出される光の波長をさらに修正するように作用し、したがって、LEDデバイスの各々から放射される結合光が特定の色点を有する。波長変換層を含むLEDデバイスは、しばしば蛍光変換LED(「PCLED」)と呼ばれる。波長変換層206は、任意のルミネッセンス材料、例えば、透明又は半透明のバインダ又はマトリックス中の蛍光体粒子、又はセラミック蛍光体要素を含むことができ、これらは、1つの波長の光を吸収し、異なる波長の光を放出する。
【0072】
一次光学系208は、LEDデバイス200の1つ又は複数の層の表面上又は上方(on or over)にあることができ、活性層204及び/又は波長変換層206からの光が一次光学系208を通過することを可能にする。一次光学系208は、1つ以上の層を保護し、少なくとも部分的に、LEDデバイス200の出力を成形するように構成されたレンズ又はカプセルであり得る。一次光学系208は、透明及び/又は半透明材料を含むことができる。例示的な実施形態では、一次光学系を介する光は、ランベルト分布パターンに基づいて放出されることができる。一次光学系208の1つ以上の特性を修正して、ランベルト分布パターンとは異なる光分布パターンを生成することができることが理解されよう。
【0073】
図5Bは、LEDエミッタ201A、201B、及び201Cを有するLEDアレイ210、ならびに例示的な実施形態における二次光学系212を含む、LEDシステム220の断面図を示す。LEDアレイ210は、各々がそれぞれの波長変換層206B、活性層204B及び基板202Bを含むLEDエミッタ201A、201B及び201Cを含む。LEDアレイ210は、ウェハレベル処理技術を用いて製造されたモノリシックLEDアレイ、500ミクロン以下の寸法を有するマイクロLEDなどであることができる。LEDアレイ210内のLEDエミッタ201A、201B、及び201Cは、アレイセグメンテーションを使用して、あるいは代替的にピックアンドプレース技術を使用して形成され得る。
【0074】
1つ以上のLEDエミッタ201A、201B、及び201Cの間に示される空間203は、空隙を含んでもよく、又はコンタクト(例えば、nコンタクト)であり得る金属材料などの材料によって充填されてもよい。
【0075】
二次光学系212は、レンズ209及び導波路の一方又は両方を含んでもよい。図示された実施例に従って、二次光学系を説明するが、実施例において、二次光学系212は、入射光を拡散するため(発散光学系)、又は入射光をコリメートされたビームに集めるため(コリメート光学系)に使用されてもよいことが理解されよう。例示的な実施形態では、導波路又は導波管207は、集光器であってもよく、放物線形状、円錐形状、斜面形状等のような光を集光するために任意の適用可能な形状を有してもよい。導波路207は、誘電体材料、メタライゼーション層、又は入射光を反射又はリダイレクトするために使用される類似物でコーティングされてもよい。代替的実施形態では、照明システムは、波長変換層206B、主光学系208B、導波路207、及びレンズ209のうちの1つ又は複数を含まなくてもよい。
【0076】
レンズ209は、SiC、酸化アルミニウム、ダイヤモンド等、又はそれらの組み合わせなどの、任意の適用可能な透明材料から形成することができるが、これらに限定されない。レンズ209からの出力ビームが所望の測光仕様を効率的に満たすように、レンズ209に入力される光ビームを修正するために、レンズ209を使用することができる。さらに、レンズ209は、LEDアレイ210のLEDエミッタ201 A、20 IB及び/又は201Cの点灯及び/又は消灯外観を決定することなどによって、1つ以上の美的目的を果たすことができる。
【0077】
本発明を詳細に説明してきたが、当業者であれば、本開示を考慮すると、本明細書に記載された本発明の概念意図から逸脱することなく、本発明に修正を加えることができることが理解されるであろう。従って、本発明の範囲は、図示及び説明された特定の実施形態に限定されることを意図するものではない。
図1A
図1B
図1C
図1D
図IE
図1F
図1G
図1H
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4
図5A
図5B