(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-07
(45)【発行日】2023-07-18
(54)【発明の名称】縫合糸を装填するためのカートリッジ
(51)【国際特許分類】
A61B 17/04 20060101AFI20230710BHJP
【FI】
A61B17/04
(21)【出願番号】P 2021089291
(22)【出願日】2021-05-27
(62)【分割の表示】P 2019137277の分割
【原出願日】2014-03-15
【審査請求日】2021-06-23
(32)【優先日】2013-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514041292
【氏名又は名称】アンカー オーソペディックス エックスティー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ANCHOR ORTHOPEDICS XT INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】弁理士法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オールダム,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ハリソン,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】サン,アイ ニエイン
(72)【発明者】
【氏名】ゴダラ,ニール
(72)【発明者】
【氏名】アーネット,ジェフリー
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0276064(US,A1)
【文献】特表2013-525083(JP,A)
【文献】特表2009-502233(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0022063(US,A1)
【文献】特開2007-236679(JP,A)
【文献】米国特許第06533796(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/04 - 17/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
縫合糸を縫合糸通し器具に装填するための
長手形状のカートリッジであって、
前記縫合糸の一端部を解放可能に保持する座部を有する基部と、
前記基部に接続される筐体とを備え、
前記カートリッジは、
前記縫合糸通し器具を前記カートリッジの長手方向に沿って前記カートリッジ内に挿入したとき、前記縫合糸の一端部
が前記縫合糸通し器具の縫合糸取込通路
の経路上に位置するように、前記縫合糸の一端部を前記縫合糸取込通路に整列させるために、前記座部と前記筐体との間において相対運動が可能となるように、前記座部が前記カートリッジの長手方向
および前記縫合糸通し器具の挿入方向に直交する軸の周りを回転できるように構成されており、
前記筐体は、それを介して前記縫合糸通し器具を受け入れるためのチャンバーを画定すると共に、前記縫合糸の一端部を前記座部から前記縫合糸通し器具に移動するための縫合糸移動部品を有しているカートリッジ。
【請求項2】
縫合糸通し器具上への配置のためにチャンバーに解除可能に接続された部分的にあらかじめ作られた結び目を更に有し、
前記部分的にあらかじめ作られた結び目は、縫合糸から形成されている請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
座部は、前記座部を縫合糸通し器具の一部分と整列させるために、前記座部に対してチャンバーを介して受け入れられる前記縫合糸通し器具の位置を維持するための拘束部材を有している請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項4】
縫合糸移動部品は、縫合糸を縫合糸通し器具の中に引っ張るために、基部に対して、近位に引っ込めることができる引く仕組みを有している請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項5】
縫合糸移動部品は、縫合糸を縫合糸通し器具の中に押すために、カートリッジ内に受け入れる前記縫合糸通し器具に向かって移動可能な押す仕組みを有している請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項6】
座部は、カートリッジ内に縫合糸通し器具を受け入れる際に、自動的に動くように構成されている請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項7】
マガジンを備え、
前記マガジンは座部を含む第一部分と第二部分とを有し、前記マガジンは、第一構成と第二構成とを有し、カートリッジ内に縫合糸通し器具が前進する際に、前記マガジンの前記第一部分は、前記座部を前記縫合糸通し器具の縫合糸通し部材と整列させるために、前記マガジンを前記第一構成から前記第二構成へ軸回転させるように係合されている請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項8】
マガジンは、縫合糸通し器具を摩擦係合するためのインターフェアレンス機構を有している請求項7に記載のカートリッジ。
【請求項9】
カートリッジは、縫合糸通し器具に対して前記カートリッジが単一直線運動する際に、縫合糸を整列かつ移動するように構成されている請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項10】
筐体はチャンバーを画定するノットスライダーを有し、前記ノットスライダーはそこに解放可能に接続されるあらかじめ作られた結び目を有し、前記チャンバーは、前記結び目を縫合糸通し器具に移動するために、前記縫合糸通し器具を受け入れるように構成されている請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項11】
ノットスライダーは、縫合糸通し器具への前記ノットスライダーの装着を可能にするために、基部に分離可能に接続されている請求項10に記載のカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療器具に縫合糸を装填する器具に関する。より具体的には、外科用縫合器具に縫合糸を装填するカートリッジに関する。
[開示の概要]
【0002】
縫合器具に縫合糸を装填するためのカートリッジの様々な実施形態が開示されており、いくつかの実施形態において、縫合糸から形成された、あらかじめ作られた結び目(pre-tied knot)を、縫合器具へ装填することが開示されている。縫合器具は、典型的には、縫合糸通し部材がその中に縫合糸取込通路を画定するタイプである。いくつかの実施形態において、カートリッジはチャンバーを画定する筐体を有し、部分的にあらかじめ作られた結び目が、筐体あるいはチャンバーの周りに取付けられている。また、カートリッジは、筐体に接続された基部を提供し、その基部は、縫合糸の一部を、縫合器具と整列させられるように、そしてそれへ移動されるように、解放可能に保持するための座部を画定する。縫合糸の一部分は、独立して保持されてもよいし、あるいは、例えば、フェルールあるいはシャトルのような部品に接続されてもよい。
【0003】
一つの広範な態様において、本発明の実施形態は、縫合糸を縫合糸通し器具に装填するためのカートリッジを提供するものである。カートリッジは、縫合糸の一部を解放可能に保持するように構成された座部を有する基部、及び、基部に接続された筐体を有し、カートリッジは、座部と筐体が、縫合糸と縫合糸通し器具を整列させるために、座部と筐体の間の相対的な移動ができるように構成されている。
【0004】
また、別の広範な態様において、本発明の実施形態は、縫合糸を縫合器具に装填するためのカートリッジを提供するものである。カートリッジは、筐体に解放可能に接続される、部分的にあらかじめ作られた結び目の付いているチャンバーを画定する筐体を有し、あらかじめ作られた結び目が縫合糸から形成され、チャンバーは、あらかじめ作られた結び目を配置するために、それを通って縫合器具を受け入れる。そしてカートリッジは筐体に接続された基部を有し、基部は縫合糸の一部分を解放可能に保持するための座部を画定し、座部は当該座部から縫合器具への縫合糸部分の移動を可能にするために、縫合糸の一部分を縫合器具と整列させるために移動可能となっている。
【0005】
更にまた、広範な態様において、本発明の実施形態は、縫合糸を縫合器具に装填するためのカートリッジを提供するものである。カートリッジは、筐体に解放可能に接続された、部分的にあらかじめ作られた結び目の付いたチャンバーを画定する筐体と、あらかじめ作られた結び目は、縫合糸から形成され、チャンバーは、あらかじめ作られた結び目を縫合器具に配置するために、それを介して縫合器具が受け入れられるように構成され;筐体に接続された基部とを有し、基部は、縫合糸の一部分を解放可能に保持するための座部を画定し、基部は、座部が縫合器具と整列することを容易にするために、座部に対してチャンバーを介して受け入れた縫合器具の動きを束縛するための拘束部材を有する。
【0006】
また、さらなる広範な態様において、本発明の実施形態は、ユースポイントで縫合糸を縫合器具に装填するためのカートリッジを備え、カートリッジは、縫合糸の一部分を、基部内で受け入れ可能な縫合器具と整列させて保持するための基部と;基部に接続され、基部に対して移動可能であり、縫合糸部分を基部から縫合器具に独立して移動させるために、そこに受け入れられる縫合器具に接続される筐体とを有する。
【0007】
更に、別の実施形態において、ユースポイントで縫合糸を縫合器具に軸方向に装填するためのカートリッジが提供される。カートリッジは、縫合糸の一部分を解放可能に保持するための座部を有する基部と、座部は、基部内に受け入れた縫合器具に対して縫合糸部分を整列させるために、基部の残りの部分に対して移動可能であり、;基部に接続された筐体とを有し、筐体は、基部、および縫合糸部分を座部から縫合器具に独立して移動するために基部内に受け入れた縫合器具に対して移動可能である。
【0008】
更にまた、広範な態様において、本発明の実施形態は、縫合糸を縫合器具に装填するためのカートリッジを提供する。カートリッジは、それを介して縫合器具の遠位部分を軸方向に受け入れるための凹部を画定するチャンバーと;凹部に隣接した縫合糸の一部分を解放可能に保持するための座部と;縫合糸部分が座部から縫合器具の中に移動することを可能にするために、座部が凹部を介して受け入れられる縫合器具と整列することを容易にするために、座部に対して縫合器具の動作を束縛するために構成された拘束部材とを有する。
【0009】
更にまた、広範な局面において、本発明の実施形態は、縫合糸をユースポイントで、直線的に縫合器具に装填するためのカートリッジを備えている。カートリッジは、縫合器具を受け入れるチャンバーと、縫合糸部分を解放可能に保持する座部とを有し、座部は、縫合糸部分が独立して縫合器具の部分へ移動出来るようにするために、縫合器具の一部分に対して縫合糸部分を整列させるためのチャンバーを介して縫合器具が前進する際に、チャンバーに対して移動可能である。
【0010】
更にまた、広範な局面において、本発明の実施形態は、縫合糸が接続されたフェルールを縫合器具に装填するためのカートリッジを備えている。カートリッジは、縫合器具の一部分を受け入れるための凹部を画定するチャンバーと、凹部は、そこを介して縫合器具の軸方向の運動が出来るよう構成されており;そこに縫合糸の一部分が接続されたフェルールを解放可能に保持するために凹部に隣接する座部とを有し、チャンバーは、座部から縫合器具の部分の中にフェルールの移動を可能にするために、座部を縫合器具の一部分と整列させるために、縫合器具と協働するように構成されている。
【0011】
また、別の広範な態様において、本発明の実施形態は、縫合糸が接続されたフェルールを縫合器具に装填するためのカートリッジを備えている。カートリッジは、チャンバーを画定する筐体と、筐体は、チャンバーの周りにあらかじめ作られた結び目を支持するように構成され、チャンバーは、縫合器具の遠位末端を受け入れるための凹部を画定し;筐体に分離可能に接続される基部とを有し、基部は、そこに縫合糸の一部分が取り付けられたフェルールを解放可能に保持するための凹部に隣接した座部を画定し、カートリッジは、縫合器具が凹部の中に配置されたとき、座部から縫合器具の部分にフェルールの移動を可能にするために、座部が縫合器具の一部分と整列することが出来るように構成されており、カートリッジは更に、あらかじめ作られた結び目が縫合器具に取り付けられることを可能にする。
【0012】
更に、別の広範な態様において、本発明の実施形態は、縫合糸を縫合器具に装填する方法を提供する。縫合糸は、縫合糸ループを有し、縫合糸の末端で終わる。縫合器具は、縫合糸取込通路を画定する縫合糸通し部材を有する。本方法は、ここに記述された本発明の実施形態に従ったカートリッジを使用し、縫合糸の末端を縫合器具の縫合糸取込通路に整列させるステップと、縫合糸ループを縫合器具に移動させるステップとを有する。
【0013】
さらなる広範な態様において、本発明の実施形態は、縫合糸を縫合器具に装填する方法を提供する。縫合器具は、その中に縫合糸取込通路を画定する縫合糸通し部材を有する。本方法は、ここに記述された本発明の実施形態に従って、カートリッジの中に縫合器具が前進し、それによって、カートリッジの座部を、縫合糸の一部分を縫合器具の縫合糸取込通路に整列させるために、自動的に動かすステップを有する。
【0014】
また、別の広範な態様において、本発明の実施形態は、縫合糸を縫合器具に装填する方法を提供する。縫合器具は、その中に縫合糸取込通路を画定する縫合糸通し部材を有する。本方法は、ここに記述された本発明の実施形態に従って、カートリッジの中に縫合器具を直線的に前進させるステップと;縫合糸の末端をカートリッジから、カートリッジの縫合糸移動部品を使って縫合器具の縫合糸取込通路の中に独立して移動させるステップとを有する。
【0015】
更に広範な態様において、本発明の実施形態は、椎間板の縫合方法を提供する。本方法は、ここに取り上げるように本発明の実施形態に従って、カートリッジを使って縫合糸を縫合器具に装填するステップと;縫合器具を使って少なくとも椎間板の一部分を介して縫合糸を通すステップとを有する。
【0016】
また、追加の広範な態様において、本発明の実施形態は、そこに欠損を持つ椎間板内の組織を縫合する方法を提供する。本方法は、ここに取り上げるように本発明の実施形態に従って、カートリッジを使ってユースポイントで縫合糸を縫合器具に装填するステップと;組織の欠損を実質的に接合するために、縫合器具を使って組織を介して縫合糸を通すステップとを有する。
【0017】
また、他の広範な態様において、本発明の実施形態は、縫合システムを提供する。この縫合システムは、組織取込ギャップを画定しそしてそこに縫合糸取込通路を画定する縫合糸通し部材を有する縫合器具と;カートリッジとを備え、カートリッジは、縫合糸部分を解放可能に保持するための基部と縫合糸部分をカートリッジから縫合糸取込通路へ独立して移動するために、基部に対して移動可能な縫合糸移動部品とを有する。
【0018】
また、もう一つの広範な態様において、本発明の実施形態は、そこに縫合糸が取り付けられたフェルールを縫合器具に装填する方法を提供する。本方法は、縫合器具がカートリッジ内に受け入れられるように、ここに取り上げる本発明の実施形態に従いカートリッジを縫合器具に接続するステップと;縫合器具によって画定されるフェルール取込通路内にフェルールを配置するため、縫合器具に対してカートリッジを軸方向に移動するステップとを有する。
【0019】
また、もう一つの広範な態様において、本発明の実施形態は、縫合システムを提供する。本縫合システムは、縫合糸通し部材を有する縫合器具と;縫合糸の末端を解放可能に保持しその周りに部分的にあらかじめ作られた結び目を接続するためのチャンバーを画定するためのカートリッジとを備え、チャンバーは、それを通して縫合器具を受け入れるように構成されており、カートリッジは、縫合糸末端を縫合糸通し部材に移動しそして部分的にあらかじめ作られた結び目を縫合器具に移動し、縫合糸通し部材は縫合糸通し部材の最初の始動で縫合糸末端を組織の近位側から組織の遠位側に通すように構成されている。
【0020】
また、更なる広範な態様において、本発明の実施形態は、縫合器具があらかじめ作られた結び目を形成できるように縫合糸を縫合器具に装填するためのカートリッジを提供する。カートリッジは、縫合器具を受け入れるためのチャンバーと、チャンバーは、縫合器具がチャンバーの中に前進する際に、そこに接続される縫合糸のループがチャンバーに移動することを支援し、縫合糸のループは、縫合器具からのループの配置の際にあらかじめ作られた結び目を形成するように構成され;縫合糸部分の縫合器具への移動を可能にするために、縫合糸の一部分を解放可能に保持するための座部と、縫合糸部分は、縫合器具からのループの配置の際に、あらかじめ作られた結び目のポストを画定する縫合糸の末端を有する。
【0021】
もう一つの広範な態様において、本発明の実施形態は、縫合糸を縫合糸通し器具に装填するためのカートリッジを提供する。カートリッジは、縫合糸の一部分を解除可能に保持する座部を有する基部と;基部に接続された筐体を有する。カートリッジは、縫合糸部分を縫合糸通し器具と整列させるために座部と筐体との間の相対運動が出来るように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0022】
発明が難なく理解されるように、発明の実施形態は添付の図面に例として図示される。
【0023】
図1Aは、本発明の実施形態に係るカートリッジの左側斜視図である。
【0024】
図1Bは、本発明の一実施形態に係るカートリッジの右側面図である。
【0025】
図1Cは、本発明の一実施形態に係るカートリッジと共に使用する外科用縫合器具の一部分の左側面図である。
【0026】
図1Dは、本発明の一実施形態に係るカートリッジと共に使用する外科用縫合器具の一部分の右側面図である。
【0027】
図1Eは、本発明の一実施形態に係るカートリッジと共に使用する外科用縫合器具の一部分の断面図である。
【0028】
図1Fは、本発明の一実施形態に係る外科用縫合器具に取り付けられたカートリッジの左側面図である。
【0029】
図2Aは、本発明の代わりの一実施形態に係るカートリッジの左側斜視図である。
【0030】
図2Bは、本発明の代わりの一実施形態に係るカートリッジ基部の底面図および背面図である。
【0031】
図2Cは、本発明の代わりの一実施形態に係るカートリッジ基部の断面図である。
【0032】
図2Dは、本発明の代わりの一実施形態に係る外科用縫合器具に取り付けられたカートリッジ付カートリッジ基部の部分断面図である。
【0033】
図2Eは、本発明の代わりの一実施形態に係る外科用縫合器具に取り付けられたカートリッジに付カートリッジ筐体の部分断面図である。
【0034】
図3Aは、本発明の一実施形態に係るカートリッジの左側面図である。
【0035】
図3Bは、本発明の一実施形態に係るカートリッジの右側面図である。
【0036】
図3Cは、本発明の一実施形態に係る外科用縫合器具に取り付けられたカートリッジの左側面図である。
【0037】
図3Dは、本発明の一実施形態に係る外科用縫合器具に取り付けられたカートリッジの部分断面図である。
【0038】
図3Eは、本発明の一実施形態に係るカートリッジの部分上面図である。
【0039】
図4Aは、本発明の代わりの一実施形態に係るカートリッジの断面図である。
【0040】
図4Bは、本発明の一実施形態に係るその中に部分的に前進した外科用縫合器具付カートリッジの断面図である。
【0041】
図4Cは、本発明の一実施形態に係るその中に前進した外科用縫合器具付カートリッジの断面図である。
【0042】
図5Aは、本発明の一実施形態に係るカートリッジの左側斜視図である。
【0043】
図5Bは、本発明の代わりの一実施形態に係るカートリッジの部分断面図である。
【0044】
図6Aは、本発明の一実施形態に係る外科用器具に取り付けるカートリッジの左側面図である。
【0045】
図6B-6Gは、本発明の一実施形態に係るカートリッジの断面と縫合糸を外科用器具に装填するためにそれを使う方法を示す図である。
【0046】
図6Hは、本発明の代わりの一実施形態に係るカートリッジと縫合糸を外科用器具に装填するためにそれを使う方法を示す図である。
【0047】
図6Iは、本発明の一実施形態に係るカートリッジの上面図である。
【0048】
図6Jは、本発明の代わりの一実施形態に係るカートリッジの上面図である。
【0049】
図7Aは、本発明の一実施形態に係る縫合器具に取り付けるカートリッジの左側面図である。
【0050】
図7Bは、本発明の一実施形態に係る縫合器具に取り付けるカートリッジの右側面図である。
【0051】
図7C-7Dは、本発明の一実施形態に係るカートリッジを使って縫合糸を外科用器具に装填する方法のステップを示す図である。
【0052】
図7Eは、本発明の方法の一実施形態に係る縫合器具に装着するカートリッジの断面図である。
【0053】
図7Fは、本発明の方法の一実施形態に係る使用中の縫合器具に装着するカートリッジの左側面図である。
【0054】
図7Gは、本発明の方法の一実施形態に係る外科用器具に縫合糸を装填するためのカートリッジの使用中のカートリッジそれ自体の前端面図である。
【0055】
図7Hは、本発明の方法の一実施形態に係る外科用器具に縫合糸を装填するためのカートリッジの使用中のカートリッジそれ自体の断面図である。
【0056】
図7I-7Jは、本発明の方法の一実施形態に係るカートリッジを使って縫合器具に装填する方法のステップを示す断面図である。
【0057】
図7Kは、本発明の方法の一実施形態に係る外科用器具に縫合糸を装填する使用中のカートリッジそれ自体の前端面図である。
【0058】
図7Lは、本発明の方法の一実施形態に係る外科用器具に縫合糸を装填する使用中のカートリッジそれ自体の断面図である。
【0059】
図7Mは、本発明の一実施形態に係る外科用器具に縫合糸を装填するために使用中のカートリッジの左側面図である。
【0060】
図7N-7Pは、本発明の一実施形態に係るカートリッジを使う外科用器具に縫合糸を装填する方法のステップを示す図である。
【0061】
図8Aは、本発明の更に他の実施形態に係るカートリッジの左側面図である。
【0062】
図8Bは、本発明の一実施形態に係るカートリッジの断面図である。
【0063】
図8Cは、本発明の一実施形態に係るカートリッジの底面図である。
【0064】
図8Dは、本発明の一実施形態に係る後端面図である。
【0065】
図8E-8Gは、本発明の一実施形態に係るカートリッジの断面と外科用器具に縫合糸を装填するためにそれを使う方法を示す図である。
【0066】
図9A-9Oは、本発明の代わりの一実施形態に係るカートリッジを示す図である。
【0067】
図10A-10Dは、本発明の一実施形態に係るカートリッジとそれを使う方法を示す図である。
【0068】
図11A-11Cは、本発明の一実施形態に係るカートリッジのインターロック仕組みを示す図である。
【0069】
図12A-12Bは、本発明の一実施形態に係るカートリッジのインターロック仕組みを示す図である。
【0070】
図13A-13Fは、本発明の一実施形態に係るカートリッジの縫合糸ロック仕組みを示す図である。
【0071】
図14A-14H(ii)は、本発明の代わりの一実施形態に係るカートリッジを示す図である。
【0072】
図15A(i)-15Fは、本発明の代わりの一実施形態に係るカートリッジとそれを使う方法を示す図である。
【0073】
図16A-16D(ii)は、本発明の代わりの一実施形態に係るカートリッジとそれを使う方法を示す図である。
【0074】
図17A-17Dは、本発明の代わりの一実施形態に係るカートリッジのノットスライダーとそれを使う方法を示す図である。
【0075】
図18A-18Cは、本発明の代わりの一実施形態に係るカートリッジの整列仕組みとそれを使う方法を示す図である。
【0076】
図19A-19Cは、本発明の代わりの一実施形態に係るカートリッジの整列仕組みとそれを使う方法を示す図である。
【0077】
図20A-20Dは、本発明の代わりの一実施形態に係るカートリッジの整列仕組みとそれを使う方法を示す図である。
【0078】
図21A-21Fは、本発明の代わりの一実施形態に係るカートリッジの整列仕組みとそれを使う方法を示す図である。
【0079】
図22A-22Cは、本発明の代わりの一実施形態に係るカートリッジの整列仕組みとそれを使う方法を示す図である。
【0080】
図23A-23Cは、本発明の代わりの一実施形態に係るカートリッジの整列仕組みとそれを使う方法を示す図である。
【0081】
図24A-24Cは、本発明の代わりの一実施形態に係るカートリッジの整列仕組みとそれを使う方法を示す図である。
【0082】
図25A-25Bは、本発明の代わりの一実施形態に係るカートリッジのマガジンとそれを使う方法を示す図である。
【0083】
図26A-26Bは、本発明の代わりの一実施形態に係る整列仕組みとそれを使う方法を示す図である。
【0084】
図27A-27Cは、本発明の代わりの一実施形態に係るニードルロックとそれを使う方法を示す図である。
【0085】
図28A-28Bは、本発明の代わりの一実施形態に係るニードルロックとそれを使う方法を示す図である。
【0086】
図29A-29Dは、本発明の代わりの一実施形態に係るニードルロックとそれを使う方法を示す図である。
【0087】
図30A-30Cは、本発明の代わりの一実施形態に係るニードルロックとそれを使う方法を示す図である。
【0088】
図31A-31Fは、本発明の多様な実施形態に係る縫合糸ロックの代わりの実施形態を示す図である。
【0089】
図32A-32Dは、本発明の多様な実施形態に係るカートリッジの解放仕組みの代わりの実施形態を示す図である。
【詳細な説明】
【0090】
ある医学介入手順においては、縫合器具は、欠損を修復するために組織を接合するよう、切れたり傷ついたりした組織の部位に縫合糸を通すために医師によって使われるかもしれない。そのような手順においては、ユースポイントで縫合糸を外科用縫合器具に装填する必要があるかもしれない。しかしながら、従来の装填方法を使って縫合糸を装填することが難しいかもしれない。なぜなら、ユーザーはいくつかのステップを踏む必要があるかもしれないし、ユーザーの手先の器用さ、集中力、それに、もし順序が違えば装置の機能停止に陥ることになる特定の操作の順序が要求されるかもしれないし、そして時間がかかるかもしれない。従って、ユースポイントで、使いやすく縫合糸が効率的な方法で装填される、縫合糸を縫合器具に装填するためのカートリッジを提供する技術の必要性がある。
【0091】
発明者は、いくつかの新しい器具の実施形態と、ユースポイントで縫合器具への縫合糸の装填を容易にする方法を発見しそして実行した。概して、本発明の実施形態に従い、カートリッジは、少なくとも部分的にカートリッジを通して、縫合器具の軸あるいは直線運動によって縫合器具への縫合糸の装填を可能にするように提供される。カートリッジは、縫合糸の装置への整列と移動を容易にする一つ以上の機構(feature)を更に有していてもよい。
【0092】
より具体的には、本発明のいくつかの実施形態は、縫合糸が装置とは別に提供される場合に、ユースポイントで外科用縫合器具のような医療器具に縫合糸を装填するために使用可能な縫合糸カートリッジを提供する。本発明のそのような実施形態において、カートリッジは、医師が軸あるいはフロントエンド装填手法を使う外科手術に先立ち、外科用縫合器具に縫合糸を装填することを可能にするように提供される。カートリッジは、縫合糸の一部分を保持するための座部を画定し、カートリッジの少なくとも一部を通して長手方向に延びる開口部を画定する。開口部は、外科用縫合器具の一部分がその中に保持される縫合糸の一部分を外科用縫合器具に整列させるために軸方向に受け入れられることを可能にする。このことは、座部の中に保持される縫合糸の一部分がカートリッジから外科用縫合器具へ直接移動することを可能にする。それは外科用縫合器具がそれで縫い合わせが出来るように、縫合糸の一部分が独立して移動することを可能にする。
【0093】
本発明のいくつかの実施形態では、カートリッジは、装置に縫合糸を移動あるいは装填することを容易にする、更に一つ以上の機構を有していてもよい。
【0094】
いくつかの実施形態では、カートリッジは更に、あらかじめ作られた結び目を外科用器具に取付けるための一つ以上の手段、カートリッジに挿入した際に縫合器具の位置を確保するための拘束部材、および縫合糸を移動可能座部のような縫合器具に整列させるための整列機構を備えている。そのようないくつかの実施形態において、カートリッジは、組織取込ギャップを画定する縫合器具と共に使用できるように提供される。そこでは、カートリッジは、座部の中に保持される縫合糸の部分が縫合器具の縫合糸通し部材との整列を容易にするように、組織取込ギャップの中に座部が位置するように構成されている。
【0095】
一つの特定の実施形態において、ツーピースカートリッジデザインを備えているカートリッジが提供される。そのカートリッジは、(i)縫合糸の一部分を保持し、そこに保持される縫合糸部分(例えば、縫合糸の末端)を外科用縫合器具と整列させるための座部を画定する基部と、(ii)それを介して外科用縫合器具を受け入れるためのチャンバーとを備えている。ここに概説される別の実施形態において、基部とチャンバーとはお互いに一体的に形成されてよいし、それによって一つの装置を形成してよい。いくつかの実施形態は、独立した縫合糸部分より、むしろ縫合糸をフェルールに接続して提供してよい。いくつかの実施形態において、座部は、筐体に関して、縫合糸と整列を可能にするために移動可能であってよい。他の実施形態において、座部は、基部に関して、縫合糸の部分が縫合器具に整列することを容易にするために、代替的にあるいは追加的に移動可能であってよい。
【0096】
ツーピースカートリッジデザインのいくつかの実施形態において、カートリッジは、チャンバーを画定する筐体を有し、そこで、チャンバーは、当該チャンバーを介して受け入れた外科用縫合器具に配置するための、それに接続された部分的にあらかじめ作られた結び目を有する。あらかじめ作られた結び目は縫合糸から作られ、カートリッジは、使用中に縫合器具にあらかじめ作られた結び目を取り付けることが可能である。ツーピースカートリッジデザインの他の実施形態において、少なくとも筐体の一部は、座部の中に保持される縫合糸部分あるいは筐体に接続されるあらかじめ作られた結び目を外科用縫合器具に能動的に移動するために、基部から分離可能である。部分的にあらかじめ作られた結び目を縫合器具に移動するために使われる筐体の一部分は、ノットスライダーと呼ばれるかもしれない、そして多くは、縫合手順で使用する縫合器具に取り付け可能であってよい。縫合糸は、筐体が動くとき、縫合糸の末端が座部から取り出されて縫合器具の中に入れられるために、縫合糸の特定の部分に沿って筐体に接続されていてもよい。いくつかのそのような実施形態において、筐体は、カートリッジの座部内に保持される縫合糸の末端を縫合器具の縫合糸通し部材へ移動するための縫合糸移動部品として機能する。
【0097】
カートリッジは、カートリッジから直接縫合器具に縫合糸を装填することを助けるための、更に一つ以上の機構を有していてもよい。例えば、いくつかの実施形態は、縫合糸を移動する前にカートリッジを装置に装填するとき、装置に対して縫合糸を整列させるために、基部の中で動くことが出来るマガジンを備えている。更に、いくつかの実施形態は、縫合糸の次の移動を容易にするために、カートリッジを縫合器具に取り付ける際、縫合糸が縫合器具との自動整列を可能にする仕組みを備えていてもよい。他の実施形態は、上述した整列と移動機構を一つ以上有していてもよい。これ以降に取り上げるそのような実施形態は、使用前に縫合糸を直接外科用縫合器具に装填するための手段を備えている。
【0098】
このように、本発明の実施形態は、例えば、ユースポイントで縫合糸を縫合器具に効率よく整列させることによって、縫合糸を縫合器具に装填するための縫合糸カートリッジを提供する。いくつかの実施形態において、カートリッジは更に、あらかじめ作られた結び目を縫合器具に装填する手段および縫合糸を縫合器具に移動する手段のうちの一つ以上を備えている。
【0099】
更に、これより以下に、縫合糸を縫合器具に装填する方法についていくつかの新しい実施形態を取り上げる。加えて、縫合糸を縫合器具に装填するカートリッジを含めて椎間板の組織縫合の方法についても同様に記述する。
【0100】
今、図面の詳細にわたる具体的な言及について、示された詳細は一例であり、単に本発明の特定の実施形態の実例となる議論の目的であることを強調する。発明の少なくとも一つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、以下の記述に示されあるいは図面の中に図示される構造の細部と部品の配置に限定されるものではないということを理解されねばならない。本発明は、他の実施形態が可能であり、また種々の方法で使われたり実行されたりすることが可能である。また、ここに使用されている表現法や専門語は記述の為であって限定するものではないということを理解されねばならない。
【0101】
本発明の実施形態に従い、縫合糸搬送カートリッジは、ユースポイントで縫合糸パサーのような外科用縫合器具を装填するために提供される(そこで、縫合器具はあらかじめ作られた結び目を必要とし、縫合糸通し部材を有する。そしてそこで、装填は、縫合糸を通し部材に装填すること、およびあらかじめ作られた結び目を外科用縫合器具に装填することとを含む)。縫合糸搬送カートリッジは(そこにあらかじめ作られた結び目が固定された)縫合糸パサーに接続され、縫合糸が縫合糸通し部材と整列するように縫合糸が動けるようにすることで、縫合糸通し部材への縫合糸の接続が可能である。
【0102】
図1Aは、本発明の実施形態に従ってカートリッジ100を更に示す。カートリッジ100は、縫合糸ループ(いくつかの実施形態では縫合糸500から作られ、および/または、縫合糸500に取り付けられたりしている)を有するあらかじめ作られた結び目502を縫合器具に装填することを含む、一本の縫合糸500を外科用縫合器具に装填するために提供される。示した具体的な実施形態において、縫合糸500は、外科用縫合器具900に装填するために、末端部504(結び目504’のような、縫合糸(あるいは縫合糸末端)504の)を画定してよい。
図1Bに示すように、あらかじめ作られた結び目502から出る縫合糸500は二本の縫合糸で終わる:縫合糸末端504に接続されるタグループ507で終わるサービスループ501、およびロッカー503である。いくつかの実施形態において、外科用縫合器具は、縫合糸通し部材がカートリッジ100から縫合糸500の末端部504を受け取るために、縫合糸通し部材がそこに縫合糸取込通路を画定するタイプである。
【0103】
図1Cと1Dに図示されている一つの例において、外科用縫合器具あるいは縫合器具900は、器具近位部分(あるいはシャフト)910とそこに首部940を介して接続される器具遠位部分920を有し、その間に組織取込ギャップ942を画定するタイプである。器具遠位部分920は、また遠位末端あるいは遠位先端920と呼ばれるかもしれない。
図1Eの断面図に示すように、縫合器具900は器具近位部分910の中に収納される中空針930’のような縫合糸通し部材930を有し、縫合糸通し部材930は縫合糸末端部504を受け入れるための縫合糸取込通路932を画定する。いくつかの実施形態において、縫合糸通し部材930は、例えば器具近位部分910と器具遠位部分920との間を交互に移動可能である。いくつかの実施形態において、縫合糸通し部材930の動作は、縫合糸端末部504をカートリッジ100から縫合器具900に移動する手助けをするかもしれない。特定の例において、縫合器具900は、PCT出願:PCT/IB2012/054204に示され記述されているタイプであり、それは全体的に参照されてここに組み入れられる。
【0104】
再度、
図1Aに示す具体的な実施形態を参照すると、カートリッジ100は縫合糸500を外科用縫合器具900に装填することを示している。本発明の一般的な実施形態に従い、カートリッジ100は外科用縫合器具900を受け入れるためにチャンバー10を画定する筐体10’を有する。カートリッジは更にチャンバー10に接続される基部120を有する。
【0105】
図1Aに示す特定の例において、チャンバー10は、あらかじめ作られた結び目502をチャンバー10の周りに確保する、あるいは取り付ける手段を有する。図示された実施形態において、あらかじめ作られた結び目502を確保する手段は、チャンバー10の周りにあらかじめ作られた結び目502を保持するためのマウント12を含む。より具体的には、マウント12は筐体10’の一部を形成していてもよい。更に、チャンバー10は、あらかじめ作られた結び目502がその上に配置されることが出来るように、縫合器具900の一部分を、あらかじめ作られた結び目502を介して受け入れ可能となるように通路を画定する。
【0106】
図1Aに示す具体的な実施形態において、基部120は、縫合糸500の末端504のように、縫合糸500の一部を解放可能に保持するための座部122を画定する。示される特定の例において、座部122は、縫合糸末端504を保持するための座部チャネル(凹部あるいは通路)124を画定する。より具体的には、カートリッジ100は、縫合糸500それ自体が、座部122によって直接保持されるように、縫合糸500の末端504を“直接保持する”ために座部122を指定する。
【0107】
本発明の広範な実施形態に従い、カートリッジ100は、座部122が縫合糸通し部材930の縫合糸取込通路932と整列させられ、いくつかの例では縫合糸通し部材930に隣接することが出来るように構築されている。いくつかの実施形態によれば、
図1Fに関して以下に取り上げるように、座部122は、縫合糸末端504を縫合糸取込通路932と整列させるために、チャンバー10および筐体10’に対して(基部120とともに)移動可能である。
【0108】
図1Aに示す本発明のいくつかの実施形態について、カートリッジ100は、座部122がニードル930’のような縫合糸通し部材930の縫合糸取込通路932と整列するのを手助けするために、縫合器具900の位置を当該カートリッジに対して相対的に拘束あるいは固定/ロックする整列機構を含んでいる。より具体的には、カートリッジ基部120は、座部122を縫合糸通し部材930の縫合糸取込通路932と整列させるために、座部122に対して相対的にチャンバー10を介して受け入れる縫合器具900の一部分を位置決めするための拘束部材25(拘束のための手段)を有する。いくつかの実施形態において、拘束部材は、ロック機構のように、カートリッジ100を縫合器具にロックする、あるいは留めるための手段として機能する。
図1Aに説明されている実施形態において、拘束部材25は、外科用縫合器具900の一部分を受け入れるために、ロッキング凹部125として機能する凹部を有する。
図1Fに示すように、ロッキング凹部125は、縫合器具900を受け入れ、カートリッジ100の基部120が縫合器具900に掛金がけされることを可能にする。つまり、基部120の中のロッキング凹部125は、外科用縫合器具900の一部分(首部940、および近位部分と遠位部分910、920の部分)を、基部120に対して外科用縫合器具900の位置をロックするために、基部120が縫合器具900の上記一部分の周りを圧入するように受け入れる。
【0109】
図1Aに示すように、カートリッジ100は、座部122に隣接して位置する整列凹部130という形での整列機構を更に有する。具体的な例では、
図1Fに示すように、整列凹部130は、縫合糸取込通路932を座部122と整列させるようにするために、縫合糸通し部材930がその中に進められることが可能なように大きさが設定されている。
図1Fに示すように、整列凹部130は、ニードル930’が座部122と整列することを更に手助けするために、ニードル930’のべベル面934と係合するべベル面134を有する。従って、具体的な実施形態においては、整列凹部130は、それが、縫合糸取込通路932が座部122の中に保持されている縫合糸末端部504に沿って配置されることが出来るようにするために遠位に進められるとき、ニードル930’のような縫合糸通し部材930の一部分を受け入れる。このことは、例えば、縫合糸末端504をカートリッジ100から縫合糸取込通路932の中に移動するために(縫合糸500の末端部504に接続されている)タグループ507が引っ張られることによって、縫合糸500が縫合器具900に装填されることを可能にする。整列凹部130は、縫合糸末端504が縫合糸通し部材930の内腔の中に移動されることを許容するために、座部122が縫合糸取込通路932に近づきかつ連絡するようにすることを可能にする。
【0110】
カートリッジは、縫合糸500をカートリッジ100から外科用縫合器具900へ移動するために、縫合糸500の操作を容易にするように縫合糸500の経路を定めることを手助けする機構を更に有していてもよい。なお、
図1Bと1Eで、いくつかの実施形態において、カートリッジ100の基部120は、縫合糸通し部材930の上に、あるいはその中に縫合糸500を装填するために、縫合糸500の操作を容易にするように縫合糸500の経路を定めるための座部122に連絡する基部チャネルあるいは基部スロット128を更に画定する。いくつかの実施形態において、一旦カートリッジ100が縫合器具900に装填されると、基部スロット128は縫合器具900の中(例えば、器具近位部分910の中)の長手方向の開口部928と整列されてよい。いくつかの実施形態において、縫合糸通し部材930はまた、それが基部スロット128と連絡するように、基部スロット128と整列できるスリット938を有していてもよい。このことは、縫合糸500がカートリッジ100を出るための場所を与えることによって、縫合糸500の縫合糸取込通路932の中への装填を容易にし、それで、例えば、縫合糸500が座部122から縫合糸通し部材930の中に移動できるように引っ張ることにより、縫合糸500が巧みに操作されてよい。
【0111】
いくつかの実施形態において、カートリッジ100はチャンバー10あるいは筐体10’と一体化して形成される基部120を有していてもよい。他の実施形態において、
図1Aに示すように、基部120は、分離可能カップリング50によって筐体10’に分離可能に接続されていてもよい。このことは、縫合糸末端504がカートリッジ100を使って縫合器具に装填された後で、基部120が筐体10’から分離されることを可能にしてもよい。筐体10’はそれから、縫合糸500を組織の部位の中に確保することを手助けするために、組織の部位(椎間板のような)に縫合糸を適用するために、縫合器具が使われた後で、あらかじめ作られた結び目502の配置が出来るように筐体10’とその上にあらかじめ作られた結び目502を近位に位置付けるように器具近位部分に沿って前進するかあるいはスライドしてもよい。
【0112】
そのようないくつかの実施形態において、
図1A及び1Bを今参照すると、基部120は、可撓チューブあるいはテザー152のような可撓カップリング150を介して筐体10’に間接的に接続されている。いくつかの例において、可撓チューブ152の第一の末端は、基部120と筐体10’のうちの一方に永久に固定されていてもよい。一方、可撓チューブ152の第二の末端は基部120と筐体10’のうちの他方に取り外し可能に取り付けられていてもよい。示した例において、可撓チューブ152の一つの末端は、基部スロット128内の基部120に永久に確保され、可撓チューブ152の第二の末端は、そこへ取り外し可能に取り付けられるように、筐体10’内の溝16内に受け入れられる。または、可撓チューブ152の両方の末端は、基部120と筐体10’のそれぞれに永久に固定されることが出来る。そして筐体10’から基部120の分離ができるように、力が加わることで可撓チューブ152を二つの部分へ分離可能にするために、筐体10’と可撓チューブ152とはブレイクラインを持って設計されていてもよい。他の例において、可撓カップリング150は可撓あるいはソフトヒンジを有していてもよい。または、以下に
図3A-3Dを参照して取り上げるように、基部120は、筐体10’に直接接続されていてもよい。
【0113】
いくつかの実施形態において、カートリッジ100は、
図1Bに示すように、縫合糸保管60のような、縫合糸500の全長を保管する手段を更に有していてもよい。縫合糸保管60は、縫合糸500の全長を保管するためのカートリッジ100内に、一つ以上のスプール160を有してよい。より具体的には、一つ以上のスプール160が筐体10’内に縫合糸500のサービスループ501とロッカー503を保管するために保持されていてもよい。一つ以上のスプール160は縫合器具900の装填中、および/または縫合器具900の使用中に縫合糸500がもつれることを防ぐ手助けをしてもよい。または、縫合糸500は、
図2Eを参照して以下に取り上げるように、縫合糸ペイアウトチューブ内に保持されていてもよい。
【0114】
再度、
図1Bを参照し、いくつかの実施形態において、カートリッジ100は、サービスループ501に加えられる力を最小限にする、あるいは防ぐ一方で、(縫合糸通し部材930の縫合糸取込通路932内の縫合糸末端504を移動させるために)縫合糸500のタグループ507が引っ張られることを可能にするために、縫合糸500の一部を押さえる縫合糸維持ピン165のような縫合糸維持部品65を有する。このことは、サービスループ501が縫合糸保管60から早まって引き出されることを防ぐ手助けをするかもしれない。図示された実施形態において、縫合糸維持ピン165は解放可能であり、それは筐体10’(それとチャンバー10)が、筐体10’を、その上に運ばれたあらかじめ作られた結び目502の配置のための位置に置くために、外科用縫合器具900の近位部分910に沿って基部120から独立して近くに進められることを可能にする。
【0115】
カートリッジの別の実施形態において、初めに
図2Aを参照すると、前の実施形態と同様にカートリッジ200が開示されていて、それはチャンバー10(筐体10’は
図1Aと1Bに関して前に示したタイプでよい)を画定する筐体10’に接続される基部220を有する。そして同様に、カートリッジは、座部222が、縫合糸500が縫合器具(
図1C-1Eに関して前述されたタイプの縫合器具900であってよい)に移動されることを可能にするために、縫合糸通し部材930の縫合糸取込通路932と整列し隣接することを可能にするように組み立てられている。更に、カートリッジ200は、縫合糸末端504を縫合糸取込通路932と整列させるために、チャンバー10(筐体10’)に対して移動可能である基部220を提供する。
【0116】
具体的には、再度
図2Aを参照すると、カートリッジ200は、可撓チューブ/テザー152を有する分離可能カップリング50によって筐体10’に接続されている基部220を有する。基部220は、
図2Cに示すように、縫合糸末端504を解放可能に保持し、あるいは維持するために座部222を画定する。図示した実施形態において、座部222が、カートリッジ200の器具取込凹部あるいは溝/チャネル225の中に延びている突起部230によって画定されている。より具体的には、突起部230は、縫合糸末端504が圧入される座部チャネル224を画定する空洞の内部を有する。特定の例として、縫合糸末端504は座部チャネル224に圧入することが出来る結び目504’である。
【0117】
図2Bと2Cを参照して、カートリッジ200は、(チャネル14を介して受け入れられる)縫合器具900の一部分を、座部を縫合糸通し部材930の縫合糸取込通路932と整列させるための座部222に対してチャンバー10内に位置づけるために、拘束部材25(拘束のための手段)を有する整列機構を有する。拘束部材25は、カートリッジ200が縫合器具900に接続されることを可能にする。
図2B-2Dに示す具体的な実施形態において、基部220は、ロッキング凹部225として機能する凹部225によって形成される拘束部材25有している。ロッキング凹部225は、基部がシャフト910の周りに圧入するように、圧入スライド係合中の縫合器具900のシャフト910のセクション911を受け入れる。一旦シャフトセクション911が受け入れられ、そしてロッキング凹部225内に位置付けられたら、縫合糸末端504がカートリッジ内の座部222から縫合糸取込通路932の中に移動することを可能にするために、カートリッジ基部220は、座部222を縫合器具900の縫合糸取込通路932と整列させるように、近位部分あるいはシャフト910に沿って近位にスライドされるかあるいは移動させられてもよい。
【0118】
図2Dに示すように、使用中に、一旦、縫合器具900の一部分がチャンバー10を介して/内に受け入れられると、カートリッジ基部220は、外科用縫合器具900に装着され、そして縫合糸末端504が縫合糸通し部材930の縫合糸取込通路932と整列し近づくようにするため、チャンバー10に対して近位に(座部222に沿って)移動可能である。
【0119】
いくつかの実施形態において、
図2Cと2Dに図示するように、突起部230の形の整列機構は、縫合糸取込通路932内で座部222が整列するよう更に手助けするように提供される。前に概説したように、カートリッジ基部220は座部222を画定する突起部230を有する。突起部230は器具取込凹部あるいはロッキング凹部225の中に延びている。一つのそのような実施形態において、突起部230は整列機構を形成する。より具体的には、突起部230は、それと共に係合されるとき、(ニードル930’のような)縫合糸通し部材930と接触する/に一致することが出来る。
図2Dに図示されている本実施形態において、カートリッジ200の基部220は、座部222を縫合糸取込通路932と整列させるために突起部230がニードル930’に接触するように、シャフト910に沿って近位にスライドさせることが出来る。より具体的には、突起部分232は、座部222が縫合糸取込通路932に整列するように、協力してニードル930’とかみ合わせ整列させるためにニードル930’に接触する。座部222は、縫合糸取込通路932と連絡する。
図2B-2Dに示す一つの具体的な例において、突起部230は、例えば、タグループ507を引っ張ることにより、座部222からニードル930’の縫合糸取込通路932の中へ縫合糸末端504の移動を可能にするため、ニードル930’を座部222と整列するためのニードル930’を合体させるために、ニードル930’のべベル面934との係合のためのべベル面234を画定する。また、カートリッジ200は、座部222を縫合器具900の縫合糸取込通路932と整列させるための整列機構として、シャフト910内に(
図1Eに示す)開口部955と係合することが出来るスナップを有していてもよい。
【0120】
代わりに、縫合糸末端504を座部222から縫合糸取込通路932の中に押し込むための押し込み機構のような能動的な仕組みが提供されてもよい。いくつかの実施形態において、上記仕組みは、縫合糸端末504を座部222から縫合糸取込通路932の中に押し込むように作動可能なプランジャーを有していてもよい。この具体例において、プランジャーは、縫合器具900が器具取込あるいはロッキング凹部225に対して遠位に進められるので、座部チャネル224の中に自動的に前進するようにしてもよい。プランジャーは、縫合糸末端504を座部222から縫合器具900の縫合糸取込凹部932の中に押し込むことが出来る。
【0121】
図2Eを今参照し、いくつかの実施形態において、カートリッジ200は縫合糸500の全長を保管する手段、言い換えれば一つ以上の縫合糸チューブあるいはペイアウトチューブ260の形での縫合糸保管60、を有する。より具体的には、(縫合糸500の全長から形成されるあらかじめ作られた結び目502から延びている)サービスループ501とロッカー503のそれぞれがペイアウトチューブ260内に保管される。ペイアウト260はカートリッジ200に接続されてもよいし、あるいはカートリッジ200の部品に接続されてもよい。図示した実施形態において、ペイアウトチューブ260は、カートリッジ200の筐体10’内に保持される。ペイアウトチューブ260は、カートリッジ200の外科用縫合糸器具への取り扱いあるいは装着の間、および/または患者の体内の組織の部位内に縫合糸500を通すために外科用縫合器具900を使用する間、縫合糸500のもつれを防ぐ手助けをするかもしれない。
【0122】
再度
図2Eを参照し、いくつかの実施形態において、カートリッジ200は、縫合糸保持ピン265のような縫合糸保持部品65を更に有する。保持ピン265は、タグループ507を有する縫合糸500の一部分を保持するためのものである。。それにより、タグループ507が、縫合糸末端504を座部222から縫合糸取込通路932の中に移動するために引っ張られるとき、サービスループ501に及ぼされる力が、この具体例において縫合糸500が、ペイアウトチューブ260を有する縫合糸保管場所60から引っ張り出されることを防ぐために、最小限にされる。
【0123】
図3A-3Dを今参照して、カートリッジ300の別の実施形態を説明する。前に取り上げた実施形態と同様に、カートリッジ300は、チャンバー10を画定する筐体10’(筐体10’は、
図1A及び1Bに関して前に示したタイプであってよい)に接続される基部320を含んで提供される。基部は、縫合糸末端504を解放可能に保持、あるいは維持するための座部322を画定する。この代わりの実施形態は、カートリッジが、座部322が縫合糸通し部材930の縫合糸取込通路932(縫合器具は、
図1C-1Eを参照して前に記述したタイプであってよい)と整列および隣接するように構成されている状態で、カートリッジ100、200と同じ機能を提供する。しかしながら、本実施形態は更に、座部322がチャンバー10(筐体10’)に対して移動可能であるように提供する。より具体的には、縫合糸端末504をカートリッジ100内の座部122から縫合糸取込通路932の中に移動することを可能にするために、縫合器具900の一部分がチャンバー10内の通路を通して受け入れられるとき、基部320(それが画定する座部322を含む)は、縫合糸末端504を縫合糸通し部材930の縫合糸取込通路932と整列させそして近位に運ぶために、チャンバー10に対して動かされてもよい。
【0124】
より具体的には、基部320は、移動可能な座部322の形で整列機構を含む。座部322は、それを縫合器具900の縫合糸取込凹部932と整列させるために移動可能である。より具体的には、マガジン321が座部322を画定することで、基部320は、基部320に接続されそして基部320内で相互に移動可能である移動可能なマガジン321を収容する。マガジン321とそれによって画定される座部322は、縫合糸末端504を縫合糸通し部材930の縫合糸取込通路932と整列させ、そして近位に運ぶために、チャンバー10に対して移動可能である。
図3Aに示す一つの具体例において、マガジン321は、座部322を外科用縫合器具900と整列させるために、基部320に対して下の方へ移動可能である。
【0125】
上に取り上げた実施形態と同様に、カートリッジ300は、座部322を縫合糸通し部材930の縫合糸取込通路932と整列させるために、座部322に対するチャンバー10を通して受け入れる縫合器具の一部分を位置決めするために、拘束部材25(拘束のための手段)の形で整列機構を有する。
図3A-3Cに示すように、拘束部材25はテールフック325を有する。
図3Eに更に詳細に示すように、テールフック325は、カートリッジ300の器具取込凹部325’の中に届く。テールフック325は、マガジン321を縫合器具900の組織取込ギヤップ942と整列させるために、縫合器具900の一部分と係合可能である。拘束部材25は、縫合器具900の一部分を受け入れる器具取込凹部、あるいはロッキング凹部325’を更に有する。
【0126】
図3Cに今具体的な参照をし、更なる詳細において、一旦、カートリッジ300が縫合器具900に装着されると、それは縫合器具900のシャフト910に沿って前進してよい。カートリッジが、縫合器具900のシャフトに沿ってスライドするにつれて、テールフック325は、マガジン321が組織取込ギャップ942と整列するように、カートリッジ300を拘束あるいは位置決めするために、外科用器具の近位部分あるいはシャフト910と係合する。このことは、マガジン321が、縫合糸末端504を縫合糸取込通路932と整列させるために、座部322の動きを許容する位置にあることを確実にするよう手助けするかもしれない。従って、マガジン321およびその中の座部322は、当該座部322を外科用縫合器具900の縫合糸取込通路932と整列させるために、組織取込ギャップ942の中に下方へ移動可能である。
【0127】
図3A、3C-3Dを今参照し、マガジン321は、座部322と連絡する整列凹部330の形で整列機構を画定する。一旦、マガジン321が
図3Cに示すその第一あるいは初期位置321Aから
図3Dに示すその第二位置321Bへ動かされると、整列凹部330は、縫合糸末端504が座部322から縫合糸通し部材930の縫合糸取込通路932へ移動出来るようにするために、縫合糸通し部材930と整列し、かつその中に縫合糸通し部材930を受け入れるために配置される。例えば、縫合糸通し部材930はニードル930’の形で、例えばトリガーの作動と同時に、整列凹部の中にそれから進められる。縫合糸末端504は、縫合糸500のタグループ507を引っ張ることによりそれから移動される。
【0128】
図3Aと3Bに示すように、いくつかの実施形態において、カートリッジ300は、縫合糸500をカートリッジ100から外科用縫合器具900へ移動させる上で、縫合糸の操作を容易にするための縫合糸の経路の設定を手助けするために、基部スロット328を有する。基部スロット328は、一旦マガジン321が縫合糸末端504を縫合糸取込通路932の中に装填できるように縫合器具900の組織取込ギャップ942内に配置されると、タグループ507が引っ張られることが出来るように縫合糸タグループ507のための出口点を提供する。
【0129】
再度
図3Aを参照して、基部320は、分離可能カップリング50を介して筐体10’に分離可能に接続されてもよい。そのようないくつかの実施形態において、基部320は筐体10’に直接接続される。
図3A-3Dに示すこの具体例において、基部320は、インターロックあるいはスナップ352を有する堅牢なカップリングによって筐体10’(チャンバー10)に分離可能に接続される。一つの例では、スナップ352は筐体10’内の開口部の中で受け入れることが出来るタブを有する。いくつかの例において、スナップ352は、組織取込ギャップ942内のマガジン321の動きと同時に、自動的に解除可能である。例えば、マガジン321は、組織取込ギャップ942に収まるとき、開口部からタブを解除してもよい。
【0130】
図3Dに示すように、基部320は、上部から基部320の取り外せるように基部320の下部301に沿って空きスロット(出口スロット)323を有する。スロット323は、基部320が取り外されるとき、器具900の妨害を取り除くように機能する。
【0131】
本発明の別の実施形態において、
図4A-4Dに示すように、カートリッジ400が開示される。カートリッジ300と同様に、カートリッジ400は、チャンバー10(筐体10’)に対して移動可能な座部422を備えている。更に、カートリッジ400は、自動的に移動可能な座部422を含んでいる。
【0132】
図4Aを今参照して、カートリッジ400は、筐体、例えば本明細書で上述したタイプの筐体10’、に接続されるカートリッジ基部420を有して開示されている。一つの例において、基部420は、筐体10’(チャンバー10)に分離可能に接続されていてもよい。基部420は、縫合糸末端504を解放可能に保持あるいは維持するために、座部422を画定するマガジン421を有する。より具体的には、マガジン421は、座部422を画定する突起部430を有する。具体例において、座部422は座部チャネル424を有し、縫合糸末端504は座部チャネル内に圧入される。
【0133】
図4A-4Cに示す実施形態において、カートリッジ400は、座部422が縫合糸取込通路932と整列することを可能にするために、縫合器具900が基部420内に位置することを可能にする器具取込凹部あるいはロッキング凹部425’を有する拘束部材25の形で整列機構を有する。更に、上記整列は移動可能な座部422を有する。マガジン421は、基部420の器具取込凹部425’内の外科用縫合器具900の前進の際に、自動的に移動可能であるバネバイアスインターロック421’を形成するバネ426に取り付けられている。インターロック421’の動作は、座部422を画定する突起部430の動きと言い換えられる。このように、座部422は、縫合糸を縫合糸取込通路932と整列させるために、縫合器具900の前進の際に移動可能である。
【0134】
より具体的には、
図4Bを参照すると、バネバイアスインターロック421’は、その初期位置421Aの中に示されている。
図4Cに示すように、インターロック421’は、器具取込通路425’内の縫合器具900の前進の際に、その第一あるいは初期位置421Aからその第二位置421Bの中に移動可能である。第二位置421Bの中へのインターロック421’の動きあるいは降下は、座部422が、縫合糸通し部材930及び縫合糸取込通路932と整列することを可能にする。より具体的には、インターロック421’は、縫合器具900がインターロック421’を自動的に動かすために前進すると同時に、器具900の遠位先端920により係合される(
図4A、4Bに示す)ランプ423を有する。例えば、ランプ423は遠位先端920のテーパー面によって係合される。結果として、(突起部430により画定される)座部422は、座部422(そしてそれが保持する縫合糸末端504)を外科用縫合器具900の縫合糸取込通路932と整列させるために自動的に移動可能であり、組織取込ギャップ942の中に下方に進む。言い換えれば、(マガジン421)と座部422は、カートリッジ基部420と外科用縫合器具900との間の相対運動の際に自動的に移動可能である。
【0135】
いくつかの実施形態において、座部422を縫合糸取込通路932と整列させる上で更に助けとなるように、追加の整列機構が備えられている。前に述べた通り、カートリッジ基部420は、座部422を画定する突起部430を有する。突起部430は、器具取込凹部425’の中に延びて、整列機構を画定する。突起部430は、縫合糸通し部材930に係合する際、ニードル930のような縫合糸通し部材930に接触する/と係合することが可能である。
図4Cに図示する本実施形態において、外科用縫合器具900が前進すると同時に、マガジン421は組織取込ギャップの中に、下方に動く。マガジン421、そしてそれが画定する突起部430と座部422は、いずれも縫合器具900に対して近位に動き、その結果、座部422を縫合糸取込通路932と整列させるように突起部430がニードル930’に接触する。より具体的には、突起部930は、座部422を縫合糸取込通路932と整列するように、ニードル930’と協力して係合および整列させるためにニードル930’に接触する。座部422は、縫合糸取込通路932と連絡するようになる。
図4B-4Cに示す具体例において、突起部430は、例えばタグループ507を引っ張ることにより、縫合糸末端504が座部222からニードル930’の縫合糸取込通路932の中へ移動することを可能にするために、ニードル930’を座部222と整列するようにニードル930’を合体させるために、ニードル930’のべベル面934と係合するためのべベル面434を画定する。あるいは、いくつかの実施形態において、縫合糸末端504は、例えばプランジャーを使って、座部422から縫合糸取込通路932の中に自動的に移動されてもよい。
【0136】
一つの特定の実施形態において、カートリッジ400は、縫合器具900および/または筐体10’(チャンバー10)からの、カートリッジ基部の自動切り離しが出来るような仕組みを有していてもよい。図示する実施形態において、一旦、縫合器具900がカートリッジ基部420から引き出されると、バネバイアスインターロック421’は、縫合器具900および/または筐体10’(チャンバー10)から基部420が分離されることを可能にするために、(
図4Cに示す)その第二位置421Bから(
図4Aに示す)その最初の位置421Aへ自動的に戻ることができる。
【0137】
本発明の追加された広範な実施形態に従い、カートリッジは、縫合糸が縫合器具の縫合糸取込通路に隣接して整列するように提供される。
図5Aと5Bに図示するように、カートリッジ500’は、縫合器具900がそれを通して受け入れられることを可能にするように、チャネル514を有するチャンバー510を画定する筐体510’に接続されている基部520を備えている。カートリッジ500’は、縫合糸末端504の端を解放可能に保持するための座部522を画定する突起部530を更に有する。カートリッジ200と同様に、カートリッジ500’は、座部522そしてそこに保持される縫合糸末端504が、縫合糸通し部材930の縫合糸取込通路932と整列することを可能にするように構成されている。カートリッジ500’は、座部322が縫合器具900の縫合糸取込通路932と整列することを手助けするための整列機構を更に有する。カートリッジ500’は、カートリッジ基部520が縫合器具900の組織取込ギャップ942の中に留められることが出来るように、基部520の下方に切抜516を更に有する。切抜516は、
図5Bに示すように、座部522を縫合糸通し部材930と整列させるための整列機構として機能する。カートリッジ基部520は、器具取込凹部あるいはロッキング凹部525’の形で整列機構を更に有する。加えて、突起部530がロッキング凹部525’の中に延び、そしてまた整列機構を形成する(突起部530は整列突起部530と呼ばれてもよい)。カートリッジ500’の使用方法は、以下に更に概説する。
【0138】
本発明の一つの広範な実施形態において、カートリッジは、縫合糸および/または縫合糸に接続されているフェルールを外科用縫合器具へ装着するための縫合器具へのカートリッジの軸装着が可能になるように提供される。そのようないくつかの実施形態において、カートリッジは、外科用縫合器具の前端部に装着出来るように提供される。他の実施形態において、カートリッジは、縫合器具の組織取込ギャップの中に下降出来て、縫合糸および/またはフェルールを装填するためのギャップ内に軸方向に前進出来る部品を有するように提供される。
【0139】
図6A-6Bに図示するように、本発明の実施形態の具体例に従い、フェルール70を外科用縫合器具900’に装填するために縫合糸装填器具(カートリッジ600)が提供される。
【0140】
縫合器具900’は、それらの間に組織取込ギャップ942を画定する首部940を介して器具近位部分あるいはシャフト910に接属する器具遠位部分920を有するタイプである。器具遠位部分920は、代替的に遠位末端あるいは遠位先端920と呼ばれてもよい。縫合器具900’は、器具遠位部分920内のフェルール取込通路933及びシャフト910内に保持される(ニードル931’のような)フェルール通し部材931を画定する。
【0141】
図6A-6Jに図示された実施形態に従い、カートリッジ600は、フェルール70を解放可能に保持するための座部622を画定する基部620を有する。
図6Bを具体的に参照して、いくつかの実施形態において、基部620は、キャップ620に取り付けられる中空ロック用リング620’を有する。キャップ621は、フェルール70をその上に取り付けるための座部622を画定するピンの形で突起部630を有する。特定の例において、ピンは、D字型の断面を有していてもよく、そしてフェルール70は、フェルール70が座部622に沿って回転出来るように、座部622にフェルール70が回転してカップリングできるための揃った断面形状を有する内腔を有していてもよい。示した例において、ロッキングリング620’はキャップ621と一体で形成される。あるいは、キャップ621は、回転カップリングを介してロッキングリング620’と接続されていてもよい。カートリッジは、チャンバー610の周りに取り付けられたあらかじめ作られた結び目502を保持するために、チャンバー610を画定する筐体610’を更に有する。あらかじめ作られた結び目502は、一方の端がフェルール70に収まった状態の縫合糸500で形成される。
【0142】
図6Bに示すいくつかの実施形態において、基部620は、分離可能カップリングを介して筐体610’に分離可能に接続される。いくつかの実施形態について、基部620は、回転カップリングを介して筐体610’に接続される。具体例において、基部620は、筐体610’を受け入れ、筐体610’を係合するためにロッキングリング620’を90度ほど右回りに回転することにより、筐体610’に回転可能にロックされる。このことは、筐体610’への基部620の回転ロッキングと移動ロッキングの両方を可能にする。別の例として、基部620は、スナップフィット配置を介して筐体610’に分離可能に接続されていてもよい。
【0143】
再度
図6Bを参照し、いくつかの実施形態において、カートリッジは、チャネル614を画定するチャンバー610を有する。チャネル614は、縫合器具900’が、縫合糸ループか、あるいは筐体610’(およびより具体的にはマウント612)上に取り付けられるあらかじめ作られた結び目520を通して位置するように、それを通過することを可能にする。更に、いくつかの例において、チャネル614は、また拘束するための手段(拘束部材)25であり、座部622を縫合器具900’のフェルール取込チャンバー933と整列させるために、座部622に対して(チャンバー610を通して受け入れられる)縫合器具900’の部分を配置させるための器具取込凹部あるいはロッキング凹部を形成する。
【0144】
いくつかの実施形態において、カートリッジ620のキャップ621は、座部622をフェルール取込通路933と整列させるために、それがチャンバー610を介して受け入れられた後で座部に対して縫合器具を配置するために、縫合器具900’が更に遠位に進むことを防ぐことによって拘束部材として機能する。
[
【0145】
前に述べたように、基部620は、取り付けられたフェルール70を有する座部622を画定する突起部630を有する。一つの具体例においては、突起部630は、ピンを有する。今
図6Bを参照して、いくつかの実施形態において、突起部630は整列機構を更に形成し、そしてチャネルあるいは器具取込凹部614の中に延びる。突起部630(およびその上に取り付けられたフェルール70)は、
図6Cに示すように、カートリッジ600に対し遠位に進むので、器具900’のフェルール取込通路933内に位置付け可能である。このように、突起部630は、座部622をフェルール取込通路933と整列させるために機能する。更に、座部622はまた、シャフト910内に保持されたニードル931’を有するフェルール通し部材931(の長軸)と整列する。
【0146】
いくつかの実施形態において、カートリッジ筐体610’は、
図6Iに示すように、縫合糸500がカートリッジ600’から外科用縫合器具900へ移動することを助けるため、縫合糸の操作を容易にするために、更にスロット628を有していてもよい。
図6Iは、基部620と筐体610’とが分離可能である具体的な実施形態において、スロット628を示している。一方、
図6Jは、基部620が筐体610’に接続されたままの別の実施形態において、スロット628を示している。
【0147】
本発明の別の実施形態において、カートリッジは、上述したように、外科用縫合器具900’のような外科用縫合器具にフェルールや縫合糸を取り付けるように開示されている。カートリッジは、カートリッジが縫合器具900’の組織取込ギャップ942の中で受け入れられることが出来ることによって、縫合器具の軸装着を可能にする。
【0148】
図7A及び7Bを今参照して、基部720に接続された筐体710’を有するカートリッジ700が開示されている。特定の例に示すように、基部720は、筐体610’と一体に形成されている。筐体710’は、そこにチャネルあるいは凹部714を画定するチャンバー710を画定する。基部720は、フェルール70を解放可能に保持するために突起部730の形で座部722を画定する。
図7Gに示す特定の例において、座部722はD字型の断面を持つピンを有する突起部730を備え、フェルール70はその二つの回転カップリングを可能にするために揃った内部プロファイルを持つ。
【0149】
図7Aに示すように、チャネルあるいは凹部714はチャネル切抜の形である。このことは、
図7Cに図示するように、カートリッジ700の座部722が組織取込ギャップ942の中に落とされることを可能にする。チャネルあるいは凹部714は、座部722に対してそれを通して受け入れられる外科用縫合器具900’を位置決めするための拘束部材として機能する。
図7D-7Eに示すように、このことは、座部722が、縫合器具900のフェルール取込通路933と整列することを可能にする。座部722はそれから、
図7F-7Iに示すように、縫合器具900の遠位末端920内にフェルール70を移動するために、軸方向に進むことが出来る。更に、カートリッジ700は、フェルール70をフェルール取込通路733内にロックするために、
図7F-7Iに示すようなその最初の位置700Aから、
図7J-7Mに示すような第二の位置700Bへ回転可能であってもよい。縫合糸の末端をそれに接続したフェルールを装着するためのカートリッジ700の使い方が、以下に更に取り上げられる。
【0150】
本発明の更なる代案に従い、
図8A-8Bに示すように、カートリッジ800が開示される。カートリッジ800は、(一つ以上のタブ80に接続されている)縫合糸500を外科用縫合器具900”に装填するために提供される。具体例において、縫合器具900”は、そこに縫合糸取込通路932を画定する中空針930’を有する縫合糸通し部材930である。この具体的な実施形態において、縫合糸取込通路は、代替的にタブ取込通路932’と呼ばれてもよい。示した特定の例において、縫合糸取込通路932は、そこにタブ80の挿入を可能にするには十分な幅である。
【0151】
再度
図8A-8Bを参照し、カートリッジ800は、一つ以上のタブ80を解放可能に保持するための座部822を画定する基部820を有する。示した具体例において、座部822は座部チャネル824を含む。タブ80は、座部チャネル814内に摩擦により係合して保持されていてもよい。タブ80は縫合糸500に接続されている。
【0152】
再度
図8A及び8Bを参照し、いくつかの実施形態において、カートリッジ800は、縫合器具900”を受け入れるためのチャンバーを画定する。示した特定の実施形態において、チャンバーは、座部822を縫合器具900”の縫合糸取込通路832と整列させるために、座部822に対して(チャンバーを介して受け入れられる)縫合器具900”(の一部)を位置決めするための拘束部材(拘束するための手段)として更に機能する器具取込チャネル825を画定する。いくつかの実施形態において、縫合糸通し部材930は、チャネル825内の摩擦による係合で収容される。基部は更に、(器具取込チャネル825の一部であってもよい)整列凹部830の形での整列機構を有する。整列凹部830は、二―ドル930’を座部822に整列させるためにニードル930’を受け取るための座部822に隣接して配置される。より具体的には、整列凹部830は、ニードル930’を座部822と整列させるためにニードル930’を合体させるためのニードル930’のべベル面934と係合するためのべベル面834を形成する座部822の端壁によって確定される。これは、タブ80とそこに接続される縫合糸が、座部822から縫合糸取込通路932の中に移動出来るようにする。
【0153】
更なる例において、基部820は、(器具取込チャネル925の一部であってよい)深さ止め空洞845のような縫合器具の深さ止め945と係合する機構を有していてもよい。深さ止め空洞845は、ニードル930’を座部822と更に整列させることを手助けする。より具体的には、深さ止め空洞845は、縫合糸500がカートリッジスロットあるいはスリット938から長手方向の開口部あるいはニードルスロット928へ移動することを可能にするために、ニードルのスロット928が(
図8Cに示すように)カートリッジ800のスロット938と整列するように、ニードル930’をカートリッジ800に回転して整列することを手助けする。
【0154】
いくつかの実施形態において、カートリッジ800は、縫合糸の経路を定めることを容易にする機構を更に有する。
図8Cと8Dに図示するように、カートリッジ800は、タブ80をカートリッジ800内の座部822から外科用縫合器具900”に移動させることを手助けするように、縫合糸500の操作を容易にするために、カートリッジ800の底壁に沿ってスロット828を有する。スロット828は、縫合糸500がニードル930’のスロット928の中に移動するためにスロット828の中で近位にスライドすることが出来るように、(縫合糸500と共に)タブ80がニードル930’の中に移動すると同時に、縫合糸500がスロット828内に配置されるためのクリアランス/空間を備えている。
【0155】
いくつかの実施形態において、
図8A-8Cに図示するように、カートリッジ800は、タブ80を座部822から縫合糸取込通路932の中に移動するための手段を更に有する。一例において、タブ80を座部822から縫合糸取込通路932の中へ押し込むためのプッシュ機構のような能動的な仕組みが備えられていてもよい。いくつかの実施形態において、その仕組みは、タブ80を座部822から縫合糸取込通路932の中に押し込むために作動させることが出来るプランジャー809を有する。このことの具体例において、プランジャーは、器具取込あるいはロッキング凹部225に対して縫合器具900”が遠位に進められると同時に、座部チャネル824の中に自動的に進められてもよい。プランジャーは、タブ80を座部822から縫合器具900”の縫合糸取込凹部932の中に押し込む。
【0156】
縫合糸を外科用縫合器具あるいは縫合糸パサーに装填するために、以下の実施例9及び10の中に概説するように、本発明のいくつかの実施形態に従い、二つのイベントあるいは働きが行われる必要がある:(1)カートリッジ内に保持される縫合糸部分の外科用縫合器具あるいは縫合糸パサー内の縫合糸取込機構との整列、および(2)縫合糸部分の縫合器具あるいは縫合糸パサー内の縫合糸取込機構の中への挿入。
【0157】
本発明の別の実施形態において、
図9A-9Iに示すように、カートリッジ1000が、外科用縫合器具、例えば、
図1Eを参照して先に上で取り上げた縫合器具900、に縫合糸を装填するために開示される。カートリッジ1000は、そこに縫合糸を運ぶと共に、外科用縫合器具900に縫合糸を移動させることが出来るように、カートリッジ1000内での縫合器具900の挿入と軸方向の前進の際に、縫合糸を縫合器具900に整列させるように機能する。そのようないくつかの実施形態において、カートリッジ1000は更に、縫合糸を縫合器具900に移動するように機能する。
【0158】
図9A及び9Bに示す具体例において、カートリッジ1000は、縫合糸を外科用縫合器具900に装填するために運ぶよう機能するように提供される。カートリッジは、外科用縫合器具900を軸方向に受け取るためのチャンバーを画定する筐体1010’を有する。更に、チャンバー1010は、縫合器具900を受け入れるチャンバー1010の一部である、凹部あるいはチャネルを含む。そのようにいくつかの実施形態において、ここに取り上げたように、チャネルは、チャネルあるいは凹部と呼ばれてよい。ここに取り上げる具体例において、チャンバー2010は、縫合器具を受け入れるためのチャネルを画定する。カートリッジは、縫合糸をそこに解放可能に保持するための座部を画定しそして縫合糸を縫合器具900の縫合糸通し部材930と整列させることが出来る筐体1010’に分離可能に接続された基部1020を更に有する。筐体1010’は、そこに縫合糸の一部分を確保する手段を更に有し、そして縫合糸をカートリッジから縫合器具900へ移動させるための縫合糸移動部品として機能するために基部1020から分離可能である。このように、いくつかの実施形態において、
図9Bに示すように、基部1020および筐体1010’は、縫合糸の装填を手助けするためにお互いに接続され、縫合糸の移動を手助けするためにそこから分離可能であってもよい、カートリッジ1000の別の部品を有する。他の実施形態において、筐体1010’は基部1020と一体に形成されていてもよい。いくつかの例において、基部1020は1020aと1020bの半分二つから形成されていてもよく、筐体もまた同様に1010’aと1010’bの半分二つから形成されていてもよい。筐体1010’および基部1020は、縫合糸移動部品を使い縫合糸がカートリッジ1000から縫合器具900へ移動しやすくするために、カートリッジ1000が縫合器具900へ装填される際に、縫合糸の整列を手助けする整列機構を共同で備えている。縫合糸を整列および移動させる上での基部1020と筐体1010’との細かな仕組みおよび操作については後述する。
【0159】
図9Cを今参照して、いくつかの実施形態において、カートリッジの筐体1010’は、それを通して縫合器具を受け入れるためのチャネル1014を有するチャンバー1010を画定する。いくつかの例において、チャネル1014は、傾斜内部端部1016’によって確定されるように、カートリッジ筐体1010’の内部に向かって細くなる近位開口部1016を有する。傾斜内部端部1016’は、縫合器具900をチャネル1014の中に案内するための導入部として機能する。チャネル1014は、筐体1010’を介して軸方向に延び、そして基部1020内に形成されている器具取込凹部あるいはロッキング凹部を画定する凹部1025に連絡している。いくつかの実施形態において、チャネル1014は、カートリッジ基部1020内の凹部1025と連続的に形成されていてもよい。チャネル1014は、縫合器具900が筐体1010’を介して基部1020の中へ進んでもよい開口部を画定する。チャネル1014と凹部1025は、縫合器具900が、それが進むときに長軸に沿って縫合器具900の位置を維持するためにそこでスライド係合で直線的にあるいは軸方向に進むことが出来るようにする一方で、カートリッジ1000内の縫合器具900の横方向および横断的な移動を束縛あるいは制限するための拘束部材25としてそれぞれ機能する。そのように、拘束部材25は、そこに確定される長手方向の通路に沿って、同様に縫合器具900の横断および横方向への動きを束縛あるいは制限する。このように、拘束部材25は、縫合器具900が基部1020によって画定された座部1022内に保持される縫合糸500の一部分と整列することを容易にする。より具体的には、チャネル1014と凹部1025は、縫合器具900がそこでスライド係合で前進することを可能にし、そして座部1022が、縫合糸通し部材の縫合糸取込通路932と整列することを可能にするためにカートリッジ1000に沿って進む際、直線の進路の中に縫合器具900を拘束するように更に機能する。
【0160】
従って、カートリッジ1000は、チャネル1014および凹部1025によって画定される器具取込凹部を有する拘束部材25の形で整列機構を有する。これらのチャネル1014と凹部1025は、縫合糸の一部を保持している座部1022が縫合器具900の縫合糸通し部材930と整列することが出来るように、縫合器具900が基部1020内に配置されることを可能にする。
【0161】
更に、
図9C、9Dおよび9Eに示すいくつかの実施形態において、基部内の凹部1025は、器具取込凹部を画定する器具取込溝1025aおよび縫合糸取込凹部を画定する縫合糸取込溝1025bの二つの溝から形成される。器具および縫合糸取込溝1025aと1025bはそれぞれ(同様に
図9Bに図示するように)基部1020の相対する半分1020aおよび1020b内に形成される。
図9Dを再度参照して、器具取込溝1025aは、縫合器具900がそこへ進むことを可能にするための拘束部材25として機能する軌道を備え、一方、縫合糸溝1025bは、
図9Eに更に図示するように、それが器具取込溝1025a内で受け入れることが出来る縫合器具900のシャフトあるいは近位部分910と隣接かつ沿っているように、座部内に保持された縫合糸の一部を、縫合糸500をそこに維持し/経路を定めることによって縫合器具900の縫合糸通し部材930の中に案内するための軌道を備えている。より具体的には、縫合器具が器具取込凹部1025b内に受け入れられる際、縫合糸500が、シャフト若しくは器具近位部分910内の溝928、あるいは(
図1Eに示す)ニードル930’のような縫合糸通し部材930内の溝938に隣接して保持されるように、縫合糸取込溝1025bは縫合糸が経路を定めることが出来るようにする。更に、
図9D及び10Aに示すように、溝1025bは、ロッカー凹部1027に、より広い開口部を提供することによって、縫合糸に過剰なテンションをかけることなく経路を定める場所を備えている。そのように、溝1025bは、入ると同時に、(以下で更に取り上げる)ロッカー1041の最終位置1041Bおよび初期位置1041Aの両方にロッカー凹部1027を収容する。そのように、縫合糸取込溝1025bは、カートリッジ1000を使用する間、前進する縫合器具900の邪魔にならない所に縫合糸500が維持されることを可能にする。更に、凹部溝1025bは、縫合糸が基部1020内の座部1022からニードル930’の中に移動することを更に容易にするために、縫合器具900内の溝928、938に沿っている。図示する実施形態において、器具取込溝と縫合糸取込溝の両方ともロッカー凹部1027の中に出る。
【0162】
図9Cを今参照して、本発明の実施形態において、カートリッジ1000は、移動可能な座部1022を有する整列機構を更に備えている。そのようないくつかの実施形態において、カートリッジ1000は、縫合糸を、カートリッジ1000内に受け入れ可能な外科用縫合器具900の一部分と整列させるように機能する基部1020によって画定されるマガジン1021を有する。マガジン1021は、縫合糸500の一部分を解放可能に保持、あるいは維持するために座部1022を画定する。より具体的には、座部1022は、示すように、縫合糸500の末端504を保持するよう構成されている。マガジン1021は、カートリッジ1000に対して移動可能であり、それで、そこに保持された縫合糸末端部504をカートリッジ1000の中で受け入れた外科用縫合器具900の一部分と整列させるために、移動可能座部1022を画定する。より詳しくは、
図9Cに示すように、座部1022は、基部1020に対して移動可能である。(あるいは、いくつかの実施形態において、例えば、基部1020が、一体型カートリッジ1000を形成する筐体1010’と一体化して形成されてよい実施形態において、座部1022は、筐体1010’によって画定されるチャンバー1010に対して移動可能であってもよい。)
【0163】
本発明のいくつかの実施形態において、特に
図9Cを参照して、座部1022は、カートリッジ1000内で縫合器具900の挿入の際に自動的に移動可能である。示した特定の例において、マガジン1021は、軸1042の周りを回転可能であるロッカー1041を有し、そして基部1020は、そこでロッカー1041の軸回転運動を可能にするためのロッカー凹部1027を画定する。図示する実施形態において、軸1042は、基部1020の軸支持開口部1023内に保持され、かつそこで自在に移動可能な(
図9Gに図示する)ロッカー1041の横方向延長ピン1043によって形成される。ロッカー1041は、座部1022とそこに保持される縫合糸末端504を、カートリッジ1000の中に挿入される前進する縫合器具900に整列させるために、(
図9Cに示す)その初期位置1041Aから(
図10C(i)に示す)その第二位置へと軸1042の周りを移動可能である。
【0164】
いくつかの実施形態において、ロッカー1041は、摩擦係合によってロッカー凹部1027内の初期位置1041Aに保持される。例えば、ロッカー1041は、基部1021内に形成される、隆起タブあるいは戻り止め(不図示)のような係合機構によってその初期位置1041Aにキープされてもよく、そしてロッカー凹部1027の中に延びあるいは突き出てもよい。タブは、輸送中および使用前に、ロッカーをその初期位置1041Aに維持するために、ロッカー1041の一部分と係合可能であってもよい。他の実施形態において、ロッカー1041は、バネ仕掛けの摩擦係合によってその初期位置1041Aに保持されてもよい。カートリッジが空のときは、摩擦力はロッカー1041をその初期位置1041Aに保持するのに十分かもしれないが、しかし縫合器具900と接触したら保持できないかもしれない。従って、ロッカー1041は、そこに保持された縫合糸の部分を縫合器具900の一部分に整列させるために、ロッカー1041がその第二位置1041Bの中に動くことを可能にするように、カートリッジ1000内の縫合器具900の前進の際に、基部1020との係合を解除してもよい。その第二位置1041Bにおいて、ロッカー1041は、ロッカー凹部1027によって画定された空洞の中に移動する。より具体的には、ここに画定されたように、ロッカー1041は、座部1022を縫合器具900と整列させるために、ロッカー凹部1027のロッカー空洞1027’の中に移動可能である。ロッカー空洞1027’は、カートリッジ1000を縫合器具900(
図9C)に装着する際に、縫合器具900の組織取込ギャップ942に相当するロッカー凹部1027の一部分として画定される。
【0165】
いくつかの実施形態において、縫合糸通し部材930がシャフト若しくは器具の近位部分またはシャフト910内に保持されるので、カートリッジは、座部1022を縫合器具900の一部分と整列させることを手助けする追加の機構を有していてもよい。一つのそのような例において、
図9Cを再度参照し、ロッカー1041は、縫合器具900が後位に進む際、それを受け入れるために設計された溝1044によって画定される器具取込凹部あるいはロッキング凹部を更に確定する。溝1044は、座部1022を縫合糸通し器具900と整列させることを手助けするために、座部1022に対して縫合器具900を望ましい位置に配置するための拘束部材として機能する。溝1044は、縫合器具900の中に縫合糸を装填することを許容するために、縫合器具900がカートリッジ1000の中に進むことを可能にしながら、ロッカー1041がその第二位置の中へ軸回転降下することを可能にする。(溝1044の操作は、装置の操作を図示する
図10A-10Dを参照して以下に取り上げる。)
図9H-9Iに更に示すように、溝1044は、縫合器具900の器具近位部分あるいはシャフト900を受け入れるための溝近位部分1046を有し、そして器具遠位部分あるいは先端920を受け入れるための溝遠位部分1048を更に有する。
【0166】
更に、ロッカー1041は、溝1044によって画定されるメジアン1047を有する。溝近位部分および溝遠位部分1048、1048は、座部が組織取込ギャップ942の中に引き下げられるように、座部1022を保持あるいは確定するように機能するメジアン1047によって分けられている。メジアン1047は、座部1022を保持し、かつ縫合器具900のニードル930’のような縫合糸通し部材と整列させることによって、整列機構として機能する。そのように、メジアン1047は、カートリッジ内に縫合器具を受け入れる際に、座部1022が組織取込ギャップに相当する空洞1027’の中へ下がることが出来るように座部を保持するよう機能する。
【0167】
更に、溝1044は、それの遠位末端に沿ってロッカー1041の溝遠位部分1048によって画定される内部べベル面1043の形で追加の整列機構を画定する。べベル1043は、座部1022とそこに保持された縫合糸を、縫合器具の縫合糸通し部材930に整列させることを可能にするために、縫合器具の遠位部分920に、ロッカー1041をその初期位置1041Aからその整列位置あるいは第二位置1041Bの中に軸回転出来るようにする。
【0168】
いくつかの実施形態において、ロッカー1041は、縫合糸末端504の整列とその縫合糸通し部材930の中への移動を手助けするために、溝1044内の(
図9Iと9Lに示すように)スロット1049の形でもう一つの整列機構を更に確定する。スロット1049は、ロッカー1044の壁1044’内に形成されるスリットあるいはチャネル1049aを有し、そして縫合糸が座部を出る際にそこを通って経路を定めるために、壁1044’の基部に沿って横断するように延びる。スリットあるいはチャネル1049aは、基部1020の縫合糸取込溝1025b(
図9D)内の縫合糸500の経路定めを手助けし、縫合糸をシャフトの中の縫合糸取込スロット928と整列させるために、縫合糸500がロッカー1041内の座部1022を出ると同時に、それを押さえるように機能する。スリットあるいはチャネル1049は、ロッカー1041の外壁内に画定される切抜部分の中にある。切抜は、縫合糸500が基部1020の縫合糸取込溝1025bの中に案内されるように、そこを通って経路を定めることが出来るように、空間を画定するサイドスロット1049bを画定する。スリットあるいは溝1049aは、基部の縫合糸取込溝1025b内の側面に縫合糸を保持するためにロッカーサイドスロット1049bに連絡している。このことは、縫合糸が、カートリッジ基部1020内の縫合器具の前進の間、縫合器具900の側面に保持されることを可能にする。
【0169】
図9J及び9Kに示す一つの具体例において、座部1022は、マガジン1021の中、具体的にはロッカー1044の中に収容されている突起部1030によって画定される。一つの具体的な実施形態において、メジアン1047は、座部1022を画定する突起部1030を受け入れかつ維持するために、軸方向に延びるチャネルあるいは開口部をそこに有する。いくつかの実施形態において、突起部は、チャネルあるいは開口部内に圧入されてもよい。他の実施形態において、それは接着剤を使ってメジアンに接続されてもよい。他の実施形態において、座部1022を画定する突起部1030は、ロッカーの一部として一つのピースで形成されていてもよい。突起部1030は、座部チャネル1024を形成する空洞の内部を画定し、そして縫合糸末端504が座部チャネル1024内に、そこに保持されるように圧入される。そのように、突起部1030は、座部1022を、シャフト910内のニードル930’のような、縫合糸通し部材930の縫合糸取込通路932に整列させることを更に手助けする整列機構を形成する。
図9M及び10Dに示すように、突起部1030は、溝1044によって画定された器具取込凹部の中に延びている。より具体的には、突起部1030は、それとともに係合されたとき、(ニードル930’のような)縫合糸通し部材930に接触/係合することが可能である。一つの具体例において、突起部1030は、縫合糸末端504が座部1022からニードル930’の縫合糸取込通路932の中に移動することを許容するために、座部1022をニードル930’に整列させるようにニードル930’を合体するために、ニードル930’のべベル面934と係合するためのべベル面1034を画定する。一つの具体例において、突起部1030は、座部1022がニードル930’と整列することを容易にするために、器具近位部分あるいはシャフト910の中に受け入れ可能である。
【0170】
そのようないくつかの実施形態において、
図9Kに示すように、ロッカー1041は、座部1022の整列を手助けする整列機構を有する。一つのそのような例において、突起部1030は、突起部1030がシャフト910内に受け入れられるとき、器具近位部分あるいはシャフト910の内部をニードル930’と摩擦係合するように構成される突起部1030の外部に、隆起部1045aの形でインターフェアレンス機構を有する。追加の実施形態において、
図9K及び9Mに示すように、ロッカー1041、カートリッジ1000もまた、縫合糸が座部1022を出ることが出来るための縫合糸溝あるいはスロットを画定する。そのようないくつかの実施形態において、ロッカー1041は、縫合糸が座部1022を出ることを可能にするために、座部1022に連絡している縫合糸スロットを画定する。示した具体例において、ロッカー1041は、座部1022をニードル930’と整列させるために、近位溝部分1046内にそれが受け取られるとすぐに、器具近位部分あるいはシャフト910の外部を摩擦で係合するために、近位溝部分1046の内部に沿って更なる隆起部1045bを有する。これは、縫合器具900を装着する間ニードル930’がシャフト910内にとどまることから、カートリッジ1000のニードルイン構成と呼ばれてもよい。
【0171】
いくつかの実施形態において、突起部1030は、ニードル930’内の縫合糸取込通路932と縫合糸末端504の整列を可能にするために、縫合糸500がそこから出られるように、そこに縫合糸スロット1038を画定する。より具体的には、縫合糸スロット1038は、縫合糸がニードルスロット928及びシャフトスロット938と整列するように、縫合糸が座部1022を出るとすぐにそれを介して経路を定めることが出来るようにする。これは、カートリッジ1000の縫合糸移動部品を使って、ニードル930の縫合糸取込通路932の中に縫合糸末端を移動することを容易にする。一旦、縫合糸が縫合糸スロット1038を出ると、縫合糸がロッカーの側面に保持されるようにするために、ロッカー1041のスロット1049を通るように経路が定められる。それにより、縫合器具900がカートリッジ1000の中に進むにつれ、縫合糸は当該縫合器具900の通路の側面に離れる。
【0172】
本発明の別の実施形態において、
図9L及び9Nに示すように、マガジン、例えばロッカー1041は、そこに縫合糸を保持するために、座部に隣接して位置する整列凹部1030’を有する。そのようないくつかの実施形態において、ロッカー1041は、縫合糸端末504をそこに摩擦係合で保持するために、座部1022’を形成する座部凹部か、座部チャネルのような開口/空間を画定する。整列凹部1030’は、座部1022’に隣接して位置し、そして縫合糸通し部材930に沿う。整列凹部1030’は、縫合糸末端504が座部1022’から縫合糸通し部材930の縫合糸取込通路932に移動することを可能にするために、そこに(ニードル930’のような)縫合糸通し部材930を受け入れるように構成されている。カートリッジ1000の本構成は、
図9Nに示すように、カートリッジ1000を縫合器具900に装着する間、ニードル930’が、部分的に延びた位置に維持されるため、ニードルアウト構成とよばれてもよい。言い換えれば、ニードル930の遠位部分は、縫合器具へのカートリッジ1000の装着のときに、縫合器具のシャフト910の外側遠くに延びる。例えば、ニードル930’のような縫合糸通し部材930は、そこに縫合糸を装填するために、ニードル930’が整列凹部1030’の中に受け入れられることが出来るように、部分的に延びた位置に保持される。いくつかの実施形態において、ニードルロックは、縫合器具900の器具近位部分あるいはシャフト910に沿って取り付けられ、そして縫合器具900へのカートリッジ1000の装着の間、ニードル930’を部分的に延びた位置に維持するために、ロックされた位置にあるニードル930’内の開口部935と係合可能であるように備えられる。ニードルロックは、ニードル930’が縫合器具900の使用前に、その名目上の位置(nominal position)に引っ込むことが出来るように、その後は解除されてもよい。
【0173】
一つの具体例において、
図9oに示すように、ニードルロックは、カム筐体939’内のカム939を有するカムロック937を有している。そのロック位置937Aにおいて、示すように、カムは、ニードル930’が器具近位部分あるいはシャフト910の中に引っ込むことを防いでいる、ニードル930’の開口部935に係合される。そのように、カム939は、縫合糸末端が整列しかつ座部1022’からニードル930’の中に移動することを容易にしながら、ニードル930’がカートリッジ1000の整列凹部1030’の中に受け入れられることを可能にするために、ニードル930’がその部分的に延びた位置に留まることを可能にする。カム939は、ニードル930’がシャフトあるいは器具近位部分910の中に引っ込むアンロック位置にカムロック937を動かし、その後はニードル開口部935から解放される。いくつかの例において、カートリッジ1000の部品、例えばカートリッジ筐体1010’の部品は、ニードルがその未作動の/名目上の位置に動くことを可能にするように、カムロックをアンロック位置に動かしながらカムロックを解放するために、シャフト910の器具近位部分に沿って近位に移動可能であってよい。
【0174】
そのようないくつかの実施形態において、
図9Lに示すように、ロッカー1041は座部1022’の整列を手助けするための更なる整列機構を有する。一つのそのような例において、座部1022’に隣接する整列凹部1030’は、ニードル930’が整列凹部1030’に前進するとき、縫合器具900のニードル930’の外部を摩擦係合するためのインターフェアレンス機構を有する。より具体的には、カートリッジ1000は、整列凹部1030’を画定する壁の内面上に隆起部1045aの形でインターフェアレンス機構を有する。隆起部1045aは、整列凹部1030’の壁の内面に沿って近位に延び、ニードル930’が整列凹部1030’の中に受け入れられるとき、ニードル930’の外部を摩擦係合するように構成される。前に上に概説した
図9kに図示した実施形態のように、
図9Lに示すロッカー1041はまた、座部1022をニードル930’と整列させるために、一旦それが近位溝部分1046内に受け入れられると、器具近位部分あるいはシャフト910の外部を摩擦係合するために、近位溝部分1046の内部に沿って更なる隆起部1045bを有する。これは、カートリッジ1000を縫合器具900に装着する間、ニードル930’が、シャフト910の遠位末端の外に部分的に延びたままになるため、カートリッジ1000のニードルアウト構成とよばれてもよい。
【0175】
いくつかの実施形態において、
図9Lに示すように、カートリッジ1000は、縫合糸が座部1022を出ることが出来るように縫合糸溝あるいはスロットを画定する。そのようないくつかの実施形態において、ロッカー1041は、縫合糸が座部1022を出ることが出来るようにするために、座部1022と連絡する縫合糸スロットを画定する。
図9Lに示す具体例において、整列凹部1030’は、縫合糸末端504がニードル930’内の縫合糸取込通路932と整列することを可能にするために、縫合糸500がそこから出ることが出来るように、そこに縫合糸スロット1038’を画定する。より具体的には、縫合糸スロット1038’は、縫合糸がニードルスロット928およびシャフト938に整列するように、縫合糸が座部1022を出るとすぐにそれを通って経路が定められることを可能にする。これは、カートリッジ1000の縫合糸移動部品を使って、ニードル930の縫合糸取込通路932の中への、縫合糸末端の移動を容易にする。一旦縫合糸が縫合糸スロット1038’を出ると、縫合糸がロッカーの側部に保持されるようにするために、ロッカー1041のスロット1049を通るように経路が定められる。それにより、縫合器具900がカートリッジ1000の中に進むとき、縫合糸は当該縫合器具900の通路の側部に離れる。
【0176】
本発明のいくつかの実施形態において、ロッカー1041は更に、縫合器具900と係合するために(9Mに示す)干渉タブ(interference tabs)1048xを有し、それは、ロッカー1041がシャフト910に沿って前進することを可能にするために、ロッカー1041が縫合器具900の器具近位部分あるいはシャフト910と整列することを確実にするために、ロッカー1041が過剰に回転することが出来るようにする。言い換えれば、干渉タブ1048xは、シャフト910がロッカー溝近位部分1046内で受け取られることを確実にすることによって、座部1022が縫合器具900と隣接して配置されることが可能になるように、ロッカー1041を十分に回転させるようにしてもよい。例えば、座部1022が突起部1030によって画定される場合、干渉タブは、突起部1030が器具シャフト910の中に受け入れられることが出来るように、ロッカー1041を十分に回転することを可能にする。一方、座部1022が(
図9Nを参照して前に取り上げた)整列凹部に隣接して位置決めされる場合、干渉タブは、それに隣接する整列凹部と座部1022が両方ともニードル930’に整列するように、ロッカー1041が十分に回転することを可能にする。
【0177】
ここで前に概説したように、
図9A-9Cを参照して、本発明のいくつかの実施形態は、縫合器具900にカートリッジ1000を装填する際に、基部1020と筐体1010’が単一ユニットとして作動することが出来るようにするために、基部1020が筐体1010’に分離可能に接続されるように、基部1020を画定する。そこでは、基部1020および筐体1010’の両者は、縫合糸末端504のような縫合糸500の一部分が縫合糸通し部材930と整列することを手助けするための機構を備えている。そのようないくつかの実施形態において、筐体1010’は、縫合糸の一部分を摩擦係合する手段を有し、縫合糸部分を縫合糸通し部材の中に移動するために、当該縫合糸部分が縫合糸通し部材930と整列した後で、基部1020から分離可能である。更に以下で取り上げるように、一つのそのような例において、縫合糸の一部分を摩擦係合する手段は縫合糸ロックを有している。
【0178】
そのように、カートリッジ筐体1010’は、縫合糸末端を縫合糸通し部材930の中に移動するために、縫合糸移動部品1011を画定する。-ここに示し取り上げる一つの実施形態において、縫合糸移動部品1011は、座部1022内に保持される縫合糸末端504のような縫合糸部分を移動するために、摩擦係合で保持される縫合糸の部分を縫合器具900の方に引っ張るように動作する。そのように、カートリッジ1000は、以下に概説する方法で更に取り上げるように、引く仕組みを形成あるいは画定する縫合糸移動部品1011を有する。引く仕組みは、縫合糸部分を座部から縫合器具に移動するために、縫合糸末端のような縫合糸部分に対して牽引力を加えあるいは適用させることを可能にするカートリッジの仕組みとして画定される。いくつかの実施形態において、筐体1010’は、筐体1010’の周りに取り付けられた部分的にあらかじめ作られた結び目を形成する縫合糸ループを更に有していてもよい。更に、いくつかの実施形態において、筐体1010’は、余った縫合糸を収容する手段を備えていてもよい。一つの例において、余った縫合糸は、筐体1010’によって運ばれるスプールに供給されてもよい。
【0179】
本発明のいくつかの実施形態において、
図9B、9Cそれと9Gに示すように、カートリッジ基部1020は、インターロックを介してカートリッジ筐体1010’に分離可能に接続される。示した具体例において、縫合糸移動部品1011を画定するカートリッジ筐体1010’は、インターロック1050を有する。縫合器具900へのカートリッジ1000の装着の際に、インターロック1050は、座部1022が縫合糸通し部材930と整列するまで、カートリッジ1000を単一の機能ユニットとして作動させるように基部1020を筐体1010’(及び縫合糸移動部品)に固定する。インターロック1050はそれから、縫合糸移動部品1011を画定する筐体1010’が、縫合糸末端504を座部1022から縫合器具900の縫合糸通し部材930の中に移動するために、縫合器具900に沿って独立して移動することが出来るように、解放されていてもよい。
図11A-11Cは、インターロック1050のインターロックアーム1056が基部のロッキングアーム1026に軸方向に整列している状態で、その初期ロック位置1050Aにあるインターロック1050を図示する。インターロックアーム1056は、基部1020(及び基部1020の軸方向の移動をブロックするようなもの)のロッキングアーム1026の軸方向の移動をブロックすることによって、カートリッジユニット1000を形成している基部1020に対して筐体1010’の動きを止める。インターロック1050の機能は、
図11A-12Bにて、以下に取り上げる。インターロック1050は、筐体1010’が基部1020から解放されることが出来るように、そのアンロック位置1050Bの中に移動可能である。いくつかの実施形態において、インターロック1050は、座部1022が縫合糸通し部材930と整列する際に、手動で筐体1010’(及びそれによって画定される縫合糸移動部品1011)を基部1020から解放するために、アンロック位置1050Bの中へ移動可能である手動インターロックを有する。
【0180】
更に、筐体1010’によって画定される縫合糸移動部品は、筐体1010’が基部の座部1022内に保持される縫合糸末端504を縫合糸通し部材930に移動出来るように筐体1010’がそれとともに縫合糸500を動かすことを可能にするために、縫合糸500の一部分を筐体1010’と摩擦係合で保持するための手段を有する。
図9C及び9Gに示す実施形態において、縫合糸の一部分は、筐体が縫合糸(例えば、筐体内に摩擦係合で保持される縫合糸の部分、例えば縫合糸ロックによって)にテンションを加えることによって縫合糸末端504を座部1022から縫合糸通し部材930の中に引っ張ることが出来るように、そこに縫合糸500を確保するために、縫合糸ロック1060と摩擦係合で保持される。
【0181】
より具体的には、示した実施形態において、縫合糸500は、カートリッジ1000内に保持され、縫合糸500は、座部スロット1038を出る際に、座部1022内の縫合糸末端504から伝送され、そこを通って伝送されるためにロッカーのスロット1049に入る。より具体的には、いくつかの例において、縫合糸は、圧力ばめ係合でそこに保持されるように、スリットあるいはチャネル1049の中に通されかつ締め付けられる。縫合糸500はそれから、ロッカー1041(
図9J及び9L)の外面のサイドスロット1049bに入る。縫合糸500は、ロッカー1041を出てロッカー凹部1027の中に入り、そして凹部溝1025a(
図9D)を介して挿入されるように、縫合糸500が隣接する凹部溝1025b内および縫合器具900の通路から離れて維持されることを可能にする基部1020内の凹部溝1025bを介して伝送される。縫合糸はそれから、インターロック内の開口部1051を介して伝送され、そして縫合糸ロック1060と係合するために縫合糸チャネル1061の中に案内される。一つの特定の実施形態において、
図13A-13Eに示すように、縫合糸ロック1060は、輪郭または尾根と谷を画定する突起部あるいは歯1064を有し、それらは筐体1010’の縫合糸ロック係合部品1062内に突起部あるいは歯1064の形で、対応する機構と係合する。縫合糸500は、筐体1010’の縫合糸ロック係合部品1062を介して伝送され、そして縫合糸ロック1060は、二つの間の縫合糸を押し付けながら縫合糸ロック係合部品1062と係合するように圧入され、そしてそのように縫合糸を筐体1010’に接続する。
図13Bと13Eは、初期ロック構造1060Aにあるロックを示す。ロック1060は、縫合糸の末端のような縫合糸部分が縫合器具900の中に装填されるまで、そのロック構成のままである。その後は、
図13D及び13Fに示すように、縫合糸500が筐体1010’から解放されるように、その第二あるいはアンロック構成の中に移動可能である。
【0182】
いくつかの実施形態において、上の例9で取り上げたように、縫合器具900の動作は、カートリッジ1000に対して相対運動であってもよい。言い換えれば、ユーザーは、縫合糸を縫合器具900に装填するために、カートリッジ1000に対して縫合器具900の相対的前進をさせるために縫合器具がユーザーによって保持されながら、カートリッジ1000を軸方向に縫合器具900の上を近位方向に動かしてもよい。これは、ポンプアクションを使った縫合糸装填と呼ばれてもよい。そのように、縫合糸装填の仕組みは、上に取り上げたままでよいが、その動作は、縫合器具の上のカートリッジの近位動作またはカートリッジ内の縫合器具の遠位動作のどちらかでなされていてもよい。
【0183】
ここに取り上げる本発明のいくつかの実施形態において、カートリッジは、縫合器具に対するカートリッジの単一直線運動の際、縫合糸を整列しかつ移動するように構成されている。いくつかのそのような実施形態において、インターロック1050は、筐体1010’が近位に引っ張り続けられるとき、縫合糸末端504が縫合糸通し部材の中に自動的に移動可能にするため、座部内の縫合糸末端が縫合糸通し部材に整列する際に、自動的に解放されるようにしてもよい。更に、縫合糸ロック1060は、縫合糸末端が座部1022から縫合糸通し部材930の中に移動する際に、自動的に解放されるようにしてもよい。それにより縫合器具が、それとともに縫い合わせるために縫合糸を通過させることが出来るようになる。そのようないくつかの実施形態において、カートリッジは、縫合器具900に単一直線運動で装着される。そのようないくつかの実施形態において、縫合器具へのカートリッジの単一直線相対運動と、その後の、例えばその中に保持されたあらかじめ作られた結び目を縫合器具に取り付けるために、筐体を縫合器具に接続されたままで、(例えば装填方向とは反対方向に直線運動によって)基部1020の除去を伴いながら単一のポンプアクションが使われる。
【0184】
本発明の別の実施形態において、
図14A-14C(i)に示すように、カートリッジ2000が、縫合糸を、例えば
図1D及び1Eを参照して、前にこの上で取り上げた縫合器具900のような、外科用縫合器具に装填するために開示される。前にこの上で取り上げた実施形態と同様に、カートリッジ2000は、そこに縫合糸を運び、ユースポイントで、縫合糸が例えば外科用縫合器具900に装填されることを可能にする。カートリッジ2000は、カートリッジ2000内の縫合器具900の挿入および相対的軸方向の前進に際し、縫合糸を縫合器具900に整列させるように機能し、そして更に縫合糸を外科用縫合器具900に移動するように機能する。いくつかのそのような実施形態においては、縫合器具900がカートリッジ2000の中に遠位に進むか、またはカートリッジ2000が縫合器具の上を近位に引っ張られるかのいずれかである。ここに取り上げるように、これらの技術のどちらでも、縫合糸を縫合器具900に装填するために、カートリッジ2000と縫合器具900との間の相対的軸方向の運動を作り出すために、ここに取り上げる機能を提供するために利用されてもよい。これはまた、ここの上の例9に取り上げる実施形態にも適用できる。いくつかのそのような実施形態において、カートリッジ2000は更に、そこにあらかじめ作られた結び目を供給し、かつあらかじめ作られた結び目が縫合器具900に装填出来るようにする。いくつかの実施形態において、あらかじめ作られた結び目は、あらかじめ作られた結び目を実質的に形成するループを有していてもよい。言い換えれば、あらかじめ作られた結び目は、部分的にあらかじめ作られた結び目を有する。そのようないくつかの実施形態において、部分的にあらかじめ作られた結び目は、縫合糸を確保するための結び目を形成するために、縫合の後に縫合器具から配置される。
【0185】
図14Bと14Cを今参照して、カートリッジは、縫合器具900を軸方向に受け入れるためのチャンバー2010を画定する筐体2010’を有する。カートリッジ2000は更に、筐体1010’に分離可能に接続される基部1020を有し、この基部2020は、(
図14E(ii)に示すように)そこに縫合糸を解放可能に保持するための座部2022を画定する。基部2020は、そこに保持される縫合糸を縫合器具900の縫合糸通し部材930に整列させることを可能にする。筐体2010’は更に、縫合糸を基部2020から外科用縫合器具900に移動するための縫合糸移動部品を有する。従って、いくつかの実施形態において、
図14Bに示すように、基部1020と筐体2010’は、縫合糸の装填を手助けするためにお互いに接続されるカートリッジ1000の別々の部品を有し、そして縫合糸を移動させることを手助けするためにそこから分離可能であってよい。筐体2010’は、あらかじめ作られた結び目が縫合器具900に取り付けられるようにするために、その中にチャンバー2010とチャンバー2010の周りにあらかじめ作られた結び目502を確保若しくは取り付ける為の手段を更に有する。筐体2010’と基部2020は、縫合糸移動部品を使って縫合糸がカートリッジ1000から縫合器具900に移動することを容易にするために、カートリッジ1000を装着する際に、縫合糸が縫合器具900に整列することを手助けするための整列機構を共同で提供する。いくつかの実施形態において、筐体2010’は、チャンバー2010を画定するノットスライダー2030を有し、ノットスライダー2030はそれに接続された縫合糸ループを含み、縫合糸ループはその配置の際にノットスライダー2030から結び目を形成し、そこで縫合器具900は、縫合糸ループを縫合器具に取り付ける為のチャンバー2010の中に受け入れ可能である。
【0186】
いくつかのそのような実施形態において、縫合システムは、縫合糸通し部材930を有する縫合器具900と、縫合糸末端を解放可能に保持し、その周りに部分的にあらかじめ作られた結び目を接続するためのチャンバー2010を画定するための(カートリッジ2000のような)カートリッジとを有する。チャンバー2010は、それを介して縫合器具900を受け入れるように構成されている。カートリッジ2000は、縫合糸末端504を縫合糸通し部材930に移動し、部分的にあらかじめ作られた結び目(例えば502)を縫合器具に移動する。いくつかのそのような例において、縫合糸通し部材930は、縫合糸通し部材の最初の作動で、縫合糸末端504を組織の近位側から組織の遠位側へ送るように構成されている。
【0187】
追加の実施形態において、(カートリッジ2000のような)カートリッジは、縫合器具があらかじめ作られた結び目を形成できるように、縫合糸を縫合器具900に装填するために提供されていて、カートリッジは、縫合器具900を受け入れるためのチャンバー2010と、このチャンバー2010はチャンバー2010の中への縫合器具の前進の際に縫合器具900に移動するためにそこに接続された縫合糸の(
図14Bに示すループ502のような)ループを支持し、縫合糸のループ502’は縫合器具からの配置の際にあらかじめ作られた結び目を形成するように構成されており、そして縫合糸部分504が縫合器具に移動することを可能にするために縫合糸の一部分を解放可能に保持するための座部1022とを有する。縫合糸部分は縫合器具からのループの配置の際にあらかじめ作られた結び目のポストを画定するよう構成された縫合糸の末端を有する。
【0188】
一つの特定の実施形態において、カートリッジ筐体2010’は、基部2020に分離可能に接続され、それを通って外科用縫合器具900を受け入れるためのチャンバー2010を画定する。いくつかのそのような実施形態において、チャンバー2000は更に、チャンバーの周りにあらかじめ作られた結び目を保管する手段を有する。いくつかの実施形態において、筐体2010’は更に、その上にあらかじめ作られた結び目を取り付けたチャンバー2010を画定するノットスライダー2030を有し、そしてそこで、外科用縫合器具は、外科用縫合器具900にあらかじめ作られた結び目を取り付けるためのチャンバー2010内に受け入れ可能である。一つの特定の例において、カートリッジ筐体2010’は、そこにノットスライダー2030を保持するための空洞の内部を画定する外部筐体スリーブ2011’を有する。ノットスライダー2030は、筐体スリーブ2011’に分離可能に接続され、筐体2010’の一部を形成する。
図14Bに示す特定の例において、ノットスライダー2030は、チャンバー2010の周りにあらかじめ作られた結び目を保持するために基部2020を介して筐体2010’に分離可能に接続される。
【0189】
更に、チャンバー2010は、縫合器具を受け入れるチャンバーの一部である凹部、あるいはチャネル2014を含む。ここに取り上げる特定の例において、チャンバー2010は、ノットスライダー2030の背面を図示する
図14Dに示すように、縫合器具900の一部がそれを介して受け入れられることを可能にするために、チャネル2014を画定する。そのように、チャネル2014は、それがカートリッジ1000を介して進む際、縫合器具900の位置を維持するための拘束部材として更に機能する縫合器具900を受け入れるために、器具取込凹部を画定する。前にこの上で取り上げた例9と同様に、いくつかの例において、チャネル2014は、傾斜内部端部2016’によって画定されるように、ノットスライダー2030の内部に向かって細くなる近位開口部2016を有する。傾斜内部端部2016’は、縫合器具900をチャネル2014の中へ案内するための導入部として機能する。
【0190】
チャネル2014は、筐体2010’のノットスライダー2030を通って長手方向に延び、基部2020内の基部凹部2025と連絡している。
図14A-14Cに示すように、基部2020は、筐体1010’に分離可能に接続される。より具体的には、基部2020は、筐体スリーブ2011’内に保持される。いくつかの例において、チャネル2014は、カートリッジ基部2020内の基部凹部2025と連続的に形成される。この一つの例は、更に以下に取り上げる。チャネル1014と基部凹部1025は共に、それが前進するとき、縫合器具900が長手方向の軸に沿って縫合器具900の位置を維持するために、そこでスライド係合で直線的または軸方向に進むことを可能にしている一方で、カートリッジ1000内の縫合器具900の横方向および横断的な動きを束縛あるいは制限するための拘束部材25(
図14E(i))として機能する。そのように、拘束部材25は、それによって画定される長手方向の通路に沿って横断および横方向への縫合器具900の動きを束縛および制限する。このように、拘束部材25は、縫合器具900が基部1020によって画定される座部1022内に保持される縫合糸500の一部分と整列することを容易にする。より具体的には、チャネル1014と凹部1025は、縫合器具900がそこでスライド係合で前進することを可能にし、そして座部1022が、縫合糸通し部材930の縫合糸取込通路932と整列することを可能にするために、カートリッジ1000に沿って進むとき、直線の通路の中に縫合器具900を拘束するように更に機能する。
【0191】
更に、上の例9に関して前に取り上げた実施形態と同様に、基部内の凹部2025は、
図14E(i)と14E(ii)に示すような器具取込凹部を画定する器具取込溝2025a、および
図14F (i)と14F(ii)に示すような縫合糸取込凹部を画定する縫合糸取込溝1025b、の二つの溝から形成される。器具および縫合糸取込溝2025aと2025bは、(
図14E(i)-
図14F(ii)に図示するように)それぞれ基部2020の相対する半分2020aと2020b内に形成される。
【0192】
図14E(i)、(ii)を再度参照して、器具取込溝2025aは、縫合器具900がそこへ進むことを可能にするための拘束部材25として機能する軌道を提供することによって器具取込凹部を画定し、一方縫合糸取込溝2025b(
図14F (i))は、更に
図14F(ii)と14Gに図示するように、それが器具取込溝2025a内に受け入れることが出来る縫合器具900のシャフトあるいは近位部分910と隣接し沿っているように、座部内に保持された縫合糸の一部を、縫合糸500をそこに維持し/経路を定めることによって、縫合器具900の縫合糸通し部材930の中に案内するための軌道を提供する。より具体的には、縫合器具が器具取込凹部2025b内で受け入れられるとき、縫合糸500が、(
図1Eに示す)ニードル930’のような縫合糸通し部材930内の溝938と同様に、シャフトまたは器具近位部分910内の溝928に隣接して保持されるように、縫合糸取込溝2025bは縫合糸が経路を定めることが出来るようにする。更に、
図14F(ii)に示すように、溝2025bは、ロッカー凹部2027により広い開口部を備えることによって、縫合糸に過剰なテンションをかけることなく経路を定める場所を提供する。そのように、溝2025bは、縫合糸がロッカー凹部2027に入ると同時に、それを(以下で更に取り上げる)ロッカー1041の最終位置1041Bと初期位置1041Aの両方に収容する。そのように、縫合糸取込溝2025bは、カートリッジ1000を使用する間、前進する縫合器具900の邪魔にならない所に縫合糸500が維持されるようにする。更に、凹部溝2025bは、縫合糸が、例えば基部2020内のロッカー1041内の座部2022からニードル930’の中に移動することを更に容易にするために、縫合器具900内の溝928,938に沿う。図示する実施形態において、器具取込溝と縫合糸取込溝の両方ともロッカー凹部1027の中に出る。
【0193】
ここに提供するいくつかの実施形態において、カートリッジ2000は更に、あらかじめ作られた結び目とあらかじめ作られた結び目を縫合器具900に装填する手段とを備えている。そのようないくつかの実施形態において、カートリッジは、チャンバー2000とチャンバー2000の周りにあらかじめ作られた結び目を取り付けまたは留める手段を画定する。ここに取り上げる一つのそのような例において、
図14Cを参照して、ノットスライダー2030は、提供され、それがあらかじめ作られた結び目をその上に取り付けることが出来るようにし、それにより、あらかじめ作られた結び目が、チャンバー2010の周りに保持され、そしてそれを囲みあるいは取り巻く。これは、あらかじめ作られた結び目がその上に取り付けられるようにするために、あらかじめ作られた結び目を通るように、縫合器具900が、チャンバー2010内のチャネル2014を介して受け入れられることを可能にする。一つの具体例において、ノットスライダーは、
図14B、14Cに示すように、チャンバー2010の周りにあらかじめ作られた結び目502を保持するためにマウント2012”を形成する。あらかじめ作られた結び目は、
図1Aで前にここで図示したタイプであってもよい。いくつかの実施形態において、ノットスライダー2030は、カートリッジ2000の器具搭載部品を形成する。
【0194】
また、本発明のいくつかの実施形態は、ノットスライダー2030が、その後に縫合器具900に接続されるためカートリッジ2000の他の部分から分離されることが出来るように、縫合器具900がカートリッジ2000の中に挿入されるまでノットスライダー2030がそこに保持されることを可能にするために、カートリッジ2000内にノットスライダー2030を保持するための手段を備えている。いくつかのそのような実施形態において、ノットスライダー2030は、アウタースリーブ2011’内のノットスライダー凹部2018(
図14B及び14C)内に保持され、そして基部2020を介してそこに分離可能に接続される。一つの特定の例において、ノットスライダー2030は、例えば
図H(i)に示すスナップフィット配置を有するノットスライダー解放インターロック2033を介して基部2020に分離可能に接続される。
図E(i)、F(i)に更に図示するように、基部は、ノットスライダー2030をそこに接続するためのスナップ溝2032と呼ばれてよいノットスライダー2030内に形成される溝の中に受け入れられることが出来、かつ溝と係合出来るスナップアーム2042を有し、ノットスライダー解放インターロック2033を形成する。ノットスライダー2030と基部2020とを接続し易くするために、そこにノットスライダー2030の一部分を受け入れるように構成されるノットスライダー空洞2040を更に有する。
【0195】
図示した実施形態において、ノットスライダー2030は、ノットスライダー解放インターロック2033の解放の際に、ノットスライダー2030とあらかじめ作られた結び目502の縫合器具900への装着を可能にするために、基部から分離可能である。一つの具体的な実施形態において、ノットスライダー2030は、筐体2010’に対する基部2020の相対運動の際に基部2020から分離可能である。そのような一つの例において、ノットスライダー2030は、筐体スリーブ2011’内の基部2020の遠位移動の際に、筐体スリーブ2011’内のノットスライダー凹部2018に沿って、遠位に移動可能である。しかしながら、ノットスライダー凹部2018の先細り内部壁2019(
図14B)に隣接する筐体スリーブ1011’の壁2019’は、ノットスライダー2030のスナップ溝から基部2020のスナップアーム2042を解放するために、ノットスライダー2030の更なる遠位への移動を防ぐための抑制装置として機能し、そしてそのようにノットスライダー解放インターロック2033を解放する。
【0196】
本発明のいくつかの実施形態において、カートリッジ2000は、
図9Cを参照して前にこの上で図示したように、移動可能座部1022を画定し、座部1022はカートリッジ1000内で縫合器具900の挿入の際に、自動的に移動可能である。示される特定の例において、カートリッジ2000は、軸の周りを軸回転可能であるロッカー1041を有するマガジン1021を有し、そして基部2020は、そこでのロッカー1041の軸回転運動を可能にするためのロッカー凹部2027を画定する。
図9Cと10C(i)に示す実施形態と同様に、ロッカー1041は、座部1022とそこに保持される縫合糸末端504をカートリッジ1000の中に挿入される前進縫合器具900の通路と整列させるために、(
図15A(i)、(ii)に示す)その初期位置1041Aから(
図15B(i)、(ii)に示す)その第二位置1041Bへ、軸1042の周りを移動可能である。例9で前に概説したように、そしてここに画定するように、ロッカー1041はロッカー凹部2027内を移動可能である。
図F(ii)に示すように、ロッカー1041は、その第一位置1041Aからその第二位置1041Bであるロッカー空洞1027’の中へ移動可能である。ロッカー空洞2027’は、縫合器具にカートリッジ2000が装填される際に、一旦縫合器具900がカートリッジ2000の基部2020内に配置されると、縫合器具900の組織取込ギャップ942と対応するロッカー凹部2027の一部分として画定される。
【0197】
いくつかの実施形態において、ロッカー1041は、摩擦係合によってロッカー凹部1027内の初期位置1041Aに保持される。例えば、ロッカー1041は、
図14Cと14F(i)に示すように、摩擦によりロッカー1041を係合する隆起タブあるいは戻り止め2029のような係合機構によってその初期位置1041Aに保持されていてもよい。タブあるいは戻り止め2029は、基部2020内に形成され、ロッカー凹部2027の中に延びあるいは突き出ていてもよい。タブ2029は、輸送中および使用前にロッカーをその初期位置1041Aに維持するために、
図14F(ii)に示すようなロッカー1041の一部分(例えばロッカー1041のノーズ部分1081)と係合可能である。
【0198】
例えば前に概説したように、いくつかの実施形態において、例10に更に提供するように、カートリッジ2000は、座部1022を、シャフト若しくは器具近位部分内に保持される縫合糸通し部材930またはシャフト910のような縫合器具900の一部分と整列させることを手助けする更なる機構を有していてもよい。一つのそのような例において、前の
図9Cを参照して、ロッカー1041は、縫合器具900が遠位に進むとき、それを受け入れるために設計された溝1044によって画定された器具取込あるいはロッキング凹部を更に確定する。溝1044は、座部1022を縫合糸通し器具900と整列させることを手助けするために、座部1022に対して縫合器具900を所望の位置に位置決めするための拘束部材として機能する。
図9Hと9Iを参照して前に示し取り上げたように、溝1044は、縫合器具900の器具近位部分あるいはシャフト910を受け入れるための溝近位部分1046を有し、そして器具遠位部分あるいは遠位先端920を受け入れるための溝遠位部分1048を更に有する。
【0199】
例9で先に取り上げたように、例10のロッカー1041は、座部1022を保持し縫合器具900のニードル930’のような縫合糸通し部材に整列させることにより整列機構として機能する溝1044によって画定されるメジアン1047(
図15A(i)を更に有する。
【0200】
更に、溝1044は、座部1022およびそこに保持された縫合糸を、縫合器具の縫合糸通し部材930に整列させることを可能にするように、縫合器具の遠位部分920にロッカー1041がその初期位置1041Aからその整列位置あるいは第二位置1041Bの中に軸回転させることが出来るようにするために、遠位溝部分1048内の内部べベル面(
図15A(i))の形で更に整列機構を画定する。
【0201】
いくつかの実施形態において、カートリッジ2000の中に、ロッカー1041は、縫合糸末端504が縫合糸通し部材930と整列しその中に移動することを手助けするために、溝1044内に(
図9J、9Lで先に示した)ロッカースロット1049の形でもう一つの整列機構を更に確定する。スロット1049は、縫合糸がシャフトの中の縫合糸取込スロット928と整列することを手助けするように基部2020の縫合糸取込溝2025b(
図14F(ii)内の縫合糸500の伝送を支援するために、ロッカー1041内のサイドスロット1049bの中に出る(
図15A(i)にまた示す)スリットあるいはチャネル1049aを有する。これは、縫合糸が、カートリッジ基部2020内の縫合器具の前進の間、前進する縫合器具の通路から離れて縫合器具900の側面に保持されることを可能にする。そのように、ロッカー1041は、縫合器具900がそこに前進する際に、縫合糸500が縫合器具900の通路から離れて保持されることが可能になるように、そこを通って縫合糸500が伝送されるためのロッカースロット1049を画定する。それは、例えば、器具近位部分910の一部分がロッカー溝1044の溝近位部分1046内に受け入れられるときである。
【0202】
図9J及び9Kに示すように、一つの特定の例において、座部1022は、マガジン1021、具体的にはロッカー1044内に収容される突起部1030によって画定される。
図9Mと10Dに示すように、突起部1030は、溝1044(具体的には、溝近位部分1046)によって画定される器具取込凹部の中に延びる。より具体的には、メジアンはロッカーの溝近位部分1046内の突起部1030を保持するように機能する。いくつかの実施形態において、座部1022を画定する突起部1030は、ロッカーの一部として一つに形成されていてもよい。突起部1030は、縫合糸末端504が座部1022からニードル930’の縫合糸取込通路932の中に移動することを許容するために、座部1022をニードル930’に整列させるようにニードル930’を合体するために、ニードル930’のべベル面934と係合するために、べベル面1034を更に画定する。一つの具体例において、突起部1030は、座部1022がニードル930’と整列することを容易にするために、器具近位部分あるいはシャフト910の中に受け入れられることが出来る。
【0203】
代わりに、ロッカーは、座部1022に隣接して位置する座部凹部あるいは座部チャネルと整列凹部1030’を画定してもよい。
図9Lと9Nに関し更にここで示し取り上げるように、整列凹部1030’は、座部を縫合糸通し部材と整列させるために、そのニードルアウト構成の中のニードル930’のような縫合糸通し部材930を受け入れるために構成される。
【0204】
そのようないくつかの実施形態において、
図9Kに示すように、ロッカー1041は、突起部1030がシャフト910内に受け入れられるとき、器具近位部分あるいはシャフト910の内部をニードル930’と摩擦係合するように構成された突起部1030の外部に隆起部1045aの形でインターフェアレンス機構のような更なる整列機構を有する。ロッカー1041は、一旦それが近位溝部分1046内に受け入れられると、器具近位部分あるいはシャフト910の外部に摩擦係合するための近位溝部分1046の内部に沿って更なる隆起部1045bを更に有する。隆起部1045a、1045bは、座部1022が二ドル930’と整列するよう手助けする。
【0205】
いくつかの実施形態において、突起部1030は、縫合糸末端504がニードル930’内の縫合糸取込通路932と整列することが出来るように縫合糸500がそこから出られるようにするため、そこに縫合糸スロット1038を画定する。
【0206】
本発明のいくつかの実施形態において、ロッカー1041は、シャフト910に沿ってロッカー1041が前進することが出来るようにするために、ロッカー1041が縫合器具900の器具近位部分あるいはシャフト910と整列することを確実にするためにロッカー1041が過剰に回転することが出来るようにする縫合器具900との係合のための、(
図9Mに関して前に取り上げた、
図15A(iii)及び
図15B(i)に示すような)干渉タブ1048xを更に有する。言い換えれば、干渉タブ1048xは、シャフト910がロッカー溝近位部分1046内に受け入れられることを確実にすることによって、座部1022が縫合器具900と隣接して配置されることが可能になるようにロッカー1041を十分に回転できるようにしてもよい。例えば、座部1022が突起部1030によって画定される場合、干渉タブは、突起部1030が器具シャフト910の中に受け入れられることが出来るように、ロッカー1041が十分に回転することを可能にする。一方、(
図9Nを参照して前に取り上げたように)座部1022が整列凹部に隣接して位置付けられた場合、干渉タブは、それに隣接する整列凹部と座部1022が両方ともニードル930’に整列するように、ロッカー1041が十分に回転することを可能にする。
【0207】
前にここに、
図14A-14Cを参照して概説したように、本発明のいくつかの実施形態は、基部2020に分離可能に接続され、縫合器具900にカートリッジを装填する際に一つのユニットとして作動するために基部2020に接続されたままの筐体スリーブ2011’を提供する。筐体スリーブ2011’は、座部1022が縫合器具900の縫合糸通し部材930と整列するまで基部2020に接続され続ける。カートリッジスリーブ2011’は、縫合糸を基部2020から縫合器具900の中に移動するため、その後は基部2020から分離可能である。そのように、カートリッジ筐体2010’は縫合糸移動部品2011を画定する。
【0208】
図14Bに示す本発明のいくつかの実施形態において、カートリッジ基部2020は、インターロック2050によって筐体2010’の縫合糸移動部品2011に分離可能に接続される。インターロック2050は、基部1020を筐体1010’にその初期位置2050Aで固定し、それから、縫合糸末端504を座部1022から縫合器具900の縫合糸通し部材930中に移動するために、縫合糸移動部品2011を有する筐体スリーブ2011’が基部2020に対して独立して移動することが出来るようにするために、(
図15D(i)、(ii)中に後で示す)その第二の位置2050Bへ移動するために解放されていてもよい。
図15B(i)、(ii)及び15C(i)、(ii)は、その初期ロック位置2050Aにあるインターロック2050を、筐体2010’に対して基部2020の長手方向の運動を防止しながら、インターロッキングアーム2056が基部2020と軸方向に整列しかつ遠位に位置する状態で、図示している。インターロック2050は、座部が縫合器具の縫合糸通し部材と整列する際に、それらの間に相対移動が出来るように移動部品を基部から解放するために、(
図15D(i)、(ii)に示すように)そのアンロック位置2050Bに移動可能である。インターロック2050の機能は、
図15C(i)-15D(ii)に関し、さらに後で取り上げる。いくつかの実施形態において、インターロック2050は、座部1022が縫合糸通し部材930と整列する際に、縫合糸移動部品2011を基部2020から手動で解放するために、アンロック位置2050Bに移動可能な手動インターロックを有する。
【0209】
いくつかの実施形態において、インターロック2050は、座部1022が縫合糸通し部材930と整列する際に、縫合糸移動部品2011を基部2020から自動的に解放するように機能する自動インターロック(
図15A(i))を有する。いくつかのそのような実施形態において、インターロック2050の操作は、部分的に自動であり、その中で、インターロック2050は、インターロック2050がそのアンロック位置2050B(
図15E(i))に手動で動かされるようにするために、座部1022が縫合糸通し部材930と整列する際に自動的に解除される(
図15A(i)に示すような)インターロックタブ2054を有する。これは、基部2020が縫合糸移動部品2011から解除されることを可能にする。より具体的には、ロッカー1041は、インターロックタブ2054を解除するため座部1022の整列の際に移動可能である、ロッカーバー2055を有する。これは、これから先下に
図15A(i)-15A(ii)を参照して取り上げる。
【0210】
図15A(i)に示すいくつかの実施形態において、縫合糸移動部品2011は、プッシュロッド2058を有し、その中で、縫合糸移動部品2011は、縫合糸末端504を外科用縫合器具900に移動するために、座部1022内に保持される縫合糸末端504を押すためのプッシュロッド2058を係合するために、その中に基部2020が移動することを可能にするために、基部2020に対して移動可能である。いくつかのそのような実施形態において、プッシュロッド2058は、プッシュロッド空洞2057’内で移動するように構成されたプッシュロッドハブ2057を有する。いくつかのそのような実施形態において、縫合糸移動部品2011は、それとともに接合すると同時に、プッシュロッドハブ2057を押すスリーブプッシュハブ2012有する。いくつかの実施形態において、プッシュスリーブハブ2012は、スリーブ空洞2012’内で移動可能であり、基部2020に向かって付勢されている。一つの具体例において、プッシュスリーブハブ2012は、バネの仕組みによって付勢されている。本例の具体的な実例において、バネの仕組みは二つのバネ2013を有する。プッシュスリーブハブ2012は、基部2020に対して、縫合糸移動部品2011の移動の際に、プッシュロッドハブ2057を押すように構成されている。そのように、縫合糸移動部品2011は、筐体スリーブ2011’内で基部2020の移動の際に、プッシュロッド2058との係合と同時にプッシュロッド2058を押すために、基部2020に向かって付勢されているスリーブプッシュハブ2012のようなハブを有する。一つの例において、スリーブプッシュハブ2012は、バネの仕組みによって付勢されている。
【0211】
一つの特定の例において、プッシュロッド2058は、座部1022内に保持される縫合糸末端504を縫合器具900の縫合糸取込通路932の中に押すために、そこにワイヤ2053’を受け入れるための座部1022と連絡するワイヤチャネル2053内で移動可能なプッシュロッドハブ2057に接続される、長手方向に伸びるワイヤ2053’を有する。そのように、カートリッジ2000は、上に取り上げたように、押す仕組みを画定する縫合糸移動部品2011を有する。押す仕組みは、縫合糸部分を座部から縫合器具の中に移動させるため、押す力が縫合糸末端のような縫合糸部分に適用されるようにするカートリッジの仕組みとして画定される。一つのそのような例において、押す仕組みは、上に取り上げたようにプッシュロッド2058を有する。
【0212】
いくつかの実施形態において、カートリッジ200は、縫合器具900に対してカートリッジ2000の単一直線運動の際に縫合糸末端504を整列し移動させるように構成されている。上に概説したように、いくつかのそのような実施形態において、外科用縫合器具900は、縫合糸取込通路932を画定する縫合糸通し部材930を有する。そこで縫合糸移動部品2011は、縫合糸500の末端を基部2020内の座部1022から縫合器具900の縫合糸取込通路932の中に移動するように動作させることが出来る。
【0213】
本発明のいくつかの実施形態において、
図14Cに示すように、ノットスライダー2030が縫合器具900に接続されている。一つのそのような例において、ノットスライダー2030は、ノットスライダーがそこに取り付けられることが出来るように外科用縫合器具の一部分と摺動自在に係合されるように構成されている。一つの特定の例において、ノットスライダー2030は、ノットスライダー2030からのあらかじめ作られた結び目502の配置を容易にするために、縫合器具に沿ってノットスライダー2030を位置決めするために、縫合器具900の一部分とスライド接触で係合可能である。一つの具体例において、ノットスライダー2030は、器具近位部分910の側面に沿って開口部/窓あるいは溝965(
図1C)の中に受け入れることが出来るアーム2034を介して縫合器具とスライド接触で係合可能である。ノットスライダーアーム2034は、使用中に縫合器具900からのあらかじめ作られた結び目の配置を容易にするために、組織取込ギャップ942に沿って縫合器具の位置決めを可能にする。更に、いくつかの実施形態において、ノットスライダーアーム2034は、スライダー溝2036に収容され、それがスライダー溝2036(
図14D、
図17A)内に収容される内部部分2034Aを有する。ノットスライダーアーム2034は更に、そして外部部分2034B、そこでそれはノットスライダー2030が組織取込ギャップ942の上に位置されるようにするためにスライダー溝2036(
図17B)から近位に(少なくとも部分的に)延びる。
【0214】
いくつかの実施形態において、縫合糸は、ノットスライダー2030の内側に取り付けられたチューブの中に収容される。カートリッジ2000は、
図17Dに示すように、一旦それが外部ノットスライダー2030yの内部に圧入されると、縫合糸リムを、ノットスライダー2030の中、例えば、その周りに通路2037’を画定する内部ノットスライダー2030xである内部ポスト2037の周りに巻かれ取り付けられていてもよいPTFEチューブの内部、に保管する。PTFEチューブは、一定の小さな力で縫合糸が解除されるようにする。いくつかの実施形態において、シリコーンOリングは、手順の間ずっと通して、よりスムーズでより一定した力を達成して縫合糸に張りを持たせるために、縫合糸の解除の際に制振効果を提供する。
【0215】
いくつかの実施形態において、ここに上の例9で取り上げたように、縫合器具900の動作は、例10を今参照して、カートリッジ2000に対して相対運動であってもよい。言い換えれば、ユーザーは、近位方向に縫合器具900を越えて軸方向へカートリッジ2000を動かしてよい。一方、縫合器具は、縫合糸を縫合器具900に装填するために、カートリッジ2000に対し縫合器具900の相対前進を作り出すためにユーザーによって保持されている。これはポンプアクションを使った縫合糸装填と呼ばれてもよい。そのように、縫合糸装填の仕組みは、上に取り上げたままでよいが、動作は、縫合器具上のカートリッジの近位動作あるいはカートリッジ内の縫合器具の遠位動作のどちらかで作り出されてよい。
【0216】
ここに取り上げる本発明のいくつかの実施形態において、カートリッジは、縫合器具に対してカートリッジの単一直線運動の際に縫合糸を整列しそして移動するように構成されている。いくつかのそのような実施形態において、インターロック2050は、筐体1010’が近位に引っ張り続けられるとき、(基部の前進とプッシュロッドのアクティブ化/係合により)縫合糸末端504が縫合糸通し部材の中に自動的に移動可能にするため、座部内の縫合糸末端が縫合糸通し部材に整列する際に、自動的に解放されてもよい。更に、カートリッジは、カートリッジの同様の直線運動の間、あらかじめ作られた結び目が縫合器具上に取り付けられることを可能にする。備えられた仕組みは、ノットスライダー2030に対し上に取り上げた仕組みにと同様であってもよい。従って、本発明の実施形態は、縫合糸末端504のような縫合糸部分を座部1022から縫合糸通し部材930に移動出来るように動作可能なカートリッジを有してもよく、そしてそれは、縫合器具がそれとともに縫合するために縫合糸を通すことが出来るようにし、またあらかじめ作られた結び目が縫合器具に取り付けられることを可能にする。そのようないくつかの実施形態において、カートリッジは、単一直線運動で縫合器具900に装着される。いくつかのそのような実施形態において、単一のポンプアクションは、(縫合糸末端を移動しあらかじめ作られた結び目を取り付けるために)縫合器具へのカートリッジの単一直線相対運動と、例えばそこに保持されるあらかじめ作られた結び目を縫合器具に取り付けるといったように、縫合器具900にノットスライダー2030を接続したままでの(装填方向とは反対の方向への)カートリッジ2000の直線運動を伴いながら、使われる。そのように、ノットスライダー2030以外のカートリッジ2000の残り物は取り除かれる。
【0217】
このように、
図9と10を参照しながら上に概説したように、本発明のいくつかの実施形態に従い、仕組みは、整列と挿入の両方をを提供するために、提供される。その仕組みは、要求されるユーザーステップの数、ユーザーの器用さと集中力を減らすことによる使い勝手を容易にし、そしていくつかの実施形態において、ユーザーステップを実行する一つの可能な順番だけ備えることで更に使用を容易にする。
【0218】
縫合糸を外科用縫合器具、あるいは縫合糸パサーに装填するために、以下の例9及び10の中に概説する本発明のいくつかの実施形態に従い、二つのイベントあるいは働きが起こることが必要である:(1)カートリッジ内に保持される縫合糸部分と外科用縫合器具あるいは縫合糸パサー内の縫合糸取込機構との整列、および(2)縫合糸部分の縫合器具あるいは縫合糸パサー内の縫合糸取込機構の中への挿入。
【0219】
本発明のいくつかの実施形態において、縫合糸を縫合器具に装填するための全ての機械的なイベントを完了させるのに、単一の“ポンプアクション”ユーザーステップを必要とする完全に自動化されたカートリッジの構成が提供される。一つのそのような例において、縫合糸を装填するために、縫合糸パサートリガーを作動させるユーザーステップは必要とされない。
【0220】
さらに、縫合糸カートリッジ装置は、あらかじめ作られた結び目と縫合糸リムを保管するための一体的な機構を含んでいる。そしてそれは、縫合糸を管理するために必要なユーザーの注意力を減らし、既存の装置で必要とされる複雑な結び目づくりのステップを除く手助けとなるかもしれない。いくつかのそのような実施形態において、カートリッジ構造は、あらかじめ作られた結び目を含んでいる分離可能なノットスライダーと、縫合糸の保管とを備えている。
【0221】
いくつかの実施形態において、カートリッジは、縫合糸がカートリッジに挿入されるとき、縫合糸パサーシャフトから離れて、縫合糸を確保するためのサイドスロット有する。
【0222】
いくつかのそのような実施形態において、カートリッジは、ABSのような医療グレードのプラスチック/金属部品を使ったカートリッジ基部、座部、縫合糸ロック、インターロック、および他の機械部品用で組み立てられてもよい。いくつかの実施形態において、座部にステンレスが使われ、縫合糸を保持するためのOリングにシリコーンが使われていてもよい。いくつかの実施形態において、カートリッジに含まれる縫合糸は、ポリエチレンであってよい。
【0223】
更に、ここに概説される本発明の実施形態は、縫合糸が縫合器具に装填されるようにするために、以下の程度の整列が起こるように、縫合糸末端が配置されあるいは束縛されることを許容する。縫合糸部分は、その位置がX軸(横方向)、Y軸(垂直あるいは上下方向)、Z軸(直線あるいは長手方向)それとY回転軸とZ回転軸に沿って維持されるように配置される。整列仕組みの更なる詳細については以下に提供する。
【0224】
本発明のいくつかの実施形態において、縫合糸を(縫合糸通し部材内の縫合糸取込通路のような)縫合糸パサーの縫合糸取込機構と整列させるために、座部を画定するマガジンが提供される。マガジンは、縫合糸パサーと機械的に連結するように動作可能であり、縫合糸カートリッジが、縫合糸パサーの上に挿入され押されるとき、マガジンと座部は、座部内の縫合糸部分を縫合糸パサーと整列させながら回転して下がるように構成されている。いくつかのそのような実施形態において、座部を画定するマガジンは、縫合糸位置をX軸とY軸に整列させ、縫合糸のX回転とY回転を束縛するように縫合糸パサーを掴む。更に、座部は、縫合糸をZ軸に整列させるように、縫合糸パサーと一致し縫合糸パサーの方へ押し上げられる。
【0225】
いくつかの実施形態において、例9と10に概説するように、マガジンは、縫合糸を側面に保持/ロックし、それを縫合糸パサーシャフト内の縫合糸スロットと整列させる機構を有する。上の例9と10に概説したようないくつかの実施形態において、カートリッジ基部インターロックは、カートリッジ基部を動かすために、ユーザーが押す押ボタンの形で備えられている。更に、いくつかの実施形態は、縫合糸が特定の時間にユーザーによって手動でアンロックされる縫合糸ロックを備えている。
【0226】
例9と10を参照してここで上に取り上げるいくつかの実施形態において、本発明の実施形態は、縫合糸を縫合糸パサーと整列させるために、上部から自動的に軸回転する座部を画定するマガジンを有する整列機能を備えている。マガジンは、縫合糸パサーと機械的に連結され、それで、座部を画定するマガジンを含むカートリッジが、縫合糸パサーに挿入されるとき、縫合糸パサーの構造が、マガジンの斜面を押し、それによって画定されるマガジンと座部を軸回転させる。一つのそのような例において、座部は、例9と10に取り上げ、この上にさらに細部を概説したように、ロッカーの一部である。
【0227】
いくつかの実施形態において、軸回転ロッカーを使った座部の整列は、縫合糸パサーが、座部の整列が完全に直線であるように限定して縫合糸が装填される(あるいはその逆)場所の周りに複雑な機構を持つ場合、有益である。同様に、ロッカーは、自動的な(ユーザーからの要求なしに座部を整列させること)仕組みが望まれる場合に有益である。なぜなら、軸に沿って望まれた配置を通るスライド部分よりも、弧上の所望の配置を通る軸回転部分を動かす方が一般的には易しいかもしれないからである(これは、摩擦/拘束の減少と軸回転システムで得られる機械的利点の増加による)。
【0228】
いくつかの実施形態において、座部は、ロッカーのようなマガジンの本体から延びて、座部パサーの穴の中に受け入れ可能であり、縫合糸が中に装填される(ニードルのような縫合糸取込部材のような)縫合糸パサー内の機構に対して立っている管状の部材(座部画定部材あるいは突起部)によって画定される。縫合糸パサーの中の穴の中に延びる突起部は、縫合糸を受け入れる縫合糸パサーの機構と関連する反復可能な許容ゾーン内に座部/縫合糸を整列させるために、穴の内壁にはまる締まりばめを有している。この締まりばめを有することは、誤整列の許容度の積重ねを減らすかもしれない。
【0229】
いくつかの実施形態において、マガジンは、マガジンとそれによって画定される座部が、その構造がそれを起こさせないため、その仕組みが作動しないことが決してないように、縫合糸パサーの対応する機構と完璧に整列するように構成されている。
【0230】
いくつかの実施形態において、マガジンは、縫合糸パサーのニードルのような縫合糸通し部材を含む穴に対し、反復可能許容ゾーン内の座部画定部材あるいは突起部と積極的に整列させるために、縫合糸パサーの参照機構にはまる締まりばめを有するように構成されている。この締まりばめを持つことは、誤整列の許容度の積重ねを減らしてよい。
【0231】
更に、この上に取り上げたように、本発明のいくつかの実施形態において、座部が、縫合糸パサー(あるいは縫合器具)により画定される穴の中に、そして穴の中にあるニードルまで延びるように画定する突起部のような部材の代わりに、座部は、ニードルの外径にはまる締まりばめを有する空洞を含み、そしてニードルは、カートリッジ内のこの空洞と一致するために、縫合糸パサーの中から出るように構成されている。前に取り上げたように、ニードルはそれから、ニードルを留めるカムロックのようなロック、あるいはトリガーを多少押し下げて保持するトリガーロックを付けて、輸送の間“アウト”の位置に保持される。手動型において、ユーザーは、縫合糸が引っ張られる前に、ニードルが出て座部空洞の中に移動するように、トリガーを押す必要がある。いくつかのそのような“ニードルアウト”構成を持った実施形態において、“ニードルイン”構成に比較して誤整列の許容度の積重ねを減らせるかもしれない。
【0232】
この下により詳細に取り上げるように、本発明の別の実施形態において、トップ軸回転マガジンとトップ軸回転座部の代わりに、本発明の実施形態は側面から軸回転する座部を備えていてもよい。あるいは、座部は、側面あるいはトップからスライドするように備えられていてもよい。さらに、自動整列座部の代わりに、座部を場所に押し込むために特定の時間に、ユーザーによって押し込まれるマガジンが備えられていてもよい。更に、別の案として、マガジンが上に取り上げたロッカーを有するいくつかの実施形態において、ロッカーが回転できるようにユーザーが押してよいボタンが押されてもよい。
【0233】
本発明のいくつかの実施形態において、整列機構は、上に概説したように、移動可能座部を有する。いくつかのそのような実施形態において、座部は、基部に対して移動可能である。他の実施形態において、座部は、カートリッジの筐体によって画定されるチャンバーに対して移動可能である。そのような実施形態において、座部は、(カートリッジ内の縫合器具の前進の際に)自動的に移動可能であってもよい。
【0234】
本発明のいくつかの実施形態において、代わりの整列機構が提供されてよい。そのような実施形態において、
図18A、19Aに示すように、例えば、ここで上に取り上げた例9と10で使用されてよい側面装填仕組み1100を備えている。側面装填仕組み1100は、マガジン凹部1027の中で移動可能なマガジン1121を有する、基部1120を有する。マガジン凹部1127は、縫合器具900の前進の際に、組織取込ギャップ942と整列するように構成されている凹部空洞1127’を有する。マガジンは、縫合器具900の縫合糸末端504を保持するための座部1122を画定する。マガジン1121は、縫合器具900を拘束するために機能する基部凹部1025に沿って前進中の縫合器具900の通路から離れている、第一位置1221Aを有する。
図18B、19Bに示すように、一旦、縫合器具900が、組織取込凹部がマガジン空洞1127’と整列するように遠位に前進すると、マガジン1221は、座部1122と縫合器具900のニードル930’のような縫合糸通し部材930とを整列させるために、その第二位置1121Aの中に、側方にあるいは横に移動可能である。
図18C、19Cに示すように、縫合器具900は、座部1122が、ニードル930’と隣接して接触するように、基部1120に対して更に前進できる。いくつかのそのような実施形態において、カートリッジを使った縫合糸装填の仕組みは、縫合器具900の一部の上およびそれに沿って近位にカートリッジを引っ張るステップを有する。
【0235】
図18A-18Cに図示するように、いくつかの実施形態において、マガジン1121はマガジン空洞1127’の中へ手動で移動可能である。
図19A-19Cに図示する他の実施形態において、側面装填整列仕組み1100’は、マガジン空洞1127’の中に自動的に移動可能なマガジン1121を有する。マガジン1121は、バイアス仕組み1121’によってマガジン空洞1127’に向かって付勢されている。一つの特定な例において、バイアス仕組み1121’は、バネバイアス仕組み1124を有する。いくつかの例において、バネバイアス仕組みは、示すように二つのバネを有してよい。いくつかのそのような実施形態において、
図19Bに図示するように、マガジン1121は、カートリッジ内の縫合器具900の前進の際に、マガジン空洞1127’の中に自動的に移動可能である。
【0236】
いくつかのそのような実施形態において、バイアス仕組み1121’は、マガジン1121が、そこを通って器具遠位部分920が前進する際に、それがマガジン空洞1127’から離れることが可能であるように構成出来るようにする。一旦、遠位部分920が、マガジン空洞1127’を通って前進したら、マガジン1121は、座部1122が器具近位部分910と整列出来るように、そこでの組織取込ギャップ942の移動の際に、マガジン空洞1127’の中へ移動可能である。
【0237】
側面装填整列仕組み1100”の更なる例は、
図21A-21Fに示す。マガジン1121は、側面装填スライド座部1122’(
図21B)を有する初期位置1121A(
図21A、21E)に示すボタン1123を画定する。基部1120は、マガジン空洞1127’を画定するマガジン凹部1127を画定し、そしてマガジン1121は、マガジン凹部内で移動可能である。最初に、器具は、それが基部1120内で遠位に進められるとき、縫合器具900の位置を維持するための拘束部材として機能する基部凹部1025の中に前進可能である。縫合器具へのカートリッジの装着の際に、マガジン空洞1127’(
図21C)は組織取込ギャップ942に対応する。言い換えれば、一旦縫合器具900が、基部1120内で前進すると、縫合器具900の組織取込ギャップ942が、(
図21Cに示すような)マガジン空洞1127’内に配置される。マガジン1121はそれから、縫合器具900に対して座部1122’と整列するためにマガジン空洞1127’の中へ側方に移動可能である。
図21Eは、その押し下げられた位置、あるいは第二位置1121Aにあるボタンと共に基部1120の側面図を図示する。
【0238】
追加の実施形態において、装填の仕組みは、トップ装填仕組み1200’を有していてもよい。いくつかのそのような実施形態において、マガジンは、バイアス仕組みによって空洞に向かって付勢されている。いくつかのそのような実施形態において、前にここで取り上げた例9,10と同様に、バイアス仕組み1221’は、
図20A-20Dに示すように、軸回転仕組み1224を有する。
図20Aに示す特定な例において、カートリッジは、軸回転接続によって基部1220に接続されるロッカー1241を有するマガジン1221と共に基部1220を有し、そしてマガジン凹部1227内に収納されている。いくつかのそのような実施形態において、自動側面装填仕組みと同様にして、ピボットベースバイアス仕組み1221’は、マガジン1221が、そこを通って器具遠位部分920の前進を可能にするために、マガジン空洞1227’(
図20B)から離れるように動くことが可能であるように構成されるようにする。マガジン1221はそれから、組織取込ギャップ942の、その中への移動(
図20C)の際に、座部1222が、器具近位部分910と整列出来るようにするために、マガジン空洞1227’の中に移動可能である。言い換えれば、ロッカー1241は、縫合器具900の遠位部分920が、カートリッジの基部1220の中に前進するとき、縫合器具900から上方に軸回転して離れ、縫合器具900(そして縫合糸通し部材930)が更に前進するとき、組織取込ギャップ942の中に下方へ軸回転する。
【0239】
そのように、マガジン1221は、
図20Cに示すように、空洞の中に横断あるいは下方に移動可能である。更に、
図20A-20Dに図示すように、マガジン1221は、座部1222とそこに保持されている縫合糸末端504を、縫合器具900と整列させるために、マガジン空洞1227’の中に自動的に移動可能である。器具900は、縫合糸末端504が、座部から縫合器具の縫合糸取込通路の中へ移動することを容易にするために、縫合糸通し部材930と座部1022とを合体させるために、基部1220に対し更に前進するようにしてもよい。
【0240】
本発明の追加の実施形態において、
図22A-22Cに示すように、トップ装填仕組み1300’が提供される。より具体的には、同じく軸回転仕組みを有するバイアス仕組み1321’によって付勢されているマガジン1321が備えられている。
図22Aに示す一つのそのような例において、マガジン1321は、座部1322を縫合器具900と整列させるために、自動的に移動可能な螺旋構成1324を有する。
図22A-22Cに示す具体的な例において、螺旋1325を有する。螺旋1325は、座部1322を画定する螺旋第一部分1325xと、螺旋第二部分1325yを画定する。螺旋1325は、第一構成1325A(
図22A)および第二構成1325B(
図22B)を有する。
図22Bと22Cに示すように、縫合器具900は、座部1322とそこに保持される縫合糸500の縫合糸末端504を縫合器具900の縫合糸通し部材930に整列させるために、螺旋1325をその第一の位置1325Aから、その第二の位置1325Bへ軸回転するために、第一部分1325xを係合するために前進可能である。
【0241】
本発明のいくつかの実施形態において、
図9Lと9Nに関して前に上で取り上げた実施形態と同様に、縫合糸500の縫合糸末端504と座部1422に隣接して位置する整列凹部1430’とをそこに保持するために、(座部凹部あるいは座部チャネルを有する)座部1422を画定するマガジン1421を有するカートリッジが提供される。整列凹部1430’は、そのニードルアウト構成の中にニードル930’のような縫合糸通し部材930を受け入れるために構成される(それは、部分的に延びた位置にあるように構成される、すなわちそれは座部1422を整列凹部1430’(
図23B)内に受け入れられる縫合糸通し部材930と整列させるために、装填の間、縫合器具900のシャフト910から部分的に遠位に延びている)。
【0242】
一つのそのような実施形態において、カートリッジは、示すように、側面装填仕組み1400’を有する。より具体的には、
図23A-23Cに示すように、側面装填仕組みは、示すように軸回転構成1421’を有する。そしてそこでマガジンは、座部1422を縫合糸通し部材930と整列させるために、整列凹部1430’(
図23B)内の(示すように部分的に延びた位置にあるがニードル930’のような)縫合糸通し部材930を受け入れるために、第一構成1421Aから、第二構成1421B(
図23B)に側方に軸回転する。一つの例において、カートリッジは、縫合糸末端504が縫合糸通し部材930(
図23C)の縫合糸取込通路932の中に移動出来るように、ニードル930’を座部1422に合体するためにさらに引っ張られてよい。一つの例において、軸回転構成1421’は、ねじれを与える成型バネを有していてもよい。他の実施形態において、他のバネバイアス手段としては、ねじりバネ(torsion spring)のようなものが使われてもよい。また、座部は自動排出を可能にするべベルを有していてもよい。言い換えれば、座部は、器具900がカートリッジ1000から取り外されるとき、縫合器具の遠位末端920の近位壁が、軸回転運動させるためのべベルと相互作用が出来るようにすることによって、マガジン1421が、軸回転で側面に出ることが出来るようにするべベルを有する。一つのそのような実施形態において、べベルは、マガジン1421が、カートリッジからの縫合器具900の取り外しを容易にするように、ロッカーがピボットアウトする原因となるために、マガジンの一方の側に備えられている。
【0243】
あるいは、一つのそのような実施形態において、軸回転構成1421”を有するトップ装填仕組みまたは構成1400”が、
図24A-24Cに示すように提供される。
図24Aと24Bに示すように、マガジン1421cは、座部1422を縫合糸通し部材930と整列させるために、整列凹部1430’(
図24C)内の(示すように、部分的に延びた位置にあるがニードル930’のような)縫合糸通し部材930を受け入れるために、第一構成1421A’から第二構成1421B’(
図24A、24B)へ下方に軸回転される。そのように、一つの例において、縫合器具900は、縫合糸末端504を縫合糸通し部材930(
図24C)の縫合糸取込通路932の中に移動出来るようにするために、ニードル930’を座部1422と合体するために、カートリッジに対して前進してもよい(あるいは言い換えれば、カートリッジがさらに引っ張られてよい)。一つのそのような例において、軸回転構成1421”を提供するために、マガジン421cが成型バネから形成される。他の例において、仕組みは、コールドあるいはねじりバネを組み入れてもよい。
図24A-24Cに概説する実施形態の中に提供される仕組みは、カートリッジのニードルイン構成、あるいはニードルアウト構成の両方に使われてもよい。
【0244】
図18-24でここに取り上げるように、いくつかの実施形態において、マガジンは、座部1122に連絡するワイヤーチャネル1153を画定してもよく、ワイヤーチャネル1153は、カートリッジの縫合糸移動部品を使って、縫合糸末端504を座部から縫合器具の縫合糸通し部材930の中に押すための(例えば、ここで上に例10を参照して取り上げたような)押す仕組みで使うために、そこに長手方向に延びるワイヤーを受け入れる。あるいは、
図18-24に取り上げた例は、引く仕組みで使用可能であってよい。そこでは、カートリッジの縫合糸移動部品は、それを座部から縫合糸用通し部材930の縫合糸取込通路の中に移動するために、縫合糸末端504を引っ張るために使用可能である。いくつかの例において、縫合糸移動部品は、縫合糸(例えば、縫合糸末端を移動するために縫合糸末端に張りを加えるためにそれと摩擦係合で保持される縫合糸の部分)に張りを加える。そのように、縫合糸移動部品は、それを縫合器具を移動するために縫合糸の部分を引っ張ることで、縫合糸の部分に張りを加えるように動作可能である。
【0245】
本発明の代わりの実施形態において、
図25A、25Bに示すように、マガジン1521を有する基部を有するカートリッジ1500が提供される。
図15Aに示すように、マガジン1521は、座部1522を有する座部画定部品1521xおよび器具搭載部品1521yの二つの部品を有する。器具搭載部品1521yは、縫合器具900の縫合糸通し部材930と整列し、それを受け入れる整列凹部1530’に隣接する縫合糸通路1515を画定する。器具搭載部品1521yは、縫合器具900に取り付け可能である。
図25Bに示すように、マガジン1521の部品1521xを画定する座部は、座部1522を、縫合糸末端504を縫合糸通路1515に沿って座部1522から整列凹部930’内にある縫合器具900の縫合糸取込通路932の中に移動出来るようにするための、縫合糸通路1515と整列させるために、器具搭載部品1521yと係合するために移動可能である。いくつかの実施形態において、マガジン1521の部品1521xを画定する座部は、それとともに係合可能である器具搭載部品1521y内の対応する先細り開口部1526’内に受け入れ可能なべベル1526を有する。これは、べベル1526から先細り開口部1526’の中への、縫合糸末端の移動を容易にする。いくつかのそのような実施形態において、器具搭載部品1521yは、縫合器具900と共にあらかじめ出荷されてもよい。いくつかの実施形態において、器具搭載部品1521yは、位置が定まった器具搭載部品1521yとニードル930’を、確実に一緒に押すために成型バネで形成されていてもよい。
【0246】
代わりの実施形態において、(マガジン内の突起部8030のような座部部材により確定される)座部8022を有するカートリッジが提供される。
図26Aに示すように、ニードル930’のような縫合糸通し部材930を、ニードル930’のべベル開口部に垂直に近づけることの代案として、カートリッジは、座部8022を、下からニードル930’に近づけられる構成を有する。このことは、縫合糸末端504が、ニードル930の内径を見つける必要がある、突起部領域を増やす。示す例において、突起部の領域は、Y方向(すなわち、横切る方向)に増え、X方向(横方向)では同じままである。これは、縫合糸末端504がニードル930’を見つけることを確実にし、そして縫合糸末端504が許容度の積重ねによって起こるズレによりニードル930’に入らないというリスクを減らすかもしれない。そのように、より大きな突起部領域は、縫合糸末端504にニードル930’に入る道を見つけるための追加の場所を提供するかもしれない。これは、座部8022とニードル930’が正しく整列されていない場合に有益であるかもしれない。
【0247】
ここで上に前に概説し、
図9Lと9Nに示すように、いくつかの実施形態において、マガジン、例えばロッカー1041は、縫合糸末端504をそこに摩擦係合で保持するために、座部凹部あるいはチャネルを有する座部1022’に隣接して位置する整列凹部1030’を有する。整列凹部1031’は、縫合糸末端504が座部1022’から縫合糸通し部材930の縫合糸取込通路932に移動することを可能にするために、
図9Nに示すように、縫合器具900へのカートリッジ1000の装填の間、部分的に延びた位置に(ニードル930’のような)縫合糸通し部材930を受け入れるように構成されている。これは、縫合器具へのカートリッジ1000の装着の際、ニードル930’が、ニードル930の遠位部分が縫合器具のシャフト910の外側に遠位に延びる部分的に延びた位置に維持されるため、カートリッジのニードルアウト構成と呼ばれてもよい。
【0248】
いくつかの実施形態において、器具近位部分あるいは縫合器具900のシャフト910に沿って取り付けられ、縫合器具900へのカートリッジの装填の間、ニードル930’を部分的に延びた位置に維持するためのロック位置の中のニードル930’内の開口部935(
図27A)と係合可能であるニードルロックが備えられている。ニードルロックは、ニードル930’が縫合器具900の使用前に、その名目上の位置に引っ込むことが出来るようにその後は解除されてもよい。そのように、いくつかの実施形態において、外科用縫合器具900は、縫合器具900へのカートリッジの装着の際に、ニードル930’との座部の整列を容易にするために、ニードル930’を部分的に延びた位置に維持するために、ニードル930’を摩擦係合するためのニードルロックを有する。
【0249】
一つの具体例において、
図27Bに示すように、ニードルロックは、器具近位部分あるいはシャフト910に取り付けられるロック筐体あるいは本体1739を有する弾性ロック1737を有している。ロック筐体あるいは本体1739は、フレキシブル弾性アーム1735を有する。示すように、そのロック位置1737Aにおいて、弾性アーム1735は、ニードル930’が、器具近位部分あるいはシャフト910の中に引っ込むことを防ぐように、ニードル930’の開口部935に係合される。そのように、弾性アーム1735は、縫合糸末端が整列し、座部1022’からニードル930’の中に移動することを容易にしながら、ニードル930’がカートリッジ1000の整列凹部1030’内に受け入れられるようにするために、ニードル930’がその部分的に延びた位置に留まることが出来るようにする。一つのそのような例において、カートリッジ1000、2000の部品、例えばカートリッジ筐体1010’、2010’の部品は、弾性ロック1737を解除するために使用可能であってもよい。一つの特定な例において、例10に参照されるノットスライダーのようなノットスライダーは、それをアンロック位置1737Bに動かしながら弾性ロック1737を解除するために、シャフト910の器具近位部分に沿って、近位に移動可能である。
図27Cに示すように、ノットスライダー2030が近位に前進するとき、ノットスライダー2030のアンロックタブ2035は、ロック筐体、あるいは本体1739の開口部1736内に係合するように受け入れられ、そしてそれは、弾性アーム1735が曲がり上がり、ニードル開口部935から出ることを可能にする。言い換えれば、ノットスライダー2030は、押されあるいは後ろへ動かされ、ニードルのロックを跳ね上げる。そのように、ノットスライダー2030は、弾性ロック1737をアンロック位置1737Bへ移動し、そしてノットスライダー2030は、ニードル930’がシャフトあるいは器具近位部分910の中、すなわち、その未作動の/名目上の位置へ引っ込めるようにするために、ニードル930’から解除される。いくつかのそのような実施形態において、ノットスライダー2030は、器具近位部分と接続されるために、さらに後ろへ移動される。これのいくつかの例において、ニードルロックは、ノットスライダ2030ーの内側に使われてよい。言い換えれば、ニードルロックは、ノットスライダー2030が器具近位部分960に接続される前にノットスライダー2030内に収納されるように内部に受け入れられる。
【0250】
代わりの実施形態において、
図28Aに示すように、ニードルロックは、器具近位部分あるいはシャフト910に取り付けられるロック筐体あるいは本体1839を有するピボットベースニードルロック1837を有する。ロック筐体あるいは本体1839は、オーバーセンターピボット1834に取り付けられ、ロック筐体あるいは本体1839内で回転可能な回転可能アーム1835を有する。そのロック位置1837Aにおいて、
図28Aに示すように、回転可能アーム1835は、ニードル930’が器具近位部分あるいはシャフト910の中に引っ込むことを防ぎながら、ニードル930’の開口部935と係合される。そのように、回転可能アーム1835は、縫合糸末端が整列し、座部1022’からニードル930’の中に移動することを容易にしながら、ニードル930’がカートリッジ1000の整列凹部1030’内で受け入れられるようにするために、ニードル930’が、その部分的に延びた位置に留まることが出来るようにする。本例において、例10に取り上げるノットスライダー2030のようなノットスライダーは、それをアンロック位置1837Bに移動しながらピボットベースニードルロック1837を解除するために、シャフト910の器具近位部分に沿って近位に移動可能であってもよい。ノットスライダー2030が近位に前進するとき、
図28Cに示すように、ノットスライダー2030のアンロックタブ2035は、回転可能アーム1835がニードル開口部935との係合から離れて右回りに回転出来るようにするロック筐体あるいは本体1839の係合開口1836内に受け入れられる。言い換えれば、ノットスライダー2030が押されあるいは後ろへ動かされるとき、それは、ニードルロック930’のロックを上へ動かす。いくつかのそのような実施形態において、ニードル930’は、ピボットベースニードルロック1837のロック位置1837Aの中のその名目上の引っ込み位置へ引っ込もうとするので、それは、回転可能アーム1835とニードル開口部935との間の係合をより堅くする。いくつかのそのような実施形態において、ノットスライダー2030は、アンロックタブ2035を使って十分な力を及ぼし、そして示したオーバーセンター仕組みの回転可能アーム1835を押し上げるための十分な機械的優位性を備えている。
【0251】
そのように、ノットスライダー2030は、ニードル930’がシャフトの中に引っ込むか、あるいは器具近位部分910がその未作動の/名目上の位置に戻れるように、それをニードル930’から解除することによって、ピボットベースニードルロック1837をそのアンロック位置1837Bの中に動かす。
【0252】
更なる代案において、
図29Aに示すように、ニードルロックは、器具近位部分あるいはシャフト910に取り付けられるロック筐体あるいは本体1939を有するリンケージベースニードルロック1937を有する。ロック筐体あるいは本体1939は、ピボット1934に取り付けられる第一と第二回転可能アーム1935a、1935bを有するリンケージ1935を有する。一つの具体例において、リンケージ1935は、ライブヒンジを形成する、例えばオーバーセンターリンケージを有する。
図29Aに示す、ロックのロック位置1938Aにおいて、リンケージ1935は、サポート1933上に載っているリンケージの第一アーム1935aにロックされ、そしてリンケージの第二アーム1935bは、ニードル930’が器具近位部分あるいはシャフト910の中に引っ込むことを防ぐため、ニードル930’の開口部935と係合される。そのように、第二アーム1935bは、縫合糸末端が整列し、座部1022’からニードル930’の中に移動することを容易にしながら、ニードル930’がカートリッジ1000の整列凹部1030’内に受け入れられるようにするために、ニードル930’が、その部分的に延びた位置に留まることが出来るようにする。いくつかの実施形態において、ロック筐体あるいは本体1939内のリンケージ1935の位置は、ニードル先端延長距離(すなわち、どの程度ニードル遠位先端がシャフト910の先に遠位に延びるか)が合わせられるように調整可能であってもよい。
【0253】
図29Bに示すように、本実施形態において、(例10に取り上げるノットスライダー2030のような)ノットスライダーは、リンケージとニードルロックをそのアンロック位置1937Bの中に移動させることにより、リンケージベースニードルロック1937を解除するため、シャフト910の器具近位部分に沿って近位に移動可能であってもよい。ノットスライダー2030が近位に進むとき、ノットスライダー2030のアンロックタブ2035は、ロック筐体あるいは本体1939内に受け入れられ、そしてそれはニードル9030’をアンロックするため、リンケージ1935を、センターを過ぎてトグルバックするリンケージ1935の第一アーム1935aを押す。より具体的には、アンロックタブ2035は、第一アーム1935aを右回りに動かし、それはピボット1934を上に動かす。ニードル930’が引っ込もうとするとき、ニードル開口部935が第二アーム1935bに及ぼす近位力と共にピボット1934の上への移動は、
図29Cに示すように、リンケージ1935の第二アーム1935bがニードル開口部935との係合から離れて動けるようにし、そしてそれはニードル930’が、器具シャフト910の内部であるその名目上の位置に引っ込むことが出来るようにする。言い換えれば、リンケージ1935を押すアンロックタブ2035の移動とニードル930’の同時の近位移動は、リンケージアームを動けるようにし、第二アーム1935bが邪魔にならない所に動けるようにする。そのように、ノットスライダー2030は、ニードル930’がシャフトの中に引っ込むか、あるいは器具近位部分910がその未作動の/名目上の位置に戻れるように、それをニードル930’から解除することによって、リンケージベースニードルロック1937をそのアンロック位置1937Bに移動する。
【0254】
いくつかのそのような実施形態において、
図29Dに示すように、ニードルスロット935は、その部分的に延びた位置にニードル930’をロックすることを容易にし高めるアンダーカットを得るための角度でカットされていてもよい。一つのそのような例において、ニードル930’は、上に取り上げたようにオーバーセンターリンケージを使ってリンケージベースニードルロック1937にロックされてもよい。
【0255】
代わりの実施形態において、
図30Aに示すように、ニードルロックは、器具近位部分あるいはシャフト910に取り付けられるロック筐体あるいは本体(示さず)を有するロック2137を有する。ロック筐体あるいは本体は、ピボット2134に取り付けられる回転可能アーム2135を有し、ロック筐体あるいは本体2139内のピボット2134の周りを回転可能である。アーム2135は更に、縦あるいは横方向にロック筐体あるいは本体に沿って移動可能である。筐体は、そこにギャップ2136を画定するスライダー2136’を更に有し、スライダー2136’は、ニードルロックのロックの仕組みをアンロックするために移動可能である。
図30Aに示すロック位置2137Aにおいて、スライダー2136’が、アーム2135の回転を止め、そしてそれでニードル930’が器具近位部分あるいはシャフト910の中に引っ込むことを防ぐように機能するとき、回転可能アーム2135は、ニードル930’の開口部935に係合される。従って、スライダー2136’およびアーム2135は、縫合糸末端が整列し座部1022’からニードル930’に移動することを容易にするために、カートリッジ1000の整列凹部1030’内でニードル930’が受け入れられるように、その部分的に延びた位置にそれを保持するためにニードル930’をロックするよう協働する。
【0256】
この上で取り上げた実施形態と同様に、本発明において、(例10で前に取り上げたように)ノットスライダー2030が提供される。このノットスライダー2030は、スライダーベースニードルロック2137を解除するためのシャフト910の器具近位部分に沿って近位に移動可能である。ノットスライダー2030が近位に前進するとき、ノットスライダー2030のアンロックタブ2035は、スライダー2136’のギャップ2136が、今アーム2135のピボット2134の上に配置されるように、スライダー2136’を押して近位に移動する。ギャップ2136は、ピボット2134がそこに垂直に動けるようにし、それに取り付けられるピボット2134とアーム2135が、ニードル開口部935(
図30B及び30C)との係合から離れて右回りに回転出来るようにする。更に、アーム2135が垂直に移動するとき、ニードル930’が近位に動く結果として、それは回転出来る。言い換えれば、アーム2135が垂直に移行するとき、ニードル930’がシャフトの中に引っ込むか、あるいは器具近位部分910が、その未作動の/名目上の位置の中に戻れるようにそれをニードル930’から解除することによって、スライダーベースニードルロック2137が、そのアンロック位置2137Bに移動出来るようにするために、アーム2135が、ニードルとの係合を離れて動けるようにするために、それはアーム2135に回転を完了させる。
【0257】
前にこの上で
図13A-13B、13Eを参照し、更に今
図31A及び31Bを参照して概説するように、本発明の実施形態は、縫合糸の中間部分のような縫合糸500の一部分を、縫合糸移動部品1011を有する筐体1010’に接続するための縫合糸ロック1060を備えている。そのように、縫合糸ロック1060において、そのロック構造1060A(
図31B)は、縫合糸移動部品1011が縫合器具に沿って近位に移動するとき、それに沿って引っ張られるためにロック1060を使ってそれに接続される縫合糸を引っ張ることが出来るようにする。
【0258】
ここに前に取り上げたように、初期ロック構造1060Aにおいて、縫合糸500は、縫合糸ロック1060Aの歯1064と、対応する縫合糸ロック係合部品の歯1064’との間に保持される。ロック1060を解放するために、
図13D及び13F、更に
図31Aに示すように、そこに保持される縫合糸(例えば、縫合糸の中間部分)を解放するために、歯1064および1064’をお互いの係合から離すことによって、ロックはその第二位置1060Bに移動される。
【0259】
図31Cに示すように、いくつかの実施形態において、縫合糸ロック1060は更に、そこに保持される縫合糸500をアンロックし解除するために、解除の仕組みを有する(これは、
図13B、13D、それと
図13E、13Fに更に図示される)。縫合糸ロック1060は更に、ロック部分1065および解放部分1067を備え、そこで、ロック部分1065は、(縫合糸の中間部分のような)縫合糸の部分がその間に保持されている状態で、例えば、それを押し下げて、縫合糸ロック1060の歯1064を縫合糸ロック係合部品1062の対応する歯1064’と係合させることによって、移動可能である。そのように、更に
図13B、13Eに示すように、ロック部分1065は、ロック1060をロック構造1060Aの中に取り入れるために、筐体1010’の中に移動する。更に、ロック構造1060Aにおいて、解放部分1067は、筐体1010’の外側に実質的に位置し、外に見ることが出来、今縫合糸ロック1060を解放するよう操作可能である。一つのそのような実施形態において、歯1064、1064’は曲がりくねった通路を縫合糸に提供し、縫合糸は、歯1064,1064’により提供される、滑らかだが密接にフィットする表面に押し付けられる。更に、縫合糸500を解放したいとき、例えば筐体1010’が、縫合糸末端を縫合糸通し部材の中に引っ張るために移動した後で、縫合糸ロック1060は解放されることが出来る。一つのそのような例において、縫合糸ロック1060の解放部分1067は、今押し下げられ、それによって、
図13Dに示すように、それは筐体1010’内に配置され、縫合糸ロック1060の歯1064を、縫合糸ロック係合部品1062の対応する歯1064’との係合から離し、縫合糸ロック1060とそこに保持される縫合糸500を解放する。
【0260】
縫合糸ロックの更なる代案において、
図31Dに示すように、縫合糸ロックは、示すように縫合糸500がそれらの間に圧入されるようにするために、実質的にマッチングする輪郭1064yを有する対応するロック空洞1066’内で係合可能である輪郭表面1064xを備えるルアテーパ1066を有する。ルアテーパ―1066は、示した
図31Dを参照して、縫合糸がルアの側部および/またはルアの底部に沿って圧入されるようにする、そんなに鋭利ではない先端を有する。
【0261】
ここで上に取り上げる実施形態において、筐体1010’は、縫合糸末端を縫合糸通し部材930の中に押し入れるために、基部1020から解除された後で、縫合器具900に沿って移動する。それから、それは、縫合器具900のハンドルあるいは近位部分に接続されるために、縫合糸ロックが解除された後で、(例えば、筐体1010’が、縫合器具900に取り付けられるあらかじめ作られた結び目を更に有する場合)更に近位に前進させてもよい。一つのそのような例において、筐体1010’が、縫合糸末端を縫合器具900に装填するために近位に移動するとき、縫合糸ロックは、筐体1010’が(縫合糸ロック2060内で保持された縫合糸末端と縫合糸の部分のような)縫合糸の一部分から独立して移動するようにすることによって、(縫合糸末端が縫合器具に移動した後で)自動的に解除されてもよい。
【0262】
従って、
図31Eに示すように更なる代案として、ここで上に参照した例9で取り上げたように、カートリッジ筐体、例えばカートリッジ1010’、に取り付けられる自動縫合糸ロック2060を示す。示した具体例において、縫合糸ロック2060は、フィン2064を有する第一部材2061と対応するフィン2064’を有する第二部材とを有する。第一と第二部材2061、2062は、第二部材2062のロックタブ2066を係合する第一部材2061の係合アーム2063を介して接続される。一つのそのような例において、フィン2064、2064’はルアロックフィンである。縫合糸500は、示すようにフィン2064、2064’の間に保持される。筐体1010’が縫合糸を縫合糸通し部材930’に移動するために移動するとき、それは、それからさらに遠くに移動される。筐体1010’がさらに遠くに移動するとき、縫合糸500は係合アーム2063を上と外側に引っ張るのに十分な力を及ぼし、そしてそのことは、縫合糸500をロックタブ2066から解除する。そのように、第二部材2062は、第一部材2061から離れ、それが軸回転して外れる原因になり、そして縫合糸ループ506は(縫合糸ループ506がロックフィンを介して継続して引っ張られることを防ぐために)フィンを介して上へ進む。いくつかのそのような実施形態において、ロックタブ2066の位置は、より大きな機械的優位性を提供するためにさらに下に動かされてもよい。これは、縫合糸が係合アーム2063をロックタブ2066から解除するために、より大きな引っ張る力を及ぼすことを必要とする。いくつかの実施形態において、これはまた、係合アーム2063を解除するために必要な解除力を調整する手段を備えていてもよい。
【0263】
本発明の代わりの実施形態において、
図32Aに示すように、縫合糸ロック3060とインターロック3050とを有する結合ロック仕組み3070を備え、それらは共に同じ仕組みによって同時に作動する。図示した実施形態において、基部3020に接続される筐体3010’を有するカートリッジ3000を備えている。縫合糸スプール3017は、基部3020から筐体3010’に延びる縫合糸500を保持し、そこで縫合糸500は、縫合糸スプール3017の中に伝送される前に、それらの間に縫合糸を保持する縫合糸ロック3060の二つのバイアス摩擦ローラー3062の間を通過する。いくつかのそのような実施形態において、基部3020は、筐体3010’と基部3020を含むカートリッジアセンブリ3000全体が、縫合糸末端を移動するために一緒に引っ込み、そしてそれから更に近位へ引っ張られてよいようにする機構を有する。カートリッジ3000が後ろへ引っ張られるとき、縫合糸500は、ローラーへの力が、それらがより離れ、それらの間から縫合糸500を解放しながら外へ向かって回転することを強いることにより、ローラー3062に力を及ぼす縫合糸スプール3017の外へ引っ張られ、そのように縫合糸ロック3060は解除される。ローラーが外へ向かって回転するとき、ローラー上のウエッジ3019は、(基部と筐体とを接続する)インターロック3050のロッキングアーム3052’上の延長部分3059と係合する。これは、スペース3054内でロッキングアーム3052’が中へ回転し、それらを基部3020内に保持する留め金との係合から離す原因となる。従って、基部3020を筐体3010’から解放することによって、インターロック3050もまた解除される。そのように、筐体3010’は、それから、基部3020から独立し、そして縫合糸ロック3060によって前に保持された縫合糸部分から独立して、近位に引っ込むように引っ張られることが出来る。
【0264】
一つのそのような実施形態において、
図32Bに示すように、インターロック3050と縫合糸ロック3060を有する、結合ロック仕組み3070のための解除の仕組みは、バネ3056によって互いに離れるように付勢されたレッグ3055’を有する手動解除ボタンを有する。レッグ3055’のそれぞれは、インターロック3050の移動可能アーム3052および縫合糸ロック3060のローラー3062に接続されている。手動解除ボタンが押されるとき、レッグ3055’が押されて、お互いの方へ内に向かって動き、このことは、ローラーがその間に保持されている縫合糸500を解放しながら互いに離れる原因となり、一方レッグ3055’は更に、移動可能アーム3052がスペース3054内で内向きに動けるようにする。そのように、手動解除ボタン3055は、結合ロック仕組み3070の縫合糸ロック3060とインターロック3050が、筐体3010’が基部3020と、また前に縫合糸ロック3060内に保持されていた縫合糸の部分から解放されるようにするために、同時に解除されるようにする。
【0265】
他の実施形態において、
図32Dに示すように、結合ロック仕組み3070のための解除仕組みは、インターロック3050と、インターロック3050の移動可能アーム3052に、それぞれ接続された第一及び第二レッグ3155a、3155bを有する手動解放ボタン3155を有する縫合糸ロック3060とを有する。第一レッグ3155aは、縫合糸リール3017の上の縫合糸500と摩擦係合する縫合糸ロックの移動可能歯3062’を更に係合する。手動解放ボタン3155が押されるとき、移動可能アーム3052がスペース3054内で内向きに動けるように、レッグ3155a、3155bが互いの方へ内に向かって押され動かされる。更に、ボタン3155が押されて第一アームが内方に向かって動くとき、それは、移動可能歯3062’が縫合糸500を解放するために、スプールを解除するように動きあるいは反転する。そのように、手動解放ボタン3155は、結合ロック仕組み3070の縫合糸ロック3060とインターロック3050が、筐体3010’が基部3020および前に縫合糸ロック3060内に保持されていた縫合糸の部分から解放されるようにするために、同時に解除されるようにする。
【0266】
本発明の代わりの実施形態において、
図32Cに示すように、筐体3010’と筐体の基部3020は、縫合糸ロック3260から独立して作動するインターロック3250を有する。インターロック3250のための手動解放仕組みは、示すようにバネによって互いに離れるように付勢されたレッグ3255’を有するボタン3255を有する。レッグ3255’のそれぞれは、移動可能アーム3052に接続される。ボタン3255を押すことは、レッグ3255’を互いの方へ動かし、それは、移動可能アーム3052がスペース3054内で内に向いて動けるようにし、筐体3010’を基部3020から解除しながら、基部3020内で、それらを対応する機構から引き離す。これは、縫合糸を基部内の座部から縫合器具900の縫合糸通し部材の中に移動するために、筐体3010’が、(縫合糸移動部品3011として機能するために)基部3020から独立して動けるようにしてもよい。更に、縫合糸ロック3060はそれから、筐体3010’が、縫合糸ロック3060内に保持された縫合糸部分から独立して動けるように、解除されていてもよい。一つのそのような例において、縫合糸ロック3060は、それが縫合糸スプール3017を出た後で、その周りに縫合糸500の一部分が巻き付いた縫合糸解放ピン3064を有する。一つのそのような実施形態において、縫合糸解放ピン3064はそれから、筐体3010’が、巻き付いた縫合糸部分から近位に分かれて動けるようにすることによって、そこに保持される巻き付いた縫合糸部分を解放するために取り除かれてよく、筐体3010’は、例えば、筐体3010’が、それが運ぶあらかじめ作られた結び目を縫合器具900に取り付けるため、縫合器具900のハンドルに隣接して保持されるようにするために、巻き付いた縫合糸部分から近位に、分かれて移動できるようにしてもよい。
【0267】
代わりの実施形態において、縫合糸を整列し移動するために完全に自動化された仕組みを備えている。他の実施形態において、縫合糸を装填するためにユーザーに要求されるステップの数を減らす、より簡単な機械的デザインが備えられていてもよい。いくつかの実施形態において、機械的デザインは、縫合糸を装填するためにユーザーに要求される一つ以上のステップを備えている。
【0268】
代わりの実施形態において、例10を参照して、プッシュロッドが縫合糸末端を縫合器具の中に押すために動けるように、ユーザーが押すボタンの形でプッシュロッドインターロックが備えられていてもよい。
【0269】
例10を参照して、ここで上に取り上げたようにいくつかの実施形態において、実施形態は、ノットスライダーの自動切り離しを提供する。代わりの実施形態において、ノットスライダーは、特定の時間にユーザーによってカートリッジ基部から手動で分離されてよい。いくつかのそのような実施形態において、ロブスター(Lobster)が装填されたとき、および縫合糸ノットスライダーが解除出来るときに、ユーザーに示す視覚インジケーター窓を備えていてもよい。いくつかの実施形態において、今例9を参照して、ロブスターが装填されたとき、および縫合糸ロックが解除されてよいときに、ユーザーに示す視覚インジケーター窓の形で同様の仕組みが備えられていてもよい。
【0270】
本発明のいくつかの実施形態において、縫合糸が、縫合糸通し部材の中に装填されたときに表示を提供するための追加の手段を備えているカートリッジが提供される。いくつかのそのような実施形態において、縫合糸が座部を離れたときに感知する座部の中のインターロック、すなわち座部インターロックが備えられていてもよい。あるいは、カートリッジは、縫合糸が装填されたとき、ユーザーが物理的に見ることが出来る、透明な、あるいは透けて見える部品を備えていてもよい。更に、更なる代案において、縫合糸が装填されたときに検出する光学センサーが備えられていてもよい。
【0271】
いくつかの追加の実施形態において、例10を参照して、ノットスライダーのスライドテールフックの代わりに固定テールフックを備えていてもよい。
【0272】
本発明の広範な実施形態に基づいて、外科用縫合器具に縫合糸を装填するための方法が提供され、縫合糸は縫合糸ループを有し、縫合糸末端で終わる。その方法は、縫合糸ループを介して配置される外科用縫合器具に、縫合糸ループを取り付けることに関係する。縫合糸末端は、縫合糸通し部材の縫合糸取込通路と整列させられ、そして縫合糸末端は、縫合糸通し部材の縫合糸取込通路へ移動される。縫合糸末端を整列するステップは、縫合糸末端に対して縫合器具を拘束することを含んでよい。縫合糸末端は、縫合糸通し部材に対して縫合糸末端を動かすことによって整列させられてもよい。いくつかの実施形態において、縫合糸末端を整列させるステップは、縫合糸末端に対して縫合糸取込部材を動かすことを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、縫合器具に縫合糸を装填する方法は、カートリッジのような縫合糸装填器具を使って行われる。カートリッジは、外科用縫合器具に縫合糸ループを取り付けるため、および縫合糸末端を縫合糸通し部材の縫合糸取込通路に整列させるための両方に使われてもよい。
【0273】
本発明の一般的な実施形態において、椎間板内で縫合するための方法が提供される。その方法は、縫合器具に縫合糸を装填するためにカートリッジを使うこと、およびそれから縫合糸を椎間板の中に届けるために外科用縫合器具を使うことを含む。いくつかの実施形態において、カートリッジは、ユースポイントで、例えば患者の内部で縫合器具を使う前に医師によって、縫合糸を装填するために使われる。方法の具体的な例において、縫合器具は、椎間板内の欠損を取り巻く組織の部位の中に縫合糸を通す、あるいは挿入するために使われ、縫合糸を使って欠損を接合する。この例の実例において、欠損の接合は、欠損の360度の接合を提供するために、縫合糸を使って欠損の周りに縫合糸のループを形成することを含む。縫合糸が欠損を接合するために使われた後で、椎間板内で縫合糸を結び目のように確保するための手段が提供される。いくつかの実施形態において、結び目は、あらかじめ作られた結び目を有し、欠損を接合するステップの後で配置される。特定な例において、カートリッジはあらかじめ作られた結び目を備えている。
【0274】
いくつかの実施形態において、縫合糸を縫合器具に装填する方法は、カートリッジのような縫合糸装填器具を使って行われる。より具体的には、
図1A-1Fを参照し、縫合糸500を縫合器具900に装填するために、カートリッジ100が提供される。縫合糸500は、座部122内に保持される縫合糸末端504で終わるタグループ507を有するサービスループ501の中に通じる、縫合糸ループあるいはあらかじめ作られた結び目502を有する。
図1Fを今参照し、縫合器具900の遠位先端920は、それが筐体10’に取り付けられる縫合糸ループ、あるいはあらかじめ作られた結び目を介して位置決めされるように、チャンバー10内のチャネル14を介して筐体10’に挿入される。縫合器具900の遠位先端920はそれから、筐体10’が縫合器具の近位部分あるいはシャフト910に取り付けられるように、チャネル14を通り過ぎて遠位に前進する。基部120は筐体10’に可撓チューブ152によって柔軟に接続されているので、これは、縫合器具900が前に進めるように、カートリッジ基部120が側部へ通路を離れて(縫合器具900の長手方向の軸から離れて)位置決めされることを可能にする。可撓チューブ152は、それが筐体10’を通って前に進むとき、カートリッジ基部120が、外科用縫合器具900の通路から側部に離れて保持されるようにするために曲がる。縫合器具900は、遠位先端920と首部940および組織取込ギャップ942が筐体10’に遠位に位置するように配置される。
【0275】
カートリッジ基部120はそれから、外科用縫合器具900の中に留められるために、外科用縫合器具900の長手方向の軸の方へ後退する。
図1A-1Fに図示する例において、拘束部材25は、縫合器具900の形状に対応するロッキング凹部125を有する。具体的には、それは、首部940、および縫合器具900の近位と遠位部分910、920を収納するように形作られている凹部である。再度
図1Fを参照して、カートリッジ基部120はそれから、縫合器具900にスナップ嵌めされる。縫合器具900は、基部120がその周りに圧入されるようにロッキング凹部125内に受け入れられる。ロッキング凹部125は、座部122および座部122内に保持される縫合糸末端504を縫合器具900の縫合糸取込通路932と整列させるよう手助けするために、縫合器具を拘束するように機能する。
【0276】
前に概説したように、カートリッジ基部120は更に、座部122を縫合器具900の縫合糸取込通路932と整列させる更なる手助けをするために、座部122に隣接する整列凹部130を有する。整列凹部130は、ニードル930’のような縫合糸通し部材930を受け入れるように寸法設定される。一旦縫合器具900の動作がロッキング凹部125によって束縛あるいは制限されると、ニードル930’は、ニードル930’が座部122に隣接して位置するように整列凹部130内で(例えばトリガーを始動させることによって)前進する。
【0277】
前に言及したように、縫合糸は、
図1Bに示すように、座部122に連絡する基部スロット128を介して経路が定められる。一旦縫合器具900が(
図1Fに示す位置で)ロッキング凹部125内に挿入されると、基部スロット128は器具近位部分910内の長手方向の開口部928、およびニードル930’内のスリット938と整列する。カートリッジ100を出た縫合糸タグループ507はそれから、そこに縫合糸末端504を配置するため、縫合糸末端504を座部122から縫合糸通し部材930の整列した縫合糸取込通路932の中に引き寄せるためにそれを引っ張ることによって、(近位に)引っ張られる。タグループ507が引っ張られるとき、縫合糸維持ピン165は、サービスループ501が縫合糸スプール160から引っ張り出されることを防ぐために、タグループ507の一部分を保持する。縫合糸維持部品165はそれから、縫合糸500を解放することによって取り除かれる。一つの具体例において、凹部内でニードル930’を前進させるためにトリガーが始動される場合に、トリガーはこのポイントで解放されてもよい。一旦、縫合糸末端504が縫合器具900に装填されると、カートリッジ筐体10’はそれから、器具近位部分あるいはシャフト910に沿って近位に前進する。例えば縫合器具900のハンドルまで前進し、そしてそこで接続される。一旦筐体10’が近位に前進すると、可撓チューブ152は、筐体10’から基部120を分離することにより、筐体10’から分離される。カートリッジ基部120は、外科用縫合器具900からカートリッジ基部120を外すことによって縫合器具から取り除かれる。より具体的には、縫合器具900は、基部120のロッキング凹部125から分離される。
【0278】
縫合器具900はそれから、例えば、椎間板内の欠損を縫い合わせる為、組織の部位、例えば縫合糸を適用する患者の体の椎間板の中、を通って縫合糸500を通すために使われる。縫合糸500が椎間板を通るとき、縫合器具900はそのとき引っ張られ、それで縫合糸スプール160のような縫合糸保管場所内に保持される縫合糸500が繰り出される。縫合糸500内の引っ張りはそれから、筐体10’を、器具近位部分あるいはシャフト910から分離させ、それにより筐体10’が縫合器具900に沿って遠位にスライドし、そして縫合糸500が椎間板を通り過ぎるのを確実にするために、椎間板内にあらかじめ作られた結び目を配置することを可能にする。
【0279】
カートリッジ基部220は外科用器具から取り除かれ捨てられてもよい。
【0280】
本発明の代わりの実施形態に従い、
図2Dに示すように、カートリッジ200を使って縫合糸500を縫合器具900に装填するための方法が提供される。前に概説したように、カートリッジ200は、可撓チューブ152によって筐体10’に接続される基部220を有する。縫合器具900に縫合糸500を装填するために、縫合器具900は、筐体10’内のチャンバー10を介して配置されるために、チャネル14を介して前進する。そのように、縫合器具900は、縫合糸ループあるいはチャネル10’の周りに取り付けられる、あらかじめ作られた結び目を通って配置される。縫合器具900はそれから、外科用器具の縫合糸取込ギャップ942が、筐体10’に遠位に配置されるまで前進する。基部220はそれから、組織取込ギャップ942内に配置され、そして器具近位部分あるいはシャフト910の方へ近位にスライドされる。いくつかの実施形態において、基部220のようなカートリッジの一部分は、縫合糸を縫合器具900に装填するために縫合器具900の一部分を軸方向に受け入れる。言い換えれば、基部220は、基部220に対して縫合器具900の軸前進を許容する。基部220が近位に進むとき、シャフト910の部分は、摩擦係合で(整列機構である)ロッキング凹部225内に受け入れられる。ロッキング凹部225は、カートリッジ220に対して縫合器具900を固定するあるいは束縛するよう機能する拘束部材である。
【0281】
カートリッジ基部220はそれから、(ニードル930’のような)縫合糸通し部材930に接触する整列機構として機能する突起部230まで近位にスライドする。より具体的には、突起部230のべベル面234は、座部222(そしてそこに保持される縫合糸末端504)がニードル930’の縫合糸取込通路932と整列するのを手助けするために、ニードルべベル934と接触する。一旦、縫合糸末端504が、縫合糸取込通路932と整列すると、例えば
図2Dに示すように、タグループ507を引っ張ることによって、縫合糸末端504は、縫合糸取込通路の中に移動する。縫合糸維持ピン265を有する縫合糸維持部品65は、
図2Eに示すように、サービスループ501が、余分の縫合糸500を保持する縫合糸ペイアウトチューブ260の一つから引っ張り出されるのを防ぐために、タグループ507の一部分を保持する。
【0282】
筐体10’は、例えば縫合器具900のハンドルがそこに配置されるまで、シャフト910に沿って近位に引っ張られる。これは、基部220を筐体10’から分離することによって、テザー152を引き離す。それから基部220が動くことが出来る。縫合器具900はそれから、椎間板のような組織の部位内で縫合糸を通すために使われ、一旦、例えば欠損部位の360度縫合をするために、縫合糸が椎間板を通り過ぎると、縫合器具900は近位に引っ張られる。縫合糸保管場所60、より具体的には、縫合糸チューブ260内に保持されている余分の縫合糸が繰り出され、それが(例えば縫合器具900の一部分に係合するタブで)止められる縫合器具の遠位先端920に着くまでそれを縫合器具に沿って遠位に引っ張りながら、筐体10’を引き寄せる。縫合器具900が引っ張られるとき、あらかじめ作られた結び目502が、椎間板のような組織の部位の中で縫合糸500を確保するため、例えば欠損を縫い合わせるために配置される。
【0283】
本発明の代わりの実施形態に従い、
図3C-3Dに示すように、カートリッジ300を使って縫合糸500を縫合器具900に装填するための方法が提供される。カートリッジ300は、スナップ352である固定カップリングによって、基部320に分離可能に接続される筐体10’を有する。
図3Cに示すように、カートリッジ300は、カートリッジ筐体10’を通って、そしてそこに取り付けられる縫合糸ループ(あるいはあらかじめ作られた結び目)502を通って縫合器具900の部分を挿入することによって、縫合器具900に装填される。縫合器具900はそれから、マガジン321がその第一位置321Aにある状態で、基部320内の器具取込凹部325’を介して遠位に進む。いくつかの実施形態において、カートリッジ300は、縫合糸を外科用縫合器具900に装填するために、基部に対して縫合器具900の一部分を軸方向に受け入れる(あるいは、言い換えれば、軸前進をさせる)。言い換えれば、カートリッジ300は、縫合器具900が、カートリッジ200を介して軸方向に受け入れられるようにすることによって、縫合糸を外科用器具900に装填する。例えば、縫合器具900は、カートリッジ300を介して遠位に進んでよく、あるいはカートリッジ300が縫合器具900に沿って近位に動いてもよい。
【0284】
特定な例において、
図3Cを参照して、縫合器具900は、
図3Cに図示するように、マガジン321が、縫合器具の組織取込ギャップ942と整列するように、カートリッジ300を配置するために、器具シャフト910の末端壁に係合または掛け金をかける(
図3Eに示すような)テールフック325によってそれが止められ、あるいは拘束されるまで、(
図3Eに示す)器具取込凹部325’を介して遠位に進む。
【0285】
図3Dに示すように、マガジン321はそれから、縫合器具900の組織取込ギャップ942内にマガジン321を配置するために、カートリッジ300の底に向かって下方へ移動する。マガジン321と座部322は、それを縫合糸取込通路932と整列させるために移動する。マガジン321は、整列凹部330が縫合糸通し部材930(あるいはより具体的にニードル930’)に沿うように配置される。ニードル930’は、例えばトリガーを始動することで前進し、それによってニードル930’は、(カートリッジ100を参照して上に取り上げた方法と同様に、)マガジン321内の整列凹部330内に受け入れられる。これは、座部322およびそこに保持される縫合糸末端504を縫合糸取込通路932に整列させる。縫合糸タグループ507はそれから、縫合糸末端504を座部322から縫合糸取込通路932の中に移動するために引っ張られる。タグループ507は、縫合糸末端504を巧みに操作または移動するよう引っ張られるために、タグループ507にクリアランスを提供するため、(
図3Bに示す)基部スロット328を介して伝送される。トリガーはそれから解除され得る。
【0286】
筐体10’は、処理の中で、基部320を筐体10’から引き離すことによって、そこにハンドルが接続されるまで、シャフト910に沿って前進する。基部320はそれから、スナップ352を解除することによって縫合器具900から取り除かれ、そして捨てられる。縫合糸ループあるいはあらかじめ作られた結び目は、前にここに概説したように、カートリッジ実施形態100、200と同様な方法で配置することができる。
【0287】
本発明の代わりの実施形態に従い、
図4A-4Cに示すように、カートリッジ400を使って縫合糸500を縫合器具900に装填するための方法が提供される。カートリッジは、基部420に分離可能に接続される(例えば前に取り上げたタイプの)筐体10’を有する。
図4Bに示すように、バネ搭載マガジン421(あるいはインターロック42)が最初にその第一あるいは初期位置421Aに配置された状態で、筐体10’を介しそれからカートリッジ基部420内の器具取込凹部425’を介して前進させることによって、カートリッジは、縫合器具900に装填される。いくつかの実施形態において、カートリッジ400は、縫合糸を縫合器具900に装填するために、基部に対して縫合器具900の一部分を軸方向に受け入れる(あるいは、言い換えれば、軸前進を許容する)。言い換えれば、カートリッジ400は、縫合器具900がカートリッジ400を介して軸方向に受け入れられるようにすることによって、縫合糸を縫合器具900に装填することを可能にする。例えば、縫合器具900は、カートリッジ400を介して遠位に進んでよいし、あるいはカートリッジ400が縫合器具に沿って近位に動いてもよい。一つの例において、カートリッジ400を使っての縫合器具900’のフロントエンド装填のための方法が提供される。
【0288】
特定な例において、
図4Cに図示するように、器具900が、カートリッジ基部420を介して遠位に進むとき、遠位先端920のテーパー部は、座部422(そしてそこに保持される縫合糸末端504)を縫合糸取込通路932と整列させるために、マガジン421(それと座部422)を下方へ、そして縫合器具900の組織取込ギャップ942の中に自動的に動かすことによって、インターロック421’のスラントあるいはインクライン923を係合する。バネ搭載マガジン421(あるいはインターロック421’)は、今その第二位置421Bに配置される。組織取込ギャップ942の中へのマガジン421の移動、及びマガジン421を通っての縫合器具900の遠位前進は、カートリッジ400に対して縫合器具900をロックまたは拘束する拘束機構として更に機能する。いくつかの実施形態において、縫合器具900は、それが止まるまでカートリッジ400の中をスライドする。
【0289】
更に、縫合器具900の遠位前進の間に、マガジン421が下方へ動くとき、突起部430は、突起部430のべベル434がニードルべベル934に接触するように、シャフト910の中へ動く。これは、座部422(それと座部チャネル424内に解放可能に保持される縫合糸末端504)が縫合器具900の縫合糸取込通路932と整列する手助けとなる。従って、マガジン321(
図4C)は、カートリッジ基部420と器具900との間の相対運動の際に、座部422を縫合用糸通し部材930と整列させるため、その第二位置の中に自動的に移動する。いくつかの実施形態において、筐体10’は、基部420を筐体910’から分離することによって、それが器具ハンドルと接触するまでシャフト910に沿って近位に前進してもよい。基部420はそれから、縫合器具900から取り除くことが出来る。いくつかの実施形態において、基部420は、器具900が近位に引き下げられ、そしてマガジン421がその初期位置421Aに移動するとき、自動的に引き離される。筐体10’の上のあらかじめ作られた結び目502は、カートリッジ100、200のために、前に取り上げた方法で配置されてもよい。
【0290】
いくつかの実施形態において、
図5Aと5Bに概説するように、カートリッジ500’が、外科用縫合器具900を筐体510’内のチャネル514を介して前進させることによって、縫合器具に装填される。チャネル514は、何の障害もなく、縫合器具900が、それを通って、そしてあらかじめ作られた結び目を通って遠位に前進することを可能にするのに十分な幅である。縫合器具900は従って、縫合器具の遠位部分920が基部520に遠位に位置するように、(チャネル514の底に沿って)チャネル514をまっすぐ遠位に進む。更に、首部940と組織取込ギャップ942は、基部520の下の切抜516内に配置される。カートリッジ500’はそれから、座部522を縫合糸通し部材930の縫合糸取込通路932と整列させるために、基部520が組織取込ギャップ942内に配置されるように、下方へ移動する(あるいは器具が上へ移動する)。
【0291】
従って、縫合器具900と(基部520および筐体510’を含む)カートリッジ500’は、基部520が組織取込ギャップ942内に配置されるようにするために、互いに対して動く。カートリッジ500’はそれから、シャフト910が、座部522が縫合糸通し部材930と整列することを更に助けるために、カートリッジ500’に対して縫合器具900を拘束するためにロッキング凹部525’内に受け入れられるように、縫合器具900のシャフト910に沿って近位に移動する。一旦そこに配置されると、カートリッジ500’はそれから、突起部530がニードル930’のような縫合糸通し部材930に接触することが出来るようにするため、縫合器具900に対して更に近位に前進する。より具体的には、突起部530のべベル534は、座部522およびそこに保持される縫合糸末端504を縫合糸取込通路932と整列させるために、座部522を縫合糸取込通路932と整列させるために、ニードル930’のべベルに寄りかかる。縫合糸末端504は、例えば縫合糸ループ507を強く引くことによって縫合糸取込通路932の中に装填されてもよい。いくつかの実施形態において、基部520は、縫合糸が組織の部位を通り過ぎるために縫合器具900を使っている間、縫合器具900に取り付けられる筐体510’に接続されたままでもよい。あらかじめ作られた結び目502は、ここに上で取り上げた実施形態に関して、前に概説したように配置されてもよい。
【0292】
本発明の代わりの実施形態に従い、
図6A-6Bに図示するように、縫合糸装填器具(カートリッジ600)が、フェルール70を外科用縫合器具900’に装填するために提供される。その方法は、カートリッジ600を使って縫合器具900’のフロントエンド装填を提供する。その方法は、チャンバー610に対して縫合器具を軸方向に動かすことを含む。いくつかの実施形態において、器具は、チャンバー610内のチャネルあるいは凹部614を通って遠位に前進する。特定な例において、凹部614は、拘束部材として機能し、座部622を縫合器具900のフェルール取込通路933と整列させるために、座部622に対してチャンバー610を介して受け取られる、縫合器具900’を配置する手助けをする。
図6Cに図示するように、縫合器具900’は、縫合器具900’の遠位先端920がキャップ621に接触するまで更に前進する。キャップ621は、座部622を縫合器具900’のフェルール取込通路933と整列させるために、座部622に対して縫合器具900’を位置決めするための拘束部材として機能する。更に、突起部630もまた、それがそこで受け入れられるとき、フェルール70が、フェルール取込通路933と整列するよう手助けする。一旦、フェルール70が、フェルール取込通路933内に配置されたら、その前進の際にフェルール70がフェルール通し部材931によって捉えられるようにするために、それは(ニードル931’のような)フェルール通し部材931の長手方向の軸と整列する。従って、カートリッジ600’は、フェルール70がフェルール通し部材931と整列することを更に手助けする。
【0293】
いくつかの実施形態において、カートリッジ600’は更に、フェルール70が、フェルール取込通路933内に配置された後で、フェルール70を縫合器具の遠位先端920に接続する手段を備えている。いくつかの実施形態において、座部622は、縫合器具900’内のフェルール70のロッキングが出来るように、縫合器具900’およびチャンバー610に対して移動可能である。より具体的には、
図6Dに示すように、座部622は、縫合器具900’へのフェルール70のロッキングが出来るように、縫合器具900’とチャンバー610に対して回転可能である。例えば、座部622の回転は、一つ以上の凹部あるいはフェルール70内の刻み目が、歯あるいは遠位末端(あるいは遠位先端)920の突起部902の中に受け入れられるようにするために、フェルール70の回転を可能にする。特定な例において、基部620(そして基部620)のロッキングリング620’は、フェルール取込通路933へのフェルール70の回転カップリングを可能にするために、90度左回りに回転される。この具体例において(基部620が、筐体610’に対してロッキングリング620’の右回り90度回転を通して、前もって筐体610’に回転可能にロックされている場合)、90度左回り回転はまた、筐体610’からのロッキングリング620’の分離を可能にする。
【0294】
基部620(そしてロッキングリング620’)はそれから、
図6Eに示すように、筐体610’とフェルール70が、器具遠位部分920に取り付けられたままで、筐体610’から取り除かれてもよい。基部620の除去は、
図6F及び6Gに示すように、筐体610’が器具近位部分あるいはシャフト910に沿って配置されるために、縫合器具900’に沿って近位に前進することが出来るようにする。筐体610’がシャフト910に沿って近位に前進するとき、筐体610’は’、それに取り付けられるあらかじめ作られた結び目が、シャフト910の周りに配置されるよう組織取込ギャップ942を過ぎて前進出来るようにする。(例えば、
図6Bと6Iに示すように)筐体610’内のスロット628は、筐体610’が縫合糸500に捉えられずに近位に引っ張られるようにするために、縫合糸500の経路を定めるためのクリアランスを備えている。いくつかの実施形態において、筐体610’は、縫合器具900’を使う間(組織の部位に縫合糸500を適用するため)、シャフト910に取り付けられたままであってもよい。それから筐体610’は、遠位末端920の周りに配置されるまで、組織取込ギャップ942を過ぎて器具900’に沿って遠位にスライドしてもよい。結び目502は、組織の部位内で縫合糸500を確保するために筐体610’を離れて配置されてもよい。
【0295】
代わりの実施形態において、カートリッジ600’の基部620は、カートリッジ600’を使用する間、筐体610’に接続されたままであってもよい。前と同じように、カートリッジ600’(基部620および筐体610’を含む)は、
図6A-6Cに示すように装置に取り付けられる。(ロッキングリング620’を有する)基部620はそれから、
図6Dに示すように、縫合器具900のフェルール取込通路933内のフェルール70をロックするために回転する。
【0296】
一つのそのような実施形態において、ロッキングリング620’(そして基部620)は、筐体610’に沿って回転してもよい。言い換えれば、カートリッジ600’全体は、フェルール取込通路933内でフェルール70をロックするために回転してよい。
図6Hを今参照して、一旦フェルール70が縫合器具900に装着されると、縫合糸ループ、あるいはあらかじめ作られた結び目502はそれから、器具近位部分あるいはシャフト910へ移動する。具体例において、あらかじめ作られた結び目502は、筐体610’から離されていてもよく、そして手動でシャフト910へ移動されてもよい。(例えば
図6Jに示すように)筐体610’内のスロット628は、
図6Hに示すように、縫合器具900からのカートリッジ600’の除去を可能にするために、縫合糸500が筐体610’を出るための空間を提供する。言い換えれば、スロット628は、カートリッジ600’が、例えば遠位にカートリッジ600’を引っ張ることによって、除去されるようにするために、縫合糸ストランド500のためのクリアランスを備えている。
【0297】
図7A-7Bに図示するように、本発明の代わりの実施形態に従って、縫合糸装填基部(カートリッジ700)が、外科用縫合器具900’にフェルール70を装填するために提供される。フェルール70は、それに接続される縫合糸の末端を有する(縫合糸は図示の目的のためには示されてない)。その方法は、カートリッジ700を使う縫合器具900’の軸装填を提供する。その方法は、
図7C、7Dそれに7Eに示すように、器具近位部分あるいはシャフト910がチャンバー710の凹部714内に受け入れられるようにした状態で、フェルール70を運ぶ座部722が落とされ、あるいは組織取込ギャップ742内に配置されるようにカートリッジ700を移動することを含む。より具体的には、凹部714は、拘束部材として機能し、そして、座部722をフェルール取込通路933と整列させるために、座部722に対してチャンバー710内に受け入れられるように、縫合器具900’を配置するよう手助けする。従って、一旦、座部722が組織取込ギャップ942内に配置されると、
図7Eに示すように、それが遠位先端920内でフェルール取込通路933と整列する。
【0298】
図7Fと7Iに示すように、カートリッジ700はそれから、シャフト910とスライド係合してシャフト910に沿って遠位に前進し、それで、座部722が、そこにフェルール70を配置するために、フェルール取込通路933内に受け入れられるために、組織取込ギャップ942内で軸方向に進む。カートリッジ700がシャフト910に沿って軸方向にスライドするとき、それはその初期構成700Aの中に留まる。
図7Gは、その初期構成700Aの中のカートリッジ700のフロントエンドビューを図示する。
図7Lは、カートリッジ700がその初期構成の中にいるときの筐体710’の断面を示す。(図示目的のため、
図7Gと7Hにおいて、カートリッジそれだけが示され、縫合器具900’は示されていない。)
【0299】
カートリッジ700はそれから、
図7Iと7Mに示すように、縫合器具900のフェルール取込通路933内のフェルール70の回転ロックを可能にするために、その第二構成700Bの中に右回りに回転する。より具体的には、示す実施形態において、カートリッジ700は、座部722に取り付けられるフェルール70をフェルール取込通路933と接続するために、約90度右回りに回転する。
図7Kと7Lは、カートリッジ700がその第二構成700Bの方へ向かうために右回りに回転されるときの、カートリッジ700のフロントエンドビューと筐体710’の断面ビューとをそれぞれ示す。(図示目的のため、
図7Kと7Lはカートリッジ700自体を示し、縫合器具900’は示されていない。)
【0300】
更なる詳細において、カートリッジ700が右回りに回転するとき、それは座部722とフェルール70を回転する。
図7Gに示すように、具体例において、座部722は、フェルール70を取り付ける為に、突起部730を形成するD字型ピンを有する。D字型ピンは、フェルール70のマッチングD字型内部プロファイルに起因して、ピンとフェルール70との間に締まりばめがなされるとき、フェルール70がそれに沿って回転出来るようにする。フェルール70が回転するとき、それは器具遠位部分920内にロックされる。例えば、突起部あるいは遠位部分または先端920内の歯は、フェルール70内の一つ以上の凹部内に受け入れられてよい。
【0301】
一旦、カートリッジ700が、フェルール取込通路733内のフェルール70を位置決めあるいはロックするために使われると、
図7Iに示すように、フェルール70は、例えばニードル931’のようなフェルール通し部材931の長手方向の軸と整列する。カートリッジ700はそれから、
図7Nに示すように、近位に引き下がることが出来る。カートリッジ700は、チャンバー710がシャフト910とスライド係合にあり、そして座部が組織取込ギャップ942の中に軸方向に引っ込んでいる状態で、縫合器具900’に対して軸方向に動く。カートリッジ700はそれから、
図7Oに示すように、縫合器具から解除され、そして取り除かれる。フェルール70は、フェルール通し部材931の長手方向の軸に整列しているので、フェルール通し部材931はそれから、(そこに縫合糸を持つた)フェルール70と接続されるために遠位に前進してもよく、そしてそれはフェルール通し部材931が、患者の体の内部の組織の部位を通って縫合糸を通せるようにする。いくつかの実施形態において、筐体610’は更に、すでに組織を取り過ぎた縫合糸を確保するために、あらかじめ作られた結び目がそれから後に配置される縫合器具900’に取り付けられることを可能にする、あらかじめ作られた結び目を有していてもよい。
【0302】
図8A-8Gを今参照して、本発明の代わりの実施形態に従い、縫合糸装填器具(カートリッジ800)は、一つ以上の縫合糸タブ80を縫合器具900”に装填するために提供される。その方法は、カートリッジ800を使う縫合器具900”のフロントエンド装填を提供する。
【0303】
最初のステップとして、(縫合糸通し部材930を有する)縫合器具900”は、
図8Eに示すように、カートリッジ800によって画定されるチャンバーに対し、軸方向に前進する。いくつかの実施形態において、縫合糸通し部材930は、チャネルあるいは凹部825を画定するチャンバーを介して遠位に前進するニードル930’を有する。(チャネル825は
図8bに示す。)
図8Eを今参照して、特定な例において、チャネル825は、拘束部材として機能し、そして、座部822を縫合器具の縫合糸取込通路932(あるいは、言い換えればタブ取込通路932’)と整列させるために、座部822に対してチャネル825を介して挿入されるニードル930’を位置決めすることを手助けする。さらに、ニードル930’の深さ止め945は、チャネル825の一部分内に受け入れられる。言い換えれば、深さ止め945は、ニードル930’をカートリッジ800に回転しながら整列させることによって、深さ止め空洞845を形成するチャネル825の一部分内に受け入れられる。これは、カートリッジスロット828が、ニードルスロットあるいは長手方向の開口部928に整列することを確かなものにする。(深さ止め空洞845は
図8Bにも示されている。)
【0304】
更に、ニードル930’が前進するとき、座部822がニードル930’と整列するのを手助けするために、それは、(
図8bにある)整列凹部830内に受け入れられる。より具体的には、整列凹部830を画定するべベル面834は、ニードル930’の縫合糸取込通路932を座部822に更に整列させるために、ニードル930’を合体するためのニードル930’のべベル面934と係合する。
【0305】
一旦、ニードル930’が座部822と整列すると、プランジャー809が、タブ80を縫合糸取込通路932の中に押すために作動される。プランジャー809は、座部822の座部チャネル824内に保持されるタブ80を、縫合糸取込通路932の中に動かすために、それが座部チャネル824内で近位に動くように押される。タブ80が、ニードル930’の縫合糸取込通路932の中に押されるとき、
図8Fに示すように、縫合糸500もまた、基部820内のスロット828からニードル930’のスロット928の中に移動される。この実施形態において、
図8A-8Gに示すように、縫合糸取込通路932は、タブ受取通路932’と呼ばれてもよく、そしてタブ80を受け入れるような大きさである。
【0306】
いくつかの実施形態において、プランジャー809は、タブ80を縫合糸取込通路932の中に押すために、手動で作動されてよい。あるいは、プランジャー809は、自動的に作動されてよい。プランジャー809は、外部筐体に接続/外部筐体から形成されていてもよい。例えば、ニードル930’が、基部820の中に前進しそこに配置された後で、外部筐体に対して基部820の遠位移動を可能にすることによって、ニードル930’を遠位に進める試みがなされてよく、そしてそれは、タブ80とそこに接続される縫合糸を、座部822からニードル930’の中に移動することを許容するために、プランジャー809が、タブ80を押すために基部820に対して遠位に前進するようにすることを可能にする。更なる例において、回転可能ピンは、プランジャー809の動作を最初に阻止してもよく、ニードル930’が前進するとき、それはピンがプランジャー809の通路から軸回転して離れる原因となる。それから、ニードル930’および基部820は、タブ80をニードル930’の中に押すために、プランジャー809が自動的に動けるようにするために、外部筐体に対して遠位に進んでもよい。ニードル930’(およびそこに保持されるタブ80)はそれから、
図8Gに示すように、例えばカートリッジに対してニードル930’を近位に引くことによって、カートリッジ800から除去されてもよい。
【0307】
概して、ここで上に概説したように本発明の実施形態は、例えば前にここで
図9A-9Oを参照して取り上げたタイプの、縫合器具900の軸装填を可能にするカートリッジ1000を提供する。器具900がそれらの間に組織取込ギャップ942を画定する器具遠位部分920および器具近位部分910を画定するように、縫合器具900は特にチャレンジを提供し、そこで縫合糸と共に装填されるべき縫合糸通し部材930が器具近位部分910内に保持される。
【0308】
従って、縫合器具900の軸装填を可能にするために、カートリッジ1000は、器具遠位部分920が障害なく前進出来るようにするように、縫合糸が縫合器具900の進む通路から離れたままにすることによって、縫合糸を縫合糸通し部材930と整列させるための手段を備えている。従って、縫合糸は、器具遠位部分920が縫合糸の先へ前進するまで、縫合器具900の通路から離れて保持され、縫合糸はそれから、そこに縫合糸を移動させるために、縫合糸を縫合糸通し部材930と整列させるために、組織取込ギャップ942の中に移動出来る。
【0309】
本発明の実施形態に従い、
図10Aを参照して、例えばユースポイントでの、外科用縫合器具900への縫合糸500装填を容易にするためのカートリッジ1000の使用方法が開示される。いくつかの実施形態において、ロッカー1041によって画定されるような軸回転座部1022は、組織取込ギャップ942がロッカー空洞1027’内に配置されるまで、ロッカー1041が前進する縫合器具900の通路から離れたままでいるようにすることで、軸装填することを容易にする。一旦縫合器具900が場所に着くと、カートリッジ1000は、ロッカー1041が組織取込ギャップ942の中に下へ軸回転出来るようにし、それで座部1022は、ニードル930’のような縫合糸通し部材930と隣接して配置され整列される。
【0310】
図10Aに示すように、カートリッジ1000内に縫合器具900を最初に配置するための方法が提供される。縫合器具900はそれから、縫合器具900のフロントエンド装填を可能にするために、カートリッジ1000を介して軸方向に通過する。より具体的には、
図10Aと9Cを参照して、縫合器具900は、筐体1010’内の開口部1016の中に挿入され、傾斜内部端部1016’によってカートリッジ筐体1010’内のチャネル1014の中に案内され、そして遠位に前進する。上に概説したように、チャネル1014は、筐体1010’を介して長手方向に延び、そして基部1020内に形成され、拘束部材25を形成する基部凹部1025に連絡している。従って、縫合器具900が、カートリッジ1000を通って前進するとき、それは、チャネル1014から、チャネル1014に連絡する基部1020内の凹部1025の器具取込溝1025aの中に延びる。拘束部材25は、そこに画定される長手方向の通路に沿って、横断(すなわち上方向および下方向)並びに横方向への縫合器具900の動作を束縛あるいは制限する。拘束部材25は、縫合糸が、縫合器具の一部分の中に移動出来るようにするため、それとともに整列を容易にするために、座部1022の最終位置に沿う通路に沿って縫合器具900への位置を維持するために、縫合器具900がそこにスライド係合で前進できるようにする。縫合器具900はそれから、縫合器具900の遠位部分あるいは末端920が、基部1020の凹部1025aを出るように更に前進する。より具体的には、
図10Aに示すように、図示する実施形態において、縫合器具900が前進するとき、それは、ロッカー1041の遠位溝部分1048内に受け入れられるまで、基部1020(
図9Eに示す)の器具取込溝1025aを介して基部1020のロッカー凹部1027の中に入る。そのように、縫合器具900は、(
図9Dにも示す)縫合糸溝1025b内に保持される縫合糸500に隣接して配置される。前に概説したように、縫合糸500は、縫合糸末端504が座部1022内に保持されるように、カートリッジ1000内に保持され、そこから、それはピボット凹部あるいは空洞1027に出て、基部凹部1025の縫合糸溝1025bに沿って経路が定められる。
【0311】
図10Aを再度参照して、縫合器具900の遠位部分920は、ロッカー1041がその初期あるいは第一位置1041Aにある状態で、ロッカー溝1044の遠位溝部分1048内で最初に受け取られる。
図10Bに示すように、縫合器具900の前進の際に、遠位先端920の遠位表面はそれから、遠位溝部分1048の後部壁に沿って溝1044のべベル表面1043と接触、そして係合する。器具遠位先端は、
図10C(i)、10C(ii)そして10C(iii)に示すように、ロッカー1041が、その第一位置からその第二位置1041Bに移動出来るようにするため、それに対して力を及ぼしながらべベル面1043と係合する。より具体的には、縫合器具900の遠位部分920は、ロッカー凹部1027内の位置から解除されるために十分な力で前進し、そしてそこで、
図10Aに示すように、それは、例えば摩擦係合あるいはタブによって、その初期位置1041Aに保持される。
【0312】
図10C(i)、10C(ii)、10C(iii)を再度参照して、一旦、ロッカー1041が係合から解放されると、それは下へ軸回転し始める。ロッカー1041が位置の中に軸回転するとき、縫合器具900の近位部分910が、近位溝部分1046の中に受け入れられる。ロッカー1041の軸回転運動は、ロッカー1041が組織取込ギャップ942の中に、下へ軸回転する前に、遠位末端920がロッカー1041の座部1022を過ぎて前進することによって、縫合器具900が軸方向に装填されることを可能にし、そのようにして座部1022は、今縫合器具900の組織取込ギャップ942内に配置される。
図10Dに示すように、外科用縫合器具900はそれから、ニードル930’のような縫合糸通し部材930が、座部1022と隣接して接触するまで、基部1020の中に前進し続ける。一旦、ニードル930’が突起部1030に接触すると、それは、カートリッジ1000に対し、そしてカートリッジ1000内で、縫合器具900の動作を休止する。より具体的には、
図10Dに示すように、そして前の
図9Mを参照して、ニードル930’のべベル面934は、(ニードル930’および座部1022を形成する突起部1030の裏側で)ニードルスロット938とシャフトスロット928が座部スロット1028に沿って、そして隣接するように、座部1022を画定する突起部1030のべベル面1034と隣接して接触する。シャフトスロット928とニードルスロット938は、前に取り上げたように、
図1Dと1Eに見られる。
【0313】
本発明のいくつかの実施形態において、縫合糸404を(縫合糸通し部材930内の縫合糸取込通路932のような)縫合器具900の縫合糸取込機構と整列させるために、ロッカー1041の形でマガジンが提供され、マガジンは、縫合器具と機械的に連結されて操作可能であるように提供され、それにより、縫合用カートリッジが、縫合器具の上に挿入され押し下げられる際、ロッカー1041は下へ回転し、縫合糸末端504を縫合器具と整列させる。いくつかのそのような実施形態において、ロッカー1041は、縫合糸末端504をX軸(横)とY軸(横断/縦あるいは上下の方向)に整列させるために、縫合器具900を掴み、XとY回転方向への縫合糸末端の回転を束縛する。更に、ロッカー1041は、縫合糸をZ軸(直線あるいは長手方向)に整列させるために、縫合器具900に一致させかつ縫合器具900まで近位に押される。
【0314】
前に概説したように、この時点までインターロック1050は、その初期位置1050Aに留まり、それは、
図11Aと11Cに示すように、基部1020が筐体1010’に接続されたままであることを確実にする。
図11Bに更に図示するように、この位置において、インターロックアーム1056は、基部のロッキングアーム1026に軸方向に隣接して配置されていて、筐体1010’に対する基部1020の動作を留める。そのように、基部1020のロッキングアーム1026は、インターロックアーム1056と係合している。しかしながら、一旦座部1022および縫合糸末端504が、ニードル930’と整列したならば、カートリッジ1000は、筐体1010’を使って縫合糸末端504をニードル930’の中への直接移動を可能にする。言い換えれば、座部1022は、ニードル930’のべベル面934と整列、そして隣接し、座部1022の内側で圧力ばめで保持されている縫合糸末端は、それからニードル930’(
図9Mと10D)の中に移動することが出来る。
図12Aと12Bに示すように、インターロック1050は、それから縫合器具900に縫合糸を移動するために、(ここに以前に取り上げたように、縫合糸移動部品1011を画定する)筐体1010’を基部から解除するために、そのロック位置1050Aからそのアンロック位置1050Bに動かされる。より具体的には、筐体1010’を後退させることによって、筐体1010’およびそれにより画定される縫合糸移動部品1011は、基部1020から引き離され、それにより、
図13Aに示すように、縫合糸末端504はニードル930’の中に移動される。引き離された基部1020は、示すようにその後で除去されてもよい。そのように、本発明のカートリッジ1000は、縫合糸がカートリッジ1000から縫合器具900の中に独立して移動されるようにする。追加の実施形態において、部分的にあらかじめ作られた結び目を形成する縫合糸ループは、筐体1010’の周りに取り付けられてよい場合に、筐体1010’は更に、縫合器具900に部分的にあらかじめ作られた結び目を装填するために提供する。
【0315】
いくつかの実施形態において、一旦、縫合糸末端504がニードルの中に装填されたら、筐体1010’は除去されてもよい。他の実施形態において、筐体が、部分的にあらかじめ作られた結び目を有し、そして/あるいは、余分の縫合糸をその中に、例えばスプールの中に入れておく場合に、筐体1010’は、縫合器具900に部分的にあらかじめ作られた結び目および/または余分の縫合糸を留めるために、器具近位部分910に取り付けられたままであってもよい。
図13A-13Eに図示する実施形態において、縫合糸ロック1060は、縫合糸末端504が縫合器具900に装填された後で、筐体1010’およびそこに画定された縫合糸移動部品1011が、縫合器具900から解除されるようにするために、解除されてよい。その初期ロック構造1060Aにおけるロックを図示する、
図13A-13B、13Eを今参照して、前にここで取り上げたように、初期ロック構造1060Aにおいて、縫合糸500は、筐体1010’の縫合糸ロック係合部品1062を介して伝送され、そして縫合糸ロック1060は、縫合糸ロック1060の歯1064と縫合糸ロック係合部品1062の対応する歯1064’との間の縫合糸500を押しながら、それによって縫合糸ロック係合部品1062に圧入され、そしてそのようにして縫合糸500は筐体1010’に接続される。ロック1060を解放するために、ロックは、
図13Dと13Fに示すように、その第二位置1060Bに移動し、歯1064および1064’をお互い係合から外すように動かし、そしてそこに保持される縫合糸を解放する。筐体1010’と縫合糸移動部品1011はそれから、縫合器具900から除去されてもよい。
【0316】
従って、本発明の実施形態は、縫合糸を(縫合器具900のような)ここに取り上げるタイプの縫合糸通し器具の中に装填する手段を有し、縫合糸通し器具はその間に組織取込ギャップ942を画定する器具近位部分910と器具遠位部分920を有するカートリッジ1000を提供する。現行の実施形態は更に、縫合糸500がカートリッジ1000の中に前進する際、ロッカー1041が、器具遠位部分920と係合する際に、組織取込ギャップの中に軸回転するようにすることによって、縫合糸500(例えば縫合糸500の末端504)の自動装填を容易にする。
【0317】
そのように、ここで上に例9で取り上げた実施形態の一般的概観に関して、カートリッジ内に保持される縫合糸部分の挿入を容易にするために、縫合糸部分の整列が行わなければならず、以下の三つの基本的な機械的イベントが行われるように構成される。(i)縫合糸パサーに対して縫合糸に一方向に(例えば近位に)加えられる力(ii)縫合糸と縫合糸パサーとの間の同一方向での相対運動(iii)反対方向での縫合糸と座部との間の相対運動。
【0318】
いくつかのそのような実施形態において、縫合糸の末端を外科用縫合器具あるいは縫合糸パサーに装填するために、縫合糸末端に力を及ぼすカートリッジが提供される。縫合糸カートリッジ装置によって達成されるすべての機械的イベントは、ユーザーが行う単一の“ポンプ”アクションで得られ、いくつかの実施形態において、縫合糸パサー(縫合器具)トリガーの発動は無くてよい。(いくつかのそのような実施形態において、単一の“ポンプ”アクションは、ショットガン装填アクションのそれに例えられてよい。)
【0319】
そのように、本発明のいくつかの実施形態において、ここで上に例9で概説したように、縫合糸末端を縫合糸パサーの中に装填するために、縫合糸末端に牽引力を使うカートリッジが提供される。いくつかの実施形態において、引っ張る方法は、概して装填の方向への縫合糸の直線引っ張りのための空間がある縫合糸パサーの中に、縫合糸を挿入するために使われてもよい。いくつかの状況において、引っ張る方法は、装填の進行手順を通じて、縫合糸が管理されること/張力が加えられることが要求される場合に、使われてよい。
【0320】
広範な概観に関し、座部から独立しているカートリッジの一部は、縫合糸リムにロックされる。縫合糸を挿入する機械的イベントは、次のような方法で起こる。(1)縫合糸の末端に力を加えるために、縫合糸のストランドは縫合糸ロックでストランドを掴むという手段で真ん中に引っ張られる。(2)縫合糸と縫合糸パサーとの間の相対運動を得るために、縫合糸パサーは縫合糸に対して固定されていて、それで、加えられる引っ張る力が縫合糸に及ぼされるとき、縫合糸パサーは動かず縫合糸が縫合糸パサーの中の方へ動く。(3)(縫合糸カートリッジの中の)縫合糸と座部との間の相対運動を得るために、座部は、縫合糸に対して同様に固定されていて、それで、加えられる引っ張る力が縫合糸に及ぼされるとき、座部は動かず、縫合糸が座部から離れ座部の外に出る。
【0321】
いくつかの実施形態において、カートリッジ基部から独立して動くことができる部分品である縫合糸ロックと、縫合糸を座部へ近位に保持し座部から離される縫合糸パサーとを有する引っ張り挿入仕組みが提供され、従って縫合糸を引っ張り、必要とされる力と相対運動を作り出す。
【0322】
いくつかの実施形態において、縫合糸ロックは、一旦、座部が、縫合糸(縫合糸の一部分)を縫合糸パサーと完全に整列させたら、カートリッジ基部から自動的に分離する。これは、完全な整列ステップが出来上がるまで、縫合糸ロックが、カートリッジ基部に対して動くことを防ぐインターロックを手段として行われる(すなわちそれが完全に整列される前に、縫合糸が引っ張られることを防ぐ)。
【0323】
いくつかの実施形態において、引っ張り挿入仕組みは、一旦、縫合糸(例えば縫合糸末端)がうまく縫合糸パサーの中に装填されたら、自動的に縫合糸をアンロックする縫合糸ロックを有する。そのように、縫合糸のアンロックは、縫合糸パサーが縫合糸をそれから自由に通すようにする。いくつかの例において、アンロックは、縫合糸がうまく縫合糸パサーの中に装填される地点までアンロックが起こることを防止する、インターロックの方法によって行われる。一つのそのような例において、縫合糸ロックインターロックは、縫合糸ロック(
図32A-32D)の所定の転置を得るため所定の量の力が縫合糸に及ぼされることを確実にするために、バネを使い、力/転置、を基にするものであってよい。いくつかの実施形態において、その力は、縫合糸をうまく装填するために必要な最大の理論的に/経験的に求められる力よりもっと大きなものに調整されていてもよい。一旦この力が得られると、特定の転置が達成されてもよく、結果としてインターロックが縫合糸をアンロックする。
【0324】
いくつかのそのような実施形態において、あらかじめ作られた結び目は、縫合糸ロックと一体化しそして縫合糸ストランドを収納するノットスライダーに提供される。ノットスライダーは、縫合糸カートリッジが縫合糸を縫合糸パサーの中に装填するために始動した後で、縫合糸パサーの上に留まり、そして一旦、縫合糸パサーが使われると、縫合糸結び目を手術部位へ放つように機能する。
【0325】
本発明の実施形態に従い、
図15A(i)-16D(ii)を今参照して、カートリッジ2000の使用方法が、例えばユースポイントで、縫合糸500を外科用縫合器具900に装填することを容易にするために開示される。いくつかの実施形態において、ロッカー1041によって画定されるような軸回転座部1022は、組織取込ギャップ942がロッカー空洞1027’内に実質的に配置されるまで、ロッカー1041が、前進する縫合器具900の通路から離れたままでいるようにすることで、軸装填することを容易にする。一旦、縫合器具900が場所に着くと、カートリッジ1000は、ロッカー1041が組織取込ギャップ942の中に下へ軸回転出来るようにし、それで、座部1022は、ニードル930’のような縫合糸通し部材930と隣接して配置され整列される。カートリッジ2000は更に、縫合糸末端504を座部1022から縫合器具900の縫合糸取込凹部932の中に移動するための縫合糸移動部品2011を備えている。カートリッジ2000は更に、縫合器具900へのあらかじめ作られた結び目502の装填が出来るようにするノットスライダー2030を備えている。
【0326】
いくつかの実施形態において、カートリッジ2000内に縫合器具900を最初に配置するための方法が提供される。その方法は、カートリッジ2000内の縫合器具900の前進を参照にして取り上げる。しかしながら、いくつかのそのような実施形態において、カートリッジ2000は、縫合器具900の上のカートリッジ2000の近位移動により縫合器具900に装填される。そのように、縫合器具900とカートリッジ2000とは、お互いに対して移動可能である。
【0327】
図15A(i)を今参照して、縫合器具900のフロントエンド装填を可能にするために、縫合器具900がカートリッジ3000を介して軸方向に通り過ぎる状態で、カートリッジ300は、縫合器具900の上に近位に装填される。より具体的には、縫合器具900は、ノットスライダー2030によって画定される筐体1010’のチャンバー1010を介して挿入される。縫合器具は、開口部2016の傾斜内部端部2016’によってノットスライダー(
図14Dおよび
図15A(iii))の中に案内され、そしてそのように、ノットスライダー2030および取り付けられたあらかじめ作られた結び目を縫合器具に取り付ける。縫合器具900がさらに前進するとき、それは基部2020内の基部凹部2025の器具取込溝2025a内に受け入れられる。基部凹部2025とチャネル1014は、それによって画定される長手方向の通路に沿って横断(すなわち上下)および横方向への縫合器具900の動きを束縛あるいは制限するための拘束部材25として機能する。拘束部材25は、縫合糸が縫合器具の一部分の中に移動出来るようにするために、それとともに整列を容易にするために、座部1022の最終位置に沿う通路に沿って縫合器具900への位置を維持するために、縫合器具900がそこにスライド係合で前進できるようにする。器具取込溝2025aは、縫合器具をロッカー凹部1027の中に案内する。前に概説したように、縫合糸末端504が座部1022内に保持されるように、縫合糸500は、カートリッジ2000内に保持され、それはそこからピボット凹部あるいは空洞1027の中に出て、基部凹部1025の縫合糸溝1025bに沿って経路が定められる。そのように、
図14F(i)、14F(ii)にも示すように、縫合器具900は、縫合糸溝1025b内に保持された縫合糸500に隣接して配置される。
【0328】
図15A(i)、(ii)をまた参照して、縫合器具900の遠位部分920は、ロッカー1041がその初期あるいは第一位置1041Aにある状態で、ロッカー溝1044の遠位溝部分1048内で最初に受け入れられる。前進の際に、器具遠位先端920は、
図15B(i)、(ii)に示すように、ロッカー1041をその第一位置1041Aからその第二位置1041Bに動かすために、それに対して力を及ぼしながら、遠位溝部分1048の後ろ壁に沿ってべベル表面1043に接触し係合する。より具体的には、縫合器具900の遠位部分920は、
図15A(i)に示すように、ロッカー1041が、それが保持されるロッカー凹部1027内の摩擦タブ2029から離れることが出来るようにするための十分な力で、その初期位置1041Aに前進する。
【0329】
図15B(i)、15B(ii)をまた参照して、一旦、ロッカー1041が、ロッカー凹部1027内の係合から解放されると、それは、ロッカー空洞1027’の中へ下に軸回転し始める。ロッカー1041が、場所の中に軸回転するとき、縫合器具900の近位部分910は、近位溝部分1046の中に受け入れられる。ロッカー1041の軸回転運動は、ロッカー1041が組織取込ギャップ942に対応するロッカー空洞1027’の中に下へ軸回転する前に、遠位末端920が、ロッカー1041の座部1022を過ぎて前進できるようにすることによって、縫合器具900が、軸方向に装着されることを可能にし、そのようにして、座部1022は、今縫合器具900の組織取込ギャップ942内に配置される。
【0330】
本発明のいくつかの実施形態において、縫合糸504を(縫合糸通し部材930内の縫合糸取込通路932のような)縫合器具900の縫合糸取込機構と整列させるために、ロッカー1041の形でマガジンが提供され、マガジンは、縫合器具と機械的に連結されて操作可能であり、縫合糸カートリッジが、縫合器具の上に挿入され押し下げられるとき、ロッカー1041は、回転して下がるように構成されいて、縫合糸末端504は、縫合器具と整列する。いくつかのそのような実施形態において、ロッカー1041は、縫合糸末端504をX軸(横)とY軸(横断/縦あるいは上下の方向)に整列させるために縫合器具900を掴み、そしてXとY回転方向への縫合糸末端の回転を束縛する。更に、ロッカー1041は、縫合糸をZ軸(直線あるいは長手方向)に整列させるために縫合器具900に一致させ、縫合器具900まで近位に押される。
【0331】
図15B(i)、(ii)に示すように、外科用縫合器具900は、それからニードル930’のような縫合糸通し部材930が、座部1022と隣接して接触するまで基部2020の中に前進し続ける。一旦、ニードル930’が突起部1030と接触すると、カートリッジ1000に対し、そしてカートリッジ1000内で縫合器具900の動作を休止する。より具体的には、
図10Dに示すようにそして前の
図9Mを参照して、ニードル930’のべベル面934は、(ニードル930’と座部1022を形成する突起部1030の裏側で)ニードルスロット938とシャフトスロット928が、座部スロット1028に沿って、そして隣接するように、座部1022を画定する突起部1030のべベル面1034と隣接して接触する。シャフトスロット928とニードルスロット938は、前に取り上げたように、
図1Dと1Eに見られる。
【0332】
前に概説したように、この時点まで、インターロック2050はその初期ロック位置1050A留まり、それは、
図15A(i)、15A(ii)に示すように、基部1020が、筐体1010’に接続されたままであることを確実にする。更に
図15C(i)、15C(ii)に図示するように、この位置において、インターロックアーム2056は、軸方向に隣接し基部2020に対し遠位に配置される。インターロックアームは、筐体2010’に対して基部2020の動作を妨げる。しかしながら、座部1022がロッカー凹部1027のロッカー空洞1027’の中に動くとき(そしてこれは、縫合糸末端504がニードル930’と整列したことになる)、ロッカーバー2055は、インターロックタブ2054を、インターロック2050の通路から外れて配置されるように、基部壁2054’に隣接するように動かす。
図15D(i)、15D(ii)に示すように、インターロック2050はそれから、基部2020を筐体1010’(前にここで取り上げたように、それは縫合糸移動部品1011を画定する)から解除するために、そのロック位置2050Aからそのアンロック位置2050Bへ移動する。これは、筐体スリーブ1011’が近位に引っ張られるとき(
図15E(i)、15E(ii))、基部2020、およびそれに取り付けられたノットスライダー2030が遠位にスライドするようにする。図示する例において、インターロック2050はユーザーによって動かされる。
【0333】
基部2020に対して近位に、縫合糸移動部品1011の相対運動がある際に、基部2020は、遠位に移動し、そしてスリーブ空洞2012’内で遠位に移動するプッシュスリーブハブ2012をしっかりと押す。プッシュスリーブハブ2012は、バネ仕組み(それは二つのバネ2013を有する)によって基部2020に向かって付勢されているため、それは、基部2020に対して縫合糸移動部品2011の移動の際に、プッシュロッドハブ2057を押すように機能する。プッシュロッドハブ2057は、プッシュロッド空洞2057’(
図15B(ii)、
図15E(ii))内で近位に移動し、それは、長手方向に延びるワイヤー2053’が、座部1022内に保持される縫合糸末端504を、縫合器具900の縫合糸取込通路932の中に押し込むために、座部1022に連絡するワイヤーチャネル2053内で、近位に移動する原因になる。
【0334】
基部2020が遠位に動くとき、ノットスライダー2030は基部2020と共に移動可能であり、ノットスライダー2030は、筐体スリーブ2011’内の基部2020の遠位への移動の際に、筐体スリーブ2011’内のノットスライダー凹部2018に沿って遠位に移動可能である。しかしながら、ノットスライダー凹部2018の傾斜内部壁2019(
図14B)に隣接する筐体スリーブ1011’の壁は、
図15Fに示すように、基部2020のスナップアーム2042をノットスライダー2030のスナップ溝から解除するために、ノットスライダー2030の更なる遠位への移動を防ぐための中止材として機能する。そのように、ノットスライダー解放インターロック2033はノットスライダー2030を解放して解除される。追加の実施形態において、部分的にあらかじめ作られた結び目を形成する縫合糸ループが、筐体1010’の周りに取り付けられてよい場合、筐体1010’は、縫合器具900に部分的にあらかじめ作られた結び目を装填することをさらに提供する。
【0335】
いくつかの実施形態において、縫合糸は、ノットスライダー2030の内側に取り付けられるチューブの中(例えばPTFEチューブの内側)に収容され(
図27D)、カートリッジは更に、部分的にあらかじめ作られた結び目に沿って、縫合器具900の上のノットスライダー2030内に縫合糸リムを装填する、あるいは取り付けるために提供する。
【0336】
いくつかの実施形態において、一旦、縫合糸末端504がニードルの中に装填されたら、カートリッジ2000の筐体1010’はそれから取り除かれ、近位に引っ張られてもよい。そのように、いくつかの実施形態において、カートリッジ2000は、縫合器具900に装着され、そしてその後はポンプアクションを使って取り除かれる。カートリッジ2000に対する縫合器具の相対運動は、近位方向である。縫合器具900が近位に引っ張られるとき、ノットスライダー2030はそこに取り付けられたままであり、そして(
図16Aに示すように)縫合器具900と一緒に取り除かれる。縫合器具900が引っ込められるとき、遠位ヘッド920が、ロッカー1041のべベル面1043’と相互に作用する(
図16B)。これは、
図16Cに示すように、ロッカー1041が、組織取込ギャップ942から外に出られるようにし、妨害なく縫合器具900が取り除かれるようにする。
【0337】
ノットスライダーアーム2034は、上記内部部分2034Aの中で器具窓あるいは溝965に沿ってスライドすることが出来る。ノットスライダーアーム2034は、例えば(
図27Aに示す)縫合器具900のハンドル部分960に付けられるために、器具近位部分あるいはシャフト910に沿って、それが近位にスライドするとき、その初期位置2034Aの中に留まってもよい。一旦、縫合器具900が縫合糸を組織に通すために使われたら、器具900は、あらかじめ作られた結び目を配置するために、その後で使われてもよい。縫合器具900が、縫合の後で近位に引っ張られたとき、ノットスライダー2030は、縫合器具のハンドル部分から解除され、そして縫合器具900のシャフト近位部分に沿って遠位にスライドする。
図17Bに示すように、ノットスライダーがシャフト910に沿って遠位にスライドするとき、それはシャフト溝965の前壁965’と係合し、それは組織取込ギャップ942(
図17C)の上に、前述のノットスライダー2030が配置されることを可能にするために、ノットスライダーアーム2034が、スライダー溝2036から外出て外部部分2034の中に入る原因となり、そのようにノットスライダーのカバーアーム2038が、組織取込ギャップ942の上に配置される。これは、ノットスライダー2030が縫合器具900との係合を維持しながら、ノットスライダー2030からのあらかじめ作られた結び目502の配置を可能にし、そしてそのようにして、あらかじめ作られた結び目が、組織取込ギャップ942の中に落ちたりあるいは捉えられたりすることを防止する。
【0338】
従って、本発明の実施形態は更に、縫合糸をここに取り上げるタイプの縫合糸通し器具900の中に装填する手段を備え、その間に組織取込ギャップ942を画定する器具近位部分910と器具遠位部分920を有するカートリッジ2000を備えている。現行の実施形態は更に、縫合糸500が、カートリッジ1000の中に前進するとき、ロッカー1041が器具遠位末端920と係合する際に、組織取込ギャップの中に軸回転するようにすることによって、縫合糸500(例えば縫合糸500の末端504)の自動整列を容易にする。更に、カートリッジ2000は、縫合糸を縫合糸通し部材の中に移動するための縫合糸移動部品2011を備え、そしてあらかじめ作られた結び目502を、縫合器具900に取り付けるためのノットスライダー2030を更に備えている。
【0339】
そのように、ここで上に例10で取り上げた実施形態の一般的概観に関して、カートリッジ内に保持される縫合糸部分の挿入を容易にするために、縫合糸部分の整列が行わなければならず、以下の三つの基本的な機械的イベントが行われるように構成される。(i)一方向(例えば近位)に、縫合糸パサーに対する縫合糸に加えられる力、(ii)縫合糸と縫合糸パサーとの間の同一方向への相対運動(iii)縫合糸と座部との間の反対方向への相対運動。
【0340】
いくつかのそのような実施形態において、縫合糸の末端を外科用縫合器具あるいは縫合糸パサーに装填するために、縫合糸末端に力を及ぼすカートリッジが提供される。縫合糸カートリッジ装置によって得られるすべての機械的イベントは、ユーザーが行う単一の“ポンプ”アクションで得られ、いくつかの実施形態において、縫合糸パサー(縫合器具)トリガーの発動は無くてよい。(いくつかのそのような実施形態において、単一の“ポンプ”アクションは、ショットガン装填アクションのそれに例えられてよい。)
【0341】
いくつかのそのような実施形態において、ここで上に例10に概説したように、縫合糸の末端を縫合糸パサーに装填するために、縫合糸の末端に押す力を用いる縫合糸カートリッジが提供される。一つのそのような例において、カートリッジは、縫合糸を縫合糸パサーに装填するために、縫合糸に直接押す力を加える。
【0342】
いくつかの実施形態において、カートリッジは、座部および縫合糸パサーから独立しているカートリッジの一部分であるプッシュロッドを有する。それは座部内にある部品であり、始動の際に座部の中で縫合糸の末端を前に進めるためにそれを強く押す。
【0343】
いくつかの実施形態において、縫合糸を挿入する機械的イベントは、次のような方法で起こる。(i)縫合糸の末端に力を加えるために、座部にあるS字型の内腔の中に曲げやすく動かしやすいプッシュロッドが存在する。プッシュロッドは、縫合糸に接触する先端を持つ(ii)縫合糸と縫合糸パサーとの間の相対運動を得るために、縫合糸パサーは、縫合糸に対して固定されていて、それで、加えられる引っ張る力が、縫合糸に及ぼされるとき、縫合糸パサーは動かず、縫合糸が縫合糸パサーの中の方へ動く。(iii)(縫合糸カートリッジの中の)縫合糸と座部との間の相対運動を得るために、座部は、プッシュロッドと縫合糸に対して同様に固定されていて、それで、加えられる引っ張る力が、縫合糸に及ぼされるとき、座部は動かず、縫合糸が座部から離れ座部の外に動く。
【0344】
いくつかの実施形態において、縫合糸の挿入が成し遂げられたら、縫合糸リム(ノットスライダー)を含むカートリッジの一部分が、カートリッジから離れ、縫合糸パサーに付いたままになる。残りのカートリッジ基部は、それから縫合糸およびそれが付いているノットスライダーを完全に装填した縫合糸パサーを残したままで、捨てられる。いくつかの実施形態において、高い装填力が必要とされるとき、プッシュ方法を使うことが出来る。
【0345】
いくつかの実施形態において、カートリッジ仕組みは、カートリッジ基部、座部それと縫合糸パサーから独立して動くことが出来る部品であるプッシュロッドを有し、それは座部内にある部品であり、始動の際に座部の中で縫合糸の末端を前に進めるために、それを強く押す。
【0346】
いくつかの実施形態において、プッシュ挿入仕組みは、一旦、座部が縫合糸を縫合糸パサーと完全に整列させたら、プッシュロッドが縫合糸を押すように構成される。これは、完全な整列ステップが起きるまで、座部に対してプッシュロッドが動くことを防止する、一連のインターロックの方法によって行われてもよい(すなわち、縫合糸が完全に整列される前に縫合糸が押されることを防ぐ)。インターロック:1:シャフトが挿入されるまでロッカーが動くのを防止する(
図14Cに示すタブあるいは戻り止め2029)ためのロッカーインターロック。2:ロッカー構造:ロッカー回転の間、座部部材がシャフトへ接触することを防止する(例えば、座部に関連する
図15A(i)のロッカーのべベル1043とその位置及び構成が、器具が前進するとき、座部がシャフトに接触しないことを確実にする)。3:カートリッジ基部(マガジン)インターロック(例えば上に取り上げたインターロック2050):座部がニードルと整列する前にカートリッジ基部が動くことを防止する。4:プッシュロッドインターロック:座部がニードルと整列する前にプッシュロッドが動くことを防止する。5:プッシュバネ:いくつかの実施形態において、プッシュロッドは、プッシュロッドの所定の転置のために、所定の力が縫合糸に及ぼされていたことを確実にするための(上に例10で概説したような)バネで始動される。この力は、縫合糸をうまく装填するために必要な最大の理論的/経験的に導かれる力より、もっと大きなものに調整される。一旦、この力が得られると、特定の転置がさらに得られ、インターロックが縫合糸をアンロックする。
【0347】
いくつかの実施形態において、前にこの上に概説したように、カートリッジは、縫合糸ストランドを収容するノットスライダーの上にあらかじめ作られた結び目を含むように構成されている。(例えば上に取り上げたような2030)ノットスライダーは、縫合糸カートリッジが始動された後で、自動的にカートリッジ基部から分離し、縫合糸パサーの上に留まる。ノットスライダーは、一旦縫合糸パサーが使われると、縫合糸結び目を縫合現場に解放するように機能する。
【0348】
いくつかの実施形態において、インターロックが提供されてもよい。例えば:縫合糸がニードルの中に装填されるまで、ノットスライダーが解放されることを防止するノットスライダー解放インターロック(例えば、上に取り上げたようなノットスライダー解放インターロック2033)。いくつかの実施形態において、シャフトがカートリッジから取り除かれるまで、縫合用リムが動くことを防止する更なる縫合糸維持インターロックがあってもよい。
【0349】
縫合糸保管場所:
図17Dを参照して前に概説したように、カートリッジは、いくつかの実施形態において、PTFEチューブ内のノットスライダー内に縫合糸リムを保管する。PTFEチューブは、一定の小さな力で縫合糸が解放されるようにする。いくつかの実施形態において、シリコーンOリングが、手順の間ずっと通して、よりスムーズでより一定した解放の力を達成し、かつ縫合糸に張りを維持するために、縫合糸の解放の際に制振効果を提供する。
【0350】
更に、例10に概説するように、カートリッジは、シャフトのノットスライダー維持機構を有する。いくつかの実施形態において、カートリッジは、手順の最後に、縫合糸パサーシャフトの上にノットスライダーを保持するテールフックを含んでいるノットスライダーを有している。前に概説したように、テールフックはノットスライダー内に囲まれれていて、一旦、ノットスライダーがシャフトの最後部へスライドすると、テールフックは、ノットスライダーを滑り出てシャフトに引っかかる。
【0351】
従って、上に取り上げたように、種々のカートリッジの実施形態、そしてそれの使用方法が開示される。これらの実施形態は、縫合糸を縫合糸通し器具あるいは縫合糸パサーのような外科用縫合器具に、ユースポイントで装填するためのカートリッジを提供し、そこで縫合器具は縫合糸が装填される縫合糸通し部材を有し、そしてその適用はあらかじめ作られた結び目を必要とし、またそれから恩恵を受ける。いくつかの実施形態において、縫合糸装填カートリッジは、縫合糸パサーにあらかじめ作られた結び目を配置する能力を用いて、(例えば、その周りに作られた結び目を持つカートリッジのチャンバーを通って縫合器具を通り抜けることによって、)あらかじめ作られた結び目を確保する機構を備えているだけでなく、縫合糸通し部材への/中への縫合糸の装填を容易にするために、縫合糸末端を縫合糸パサーの縫合糸通し部材と整列させる第二の機構を備えている。いくつかの実施形態において、縫合糸を整列させるための第二の機構は、第一の機構に対して移動可能であってよい(それによって縫合糸パサーは、あらかじめ作られた結び目を介してカートリッジの中に挿入されることが出来て、その後でカートリッジの中に装填される縫合糸末端が縫合糸通し部材と整列することが出来る)。
【0352】
いくつかの実施形態において、縫合糸末端を縫合糸通し部材の縫合糸取込通路と整列させるために、縫合糸末端に対してチャンバーを介して受け入れられる縫合器具の一部分を配置するための、拘束部材を拘束する手段(拘束するための手段)を備えていてもよい。いくつかの実施形態において、カートリッジは、(縫合糸末端を保持するカートリッジ内の)座部が、チャンバーを介して/の中に受け入れられる縫合糸通し部材(の縫合糸取込通路)と整列出来るようにするように構築されている。いくつかの実施形態において、座部は、縫合糸ストランドを縫合糸通し部材(の縫合糸取込通路)と整列させるために、チャンバーに対して移動可能である。
【0353】
更に、この上に取り上げたように、種々のカートリッジの実施形態、そしてそれの使用方法が開示される。いくつかの実施形態において、その方法は、縫合糸ストランドがそれに接続される縫合糸通し部材内に受け入れられるようにするために、縫合糸ストランドの末端を縫合器具の縫合糸通し部材の縫合糸取込通路と整列させることを含んでいる。
【0354】
更に、本発明のいくつかの実施形態は、椎間板内の縫合方法を提供し、その方法は、カートリッジを使って外科用縫合器具に縫合糸を装填するステップ、および椎間板の中に縫合糸を届けるために、外科用縫合器具を使うステップを有する。この広範な態様の機構として、縫合糸を装填するステップは、ユースポイントで行われる。
【更なる実施例】
【0355】
注記-以下の例において、“部分”という用語は、異なる例で使われているように、特定の機構あるいは部品の、同じあるいは異なる部分を表してよい。
一つの例において、本発明の実施形態は、縫合糸を縫合器具に装填するための、および縫合糸から形成されるあらかじめ作られた結び目を縫合器具に装填するためのカートリッジを有し、外科用縫合器具は、そこに縫合糸取込通路を画定する縫合糸通し部材を有するタイプである。カートリッジは、チャンバーの周りにあらかじめ作られた結び目を確保するための台(確保し取り付ける為の手段)を有するチャンバーを画定する筐体を有し、筐体は、外科用縫合器具の一部分がその上に結び目を配置するために、結び目を介して受け入れられるようにするためのチャネルを画定する。カートリッジは更に、筐体に接続される基部を有し、基部は縫合糸の末端(部分)を解放可能に保持するための座部を画定し、座部は、カートリッジ内の座部から縫合糸取込通路の中に縫合糸末端を移動することを可能にするために、縫合器具の一部分がチャンバー内のチャネルを介して受け入れられるとき、縫合糸末端を縫合糸通し部材の縫合糸取込通路と整列させるために、チャンバー(筐体)に対して移動可能である。
【0356】
もう一つの例において、本発明の実施形態は、縫合糸を外科用縫合器具に装填するための、および縫合糸から形成されるあらかじめ作られた結び目を、縫合器具に装填するためのカートリッジを有し、そのタイプの外科用縫合器具は、そこに縫合糸取込通路を画定する縫合糸通し部材を有する。カートリッジは、チャンバーの周りにあらかじめ作られた結び目を確保するための台(確保し取り付ける為の手段)を有するチャンバーを画定する筐体を有し、筐体は、その上に結び目を配置するために、外科用縫合器具の一部分が、結び目を介して受け入れられるようにするためのチャネルを画定する。カートリッジは、筐体に接続される基部を更に備え、縫合糸の末端を解放可能に保持するための座部を画定し、基部は、座部を縫合器具の縫合糸取込通路と整列させるために、座部に対してチャンバーを介して受け入れられる縫合器具の一部分を配置するための拘束部材(拘束するための手段)を有する。
【0357】
もう一つの例において、本発明の実施形態は、そこに縫合糸取込通路を有するタイプの外科用縫合器具に縫合糸を装填するためのカートリッジを有する。カートリッジは、縫合器具の遠位部分を、軸方向に受け入れるための凹部(開口部)を画定するチャンバーを有する。カートリッジは更に、縫合糸の一部分を解放可能に保持するための凹部に隣接する座部を有し、そして座部を、座部から縫合糸取込通路の中への縫合糸の部分の移動を可能にするための縫合器具の縫合糸取込通路と整列させるために、座部に対してチャンバーを介して受け入れられる縫合器具の一部分を配置するための拘束部材(拘束するための手段)を更に備えている。
【0358】
追加の例として、本発明の実施形態は、外科用縫合器具に縫合糸を装填するための方法を有し、縫合糸は、縫合糸から形成されかつ縫合糸の末端を装填するための縫合糸ループを有し、そしてそこで、外科用縫合器具は、縫合糸取込通路を画定する縫合糸通し部材を有するタイプであり、その方法は、外科用縫合器具にそこを介して配置される縫合糸ループを取り付けるステップと;縫合糸末端を縫合糸通し部材の縫合糸取込通路に整列させるステップと;および縫合糸末端を縫合糸通し部材の縫合糸取込通路の中に移動するステップと:を有する
【0359】
もう一つの例において、本発明の実施形態は、椎間板内の縫合方法を有し、その方法は、カートリッジを使って外科用縫合器具に縫合糸を装填するステップと;そして椎間板の中に縫合糸を届けるために外科用縫合器具を使うステップと:を有する。
【0360】
追加の例において、本発明の実施形態は、縫合糸がそこに接続されたフェルールを、フェルール取込通路を有するタイプの外科用縫合器具に装填するためのカートリッジを備えている。カートリッジは、チャンバーの周りにあらかじめ作られた結び目を保持するためのチャンバーを画定する筐体を有し、チャンバーは、縫合器具の遠位末端を受け入れるための凹部(開口部)を画定する。カートリッジは更に、筐体に分離可能に接続される基部を有する。基部は、そこに取り付けられる縫合糸の一つの末端を有するフェルールを解放可能に保持するために、凹部に隣接する座部を画定する。いくつかの実施形態において、縫合器具が、カートリッジ内の座部からフェルール取込通路の中にフェルールが移動することを可能にするために、凹部内に配置されるとき、座部が縫合器具のフェルール取込通路と整列するように構築されたカートリッジが提供される。
【0361】
もう一つの例において、本発明の実施形態は、縫合糸がそこに接続されるフェルールを、フェルール取込通路を有するタイプの外科用縫合器具に装填するためのカートリッジを備えている。カートリッジは、それらの間の軸運動を可能にするために、縫合器具の一部分を受け入れるための凹部(開口部)を画定するチャンバーを有する。カートリッジは更に、そこに取り付けられた縫合糸の一つの末端を有するフェルールを解放可能に保持するために、凹部に隣接する座部を備える。いくつかの実施形態において、チャンバーおよび縫合器具は、座部からフェルール取込通路の中へのフェルールの移動を可能にするために、座部がフェルール取込通路と整列出来るようにするために、互いに対して移動可能である。
【0362】
上に取り上げた発明の実施形態は、あくまで例であることが意図される。従って、発明の範囲は添付の請求項の範囲によってのみ限定されることが意図される。
【0363】
別々の実施形態の文脈で記述される発明の特定の機構は、明確にするために、一つの実施形態の中にコンビネーションで提供されてもよいものと認識される。逆に、単独の実施形態の文脈で記述される発明の様々な機構は、簡潔にするために、別々に、または如何なる適切なサブコンビネーションで提供されてもよい。
【0364】
発明は、その具体的な実施形態と共に記述されているが、多くの代替、変更及び変形は当業者にとって明白であることは明らかである。従って、添付の請求項の広範な範囲に入るそのような代替、変更及び変形を含むものとする。個々の公開、特許及び特許出願が具体的かつ個別的に参照により本書に組み込まれるように示されているかのように、この明細書に記載される全ての公開、特許及び特許出願は、明細書を参照することにより、同程度までそれらの全てがこの文書に組み込まれている。更に、この明細書の中の如何なる参照の引用あるいは同定は、そのような参照が、本発明に対する従来技術として利用できるとの承認として解釈されてはならない。