(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】画像形成装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20230711BHJP
B41J 21/00 20060101ALI20230711BHJP
B41J 29/393 20060101ALI20230711BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20230711BHJP
H04N 1/387 20060101ALI20230711BHJP
【FI】
B41J29/38 202
B41J21/00 Z
B41J29/38 303
B41J29/393 105
G06F3/12 308
G06F3/12 329
G06F3/12 344
G06F3/12 355
G06F3/12 385
H04N1/387
(21)【出願番号】P 2019117689
(22)【出願日】2019-06-25
【審査請求日】2022-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168217
【氏名又は名称】大村 和史
(72)【発明者】
【氏名】長井 勇祐
【審査官】井出 元晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-262628(JP,A)
【文献】特開2017-152889(JP,A)
【文献】特開2018-196106(JP,A)
【文献】特開2016-106256(JP,A)
【文献】特開2017-121769(JP,A)
【文献】特開2009-184190(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0049949(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
H04N 1/387
B41J 21/00
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の情報処理装置から送信される、複数の文字を含む電子原稿についての情報を含む印刷情報を受信する受信部、
前記受信部で受信した、前記印刷情報から出力画像を生成する第1画像生成部、
前記印刷情報に含まれる複数の文字の各々についての複数の文字コードを含む第1文字コード集を当該印刷情報から抽出する第1抽出部、
前記出力画像に含まれる複数の文字の各々についての複数の文字コードを含む第2文字コード集を当該出力画像から抽出する第2抽出部、
前記第1文字コード集と前記第2文字コード集が一致するかどうかを判断する第1一致判断部、
前記第1文字コード集と前記第2文字コード集が異なるとき、前記第1文字コード集に含まれる不一致文字コードを含む不一致文字コード集を抽出する第3抽出部、
不一致文字コード集を抽出するとき、前記出力画像に基づいて、前記不一致文字コードに対応する不一致文字を補正した補正画像を生成する補正画像生成部、および
前記第1一致判断部の判断結果に基づいて、前記出力画像または前記補正画像を記録媒体に印刷する画像形成部を備
え、
前記出力画像は、前記印刷情報から生成される第1出力画像と、前記第1出力画像に基づいて生成される第2出力画像とを含み、さらに
前記不一致文字の補正にともない、過去に対処された前記不一致文字コードである対処済文字コードを含む第1学習情報を記憶する第1記憶部、
前記第1文字コード集を抽出するとき、前記第1文字コード集が前記対処済文字コードを含むかどうかを判断する第1対処済判断部、
前記第1文字コード集が前記対処済文字コードを含むとき、前記対処済文字コードに対応する文字が不一致文字になり得る条件を満たすかどうかを判断する不一致条件判断部、および
前記不一致条件判断部に従って、前記対処済文字コードに対応する文字が不一致文字になり得る条件を満たすとき、前記第2出力画像を生成する第3画像生成部を備え、
前記第2抽出部は、前記第2出力画像が生成されるとき、当該第2出力画像から前記第2文字コード集を抽出し、
前記画像形成部は、さらに前記不一致条件判断部の判断結果に基づいて、前記第1出力画像に代えて、前記第2出力画像を記録媒体に印刷する、画像形成装置。
【請求項2】
前記印刷情報は、前記記録媒体に印刷される文字の仕上がりに影響する動作条件についての品質動作情報を含み、
前記第1文字コード集と前記第2文字コード集が異なるとき、前記品質動作情報に従って所定の補正条件を満たすかどうかを判断する補正条件判断部をさらに備え、
前記補正画像生成部は、前記補正条件を満たすときに、前記補正画像を生成する、請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記補正画像から第3文字コード集を抽出する第4抽出部、
前記第1文字コード集と前記第3文字コード集が一致するかどうかを判断する第2一致判断部、および
前記第1文字コード集と前記第3文字コード集が一致するとき、前記第1学習情報を生成する第1情報生成部をさらに備える、請求項
1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1文字コード集と前記第3文字コード集が異なるとき、前記不一致文字コード集が前記対処済文字コードを含むかどうかを判断する第2対処済判断部、および
前記不一致文字コード集が前記対処済文字コードを含むとき、前記第1学習情報を生成する前記第1情報生成部を備える
、請求項
3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記補正画像から第3文字コード集を抽出する第4抽出部、
前記第1文字コード集と前記第3文字コード集が一致するかどうかを判断する第2一致判断部、
前記第1文字コード集と前記第3文字コード集が異なるとき、前記不一致文字コード集に含まれる前記不一致文字コードが、対処されなかった不一致文字コードである非対処文字コードかどうかを判断する非対処判断部
前記不一致文字コード集に含まれる前記不一致文字コードが前記非対処文字コードと判断されるとき、第2学習情報を生成する第2情報生成部、および
第2学習情報を外部へ送信する送信部を備える
、請求項
2記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第2情報生成部は、前記補正条件が満たされないとき、不一致文字コード集に対応する第2学習情報を生成する
、請求項
5記載の画像形成装置。
【請求項7】
外部の情報処理装置から送信される、複数の文字を含む電子原稿についての情報を含む印刷情報を受信する受信
部を備える、画像形成装置によって実行される情報処理プログラムであって、
前記画像形成装置のプロセッサに、
前記受信部で受信した、前記印刷情報から出力画像を生成する第1画像生成ステップ、
前記印刷情報に含まれる複数の文字の各々についての複数の文字コードを含む第1文字コード集を当該印刷情報から抽出する第1抽出ステップ、
前記出力画像に含まれる複数の文字の各々についての複数の文字コードを含む第2文字コード集を当該出力画像から抽出する第2抽出ステップ、
前記第1文字コード集と前記第2文字コード集が一致するかどうかを判断する第1一致判断ステップ、
前記第1文字コード集と前記第2文字コード集が異なるとき、前記第1文字コード集に含まれる不一致文字コードを含む不一致文字コード集を抽出する第3抽出ステップ、
不一致文字コード集を抽出するとき、前記出力画像に基づいて、前記不一致文字コードに対応する不一致文字を補正した補正画像を生成する補正画像生成ステップ、
および
前記第1一致判断ステップの判断結果に基づいて、前記出力画像または前記補正画像を記録媒体に印刷する画像形成ステップを実行させ、
前記出力画像は、前記印刷情報から生成される第1出力画像と、前記第1出力画像に基づいて生成される第2出力画像とを含み、そして
前記不一致文字の補正にともない、過去に対処された前記不一致文字コードである対処済文字コードを含む第1学習情報を記憶する第1記憶ステップ、
前記第1文字コード集を抽出するとき、前記第1文字コード集が前記対処済文字コードを含むかどうかを判断する第1対処済判断ステップ、
前記第1文字コード集が前記対処済文字コードを含むとき、前記対処済文字コードに対応する文字が不一致文字になり得る条件を満たすかどうかを判断する不一致条件判断ステップ、および
前記不一致条件判断部に従って、前記対処済文字コードに対応する文字が不一致文字になり得る条件を満たすとき、前記第2出力画像を生成する第3画像生成ステップをさらに実行させ、
前記第2抽出ステップでは、前記第2出力画像が生成されるとき、当該第2出力画像から前記第2文字コード集を抽出し、
前記画像形成では、さらに前記不一致条件判断部の判断結果に基づいて、前記第1出力画像に代えて、前記第2出力画像を記録媒体に印刷する、情報処理プログラム。
【請求項8】
外部の情報処理装置から送信される、複数の文字を含む電子原稿についての情報を含む印刷情報を受信する受信
部を備える、画像形成装置の情報処理方法であって、
(a)前記受信部で受信した、前記印刷情報から出力画像を生成する第1画像生成ステップ、
(b)前記印刷情報に含まれる複数の文字の各々についての複数の文字コードを含む第1文字コード集を当該印刷情報から抽出する第1抽出ステップ、
(c)前記出力画像に含まれる複数の文字の各々についての複数の文字コードを含む第2文字コード集を当該出力画像から抽出する第2抽出ステップ、
(d)前記第1文字コード集と前記第2文字コード集が一致するかどうかを判断する第1一致判断ステップ、
(e)前記第1文字コード集と前記第2文字コード集が異なるとき、前記第1文字コード集に含まれる不一致文字コードを含む不一致文字コード集を抽出する第3抽出ステップ、
(f)不一致文字コード集を抽出するとき、前記出力画像に基づいて、前記不一致文字コードに対応する不一致文字を補正した補正画像を生成する補正画像生成ステップ、
および
(g)前記第1一致判断ステップの判断結果に基づいて、前記出力画像または前記補正画像を記録媒体に印刷する画像形成ステップを含み、
前記出力画像は、前記印刷情報から生成される第1出力画像と、前記第1出力画像に基づいて生成される第2出力画像とを含み、そして
(h)前記不一致文字の補正にともない、過去に対処された前記不一致文字コードである対処済文字コードを含む第1学習情報を記憶する第1記憶ステップ、
(i)前記第1文字コード集を抽出するとき、前記第1文字コード集が前記対処済文字コードを含むかどうかを判断する第1対処済判断ステップ、
(j)前記第1文字コード集が前記対処済文字コードを含むとき、前記対処済文字コードに対応する文字が不一致文字になり得る条件を満たすかどうかを判断する不一致条件判断ステップ、および
(k)前記不一致条件判断部に従って、前記対処済文字コードに対応する文字が不一致文字になり得る条件を満たすとき、前記第2出力画像を生成する第3画像生成ステップをさらに含み、
前記第2抽出ステップ(c)では、前記第2出力画像が生成されるとき、当該第2出力画像から前記第2文字コード集を抽出し、
前記画像形成ステップ(g)では、さらに前記不一致条件判断部の判断結果に基づいて、前記第1出力画像に代えて、前記第2出力画像を記録媒体に印刷する、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は画像形成装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関し、特にたとえば、印字される文字の太さを調整することができる画像形成装置、情報処理方法および情報処理プログラムである。
【背景技術】
【0002】
この種の背景技術の画像形成装置の一例が特許文献1に開示される。この特許文献1に開示されている技術では、用紙に印字される文字が白抜き文字かどうかを判断し、白抜き文字でない場合に、文字の太さを細くする処理が実行される。また、白抜き文字と判断される場合には、文字の太さを太くする処理が実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、背景技術の画像形成装置では、文字の太さの変更は用紙に印字される全ての文字を対象として行われるため、文字の太さを太くすると、文字が潰れる場合がある。また、文字の太さを細くすると、文字の一部が消える場合がある。結果として、文字を認識し難い印刷物が出力されてしまうことがある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、画像形成装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することである。
【0006】
また、この発明の他の目的は、文字を認識し難い印刷物が出力されることを抑制することができる画像形成装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、外部の情報処理装置から送信される、複数の文字を含む電子原稿についての情報を含む印刷情報を受信する受信部、受信部で受信した、印刷情報から出力画像を生成する第1画像生成部、印刷情報に含まれる複数の文字の各々についての複数の文字コードを含む第1文字コード集を当該印刷情報から抽出する第1抽出部、出力画像に含まれる複数の文字の各々についての複数の文字コードを含む第2文字コード集を当該出力画像から抽出する第2抽出部、第1文字コード集と第2文字コード集が一致するかどうかを判断する第1一致判断部、第1文字コード集と第2文字コード集が異なるとき、第1文字コード集に含まれる不一致文字コードを含む不一致文字コード集を抽出する第3抽出部、不一致文字コード集を抽出するとき、出力画像に基づいて、不一致文字コードに対応する不一致文字を補正した補正画像を生成する補正画像生成部、および第1一致判断部の判断結果に基づいて、出力画像または補正画像を記録媒体に印刷する画像形成部を備え、出力画像は、印刷情報から生成される第1出力画像と、第1出力画像に基づいて生成される第2出力画像とを含み、さらに不一致文字の補正にともない、過去に対処された不一致文字コードである対処済文字コードを含む第1学習情報を記憶する第1記憶部、第1文字コード集を抽出するとき、第1文字コード集が対処済文字コードを含むかどうかを判断する第1対処済判断部、第1文字コード集が対処済文字コードを含むとき、対処済文字コードに対応する文字が不一致文字になり得る条件を満たすかどうかを判断する不一致条件判断部、および不一致条件判断部に従って、対処済文字コードに対応する文字が不一致文字になり得る条件を満たすとき、第2出力画像を生成する第3画像生成部を備え、第2抽出部は、第2出力画像が生成されるとき、当該第2出力画像から第2文字コード集を抽出し、画像形成部は、さらに不一致条件判断部の判断結果に基づいて、第1出力画像に代えて、第2出力画像を記録媒体に印刷する、画像形成装置である。
【0008】
第2の発明は、第1の発明に従属し、印刷情報は、記録媒体に印刷される文字の仕上がりに影響する動作条件についての品質動作情報を含み、第1文字コード集と第2文字コード集が異なるとき、品質動作情報に従って所定の補正条件を満たすかどうかを判断する補正条件判断部をさらに備え、補正画像生成部は、補正条件を満たすときに、補正画像を生成する。
【0010】
第3の発明は、第1の発明に従属し、補正画像から第3文字コード集を抽出する第4抽出部と、第1文字コード集と前記第3文字コード集が一致するかどうかを判断する第2一致判断部、および、第1文字コード集と前記第3文字コード集が一致するとき、第1学習情報を生成する第1情報生成部をさらに備える画像形成装置である。
【0011】
第4の発明は、第3の発明に従属し、第1文字コード集と第3文字コード集が異なるとき、不一致文字コード集が対処済文字コードを含むかどうかを判断する第2対処済判断部、および、不一致文字コード集が対処済文字コードを含むとき、第1学習情報を生成する前記第1情報生成部を備える画像形成装置である。
【0012】
第5の発明は、第2の発明に従属し、補正画像から第3文字コード集を抽出する第4抽出部と、第1文字コード集と前記第3文字コード集が一致するかどうかを判断する第2一致判断部と、第1文字コード集と前記第3文字コード集が異なるとき、不一致文字コード集に含まれる前記不一致文字コードが、対処されなかった不一致文字コードである非対処文字コードかどうかを判断する非対処判断部と、不一致文字コード集に含まれる不一致文字コードが非対処文字コードと判断されるとき、第2学習情報を生成する第2情報生成部、および、第2学習情報を外部へ送信する送信部を備える画像形成装置である。
【0013】
第6の発明は、第5の発明に従属し、第2情報生成部は、補正条件が満たされないとき、不一致文字コード集に対応する第2学習情報を生成する。
【0014】
第7の発明は、外部の情報処理装置から送信される、複数の文字を含む電子原稿についての情報を含む印刷情報を受信する受信部を備える、画像形成装置によって実行される情報処理プログラムであって、画像形成装置のプロセッサに、受信部で受信した、印刷情報から出力画像を生成する第1画像生成ステップ、印刷情報に含まれる複数の文字の各々についての複数の文字コードを含む第1文字コード集を当該印刷情報から抽出する第1抽出ステップ、出力画像に含まれる複数の文字の各々についての複数の文字コードを含む第2文字コード集を当該出力画像から抽出する第2抽出ステップ、第1文字コード集と第2文字コード集が一致するかどうかを判断する第1一致判断ステップ、第1文字コード集と第2文字コード集が異なるとき、第1文字コード集に含まれる不一致文字コードを含む不一致文字コード集を抽出する第3抽出ステップ、不一致文字コード集を抽出するとき、出力画像に基づいて、不一致文字コードに対応する不一致文字を補正した補正画像を生成する補正画像生成ステップ、および第1一致判断ステップの判断結果に基づいて、出力画像または補正画像を記録媒体に印刷する画像形成ステップを実行させ、出力画像は、印刷情報から生成される第1出力画像と、第1出力画像に基づいて生成される第2出力画像とを含み、そして不一致文字の補正にともない、過去に対処された不一致文字コードである対処済文字コードを含む第1学習情報を記憶する第1記憶ステップ、第1文字コード集を抽出するとき、第1文字コード集が対処済文字コードを含むかどうかを判断する第1対処済判断ステップ、第1文字コード集が対処済文字コードを含むとき、対処済文字コードに対応する文字が不一致文字になり得る条件を満たすかどうかを判断する不一致条件判断ステップ、および不一致条件判断部に従って、対処済文字コードに対応する文字が不一致文字になり得る条件を満たすとき、第2出力画像を生成する第3画像生成ステップをさらに実行させ、第2抽出ステップでは、第2出力画像が生成されるとき、当該第2出力画像から第2文字コード集を抽出し、画像形成では、さらに不一致条件判断部の判断結果に基づいて、第1出力画像に代えて、第2出力画像を記録媒体に印刷する、情報処理プログラムである。
【0015】
第8の発明は、外部の情報処理装置から送信される、複数の文字を含む電子原稿についての情報を含む印刷情報を受信する受信部を備える、画像形成装置の情報処理方法であって、(a)受信部で受信した、印刷情報から出力画像を生成する第1画像生成ステップ、(b)印刷情報に含まれる複数の文字の各々についての複数の文字コードを含む第1文字コード集を当該印刷情報から抽出する第1抽出ステップ、(c)出力画像に含まれる複数の文字の各々についての複数の文字コードを含む第2文字コード集を当該出力画像から抽出する第2抽出ステップ、(d)第1文字コード集と第2文字コード集が一致するかどうかを判断する第1一致判断ステップ、(e)第1文字コード集と第2文字コード集が異なるとき、第1文字コード集に含まれる不一致文字コードを含む不一致文字コード集を抽出する第3抽出ステップ、(f)不一致文字コード集を抽出するとき、出力画像に基づいて、不一致文字コードに対応する不一致文字を補正した補正画像を生成する補正画像生成ステップ、および(g)第1一致判断ステップの判断結果に基づいて、出力画像または補正画像を記録媒体に印刷する画像形成ステップを含み、出力画像は、印刷情報から生成される第1出力画像と、第1出力画像に基づいて生成される第2出力画像とを含み、そして(h)不一致文字の補正にともない、過去に対処された不一致文字コードである対処済文字コードを含む第1学習情報を記憶する第1記憶ステップ、(i)第1文字コード集を抽出するとき、第1文字コード集が対処済文字コードを含むかどうかを判断する第1対処済判断ステップ、(j)第1文字コード集が対処済文字コードを含むとき、対処済文字コードに対応する文字が不一致文字になり得る条件を満たすかどうかを判断する不一致条件判断ステップ、および(k)不一致条件判断部に従って、対処済文字コードに対応する文字が不一致文字になり得る条件を満たすとき、第2出力画像を生成する第3画像生成ステップをさらに含み、
第2抽出ステップ(c)では、第2出力画像が生成されるとき、当該第2出力画像から第2文字コード集を抽出し、画像形成ステップ(g)では、さらに不一致条件判断部の判断結果に基づいて、第1出力画像に代えて、第2出力画像を記録媒体に印刷する、情報処理方法である。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、ユーザが認識しづらいとされる不一致文字を補正するため、不一致文字の発生を抑制することができる。
【0017】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1はこの発明の情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は画像形成装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は情報処理装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は情報処理装置のディスプレイに表示される印刷実行画面の一例を示す図である。
【
図5】
図5は情報処理装置のディスプレイに表示されるドライバ設定画面の一例を示す図である。
【
図6】
図6は出力画像の一部の一例を示す図である。
【
図7】
図7は画像形成装置のRAMのメモリマップの一例を示す図である。
【
図8】
図8は画像形成装置のRAMのデータ記憶領域の具体的な内容の一例を示す図である。
【
図9】
図9は情報処理装置のRAMのメモリマップの一例を示す図である。
【
図10】
図10は情報処理装置のCPUの印刷指示処理の一例の一部を示すフロー図である。
【
図11】
図11は情報処理装置のCPUの印刷指示処理の一例の他の一部であって、
図10に後続するフロー図である。
【
図12】
図12は画像形成装置のCPUの印刷処理の一例の一部を示すフロー図である。
【
図13】
図13は画像形成装置のCPUの印刷処理の一例の他の一部をであって、
図12に後続するフロー図である。
【
図14】
図14は画像形成装置のCPUの印刷処理の一例のさらに他の一部をであって、
図13に後続するフロー図である。
【
図15】
図15は第2実施例の画像形成装置のCPUの印刷処理の一例の一部を示すフロー図である。
【
図16】
図16は第2実施例の画像形成装置のCPUの印刷処理の一例の他の一部であって、
図15に後続するフロー図である。
【
図17】
図17は第2実施例の画像形成装置のCPUの印刷処理の一例のさらに他の一部であって、
図16に後続するフロー図である。
【
図18】
図18は第2実施例の画像形成装置のCPUの印刷処理の一例のさらにその他の一部であって、
図17に後続するフロー図である。
【
図19】
図19は第3実施例の情報処理装置のCPUの印刷指示処理の一例の一部を示すフロー図である。
【
図20】
図20は第3実施例の画像形成装置のCPUの印刷処理の一例の一部を示すフロー図である。
【
図21】
図21は第3実施例の画像形成装置のCPUの印刷処理の一例の他の一部であって、
図20に後続するフロー図である。
【
図22】
図22は第3実施例の情報処理装置のCPUの情報記憶処理の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1実施例]
図1は、第1実施例の情報処理システム10の構成の一例を示すブロック図である。この実施例の情報処理システム10は、
図1に示すように、画像形成装置12および複数の情報処理装置14を含む。
【0020】
画像形成装置12および情報処理装置14は、ネットワークを介して間接的に、または無線通信等によって直接的に通信可能に接続される。画像形成装置12および情報処理装置14は、第1実施例では、ネットワーク16を介して接続される。また、ネットワーク16は、特に限定されておらず、たとえば、インターネットおよびLAN等の任意のものが利用可能である。
【0021】
なお、
図1に示す情報処理システム10の例では、1台の画像形成装置12がネットワーク16に接続される場合について示してあるが、画像形成装置12は2台以上接続されても良い。
【0022】
第1実施例における情報処理装置14は、携帯電話機(スマートフォンと呼ばれるものも含む)、モバイルPC(パーソナルコンピュータ)、デスクトップPCおよびこれらと同様の機能を有する情報処理装置14が該当する。
【0023】
また、情報処理装置14は、文章(テキスト)を入力、編集、印刷および閲覧することができるワードプロセッサの機能(文章作成機能)を備える。
【0024】
図2は、
図1に示す画像形成装置12の電気的な構成を示すブロック図である。画像形成装置12は、CPU20を含み、当該CPU20は、バス22を介してRAM24、記憶部26、タッチパネル制御回路28、表示制御回路30、画像形成部32および通信部34に接続される。また、タッチパネル制御回路28は、タッチパネル36に接続され、表示制御回路30は、ディスプレイ38に接続される。
【0025】
CPU20は、画像形成装置12の全体的な制御を司る。RAM24は、CPU20のワーク領域およびバッファ領域として用いられる。
【0026】
記憶部26は、画像形成装置12の主記憶装置であって、HDDおよびEPPROMのような不揮発性メモリが用いられる。また、記憶部26が、RAM24を含むように構成されてもよい。記憶部26には、CPU20が画像形成装置12の各部位の動作を制御するための制御プログラムについてのデータ、各種の画面についての画像(表示画像)のデータおよび制御プログラムの実行に必要なデータ等を記憶する。
【0027】
タッチパネル制御回路28は、タッチパネル36に必要な電圧などを付与するとともに、タッチパネル36のタッチ有効範囲内でのタッチ操作またはタッチ入力を検出して、そのタッチ入力の位置を示すタッチ座標データをCPU20に出力する。
【0028】
タッチパネル36は、汎用のタッチパネルであり、静電容量方式、電磁誘導方式、抵抗膜方式、赤外線方式など、任意の方式のものを用いることができる。この実施例では、タッチパネル36としては、静電容量方式のタッチパネルが用いられ、ディスプレイ38の表示面上にタッチパネル36が設けられる。ただし、タッチパネル36とディスプレイ38とが一体的に形成されたタッチパネルディスプレイが用いられてもよい。
【0029】
表示制御回路30は、GPUおよびVRAMなどを含んでおり、GPUは、CPU20の指示の下、RAM24に記憶された第1画像生成データ204b(
図8参照)を用いてディスプレイ38に種々の画面を表示するための表示画像データをVRAMに生成し、生成した表示画像データをディスプレイ38に出力する。ディスプレイ38としては、たとえばLCDまたはEL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどを用いることができる。
【0030】
画像形成部32は、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置および定着装置等を備え、記録媒体(たとえば、用紙およびOHPフィルムなど)上に印刷するための画像(印刷画像)を、乾式電子写真方式を用いて当該記録媒体(以下、単に「用紙」ということがある。)上に形成する。
【0031】
また、画像形成部32は、カラーのプリント機能を備えており、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色について、感光体ドラム、帯電装置および現像装置等を含む画像形成ステーションが構成される。
【0032】
通信部34は、上述するネットワーク16を介して、情報処理装置14などの外部コンピュータと通信するためのインタフェースである。また、通信部34の具体的な構成は、特に限定はされない。通信部34は、Ethernet(登録商標)等の通信規格に準拠した有線通信方式に基づき、データの送受信を行う有線通信回路であっても良いし、IEEE802.11等の通信規格に従ってデータの送受信を行う無線通信回路であっても良いし、その他の公知の通信方式に基づく通信回路であっても良い。これらのことは、後述する通信部62も同様である。
【0033】
図3は、
図1に示す情報処理装置14の電気的な構成を示すブロック図である。情報処理装置14は、CPU50を含み、当該CPU50は、バス52を介してRAM54、記憶部56、表示制御回路58、操作検出回路60および通信部62に接続される。また、表示制御回路58は、ディスプレイ64に接続され、操作検出回路60は、操作部66に接続される。
【0034】
CPU50は、情報処理装置14の全体的な制御を司る。RAM54は、CPU50のワーク領域およびバッファ領域として用いられる。
【0035】
記憶部56は、情報処理装置14の主記憶装置であって、HDDおよびEPPROMのような不揮発性メモリが用いられる。また、記憶部56が、RAM54を含むように構成されてもよい。記憶部56には、CPU50が情報処理装置14の各部位の動作を制御するための制御プログラム、制御プログラムの実行に必要なデータ、各種の画面についての表示画像データ、およびプリンタドライバ等が適宜記憶される。また、記憶部56には、文章作成機能を発揮するためのソフトウェアまたはアプリケーションについてのデータが記憶されることがある。
【0036】
表示制御回路58は、GPUおよびVRAMなどを含んでおり、GPUは、CPU50の指示の下、RAM54に記憶された第2画像生成データ304b(
図9参照)を用いてディスプレイ64に種々の画面を表示するための表示画像データをVRAMに生成し、生成した表示画像データをディスプレイ64に出力する。
【0037】
ディスプレイ64は、たとえばLCDまたはELディスプレイなどを用いることができる。また、ディスプレイ64には、後述する印刷実行画面100(
図4参照)およびドライバ設定画面(
図5参照)等の画面が表示される。また、これらの画面には、ソフトウェア的に再現されたキー(アイコン)が表示される。
【0038】
操作検出回路60は、操作部66への入力操作(ユーザ操作)に応じた信号ないし操作データをCPU50に出力する。また、操作部66としては、たとえば、マウス、キーボードおよびタッチパネルなどが用いられる。なお、操作部66としてタッチパネルが用いられる場合、タッチパネルは、ディスプレイ64の表示面上に設けられる。 また、ディスプレイ64および操作部66を一体型にした、タッチパネルディスプレイが用いられてもよい。
【0039】
通信部62は、上述するネットワーク16を介して、画像形成装置12と通信するためのインタフェースである。
【0040】
なお、
図3に示す情報処理装置14の電気的な構成は単なる一例であり、これに限定される必要はない。
【0041】
以上のように構成された情報処理システム10では、情報処理装置14で生成ないし編集された原稿(電子原稿)を画像形成装置12で印刷(プリント)することができる。具体的には、ユーザの指示に応じて、電子原稿についての情報を含む印刷情報が情報処理装置14からネットワーク16を介して画像形成装置12に送信される。画像形成装置12は、印刷情報を受信すると、印刷情報に応じて印刷を開始する。ただし、印刷情報は、動作情報および画像構成情報を含む。
【0042】
動作情報は、画像形成装置12の動作条件についての情報である。この動作情報は、印刷物の文字の仕上がりに影響する動作条件(品質動作条件)についての情報(品質動作情報)およびそれ以外の動作条件(他の動作条件)についての情報(他の動作情報)を含む。
【0043】
品質動作条件の例としては、文字の太さ、ページ集約、原稿サイズ、倍率、出力用紙サイズ等が挙げられる。
【0044】
文字の太さとは、印刷画像に含まれる文字の太さ、すなわち印字される文字の太さのことである。文字の太さの設定では、初期設定(デフォルト)の太さに対して、変更しないか、細くするか、太くするかが定められる。すなわち、文字の太さの設定が変更されると、印字される文字の太さが変更される。ただし、印字される文字の太さが太くされる場合には、文字を形成するドットの数が増加され、印字される文字の太さが細くされる場合には、文字を形成するドットの数が減少される。このとき、文字の位置および大きさは変更されない。
【0045】
ページ集約とは、一枚の用紙に電子原稿の複数のページを集約して印刷することである。ページ集約の設定では、一枚の用紙に対する電子原稿のページ数、すなわち1ページ分の印刷画像に含まれる電子原稿のページ数が定められる。たとえば、ページ集約の設定が1(いわゆる1in1)に設定されるときと、2(いわゆる2in1)に設定されるときとでは、印字される用紙における文字の配置が異なる。したがって、ページ集約の設定が変更されることに伴って、文字の配置が変更されることがある。
【0046】
原稿サイズは、電子原稿の大きさ、すなわち印刷画像の大きさのことである。原稿サイズとしては、A4、A3、B5、はがき等のサイズがある。これは後述する出力用紙サイズについても同様である。
【0047】
倍率は、実際に用紙に印刷される画像の大きさが、印刷画像の元の大きさに対して、何倍になっているかを示す比率のことである。倍率は、実際に用紙に印刷される画像の大きさと、印刷画像の元の大きさが同一であれば、100%となる。たとえば、倍率の設定としては、25%ないし400%の範囲内で定められる。
【0048】
出力用紙サイズは、出力用紙の大きさ、すなわち印刷画像が印刷される用紙の大きさのことである。出力用紙サイズは、原稿サイズと同じサイズに設定することもできるし、原稿サイズと異なるサイズに設定することもできる。ただし、出力用紙サイズが原稿サイズと異なるサイズに設定される場合には、出力用紙サイズと原稿サイズとの大きさの比率に応じて、倍率の設定が自動的に変更される。
【0049】
また、他の動作条件の例としては、印刷部数およびページ範囲などが挙げられる。印刷部数とは、印刷画像の全体に対応する印刷物の数のことである。印刷部数の設定では、1以上の数字に設定される。また、ページ範囲とは、電子原稿における印刷するページの範囲のことである。ページ範囲の設定では、電子原稿が複数のページから構成される場合、任意のページか、全てのページか、任意の範囲のページに設定される。
【0050】
画像構成情報は、文章作成機能を利用して作成される電子原稿についての情報を含む。画像構成情報は、所定のページ記述言語で記述される。また、画像構成情報に基づいて生成される画像が複数存在する場合、これらの画像の全てが出力画像に相当する。
【0051】
また、画像構成情報には、たとえば、文字コード、フォントを識別するための識別子(フォント識別子)、文字のポイント数の情報、文字の配置の情報、写真に対応する情報(イメージ情報)、写真の配置の情報等が含まれる。
【0052】
さらに、画像構成情報に含まれる情報は、電子原稿の種類および品質動作条件の各々の設定に応じて変化する。
【0053】
電子原稿の例としては、文字の要素を含む電子原稿(文字を含む電子原稿)または文字の要素を含まない電子原稿(文字を含まない電子原稿)が挙げられる。文字を含む電子原稿の場合には、画像構成情報には、文字コードおよびフォント識別子についての情報等が画像構成情報に含まれる。一方、文字を含まない電子原稿の場合には、画像構成情報には、文字コードおよびフォント識別子についての情報等が含まれない。
【0054】
品質動作条件の例としては、ページ集約の設定に応じて、用紙に印字される文字の向きおよび場所が変化する。したがって、ページ集約の設定に応じて、画像構成情報が含む文字の配置についての情報が異なる。
【0055】
以下、印刷情報が画像形成装置12に送信されるまでの一連の情報処理システム10の動作について説明する。
【0056】
図示は省略するが、第1実施例の情報処理装置14では、文章作成機能が有効化されている状態で、たとえば、電子原稿を出力するための所定のユーザ操作を受け付けると、
図4に示すような印刷実行画面100がディスプレイ64に表示される。
【0057】
この印刷実行画面100は、印刷情報を所定の送信先に送信するための画面であり、一部の動作条件を設定するための画面でもある。
図4に示す例では、印刷実行画面100は、他の動作条件を設定するための画面でもある。なお、
図4に示す印刷実行画面100は、デフォルトの状態の印刷実行画面100を示している。
【0058】
印刷実行画面100には、アイコン102、選択アイコン104(104a、104b)、キャンセルアイコン106、設定アイコン108および印刷アイコン110が設けられる。また、アイコン102と重なるように印刷情報の送信先を示す指標画像114が表示される。
【0059】
アイコン102は、印刷情報の送信先を設定するために設けられる。印刷情報の送信先としては、たとえば、ネットワーク16を介して通信可能な画像形成装置12に設定される。
図4に示す例では、“1122”の名前が割り当てられる画像形成装置12が、印刷情報の送信先として設定されている。
【0060】
選択アイコン104aは、印刷部数を設定するために設けられる。選択アイコン104aが操作されると、図示しない印刷部数を設定するためのプルダウンメニューまたは画面等がディスプレイ64に表示され、動作条件を設定するためのユーザ操作(設定操作)に応じて印刷部数が設定される。
図4に示す例では、印刷部数が“1”に設定されている。なお、所定の選択アイコンが操作されると、選択アイコンに割り当てられる動作条件を設定するためのプルダウンメニューまたは画面がディスプレイ64に表示されることは、選択アイコン104b、
図5に示す複数の選択アイコン122(122a~122e)についても同様である。
【0061】
選択アイコン104bは、ページ範囲を設定するために設けられる。
図4に示す例では、ページ範囲が“全て”に設定されている。つまり、電子原稿の全範囲が印刷する範囲として設定されている。
【0062】
キャンセルアイコン106は、印刷情報の送信をキャンセルするために設けられる。キャンセルアイコン106が操作されると、印刷実行画面100が非表示にされる。
【0063】
また、本実施例では、キャンセルアイコン106が操作されたことに応じて、動作条件がデフォルトの状態に戻される。これは、後述する印刷アイコン110が操作されたことに応じて、印刷情報が画像形成装置12に送信されるときも同様である。
【0064】
設定アイコン108は、他の動作条件以外の動作条件を設定するために設けられる。具体的には、品質動作条件を設定するために設けられる。設定アイコン108が操作されると、後述するドライバ設定画面120がディスプレイ64に表示される。
【0065】
印刷アイコン110は、所定の送信先に印刷情報を送信する(印刷指示を行う)ために設けられる。印刷アイコン110が操作されると、電子原稿および情報処理装置14で設定された画像形成装置12の動作条件に基づいて、印刷情報が生成され、所定の送信先に印刷情報が送信される。具体的には、電子原稿および品質動作条件に基づいて画像構成情報が生成され、電子原稿および動作条件に基づいて、動作情報が生成される。
【0066】
図5は、ディスプレイ64に表示されるドライバ設定画面120の一例を示す図である。このドライバ設定画面120は、品質動作条件を設定するための画面である。なお、このドライバ設定画面120は、デフォルトの状態のドライバ設定画面120を示している。
【0067】
ドライバ設定画面120には、複数の選択アイコン122(122a~122e)および閉じるアイコン124が設けられる。
【0068】
第1の選択アイコン122aは、文字の太さを設定するために設けられる。
図5に示す例では、文字の太さが“変更しない”に設定されている。
【0069】
第2の選択アイコン122bは、ページ集約を設定するために設けられる。
図5に示す例では、ページ集約が“1”に設定されている。
【0070】
第3の選択アイコン122cは、原稿サイズを設定するために設けられる。
図5に示す例では、原稿のサイズが“A4”に設定されている。
【0071】
第4の選択アイコン122dは、倍率を設定するために設けられる。
図5に示す例では、倍率が“100%”に設定されている。
【0072】
第5の選択アイコン122eは、出力用紙サイズを設定するために設けられる。
図5に示す例では、“原稿サイズと同じ”に設定されている。つまり、出力用紙サイズは、原稿サイズと同じサイズに設定される。
【0073】
閉じるアイコン124は、品質動作条件の設定を終了するために設けられる。閉じるアイコン132が操作されると、ドライバ設定画面120がディスプレイ64から非表示にされる。また、ドライバ設定画面120がディスプレイ64から非表示にされると、印刷実行画面100がディスプレイ64に表示される。
【0074】
なお、倍率は、上述したように、実際に用紙に印刷される画像の大きさが、印刷画像の元の大きさに対して、何倍になっているかを示す比率のことである。したがって、先にページ集約が2以上に設定されるときは、倍率は任意の倍率に設定できなくなる。また、先に倍率が100%以外に設定されるときは、ページ集約の設定は1に固定される。
【0075】
さらに、印刷アイコン110が操作されるとき、出力用紙サイズが原稿サイズよりも小さく設定されているとき、原稿サイズの設定が出力用紙サイズと同様に設定される。
【0076】
少なくともプリント機能を有する第1実施例の画像形成装置12は、情報処理装置14から送信される印刷情報を受信すると、印刷情報に含まれる画像構成情報(電子原稿についての情報)に従って印刷画像の元になる出力画像を生成する。また、画像形成装置12は、印刷情報に含まれる動作情報に対応する動作条件に従って動作する。
【0077】
また、第1実施例の画像形成装置12は、自動補正機能を備えている。この自動補正機能を備える画像形成装置12は、出力画像が文字が潰れるおよび文字の一部が霞む等によりユーザが認識しづらいとされる文字を含むかどうかを判断する。また、画像形成装置12は、出力画像がユーザが認識しづらいとされる文字を含むと判断するとき、当該文字を自動で補正する。以下、印刷情報の受信から印刷物の出力まで一連の処理を説明する。
【0078】
さらに、出力画像が生成されるとき、画像形成装置12では、出力画像に文字が含まれるかどうかが判断される。これは、画像構成情報に文字コードが含まれているかどうかで判断される。
【0079】
出力画像が文字を含むのであれば、画像構成情報に含まれる全ての文字コードを含む文字コード集が抽出される。以下、画像構成情報から直接抽出される文字コード集のことを、第1文字コード集という。
【0080】
画像構成情報から第1文字コード集が抽出されると、OCR(Optical Character Recognition)機能を用いて、出力画像から全ての文字コードを含む文字コード集が抽出される。以下、印刷画像から抽出される文字コード集のことを、第2文字コード集という。具体的には、OCR機能に従って出力画像に含まれる全ての文字が認識され、認識された文字に対応する文字コードが取得される。なお、OCR機能を用いた文字コードの抽出方法については、公知であるため詳細な説明は省略する。
【0081】
第2文字コード集が抽出されると、第1文字コード集と第2文字コード集が一致するかどうかが判断される。第1文字コード集と第2文字コード集が比較され、第1文字コード集に含まれる文字コードのうち、第2文字コード集に含まれる文字コードと一致しない文字コードのことを不一致文字コードといい、第1文字コード集と第2文字コード集が一致しないのであれば、全ての不一致文字コードを含む不一致文字コード集が第1文字コード集から抽出される。
【0082】
また、第2文字コード集は、OCR機能に従って出力画像から抽出されるため、不一致文字コードが生じている場合、この不一致文字コードに対応する文字は、不一致文字に該当する。したがって、第1実施例の画像形成装置12では、不一致文字コードが生じているときは、出力画像に不一致文字が含まれていると判断される。この不一致文字は、OCR機能で正しく抽出できない文字であり、ユーザが認識しづらいとされる文字に相当すると考えられる。
【0083】
第1実施例では、第1文字コード集および第2文字コード集が一致しないとき、動作情報が参照され、所定の補正条件が満たされる場合、不一致文字コード集に従って、出力画像に含まれる不一致文字が補正された画像(補正画像)が生成される。
【0084】
補正条件とは、不一致文字を補正するための条件であり、第1実施例では、補正条件の一例として第1補正条件、第2補正条件および第3補正条件が挙げられる。
【0085】
第1補正条件とは、少なくとも文字の太さが“細くする”に設定されていることで満たされる。
【0086】
第2補正条件とは、少なくとも文字の太さが“太くする”に設定されていることで満たされる。
【0087】
第3補正条件とは、文字の太さの設定に関係なく、文字が潰れてしまうような条件(太字条件)である。たとえば、1ページに含まれる文字数に対して原稿サイズまたは出力用紙サイズが小さい場合、ページ集約の設定が所定数(たとえば8)以上に設定される場合、倍率が50%以下に設定される場合および出力用紙サイズが原稿サイズよりも10分の1程度のサイズに設定される場合に第3補正条件が満たされる。
【0088】
図6は(A)~(F)は、出力画像の一部の一例を示す図である。
図6(A)は、文字の太さが初期設定から変更されていない場合の出力画像の一例の一部を示す図である。また、
図6(B)は、第1補正条件が満たされる場合の出力画像の一例の一部を示す図である。
【0089】
図6の(A)および(B)にはともに、“NumberV”の文字列を含む出力画像の一部を示す。しかしながら、
図6の(B)に示すように、文字の太さが細くに設定されている場合には、“V”の文字が独立した“\”および“‘”の記号に誤認識される場合がある。このような場合には、“V”の文字に対応する文字コードが不一致文字コードに相当する。
【0090】
第1実施例では、第1補正条件が満たされると、つまり、文字を太さが“細くする”に設定されていることで不一致文字が生じたとすると、不一致文字コードに従って補正画像(第1補正画像)が生成される。この場合、出力画像に含まれる不一致文字の太さが太くなるように補正される。すなわち、不一致文字の太さが初期設定に対応する太さに戻される。
【0091】
具体的には、出力画像に含まれる不一致文字に対して、不一致文字を形成するドットの数を増加させるように文字の太さを太くする補正(太らせ補正)が実行される。たとえば、
図6(B)に示すように、文字の太さが“細くする”に設定されたことに起因して“V”の文字が不一致文字に該当することになると、太らせ補正が実行され、
図6(C)のように“V”の文字だけ太くされた“NumberV”の文字列を含む第1補正画像が生成される。
【0092】
一方で、
図6(D)は、文字の太さが初期設定から変更されていない場合の出力画像の一例の一部を示す図である。また、
図6(E)は、第2補正条件および第3補正条件が満たされる場合の出力画像の一例の一部を示す図である。
【0093】
図6の(D)および(E)にはともに、“last”の文字列および“!”の記号を含む出力画像の一例の一部を示す。しかしながら、
図6の(E)に示すように、文字の太さが“太くする”に設定されている場合および太字条件が満たされる場合には、“!”の記号が数字の“1”または大文字のアルファベットの“I”に誤認識される場合がある。このような場合には、“!”の記号に対応する文字コードが不一致文字コードに相当する。
【0094】
第1実施例では、第2補正条件が満たされると、つまり、文字を太さが“太くする”に設定されることで不一致文字が生じたとすると、不一致文字コードに従って補正画像(第2補正画像)が生成される。この場合、出力が画像に含まれる不一致文字の太さが細くなるように補正される。すなわち、不一致文字の太さが初期設定に対応する太さに戻される。
【0095】
具体的には、出力画像に含まれる不一致文字に対して、不一致文字を形成するドットの数を減少させるように文字の太さを細くする補正(細らせ補正)が実行される。たとえば、
図6(E)に示すように、文字の太さが“太くする”に設定されたことに起因して“!”の記号が不一致文字に該当することになると、細らせ補正が実行され、
図6(F)のように“!”の記号だけ細くされた“last”の文字列および“!”の記号を含む第2補正画像が生成される。これは、第3補正条件が満たされる場合も同様である。ただし、第3補正条件が満たされる場合は、文字の太さが“変更しない”に設定されているため、不一致文字の太さが、文字の太さが“細くする”に設定される場合と同様の太さに変更される。
【0096】
なお、補正条件が満たされ、補正画像(第1補正画像または第2補正画像)が生成される場合、当該補正画像を印刷画像としてプリントするために、動作情報が更新される。つまり、画像形成装置12の動作が、補正画像を印刷画像としてプリントする場合の動作に変更される。
【0097】
第1実施例では、出力画像に含まれる全てないし一部の不一致文字が補正され、第1補正画像または第2補正画像が生成されるとき、生成された補正画像が印刷画像に設定される。一方で、出力画像に文字が含まれていないこと、または、補正条件が満たされないことで、補正画像が生成されないときは、出力画像が印刷画像に設定される。
【0098】
情報処理システム10の上記のような動作は、情報処理装置14のCPU50がRAM54に記憶された情報処理装置14用の情報処理プログラムを実行し、画像形成装置12のCPU20がRAM24に記憶された画像形成装置12用の情報処理プログラムを実行することで実現される。具体的な処理については後でフロー図を用いて説明する。
【0099】
図7および
図8は、
図1に示した画像形成装置12のRAM24のメモリマップ200の一例を示す図である。
図7および
図8に示すように、RAM24は、プログラム記憶領域202およびデータ記憶領域204を含む。また、RAM24のプログラム記憶領域202には、情報処理プログラムの一例として、画像形成装置12の制御プログラムが記憶される。画像形成装置12の制御プログラムは、第1通信プログラム202a、第1操作検出プログラム202b、第1表示画像生成プログラム202c、第1表示プログラム202d、画像形成プログラム202e、受信判断プログラム202f、出力画像生成プログラム202g、画像判断プログラム202h、第1抽出プログラム202i、第2抽出プログラム202j、比較プログラム202k、一致判断プログラム202l、第3抽出プログラム202m、太さ判断プログラム202n、太字条件判断プログラム202o、補正プログラム202p、更新プログラム202qおよび印刷画像設定プログラム202rを含む。
【0100】
第1通信プログラム202aは、ネットワーク16上の情報処理装置14と通信するためのプログラムである。
【0101】
第1操作検出プログラム202bは、画像形成装置12への操作を検出するためのプログラムである。具体的には、タッチパネル36がタッチされた場合には、CPU20は、第1操作検出プログラム202bに従って、タッチパネル36から出力されたタッチ座標データを取得して、ディスプレイ38に表示される各種の画面に含まれるソフトウェアキーが操作されたことを検出するためのプログラムである。また、ハードウェアのボタンないしキーが押圧または操作された場合には、CPU20は、第1操作検出プログラム202bに従って、ボタンないしキーの押圧または操作を検出するためのプログラムでもある。
【0102】
第1表示画像生成プログラム202cは、後述する第1画像生成データ204b(
図8参照)を用いて、表示画像データを生成するためのプログラムである。
【0103】
第1表示プログラム202dは、第1表示画像生成プログラム202cに従って生成された表示画像データに対応する表示画像をディスプレイ38に表示するためのプログラムである。
【0104】
画像形成プログラム202eは、画像形成部32を制御して、印刷画像を用紙上に形成するためのプログラムである。
【0105】
受信判断プログラム202fは、情報処理装置14から送信される印刷情報を受信したかどうかを判断するためのプログラムである。
【0106】
出力画像生成プログラム202gは、情報処理装置14から送信される印刷情報に含まれる画像構成情報に従って出力画像を生成するためのプログラムである。
【0107】
画像判断プログラム202hは、出力画像が文字を含む画像かどうかを判断するためのプログラムである。なお、出力画像が文字を含むかどうかは、画像構成情報に文字コードが含まれるかどうかに従って判断される。
【0108】
第1抽出プログラム202iは、出力画像が文字を含む画像とき、画像構成情報から第1文字コード集を抽出するためのプログラムである。
【0109】
第2抽出プログラム202jは、出力画像から第2文字コード集を抽出するためのプログラムである。
【0110】
比較プログラム202kは、第1文字コード集と第2文字コード集を比較するためのプログラムである。また、一致判断プログラム202lは、比較された第1文字コード集と第2文字コード集が一致するかどうかを判断するためのプログラムである。
【0111】
第3抽出プログラム202mは、第1文字コード集と第2文字コード集が一致しないとき、第1文字コード集から不一致文字コード集を抽出するためのプログラムである。
【0112】
太さ判断プログラム202nは、品質動作情報に従って文字の太さの設定を判断するプログラムであり、具体的には、文字の太さが“細くする”に設定されているかどうか、文字の太さが“太くする”に設定されているかどうか、および、文字の太さが“変更しない”に設定されているかどうかを判断するためのプログラムである。
【0113】
太字条件判断プログラム202oは、文字の太さが“変更しない”に設定されている場合、品質動作情報に従って太字条件を満たすかどうかを判断するためのプログラムである。
【0114】
補正プログラム202pは、品質動作情報に従って補正条件が満たされるとき、満たされた補正条件に応じて補正画像を生成するためのプログラムである。
【0115】
更新プログラム204qは、補正画像が生成されるとき、動作情報を補正画像を印刷画像として印刷するための動作情報に更新するためのプログラムである。
【0116】
印刷画像設定プログラム202rは、出力画像、第1補正画像および第2補正画像のいずれか一つを印刷画像に設定するためのプログラムである。
【0117】
図示は省略するが、プログラム記憶領域202には、画像形成装置12の制御に必要な他のプログラムなども記憶される。
【0118】
図8は、
図7に示したデータ記憶領域204の具体的な内容の一例を示す図である。データ記憶領域204には、第1操作データ204a、第1画像生成データ204b、印刷データ204c、出力画像データ204d、第1文字コード集データ204e、第2文字コード集データ204f、不一致文字コード集データ204g、第1補正画像データ204hおよび第2補正画像データ204iが記憶される。
【0119】
第1操作データ204aは、第1操作検出プログラム202bに従って検出した操作データであり、時系列に従って記憶される。なお、第1操作データ204aは、CPU20の処理に使用された後に削除される。
【0120】
第1画像生成データ204bは、ディスプレイ38に表示する表示画像に対応する表示画像データを生成するためのポリゴンデータおよびテクスチャーデータ等を含むデータである。
【0121】
印刷データ204cは、ネットワーク16上の情報処理装置14から送信された印刷情報についてのデータである。印刷データ204cは、動作情報についてのデータである動作データおよび画像構成情報についてのデータである画像構成データを含む。また、動作データは、品質動作情報に対応する品質動作データおよび他の動作情報に対応する他の動作データを含む。
【0122】
出力画像データ204dは、出力画像に対応するデータである。また、第1文字コード集データ204eは、第1文字コード集に対応するデータである。さらに、第2文字コード集データ204fは、第2文字コード集に対応するデータである。
【0123】
不一致文字コード集データ204gは、不一致文字コード集に対応するデータである。この不一致文字コード集データ204gはデータ記憶領域204に一時的に記憶される。
【0124】
第1補正画像データ204hは、第1補正画像に対応するデータであり、第2補正画像データ204iは、第2補正画像に対応するデータである。
【0125】
図9は、
図1に示す情報処理装置14のRAM54のメモリマップ300の一例を示す図である。
図9に示すように、RAM54は、プログラム記憶領域302およびデータ記憶領域304を含む。また、RAM54のプログラム記憶領域302には、情報処理プログラムの一例として情報処理装置14の制御プログラムが記憶される。情報処理装置14の制御プログラムは、第2通信プログラム302a、第2操作検出プログラム302b、第2表示画像生成プログラム302c、第2表示プログラム302d、文章作成プログラム302e、動作条件設定プログラム302f、情報生成プログラム302gおよび送信プログラム302hを含む。
【0126】
第2通信プログラム302aは、ネットワーク16上の画像形成装置12と通信するためのプログラムである。
【0127】
第2操作検出プログラム302bは、操作部66への操作を検出するためのプログラムである。
【0128】
第2表示画像生成プログラム302cは、後述する第2画像生成データ304bを用いて、ディスプレイ64に各種の表示画像を表示するための表示画像データを生成するためのプログラムである。
【0129】
第2表示プログラム302dは、第2表示画像生成プログラム302cに従って生成された表示画像データに対応する表示画像をディスプレイ64に表示するためのプログラムである。
【0130】
文章作成プログラム302eは、文章作成機能を発揮するためのプログラムである。また、動作条件設定プログラム302fは、画像形成装置12の動作条件を設定するためのプログラムである。
【0131】
情報生成プログラム302gは、電子原稿および動作条件の設定に応じて、印刷情報を生成するためのプログラムである。
【0132】
送信プログラム302hは、印刷情報についての印刷データ304cをネットワーク16上の画像形成装置12へ送信するためのプログラムである。
【0133】
図示は省略するが、プログラム記憶領域302には、情報処理装置14の制御に必要な他のプログラムなども記憶される。
【0134】
データ記憶領域304には、第2操作データ304a、第2画像生成データ304bおよび印刷データ304cが記憶される。
【0135】
第2操作データ304aは、第2操作検出プログラム302bに従って検出した操作データであり、時系列に従って記憶される。なお、第2操作データ304aは、CPU50の処理に使用された後に削除される。
【0136】
第2画像生成データ304bは、ディスプレイ38に表示する表示画像についての表示画像データを生成するためのポリゴンデータおよびテクスチャーデータ等を含むデータである。
【0137】
印刷データ304cは、ネットワーク16上の画像形成装置12に送信する印刷情報についてのデータであり、上述した印刷データ204cと同様のデータであるため、重複する説明は省略する。
【0138】
図10および
図11は、情報処理装置14のCPU50の印刷指示処理の一例を示すフロー図である。
図10に示すようにCPU50は、印刷実行画面100を表示するためのユーザ操作を受け付けると、印刷指示処理を開始し、ステップS1で、印刷実行画面100をディスプレイ64に表示する。
【0139】
ステップS3では、ユーザ操作を検出したかどうかを判断する。ステップS3で“NO”であれば、つまり、ユーザ操作を検出してないのであれば、ステップS1に戻る。一方、ステップS3で“YES”であれば、つまり、ユーザ操作を検出したのであれば、ステップS5に進む。
【0140】
ステップS5では、設定アイコン108が操作されたかどうかを判断する。ステップS5で“NO”であれば、つまり、設定アイコン108が操作されていないのであれば、ステップS7に進む。一方、ステップS5で“YES”であれば、つまり、設定アイコン108が操作されたのであれば、
図11に示すステップS21に進む。
【0141】
ステップS7では、キャンセルアイコン106が操作されたかどうかを判断する。ステップS7で“NO”であれば、つまり、キャンセルアイコン106が操作されていないのであれば、ステップS9に進む。一方、ステップS7で“YES”であれば、つまり、キャンセルアイコン106が操作されたのであれば、ステップS11で、印刷実行画面100をディスプレイ64から非表示にして、印刷指示処理を終了する。
【0142】
ステップS9では、印刷アイコン110が操作されたかどうかを判断する。ステップS9で“NO”であれば、つまり、印刷アイコン110が操作されていないのであれば、ステップS13に進む。一方、ステップS9で“YES”であれば、つまり、印刷アイコン110が操作されたのであれば、ステップS15に進む。
【0143】
ステップS13では、その他の処理を実行して、ステップS1に戻る。ここでのその他処理は、選択アイコン104(104a、104b)が操作されたことに応じる処理、設定操作に応じる処理およびアイコン102が操作されたことに応じる印刷情報の送信先の設定等の処理等である。
【0144】
ステップS15では、印刷実行画面100を非表示にし、ステップS17で、印刷情報を生成する。
【0145】
ステップS19では、ステップS17で生成された印刷情報を画像形成装置12に送信し、印刷指示処理を終了する。また、図示は省略するが、印刷指示処理を終了すると、動作条件の各々をデフォルトの状態に戻す。
【0146】
図11のステップS21では、ドライバ設定画面120をディスプレイ64に表示し、ステップS23で、選択アイコン122(122a~122e)が操作されたかどうかを判断する。ステップS23で“NO”であれば、つまり、選択アイコン122(122a~122e)が操作されていないのであれば、ステップS29に進む。一方、ステップS23で“YES”であれば、つまり、選択アイコン122(122a~122e)が操作されたのであれば、ステップS25に進む。
【0147】
ステップS25では、設定操作を検出したかどうかを判断する。ステップS25で“NO”であれば、つまり、設定操作を検出してないのであれば、ステップS29に進む。一方、ステップS25で“YES”であれば、つまり、ユーザ操作を検出したのであれば、ステップS27に進む。
【0148】
ステップS27では、操作された選択アイコン122(122a~122e)に割り当てられる品質動作条件を設定し、ステップS29に進む。
【0149】
ステップS29では、閉じるアイコン124が操作されたかどうかを判断する。ステップS29で“NO”であれば、つまり、閉じるアイコン124が操作されていないのであれば、ステップS21に戻る。一方、ステップS29で“YES”であれば、つまり、閉じるアイコン124が操作されたのであれば、ステップS31に進む。
【0150】
ステップS31では、ドライバ設定画面120をディスプレイ64から非表示にし、
図10に示すステップS1に戻る。
【0151】
図12、
図13および
図14は、画像形成装置12のCPU20の印刷処理の一例を示すフロー図である。
図12に示すように、CPU20は、印刷情報を受信すると、ステップS41で画像構成情報に従って出力画像を生成し、ステップS43に進む。
【0152】
ステップS43では、出力画像は文字を含む画像かどうかを判断する。ここでは、文字構成情報が文字コードを含むかどうかを判断する。ステップS43で“NO”であれば、つまり、出力画像は文字を含まない画像であれば、ステップS53に進む。一方、ステップS43で“YES”であれば、つまり、出力画像は文字を含む画像であれば、ステップS45に進む。
【0153】
ステップS45では、画像構成情報から第1文字コード集を抽出し、ステップS47で、出力画像から第2文字コード集を抽出する。
【0154】
ステップS49では、第1文字コード集と第2文字コード集が一致するかどうかを判断する。ここでは、第1文字コード集と第2文字コード集を比較し、比較の結果に基づいて判断する。
【0155】
ステップS49で“NO”であれば、つまり、第1文字コード集と第2文字コード集が異なるのであれば、ステップS51で、第1文字コード集から不一致文字コード集を抽出し、
図13示すステップS57に進む。一方、ステップS49で“YES”であれば、つまり、第1文字コード集と第2文字コード集が一致するのであれば、ステップS53で、印刷画像に出力画像を設定し、ステップS55で、印刷画像を用紙上に印刷する。また、印刷画像を用紙上に印刷すると、印刷処理を終了する。
【0156】
図13のステップS57では、第1補正条件を満たすかどうかを判断する。ステップS57で“NO”であれば、つまり、第1補正条件を満たさなければ、ステップS63に進む。一方、ステップS57で“YES”であれば、つまり、第1補正条件が満たすのであれば、ステップS59で、第1補正画像を生成する。また、第1補正画像を生成すると、ステップS61で、印刷画像に第1補正画像を設定し、ステップS69に進む。
【0157】
ステップS63では、第2補正条件を満たすかどうかを判断する。ステップS63で“NO”であれば、つまり、第2補正条件を満たさないのであれば、
図14に示すステップS71に進む。一方、ステップS63で“YES”であれば、つまり、第2補正条件が満たすのであれば、ステップS65で、第2補正画像を生成する。また、第2補正画像を生成すると、ステップ65で、印刷画像に第2補正画像を設定し、ステップS69に進む。また、ステップS69で、動作情報を補正画像を印刷画像としてプリントするための動作情報に更新すると、
図12に示すステップS55に進む。
【0158】
図14に示すステップS71では、第3補正条件を満たすかどうかを判断する。ステップS71で“NO”であれば、つまり、第3補正条件が満たされていなければ、ステップS79で、印刷画像に出力画像を設定し、
図12に示すステップS55に進む。一方、ステップS71で“YES”であれば、つまり、第3補正条件が満たされていれば、ステップS73に進む。なお、ステップS73~S77は、
図13に示すステップS65~69に対応するため、重複する説明は省略する。
【0159】
第1実施例では、印刷情報を受信した場合に、印刷情報に含まれる画像構成情報から出力画像が生成され、さらに、この画像構成情報から第1文字コード集が抽出される。また、出力画像からは、ユーザの文字の認識に近いOCR機能の判断の基、第2文字コード集が抽出される。
【0160】
第1実施例によれば、第1文字コード集と第2文字コード集が異なることに応じて、ユーザが認識しづらいとされる不一致文字が出力画像に含まれるとき、不一致文字の全部ないし一部が補正された補正画像を生成することができる。
【0161】
なお、第1実施例では、第1文字コード集と第2文字コード集が異なるとき、上述した補正条件を満たすかどうかの判断を省略して、予め決められた補正が実行されてもよい。
【0162】
また、補正条件を満たさないとき、細らせ補正および太らせ補正のどちらか一方が実行されてもよい。
【0163】
さらにまた、品質動作条件には、自動補正機能を有効/無効を設定するための動作条件が含まれてもよい。
【0164】
[第2実施例]
第2実施例は、画像形成装置12の印刷情報を受信したときの処理を一部変更したこと以外は、第1実施例と同様であるため、重複する説明は省略する。
【0165】
第2実施例の画像形成装置12では、記憶部26に第1学習情報が記憶される。この第1学習情報は、補正画像の生成に伴い補正された不一致文字に対応する不一致文字コード(対処済文字コード)、対処済文字コードが生じたときの状況についての情報(第1状況情報)および不一致文字に対して実行された補正についての情報(第1補正情報)を含む。ただし、対処済文字コード、第1状況情報および第1補正情報は互いに関連づけられる。
【0166】
第1状況情報は、品質動作情報と同様の情報である。なお、第1状況情報には、画像構成情報に含まれる文字に関連する情報、たとえば、文字のポイント数および文字のフォントについての情報等が含まれていてもよい。また、第1補正情報は、太らせ補正および細らせ補正のどちらか一方の情報が含まれる。
【0167】
また、第1学習情報は、記憶部26に記憶されているが、必要に応じて、記憶部26から取得され、RAM24に記憶される。
【0168】
第2実施例の画像形成装置12では、画像構成情報から第1出力画像が生成され、当該第1出力画像が文字を含む画像かどうかが判断される。第1出力画像が文字を含む画像であれば、第1出力画像から第1文字コード集が抽出される。
【0169】
画像構成情報から、第1文字コード集が抽出されると、第1学習情報に従って、第1出力画像が予め補正できる不一致文字を含むかどうかが判断される。以下、第1文字コード集が抽出されてから、第1出力画像に予め補正できる不一致文字が含まれているかどうかを判断するまでの一連の処理について説明する。
【0170】
第1文字コード集が抽出され、第1学習情報が参照されると、第1文字コード集が対処済文字コードと一致する文字コード、つまり、対処済文字コードを含むかどうかが判断される。
【0171】
第1文字コード集に、対処済文字コードが含まれているとき、第1状況情報および最新の印刷情報に従って、過去と現在の状況が比較される。具体的には、第1状況情報に含まれる品質動作情報および最新の印刷情報に含まれる品質動作情報が比較される。
【0172】
また、現在の状況と過去の状況が同様であれば、第1文字コード集と第2文字コードが比較されたとき、対処済文字コードに対応する文字が、不一致文字になり得る条件を満たすと判断される。
【0173】
第1文字コード集が対処済文字コードを含み、当該対処済文字コードに対応する文字が不一致文字になり得る条件を満たすとき、当該文字は、第1補正情報に従って補正が可能である。したがって、第1出力画像に含まれる対処済文字コードに対応する文字が不一致文字になり得る条件を満たすとき、第1補正情報が参照され、予め対処済文字コードに対応する文字が補正された画像(第2出力画像)が生成される。また、第2出力画像が生成されると、動作情報が第2出力画像を印刷画像としてプリントするための動作情報に更新される。
【0174】
たとえば、第1学習情報に、対処済文字コード“AAA”が含まれ、対処済文字コードに対応する第1状況情報が、原稿サイズが“A4”、ページ集約が“2”、文字の太さが“太くする”、倍率が“100%”に設定されている情報を含むとする。また、第1補正情報は、細らせ補正についての情報を含むとする。
【0175】
この場合、第1文字コード集に“AAA”の文字コードが含まれ、最新の品質動作情報が、第1状況情報と同様の情報を含むのであれば、第1出力画像に含まれる“AAA”の文字コードに対応する文字が不一致文字になり得る条件を満たす。したがって、“AAA”の文字コードに対応する文字に細らせ補正が実行される。
【0176】
第2実施例では、必要に応じて第2出力画像が生成されるため、第2文字コード集の抽出には、第1出力画像および第2出力画像のどちらか一方が用いられる。具体的には、第2出力画像が生成される場合は、第2出力画像から第2文字コード集が抽出される。なお、第2文字コード集が抽出された後の処理は、第1実施例と同様であるため、重複する説明は省略する。
【0177】
第2実施例では、印刷画像に補正画像(第1出力画像または第2出力画像)が設定されると、第2文字コード集を抽出する方法と同様の方法で、補正画像から全ての文字コードを含む文字コード集が抽出される。以下、補正画像から抽出される文字コード集のことを、第3文字コード集という。
【0178】
また、第3文字コードが抽出されたことに応じて、第1文字コード集と第3文字コード集が一致するかどうかが判断される。第1文字コードと第3文字コードが一致する場合は、不一致文字コード集が含む全ての不一致文字コードは対処済文字コードと判断される。
【0179】
一方、第1文字コードおよび第3文字コードが一致しない場合は、不一致文字コード集に対処済文字コードが含まれているかどうかが判断される。具体的に、不一致文字コードと一致する文字コードが第3文字コード集に含まれている場合、この不一致文字コードは、対処済文字コードと判断される。
【0180】
不一致文字コード集に対処済文字コードが含まれる場合、対処済文字コードおよび最新の印刷情報にしたがって、第1学習情報が生成される。具体的に、第1状況情報は、最新の品質動作情報に基づいて生成される。
【0181】
第1補正情報は、品質動作情報のなかでも、文字の太さの設定についての情報に基づいて生成される。たとえば、文字の太さが“太くする”に設定されていることが品質動作情報に含まれている場合、第1補正情報には、細らせ補正についての情報が含まれる。またこれは、文字の太さが“変更しない”に設定されていることが品質動作情報に含まれ、かつ、太字条件を満たすように品質動作条件が設定されていることが品質動作情報に含まれる場合も同様である。さらに、文字の太さが“細くする”に設定されていることが品質動作情報に含まれている場合、第1補正情報には、太らせ補正についての情報が含まれる。
【0182】
第1学習情報は、生成されると記憶部26に記憶されるが、既に他の第1学習情報が記憶されているのであれば、第1学習情報を蓄積する(学習)するように記憶する。
【0183】
図示は省略するが、第2実施例の画像形成装置12の制御プログラムは、対処済判断プログラム、文字判断プログラム、事前補正プログラム、出力画像判断プログラム、第4抽出プログラム、第2比較プログラム、対処判断プログラム、第1情報生成プログラム、記憶プログラムを含む。
【0184】
なお、第2実施例の出力画像生成プログラム202gは、画像構成情報に従って第1出力画像を生成するためのプログラムである。また、第2実施例の画像判断プログラム202hは、第1出力画像が文字を含む画像かどうかを判断するためのプログラムである。
【0185】
第2実施例の第1抽出プログラム202iは、第1出力画像が文字を含む画像のとき、画像構成情報から第1文字コード集を抽出するためのプログラムである。
【0186】
第2実施例の第2抽出プログラム202jは、第2出力画像が生成されるときは第2出力画像から、第2出力画像が生成されないときは、第1出力画像から第2文字コード集を抽出するためのプログラムである。
【0187】
第2実施例の比較プログラム202kは、第1文字コード集と第3文字コード集を比較するためのプログラムでもある。また、第2実施例の一致判断プログラム202lは、比較された第1文字コード集と第3文字コード集が一致するかどうかを判断するためのプログラムでもある。
【0188】
第2実施例の更新プログラム204qは、第2出力画像が印刷画像に設定されるとき、動作情報を第2出力画像を印刷画像として印刷するための動作情報に更新するためのプログラムである。
【0189】
対処済判断プログラムは、第1学習情報を参照し、第1文字コード集が対処済文字コードを含むかどうかを判断するためのプログラムである。
【0190】
文字判断プログラムは、第1文字コード集が対処済文字コードを含むとき、第1状況情報を参照し、対処済文字コードに対応する文字が、不一致文字になり得る条件を満たすかどうかを判断するためのプログラムである。
【0191】
事前補正プログラムは、第1出力画像が対処済文字コードに対応する文字を含み、当該文字が不一致文字になり得る条件を満たすとき、第2出力画像を生成するためのプログラムである。
【0192】
出力画像判断プログラムは、後述する画像フラグにしたがって、第2出力画像が生成されたかどうかを判断するためのプログラムである。
【0193】
第4抽出プログラムは、補正画像が生成されるとき、この補正画像から第3文字コード集を抽出するためのプログラムである。
【0194】
対処済判断プログラムは、第1文字コード集と第3文字コード集が異なるとき、不一致文字コード集が対処済文字コードを含むかどうかを判断するためのプログラムである。
【0195】
第1情報生成プログラムは、第1文字コード集と第3文字コード集が一致するとき、対処済文字コードおよび最新の印刷情報に従って第1学習情報を生成するためのプログラムである。また、第1文字コード集と第3文字コード集が一致しないが、不一致文字コード集が対処済文字コードを含むとき、当該対処済文字コードおよび最新の印刷情報に従って第1学習情報を生成するためのプログラムでもある。
【0196】
記憶プログラムは、生成された第1学習情報を記憶部26に記憶するためのプログラムである。
【0197】
さらにまた、第2実施例の画像形成装置12のデータ記憶領域204には、図示は省略するが、第3文字コード集データ、第1学習データおよび画像フラグが記憶される。
【0198】
第3文字コード集データは、第3文字コード集についてのデータである。また、第1学習データは、第1学習情報に対応するデータであり、この第1学習データは、対処済文字コードに対応するデータ、第1状況情報に対応するデータおよび第1補正情報に対応するデータを含む。
【0199】
画像フラグは、第2出力画像が生成されているかどうかを判断するためのフフラグである。画像フラグは、第2出力画像が生成されるときにオンにされ、印刷画像を用紙上に印刷するときに、オフにされる。
【0200】
図15、
図16、
図17および
図18は、第2実施例の画像形成装置12のCPU20の印刷処理の一例の一部を示すフロー図である。なお、第1実施例と重複する説明は省略する。
図15に示すように、CPU20は、印刷情報を受信すると、ステップS91で画像構成情報に従って第1出力画像を生成し、ステップS93に進む。
【0201】
ステップS93では、第1出力画像は文字を含む画像かどうかを判断する。ステップS93で“NO”であれば、つまり、第1出力画像は文字を含まない画像であれば、
図16に示すステップS113に進む。一方、ステップS93で“YES”であれば、つまり、第1出力画像は文字を含む画像であれば、ステップS95に進む。
【0202】
ステップS95では、第1出力画像から第1文字コード集を抽出し、ステップS97で、第1文字コード集が対処済文字コードを含むかどうかを判断する。ステップS97で“NO”であれば、つまり、第1文字コード集が対処済文字コードを含まないのであれば、ステップS99で第1出力画像から第2文字コード集を抽出し、
図16のステップS109に進む。一方、ステップS97で“YES”であれば、つまり、第1文字コード集が対処済文字コードを含むのであれば、ステップS101に進む。
【0203】
ステップS101では、第1出力画像は、対処済文字コードに対応する文字が不一致文字になり得る条件を満たすかどうかを判断する。ここでは、第1状況情報と最新の印刷情報に含まれる品質動作情報が同様の情報かどうか判断される。
【0204】
ステップS101で“NO”であれば、つまり、対処済文字コードに対応する文字が不一致文字になり得る条件を満たさないのであれば、ステップS99に進む。一方、ステップS101で“YES”であれば、つまり、対処済文字コードに対応する文字が不一致文字になり得る条件を満たすのであれば、ステップS103で、第1補正情報に従って第2出力画像を生成する。
【0205】
ステップS105では、画像フラグをオンにし、ステップS107で第2出力画像から第2文字コード集を抽出すると、
図16のステップS109に進む。
【0206】
図16のステップS109では、第1文字コード集と第2文字コード集が一致するかどうかを判断する。ステップS109で“NO”であれば、つまり、第1文字コード集と第2文字コード集が異なるのであれば、
図17示すステップS123に進む。一方、ステップS109で“YES”であれば、つまり、第1文字コード集と第2文字コード集が一致するのであれば、ステップS111に進む。
【0207】
ステップS111では、第2出力画像を生成したかどうかを判断する。ここでは、画像フラグがオンかどうかを判断する。
【0208】
ステップS111で“NO”であれば、つまり、第2出力画像を生成していないのであれば、ステップS113で、印刷画像に第1出力画像を設定し、ステップS119に進む。一方、ステップS111で“YES”であれば、つまり、第2出力画像を生成しているのであれば、ステップS115で、印刷画像に第2出力画像を設定し、ステップS117で、動作情報を第2出力画像を印刷画像として印刷するための動作情報に更新する。
【0209】
ステップS119では、印刷画像を用紙に印刷し、ステップS121で画像フラグをオフにすると、印刷処理を終了する。
【0210】
図17に示すステップS123~135については、
図13に示すステップS57~69に相当するため、重複する説明は省略する。
【0211】
ステップS137では、補正画像から第3文字コード集を抽出し、ステップS139で、第1文字コード集と第3文字コード集が一致するかどうかを判断する。ステップS139で“NO”であれば、つまり、第1文字コード集および第3文字コード集が異なるのであれば、ステップS141に進む。一方、ステップS139で“YES”であれば、つまり、第1文字コード集と第3文字コード集が一致するのであれば、ステップS143に進む。
【0212】
ステップS141では、不一致文字コード集が対処済文字コードを含むかどうかが判断される。ステップS141で“NO”であれば、つまり、不一致文字コード集が対処済文字コードを含まないのであれば、
図16に示すステップS119に進む。一方、ステップS141で“YES”であれば、つまり、不一致文字コード集が対処済文字コードを含むのであれば、ステップS143に進む。
【0213】
ステップS143では、対処済文字コードおよび最新の印刷情報から第1学習情報を生成し、ステップS145で第1学習情報を記憶する。また、ステップS145で第1学習情報を記憶部26に記憶すると、
図16に示すステップS119に進む。
【0214】
また、
図18示すステップS147~153は、
図14に示すステップS71~77に対応し、ステップS155~161は、
図16に示す111~117に対応するため、重複する説明は、省略する。
【0215】
第2実施例によれば、第1文字コード集が過去に対処された不一致文字コードである対処済文字コードを含み、この対処済文字コードに対応する文字が不一致文字になり得る条件を満たすとき、予め、当該文字が補正された第2出力画像を生成することができる。結果として、予め、不一致文字が生じることを抑制することができるため、所定の補正条件を満たすかどうか等の判断が不要となり、第1実施例よりも画像形成装置12の制御部(CPU20など)にかかる負荷を軽減させることができる。
【0216】
[第3実施例]
第3実施例の情報処理装置14では、印刷情報を送信するまでの処理を一部変更したこと以外は、各実施例と同様であるため、重複する説明は省略する。
【0217】
また、第3実施例の画像形成装置12では、第1文字コード集と第2文字コード集が一致しないときの処理を一部変更したこと、以外は、第1実施例と同様であるため、重複する説明は省略する。
【0218】
第3実施例の情報処理装置14では、記憶部56に第2学習情報が記憶される。この第2学習情報は、正しく認識できるように補正されなかった不一致文字に対応する不一致文字コード(非対処文字コード)、非対処文字コードが生じたときの状況についての情報(第2状況情報)および不一致文字に対して実行された補正についての情報(第2補正情報)を含む。ただし、対処済文字コード、第2状況情報および第2補正情報は互いに関連づけられる。
【0219】
なお、第2学習情報に含まれる非対処文字コードが、所定の補正条件が満たされないことで生じた非対処文字コードであれば、この非対処文字コードに対応する第2補正情報は、第2学習情報に含まれない。また、第2状況情報は、品質動作情報と同様の情報である。なお、第2状況情報には、画像構成情報に含まれる文字に関連する情報、たとえば、文字のポイント数および文字のフォントについての情報等が含まれていてもよい。また、第2補正情報は、太らせ補正および細らせ補正のどちらか一方の情報が含まれる。
【0220】
さらに、第2学習情報は、記憶部56に記憶されているが、必要に応じて、記憶部56から取得され、RAM24に記憶される。
【0221】
第3実施例では、ユーザ操作に応じてドライバ設定画面120がディスプレイ64に表示される場合、第2学習情報が含む非対処文字コードが参照される。また、非対処文字コードが参照されると、電子原稿が非対処文字コードに対応する文字を含むかどうかが判断される。
【0222】
また、電子原稿が非対処文字コードに対応する文字を含む場合、当該文字が不一致文字になり得る条件が満たされないように品質動作条件の設定に制限が設けられる。具体的には、品質動作条件が第2状況情報に対応するように設定できなくなる。
【0223】
たとえば、第2学習情報に非対処文字コード“CCC”が含まれ、当該非対処文字コード対応する第2状況情報が、原稿サイズが“A4”、ページ集約が“2”、文字の太さが“太くする”、倍率が“100%”に設定されている情報を含むとする。また、第2補正情報は、細らせ補正についての情報を含むとする。
【0224】
電子原稿が非対処文字コード“CCC”対応する文字を含む場合、原稿サイズが“A4”に設定され、文字の太さが“太くする”に設定され、倍率が“100%”に設定されると、ページ集約は“2”に設定できなくなる。
【0225】
さらに第2補正情報が、細らせ補正についての情報を含むことから、第2状況情報に応じる品質動作条件よりも文字が太くなるように品質動作条件が設定される場合も非対処文字コードに対応する文字が不一致文字になり得る条件が満たされる。つまり、上記の一例では、ページ集約は2以上に設定できなくなる。また、第2補正情報が細らせ補正についての情報を含む場合は、第2状況情報に応じる品質動作条件よりも文字が細くならないように品質動作条件の設定に制限が設けられる。
【0226】
なお、第2学習情報が第2補正情報を含まない場合は、第2状況情報に応じる品質動作条件に設定できなくなる。
【0227】
また、ドライバ設定画面120がディスプレイ64に表示されたとき、品質動作条件が既に第2状況情報等に応じるように設定されていれば、品質動作条件がデフォルトの状態に戻される。
【0228】
第3実施例の画像形成装置12では、補正画像が生成されると、この補正画像から第3文字コード集が抽出され、第1文字コード集と第3文字コード集が一致するかどうかが判断される。
【0229】
第1文字コード集および第3文字コード集が異なるとき、不一致文字コード集が含む不一致文字コードの各々が、非対処文字コードかどうかが判断される。具体的には、不一致文字コード集が含む不一致文字コードと一致する文字コードが第3文字コード集に含まれない場合、当該不一致文字コードは、非対処文字コードと判断される。なお、所定の補正条件が満たされないことで、印刷画像に出力画像が設定される場合は、不一致文字コード集が含むすべての不一致文字コードが非対処文字コードとして扱われる。
【0230】
不一致文字コード集が非対処文字コードを含む場合、非対処文字コードおよび最新の印刷情報に従って第2学習情報が生成される。なお、第2学習情報は、第1学習情報と同様に生成されるため詳細な説明は省略する。
【0231】
また、第2学習情報が生成されるとき、文字の太さが“変更しない”に設定され、かつ、太字条件を満たすように品質動作条件が設定されていない場合、つまり、所定の補正条件が満たされていない場合、生成される第2学習情報は、第2補正情報を含まない。
【0232】
第3実施例では、第2学習情報が生成されると、ネットワーク16を介して情報処理装置14に送信される。また、情報処理装置14は、第2学習情報を受信すると、記憶部26に記憶するが、既に他の第2学習情報が記憶されているのであれば、第2学習情報を蓄積(学習)するように記憶する。
【0233】
図示は省略するが、第3実施例の画像形成装置12の制御プログラムは、第4抽出プログラム、非対処判断プログラム、第2情報生成プログラム、送信プログラムを含む。
【0234】
また、第3実施例の比較プログラム202kは、第1文字コード集と第3文字コード集を比較するためのプログラムでもある。さらに、第3実施例の一致判断プログラム202lは、比較された第1文字コード集と第3文字コード集が一致するかどうかを判断するためのプログラムでもある。
【0235】
第4抽出プログラムは、補正画像が生成されるとき、この補正画像から第3文字コード集を抽出するためのプログラムである。
【0236】
非対処判断プログラムは、第1文字コード集と第3文字コード集が異なるとき、不一致文字コード集が含む不一致文字コードの各々が非対処文字コードかどうかを判断するためのプログラムである。
【0237】
第2情報生成プログラムは、第1文字コード集および第3文字コードが異なるとき、および、補正条件が満たされないとき、非対処文字コードおよび最新の印刷情報に従って後述する第2学習情報を生成するためのプログラムである。
【0238】
送信プログラムは、生成された第2学習情報を情報処理装置14に送信するためのプログラムである。
【0239】
さらに、データ記憶領域204には、第3文字コード集データおよび第2学習データが記憶される。
【0240】
第3文字コード集データは、第3文字コード集に対応するデータである。また、第2学習データは、第2学習データは、第2学習情報に対応するデータであり、この第2学習データは、非対処文字コードに対応するデータおよび第2状況情報に対応するデータおよび第2補正情報に対応するデータを含む。なお、第2学習データが第2補正情報に対応するデータを含まなくてもよい。
【0241】
さらに、図示は省略するが、図示は省略するが、第3実施例の情報処理装置14の制御プログラムは、文字検索プログラム、設定判断プログラム、デフォルト設定プログラム、設定制限プログラム、情報受信判断プログラムおよび第2記憶プログラムを含む。
【0242】
文字検索プログラムは、電子原稿が含む非対処文字コードに対応する文字を検索するためのプログラムである。
【0243】
設定判断プログラムは、電子原稿が含む非対処文字コードに対応する文字を含むとき、品質動作条件が非対処文字コードに対応する文字が不一致文字になり得る条件を満たすように設定されているかどうかを判断するためのプログラムである。
【0244】
デフォルト設定プログラムは、品質動作条件が非対処文字コードに対応する文字が不一致文字になり得る条件を満たすように設定されているとき、品質動作条件をデフォルトの状態に戻すためのプログラムである。
【0245】
設定制限プログラムは、電子原稿が含む非対処文字コードに対応する文字を含むとき、当該文字が不一致文字になり得る条件を満たさないように、品質動作条件の設定に制限を設けるためのプログラムである。
【0246】
情報受信判断プログラムは、第2学習情報を受信したかどうかを判断するためのプログラムであり、第2記憶プログラムは、受信した第2学習情報を記憶するためのプログラムでもある。
【0247】
また、データ記憶領域304には、第2学習データが記憶される。なお、この第2学習データは、データ記憶領域204に記憶される第2学習データと同様であるため、重複する説明は省略する。
【0248】
図19は、第3実施例の情報処理装置のCPU50の処理の一例を示すフロー図である。なお、第1実施例と重複する説明は省略するため、なお、第1実施例の変更点のみ説明する。
【0249】
ステップS171では、電子原稿が非対処文字コードに対応する文字を含むかどうかを判断する。ステップS173で、“NO”であれば、つまり、電子原稿が非対処文字コードに対応する文字を含まないのであれば、
図11に示すステップS29に進む。一方、ステップS171で“YES”であれば、つまり、電子原稿が非対処文字コードに対応する文字を含むのであれば、ステップS173に進む。
【0250】
ステップS173では、非対処文字コードに対応する文字が不一致文字になり得る条件を満たすかどうかを判断する。ここでは、品質動作条件が第2状況情報および第2補正情報の両方、または、第2状況情報に応じる設定にされているかどうかを判断する。
【0251】
ステップS175で“NO”であれば、つまり、非対処文字コードに対応する文字が不一致文字になり得る条件を満たさないのであれば、ステップS177に進む。一方、ステップS175で“YES”であれば、つまり、非対処文字コードに対応する文字が不一致文字になり得る条件を満たすのであれば、ステップS175で、品質動作条件をデフォルトの状態に戻し、ステップS177に進む。
【0252】
ステップS177では、品質動作条件の設定に制限を設け、
図11に示すステップS29に進む。
【0253】
図20および
図21は、第3実施例の画像形成装置12のCPU20の印刷処理の一例の一部を示すフロー図である。なお、ステップS201~ステップS213は、
図13に示すステップS57~69に対応するため、重複する説明は省略する。
【0254】
ステップS215では、補正画像から第3文字コード集を抽出し、ステップS217で、第1文字コード集と第3文字コード集が一致するかどうかを判断する。ステップS217で“NO”であれば、つまり、第1文字コード集および第3文字コード集が異なるのであれば、ステップS219に進む。一方、ステップS217で“YES”であれば、つまり、第1文字コード集と第3文字コード集が一致するのであれば、
図12のステップS55に進む。
【0255】
ステップS219では、不一致文字コード集が含む不一致文字コードの各々が非対処文字コードかどうかを判断し、ステップS221で、第2学習情報を生成する。また、ステップS223では、第2学習情報を情報処理装置14に送信すると、
図12のステップS55に進む。
【0256】
また、
図21に示すステップS225~223は、
図14に示すステップS71~ステップS79に対応するため、重複する説明は省略する。
【0257】
図22は第3実施例の情報処理装置14のCPU50の情報記憶処理の一例を示すフロー図である。ステップS251では、第2学習情報を受信したかどうかを判断する、ステップS251で“NO”であれば、つまり、第2学習情報を受信していないのであれば、ステップS251に戻る。一方、ステップS251で“YES”であれば、つまり、第2学習情報を受信したのであれば、ステップS253で第2学習情報を記憶部56に記憶し、ステップS251に戻る。
【0258】
第3実施例によれば、第2学習情報が情報処理装置14の記憶部56に記憶されるため、当該第2学習情報に従って、正しく認識できるように補正されなかった不一致文字が再度生じないように、品質動作条件の設定に制限を設けることができる。つまり、出力画像に不一致文字が含まれる可能性を予め低くすることができる。
【0259】
なお、第2実施例の内容と第3実施例の内容が併用されてもよい。第3実施例では、正しく認識できるように補正されなかった不一致文字が再度生じないように品質動作条件の設定に制限が設けられる。また、第2実施例では、予め不一致文字に相当する文字を補正することができる。つまり、第2実施例と第3実施例の内容が併用されることで、出力画像等に確実に補正ができない不一致文字が生じなくなり、過去に対処された不一致文字に相当する文字が出力画像に含まれる場合、予め当該文字を補正することができる。したがって、不一致文字が生じることをさらに抑制することができる。
【0260】
また、上述の各実施例は一例であり、実際の製品において、適宜変更可能である。さらにまた、上述の各実施例で示したフロー図は一例であり、同じ効果が得られる場合には、各ステップの順番は任意に変更可能である。
【符号の説明】
【0261】
10 …情報処理システム
12 …画像形成装置
14 …情報処理装置
16 …ネットワーク
20 …CPU
24 …RAM
26 …記憶部
34 …通信部
50 …CPU
54 …RAM
56 …記憶部
62 …通信部
64 …ディスプレイ
66 …操作部