(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-11
(45)【発行日】2023-07-20
(54)【発明の名称】バッテリ保護構造
(51)【国際特許分類】
B60K 1/04 20190101AFI20230712BHJP
B62D 25/20 20060101ALI20230712BHJP
【FI】
B60K1/04 Z
B62D25/20 G
(21)【出願番号】P 2019177497
(22)【出願日】2019-09-27
【審査請求日】2022-08-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】100147913
【氏名又は名称】岡田 義敬
(74)【代理人】
【識別番号】100165423
【氏名又は名称】大竹 雅久
(74)【代理人】
【識別番号】100091605
【氏名又は名称】岡田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100197284
【氏名又は名称】下茂 力
(72)【発明者】
【氏名】原 俊之
(72)【発明者】
【氏名】横山 裕
【審査官】高瀬 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-74406(JP,A)
【文献】特開2017-144825(JP,A)
【文献】特開2017-165305(JP,A)
【文献】特開2018-193026(JP,A)
【文献】特開2002-186101(JP,A)
【文献】米国特許第9259998(US,B1)
【文献】独国特許出願公開第102015213860(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 1/04
B62D 25/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリを衝突から保護する保護構造であり、
前記バッテリの近傍に配置された車両骨格部材と、
前記車両骨格部材を貫通するように形成された貫通孔と、
前記バッテリの車両外側に配置された第1ダクトと、
前記バッテリの前記車両外側に配置され、前記車両骨格部材の前記貫通孔を通過する第2ダクトと、を具備し、
前記バッテリよりも前記車両外側で、前記第1ダクトと前記第2ダクトとが
、上方から見て重畳することを特徴とするバッテリ保護構造。
【請求項2】
前記第1ダクトは、前記バッテリを冷却する空気が流通するダクトであり、
前記第2ダクトは、車室を空調する空調風が流通するダクトであることを特徴とする請求項1に記載のバッテリ保護構造。
【請求項3】
前記車両骨格部材は、フロアトンネルとサイドシルとの間に架設されたクロスメンバであることを特徴とする請求項1に記載のバッテリ保護構造。
【請求項4】
前記車両骨格部材は、前記バッテリの一方側に配置された第1車両骨格部材と、前記バッテリの他方側に配置された第2車両骨格部材と、を有し、
前記第1車両骨格部材には第1貫通孔が形成され、前記第2車両骨格部材には第2貫通孔が形成され、
前記第2ダクトは、前記第1貫通孔および前記第2貫通孔を通過することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のバッテリ保護構造。
【請求項5】
前記第1車両骨格部材および前記第2車両骨格部材は、フロアトンネルとサイドシルとの間に架設されたクロスメンバであることを特徴とする請求項4に記載のバッテリ保護構造。
【請求項6】
前記バッテリは、シートの下方に配置され、
前記車両骨格部材の上面には、前記シートが固定されることを特徴とする請求項1に記載のバッテリ保護構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリ保護構造に関し、特に、バッテリの車両外側に配置されたダクトにより衝突事故発生時の衝撃を吸収するバッテリ保護構造に関する。
【背景技術】
【0002】
乗用車等の車両として、ハイブリッド自動車や電気自動車が登場してきており、これらの車両には大型の充電式バッテリが搭載されている。車両に搭載される充電式バッテリは、例えば略板状に形成されたバッテリセルと呼称される単体のリチウムイオンバッテリを複数個組み合わせたモジュールから構成される。
【0003】
車両に衝突事故が発生した場合、充電式バッテリに大きな衝撃が作用すると漏電やガス発生の恐れがあるため、充電式バッテリに及ぶ衝撃を緩和するための衝撃対策が必要とされる。
【0004】
このような衝撃対策の一例として、以下の特許文献1に記載された発明が存在する。
【0005】
特許文献1では、衝撃吸収ダクトでバッテリを保護するバッテリ搭載部のエネルギ吸収構造が記載されている。具体的には、このエネルギ吸収構造では、バッテリ搭載部は、衝撃吸収ダクトにより車体フロアとセンターコンソールボックスとを連結している。また、バッテリ搭載部は、センターコンソールボックスから、所定値以上の荷重が入力すると、変形することでエネルギ吸収を行う。よって、側面衝突時にセンターコンソールボックスから衝撃吸収ダクトへ所定値以上の荷重が入力されると、衝撃吸収ダクトが曲げ変形することによって、バッテリに入力する衝撃エネルギが低減される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記した特許文献1に記載された発明では、バッテリを下方から支持するバッテリ搭載部でバッテリを保護していたため、例えば、自車に側方から他車が衝突する側突が発生した場合、バッテリ搭載部を側突から効果的に保護することは困難であった。また、バッテリを側突から保護するために、バッテリの車両側方に衝撃専用部材を配設すると、車両の構成が複雑になり、且つコストアップを招くという課題が生じる。
【0008】
本発明は、このような問題点を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、簡易な構成でバッテリを側突等から保護することができるバッテリ保護構造を提供することになる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1に記載された発明によれば、バッテリを衝突から保護する保護構造であり、前記バッテリの近傍に配置された車両骨格部材と、前記車両骨格部材を貫通するように形成された貫通孔と、前記バッテリの車両外側に配置された第1ダクトと、前記バッテリの前記車両外側に配置され、前記車両骨格部材の前記貫通孔を通過する第2ダクトと、を具備し、前記バッテリよりも前記車両外側で、前記第1ダクトと前記第2ダクトとが、上方から見て重畳することを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項2では、前記第1ダクトは、前記バッテリを冷却する空気が流通するダクトであり、前記第2ダクトは、車室を空調する空調風が流通するダクトであることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項3では、前記車両骨格部材は、フロアトンネルとサイドシルとの間に架設されたクロスメンバであることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項4では、前記車両骨格部材は、前記バッテリの一方側に配置された第1車両骨格部材と、前記バッテリの他方側に配置された第2車両骨格部材と、を有し、第1車両骨格部材には前記第1貫通孔が形成され、前記第2車両骨格部材には第2貫通孔が形成され、前記第2ダクトは、前記第1貫通孔および前記第2貫通孔を通過することを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項5では、前記第1車両骨格部材および前記第2車両骨格部材は、フロアトンネルとサイドシルとの間に架設されたクロスメンバであることを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項6では、前記バッテリは、シートの下方に配置され、前記車両骨格部材の上面には、前記シートが固定されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載された発明によれば、車両骨格部材の貫通孔を第2ダクトが貫通することで第2ダクトの位置が固定され、衝突事故発生時における第2ダクトの移動を抑制し、第2ダクトにより衝突エネルギを吸収してバッテリを保護することができる。また、第1ダクトと第2ダクトとが重畳することで、衝突時に於いて更に多くの衝突エネルギを吸収し、バッテリを保護する効果を顕著にできる。
【0016】
請求項2に記載された発明によれば、衝突事故発生時に、バッテリ用ダクトおよび空調用ダクトの両方で衝突エネルギを吸収するので、衝突事故発生時にバッテリをより強固に保護することができる。
【0017】
請求項3に記載された発明によれば、クロスメンバにより第2ダクトを支持するので、衝撃をより効果的に吸収することができる。
【0018】
請求項4に記載された発明によれば、車両骨格部材により第2ダクトの複数箇所を固定できるため、衝突事故発生時に第2ダクトをより強固に固定することができ、バッテリを保護する効果を更に大きくすることができる。
【0019】
請求項5に記載された発明によれば、クロスメンバにより前後方向から第2ダクトを支持するので、衝撃をより効果的に吸収することができる。
【0020】
請求項6に記載された発明によれば、シートを支持する車両骨格部材を用いて、衝突事故が発生した際に第2ダクトの移動を規制し、バッテリを衝突エネルギからより効果的に保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施の形態に係るバッテリ保護構造を備えた車両を示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係るバッテリ保護構造を備えた車両を示す断面図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係るバッテリ保護構造を備えた車両を示す断面図であり、衝突事故が発生した後の状態を示している。
【
図4】本発明の他の形態に係るバッテリ保護構造を備えた車両を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態に係るバッテリ保護構造10を図面に基づき詳細に説明する。
【0023】
図1は、バッテリ保護構造10が組み込まれた乗用車等の車両を部分的に示す斜視図である。ここでは、車体フロア18の前方外側部分を示している。
【0024】
本実施形態に係るバッテリ保護構造10は、自車に対して他車が車両外側から衝突する側突により入力する衝撃エネルギを吸収し、バッテリ11を当該側突から保護する構造である。具体的には、バッテリ保護構造10は、車両骨格部材であるクロスメンバ121およびクロスメンバ122と、クロスメンバ121に形成した第1貫通孔131と、空調ダクト152と、バッテリダクト14と、を具備しており、バッテリ11よりも車両外側で、空調ダクト152とバッテリダクト14とが重畳している。ここで、バッテリダクト14が第1ダクトであり、空調ダクト152が第2ダクトである。また、前方に配置されたクロスメンバ121が第1車両骨格部材であり、クロスメンバ122が第2車両骨格部材である。
【0025】
バッテリ11は、電動車である車両のモータや電装部品に、電力を供給する。ここで、車両としては、例えば、EV(Electric Vehicle)、HEV(Hybrid Electric Vehicle)やPHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)等を採用できる。
【0026】
バッテリ11は、ここでは図示しないが、積層配置された多数のバッテリセルから成るバッテリスタックを複数個有している。また、バッテリ11は、リチウムイオンバッテリまたはニッケル水素バッテリから成る二次電池である。
【0027】
車体フロア18には、車両骨格部材として、フロアトンネル16およびサイドシル17が形成されている。フロアトンネル16は、車体フロア18の車両幅方向における中心部分を、前後方向に沿って上方に隆起させた骨格部材である。サイドシル17は、車体フロア18の車両外側端部を前後方向に沿って柱状に成形した骨格部材である。バッテリ11は、フロアトンネル16と、サイドシル17との間に配置されている。
【0028】
更に、車体フロア18には、骨格部材としてクロスメンバ121およびクロスメンバ122が配置されている。クロスメンバ121はバッテリ11の前方側に配置される。クロスメンバ121の車両外側端部はサイドシル17に剛結され、クロスメンバ121の車両内側端部はフロアトンネル16に剛結される。クロスメンバ122はバッテリ11の後方側に配置される。クロスメンバ122の車両外側端部はサイドシル17に剛結され、クロスメンバ122の車両内側端部はフロアトンネル16に剛結される。
【0029】
クロスメンバ121には第1貫通孔131が形成されている。第1貫通孔131はクロスメンバ121を前後方向に沿って貫通する孔である。第1貫通孔131は、バッテリ11の車両外側端部よりも車両外側に形成されている。第1貫通孔131は、後述する空調ダクト152を挿通させることが出来る大きさおよび形状とされている。
【0030】
また、ここでは図示しないが、クロスメンバ121の上面にはシートが固定される。係る構成により、シートを支持する部材としてクロスメンバ121を用い、クロスメンバ121が空調ダクト152の引き回しを阻害することなく、更には、クロスメンバ121に形成した第1貫通孔131で空調ダクト152の耐衝撃性を向上できる。
【0031】
バッテリ11の車両外側にはバッテリダクト14が形成されている。バッテリダクト14は、バッテリ11が充放電する際に発する熱を外部に排出するためのダクトである。バッテリダクト14は、例えばPP(Polypropylene)から成る。
【0032】
空調ダクト15は、車室を空調するための空調風が流通するダクトである。具体的には、空調ダクト15は、空調風の上流側に形成された空調ダクト151と、空調ダクト151の下流側端部から枝分かれする空調ダクト153および空調ダクト152と、を有する。空調ダクト15は、例えば、例えばPP(Polypropylene)から成る。
【0033】
空調ダクト151の上流側端部は、車両空調装置に接続され、空調ダクト151の下流側端部には空調ダクト152および空調ダクト153が接続している。
【0034】
空調ダクト152の上流側端部は空調ダクト151に接続し、空調ダクト152の下流側端部は、ここでは図示しない車室に開口している。また、空調ダクト152の中間部分は、クロスメンバ121の第1貫通孔131を貫通し、クロスメンバ122の上方を通過する。また、クロスメンバ121とクロスメンバ122との間に於いて、クロスメンバ121は、バッテリ11よりも車両外側に配置されている。
【0035】
空調ダクト153の上流側端部は空調ダクト151に接続し、空調ダクト153の下流側端部は、ここでは図示しない車室に開口している。また、空調ダクト153の中間部分は、クロスメンバ121およびバッテリ11の上方を通過している。
【0036】
本実施形態では、バッテリ11の車両外側に於いて、バッテリダクト14と空調ダクト152とを重畳させている。このようにすることで、側突が発生した際に、バッテリ11に作用する衝撃を緩和することができる。
【0037】
具体的には、バッテリ11の前方および後方にはクロスメンバ121およびクロスメンバ122が配置されている。一方、バッテリ11の車両外側にはサイドシル17が形成されているが、この部分にポール衝突が発生した場合、サイドシル17が局所的に内側に向かって湾曲し、バッテリ11に大きな衝撃が作用してしまう恐れがある。
【0038】
そこで、本実施形態では、バッテリ11の車両外側にバッテリダクト14および空調ダクト152を、上方から見たら重畳するように配置している。空調ダクト152およびバッテリダクト14は、上記したように合成樹脂から成るダクトであるため、ある程度の機械的強度を有している。よって、側突が発生した際に、空調ダクト152およびバッテリダクト14が同時に変形することで衝撃を吸収し、バッテリ11に作用する衝撃を緩和することができる。また、バッテリダクト14および空調ダクト152は、空調風を送風するための構成部材であり、衝撃対策のための専用部材ではないため、コスト上昇を抑制することができる。
【0039】
図2は、
図1の切断面線A-Aに於ける断面図である。
図2では、バッテリ11の上端および下端と同レベルの高さを一点鎖線で示している。
【0040】
この図を参照して、バッテリ11は、フロアトンネル16とサイドシル17との間に於いて、車体フロア18の上面に配置されている。また、バッテリ11の車両外側には、バッテリダクト14および空調ダクト152が配置されている。上記したように、バッテリダクト14と空調ダクト152とは、上方から見て重畳するように配置されている。バッテリダクト14と空調ダクト152とは、両者が部分的に重畳しても良いし、空調ダクト152の全てがバッテリダクト14の上方に配置されても良い。
【0041】
更に、バッテリダクト14および空調ダクト152は、バッテリ11とサイドシル17との間に於いて、バッテリ11の側に寄せて配置されている。このようにすることで、側突が発生した際に、バッテリ11の近傍で、空調ダクト152およびバッテリダクト14が変形することで、側突による衝撃を効果的に吸収することができる。
【0042】
また、バッテリダクト14の下端は、バッテリ11の底面よりも上方に配置されている。更に、バッテリダクト14の上端は、バッテリ11の上面よりも下方に配置されている。係る構成により、側突が発生した際に、サイドシル17に押圧されたバッテリダクト14が効果的に変形することで、側突による衝撃を緩和し、バッテリ11を衝撃から保護することができる。
【0043】
更にまた、空調ダクト152の少なくとも一部は、バッテリ11の上面よりも下方に配置されている。このようにすることで、側突が発生した際に、サイドシル17に押圧された空調ダクト152か効果的に変形することで、側突による衝撃を効果的に緩和し、バッテリ11を衝撃から保護することができる。ここで、空調ダクト152の全てを、バッテリ11の上面よりも下方に配置することも出来る。
【0044】
図3に、側突が発生した後のバッテリ保護構造10の構成を説明する。ここでは、
図1の切断面線A-Aに示した箇所に、車両外側からポールが衝突するポール衝突が発生した場合を示している。先ず、ポール衝突が発生することで、サイドシル17は車両内側に向かって進入する。更に、サイドシル17に車両外側から押された空調ダクト152およびバッテリダクト14は、車両幅方向において圧縮されるように変形する。
【0045】
空調ダクト152の前方部分は、
図1に示したように、クロスメンバ121の第1貫通孔131を貫通していることから、空調ダクト152の車両内側への移動は抑止されている。よって、側突時に空調ダクト152がサイドシル17により車両内側に押されたら、空調ダクト152はその位置を維持しつつ潰れ変形することで、衝撃を吸収する。
【0046】
また、バッテリダクト14の車両内側端側の端部は、バッテリ11に接触している。よって、側突時には、バッテリダクト14は、サイドシル17により車両外側から押されることで、バッテリ11とサイドシル17との間で潰れ変形する。これにより、側突により発生した衝撃を吸収することができる。
【0047】
本実施形態では、上記したようにバッテリダクト14と空調ダクト152とが重畳するように配置されている。よって、空調ダクト152とバッテリダクト14とが、同時に潰れ変形を起こすことで、効果的に衝撃を吸収し、バッテリ11に及ぶ衝撃を緩和することができる。
【0048】
図4の斜視図を参照して、他の形態に係るバッテリ保護構造10の構成を説明する。
図4に示すバッテリ保護構造10の構成は、基本的には
図1に示したものと同様であり、ここでは、空調ダクト152がクロスメンバ121およびクロスメンバ122の両方を貫通している。
【0049】
具体的には、前方側に配置されたクロスメンバ121には第1貫通孔131が形成され、後方側に配置されたクロスメンバ122には第2貫通孔132が形成されている。また、空調ダクト152の前方部分は第1貫通孔131を貫通し、空調ダクト152の後方部分は第2貫通孔132を貫通している。
【0050】
係る構成により、空調ダクト152の前方部分は第1貫通孔131を貫通することで支持され、空調ダクト152の後方部分は第2貫通孔132を貫通することで支持されている。よって、側突が発生した際に、空調ダクト152はより強固に支持されることから、空調ダクト152によりバッテリ11を側突から保護する効果を大きくすることができる。
【0051】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更が可能である。また、上記した各形態は相互に組み合わせることが可能である。
【0052】
例えば、
図1に示したバッテリ保護構造10では、バッテリ11の車両外側である右側に空調ダクト152およびバッテリダクト14を配置することで、車両外側である右側からの側突からバッテリ11を保護したが、バッテリ11の後方側に空調ダクト152およびバッテリダクト14を配置することで、後方からの衝突からバッテリ11を保護することもできる。
【符号の説明】
【0053】
10 バッテリ保護構造
11 バッテリ
121 クロスメンバ
122 クロスメンバ
131 第1貫通孔
132 第2貫通孔
14 バッテリダクト
15 空調ダクト
151 空調ダクト
152 空調ダクト
153 空調ダクト
16 フロアトンネル
17 サイドシル
18 車体フロア