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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-13
(45)【発行日】2023-07-24
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20230714BHJP
【FI】
A63F7/02 326B
A63F7/02 304D
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020146179
(22)【出願日】2020-08-31
(65)【公開番号】P2022041135
(43)【公開日】2022-03-11
【審査請求日】2021-08-31
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】宮永 真
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 忠
(72)【発明者】
【氏名】森 圭史
【審査官】渡辺 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-083331(JP,A)
【文献】特開2004-321709(JP,A)
【文献】特開2020-081467(JP,A)
【文献】特開2004-329730(JP,A)
【文献】特開2006-334079(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が転動する遊技領域を備えた遊技盤と、
前記遊技盤の背面側に配置されるとともに、機種毎に対応する種類の装飾部材又は役物が内側に設置されるとともにディスプレイを収容したディスプレイケースを背面側に備えたボックスと、を有し、
背面側の前記ディスプレイケースを含む前記ボックスは複数の異なる機種間で共通して用いられ、
前記複数の異なる機種間において前記ボックスに対して設置する装飾部材又は役物は異なるが、前記ボックスに対する装飾部材又は役物の取り付け構造は共通であって、
前記ボックスは、
複数種類の装飾部材又は役物の内、前記ボックスの取り付けられた遊技機の機種に対応する装飾部材又は役物を内側に設置するとともに、前記ボックスに対して設置する装飾部材又は役物を他の機種に対応するものへと取り換えることで他の機種への装飾部材又は役物の換装が可能となる一方、背面側に備えた前記ディスプレイケースについては、前記ディスプレイを縦向きに配置した場合の前記ディスプレイの側面に形成された固定部に対応する位置と、前記ディスプレイを横向きに配置した場合の前記固定部に対応する位置に夫々前記固定部を前記ディスプレイケースに固定する為の固定手段を備えており、前記ボックスの取り付けられた遊技機の機種に対応する向きに前記ディスプレイを固定可能なことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば遊技機の一つであるパチンコ遊技機では、始動入賞口にパチンコ球が入賞すると画像表示装置に表示された図柄が変動を開始するとともに、一定時間後に停止され、停止した図柄が特定の組み合わせに揃うと大当たりとなり大入賞口が開放され、遊技者が多くのパチンコ球を獲得できる構成となっている。また、上記パチンコ遊技機では遊技者を飽きさせない為に図柄の変動中や大当たり遊技中において遊技機に設置された装飾部材(飾り、ランプ、フィギュア)や役物等を用いた各種の演出が行われる。
【0003】
ここで、上記装飾部材や役物は中央の液晶画面とともにパチンコ遊技機において行われる演出において特に重要な役割を有しており、近年ではパチンコ遊技機の演出が多様化するのに伴ってサイズが大型化し、設置される数も多くなる傾向にある。しかしながら、それらの装飾部材や役物を設置可能なスペースは限られており、設置する場所としては遊技盤の裏側のスペースが多い(例えば特開2016-083535号公報)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-083535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記特許文献1のように遊技盤の裏側に装飾部材や役物を設置する場合には、遊技盤の背面側に箱状のボックス(裏箱)を取り付け、ボックス内に装飾部材や役物を収容する。その際、配置する装飾部材や役物は機種毎に大きさも形状も様々に異なるので、それらを収容するボックスについても機種毎に収容する装飾部材や役物に基づいて新規に設計していた。即ち、機種毎に専用のボックスとなっていた。その結果、製造コストが向上するとともに、遊技台をリサイクルする上でボックスが流用できない点が問題となっていた。
【0006】
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、複数種類の装飾部材又は役物の内からボックスの取り付けられた遊技機の機種に対応する装飾部材又は役物を内側に設置することが可能であり、ボックスを流用可能とすることによって製造コストを下げるとともに、遊技台のリサイクルを促進した遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため本発明に係る遊技機は、遊技球が転動する遊技領域を備えた遊技盤と、前記遊技盤の背面側に配置されるとともに、機種毎に対応する種類の装飾部材又は役物が内側に設置されるとともにディスプレイを収容したディスプレイケースを背面側に備えたボックスと、を有し、背面側の前記ディスプレイケースを含む前記ボックスは複数の異なる機種間で共通して用いられ、前記複数の異なる機種間において前記ボックスに対して設置する装飾部材又は役物は異なるが、前記ボックスに対する装飾部材又は役物の取り付け構造は共通であって、前記ボックスは、複数種類の装飾部材又は役物の内、前記ボックスの取り付けられた遊技機の機種に対応する装飾部材又は役物を内側に設置するとともに、前記ボックスに対して設置する装飾部材又は役物を他の機種に対応するものへと取り換えることで他の機種への装飾部材又は役物の換装が可能となる一方、背面側に備えた前記ディスプレイケースについては、前記ディスプレイを縦向きに配置した場合の前記ディスプレイの側面に形成された固定部に対応する位置と、前記ディスプレイを横向きに配置した場合の前記固定部に対応する位置に夫々前記固定部を前記ディスプレイケースに固定する為の固定手段を備えており、前記ボックスの取り付けられた遊技機の機種に対応する向きに前記ディスプレイを固定可能とする。
尚、装飾部材は、機種に合わせて遊技機の装飾を行うための部材であり、飾り、発光するランプ(発光体)、キャラクタを模したフィギュア等を含む。また、役物としては一部又は全部が移動や回転する可動役物を含む。
【発明の効果】
【0008】
前記構成を有する本発明に係る遊技機によれば、複数種類の装飾部材又は役物の内からボックスの取り付けられた遊技機の機種に対応する装飾部材又は役物を内側に設置することが可能となる。即ち、装飾部材や役物を収容するボックスを流用可能とすることによって、ボックスを機種毎に新規に設計する必要が無く、製造コストを下げることが可能となる。また、過去の遊技台のボックスを再利用することができるので遊技台のリサイクルを促進する効果が有る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機の正面図である。
図2】パチンコ遊技機の遊技機枠について説明した図である。
図3】遊技盤と遊技盤に固定された裏箱を正面側から示した斜視図である。
図4】遊技盤と遊技盤に固定された裏箱を背面側から示した斜視図である。
図5】遊技盤と遊技盤に固定された裏箱を側面から示した側面図である。
図6】装飾部材を示した正面図である。
図7】一部を分離した装飾部材を示した正面図である。
図8】液晶ボックスの内側を裏箱側から示した正面図である。
図9図1に示すパチンコ遊技機に設けられた主制御基板および周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。
図10図1に示すパチンコ遊技機に設けられたサブ制御基板および周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態に係る遊技機について図を参照しつつ説明する。本実施形態では、本発明の実施形態に係る遊技機としてパチンコ遊技機について説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機の各部の方向を説明する場合は、そのパチンコ遊技機と対向して遊技を行う遊技者から見た方向を基準とする。具体的には、パチンコ遊技機の各部の左右方向および上下方向は、遊技者から見た左右方向および上下方向とする。また、遊技者に近づく方向を前方とし、遊技者から遠ざかる方向を後方とする。
【0011】
[パチンコ遊技機の主要構成]
【0012】
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、遊技機枠16を備える。遊技機枠16は、図2に示すように、パチンコ遊技機1の外郭を構成するものであり、外枠41と内枠42と前扉(前枠)43とを備えている。外枠41は、パチンコ遊技機1の外郭部を形成する縦長方形状の枠体である。内枠42は、外枠41の内側に配置されていて、後述の遊技盤や裏箱(ボックス)を取付ける縦長方形状の枠体である。前扉43は、外枠41及び内枠42の前面側に配置されていて、遊技盤2を保護する縦長方形状のものである。前扉43は、遊技者に正対する部分であり、種々の飾り付けがなされている。尚、図2では遊技盤や遊技盤の背後にある役物、装飾部材(ランプなどを含む)、その他ケーブル等について省略している。
【0013】
遊技機枠16は、左端側にヒンジ部44を備えて構成されている。このヒンジ部44により、前扉43は、外枠41及び内枠42に対してそれぞれ回動自在になっていて、内枠42は、外枠41及び前扉43に対してそれぞれ回動自在になっている。前扉43の中央には開口部43aが形成されていて、遊技者が後述の遊技領域3を視認できるように透明の透明板45が開口部43aに取付けられている。透明板45は、本形態ではガラス板であるが、透明な合成樹脂板であってもよい。即ち透明板45は、前方から遊技領域3を視認可能なものであればよい。
【0014】
また、前扉43には、ハンドル4と、打球供給皿(上皿ともいう)24と、余剰球受皿(下皿ともいう)25と、演出ボタン9と、演出レバー6と、スピーカ8と、左サイドランプ23aと、右サイドランプ23bを備えている。
【0015】
ハンドル4は、前扉43のうち右下、つまり、パチンコ遊技機1と対向して遊技を行う遊技者が右手で握ることができる位置に設けられている。ハンドル4は、タッチスイッチ92(図9)と、発射レバー4aと、発射停止ボタン4bとを備えている。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力するものであり、ハンドル4を握った遊技者の右手が触れる部分に配置されている。発射レバー4aは、遊技球の発射強度を調整するためのものであり、ハンドル4に回動可能に設けられている。発射停止ボタン4bは、遊技球が発射されているときに遊技球の発射を停止するためのものであり、ハンドル4を握った右手の親指により操作可能な位置に設けられている。打球供給皿(上皿ともいう)24は、前扉43のうち中央下側に設けられている。打球供給皿24は、発射装置90(図9)に供給する遊技球を貯留するためのものである。打球供給皿24は、貸球払出装置80(図9)および賞球払出装置400(図9)から払出された遊技球を貯留する。余剰球受皿(下皿ともいう)25は、前扉43のうち打球供給皿24の下方に設けられている。余剰球受皿25は、打球供給皿24の貯留可能数を超えた遊技球を貯留する。
【0016】
演出ボタン9は、前扉43のうち打球供給皿24の上方を覆う部分に設けられている。換言すると、演出ボタン9は、前扉43のうち、パチンコ遊技機1と対向する遊技者が右手または左手で押圧操作可能な位置に設けられている。本実施形態では、演出ボタン9はプッシュオン式のボタンスイッチである。演出ボタン9には、演出ボタンランプ9c(図10)と、演出ボタン振動モータ9b(図10)とが内蔵されている。演出ボタンランプ9cは、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間に演出ボタン9が押圧操作されたときに点灯または点滅する。演出ボタン9の表面は透光性材料によって形成されており、演出ボタンランプ9cが発した光を遊技者が視認できるように工夫されている。演出ボタン振動モータ9bは、演出ボタン9を振動させるものであり、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。本実施形態では、演出ボタンランプ9cはLEDである。
演出ボタン9には、押圧操作された演出ボタン9を押圧操作前の位置に復帰させるためのバネなどの弾性部材(図示せず)が内蔵されており、演出ボタン9は、押圧操作状態が解除されると、上記弾性部材の復元力によって押圧操作前の状態に復帰する。遊技者が、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間に演出ボタン9を押圧操作すると、特定の演出が行われる。以下、演出ボタン9の操作を契機として行われる特定の演出のことをボタン演出という。
【0017】
前扉43のうち余剰球受皿25の左方、つまり、前扉43のうち下側の左端寄りには、演出レバー6が設けられている。換言すると、演出レバー6は、前扉43のうち、パチンコ遊技機1と対向した遊技者が左手で操作可能な位置に設けられている。つまり、演出レバー6は、前扉43のうち、パチンコ遊技機1と対向した遊技者が左手で操作可能な位置に設けられており、演出ボタン9は、前扉43のうち、遊技者が左手で演出レバー6を操作している状態で、右手で押圧操作可能な位置に設けられている。
演出レバー6は、左手で掴むことができる棒状に形成されており、右回転または左回転の回転操作の他、後方への押し込み操作が可能である。また、演出レバー6には、演出レバー振動モータ6d(図10)が設けられている。演出レバー振動モータ6dは、演出レバー6を振動させるものであり、演出レバー6の操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。遊技者が、演出レバー6の操作が有効な期間に演出レバー6を操作すると、特定の演出が行われる。以下、演出レバー6の操作を契機として行われる特定の演出のことをレバー演出という。
【0018】
前扉43のうち、左側には左サイドランプ23aが設けられており、右側には右サイドランプ23bが設けられている。左サイドランプ23aおよび右サイドランプ23bが設けられている部分の前扉43は透光性を有し、その透光性を有する部分の内側には複数のLEDが配置されている。各LEDは、それぞれ複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯または点滅し、さらに発光色を変化させる。スピーカ8は、前扉43のうち上部の左右の隅部にそれぞれ設けられており、音楽、効果音および報知音などの音を演出内容に応じて出力する。
【0019】
また、パチンコ遊技機1は、内枠42に対して遊技盤2と、演出表示装置7と、遊技領域3又はその周辺に設けられた役物や装飾部材と、が配置されている。装飾部材は、機種に合わせて遊技機の装飾を行うための部材であり、飾り、発光するランプ(発光体)、キャラクタを模したフィギュア等を含む。また、役物としては一部又は全部が移動や回転する可動役物を含む。ここで、図3乃至図5に示すように遊技盤2の背面側には、箱型形状を有する裏箱(ボックス)46が固定されており、裏箱46の内側に機種毎に対応する種類の役物や装飾部材が収容され固定されている。図3は遊技盤2と遊技盤2に固定された裏箱46を正面側から示した斜視図、図4は遊技盤2と遊技盤2に固定された裏箱46を背面側から示した斜視図、図5は遊技盤2と遊技盤2に固定された裏箱46を側面から示した側面図である。
【0020】
ここで、特に本実施形態では裏箱46は異なる複数の機種間で共通化された規格を有しており、異なる複数の機種に対応する複数種類の装飾部材又は役物の内、裏箱46の取り付けられたパチンコ遊技機1の機種に対応する装飾部材又は役物を内側に設置する。裏箱46には内側に装飾部材又は役物を固定する為のねじ穴等が複数形成されており、装飾部材又は役物をねじ止めにより固定可能となっている。即ち、装飾部材又は役物のねじ穴の位置やねじの規格が複数の機種間で共通化されており、且つ装飾部材又は役物を設置する為の裏箱46側のねじ穴の位置やねじの規格もそれに対応している。従って、例えば現在の機種(以下機種Aとする)から新たな機種(以下機種Bとする)へと裏箱46を付け替える場合には、裏箱46に設置されている機種Aに対応する装飾部材又は役物を取り外し、その後に機種Bに対応する装飾部材又は役物をねじ止めすることによって装飾部材又は役物の換装が可能となる。
【0021】
また、裏箱46と遊技盤2との固定についても同様にねじ止めにより行われるが、特に遊技盤2の裏面側に設けられた裏樋47にねじ穴が形成されており、裏箱46と裏樋47がねじにより直接固定される。その結果、裏箱46と裏樋47の位置関係にずれが生じることを防止するとともに、強度についても向上させることが可能となる。尚、裏樋47は遊技盤2に設けられた各種入賞口やアウト口19に入球した遊技球がその後に通過する為の通路であり、遊技盤2と裏樋47についても別途ねじにより固定されている。
【0022】
また、裏箱46内には装飾部材や役物の一方または両方を複数設置することが可能であるが、以下では裏箱46内に役物は設置されておらず、LED等の発光手段により演出に合わせて発光する装飾部材15のみが設置されている例について説明する。装飾部材15の詳細については後述する。
【0023】
更に、図4に示すように裏箱46の背面側には演出表示装置7を収容する液晶ボックス(ディスプレイケース)55や基板が収容された基板ボックス56が更に固定される。尚、液晶ボックス55についても裏箱46と同様に異なる複数の機種間で共通化されており、様々なサイズの演出表示装置7を設置位置や設置向きを変えて設置することが可能となっている。液晶ボックス55の詳細については後述する。
【0024】
そして、遊技盤2が内枠42に対して固定されることによって、内枠42に対して遊技盤2と演出表示装置7と装飾部材15とが配置されることとなる。配置順序としては前面側(遊技者側)から順に遊技盤2、装飾部材15、演出表示装置7の順となる。遊技盤2は透明の樹脂部材により成形されているので、遊技者からは遊技盤2の背面側の裏箱46内にある装飾部材15についても視認可能である。また、遊技盤2の中央には演出表示装置7の位置に合わせて開口部が形成され、更に裏箱46も液晶ボックス55も基本的に透明の樹脂部材で形成されているので開口部を介して遊技者からは遊技盤2や裏箱46の背面側の液晶ボックス55内にある演出表示装置7についても視認可能である、尚、演出表示装置7については裏箱46の背面(裏面)側ではなく裏箱46の内側に取り付けられていても良い。
【0025】
図3図4には図示しないが、裏箱46内には装飾部材15に対して信号や電力を送信する為のワイヤーハーネスに加えて、遊技盤2に配置された各種センサの検出結果を制御基板に送信する為のワイヤーハーネスや、遊技盤2に配置された電チュー、大入賞装置等を動作させる為の駆動源(ソレノイド等)に対して信号や電力を送信する為のワイヤーハーネスが多数収納される。それらのワイヤーハーネスは遊技者から視認できない位置で裏箱46内に配線されている。
【0026】
また、遊技盤2は、遊技盤2の略中央、つまり、遊技者の顔と略正対する位置に配置されている。本実施形態では特に透明の樹脂部材により成形する。演出表示装置7は、遊技盤2の後側に配置されており、その画面が遊技盤2の略中央から露出している。遊技盤2は、固定入賞装置10と、大入賞装置30と、ゲート12と、普通可変入賞装置(電チューともいう)20と、一般入賞口13と、表示器類50と、レール部材17と、その他配置された各種役物や装飾部材とを備える。
【0027】
遊技盤2の盤面には、遊技球が流下(転動)する遊技領域3が形成されている。遊技領域3は、演出表示装置7の画面の左方に形成された左遊技領域3aと、演出表示装置7の画面の右方に形成された右遊技領域3bとを有する。遊技盤2の盤面には、遊技球の流下方向を変化させるための複数の遊技釘(図示せず)が打ち込まれている。遊技盤2の盤面の前方は、透明板45によって覆われている。また、図1には示さないが、遊技盤2の複数箇所には、LEDが設けられている。それら各LEDを総称して盤ランプ(図10において符号2aで示す)という。盤ランプ2aを構成する各LEDは、複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯または点滅し、さらに発光色を変化させる。つまり、パチンコ遊技機1は、遊技制御中に演出内容に応じて左サイドランプ23a、右サイドランプ23bおよび盤ランプ2aを点灯または点滅させ、各スピーカ8から音を出力する。
【0028】
固定入賞装置10は、遊技盤2のうち下側の略中央に配置されている。固定入賞装置10は、遊技球が1個ずつ入賞(入球)可能な第1始動口11を有する。第1始動口11は常時開口しており、遊技球が第1始動口11に入賞する確率は略変動しない。ゲート12は、右遊技領域3bに配置されており、右遊技領域3bを流下する遊技球が通過可能に構成されている。普通可変入賞装置20は、右遊技領域3bのうちゲート12の下方に配置されている。普通可変入賞装置20は、可動部材(電動チューリップ)21を備える。可動部材21は、水平方向(即ち遊技盤2に対して交差する方向)に移動可能に構成されており、可動部材21が開閉動作することにより、第2始動口22が開閉する。可動部材21が開作動すると、第2始動口22が開口され、遊技球が第2始動口22に1個ずつ入賞(入球)し易い状態になる。また、可動部材21が閉作動すると、第2始動口22が閉口され、遊技球が第2始動口22に入賞することができない状態になる。
尚、図1に示す例では普通可変入賞装置20は遊技領域3の右側に配置されているが、遊技領域3の下側に配置しても良い。
【0029】
大入賞装置30は、遊技盤2のうち固定入賞装置10の右方に配置されている。大入賞装置30は、大入賞口32を開閉する開閉部材31を備える。大入賞口32は、複数の遊技球が入賞(入球)可能な大きさに形成されている。本実施形態では、開閉部材31は、左右方向に長い板状に形成されており、水平方向(即ち遊技盤2に対して交差する方向)に移動可能に構成されている。
【0030】
表示器類50は、遊技盤2のうち遊技領域3の外側であって大入賞装置30の下方に設けられている。表示器類50は、第1特別図柄(第1特図ともいう)を変動表示する第1特別図柄表示器と、第2特別図柄(第2特図ともいう)を変動表示する第2特別図柄表示器と、普通図柄(普図ともいう)を変動表示する普通図柄表示器とを備える。さらに、表示器類50は、第1特別図柄表示器の作動保留の記憶数を表示する第1特図保留表示器と、第2特別図柄表示器の作動保留の記憶数を表示する第2特図保留表示器と、普通図柄表示器の作動保留の記憶数を表示する普図保留表示器とを備える。以下、第1特別図柄および第2特別図柄に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄という。また、第1特別図柄表示器および第2特別図柄表示器に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄表示器という。
【0031】
遊技球が第1始動口11に入賞すると大当たりか否かを判定する大当たり判定(大当たり抽選ともいう)が実行され、第1特別図柄表示器が第1特別図柄を変動表示する。そして、第1特別図柄表示器は、第1特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第1特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第1特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、大入賞装置30が作動して開閉部材31が開閉し、大入賞口32が開閉する。第1特別図柄表示器が第1特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口11に入賞したときは、その入賞を契機とする第1特別図柄表示器の作動が保留され、その作動保留の数を示す記憶数が第1特図保留表示器によって表示される。
【0032】
また、遊技球が第2始動口22に入賞すると大当たり判定(大当たり抽選ともいう)が実行され、第2特別図柄表示器が第2特別図柄を変動表示する。そして、第2特別図柄表示器は、第2特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第2特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第2特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、大入賞装置30が作動して開閉部材31が開閉し、大入賞口32が開閉する。第2特別図柄表示器が第2特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第2始動口22に入賞したときは、その入賞を契機とする第2特別図柄表示器の作動が保留され、その作動保留の数を示す記憶数が第2特図保留表示器52aによって表示される。
【0033】
パチンコ遊技機1には、大当たり判定において大当たりと判定される確率(以下、大当たり確率という)として、通常の確率(以下、通常確率という)と、通常確率よりも高い確率(以下、高確率という)とが設定されている。以下、大当たり確率が通常確率に設定されている遊技状態を通常確率状態といい、大当たり確率が高確率に設定されている遊技状態を高確率状態という。尚、上記高確率状態と通常確率状態のどちらに移行するかは、大当たり時の抽選によって基本的に決定される。本実施形態のパチンコ遊技機1は、いわゆる確変機と呼ばれる機種である。
【0034】
一般入賞口13は、遊技盤2のうち固定入賞装置10の左方等に配置されている。レール部材17は、遊技盤2の周囲に沿って配置されている。レール部材17は、発射装置90(図9)によって発射された遊技球を遊技領域3に案内する。遊技盤2の下部中央には、どこにも入賞しなかった遊技球を排出するためのアウト口19が開口している。
【0035】
一方、演出表示装置7は、演出画像、メッセージ画像、デモンストレーション画像などの動画像および静止画像を表示する。遊技者は、それらの画像をパチンコ遊技機1の前方から見ながら遊技を行う。演出表示装置7は、演出画像として、演出(装飾)図柄を特別図柄の変動表示と同期させて変動表示する。本実施形態では、演出図柄は、1~10の算用数字を表した図柄である。なお、演出図柄には、アルファベットや特別なキャラクタなど、数字以外を表した図柄を含めてもよいし、数字以外を表した図柄と組み合わせてもよい。本実施形態では、演出表示装置7が演出図柄を変動表示する領域として、左から順に、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域、右演出図柄表示領域が設定されている。
【0036】
本実施形態では、各演出図柄の主な変動パターン(変動態様)は、演出図柄が表す数字が昇順となるように画面の上から下に移動する変動パターン、つまり、縦方向にスクロールする変動パターンである。なお、変動パターンとして、演出図柄が画面の左右の一方から他方へ移動する横スクロール方式、演出図柄が同じ表示位置にて数字の昇順に順番に表示される方式などを用いることもできる。また、演出表示装置7は、演出画像として各演出図柄の背景に背景画像を表示する。たとえば、背景画像は、テレビドラマや映画などの動画像、その動画像をアニメ化した動画像、アニメーション、パチンコ遊技機メーカーオリジナルの動画像などである。本実施形態では、演出表示装置7は、液晶表示装置である。なお、演出表示装置7として、有機EL表示装置、ドットマトリクスLEDを使った表示装置などを用いることもできる。
演出表示装置7は、各演出図柄を特別図柄の変動表示と同期させて変動表示し、特別図柄が確定表示されると同時に各演出図柄を確定表示し、大当たり判定結果を表示する。ここで、確定表示とは、演出図柄が上下に揺れたり、再変動したりすることなく、完全に停止した停止表示状態のことである。
【0037】
また、パチンコ遊技機1では、上記演出図柄による大当たり判定の結果の報知に加えて、演出表示装置7に表示される背景画像、スピーカ8から出力される音、盤ランプ2aの点灯、役物の動作等を複合的に用いて、大当たり判定の結果の報知を行う。具体的には、予告演出、リーチ演出等の各種演出が該当する。特に本実施形態では装飾部材15を演出表示装置7とともに用いて上記演出を行う。
【0038】
次に、遊技盤2の背面側に配置される装飾部材15について図6を用いて説明する。図6は装飾部材15を示した正面図である。図6に示すように装飾部材15は、装飾部材15の背面側にある演出表示装置7を囲むように枠形状を有する。また、装飾部材15は大きく分けて4つの部材に区分され、演出表示装置7に対して左側に位置する第1装飾部材15Aと、演出表示装置7に対して右側に位置する第2装飾部材15Bと、演出表示装置7に対して上側に位置する第3装飾部材15Cと、演出表示装置7に対して下側に位置する第4装飾部材15Dとを有する。第1装飾部材15Aと第2装飾部材15Bと第3装飾部材15Cと第4装飾部材15Dとは別々に成形されており、互いにねじ止めされることによって結合され、図6に示す枠形状を有する。即ち、図7に示すようにねじ止めを解除すれば第1装飾部材15Aと第2装飾部材15Bと第3装飾部材15Cと第4装飾部材15Dの内、一部の部材のみを取り外すことも可能である。
【0039】
ここで、上記した第1装飾部材15Aと第2装飾部材15Bと第3装飾部材15Cと第4装飾部材15Dの4つの部材からなる装飾部材15は、具体的な装飾の中身(デザイン、ランプの位置や形状等)は機種毎に異なるが、部材全体の形状としては異なる複数の機種間において同じ構成とする。即ち、装飾部材15の枠形状やねじ穴の位置、ねじの規格等は複数の機種間で共通とする。従って、裏箱46に対して設置する装飾部材15を複数の機種の間で入れ替えることが可能となる。即ち、裏箱46を異なる複数の機種間で共通化することが可能となる。
【0040】
また、複数の異なる機種間において第1装飾部材15Aと第2装飾部材15Bと第3装飾部材15Cと第4装飾部材15Dの内、一部の部材を共通とすることも可能である。例えば異なる機種Aと機種Bとで第1装飾部材15Aと第2装飾部材15Bを共通とすれば、機種Aから機種Bへと裏箱46を付け替える場合に、第3装飾部材15Cと第4装飾部材15Dのみを機種Bに対応する部材へと付け替えることによって装飾部材15の換装が可能となる。
【0041】
尚、本実施形態では第1装飾部材15Aと第2装飾部材15Bと第3装飾部材15Cと第4装飾部材15Dは、いずれもLEDが内部に配置され、後述のように抽選結果に基づいて選択された演出パターンに従って予め決められた態様で発光を行う部材であるが、装飾部材に代えて可動する役物にしても良い。
【0042】
次に、裏箱46の背面側に設置される液晶ボックス55について図8を用いて説明する。図8は液晶ボックス55の内側を裏箱46側(前面側)から示した正面図である。図8に示すように液晶ボックス55の内部には演出表示装置7が配置される。また、液晶ボックス55には演出表示装置7の位置決めを支持する為のガイド部材151が夫々4角に配置される。また、図8に示すように液晶ボックス55には、演出表示装置7を複数の異なる設置位置や設置方向で設置可能であり、液晶ボックス55の取り付けられたパチンコ遊技機1の機種に対応する設置位置且つ設置方向に演出表示装置7を設置することが可能である。
【0043】
例えば本実施形態では、演出表示装置7は長方形形状(例えば16:9)を有し、液晶ボックス55の取り付けられたパチンコ遊技機1の機種に合わせて3つの設置態様で演出表示装置7を設置することが可能であり、演出表示装置7を縦方向に設置する態様と、演出表示装置7を横方向で且つ上方に設置する態様と、演出表示装置7を横方向で且つ下方に設置する態様とが可能である。各配置態様での演出表示装置7の位置決めが可能となる位置且つ形状でガイド部材151が設けられている。従って、例えば液晶ボックス55の取り付けられたパチンコ遊技機1の機種が演出表示装置7を縦方向に設置する機種である場合には、演出表示装置7を縦方向に設置する。また、液晶ボックス55の取り付けられたパチンコ遊技機1の機種が演出表示装置7を横方向の上方に設置する機種である場合には、演出表示装置7を横方向の上方に設置する。また、液晶ボックス55の取り付けられたパチンコ遊技機1の機種が演出表示装置7を横方向の下方に設置する機種である場合には、演出表示装置7を横方向の下方に設置する。
【0044】
また、演出表示装置7の側面には複数のねじ穴(図8に示す例では左右側面の計4か所)が形成されており、一方で液晶ボックス55には各設置態様にある演出表示装置7のねじ穴と対応する位置に同じくねじ穴が形成されている。そして、各設置態様で設置した状態の演出表示装置7と液晶ボックス55とをねじ止めすることにより、液晶ボックス55に対して演出表示装置7が固定される。また、液晶ボックス55には、後述の画像制御基板200と演出表示装置7とを接続するワイヤーハーネスを通す穴についても各設置態様に対応して複数形成されている。そして、演出表示装置7を液晶ボックス55の取り付けられたパチンコ遊技機1の機種に対応する設置態様で設置した際に、設置態様に対応した穴を使ってワイヤーハーネスが通される。
【0045】
尚、図8に示す例では液晶ボックス55に対する演出表示装置7の設置位置と設置方向を可変可能としているが、異なるサイズの演出表示装置7を設置可能となるようにしても良い。例えば15インチ、17インチ、19インチのどのサイズの演出表示装置7についても設置可能となるようにガイド部材151やねじ穴を設計しても良い。その結果、様々な画面のサイズに対応した液晶ボックス55とすることが可能であり、汎用性がより向上する。
【0046】
[パチンコ遊技機の主な電気的構成]
次に、パチンコ遊技機1の主な電気的構成について図9及び図10を参照しつつ説明する。
パチンコ遊技機1は、主制御基板60(図9)と、払出制御基板73(図9)と、サブ制御基板100(図10)と、画像制御基板200(図10)と、ランプ制御基板79(図10)と、音声制御基板78(図10)とを備えている。
【0047】
図9に示すように、主制御基板60には、遊技制御用ワンチップマイコン(以下、遊技制御用マイコンという)61が実装されている。遊技制御用マイコン61は、CPU62と、ROM63と、RAM64と、入出力回路65とを備えている。CPU62は、入賞の検出、大当たり判定、各種乱数の更新などを実行する。ROM63には、CPU62が実行するコンピュータプログラム、大当たり判定テーブルTa1、大当たり種別判定テーブルTa2、リーチ判定テーブルTa3、特図変動パターン選択テーブルTa4、などの各種のテーブルが記憶されている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数など、各種の判定(抽選)にて使用する乱数を発生する。
【0048】
RAM64は、CPU62がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリなどとして使用される。また、RAM64には、第1特図保留記憶部64aと、第2特図保留記憶部64bと、普図保留記憶部64cとが設けられている。各記憶部には、遊技球が第1始動口11、第2始動口22及びゲート12に入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した乱数値が最大保留数分だけ記憶される。
【0049】
また、主制御基板60には、RAMクリアスイッチ66が搭載されている。パチンコ遊技機1は、RAMクリアスイッチ66が押下された状態で起動すると、RAM64およびサブ制御基板100のRAM120(図10)を初期化する。また、主制御基板60には、表示器類50が電気的に接続されている。さらに、主制御基板60には、中継基板74を介して第1始動口センサ11aと、第2始動口センサ22aと、ゲートセンサ12aと、大入賞口センサ32aと、一般入賞口センサ13aと、電チューソレノイド20aと、大入賞口ソレノイド30aとが電気的に接続されている。
【0050】
第1始動口センサ11aは、第1始動口11(図1)の直下に設けられており、遊技球が第1始動口11に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第2始動口センサ22aは、第2始動口22(図1)の直下に設けられており、遊技球が第2始動口22に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。ゲートセンサ12aは、ゲート12(図1)のうち遊技球の通過領域に設けられており、遊技球がゲート12を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。大入賞口センサ32aは、大入賞口32(図1)の直下に設けられており、遊技球が大入賞口32に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。一般入賞口センサ13aは、一般入賞口13(図1)の直下に設けられており、遊技球が一般入賞口13に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。
【0051】
電チューソレノイド20aは、普通可変入賞装置20の可動部材21(図1)を開閉駆動する。大入賞口ソレノイド30aは、大入賞装置30の開閉部材31(図1)を開閉駆動する。
また、主制御基板60には、払出制御基板73を介して貸球払出装置80と、カードユニット76と、賞球払出装置400とが電気的に接続されている。カードユニット76は、パチンコ遊技機1に隣接して設けられており、プリペイドカードに対して残高の読取りや書き込みなどを行う。貸球払出装置80は、球貸モータ81と、球貸センサ82とを備えている。球貸モータ81は、貸球としての遊技球を払出す部材を駆動し、球貸センサ82は、その部材によって遊技球が払出されたことを示す信号を払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、貸球払出装置80が払出した貸球数を計数する。カードユニット76に挿入されたプリペイドカードに、払出可能な最小残高以上の残高が記録されているときに、球貸ボタン(図示せず)が操作されると、貸球払出装置80が作動し、最小単位個数の貸球が打球供給皿24に払出される。
【0052】
賞球払出装置400は、賞球モータ401と、賞球センサ402とを備えている。賞球モータ401は、賞球としての遊技球を払出す部材を駆動し、賞球センサ402は、その部材によって遊技球が払出されたことを示す信号を払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、賞球払出装置400が払出した賞球数を計数する。
また、主制御基板60には、発射制御回路75を介して発射装置90が電気的に接続されている。発射装置90は、発射モータ91と、タッチスイッチ92と、発射ボリューム93とを備えている。発射モータ91は、遊技球を打撃して発射する打撃槌(図示せず)を駆動する。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力する。発射ボリューム93は、発射レバー4a(図1)の回転量に応じて、上記打撃槌が遊技球を打撃する強度を調節する。
【0053】
また、パチンコ遊技機1は、電源基板70を備えている。電源基板70は、主制御基板60および払出制御基板73に電力を供給する。また、電源基板70は、払出制御基板73に電気的に接続された各装置に対して、払出制御基板73を介して電力を供給する。また、電源基板70は、中継基板74に電気的に接続された各センサおよびソレノイドに対して、主制御基板60から中継基板74を介して電力を供給する。また、電源基板70は、主制御基板60に電気的に接続された表示器類50に対して、主制御基板60を介して電力を供給する。
電源基板70には、バックアップ電源回路71が設けられている。バックアップ電源回路71は、パチンコ遊技機1に対して外部から電力が供給されていない場合に、主制御基板60のRAM64などに対して情報の保持に必要な電力を供給する。電源基板70には、電源基板70へ電力を供給する主電源をオンオフするための電源スイッチ72が電気的に接続されている。
【0054】
主制御基板60は、サブ制御基板100(図10)に対して各種コマンドを送信する。主制御基板60は、コマンドをサブ制御基板100へ送信することはできるが、サブ制御基板100は、主制御基板60へコマンドを送信することができない。つまり、主制御基板60とサブ制御基板100との通信は、主制御基板60からサブ制御基板100へ送信することのみが可能な単方向通信となっている。
【0055】
図6に示すように、サブ制御基板100には、演出制御用ワンチップマイコン(以下、演出制御用マイコンという)101が実装されている。演出制御用マイコン101は、CPU102と、ROM110と、RAM120と、入出力回路103とを備えている。CPU102は、遊技に伴って演出を制御する。ROM110には、CPU102が演出を制御するためのコンピュータプログラムの他、演出選択テーブルTa5などの各種のテーブルが記憶されている。RAM120は、CPU102がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。また、RAM120には、第1特図保留演出記憶部121と、第2特図保留演出記憶部122と、当該変動用演出記憶部123とが設けられている。
【0056】
第1特図保留演出記憶部121、第2特図保留演出記憶部122及び当該変動用演出記憶部123は、主制御基板60から出力される特図に関するコマンドを記憶する。入出力回路103は、サブ制御基板100に接続された各基板などとの間でデータの送信または受信を行う。
【0057】
サブ制御基板100には、画像制御基板200が電気的に接続されている。画像制御基板200には、画像制御用CPU202と、VDP201(Video Display Processor)と、制御用ROM203と、制御用RAM204と、CGROM(Character Generator Read Only Memory)205と、VRAM(Video Random Access Memory)206とが実装されている。画像制御用CPU202は、変動演出パターン、ボタン演出画像、レバー演出画像および予告画像などの演出画像を表示するよう演出表示装置7を制御する。制御用ROM203には、画像制御用CPU202が演出表示装置7を制御するためのコンピュータプログラムが記憶されている。制御用RAM204は、画像制御用CPU202がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。CGROM205には、演出表示装置7が演出画像を表示するための画像データが記憶されている。VDP201は、画像制御用CPU202によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM205から画像データを読み出し、その読出した画像データをVRAM206内の展開領域に展開する。そして、VDP201は、VRAM206内に展開した画像データを合成し、その合成した画像データをVRAM206内のフレームバッファに記憶する。そして、VDP201は、VRAM206内のフレームバッファに記憶した画像データをRGB信号に変換して演出表示装置7に出力する。これにより、演出表示装置7は演出画像を表示する。
【0058】
サブ制御基板100には、ランプ制御基板79を介して左サイドランプ23a、右サイドランプ23bおよび盤ランプ2aが電気的に接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて各ランプの発光態様を決める発光パターンデータを作成し、その発光パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、ランプ制御基板79は、受信した発光パターンデータに従って各ランプの発光制御を行う。
【0059】
また、サブ制御基板100には、中継基板77を介して第1装飾部材15Aと第2装飾部材15Bと第3装飾部材15Cと第4装飾部材15Dとが電気的に接続されている。サブ制御基板100と中継基板77の間、及び中継基板77と各装飾部材との間の電気的接続はワイヤーハーネスにより行われ、且つ複数の装飾部材毎に別々のワイヤーハーネスにより接続される。従って、裏箱46に配置された装飾部材の一部又は全部を入れ替える場合には、入れ替え対象となる装飾部材からワイヤーハーネスを取り外すとともに新たな装飾部材に対してワイヤーハーネスを接続することで可能となる。
【0060】
また、第1装飾部材15Aと第2装飾部材15Bと第3装飾部材15Cと第4装飾部材15Dは、パチンコ遊技機1で行われる演出に従って発光を行う。即ち、各装飾部材は、装飾部材を発光させる為の発光源(LED)を夫々有しており、それらの発光源がワイヤーハーネスにより中継基板77と接続される。また、演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて装飾部材の発光パターンを決める発光パターンデータを作成する。そして、サブ制御基板100は、その発光パターンに従って中継基板77を介して信号を送信して上記発光源を駆動し、装飾部材の動作制御を行う。
【0061】
サブ制御基板100には、音声制御基板78を介して各スピーカ8が電気的に接続されている。音声制御基板78には、音声制御用CPU(図示せず)と、音声データROM(図示せず)と、音声合成回路(図示せず)と、アンプ(図示せず)とが搭載されている。音声データROMには、各スピーカ8が音楽や効果音などの音を出力するための音声データが記憶されている。音声制御用CPUは、サブ制御基板100から受信したコマンドに基づいて音声データROMから音声データを読出し、その読出した音声データを音声合成回路に出力する。音声合成回路は、入力した音声データを合成するとともに、その合成した合成音声データをアナログの音声信号に変換してアンプに出力する。アンプは、入力した音声信号を増幅して各スピーカ8に出力する。そして、各スピーカ8は、入力した音声信号により示される音を出力する。
【0062】
また、サブ制御基板100には、演出ボタン検出スイッチ9aと、演出レバー押込検出スイッチ6gと、演出レバー回転検出スイッチ6hと、演出ボタン振動モータ9bと、演出レバー振動モータ6dとが電気的に接続されている。演出ボタン検出スイッチ9aは、演出ボタン9が押圧操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力し、演出制御用マイコン101は、演出ボタン検出スイッチ9aから入力した信号に基づいて、ボタン演出を実行する。演出レバー押込検出スイッチ6gは、演出レバー6が押込操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力し、演出制御用マイコン101は、演出レバー押込検出スイッチ6gから入力した信号に基づいて、演出レバー6が押込操作されたときに行うレバー演出を実行する。演出レバー回転検出スイッチ6hは、演出レバー6が回転操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力し、演出制御用マイコン101は、演出レバー回転検出スイッチ6hから入力した信号に基づいて、演出レバー6が回転操作されたときに行うレバー演出を実行する。
【0063】
演出ボタン振動モータ9bは、演出ボタン9を振動させる部材であり、演出ボタン9の内部に収容されている。演出レバー振動モータ6dは、演出レバー6を振動させる部材であり、演出レバー6と接する部位または演出レバー6の内部に設けられている。ROM110には、演出ボタン振動モータ9bの動作パターンを決める動作パターンデータと、演出レバー振動モータ6dの動作パターンを決める動作パターンデータとが記憶されている。演出制御用マイコン101は、演出ボタン9を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読出し、その読出した動作パターンデータに基づいて演出ボタン振動モータ9bを駆動制御する。また、演出制御用マイコン101は、演出レバー6を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読出し、その読出した動作パターンデータに基づいて演出レバー振動モータ6dを駆動制御する。
【0064】
[実施形態の効果]
(1)上述した実施形態のパチンコ遊技機1を実施すれば、遊技球が転動する遊技領域を備えた遊技盤と、遊技盤の背面側に配置されるとともに、機種毎に対応する種類の装飾部材又は役物が内側に設置されるボックスと、を有し、ボックスは、複数種類の装飾部材又は役物の内、ボックスの取り付けられた遊技機の機種に対応する装飾部材又は役物を内側に設置する。その結果、複数種類の装飾部材又は役物の内からボックスの取り付けられた遊技機の機種に対応する装飾部材又は役物を内側に設置することが可能となる。即ち、装飾部材や役物を収容するボックスを流用可能とすることによって、ボックスを機種毎に新規に設計する必要が無く、製造コストを下げることが可能となる。また、過去の遊技台のボックスを再利用することができるので遊技台のリサイクルを促進する効果が有る。
(2)また、ボックスに配置される装飾部材又は役物は、ボックスの背面側にあるディスプレイの周囲にディスプレイを囲むように配置される。その結果、ディスプレイの周囲に配置される装飾部材又は役物を用いてディスプレイの表示内容と組み合わせた効果的な演出を行うことが可能となるとともに、それらの装飾部材や役物を収容するボックスを複数の機種間で共通化することが可能となる。
(3)また、ボックスに配置される装飾部材又は役物は複数あって、ディスプレイに対する相対位置が異なり、複数の装飾部材又は役物が連結することによってディスプレイを囲む枠となる。その結果、ボックスに配置される複数の装飾部材又は役物の取り外し、入れ替えを容易に行うことが可能となる。また、一部の装飾部材又は役物のみの取り外し、入れ替えが可能であり、例えば装飾部材又は役物の一部を異なる複数の機種間で共用することとすれば、連結する複数の装飾部材又は役物の内の一部の装飾部材又は役物のみを入れ替えることによって複数の機種に対応させることが可能となる。
(4)また、ボックスの背面側に配置されるとともに機種毎に対応する設置位置にディスプレイを設置したディスプレイケースを有し、ディスプレイケースは、複数の設置位置の内、ディスプレイケースの取り付けられた遊技機の機種に対応する設置位置にディスプレイを設置する。その結果、複数の設置位置の内からディスプレイケースの取り付けられた遊技機の機種に対応する設置位置にディスプレイを設置することが可能となる。即ち、ディスプレイを収容するディスプレイケースを流用可能とすることによって、ディスプレイケースを機種毎に新規に設計する必要が無く、製造コストを下げることが可能となる。また、過去の遊技台のディスプレイケースを再利用することができるので遊技台のリサイクルを促進する効果が有る。
(5)また、ディスプレイは長方形を有し、ディスプレイを縦方向に設置する機種と、ディスプレイを横方向に設置する機種とがあって、ディスプレイケースは、ディスプレイを縦方向に設置する為の設置手段とディスプレイを横方向に設置する為の設置手段とを夫々備え、ディスプレイケースの取り付けられた遊技機の機種に対応する方向にディスプレイを設置する。その結果、ディスプレイの設定方向の異なる複数の機種間でディスプレイケースを共通化することが可能となる。
【0065】
〈他の実施形態〉
(1)前述した実施形態では、装飾部材15を収容する裏箱46と演出表示装置7を収容する液晶ボックス55とは別体としているが、裏箱46と液晶ボックス55は一体としても良い。即ち、液晶ボックス55を裏箱46の一部としても良い。
(2)また、演出表示装置7を有さない機種(例えば羽モノ)であっても、装飾部材又は役物が内側に設置される裏箱46を共通化することによって本発明を適用することが可能である。
(3)また、前述した実施形態では、裏箱46内に役物は設置されておらず、LED等の発光手段により演出に合わせて発光する装飾部材15のみが設置されているが、装飾部材の代わりに役物を配置しても良い。
(4)また、前述した実施形態では、装飾部材15は第1装飾部材15Aと第2装飾部材15Bと第3装飾部材15Cと第4装飾部材15Dの4つの部材が連結されることによって形成されているが、装飾部材15は一体の部材であっても良い。
【符号の説明】
【0066】
1 パチンコ遊技機
2 遊技盤
2a 盤ランプ
3 遊技領域
7 演出表示装置
15 装飾部材
41 外枠
42 内枠
43 前扉
46 裏箱(ボックス)
55 液晶ボックス
56 基板ボックス
77 中継基板
151 ガイド部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10