(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-13
(45)【発行日】2023-07-24
(54)【発明の名称】クイックリリース式カメラマウント
(51)【国際特許分類】
F16M 11/04 20060101AFI20230714BHJP
G03B 17/56 20210101ALI20230714BHJP
F16M 13/00 20060101ALI20230714BHJP
F16M 13/02 20060101ALI20230714BHJP
【FI】
F16M11/04 L
G03B17/56 A
G03B17/56 B
F16M11/04 F
F16M13/00 D
F16M13/02 T
F16M11/04 B
(21)【出願番号】P 2020508093
(86)(22)【出願日】2018-04-23
(86)【国際出願番号】 IB2018052793
(87)【国際公開番号】W WO2018193430
(87)【国際公開日】2018-10-25
【審査請求日】2021-04-13
(32)【優先日】2017-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NZ
(73)【特許権者】
【識別番号】519375608
【氏名又は名称】シロップ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SYRP LIMITED
【住所又は居所原語表記】32 Crummer Road, Grey Lynn, Auckland 1021, New Zealand
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トムソン,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ブローク,サムエル
(72)【発明者】
【氏名】アレン,ジェームス
【審査官】伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第1912731(CN,A)
【文献】米国特許第07828256(US,B2)
【文献】特開平05-044890(JP,A)
【文献】米国特許第07642741(US,B2)
【文献】米国特許第09372383(US,B2)
【文献】米国特許出願公開第2017/0314726(US,A1)
【文献】米国特許第07185862(US,B1)
【文献】欧州特許出願公開第02708791(EP,A2)
【文献】米国特許第07290740(US,B2)
【文献】中国実用新案第203731041(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2013/0256484(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0323855(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16M 11/04
G03B 17/56
F16M 13/00
F16M 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クイックリリース式マウントシステムであって、
ラッチ面をそれぞれ含む両側の側面を有するマウントプレートと、
前記マウントプレートを受容する差し込み部、および前記マウントプレートのラッチ面と係合して前記差し込み部から前記マウントプレートが分離することを防止する少なくとも1つの可動ラッチ部材を有する基部と、
を備え、
前記マウントシステムは、前記基部に垂直な方向および前記基部から離れる方向に、前記少なくとも1つの
可動ラッチ部材に対して前記マウントプレートを押し付けるように動作するロック機構をさらに備え、これにより、前記差し込み部内で前記マウントプレートが強固に締め付けられ、
前記
可動ラッチ部材は、
回転することができる、
クイックリリース式マウントシステム。
【請求項2】
前記マウントプレートを受容する前記差し込み部を有する前記基部は、前記マウントプレートの両側の側面の各ラッチ面と係合する少なくとも1つの可動ラッチ部材を含む、
請求項1に記載のクイックリリース式マウントシステム。
【請求項3】
前記ラッチ面と係合する複数の可動ラッチ部材が設けられる、
請求項1または2に記載のクイックリリース式マウントシステム。
【請求項4】
前記可動ラッチ部材は、前記基部の側壁の溝内にそれぞれ配置され、前記可動ラッチ部材の動きは、単一の並進自由度における経路に沿った移動のみに制限される、
請求項1~3のいずれか1項に記載のクイックリリース式マウントシステム。
【請求項5】
前記経路は、前記差し込み部の底面に対して斜めに配向される、
請求項4に記載のクイックリリース式マウントシステム。
【請求項6】
前記経路は、
(a)約30度~約60度の範囲、または
(b)約45度
の角度で、前記底面に対して斜めに配向される、
請求項5に記載のクイックリリース式マウントシステム。
【請求項7】
前記
可動ラッチ部材は、
(a)ボールベアリング、または
(b)実質的に円筒形のローラ、または
(c)ボールベアリングと円筒形のローラとの組み合わせ
である、
請求項1~6のいずれか1項に記載のクイックリリース式マウントシステム。
【請求項8】
前記
可動ラッチ部材は、前記
可動ラッチ部材が少なくとも部分的に前記差し込み部内に突出するように、ラッチ位置まで付勢される、
請求項1~7のいずれか1項に記載のクイックリリース式マウントシステム。
【請求項9】
前記マウントプレートの両側の側面は、前記マウントプレートの基部が前記マウントプレートの上部よりも広くなるように、斜めのラッチ面を含む、
請求項1~8のいずれか1項に記載のクイックリリース式マウントシステム。
【請求項10】
前記マウントプレートのラッチ面から、前記差し込み部の一方の側に沿う少なくともすべての前記
可動ラッチ部材を係合解除するために、リリース機構が設けられる、
請求項1~9のいずれか1項に記載のクイックリリース式マウントシステム。
【請求項11】
前記リリース機構は、前記
可動ラッチ部材を直線状の経路で並進させる、
請求項10に記載のクイックリリース式マウントシステム。
【請求項12】
前記ロック機構は、
・ 前記差し込み部の底面に配置されたロックプレートであって、その下側にらせん状の経路を画定する複数のロックプレートボール経路を有するロックプレートと、
・ 前記ロックプレートの下方に配置されたロックリングであって、その上側にらせん状の経路を画定して前記ロックプレートボール経路を補完する複数のロックリングボール経路を有するロックリングと、
・ 対応する前記ロックプレートおよび前記ロックリングボール経路内にそれぞれ配置された複数のボールベアリングと、
を備え、
前記ロックプレートに対する前記ロックリングの回転によって、前記ボールベアリングが前記ロックリングと前記ロックプレートとを分離させ、これにより、前記マウントプレートが前記ロックプレートと前記
可動ラッチ部材との間で締め付けられる、
請求項1~11のいずれか1項に記載のクイックリリース式マウントシステム。
【請求項13】
互いに対応する前記ボールベアリングと前記ボール経路とのセットが3つ~6つある、
請求項12に記載のクイックリリース式マウントシステム。
【請求項14】
前記ロック機構は、互いに対して並進するように構成された補完的なくさび状部材を備え、これにより、前記マウントプレートが前記
可動ラッチ部材に対して締め付けられる、
請求項1~11のいずれか1項に記載のクイックリリース式マウントシステム。
【請求項15】
前記ロック機構は、少なくとも1つのねじ付き部材を備え、その回転によって、前記マウントプレートが前記
可動ラッチ部材に対して締め付けられる、
請求項1~11のいずれか1項に記載のクイックリリース式マウントシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つの
可動ラッチ部材がラッチ状態にあるときに、
(a)前記少なくとも1つの
可動ラッチ部材は、前記マウントプレートのラッチ面と係合し、
(b)前記少なくとも1つの
可動ラッチ部材の動きは、単一の第1の方向における経路に沿った並進のみに制限され、前記経路は、前記マウントプレートの平面に対して斜めに配向され、
ラッチ解除状態にあるときに、前記少なくとも1つの
可動ラッチ部材の動きは、前記第1の方向に沿った並進のみに制限されない、
請求項1に記載のクイックリリース式マウントシステム。
【請求項17】
前記ラッチ面と係合する複数の可動ラッチ部材を有する、
請求項16に記載のクイックリリース式マウントシステム。
【請求項18】
前記
可動ラッチ部材は、前記ラッチ解除状態にあるときに、少なくとも1つの構成要素が前記第1の方向に直交する状態で少なくとも1つの追加の方向に沿っておよび/または前記マウントプレートのラッチ面から離れるように、並進することができる、
請求項16または17に記載のクイックリリース式マウントシステム。
【請求項19】
前記
可動ラッチ部材は、前記ラッチ状態にあるときに、前記基部から前記マウントプレートが取り外されることを防止し、前記ラッチ解除状態にあるときに、前記基部から前記マウントプレートが取り外されることを許可する、
請求項16~18のいずれか1項に記載のクイックリリース式マウントシステム。
【請求項20】
前記
可動ラッチ部材は、前記ラッチ状態になるように付勢される、
請求項16~19のいずれか1項に記載のクイックリリース式マウントシステム。
【請求項21】
前記少なくとも1つの
可動ラッチ部材は、
前記基部の側壁の溝内に配置され、前記溝から飛び出すことが制限される、
請求項20に記載のクイックリリース式マウントシステム。
【請求項22】
前記経路は、
(a)約30度~約60度の範囲、または
(b)約45度
の角度で、前記平面に対して斜めに配向される、
請求項16に記載のクイックリリース式マウントシステム。
【請求項23】
前記
可動ラッチ部材は、
(a)ボールベアリング、または
(b)実質的に円筒形のローラ、または
(c)ボールベアリングと円筒形のローラとの組み合わせ
である、
請求項16~22のいずれか1項に記載のクイックリリース式マウントシステム。
【請求項24】
前記
可動ラッチ部材は、前記
可動ラッチ部材が少なくとも部分的に前記差し込み部内に突出するように、ラッチ位置まで付勢される、
請求項16~23のいずれか1項に記載のクイックリリース式マウントシステム。
【請求項25】
前記マウントプレートの両側の側面は、前記マウントプレートの基部がより高い部分よりも広くなるように、斜めのラッチ面を含む、
請求項16~24のいずれか1項に記載のクイックリリース式マウントシステム。
【請求項26】
前記
可動ラッチ部材の動きは、可動ラッチアクチュエータがラッチ位置にあるときに、前記可動ラッチアクチュエータによって、前記単一の第1の方向に沿った並進のみに制限される、
請求項16~25のいずれか1項に記載のクイックリリース式マウントシステム。
【請求項27】
前記
可動ラッチ部材の動きは、前記
可動ラッチアクチュエータがラッチ解除位置にあるときに、前記単一の第1の方向に沿った並進のみに制限されなくなる、
請求項26に記載のクイックリリース式マウントシステム。
【請求項28】
前記
可動ラッチアクチュエータは、前記ラッチ位置まで付勢される、
請求項
26に記載のクイックリリース式マウントシステム。
【請求項29】
前記マウントプレートは、概ね円形であり、前記マウントプレートの周囲の少なくとも一部の周りで突出するリップ部を画定し、前記リップ部は、前記ラッチ面を画定する、
請求項26~28のいずれか1項に記載のクイックリリース式マウントシステム。
【請求項30】
前記マウントプレートは、前記ラッチ状態にあるときに、前記基部に対して自由に回転することができる、
請求項29に記載のクイックリリース式マウントシステム。
【請求項31】
前記
可動ラッチアクチュエータは、前記
可動ラッチ部材を取り囲む回転可能なリングであり、
前記
可動ラッチアクチュエータは、内縁の周りに間隔をあけて配置された一連のラッチカム面およびラッチ解除キャビティを画定し、
(a)前記ラッチカム面は、前記
可動ラッチアクチュエータがラッチ位置にあるときに、それぞれの前記
可動ラッチ部材と係合して、前記
可動ラッチ部材の動きを前記単一の第1の方向に沿った並進のみに制限し、
(b)前記ラッチ解除キャビティは、前記
可動ラッチアクチュエータがラッチ解除位置にあるときに、それぞれの前記
可動ラッチ部材と隣接するように配置され、これにより、前記
可動ラッチ部材の動きは、前記単一の第1の方向に沿った並進のみに制限されなくなる、
請求項
26に記載のクイックリリース式マウントシステム。
【請求項32】
前記
可動ラッチ部材は、前記
可動ラッチアクチュエータがラッチ解除位置にあるときに、半径方向外側に移動して、前記マウントプレートのラッチ面から係合解除される、
請求項31に記載のクイックリリース式マウントシステム。
【請求項33】
前記
可動ラッチアクチュエータは、それぞれの前記
可動ラッチ部材の後方に配置された並進部材であり、
前記
可動ラッチアクチュエータは、ラッチカム面およびラッチ解除キャビティを画定し、
(a)前記ラッチカム面は、前記
可動ラッチアクチュエータがラッチ位置にあるときに、それぞれの前記
可動ラッチ部材と係合して、前記
可動ラッチ部材の動きを前記単一の第1の方向に沿った並進のみに制限し、
(b)前記ラッチ解除キャビティは、前記
可動ラッチアクチュエータがラッチ解除位置にあるときに、それぞれの前記
可動ラッチ部材と隣接するように配置され、これにより、前記
可動ラッチ部材の動きは、前記単一の第1の方向に沿った並進のみに制限されなくなる、
請求項
26に記載のクイックリリース式マウントシステム。
【請求項34】
マウントは、前記基部から離れるように前記マウントプレートを付勢して、前記マウントプレートが前記少なくとも1つの
可動ラッチ部材に対して締め付けられるように、ロックモードでさらに動作する、
請求項16~33のいずれか1項に記載のクイックリリース式マウントシステム。
【請求項35】
前記ロックモードは、
・ 前記差し込み部の底面に配置されたロックプレートであって、その下側にらせん状の経路を画定する複数のロックプレートボール経路を有するロックプレートと、
・ 前記ロックプレートの下方に配置されたロックリングであって、その上側にらせん状の経路を画定して前記ロックプレートボール経路を補完する複数のロックリングボール経路を有するロックリングと、
・ 対応する前記ロックプレートおよび前記ロックリングボール経路内にそれぞれ配置された複数のボールベアリングと、
を備えたロックシステムによって作動され、
前記ロックプレートに対する前記ロックリングの回転によって、前記ボールベアリングが前記ロックリングと前記ロックプレートとを分離させ、これにより、前記マウントプレートが前記ロックプレートと前記
可動ラッチ部材との間で締め付けられる、
請求項34に記載のクイックリリース式マウントシステム。
【請求項36】
互いに対応する前記ボールベアリングと前記ボール経路とのセットが3つ~6つある、
請求項35に記載のクイックリリース式マウントシステム。
【請求項37】
クイックリリース式マウントシステムであって、
少なくとも1つのラッチ面を含むマウントプレートと、
前記マウントプレートを受容する差し込み部、および前記マウントプレートのラッチ面と係合して前記差し込み部から前記マウントプレートが分離することを防止する少なくとも1つの可動ラッチ部材を有する基部と、
を備え、
前記マウントシステムは、前記基部に垂直な方向および前記基部から離れる方向に、前記少なくとも1つの
可動ラッチ部材に対して前記マウントプレートを押し付けるように動作するロック機構をさらに備え、これにより、前記差し込み部内で前記マウントプレートが強固に締め付けられ、
前記
可動ラッチ部材は、
回転することができる、
クイックリリース式マウントシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラマウントに関する。より詳細には、本発明は、クイックリリース式カメラマウントに関するが、これに限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
本発明は、特にカメラプレートをロックおよび解放するためのクイックリリース式カメラマウントに関する。ただし、その他の用途にも容易に適用できるものである。
【0003】
カメラやその他の光学機器は、スタンド、三脚またはその他の物体に取り付けられる場合がある。一般的に、カメラをカメラプレートに取り付けて、そのカメラプレートをカメラマウントに取り付けて、そのカメラマウントを支持対象の所望の物体に取り付けることができる。
【0004】
カメラやカメラアクセサリは高価な場合があり、ユーザは、カメラを固定できる安定したマウントを望む場合が多い。
【0005】
いくつかのカメラマウントは、ラッチモード、ロックモードおよび解放モードにおいて動作する。これは、カメラマウントの使いやすさを向上させる場合がある。
【0006】
ラッチモードにおいて、カメラマウントがカメラプレートの移動範囲を制限する。
【0007】
ロックモードにおいて、ロック機構がカメラマウント内でカメラプレートを強固にロックおよび固定して、その移動を防止する。
【0008】
解放モードにおいて、ボタンなどのリリース機構がカメラプレートを解放する。これにより、カメラマウントからカメラプレートを取り外すことができる。
【0009】
しかしながら、一部のカメラマウントには、特に直感的ではないものおよび/または使用が難しいものがある。また、その他のカメラマウントにおいて、特に大型の光学機器を使用する場合、安定性に限界がある。
【0010】
さらに、カメラまたはその他の光学機器をカメラマウントに容易に固定できることが望ましい。より安定したカメラマウントが望ましい場合もある。
【0011】
本明細書において、他の特許明細書およびその他の文献を含む外部情報源を参照している箇所は、本発明の特徴を説明するための背景を提供する目的で記載される。これらの情報源の参照は、特に明示した場合を除き、その情報源が本発明の先行技術であること或いはその情報源が当該技術分野における一般知識の一部を構成することを認めるものであると、いかなる管轄区域でも解釈されるべきではない。
【0012】
本明細書の目的において、方法のステップが順番に記載されている場合、ステップが必ずしもその順番で時系列に並べられるという意味ではない。ただし、これは順番に関する他の論理的な解釈がない場合を除く。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、上述した欠点を少なくとも1つ克服する或いは少なくとも部分的に改善する、または少なくとも有用な選択肢を一般に提供するクイックリリース式マウントを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一態様において、本発明は、広義には、
・ ラッチ面をそれぞれ含む両側の側面を有するマウントプレートと、
・ マウントプレートを受容する差し込み部、およびマウントプレートのラッチ面と係合して差し込み部からマウントプレートが分離することを防止する少なくとも1つの可動ラッチ部材を有する基部と
を含むクイックリリース式マウントシステムを備える。マウントシステムは、差し込み部内でマウントプレートを強固に締め付けるロック機構をさらに備える。ロック機構は、基部に垂直な方向に、少なくとも1つのラッチ部材に対してマウントプレートを押し付けるように動作する。
【0015】
別の態様によれば、マウントプレートを受容する差し込み部を有する基部は、マウントプレートの両側の側面の各ラッチ面と係合する少なくとも1つの可動ラッチ部材を含む。
【0016】
別の態様によれば、ラッチ面と係合する複数の可動ラッチ部材が設けられる。
【0017】
別の態様によれば、可動ラッチ部材は、基部の側壁の溝内にそれぞれ配置され、可動ラッチ部材の動きは、単一の並進自由度における経路に沿った移動のみに制限される。
【0018】
別の態様によれば、経路は、差し込み部の底面(floor)に対して斜めに配向される。
【0019】
別の態様によれば、経路は、
(a)約30度~約60度の範囲、または
(b)約45度
の角度で、底面に対して斜めに配向される。
【0020】
別の態様によれば、ラッチ部材は、
(a)ボールベアリング、または
(b)実質的に円筒形のローラ、または
(c)ボールベアリングと円筒形のローラとの組み合わせ
である。
【0021】
別の態様によれば、ラッチ部材は、自由に回転することができる。
【0022】
別の態様によれば、ラッチ部材は、ラッチ部材が少なくとも部分的に差し込み部内に突出するように、ラッチ位置まで付勢される。
【0023】
別の態様によれば、マウントプレートの両側の側面は、マウントプレートの基部がマウントプレートの上部よりも広くなるように、斜めのラッチ面を含む。
【0024】
別の態様によれば、マウントプレートのラッチ面から、差し込み部の一方の側に沿う少なくともすべてのラッチ部材を係合解除するために、リリース機構が設けられる。
【0025】
別の態様によれば、リリース機構は、ラッチ部材を直線状の経路で並進させる。
【0026】
別の態様によれば、ロック機構は、
・ 差し込み部の底面に配置されたロックプレートであって、その下側にらせん状の経路を画定する複数のロックプレートボール経路を有するロックプレートと、
・ ロックプレートの下方に配置されたロックリングであって、その上側にらせん状の経路を画定してロックプレートボール経路を補完する複数のロックリングボール経路を有するロックリングと、
・ 対応するロックプレートおよびロックリングボール経路内にそれぞれ配置された複数のボールベアリングと
を備える。ロックプレートに対するロックリングの回転によって、ボールベアリングがロックリングとロックプレートとを分離させ、これにより、マウントプレートがロックプレートとラッチ部材との間で締め付けられる。
【0027】
別の態様によれば、互いに対応するボールベアリングとボール経路とのセットが3つ~6つある。
【0028】
別の態様によれば、ロック機構は、互いに対して並進するように構成された補完的なくさび状部材を備える。これにより、マウントプレートがラッチ部材に対して締め付けられる。
【0029】
別の態様によれば、ロック機構は、少なくとも1つのねじ付き部材を備え、その回転によって、マウントプレートがラッチ部材に対して締め付けられる。
【0030】
別の態様によれば、本発明は、広義には、基部上に支持されたマウントプレートを受容し且つマウントプレートのラッチ面と係合する少なくとも1つの可動ラッチ部材によって解放されることが防止されるクイックリリース式マウントシステムを備える。マウントは、基部から離れるようにマウントプレートを付勢して、マウントプレートが少なくとも1つのラッチ部材に対して強固に締め付けられるように、ロックモードでさらに動作する。
【0031】
別の態様によれば、本発明は、広義には、差し込み部を画定する基部上に支持されたマウントプレートを受容するクイックリリース式マウントシステムを備える。クイックリリース式マウントシステムは、基部の側壁の溝内に配置された少なくとも1つのラッチ部材を含み、ラッチ状態にあるときに、
(a)少なくとも1つのラッチ部材は、マウントプレートのラッチ面と係合し、
(b)少なくとも1つのラッチ部材の動きは、溝内において、単一の第1の方向における経路に沿った並進のみに制限される。ここで、経路は、マウントプレートの平面に対して斜めに配向される。
また、ラッチ解除状態にあるときに、少なくとも1つのラッチ部材の動きは、第1の方向に沿った並進のみに制限されない。
【0032】
別の態様によれば、マウントシステムは、ラッチ面と係合する複数の可動ラッチ部材を有する。
【0033】
別の態様によれば、ラッチ部材は、ラッチ解除状態にあるときに、少なくとも1つの構成要素が第1の方向に直交する状態で少なくとも1つの追加の方向に沿っておよび/またはマウントプレートのラッチ面から離れるように、並進することができる。
【0034】
別の態様によれば、ラッチ部材は、ラッチ状態にあるときに、基部からマウントプレートが取り外されることを防止し、ラッチ解除状態にあるときに、基部からマウントプレートが取り外ざれることを許可する。
【0035】
別の態様によれば、ラッチ部材は、ラッチ状態になるように付勢される。
【0036】
別の態様によれば、少なくとも1つのラッチ部材は、溝から飛び出すことが制限される。
【0037】
別の態様によれば、経路は、
(a)約30度~約60度の範囲、または
(b)約45度
の角度で、マウントプレートの平面に対して斜めに配向される。
【0038】
別の態様によれば、本発明は、広義には、上記の記載によるクイックリリース式マウントシステムを備える。ここで、ラッチ部材は、
(a)ボールベアリング、または
(b)実質的に円筒形のローラ、または
(c)ボールベアリングと円筒形のローラとの組み合わせ
である。
【0039】
別の態様によれば、ラッチ部材は、自由に回転することができる。
【0040】
別の態様によれば、ラッチ部材は、ラッチ部材が少なくとも部分的に差し込み部内に突出するように、ラッチ位置まで付勢される。
【0041】
別の態様によれば、マウントプレートの両側の側面は、マウントプレートの基部がより高い部分よりも広くなるように、斜めのラッチ面を含む。
【0042】
別の態様によれば、ラッチ部材の動きは、可動ラッチアクチュエータがラッチ位置にあるときに、可動ラッチアクチュエータによって、単一の第1の方向に沿った並進のみに制限される。
【0043】
別の態様によれば、ラッチ部材の動きは、ラッチアクチュエータがラッチ解除位置にあるときに、単一の第1の方向に沿った並進のみに制限されなくなる。
【0044】
別の態様によれば、ラッチアクチュエータは、ラッチ位置まで付勢される。
【0045】
別の態様によれば、マウントプレートは、概ね円形であり、その周囲の少なくとも一部の周りで突出するリップ部を画定する。リップ部は、ラッチ面を画定する。
【0046】
別の態様によれば、マウントプレートは、ラッチ状態にあるときに、基部に対して自由に回転することができる。
【0047】
別の態様によれば、ラッチアクチュエータは、ラッチ部材を取り囲む回転可能なリングである。また、ラッチアクチュエータは、内縁の周りに間隔をあけて配置された一連のラッチカム面およびラッチ解除キャビティを画定し、
(a)ラッチカム面は、ラッチアクチュエータがラッチ位置にあるときに、それぞれのラッチ部材と係合して、ラッチ部材の動きを単一の第1の方向に沿った並進のみに制限し、
(b)ラッチ解除キャビティは、ラッチアクチュエータがラッチ解除位置にあるときに、それぞれのラッチ部材と隣接するように配置され、これにより、ラッチ部材の動きは、単一の第1の方向に沿った並進のみに制限されなくなる。
【0048】
別の態様によれば、ラッチ部材は、ラッチアクチュエータがラッチ解除位置にあるときに、半径方向外側に移動して、マウントプレートのラッチ面から係合解除され得る。
【0049】
別の態様によれば、ラッチアクチュエータは、それぞれのラッチ部材の後方に配置された並進部材である。また、ラッチアクチュエータは、ラッチカム面およびラッチ解除キャビティを画定し、
(a)ラッチカム面は、ラッチアクチュエータがラッチ位置にあるときに、それぞれのラッチ部材と係合して、ラッチ部材の動きを単一の第1の方向に沿った並進のみに制限し、
(b)ラッチ解除キャビティは、ラッチアクチュエータがラッチ解除位置にあるときに、それぞれのラッチ部材と隣接するように配置され、これにより、ラッチ部材の動きは、単一の第1の方向に沿った並進のみに制限されなくなる。
【0050】
別の態様によれば、マウントは、基部から離れるようにマウントプレートを付勢して、マウントプレートが少なくとも1つのラッチ部材に対して締め付けられるように、ロックモードでさらに動作する。
【0051】
別の態様によれば、ロックモードは、
・ 差し込み部の底面に配置されたロックプレートであって、その下側にらせん状の経路を画定する複数のロックプレートボール経路を有するロックプレートと、
・ ロックプレートの下方に配置されたロックリングであって、その上側にらせん状の経路を画定してロックプレートボール経路を補完する複数のロックリングボール経路を有するロックリングと、
・ 対応するロックプレートおよびロックリングボール経路内にそれぞれ配置された複数のボールベアリングと
を備えたロックシステムによって作動される。ロックプレートに対するロックリングの回転によって、ボールベアリングがロックリングとロックプレートとを分離させ、これにより、マウントプレートがロックプレートとラッチ部材との間で締め付けられる。
【0052】
別の態様によれば、互いに対応するボールベアリングとボール経路とのセットが3つ~6つある。
【0053】
別の態様によれば、本発明は、広義には、
・ 少なくとも1つのラッチ面を含むマウントプレートと、
・ マウントプレートを受容する差し込み部、およびマウントプレートのラッチ面と係合して差し込み部からマウントプレートが分離することを防止する少なくとも1つの可動ラッチ部材を有する基部と
を含むクイックリリース式マウントシステムを備える。マウントシステムは、差し込み部内でマウントプレートを強固に締め付けるロック機構をさらに備える。ロック機構は、基部に垂直な方向に、少なくとも1つのラッチ部材に対してマウントプレートを押し付けるように動作する。
【0054】
別の態様によれば、本発明は、広義には、
図1~
図12のうちのいずれか1つまたは複数の図を参照して本明細書で説明するクイックリリース式マウントシステムを実質的に備える。
【0055】
別の態様によれば、本発明は、広義には、
図13および
図14のいずれか一方または両方を参照して本明細書で説明するクイックリリース式マウントシステムを実質的に備える。
【0056】
別の態様によれば、本発明は、広義には、
図15~
図22のうちのいずれか1つまたは複数の図を参照して本明細書で説明するクイックリリース式マウントシステムを実質的に備える。
【0057】
別の態様によれば、本発明は、広義には、
図23~
図25のうちのいずれか1つまたは複数の図を参照して本明細書で説明するクイックリリース式マウントシステムを実質的に備える。
【0058】
別の態様によれば、本発明は、広義には、
図26および
図27のうちのいずれか一方または両方を参照して本明細書で説明するクイックリリース式マウントシステムを実質的に備える。
【0059】
本発明のその他の態様は、添付の図面を参照して例示する以下の説明から明らかになるであろう。
【0060】
本明細書において使用される用語「および/または」は、「および」、「または」またはその両方を意味する。
【0061】
本明細書において使用される名詞に続く「(複数を含む)」は、その名詞の複数形および/または単数形を意味する。
【0062】
本明細書および特許請求の範囲において使用される用語「を備える」は、「から少なくとも部分的に構成される」を意味する。この用語を含む本明細書および特許請求の範囲の記載を解釈する際には、それぞれの記載においてその用語が付された特徴はすべて存在する必要があるが、その他の特徴も存在することができる。また、「備え」および「備えた」などの関連する用語も、同様に解釈される。
【図面の簡単な説明】
【0063】
以下、図面を参照しながら例示的に本発明を説明する。
【
図1】第1の構成によるクイックリリース式カメラマウントの斜視図である。
【
図2】カメラプレートが部分的に係合している、
図1のカメラマウントの斜視図である。
【
図3】カメラプレートがマウント内で摺動している状態を示す、
図1のカメラマウントの別の斜視図である。
【
図4】
図1のカメラマウントの変形例によるマウントの断面図である。
【
図5】カメラプレートが係合している、
図1のカメラマウントの模式的な断面図である。
【
図6】ラッチ部材がラッチ解除状態にあり、カメラプレートが取り外された、
図5のカメラマウントの模式的な断面図である。
【
図7】
図1のカメラマウントのラッチ機構の部分分解図である。
【
図9】ロック機構のさらなる概念を示す模式図である。
【
図10】ロック解除状態にある、
図1のカメラマウントのロック機構の部分分解図である。
【
図11】ロック状態にある、
図10のカメラマウントのロック機構の部分分解図である。
【
図12b】ロック解除状態にある、
図10のロック機構の模式的な断面図である。
【
図13a】代替のロック機構の概念を示す模式図である。
【
図13b】別の代替のロック機構の概念を示す模式図である。
【
図14】別の代替のロック機構の概念を示す模式図である。
【
図15a】ラッチ状態にある、リリース機構の模式図である。
【
図15b】ラッチ解除状態にある、リリース機構の模式図である。
【
図15c】カメラプレートが取り外された、リリース機構の模式図である。
【
図16b】代替のリリース機構の模式的な斜視図である。
【
図17a】ラッチ状態にある、別の代替のリリース機構の模式図である。
【
図17b】ラッチ解除状態にある、別のリリース機構の模式図である。
【
図18a】ラッチ状態にある、別の代替のリリース機構の模式図である。
【
図18b】ラッチ解除状態にある、別の代替のリリース機構の模式図である。
【
図18c】カメラプレートが取り外された、別の代替のリリース機構の模式図である。
【
図21a】ラッチ状態にある、別の代替のロック機構の模式図である。
【
図21b】ロック状態にある、別の代替のロック機構の模式図である。
【
図23】代替のクイックリリース式カメラマウントの部分透過図である。
【
図24】
図23のクイックリリース式カメラマウントの断面図である。
【
図25】
図23のクイックリリース式カメラマウントの部分断面図である。
【
図26】別の代替のクイックリリース式カメラマウントの部分透過図である。
【
図27】
図25のクイックリリース式カメラマウントの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
図1~
図27に示す本発明の様々な実施形態における様々な態様によれば、特にカメラマウントとして以下に説明するクイックリリース式マウントが提供される。
【0065】
図1~
図12には、操作が容易であり、安全且つ信頼性を有し、製造が容易な実質的に長方形のクイックリリース式カメラマウント1が示されている。クイックリリース式カメラマウント1は、カメラプレート100を受容するように構成される。カメラマウント1は、本体2と、基部3と、ロック制御部4と、溝(slot)5内で動作するラッチ部材6とを備える。
【0066】
好ましくは、クイックリリース式カメラマウント1は、カメラなどの光学機器を、例えば下部マウント80を介して、スタンド、カメラスライダー、または自転車のマウントなどの別の物体に取り付けるために使用される。
【0067】
また、クイックリリース式カメラマウントは、特にクイックリリース式ロック機構が役立つその他の用途を含む、一般的に知られているその他の物体を取り付けるのに適している。例えば、安定したマウントの利点を受けることができるその他の光学機器、レーザ、ならびに技術的および/または科学的機器が多くある。
【0068】
好ましくは、クイックリリース式カメラマウント1は、ラッチモード、ロックモードおよび解放モードにおいて動作することができる。
【0069】
ラッチモードにおいて、クイックリリース式カメラマウント1は、カメラプレート100が挿入されたときにカメラプレートを取り込む。好ましくは、ラッチモードにおいて、クイックリリース式カメラマウント1は、カメラプレート100の縦方向の移動やカメラプレート100が本体2から意図せずに解放されることを防止する。ラッチモードにおいて、カメラプレート100は、クイックリリース式カメラマウント1内で制限された直線移動に沿って摺動することができる。これにより、ユーザは、カメラプレート100の位置の微調整を行うことができる。好ましくは、カメラプレート100は、単にプレート100をマウント本体2内に押し込む片手操作によって、クイックリリース式カメラマウント1内に挿入され得る。
【0070】
ロックモードにおいて、ロック機構は、クイックリリース式カメラマウント内でカメラプレート100を締め付けて、カメラプレートの移動を防止する。これにより、プレートは、適所に実質的に強固に把持される。ロックモードにおいて、カメラプレート100は安定して固定される。これにより、取り付けられた機器を動かない状態にして、「カメラのぶれ」を防止することができる。
【0071】
解放モードにおいて、クイックリリース式カメラマウント1のリリース機構は、カメラプレート100を解放する。代替の構成を参照して以下に説明するように、解放モードにおいて、クイックリリース式カメラマウント1から縦方向および/または任意選択で横方向にカメラプレート100を取り外すことができる。
【0072】
<カメラプレート>
【0073】
好ましくは、
図1に示すカメラプレート100は、概ね長方形であり、上部101と、基部102と、開口部(aperture)103と、周縁部104と、ラッチ面105と、下端部107とを備える。カメラプレートの上部101は、実質的に平らであり、これにより、カメラプレート100に対して機器を平らに配置することができる。
【0074】
好ましくは、プレートの開口部103は、ボルトなどの固定手段が開口部を通過してカメラなどの機器(図示せず)を固定できるように構成される。この目的のために、カメラなどの機器には、一般的に標準のねじ付き凹部が設けられている。
【0075】
カメラプレート100は、少なくとも1つのラッチ面105を備えるが、両側の2つのラッチ面105を備えることが好ましい。ラッチ面105は、平面状であってよく、代替的には、(概ね凸状または概ね凹状に)湾曲していてもよい。
【0076】
図2に最もよく示すように、カメラプレート100を挿入するために、クイックリリース式カメラマウント1は、カメラプレート100のラッチ面105と係合して、カメラプレートを取り込む。代替的に、カメラプレート100を下向きに直接挿入して、カメラマウントの本体2内に押し込むこともできる。
【0077】
カメラプレート100と本体または基部ユニット2との間の接続は、テーパ状のほぞ(すなわちラッチ面105を有するカメラプレート100)がほぞ穴(すなわちラッチ部材6を含む且つ対応する角度が付けられた側壁7を有する基部ユニット2)と係合する箇所において、蟻継ぎに類似する。
【0078】
好ましくは、カメラプレート100のラッチ面105は、蟻継ぎ式のプレート構成で示されるように、概ね斜めに配向される。
【0079】
好ましくは、ラッチ面105は、カメラプレート100の基部102に対して約30度~60度の範囲の角度を有する。
【0080】
最も好ましくは、ラッチ面105は、カメラプレート100の基部102に対して約45度の角度を有する。
【0081】
任意選択で、カメラプレート100は、プレート基部102上に、
図4に示すような摺動停止溝106を有する。摺動停止溝106は、カメラプレート100の長さの一部に沿って延在する。好ましくは、摺動停止溝106は、プレートの周縁部104に達することがないように、カメラプレート100の長さに沿って延在する。
【0082】
<ラッチ機構>
【0083】
図1~
図6には、ラッチ機構を有するクイックリリース式カメラマウント1が示されている。
【0084】
図2に示すように、カメラプレート100は、クイックリリース式カメラマウント1内に下向きに挿入される。代替的に、(一部の構成において)クイックリリース式カメラマウント1内へ横方向にカメラプレート100を摺動させることで、カメラプレート100がクイックリリース式カメラマウント1内に挿入されてもよい。
【0085】
カメラプレート100がクイックリリース式カメラマウント1内に挿入されると、ラッチ部材(複数を含む)6が元の位置に跳ね返るときに、カメラマウントはカメラプレート100を自動的に取り込んでラッチモードとする。ラッチモードからカメラプレート100を解放するには、リリース機構が必要である。
【0086】
図3に示すように、ラッチモードにおいて、クイックリリース式カメラマウント1は、基部2から分離しないよう制限されながら、クイックリリース式カメラマウントの内側の側壁7に平行な方向に移動することができる。ラッチモードにおいて、カメラプレート100は、制限された横方向の動きで並進することができる。これにより、カメラプレート100の微調整を行うことができる。カメラプレート100が最終的な位置でしっかりと(すなわち基本的に強固に)ロックされる前に、対象物に向かう方向または対象物から離れる方向にカメラプレート100を調整できることは有用である。
【0087】
模式的な
図5および
図6には、溝5を有するクイックリリース式カメラマウント1が最も明確に示されている。溝5内には、(模式的に示す)ラッチ部材6と、対応する付勢手段15とが含まれる。
【0088】
ラッチ部材6は、円筒形のベアリングであり、好ましくは溝5内で(円筒形の軸を中心に)滑らかに回転できるよう構成される。この特徴によって、プレートが挿入されたときに、ラッチ部材6とカメラプレート100との間で円滑な相互作用が提供され得る。ラッチ部材6は、溝5内で自由に回転することができるピン(図示せず)によって把持される。これにより、ラッチ部材6は、その軸を中心に回転することができる。
【0089】
溝5は、ラッチ部材6の直径に一致するように構成および寸法決めされた直線状の経路10に沿って、ラッチ部材6の並進を制限する。ラッチ部材6は、ラッチ状態(
図5)と後退した状態(
図6)との間で移動して、カメラプレート100を取り込むおよび解放することができる。特に好ましくは、カメラプレート100が本体2内に挿入されるときに、ラッチ部材6がラッチ位置まで付勢されて、機構が「自動的に」カメラプレート100を取り込んでラッチする。
【0090】
最も好ましくは、溝5が斜めの経路10を形成する。好ましくは、斜めの経路10は、カメラプレート100のラッチ面105と略平行である。
【0091】
また好ましくは、ラッチ部材6は、制限面18によって、ラッチ状態を超えて溝5から飛び出すことが制限される。制限面18は、ラッチ部材6の直径よりも小さい通路を形成して、ラッチ部材6が溝5から飛び出すことを防止する。
【0092】
付勢手段15は、溝5の外側に少なくとも部分的に延在し且つマウントプレート100のラッチ面105と係合するように、ラッチ部材6を付勢する。これにより、本体2からマウントプレートが分離することを防止することができる。最も好ましくは、付勢手段15は、コイルばねや板ばねのようなばね、またはその他の適切な付勢手段である。
図5および
図6には、付勢手段15が模式的に示されている。ラッチ部材6を付勢(および解放)する機構のいくつかの例を、以下に詳細に記載する。
【0093】
好ましくは、付勢手段15は、ラッチ部材6が溝5の外側に少なくとも部分的に延在するようにラッチ部材6を付勢できるほど十分に強いが、解放手順中にカメラプレート100を取り外すことが困難になるほど強くない。例えば、付勢されたラッチ部材6は、カメラプレート100が自重によって(すなわちカメラマウントが例えば上下逆に傾けられた場合)本体2から解放されることを防止できることが好ましい場合がある。
【0094】
カメラプレート100がクイックリリース式カメラマウント1内に挿入されると、カメラプレート100の周縁部104は、ラッチ部材6と係合して、カメラプレート100の縁部がラッチ部材6をすり抜けるのに十分な距離で、ラッチ部材6を溝5内に後退させる。この段階で、ラッチ部材6は、少なくとも部分的に延在した位置に戻り、ラッチ状態でカメラプレート100を取り込む。
図3および
図4に示すように、ラッチ状態において、カメラプレート100は、壁7間を摺動することができるが、クイックリリース式カメラマウント1から縦方向にカメラプレート100を取り外すことはできない。
【0095】
好ましくは、カメラプレート100は、ラッチモードにおいて、クイックリリース式カメラマウント1から完全に滑り落ちることが防止される。これは、多くの方法によって達成することができる。例えば、クイックリリース式カメラマウント1は、特に
図4に示すようにねじ止め9を備えていてもよい。ねじ止め9は、基部3のわずかに上方に配置されて、プレート100の下側に設けられた補完的なねじ止め溝106と係合することができる。ねじ止め9は、カメラプレート100の摺動を制限して、クイックリリース式カメラマウント1からカメラプレートが誤って押し出されるのを防止する。
【0096】
図4に最もよく示すように、カメラプレート100の摺動は、カメラプレート100の摺動停止溝106によって形成された経路に制限される。この経路において、溝106の端部の壁部がねじ止め9に当接する。ラッチモードにおける制限された摺動によって、ユーザは、カメラプレート100およびプレートに取り付けられた任意の機器の位置の微調整を行うことができる。ねじ止め9は、(
図4に示すように)機能する上昇位置まで巻かれてもよく、
図1に示す基本的に同一平面となる位置まで巻き下げられてもよい。この特徴によって、カメラマウント1を、異なるスタイルを有するカメラマウントプレート100とともに必要に応じて使用することができるようになる。
【0097】
代替的に(またはさらに)、
図1に最もよく示すように、クイックリリース式カメラマウント1は、カメラマウントの基部3においてばね付きピン71を備えていてもよい。ばね付きピン71は、上述した溝106と同様に、カメラプレート100のプレート基部102に補完的な溝(図示せず)と係合する。ばね付きピン71は、クイックリリース式カメラマウント1からカメラプレート100が誤って押し出されるのを防止する。ばね付きピン71を使用する利点は、ピンによってクイックリリース式カメラマウント1をより広い範囲のカメラプレート100で使用できることである。ばね付きピン71は、(基部が対応する溝を有さない場合)カメラプレート100の基部102の表面と係合したときに収縮する。ただし、基部が対応する溝を有する場合、ばね付きピン71は、延在位置まで付勢されて、プレート基部102の対応する溝に侵入することができる。
【0098】
<リリース機構>
【0099】
クイックリリース式カメラマウント1からカメラプレート100を解放するために、リリース機構によって、ラッチ部材(複数を含む)6が
図6に示すようなクイックリリース式カメラマウントの溝5内に後退する(左側の溝5)。解放モードにおいて、ラッチ部材6はカメラプレート100のラッチ面105から係合解除されて、クイックリリース式カメラマウント1からカメラプレート100を取り外すことができる。
【0100】
好ましくは、リリース機構は、溝5内の付勢手段15に対抗してラッチ部材6を移動させ、経路10に沿ってラッチ部材6を溝5内に後退させる。この対抗機構によって、ラッチ部材6が付勢手段15の力に対抗することができる。
【0101】
図3および
図7に示すように、クイックリリース式カメラマウント1は、1つまたは複数のリリースボタン31を備える。
【0102】
図7に最もよく示すように、リリースボタン31は、傾斜ガイド溝34を有するリリース体32と接続される。
図7において、ラッチ部材組立体6の1つは、その機構を示すために透過的に図示されている。リリースボタン31が押されてリリースばね8が圧縮されたときに、傾斜ガイド溝34は、ラッチ部材6の対応するピンと相互作用する。これにより、ラッチ部材6は、溝5内に後退する。後退位置において、クイックリリース式カメラマウント1からカメラプレート100を取り外すことができる。
【0103】
図7に示す実施形態において、1つのラッチ部材6のみが、対応するリリースボタン31を具備する。しかしながら、ユーザの所望の機能に応じて、単一のリリースボタン31によって(ラッチ部材6との間の連結部を介して)両方のラッチ部材6が作動されてもよく、代替的に、両方のラッチ部材6が個別のリリースボタンを有してもよい。
【0104】
代替的に、リリースボタンは、それ自体がラッチ部材(複数を含む)6を移動することなく、代わりに例えば付勢力の一部または全部を緩和して、ラッチ部材6を後退させることができる。このタイプの構成において、クイックリリース式カメラマウント1からカメラプレート100が取り外されると、カメラプレート100の下端部107は、ラッチ部材6をクイックリリース式カメラマウントの溝5内に後退させる。
【0105】
<ロック機構>
【0106】
カメラマウント1の追加の機能には、クイックリリース式カメラマウント1のためのロック機構が含まれる。この特徴は、
図7~
図12に最もよく示されている。このロック機構は、上述したラッチ機構、または当該技術分野で既知のその他の適切なラッチ機構、特に「蟻継ぎ式」のカメラプレート100と係合する斜めに配向されたロック部材を含むラッチ機構とともに使用することができる。
【0107】
ロックモードにおいて、クイックリリース式カメラマウント1は、カメラプレート100を締め付けおよび固定して、カメラプレートの移動を防止する。このモードにおいて、カメラマウント100と本体2との間の接続は、好ましくは基本的に強固である。
【0108】
好ましい実施形態において、カメラプレート100は、リフトロック機構によって、クイックリリース式カメラマウントの本体2に固定される。このロック機構は、ラッチ部材6に対してカメラプレート100を締め付けて、カメラプレート100を固定する。
【0109】
好ましくは、リフトロック機構は、ロック制御部4(例えばレバーなど)と、ロックリング40と、複数のボールベアリング43と、ロックプレート20とを備える。リフトロック機構を作動するために、ロック制御部4は、ボールベアリング43を有するロックリング40を回転させ、これにより、ロックプレート20が持ち上げられる。ロックプレート20が持ち上げられると、カメラプレート100も持ち上げられて(溝5および端部の制限面18によって制限されて上方向に移動できない)ラッチ部材6に対して締め付けられる。
【0110】
リフトロック機構は、ラッチ機構から独立して動作して、ラッチ機構とは異なる方向に動作する点で有利である。また、ロックプレート20は、カメラプレート100と係合する大きな表面積を有する。これにより、信頼できる安定した表面を提供することができる。カメラプレート100に作用する大きな表面積を有するロックプレート20を備えたクイックリリース式カメラマウント1は、特に重い物体に適している。大型のカメラ機器を操作する場合、安定したロック機構が特に望ましい。
【0111】
ロック制御部4は、クイックリリース式カメラマウント1をロック状態(
図11)とロック解除状態(
図10)との間で移動させる。好ましくは、ロック制御部4は、突出したアームまたはハンドルを備えたレバーである。レバー4は、ユーザにとって制御が容易であり、直感的に使用することができる。
【0112】
好ましくは、ロックリング40は、インジケータ部401も含む。インジケータ部は、ロック状態とロック解除状態との間でロックリングとともに移動する様々な色(例えば赤と緑)が付けられた部分を含んでもよい。
図1に示すように、インジケータウィンドウ402が設けられてもよい。インジケータウィンドウ402を介して、ロックインジケータ401の様々な色が付けられた部分を視認することができる。ロックレバーが回転すると、色が付けられた部分(例えば、ロックされている場合は赤、ロック解除されている場合は緑)がインジケータウィンドウ402に表示される。
【0113】
ロック制御部4は、少なくとも1つの傾斜ボール経路41を有するロックリング40に取り付けられる。傾斜ボール経路41は、らせん状の経路から続く傾斜面を含む傾斜路42を有する。好ましくは、ロックリング40は、4つの傾斜ボール経路41を有するが、任意の適切な数の経路が用いられてもよい。
【0114】
図7に最もよく示すように、ボールベアリング43の動きは、ロックリング40の傾斜ボール経路41内に制限される。ボールベアリング43は、傾斜ボール経路41の幅以下の直径を有する。ボールベアリング43は、ロックリング40の上方でロックプレート20を分離する。ボールベアリング43は、滑らかであり、クイックリリース式カメラマウント1がロック状態とロック解除状態との間で移行する際に生じるロックリング40とロックプレート20との間の回転摩擦を低減する。ボールベアリング43が設けられることで、リフトロック機構は、ロックリング40がロックプレート20と直接接触している場合よりも滑らかに動作することができる。複数のボールベアリング43によって、多くの接触点が提供される。これにより、摩擦を低減して負荷に耐えることができる。より多くのボールベアリング43を使用してロックプレート20に対してより多くの接触点を提供することで重い機器を固定できるように、クイックリリース式カメラマウント1を採用することができる。
【0115】
(模式的な
図9、
図12aおよび
図12bに最もよく示すように)ロックプレート20は、上面21を備える。上面21は、クイックリリース式カメラマウントの基部3に実質的に平行な実質的に平坦な面を形成する。これにより、カメラまたはその他の機器を平坦な面に取り付けることができる。好ましくは、ロックプレート20は、ロックプレートの基部22において、ロックリング40の傾斜ボール経路41を補完する少なくとも1つの傾斜ボール経路23を有する。
図8に模式的に示すように、ロックプレートの傾斜ボール経路は、ロック端部26およびロック解除端部27を有する傾斜面24を備える。ロック端部26は、ロック解除端部27よりも薄い。
図8に示すように、ロックプレートの傾斜ボール経路は、ロックリングの傾斜路42に動作可能に対応するように構成された傾斜路24を有する。
【0116】
ロックリング40が第1の方向に回転すると、ベアリング43がロック解除端部44とロック端部45との間で移動して、ロックプレート20がより低い開始位置からより高い終了位置まで持ち上げられる。これにより、ロックプレートが持ち上げられてラッチ部材6を締め付ける。ロックリング40が第1の方向に回転すると、ロックリング40は、ロック解除端部44におけるボールベアリング43との係合位置からロック端部45における係合位置まで移動する。また、ボールベアリング43は、ロック解除端部27におけるロックプレート20との係合位置からロック端部26における係合位置まで移動する。
【0117】
ねじ9とロックプレート20との間には、スプリングワッシャまたは例えば圧縮可能なOリングなどの付勢手段400が設けられてもよい。この付勢手段400は、ロックプレート20およびロックリング40のそれぞれの溝内でボール43の位置が保持されるように機能する。
【0118】
レバー4が回転すると、ボールベアリング43も回転する。例えば、レバー4が
図10に示す位置から
図11に示すロック位置に向けて反時計回りに回転すると、ボールベアリングは、ロックリング40の傾斜ボール経路41の傾斜路42内で時計回りに移動する。ロックリング40がボールベアリングの下でロック解除端部44における係合位置からロック端部45における係合位置まで回転すると、ボールベアリング43は、らせん状の動きで上方向に移動する。ボールベアリング43が上方向に移動すると、ロックプレート20は、上方向に持ち上げられる。
【0119】
図12aを参照すると、ロックプレート20が上方向に移動すると、カメラプレート100は、ロック位置に押し込まれる。ロックプレート20の上方向への移動は、クイックリリース式カメラマウント1のラッチ部材6に対してカメラプレート100のラッチ面105を締め付ける。
【0120】
次に、クイックリリース式カメラマウント1のロックを解除するために、レバー4を第2の方向に回転させる。これにより、ロックプレート20が下方向に下がる。ロックプレート20が下方向に移動すると、カメラプレート100は、クイックリリース式カメラマウント1のラッチ部材6から締め付けが解除されてロック解除位置となる。
【0121】
例えば、ロックプレート20を下方向に下げるために、レバー4を時計回りに回転させる。ボールベアリング43は、ロックリング40のロック端部45における係合位置からロック解除端部44における係合位置まで移動する。ここで、ロック端部45はロック解除端部44よりも浅い。レバー4が時計回りに回転すると、ボールベアリング43は、ロックリング40の傾斜ボール経路41内で反時計回りに移動する。
【0122】
ロック解除端部44とロック端部45との間の傾斜ボール経路41の深さの差は、ラッチ部材6を締め付けるために必要な力を提供するのに十分である。
【0123】
<代替のリリース機構>
【0124】
クイックリリース式カメラマウント1のラッチ部材6のラッチを解除してクイックリリース式カメラマウント1からカメラプレート100を解放するために、いくつかの代替のリリース機構を採用することができる。
【0125】
これらのリリース機構は、上述したラッチおよび/またはロック機構、またはその他の機構とともに使用され得る。
【0126】
リリース機構の1つのタイプによれば、ラッチ部材6の動きは、解放モードにあるときに、溝5の直線状の経路10内のみに制限されなくなる。特に、代替のリリース機構は、ラッチ部材6に追加の移動度を提供する。これにより、ラッチ部材6は並進することができる。
【0127】
例えば、模式的な
図15a~
図15cに示すように、クイックリリース式カメラマウント1は、任意選択で可動側壁16を備える。解放されていない状態において、可動側壁16は、溝5の壁の一部を構成し、ラッチ部材6の動きを直線状の経路10内に制限する。この状態において、基部の差し込み部から外にカメラプレート100を移動しようとすると、ラッチ部材6は、そのラッチ位置(溝5からラッチ部材が飛び出すことを防止する制限面18の位置)に向けてさらに押される傾向がある。したがって、カメラプレート100を解放することができない。
【0128】
解放された状態において、可動側壁16は、外方向(すなわちプレート100から離れる方向)に移動して、ラッチ部材6に追加の並進自由度を提供する。ラッチ部材6が、取り外されるカメラプレート100の経路を確保するのに十分な空間を有するように、可動側壁16は、十分に遠くに移動する(
図15b)。
【0129】
代替の実施形態において、可動側壁16は、上方向(または上方向と外方向とが組み合わされた方向)に移動してもよい。溝の斜め方向の配向によって、側壁16のいずれかの移動は、マウントプレート100から離れる方向で、ラッチ部材6の並進に必要な追加の自由度を提供する。可動側壁16が上方向および/または外方向に移動したときに、解放されていない状態での可動側壁16の位置に、空間19が形成される。
【0130】
解放された状態において、ラッチ部材6は、カメラプレート100のラッチ面105とラッチしなくなる。これにより、クイックリリース式カメラマウントからカメラプレート100を取り外すことができる。
【0131】
代替的に、
図16に示すクイックリリース式カメラマウント1は、溝5内のラッチ部材6と係合するリリース部材14を備える。リリース部材14は、(
図16bに示すように)厚い端部と薄い端部とを有する。好ましくは、リリース部材14の厚い端部は、ラッチ部材6と係合するように付勢され、これにより、ラッチ6は、溝5の外側に少なくとも部分的に延在する。このラッチ位置において、溝5は、上述したようにラッチ部材6の動きを単一の並進方向に沿って制限する。
【0132】
リリース部材14が溝5に沿って押されたときに、リリース部材14の薄い端部は、ラッチ部材6に隣接して配置される。その結果、ラッチ部材6は、追加の並進自由度に沿って、マウントプレート100から離れる方向に後退することができる。
【0133】
代替的に、
図17には、回転カム70を備えたクイックリリース式カメラマウント1が示されている。解放されていない状態において、回転カム70は、ラッチ部材6の動きを直線状の経路10内に制限する。回転カム70がラッチ部材6から離れるように溝5内で逆回転すると、ラッチ部材の動きは、直線状の経路10内のみに制限されなくなる。解放されていない状態での回転カム20の位置に空間19が形成されるため、ラッチ部材6は、空間19内へ外方向に(すなわち追加の並進自由度で)並進することができる。解放された状態において、ラッチ部材6は、カメラプレート100のラッチ面105とラッチしなくなる。これにより、クイックリリース式カメラマウントからカメラプレート100を取り外すことができる。
【0134】
また代替的に、模式的な
図18には、ラッチ部材6に取り付けられたリリースタブ30を備えたクイックリリース式カメラマウント1が示されている。このリリース機構は、溝5内の付勢手段15に対抗して、制限された直線状の経路10に沿ってラッチ部材6をクイックリリース式カメラマウント1の溝5内に後退させる。リリースタブ30が付勢方向と反対の方向に引っ張られることで、付勢手段15に対抗することができる。リリースタブ30およびラッチ部材6は、外方向および下方向に後退位置まで引っ張られる。後退位置において、クイックリリース式カメラマウント1からカメラプレート100を取り外すことができる。
【0135】
任意選択で、
図19には、ラッチ部材(複数を含む)6を後退させるために採用され得る角度が付けられた溝を有するリリースタブ30が示されている。角度が付けられた溝は、部材17が矢印の方向に移動したときにラッチ部材6が溝5内に後退するように、摺動部材17のピンと相互作用する。
【0136】
代替的に、
図20には、ラッチ部材6と係合する溝5内のカムボタン33を備えた別のクイックリリース式カメラマウント1が示されている。カムボタン33は、その端部においてラッチ部材6と係合する傾斜面を有する。ラッチ解除位置(図示せず)において、カムボタン33はラッチ部材6と相互作用せず、ラッチ部材6はラッチ位置をとることができる。ラッチ解除位置(
図20に示す)において、カムボタン33はラッチ部材6と係合して、ラッチ部材6を溝5内の凹部位置に押し込む。これにより、カメラプレート100を解放することができる。
【0137】
ラッチ機構には、以下に例示する他の多くの設計バリエーションが可能である。
【0138】
任意選択で、クイックリリース式カメラマウント1は、マウントプレート100の長さに沿って係合するように構成された複数のラッチ部材6のための、複数の溝5を有してもよい。特に、このような実施形態において、ラッチ部材6は、円筒形のラッチ部材ではなく、ボールベアリングであってよい。
【0139】
例えば、カメラマウント1の各側面は、2つ~8つまたはそれ以上のボールベアリングを備えていてもよい。
【0140】
任意選択で、ラッチ部材6は、例えば円筒形、直角プリズムまたは正三角形プリズムの形状を有する。
【0141】
<代替のリフトロック機構>
【0142】
図13aおよび
図13bに模式的に示すように、リフトロック機構のための追加のオプションが提供される。例えば、ロック制御部4は、クイックリリース式カメラマウント1の本体2に対して移動するくさび状プレート50を介してロックプレート20を持ち上げるおよび/または下げるように構成されてもよい。
【0143】
ロック解除状態において、くさび状プレート50は、部分的にロックプレート20とクイックリリース式カメラマウント1の基部3との間に配置される。ロック解除状態からロック状態に移動するために、くさび状プレート50は、ロックプレート20とクイックリリース式カメラマウント1の基部3との間にさらに挿入される。これにより、ロックプレート20が上方向に持ち上げられて、くさび状プレート50がロック解除状態からロック状態に移行する。
【0144】
上述したように、ロックプレート20が上方向に持ち上げられると、カメラプレート100も上方向に持ち上げられて締め付けられる。
【0145】
くさび状プレート50は、ロックプレート20の下方の(一体成形されたまたは個別の部材として設けられた)対応する傾斜面と協働する傾斜面28を有する。
【0146】
くさび状プレート50の第1の側面51は、くさび状プレートの第2の側面52よりも厚い。また、ロックプレート20は、第1の(より薄い)側面26および第2の(より厚い)側面27を有する補完的なくさび状部材25を備える。本実施形態において、くさび状プレート50の第2の側面52がロックプレート20の第2の側面27に向けて移動してロックプレートが上方向に移動すると、くさび状プレート50はロック位置に移動する。
【0147】
(
図13bに示す)一構成において、ロック制御部4は、レバーである。レバー4が旋回すると、くさび状プレート50がクイックリリース式カメラマウント1内に押し込まれる。
【0148】
(
図13aに示す)別の構成において、ロック制御部4は、カメラマウントの本体2と相互作用するように構成されたねじ付き部を備えたノブである。この構成において、ノブが第1の方向にねじられてくさびが移動するとロックプレートが持ち上げられ、ノブが逆の第2の方向にねじられるとロックプレートが下がる。
【0149】
図14を参照すると、別の構成におけるロック制御部は、クイックリリース式カメラマウント1の基部3の下方でねじ付きシャフトを備える。ねじ付きシャフトは、一方の端部がロックプレート20に取り付けられ、補完的なねじ部を介してカメラマウントの本体2と係合する。ねじ付きシャフトが(任意の適切な手段によって)回転されると、ねじ付きシャフトの端部がクイックリリース式カメラマウントの基部に対して縦方向に移動する。これにより、ロックプレート20が持ち上げられる。
【0150】
<横方向ロック>
【0151】
図21に模式的に示すように、別の構成におけるカメラプレート100は、横方向ロック機構によってクイックリリース式カメラマウント1に固定される。
【0152】
例えば、一構成における横方向ロック機構は、2つの本体構成要素11,12を含むクイックリリース式カメラマウント1を実質的に備える。構成要素11,12は、上述したようにラッチ部材6がそれに沿って単一の方向に並進することができる制限溝5を画定する。ただし、本実施形態における第1の構成要素11は、第2の構成要素12に対して移動可能である。特に、第1の構成要素11は、第2の構成要素12に関して横方向に移動することができる。カメラプレート100をロックするために、第1の構成要素11は、(
図21bに示すように)カメラプレート100に向けて横方向に移動して、ラッチ部材6がカメラプレート100のラッチ面5に対して締め付けられる。これにより、カメラプレート100が基部3に対して締め付けられて、基本的に強固な結合が確立される。
【0153】
図21cに示すように、第1の構成要素11を(ラッチ部材6から離れる方向に)戻すように移動することで、クイックリリース式マウント1のロックを解除することができる。このロック解除位置において、ラッチ部材6は、溝5内で上下方向に自由に移動することができ、上述したように、好ましくはラッチ位置まで付勢される。
【0154】
以下、
図22a~
図22dを参照ながら、横方向ロック機構の代替の変形例を詳細に記載する。
【0155】
図22aには、可動構成要素11に溝5が設けられた変形例が模式的に示されている。また、この変形例は、カメラマウント1の一方の側にラッチ部材6を1つだけ含む。本明細書に記載する多くの実施形態において、一方の側のみにラッチ部材が設けられてもよく、他方の側が固定ジョー35を介してカメラプレート100と係合してもよい。
【0156】
図22bに示すように、ロック制御部4は、本体2の一方の構成要素11に取り付けられる。クイックリリース式カメラマウント1をロックするために、ロック制御部4は、本体2の他方の構成要素12に近づくように構成要素11を移動する。レバー型のロック制御部4によって、カム面36を介して締め付け力が加えられる。
【0157】
本体2の第1の構成要素11と第2の構成要素12とが互いに近づくと、カメラプレート100がロック位置においてラッチ部材6と係合する。
【0158】
図22cには、代替のねじ付きロック制御部4が模式的に示されている。このロック制御部4は、基本的に
図22bに示すレバー設計と同様に動作する。
【0159】
図22dに示す別の構成において、クイックリリース式カメラマウント1の本体2は、ラッチ状態ではラッチ部材6と実質的に同じ平面にある側方開口部13を有する。横方向ロック機構は、側方開口部13内に配置された側方ロック部60に取り付けられたロック制御部4を備える。ロック制御部4の動作が側方ロック部60を並進させ、これにより、ラッチ部材6と係合する。
【0160】
ロック解除状態において、側方ロック部60は、ラッチ部材6と係合しない。これにより、ラッチ部材は、溝5に沿って移動することができる。
【0161】
ロック状態において、側方ロック部60がラッチ部材6と係合して、ラッチ部材6がカメラプレート100のラッチ面105に対して締め付けられる。これにより、カメラプレート100が適所にしっかりと固定される。
【0162】
<円形プレート型クイックリリース機構>
【0163】
図23に示すように、さらなる実施形態における本発明は、概ね平面状の基部207を有し且つ円形の受容室203を画定する本体202を備えたクイックリリース式カメラマウント201である。受容室203は、実質的に円形のカメラプレート300を受容するように構成される。クイックリリース式カメラマウント201は、信頼性を有し、操作が容易であり、人間工学に基づいて直感的に使用することができる。
【0164】
カメラマウント201は、カメラと三脚との間で使用されてもよく、代替的に、例えば三脚と三脚ヘッドとの間で使用されるクイックリリース式マウントとして構成されてもよい。また、マウント201は、カメラ機器と関係しない用途において使用されてもよい。
【0165】
クイックリリース式カメラマウント201は、ラッチモード、ロックモードおよびラッチ解除モードにおいて動作することができる。例えば、ラッチモードにおいて、クイックリリース式カメラマウント201は、円形のカメラプレート300が挿入されたときにプレートを取り込む。ラッチモードにおいて、クイックリリース式カメラマウント1は、ラッチ解除機構を個別に作動させず、カメラプレート100が解放されることを防止する。ラッチリング230が回転すると、ラッチ部材206は、ラッチ状態とラッチ解除状態との間で移動する。
【0166】
ロックモードにおいて、ロック機構は、クイックリリース式カメラマウント201内で円形のカメラプレート300を締め付けて、カメラプレートの移動を防止する。ロックモードにおいて、カメラプレート100は、他の取り付けられた機器を固定して安定させる。クイックリリース式カメラマウント201をロックするために、ロックリング240を回転させてロックプレート220を持ち上げる。これにより、カメラプレート300がラッチ部材206に対して締め付けられる。
【0167】
円形のカメラプレート300を解放するには、リリース機構が必要である。これは、ラッチリング230をラッチ解除状態になるように回転することで達成することができる。
【0168】
図23に示すように、円形のカメラプレート300は、上部301と、基部302と、開口部303と、周縁部304と、ラッチ面305とを備える。ラッチ面305は、カメラプレート300の端部を中心に概ね半径方向に延在するリップ部307を備える。好ましくは、プレートの開口部303は、ボルトなどの固定手段が開口部を通過してカメラなどの機器を固定できるように構成される。
【0169】
図23に示すように、クイックリリース式カメラマウント201は、複数のラッチ部材206を含む複数の溝205を有する。
【0170】
付勢リング211は、ラッチ状態になるようにラッチ部材206を付勢して、ここでラッチ部材206が円形のカメラプレート300のラッチ面305と係合する。ラッチ部材206は、角度が付けられた溝205の外側に少なくとも部分的に延在し且つ受容室203内に延在するように付勢されて、ラッチ状態となる。これに関して、溝205は、上述した実施形態と同様に機能する。同様に、溝は、好ましくは水平面から30度~60度の範囲の角度が付けられる。最も好ましくは、溝は、
図25に最もよく示すように水平面から45度の角度が付けられる。
【0171】
ラッチ部材206は、制限面218によって、溝205から飛び出すのを防止される。制限面218は、ラッチ部材206の直径よりも小さい通路を形成して、ラッチ部材206が溝205から飛び出すことを防止する。
【0172】
好ましくは、ラッチ部材206は、ラッチ部材206と係合する付勢リング211によって、ラッチ位置まで上方向に付勢される。例えば、1つまたは複数のばね215が付勢リング211の下方に配置されてもよい。これにより、ラッチリングがラッチ位置(ラッチされる位置)あるいはリリース位置(把持されない位置)にあるときに、カメラプレート300を受容室203内に挿入することができる。
【0173】
付勢手段215は、ラッチ部材206が溝205の外側に少なくとも部分的に延在するようにラッチ部材206を付勢できるほど十分に強いが、カメラプレート300を取り外すことが困難になるほど強くない。この状態を、ソフトラッチと呼ぶ場合がある。
【0174】
カメラマウント201からプレート300を取り外すために、ラッチリング230をラッチ状態からラッチ解除状態に回転するためのラッチ制御部231を配置する必要がある。好ましくは、ラッチリング230は、ばねなどの追加の付勢手段(図示せず)によって、ラッチ状態になるまで付勢される。これにより、プレートを適所に押し込んで自動的にラッチさせる「自動的な」ラッチ機能をカメラマウントに設けることができる。
【0175】
ラッチ解除状態において、ラッチリング230が回転すると、リリースキャビティ233が(
図23に示すように)ラッチ部材206と整列する。これにより、ラッチリング230は、ラッチ部材206との係合位置から外れて配置される。この位置において、ラッチ部材206は、円形のカメラプレート300のラッチ面305に対して拘束されなくなり、カメラプレート300をクイックリリース式カメラマウントから取り外すことができる。カメラプレート300が取り外されると、プレートの下端部207は、ラッチ部材206をカメラマウントの溝205内に後退させる。
【0176】
カメラプレート300を安全にラッチさせてその取り外しを防止しながら回転を可能にするために、ラッチリング230は、ラッチ制御部231を介してラッチ位置まで回転される。
【0177】
ラッチ状態において、ラッチリング230は、リリースキャビティ233がラッチ部材206と整列しないように回転される。これにより、ラッチリング230のラッチ面232がラッチ部材206と係合して、ラッチ部材206が溝205内に後退するのを防止する。この位置において、ラッチ部材206は、円形のカメラプレート300のラッチ面305と係合する。リップ部307が延びているため、クイックリリース式カメラマウントからカメラプレート300を取り外すことはできない。
【0178】
ただし、ラッチ部材は、付勢リング211によってカメラプレート300に押し付けられているだけである。そのため、カメラプレート300は、受容室203内で依然として回転することができる。この特徴は、カメラ(またはその他の取り付けられた機器)を所望の位置まで回転する際に役立つ場合がある。
【0179】
最も好ましくは、ラッチ部材206は、
図23および
図24に示すような複数のボールベアリングである。ボール状のラッチ部材206は、溝205内で滑らかに回転できるように構成される。これにより、ラッチ部材206とカメラプレート300との間が円滑に相互作用することができる。
【0180】
代替的に、ラッチ部材206は、
図26および
図27に示すような円筒形のベアリングであってもよい。この代替の実施形態は、上記と同様に動作する。また、同様の要素には、同じ参照符号を適宜付している。
【0181】
<ロック>
【0182】
クイックリリース式カメラマウント201内で円形のカメラプレート300をロックするために、上述したリフトロック機構を実質的に使用することができる。リフトロック機構は、
図23に最もよく示されている。好ましくは、カメラマウント201は、リフトロック機構を作動させるロック制御部204を備える。
【0183】
図8~
図12に示す上記実施形態に関連して実質的に説明したように、ロック制御部204は、ボールベアリング243を介してロックリング240を回転させる。これにより、ロックプレート220が持ち上げられる。ロックプレート220が持ち上げられると、カメラプレート330も持ち上げられて(上方向に移動されて)ラッチ部材206に対して締め付けられる。ロックプレート220は、円形のカメラプレート300と係合する大きな表面積を有する。これにより、大型で重いカメラ(またはその他の取り付けられた物体)に適した、信頼できる安定した表面を提供することができる。
【0184】
ロック制御部204は、クイックリリース式カメラマウント201をロック状態とロック解除状態との間で移動させる。ロック制御部204は、複数の傾斜ボール経路241を有するロックリング240に取り付けられる。ボールベアリング243の動きは、ロックリング240の上方でロックプレート220が分離されるように、ロックリング240の(らせん状の経路から続く)傾斜ボール経路41内に制限される。複数のボールベアリング43によって多くの接触点が提供され、これにより、摩擦を低減して負荷に耐えることができる。
【0185】
好ましくは、ロックプレート220は、ロックプレートの基部において、ロックリング240の傾斜ボール経路241を補完する複数の傾斜ボール経路223を有する。
【0186】
ロックリング240が第1の方向に回転すると、ロックプレート220がより低い開始位置からより高い終了位置まで持ち上げられる。ロックリング240が回転すると、ボールベアリング243は、らせん状の動きで上方向に移動する。ボールベアリング243が上方向に移動すると、ロックプレート220は、上方向に持ち上げられる。また、ロックプレート220が上方向に移動すると、カメラプレート300は、ロック位置に押し込まれる。ここでロックプレート220は、クイックリリース式カメラマウント201のラッチ部材206に対してカメラプレート300のラッチ面205を締め付ける。
【0187】
次に、クイックリリース式カメラマウント201のロックを解除するために、ロック制御部204を第2の方向に回転させる。これにより、ロックプレート220が下方向に下がり、カメラプレート300は、ラッチ部材206から係合解除される。
【0188】
本発明が関係する当業者には、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の構成への変更ならびに様々な異なる実施形態および用途が可能であることが明らかであろう。