(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-12
(45)【発行日】2023-07-21
(54)【発明の名称】電気機器
(51)【国際特許分類】
H04W 76/18 20180101AFI20230713BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20230713BHJP
H04W 84/10 20090101ALI20230713BHJP
H04W 52/38 20090101ALI20230713BHJP
H04W 92/08 20090101ALI20230713BHJP
【FI】
H04W76/18
H04W84/12
H04W84/10 110
H04W52/38
H04W92/08 110
(21)【出願番号】P 2019166141
(22)【出願日】2019-09-12
【審査請求日】2022-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 裕之
【審査官】青木 健
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-085678(JP,A)
【文献】特開2019-033385(JP,A)
【文献】特開2015-106798(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末と通信を行う電気機器であって、
第1回線および前記第1回線と接続されたアクセスポイントを介して、前記携帯端末と通信を行う第1通信手段と、
第2回線を介して、前記携帯端末と直接的に通信を行う第2通信手段とを備えており、
前記第1通信手段によって前記携帯端末との通信を行うことができないときに、前記第2通信手段によって前記携帯端末との通信を行
い、
前記第2通信手段によって、前記第1通信手段を利用した通信の異常に関する通信異常報知情報を発信し、
前記通信異常報知情報の電波強度は、当該電気機器と当該通信異常報知情報を受信する携帯端末との接続が確立される前は弱く、接続が確立された後に強くされることを特徴とする電気機器。
【請求項2】
請求項
1に記載の電気機器であって、
前記通信異常報知情報に、当該通信異常の解消方法を含めることを特徴とする電気機器。
【請求項3】
請求項1
または2に記載の電気機器であって、
前記第1通信手段の通信異常が発生している場合には、前記第2通信手段のみを利用する機能を有効とし、前記第1通信手段を利用する機能を無効とすることを特徴とする電気機器。
【請求項4】
請求項
1または
2に記載の電気機器であって、
前記通信異常報知情報を受信した携帯端末を介して
、クラウドサーバにデータを送信可能であることを特徴とする電気機器。
【請求項5】
請求項1から4の何れか1項に記載の電気機器であって、
前記第2通信手段を利用して他の携帯端末と通信することで
、クラウドサーバとのクラウド接続によるクラウドサービスを擬似体験させることのできるデモモードを有することを特徴とする電気機器。
【請求項6】
請求項
5に記載の電気機器であって、
前記デモモードでの動作時における電波強度は、前記携帯端末との接続が確立される前は弱く、接続が確立された後に強くされることを特徴とする電気機器。
【請求項7】
請求項
5または
6に記載の電気機器であって、
前記デモモードでの動作時に複数の携帯端末と接続可能であり、最初に接続した携帯端末にデモを実行させ、後から接続した携帯端末にはそのときに実行されているデモ画面を見せることを特徴とする電気機器。
【請求項8】
請求項
5から
7の何れか1項に記載の電気機器であって、
前記デモモードでの動作時には、実際のクラウドサービス実施時に当該電気機器が発す
る音声を、前記携帯端末に発させることを特徴とする電気機器。
【請求項9】
請求項1から
8の何れか1項に記載の電気機器であって、
前記第2通信手段を利用した機能を任意にON/OFFできることを特徴とする電気機器。
【請求項10】
携帯端末と通信を行う電気機器であって、
第1回線および前記第1回線と接続されたアクセスポイントを介して、前記携帯端末と通信を行う第1通信手段と、
第2回線を介して、前記携帯端末と直接的に通信を行う第2通信手段とを備えており、
前記第1通信手段によって前記携帯端末との通信を行うことができないときに、前記第2通信手段によって前記携帯端末との通信を行い、
前記第1通信手段の通信異常が発生している場合には、前記第2通信手段のみを利用して当該電気機器と前記携帯端末とが連携して実行する端末連携機能を有効とし、前記第1通信手段を利用して当該電気機器とサーバとが連携して実行するサーバ連携機能を無効とすることを特徴とする電気機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末と通信を行うことができる電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、携帯端末と通信を行うことができる洗濯機が知られている。例えば、特許文献1の洗濯機は、サーバと接続されており、サーバと接続された携帯端末と通信を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の洗濯機は、サーバと接続されていないときに、携帯端末と通信を行うことができない。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、携帯端末との通信を確実化することができる電気機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の第1の態様である電気機器は、携帯端末と通信を行う電気機器であって、第1回線および前記第1回線と接続されたアクセスポイントを介して、前記携帯端末と通信を行う第1通信手段と、第2回線を介して、前記携帯端末と直接的に通信を行う第2通信手段とを備えており、前記第1通信手段によって前記携帯端末との通信を行うことができないときに、前記第2通信手段によって前記携帯端末との通信を行うことを特徴としている。
【0007】
また、上記の課題を解決するために、本発明の第2の態様である電気機器は、携帯端末と通信を行う電気機器であって、第1回線および前記第1回線と接続されたアクセスポイントを介して、前記携帯端末と通信を行う第1通信手段と、第2回線を介して、前記携帯端末と直接的に通信を行う第2通信手段とを備えており、前記第2通信手段を利用して他の携帯端末と通信することで、前記クラウドサーバとのクラウド接続によるクラウドサービスを擬似体験させることのできるデモモードを有することを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る洗濯機を備えるクラウド接続システムの概略構成図である。
【
図2】実施の形態2に係る洗濯機がデモモードで動作する場合の、携帯端末との接続状況を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施の形態1〕
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。尚、以下の説明では、本発明が適用される電気機器として洗濯機を例示するが、本発明はこれに限定されるものではなく、洗濯機以外の電気機器にも適用可能である。
【0010】
図1は、本実施の形態1に係る洗濯機100を備えるクラウド接続システム(以下、本システム)の概略構成図である。本システムは、一般的に屋内に設置された洗濯機100の他に、洗濯機100と通信する屋外のクラウドサーバ(以下、サーバ)200と、このサーバ200と通信する携帯端末(例えばスマートフォン)300と、洗濯機100とサーバ200との通信を仲介するアクセスポイント400とを備える。
【0011】
洗濯機100とアクセスポイント400との間は無線LAN(第1回線)にて通信接続され、洗濯機100はアクセスポイント400を介してサーバ200と通信する。より詳しくは、洗濯機100は、例えばWi-Fi(登録商標)の通信規格を用い、アクセスポイント400を介して、サーバ200に情報を送信したり、サーバ200から情報を受信したりする。尚、本システムにおいて、洗濯機100とアクセスポイント400とを無線LAN接続するには、予め接続設定を行うことが必要である。一般に、無線LANの接続設定を行う方法は、WPS(Wi-Fi Protected Setup)などのルータのプッシュボタン接続による方法や、ルータのSSID(サービスセット識別子)およびパスワードを電気機器に直接入力する方法などが公知である。また、サーバ200とアクセスポイント400との間の通信は、例えばインターネットを介して行われる。
【0012】
携帯端末300は、洗濯機100と紐付けてサーバ200に登録されているものであり洗濯機100に関する情報をサーバ200から受け取ったり、洗濯機100の設定変更を行ったりすることができる。また、本システムにおける携帯端末300は、Bluetooth(登録商標)通信機能を有しており、Bluetooth(第2回線)を用いて洗濯機100と直接通信することが可能である。また、本システムの携帯端末300は、後述する所定の動作を行うために、本システムに対応する所定のアプリが予めインストールされている。
【0013】
洗濯機100は、
図1に示す操作表示部110および通信部120を有している。通信部120は、アクセスポイント400との通信を行うための無線LAN通信機能と、携帯端末300との通信を行うためのBluetooth通信機能とを備えている。尚、ここでは、洗濯機100が1つの通信部120を備えており、通信部120が無線LAN通信機能とBluetooth通信機能とを有している。すなわち、通信部120が、特許請求の範囲に記載の第1通信手段と第2通信手段とを有している。但し、本発明はこれに限定されるものではなく、洗濯機100が2つの通信部を備え、一方の通信部がアクセスポイント400との無線LAN通信を行う第一通信手段を有し、他方の通信部が携帯端末300とのBluetooth通信を行う第二通信手段を有するものであってもよい。また、無線LAN通信はWi-Fi通信を用いることが好ましく、Bluetooth通信はBLE(Bluetooth Low Energy)通信を用いることが好ましい。
【0014】
洗濯機100に関する情報をユーザが携帯端末300から取得しようとするとき、通常は、洗濯機100がアクセスポイント400を介してサーバ200にアクセスし、サーバ200から携帯端末300に情報が送られる。すなわち、洗濯機100は、無線LANと、無線LANに接続されたアクセスポイント400とを介して携帯端末300と通信を行うことができる。しかしながら、無線LANの電波状況が弱い場合など、無線LANの通信異常時には、このルートで携帯端末300に情報を送ることはできない。
【0015】
このため、本システムの洗濯機100は、無線LANの通信異常時、通信部120の通信機能を無線LAN通信からBluetooth通信に切り替え、携帯端末300に通信異常を報知する情報(通信異常報知情報)を発信する。すなわち、携帯端末300は、Bluetoothの通信範囲内であれば、洗濯機100から通信異常の報知を直接受けることができる。
【0016】
このとき、洗濯機100から発信される通信異常報知情報には通信異常の原因が含まれ、通信異常報知情報を受信した携帯端末300では、その原因が画面表示されるなどしてユーザに報知される。これにより、ユーザは洗濯機100における通信異常の原因を知ることができる。また、携帯端末300側では、この通信異常に対する対処法(通信異常報知情報に含まれて送信される)を併せて表示するようにしてもよい。例えば、無線LANの通信異常が発生している場合には、携帯端末300において、“ルータとの通信ができませんので、ルータの電源を入れ直してください”といったメッセージなどを表示させることができる。これにより、ユーザの対応によって無線LANの通信異常を解消させることが容易となる。
【0017】
尚、携帯端末300が洗濯機100に関する情報を取得できない状況は、無線LANの通信異常の他に、サーバ200が混雑しており洗濯機100がサーバ200にアクセスできない場合にも起こり得る。この場合にも、洗濯機100は、通信部120の通信機能を無線LAN通信からBluetooth通信に切り替え、携帯端末300に通信異常報知情報を発信することができる。この場合、携帯端末300においては、“サーバが混雑していますので、しばらくお待ちください”といったメッセージなどを表示させることができる。
【0018】
洗濯機100が、Bluetooth通信によって通信異常報知情報の発信を行う場合、通信異常報知情報の電波強度は、洗濯機100と携帯端末300との接続が確立される前は弱く、接続が確立された後に強くされることが好ましい。これにより、通信異常報知情報が、離れた位置(例えば、近隣の他の住宅)にある携帯端末300にまで受信されてしまうことを防止でき、洗濯機100の安全性を向上させることができる。
【0019】
また、本実施の形態1では、無線LANの通信異常が発生しているときは、携帯端末300とのBluetooth通信を用いて行える機能のみを有効とする。すなわち、洗濯機100と携帯端末300とで実行できる機能(スマホ連携機能)、例えば、洗濯機100の状態報知(洗濯終了時間の通知など)は、洗濯機100と携帯端末300との間のBluetooth通信によって実行できる。一方、洗濯機100がサーバ200と連携して実行する機能(サーバ連携機能;サーバ200からデータをダウンロードして実行する機能、サーバ200から指示を受けて実行する機能など)は停止させる。このように、通信異常時に、スマホ連携機能を有効とし、サーバ連携機能を無効とすることで、安定的に洗濯機100の機能を提供することができる。
【0020】
〔実施の形態2〕
本実施の形態2では、通信異常報知情報を受信した携帯端末300が、インターネットを介してサーバ200にデータを送信することができるものとする。
【0021】
携帯端末300は、アクセスポイント400を介さずに、インターネットからサーバ200に直接アクセスすることができる。すなわち、無線LANの通信異常が生じており、洗濯機100がアクセスポイント400を介してサーバ200に接続できない場合であっても、携帯端末300はサーバ200に接続可能である。
【0022】
このため、アクセスポイント400の代わりに、携帯端末300が洗濯機100とサーバ200との接続を仲介することで、無線LANの通信異常時であっても、サーバ連携機能によるクラウドサービスを提供することができる。
【0023】
〔実施の形態3〕
上記実施の形態1,2では、家庭などの洗濯機100において、無線LANの通信異常が生じている場合の、Bluetooth通信の使用例について説明した。本実施の形態3では、Bluetooth通信の他の使用例、具体的には無線LAN環境がない場所での使用例について説明する。
【0024】
図2は、本実施の形態3に係る洗濯機100がデモモードで動作する場合の、携帯端末300との接続状況を示す概略構成図である。尚、デモモードとは、販売のために店頭に設置された洗濯機100において、サーバ200とのクラウド接続によるサービス(クラウドサービス)をユーザ(消費者)に擬似体験させるためのモードである。
【0025】
実施の形態1でも述べたように、洗濯機100におけるクラウドサービスをユーザの携帯端末300で利用するには、洗濯機100とアクセスポイント400との間で無線LANの接続設定がされており、かつ、携帯端末300が洗濯機100と紐付けてサーバ200に登録されている必要がある。しかしながら、店頭では無線LAN環境がなく、また、ユーザの携帯端末300も洗濯機100と紐付け登録されていない。
【0026】
このため、洗濯機100のデモでは、デモモードで動作する洗濯機100の通信部120が、接続用ビーコンをBluetoothにて出力し、この接続用ビーコンにコネクトしたユーザの携帯端末300にクラウドサービスのデモを体験させる。すなわち、接続用ビーコンを受信した携帯端末300にデモ体験を促す画面表示を行わせ、この画面表示に従って接続用ビーコンにコネクトするとデモ体験が可能となる。このデモでは、洗濯機100が、デモ用表示画面などのデータを携帯端末300に送信し、携帯端末300からは操作指示のデータを受けることで、クラウドサービス利用時と同様の操作をユーザに擬似体験させることができる。
【0027】
尚、デモモードで動作する洗濯機100が携帯端末300に送信するデータは、洗濯機100のメモリ内にデモ用に予め格納されているものであり、サーバ200から送られてくるものではない。このため、洗濯機100がデモモードで動作する場合、洗濯機100とサーバ200とのクラウド接続は不要であり、洗濯機100と携帯端末300との間のBluetooth通信のみでデモを行うことができる。
【0028】
洗濯機100が出力する接続用ビーコンは、携帯端末300のコネクトがない状態では電波強度を弱くし、携帯端末300がコネクトすると電波強度を強くすることが好ましい。これにより、デモ用に設置された洗濯機100に近づいたユーザにのみデモ体験を促すことができる。接続用ビーコンに携帯端末300がコネクトされた後は通信接続の安定性を向上させることができる。
【0029】
また、このデモでは、携帯端末300と洗濯機100との紐付け登録が不要であるため、
図1に示すように、1台の洗濯機100に対して複数の携帯端末300を同時に接続することが可能である。この場合、接続用ビーコンに最初にコネクトした携帯端末300(例えば携帯端末300-1)に操作権を与えてデモを実行させることができる。また、携帯端末300-1がデモを実行している間は、洗濯機100は携帯端末300-1に向けてデモ用のデータを送信しているが、このデータは他の携帯端末300(例えば携帯端末300-2,300-3)においても受信可能な方式で送信されている。このため、携帯端末300-2,300-3は、携帯端末300-1が実行しているデモを同時に見ることができる(操作権はなく、デモ実行はできない)。
【0030】
また、デモを体験している携帯端末300は、洗濯機100から音声データを受信して、音声を発するものとすることができる。洗濯機100がデモではない実際のクラウドサービスを利用しているとき、洗濯機100がサーバ200から音声データを受信して、音声を発する場合がある。しかしながら、店頭でのデモにおいても洗濯機100が音声を発するようにすると、周囲の雑音などにより音声がユーザに聞こえにくい場合がある。このため、店頭でのデモでは、洗濯機100の代わりに携帯端末300が音声を発するものとすれば、デモ用の音声がユーザに聞こえやすくなる。
【0031】
〔実施の形態4〕
上記実施の形態1~3では、無線LANが使用できない状況で、洗濯機100がBluetooth通信を用いて、ユーザの携帯端末300へ情報発信を行う機能(Bluetooth情報発信機能)について説明した。
【0032】
このBluetooth情報発信機能は、洗濯機100において、ユーザが任意にON/OFFできるものであってもよい。すなわち、ユーザが特に必要としない場合は、Bluetooth情報発信機能をOFFとすることで、洗濯機100の安全性を向上させることができる。
【0033】
以上のように、本実施の形態に係る第1の態様の電気機器は、携帯端末と通信を行う電気機器であって、第1回線および前記第1回線と接続されたアクセスポイントを介して、前記携帯端末と通信を行う第1通信手段と、第2回線を介して、前記携帯端末と直接的に通信を行う第2通信手段とを備えており、前記第1通信手段によって前記携帯端末との通信を行うことができないときに、前記第2通信手段によって前記携帯端末との通信を行う
ことを特徴としている。
【0034】
また、上記電気機器は、前記第2通信手段によって、前記第1通信手段を利用した通信の異常に関する通信異常報知情報を発信する構成とすることができる。
【0035】
上記の構成によれば、通信異常報知情報を第2通信手段によって発信することで、この通信異常報知情報をユーザが持つスマートフォンなどの携帯端末に受信させ、ユーザに第1回線の通信異常を知らせることができる。
【0036】
また、上記電気機器は、前記通信異常報知情報に、当該通信異常の解消方法を含める構成とすることができる。
【0037】
上記の構成によれば、スマートフォンなどによって通信異常報知情報を受け取ったユーザが、通信異常を解消させるべく対処することができる。
【0038】
また、上記電気機器は、前記第1通信手段の通信異常が発生している場合には、前記第2通信手段のみを利用する機能(スマホ連携機能)を有効とし、前記第1通信手段を利用する機能(サーバ連携機能)を無効とする構成とすることができる。
【0039】
上記の構成によれば、通信異常時に、スマホ連携機能を有効とし、サーバ連携機能を無効とすることで、安定的に洗濯機の機能を提供することができる。
【0040】
また、上記電気機器は、前記通信異常報知情報を受信した携帯端末を介して、前記クラウドサーバにデータを送信可能である構成とすることができる。
【0041】
上記の構成によれば、携帯端末が電気機器とクラウドサーバとの接続を仲介することで、第1回線の通信異常時であっても、サーバ連携機能によるサービスを提供することができる。
【0042】
また、上記電気機器では、前記通信異常報知情報の電波強度は、当該電気機器と当該通信異常報知情報を受信する携帯端末との接続が確立される前は弱く、接続が確立された後に強くされる構成とすることができる。
【0043】
上記の構成によれば、ユーザの携帯端末と電気機器との接続が確立する前に、離れた位置(例えば、近隣の他の住宅)にある他の携帯端末に通信異常報知情報が受信されてしまうことを防止できる。ユーザの携帯端末と電気機器との接続が確立した後は、電波強度を強くすることで確実な接続を確保することができる。
【0044】
また、本実施の形態に係る第2の態様の電気機器は、携帯端末と通信を行う電気機器であって、第1回線および前記第1回線と接続されたアクセスポイントを介して、前記携帯端末と通信を行う第1通信手段と、第2回線を介して、前記携帯端末と直接的に通信を行う第2通信手段とを備えており、前記第2通信手段を利用して他の携帯端末と通信することで、前記クラウドサーバとのクラウド接続によるクラウドサービスを擬似体験させることのできるデモモードを有することを特徴としている。
【0045】
上記の構成によれば、第1回線(例えば、無線LAN環境)のない店頭などにおいて、第2通信手段を利用しての携帯端末との通信により、クラウドサービスを擬似体験させるデモを実行することができる。
【0046】
また、上記電気機器では、前記デモモードでの動作時における電波強度は、前記携帯端末との接続が確立される前は弱く、接続が確立された後に強くされる構成とすることができる。
【0047】
上記の構成によれば、デモ用に設置された電気機器に近づいたユーザにのみデモ体験を促すことができる。電気機器に携帯端末が接続した後は、電波強度を強くして通信接続の安定性を向上させることができる。
【0048】
また、上記電気機器は、前記デモモードでの動作時に複数の携帯端末と接続可能であり、最初に接続した携帯端末にデモを実行させ、後から接続した携帯端末にはそのときに実行されているデモ画面を見せる構成とすることができる。
【0049】
上記の構成によれば、複数のユーザに同時にデモ体験をさせることができる。
【0050】
また、上記電気機器は、前記デモモードでの動作時には、実際のクラウドサービス実施時に当該電気機器が発する音声を、前記携帯端末に発させる構成とすることができる。
【0051】
上記の構成によれば、周囲の雑音が多い店頭でのデモ時などでも、デモ用の音声がユーザに聞こえやすくなる。
【0052】
また、上記電気機器は、前記第2通信手段を利用した機能を任意にON/OFFできる構成とすることができる。
【0053】
上記の構成によれば、ユーザが特に必要としない場合は、第2通信手段を利用した機能をOFFとすることで、電気機器の安全性を向上させることができる。
【0054】
今回開示した実施形態は全ての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0055】
100 洗濯機(電気機器)
110 操作表示部
120 通信部(第1通信手段、第2通信手段)
200 クラウドサーバ
300 携帯端末
400 アクセスポイント