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特許7307800板紙構造体、パッケージ及びパッケージの使用方法
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  • 特許-板紙構造体、パッケージ及びパッケージの使用方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-04
(45)【発行日】2023-07-12
(54)【発明の名称】板紙構造体、パッケージ及びパッケージの使用方法
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/10 20060101AFI20230705BHJP
   B32B 27/20 20060101ALI20230705BHJP
   B32B 27/32 20060101ALI20230705BHJP
   B65D 65/40 20060101ALI20230705BHJP
【FI】
B32B27/10
B32B27/20 Z
B32B27/32 E
B65D65/40 D
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021533324
(86)(22)【出願日】2019-12-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-07
(86)【国際出願番号】 FI2019050881
(87)【国際公開番号】W WO2020120838
(87)【国際公開日】2020-06-18
【審査請求日】2022-05-19
(31)【優先権主張番号】20186067
(32)【優先日】2018-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】517208034
【氏名又は名称】メッツァ ボード オーワイジェイ
【氏名又は名称原語表記】Metsa Board Oyj
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100221899
【弁理士】
【氏名又は名称】高倉 みゆき
(72)【発明者】
【氏名】ラウリ ヴェルカサロ
【審査官】鏡 宣宏
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-340036(JP,A)
【文献】特表2006-500240(JP,A)
【文献】特表2009-542539(JP,A)
【文献】特開2008-087783(JP,A)
【文献】国際公開第2010/113849(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00-43/00
B65D 65/00-85/88
C09J 1/00-201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
板紙構造体であって
・板紙を含む支持層と、
・前記支持層の上にあり、前記支持層と直接接触し、無機充填剤及びポリオレフィンを含む充填剤層と、
・前記充填剤層の上にあり、板紙構造体の最外層を形成し、ポリオレフィンを含むプラスチックコーティング層と、
を含み、
前記充填剤層及び前記プラスチックコーティング層によって生成される合計用量が、前記支持層1m あたり12~40gである、板紙構造体。
【請求項2】
前記無機充填剤が、マイクロ粒子又はナノ粒子などの粒子の形態である、請求項1に記載の板紙構造体。
【請求項3】
前記無機充填剤が、0.01~3μmの平均粒径を有する粒子の形態である、請求項1又は2に記載の板紙構造体。
【請求項4】
前記無機充填剤が、酸感受性無機充填剤である、請求項1~3のいずれか一項に記載の板紙構造体。
【請求項5】
前記プラスチックコーティング層に含まれるポリオレフィンがポリエチレンを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の板紙構造体。
【請求項6】
前記プラスチックコーティング層がポリエチレンからなる、請求項1~5のいずれか一項に記載の板紙構造体。
【請求項7】
前記充填剤層の厚さが、5~100μmである、請求項1~6のいずれか一項に記載の板紙構造体。
【請求項8】
前記プラスチックコーティング層の厚さが、5~50μmである、請求項1~7のいずれか一項に記載の板紙構造体。
【請求項9】
前記充填剤層中の前記無機充填剤の量が、5~70重量%の範囲である、請求項1~のいずれか一項に記載の板紙構造体。
【請求項10】
前記充填剤層中の前記無機充填剤の量が、少なくとも20重量%である、請求項1~のいずれか一項に記載の板紙構造体。
【請求項11】
押出コーティング法により得られる、請求項1~10のいずれか一項に記載の板紙構造体。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の板紙構造体を含むパッケージ。
【請求項13】
酸性分散接着剤を使用したサイドシームを含む、請求項12に記載のパッケージ。
【請求項14】
前記分散接着剤のpHが4.5以下である、請求項13に記載のパッケージ。
【請求項15】
酸性液体、酸性流動性材料又は酸性食品、例えばソーダ、柑橘系果汁、ワイン、ヨーグルト又はつぶしトマトなどの酸性内容物を保持する、請求項1214のいずれか一項に記載のパッケージの使用方法。
【請求項16】
前記酸性内容物のpHが4.5以下である、請求項15に記載の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーティングされた板紙に関し、より詳細には、充填剤を含有するバリアコーティングに関する。
【背景技術】
【0002】
紙製品や板紙製品には、不所望物質が材料に侵入するのを防ぐためにバリアが使用される。このような不所望物質は、例えば、水、水蒸気、酸素、脂肪、香料及び鉱油の成分であり得る。バリア層の材料としては、典型的には様々な添加剤及び充填剤を配合したプラスチック材料が使用される。
【0003】
板紙では、分散液として押し出され、又は塗布されるバリアが一般的に使用される。バリアは、板紙の裏面又は表面のいずれかに塗布される。バリアの塗布は、通常、オフライン作業として行われる。板紙工場で製造された板紙は、長さ方向に適切なロールに切断され、梱包され、加工工場に輸送され、加工工場でバリアがコーティングされ、梱包され、顧客に配送される。
【0004】
食品包装産業では、板紙基材上のバリア層又は任意のコーティング層の成分を、コーティングされた板紙の表面に移行させないこと、ひいては包装した食品又は液体内容物に接触させないことが必須である。このような移行の問題は、特に酸性内容物の場合に深刻化する場合がある。これは、上記の材料がコーティングと反応して溶解する傾向があるためである。
【0005】
EUでは、いわゆる食品接触材料(FCM)の安全性が、プラスチックFCM規則(EU)第10/2011号に従って広範囲に評価及び試験されている。食品接触材料とは、食品に接触させることが意図されているか、既に食品と接触しているか、あるいは通常の、若しくは予見可能な使用下で、食品と接触し、又はその成分を食品に移すことが合理的に想定されるものである。FCMは、その成分が消費者の健康に悪影響を与えたり、食品の品質に影響を及ぼしたりしないように、十分に不活性であるべきである。FCMの安全性を確保し、商品の自由な移動を促進するために、EUの法律は、事業者が遵守しなければならない拘束力のある規則を定めている。
【0006】
コーティングされた板紙に最もよく使用される充填剤の1つは、炭酸カルシウムである。炭酸カルシウムは安価であり、ほとんどの応用分野において高い装填量で使用することができる。しかし、酸性材料と接触すると容易に溶解するため、食品及び液体包装への使用は非常に限られている。
【0007】
特許文献1は、ポリエチレン外層と、炭酸カルシウム充填剤を有するポリエチレン中間層と、を含む板紙用コーティングを記載している。
【0008】
より幅広い充填材料を組み込むことができ、食品及び液体パッケージに安全に使用できる、改良した板紙構造体を提供することが必要とされている。
【0009】
本発明の実施形態は、既知のコーティングの上述の欠点及び制限の少なくとも一部を克服することを意図している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】国際公開第2017/091391号
【発明の概要】
【0011】
本発明は、独立請求項の構成によって定義される。いくつかの具体的な実施形態は、従属請求項において定義される。
【0012】
本発明の第1の態様によれば、板紙構造体が提供され、板紙構造体は、板紙を含む支持層と、支持層の上にあり、支持層と直接接触し、無機充填剤及びポリオレフィンを含む充填剤層と、充填剤層の上にあり、板紙構造体の最外層を形成し、ポリオレフィンを含むプラスチックコーティング層と、を含む。
【0013】
第1の態様の様々な実施形態は、以下の箇条書きリストから選択される少なくとも1つの構成を含むことができる。
・無機充填剤は、マイクロ粒子又はナノ粒子などの粒子の形態である。
・無機充填剤は、0.01~3μm、例えば0.5~2μmの平均粒径を有する粒子の形態である。
・無機充填剤は、酸感受性無機充填剤、好ましくは炭酸塩含有充填剤、例えばCaCOである。
・ポリオレフィンは、ポリエチレンを含む。
・プラスチックコーティング層は、ポリエチレンからなる。
・充填剤層の厚さは、5~100μm、好ましくは5~50μmである。
・プラスチックコーティング層の厚さは、5~50μm、好ましくは10~30μmである。
・充填剤層及びプラスチックコーティング層によって生成される合計用量は、支持層1mあたり12~40g、好ましくは支持層1mあたり12~30gである。
・充填剤層中の無機充填剤の量は、5~70重量%、好ましくは10~60重量%、より好ましくは15~60重量%の範囲である。
・充填剤層中の無機充填剤の量は、少なくとも20重量%である。
・板紙構造体は、押出コーティング法により得られる。
【0014】
本発明の第2の態様によれば、前述の請求項のいずれかに記載の板紙構造体を含むパッケージが提供される。
【0015】
第2の態様の様々な実施形態は、以下の箇条書きリストから選択される少なくとも1つの構成を含むことができる。
・パッケージは、酸性分散接着剤を使用したサイドシームを含む。
・分散接着剤のpHは、4.5以下である。
【0016】
本発明の第3の態様によれば、酸性液体、酸性流動性材料又は酸性食品、例えばソーダ、柑橘系果汁、ワイン、ヨーグルト又はつぶしトマトなどの酸性内容物を保持するパッケージの使用方法が提供される。
【0017】
第3の態様の様々な実施形態は、以下の箇条書きリストから選択される少なくとも1つの構成を含むことができる。
・酸性内容物のpHは、4.5以下である。
【0018】
本発明により、良好なシール性及び密着性を同時に維持しつつ、充填剤の移行を回避することができる。このように、本発明は、食品及び液体パッケージの製造における充填剤の使用における汎用性を高める。食品包装産業では、充填剤及び任意の添加剤の移行は望ましくない。
【0019】
本発明による構造体を有する板紙材料は、無機充填剤及び/又は顔料を構造体に組み込むことが必要とされる用途に使用することができる。
【0020】
本発明によるコーティング構造体を板紙に添加することにより、充填剤成分又は充填剤分子の移行を低減又は完全に回避することができる。
【0021】
本発明による板紙構造体は、液体の流体材料の長期保存を意図したパッケージに使用することができる。
【0022】
本発明の少なくともいくつかの実施形態は、板紙パッケージのサイドシームの強度を改善する。
【0023】
本発明のいくつかの実施形態によるコーティングされた板紙は、コーティング中の充填剤層の無機充填剤材料と化学的に適合しないような内容物に対するパッケージの製造に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の少なくともいくつかの実施形態による板紙構造体を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[定義]
本明細書の文脈において「酸感受性」という用語は、酸性化合物と反応しやすいか、又は酸性化合物に攻撃されやすい材料若しくは化合物を指す。
【0026】
本明細書の文脈において「ポリオレフィン」という用語は、未変性ポリオレフィンを指す。例えば「ポリエチレン」という用語は、未変性ポリエチレンを指す。
【0027】
本発明者は、予期せぬことに、比較的高い装填量を有する特定の無機充填剤が、良好なシール性を犠牲にすることなく、層状板紙構造体に組み込まれ得ることを観察した。
【0028】
特に、本発明者は、酸感受性無機充填剤及び/又は酸感受性顔料を含む新しい板紙構造体を見出した。本発明による構造体は、良好なシール性を提供すると同時に、構造体の最外面(すなわち、上面)への充填剤粒子の移行を低減又は回避する。
【0029】
本発明の板紙構造体において、酸感受性顔料は、プラスチックコーティング層の下に位置する充填剤層に組み込むことができる。
【0030】
充填剤層に添加することができる他の酸感受性材料又は添加剤としては、任意の炭酸塩が挙げられる。
【0031】
本発明のいくつかの実施形態は、酸感受性材料が板紙構造体の最外面上を移行せず、したがって周囲環境又はパッケージの内容物と接触しないという利点を提供する。
【0032】
好ましい実施形態では、充填剤層に酸感受性充填剤及びポリオレフィンが使用され、充填剤層の上にポリオレフィンを含む又はポリオレフィンからなるプラスチックコーティング層を適用することによって、充填剤とパッケージの酸性内容物との間の任意の接触を効果的に防ぐことができる。
【0033】
本発明者は、本発明のいくつかの実施形態による酸感受性材料の組み込みが、特にカップ成形の間、ヒートシール性に悪影響を与えないことを確認した。
【0034】
本発明の少なくともいくつかの実施形態は、板紙パッケージのサイドシームの強度を改善する。このようなシームには、典型的には水性分散接着剤が使用される。これらの接着剤は酸性であってもよく、これによりシームは板紙材料中のアルカリ性充填剤に対して敏感になる。
【0035】
図1は、本発明の少なくともいくつかの実施形態による板紙構造体を示す。
【0036】
この構造体は、支持層1と、充填剤層2と、プラスチックコーティング層3と、を備える積層体である。
【0037】
最下層、すなわち支持層は、板紙材料で作られる。板紙材料の繊維マトリックスは、漂白若しくは未漂白の広葉樹パルプ、漂白若しくは未漂白の針葉樹パルプ、漂白若しくは未漂白の機械パルプ、漂白若しくは未漂白の化学機械パルプ、又は板紙製造に使用される再循環粉砕パルプ、又はこれらの混合物を含むことができる。特に、上述の漂白パルプ及び未漂白パルプのそれぞれと、機械パルプ又は化学機械パルプとの相互混合が可能である。再循環粉砕パルプは、上述のパルプ、機械パルプ及び化学機械パルプのいずれにも使用することができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、板紙は、単層又は多層の板紙材料である。一実施形態では、板紙は、坪量が少なくとも150g/mである。
【0039】
好ましい実施形態では、板紙構造体は、折り畳み式の箱紙である。
【0040】
中間層、すなわち充填剤層は、無機充填剤、好ましくはアルカリ性無機充填剤又は酸感受性無機充填剤を含む。
【0041】
アルカリ性又は酸感受性充填剤の例としては、炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム(GCC)、沈降炭酸カルシウム(PCC)、及び他の炭酸塩充填剤が挙げられる。
【0042】
いくつかの実施形態では、無機充填剤は、炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム又はカオリンである。
【0043】
また、充填剤層は、酸感受性顔料などの顔料を含んでもよい。酸感受性顔料の例としては、炭酸顔料が挙げられる。
【0044】
充填剤層は、支持層と直接接触し、支持層の上に直接配置される。充填剤層は、充填剤が充填剤層全体に、その厚さ全体にわたって分布しているという意味で、好ましくは均質である。
【0045】
好ましい実施形態では、充填剤層は、アルカリ性無機充填剤とポリオレフィンとの混合物を含むか、又はそれらからなる。
【0046】
一実施形態では、充填剤層は、炭酸塩含有充填剤と、マイクロ粒子若しくはナノ粒子の形態のポリオレフィンとの混合物を含むか、又はそれらからなる。
【0047】
充填剤は、粒子の形態であってもよく、例えば0.01~3μm、例えば0.5~2μmの範囲の平均サイズを有する粒子であってもよい。有利には、充填剤粒子の平均サイズは1~2μmの範囲である。平均粒径が5μmより大きい場合、上記のプラスチックコーティング層の構造体が弱くなることがある。
【0048】
一実施形態では、充填剤層の厚さは、5~100μm、好ましくは5~50μmである。
【0049】
一実施形態では、充填剤層中の無機充填剤の量は、5~70重量%、好ましくは10~60重量%の範囲である。
【0050】
一実施形態では、充填剤層中の無機充填剤の量は、少なくとも20重量%である。
【0051】
プラスチックコーティング層は、構造体の最上層を形成する。有利には、プラスチックコーティング層は、支持層と直接接触しない。
【0052】
一実施形態では、プラスチックコーティング層は、ポリエチレンなどのポリオレフィンを含むか、又はポリオレフィンからなる。
【0053】
好ましい実施形態では、プラスチックコーティング層は、いかなる無機充填剤も含有しない。
【0054】
一実施形態では、プラスチックコーティング層の厚さは、5~8μmである。
【0055】
一実施形態では、充填剤層及びプラスチックコーティング層によって生成される合計用量は、支持層1mあたり12~40g、好ましくは支持層1mあたり12~30gである。
【0056】
好ましい実施形態では、板紙構造体は、支持層、充填剤層及びプラスチックコーティング層の3つの層が、この順序で構成する。
【0057】
充填剤層及びプラスチックコーティング層は、好ましくは、押出コーティング法、例えば共押出コーティングによって、支持層上に適用される。
【0058】
板紙構造体は、食品産業用パッケージの製造に使用することができる。本発明によるパッケージは、例えば酸性飲料用の紙コップ又はヨーグルト用のパッケージとすることができる。
【0059】
このパッケージは、酸性液体、酸性流動性材料又は酸性食品などの酸性内容物を保持するのに特に有利である。酸性内容物の例としては、酸性飲料、ソーダ、柑橘系果汁、ワイン、ヨーグルト、つぶしトマトが挙げられる。一実施形態では、酸性内容物のpHは4.5未満である。
【0060】
本発明による板紙構造体は、酸性接着剤などの酸性材料を含む板紙パッケージにおいて有利である。一実施形態では、板紙パッケージのシームにおける接着剤のpHは4.5未満である。
【0061】
パッケージ全体又はその一部のみを、本発明による板紙構造体を含む板紙材料で形成することができる。好ましくは、パッケージの内容物と接触するパッケージの全ての部分が、本発明による板紙構造体を有する板紙材料で作られる。
【0062】
開示される本発明の実施形態は、本明細書に記載の特定の構造、プロセスステップ又は材料に限定されるものではなく、当業者において理解されるところであるが、それらの均等物に及ぶことを理解されたい。また、本明細書において使用される専門用語は、単に特定の実施形態を説明する目的で使用されており、限定を意図するものでないことも理解されるべきである。
【0063】
本明細書中における「一実施形態」又は「ある実施形態」についての参照は、その実施形態に関連して説明される特定の構成、構造又は特徴が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書の随所で「一実施形態では」又は「ある実施形態では」という表現が現れても、必ずしも全てが同じ実施形態を指しているわけではない。
【0064】
本明細書において、複数のアイテム、構造要素、組成要素及び/又は材料は、便宜上、共通のリストで提示されることもある。しかし、これらのリストは、リストの各部材が別個のかつ固有の部材として個別に認定されるように解釈すべきである。故に、このようなリストの個々の部材は、特に明記しない限り、共通のグループでの提示にのみ基づいて、同じリストにおける任意の他の部材の事実上の均等物と解釈すべきではない。加えて、本発明の様々な実施形態及び例は、その様々な構成要素の代替物とともに本明細書で言及されることもある。このような実施形態、例及び代替案は、互いの事実上の均等物と解釈すべきではなく、本発明の別個の自律的な表現と考えるべきであることが理解される。
【0065】
さらに、記載される構成、構造又は特徴は、1つ以上の実施形態において、任意の適切な方法で組み合わせることができる。以下の説明では、本発明の実施形態の完全な理解を提供するために、長さ、幅、形状等の例など、多くの具体的詳細が提供される。しかし、当業者であれば、本発明が、1つ以上の具体的詳細なしに、又は他の方法、構成要素、材料等を用いて実施できることを認識し得るものである。本発明の態様を不明瞭にすることを避けるために、他の例では、周知の構造、材料又は動作についての詳細な図示又は説明は差し控えた。
【0066】
上記の例は、1つ以上の特定の用途における本発明の原理を例示するものであるが、発明能力の行使なしに、かつ本発明の原理及び概念から逸脱することなく、実装の形態、使用方法及び詳細における多くの変更が可能であることは、当業者には明らかである。すなわち、本発明は、添付の特許請求の範囲による場合を除き、特に限定されることを意図するものではない。
【0067】
本明細書において、「備える」及び「含む」という用語は、列挙されていない構成の存在を排除することも、要求することもない開放的な限定として使用されている。従属請求項に列挙される構成は、特に明記しない限り、相互に自由に組み合わせることができる。さらに、本明細書における原文の不定冠詞「a」又は「an」、即ち単数形の使用は、複数を排除するものではないことを理解されたい。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、例えば食品産業用の板紙パッケージの製造において、産業上利用可能である。
【符号の説明】
【0069】
1 支持層
2 充填剤層
3 プラスチックコーティング層
FCM 食品接触材料
図1