(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
F24F 11/526 20180101AFI20230711BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20230711BHJP
F24F 11/58 20180101ALI20230711BHJP
【FI】
F24F11/526
H04Q9/00 301D
F24F11/58
(21)【出願番号】P 2019012996
(22)【出願日】2019-01-29
【審査請求日】2021-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【氏名又は名称】伊藤 世子
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】平山 大悟
【審査官】町田 豊隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-063415(JP,A)
【文献】特開2004-251545(JP,A)
【文献】特開2014-206328(JP,A)
【文献】特開2017-180996(JP,A)
【文献】特開2018-021709(JP,A)
【文献】特開昭58-001183(JP,A)
【文献】特開2018-071797(JP,A)
【文献】特開2005-311864(JP,A)
【文献】特開2010-266882(JP,A)
【文献】特開2014-011603(JP,A)
【文献】特開2010-033279(JP,A)
【文献】特開2018-152757(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/526
H04Q 9/00
F24F 11/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内機と、
室外機とを備える空気調和機であって、
前記室内機は、コントロールユニットと無線通信ユニットとを含む室内制御部と、スピーカとを有し、
前記コントロールユニットは、第1のメモリと第1のプロセッサとを含み、
前記無線通信ユニットは、第2のメモリと第2のプロセッサと無線通信インターフェイスとを含み、
前記無線通信ユニットは、外部の装置と通信する無線通信機能を有し、
前記第2のメモリは、前記無線通信機能によって前記無線通信ユニットを介してダウンロードした音声データを格納し、
前記無線通信機能をOFFした状態で、
前記第1のプロセッサが前記無線通信インターフェイスとは別の通信インターフェイスを介して制御命令を受け付けると、
前記第1のプロセッサは前記制御命令に対応する指示を前記第2のプロセッサに対して送信し、前記第2のプロセッサが前記指示を受信すると、前記第2のプロセッサ
は前記第2のメモリの前記音声データに基づいて前記スピーカから音声を出力させる、空気調和機。
【請求項2】
前記第2のメモリは不揮発性メモリを含
む、請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記第2のプロセッサは、前記無線通信インターフェイスを介して取得した音声データによって前記不揮発性メモリの音声データを書き換える、請求項2に記載のネットワークシステム。
【請求項4】
前記室内機は、表示部をさらに含み、
前記第1のプロセッサは、前記第2のプロセッサが起動中に、前記無線通信機能をOFFした状態に、前記表示部をOFFする、請求項1から3のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項5】
前記無線通信ユニットから前記コントロールユニットに制御信号を送信する信号線を、前記コントロールユニットから前記無線通信ユニットに音声出力を指示するための信号の送信に用いる、請求項1から4のいずれか1項に記載のネットワークシステム。
【請求項6】
コントロールユニットと無線通信ユニットとスピーカとを備え、
前記コントロールユニットは、第1のメモリと第1のプロセッサとを有し、
前記無線通信ユニットは、第2のメモリと第2のプロセッサと無線通信インターフェイスとを有し、
前記無線通信ユニットは、外部の装置と通信する無線通信機能を有し、
前記第2のメモリは、前記無線通信機能によって前記無線通信ユニットを介してダウンロードした音声データを格納し、
前記第1のプロセッサが前記無線通信インターフェイスとは別の通信インターフェイスを介して制御命令を受け付けると、前記第1のプロセッサは前記制御命令に対応する指示を前記第2のプロセッサに対して送信し、前記第2のプロセッサが前記指示を受信すると、前記第2のプロセッサは前記第2のメモリの前記音声データに基づいて前記スピーカから音声を出力させる、電気機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機の技術に関し、特に無線通信ユニットを有する空気調和機の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、室内機を制御するためのコントロールユニットと外部の装置と通信するための無線通信ユニットとを搭載する空気調和機が知られている。たとえば、特開2014-216835公報(特許文献1)には、家電制御システムが開示されている。特許文献1によると、家電制御システムは、同一の室内に設けられている空気調和機および照明装置を制御する。制御装置は、前記空気調和機の運転に連携して、前記照明装置の照度または色調の少なくともいずれか一方を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、効率的な音声出力システムを有する空気調和機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明のある態様に従うと、室内機と、室外機とを備える空気調和機が提供される。室内機は、第1のメモリと第1のプロセッサとを含むコントロールユニットと、音声データを格納するための第2のメモリと第2のプロセッサと無線通信インターフェイスとを含む無線通信ユニットと、スピーカと、を含む。無線通信機能をOFFした状態で、第2のプロセッサが第2のメモリの音声データに基づいてスピーカから音声を出力させる。
【発明の効果】
【0006】
以上のように、本発明によれば、効率的な音声出力システムを有する空気調和機が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1の実施の形態にかかる空気調和機の概要を示すイメージ図である。
【
図2】第1の実施の形態にかかる空気調和機100の冷房運転時および除湿運転、除霜運転時の概略構成図である。
【
図3】第1の実施の形態にかかる空気調和機100の暖房運転時の概略構成図である。
【
図4】第1の実施の形態にかかる室内制御部35と室外制御部29との構成を示すブロック図である。
【
図5】第2の実施の形態にかかる室内制御部35と室外制御部29との構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
<空気調和機の概要>
【0009】
本実施の形態にかかる空気調和機は、主に、室内機と室外機とから構成される。両者は互いに冷媒配管や信号線などによって連結されている。
図1を参照しながら、本実施の形態にかかる空気調和機の室内機30の概要について説明する。
【0010】
本実施の形態にかかる室内機30には、空調和運転を行うためのメインの制御基板、すなわちコントロールユニット35Aと、外部の機器と無線通信を行うための無線通信ユニット35Bと、が搭載される。そして、本実施の形態においては、無線通信ユニット35Bが、その記憶領域3571,3572,3573に音声データを格納し、当該音声データに基づいて室内機30のスピーカ38から各種の音声が出力される。
【0011】
たとえば、記憶領域3571は、たとえば不揮発性メモリであって、空気調和運転に関する所定の繰り返し利用される音声データを格納する。記憶領域3572は、たとえばRAMであって、クラウドからダウンロードした1回限りの音声データを一時的に格納する。本実施の形態においては、繰り返し利用される音声データもクラウドからダウンロードされ、当該音声データによって記憶領域3571が上書きされる。
【0012】
そして、本実施の形態においては、ユーザが無線通信OFFにした場合、無線通信を停止しつつ、無線通信ユニット35B自体は起動したまま、記憶領域3571に記憶されている音声データに基づいて、スピーカ38からの音声出力を継続するものである。本実施の形態においては、コントロールユニット35Aは音声データの記憶を行わずに、コントロールユニット35Aは必要な音声の出力を無線通信ユニット35Bに指示するように構成されている。
【0013】
これによって、本実施の形態においては、無線通信ユニット35Bからコントロールユニット35Aの音声データの書き換えが不要になる。また、室内機35の組み立て時や出荷後に、無線通信ユニット35Bだけを取り付けたり、取り換えたりすることが可能になる。以下、このような機能を実現するための空気調和機100の具体的な構成について詳述する。
<空気調和機100の構成>
【0014】
図2および
図3を参照して、本実施の形態にかかる空気調和機100は、セパレート式の空気調和機であって、主に、室外機10、室内機30およびリモートコントローラ50から構成されている。なお、空気調和機100は、室外機10と室内機30とが冷媒配管17および18を介して接続されることによって構成されている。以下、室外機10、室内機30、リモートコントローラ50、冷媒配管17および18について詳述する。
【0015】
(1)室外機
室外機10は、主に、筐体11、圧縮機12、四路切換弁13、室外熱交換器14、膨張弁15、室外ファン16、冷媒配管17、冷媒配管18、二方弁19、三方弁20、室外熱交換器温度センサ21、吐出温度センサ22、吸入温度センサ23、室外熱交換器出口温度センサ24、外気温度センサ25および室外制御部29から構成されている。なお、この室外機10は、屋外に設置されている。
【0016】
圧縮機12は、吐出管12aおよび吸入管12bを有している。吐出管12aおよび吸入管12bは、それぞれ、四路切換弁13の異なる接続口に接続されている。また、圧縮機12は、通信線を介して室外制御部29に通信接続されており、室外制御部29から送信される制御信号に従って動作する。圧縮機12は、運転時、吸入管12bから低圧の冷媒ガスを吸入し、その冷媒ガスを圧縮して高圧の冷媒ガスを生成した後、その高圧の冷媒ガスを吐出管12aから吐出する。
【0017】
四路切換弁13は、冷媒配管を介して圧縮機12の吐出管12aおよび吸入管12b、室外熱交換器14ならびに室内熱交換器32に接続されている。そして、この四路切換弁13は、通信線を介して室外制御部29に通信接続されており、室外制御部29から送信される制御信号に従って動作する。これによって、四路切換弁13は、運転時、室外制御部29から送信される制御信号に従って、圧縮機12の吐出管12aを室外熱交換器14に連結させると共に圧縮機12の吸入管12bを室内熱交換器32に連結させる冷房運転や除湿運転や除霜運転状態(
図2参照)と、圧縮機12の吐出管12aを室内熱交換器32に連結させると共に圧縮機12の吸入管12bを室外熱交換器14に連結させる暖房運転状態(
図3参照)とを切り換える。
【0018】
室外熱交換器14は、左右両端で複数回折り返された伝熱管(図示せず)に多数の放熱フィン(図示せず)が取り付けられたもの(フィン&チューブ型)であって、冷房運転時や除霜運転時(
図2参照)には凝縮器として機能し、暖房運転時(
図3参照)には蒸発器として機能する。なお、熱交換器としてパラレルフロー型熱交換器やサーペンタイン型熱交換器を用いてもよい。
【0019】
膨張弁15は、後述するステッピングモータを介して開度制御が可能な電子膨張弁である。膨張弁15は、一方が冷媒配管17を介して二方弁19に接続されると共に、他方が室外熱交換器14に接続されている。また、この膨張弁15のステッピングモータは、通信線を介して室外制御部29に通信接続されており、室外制御部29から送信される制御信号に従って動作する。膨張弁15は、運転時において、凝縮器(冷房運転時や除湿運転時や除霜運転時は室外熱交換器14であり、暖房運転時は室内熱交換器32である)から流出する高温高圧の液冷媒を蒸発しやすい状態に減圧すると共に、蒸発器(冷房運転時や除湿運転時や除霜運転時は室内熱交換器32であり、暖房運転時は室外熱交換器14である)への冷媒供給量を調節する役目を担っている。
【0020】
室外ファン16は、主に、プロペラファンおよびモータから構成されている。プロペラファンは、モータによって回転駆動され、屋外の外気を室外熱交換器14に供給する。モータは、通信線を介して室外制御部29に通信接続されており、室外制御部29から送信される制御信号に従って動作する。
【0021】
二方弁19は、冷媒配管17に配設されている。なお、二方弁19は、室外機10から冷媒配管17が取り外されるときに閉じられ、冷媒が室外機10から外部に漏れることを防ぐ。
【0022】
三方弁20は、冷媒配管18に配設されている。なお、三方弁20は、室外機10から冷媒配管18が取り外されるときに閉じられ、冷媒が室外機10から外部に漏れることを防ぐ。また、室外機10から、あるいは室内機30を含めた冷凍サイクル全体から、冷媒を回収する必要があるときは、三方弁20を通じて冷媒の回収が行われる。
【0023】
温度センサ21~25は、サーミスタである。室外熱交換器温度センサ21は室外熱交換器14に配置されており、吐出温度センサ22は圧縮機12の吐出管12aに配置されており、吸入温度センサ23は圧縮機12の吸入管12bに配置されており、室外熱交換器出口温度センサ24は室外熱交換器14の出口付近の冷媒配管17に配置されており、外気温度センサ25は外気温度測定用であって筐体11の内部の所定箇所に配置されている。より詳細には、外気温度センサ25は、例えば、室外ファン16によって室外熱交換器14に供給される前の外気の温度を検知できる箇所に配置されることが好ましい。これらの温度センサ21~25は、全て、通信線を介して室外制御部29に通信接続されており、計測された温度に関する情報を室外制御部29に送信している。
【0024】
室外制御部29は、通信線を介して圧縮機12、四路切換弁13、膨張弁15、室外ファン16、温度センサ21~25に通信接続されている。たとえば、室外制御部29のプロセッサは、随時、温度センサ21~25の出力情報や、メモリに記憶される種々の制御パラメータ等を演算処理して適切な制御パラメータを導出し、その制御パラメータを、圧縮機12や、四路切換弁13、膨張弁15、室外ファン16に送信する。また、プロセッサは、必要に応じて、制御パラメータ等を室内制御部35に送信したり、受信したりする。
【0025】
(2)室内機
室内機30は、主に、筐体31、室内熱交換器32、室内ファン33、室内熱交換器温度センサ34、室内温度センサ37、室内制御部35、フィルタ104、縦ルーバ(上下風向板)105、図示しない横ルーバ(左右風向板)から構成されている。
【0026】
筐体31には、室内熱交換器32、室内ファン33、室内熱交換器温度センサ34、室内温度センサ37、および室内制御部35等が収納されている。縦ルーバ105は、筐体31の一部を構成している。
【0027】
室内熱交換器32は、3個の熱交換器32A、32B、32Cを、室内ファン33を覆う屋根(逆V字形、ラムダ型)のように組み合わせたものである。なお、各熱交換器32A、32B、32Cは、左右両端で複数回折り返された伝熱管(図示せず)に多数の放熱フィン(図示せず)が取り付けられたものであって、冷房運転時および除湿運転時や除霜運転時(
図2参照)には蒸発器として機能し、暖房運転時(
図3参照)には凝縮器として機能する。
【0028】
室内ファン33は、主に、クロスフローファンおよびモータから構成されている。クロスフローファンは、モータによって回転駆動され、室内の空気を吸い込み口102からフィルタ104を通して筐体31に吸い込んで室内熱交換器32に供給すると共に、室内熱交換器32で熱交換された空気を吹き出し口103を介して室内に送出する。モータは、通信線を介して室内制御部35に通信接続されており、室内制御部35から送信される制御信号に従って動作する。
【0029】
温度センサ34は、サーミスタである。室内熱交換器温度センサ34は室内熱交換器32に配置されており、室内温度センサ37は、室内温度を測定するものであって筐体31内の吸込口付近に配置されている。温度センサ34,37は、通信線を介して室内制御部35に通信接続されており、計測された温度に関する情報を室内制御部35に送信している。
【0030】
室内制御部35は、通信線を介して室内ファン33、温度センサ34,37などに通信接続されている。室内制御部35のプロセッサは、随時、リモートコントローラ50からの制御信号や、温度センサ34,37などの出力情報等を演算処理して適切な制御パラメータを導出し、その制御パラメータ等を、室内ファン33などに送信する。また、プロセッサは、必要に応じて、制御パラメータ等を室外制御部29に送信したり、制御パラメータ等を室外制御部29から受信したりする。
【0031】
赤外線受光部36は、リモートコントローラ50から発生される点滅赤外線を受光するものである。この赤外線受光部36は、点滅赤外線を信号化処理し、生成した信号を室内制御部35に受け渡す。
【0032】
スピーカ38は、室内制御部35のプロセッサからの指示に基づいて、音声を出力する。本実施の形態においては、スピーカ38は、主に、無線通信ユニット35Bからの信号に基づいて音声を出力する。
【0033】
ライト39は、無線通信ユニット35Bによる無線通信が有効であるときに点灯するものであって、室内制御部35のプロセッサからの指示に基づいて光を出力する。ただし、本実施の形態においては、無線通信ユニット35Bは、無線通信がOFFされていても、プロセッサなどは起動したままに構成されている。
【0034】
なお、室外機10の圧縮機12、四路切換弁13、室外熱交換器14および膨張弁15、ならびに室内機30の室内熱交換器32は、冷媒配管17,18によって順次接続され、冷媒回路(冷凍サイクル)を構成している。
【0035】
(3)冷媒配管
冷媒配管17は、冷媒配管18よりも細い管であって、冷房運転時、除湿運転時および除霜運転時に液冷媒が流れる。冷媒配管18は、冷媒配管17よりも太い管であって、冷房運転時にガス冷媒が流れる。
<制御部の構成>
【0036】
本実施の形態にかかる空気調和機100は、上述した通り、室内制御部35と室外制御部29とを含む。以下では、
図4を参照して、室内制御部35と室外制御部29とを含む制御部の構成について説明する。
【0037】
室内制御部35は、コントロールユニット35Aと無線通信ユニット35Bとを含む。コントロールユニット35Aは、周囲を板金などで覆うことが好ましい。一方、無線通信ユニット35Bは、電波を送受信しやすいように、金属部材などで覆われてないことが好ましい。
【0038】
コントロールユニット35Aには、CPU(Central Processing Unit)351や、メモリ352や、シリアル通信インターフェイス358などが配置される。メモリ352は、第1の記憶領域3521、第2の記憶領域3522、第3の記憶領域3523などを含む。本実施の形態においては、第1の記憶領域3521は、フラッシュメモリなどのような書き換え可能な不揮発性の記憶媒体である。第2の記憶領域3522は、RAM(Random access memory)などの一時的にデータを展開するための記憶媒体である。第3の記憶領域3523は、ROM(Read Only Memory)などによって実現される。
【0039】
無線通信ユニット35Bには、CPU356や、メモリ357や、WiFiアンテナ359などが配置される。メモリ357は、第1の記憶領域3571、第2の記憶領域3572、第3の記憶領域3573などを含む。本実施の形態においては、第1の記憶領域3571は、フラッシュメモリなどのような書き換え可能な不揮発性の記憶媒体であって、繰り返し利用する音声のデータなどを格納する。第2の記憶領域3572は、RAM(Random access memory)などの一時的にデータを展開するための記憶媒体であって、一時的にクラウドからダウンロードした音声データなどを格納する。第3の記憶領域3573は、ROM(Read Only Memory)などに実現される。
【0040】
コントロールユニット35Aと無線通信ユニット35Bとは、信号線355によって通信可能に接続されている。
【0041】
室外制御部29は、室外コントロールユニット29Aを含む。室外コントロールユニット29Aにも、CPU291や、メモリ292や、シリアル通信インターフェイス298などが配置される。
【0042】
そして特に、本実施の形態においては、室内機30のコントロールユニット35AのCPU351は、リモートコントローラ50からの指示を受けた場合や、その他の所定の条件が満たされた際に、各種の音声を出力するように、信号線355を介して無線通信ユニット35Bに指示を送る。これに応じて、無線通信ユニット35BのCPU356は、第1の記憶領域3571に記憶されている音声データに基づいて、スピーカ38に音声を出力させる。
【0043】
なお、無線通信ユニット35BのCPU356は、コントロールユニット35Aからの指示に基づいて、WiFiアンテナ359を利用することによって、クラウドから、繰り返し利用するための音声データをダウンロードして、第1の記憶領域3571に記憶させたり、第1の記憶領域3571の音声データを更新したりする。
【0044】
なお、無線通信ユニット35BのCPU356は、WiFiアンテナ359を利用することによって、クラウドから一時的に利用するための音声データをダウンロードして、第2の記憶領域3572に展開させる。この場合は、無線通信ユニット35BのCPU356は、第2の記憶領域3572に展開させた音声データを、コントロールユニット35Aが許可した場合に、そのまま、天気予報やニュースなどの音声をスピーカ38に出力させる。
【0045】
このように、本実施の形態においては、コントロールユニット35Aのメモリ352は音声データを記憶する必要がない。
【0046】
また、本実施の形態においては、無線通信ユニット35BのCPU356は、WiFiアンテナ359を利用することによって、クラウドからの各種制御命令なども受信する。この場合は、無線通信ユニット35BのCPU356は、音声の出力の指示に利用する信号線355を利用して、コントロールユニット35AのCPU351にクラウドからの各種制御命令を伝達する。
【0047】
本実施の形態においては、室内機30のコントロールユニット35AのCPU351は、リモートコントローラ50や操作部を介して、無線通信ユニット35Bによる外部の装置との無線通信を有効にしたり、無効にしたりするための指示を受け付ける。より詳細には、CPU351は、無線通信をONにするための指示に応じて、信号線355を介して無線通信ユニット35BにWiFiアンテナ359による無線通信を開始させるとともに、ライト39をONする。逆に、CPU351は、無線通信をOFFにするための指示に応じて、信号線355を介して無線通信ユニット35BにWiFiアンテナ359による無線通信を停止させるとともに、ライト39をOFFする。
【0048】
特に、本実施の形態においては、WiFiアンテナ359による無線通信をOFFしても、無線通信ユニット35B自体は起動したままに構成される。つまり、無線通信がOFFの状態においても、室内機30のコントロールユニット35AのCPU351は、リモートコントローラ50からの指示を受けた場合や、その他の所定の条件が満たされた際に、各種の音声を出力するように、信号線355を介して無線通信ユニット35Bに指示を送る。これに応じて、無線通信ユニット35BのCPU356は、第1の記憶領域3571に記憶されている音声データに基づいて、スピーカ38に音声を出力させる。
<第2の実施の形態>
【0049】
上記の実施の形態においては、WiFiアンテナ359を利用してクラウドから音声データをダウンロードしたり、制御命令をダウンロードしたりするものであった。しかしながら、無線通信ユニット35Bは、WiFi以外の通信手段によって無線通信を行ってもよい。
【0050】
あるいは、
図5に示すように、無線通信ユニット35Bは、2種類の通信インターフェイス、たとえばWiFiアンテナ359Aとbluetoothアンテナ359Bなど、を有してもよい。そして、無線通信ユニット35Bは、bluetoothアンテナ359Bを介して、他の装置から音声データを受信して、記憶領域3571に格納したり、更新したりできてもよい。この場合でも、無線通信ユニット35Bは、WiFiアンテナ359を介して、クラウドから制御命令を受け付けてもよい。
<第3の実施の形態>
【0051】
上記の実施の形態においては、音声データを無線通信ユニット35Bに格納するものであった。しかしながら、音声データに限らず、空気調和機100の室内機30の制御や室外機10の制御に必要なデータを、無線通信ユニット35Bに格納してもよい。この場合は、音声データを記憶している第1の記憶領域3571とは別の、不揮発性の第2の記憶領域3572や第3の記憶領域3573に、室内機30の制御や室外機10の制御に必要なデータを記憶できることが好ましい。
<第4の実施の形態>
【0052】
上記の実施の形態においては、第2の記憶領域3572がRAMであって、第1の記憶領域3571が不揮発性メモリであった。しかしながら、第1の記憶領域3571と第2の記憶領域3572と第3の記憶領域3573の種類は、上記のように限定されるものではない。
【0053】
また、上記の実施の形態においては、第1の記憶領域3571と第2の記憶領域3572と第3の記憶領域3573とが異なる種類の記憶媒体であったが、同じ種類の記憶媒体であってもよい。
【0054】
また、第1の記憶領域3571と第2の記憶領域3572と第3の記憶領域3573とは、1つの記憶媒体の別々の領域であってもよい。
<まとめ>
【0055】
上記の実施の形態においては、室内機と、室外機とを備える空気調和機が提供される。室内機は、第1のメモリと第1のプロセッサとを含むコントロールユニットと、音声データを格納するための第2のメモリと第2のプロセッサと無線通信インターフェイスとを含む無線通信ユニットと、スピーカと、を含む。無線通信機能をOFFした状態で、第2のプロセッサが第2のメモリの音声データに基づいてスピーカから音声を出力させる。
【0056】
好ましくは、第2のメモリは不揮発性メモリを含む。第2のプロセッサは、無線通信インターフェイスを介して取得した音声データを不揮発性メモリに格納し、コントロールユニットからの指示に基づいて不揮発性メモリの音声データに基づいてスピーカから音声を出力させる。
【0057】
好ましくは、第2のプロセッサは、無線通信インターフェイスを介して取得した音声データによって不揮発性メモリの音声データを書き換える。
【0058】
好ましくは、室内機は、表示部をさらに含む。第1のプロセッサは、第2のプロセッサが起動中に、無線通信機能をOFFした状態に、表示部をOFFする。
【0059】
好ましくは、無線通信ユニットからコントロールユニットに制御信号を送信する信号線を、コントロールユニットから無線通信ユニットに音声出力を指示するための信号の送信に用いる。
【0060】
好ましくは、無線通信インターフェイスとは別の通信インターフェイスを介して、空気調和機に対する制御命令を受け付ける。
【0061】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0062】
10 :室外機
11 :筐体
12 :圧縮機
12a :吐出管
12b :吸入管
13 :四路切換弁
14 :室外熱交換器
15 :膨張弁
16 :室外ファン
17 :冷媒配管
18 :冷媒配管
19 :二方弁
20 :三方弁
21 :室外熱交換器温度センサ
22 :吐出温度センサ
23 :吸入温度センサ
24 :室外熱交換器出口温度センサ
25 :外気温度センサ
29 :室外制御部
29A :室外コントロールユニット
30 :室内機
31 :筐体
32 :室内熱交換器
32A :熱交換器
32B :熱交換器
32C :熱交換器
33 :室内ファン
34 :室内熱交換器温度センサ
35 :室内制御部
35A :コントロールユニット
35B :無線通信ユニット
36 :赤外線受光部
37 :室内温度センサ
38 :スピーカ
39 :ライト
50 :リモートコントローラ
100 :空気調和機
102 :吸い込み口
103 :吹き出し口
104 :フィルタ
105 :縦ルーバ
291 :CPU
292 :メモリ
298 :シリアル通信インターフェイス
351 :CPU
352 :メモリ
355 :信号線
356 :CPU
357 :メモリ
358 :シリアル通信インターフェイス
359 :WiFiアンテナ
359A :WiFiアンテナ
359B :アンテナ
3521 :第1の記憶領域
3522 :第2の記憶領域
3523 :第3の記憶領域
3571 :第1の記憶領域
3572 :第2の記憶領域
3573 :第3の記憶領域