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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-11
(45)【発行日】2023-07-20
(54)【発明の名称】空気調和機、および空気調和方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/65 20180101AFI20230712BHJP
   F24F 110/50 20180101ALN20230712BHJP
【FI】
F24F11/65
F24F110:50
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020541156
(86)(22)【出願日】2019-08-28
(86)【国際出願番号】 JP2019033763
(87)【国際公開番号】W WO2020050114
(87)【国際公開日】2020-03-12
【審査請求日】2022-03-23
(31)【優先権主張番号】P 2018164281
(32)【優先日】2018-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】吉田 充邦
【審査官】奈須 リサ
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-236763(JP,A)
【文献】特開2010-269058(JP,A)
【文献】特開2008-134004(JP,A)
【文献】特開平11-037530(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/00-13/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気の温度または湿度を調節する空気調和運転と、空気を清浄にする空気清浄運転とを含む、空気調和機の運転状態を制御する運転制御手段と、
前記空気調和機の停止を指示する停止指示情報を取得する停止指示情報取得手段と、を備える室内機と、
前記室内機に操作信号を送信するリモコン装置と、を備え、
前記空気調和運転は、冷房運転と暖房運転とを含み、
前記リモコン装置は、前記冷房運転を開始する運転ボタンと、前記暖房運転を開始する運転ボタンと、前記冷房運転および前記暖房運転を停止する停止ボタンと、を有し、
前記室内機は、前記リモコン装置の停止ボタンの操作による前記停止指示情報に基づいて前記空気調和機を停止させる際に、
前記空気調和運転および前記空気清浄運転の両方が行われている場合、前記運転制御手段は、前記空気調和運転を停止し前記空気清浄運転を継続し、
前記空気清浄運転のみが行われている場合、前記空気清浄運転を停止する、空気調和機。
【請求項2】
前記空気調和運転である冷房運転または除湿運転が停止された場合、前記運転制御手段は、前記空気調和機における室内機内部を乾燥させる所定の乾燥運転を行う、請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記停止指示情報取得手段が前記停止指示情報を取得した際に、前記空気清浄運転および前記乾燥運転が行われている場合、前記空気清浄運転を停止する、請求項に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記所定の乾燥運転は、前記乾燥運転を所定時間行うものであり、前記所定時間の経過後、前記運転制御手段は、前記乾燥運転を停止する、請求項またはに記載の空気調和機。
【請求項5】
前記停止指示情報は、遠隔操作装置の操作または切タイマーの設定により、取得される、請求項1~のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項6】
空気の温度または湿度を調節する空気調和運転と、空気を清浄にする空気清浄運転とを含む、空気調和機の運転状態を制御し、
前記空気調和機の停止を指示する停止指示情報を取得し、
前記空気調和機は、室内機に操作信号を送信するリモコン装置を備え、
前記空気調和運転は、冷房運転と暖房運転とを含み、
前記リモコン装置は、前記冷房運転を開始する運転ボタンと、前記暖房運転を開始する運転ボタンと、前記冷房運転および前記暖房運転を停止する停止ボタンと、を有し、
前記リモコン装置の停止ボタンの操作による前記停止指示情報に基づいて前記空気調和機を停止させる際に、
前記空気調和運転および前記空気清浄運転の両方が行われている場合、前記空気調和運転を停止し前記空気清浄運転を継続し、
前記空気清浄運転のみが行われている場合、前記空気清浄運転を停止する、空気調和方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機、および空気調和方法に関する。本願は、2018年9月3日に、日本に出願された特願2018-164281号に基づく優先権を主張するものであり、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、空気調和運転と空気清浄運転とを行うことができる空気調和機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-156901号公報
【文献】特開2007-190190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の空気調和機では、空気調和運転および空気清浄運転のそれぞれに対応する停止ボタンがあるため、空気調和運転と空気清浄運転との停止を使い分ける必要があり、使い勝手が悪かった。本発明は、より利便性の高い空気調和機等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一形態の空気調和機は、空気の温度または湿度を調節する空気調和運転と、空気を清浄にする空気清浄運転とを含む、空気調和機の運転状態を制御する運転制御手段と、前記空気調和機の停止を指示する停止指示情報を取得する停止指示情報取得手段と、を備え、前記停止指示情報に基づいて前記空気調和機を停止させる際に、前記空気調和運転および前記空気清浄運転の両方が行われている場合、前記運転制御手段は、前記空気調和運転を停止し、前記空気清浄運転を継続する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1の実施形態に係る空気調和機の室内機の外観を示す斜視図である。
図2】上記室内機の縦断面図である。
図3】第1の実施形態に係る空気調和機のリモコン装置を示す図である。
図4】第1の実施形態に係る空気調和機の一例を示す図である。
図5】第1の実施形態に係る空気調和機の制御部の機能的構成の一例を示す図である。
図6】運転状態情報の一例を示す図である。
図7】第1の実施形態に係る空気調和機のフローの一例を示す図である。
図8】第2の実施形態に係る空気調和機の一例を示す図である。
図9】運転状態情報の別の一例を示す図である。
図10】第2の実施形態に係る空気調和機のフローの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本発明の実施形態においては、室内機と室外機とからなるセパレート型空気調和機を用いて説明する。なお、図面については、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、本実施の形態に係るセパレート型空気調和機の室内機1の外観を示す斜視図である。図2は、上記室内機1の縦断面図である。
【0009】
図1図2に示すように、空気調和機の室内機1は、室内機本体2と、室内機本体2の前面に配置される導風板3とを備えている。室内機本体2は、キャビネット4を有しており、キャビネット4の内部に、送風機13、熱交換器14等が配されている。なお、室内機本体2を前面(正面)から見て幅方向を左右方向とし、室内機本体2の奥行き方向を前後方向とし、室内機本体2の高さ方向を上下方向とする。
【0010】
室内機本体2の前面には吹出し口7が形成され、吹出し口7には前記した導風板3が備えられている。室内機本体2の上面には上吸込み口8が形成され、室内機本体2の下面には下吸込み口(吸込み口)9が形成されている。室内機本体2の内部には、上吸込み口8から吹出し口7に至る上空気通路と、下吸込み口9から吹出し口7に至る下空気通路とが形成され、上空気通路と下空気通路とが共通する部分に、送風機13と熱交換器14とが配置されている。
【0011】
上吸込み口8には、空気清浄のための第1フィルタ15が配設されている。上吸込み口8から吸い込まれた空気は、第1フィルタ15、送風機13および熱交換器14を経て吹出し口7から吹き出される。また、上記導風板3が動作することにより、この吹き出された空気の方向が変えられるようになっている。
【0012】
下吸込み口9には、空気清浄のための第2フィルタ16が配設されている。第2フィルタ16は、例えばHEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)である。下吸込み口9から吸い込まれた空気は、第2フィルタ16、送風機13および熱交換器14を経て吹出し口7から吹き出される。上記第2フィルタ16は、室内機本体2に脱着可能に設けられたフィルタ保持部品20に保持されている。なお、第2フィルタ16として、HEPAフィルタ+静電フィルタとしてもよい。
【0013】
上記熱交換器14は、図示しない室外機に配した圧縮機に接続されている。この圧縮機が駆動されると冷凍サイクルが運転され、熱交換器14は空気と熱交換する。空気調和機は、熱交換器14による熱交換により冷房運転または暖房運転、除湿運転のいずれかの空気調和運転を行う。本実施形態の空気調和機における空気調和運転においては、第1フィルタ15および第2フィルタ16を介して吸い込まれた空気が、吹出し口7から吹き出されるため、吸い込まれる空気の空気清浄を行う空気清浄運転も同時に行われている。言い換えれば、空気清浄運転兼用空気調和運転である。なお、上記空気調和運転の停止は、上記圧縮機25を停止して、熱交換器14での熱交換を停止することで行われる。圧縮機25を停止した状態で送風機13を駆動させて送風を行う送風運転の場合には、第1フィルタ15および第2フィルタ16に空気を通過させているため、空気清浄運転となる。言い換えれば、単独空気清浄運転である。
【0014】
図3は、本実施形態に係る空気調和機のリモコン装置の一例の概略図である。上記空気調和機は、このリモコン装置により運転の指示が行われる。
【0015】
図3に示すように、リモコン装置30は上方に(図面の上側)に表示部31を有する。この表示部31の下方に、複数の操作ボタン32を有する。操作ボタン32には、冷房運転、暖房運転、除湿運転、室温や外気温など周囲環境に応じて運転内容が自動で切り替わる自動運転を開始するための運転ボタン、運転の停止を指示する停止ボタン、設定温度や設定湿度を設定できる設定ボタン等がある。ユーザが操作ボタン33を操作したとき、リモコン装置30は室内機1に操作ボタン32に応じた操作信号を送信する。本実施形態では、上記リモコン装置30により空気調和機の運転指示等が行われているが、これに限らず、例えば携帯電話やスマートフォン等の通信端末(携帯端末)から、クラウドサーバ等を介して指示するように構成してもよい。また、図示していないが、例えば上記リモコン装置30等で運転が開始されない場合などに、応急的に空気調和機を運転させることができる応急運転ボタンが室内機本体2に設けられていてもよい。
【0016】
図4は、本実施形態にかかる空気調和機の制御部101を中心にした主な構成の一部を示す図である。本実施形態にかかる空気調和機は、例えば、制御部101、導風板3、送風機13、熱交換器14、圧縮機25、記憶部102、計時部103、通信部104、を含む。制御部101は、例えばCPU、MPU等であって、記憶部102に格納されるプログラムに従って各種の情報処理を実行する。記憶部102は、例えばフラッシュメモリやRAM等であって、制御部101によって実行されるプログラムや、各種のデータを保持する。また、記憶部102は、制御部101のワークメモリとしても動作する。通信部104は、インターフェース等であって、直接またはネットワークを介して、遠隔操作装置(リモコンや携帯端末(携帯電話やスマートフォン)等)と通信する。なお、リモコン装置は双方向通信タイプであれば、室内機から情報を取得する。短方向通信タイプであれば、リモコンから指示を送信するだけで、室内機から情報は取得しない。具体的には、通信部104は、例えば、上記遠隔操作装置からの運転指示や停止指示を受信する。また、計時部103は、時間を計測する。また、制御部101は、導風板3、送風機13、熱交換器14、圧縮機25等のそれぞれに接続され、各部を制御する。
【0017】
図5は、図4に示す空気調和機における制御部の機能的構成の一例を示す図である。図5に示すように、本実施形態における制御部101は、例えば、停止指示情報取得部201、運転状態情報取得部202、運転制御部203を含む。
【0018】
運転制御部203は、空気の温度または湿度を調節する空気調和運転、空気を清浄にする空気清浄運転等を含む、空気調和機の運転状態を制御する。
【0019】
停止指示情報取得部201は、空気調和機の停止を指示する停止指示情報を取得する。この停止指示情報は、例えばリモコン装置等の遠隔操作装置における停止ボタンが押されることにより送信される。この場合には、リモコン装置から赤外線等によって送信された停止指示情報を通信部104が受信することにより、停止指示情報取得部201が停止指示情報を取得する。上記停止指示情報は、リモコン装置から送信されるものに限らず、例えば携帯電話等の携帯端末から送信されクラウドサーバ等を介して取得された停止指示情報、運転を停止するまでの時間や運転を停止する時刻を設定する切タイマーによる停止指示情報であってもよい。この携帯端末も遠隔操作装置に相当する。また、停止指示情報は、空気調和機の運転を停止させる時点を表す時間情報を含んでもよい。例えば、上記のようにリモコン装置30の停止ボタンによる停止指示であれば、停止指示情報取得部201が停止指示情報を取得した時点の時間情報を含み、切タイマーによる停止指示であれば、実際に停止される時間の時間情報を含む。なお、本実施形態における空気調和機の停止とは、例えば空気調和運転、空気清浄運転等のいずれかを停止させるものである。したがって、上記停止指示情報においては、空気調和運転、空気清浄運転等の特定の運転状態を規定したものではない。
【0020】
運転状態情報取得部202は、停止指示情報に基づいて、空気調和機を停止させる際に、運転状態を表す運転状態情報を取得する。具体的には、運転状態情報取得部202は、例えば図6の状態1~状態4で示されるいずれかの、空気調和運転における各運転モード(冷房運転、除湿運転、暖房運転)と、各モードにおける運転状態とが関連付けられた空気調和運転の運転状態(起動中(ON)、停止中(OFF))、および空気清浄運転の運転状態を含む運転状態情報を取得する。この運転状態情報は、例えば、予め記憶部102に記憶されており、例えば運転制御部203で運転状態が更新されるたびに、各運転状態のON/OFFが書き換えられたものである。より具体的には、運転状態情報取得部202は、例えば、冷房運転が行われている場合、空気調和運転における冷房運転とONとが関連付けられた運転状態および空気清浄運転とONとが関連付けられた運転状態を含む運転状態情報を取得する。上記の運転状態情報は一例であって、運転状態を表すものであればこれに限定されるものではない。
【0021】
そして、運転制御部203は、運転状態情報に基づいて、運転状態を制御する。具体的には、運転制御部203は、例えば図6に示す状態1~状態3の運転状態情報を取得した場合は、空気調和運転と空気清浄運転の両方が行われており、空気調和運転(冷房運転、除湿運転、暖房運転)を停止し、空気清浄運転は継続する。一方、運転制御部203は、例えば図6に示す状態4のように、空気清浄運転のみが行われている場合、空気清浄運転を停止する。このように、本実施形態では、空気調和運転および空気清浄運転を指定して停止する必要がないため、例えばリモコン装置においては、停止ボタンのみを設ければよく、リモコン装置を小型化し得る。なお、本実施形態では、上述のとおり空気調和運転の際には同時に第1フィルタ15および第2フィルタ16を通して空気清浄運転が行われているので、空気調和運転のみの場合については考慮していない。
【0022】
次に、本実施形態における空気調和機における処理のフローの一例について説明する。図7は本実施形態における空気調和機の処理のフローの一例を示す図である。
【0023】
図7に示すように、停止指示情報取得部201は、空気調和機における運転の停止を指示する停止指示情報を取得する(S101)。運転状態情報取得部202は、停止指示情報に基づいて、空気調和機における運転状態を表す運転状態情報を取得する(S102)。運転制御部203は、運転状態情報に基づいて、空気調和機における運転状態が、空気調和運転および空気清浄運転の両方が行われているか否かを判断する(S103)。運転制御部203は、S103で空気調和運転および空気清浄運転の両方が行われていると判断した場合、空気調和運転を停止し、空気清浄運転は継続する(S104)。一方、運転制御部203は、S103で運転状態の空気調和運転および空気清浄運転の両方は行われていないと判断した場合、空気清浄運転のみが行われているか否かを判断する(S105)。運転制御部203は、S105で空気清浄運転のみが行われていると判断した場合、空気清浄運転を停止する(S106)。なお、本実施形態では、上述のとおり空気調和運転の際には同時に第1フィルタ15および第2フィルタ16を通して空気清浄運転が行われているので、空気調和運転のみの場合については考慮していない。
【0024】
本実施形態によれば、空気調和運転と空気清浄運転の両方が行われている場合には、空気調和運転のみを停止し、空気清浄運転が継続されるため、空気清浄運転をし続けるニーズに沿った運転を提供できるなど、利便性がよい。
【0025】
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、上記実施の形態で示した構成と実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えてもよい。
【0026】
(第2の実施形態)
本実施形態の空気調和機は、図8に示すように、第1の実施形態の空気調和機において、空気清浄のための第1フィルタ15、第2フィルタ16を設けず、空気清浄運転を行うための電気集塵器40を備える点が異なる。この電気集塵器40は、制御部101により制御される。つまり、本実施形態の空気調和機では、第1の実施形態とは異なり、空気清浄運転が、空気調和運転の際に自動的には行われず、電気集塵器40を制御することにより単独に行われる。
【0027】
この場合、運転状態情報取得部202は、第1の実施形態と同様に、停止指示情報取得部201が取得した停止指示情報に基づいて、運転状態情報を取得する。具体的には、運転状態情報取得部202は、例えば図9に示す状態1~9のいずれかの、空気調和運転における各運転モードと、各モードにおける運転状態とが関連付けられた空気調和機における空気調和運転の運転状態および空気清浄運転の運転状態を含む運転状態情報を取得する。
【0028】
そして、運転制御部203は、運転状態情報に基づいて、運転状態を制御する。具体的には、運転制御部203は、例えば図9に示す状態1~状態3のように、空気調和運転と空気清浄運転の両方が行われている場合、空気調和運転を停止し、空気清浄運転は継続する。また、運転制御部203は、例えば図9に示す状態4のように、空気清浄運転のみが行われている場合、空気清浄運転を停止する。またさらに、運転制御部203は、例えば図9に示す状態5~状態7のように、空気調和運転(冷房運転、除湿運転、暖房運転のいずれか)のみが行われている場合、運転制御部203は空気調和運転(冷房運転、除湿運転、暖房運転)を停止する。
【0029】
次に、本実施形態における空気調和機における処理のフローの一例について説明する。図10は本実施形態における空気調和機の処理のフローの一例を示す図である。なお、S201~S206は第1の実施形態のS101~S106と同様である。
【0030】
図10に示すように、運転制御部203は、S205で空気清浄運転のみではないと判断した場合、空気調和運転のみが行われているか否かを判断する(S207)。運転制御部203は、S207で空気調和運転のみが行われていると判断した場合、空気調和運転を停止する(S208)。
【0031】
本実施形態によれば、空気清浄運転が単独に制御される場合においても、空気調和運転と空気清浄運転の両方が行われている状況で、空気調和装置の停止を指示した場合、空気調和運転のみを停止し、空気清浄運転が継続されるため、例えば空気清浄運転をし続けるニーズに沿った運転を提供でき、利便性がよい。
【0032】
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、上記実施の形態で示した構成と実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えてもよい。
【0033】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。なお、下記において第1、第2の実施形態と同様である点については説明を省略する。本実施形態は、第1の実施形態において、例えば冷房運転や除湿運転の熱交換器に結露が生じる運転を行った後に、さらに乾燥運転を行うものである。
【0034】
本実施形態における運転制御部203は、空気調和機における乾燥運転も制御する。乾燥運転は、例えば、熱交換器14の水分を蒸発させて、空気調和機の室内機1の内部を乾燥させるための運転である。より具体的には、運転制御部203は、冷房運転または除湿運転を停止した場合に、予め設定された所定の乾燥運転を実施する。また、この所定の乾燥運転は、例えば、予め実験等により把握された室内機1の内部を乾燥させることができる所定時間行う。さらに具体的な乾燥運転としては、例えば、
・送風運転のみ第1所定時間行う、
・送風運転を第2所定時間行った後、暖房運転を第3所定時間行う、
・暖房運転を第4所定時間行った後、送風運転を第5所定時間行う、
・暖房運転のみを第6所定時間行う、
などいろいろな乾燥運転が考えられる。例えば、この所定の乾燥運転により、室内機1の内部をより確実に乾燥させることができる。
【0035】
また、運転制御部203は、乾燥運転中に停止指示情報取得部201が停止指示情報を取得した場合、乾燥運転を停止せず、所定の乾燥運転を実施する。例えば、空気清浄運転および乾燥運転を行っている際に、停止指示情報取得部201が停止指示情報を取得した場合、運転制御部203は、停止指示情報を取得した時点では乾燥運転を停止せず所定の乾燥運転を実施し、所定の乾燥運転を行った後に当該乾燥運転を停止する。すなわち、空気清浄運転および乾燥運転を行っている際に、停止指示情報取得部201が停止指示情報を取得した時点では、所定時間が経過していなければ、運転制御部203は空気清浄運転を停止するが乾燥運転を継続し、所定時間が経過していれば、空気清浄運転を停止する。
【0036】
なお、実施の形態2の構成を空気調和機が有している場合、運転制御部203は、停止指示情報を取得した時点で電気集塵器40を停止させかつ乾燥運転は継続し、所定の乾燥運転を行った後に当該乾燥運転を停止するようにしてもよい。言い換えれば、空気清浄運転は停止させるが乾燥運転は所定の乾燥運転が完了するまで継続し、完了後、乾燥運転を停止する。また、上記の通り、乾燥運転は停止指示情報の取得にかかわらず、完了まで継続することが好ましいが、乾燥運転のみの実施中に停止指示情報取得201が停止指示情報を取得した場合には、運転制御部203は当該乾燥運転を停止するようにしてもよい。
【0037】
冷房運転または除湿運転の際には、熱交換器14が冷却されることにより結露が生じやすい。そのため、熱交換器14の結露を放置した場合、カビや細菌等が発生しやすく、室内機1内部を清潔に保つことが困難となり得る。しかしながら、所定の乾燥運転を実施することにより、熱交換器14が乾燥され、室内機1の内部におけるカビや細菌等の発生が抑制され、室内機1の内部を清潔に保つことができる。
【0038】
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、上記実施の形態で示した構成と実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えてもよい。
【0039】
また、例えば、上記所定の乾燥運転は、熱交換器14の近傍に湿度センサ等を設けて、熱交換器14が乾燥したか否かを判定し、乾燥したと判定した場合に、停止するように構成したものでもよい。これにより、乾燥の判定を行っているため、よりカビや細菌等の発生を抑制することができる。
【0040】
(まとめ)
本発明の空気調和機は、空気の温度または湿度を調節する空気調和運転と、空気を清浄にする空気清浄運転とを含む、空気調和機の運転状態を制御する運転制御手段と、前記空気調和機の停止を指示する停止指示情報を取得する停止指示情報取得手段と、を備え、前記停止指示情報に基づいて前記空気調和機を停止させる際に、前記空気調和運転および前記空気清浄運転の両方が行われている場合、前記運転制御手段は、前記空気調和運転を停止し、前記空気清浄運転を継続する。
【0041】
この構成によれば、空気調和運転と空気清浄運転の両方が行われている状況で、空気調和機の停止を指示した場合、空気調和運転のみを停止し、空気清浄運転が継続されるため、例えば空気清浄運転をし続けるニーズに沿った運転を提供でき、利便性がよい。
【0042】
本発明の空気調和機は、次のように構成されていてもよく、それらが適宜組み合わされてもよい。
【0043】
(1)前記停止指示情報に基づいて前記空気調和機を停止させる際に、前記空気清浄運転のみが行われている場合、前記運転制御手段は、前記空気清浄運転を停止するように構成されていてもよい。これにより、運転を特定せずとも上記の停止指示情報で空気清浄運転が停止されるため、利便性がよい。
【0044】
(2)前記空気調和運転である冷房運転または除湿運転が停止された場合、前記運転制御手段は、前記空気調和機における室内機内部を乾燥させる所定の乾燥運転を行うように構成されていてもよい。これにより、室内機内部を乾燥させることにより、室内機内部におけるカビや細菌等の発生が抑制され、室内機内部を清潔に保つことができる。
【0045】
(3)前記停止指示情報取得手段が前記停止指示情報を取得した際に、前記空気清浄運転および前記乾燥運転が行われている場合、前記運転制御手段は、前記空気清浄運転を停止するように構成してもよい。これにより、途中で停止されることなく、所定の乾燥運転が行われ、室内機内部におけるカビや細菌等の発生が抑制され、室内機内部を清潔に保つことができる。
【0046】
(4)前記所定の乾燥運転は、前記乾燥運転を所定時間行うものであり、前記所定時間の経過後、前記運転制御手段は、前記乾燥運転を停止するように構成してもよい。これにより、所定時間の乾燥運転を実施することができ、室内機内部におけるカビや細菌等の発生が抑制され、室内機内部を清潔に保つことができる。
【0047】
(5)前記停止指示情報は、遠隔操作装置の操作または切タイマーの設定により、取得されるように構成してもよい。これにより、遠隔操作装置や切タイマーで空気調和機の停止指示を行うことができる。
【0048】
また、本発明の空気調和方法は、空気の温度または湿度を調節する空気調和運転と、空気を清浄にする空気清浄運転とを含む、空気調和機の運転状態を制御し、前記空気調和機の停止を指示する停止指示情報を取得し、前記停止指示情報に基づいて前記空気調和機を停止させる際に、前記空気調和運転および前記空気清浄運転の両方が行われている場合、前記空気調和運転を停止し、前記空気清浄運転を継続する。
【0049】
この構成によれば、空気調和運転と空気清浄運転の両方が行われている状況で、空気調和機の停止を指示した場合、空気調和運転のみを停止し、空気清浄運転が継続されるため、例えば空気清浄運転をし続けるニーズに沿った運転を提供でき、利便性がよい。
【0050】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、上記実施形態で示した構成と実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えてもよい。例えば、本実施形態は、互いに矛盾しない限り、上記第1または第2の実施形態と組み合わせて用いてもよい。例えば、第2の実施形態において、第3の実施形態における所定の乾燥運転を実施してもよい。
図1
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図10