(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】表面を洗浄するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
B08B 1/04 20060101AFI20230711BHJP
B08B 5/04 20060101ALI20230711BHJP
B64F 5/00 20170101ALI20230711BHJP
【FI】
B08B1/04
B08B5/04 A
B64F5/00
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019009446
(22)【出願日】2019-01-23
【審査請求日】2022-01-12
(32)【優先日】2018-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ダブリュー.プリングル-四世
(72)【発明者】
【氏名】ラウル トムタ
(72)【発明者】
【氏名】クリス ジェイ.エリクソン
【審査官】大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第01941823(EP,A2)
【文献】特開2015-110222(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 1/04
B08B 5/04
B64F 5/00~ 5/60
B24B 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラケットと、
前記ブラケットに連結されるとともに、前記ブラケットに対して第1軸周りに回転可能なドラムと、
前記ドラムに取り付けられたブラシモータと、
前記ブラシモータによって、前記ドラムに対して、前記第1軸に平行な第2軸周りに回転可能なブラシと、
前記ドラムに接続されるとともに前記ブラシを保持するように構成されたブラシアームと、を含み、
前記ブラシモータは、前記第1軸に平行な第3軸周りに回転可能な出力シャフトを含み、
前記ブラシアームは、前記ブラシモータの前記出力シャフト及び前記ブラシと機能的に連結されることによって前記ブラシを前記ブラシアームに対して前記第2軸周りに回転させるブラシドライブトレインを含む、表面を洗浄する装置。
【請求項2】
前記ブラシモータは、前記出力シャフトを回転可能に支持するモータハウジングをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ドラムに取り付けられた第2ブラシモータと、
前記第2ブラシモータによって、前記ドラムに対して、前記第1軸及び前記第2軸に平行な第4軸周りに回転可能な第2ブラシと、をさらに含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第2ブラシモータは、
第2モータハウジングと、
前記第2モータハウジングに対して、前記第1軸及び前記第3軸に平行な第5軸周りに回転可能な第2出力シャフトと、を含み、
第2ブラシは、前記第2ブラシモータの前記第2出力シャフトと機能的に連結されている、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第2ブラシは、前記第2出力シャフトに接続されており、
前記第4軸は、前記第5軸と一致している、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記ドラムに接続されるとともに前記第2ブラシを保持するように構成された第2ブラシアームをさらに含み、前記第2ブラシアームは、前記第2ブラシモータの前記第2出力シャフト及び前記第2ブラシと機能的に連結されることによって前記第2ブラシを前記第2ブラシアームに対して前記第4軸周りに回転させる第2ブラシドライブトレインを含む、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記ブラシドライブトレインは、
前記ブラシモータの前記出力シャフトに接続されるとともに、前記ブラシモータに対して前記第3軸の周りに回転可能であるブラシドライブ入力部品と、
前記ブラシアームに対して第2軸の周りに回転可能なブラシドライブ出力部品と、
前記ブラシドライブ入力部品及び前記ブラシドライブ出力部品に機能的に連結されたブラシ動力伝達部品と、を含み、
前記ブラシは、前記ブラシドライブ出力部品に連結されるように構成されている、請求項1~6のいずれか1つに記載の装置。
【請求項8】
前記第2ブラシドライブトレインは、
前記第2ブラシモータの前記第2出力シャフトに接続されるとともに、前記第2ブラシモータに対して前記第5軸の周りに回転可能である第2ブラシドライブ入力部品と、
前記第2ブラシアームに対して第4軸の周りに回転可能な第2ブラシドライブ出力部品と、
前記第2ブラシドライブ入力部品及び前記第2ブラシドライブ出力部品に機能的に連結された第2ブラシ動力伝達部品と、を含み、
前記第2ブラシは、前記第2ブラシドライブ出力部品に連結されるように構成されている、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
ブラシを表面に接触配置することと、
前記ブラシをドラムに対して第2軸周りに回転させることと、
前記ドラムを、前記ドラムを支持するブラケットに対して、前記第2軸に平行な第1軸周りに回転させることにより、前記ブラシを前記第1軸周りに公転させることと、
前記ドラムに接続されたブラシアームによって、前記ブラシを前記ドラムに対して横方向外側に離間させることと、を含む、表面の洗浄方法。
【請求項10】
第2ブラシを前記表面に接触配置することと、
前記第2ブラシを、前記ドラムに対して、前記第1軸に平行な第4軸周りに回転させることと、
前記ドラムを、前記ブラケットに対して、前記第1軸周りに回転させることにより、前記第2ブラシを前記第1軸周りに公転させることと、をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ドラムに接続された第2ブラシアームによって、前記第2ブラシを前記ドラムに対して横方向外側に離間させることをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ブラシアームを、前記ドラムに対して、前記第1軸及び前記第2軸に平行な第6軸周りに回転させることにより、前記ブラシを前記第6軸周りに公転させることをさらに含む、請求項9~11のいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
前記第2ブラシアームを、前記ドラムに対して、前記第1軸及び前記第4軸に平行な第7軸周りに回転させることにより、前記第2ブラシを前記第7軸周りに公転させることをさらに含む、請求項
11に記載の方法。
【請求項14】
前記ブラシの少なくとも一部を囲むブラシカバーと連通接続された中央吸引送給管を介して、前記ブラシの中央部に吸引力を送給することをさらに含む、請求項9~13のいずれか1つに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表面を洗浄するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
航空機やその部品などの構造体の製造中には、様々な汚染物質を、構造体の表面から除去しなければならない。コスト及び製造リードタイムを減らすためには、このような洗浄を、完全に自動化することが望ましい。しかしながら、多くの場合、構造物や表面の形状によるスペース上の制約によって、洗浄プロセスの自動化は困難である。例えば、先端部の深さが数インチしかない飛行機ウィングボックス内などの、構造体内の狭い空間に位置する面を、ロボットによって洗浄しなければならないかもしれない。また、ロボットが、しばしば小さな入口を通って狭い空間内に入らなければならないことや、構造体の表面に沿った所望の位置を洗浄するようエンドエフェクタを操縦しつつ、障害物を回避して進まなければならないことによっても、自動洗浄が困難なものになっている。
【発明の概要】
【0003】
従って、上述した事項の少なくともいくつかについて対処するための装置及び方法は、有用であろう。
【0004】
以下は、本発明の要旨についての実施例を非排他的に列挙したものであり、特許請求の範囲に記載したものも記載しなかったものも含まれうる。
【0005】
本発明による要旨の一例は、表面を洗浄するための装置に関する。当該装置は、ブラケットと、前記ブラケットに連結されるとともに、前記ブラケットに対して第1軸周りに回転可能なドラムと、を含む。当該装置は、前記ドラムに取り付けられたブラシモータと、前記ブラシモータによって、前記ドラムに対して、前記第1軸に平行な第2軸周りに回転可能なブラシも含む。
【0006】
当該装置は、表面の自動洗浄を可能にする。ブラケットは、ドラムを支持し、ロボットなどの制御構造体にドラムを連結することを可能にするものである。ブラシを表面に接触配置した状態で、ブラシをドラムに対して第2軸周りに回転させること(例えばブラシを第2軸周りにスピンさせること)により、表面に対する第1洗浄作用が実現される。ブラシを表面に接触配置した状態で、ドラムをブラケットに対して第1軸周りに回転させることにより、ブラシが、洗浄経路に沿って、表面に対して第1軸周りに公転し(例えばブラシが第1軸を周回し)、表面に対する第2洗浄作用が実現される。ドラム、ブラシモータ、及び、ブラシの構成によれば、装置全体のサイズを小さくできるとともに、例えば狭い空間に位置する構造体又はその他の製造物の1つ以上の表面を、装置が洗浄することが可能になるという利点を有する。
【0007】
本発明による要旨の別の例は、表面を洗浄する方法に関する。当該方法は、(1)ブラシを表面に接触配置すること、(2)前記ブラシをドラムに対して第2軸周りに回転させること、及び、(3)前記ドラムを、前記ドラムを支持するブラケットに対して、前記第2軸に平行な第1軸周りに回転させることにより、前記ブラシを前記第1軸周りに公転させること、を含む。
【0008】
当該方法は、表面の自動洗浄(例えば当該表面からの汚染物質の除去)を可能にする。ブラシを表面に接触配置した状態で、ブラシをドラムに対して第2軸周りに回転させることにより、表面に対する第1洗浄作用(例えばブラシを表面上で第2軸周りにスピンさせること)が実現される。ブラシを表面に接触配置した状態で、ドラムをブラケットに対して第1軸周りに回転させることにより、ブラシが、表面に対する洗浄経路に沿って、表面に対して第1軸周りに公転し、表面に対する第2洗浄作用(例えばブラシが表面上で第1軸を周回すること)が実現される。ドラム、ブラシモータ、及び、ブラシの構成によれば、装置全体のサイズを小さくできるとともに、例えば狭い空間に位置する構造体又はその他の製造物の1つ以上の表面を、装置が洗浄することが可能になるという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の1つ以上の実施例を一般的な文言を用いて説明してきたが、以下では、添付の図面について言及する。これらの図面は、必ずしも正確な縮尺で描かれていない。また、同じ参照符号は、いくつかの図面において同一又は類似の部品を示す。
【0010】
【
図1A-1D】まとめて、本開示の1つ以上の実施例による、表面を洗浄するための装置のブロック図である。
【
図2】本開示の1つ以上の実施例による、ロボットに取り付けられた
図1A~
図1Dの装置の概略斜視図である。
【
図3】本開示の1つ以上の実施例による、
図1A~
図1Dの装置の概略斜視図である。
【
図4】本開示の1つ以上の実施例による、
図1A~
図1Dの装置の概略立面図である。
【
図5】本開示の1つ以上の実施例による、
図1A~
図1Dの装置の概略立断面図である。
【
図6】本開示の1つ以上の実施例による、
図1A~
図1Dの装置の概略斜視図である。
【
図7】本開示の1つ以上の実施例による、
図1A~
図1Dの装置の概略斜視図である。
【
図8】本開示の1つ以上の実施例による、
図1A~
図1Dの装置のドラムの概略立断面図である。
【
図9】本開示の1つ以上の実施例による、
図1A~
図1Dの装置の概略立断面図である。
【
図10】本開示の1つ以上の実施例による、
図1A~
図1Dの装置のブラシアームの概略部分斜視図である。
【
図11】本開示の1つ以上の実施例による、
図10の装置のブラシアームの概略部分断面斜視図である。
【
図14】本開示の1つ以上の実施例による、
図1A~
図1Dの装置のブラシアーム及び第2ブラシアームの概略立断面図である。
【
図15】本開示の1つ以上の実施例による、
図1A~
図1Dの装置のブラシアーム及び第2ブラシアームの概略部分斜視図である。
【
図16】本開示の1つ以上の実施例による、
図1A~
図1Dの装置のブラケットの概略斜視図である。
【
図17】本開示の1つ以上の実施例による、
図1A~
図1Dの装置のロボットインターフェイス及びカプリングの概略斜視図である。
【
図18】本開示の1つ以上の実施例による、
図1A~
図1Dの装置のロボットインターフェイス及びカプリングの概略斜視図である。
【
図19】本開示の1つ以上の実施例による、
図1A~
図1Dの装置を用いて表面を洗浄する方法のブロック図である。
【
図20】航空機の製造及び保守方法を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
上述した
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dにおいて、様々な要素及び/又はコンポーネントを繋ぐ実線が示されている場合、それらは、機械的連結、電気的連結、流体的連結、光学的連結、電磁的連結、その他の連結、及び/又は、これらの組み合わせを表す。本明細書において、「連結」とは、直接的又は間接的に関連付けられていることを意味する。例えば、部材Aは、部材Bと直接関連付けられている場合もあれば、例えば別の部材Cを介して間接的に関連付けられている場合もある。なお、開示されている様々な要素間の関係が、必ずしもすべて示されているとは限らない。したがって、ブロック図に示したもの以外の連結が存在することもありうる。様々な要素及び/又は部品を表すブロックを繋ぐ破線がある場合、これらは、機能及び目的の面で、実線で表したものに類似する連結を表す場合がある。ただし、破線で表した連結は、選択的に設けられるものであったり、本開示の代替的な実施例に関するものであったりする場合がある。同様に、破線で表した要素及び/又は部品がある場合、これらは、本開示における代替的な実施例を表す場合がある。実線及び/又は破線で示した1つ又は複数の要素を、本開示の範囲から逸脱することなく、ある特定の実施例から省くこともできる。外部要素がある場合は、点線で表している。仮想上(想像上)の要素も、明確にするために図示している場合がある。当業者であればわかるように、
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dに示した構成要素のいくつかは、
図1A、
図1B、
図1C、及び
図1D、その他の図面、及び/又は、付随する開示に記載された他の構成要素を含むことなく様々な方法で組み合わせることが可能であり、この際に、そのような組み合わせが本開示に明示されている必要はない。同様に、提示の実施例に限定されない追加の構成要素を、本明細書で図示及び説明した構成要素のいくつか又はすべてと組み合わせることもできる。
【0012】
上述した
図19及び
図20において、ブロックは、工程やその一部を示す場合があり、様々なブロックを繋ぐ線は、それらの工程やその一部について特定の順序や従属関係を暗示するものではない。破線で示したブロックは、代替の工程及び/又はその一部を示す。様々なブロックを繋ぐ破線がある場合、これらは、工程やその一部の代替的な従属関係を示す。なお、開示されている様々な工程間の従属関係が、必ずしもすべて示されているとは限らない。
図19及び
図20ならびに本明細書に記載の方法の工程を説明する付随の開示は、これらの工程が行われる順序を決定する絶対的なものであると解釈されるべきではない。むしろ、1つの例示的な順序を示しているが、工程の順序は適宜変更可能であると理解すべきである。したがって、いくつかの工程を異なる順序で行うことも、同時に行うことも可能である。また、当業者であればわかるように、記載した工程を必ずしも全て行う必要はない。
【0013】
以下の説明においては、開示される概念が十分に理解されるように、多くの具体的な詳細事項を提示しているが、本開示はこれらの詳細事項の一部又は全てが無くても実施可能である。また、他の例においては、開示を不必要に不明瞭にするのを避けるために、周知の装置及び/又はプロセスについては、詳細を省略している。いくつかの概念は、特定の実施例に関連させて説明するが、これらの実施例は本開示を限定することを意図するものではない。
【0014】
別段の示唆がない限り、「第1」、「第2」などの用語は、本明細書において、単に標識として用いられており、これらの用語で言及している要素に対して、順序、位置、又は階層的な要件を課すものではない。また、例えば「第2の」要素について言及することによって、例えば、「第1の」要素や、より小さい序数の要素、及び/又は、「第3の」の要素や、より大きい序数の要素の存在を要件としたり排除したりするものではない。
【0015】
本明細書において、「一例」という時は、当該例に関連させて述べる1つ又は複数の構成要素、構造、特徴が、少なくとも1つの実施態様に含まれることを意味する。本明細書の様々な箇所で用いられる「一例」という用語は、同一の例を指す場合もあるし、そうでない場合もある。
【0016】
本明細書において、特定の機能を実行するように「構成された(configured to)」システム、装置、構造、物品、要素、部品、又はハードウェアは、一切の変更を要することなくその特定の機能を実行できるものを指し、何らかの変更を施せばその特定の機能を実行する可能性のあるものを指すのではない。換言すれば、特定の機能を実行するように「構成された」システム、装置、構造、物品、要素、部品、又はハードウェアは、その特定の機能を実行することを目的として、具体的に、選択、作製、実施、利用、プログラム、及び/又は設計されたものを指す。本明細書において、「構成されている」ということは、システム、装置、構造、物品、要素、部品、又はハードウェアが既に備えている特性に言及するものであり、この特性により、当該システム、装置、構造、物品、要素、部品、又はハードウェアは、一切の変更を要することなくその特定の機能を実行することができる。本開示において、特定の機能を実行するように「構成されている」システム、装置、構造、物品、要素、部品、又はハードウェアは、この記載に加えて、あるいは、この記載に代えて、当該機能を行うように「適合化された(adapted to)」、及び/又は「動作可能な(operative to)」ものとして記載される場合もある。
【0017】
本開示の技術的事項の例示的且つ非排他的な実施例を、特許請求の範囲に記載のものも記載していないものも含め、以下に述べる。
【0018】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図2~
図18を参照すると、表面102を洗浄するための装置100が開示される。装置100は、ブラケット104、及び、ブラケット104に連結されるとともにブラケット104に対して第1軸110周りに回転可能なドラム108を含む。装置100は、ドラム108に取り付けられたブラシモータ114、及び、ブラシモータ114によってドラム108に対して第2軸116周りに回転可能なブラシ112も含み、第2軸は、第1軸110に平行である。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例1を特徴付けるものである。
【0019】
装置100は、表面102の自動洗浄を実現する。ブラケット104は、ドラム108を支持し、ロボットなどの制御構造体にドラム108を連結することを可能にするものである。ブラシ112を表面102に接触配置した状態で、ドラム108に対してブラシ112を第2軸116周りに回転させることにより、表面102に対する第1洗浄作用(例えばブラシ112を表面102上で第2軸116周りにスピンさせること)が実現される。ブラシ112を表面102に接触配置した状態で、ブラケット104に対してドラム108を第1軸110周りに回転させることにより、ブラシ112が、表面102に対する洗浄経路に沿って、表面102に対して第1軸110周りに公転し、表面102に対する第2洗浄作用(例えばブラシ112を表面102上で第1軸110周りに公転させること)が実現される。ドラム108、ブラシモータ114、及びブラシ112の構成によれば、装置100全体のサイズを小さくできるとともに、例えば狭い空間に位置する構造体又はその他の製造物の表面102を、装置100が洗浄することが可能になるという利点がある。
【0020】
装置100によれば、構造体の少なくとも1つの表面の表面洗浄作業に要する労力及び時間を削減することができる。装置100は、航空機のウィングボックス内のような狭い空間内を自動洗浄することができる。
【0021】
本明細書において、洗浄とは、特に、ブラシ112の洗浄動作を利用した、表面102からの汚染物質の除去のことをいう。本明細書において、汚染物質とは、表面102にある、あるいは付着した、あらゆる不要な異物のことをいう。いくつかの例において、汚染物質は、汚れ、塵、機械加工作業による残留材料などの微粒子材料を含む。いくつかの例において、汚染物質は、洗浄剤、油、塗料、接着剤、シーラント、フィルムなどの流体材料を含む。
【0022】
本明細書において、ブラシ112の洗浄動作は、ブラシ掛け、スクラブ、掃き取り(sweeping)、拭い取り(wiping)、サンディング(sanding)、磨き上げ(polishing)などを含む。ブラシ112の具体的な洗浄作用動作は、例えば、ブラシ112の種類、ブラシ112の材料、及び/又は、ブラシ112の動きに依存する。
【0023】
表面102に対するブラシ112の洗浄経路は、例えば、ブラケット104に対するドラム108の第1軸110周りの回転移動に依存する。いくつかの例において、ドラム108は全回転可能である(例えば、360度回転可能である)。いくつかの例において、ドラム108は、部分回転可能である(例えば、360度未満の回転が可能である)。いくつかの例において、ドラム108は、第1回転方向(例えば時計回り)に第1軸110を中心としてスピンする。いくつかの例において、ドラム108は、第1回転方向、及び、第1回転方向の反対の第2回転方向(例えば反時計回り)において、第1軸110周りの全回転又は部分回転により往復動する。
【0024】
表面102に対するブラシ112の洗浄経路は、第1軸110に沿う方向に見たドラム108の断面形状にも依存する。いくつかの例において、ドラム108は、第1軸110に沿う方向に見て円形の断面形状を有しており、ブラシ112の洗浄経路は、ドラム108の回転に応じて、例えば円形又は半円形である。いくつかの例において、ドラム108は、第1軸110に沿う方向に見て楕円形の断面形状を有しており、ブラシ112の洗浄経路は、ドラム108の回転に応じて、例えば楕円形又は半楕円形である。
【0025】
一般的に、装置100は、ロボット(例えば
図2)又は他のロボットアーム機構のアームと機能的に連結されるとともに、外部要素と相互作用して表面102上の汚染物質を洗浄するように設計された自動エンドエフェクタとして機能する。ドラム108は、ブラシモータ114及びブラシ112を取り付けるための支持構造の役割を行う。いくつかの例において、ドラム108は、ドラム開口306(
図5、
図8、及び、
図9)を含み、ブラシモータ114は、少なくともその一部が、ドラム開口306内に位置している。ブラケット104は、ドラム108をロボットに固定連結するための支持構造の役割を行う。ブラケット104に対するドラム108の第1軸110周りの回転によって、洗浄作業中における、ブラケット104及び表面102に対するブラシ112の角度配向が制御される。
【0026】
いくつかの例において、ブラケット104は、ブラケット開口308(
図16)を含み、ドラム108は、少なくともその一部が、ブラケット開口308内に位置している。いくつかの例において、第1軸110は、ドラム108の回転軸、及び、ブラケット開口308の中心軸を規定する。様々な例において、ブラケット104は、ドラム108の少なくとも一部を囲むとともにドラム108を保持する任意の適当な形状を有する。いくつかの例において、ドラム108は、ブラケット104に対するドラム108の第1軸110周りの回転が可能となる任意の適当な態様で、ブラケット104に連結されている。いくつかの例において、装置100は、ドラム108の外側に連結された1つ以上の環状ベアリング310(
図5~
図8)も含む。一例において、環状ベアリング310のうちの1つは、ドラム108の一端(例えば第1端)に位置しており、環状ベアリング310のうちの別の1つは、ドラム108の他端(例えば第2端)に位置している。
【0027】
本開示全体において、「平行」という用語は、ほぼ同じ方向に伸びるアイテム同士の配向のことをいう。
【0028】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図5、
図8及び
図9を参照すると、ブラシモータ114は、モータハウジング136、及び、モータハウジング136に対して第3軸146周りに回転可能な出力シャフト152を含み、第3軸は第1軸110に平行である。ブラシ112は、ブラシモータ114の出力シャフト152と、機能的に連結されている。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例2を特徴付けるものであり、実施例2は、上述した実施例1による構成要件も含む。
【0029】
ブラシモータ114の出力シャフト152は、ブラシ112が第2軸116周りにスピンするように、ブラシモータ114からブラシ112に回転移動を伝達する。
【0030】
いくつかの例において、モータハウジング136は、ドラム開口306内に位置するとともに、ドラム108に連結されている。いくつかの例において、ブラシモータ114の出力シャフト152は、ドラム108から延びて、ブラシ112と機能的に連結されている。様々な例において、出力シャフト152は、ブラシモータ114が動作している際に、ブラシモータ114によって回転し、回転力又はトルクを生成することができる。一例において、ブラシモータ114は、圧力源(図示せず)に機能的に連結されるとともに当該圧力源によって制御される回転空気圧モータである。空気圧モータは、ブラシ112を第2軸116周りにスピンさせるシンプル且つコスト効率の良い方法を実現するという利点がある。他の様々な例において、ブラシモータ114は、電気モータ、油圧モータなどの種々の回転モータのうちの任意のものである。いくつかの例において、装置100は、圧力源に機能的に連結されることによりブラシモータ114に対する空気圧の付与を制御するコントローラ(図示せず)も含む。
【0031】
いくつかの例において、コントローラは、少なくとも1つの電子コントローラ(例えばプログラマブルプロセッサ)、ならびに、圧力源及びブラシモータ114に空気圧的に連結された少なくとも1つの制御バルブ(図示せず)を含む。コントローラは、圧力源からブラシモータ114への空気圧の付与を制御するように構成される。いくつかの例において、制御バルブは、二方弁である。いくつかの例において、制御バルブは、電気機械式のソレノイド弁である。
【0032】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図6、
図7、及び
図13~
図15を参照すると、装置100は、ドラム108に取り付けられた第2ブラシモータ138、及び、第2ブラシモータ138によってドラム108に対して第4軸150周りに回転可能な第2ブラシ144をさらに含み、第4軸は、第1軸110及び第2軸116に対して平行である。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例3を特徴付けるものであり、実施例3は、上述した実施例2による構成要件も含む。
【0033】
第2ブラシ144を表面102に接触配置した状態で、第2ブラシ144をドラム108に対して回転させることにより、表面102に対する第3洗浄作用(例えば第2ブラシ144を表面102上で第4軸150周りにスピンさせること)が実現される。第2ブラシ144を表面102に接触配置した状態で、ブラケット104に対してドラム108を第1軸110周りに回転させることにより、表面102に対する第2洗浄経路に沿って、第2ブラシ144が表面102に対して第1軸110周りに公転し、表面102に対する第4洗浄作用(例えば、第2ブラシ144を表面102上で第1軸110周りに公転させること)が実現される。ドラム108、第2ブラシモータ138、及び第2ブラシ144の構成によれば、装置100全体のサイズを小さくできるとともに、例えば狭い空間に位置する構造体又はその他の製造物の表面102を、装置100が洗浄することが可能になるという利点がある。
【0034】
本明細書において、洗浄とは、特に、第2ブラシ144の洗浄動作を利用した、表面102からの汚染物質の除去のこともいう。本明細書において、第2ブラシ144の洗浄動作は、ブラシ掛け、スクラブ、掃き取り、拭い取り、サンディング、磨き上げなどを含む。
【0035】
第2ブラシ144の具体的な洗浄動作は、例えば、第2ブラシ144の種類、第2ブラシ144の材料、及び/又は、ブラシ112の動きに依存する。ブラシ112の場合と同様に、表面102に対する第2ブラシ144の第2洗浄経路は、例えば、ブラケット104に対するドラム108の第1軸110周りの回転移動、及び、第1軸110に沿う方向に見たドラム108の断面形状に依存する。いくつかの例において、第2ブラシ144の第2洗浄経路は、ドラム108の回転に応じて、例えば円形又は半円形である。いくつかの例において、第2ブラシ144の第2洗浄経路は、ドラム108の回転に応じて、例えば楕円形又は半楕円形である。
【0036】
ドラム108は、第2ブラシモータ138及び第2ブラシ144を取り付けるための支持構造の役割も行う。いくつかの例において、ドラム108は、第2ドラム開口312(
図8)を含み、第2ブラシモータ138は、少なくともその一部が、第2ドラム開口312内に位置している。ブラケット104に対するドラム108の第1軸110周りの回転によって、洗浄作業中における、ブラケット104及び表面102に対する第2ブラシ144の角度配向が制御される。
【0037】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図7~
図9を参照すると、第2ブラシモータ138は、第2モータハウジング140、及び、第2モータハウジング140に対して第5軸148周りに回転可能な第2出力シャフト142を含み、第5軸は第1軸110及び第3軸146に平行である。第2ブラシ144は、第2ブラシモータ138の第2出力シャフト142に機能的に連結されている。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例4を特徴付けるものであり、実施例4は、上述した実施例3による構成要件も含む。
【0038】
第2ブラシモータ138の第2出力シャフト142は、第2ブラシ144が第4軸150周りにスピンするように、第2ブラシモータ138から第2ブラシ144に回転移動を伝達する。
【0039】
いくつかの例において、第2モータハウジング140は、第2ドラム開口312内に位置するとともに、ドラム108に接続されている。いくつかの例において、第2ブラシモータ138の出力シャフト142は、ドラム108から延びて、第2ブラシ144と機能的に連結されている。様々な例において、第2出力シャフト142は、第2ブラシモータ138が動作している際に、第2ブラシモータ138によって回転し、回転力又はトルクを生成することができる。一例において、第2ブラシモータ138は、圧力源に機能的に連結されるとともに当該圧力源によって制御される回転空気圧モータである。空気圧モータは、第2ブラシ144を第4軸150周りにスピンさせるシンプル且つコスト効率の良い方法を実現するという利点がある。他の様々な例において、第2ブラシモータ138は、電気モータ、油圧モータなどの種々の回転モータのうちの任意のものである。
【0040】
いくつかの例において、コントローラは、圧力源及び第2ブラシモータ138に空気圧的に連結された少なくとも1つの第2制御バルブ(図示せず)を含む。コントローラは、圧力源から第2ブラシモータ138への空気圧の付与を制御するように構成される。いくつかの例において、第2制御バルブは、二方弁である。いくつかの例において、第2制御バルブは、電気機械式のソレノイド弁である。
【0041】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図3~
図5及び
図8を参照すると、ブラシ112は、出力シャフト152に連結されており、第2軸116は、第3軸146と一致している。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例5を特徴付けるものであり、実施例5は、上述した実施例4による構成要件も含む。
【0042】
ブラシ112をブラシモータ114の出力シャフト152に連結することにより、第2軸116を第3軸146と一致させ、ブラシ112をブラシモータ114と整列配置させることができる。
【0043】
いくつかの例において、ブラシ112は、ブラシモータ114の出力シャフト152に対して、締結、クランプ、又は他の方法で直接的に固定接続されており、出力シャフト152の回転により、ブラシ112が共回転するようになっている。いくつかの例において、装置100は、ブラシモータ114の出力シャフト152をブラシ112に機能的に連結するユニオン継ぎ手314(
図5)も含み、これにより、ブラシモータ114からブラシ112に動力が伝達される。いくつかの例において、ユニオン継手314は、回転ユニオンであり、当該ユニオン継手314の一端がブラシモータ114の出力シャフト152に共回転可能に連結されるとともに、当該ユニオン継手314の他端がブラシ112に共回転可能に連結されている。
【0044】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図3~
図5及び
図8を参照すると、第2ブラシ144は、第2出力シャフト142に連結されており、第4軸150は、第5軸148と一致している。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例6を特徴付けるものであり、実施例6は、上述した実施例5による構成要件も含む。
【0045】
第2ブラシ144を第2ブラシモータ138の第2出力シャフト142に連結することにより、第4軸150を第5軸148と一致させ、第2ブラシ144を第2ブラシモータ138と整列させることができる。
【0046】
いくつかの例において、第2ブラシ144は、第2ブラシモータ138の第2出力シャフト142に対して、締結、クランプ、又は他の方法で直接的に固定接続されており、第2出力シャフト142の回転により、第2ブラシ144が共回転するようになっている。いくつかの例において、装置100は、第2ブラシモータ138の第2出力シャフト142を第2ブラシ144に機能的に連結する第2ユニオン継ぎ手(図示せず)も含み、これにより、第2ブラシモータ138から第2ブラシ144に動力が伝達される。いくつかの例において、第2ユニオン継手は、回転ユニオンであり、当該第2ユニオン継手の一端が第2ブラシモータ138の第2出力シャフト142に共回転可能に連結されるとともに、当該ユニオン継手の他端が第2ブラシ144に共回転可能に連結されている。いくつかの例において、第2ユニオン継手は、本明細書で説明した、ブラシモータ114及びブラシ112に関連付けられたユニオン継手314(
図5)と実質的に同じである。
【0047】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図6、
図7、及び、
図9~
図15を参照すると、装置100は、ドラム108に連結されるとともにブラシ112を保持するように構成されたブラシアーム154をさらに含む。ブラシアーム154は、ブラシドライブトレイン(drivetrain)170を含み、当該ブラシドライブトレインは、ブラシモータ114の出力シャフト152及びブラシ112と機能的に連結されることにより、ブラシ112をブラシアーム154に対して第2軸116周りに回転させる。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例7を特徴付けるものであり、実施例7は、上述した実施例4による構成要件も含む。
【0048】
ブラシアーム154は、ブラシ112を保持しており、ブラシ112が第2軸116周りにスピンできるように構成されている。ブラシ112をブラシアーム154に接続するとともに、ブラシ112をブラシドライブトレイン170を介してブラシモータ114の出力シャフト152に機能的に連結することにより、第2軸116が、第3軸146から横方向に離間し、ブラシ112が、ドラム108(例えば第1軸110)及びブラシモータ114(例えば第3軸146)に対して、横方向外側に位置する。
【0049】
ブラケット104に対するドラム108の第1軸110周りの回転によって、洗浄作業中における、ブラケット104及び表面102に対するブラシアーム154及びブラシ112の角度配向が制御される。いくつかの例において、第2軸116は、第3軸146(例えばブラシモータ114の回転軸)及び第1軸110に対して、横方向に離間するとともに、これらと平行である。第2軸116を第3軸146と平行になるように構成することにより、複雑さが低減されるとともに、ブラシドライブトレイン170を介したブラシモータ114とブラシ112との機能的連結の信頼性を高めることができる。第2軸116を第1軸110から横方向に離間するように配置することにより、ブラシ112の第1洗浄経路を実現することができる。第2軸116を第3軸146から横方向に離間するように配置することにより、ブラシ112をドラム108に対して外方に離間させることができる。
【0050】
いくつかの例において、ブラシアーム154は、ブラシアームハウジング316(
図9、
図14、及び、
図15)を含む。いくつかの例において、ブラシアームハウジング316は、ブラシドライブトレイン170の少なくとも一部を収容するとともに、当該ブラシドライブトレインの確実な保持を実現する。ブラシアームハウジング316は、さらに、例えば装置100の移動中などの衝撃や、汚染物質から、ブラシドライブトレイン170を保護する役割も行う。
【0051】
いくつかの例において、ブラシアームハウジング316は、ブラシドライブトレイン170がブラシモータ114の出力シャフト152と機能的に連結された状態で、ドラム108に連結されている。いくつかの例において、ブラシアームハウジング316は、ドラム108に対して固定されており、ブラシアーム154の角度配向は、ドラム108の回転に応じて、ブラケット104に対して第1軸110周りに選択的に調節可能である。
【0052】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図6、
図7、及び、
図9~
図13を参照すると、装置100は、ドラム108に連結されるとともに第2ブラシ144を保持するように構成された第2ブラシアーム156をさらに含む。第2ブラシアーム156は、第2ブラシドライブトレイン172を含み、当該第2ブラシドライブトレインは、第2ブラシモータ138の第2出力シャフト142及び第2ブラシ144と機能的に連結されることにより、第2ブラシ144を第2ブラシアーム156に対して第4軸150周りに回転させる。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例8を特徴付けるものであり、実施例8は、上述した実施例7による構成要件も含む。
【0053】
第2ブラシアーム156は、第2ブラシ144を保持しており、第2ブラシ144が第4軸150周りにスピンできるように構成されている。第2ブラシ144を第2ブラシアーム156に接続するとともに、第2ブラシ144を第2ブラシドライブトレイン172を介して第2ブラシモータ138の第2出力シャフト142に機能的に連結することにより、第4軸150が、第5軸148から横方向に離間し、第2ブラシ144が、ドラム108及び第2ブラシモータ138に対して、横方向外側に位置する。
【0054】
ブラケット104に対するドラム108の第1軸110周りの回転によって、洗浄作業中における、ブラケット104及び表面102に対する第2ブラシアーム156及び第2ブラシ144の角度配向が制御される。いくつかの例において、第4軸150は、第5軸148(例えば第2ブラシモータ138の回転軸)及び第1軸110に対して、横方向に離間するとともに、これらと平行である。第4軸150を第5軸148と平行になるように構成することにより、複雑さが低減されるとともに、第2ブラシドライブトレイン172を介した第2ブラシモータ138と第2ブラシ144との機能的連結の信頼性を高めることができる。第4軸150を第1軸110から横方向に離間するように配置することにより、第2ブラシ144の第2洗浄経路を実現することができる。第4軸150を第5軸148から横方向に離間するように配置することにより、第2ブラシ144をドラム108に対して外方に離間させることができる。
【0055】
いくつかの例において、第2ブラシアーム156は、第2ブラシアームハウジング318(
図14及び
図15)を含む。いくつかの例において、第2ブラシアームハウジング318は、第2ブラシドライブトレイン172の少なくとも一部を収容するとともに、当該第2ブラシドライブトレインの確実な保持を実現する。第2ブラシアームハウジング318は、さらに、例えば装置100の移動中などの衝撃や、汚染物質から、第2ブラシドライブトレイン172を保護する役割も行う。
【0056】
いくつかの例において、第2ブラシアームハウジング318は、第2ブラシドライブトレイン172が第2ブラシモータ138の第2出力シャフト142と機能的に連結された状態で、ドラム108に連結されている。いくつかの例において、第2ブラシアームハウジング318は、ドラム108に対して固定されており、第2ブラシアーム156の角度配向は、ドラム108の回転に応じて、ブラケット104に対して第1軸110周りに選択的に調節可能である。
【0057】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図9及び
図11を参照すると、ブラシドライブトレイン170は、ブラシドライブ入力部品158を含み、当該入力部品は、ブラシモータ114の出力シャフト152に接続されるとともに、ブラシモータ114に対して第3軸146周りに回転可能である。ブラシドライブトレイン170は、ブラシアーム154に対して第2軸116周りに回転可能なブラシドライブ出力部品160も含む。ブラシドライブトレイン170は、加えて、ブラシドライブ入力部品158及びブラシドライブ出力部品160に機能的に連結されたブラシ動力伝達部品180を含む。ブラシ112は、ブラシドライブ出力部品160に連結されるように構成されている。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例9を特徴付けるものであり、実施例9は、上述した実施例8による構成要件も含む。
【0058】
ブラシドライブトレイン170によって、ブラシモータ114の出力シャフト152が、ブラシモータ114からブラシ112に回転移動を伝達することが可能になり、これにより、ブラシ112が第2軸116周りにスピンする。
【0059】
いくつかの例において、ブラシドライブ入力部品158は、ブラシモータ114の出力シャフト152に対して、締結、クランプ、又は他の方法で直接的に固定接続されており、出力シャフト152の回転により、ブラシドライブ入力部品158が共回転するようになっている。いくつかの例において、ブラシドライブ出力部品160は、ブラシアームハウジング316に取り付けられており、ブラシアームハウジング316に対して第2軸116周りに回転可能である。
【0060】
ブラシモータ114がブラシドライブ入力部品158に機能的に連結されているとともに、ブラシドライブ入力部品158がブラシ動力伝達部品180を介してブラシドライブ出力部品160に機能的に連結されていることにより、ブラシモータ114は、ブラシドライブ出力部品160、及び、ブラシドライブ出力部品160に機能的に連結されているブラシ112を、選択的に回転させることができる。換言すれば、ブラシドライブ入力部品158及びブラシ動力伝達部品180が、ブラシモータ114からブラシドライブ出力部品160への動力伝達を実現し、これによりブラシ112が回転する。
【0061】
一例において、ブラシドライブ入力部品158及びブラシドライブ出力部品160の各々は、ギヤ又はスプロケットを含む。一例において、ブラシ動力伝達部品180は、歯車列を含む。歯車列は、例えばブラシドライブ出力部品160が第3軸146と一致していない場合に、ブラシドライブ入力部品158からブラシドライブ出力部品160に高効率且つ高い信頼性で動力を伝達する機構を実現する。これに代えて、他のいくつかの例において、ブラシ動力伝達部品180は、ベルト又はチェーンを含む。
【0062】
いくつかの例において、ブラシアームハウジング316は、ベアリングを含み、当該ベアリングは、例えばブラシ動力伝達部品180が歯車列である場合に、ブラシドライブ入力部品158、ブラシドライブ出力部品160、及び、任意でブラシ動力伝達部品180の低摩擦回転を実現する。いくつかの例において、ベアリングは、例えば環状ベアリングやラジアル玉軸受など、種々のベアリングのうちの任意のものであってよい。
【0063】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図11及び
図14を参照すると、ブラシアーム154は、ブラシベアリング176をさらに含む。ブラシ112は、ブラシベアリング176に接続されるように構成されたブラシボディ178を含む。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例10を特徴付けるものであり、実施例10は、上述した実施例9による構成要件も含む。
【0064】
ブラシボディ178をブラシベアリング176に接続することにより、ブラシ112とブラシアーム154とが確実に接続されるとともに、ブラシ112の第2軸116周りの回転が実現される。また、ブラシボディ178をブラシベアリング176に接続することにより、ブラシ112をブラシアーム154に迅速且つ容易に保持させて、ブラシ112をブラシドライブ出力部品160に機能的に連結させることができ、また、ブラシアーム154から迅速且つ容易に取り外すこともできる。
【0065】
一例において、ブラシベアリング176は、環状ベアリングであり、ブラシアームハウジング316の環状フランジに接続された内レース、及び、内レースに接続されるとともに内レースに対して第2軸116周りに回転可能な外レースを含む。一例において、ブラシボディ178は、ブラシベアリング176の外レースに接続されるように構成された係合部320(
図11及び
図14)を含む。一例において、係合部320は、ブラシベアリング176との締り嵌め又はスナップフィット(snap fit)接続を形成するように構成された環状クリップを含む。
【0066】
一例において、ブラシアームハウジング316は、ブラシ収容部を含むかあるいは構成しており、ブラシ収容部は、ブラシ112のブラシボディ178を収容するとともに、ブラシボディ178の係合部320をブラシベアリング176に近接させて接続することを可能とするように、構成されている。ブラシ収容部によって、ブラシ112をブラシアーム154に迅速且つ容易に保持させて、ブラシドライブ出力部品160に機能的に連結させることができる。一例において、ブラシ112のブラシボディ178がブラシベアリング176に接続された状態では、ブラシボディ178の少なくとも一部がブラシドライブ出力部品160と係合し、これにより、ブラシドライブ出力部品160がブラシアームハウジング316に対して第2軸116周りに回転すると、ブラシ112がブラシアームハウジング316に対して第2軸116周りに共回転するようになっている。一例において、ブラシボディ178及びブラシドライブ出力部品160は、キージョイント(keyed joint)を形成する。一例において、ブラシボディ178は、六角ソケットを含み、ブラシドライブ出力部品160は、ブラシボディ178の六角ソケットの開口に嵌入するように構成された六角ヘッドを含む。
【0067】
いくつかの例において、ブラシボディ178とブラシベアリング176との締り嵌めにより、ブラシ112がブラシ収容部内に確実に保持されるとともに、ブラシドライブ出力部品160とブラシ112との共回転が実現される。加えて、ブラシボディ178とブラシベアリング176との締り嵌めにより、追加の留め具を用いずに、単にブラシ112のブラシボディ178をブラシ収容部に挿入するだけで、ブラシアーム154にブラシ112を保持させることができる。
【0068】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図9及び
図11を参照すると、第2ブラシドライブトレイン172は、第2ブラシドライブ入力部品182を含み、当該入力部品は、第2ブラシモータ138の第2出力シャフト142に接続されるとともに、第2ブラシモータ138に対して第5軸148周りに回転可能である。第2ブラシドライブトレイン172は、第2ブラシアーム156に対して第4軸150周りに回転可能な第2ブラシドライブ出力部品184も含む。第2ブラシドライブトレイン172は、加えて、第2ブラシドライブ入力部品182及び第2ブラシドライブ出力部品184に機能的に連結された第2ブラシ動力伝達部品186を含む。第2ブラシ144は、第2ブラシドライブ出力部品184に連結されるように構成されている。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例11を特徴付けるものであり、実施例11は、上述した実施例10による構成要件も含む。
【0069】
第2ブラシドライブトレイン172によって、第2ブラシモータ138の第2出力シャフト142が、第2ブラシモータ138から第2ブラシ144に回転移動を伝達することが可能になり、これにより、第2ブラシ144が第4軸150周りにスピンする。
【0070】
いくつかの例において、第2ブラシドライブ入力部品182は、第2ブラシモータ138の第2出力シャフト142に対して、締結、クランプ、又は他の方法で直接的に固定接続されており、第2出力シャフト142の回転により、第2ブラシドライブ入力部品182が共回転するようになっている。いくつかの例において、第2ブラシドライブ出力部品184は、第2ブラシアームハウジング318に取り付けられており、第2ブラシアームハウジング318に対して第4軸150周りに回転可能である。
【0071】
第2ブラシモータ138が第2ブラシドライブ入力部品182に機能的に連結されているとともに、第2ブラシドライブ入力部品182が第2ブラシ動力伝達部品186を介して第2ブラシドライブ出力部品184に機能的に連結されていることにより、第2ブラシモータ138は、第2ブラシドライブ出力部品184、及び、第2ブラシドライブ出力部品184に機能的に連結されている第2ブラシ144を、選択的に回転させることができる。換言すれば、第2ブラシドライブ入力部品182及び第2ブラシ動力伝達部品186が、第2ブラシモータ138から第2ブラシドライブ出力部品184への動力伝達を実現し、これにより第2ブラシ144が回転する。
【0072】
一例において、第2ブラシドライブ入力部品182及び第2ブラシドライブ出力部品184の各々は、ギヤ又はスプロケットを含む。一例において、第2ブラシ動力伝達部品186は、歯車列を含む。歯車列は、例えば第2ブラシドライブ出力部品184が第5軸148と一致していない場合に、第2ブラシドライブ入力部品182から第2ブラシドライブ出力部品184に高効率且つ高い信頼性で動力を伝達する機構を実現する。これに代えて、他のいくつかの例において、第2ブラシ動力伝達部品186は、ベルト又はチェーンを含む。
【0073】
いくつかの例において、第2ブラシアームハウジング318は、ベアリングを含み、当該ベアリングは、例えば第2ブラシ動力伝達部品186が歯車列である場合に、第2ブラシドライブ入力部品182、第2ブラシドライブ出力部品184、及び、任意で第2ブラシ動力伝達部品186の低摩擦回転を実現する。いくつかの例において、ベアリングは、例えば環状ベアリングやラジアル玉軸受など、種々のベアリングのうちの任意のものであってよい。
【0074】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図11及び
図14を参照すると、第2ブラシアーム156は、第2ブラシベアリング190をさらに含む。第2ブラシ144は、第2ブラシベアリング190に接続されるように構成された第2ブラシボディ188を含む。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例12を特徴付けるものであり、実施例12は、上述した実施例11による構成要件も含む。
【0075】
第2ブラシボディ188を第2ブラシベアリング190に接続することにより、第2ブラシ144と第2ブラシアーム156とが確実に接続されるとともに、第2ブラシ144の第4軸150周りの回転が実現される。また、第2ブラシボディ188を第2ブラシベアリング190に接続することにより、第2ブラシ144を第2ブラシアーム156に迅速且つ容易に保持させて、第2ブラシ144を第2ブラシドライブ出力部品184に機能的に連結させることができ、また、第2ブラシアーム156から迅速且つ容易に取り外すこともできる。
【0076】
一例において、第2ブラシベアリング190は、環状ベアリングであり、第2ブラシアームハウジング318の環状フランジに接続された内レース、及び、内レースに接続されるとともに内レースに対して第4軸150周りに回転可能な外レースを含む。一例において、第2ブラシボディ188は、第2ブラシベアリング190の外レースに接続されるように構成された第2係合部322(
図14)を含む。一例において、第2係合部322は、第2ブラシベアリング190との締り嵌め又はスナップフィット接続を形成するように構成された環状クリップを含む。
【0077】
一例において、第2ブラシアームハウジング318は、第2ブラシ収容部を含むかあるいは構成しており、第2ブラシ収容部は、第2ブラシ144の第2ブラシボディ188を収容するとともに、第2ブラシボディ188の第2係合部322を第2ブラシベアリング190に近接させて接続することを可能とするように、構成されている。第2ブラシ収容部によって、第2ブラシ144を第2ブラシアーム156に迅速且つ容易に保持させて、第2ブラシドライブ出力部品184に機能的に連結させることができる。一例において、第2ブラシ144の第2ブラシボディ188が第2ブラシベアリング190に接続された状態では、第2ブラシボディ188の少なくとも一部が第2ブラシドライブ出力部品184と係合し、これにより、第2ブラシドライブ出力部品184が第2ブラシアームハウジング318に対して第4軸150周りに回転すると、第2ブラシ144が第2ブラシアームハウジング318に対して第4軸150周りに共回転するようになっている。一例において、第2ブラシボディ188及び第2ブラシドライブ出力部品184は、キージョイントを形成する。一例において、第2ブラシボディ188は、六角ソケットを含み、第2ブラシドライブ出力部品184は、第2ブラシボディ188の六角ソケットの開口に嵌入するように構成された六角ヘッドを含む。
【0078】
いくつかの例において、第2ブラシボディ188と第2ブラシベアリング190との締り嵌めにより、第2ブラシ144がブラシ収容部内に確実に保持されるとともに、第2ブラシドライブ出力部品184と第2ブラシ144との共回転が実現される。加えて、第2ブラシボディ188と第2ブラシベアリング190との締り嵌めにより、追加の留め具を用いずに、単に第2ブラシ144の第2ブラシボディ188をブラシ収容部に挿入するだけで、第2ブラシアーム156に第2ブラシ144を保持させることができる。
【0079】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図12及び
図13を参照すると、装置100は、ドラム108に取り付けられたブラシアームモータ192をさらに含む。ブラシアーム154は、ブラシアームモータ192によって、ドラム108に対して、第3軸146に一致する第6軸208周りに回転可能である。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例13を特徴付けるものであり、実施例13は、上述した実施例12による構成要件も含む。
【0080】
ブラシ112を表面102に接触配置した状態で、ブラシアーム154をドラム108に対して第6軸208周りに回転させることにより、ブラシ112が表面102に対して第6軸208周りに公転し、表面102に対する第5洗浄作用(例えば、ブラシ112が、表面102上で第6軸208を周回すること)が実現される。
【0081】
ドラム108は、ブラシアームモータ192及びブラシアーム154を取り付けるための支持構造の役割を行う。いくつかの例において、ドラム108は、第3ドラム開口324(
図12)を含み、ブラシアームモータ192は、少なくともその一部が、第3ドラム開口324内に位置している。ブラシアームモータ192が、ブラシアーム154に回転移動を伝達することにより、ブラシアーム154が、ドラム108に対して第6軸208周りに回転し、ブラシ112が、第6軸208周りに公転する。一例において、ブラシアーム154は、全回転可能である(例えば、360度回転可能である)。一例において、ブラシアーム154は、部分回転可能である(例えば、360度未満の回転が可能である)。いくつかの例において、ブラシアーム154は、第1回転方向(例えば時計回り)に、第6軸208を中心としてスピンする。いくつかの例において、ブラシアーム154は、第1回転方向、及び、第1回転方向の反対の第2回転方向(例えば反時計回り)において、第6軸208周りの全回転又は部分回転により往復動する。いくつかの例において、ブラシ112の第5洗浄作用は、ブラシアーム154の回転角度に応じて、例えば円形又は半円形に沿うものとなる。
【0082】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図12及び
図13を参照すると、第2ブラシアーム156は、ブラシアームモータ192によって、ドラム108に対して、第5軸148に一致する第7軸214周りに回転可能である。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例14を特徴付けるものであり、実施例14は、上述した実施例13による構成要件も含む。
【0083】
第2ブラシ144を表面102に接触配置した状態で、第2ブラシアーム156をドラム108に対して第7軸214周りに回転させることにより、第2ブラシ144が表面102に対して第7軸214周りに公転し、表面102に対する第6洗浄作用(例えば、第2ブラシ144が、表面102上で第7軸214を周回すること)が実現される。
【0084】
ブラシアームモータ192が、第2ブラシアーム156に回転移動を伝達することにより、第2ブラシアーム156が、ドラム108に対して第7軸214周りに回転し、第2ブラシ144が、第7軸214周りに公転する。一例において、第2ブラシアーム156は、部分回転可能である(例えば、360度未満の回転が可能である)。いくつかの例において、第2ブラシアーム156は、第1回転方向、及び、第1回転方向の反対の第2回転方向において、第7軸214周りの全回転又は部分回転により往復動する。いくつかの例において、第2ブラシ144の第6洗浄作用は、第2ブラシアーム156の回転角度に応じて、例えば半円形に沿うものとなる。いくつかの例において、ブラシアーム154の回転と第2ブラシアーム156の回転とは、連係する。一例において、ブラシアーム154と第2ブラシアーム156とは、同じ方向に一緒に回転する。一例において、ブラシアーム154と第2ブラシアーム156とは、反対方向に回転する。
【0085】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図12を参照すると、ブラシアームモータ192は、第3モータハウジング210、及び、第3モータハウジング210に対して第8軸216周りに回転可能な第3出力シャフト212を含み、第8軸は第1軸110に平行である。ブラシアーム154は、ブラシアームモータ192の第3出力シャフト212と機能的に連結されている。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例15を特徴付けるものであり、実施例15は、上述した実施例14による構成要件も含む。
【0086】
ブラシアームモータ192の第3出力シャフト212が、ブラシアームモータ192からブラシアーム154に回転移動を伝達することにより、ブラシ112は、第2軸116周りにスピンするとともに、第6軸208周りに公転する。
【0087】
いくつかの例において、第3モータハウジング210は、第3ドラム開口324内に位置するとともに、ドラム108に接続されている。いくつかの例において、ブラシアームモータ192の第3出力シャフト212は、ドラム108から延びて、ブラシアーム154と機能的に連結されている。様々な例において、第3出力シャフト212は、ブラシアームモータ192が動作している際に、ブラシアームモータ192によって回転し、回転力又はトルクを生成することができる。様々な例において、ブラシアームモータ192は、電気モータ、油圧モータ、空気圧モータなどの種々の回転モータのうちの任意のものである。
【0088】
一例において、ブラシアームモータ192は、1回転を複数の等しいステップに分割するステッパモータである。第3出力シャフト212の回転配向は、フィードバック用の位置センサを用いることなく、例えばコントローラによって制御又は命令することにより、変化させたり、ステップのうちの1つで停止させたりすることができる。ブラシアームモータ192の制御回転によって、ブラシアーム154は、ドラム108に対して、第6軸208周りに、選択的に回転することができる。
【0089】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図12及び
図13を参照すると、装置100は、ブラシアームドライブトレイン194をさらに含み、当該ブラシアームドライブトレインは、ブラシアームモータ192の第3出力シャフト212及びブラシアーム154に機能的に連結されており、これによりブラシアーム154をドラム108に対して第6軸208周りに回転させる。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例16を特徴付けるものであり、実施例16は、上述した実施例15による構成要件も含む。
【0090】
ブラシアーム154を、ブラシアームドライブトレイン194を介してブラシアームモータ192の第3出力シャフト212に機能的に連結することにより、第6軸208が第8軸216から横方向に離間し、ブラシアーム154が、ドラム108(例えば第1軸110)及びブラシアームモータ192(例えば第8軸216)に対して、横方向外側に位置する。
【0091】
ドラム108に対するブラシアーム154の第6軸208周りの回転によって、洗浄作業中における、ドラム108及び表面102に対するブラシアーム154及びブラシ112の角度配向が制御される。
【0092】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図12及び
図13を参照すると、ブラシアームドライブトレイン194は、第2ブラシアーム156に機能的に連結されており、これにより第2ブラシアーム156をドラム108に対して第7軸214周りに回転させる。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例17を特徴付けるものであり、実施例17は、上述した実施例16による構成要件も含む。
【0093】
第2ブラシアーム156を、ブラシアームドライブトレイン194を介してブラシアームモータ192の第3出力シャフト212に機能的に連結することにより、第7軸214が第8軸216から横方向に離間し、第2ブラシアーム156が、ドラム108(例えば第1軸110)及びブラシアームモータ192(例えば第8軸216)に対して、横方向外側に位置する。
【0094】
ドラム108に対する第2ブラシアーム156の第7軸214周りの回転によって、洗浄作業中における、ドラム108及び表面102に対する第2ブラシアーム156及び第2ブラシ144の角度配向が制御される。
【0095】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図12及び
図13を参照すると、ブラシアームドライブトレイン194は、ブラシアームドライブ入力部品200を含み、当該ブラシアームドライブ入力部品は、ブラシアームモータ192の第3出力シャフト212に接続されるとともに、ブラシアームモータ192に対して第8軸216周りに回転可能である。ブラシアームドライブトレイン194は、ドラム108に対して第6軸208周りに回転可能なブラシアームドライブ出力部品202も含む。ブラシアームドライブトレイン194は、さらに、ブラシアームドライブ入力部品200及びブラシアームドライブ出力部品202に機能的に連結された、ブラシアーム動力伝達部品204を含む。ブラシアーム154は、ブラシアームドライブ出力部品202に接続されている。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例18を特徴付けるものであり、実施例18は、上述した実施例17による構成要件も含む。
【0096】
ブラシアームドライブトレイン194によって、ブラシアームモータ192の第3出力シャフト212が、ブラシアームモータ192からブラシアーム154に回転移動を伝達することが可能になり、これにより、ブラシアーム154が第6軸208周りに回転するとともに、ブラシ112が第6軸208周りに公転する。
【0097】
いくつかの例において、ブラシアームドライブ入力部品200は、ブラシアームモータ192の第3出力シャフト212に対して、締結、クランプ、又は他の方法で直接的に固定接続されており、第3出力シャフト212の回転により、ブラシアームドライブ入力部品200が共回転するようになっている。いくつかの例において、ブラシアームドライブ出力部品202は、ブラシアームハウジング316に取り付けられている。ブラシアームモータ192がブラシアームドライブ入力部品200と機能的に連結されているとともに、ブラシアームドライブ入力部品200がブラシアーム動力伝達部品204を介してブラシアームドライブ出力部品202と機能的に連結されていることにより、ブラシアームモータ192は、ブラシアームドライブ出力部品202、及び、ブラシアームドライブ出力部品202に機能的に連結されたブラシアーム154を、選択的に回転させることができる。換言すれば、ブラシアームドライブ入力部品200及びブラシアーム動力伝達部品204が、ブラシアームモータ192からブラシアームドライブ出力部品202への動力伝達を実現し、これによりブラシアーム154が回転する。
【0098】
一例において、ブラシアームドライブ入力部品200及びブラシアームドライブ出力部品202の各々は、ギヤ又はスプロケットを含む。一例において、ブラシアーム動力伝達部品204は、歯車列を含む。歯車列は、ブラシアームドライブ入力部品200からブラシアームドライブ出力部品202に動力を伝達するための効率が良く信頼性の高い機構を実現する。これに代えて、他のいくつかの例において、ブラシアーム動力伝達部品204は、ベルト又はチェーンを含む。
【0099】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図12及び
図13を参照すると、ブラシアームドライブトレイン194は、ドラム108に対して第7軸214周りに回転可能な第2ブラシアームドライブ出力部品206をさらに含む。ブラシアーム動力伝達部品204は、第2ブラシアームドライブ出力部品206と機能的に連結されている。第2ブラシアーム156は、第2ブラシアームドライブ出力部品206に接続されている。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例19を特徴付けるものであり、実施例19は、上述した実施例18による構成要件も含む。
【0100】
ブラシアームドライブトレイン194によって、ブラシアームモータ192の第3出力シャフト212が、ブラシアームモータ192から第2ブラシアーム156に回転移動を伝達することが可能になり、これにより、第2ブラシアーム156が第7軸214周りに回転するとともに、第2ブラシ144が第7軸214周りに公転する。
【0101】
いくつかの例において、第2ブラシアームドライブ出力部品206は、第2ブラシアームハウジング318に取り付けられている。ブラシアームモータ192がブラシアームドライブ入力部品200と機能的に連結されているとともに、ブラシアームドライブ入力部品200がブラシアーム動力伝達部品204を介して第2ブラシアームドライブ出力部品206と機能的に連結されていることにより、ブラシアームモータ192は、第2ブラシアームドライブ出力部品206、及び、第2ブラシアームドライブ出力部品206に機能的に連結された第2ブラシアーム156を、選択的に回転させることができる。換言すれば、ブラシアームドライブ入力部品200及びブラシアーム動力伝達部品204が、ブラシアームモータ192から第2ブラシアームドライブ出力部品206への動力伝達を実現し、これにより第2ブラシアーム156が回転する。
【0102】
一例において、ブラシアームドライブ入力部品200及び第2ブラシアームドライブ出力部品206の各々は、ギヤ又はスプロケットを含む。一例において、ブラシアーム動力伝達部品204は、歯車列を含む。歯車列は、ブラシアームドライブ入力部品200から第2ブラシアームドライブ出力部品206に動力を伝達するための効率が良く信頼性の高い機構を実現する。これに代えて、他のいくつかの例において、ブラシアーム動力伝達部品204は、ベルト又はチェーンを含む。
【0103】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図8及び
図9を参照すると、装置100は、管状スリーブ218をさらに含み、当該管状スリーブは、ドラム108に連結されているとともにドラム108に対して第6軸208周りに回転可能である。ブラシモータ114は、管状スリーブ218内に配置されている。ブラシアーム154は、管状スリーブ218に接続されている。ブラシアームモータ192によってブラシアーム154がドラム108に対して第6軸208周りに回転すると、管状スリーブ218がドラム108に対して第6軸208周りに共回転する。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例20を特徴付けるものであり、実施例20は、上述した実施例19による構成要件も含む。
【0104】
管状スリーブ218が回転可能にドラム108に連結されていることにより、ブラシモータ114は、ドラム108に対して、第6軸208周りにブラシアーム154と共回転することができる。
【0105】
ブラシモータ114とブラシアーム154とが第6軸208周りに共回転することにより、ブラシモータ114は、ブラシアーム154が第6軸208周りに回転している間、ブラシ112を第2軸116周りに回転させることができる。また、ブラシモータ114とブラシアーム154との第6軸208周りの共回転により、ブラシアーム154の回転移動とブラシ112の回転移動とを、単純且つ信頼性の高い方法で連係させることができる。ブラシモータ114を管状スリーブ218内に配置することにより、第3軸146であるブラシモータ114の回転軸が、第6軸208であるブラシアーム154及び管状スリーブ218の回転軸と一致する。
【0106】
いくつかの例において、管状スリーブ218は、少なくともその一部がドラム開口306内に位置しているとともに、ドラム108に接続されている。いくつかの例において、ドラム108は、管状スリーブ218を取り付けるための支持構造の役割を行う。管状スリーブ218は、ブラシモータ114をドラム108に取り付けるとともにブラシアーム154を取り付けるための支持構造の役割を行う。様々な実施例において、管状スリーブ218は、管状スリーブ218がドラム108に対して第6軸208周りに回転可能となる任意の適切な方法で、ドラム108に連結されている。いくつかの例において、装置100は、管状スリーブ218の外側に連結された1つ以上の第2環状ベアリング326(
図8)も含む。一例において、第2環状ベアリング326のうちの1つは、管状スリーブ218の一端(例えば第1端)に設けられており、第2環状ベアリング326のうちの別の1つは、管状スリーブ218の他端(例えば第2端)に設けられている。
【0107】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図8及び
図9を参照すると、装置100は、第2管状スリーブ220をさらに含み、当該第2管状スリーブは、ドラム108に連結されているとともにドラム108に対して第7軸214周りに回転可能である。第2ブラシモータ138は、第2管状スリーブ220内に配置されている。第2ブラシアーム156は、第2管状スリーブ220に接続されている。ブラシアームモータ192によって第2ブラシアーム156がドラム108に対して第7軸214周りに回転すると、第2管状スリーブ220がドラム108に対し第7軸214周りに共回転する。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例21を特徴付けるものであり、実施例21は、上述した実施例20による構成要件も含む。
【0108】
第2管状スリーブ220が回転可能にドラム108に連結されていることにより、第2ブラシモータ138は、ドラム108に対して、第7軸214周りに第2ブラシアーム156と共回転することができる。
【0109】
第2ブラシモータ138と第2ブラシアーム156とが第7軸214周りに共回転することにより、第2ブラシモータ138は、第2ブラシアーム156が第7軸214周りに回転している間、第2ブラシ144を第4軸150周りに回転させることができる。また、第2ブラシモータ138と第2ブラシアーム156との第7軸214周りの共回転により、第2ブラシアーム156の回転移動と第2ブラシ144の回転移動とを、単純且つ信頼性の高い方法で連係させることができる。第2ブラシモータ138を第2管状スリーブ220内に配置することにより、第5軸148である第2ブラシモータ138の回転軸が、第7軸214である第2ブラシアーム156及び第2管状スリーブ220の回転軸と一致する。
【0110】
いくつかの例において、第2管状スリーブ220は、少なくともその一部が第2ドラム開口312内に位置しているとともに、ドラム108に接続されている。いくつかの例において、ドラム108は、第2管状スリーブ220を取り付けるための支持構造の役割を行う。第2管状スリーブ220は、第2ブラシモータ138をドラム108に取り付けるとともに第2ブラシアーム156を取り付けるための支持構造の役割を行う。様々な実施例において、第2管状スリーブ220は、第2管状スリーブ220がドラム108に対して第7軸214周りに回転可能となる任意の適切な方法で、ドラム108に連結されている。いくつかの例において、装置100は、第2管状スリーブ220の外側に連結された1つ以上の第3環状ベアリング328(
図8)も含む。一例において、第3環状ベアリング328のうちの1つは、第2管状スリーブ220の一端(例えば第1端)に設けられており、第3環状ベアリング328のうちの別の1つは、第2管状スリーブ220の他端(例えば第2端)に設けられている。
【0111】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図13~
図15を参照すると、装置100は、ブラシ112の中央部に吸引力を送給するように構成された中央吸引送給管122、及び、ブラシ112の周辺部に吸引力を送給するように構成された周辺吸引送給管222をさらに含む。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例22を特徴付けるものであり、実施例22は、上述した実施例4~21のいずれによる構成要件も含む。
【0112】
中央吸引送給管122及び周辺吸引送給管222によって、真空源(図示せず)からブラシ112への吸引力の送給が可能となる。
【0113】
ブラシ112に吸引力が送給されることによって、洗浄作業中にブラシ112によって表面102から除去された汚染物質を、容易に捕捉、収集及び廃棄することができる。また、吸引力によって、洗浄作業中に用いた洗浄用流体、及び/又は、洗浄用流体又もしくは汚染物質よって発生した煙霧(fumes)を、容易に捕捉、収集及び廃棄することができる。一例において、中央吸引送給管122は、吸引力の第1部分(例えば中央部分)をブラシ112の中央部に送給するように、ブラシ112に対して配置されている。一例において、周辺吸引送給管222は、吸引力の第2部分(例えば周辺部分)をブラシ112の周辺部に送給するように、ブラシ112に対して配置されている。いくつかの例において、ブラシ112の中央部に指向される吸引力の第1部分は、表面102から発せられる煙霧を捕捉するのに特に有益である。いくつかの例において、ブラシ112の周辺部に指向される吸引力の第2部分は、ブラシ112の洗浄作用によって、例えば第2軸116すなわちブラシ112の回転軸から離れる方向に汚染物質及び/又は洗浄用流体を向かわせるブラシ112の遠心力によって、表面102から除去された汚染物質及び/又は洗浄用流体を捕捉するのに、特に有益である。
【0114】
いくつかの例において、中央吸引送給管122及び周辺吸引送給管222は、可撓性を有する。中央吸引送給管122及び周辺吸引送給管222が十分な可撓性を有することにより、ドラム108及び/又はブラシアーム154の回転移動が可能となっている。例示的な例は、1つの中央吸引送給管122と1つの周辺吸引送給管222とを含む装置100を示しているが、他の例において、装置100は、2つ以上の中央吸引送給管122及び2つ以上の周辺吸引送給管222を含む。
【0115】
いくつかの例において、真空源は、中央吸引送給管122及び周辺吸引送給管222に、機能的に連結されている。いくつかの例において、真空源は、ロボット106又は他の遠隔位置に設けられている。一例において、コントローラは、真空源に機能的に連結されており、吸引力の付与を制御する。
【0116】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図13~
図15を参照すると、装置100は、洗浄用流体をブラシ112に送給するように構成された流体送給管120をさらに含む。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例23を特徴付けるものであり、実施例23は、上述した実施例22による構成要件も含む。
【0117】
流体送給管120によって、洗浄用流体源(図示せず)からブラシ112への洗浄用流体の送給が可能となる。
【0118】
洗浄用流体がブラシ112に送給されることによって、洗浄作業中に、表面102から汚染物質を効果的に除去することができる。一例において、流体送給管120は、ブラシ112と表面との境界に洗浄用流体を送給するように、ブラシ112に対して配置されている。いくつかの例において、洗浄用流体は、ブラシ112の毛状体232に送給される。いくつかの例において、洗浄用流体は、表面102に送給される。
【0119】
いくつかの例において、流体送給管120は、可撓性を有する。流体送給管120が十分な可撓性を有することにより、ドラム108及び/又はブラシアーム154の回転移動が可能となっている。様々な例において、装置100は、例えば、洗浄用流体の量、洗浄用流体の流量、及び、ブラシ112に対する洗浄用流体の送給位置次第では、2つ以上の流体送給管120を含む。
【0120】
いくつかの例において、洗浄用流体源は、ロボット又は他の遠隔位置に設けられている。一例において、コントローラは、洗浄用流体源に機能的に連結されており、洗浄用流体の送給を制御する。
【0121】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図13~
図15を参照すると、装置100は、ブラシ112の少なくとも一部を囲むブラシカバー224をさらに含む。ブラシカバー224は、吸引力及び洗浄用流体をブラシ112に供給するように構成されたマニホルド226を含む。中央吸引送給管122、周辺吸引送給管222、及び、流体送給管120は、ブラシカバー224に接続されるとともに、マニホルド226と連通接続されている。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例24を特徴付けるものであり、実施例24は、上述した実施例23による構成要件も含む。
【0122】
ブラシカバー224は、ブラシ112の少なくとも一部を囲む筐体の役割を行う。中央吸引送給管122、周辺吸引送給管222、及び、流体送給管120は、ブラシカバー224に接続されている。マニホルド226によって、ブラシ112に対する様々な位置に、吸引力及び洗浄用流体を分配することができる。
【0123】
一例において、ブラシカバー224は、ブラシアームハウジング316に接続されている。いくつかの例において、ブラシカバー224は、ブラシ112及び第2軸116の少なくとも一部を取り囲む。一例において、ブラシカバー224は、ブラシアームハウジング316に接続されるとともにブラシ112の少なくとも一部を取り囲むカバー本体を含む。一例において、ブラシカバー224は、ブラシアームハウジング316の上部に接続されるとともにブラシ112と軸方向に整列するカバーキャップも含む。
【0124】
いくつかの例において、マニホルド226は、ブラシカバー224の外側にある複数の入口、ブラシカバー224の内側に位置するとともにブラシ112に対して配置された複数の出口、及び、ブラシカバー224に貫通形成された複数の送給チャネルを含み、送給チャネルの各々は、入口のうちの1つから、出口のうちの関連する1つまで延びている。中央吸引送給管122、周辺吸引送給管222、及び、流体送給管120の各々は、関連する送給チャネルの入口と連通接続されている。
【0125】
一例において、中央吸引送給管122は、マニホルド226の中央吸引送給用入口に接続されるとともに中央吸引送給チャネルと流体連通しており、これにより、中央吸引送給管122から中央吸引送給用出口に吸引力を送給することができる。一例において、マニホルド226の中央吸引送給チャネルは、その少なくとも一部がブラシカバー224のカバーキャップを貫通している。中央吸引送給用出口からブラシ112に吸引力が付与される。いくつかの例において、中央吸引送給用出口は、ブラシカバー224の内側における、ブラシ112の中央部に対する様々な位置のうちの任意の位置に配置されている。いくつかの例において、ブラシボディ178は、ブラシ112の中央部に吸引力を付与するための、中央吸引送給用出口と連通接続された中央ブラシボディ開口を有する。いくつかの例において、マニホルド226は、1つの中央吸引送給用入口から複数の中央吸引送給用出口に送給されるように構成されている。いくつかの例において、マニホルド226は、其々が関連する1つの中央吸引送給管122と連通接続された複数の中央吸引送給用入口から、複数の中央吸引送給用出口に送給されるように構成されている。一例において、少なくとも1つの中央吸引送給用出口が、ブラシ112を貫通して、例えばブラシ112の中央付近に設けられている。
【0126】
一例において、周辺吸引送給管222は、マニホルド226の周辺吸引送給用入口に接続されるとともに、周辺吸引送給チャネルと流体連通しており、これにより、周辺吸引送給管222から周辺吸引送給用出口に吸引力を送給することができる。一例において、マニホルド226の周辺吸引送給チャネルは、その少なくとも一部が、ブラシカバー224のカバー本体を貫通している。周辺吸引送給用出口からブラシ112に吸引力が付与される。いくつかの例において、周辺吸引送用給出口は、ブラシカバー224の内側における、(例えばカバー本体に沿った、ブラシ112の周辺部に対する)様々な位置のうちの任意の位置に配置されている。いくつかの例において、マニホルド226は、1つの周辺吸引送給用入口から複数の周辺吸引送給用出口に送給されるように構成されている。いくつかの例において、マニホルド226は、其々が関連する1つの周辺吸引送給管222に連通接続されている複数の周辺吸引送給用入口から、複数の周辺吸引送給用出口に送給されるように構成されている。一例において、周辺吸引送給用出口は、ブラシカバー224の内部の周縁、例えば、ブラシ112の周囲に、分散配置されている。
【0127】
一例において、流体送給管120は、マニホルド226の流体送給用入口に接続されるとともに流体送給チャネルと流体連通しており、これにより、流体送給管120から流体送給用出口に洗浄用流体を送ることができる。一例において、マニホルド226の流体送給チャネルは、その少なくとも一部が、ブラシカバー224のカバー本体を貫通している。流体送給用出口から、ブラシ112に洗浄用流体が吐出される。いくつかの例において、流体送給用出口は、ブラシカバー224の内側における、(例えばカバー本体に沿った、ブラシ112に対する)様々な位置のうちの任意の位置に配置されている。いくつかの例において、マニホルド226は、1つの流体送給用入口から複数の流体送給用出口に送給されるように構成されている。いくつかの例において、マニホルド226は、其々が関連する1つの流体送給管120に連通接続されている複数の流体送給用入口から、複数の流体送給用出口に送給されるように構成されている。一例において、流体送給用出口は、ブラシカバー224の内部の周縁、例えば、ブラシ112の周囲に、分散配置されている。
【0128】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図11及び
図14を参照すると、装置100は、ブラシカバー224及びブラシ112に接続された延長管230をさらに含む。延長管230は、ブラシ112の中央部を貫通している。延長管230は、マニホルド226と連通接続されており、これにより、吸引力をブラシ112の中央部に送給することができる。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例25を特徴付けるものであり、実施例25は、上述した実施例24による構成要件も含む。
【0129】
延長管230は、マニホルド226の延長部を形成しており、ブラシ112が表面102に接触配置された際に吸引力が表面102の近傍(表面上又は表面付近)に付与されるように、吸引力の及ぶ範囲をブラシ112を貫通して延ばしている。
【0130】
一例において、延長管230は、ブラシカバー224に接続されるとともに、マニホルド226の中央吸引送給チャネルと連通接続されている。いくつかの例において、延長管230は、ブラシボディ178の中央ブラシボディ開口を通って延びており、これにより、洗浄作業中にブラシ112が表面102に接触配置された際に、中央吸引送給出口を、より表面102に近い位置に配置することができる。
【0131】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図10を参照すると、ブラシ112は、毛状体232を含む。ブラシカバー224は、毛状体232の一部を露出するように構成された切り欠き228をさらに含む。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例26を特徴付けるものであり、実施例26は、上述した実施例24又は25による構成要件も含む。
【0132】
切り欠き228があることにより、第2軸116に垂直ではない表面102の1つ以上の部分に、毛状体232を接近させることができる。
【0133】
いくつかの例において、ブラシ112の毛状体232は、例えば、ブラシ112によって行われる洗浄の具体的な種類、及び/又は、洗浄作業中に表面102から除去される汚染物質の種類に応じて、任意の様々な種類の毛状体とすることができる。
【0134】
一例において、切り欠き228は、例えば、ブラシ112の底部近傍における、ブラシカバー224のカバー本体の下端部のエッジから、ブラシカバー224のカバー本体の上端に向かって延びている。いくつかの例において、切り欠き228のサイズ及び/又は形状は、例えば、ブラシ112の種類、毛状体232の種類、洗浄する表面102の種類、実施する洗浄作業の種類などによって異なる。いくつかの例において、ブラシカバー224は、第2軸116に垂直な軸に沿って切り欠き228と整列した、(
図10及び
図13では見えない)別の切り欠き228を含む。一例では、切り欠き228があることによって、洗浄作業中に、毛状体232、例えば、ブラシボディ178から突出する、第2軸116に対して斜め及び/又は垂直の一部の毛状体232が、表面102における1つ以上の平らでない部分に接近することができる。一例では、互いに整列した切り欠き228があることによって、洗浄作業中に、表面102の突出部分がこれらの切り欠き228内に嵌入して、毛状体232と接触することができる。
【0135】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図13~
図15を参照すると、装置100は、第2ブラシ144の第2中央部に吸引力を送給するように構成された第2中央吸引送給管234、及び、第2ブラシ144の第2周辺部に吸引力を送給するように構成された第2周辺吸引送給管236をさらに含む。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例27を特徴付けるものであり、実施例27は、上述した実施例26による構成要件も含む。
【0136】
第2中央吸引送給管234及び第2周辺吸引送給管236によって、真空源から第2ブラシ144への吸引力の送給が可能となる。
【0137】
第2ブラシ144に吸引力が送給されることによって、洗浄作業中に第2ブラシ144によって表面102から除去された汚染物質を、容易に捕捉、収集及び廃棄することができる。また、吸引力によって、洗浄作業中に用いた洗浄用流体、及び/又は、洗浄用流体もしくは汚染物質によって発生した煙霧を、容易に捕捉、収集及び廃棄することができる。一例において、第2中央吸引送給管234は、吸引力の第1部分(例えば中央部分)を第2ブラシ144の第2中央部に送給するように、第2ブラシ144に対して配置されている。一例において、第2周辺吸引送給管236は、吸引力の第2部分(例えば周辺部分)を第2ブラシ144の第2周辺部に送給するように、第2ブラシ144に対して配置されている。いくつかの例において、第2ブラシ144の第2中央部に位置する吸引力の第1部分は、表面102から発せられる煙霧を捕捉するのに特に有益である。いくつかの例において、第2ブラシ144の第2周辺部に位置する吸引力の第2部分は、第2ブラシ144の洗浄作用によって、例えば第4軸150すなわち第2ブラシ144の回転軸から離れる方向に汚染物質及び/又は洗浄用流体を向かわせる第2ブラシ144の遠心力によって、表面102から除去された汚染物質及び/又は洗浄用流体を捕捉するのに、特に有益である。
【0138】
いくつかの例において、第2中央吸引送給管234及び第2周辺吸引送給管236は、可撓性を有する。第2中央吸引送給管234及び第2周辺吸引送給管236が十分な可撓性を有することにより、ドラム108及び/又は第2ブラシアーム156の回転移動が可能となっている。例示的な例は、1つの第2中央吸引送給管234と1つの第2周辺吸引送給管236とを含む装置100を示しているが、他の例において、装置100は、2つ以上の第2中央吸引送給管234及び2つ以上の第2周辺吸引送給管236を含む。
【0139】
いくつかの例において、真空源は、第2中央吸引送給管234及び第2周辺吸引送給管236に、機能的に連結されている。いくつかの例において、真空源は、ロボット106又は他の遠隔位置に配置されて設けられている。一例において、コントローラは、真空源に機能的に連結されており、吸引力の付与を制御する。
【0140】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図13~
図15を参照すると、装置100は、洗浄用流体を第2ブラシ144に送給するように構成された第2流体送給管238をさらに含む。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例28を特徴付けるものであり、実施例28は、上述した実施例27による構成要件も含む。
【0141】
第2流体送給管238によって、洗浄用流体源から第2ブラシ144への洗浄用流体の送給が可能となる。
【0142】
洗浄用流体が第2ブラシ144に送給されることによって、洗浄作業中に、表面102から汚染物質を効果的に除去することができる。一例において、第2流体送給管238は、第2ブラシ144と表面との境界に洗浄用流体を送給するように、ブラシ144に対して配置されている。いくつかの例において、洗浄用流体は、第2ブラシ144の第2毛状体246に送給される。いくつかの例において、洗浄用流体は、表面102に送給される。
【0143】
いくつかの例において、第2流体送給管238は、可撓性を有する。第2流体送給管238が十分な可撓性を有することにより、ドラム108及び/又は第2ブラシアーム156の回転移動が可能となっている。様々な例において、装置100は、例えば、洗浄用流体の量、洗浄用流体の流量、及び、ブラシ144に対する洗浄用流体の送給位置次第では、2つ以上の第2流体送給管238を含む。
【0144】
いくつかの例において、洗浄用流体源は、ロボット又は他の遠隔位置に設けられている。一例において、コントローラは、洗浄用流体源に機能的に連結されており、洗浄用流体の送給を制御する。
【0145】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図13~
図15を参照すると、装置100は、第2ブラシ144の少なくとも一部を囲む第2ブラシカバー240をさらに含む。第2ブラシカバー240は、吸引力及び洗浄用流体を第2ブラシ144に分配するように構成された第2マニホルド242を含む。第2中央吸引送給管234、第2周辺吸引送給管236、及び、第2流体送給管238は、第2ブラシカバー240に接続されるとともに、第2マニホルド242と連通接続されている。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例29を特徴付けるものであり、実施例29は、上述した実施例28による構成要件も含む。
【0146】
第2ブラシカバー240は、第2ブラシ144の少なくとも一部を囲む筐体の役割を行う。第2中央吸引送給管234、第2周辺吸引送給管236、及び、第2流体送給管238は、第2ブラシカバー240に接続されている。第2マニホルド242によって、第2ブラシ144に対する様々な位置に、吸引力及び洗浄用流体を分配することができる。
【0147】
一例において、第2ブラシカバー240は、第2ブラシアーム156の第2ブラシアームハウジング318に接続されている。いくつかの例において、第2ブラシカバー240は、第2ブラシ144及び第4軸150の少なくとも一部を取り囲む。一例において、第2ブラシカバー240は、第2ブラシアームハウジング318に接続されるとともに第2ブラシ144の少なくとも一部を取り囲む第2カバー本体を含む。一例において、第2ブラシカバー240は、第2ブラシアームハウジング318の上部に接続されるとともに第2ブラシ144と軸方向に整列する第2カバーキャップも含む。
【0148】
いくつかの例において、第2マニホルド242は、第2ブラシカバー240の外側にある複数の第2入口、第2ブラシカバー240の内側に位置するとともに第2ブラシ114に対して配置された複数の第2出口、及び、第2ブラシカバー240に貫通形成された複数の第2送給チャネルを含み、第2送給チャネルの各々は、第2入口のうちの1つから、第2出口のうちの関連する1つまで延びている。第2中央吸引送給管234、第2周辺吸引送給管236、及び、第2流体送給管238の各々は、関連する第2送給チャネルの第2入口と連通接続されている。
【0149】
一例において、第2中央吸引送給管234は、第2マニホルド242の第2中央吸引送給用入口に接続されるとともに第2中央吸引送給チャネルと流体連通しており、これにより、第2中央吸引送給管234から第2中央吸引送給用出口に吸引力を送給することができる。一例において、第2マニホルド242の第2中央吸引送給チャネルは、その少なくとも一部が、第2ブラシカバー240のカバーキャップを貫通している。第2中央吸引送給用出口から第2ブラシ144に吸引力が付与される。いくつかの例において、第2中央吸引送給用出口は、第2ブラシカバー240の内側における、第2ブラシ144の第2中央部に対する様々な位置のうちの任意の位置に配置されている。いくつかの例において、第2ブラシボディ188は、第2ブラシ144の第2中央部に吸引力を付与するための、第2中央吸引送給用出口と流体連通する第2中央ブラシボディ開口を有する。いくつかの例において、第2マニホルド242は、1つの第2中央吸引送給用入口から複数の第2中央吸引送給用出口に送給されるように構成されている。いくつかの例において、第2マニホルド242は、其々が関連する1つの第2中央吸引送給管234と連通接続された複数の第2中央吸引送給用入口から、複数の第2中央吸引送給用出口に送給されるように構成されている。一例において、少なくとも1つの第2中央吸引送給用出口が、第2ブラシ144を貫通して、例えば第2ブラシ144の第2中央付近に設けられている。
【0150】
一例において、第2周辺吸引送給管236は、第2マニホルド242の第2周辺吸引送給用入口に接続されるとともに、第2周辺吸引送給チャネルと流体連通しており、これにより、第2周辺吸引送給管236から第2周辺吸引送給用出口に吸引力を送給することができる。一例において、第2マニホルド242の第2周辺吸引送給チャネルは、その少なくとも一部が、第2ブラシカバー240の第2カバー本体を貫通している。第2周辺吸引送給用出口から、第2ブラシ144に吸引力が付与される。いくつかの例において、第2周辺吸引送用給出口は、第2ブラシカバー240の内側における、(例えば第2カバー本体に沿った、第2ブラシ144の第2周辺部に対する)様々な位置のうちの任意の位置に配置されている。いくつかの例において、第2マニホルド242は、1つの第2周辺吸引送給用入口から複数の第2周辺吸引送給用出口に送給されるように構成されている。いくつかの例において、第2マニホルド242は、其々が第2周辺吸引送給管236に連通接続されている複数の第2周辺吸引送給用入口から、複数の第2周辺吸引送給用出口に送給されるように構成されている。一例において、第2周辺吸引送給用出口は、第2ブラシカバー240の内部の周縁、例えば、第2ブラシ144の周囲に、分散配置されている。
【0151】
一例において、第2流体送給管238は、第2マニホルド242の第2流体送給用入口に接続されるとともに第2流体送給チャネルと流体連通しており、これにより、第2流体送給管238から流体送給用出口に洗浄用流体を送ることができる。一例において、第2マニホルド242の第2流体送給チャネルは、その少なくとも一部が、第2ブラシカバー240の第2カバー本体を貫通している。第2流体送給用出口から、第2ブラシ144に洗浄用流体が吐出される。いくつかの例において、第2流体送給用出口は、第2ブラシカバー240の内側における、(例えば第2カバー本体に沿った、第2ブラシ144に対する)様々な位置のうちの任意の位置に配置されている。いくつかの例において、第2マニホルド242は、1つの第2流体送給用入口から複数の第2流体送給用出口に送給されるように構成されている。いくつかの例において、第2マニホルド242は、其々が関連する第2流体送給管238に連通接続されている複数の第2流体送給用入口から、複数の第2流体送給用出口に送給されるように構成されている。一例において、第2流体送給用出口は、第2ブラシカバー240の内部の周縁、例えば、第2ブラシ144の周囲に、分散配置されている。
【0152】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図11及び
図14を参照すると、装置100は、第2ブラシカバー240及び第2ブラシ144に接続された第2延長管244をさらに含む。第2延長管244は、第2ブラシ144の第2中央部を貫通している。第2延長管244は、第2マニホルド242と連通接続されており、これにより、吸引力を第2ブラシ144の第2中央部に送給することができる。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例30を特徴付けるものであり、実施例30は、上述した実施例29による構成要件も含む。
【0153】
第2延長管244は、第2マニホルド242の延長部を形成しており、第2ブラシ144が表面102に接触配置された際に吸引力が表面102の近傍に付与されるように、吸引力の及ぶ範囲を第2ブラシ144を貫通して延ばしている。
【0154】
一例において、第2延長管244は、第2ブラシカバー240に接続されるとともに、第2マニホルド242の第2中央吸引送給チャネルと連通接続されている。いくつかの例において、第2延長管244は、第2ブラシボディ188の第2中央ブラシボディ開口を通って延びており、これにより、洗浄作業中に第2ブラシ144が表面102に接触配置された際に、第2中央吸引送給出口を、より表面102に近い位置に配置することができる。
【0155】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図10を参照すると、第2ブラシ144は、第2毛状体246を含む。第2ブラシカバー240は、第2毛状体246の一部を露出するように構成された第2切り欠き248をさらに含む。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例31を特徴付けるものであり、実施例31は、上述した実施例30による構成要件も含む。
【0156】
第2切り欠き248があることにより、第4軸150に垂直ではない表面102の部分に、毛状体246を接近させることができる。
【0157】
いくつかの例において、第2ブラシ144の第2毛状体246は、例えば、第2ブラシ144によって行われる洗浄の具体的な種類、及び/又は、洗浄作業中に表面102から除去される汚染物質の種類に応じて、任意の様々な種類の毛状体とすることができる。いくつかの例において、ブラシ112の毛状体232と第2ブラシ144の毛状体246は、同じものである。いくつかの例において、ブラシ112の毛状体232と第2ブラシ144の毛状体246は、異なる。
【0158】
一例において、第2切り欠き248は、例えば、第2ブラシ144の底部近傍における、第2ブラシカバー240の第2カバー本体の下端部のエッジから、第2ブラシカバー240の第2カバー本体の上端に向かって延びている。いくつかの例において、第2切り欠き248のサイズ及び/又は形状は、例えば、第2ブラシ144の種類、第2毛状体246の種類、洗浄する表面102の種類、実施する洗浄作業の種類などによって異なる。いくつかの例において、第2ブラシカバー240は、第4軸150に垂直な軸に沿って第2切り欠き248と整列した、(
図13では見えない)別の第2切り欠き248を含む。一例では、第2切り欠き248があることによって、洗浄作業中に、第2毛状体246、例えば、第2ブラシボディ188から突出する、第4軸150に対して斜め及び/又は垂直に延びる一部の第2毛状体246が、表面102における1つ以上の平らでない部分に接近することができる。一例では、互いに整列した第2切り欠き248があることによって、洗浄作業中に、表面102の突出部分がこれらの第2切り欠き248内に嵌入して、第2毛状体246と接触することができる。
【0159】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図6、
図7、及び、
図9を参照すると、ドラム108は、ドラム108を貫通する送給管通路250をさらに含む。中央吸引送給管122、周辺吸引送給管222、及び、流体送給管120は、送給管通路250を通って延びている。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例32を特徴付けるものであり、実施例32は、上述した実施例28~31のいずれによる構成要件も含む。
【0160】
送給管通路250が設けられていることにより、中央吸引送給管122、周辺吸引送給管222、及び、流体送給管120を、ドラム108を通過させてドラム108の上部から延出させ、関連する真空源及び洗浄用流体源に接続することができる。また、送給管通路250は、ドラム108が第1軸110周りに回転している間、中央吸引送給管122、周辺吸引送給管222、及び、流体送給管120を保持する。
【0161】
一例において、送給管通路250は、第1軸110に平行な中心軸を有する。いくつかの例において、中央吸引送給管122は、ブラシカバー224から、送給管通路250を通って延び、真空源の供給口に接続されている。いくつかの例において、周辺吸引送給管222は、ブラシカバー224から、送給管通路250を通って延び、真空源の別の供給口に接続されている。いくつかの例において、流体送給管120は、ブラシカバー224から、送給管通路250を通って延び、洗浄用流体源の供給口に接続されている。
【0162】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図9及び
図13を参照すると、装置100は、ドラム108に接続されるとともに送給管通路250と整列する送給管ガイド196をさらに含む。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例33を特徴付けるものであり、実施例33は、上述した実施例32による構成要件も含む。
【0163】
送給管ガイド196は、中央吸引送給管122、周辺吸引送給管222、及び、流体送給管120を保護するとともに、送給管通路250内にガイドする。
【0164】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図6、
図7、及び、
図9を参照すると、ドラム108は、ドラム108を貫通する第2送給管通路252をさらに含む。第2中央吸引送給管234、第2周辺吸引送給管236、及び、第2流体送給管238は、第2送給管通路252を通って延びている。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例34を特徴付けるものであり、実施例34は、上述した実施例33による構成要件も含む。
【0165】
第2送給管通路252が設けられていることにより、第2中央吸引送給管234、第2周辺吸引送給管236、及び、第2流体送給管238を、ドラム108を通過させてドラム108の上部から延出させ、関連する真空源及び洗浄用流体源に接続することができる。また、第2送給管通路252は、ドラム108が第1軸110周りに回転している間、第2中央吸引送給管234、第2周辺吸引送給管236、及び、第2流体送給管238を保持する。
【0166】
一例において、第2送給管通路252は、第1軸110に平行な第2中心軸を有する。いくつかの例において、第2中央吸引送給管234は、第2ブラシカバー240から、第2送給管通路252を通って延び、真空源の供給口に接続されている。いくつかの例において、第2周辺吸引送給管236は、第2ブラシカバー240から、第2送給管通路252を通って延び、真空源の別の供給口に接続されている。いくつかの例において、第2流体送給管238は、第2ブラシカバー240から、第2送給管通路252を通って延び、洗浄用流体源の供給口に接続されている。
【0167】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図9及び
図13を参照すると、装置100は、ドラム108に接続されるとともに第2送給管通路252と整列する第2送給管ガイド198をさらに含む。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例35を特徴付けるものであり、実施例35は、上述した実施例34による構成要件も含む。
【0168】
第2送給管ガイド198は、第2中央吸引送給管234、第2周辺吸引送給管236、及び、第2流体送給管238を保護するとともに、第2送給管通路252内にガイドする。
【0169】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図5、
図6、
図9、及び、
図12を参照すると、ドラム108は、ブラケット104に対して、選択的に回転可能である。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例36を特徴付けるものであり、実施例36は、上述した実施例1~35のいずれによる構成要件も含む。
【0170】
ブラケット104に対してドラム108を選択的に回転させることにより、ブラケット104に対するブラシ112、又は、ブラシ112及び第2ブラシ144の第1軸110周りの角度配向を選択的に制御及び調節すること、ならびに、表面102に対するブラシ112、又は、ブラシ112及び第2ブラシ144の位置を選択的に制御及び調節することが可能となる。
【0171】
ブラケット104に対するブラシ112、又は、ブラシ112及び第2ブラシ144の角度配向を選択的に調節可能であることにより、ブラケット104及び表面102に対する第1軸110周りの数多くの位置のうちの任意の位置に、ブラシ112、又は、ブラシ112及び第2ブラシ144を位置させることができる。ブラシ112、又は、ブラシ112及び第2ブラシ144を表面102に対して角度調節することにより、例えばロボット106を介して装置100の位置を変更しなくても、表面102の様々な部分を洗浄することができる。
【0172】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図5を参照すると、装置100は、ドラムモータ130、ならびに、ドラムモータ130及びドラム108と機能的に連結されたドラム動力伝達部品132をさらに含み、これにより、ドラム108をブラケット104に対して第1軸110周りに回転させる。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例37を特徴付けるものであり、実施例37は、上述した実施例36による構成要件も含む。
【0173】
ドラムモータ130及びドラム動力伝達部品132により、ドラム108は、ブラケット104に対して、正確に自動回転することができる。ドラムモータ130の制御により、ドラム108の回転が可能となる。ドラムモータ130は、ドラム動力伝達部品132と機能的に連結されている。ドラム動力伝達部品132は、ドラム108と機能的に連結されている。ドラム動力伝達部品132は、ドラムモータ130の回転移動を、ドラム108に伝達する。
【0174】
ドラムモータ130により、ドラム108は、ブラケット104に対して第1軸110周りに正確に自動回転することができる。ブラケット104に対するドラム108の制御下の選択的な回転移動により、ブラケット104に対するドラム108の第1軸110周りの角度配向が選択的に調節されるとともに、ブラケット104及び表面102に対するブラシ112、又は、ブラシ112及び第2ブラシ144の角度配向が、選択的に調節される。
【0175】
いくつかの例において、ドラムモータ130は第4出力シャフトを含み、当該第4出力シャフトは、ドラムモータ130の運転時にドラムモータ130によって回転して、回転力又はトルクを生成することができる。いくつかの例において、ドラムモータ130は、電気モータ、油圧モータ、空気圧モータなどの種々の回転モータのうちの任意のものである。
【0176】
ドラム動力伝達部品132は、第1軸110がドラムモータ130の回転軸と同軸でない場合などに、ドラムモータ130からドラム108に動力を伝達するための効率が良く信頼性の高い機構を実現する。一例において、ドラム動力伝達部品132は、ドラムモータ130の第4出力シャフトと機能的に連結されたベルトである。他の例において、ドラム動力伝達部品132は、チェーン、ギヤ、歯車列などのうちの任意のものである。ベルトは、ドラム動力伝達部品132の他の実施態様よりも軽量且つ清潔であるという利点を有する。例えば、ベルトは、効果的な動作のための潤滑を必要としない。
【0177】
いくつかの例において、装置100は、ドラムモータ130をドラム動力伝達部品132と機能的に連結するように構成された、例えば、ギヤ、ベルト、スプロケットなどの1つ以上の他の伝達部品も含む。一例において、ドラムモータ130は、ドラムモータ130の第4出力シャフトに接続されるとともにドラム動力伝達部品132と機能的に連結された駆動ギヤ又は駆動スプロケットも含む。
【0178】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図6を参照すると、ドラム108は、ドラム108から外方に突出するスプライン162を含む。ドラム動力伝達部品132は、ドラム108のスプライン162と噛み合うように構成された歯164を含む。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例38を特徴付けるものであり、実施例38は、上述した実施例37による構成要件も含む。
【0179】
ドラム動力伝達部品132の歯164とドラム108のスプライン162との噛み合いにより、ドラム108を、ドラムモータ130によるドラム動力伝達部品132の制御回転に応じて、選択的に回転させることができる。
【0180】
いくつかの例において、ドラム108のスプライン162は、ドラム108から径方向外方に突出するとともに、ドラムの外周に沿って配置されている。一例において、スプライン162は、ドラム108がブラケット104に連結された状態で、互いに平行且つ第1軸110に平行な配向とされている。一例において、スプライン162は、概して、ドラム108の一端(例えば第1端)から、ドラム108の他端(例えば第2端)まで延びている。一例において、スプライン162は、ドラム108に連結された環状ベアリング310同士の間に延びている。一例において、スプライン162は、ドラム動力伝達部品132が係合するドラム108の外周部分のみに設けられている。
【0181】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図16を参照すると、ブラケット104は、ドラムモータ130及びドラム108に関連してドラム動力伝達部品132に張力付与するように構成されたテンショナー254を含む。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例39を特徴付けるものであり、実施例39は、上述した実施例38による構成要件も含む。
【0182】
テンショナー254は、調節可能な張力をドラム動力伝達部品132に付与する。
【0183】
テンショナー254がドラム動力伝達部品132と係合してドラム動力伝達部品に張力を付与している状態では、ドラム動力伝達部品132は、ドラム108の外周部分との接触状態を維持し、ドラム動力伝達部品132の歯164は、ドラム108のスプライン162と噛み合った状態に維持される。
【0184】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図16を参照すると、テンショナー254は、ブラケット104に連結されたテンショナーベース256、及び、テンショナープーリ258を含み、テンショナープーリは、テンショナーベース256に連結されるとともに、テンショナーベース256に対して、第1軸110に平行な第9軸260周りに回転可能である。テンショナープーリ258は、ドラム動力伝達部品132と係合するように構成されている。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例40を特徴付けるものであり、実施例40は、上述した実施例39による構成要件も含む。
【0185】
テンショナーベース256は、ドラム動力伝達部品132と引張係合状態にあるテンショナープーリ258のブラケット104に対する位置を設定する。テンショナープーリ258が第9軸260周りに回転することにより、ドラム動力伝達部品132が自由回転移動を行うことができる。
【0186】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図16を参照すると、テンショナーベース256は、ブラケット104に対して直線移動可能である。テンショナーベース256は、ブラケット104に対して回転できない。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例41を特徴付けるものであり、実施例41は、上述した実施例40による構成要件も含む。
【0187】
ブラケット104に対してテンショナーベース256が直線移動することにより、ブラケット104に対するテンショナーベース256の位置の調節、及び、テンショナープーリ258によってドラム動力伝達部品132に付与される張力の調節が可能である。ブラケット104に対するテンショナーベース256の回転配向を固定することにより、テンショナープーリ258の第9軸260を、第1軸110に平行に固定するとともに、テンショナープーリ258がドラム動力伝達部品132に確実に接触する状態を維持することができる。
【0188】
いくつかの例において、テンショナーベース256は、ブラケット104から離間及びブラケット104に接近する方向に直線移動するよう、構成されている。一例において、ブラケット104は、ブラケット壁330を含む。テンショナーベース256は、ブラケット壁330の内側に取り付けられており、ブラケット壁330に対して直線移動可能である。一例において、ブラケット壁330は、ブラケット壁開口332を含むか、あるいは規定している。ブラケット壁開口332があることにより、ドラム動力伝達部品132を、ブラケット壁開口332を通過させてドラム108に接近させることができる。いくつかの例において、テンショナー254は、ブラケット壁開口332内に設けられている。
【0189】
いくつかの例において、ブラケット104は、クリアランスホール、及び、クリアランスホールと同軸のカウンターボアも含む。テンショナー254は、クリアランスホール及びカウンターボアを貫通する留め具も含む。留め具は、テンショナーベース256内に螺入されている。留め具は、テンショナー254をブラケット104に接続している。また、留め具は、ブラケット104に対するテンショナーベース256の直線移動を可能にしている。いくつかの例において、留め具は、ブラケット104に対するテンショナーベース256の位置を制御するように構成されている。ブラケット104に対するテンショナーベース256の直線移動により、テンショナープーリ258によってドラム動力伝達部品132に付与される張力の低減又は増大が可能である。一例において、テンショナー254は、ブラケット104又はテンショナーベース256のうちの一方に固定されるとともに、ブラケット104又はテンショナーベース256のうちの他方に対して移動可能なスライドピンも含む。スライドピンは、ブラケット104に対するテンショナーベース256の直線移動を可能にする一方、ブラケット104に対するテンショナーベース256の留め具周りの回転移動を阻止する。テンショナーベースが回転しないことにより、ドラム動力伝達部品132とドラム108との共回転中に、ドラム動力伝達部品132の配向が維持される。一例において、テンショナー254は、ブラケット104とテンショナーベース256との間に配置された、圧縮ばねなどのテンショナー付勢要素も含む。一例において、圧縮ばねは、カウンターボア内に設けられる。圧縮ばねは、テンショナーベース256を、ブラケット104から離間する方向に押す又は付勢することにより、テンショナープーリ258を、ドラム動力伝達部品132との引張係合状態に位置させることができる。いくつかの例において、圧縮ばねは、留め具の周囲に配置された螺旋又はコイル状の圧縮ばねであり、一端がテンショナーベース256と係合するとともに、他端がカウンターボアの内面と係合する。
【0190】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図2を参照すると、ブラケット104は、取り外し可能にロボット106に連結されて、ロボット106に対してブラケット104が第1軸110に沿って直線移動できるように構成されている。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例42を特徴付けるものであり、実施例42は、上述した実施例1~41のいずれによる構成要件も含む。
【0191】
ロボット106に対するブラケット104の直線移動により、ブラシ112を、ロボット106及び表面102に対して直線移動させることができる。
【0192】
ブラシ112、又は、ブラシ112及び第2ブラシ144が表面102に対して直線移動することにより、例えばロボット106を介して装置100の位置を変化させなくても、不規則な形状を有する面102、又は、構造体の複数の他の面を、ブラシ112、又は、ブラシ112及び第2ブラシ144で洗浄することができる。
【0193】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図2、
図17及び
図18を参照すると、装置100は、ロボット106に接続されるように構成されたロボットインターフェイス166、及び、ロボットインターフェイス166に連結されるとともにロボットインターフェイス166に対して直線移動可能なカプリング168をさらに含む。ブラケット104は、カプリング168に接続されている。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例43を特徴付けるものであり、実施例43は、上述した実施例42による構成要件も含む。
【0194】
ロボットインターフェイス166は、ロボット106に対する迅速且つ信頼性の高い着脱を可能にする。カプリング168は、ロボットインターフェイス166に対するブラケット104の接続を容易にする。ロボットインターフェイス166に対するカプリング168の直線移動により、ブラケット104、ひいてはドラム108が、ロボット106に対して直線移動する。
【0195】
いくつかの例において、ロボットインターフェイス166は、装置100とロボット106との間における、電気線又は他のコマンド及び制御線などの供給線及び/又は通信線、吸引送給管、洗浄用流体送給管などの迅速な接続を実現する。いくつかの例において、ロボットインターフェイス166は、装置100とロボット106との自動連結、及び、ロボット106からの装置100の自動開放を可能にする。いくつかの例において、ロボットインターフェイス166は、空気圧クイックチェンジ機構のツール側部分であり、ロボット106は、空気圧クイックチェンジ機構のツールインターフェイスを含む。
【0196】
いくつかの例において、カプリング168は、一対のブラケットアーム334を含む。カプリング168のブラケットアーム334は、ロボットインターフェイス166と係合することにより、カプリング168をロボットインターフェイス166に接続するとともに、ロボットインターフェイス166に対するカプリング168の直線移動をガイドする。いくつかの例において、ブラケットアーム334の各々は、ガイド溝を含み、ロボットインターフェイス166は、一対のガイドレールを含む。ブラケットアーム334のガイド溝の各々は、ロボットインターフェイス166のガイドレールのうちの関連する1つを受容するとともに、当該ガイドレールに沿って移動するように構成されている。
【0197】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図5及び
図18を参照すると、装置100は、ドラム108がブラケット104に対して所定の回転配向にある時にこれを検知するように構成されたセンサ262、及び、ドラム108に連結されるとともに、ドラム108が第1軸110周りに前記所定の回転配向まで回転した時にセンサ262を起動するように構成された帰還要素(homing element)264をさらに含む。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例44を特徴付けるものであり、実施例44は、上述した実施例43による構成要件も含む。
【0198】
帰還要素264は、例えば、ドラム108がブラケット104に対して前記所定の回転配向まで回転した時に、ドラム108が原点位置にあることを示すために、センサ262を起動することができる。
【0199】
一例において、センサ262は、カプリング168に取り付けられて、ドラム108の近傍に位置している。帰還要素264及びセンサ262を用いて原点位置を示すことにより、インクリメンタル式の位置エンコーダの使用も可能になり、このようなエンコーダは、動力遮断後のブラケット104に対するドラム108の回転配向を求めることが可能である。一方、アブソリュート式の位置エンコーダであれば、動力遮断の際に、ブラケット104に対するドラム108の回転配向を求めることができないであろう。
【0200】
一例において、装置100は、例えば、コントローラと通信可能に接続されたロータリエンコーダ(図示せず)を含み、当該エンコーダは、ドラムモータ出力シャフト284の角度位置又は動きを、アナログ又はデジタル信号に変換する。インクリメンタルエンコーダの出力により、ドラムモータ出力シャフト284の動きについての情報が与えられ、当該情報がさらに処理されて、速度、距離、位置などの情報となる。一方、アブソリュート式エンコーダの出力は、ドラムモータ出力シャフト284の現在位置を示す。
【0201】
いくつかの例において、センサ262は、近接センサである。一例において、帰還要素264は、ドラム108に連結された磁石を含み、センサ262は、磁気センサである。磁石は、ドラム108がブラケット104に対して前記所定の回転配向まで回転した際に、磁気センサを非接触で起動して、ドラム108が原点位置にあることを示すことができる。
【0202】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図17及び
図18を参照すると、装置100は、ブラケットモータ266、ならびに、ブラケットモータ266及びカプリング168と機能的に連結されたブラケット動力伝達部品268をさらに含む。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例45を特徴付けるものであり、実施例45は、上述した実施例43又は44による構成要件も含む。
【0203】
ブラケットモータ266及びブラケット動力伝達部品268は、ロボットインターフェイス166に対するカプリング168の第1軸110に沿った正確な自動の直線並進を実現する。
【0204】
ロボットインターフェイス166に対するカプリング168の第1軸110に沿った選択的直線移動によって、ロボット106に対するブラケット104の直線位置を制御下で選択的に調節すること、及び、表面102に対するブラシ112、又は、ブラシ112及び第2ブラシ144の直線位置を制御下で選択的に調節することが、可能となる。表面102に対するブラシ112及び第2ブラシ144の制御下での選択的な直線移動により、不規則な形状を有する面102、又は、構造体の複数の他の面を、ブラシ112及び第2ブラシ144で洗浄することが可能になる。
【0205】
ブラケットモータ266がブラケット動力伝達部品268に機能的に連結されていること、及び、カプリング168がブラケット動力伝達部品268に機能的に連結されていることにより、ブラケットモータ266が、カプリング168をロボットインターフェイス166に対して選択的に直線並進させることができる。ブラケット動力伝達部品268がカプリング168に機能的に連結されているため、ブラケット動力伝達部品268が動作することにより、カプリング168が、ロボットインターフェイス166に対して、第1軸110に平行な軸に沿って選択的に直線移動することができる。加えて、ロボットインターフェイス166に対するカプリング168の選択的な並進により、ロボットインターフェイス166に対するカプリング168、ひいてはブラシ112、又は、ブラシ112及び第2ブラシ144の自動の直線トラッキングが可能となる。
【0206】
いくつかの例において、ブラケットモータ266は、第5出力シャフトを含み、当該第5出力シャフトは、ブラケットモータ266の運転時にブラケットモータ266によって回転して、回転力又はトルクを生成することができる。いくつかの例において、ブラケットモータ266は、電気モータ、油圧モータ、空気圧モータなどの種々の回転モータのうちの任意のものである。いくつかの例において、ブラケットモータ266は、ロボットインターフェイス166に取り付けられている。
【0207】
ブラケット動力伝達部品268は、動力の伝達を容易化するとともに、ブラケットモータ266からカプリング168に動力を伝達するための効率が良く信頼性の高い機構を実現する。いくつかの例において、ブラケット動力伝達部品268は、並進ねじ機構、チェーン、ベルト、ギヤ、歯車列などのうちの任意のものである。一例において、ブラケット動力伝達部品268は、回転可能にロボットインターフェイス166と連結されたボールねじ、及び、カプリング168に接続されるとともにボールねじに機能的に連結されたボールナットを含む。ボールねじ及びボールナットによって、ブラケットモータ266の回転移動を、ブラケット動力伝達部品268を介して、ロボットインターフェイス166に対するカプリング168の直線移動に変換することができる。ボールねじ及びボールナットを選択すると、装置100が、高いスラスト荷重に耐えることができるとともに、ロボットインターフェイス166に対するカプリング168の直線移動、及び、ロボット106に対する装置100の直線移動の正確な制御が可能になり、有利である。
【0208】
いくつかの例において、装置100は、ブラケットモータ266をブラケット動力伝達部品268と機能的に連結するように構成された、例えば、ギヤ、ベルト、スプロケットなどの1つ以上の他の伝達部品も含む。
【0209】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、及び、
図1Dを参照し、具体的には例えば
図16を参照すると、ブラケット104は、第1ブラケット部270、及び、取り外し可能に第1ブラケット部270に連結された第2ブラケット部272を含む。ドラム108は、第2ブラケット部272が第1ブラケット部270から取り外されている際に、第1軸110に沿ってブラケット104から分離されるように構成されている。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例46を特徴付けるものであり、実施例46は、上述した実施例1~45のいずれによる構成要件も含む。
【0210】
2つの部分を有するブラケット104によれば、カプリング168からブラケット104を完全に取り外すことなく、ドラム108、及び、ドラム108に連結された装置100の他の部品を、取り外すことができる。
【0211】
いくつかの例において、ブラケット104の第2ブラケット部272をブラケット104の第1ブラケット部270から取り外した状態で、ドラム108を、第1軸110に沿って、ブラケット104の第1ブラケット部270内から引き出すことができる。いくつかの例において、ドラム動力伝達部品132を例えばブラケット壁開口332を通してブラケット104内に挿入できるように、ブラケット104の第1ブラケット部270及び第2ブラケット部272のうちの少なくとも1つを、取り外し可能にカプリング168と連結する。
【0212】
いくつかの例において、ブラケット104は、ブラケット壁330から内方に突出する肩部336を含む。いくつかの例において、ブラケット104は、ブラケット104の第2ブラケット部272がブラケット104の第1ブラケット部270及びカプリング168に連結されると、肩部336同士の間にドラム108が捕捉及び保持されるように、構成されている。いくつかの例において、肩部336のうちの一方は、ドラム108に連結された環状ベアリング310のうちの一方と係合し、肩部336のうちの他方は、ドラム108に連結された環状ベアリング310のうちの他方と係合する。
【0213】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、
図1D、及び、
図2~
図18を参照し、具体的には例えば
図19を参照すると、表面102を洗浄する方法1000が開示される。方法1000は、ブラシ112を表面102に接触配置すること(ブロック1002)、ブラシ112をドラム108に対して第2軸116周りに回転させること(ブロック1004)、及び、ドラム108を、ドラム108を支持するブラケット104に対して、第2軸116に平行な第1軸110周りに回転させることにより、ブラシ112を第1軸110周りに公転させること(ブロック1006)を含む。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例47を特徴付ける。
【0214】
方法1000は、表面102の自動洗浄(例えば当該表面からの汚染物質の除去)を実現する。ブラシ112を表面102に接触配置した状態で、ブラシ112をドラム108に対して第2軸116周りに回転させることにより、表面102に対する第1洗浄作用(例えば、ブラシ112を表面102上で第2軸116周りにスピンさせること)が実現される。ブラシ112を表面102に接触配置した状態で、ドラム108をブラケット104に対して第1軸110周りに回転させることにより、表面102に対する洗浄経路に沿って、ブラシ112が表面102に対して第1軸110周りに公転し、表面102に対する第2洗浄作用(例えば、ブラシ112を表面102上で第1軸100周りに公転させること)が実現される。ドラム108、ブラシモータ114、及び、ブラシ112の構成は、装置100全体のサイズを小さくするとともに、例えば狭い空間に位置する構造体又はその他の製造物の表面102を装置100が洗浄することが可能になるという利点を有する。
【0215】
いくつかの例において、ブラケット104に対するドラム108の回転は、選択的に制御される。一例において、コントローラがドラムモータ130にコマンドを送信し、当該ドラムモータがドラム108をブラケット104に対して第1軸110周りに回転させる。いくつかの例において、ドラム108は、第1軸110周りに全回転可能であり、第1回転方向(例えば時計回り)に1回以上の360度回転を行うように構成されている。いくつかの例において、ドラム108は、第1軸110周りに全回転可能であり、第1回転方向における1回以上の360度回転、及び、第2回転方向(例えば反時計回り)における1回以上の360度回転を行うよう、構成されている。例えば、ドラム108は、全回転内で往復動する。いくつかの例において、ドラム108は、第1軸110周りに部分回転可能であり、第1回転方向(例えば時計回り)における360度未満の部分回転、及び、第2回転方向(例えば反時計回り)における部分回転を行うように構成されている。例えば、ドラム108は、部分回転内で往復動する。
【0216】
いくつかの例において、ブラシ112は、ロボット106によって、表面102と接触配置される。いくつかの例において、ロボット106は、複数の自由度を有することにより、三次元空間内で、表面102に対して装置100を選択的に移動及び配置することができる。加えて、いくつかの例において、装置100は、ブラケットモータ266の選択的制御、及び、ロボットインターフェイス166に対するカプリング168の直線移動によって、第1軸110に平行な軸に沿って直線移動可能である。いくつかの例において、ロボット106は、さらに、洗浄作業中に、表面102に対する装置100及びブラシ112の選択的な移動制御及び位置調節を行う。
【0217】
いくつかの例において、ドラム108に対するブラシ112の第2軸116周りの回転は、選択的に制御される。一例において、コントローラが、ブラシモータ114にコマンドを送信し、当該ブラシモータが、ブラシ112をドラム108に対して第2軸116周りに回転させる。いくつかの例において、ブラシ112は、第2軸116周りに全回転可能であり、第1回転方向(例えば時計回り)に1回以上の360度回転を行うように構成されている。例えば、ブラシ112は、第2軸116周りにスピンする。いくつかの例において、ブラシ112は、第2軸116周りに全回転可能であり、第1回転方向(例えば時計回り)における1回以上の360度回転、及び、第2回転方向(例えば反時計回り)における1回以上の360度回転を行うように、構成されている。例えば、ブラシ112は、全回転内で往復動する。いくつかの例において、ブラシ112は、第2軸116周りに、360度未満の部分回転が可能である。一例において、ブラシ112は、第1回転方向(例えば時計回り)に部分回転し、次に、第2回転方向(例えば反時計回り)に部分回転する。例えば、ブラシ112は、部分回転内で往復動する。
【0218】
概括的には
図1A、
図1B、
図6、
図7、及び、
図13~
図15を参照し、具体的には例えば
図19を参照すると、方法1000は、第2ブラシ144を表面102に接触配置すること(ブロック1008)、第2ブラシ144を、ドラム108に対して、第1軸110に平行な第4軸150周りに回転させること(ブロック1010)、及び、ドラム108をブラケット104に対して第1軸110周りに回転させることにより、第2ブラシ144を第1軸110周りに公転させること(ブロック1012)を、さらに含む。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例48を特徴付けるものであり、実施例48は、上述した実施例47による構成要件も含む。
【0219】
第2ブラシ144を表面102に接触配置した状態で、第2ブラシ144をドラム108に対して回転させることにより、表面102に対する第3洗浄作用(例えば、第2ブラシ144を表面102上で第4軸150周りにスピンさせること)が実現される。第2ブラシ144を表面102に接触配置した状態で、ドラム108をブラケット104に対して第1軸110周りに回転させることにより、表面102に対する第2洗浄経路に沿って、第2ブラシ144が表面102に対して第1軸110周りに公転し、表面102に対する第4洗浄作用(例えば、第2ブラシ144を表面102上で第1軸110周りに公転させること)が実現される。ドラム108、第2ブラシモータ138、及び、第2ブラシ144の構成は、装置100全体のサイズを小さくするとともに、例えば狭い空間に位置する構造体又はその他の製造物の表面102を装置100が洗浄することが可能になるという利点を有する。
【0220】
いくつかの例において、第2ブラシ144は、ロボット106によって、表面102と接触配置される。いくつかの例において、ドラム108に対する第2ブラシ144の第4軸150周りの回転は、選択的に制御される。一例において、コントローラが、第2ブラシモータ138にコマンドを送信し、当該第2ブラシモータが、第2ブラシ144をドラム108に対して第4軸150周りに回転させる。いくつかの例において、第2ブラシ144は、第4軸150周りに全回転可能であり、第1回転方向(例えば時計回り)に1回以上の360度回転を行うように構成されている。例えば、第2ブラシ144は、第4軸150周りにスピンする。いくつかの例において、第2ブラシ144は、第4軸150周りに全回転可能であり、第1回転方向(例えば時計回り)における1回以上の360度回転、及び、第2回転方向(例えば反時計回り)における1回以上の360度回転を行うように、構成されている。例えば、第2ブラシ144は、往復回動する。いくつかの例において、第2ブラシ144は、第4軸150周りに、360度未満の角度の部分回転が可能である。一例において、第2ブラシ144は、第1回転方向(例えば時計回り)に部分回転し、次に、第2回転方向(例えば反時計回り)に部分回転する。例えば、第2ブラシ150は、部分的に往復回動する。
【0221】
また、いくつかの例において、装置100は、ブラケットモータ266の選択的制御、及び、ロボットインターフェイス166に対するカプリング168の直線移動によって、第1軸110に平行な軸に沿って直線移動が可能であり、これにより、第2ブラシ144を表面102に接触配置することができる。いくつかの例において、ロボット106は、さらに、洗浄作業中に、表面102に対する装置100及び第2ブラシ114の選択的な移動制御及び位置調節を行う。
【0222】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、
図1D、
図6、
図7、及び、
図9~
図13を参照し、具体的には例えば
図19を参照すると、方法1000は、ドラム108に接続されたブラシアーム154によって、ブラシ112をドラム108に対して横方向外側に離間させること(ブロック1014)をさらに含む。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例49を特徴付けるものであり、実施例29は、上述した実施例48による構成要件も含む。
【0223】
ブラシ112をドラム108に対して横方向外側に位置させることにより、第2軸116が第1軸110に対して横方向外側に離間し、これにより、洗浄経路のサイズが大きくなり、ブラケット104がアクセスできない表面102上の位置に、ブラシ112がアクセス可能となる。
【0224】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、
図1D、
図6、
図7、及び、
図9~
図13を参照し、具体的には例えば
図19を参照すると、方法1000は、ドラム108に接続された第2ブラシアーム156によって、第2ブラシ144をドラム108に対して横方向外側に離間させること(ブロック1016)をさらに含む。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例50を特徴付けるものであり、実施例50は、上述した実施例49による構成要件も含む。
【0225】
第2ブラシ144をドラム108に対して横方向外側に位置させることにより、第4軸150が第1軸110に対して横方向外側に離間し、これにより、洗浄経路のサイズが大きくなり、ブラケット104がアクセスできない表面102上の位置に、第2ブラシ144がアクセス可能となる。
【0226】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、
図1D、
図12、及び、
図13を参照し、具体的には例えば
図19を参照すると、方法1000は、ブラシアーム154を、ドラム108に対して、第1軸110及び第2軸116に平行な第6軸208周りに回転させることにより、ブラシ112を第6軸208周りに公転させること(ブロック1018)を、さらに含む。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例51を特徴付けるものであり、実施例51は、上述した実施例50による構成要件も含む。
【0227】
ブラシアーム154をドラム108に対して第6軸208周りに回転させることにより、表面102に対するブラシ112の別の移動経路が実現される。
【0228】
いくつかの例において、ドラム108に対するブラシアーム154の回転は、選択的に制御される。一例において、コントローラが、ブラシアームモータ192にコマンドを送信し、当該ブラシアームモータが、ブラシアーム154をドラム108に対して第6軸208周りに回転させる。いくつかの例において、ブラシアーム154は、第6軸208周りに全回転可能であり、ブラシ112が第6軸208周りに全公転するように、第1回転方向(例えば時計回り)に1回以上の360度回転を行うように構成されている。いくつかの例において、ブラシアーム154は、第6軸208周りに全回転可能であり、第1回転方向(例えば時計回り)における1回以上の360度回転、及び、第2回転方向(例えば反時計回り)における1回以上の360度回転を行うように、構成されている。例えば、ブラシ112は、全回転において、第6軸208周りに往復公転移動する。いくつかの例において、ブラシアーム154は、第6軸208周りに部分回転可能であり、第1回転方向(例えば時計回り)における360度未満の部分回転、及び、第2回転方向(例えば反時計回り)における部分回転を行うように構成されている。例えば、ブラシ112は、部分回転において、第6軸208周りに往復公転移動する。
【0229】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、
図1D、
図12、及び、
図13を参照し、具体的には例えば
図19を参照すると、方法1000は、第2ブラシアーム156をドラム108に対して第1軸110及び第4軸150に平行な第7軸214周りに回転させることにより、第2ブラシ144を第7軸214周りに公転させること(ブロック1020)をさらに含む。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例52を特徴付けるものであり、実施例52は、上述した実施例51による構成要件も含む。
【0230】
ブラシアーム156をドラム108に対して第7軸214周りに回転させることにより、表面102に対するブラシ112の別の移動経路が実現される。
【0231】
いくつかの例において、ドラム108に対する第2ブラシアーム156の回転は、選択的に制御される。一例において、コントローラが、ブラシアームモータ192にコマンドを送信し、当該ブラシアームモータが、第2ブラシアーム156をドラム108に対して第7軸214周りに回転させる。いくつかの例において、第2ブラシアーム156は、第7軸214周りに部分回転可能であり、第1回転方向(例えば時計回り)における360度未満の部分回転、及び、第2回転方向(例えば反時計回り)における部分回転を行うように構成されている。例えば、第2ブラシ144は、部分回転において、第7軸214周りに往復公転移動する。
【0232】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、
図1D、及び、
図13~
図15を参照し、具体的には例えば
図19を参照すると、方法1000は、ブラシ112の少なくとも一部を囲むブラシカバー224と連通接続された中央吸引送給管122を介して、ブラシ112の中央部に吸引力を送給すること(ブロック1022)をさらに含む。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例53を特徴付けるものであり、実施例53は、上述した実施例48~52のいずれによる構成要件も含む。
【0233】
ブラシ112の中央部に吸引力を送給することにより、洗浄作業中に発生する汚染物質及び/又は煙霧を捕捉及び除去することができる。
【0234】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、
図1D、及び、
図13~
図15を参照し、具体的には例えば
図19を参照すると、方法1000は、ブラシカバー224と連通接続された周辺吸引送給管222を介して、ブラシ112の周辺部に吸引力を送給すること(ブロック1024)をさらに含む。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例54を特徴付けるものであり、実施例54は、上述した実施例53による構成要件も含む。
【0235】
ブラシ112の周辺部に吸引力を送給することにより、洗浄作業中に発生した汚染物質及び/又は洗浄作業中に使用した洗浄用流体の捕捉及び除去が可能となる。
【0236】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、
図1D、及び、
図13~
図15を参照し、具体的には例えば
図19を参照すると、方法1000は、ブラシカバー224と連通接続された流体送給管120を介して、ブラシ112に洗浄用流体を送給すること(ブロック1026)をさらに含む。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例55を特徴付けるものであり、実施例55は、上述した実施例54による構成要件も含む。
【0237】
ブラシ112に洗浄用流体を送給することにより、ブラシ112の回転による洗浄作用を促進することができる。
【0238】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、
図1D、及び、
図13~
図15を参照し、具体的には例えば
図19を参照すると、方法1000は、第2ブラシ144の少なくとも一部を囲む第2ブラシカバー240と連通接続された第2中央吸引送給管234を介して、第2ブラシ144の第2中央部に吸引力を送給すること(ブロック1028)をさらに含む。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例56を特徴付けるものであり、実施例56は、上述した実施例55による構成要件も含む。
【0239】
第2ブラシ144の第2中央部に吸引力を送給することにより、洗浄作業中に発生する汚染物質及び/又は煙霧を捕捉及び除去することができる。
【0240】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、
図1D、及び、
図13~
図15を参照し、具体的には例えば
図19を参照すると、方法1000は、ブラシカバー240と連通接続された第2周辺吸引送給管236を介して、第2ブラシ144の第2周辺部に吸引力を送給すること(ブロック1030)をさらに含む。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例57を特徴付けるものであり、実施例57は、上述した実施例56による構成要件も含む。
【0241】
第2ブラシ144の第2周辺部に吸引力を送給することにより、洗浄作業中に発生した汚染物質及び/又は洗浄作業中に使用した洗浄用流体の捕捉及び除去が可能となる。
【0242】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、
図1D、及び、
図13~
図15を参照し、具体的には例えば
図19を参照すると、方法1000は、第2ブラシカバー240と連通接続された第2流体送給管238を介して、第2ブラシ144に洗浄用流体を送給すること(ブロック1032)をさらに含む。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例58を特徴付けるものであり、実施例58は、上述した実施例57による構成要件も含む。
【0243】
第2ブラシ144に洗浄用流体を送給することにより、第2ブラシ144の回転による洗浄作用を促進することができる。
【0244】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、
図1D、
図5、及び、
図18を参照し、具体的には例えば
図19を参照すると、方法1000は、ドラム108がブラケット104に対して所定の回転配向にある時に、ドラム108の近傍に位置するセンサ262を、ドラム108に配置された帰還要素264によって起動することにより、これを検知すること(ブロック1034)をさらに含む。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例59を特徴付けるものであり、実施例59は、上述した実施例48~58のいずれによる構成要件も含む。
【0245】
ブラケット104に対するドラム108の回転配向を検知することにより、ドラム108がドラムモータ130によってブラケット104に対して前記所定の回転配向まで回転した時に、センサ262を起動して、ドラム108が原点位置にあることを示すことができる。ドラム108の回転配向を検知することにより、動力遮断の際にブラケット104に対するドラム108の回転配向を求めることができないアブソリュート式位置エンコーダではなく、インクリメンタル式の位置エンコーダの使用が可能となる。
【0246】
概括的には
図1A、
図1B、
図1C、
図1D、
図17、及び、
図18を参照し、具体的には例えば
図19を参照すると、方法1000は、ロボット106に連結されたロボットインターフェイス166にブラケット104を連結させた状態で、ブラケット104をロボットインターフェイス166に対して第1軸110に沿って直線移動させること(ブロック1036)をさらに含む。本段落における上記構成要件は、本開示の実施例60を特徴付けるものであり、実施例60は、上述した実施例48~59のいずれによる構成要件も含む。
【0247】
ロボットインターフェイス166に対するブラケット104の直線移動により、ロボット106に対するブラケット104の直線移動、及び、表面102に対するブラシ112の直線移動が可能となる。
【0248】
本開示の実施例は、
図20に示した航空機の製造及び保守方法1100に関連させて、また、
図21に示した航空機1102に関連させて、説明することができる。生産開始前の工程として、例示的な方法1100は、航空機1102の仕様決定及び設計(ブロック1104)及び材料調達(ブロック1106)を含みうる。生産中は、航空機1102の部品及び小組立品の製造(ブロック1108)及びシステム統合(ブロック1110)が行われうる。その後、航空機1102は、例えば認可及び納品(ブロック1112)を経て、就航(ブロック1114)に入る。就航期間中は、航空機1102は、定例の整備及び保守(ブロック1116)のスケジュールに組み込まれうる。定例の整備及び保守は、航空機1102の1つ以上のシステムの改良、再構成、改修などを含みうる。
【0249】
例示的な方法1100の各工程は、システムインテグレータ、第三者、及び/又は、オペレータ(例えば顧客)によって実行又は実施することができる。なお、システムインテグレータは、限定するものではないが、航空機メーカ及び主要システム下請業者をいくつ含んでもよい。第三者は、限定するものではないが、売主、下請業者、供給業者をいくつ含んでもよい。オペレータは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス組織等であってもよい。
【0250】
図21に示すように、例示的な方法1100によって製造される航空機1102は、複数の高水準システム1120及び内装1122を備えた機体1118を含みうる。高水準システム1120は、例えば、推進系1124、電気系1126、油圧系1128及び環境系1130のうちの1つ以上を含む。また、その他のシステムをいくつ含んでもよい。また、航空宇宙産業に用いた場合を例として示しているが、本明細書に開示の原理を、例えば自動車産業等の他の産業に適用してもよい。したがって、本明細書に開示の原理は、航空機1102に加えて、他の輸送体、(例えば、陸上車両、船舶、宇宙船など)に適用してもよい。
【0251】
本明細書に図示又は記載した装置及び方法は、製造及び保守方法1100における、1つ以上の任意の段階で使用することができる。例えば、部品及び小組立品の製造工程(ブロック1108)に対応する部品又は小組立品は、航空機1102の就航期間中(ブロック1114)に作製される部品又は小組立品と同様に作製することができる。また、装置、方法、又は、それらの組み合わせの1つ又は複数の実施例を、製造工程(ブロック1108及び1110)で用いることによって、例えば、航空機1102の組み立て速度を大幅に速めたりコストを大幅に削減したりすることができる。同様に、装置又は方法の1つ以上の実施例、又は、それらの組み合わせを、例えば、限定するものではないが、航空機1102の就航期間中(ブロック1114)、及び/又は、整備及び保守中(ブロック1116)に用いてもよい。
【0252】
本明細書に開示の装置及び方法の様々な実施例は、様々なコンポーネント、特徴、及び機能を含む。なお、本明細書に開示の装置及び方法の様々な実施例は、本明細書に開示の装置及び方法の他のどの実施例のコンポーネント、特徴及び機能のうちの任意のものを、どのような組み合わせで含んでもよく、そのような可能な組み合わせは全て本開示の範囲に包含されるものとする。
【0253】
本開示に関連する分野の当業者であれば、上述の説明及び関連図面の内容に鑑みて、本明細書に記載の実施例について様々な改変を思いつくであろう。
【0254】
したがって、本開示は、例示した特定の実施例に限定されるものではなく、その改変や他の実施例も、添付の特許請求の範囲に包含されるべきものである。さらに、上述の説明及び関連図面は、本開示の実施例を、特定の要素及び/又は機能の例示的組み合わせに関連させて説明しているが、代替の実施態様によって、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、要素及び/又は機能の別の組み合わせを提供することもできる。従って、添付の特許請求の範囲における括弧付きの参照数字は、例示のみを目的としたものであり、特許請求する要旨の範囲を、本開示で提示した特定の実施例に限定することを意図したものではない。