(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-05
(45)【発行日】2023-07-13
(54)【発明の名称】ネットワークシステム、情報処理方法、通信端末、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 76/23 20180101AFI20230706BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20230706BHJP
H04W 8/00 20090101ALI20230706BHJP
H04W 88/06 20090101ALI20230706BHJP
H04W 84/10 20090101ALI20230706BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20230706BHJP
H04W 4/00 20180101ALI20230706BHJP
H04W 92/08 20090101ALI20230706BHJP
【FI】
H04W76/23
H04M11/00 302
H04W8/00 110
H04W88/06
H04W84/10 110
H04W84/12
H04W4/00 110
H04W92/08 110
(21)【出願番号】P 2019175012
(22)【出願日】2019-09-26
【審査請求日】2022-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【氏名又は名称】伊藤 世子
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】野津 拓也
(72)【発明者】
【氏名】河原 正和
【審査官】青木 健
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-032917(JP,A)
【文献】特開2019-041309(JP,A)
【文献】特開2015-050752(JP,A)
【文献】特開平05-219175(JP,A)
【文献】特開2002-290692(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機器と通信端末とサーバとルータとを備えるネットワークシステムであって、
前記電気機器と前記通信端末は第1の無線通信方式にて前記ルータと接続され、
前記サーバは前記電気機器にIDを発行し、
前記電気機器は、
第2の無線通信方式にてブロードキャストして、前記通信端末からの前記第2の無線通信方式による返答に応じて、前記第2の無線通信方式にて直接的に、前記電気機器の通信アドレスを前記通信端末に送信し、
前記通信端末は
、前記通信アドレスに基づいて
前記ルータを介して前記第1の無線通信方式にて前記電気機器にアクセスすることによって、前記ルータを介して
前記第1の無線通信方式にて前記電気機器から前記IDを取得し、
前記通信端末が前記IDを前記サーバに送信することによって、前記電気機器と前記通信端末と
がペアリングされる、ネットワークシステム。
【請求項2】
前記通信端末は、前記通信アドレスとして、過去に受け取った通信アドレスと同じものを受け取った場合は、前記電気機器に前記IDを要求しないように構成されている、請求項
1に記載のネットワークシステム。
【請求項3】
前記通信端末は、前記IDとして、過去に受け取ったIDと同じものを受け取った場合は、前記サーバへのペアリング要求を行わないように構成されている、請求項1
または2に記載のネットワークシステム。
【請求項4】
電気機器と通信端末とサーバとルータとを備えるネットワークシステムであって、
前記電気機器と前記通信端末は第1の無線通信方式にて前記ルータと接続され、
前記サーバは前記電気機器にIDを発行し、
前記通信端末は、
第2の無線通信方式にてブロードキャストして、前記電気機器からの前記第2の無線通信方式による返答に応じて、前記第2の無線通信方式にて直接的に、前記通信端末の通信アドレスを前記電気機器に送信し、
前記電気機器は
、前記通信アドレスに基づいて
前記ルータを介して前記第1の無線通信方式にて前記通信端末にアクセスすることによって前記通信端末に前記IDを提供し、
前記通信端末が前記IDを前記サーバに送信することによって、前記電気機器と前記通信端末と
がペアリングされる、ネットワークシステム。
【請求項5】
電気機器と通信端末とサーバとルータとを含むネットワークシステムにおける情報処理方法であって、
前記電気機器が第1の無線通信方式にて前記ルータと接続されるステップと、
前記サーバが前記電気機器にIDを発行するステップと、
前記電気機器が、
第2の無線通信方式にてブロードキャストして、前記通信端末からの前記第2の無線通信方式による返答に応じて、前記第2の無線通信方式にて直接的に、前記電気機器の通信アドレスを前記通信端末に送信するステップと、
前記通信端末が前記第1の無線通信方式にて前記ルータと接続されるステップと、
前記通信端末が
、前記通信アドレスに基づいて
前記ルータを介して前記第1の無線通信方式にて前記電気機器にアクセスすることによって、前記ルータを介して
前記第1の無線通信方式にて前記電気機器から前記IDを取得するステップと、
前記通信端末が前記IDを前記サーバに送信することによって、前記電気機器と前記通信端末とがペアリングされるステップと、を備える情報処理方法。
【請求項6】
通信端末であって、
通信インターフェイスと、
前記通信インターフェイスを利用することによって、
第2の無線通信方式による電気機器からのブロードキャストに返答することによって、前記第2の無線通信方式にて直接的に
前記電気機器から通信アドレスを取得し、前記通信アドレスに基づいて
ルータを介して第1の無線通信方式にて前記電気機器にアクセスし、前記ルータを介して
前記第1の無線通信方式にて前記電気機器からIDを取得し、前記IDをサーバに送信することによって前記電気機器とのペアリングを要求するためのプロセッサと、を備える通信端末。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記通信インターフェイスを利用することによって、前記電気機器からのビーコンに基づいて前記電気機器と前記第2の無線通信方式によって直接的に接続することによって前記通信アドレスを前記電気機器から取得するものであって、
前記プロセッサは、前記通信アドレスとして、過去に受け取った通信アドレスと同じものを受け取った場合は、前記電気機器に前記IDを要求しない、請求項
6に記載の通信端末。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記IDとして、過去に受け取ったIDと同じものを受け取った場合は、前記サーバへのペアリング要求を行わない、請求項
6または
7に記載の通信端末。
【請求項9】
通信インターフェイスとプロセッサとを含む通信端末のためのプログラムであって、前記プログラムは、前記プロセッサに、
第2の無線通信方式による電気機器からのブロードキャストに返答することによって、前記第2の無線通信方式にて直接的に、
前記電気機器から通信アドレスを取得するステップと、
前記通信アドレスに基づいて
、ルータを介して第1の無線通信方式にて前記電気機器にアクセスすることによって、前記ルータを介して
前記第1の無線通信方式にて前記電気機器からIDを取得するステップと、
前記IDをサーバに送信することによって前記電気機器とのペアリングを要求するステップと、を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機器間の無線通信の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電気機器と通信端末とをペアリングすることによって、通信端末によって電気機器を遠隔制御したり、通信端末が電気機器の情報を取得したりする技術が知られている。たとえば、特開2018-32917号公報(特許文献1)には、ネットワークシステム、情報処理方法、サーバ、電気機器、通信端末、およびプログラムが開示されている。特許文献1によると、LAN接続されている少なくとも1つの電気機器と、LAN接続されている少なくとも1つの電気機器を選択可能に表示するための通信端末と、通信端末に対する少なくとも1つの電気機器の選択命令に基づいて、選択された電気機器と通信端末とに関する所定の処理を実行するためのサーバとを備える、ネットワークシステムが提供される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、従来よりも簡単に電気機器と通信端末とをペアリングすることができる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明のある態様に従うと、電気機器と通信端末とサーバとルータとを備えるネットワークシステムが提供される。電気機器と通信端末は第1の無線通信方式にてルータと接続される。サーバは電気機器にIDを発行する。電気機器は、第2の無線通信方式にて直接的に、電気機器の通信アドレスを通信端末に送信する。通信端末はルータを介して通信アドレスに基づいて電気機器にアクセスすることによって、ルータを介して電気機器からIDを取得する。通信端末がIDをサーバに送信することによって、電気機器と通信端末とをペアリングされる。
【発明の効果】
【0006】
以上のように、本発明によれば、従来よりも簡単に電気機器と通信端末とをペアリングすることができる技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1の実施の形態にかかるネットワークシステム1の全体構成を示すイメージ図である。
【
図2】第1の実施の形態にかかるネットワークシステム1の動作概要を示すイメージ図である。
【
図3】第1の実施の形態にかかる電気機器100の構成を表わすブロック図である。
【
図4】第1の実施の形態にかかる電気機器100の情報処理を示すフローチャートである。
【
図5】第1の実施の形態にかかる通信端末200の構成を表わすブロック図である。
【
図6】第1の実施の形態にかかる通信端末200の情報処理を示すフローチャートである。
【
図7】第1の実施の形態にかかるサーバ300の構成を表わすブロック図である。
【
図8】第1の実施の形態にかかるペアリングデータ321を表わすイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
<ネットワークシステムの全体構成>
【0009】
まず、
図1および
図2を参照して、本実施の形態にかかるネットワークシステム1の簡単な全体構成について説明する。ネットワークシステム1は、主に、家庭やオフィスなどに配置される洗濯機100Aや掃除機100Bやエアコン100Cなどの各種の電気機器と、電気機器を利用するユーザが有するスマートフォンなどの通信端末200と、通信端末200からの指示に応じて電気機器100を制御するためのクラウド上の家電制御サーバ300と、各種の電気機器とWiFi(登録商標)通信するためのルータ400などを含む。
【0010】
なお、電気機器に関しては、
図1に示すような洗濯機100Aや掃除機100Bやエアコン100Cに限らず、冷蔵庫、電子レンジ、炊飯器などの家電、テレビ、ハードディスクレコーダ、音楽プレーヤー、プロジェクタ、スピーカ、ロボットなどのAV(オーディオ・ビジュアル)機器、太陽光発電機、インターホン、給湯器などの住宅設備、などであってもよい。これらの装置を総称して電気機器100ともいう。本実施の形態においては、電気機器100は、主にルータ400を介してインターネットやサーバ300に接続される。
【0011】
また、通信端末に関しても、
図1に示すようなスマートフォンに限らず、タブレット、パーソナルコンピュータ、スピーカ、ウェアラブル端末、ロボット、ゲーム機、電子書籍端末などであってもよく、これらの装置を総称して通信端末200ともいう。通信端末200は、ルータ400を介してインターネットに接続されてもよいし、LTEなどのキャリア網を介してインターネットに接続されてもよい。
<ネットワークシステムの動作概要>
【0012】
次に、
図1および
図2を参照して、本実施の形態にかかるネットワークシステム1の動作概要について説明する。
【0013】
まず、(1)ユーザが新しい電気機器100を購入してWiFi(登録商標)通信などによってルータ400に接続すると、電気機器100は、電気機器100のメーカーなどが運営するクラウド上のサーバなど、にアクセスする。本実施の形態においては、電気機器100からアクセスされたサーバ300は、電気機器100にユニークなIDを発行して、電気機器100に提供する。
【0014】
なお、本実施の形態においては、通信端末200も、WiFi(登録商標)通信などによってルータ400と接続される必要がある。
【0015】
(2)電気機器100は、定期的に、たとえばBLE(Bluetooth(登録商標)Low Energy)に準拠した通信方式を利用して、ノンコネクタブル・ビーコンをブロードキャストし始める。なお、電気機器100は、ドアの開閉や人の接近などを検知して短時間だけビーコンを発信してもよい。当該ビーコンは、電気機器100の種類や識別番号が含まれるものであって、ペアリングできない一方的なデータである。
【0016】
ユーザは、通信端末200に、家電制御用のアプリケーションプログラムをダウンロードしてインストールする。ユーザは、家電制御サービスの利用規約を確認して、当該サービスにログインする。なお、当該アプリケーションのインストールやサービスへのログインは、電気機器100を購入したり配置したりする前に既に完了していてもよい。
【0017】
通信端末200は、電気機器100からのビーコンを受信すると、電気機器100からのアクセスがあった旨をポップアップ通知する。たとえば、電気機器100を発見した旨のメッセージや電気機器100の種類などを音声または表示することによってユーザに通知する。
【0018】
(3)ユーザが、電気機器100との通信を許可すると、電気機器100と通信端末200とは、BLEに準拠した通信方式を利用してデータ通信を開始する。このとき、好ましくは、PINコードを利用せずに、BLE通信を開始することが好ましい。
【0019】
(4)電気機器100は、BLEに準拠した通信方式を利用して、ルータ400とのWiFi(登録商標)通信に利用される通信アドレス、たとえばIPアドレスやMACアドレスなど、を通信端末200に提供する。
【0020】
(5)(6)通信端末200は、電気機器100の通信アドレスを利用して、ルータ400とのWiFi(登録商標)通信を介して、電気機器100にアクセスすることによって、電気機器100にユニークなIDを要求する。
【0021】
(7)(8)電気機器100は、ルータ400とのWiFi(登録商標)通信を介して、通信端末200からIDの要求を受けると、ルータ400とのWiFi(登録商標)通信を介して、サーバ300から発行済のユニークなIDを通信端末200に提供する。
【0022】
(9)これによって、通信端末200は、キャリア網、またはルータ400とのWiFi通信、などを介して、サーバ300に、当該IDを伝えることによって電気機器100とのペアリングを要求する。
【0023】
(10)サーバ300は、通信端末200からのペアリング要求に応じて、電気機器100のIDが正しいことを確認することによって、電気機器100と通信端末200とをペアリングする。
【0024】
これ以降、サーバ300は、通信端末200からの電気機器100に対する制御命令を受け付けたり、電気機器100の各種の情報を電気機器100に提供したりする。
【0025】
以下、このようなペアリング機能を実現するためのネットワークシステム1の構成について詳述する。
<電気機器100の構成>
【0026】
本実施の形態にかかるネットワークシステム1を構成する電気機器100の構成について説明する。
図3を参照して、本実施の形態にかかる電気機器100は、主たる構成要素として、CPU110と、メモリ120と、ディスプレイ130、操作部140と、通信インターフェイス160と、スピーカ170と、マイク180と、機器駆動部190とを含む。
【0027】
CPU110は、メモリ120あるいは外部の記憶媒体に記憶されているプログラムを実行することによって、電気機器100の各部を制御する。
【0028】
メモリ120は、各種のRAM(Random Access Memory)、各種のROM(Read‐Only Memory)などによって実現され、電気機器100に内包されているものであってもよいし、電気機器100の各種インターフェイスに着脱可能なものであってもよいし、電気機器100からアクセス可能な他の装置の記録媒体であってもよい。メモリ120は、CPU110によって実行されるプログラムや、CPU110によるプログラムの実行により生成されたデータ、操作部140を介して入力されたデータ、リモコンから受信したデータ、ルータ400やインターネットを介してサーバ300から受信したデータ、電気機器100に対応するサーバのアドレスなど各種サービスを利用するために必要な情報などを記憶する。特に、本実施の形態においては、メモリ120は、サーバ300で発行されて提供されるユニークなID121や、ルータ400との通信に利用される通信アドレス122や、ルータ400と初めて接続された際にアクセスすべきサーバのアドレス123などを記憶する。
【0029】
ディスプレイ130は、CPU210からの信号に基づいて、文字や画像などを出力する。なお、ディスプレイ130は、単にLEDライトなどであってもよいし、無くても良い。
【0030】
操作部140は、ボタン、タッチパネルなどによって実現され、ユーザからの命令を受け付けて、当該命令をCPU110に入力する。たとえば、WiFi(登録商標)接続する際に必要なボタンなどを含む。なお、ディスプレイ130と操作部140とは、タッチパネル150を構成してもよい。
【0031】
なお、本実施の形態にかかる電気機器100に関しては、PINコードなどを入力するための操作部140やディスプレイ130が無くても、電気機器100と通信端末200とをペアリングさせることができるものであるため、操作部140やディスプレイ130を有していなくてもよい。
【0032】
通信インターフェイス160は、BLEに準拠した無線通信や、WiFi(登録商標)に準拠した無線通信を行うためのアンテナや、有線通信を行うためのコネクタなどによって実現される。なお、通信インターフェイス160は、電気機器100のメインの制御基板とは別に、通信用のアダプタ基板に設けられてもよい。
【0033】
そして、CPU110は、通信インターフェイス160を介して、BLEに準拠した通信方式によって通信端末200と直接的にデータを送受信する。また、CPU110は、通信インターフェイス160を介して、WiFi(登録商標)に準拠した通信方式によってルータ400や通信端末200や電気機器100とデータを送受信する。また、CPU110は、通信インターフェイス160やルータ400を介して、サーバ300やクラウドと通信したりする。
【0034】
スピーカ170は、CPU110からの音声データに基づいて音声メッセージなどを出力する。マイク180は、ユーザの声などを取得して音声データをCPU110に入力する。
【0035】
機器駆動部190は、CPU110からの信号に基づいて、電気機器100の各部(モータやヒータやセンサやアンテナなど)を制御する。たとえば、洗濯機100Aに関してはモータであったり、エアコン100Cに関しては圧縮機やファンであったり、電子レンジに関しては加熱調理のためのアンテナや回転テーブルであったりする。
<電気機器100における制御>
【0036】
次に、本実施の形態にかかる電気機器100における情報処理について説明する。本実施の形態にかかる電気機器100のCPU110は、初めて電源がONされた際に、メモリ120のプログラムに従って、以下のような処理を実行する。
【0037】
図4を参照して、CPU110は、通信インターフェイス160を介して、ルータ400との接続を開始する(ステップS102)。
【0038】
CPU110は、ルータ400との接続に成功すると、通信インターフェイス160を利用して、ルータ400を介して所定のサーバにアクセスすることによって、電気機器100自身のIDの発行を要求する(ステップS104)。
【0039】
CPU110は、通信インターフェイス160を介して、サーバ300からユニークなIDを受信して、メモリ120に格納する(ステップS106)。
【0040】
CPU110は、通信インターフェイス160を利用して、BLEの無線方式にてビーコンをブロードキャストする(ステップS108)。
【0041】
CPU110は、通信インターフェイス160を利用して、BLEの無線方式にて通信端末200と接続する(ステップS110)。
【0042】
CPU110は、通信インターフェイス160を利用して、BLEの無線方式にて、ルータ400を介したWiFi通信で利用される電気機器100のIPアドレスを通信端末200に提供する(ステップS112)。
【0043】
CPU110は、通信インターフェイス160を利用して、WiFiの無線方式にて、ルータ400を介して、通信端末200からのアクセスを受け付ける(ステップS114)。
【0044】
CPU110は、通信インターフェイス160を利用して、WiFiの無線方式にて、ルータ400を介して、通信端末200に電気機器100のユニークなIDを提供する(ステップS116)。
【0045】
これ以降、通信端末200によるサーバ300を介した遠隔操作命令などが送られてくることになる。
<通信端末200の構成>
【0046】
次に、本実施の形態にかかるネットワークシステム1を構成する通信端末200の構成について説明する。
図5を参照して、本実施の形態にかかる通信端末200は、主たる構成要素として、CPU210と、メモリ220と、ディスプレイ230と、操作部240と、通信インターフェイス260と、スピーカ270と、マイク280とを含む。
【0047】
CPU210は、メモリ220に記憶されているプログラムを実行することによって、通信端末200の各部を制御する。
【0048】
メモリ220は、各種のRAMや、各種のROMなどによって実現される。メモリ220は、各種サービスのためのアプリケーションプログラムや、CPU210によるプログラムの実行により生成されたデータ、サーバ300や電気機器100から受信したデータ、操作部240を介して入力されたデータ、通信端末200のユーザを特定するための情報などを記憶する。特に、本実施の形態においては、メモリ220は、電気機器100のユニークなID221や、ルータ400を介して電気機器100にアクセスするための電気機器100の通信アドレス222などを記憶する。
【0049】
ディスプレイ230は、CPU210からのデータに基づいて、画像やテキストを表示する。操作部240は、ポインティングデバイスやスイッチなどから構成され、ユーザからの各種の命令をCPU210に入力する。なお、ユーザ端末は、ディスプレイ230と操作部240とを含むタッチパネル250を有してもよい。
【0050】
通信インターフェイス260は、BLEに準拠した無線通信や、WiFi(登録商標)に準拠した無線通信や、キャリア網の局と無線通信を行うためのアンテナや、USBなどの有線通信を行うためのコネクタなどによって実現される。CPU210は、通信インターフェイス260を介して、BLEに準拠した通信方式によって電気機器100と直接的にデータを送受信する。CPU210は、通信インターフェイス260を介して、WiFi(登録商標)に準拠した通信方式によってルータ400や電気機器100やサーバ300とデータを送受信する。また、CPU210は、通信インターフェイス260やキャリア網を介して、インターネットやクラウド上のサーバ300と通信したりする。
【0051】
スピーカ270は、CPU210からの信号に基づいて、音声を出力する。マイク280は、音声を取得して音声信号をCPU210に入力する。
<通信端末200における制御>
【0052】
次に、本実施の形態にかかる通信端末200における情報処理について説明する。本実施の形態にかかる通信端末200のCPU210は、初めて電源がONされた際に、メモリ120のプログラムに従って、以下のような処理を実行する。
【0053】
図6を参照して、CPU210は、ユーザ操作に基づいて、通信インターフェイス260を介して家電制御用のプログラムをダウンロードして、インストールする(ステップS202)。
【0054】
CPU210は、通信インターフェイス260を利用して、BLEの無線方式で電気機器100からのビーコンを受信する(ステップS204)。
【0055】
CPU210は、ディスプレイ230やスピーカ270を介して、電気機器100からのビーコンを受けた旨を通知したり、操作部240を介して、電気機器100とのペアリング処理を開始するか否かの命令を受け付けたりする(ステップS206)。
【0056】
CPU210は、通信インターフェイス260を利用して、BLEの無線方式にて電気機器100との接続する(ステップS208)。ここでは、PINコードなどを利用せずに接続する。
【0057】
CPU210は、通信インターフェイス260を利用して、BLEの無線方式にて電気機器100から、ルータ400を介してWiFiによって電気機器100と接続するための電気機器100の通信アドレス、たとえばIPアドレスやMACアドレスなど、を取得する(ステップS210)。
【0058】
CPU210は、既に受け付けたことがある通信アドレスであるか否かを判断する(ステップS212)。既に受け付けたことがある通信アドレスである場合(ステップS212にてYESである場合)、CPU210は、今回の処理を終了する。
【0059】
既に受け付けたことがある通信アドレスでない場合(ステップS212にてNOである場合)、CPU210は、通信インターフェイス260を介して、WiFiの無線方式にて、ルータ400を介して電気機器100にアクセスする(ステップS214)。
【0060】
CPU210は、通信インターフェイス260を利用して、WiFiの無線方式にて、ルータ400から電気機器100のユニークなIDを取得する(ステップS216)。
【0061】
CPU210は、既に受け付けたことがあるIDであるか否かを判断する(ステップS218)。既に受け付けたことがあるIDである場合(ステップS218にてYESである場合)、CPU210は、今回の処理を終了する。
【0062】
既に受け付けたことがあるIDでない場合(ステップS218にてNOである場合)、CPU210は、通信インターフェイス260を利用して、キャリア網を介して、あるいはルータ400を介して、サーバ300に電気機器100のユニークなIDを送りつつ、電気機器100とのペアリングを要求する(ステップS220)。
【0063】
これ以降、サーバ300を介した電気機器100の遠隔操作などが可能になる。
<サーバ300の構成>
【0064】
次に、本実施の形態にかかるネットワークシステム1を構成する家電制御サーバ300の構成の一態様について説明する。
図7を参照して、サーバ300は、主たる構成要素として、CPU310と、メモリ320と、操作部340と、通信インターフェイス360とを含む。
【0065】
CPU310は、メモリ320に記憶されているプログラムを実行することによって、サーバ300の各部を制御する。
【0066】
メモリ320は、各種のRAM、各種のROMなどによって実現され、サーバ300に内包されているものであってもよいし、サーバ300の各種インターフェイスに着脱可能なものであってもよいし、サーバ300からアクセス可能な他の装置の記録媒体であってもよい。メモリ320は、CPU310によって実行されるプログラムや、CPU310によるプログラムの実行により生成されたデータ、入力されたデータ、電気機器100と通信端末200とのペアリング関係を示すデータ、その他の本実施の形態にかかる処理やサービスに利用されるデータベースなどを記憶する。
【0067】
たとえばメモリ320は、
図8に示すような、ペアリングデータ321を格納する。ペアリングデータ321は、ペアリングが成功した電気機器100と通信端末200との対応関係を格納する。
【0068】
図7に戻って、操作部340は、サービスの管理者などの命令を受け付けて、当該命令をCPU310に入力する。
【0069】
通信インターフェイス360は、CPU310からのデータを、インターネット、キャリア網、ルータ400などを介して、電気機器100や通信端末200や他のサーバなどの他の装置に送信する。逆に、通信インターフェイス360は、インターネット、キャリア網、ルータ400などを介して電気機器100や通信端末200や他のサーバなどの他の装置からのデータを受信して、CPU310に受け渡す。
【0070】
本実施の形態においては、たとえば、CPU310は、電気機器100からの要求に応じて、ペアリングのためのユニークIDを発行して、通信インターフェイス360を介して、当該電気機器100に提供する。あるいは、CPU310は、通信端末200からのペアリング要求に応じて、ユニークIDが正しいか否かを確認したり、ユニークIDに対応する電気機器100と当該通信端末200とをペアリングしたりする。
<第2の実施の形態>
【0071】
上記の実施の形態においては、電気機器100からのビーコンに応じて通信端末200がBLEによる接続を行い、当該接続によってルータ400を介した通信のための通信アドレスが電気機器100から通信端末200に提供されるものであった。しかしながら、このような形態には限られず、ルータ400を介した通信のための通信アドレスが、別の近距離通信手段によって電気機器100から通信端末200に伝えられてもよい。
【0072】
たとえば電気機器100からのビーコンに電気機器100のIPアドレスが含まれていてもよい。これによって、ユーザによる電気機器100への操作だけなく、ユーザによる通信端末200への操作を行わなくても、電気機器100と通信端末200のペアリングを行うことができる。
【0073】
あるいは、通信端末200の方からビーコンを発して、電気機器100からの返信データに電気機器100のIPアドレスが含まれていてもよい。
【0074】
あるいは、電気機器100が、ルータ400を介した通信のための通信端末200の通信アドレスを取得することにより、当該通信アドレスに従ってルータ400を介して通信端末200にアクセスすることによって、ユニークIDを通信端末200に提供してもよい。たとえば、通信端末200のアプリケーションプログラムなどが通信インターフェイス260を介してビーコンを発したりBLE通信したりすることによって、ルータ400を介した通信のための通信端末200の通信アドレスを電気機器100に送信する。この場合は、電気機器100のCPU110が、通信インターフェイス160を介して、当該通信アドレスに従って、ルータ400を介して、通信端末200にアクセスすることによって、ユニークIDを通信端末200に提供する。
<第3の実施の形態>
【0075】
上記の実施の形態においては、通信端末200と電気機器100との直接的なデータのやり取りにBLEに準拠した通信方式を利用したが、他の無線通信方式を利用してもよい。また、電気機器100とサーバ300との通信には、WiFi(登録商標)接続を利用したが、これもルータを利用した別の無線通信方式を利用してもよい。
<第4の実施の形態>
【0076】
上記の実施の形態のネットワークシステム1の各装置の役割の一部または全部を他の装置が実行してもよい。たとえば、電気機器100や通信端末200やサーバ300やルータ400の各々の役割の一部または全部を別の装置が担ったり、各々の役割の一部または全部を複数の装置で担ったりしてもよい。
【0077】
たとえば、サーバ300が、クラウド上の複数のサーバによって実現されたりしてもよい。
【0078】
あるいは、電気機器100の代わりに通信端末200からのビーコンに応じて、BLEによる接続を行い、当該BLE通信においてルータ400を介した通信のための通信端末200のIPアドレスを電気機器100に提供してもよい。
<まとめ>
【0079】
上記の実施の形態においては、電気機器と通信端末とサーバとルータとを備えるネットワークシステムが提供される。電気機器と通信端末は第1の無線通信方式にてルータと接続される。サーバは電気機器にIDを発行する。電気機器は、第2の無線通信方式にて直接的に、電気機器の通信アドレスを通信端末に送信する。通信端末はルータを介して通信アドレスに基づいて電気機器にアクセスすることによって、ルータを介して電気機器からIDを取得する。通信端末がIDをサーバに送信することによって、電気機器と通信端末とをペアリングされる。
【0080】
好ましくは、電気機器は第2の無線通信方式にてビーコンを発する。通信端末はビーコンに基づいて電気機器と第2の無線通信方式によって接続することによって通信アドレスを電気機器から取得する。
【0081】
好ましくは、通信端末は、通信アドレスとして、過去に受け取った通信アドレスと同じものを受け取った場合は、電気機器にIDを要求しないように構成されている。
【0082】
好ましくは、通信端末は、IDとして、過去に受け取ったIDと同じものを受け取った場合は、サーバへのペアリング要求を行わないように構成されている。
【0083】
上記の実施の形態においては、電気機器と通信端末とサーバとルータとを備えるネットワークシステムが提供される。電気機器と通信端末は第1の無線通信方式にてルータと接続される。サーバは電気機器にIDを発行する。通信端末は、第2の無線通信方式にて直接的に、通信端末の通信アドレスを電気機器に送信する。電気機器はルータを介して通信アドレスに基づいて通信端末にアクセスすることによって通信端末にIDを提供する。通信端末がIDをサーバに送信することによって、電気機器と通信端末とをペアリングされる。
【0084】
上記の実施の形態においては、電気機器と通信端末とサーバとルータとを含むネットワークシステムにおける情報処理方法が提供される。情報処理方法は、電気機器が第1の無線通信方式にてルータと接続されるステップと、サーバが電気機器にIDを発行するステップと、電気機器が、第1の無線通信方式にて直接的に、電気機器の通信アドレスを通信端末に送信するステップと、通信端末が第1の無線通信方式にてルータと接続されるステップと、通信端末がルータを介して通信アドレスに基づいて電気機器にアクセスすることによって、ルータを介して電気機器からIDを取得するステップと、通信端末がIDをサーバに送信することによって、電気機器と通信端末とがペアリングされるステップと、を備える。
【0085】
上記の実施の形態においては、電気機器が提供される。電気機器は、通信インターフェイスと、通信インターフェイスを利用することによって、第1の無線通信方式にてルータを介してサーバからIDを取得し、第2の無線通信方式にて直接的に電気機器の通信アドレスを通信端末に送信し、第1の無線通信方式にてルータを介して通信端末からアクセスされることによってルータを介して電気機器にIDを提供するためのプロセッサと、を備える。
【0086】
上記の実施の形態においては、通信インターフェイスと、プロセッサとを備える電気機器における情報処理方法が提供される。情報処理方法は、プロセッサが、通信インターフェイスを利用することによって、第1の無線通信方式にてルータを介してサーバからIDを取得するステップと、プロセッサが、通信インターフェイスを利用することによって、第2の無線通信方式にて直接的に、通信端末に電気機器の通信アドレスを送信するステップと、プロセッサが、通信インターフェイスを利用することによって、第1の無線通信方式にてルータを介して通信端末からアクセスされることによってルータを介して電気機器にIDを提供するステップと、を備える。
【0087】
上記の実施の形態においては、通信端末が提供される。通信端末は、通信インターフェイスと、通信インターフェイスを利用することによって、第2の無線通信方式にて直接的に電気機器から通信アドレスを取得し、第1の無線通信方式にてルータを介して通信アドレスに基づいて電気機器にアクセスし、ルータを介して電気機器からIDを取得し、IDをサーバに送信することによって電気機器とのペアリングを要求するためのプロセッサと、を備える。
【0088】
好ましくは、プロセッサは、通信インターフェイスを利用することによって、電気機器からのビーコンに基づいて電気機器と第2の無線通信方式によって直接的に接続することによって通信アドレスを電気機器から取得する。プロセッサは、通信アドレスとして、過去に受け取った通信アドレスと同じものを受け取った場合は、電気機器にIDを要求しない。
【0089】
好ましくは、プロセッサは、IDとして、過去に受け取ったIDと同じものを受け取った場合は、サーバへのペアリング要求を行わない
【0090】
上記の実施の形態においては、通信インターフェイスとプロセッサとを含む通信端末のためのプログラムが提供される。プログラムは、プロセッサに、第2の無線通信方式にて直接的に、電気機器から通信アドレスを取得するステップと、第1の無線通信方式にてルータを介して通信アドレスに基づいて電気機器にアクセスすることによって、ルータを介して電気機器からIDを取得するステップと、IDをサーバに送信することによって電気機器とのペアリングを要求するステップと、を実行させる。
【0091】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0092】
1 :ネットワークシステム
100 :電気機器
100A :洗濯機
100B :掃除機
100C :エアコン
110 :CPU
120 :メモリ
121 :ユニークID
122 :通信アドレス
123 :アドレス
130 :ディスプレイ
140 :操作部
150 :タッチパネル
160 :通信インターフェイス
170 :スピーカ
180 :マイク
190 :機器駆動部
200 :通信端末
210 :CPU
220 :メモリ
221 :ユニークID
222 :通信アドレス
230 :ディスプレイ
240 :操作部
250 :タッチパネル
260 :通信インターフェイス
270 :スピーカ
280 :マイク
300 :サーバ
310 :CPU
320 :メモリ
321 :ペアリングデータ
340 :操作部
360 :通信インターフェイス
400 :ルータ