IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シャープ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-発光装置 図1
  • 特許-発光装置 図2
  • 特許-発光装置 図3
  • 特許-発光装置 図4
  • 特許-発光装置 図5
  • 特許-発光装置 図6
  • 特許-発光装置 図7
  • 特許-発光装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/02208 20210101AFI20230711BHJP
   H01L 23/02 20060101ALI20230711BHJP
【FI】
H01S5/02208
H01L23/02 F
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019079960
(22)【出願日】2019-04-19
(65)【公開番号】P2020178065
(43)【公開日】2020-10-29
【審査請求日】2022-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】後藤 清人
(72)【発明者】
【氏名】瀧澤 裕二
(72)【発明者】
【氏名】山口 一平
【審査官】高椋 健司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/030486(WO,A1)
【文献】特開平11-097804(JP,A)
【文献】特開2013-222726(JP,A)
【文献】特開2004-111571(JP,A)
【文献】特開昭63-025988(JP,A)
【文献】米国特許第04953006(US,A)
【文献】特開2015-041654(JP,A)
【文献】特開2014-150098(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00 - 5/50
H01L 21/54
H01L 23/00 -23/04
H01L 23/06 -23/10
H01L 23/16 -23/26
H01L 31/00 -31/02
H01L 31/0232
H01L 31/0248
H01L 31/0264
H01L 31/08
H01L 31/10
H01L 31/107 -31/108
H01L 31/111
H01L 31/18
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に搭載されたサブマウントと、
前記サブマウント上に搭載された半導体レーザ素子と、
前記基板上で前記サブマウントおよび前記半導体レーザ素子を覆って配置される封止蓋と、
前記半導体レーザ素子と電気的に接続された端子部とを備え、
前記基板の接合部と前記封止蓋は第1半田材料で接合されており、
前記基板は、凹部を有し、
前記封止蓋は、底部を有し、
前記凹部と前記底部とが互いに嵌合して配置され
前記端子部は、前記基板または前記封止蓋を貫通して設けられていることを特徴とする発光装置。
【請求項2】
請求項1に記載の発光装置であって、
前記半導体レーザ素子を複数備えることを特徴とする発光装置。
【請求項3】
請求項1に記載の発光装置であって、
前記封止蓋の上面または側面には、前記半導体レーザ素子が出射した光を透過する窓部が設けられていることを特徴とする発光装置。
【請求項4】
請求項1に記載の発光装置であって、
前記半導体レーザ素子と前記サブマウントは第2半田材料で接合されており、
前記第1半田材料の融点は、前記第2半田材料の融点よりも低いことを特徴とする発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置に関し、特に半導体レーザ素子を用いた発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から光を照射する光源装置として、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)や半導体レーザ素子などの半導体発光素子を用いるものが提案されている。特に、半導体レーザ素子を用いる光源装置は、光通信用途や光ピックアップ用途、センサ用途、照明用途などの多岐にわたって用いられている。
【0003】
半導体レーザ素子を用いた光源装置では、半導体レーザ素子の劣化防止や安定した駆動のために、封止蓋であるキャップで半導体レーザ素子を封止して外気や水分の侵入を防止している(例えば特許文献1~3を参照)。
【0004】
特許文献1,2に記載された従来技術では、ステム上に半導体レーザ素子が搭載され、半導体レーザ素子を覆ってキャップがステムに電気抵抗溶接で取り付けられている。また、特許文献3に記載された従来技術では、ステムとキャップの固定は電気抵抗溶接に限定されず、シーム溶接や半田溶接を用いることができると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-28657号公報
【文献】特開2011-92986号公報
【文献】特開2013-222726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし特許文献1~3に記載された従来技術では、キャップとステムを電気抵抗溶接で固定しているため、パッケージサイズが大きな光源装置では溶接に必要な電流値が大きくなってしまうという問題があった。また、電気抵抗溶接の際にキャップに高負荷が加わるため、光を取り出す窓部のガラス等に歪みが加わりやすいという問題もあった。また特許文献3にはシーム溶接でキャップとステムを固定することが記載されているが、シーム溶接では溶接に必要な時間が長いため製造時間の短縮をすることが困難であるという問題があった。
【0007】
さらに特許文献1~3では、機械的な固定と気密封止を十分に行うために、キャップの底部をフランジ状に折り曲げて形成し、キャップ底部とステムとの接触面積を大きくする必要があり、光源装置の小型化に限界があった。
【0008】
そこで上述した課題を解決するために本発明は、機械的な固定と気密封止を十分に行うことができ、かつ溶接に必要な面積を低減することが可能な発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明の発光装置は、基板と、前記基板上に搭載されたサブマウントと、前記サブマウント上に搭載された半導体レーザ素子と、前記基板上で前記サブマウントおよび前記半導体レーザ素子を覆って配置される封止蓋を備え、前記基板の接合部と前記封止蓋は第1半田材料で接合されており、前記基板は、凹部を有し、前記封止蓋は、底部を有し、前記凹部と前記底部とが互いに嵌合して配置されていることを特徴とする。
【0010】
上記構成によれば、第1半田材料との接合面積が大きくなり機械的な固定と気密封止を十分に行うことができ、かつ溶接に必要な基板上の面積を低減することが可能となる。
【0011】
また本発明の一態様では、前記半導体レーザ素子を複数備える。
【0012】
また本発明の一態様では、前記半導体レーザ素子と電気的に接続された端子部を備え、前記端子部は、前記基板または前記封止蓋を貫通して設けられている。
【0013】
また本発明の一態様では、前記封止蓋の上面または側面には、前記半導体レーザ素子が出射した光を透過する窓部が設けられている。
【0014】
また本発明の一態様では、前記半導体レーザ素子と前記サブマウントは第2半田材料で接合されており、前記第1半田材料の融点は、前記第2半田材料の融点よりも低い。
【発明の効果】
【0016】
本発明の光源装置およびその製造方法によれば、機械的な固定と気密封止を十分に行うことができ、かつ溶接に必要な面積を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1実施形態に係る発光装置10の概略を示す模式図である。
図2】発光装置10の変形例を示す模式図であり、図2(a)は水平方向に光を出射する例を示し、図2(b)はミラーを用いて垂直方向に光を出射する例を示し、図2(c)は半導体レーザ素子16を縦方向に搭載して垂直方向に光を出射する例を示している。
図3】第2実施形態に係る発光装置20の概略を示す模式図である。
図4】第3実施形態に係る発光装置30の概略を示す模式図である。
図5】発光装置30の変形例を示す模式図であり、図5(a)は肉厚部31bを形成する例を示し、図5(b)は断面矩形状の凹部31cを形成する例を示し、図5(c)は断面半円形状の凹部31dを形成する例を示し、図5(d)は断面三角形状の凹部31eを形成する例を示している。
図6】発光装置30の変形例を示す模式図であり、図6(a)は側壁部31a上に突起部39aを形成する例を示し、図6(b)は側壁部31a上に断面矩形状の凹部39bを形成する例を示し、図6(c)は側壁部31a上に断面半円形状の凹部39cを形成する例を示し、図6(d)は側壁部31a上に断面三角形状の凹部39dを形成する例を示している。
図7】発光装置30の変形例を示す模式図であり、図7(a)は封止蓋32に突起部41aを形成する例を示し、図7(b)は封止蓋32に断面矩形状の凹部41bを形成する例を示し、図7(c)は封止蓋32に断面半円形状の凹部41cを形成する例を示し、図7(d)は封止蓋32に断面三角形状の凹部41dを形成する例を示している。
図8】第4実施形態に係る発光装置の概略を示す図であり、図8(a)は封止蓋12を取り外した状態における模式平面図であり、図8(b)は封止蓋12の模式平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1実施形態>
以下、本発明に係る実施の形態を、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。図1は、第1実施形態に係る発光装置10の概略を示す模式図である。
【0019】
図1に示すように本実施形態の発光装置10は、基板11と封止蓋12を有し、基板11に設けられた貫通孔13に端子部14a,14bが挿入されている。また基板11上にはサブマウント15が搭載され、サブマウント15上には半導体レーザ素子16が搭載されている。また、端子部14aとサブマウント15の間は金属ワイヤ17aで電気的に接続され、端子部14bと半導体レーザ素子16の間は金属ワイヤ17bで電気的に接続されている。基板11と封止蓋12とは第1半田材料18で接合されている。
【0020】
基板11は、一方の面上にサブマウント15を搭載し、封止蓋12が固定される略板状の部材である。基板11を構成する材料は限定されないが、熱伝導性が良好な金属材料を用いることが好ましい。また基板11には複数の貫通孔13が形成されており、貫通孔13には端子部14a,14bが裏面側から表面側に挿入され、貫通孔13と端子部14a,14bの間隙にはガラス等が充填されてハーメチックシールが施されている。
【0021】
図1に示すように基板11の封止蓋12を固定する位置の近傍には、突起部11aが形成されている。突起部11aは基板11の一部が高さ方向に突出して形成された部分であり、封止蓋12の側面に近接して設けられている。本実施形態の突起部11aは、本発明における接合部に相当している。
【0022】
封止蓋12は、基板11の一方の面上に取り付けられ、端子部14a,14b、サブマウント15および半導体レーザ素子16を覆う蓋状の部材である。図1では封止蓋12として略円筒状の側壁と天面を有するキャップ形状のものを示したが、形状は限定されない。図1に示すように封止蓋12の底部は、第1半田材料18を用いて基板11に接合されている。封止蓋12を構成する材料は限定されないが、第1半田材料18を用いて基板11に接合するためには半田濡れ性が良好な金属材料を用いることが好ましい。また、図1では図示を省略しているが、図2に示すように封止蓋12の一部に開口部を形成し、半導体レーザ素子16が出射した光を透過する窓部19a,19bを設けている。
【0023】
貫通孔13は、基板11に設けられた孔であり、その直径は端子部14a,14bより少し大きく形成されている。上述したように貫通孔13には端子部14a,14bが基板11の裏面側から表面側に挿入され、貫通孔13と端子部14a,14bの間隙にはガラス等が充填されてハーメチックシールが施されている。
【0024】
端子部14a,14bは、基板11の裏面側から表面側に挿入された導電性の部材であり、発光装置10の外部から半導体レーザ素子16に対して電力と信号を供給する。図1に示した例では、端子部14a,14bとして金属製の棒状部材であるリード端子を示したが、形状や材料は限定されない。
【0025】
サブマウント15は、基板11の表面に搭載された熱伝導性の良好な部材であり、上面に半導体レーザ素子16が搭載されている。サブマウント15を構成する材料は限定されないが、熱伝導性が良好で絶縁性の材料を用いることが好ましく、例えばSiやセラミック、金属材料の表面に絶縁膜を形成したものを用いるとしてもよい。また、サブマウント15の上面には配線パターンが形成されており、配線パターン上に半導体レーザ素子16がマウントされるとともに、配線パターンの一部に金属ワイヤ17aがボンディングされている。
【0026】
半導体レーザ素子16は、電圧が印加されると所定波長のレーザ光を発振する発光素子であり、サブマウント15上の配線パターンにマウントされている。半導体レーザ素子16はサブマウント15上に第2半田材料を用いて実装されている。ここで、第2半田材料としては、例えばAu:Snの重量比が80:20で融点が280℃のAuSn半田が挙げられる。半導体レーザ素子16の上面には電極が形成されており、電極には金属ワイヤ17bがボンディングされている。
【0027】
半導体レーザ素子16の具体的な構造は限定されず、発振波長も限定されない。半導体レーザ素子16を構成する材料としては、例えばAlGaAs系やAlGaInN系、AlGaInP系、AlGaInNAs系、II-VI族系などが挙げられる。また、半導体レーザ素子16が出射するレーザ光としては、赤色、緑色、青色等の可視光や、赤外や紫外、近紫外などが挙げられる。また、半導体レーザ素子16の構造も限定されず、リッジストライプ型やメサストライプ型、DFB(Distributed FeedBack)レーザ、DBR(Distributed Bragg Refector)レーザ、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting LASER)等の公知の構造を用いるとしてよい。
【0028】
金属ワイヤ17a,17bは、端子部14a,14bとサブマウント15、半導体レーザ素子16の間を電気的に接続する線状の金属材料である。金属ワイヤ17a,17bの材料は限定されないが、例えばワイヤボンディング技術で公知の金線を用いることができる。
【0029】
第1半田材料18は、基板11と封止蓋12とを接合する半田である。図1に示したように本実施形態の発光装置10では、基板11には接合部である突起部11aが形成されており、第1半田材料18は封止蓋12の底面と基板11表面の間と、突起部11aと封止蓋12の側面の間を封止している。これにより、基板11上において第1半田材料18が塗布される領域の平面視での面積を小さくしながらも、基板11と封止蓋12の接合面積を大きくして、機械的な固定と気密封止を十分に行うことができる。また、基板11上に突起部11aが形成されていることで、封止蓋12の位置決めを容易に行うことができる。
【0030】
本実施形態の発光装置10では、基板11上にサブマウント15を搭載し、サブマウント15上に半導体レーザ素子16を第2半田材料で接合した後に、封止蓋12と基板11を第1半田材料18で接合する。したがって、第1半田材料18の材料として、サブマウント15と半導体レーザ素子16を固定している第2半田材料よりも融点が低い材料を用いる必要がある。具体的な第1半田材料18の材料は限定されないが、例えばAu:Snの重量比が10:90で融点が217℃のAuSn半田が挙げられる。第1半田材料18は、基板11の接合部に予め塗布するとしてもよく、封止蓋12の接合領域に予め塗布するとしてもよい。
図2は、発光装置10の変形例を示す模式図であり、図2(a)は水平方向に光を出射する例を示し、図2(b)はミラーを用いて垂直方向に光を出射する例を示し、図2(c)は半導体レーザ素子16を縦方向に搭載して垂直方向に光を出射する例を示している。図2(a)~(c)では、貫通孔13、端子部14a,14bおよび金属ワイヤ17a,17bは図示を省略している。
【0031】
図2(a)に示した例では、封止蓋12の側面に開口部12aが形成され、開口部12aを塞いで窓部19aが取り付けられている。窓部19aは、半導体レーザ素子16が出射した光を透過する材料で構成された略板状の部材であり、例えばガラスを用いることができる。半導体レーザ素子16から基板11の面内方向に水平に照射された光Lは、窓部19aおよび開口部12aを透過して外部に出射される。
【0032】
図2(b)に示した例では、封止蓋12の天面に開口部12bが形成され、開口部12bを塞いで窓部19bが取り付けられ、基板11上に反射鏡Mが搭載されている。図2(b)に示したように、半導体レーザ素子16から基板11の面内方向に水平に照射された光Lは、反射鏡Mの反射面で基板11に対して垂直方向に反射され、窓部19bおよび開口部12bを透過して外部に出射される。
【0033】
図2(c)に示した例では、封止蓋12の天面に開口部12bが形成され、開口部12bを塞いで窓部19bが取り付けられ、基板11の一部がステムSとして立設され、ステムSの表面に半導体レーザ素子16がマウントされている。図2(c)では図示を省略したが、ステムSと半導体レーザ素子16との間にサブマウント15を配置するとしてもよい。半導体レーザ素子16から基板11に垂直方向に照射された光は、窓部19bおよび開口部12bを透過して外部に出射される。
図2(a)~(c)に示した例でも、基板11上の突起部11aが本発明における接合部に相当し、第1半田材料18が封止蓋12の底面と基板11表面の間と、突起部11aと封止蓋12の側面の間を封止している。
【0034】
以上に述べたように、本実施形態の発光装置10および発光装置10の製造方法では、接合部である突起部11aが基板11の高さ方向に伸びる形状を有しているため、第1半田材料18との接合面積が大きくなり機械的な固定と気密封止を十分に行うことができ、かつ溶接に必要な基板上の面積を低減することが可能となる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について図3を用いて説明する。第1実施形態と重複する構成は説明を省略する。図3は、第2実施形態に係る発光装置20の概略を示す模式図である。図3では、貫通孔13、端子部14a,14bおよび金属ワイヤ17a,17bは図示を省略している。
【0035】
図3に示すように、本実施形態の発光装置20は、基板21に突起部21aが形成されており、封止蓋22が第1半田材料28で接合されており、基板21上には複数のサブマウント25a,25b,25cおよび半導体レーザ素子26a,26b,26cが搭載されている。
半導体レーザ素子26a,26b,26cを構成する材料や構造はそれぞれ異なっていてもよく、同一であってもよい。また、半導体レーザ素子26a,26b,26cは、それぞれ異なる波長のレーザ光を出射するとしてもよく、同一波長のレーザ光を出射するとしてもよい。
本実施形態の発光装置20でも、接合部である突起部21aが基板21の高さ方向に伸びる形状を有しているため、第1半田材料28との接合面積が大きくなり機械的な固定と気密封止を十分に行うことができ、かつ溶接に必要な基板上の面積を低減することが可能となる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について図4を用いて説明する。第1実施形態と重複する構成は説明を省略する。図4は、第3実施形態に係る発光装置30の概略を示す模式図である。
図4に示すように本実施形態の発光装置30は、基板31と、封止蓋32と、貫通孔33と、端子部34a,34bと、サブマウント35と、半導体レーザ素子36と、金属ワイヤ37a,37bを備えている。また、基板31の外周には側壁部31aが立設されており、側壁部31aの上部には突起部39aが高さ方向に突出して形成されている。また、側壁部31aの上部において封止蓋32とは第1半田材料38で接合されている。
【0036】
本実施形態の発光装置30においても、接合部である突起部39aが基板31の高さ方向に伸びる形状を有しているため、第1半田材料38との接合面積が大きくなり機械的な固定と気密封止を十分に行うことができ、かつ溶接に必要な基板上の面積を低減することが可能となる。
<変形例>
次に、発光装置30の変形例について図5図7を用いて説明する。第1実施形態および第2実施形態では、接合部として突起部11a,39aを用いる例を示したが、本発明における接合部の形状は突起に限定されず、様々な構造を用いることができる。
【0037】
図5は、発光装置30の変形例を示す模式図であり、図5(a)は肉厚部31bを形成する例を示し、図5(b)は断面矩形状の凹部31cを形成する例を示し、図5(c)は断面半円形状の凹部31dを形成する例を示し、図5(d)は断面三角形状の凹部31eを形成する例を示している。図5(a)~(d)では、貫通孔33、端子部34a,34b、サブマウント35、半導体レーザ素子36および金属ワイヤ37a,37bは図示を省略している。
【0038】
図5(a)に示した例では、基板31のうち封止蓋32で覆われる領域が肉厚部31bとして周辺領域よりも厚く形成されている。肉厚部31bの側壁は基板31の高さ方向に伸びる形状を有しており、本発明における接合部に相当している。図5(a)に示すように、封止蓋32の底部は肉厚部31bの側壁に沿って配置されており、第1半田材料38は肉厚部31bおよび基板31の間を封止している。
【0039】
図5(b)~(d)に示した例では、それぞれ基板31には断面矩形状の凹部31c、断面半円形状の凹部31d、断面三角形状の凹部31eが形成されており、封止蓋32の底部が嵌合する形状とされている。凹部31c~31eは少なくとも一部が基板31の高さ方向に伸びる形状を有しており、本発明における接合部に相当している。図5(b)~(d)に示すように、封止蓋32の底部は凹部31c~31eに嵌合して配置されており、第1半田材料38は凹部31c~31eとの間を封止している。
【0040】
図5(a)に示した例では、基板31の表面と肉厚部31bの側壁との間で第1半田材料38が断面L字形状に塗布されており、基板31に対する封止蓋32の位置決めを容易に行うことができる。図5(b)に示した断面矩形状の凹部31cでは、第1半田材料38が断面コの字形状に塗布されており、半田の接合面積が大きくなるため気密性を向上させることができる。図5(c)に示した断面半円形状の凹部31dでは、第1半田材料38が断面U字形状に塗布されており、封止蓋32を凹部31dに容易に嵌合させることができる。図5(d)に示した断面三角形状の凹部31eでは、第1半田材料38が断面V字形状に塗布されており、基板31に対する封止蓋32の位置決め精度が向上する。
【0041】
図6は、さらに別の発光装置30の変形例を示す模式図であり、図6(a)は側壁部31a上に突起部39aを形成する例を示し、図6(b)は側壁部31a上に断面矩形状の凹部39bを形成する例を示し、図6(c)は側壁部31a上に断面半円形状の凹部39cを形成する例を示し、図6(d)は側壁部31a上に断面三角形状の凹部39dを形成する例を示している。
【0042】
図6(a)~(d)に示した例では、基板31外周には側壁部31aが立設されており、側壁部31a上にはそれぞれ突起部39a、断面矩形状の凹部39b、断面半円形状の凹部39c、断面三角形状の凹部39dが形成されており、封止蓋32の底部が嵌合する形状とされている。突起部39a、凹部39b~39dは少なくとも一部が基板31の高さ方向に伸びる形状を有しており、本発明における接合部に相当している。図6(a)~(d)に示すように、封止蓋32の底部は突起部39a、凹部39b~39dに嵌合して配置されており、第1半田材料38は凹部31c,31d,31eとの間を封止している。
【0043】
図7は、さらに別の発光装置30の変形例を示す模式図であり、図7(a)は封止蓋32に突起部41aを形成する例を示し、図7(b)は封止蓋32に断面矩形状の凹部41bを形成する例を示し、図7(c)は封止蓋32に断面半円形状の凹部41cを形成する例を示し、図7(d)は封止蓋32に断面三角形状の凹部41dを形成する例を示している。
【0044】
図7(a)~(d)に示した例では、基板31側にそれぞれ突起部40a~40dが形成されており、封止蓋32の底部にそれぞれ突起部41a、断面矩形状の凹部41b、断面半円形状の凹部41c、断面三角形状の凹部41dが形成されている。いずれの例でも、封止蓋32の底部形状と突起部40a~40dが嵌合する形状とされている。突起部40a~40dは少なくとも一部が基板31の高さ方向に伸びる形状を有しており、本発明における接合部に相当している。図7(a)~(d)に示すように、封止蓋32の底部に形成された突起部41a、凹部41b~41dは、突起部40a~40dに嵌合して配置されており、第1半田材料38は突起部40a~40dとの間を封止している。
【0045】
図5図7に示した変形例においても、接合部が基板31の高さ方向に伸びる形状を有しているため、第1半田材料38との接合面積が大きくなり機械的な固定と気密封止を十分に行うことができ、かつ溶接に必要な基板上の面積を低減することが可能となる。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態について図8を用いて説明する。第1実施形態と重複する構成は説明を省略する。図8は、第4実施形態に係る発光装置の概略を示す図であり、図8(a)は封止蓋12を取り外した状態における模式平面図であり、図8(b)は封止蓋12の模式平面図である。
【0046】
図8に示すように、本実施形態の発光装置は、基板31上にサブマウント15と半導体レーザ素子16と反射鏡Mがマトリクス状に複数配置されている。また、封止蓋12には反射鏡Mの直上に位置する領域にそれぞれ窓部19bが設けられている。封止蓋12と基板31との接合は、第1実施形態~第3実施形態で示したものと同様である。
【0047】
本実施形態の発光装置では、複数の半導体レーザ素子16が出射する光を二次元的に外部に照射することができ、光の照射面積を大きくすることができる。
【0048】
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0049】
10,20,30…発光装置
11,21,31…基板
11a,21a,39a,40a~40d,41a…突起部
12,22,32…封止蓋
12a,12b…開口部
13,33…貫通孔
14a,14b,34a,34b…端子部
15,25a~25c,35…サブマウント
16,26a~26c,36…半導体レーザ素子
17a,17b,37a,37b…金属ワイヤ
18,28,38…第1半田材料
19a,19b…窓部
31a…側壁部
31b…肉厚部
31c~31e,39b~39d,41b~41d…凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8