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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-13
(45)【発行日】2023-07-24
(54)【発明の名称】筒状編地製品
(51)【国際特許分類】
   A41B 11/00 20060101AFI20230714BHJP
   A41B 11/14 20060101ALI20230714BHJP
   A41D 13/005 20060101ALI20230714BHJP
   A41D 13/05 20060101ALI20230714BHJP
   A41D 13/08 20060101ALI20230714BHJP
   A41D 31/00 20190101ALI20230714BHJP
   A41D 19/00 20060101ALI20230714BHJP
   D04B 1/18 20060101ALI20230714BHJP
   D02G 3/32 20060101ALI20230714BHJP
【FI】
A41B11/00 A
A41B11/14 E
A41D13/005 103
A41D13/05 143
A41D13/08
A41D31/00 502D
A41D19/00 A
A41D19/00 M
D04B1/18
D02G3/32
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019178895
(22)【出願日】2019-09-30
(65)【公開番号】P2021055208
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000000033
【氏名又は名称】旭化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100142387
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 都子
(74)【代理人】
【識別番号】100135895
【弁理士】
【氏名又は名称】三間 俊介
(72)【発明者】
【氏名】大伴 晴香
(72)【発明者】
【氏名】西川 満
(72)【発明者】
【氏名】吉田 裕司
【審査官】▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/070439(WO,A1)
【文献】特開2019-108638(JP,A)
【文献】特開2009-068128(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0230998(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41B 11/00
A41B 11/14
A41D 13/005
A41D 13/05
A41D 13/08
A41D 31/00
A41D 19/00
D04B 1/18
D02G 3/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性糸と非弾性糸とからなる複合糸を含む筒状編地製品であって、製品着用時の身体の中心側から、全長の13%の位置において、下記式:
ピッチリブ高さ比=p/k
{式中、p=着用想定伸長時の繊維間隔、k=着用想定伸長時の繊維高さ}
で求められるピッチリブ高さ比が、6.0~15.0であることを特徴とする、前記筒状編地製品。
【請求項2】
製品着用時の身体の中心側から、全長の13%の位置において、下記式:
複合糸伸長指数=k/f
{式中、k=着用想定伸長時の繊維高さ、f=複合糸の繊度}
で求められる複合糸伸長指数が4.0以下である、請求項1に記載の筒状編地製品。
【請求項3】
伸長時発熱温度が0℃超0.5℃以下である、請求項1又は2に記載の筒状編地製品。
【請求項4】
レッグ製品である、請求項1~3のいずれか1項に記載の筒状編地製品。
【請求項5】
少なくとも腕の一部を覆う衣料である、請求項1~3のいずれか1項に記載の筒状編地製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒状編地製品に関する。
【背景技術】
【0002】
弾性糸を使用した筒状編地は、パンティストッキング、レギンス、サポーター等の股下から足首、又は、爪先まで覆うレッグ製品や、アームカバーのような肩下から手首、又は指先まで覆う製品や、サポーターのような関節部を覆う製品に使用される。従来、上記製品であって冷感を与えるものとして、ポリアミド繊維等、吸湿性が付与された合成繊維を使用して蒸れ感を抑えたレッグ製品、清涼感を得るためポリアミド繊維の異形断面糸特殊糸を使用したレッグ製品(例えば、以下の特許文献1参照)や、フルダル糸使いにより、接触冷感も付与したレッグ製品(例えば、以下の特許文献2参照)が市販されている。これらの衣料製品では、初夏等の少し暑い季節では着用した瞬間のみ涼しく感じるが、長時間の着用や歩行等の運動により汗ばむような環境となる暑熱環境時の着用では、発汗して蒸し暑く極めて不快であり、真夏等の暑熱環境には向いていないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平6-81207号公報
【文献】特開2003-293201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記した従来技術の筒状編地製品の問題に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、空気の対流促進により放熱性が未着用状態よりも高まることで、真夏等の暑熱環境下での着用において、涼しく感じやすい筒状編地製品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討し実験を重ねた結果、筒状編地製品の特定位置において特定の編地構造とすることで、空気の対流が促進され、放熱が未着用状態よりも効率的に行われることにより、涼しく感じることができることを発見し、かかる発見に基づき本発明を完成するに至ったものである。
【0006】
すなわち、本発明は以下の通りのものである。
[1]弾性糸と非弾性糸とからなる複合糸を含む筒状編地製品であって、製品着用時の身体の中心側から、全長の13%の位置において、下記式:
ピッチリブ高さ比=p/k
{式中、p=着用想定伸長時の繊維間隔、k=着用想定伸長時の繊維高さ}
で求められるピッチリブ高さ比が、6.0~15.0であることを特徴とする、前記筒状編地製品。
[2]製品着用時の身体の中心側から、全長の13%の位置において、下記式:
複合糸伸長指数=k/f
{式中、k=着用想定伸長時の繊維高さ、f=複合糸の繊度}
で求められる複合糸伸長指数が4.0以下である、前記[1]に記載の筒状編地製品。
[3]伸長時発熱温度が0℃超0.5℃以下である、前記[1]又は[2]に記載の筒状編地製品。
[4]レッグ製品である、前記[1]~[3]のいずれかに記載の筒状編地製品。
[5]少なくとも腕の一部を覆う衣料である、前記[1]~[3]のいずれかに記載の筒状編地製品。
【発明の効果】
【0007】
本発明の筒状編地製品は、空気の対流促進により放熱性が未着用状態よりも高まることで、真夏の暑熱環境下の着用において涼しく感じやすい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態のレッグ製品のピッチリブ高さ比、複合糸伸長指数、保温率、コース数、ウェール数を測定する部位の説明図である。
図2】本実施形態のレッグ製品のピッチリブ高さ比、複合糸伸長指数、保温率、コース数、ウェール数を測定する部位の説明図である。
図3】本実施形態のレッグ製品のピッチリブ高さ比、複合糸伸長指数、保温率、コース数、ウェール数を測定する部位の説明図である。
図4】本実施形態の少なくとも腕の一部を覆う衣料のピッチリブ高さ比、複合糸伸長指数、保温率、コース数、ウェール数を測定する部位の説明図である。
図5】本実施形態の少なくとも腕の一部を覆う衣料のピッチリブ高さ比、複合糸伸長指数、保温率、コース数、ウェール数を測定する部位の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本実施形態の筒状編地製品は、弾性糸と非弾性糸とからなる複合糸を含む筒状編地製品であって、製品着用時の身体の中心側から、全長の13%の位置において、下記式:
ピッチリブ高さ比=p/k
{式中、p=着用想定伸長時の繊維間隔、k=着用想定伸長時の繊維高さ}
で求められるピッチリブ高さ比が、6.0~15.0であることを特徴とする。
【0010】
本実施形態の筒状編地製品は、弾性糸と非弾性糸とからなる複合糸を含む筒状編地製品であって、釜径4~5インチ程度の小口径のシングル丸編機(パンスト編機とも称す。)を用いて製造することができる。
本実施形態の筒状編地製品は、製品着用時の身体の中心側から、全長の13%の位置において、下記式:
ピッチリブ高さ比=p/k
{式中、p=着用想定伸長時の繊維間隔、k=着用想定伸長時の繊維高さ}
で求められるピッチリブ高さ比が、6.0~15.0であることを特徴とする。ここで、「製品着用時の身体の中心側」とは、胴との接続部に近い側を指す。例えば、上肢に着用する筒状編地製品においては、該製品が脇部まで長さがある場合は脇部、脇部にまで満たない長さの場合は、脇部に近い側の筒状編地製品端部である。また、下肢に着用する筒状編地製品においては、該製品が股部を覆う場合は股部、股部にまで満たない長さの場合は、股部に近い側の筒状編地製品端部である。また、「着用想定伸長時」とは、筒状編地製品の着用時に相当する伸長を加えた状態のことであり、詳細については実施例にて説明する。
【0011】
筒状編地製品において、持続的な冷感を得るためには、放熱(肌、繊維から外環境への熱伝達)量を多くすることが重要である。肌から外環境への熱伝達量は、熱伝達面の表面積や熱伝導素材の熱伝導率によって左右されるのみでなく、肌面と外環境との温度差も重要である。筒状編地製品の着用がない状態、すなわち肌表面に凸部(リブ)がない状態で直立すると、脚部や腕部の表面付近では、肌表面にて暖められた外気が上昇気流を生じる。外気は少しずつ温度を上げながら肌表面に沿って上昇するために、肌表面には暖かい空気が存在することとなり、肌表面からの放熱が起こりにくく、暑く感じる。一方、本実施形態の筒状編地製品を着用して直立すると、脚部や腕部の表面付近では、上昇気流は衣料製品の凹凸に沿って波打ちながら上昇する。筒状編地製品において、製品着用時の身体の中心側から、全長の13%の位置において、前記ピッチリブ高さ比が6.0~15.0であれば、外気の対流が効率よく起こり、冷たい外気が肌表面へ誘導されて、肌面と外環境との温度勾配が急峻になり、肌表面からの放熱が促進される。ピッチリブ高さ比が6.0よりも小さいときはリブ間で空気が渦を巻くように滞留し、蒸し暑く感じる製品となり、15.0よりも大きい時はリブ間を気流が上昇する間にやはり肌面で空気が暖められてやや暑く感じる。また、耐久性が悪く、着用中に穴が開き、伝線が走ってしまうなどの問題が起きやすい。
【0012】
尚、放熱量を大きくするためには、広い面積から放熱することが重要であるため、より周径が大きく、表面積の大きな人体部位からの放熱性を高めることが有効である。周径が大きく、表面積の大きな人体部位としては、腕では上腕部、脚では大腿部が該当する。筒状編地製品の製品着用時の身体の中心部側から全長の13%の位置は、レッグ製品では大腿部に、アームカバーでは上腕部に相当するため、この位置を前記編地構造とすることは、放熱量を大きくするために極めて有効である。
【0013】
放熱(肌、繊維から外環境への熱伝達)量は、弾性糸と非弾性糸とからなる複合糸が空気層を含まずに十分に肌に密着しているときに、より大きくなる。
製品着用時の身体の中心側から、全長の13%の位置において、下記式:
複合糸伸長指数=k/f
{式中、k=着用想定伸長時の繊維高さ、f=複合糸の繊度}で求められる複合糸伸長指数は、着用想定伸長時の複合糸の伸長度合いを示す。複合糸伸長指数が4.0以下であれば、着用時に複合糸がよく伸長され、より肌への密着性が高い筒状編地製品となり、放熱の効率が高まる。
【0014】
放熱性は、以下に説明する保温率により評価した。保温率とは、放熱評価機を用いて放熱量を測定するとき、下記式:
保温率=(W-W)/W×100(%)
{式中、Wは、標準温湿度において、該評価装置に該筒状編地を取り付けない場合の消費電力であり、そしてWは、標準温湿度において、該評価装置に該筒状編地を取り付けた場合の消費電力である。}で求められるものである。本実施形態の筒状編地を用いた衣料製品では、着用想定伸長時の保温率が、0より小さい。保温率は小さいほど放熱性が高く、特に保温率が0より小さいということは、未着用状態より放熱性が高いことを意味する。尚、前記放熱評価機の詳細については実施例にて説明する。
【0015】
本実施形態の筒状編地製品を構成する糸の繊度は、着圧、消費性能、生地感等の観点より任意に選択することができるが、ピッチリブ高さ比、及び複合糸伸長指数を好適な範囲に調整しやすいという観点からは、13~56dtexが好ましく、13~40dtexがより好ましく、13~31dtexがさらに好ましい。複合糸の繊度は、弾性糸に非弾性糸を被覆した状態又は弾性糸と非弾性糸とを複合撚糸した状態での繊度であり、より具体的には、ある長さの複合糸の重量を量り、次いで10gの荷重を掛けて測長して繊度を求める。
【0016】
繊度が大きい場合は、繊維径が太く、厚みがある製品となるために涼しく感じやすい製品とすることが特に難しい。しかし、例えば、繊度が31dtexより大きいときは、後述のドラフト率(複合糸を構成する弾性糸と非弾性繊維との糸長比)と撚り数の調整により繊維高さkを好ましくは75μm~220μm、より好ましくは75μm~150μmとなるようにすることで、ピッチリブ高さ比(p/k)を6.0~9.0に調節できる。
【0017】
本実施形態の筒状編地製品において、ドラフト率(複合糸を構成する弾性糸と非弾性繊維の糸長比)の調整により、複合糸の繊維径は調整可能である。ドラフト率は、ある長さの複合糸を弾性糸と非弾性繊維に分けて解き、それぞれ10gの荷重をかけて測長した際の、弾性糸の長さと非弾性繊維の長さの比の値(弾性糸の長さ/非弾性繊維の長さ)である。具体的には、ドラフト率を小さくすると繊維径は小さくなり、糸長比が大きくなると繊維径は大きくなる。ピッチリブ高さ比および複合糸伸長指数を好適な範囲に調整するという観点から、複合糸の糸長比は2.0~3.5が好ましい。
【0018】
複合糸の撚り数でも繊維径の調整が可能であり、撚り数が高いと繊維径は小さくなり、低いと繊維径は大きくなる。ピッチリブ高さ比や複合糸伸長指数を好適な範囲に調整するという観点から、複合糸の撚り数は1400~2000T/mが好ましい。
【0019】
本実施形態の筒状編地製品の周方向のウェール数は、製品のサイズ等により任意に設定できるが、好ましくは320~440ウェールとする。尚、本実施形態の筒状編地製品が、レッグ部やアーム部の長手方向に縫製部を含まない場合、すなわちシームレスの筒状編地からなる場合は、周方向のウェール数は、筒状編地編成時の使用編機の針本数によって調整できる。
ピッチリブ高さ比、及び複合糸伸長指数を好適な範囲にするためには、着用想定伸長時のウェール密度を15~30ウェール/インチ(2.54cm)とすることが好ましい。また、同様の観点より、着用想定伸長時のコース密度を23~70コース/インチとすることが好ましく、29~70コース/インチ(2.54cm)とすることがより好ましい。ウェール密度が15ウェール/インチ以上である場合は、保温率が負になりやすく、放熱効果が得られやすく、また破裂強度が高く破れにくく、さらに審美性も良くなる傾向にある。他方、ウェール密度が30ウェール/インチ以下である場合も保温率が負となり易く、放熱性が高くなりやすい。
【0020】
ピッチリブ高さ比、及び複合糸伸長指数を所望の範囲にするには、編成時のループ長の調整が有効である。編成時のテンションを上げたり、度目を詰めたりすると、ループ長が短くなり、着用想定伸長時の繊度は小さくなり、着用想定伸長時のコース数は大きくなる。これにより、ピッチリブ高さ比はやや上がる。逆にテンションを下げたり、度目を甘くしたりすると、ループ長が長くなり、着用想定伸長時の繊度が大きくなり、着用想定伸長時のコース数は小さくなる。これにより、ピッチリブ高さ比はやや下がる。
【0021】
筒状編地製品において、弾性糸の伸長による製品そのものの発熱が少ないと、着用時に涼しい製品となりやすい。伸長時の発熱温度(伸長時発熱温度)を0℃とすることは不可能であるが、伸長時発熱温度が好ましくは0℃超0.5℃以下、より好ましくは0℃超0.4℃以下であれば、暑熱環境下でも涼しく感じやすい。本明細書中、伸長時発熱温度とは、伸縮以外に外部からのエネルギー供給がなく、風による伸長時発熱温度が変化しない条件下で、筒状の編地のまま経方向(長さ方向)に2つ折りにして編地を4枚重ねにした編地の上下を把持して110%伸長し、次いで緩和してもとの長さに戻す工程を1回とする繰り返し伸縮を、100回/分の速度で500回行う間に編地が示す最高温度をサーモグラフィで測定し、試験開始前の編地温度との差から算出された値である。伸長時発熱温度を0.5℃以下とするためには、シリコン系やポリアミド系の加工剤等の滑り易い加工剤を使用すること、複合糸の繊度を小さくすること、ポリアミド系合成繊維と弾性糸との複合糸を使用することが有効である。尚、ポリアミド系合成繊維と弾性糸との複合糸の使用が伸長時の発熱温度を下げる原理は、ポリアミド繊維の吸湿性が伸長時の発熱を抑えるためと考えられる。
【0022】
本実施形態の筒状編地製品は弾性糸と非弾性繊維とからなる複合糸によりレッグ部やアーム部が構成されている。前記複合糸は、弾性糸に非弾性繊維を巻きつけたシングルカバーリングヤーン(SCY)やダブルカバーリングヤーン(DCY)のカバーリング糸や、撚糸でも可能である。
【0023】
本実施形態の筒状編地製品の編組織については、特に限定されないが、すべてのコースが、弾性糸と非弾性糸とからなる複合糸、例えば、被覆弾性糸(カバーリング糸)、複合撚糸により、天竺組織で編成されているものが好ましく、あるいは、前記複合糸と非弾性繊維との交編組織で編成される天竺組織が好ましい。尚、補強等の目的で、足首から爪先にかけては、別に準備した繊維で編成したり、ニット組織とタック組織やウェルト組織を混合したりすることも可能である。
【0024】
前記複合糸と非弾性糸との交編組織で編成される天竺組織において、複合糸と非弾性糸の繊度が大きく異なり、繊維高さが異なる場合には、適したピッチリブ高さになるように交互に繊維間隔を変えることが放熱性向上のために有効である。複合糸の繊維高さがk、非弾性繊維の繊維高さがkのとき、複合糸のニードルループと非弾性糸のシンカーループにより形成される繊維間隔pはkの6.0~15.0倍、非弾性糸のニードルループと複合糸のシンカーループにより形成される繊維間隔pはkの6.0~15.0倍になるようにそれぞれ調整することで、放熱効率を最大化できる。
【0025】
本実施形態の筒状編地製品に使用する弾性糸は、ポリウレタン系又はポリエーテルエステル系の弾性糸であることができ、例えば、ポリウレタン系弾性糸としては、乾式紡糸又は溶融紡糸したものが使用でき、ポリマーや紡糸方法は特に限定されない。弾性糸の破断伸度は400%~1000%程度であり、かつ、伸縮性に優れ、染色加工時のプレセット工程の通常処理温度180℃近辺で伸縮性を損なわないことが好ましい。また、弾性糸としては、特殊ポリマーや粉体添加により、高セット性、抗菌性、吸湿、吸水性等の機能性を付与した弾性糸も使用可能である。弾性糸の繊度は13~44dtex、好ましくは、13~22dtexの非弾性糸の使用が好適である。
【0026】
さらに、本実施形態の筒状編地製品は、弾性糸に無機物質を含有することができ、含有する無機物質の性能を加味した編地とすることができ、例えば、酸化チタンを含有させると、熱伝導性に優れ、放熱性の良い編地とすることができ、吸湿性に優れる無機物質を含有させると吸湿性に優れる製品となり、蒸れ感の抑制に効果がある。無機物質の含有法としては、弾性糸の紡糸原液に無機物質を含有させて紡糸する方法が簡単である。本明細書中、無機物質とは、酸化チタン等のセラミックスの無機物単体及び/又は無機化合物をいい、弾性糸の紡糸の障害とならない様、微粉末状が好ましい。これら無機物質は弾性糸に1~10重量%含有されていることが好ましく、無機物質は少ないと冷却等の効果が小さく、多すぎると紡糸時や伸長時に糸切れすることがあるため、1~10重量%の含有が好ましく、より好ましくは2~5重量%の含有である。
【0027】
非弾性繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、並びにポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維の使用が可能であるが、ポリアミド系合成繊維の使用が好ましい。また、これらのブライト糸、セミダル糸、フルダル糸等を任意に使用でき、繊維の断面形状についても、丸型、楕円型、W型、繭型、中空糸等任意の断面形状の繊維が使用可能であり、繊維の形態についても特に限定されず、原糸、仮撚等の捲縮加工糸が使用できるが、冷感や吸湿性に優れる原糸使いが好ましい。非弾性繊維の繊度は5~25dtex、好ましくは、8~15dtexの非弾性糸の使用が好適である。
【0028】
非弾性繊維は、酸化チタン等の無機物質や、吸湿に優れる剤を0.3~5重量%含有させることも可能で、これらを含有することにより、放熱性や吸湿、吸汗性に優れる編地が製造できる。
【0029】
本実施形態の筒状編地製品の染色仕上げ方法としては、通常の染色仕上げ工程を使用でき、使用する繊維素材に応じた染色条件とし、使用する染色機もパドル染色機、ドラム染色機など任意であり、吸水性や柔軟性を向上させる加工剤や、冷感を高める加工剤の使用も可能であり、仕上げセットについてはなるべく編地に熱がかからない条件が好ましく、105℃以下20秒以下が好ましい。
【実施例
【0030】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。尚、実施例における用いた評価方法は、以下のとおりのものであった。
【0031】
(1)ピッチリブ高さ比
筒状編地を未伸長状態で机上に置いて全長を測定し、製品着用時の身体の中心部側から、全長の13%および26%の位置に線を引いた。レッグ製品の場合は、筒状編地両脚の付け根部分の股下から、爪先付の筒状編地は爪先までの長さ、爪先のないレギンス等では、足首辺りのレッグ端部までの長さを未伸長状態で机上に置いて全長(図1~3の1)を測定し、股下からの長さ13%と26%の位置にそれぞれ線を引いた(図1の2と3)。アームカバーの場合は、脇側端部から手首側端部までの長さを未伸長状態で机上に置いて全長(図4、5の5)を測定し、脇側端部からの長さ13%と26%の位置にそれぞれ線を引いた(図4の6と7)。直径14cm、周径44cm、長さ30cmの円筒に、製品着用時の身体の中心部側から、筒状編地を被せ、身体の中心側から全長の26%のラインが円筒の長さ30cmになるように引き延ばした。全長の13%のラインが中央になるように、直径8cm、枠幅8mmの紙製の円形枠板枠板を筒状編地に重ね、瞬間接着剤で前記枠板を筒状編地に固定した。枠板の外側の生地を裁断し、着用想定伸長状態のサンプリングを行った。これを着用想定の伸長状態での評価に用いた。
サンプリングした生地について、マイクロスコープVHX-6000(キーエンス社製)にて繊維径の測定を行った。画面内から任意の5か所にて測定を行い、その平均の小数点以下を四捨五入し、繊維高さkとした。尚、複合糸がカバーリング糸の場合は、複合糸でカバーリングされている箇所は繊維径が大きく、芯糸がむき出しの箇所では繊維径が小さく見えるが、リブ高さ評価時には、カバーリングされている箇所の繊維径を測定値とした。繊維間隔については、任意の5つのループを選択し、タテの繊維間隔p、ヨコの繊維間隔pとし、その平均値を繊維間隔とした。5つのループにて測定した繊維間隔の平均値の小数点以下を四捨五入して、繊維間隔pとした。
【0032】
(2)複合糸伸長指数
筒状編地製品のレッグ部あるいはアーム部から複合糸を抜きだし、複合糸の重量を量り、次いで10gの荷重を掛けて測長して繊度を求めた。3か所以上サンプリングを行い、小数点以下を四捨五入して繊度を求め、fとした。前記(1)にて求めたkを用いて、下記式:
複合糸伸長指数=k/f
{式中、k=着用想定伸長時の繊維高さ、f=複合糸の繊度。}
で求められる複合糸伸長指数を計算し、小数点第二位を四捨五入して複合糸伸長指数とした。
【0033】
(3)保温率(放熱性)
保温率の測定は自作の放熱評価機を用いて実施した。放熱評価機は、直径14cm、周径44cm、長さ30cmの円筒からなり、内部にヒーターと温度センサーを有する。筒内の温度を37℃に保つよう制御回路を組んでおり、筒内温度が37℃より低いときはヒーターに電力を供給し昇温させ、筒内温度が37℃よりも高いときは電力供給を停止し、自然に降温させる。放熱評価機を20℃65%RHの環境下で1時間稼働させた際の消費電力Wを測定した。
筒状編地を未伸長状態で机上に置いて全長を測定し、製品着用時の身体の中心部側から、全長の26%の位置に線を引いた(図1の3、図4の7)。20℃65%RHの環境下で24時間の調湿を行った後、サンプルを放熱評価機器に被せて、身体の中心側から全長の26%のラインが円筒の長さ30cmになるように引き延ばして放熱量の測定を行った。予めサンプルをとりつけない状態での消費電力Wを測定しておき、サンプルを取り付けた状態での消費電力Wを測定した。これらの測定値から下記式:
保温率=(W-W)/W×100(%)
により保温率を求めた。
【0034】
(4)伸長時発熱温度
筒状編地製品の全長の50%の位置(図1の4、図4の8の長さの位置)で、長さ100mm(把持部除く)、幅は筒状編地のまま経方向(長さ方向)に2つ折りにしてサンプリングし、デマッチャー試験機((株)大栄科学精器製作所製)にサンプルを把持し、繰り返しの伸縮試験を行った。測定環境は、温度20℃、湿度65%RHの恒温恒湿条件にて、伸縮以外に外部からのエネルギー供給を受けない状態で測定した。初期長に対して110%(初期長が100mmであるので、伸長して把持部の間隔が210mmまで開くことになる)の伸び率になるような伸縮条件とし、100回/分の速度で伸縮を繰り返した。繰り返し伸長500回中、及び伸長終了後の試料表面温度を連続的にサーモグラフィで測定した。このとき、サーモグラフィの放射率は1.0に設定した。測定する試料表面が最高温となったときの温度を読み取り、伸縮前の温度と比べ上昇した温度を伸長時発熱温度とした。
【0035】
(5)着用想定伸長時のコース密度、ウェール密度
前記(1)にてサンプリングした生地について、1インチの長さ間のコース数を測定した。周方向に3カ所以上サンプリングし、コース数の測定を行い、その平均の小数点以下を四捨五入して、大腿部のコース数とした。
同じサンプルの1インチの長さ間のウェール数についても同様に測定した。
【0036】
(6)着用発熱温度
製造した筒状編地製品を30℃50%RHの環境下で着用し、トレッドミルを使用して5km/Hrで3分間歩行を行い、人体正面から歩行前と歩行後の表面温度を放射率1.0に設定したサーモグラフィで観察した。パンティストッキングやレギンスといったレッグ製品の場合は、大腿部からくるぶしまでの脚部表面温度を、ゲイターやサポーターのようなレッグ製品の場合は、筒状編地により覆われる脚部表面温度を、アームカバーのような少なくとも腕の一部を覆う衣料の場合は、筒状編地により覆われる腕部表面温度をサーモグラフィにより観察し、歩行前後の平均温度を画像解析により求め、歩行前の脚部全体の平均温度からどれぐらい変化したかを次式:
着用発熱温度=(歩行前の脚部又は腕部の温度)―(歩行後の脚部又は腕部の温度)
により求めた。着用発熱温度が低いほど、暑熱環境下でも涼しい筒状編地製品であることを示す。
【0037】
(7)着用感
製造した筒状編地製品を30℃50%RHの環境下で着用し、トレッドミルを使用して5km/Hrで3分間歩行を行い、その時の着用感を「非常に涼しい」、「涼しい」、「普通」、「蒸し暑い」、「蒸し暑く不快」の5段階で評価した。
【0038】
[実施例1]
弾性糸44dtex(商品名ロイカBZ:旭化成(株)製)にポリアミド繊維の原糸13dtex/7フィラメントを、弾性糸のドラフト率3.0、撚り数2000T/mでカバーリングして28dtexの被覆弾性糸とした。この被覆弾性糸を使用して、針数352本のパンティストッキング編機を使用し、パンティストッキングのウエスト部にあたる部分から爪先まで編成した。ここで、パンティ部にあたる部分は、被覆弾性糸とポリアミド繊維加工糸78dtex/24フィラメントとを1本交互に編成し、股下からは被覆弾性糸のみで徐々にループの大きさを小さくしながら爪先部分まで編成した。編成した編地を金属製のセット型にかぶせ、スチームセット機を用い80℃でプレセットを行った。その後、編地を裏返し、2本のレッグ部編地の股部分を縫い合わせ、一足のパンティストッキングにした。さらにトークローザ―でつま先部分を縫い、再度表に返して、パドル染色機に投入した。ポリアミド繊維の染色を行い、染色工程の最後にシリコン系の加工剤(SFCシリコンNu62(明成化学工業(株)製))を5%owfパドル染色機に投入し、常温で5分間処理した。5分後にパドル染色機から取り出し、脱水、乾燥後、脚型の金枠にセットし、115℃20秒間セットして、周方向のウェール数が352ウェールのパンティストッキングとした。製造できたパンティストッキングのコースウェール数、ピッチリブ高さ比、複合糸伸長指数、伸長時発熱温度、保温率を測定した。また、着用試験により着用発熱温度、着用感を検証した結果、着用で涼しく、特に運動後の脚部の温度低下が見られ、暑熱環境の着用でも涼しいことが判った。結果を以下の表1に示す。
【0039】
[実施例2]
実施例1において、針数320本のパンティストッキング編機を使用し、他の製造条件は同じとした周方向のウェール数が320ウェールのレギンスを製造した。結果を以下の表1に示す。
【0040】
[実施例3]
弾性糸33dtex(商品名ロイカSF:旭化成(株)製)にポリアミド繊維の原糸13dtex/7フィラメントを、弾性糸のドラフト率3.0、撚り数1600T/mでカバーリングして24dtexの被覆弾性糸とした。この被覆弾性糸を使用して、針数400本のパンティストッキング編機を使用し、パンティストッキングのウエスト部にあたる部分から爪先まで編成した。以降の条件は、実施例1と同様のパンティストッキングを製造した。結果を以下の表1に示す。
【0041】
[実施例4]
実施例3において、針数352本のパンティストッキング編機を使用し、他の製造条件は同じとした周方向のウェール数が352ウェールのパンティストッキングを製造した。結果を以下の表1に示す。
【0042】
[実施例5]
実施例3において、針数320本のパンティストッキング編機を使用し、他の製造条件は同じとした周方向のウェール数が320ウェールのパンティストッキングを製造した。結果を以下の表1に示す。
【0043】
[実施例6]
弾性糸44dtex(商品名ロイカBZ:旭化成(株)製)にポリアミド繊維の原糸13dtex/7フィラメントを、弾性糸のドラフト率3.0、撚り数1800T/mでカバーリングして28dtexの被覆弾性糸とした。この被覆弾性糸とポリアミド繊維の原糸18dtex/3フィラメントを使用して、針数352本のパンティストッキング編機を使用し、パンティストッキングのウエスト部にあたる部分から爪先まで編成した。ここで、パンティ部にあたる部分は、被覆弾性糸とポリアミド繊維加工糸78dtex/24フィラメントとを1本交互に編成し、股下からは被覆弾性糸とポリアミド繊維の原糸18dtex/3フィラメントとを交互に編成して徐々にループの大きさを小さくしながら爪先部分まで編成した。編成した編地を金属製のセット型にかぶせ、スチームセット機を用い80℃でプレセットを行った。その後、編地を裏返し、2本のレッグ部編地の股部分を縫い合わせ、一足のパンティストッキングにした。さらにトークローザ―でつま先部分を縫い、再度表に返して、パドル染色機に投入した。ポリアミド繊維の染色を行い、染色工程の最後にシリコン系の加工剤(ソフテックスHS-450(北広ケミカル(株)製))を3%owfパドル染色機に投入し、常温で5分間処理した。5分後にパドル染色機から取り出し、脱水、乾燥後、脚型の金枠にセットし、115℃20秒間セットして、周方向のウェール数が352ウェールのパンティストッキングとした。結果を以下の表1に示す。
【0044】
[実施例7]
実施例6において、弾性糸44dtex(商品名ロイカBZ:旭化成(株)製)にポリアミド繊維の原糸11dtex/7フィラメントを、弾性糸のドラフト率3.0、撚り数1400T/mでダブルカバーリングして37dtexの被覆弾性糸とした。この被覆弾性糸とポリアミド繊維の原糸18dtex/3フィラメントを使用して、針数352本のパンティストッキング編機を使用し、パンティストッキングのウエスト部にあたる部分から爪先まで編成した。結果を以下の表1に示す。
【0045】
[実施例8]
実施例4において、針数352本のパンティストッキング編機を使用し、周方向のウェール数が352ウェールのアームカバーを製造した。上腕から前腕に向かって被覆弾性糸のみで徐々にループの大きさを小さくしながら爪先部分まで編成した。生地の両末端部については、ポリエステル繊維の加工糸56/24と被覆弾性糸の2本取りでリブ組織を編成した。筒状編地を金属製のセット型にかぶせ、スチームセット機を用い80℃でプレセットを行った。結果を以下の表1に示す。ポリアミド繊維の染色を行い、染色工程の最後にポリアミド系の加工剤(ソフテックスNF-10(北広ケミカル(株)製))を3%owfパドル染色機に投入し、常温で5分間処理した。5分後にパドル染色機から取り出し、脱水、乾燥後、腕用の金枠にセットし、115℃20秒間セットして、周方向のウェール数が352ウェールのアームカバーとした。結果を以下の表1に示す。
【0046】
[実施例9]
弾性糸22dtex(商品名ロイカSF:旭化成(株)製)にポリアミド繊維の原糸13dtex/7フィラメントを、弾性糸のドラフト率2.5、撚り数1800T/mでカバーリングして22dtexの被覆弾性糸とした。この被覆弾性糸を使用して、針数352本のパンティストッキング編機を使用し、パンティストッキングのウエスト部にあたる部分から爪先まで編成した。以降の条件は、実施例1と同様のパンティストッキングを製造した。結果を以下の表1に示す。
【0047】
[実施例10]
弾性糸19dtex(商品名ロイカBZ:旭化成(株)製)にポリアミド繊維の原糸11dtex/7フィラメントを、弾性糸のドラフト率2.4、撚り数1800T/mでカバーリングして19dtexの被覆弾性糸とした。この被覆弾性糸を使用して、針数352本のパンティストッキング編機を使用し、パンティストッキングのウエスト部にあたる部分から爪先まで編成した。以降の条件は、実施例1と同様のパンティストッキングを製造した。結果を以下の表1に示す。
【0048】
[実施例11]
実施例1において、編成時のループ長を大きく設定してパンティストッキングを製造した。結果を以下の表1に示す。
【0049】
[実施例12]
実施例1において、染色工程の最後にウレタン系の加工剤(パスコールv-221(明成化学工業(株)製))を3%owfパドル染色機に投入し、常温で5分間処理したパンティストッキングを製造した。結果を以下の表1に示す。
【0050】
[比較例1]
実施例1において、針数432本のパンティストッキング編機を使用し、他の製造条件は同じとした周方向のウェール数が432ウェールのレギンスを製造した。結果を以下の表1に示す。
【0051】
[比較例2]
実施例10において、編成時のループ長をかなり大きく設定して、パンティストッキングを製造した。結果を以下の表1に示す。着用試験のためにサンプルを穿く動作中にパンティストッキングが破れてしまい、破裂強度を測定したところ40hPaであった。また、穿きムラが目立ち、審美性にも問題があった。
【0052】
[比較例3]
複合糸繊度37dtexの市販のパンティストッキングを購入し、各種物性を測定した。結果を以下の表1に示す。
【0053】
【表1】
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明の筒状編地は、暑熱環境下において涼しい筒状編地であるため、各種衣料製品、例えば、パンティストッキング、レギンス等の股下から足首、又は、爪先まで覆うレッグ製品、サポーター、ゲイターといった下肢の全部又は一部を覆うレッグ製品、さらにアームカバーのような肩下から手首、又は指先まで覆う製品、サポーターのような関節部を覆う製品に好適に利用可能である。
【符号の説明】
【0055】
1 レッグ製品のレッグ長
2 レッグ製品の製品着用時の身体の中心側から13%の位置
3 レッグ製品の製品着用時の身体の中心側から26%の位置
4 レッグ製品の製品着用時の身体の中心側から50%の長さ
5 少なくとも腕の一部を覆う衣料の全長
6 少なくとも腕の一部を覆う衣料の製品着用時の身体の中心側から13%の位置
7 少なくとも腕の一部を覆う衣料の製品着用時の身体の中心側から26%の位置
8 少なくとも腕の一部を覆う衣料の製品着用時の身体の中心側から50%の長さ
図1
図2
図3
図4
図5