(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】定着装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/20 20060101AFI20230711BHJP
【FI】
G03G15/20 510
(21)【出願番号】P 2019052446
(22)【出願日】2019-03-20
【審査請求日】2021-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】光岡 徹典
【審査官】佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-260600(JP,A)
【文献】特開2012-155013(JP,A)
【文献】特開2007-086509(JP,A)
【文献】特開2016-148756(JP,A)
【文献】特開2002-116659(JP,A)
【文献】特開2018-072502(JP,A)
【文献】特開2013-235157(JP,A)
【文献】特開2013-137421(JP,A)
【文献】特開2012-154992(JP,A)
【文献】特開2008-052032(JP,A)
【文献】特開2006-330494(JP,A)
【文献】特開2007-304199(JP,A)
【文献】特開2005-164888(JP,A)
【文献】特開2005-077996(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転部材と、
前記回転部材を収納するハウジングと、
前記回転部材と前記ハウジングの内面との間を仕切る仕切部材とを備えて、用紙搬送経路を通じて搬送される用紙にトナー像を定着させる定着装置であって、
前記仕切部材は、
前記ハウジングの上下方向に沿って配置された下部板と、前記回転部材の外面に沿うように傾斜して前記下部板の上方に延設された上部板とを含み、前記回転部材に面して設けられるとともに、前記回転部材の回転軸方向に沿って配設され、
前記仕切部材における前記回転部材に面する第1側面には断熱部材が備えられ、前記断熱部材と前記回転部材との間には間隔が設けられ、
前記回転部材の回転軸中心を含み前記第1側面に直交する方向に延びる仮想平面を想定すると、前記仮想平面上に前記間隔の最も狭くなるギャップが前記回転軸方向に沿って設けられるとともに前記ギャップでの前記間隔は前記断熱部材の厚みより小さく、
前記仮想平面上の前記ギャップよりも前記用紙搬送経路の上流側に、前記ギャップから遠ざかるほど前記間隔が広くなる空間が設けられ
、前記空間は前記回転部材と前記下部板との間に設けられたことを特徴とする定着装置。
【請求項2】
請求項1に記載の定着装置において、
前記仕切部材は、前記第1側面の反対側の面である第2側面と、前記ハウジングの内面との間に
も空間が設けられていることを特徴とする定着装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の定着装置において、
前記断熱部材は、前記仮想平面上の前記ギャップより前記用紙搬送経路の上流側において前記用紙搬送経路の下流側よりも広い表面積を有するように配設されていることを特徴とする定着装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1つの請求項に記載の定着装置において、
前記断熱部材は、厚み方向に積層された異なる熱伝導率の複数の断熱材層を有することを特徴とする定着装置。
【請求項5】
請求項4に記載の定着装置において、
前記断熱材層の熱伝導率は、前記回転部材側に積層された断熱材層よりも、前記仕切部材側に積層された断熱材層の方が小さいことを特徴とする定着装置。
【請求項6】
請求項1~
5のいずれか1つの請求項に記載の定着装置において、
前記回転部材は、定着ローラ、前記定着ローラに懸架された定着ベルト、または前記定着ローラに圧接する加圧ローラのいずれかの部材であることを特徴とする定着装置。
【請求項7】
請求項1~
6のいずれか1つの請求項に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙にトナー像を定着させる定着装置、およびその定着装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置に用いられる定着装置は、互いに圧接された定着ローラおよび加圧ローラからなるローラ対を備えており、いずれかのローラが加熱されている。未定着のトナー像は、前記ローラ対により加圧および加熱されることで用紙に定着される。また、別の定着方式として、定着ローラと加熱ローラとの間に定着ベルトが架け渡され、定着ベルトを介して定着ローラと加圧ローラとを圧接させたベルト定着方式の定着装置もある。
【0003】
この種の画像形成装置では、定着温度を適温に制御することで、定着不良などの発生を防ぐ必要がある。従来、定着可能温度に達するまでの時間を短縮するために、放熱抑制や昇温性を高めることが提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1では、ヒートローラの外周面のほぼ半分を覆って摺接するように断熱部材を配置して、ヒートローラの熱が外部へ逃げるのを阻止する構成が開示されている。また、特許文献2では、遮蔽カバーとして、2つの金属材料層の間に空気を含有するフェルト部材等の層を設けて、定着装置で生成した熱の外部への流出を防止する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平6-75491号公報
【文献】特開2003-345155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年では、省エネ性能向上への要望がより一層高まり、定着装置外への熱流出と定着装置内の熱損失を防ぎ、加熱に要する消費電力をさらに低減化することが求められてきている。そのような事情を考慮すれば、前記特許文献1の構成では、断熱部材がヒートローラに摺接することで、ヒートローラから熱を奪ってしまい、昇温に要する時間が長くなる可能性がある。また、前記特許文献2の構成では、遮蔽カバーによる熱損失の低減効果が時間とともに低下してしまい、未だ改善の余地があった。
【0007】
本発明は、より厳しい条件下での消費電力の低減化を実現するべく、定着装置の内外での熱移動を抑制し得て、昇温時間の短縮化と消費電力のさらなる低減化を可能にする定着装置および画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するために、本発明では、次の定着装置および画像形成装置を提供する。
【0009】
本発明に係る定着装置は、回転部材と、前記回転部材を収納するハウジングと、前記回転部材と前記ハウジングの内面との間を仕切る仕切部材とを備え、前記仕切部材は、前記回転部材に面して、前記回転部材の回転軸方向に沿って配設されるとともに、前記回転部材に面する第1側面には断熱部材が備えられ、前記断熱部材と前記回転部材との間に所定の間隔が設けられていることを特徴とする。
【0010】
これにより、前記回転部材と前記ハウジングの内面との間に仕切部材が備えられて前記回転部材から放射される熱の対流を狭小な範囲に抑えることが可能になる。さらに前記仕切部材の第1側面に断熱部材が備えられているので、前記仕切部材から外方へ熱が移動するのを抑制でき、前記回転部材の表面からの熱損失を低減することが可能となる。
【0011】
前記構成の定着装置において、前記仕切部材は、前記第1側面の反対側の面である第2側面と、前記ハウジングの内面との間に空間が設けられるように構成されることが好ましい。
【0012】
また、前記定着装置において、前記断熱部材と前記回転部材との前記間隔は、前記回転部材の回転軸方向と直交方向に、前記断熱部材の厚みよりも小さく設けられることが好ましい。
【0013】
また、前記定着装置において、前記断熱部材と前記回転部材との前記間隔が最も小さくなる位置よりも下方に広く前記断熱部材が配設されることが好ましい。
【0014】
また、前記定着装置において、前記断熱部材は、厚み方向に積層された異なる熱伝導率の複数の断熱材層を有することが好ましい。
【0015】
また、前記定着装置において、前記断熱材層の熱伝導率は、前記回転部材側に積層された断熱材層よりも、前記仕切部材側に積層された断熱材層の方が小さいことが好ましい。
【0016】
また、前記定着装置において、前記仕切部材は、前記回転部材の外面形状に沿うように屈曲させて設けられていることが好ましい。
【0017】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記定着装置を備えた画像形成装置であることを特徴とする。これにより、前記定着装置における昇温時間の短縮化が可能となり、消費電力の削減に寄与することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、画像形成装置における定着装置の熱移動を抑制し得て、定着装置での昇温時間の短縮化と消費電力のさらなる低減化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態1に係る画像形成装置を示す概略側面図である。
【
図2】本発明の実施形態1に係る定着装置を示す概略断面図である。
【
図3】前記定着装置における仕切部材と断熱部材の実施例1を模式的に示す断面図である。
【
図4】
図3の仕切部材と断熱部材とを拡大して示す部分断面図である。
【
図5】前記定着装置における仕切部材と断熱部材の実施例2を模式的に示す断面図である。
【
図6】
図5の仕切部材と断熱部材とを拡大して示す部分断面図である。
【
図7】前記定着装置における仕切部材と断熱部材の実施例3を模式的に示す断面図である。
【
図8】前記定着装置における仕切部材と断熱部材の実施例4を模式的に示す断面図である。
【
図9】前記定着装置における仕切部材と断熱部材の実施例5を模式的に示す断面図である。
【
図10】本発明の実施形態2に係る定着装置を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態に係る定着装置およびその定着装置を備える画像形成装置について、図面を参照しつつ説明する。
【0021】
(実施形態1)
-画像形成装置の全体構成-
図1は、本発明の実施形態1に係る定着装置10を備えた画像形成装置1を正面から見た概略側面図である。なお、
図1において、符号Xは後述する回転部材の回転軸方向(奥行方向)を示し、符号Yは奥行方向に直交する左右方向を示し、符号Zは上下方向を示すものとする。
【0022】
実施形態1に係る画像形成装置1は、露光装置11、現像装置12、感光体ドラム13、クリーナ装置14、帯電器15、中間転写ベルト装置16、定着装置10、給紙トレイ18、排紙トレイ19、および用紙搬送経路200を備える構成とされており、外部から伝達された画像データに応じて、所定の用紙に対して多色および単色の画像を形成する。
【0023】
画像形成装置1において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。現像装置12、感光体ドラム13、帯電器15、およびクリーナ装置14は、各色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエローに設定され、これらによって4つの画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdが構成されている。
【0024】
感光体ドラム13は、画像形成装置1の略中央に配置されている。帯電器15は、感光体ドラム13の表面を所定の電位に均一に帯電させる。露光装置11は、感光体ドラム13の表面を露光して静電潜像を形成する。現像装置12は、感光体ドラム13の表面の静電潜像を現像して、感光体ドラム13の表面にトナー像を形成する。
【0025】
前記一連の動作によって、各感光体ドラム13の表面に各色のトナー像が形成される。クリーナ装置14は、現像および画像転写の後に感光体ドラム13の表面の残留トナーを除去および回収する。
【0026】
中間転写ベルト装置16は、感光体ドラム13の上側に配置され、中間転写ベルト21、中間転写ベルト駆動ローラ22、中間転写ベルト従動ローラ23、中間転写ローラ24、および中間転写ベルトクリーニング装置25を備えている。なお、中間転写ローラ24は、YMCK用の各色の画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdに対応して4本設けられている。
【0027】
中間転写ベルト駆動ローラ22、中間転写ベルト従動ローラ23、および中間転写ローラ24は、中間転写ベルト21を張架して、中間転写ベルト21の表面を所定方向(図中矢符C方向)に移動させる。
【0028】
中間転写ベルト21は、矢符Cの方向へ周回移動し、中間転写ベルトクリーニング装置25によって残留トナーを除去および回収され、各感光体ドラム13の表面に形成された各色のトナー像が順次転写して重ね合わされて、中間転写ベルト21の表面にカラーのトナー像が形成される。
【0029】
画像形成装置1は、転写ローラ26aを含む2次転写装置26をさらに備えている。転写ローラ26aは、中間転写ベルト21との間にニップ域が形成されており、用紙搬送経路200を通じて搬送された用紙をニップ域に挟み込んで搬送する。用紙は、ニップ域を通過する際に、中間転写ベルト21の表面のトナー像が転写される。
【0030】
給紙トレイ18は、画像形成に使用する用紙を蓄積しておくためのトレイであり、露光装置11の下側に設けられている。また、排紙トレイ19は、画像形成装置1の上側に設けられており、画像形成済みの用紙を載置するためのトレイである。
【0031】
用紙搬送経路200は、主経路201と、主経路201の途中で分岐して再合流する反転経路202とを備え、主経路201に沿って、ピックアップローラ31、レジスト前ローラ33、レジストローラ32、2次転写装置26、定着装置10、および排紙ローラ34が配置されている。反転経路202は、定着装置10と排紙ローラ34との間から分岐し、複数の搬送ローラ35を経由してレジスト前ローラ33とレジストローラ32との間に再合流する。
【0032】
ピックアップローラ31は、給紙トレイ18の端部近傍に備えられ、給紙トレイ18から用紙を1枚ずつ用紙搬送経路200に供給する呼び込みローラである。レジストローラ32は、給紙トレイ18から搬送されている用紙を一旦保持し、感光体ドラム13上のトナー像の先端と用紙の先端とを合わせるタイミングで用紙を転写ローラ26aに搬送する。レジスト前ローラ33は、用紙の搬送を促進補助するための小型のローラである。
【0033】
定着装置10は、ベルト定着方式とされており、複数の回転部材を備えている。回転部材としての定着ローラ41および加熱ローラ42には、回転部材としての定着ベルト43が懸架されている(後述する
図2参照)。
【0034】
この定着装置10では、定着ベルト43を介して定着ローラ41に加圧ローラ44が押圧される。定着装置10では、未定着のトナー像が形成された用紙を受け取り、用紙を定着ベルト43と加圧ローラ44との間に挟み込んで搬送する。定着後の用紙は、排紙ローラ34によって排紙トレイ19上に排出される。
【0035】
用紙の表面だけでなく、裏面に画像形成を行う場合、用紙を排紙ローラ34から反転経路202へと逆方向に搬送して、用紙の表裏を反転させ、用紙をレジストローラ32へと再度導き、表面と同様にして裏面に画像形成を行い、用紙を排紙トレイ19へと搬出する。
【0036】
なお、4つの画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdのうち少なくとも1つを用いて、モノクロ画像を形成し、モノクロ画像を中間転写ベルト装置16の中間転写ベルト21に転写することも可能である。このモノクロ画像も、カラー画像と同様に、中間転写ベルト21から用紙に転写され、定着される。
【0037】
-定着装置の基本構成-
次に、本発明の実施形態1に係る定着装置10の詳細な構成について説明する。
【0038】
図2は、実施形態1に係る定着装置10の概略断面図である。定着装置10は、回転部材としての定着ローラ41、加熱ローラ42、定着ベルト43、および加圧ローラ44が、ハウジング50に収納された構成を有する。定着装置10では、定着ローラ41および加熱ローラ42に懸架された定着ベルト43を介して、定着ローラ41とこれに圧接する加圧ローラ44とで用紙Pを挟持し、用紙Pに形成されたトナー像を定着させる。
【0039】
定着ローラ41は、図示しない駆動部に接続された円柱状のローラであって、ステンレス鋼で形成された芯金と、芯金の周囲にシリコンスポンジゴムで形成された弾性層とを備えている。
【0040】
加熱ローラ42は、内部に複数の加熱部材45が設けられたローラであって、加熱部材45を覆う熱伝導層46を備えている。加熱部材45は、例えば、ハロゲンランプなどのランプヒータとされている。加熱部材45から放射される熱は、熱伝導層46を通じて、加熱ローラ42の全体を加熱する。加熱部材45としてランプヒータを用いることで、定着ベルト43を広範囲にわたって加熱することができる。また、安価なランプヒータを用いることで、定着装置10の低コスト化を図ることができる。
【0041】
加圧ローラ44は、鉄合金(STKM)で形成された芯金と、芯金の周囲にシリコンソリッドゴムで形成された弾性層と、弾性層の周囲にPFAチューブで形成された離型層等を備えている。加圧ローラ44は、定着ベルト43を介して定着ローラ41に対向する位置に配置されている。
【0042】
定着ベルト43は、無端状のベルトであって、例えばポリイミドで形成された基材と、シリコンゴムで形成された弾性層と、PFAチューブで形成された離型層とが、内側から順に積層された構成を有する。定着ベルト43は、矢符Dの方向へ周回移動する。
【0043】
定着ローラ41、加熱ローラ42、定着ベルト43、および加圧ローラ44といった回転部材は、ハウジング50の内部に納められている。定着ローラ41、加熱ローラ42、および加圧ローラ44は、回転軸方向Xに沿うように配置され、定着ベルト43はベルト幅方向が回転軸方向Xに沿う方向とされている。
【0044】
ハウジング50は、例えば難燃性合成樹脂系材料からなり、定着ローラ41、加熱ローラ42、定着ベルト43、および加圧ローラ44の全体を囲んで覆うように構成されている。ハウジング50には、用紙Pが通過する用紙搬送経路200上に、入紙口51と出紙口52が設けられており、入紙口51にはガイド部材53が備えられている。これにより、ハウジング50内には、用紙搬送経路200の加圧ローラ44側に、ハウジング50、加圧ローラ44、およびガイド部材53に概ね取り囲まれた空間が形成されている。
【0045】
定着ローラ41の近傍には、定着ローラ41の回転軸方向Xに沿って剥離部材54が配置されている。剥離部材54は、定着ローラ41に接触している用紙Pを剥離し、出紙口52へ導く。剥離部材54は、定着ローラ41の同じ部分に当接することを防止するために、揺動可能に設けられてもよい。定着ベルト43は、ハウジング50内に配設されたベルト支持部材55に支持されている。
【0046】
-仕切部材-
図2に示すように、ハウジング50内には、回転部材の1つである加圧ローラ44と、ハウジング50の内面との間を仕切る仕切部材60が配設されている。仕切部材60は、例えば亜鉛メッキ鋼板などの金属製の板状体とされている。この仕切部材60は、加圧ローラ44に面するように配設されるととともに、加圧ローラ44の回転軸方向Xに沿って配設されている。
【0047】
本実施形態において、加圧ローラ44に面して設けられる仕切部材60は、加圧ローラ44の配置形態に合わせて設けられている。
図2に示す例では、仕切部材60は、上部板61と下部板62とを備えて、加圧ローラ44の近傍に配置され、加圧ローラ44の外面形状に沿うように屈曲した形状に形成されている。
【0048】
下部板62は、ハウジング50内に上下方向Zに沿って配置されている。上部板61は、下部板62の上端部に、下部板62に対して屈曲するように接続され、加圧ローラ44の外面に沿うように斜め上方に傾斜して配置されている。下部板62の下方には、ハウジング50の内面との間に開口部63が設けられている。このような仕切部材60は、図中の回転軸方向Xには、加圧ローラ44の回転軸方向Xの長さと同等の長さまたは同等以上の長さを有している。
【0049】
ハウジング50に仕切部材60が設けられることによって、ハウジング50の内面と加圧ローラ44との間の空間が仕切られている。仕切部材60において、加圧ローラ44に面する側面を第1側面601とし、第1側面601の反対側の面であってハウジング50の内面に面する側面を第2側面602とする。この場合、仕切部材60の第1側面601と、加圧ローラ44の外面との左右方向Yにおける距離は、仕切部材60の第2側面602とハウジング50の内面までの左右方向Yの距離よりも、小さくなるように仕切部材60が設けられている。
【0050】
これにより、定着装置10のハウジング50内には、仕切部材60の第1側面601と加圧ローラ44との間に第1空間501が形成され、仕切部材60の第2側面602とハウジング50との間に第2空間502が形成されている。仕切部材60は、加圧ローラ44の周囲空気を第1空間501で対流させるように作用し、また第1空間501と第2空間502との対流も少なく抑えるように作用する。
【0051】
仕切部材60は、加圧ローラ44に面する第1側面601に断熱部材71を備えている。
図2に示す形態では、断熱部材71は、仕切部材60の下部板62の第1側面601に添設されている。断熱部材71は、仕切部材60と同様に、図中の回転軸方向Xには、加圧ローラ44の回転軸方向Xの長さと同等の長さまたは同等以上の長さを有している。これにより、仕切部材60によって仕切られた第1空間501は、第2空間502よりもさらに狭小な空間となされている。
【0052】
断熱部材71には、耐熱性を有するフェルトや発泡スポンジを用いることができる。耐熱性を有するフェルトとしては、例えば炭化耐炎繊維を交絡させて形成され、難燃性および断熱効果を備えた耐熱性フェルトが好ましい。また、断熱部材71には、シリカエアロジェルをファイバーに含侵したシート状に加工された断熱シートや多孔質マットであって、熱伝導率が0.01~0.035W/mKであるものも使用することができる。
【0053】
断熱部材71の熱伝導率は、耐熱性フェルトであれば0.015~0.06W/mKとされることが好ましく、耐熱性発泡スポンジあるいは発泡フォームであれば0.03~0.15W/mKとされることが好ましい。発泡フォームであれば、例えばポリイミドをベースとした発泡フォーム材であって、空隙率50~95%、熱伝導率0.035~0.044W/mKであるものを用いることができる。
【0054】
断熱部材71の厚さT2(仕切部材60の第1側面601からの突出厚さ)は、加圧ローラ44との間に所定の間隔が設けられる厚さとされている。いずれも、断熱部材71から仕切部材60にかけて、熱貫流率が小さくなる構成とされている。
【0055】
図2に示すように、加圧ローラ44の回転中心軸を含み左右方向Yに延びる仮想平面Lを想定し、断熱部材71と加圧ローラ44との間隔を、回転軸方向Xと直交する方向(この場合、左右方向Y)に規定したとき、断熱部材71と加圧ローラ44との当該間隔は、仮想平面L上で最も狭くなる。この最も狭くなる位置で、断熱部材71と加圧ローラ44とのギャップ(間隔)Gが形成されている。ギャップGは、断熱部材71の厚さT2よりも小さくなるように設けられている。
【0056】
断熱部材71は、ギャップGが設けられる仮想平面Lよりも下方に、より広い表面積を有するように配設されている。断熱部材71と加圧ローラ44との間のギャップGは、このように断熱部材71の厚さT2よりも小さく形成されることで、加圧ローラ44の周囲に広く熱対流が生じるのを阻害する作用をなす。また、ギャップGは、熱対流する空気の流路となるが、断熱性を有し、かつ流路抵抗を大きくして、流体である空気の流れを抑える目的も有する断熱部材71により狭められていることで、仮想平面Lより下方に、熱対流を生じさせるとともに、放射熱が上昇するのを抑制するものとなり、熱拡散を抑えることができる。
【0057】
ハウジング50内のギャップGより下方の第1空間501において、断熱部材71と加圧ローラ44との間には熱の滞留領域Sが形成される。滞留領域Sによって、加圧ローラ44の周囲空気の温度低下が抑えられ、熱損失を減少させることができる。
【0058】
また、ギャップGより下方の第1空間501において熱対流する空気の一部は、仕切部材60の開口部63から第2空間502へ移動し、第2空間502を上昇する。しかし、開口部63は仕切部材60の下部に設けられて、加圧ローラ44からは距離を有するので、加圧ローラ44の熱損失に影響を及ぼすものとはならない。
【0059】
以上のような定着装置10を備える画像形成装置1は、用紙Pに対して多色および単色の画像を形成するカラー画像形成装置であるに限られず、モノクロ画像を形成する画像形成装置であってもよい。モノクロ画像形成装置の場合、加圧ローラ44は、芯金の周囲の弾性層にシリコンスポンジが用いられることが好ましい。この場合にも、本実施形態の構成と同様に、加圧ローラ44に面して仕切部材60および断熱部材71を設けることで、消費電力を低減する効果を得られる。
【0060】
なお、仕切部材60に断熱部材71を設けて熱対流を抑制する構成は、断熱部材における多様な形態により実現することができる。そのような形態の例を以下に示す。
【0061】
(実施例1)
図3は、実施例1に係る定着装置10の仕切部材60と断熱部材71とを模式的に示す断面図であり、
図4は、
図3の仕切部材60と断熱部材71とを拡大して示す部分断面図である。
【0062】
実施例1に係る定着装置10の仕切部材60と断熱部材71との構成は、
図2に示したものと同様のものとされている。断熱部材71は、仕切部材60の下部板62の第1側面601に備えられ、加圧ローラ44とのギャップGよりも下方に、広く配設されている。
【0063】
仕切部材60は、亜鉛メッキ鋼板からなり、厚さT1が0.3mmとされている。この亜鉛メッキ鋼板の熱伝導率は53W/mKとされる。
【0064】
これに対して、断熱部材71は、熱伝導率が0.04W/mKである耐熱性フェルトにより形成されている。加圧ローラ44との間に形成されるギャップGは、1.5mmとされている。この場合、断熱部材71は、厚さT2が、2mmとされている。
【0065】
断熱部材71には、加圧ローラ44側から、対流に伴う熱流体(周囲空気)から熱が伝わる。断熱部材71は、前記のとおり熱伝導率が小さく、熱貫流率が低いので、仕切部材60への熱移動は小さく抑えられる。これにより、仕切部材60を設けることによる熱損失は極めて小さく抑えられる。加圧ローラ44の周囲空気の対流方向は、上下方向Zに沿う方向となるが、ギャップGが小さいので、ギャップGの上方への熱移動を効果的に抑制することができる。
【0066】
また、仕切部材60に比べて、断熱部材71のほうが熱貫流率を小さく構成することで、熱対流抑制による損失と、仕切部材60への熱移動による損失を、効果的、かつ同時に低減でき、消費電力低減に効果を発揮する。
【0067】
(実施例2)
図5は、実施例2に係る定着装置10の仕切部材60と断熱部材71とを模式的に示す断面図であり、
図6は、
図5の仕切部材60と断熱部材71とを拡大して示す部分断面図である。
【0068】
実施例2は、実施例1に示した構成に対し、断熱部材71として、厚み方向(左右方向Y)に積層された異なる熱伝導率の複数の断熱材層を有する点に特徴がある。図示するように、断熱部材71は、2層の断熱材層72、73を有する。
【0069】
2層の断熱材層72、73は、どちらも実施例1で示した断熱部材71と同様の耐熱性フェルトからなる。
図6に示すように、断熱材層72は、厚さT3が2mmとされ、熱伝導率が0.052W/mKとされている。これに対して、断熱材層73は、厚さT4が1mmとされ、熱伝導率が0.04W/mKとされている。
【0070】
断熱材層72、73それぞれの厚みも考慮すると、断熱材層72の熱伝導率を小さく、断熱材層73の熱伝導率を大きい構成も可能である。これは、熱貫流率に置き換えて、熱の移動のし難さを指標として考えると成り立ち、コストや損失などトータルバランスを考えて、熱伝導率と厚さを適宜選択することが可能である。
【0071】
断熱部材71は、このような2層積層構造であることによって、合計3mmの厚さを有し、加圧ローラ44との間に形成されるギャップGを、0.5mmと極めて小さいものとすることができる。
【0072】
断熱材層72、73は、厚さT3、T4をそれぞれ異ならせて積層されることによって、加圧ローラ44側に配置された断熱材層72よりも、仕切部材60側に配置された断熱材層73の方が、熱伝導率が小さくなるように構成される。断熱材層72、73の熱貫流率は、加圧ローラ44側に配置された断熱材層72よりも、仕切部材60側に配置された断熱材層73の方が低いものとされる。
【0073】
すなわち、多層に構成される断熱材層72、73の熱伝導率の選定に際して、傾斜を設け、加圧ローラ44側からの熱移動をはじめに阻害する。こうすることで、比較的、薄く、かつ低熱容量で断熱材層を構成しつつ、断熱材層72、73と、仕切部材60を含めた全体で、熱貫流率を小さくすることができる。
【0074】
これにより、断熱部材71には、加圧ローラ44側から断熱材層72に、対流に伴う熱流体(周囲空気)から熱が伝わる。断熱材層72は熱伝導率が小さく、熱貫流率が低いので、断熱材層73への熱移動は小さく抑えられる。断熱材層73はさらに熱伝導率が小さく、熱貫流率が低いので、断熱材層73から仕切部材60への熱移動は極めて小さく抑えられる。これにより、熱損失は小さく抑えられ、ギャップGから上方への熱移動も効果的に抑制することができる。
【0075】
なお、断熱部材71は、2層積層構造であるに限られず、3層以上の積層構造であってもよい。また、複数の断熱材層72、73…は、共通の材質からなる構成であるに限らず、異なる複数の耐熱性部材が積層されてもよい。例えば、断熱材層72は耐熱性発泡スポンジとされ、断熱材層73は耐熱性発泡スポンジよりも熱伝導率の小さい耐熱性フェルトとされてもよい。なお、仕切部材60に比べて、断熱材層72、73は、熱貫流率が小さい構成とされることで、仕切部材60への熱移動を抑制することが可能となる。
【0076】
(実施例3)
図7は、実施例3に係る定着装置10の仕切部材60および断熱部材74、75を模式的に示す断面図である。
【0077】
実施例3は、実施例1に示した構成に加えて、仕切部材60の上部板61に第2の断熱部材75を設けた点に特徴を有する。第1の断熱部材74は、実施例1に示した断熱部材71と共通する構成であり、下部板62の第1側面601に添設されている。第2の断熱部材75は、仕切部材60の上部板61の第1側面601に添設されている。
【0078】
第1および第2の断熱部材74、75は、共通の材質からなる構成であっても、異なる材質からなる構成であってもよい。図示する例では、第1および第2の断熱部材74、75は、共通の耐熱性フェルトからなり、共通の厚さを有している。
【0079】
これにより、加圧ローラ44の側部上方に第2の断熱部材75が配設されて、加圧ローラ44の上方への熱移動を、さらに効果的に抑えることができる。
【0080】
(実施例4)
図8(a)および
図8(b)は、実施例4に係る定着装置10の仕切部材60および断熱部材76、77を模式的に示す断面図である。
【0081】
実施例4に係る定着装置10は、
図3に示した実施例1に係る定着装置10の断熱部材71と比べて、仕切部材60の第1側面601の下方寄りに断熱部材76、77が配設された構成を有する。
【0082】
図8(a)に示す例では、下部板62の断熱部材76は、厚み方向(左右方向Y)に突出させた凸部761を有しており、加圧ローラ44との間を狭めるように設けられている。凸部761は、断熱部材76における上下方向Zの下側に設けられている。断熱部材76は、耐熱性フェルトにより形成されていることが好ましい。
【0083】
また、
図8(b)に示す例では、下部板62の断熱部材77は、左右方向Yにさらに厚みを有する構成であり、加圧ローラ44の外面に沿う方向に傾斜する斜面771を備えている。この場合、断熱部材77は、耐熱性発泡スポンジにより形成されていることが好ましい。
【0084】
このように構成されていることにより、加圧ローラ44と断熱部材76、77との間は狭くなり、ハウジング50内で熱を滞留させ、加圧ローラ44を保温することが可能となる。
【0085】
(実施例5)
図9(a)および
図9(b)は、実施例5に係る定着装置10の仕切部材60および断熱部材78、79を模式的に示す断面図である。実施例5に係る定着装置10は、断熱部材78、79の表面性状に特徴を有している。
【0086】
図9(a)に示す例では、耐熱性フェルトまたは耐熱性発泡スポンジからなる断熱部材78において、加圧ローラ44に面する表面側に、高反射性シート781が備えられている。高反射性シート781には、例えばガラスクロスにアルミ箔が貼着された遮熱性シート材等を用いることができる。これにより、断熱部材78に対して、優れた耐熱性および遮熱性を備えさせることができ、仕切部材60への熱移動を抑制するとともに、加圧ローラ44を効果的に保温することが可能となる。
【0087】
また、
図9(b)に示すように、断熱部材79は、加圧ローラ44に面する表面に粗面791が形成された構成であってもよい。断熱部材79に粗面791が設けられていることによって、断熱部材79の表面に沿った空気の流れを阻害し、加圧ローラ44の周囲空気の対流を抑制して、加圧ローラ44を保温することが可能となる。
【0088】
(実施形態2)
図10は、本発明の実施形態2に係る定着装置10の概略断面図である。前記実施形態1に係る定着装置10では、回転部材としての加圧ローラ44と、ハウジング50の内面との間に、仕切部材60を設けた構成を示した。実施形態2に係る定着装置10では、かかる構成に加えて、回転部材としての定着ベルト43とハウジング50の内面との間にも仕切部材が設けられている。
【0089】
図10に示すように、ハウジング50内には、回転部材としての無端状の定着ベルト43が、定着ローラ41と加熱ローラ42とに懸架されて設けられている。定着ローラ41は、定着ベルト43を介して加圧ローラ44に圧接される。定着ベルト43は、加熱ローラ42の加熱部材45により加熱される。
【0090】
定着ベルト43は、ベルト支持部材55によりハウジング50内に支持されている。ベルト支持部材55は、ハウジング50の内面と定着ベルト43との間に備えられ、定着ベルト43の外面を取り囲むように配設されている。実施形態2に係る定着装置10では、定着ベルト43の周囲空気の温度低下を抑制するために、ベルト支持部材55が本発明における仕切部材をも兼ねた構成とされている。
【0091】
ハウジング50内におけるもう一つの仕切部材としてのベルト支持部材55には、定着ベルト43に面して、断熱部材81が備えられている。
図10に示す例では、ベルト支持部材55は、定着ベルト43に沿って定着ベルト43の上方に略左右方向Yに延びる上板部551を有するとともに、上板部551の端部から上下方向に延びる側板部552を有する。
【0092】
また、ベルト支持部材55は、図中の回転軸方向Xには、定着ベルト43の幅(回転軸方向Xの部材長さ)と同等の長さまたは同等以上の長さを有している。これにより、ベルト支持部材55は、定着ベルト43および加熱ローラ42の側方を取り囲むように屈曲した断面形状に形成されてハウジング50内に配設されている。
【0093】
ベルト支持部材55の側板部552の下方には、開口部56が設けられている。また、定着ベルト43の下方には、ハウジング50に支持部材58が立ち上げ形成されて、定着ベルト43の温度を検出する温度センサとしてのサーミスタ57が備えられている。
【0094】
断熱部材81は、上板部551における定着ベルト43に面する下面側と、側板部552における定着ベルト43に面する内側面に添設されている。断熱部材81は、ベルト支持部材55と同様に、図中の回転軸方向Xには、定着ベルト43の幅と同等の長さまたは同等以上の長さを有している。
【0095】
この断熱部材81は、前記実施形態1にて示した構成のものと同様の構成とされてよく、耐熱性フェルトや耐熱性発泡スポンジが用いられることが好ましい。例えば、断熱部材81は、熱伝導率が0.04~0.15W/mK、厚さが2mmである耐熱性フェルトにより形成され、定着ベルト43の間に形成される隙間は1~2mmとなるように配設されている。
【0096】
定着ベルト43が矢符Dの方向へ周回移動するのに伴って、定着ベルト43とベルト支持部材55との間は、熱対流する空気の流路となるが、断熱部材81により狭められるとともにベルト支持部材55への熱移動が抑制される。そのため、定着ベルト43の周囲で熱対流を生じさせ、熱拡散を抑えることができる。
【0097】
加熱ローラ42の側部では、断熱部材81と、加熱ローラ42外面の定着ベルト43との間の空間が狭められている。特に、加熱ローラ42の下方には、断熱部材81と定着ベルト43との間に、熱の滞留領域Sが形成される。これにより、定着ベルト43の周囲空気の温度低下が抑えられ、熱損失を減少させることができる。
【0098】
定着ベルト43の周囲で熱対流する空気の一部は、ベルト支持部材55の下方の開口部56から移動し、ハウジング50とベルト支持部材55との間を上昇する。開口部56は下方に設けられて、定着ベルト43からは距離を有するので、定着ベルト43の熱損失に影響を及ぼすものとはならない。
【0099】
以上のように構成される本発明に係る定着装置10および画像形成装置1では、加圧ローラ44や定着ベルト43等の回転部材から、ハウジング50への熱放射が抑制され、回転部材の周囲に熱を滞留させることが可能となる。これにより、加圧ローラ44や定着ベルト43等の回転部材の表面からの熱損失を低減することが可能となり、定着待機中の温度低下を防ぐことで昇温時間を短縮でき、その結果、画像形成装置1における消費電力の削減が可能となる。
【0100】
なお、本発明において、断熱部材が設けられる仕切部材は、ハウジング内の回転部材であればいずれの部材とハウジングとの間に設けられてもよい。また、仕切部材の形状および配置等も、前記実施形態に示した構成であるに限られず、どのように設けられてもよい。そのため、前記実施形態は例示であって、限定的なものではない。本発明は、請求項に示される範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0101】
1 画像形成装置
10 定着装置
41 定着ローラ(回転部材)
42 加熱ローラ(回転部材)
43 定着ベルト(回転部材)
44 加圧ローラ(回転部材)
50 ハウジング
55 ベルト支持部材
60 仕切部材
61 上部板
62 下部板
63 開口部
601 第1側面
602 第2側面
71 断熱部材