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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-18
(45)【発行日】2023-07-26
(54)【発明の名称】作成プログラム、及び、送信プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/14 20060101AFI20230719BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20230719BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20230719BHJP
   G06F 3/04842 20220101ALI20230719BHJP
【FI】
G06F3/14 310A
H04N1/00 127B
G06F3/12 303
G06F3/12 326
G06F3/12 356
G06F3/12 392
G06F3/12 332
G06F3/04842
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019056358
(22)【出願日】2019-03-25
(65)【公開番号】P2020160534
(43)【公開日】2020-10-01
【審査請求日】2022-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】浅井 紀彦
【審査官】滝谷 亮一
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-055801(JP,A)
【文献】特開平10-326165(JP,A)
【文献】特開2007-102766(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/14
H04N 1/00
G06F 3/12
G06F 3/04842
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理装置と通信可能な通信インタフェースを備える情報処理装置のコンピュータが読み取り可能な作成プログラムであって、
前記コンピュータは、前記作成プログラムと異なる送信プログラムも読み取り可能であり、
前記送信プログラムは、前記作成プログラムにより作成される画像データを、前記画像処理装置に送信するものであり、
前記コンピュータを、
前記送信プログラムにより送信された画像データを出力可能な前記画像処理装置のスペック情報と、複数種類のスペック情報を含む仮スペック情報とを、受け付け可能な第1受付手段と、
前記第1受付手段がスペック情報を受け付けた場合に受け付けたスペック情報に応じた画像データを作成し、前記第1受付手段が仮スペック情報を受け付けた場合に仮スペック情報に含まれる複数種類のスペック情報のうちの1のスペック情報に応じた画像データを作成する作成手段と、
前記作成手段により作成された画像データを、前記送信プログラムに出力する第1出力手段と、
して機能させることを特徴とする作成プログラム。
【請求項2】
前記作成プログラムは、前記送信プログラムからの起動指令に応じて起動するように構成されており、
前記第1受付手段は、
前記送信プログラムが前記起動指令とともに出力した前記スペック情報を受け付けることを特徴とする請求項1に記載の作成プログラム。
【請求項3】
前記コンピュータを、
前記スペック情報の問い合わせを前記送信プログラムに出力する第2出力手段として機能させ、
前記第1受付手段は、
前記第2出力手段により出力された問い合わせに応じて前記送信プログラムが出力した前記スペック情報を受け付けることを特徴とする請求項1に記載の作成プログラム。
【請求項4】
前記第1受付手段は、
前記送信プログラムが出力した1以上のスペック情報を示すスペックリストを受け付け、
前記コンピュータを、
前記スペックリストにより示される1以上のスペック情報のうちの任意のスペック情報を選択可能な状態でユーザに報知する報知手段として機能させ、
前記第1受付手段は、
前記報知手段による報知に応じて前記1以上のスペック情報の中からユーザ操作により選択された任意のスペック情報を受け付けることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の作成プログラム。
【請求項5】
前記作成プログラムに、1以上のスペック情報を示すスペックリストを取得するようにプログラミングされており、
前記コンピュータを、
前記スペックリストにより示される1以上のスペック情報のうちの任意のスペック情報を選択可能な状態でユーザに報知する報知手段として機能させ、
前記第1受付手段は、
前記報知手段による報知に応じて前記1以上のスペック情報の中からユーザ操作により選択された任意のスペック情報を受け付けることを特徴とする請求項1に記載の作成プログラム。
【請求項6】
前記第1出力手段は、
前記作成手段により作成された画像データとともに、当該画像データ作成時に用いられたスペック情報を前記送信プログラムに出力することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の作成プログラム。
【請求項7】
前記コンピュータを、
前記第1受付手段により受け付けられたスペック情報に応じた画像データを作成するための作成画面を、前記情報処理装置の表示インタフェースに表示させる表示制御手段として機能させ、
前記作成手段は、
前記表示制御手段により表示された作成画面に対するユーザ操作に応じて画像データを作成することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の作成プログラム。
【請求項8】
画像処理装置と通信可能な通信インタフェースを備える情報処理装置のコンピュータが読み取り可能な送信プログラムであって、
前記コンピュータは、前記送信プログラムと異なる作成プログラムも読み取り可能であり、
前記作成プログラムは、前記送信プログラムにより前記画像処理装置に送信される画像データを作成するものであり、
前記コンピュータを、
画像データを送信する画像処理装置が選択されている場合に、選択されている画像処理装置のスペック情報を前記作成プログラムに出力し、画像データを送信する画像処理装置が選択されていない場合に、仮スペック情報を前記作成プログラムに出力する第3出力手段と、
前記第3出力手段により出力されたスペック情報に応じた画像データを前記作成プログラムが作成した場合に、当該作成プログラムが出力した画像データを受け付け、前記第3出力手段により出力された仮スペック情報に応じた画像データを前記作成プログラムが作成した場合に、当該作成プログラムが出力した画像データを受け付ける第2受付手段と、
して機能させることを特徴とする送信プログラム。
【請求項9】
前記仮スペック情報は、複数種類のスペック情報を含んでおり、
前記第2受付手段は、
前記第3出力手段により出力された仮スペック情報に含まれる複数種類のスペック情報のうちの1のスペック情報に応じた画像データを前記作成プログラムが作成した場合に、当該作成プログラムが出力した画像データを受け付けることを特徴とする請求項8に記載の送信プログラム。
【請求項10】
前記第2受付手段は、
前記作成プログラムが出力した画像データとともに、当該画像データが前記作成プログラムにより作成される際に用いられたスペック情報も、前記作成プログラムから受け付け、
前記コンピュータを、
前記第2受付手段により受け付けられたスペック情報が示すスペックの画像処理装置を検索する検索手段として機能させることを特徴とする請求項8または9に記載の送信プログラム。
【請求項11】
前記コンピュータを、
前記検索手段により画像処理装置が検索されなかった場合に、当該画像処理装置のスペックを示すスペック情報と異なるスペック情報を、再度、前記作成プログラムに出力する第4出力手段として機能させることを特徴とする請求項10に記載の送信プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置と通信可能な情報処理装置のコンピュータが読み取り可能な作成プログラム及び送信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像処理装置と通信可能な情報処理装置では、下記特許文献に記載されているように、画像処理を実行するデバイスのスペックを示すスペック情報に応じた画像データを作成する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-117293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、画像処理装置のスペックを示すスペック情報に応じた画像データを適切に作成することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、実施例に開示する作成プログラムは、画像処理装置と通信可能な通信インタフェースを備える情報処理装置のコンピュータが読み取り可能な作成プログラムであって、前記コンピュータは、前記作成プログラムと異なる送信プログラムも読み取り可能であり、前記送信プログラムは、前記作成プログラムにより作成される画像データを、前記画像処理装置に送信するものであり、前記コンピュータを、前記送信プログラムにより送信された画像データを出力可能な前記画像処理装置のスペックを示すスペック情報を、受け付ける第1受付手段と、前記第1受付手段により受け付けられたスペック情報に応じた画像データを作成する作成手段と、前記作成手段により作成された画像データを、前記送信プログラムに出力する第1出力手段と、して機能させることを特徴とする。
【0006】
上記課題を解決するために、実施例に開示する送信プログラムは、画像処理装置と通信可能な通信インタフェースを備える情報処理装置のコンピュータが読み取り可能な送信プログラムであって、前記コンピュータは、前記送信プログラムと異なる作成プログラムも読み取り可能であり、前記作成プログラムは、前記送信プログラムにより前記画像処理装置に送信される画像データを作成するものであり、前記コンピュータを、前記画像処理装置のスペックを示すスペック情報を前記作成プログラムに出力する第3出力手段と、前記第3出力手段により出力されたスペック情報に応じた画像データを前記作成プログラムが作成した場合に、当該作成プログラムが出力した画像データを受け付ける第2受付手段と、して機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
実施例に開示する作成プログラムは、画像処理装置のスペックを示すスペック情報を、送信プログラムから受け付け、そのスペック情報に応じた画像データを作成する。そして、作成プログラムは、作成した画像データを送信プログラムに出力する。また、実施例に開示する送信プログラムは、画像処理装置のスペックを示すスペック情報を作成プログラムに出力し、作成プログラムがスペック情報に応じた画像データを作成プログラムが作成した場合に、その画像データを受け付ける。これにより、画像処理装置のスペックを示すスペック情報に応じた画像データを適切に作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】通信システム1のブロック図である。
図2】ホーム画面70を示す図である。
図3】メイン画面80を示す図である。
図4】デバイス選択画面100を示す図である。
図5】プレビュー画面110を示す図である。
図6】制御アプリケーション30のフローチャートを示す図である。
図7】制御アプリケーション30のフローチャートを示す図である。
図8】制御アプリケーション30のフローチャートを示す図である。
図9】プラグイン32のフローチャートを示す図である。
図10】プラグイン32のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1に、本願に係る実施形態として例示される通信システム1のブロック図を示す。通信システム1は、携帯電話(情報処理装置の一例)10、MFP(画像処理装置の一例)50,52,54、アクセスポイント58、基地局62を備える。MFP50,52,54の各々は、印刷処理,スキャン処理等の各種処理を実行可能なデバイスである。ただし、各MFP50,52,54の印刷処理に関するスペックが異なっており、MFP50は、フルカラー印刷,2色カラー印刷,モノクロ印刷を実行することができ、MFP52は、2色カラー印刷,モノクロ印刷を実行することができるが、MFP54は、モノクロ印刷のみを実行することができる。また、アクセスポイント58は、無線LANアクセスポイント、及びルーターとしての機能を備える。
【0010】
携帯電話10は、CPU(コンピュータの一例)12、メモリ14、無線通信I/F(通信インタフェースの一例)16、携帯電話通信I/F18、LCD(表示インタフェースの一例)20、タッチパネル22を主に備えている。これらの構成要素は、バス28を介して互いに通信可能とされている。
【0011】
無線通信I/F16は、IEEEの802.11の規格およびそれに準ずる規格に基づいて、Wi-Fi(R)(登録商標)方式(WF方式と略して記載する場合もある)の無線通信を行うことが可能とされている。すなわち、携帯電話10は、アクセスポイント58へアクセスし、WF方式の無線通信を行える状態になれば、アクセスポイント58を介して、MFP50,52,54とデータ通信することが可能になる。
【0012】
携帯電話通信I/F18は、基地局62との間で携帯電話通信方式の無線通信を行うことが可能とされている。すなわち、携帯電話10は、携帯電話通信方式の無線通信を行える状態になれば、基地局62を介して、データ通信することが可能になる。
【0013】
CPU12は、メモリ14内の制御アプリケーション(送信プログラムの一例)30若しくは、プラグイン(作成プログラムの一例)32に従って処理を実行する。制御アプリケーション30は、携帯電話10を用いてMFP50,52,54に各種処理を実行させるためのプログラムである。プラグイン32は、制御アプリケーション30に新しい機能を追加することができるプログラムである。具体的に、プラグイン32は、所定の画像データを作成し、制御アプリケーション30の作動により、MFP50,52,54に所定の印刷処理を実行させるためのプログラムである。なお、制御アプリケーション30等を実行するCPU12のことを、単にプログラム名でも記載する場合がある。例えば、「制御アプリケーション30が」という記載は、「制御アプリケーション30を実行するCPU12が」ということを意味する場合がある。
【0014】
また、メモリ14は、データ記憶領域34を備える。データ記憶領域34は、制御アプリケーション30等の実行に必要なデータなどを記憶する領域である。なお、メモリ14は、RAM、ROM、フラッシュメモリー、HDD、CPU12が備えるバッファなどが組み合わされて構成されている。また、メモリ14は、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体であってもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non-transitoryな媒体である。non-transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD-ROM、DVD-ROM等の記録媒体も含まれる。また、non-transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。一方、インターネット上のサーバなどからダウンロードされるプログラムを搬送する電気信号は、コンピュータが読み取り可能な媒体の一種であるコンピュータが読み取り可能な信号媒体であるが、non-transitoryなコンピュータが読み取り可能なストレージ媒体には含まれない。
【0015】
LCD20は、携帯電話10の各種機能を表示する表示面を備える。タッチパネル22は、タッチセンサを有し、LCD20の表示面を覆うように配置されている。タッチパネル22は、ユーザの指、タッチペン等のタッチパネル22への接近・接触を検出し、検出に応じて電気信号を出力する。
【0016】
なお、本明細書では、主に、プログラムに記述された命令に従ったCPU12の処理を示す。すなわち、以下の説明における「判断」、「抽出」、「選択」、「算出」、「決定」、「特定」、「取得」、「受付」、「制御」等の処理は、CPU12の処理を表している。CPU12による処理は、OSを介したハードウェア制御も含む。なお「取得」は要求を必須とはしない概念で用いる。すなわち、CPU12が要求することなくデータを受信するという処理も、「CPU12がデータを取得する」という概念に含まれる。また、本明細書中の「データ」とは、コンピュータに読取可能なビット列で表される。そして、実質的な意味内容が同じでフォーマットが異なるデータは、同一のデータとして扱われるものとする。本明細書中の「情報」についても同様である。また、「命令」「応答」「要求」等の処理は、「命令」「応答」「要求」等を示す情報を通信することにより行われる。また、「設定」等の処理は、入力された設定情報をメモリに記憶することで行われる。
【0017】
通信システム1では、携帯電話10において、プラグイン32が画像データを作成し、制御アプリケーション30が、その画像データをMFP50等に送信することで、MFP50等において、印刷処理が実行される。ただし、上述したように、各MFP50,52,54の印刷処理に関するスペックが異なっているため、プラグイン32は、印刷処理を実行するデバイスのスペックに応じた画像データを作成するように構成されている。
【0018】
具体的には、携帯電話10において、OS(図示省略)の処理により、LCD20に、図2に示すホーム画面70が表示される。ホーム画面70には、第1選択ボタン74と第2選択ボタン76とが表示される。第1選択ボタン74は、制御アプリケーション30を起動させるためのボタンであり、第2選択ボタン76は、プラグイン32を起動させるためのボタンである。携帯電話10では、第1選択ボタン74と第2選択ボタン76との何れのボタンへの操作によっても、プラグイン32により画像データが作成され、制御アプリケーション30によりMFPに、その画像データが送信される。まず、第1選択ボタン74が操作された場合について説明する。
【0019】
第1選択ボタン74が操作されると、制御アプリケーション30が起動し、図3に示すメイン画面80をLCD20に表示する。メイン画面80には、印刷ボタン82と、スキャンボタン84と、プラグインボタン86と、デバイス選択ボタン88とが表示される。印刷ボタン82は、制御アプリケーション30の処理により画像データを作成し、作成した画像データに基づく印刷処理をMFPに実行させるためのボタンである。スキャンボタン84は、MFPにスキャン処理を実行させるためのボタンである。プラグインボタン86は、プラグイン32を起動し、プラグイン32の処理により画像データを作成し、作成した画像データに基づく印刷処理をMFPに実行させるためのボタンである。デバイス選択ボタン88は、印刷処理、若しくはスキャン処理を実行するMFPを選択するためのボタンである。
【0020】
そして、メイン画面80において、デバイス選択ボタン88が操作されると、制御アプリケーション30は、図4に示すデバイス選択画面100をLCD20に表示する。デバイス選択画面100には、携帯電話10と通信可能なデバイスから任意のデバイスを選択する選択ボタン102,104,106が表示される。なお、携帯電話10は、上述したように、3台のMFP50,52,54と通信可能であり、選択ボタン102は、MFP50を選択するためのボタンであり、選択ボタン104は、MFP52を選択するためのボタンであり、選択ボタン106は、MFP54を選択するためのボタンである。そして、選択ボタン102,104,106への操作により、任意のデバイスが選択されると、デバイス選択画面100の代わりに、メイン画面80がLCD20に表示される。なお、以下の説明において、選択ボタン104への操作によりMFP52が選択された場合について説明する。
【0021】
そして、デバイス選択画面100において任意のデバイス、つまり、MFP52が選択された状態で、メイン画面80において、プラグインボタン86が操作されると、制御アプリケーション30は、デバイス選択画面100において選択されたデバイス(以下、「選択デバイス」と記載する)の印刷処理のスペックに関する情報(以下、「スペック情報」と記載する)をデータ記憶領域34から取得する。データ記憶領域34には、MFP50,52,54の各々のスペック情報が記憶されている。具体的には、MFP50はフルカラー印刷を実行することができるため、MFP50のスペック情報として、「フルカラー」が記憶されている。また、MFP52は2色カラー印刷を実行することができるため、MFP52のスペック情報として、「2色カラー」が記憶されている。また、MFP54はモノクロ印刷しか実行することができないため、MFP54のスペック情報として、「モノクロ」が記憶されている。このため、選択デバイスとしてMFP52が選択されていることから、制御アプリケーション30は、スペック情報として、「2色カラー」を取得する。なお、データ記憶領域34に記憶されているスペック情報は、制御アプリケーション30が各MFP50,52,54と通信を行った際に、各MFP50,52,54からスペック情報を受信し、データ記憶領域34に記憶させたものである。
【0022】
そして、制御アプリケーション30は、選択デバイスのスペック情報を取得すると、プラグイン32の起動指令を出力する。なお、起動指令には、選択デバイスのスペック情報が含まれている。そして、制御アプリケーション30により出力された起動指令に応じて、プラグイン32が起動する。つまり、メイン画面80でのプラグインボタン86への操作により、制御アプリケーション30が、プラグイン32を起動させる。そして、プラグイン32は、起動に伴って、起動指令に含まれるスペック情報を受け付け、そのスペック情報をデータ記憶領域34に記憶させる。なお、制御アプリケーション30は、OS(図示省略)のAPIを利用してプラグイン32に起動指令を出力する。つまり、OSのAPIによって、起動指令が制御アプリケーション30からプラグイン32に出力される。
【0023】
続いて、プラグイン32は、スペック情報に応じた画像を作成可能な作成画面(図示省略)をLCD20に表示する。つまり、プラグイン32は、制御アプリケーション30から「2色カラー」のスペック情報を受け付けているため、2色カラーの画像を作成可能な作成画面をLCD20に表示する。なお、例えば、プラグイン32が、制御アプリケーション30から「フルカラー」のスペック情報を受け付けている場合には、フルカラーの画像を作成可能な作成画面をLCD20に表示する。また、例えば、プラグイン32が、制御アプリケーション30から「モノクロ」のスペック情報を受け付けている場合には、モノクロの画像を作成可能な作成画面をLCD20に表示する。
【0024】
そして、作成画面へのユーザ操作により、プラグイン32は、画像データを作成する。この際、作成画面がスペック情報に応じた画像を作成可能な画面とされているため、作成画面へのユーザ操作により、スペック情報に応じた画像データ、つまり、2色カラーの画像の画像データが作成される。なお、作成画面には、プレビューボタンが表示されており、プレビューボタンへの操作により、作成された画像データに基づく画像が、プレビュー画像としてLCD20に表示される。ただし、プラグイン32は、プレビュー画像をLCD20に表示することはできないため、プレビューボタンが操作されると、作成した画像データを制御アプリケーション30に出力する。この際、画像データとともに、当該画像データを作成する際に用いたスペック情報、つまり、「2色カラー」のスペック情報も、制御アプリケーション30に出力される。なお、画像データとともに出力されるスペック情報は、当該画像データの作成に用いられたものであるため、画像データとともに出力されるスペック情報を、データ作成情報と記載する。つまり、プラグイン32は、2色カラーの画像の画像データとともに、「2色カラー」のデータ作成情報を、制御アプリケーション30に出力する。なお、プラグイン32は、OSのAPIを利用して画像データ及びデータ作成情報を制御アプリケーション30に出力する。つまり、OSのAPIによって、画像データ及びデータ作成情報がプラグイン32から制御アプリケーション30に出力される。
【0025】
制御アプリケーション30は、画像データとデータ作成情報とを受け付けると、選択デバイスのスペック情報を、再度、データ記憶領域34から取得する。つまり、選択デバイスはMFP52であるため、制御アプリケーション30は、「2色カラー」のスペック情報を取得する。そして、制御アプリケーション30は、プラグイン32から受け付けたデータ作成情報と、選択デバイスのスペック情報とが一致しているか否かを判断する。この際、制御アプリケーション30は、「2色カラー」のデータ作成情報をプラグイン32から受け付けており、選択デバイスのスペック情報は、「2色カラー」であるため、データ作成情報とスペック情報とが一致すると判断される。つまり、この判断により、プラグイン32において作成された画像データに基づく画像の印刷処理を、選択デバイスで実行可能であることが判明する。
【0026】
そして、制御アプリケーション30は、データ作成情報とスペック情報とが一致した場合に、図5に示すプレビュー画面110をLCD20に表示する。プレビュー画面110には、プラグイン32から制御アプリケーション30が受け付けた画像データに基づくプレビュー画像112と、印刷ボタン114とが表示される。この際、プレビュー画面110において、印刷ボタン114が操作されることで、制御アプリケーション30は、受け付けた画像データに基づいて、印刷用画像データを作成する。そして、制御アプリケーション30は、作成した印刷用画像データを選択デバイス、つまり、MFP52に送信する。つまり、「2色カラー」の画像の印刷用画像データが、2色カラーの印刷処理を実行可能なMFP52に送信される。これにより、選択デバイスのスペックに応じた印刷処理が適切に実行される。
【0027】
また、上記説明では、選択デバイスが選択された後に、メイン画面80でプラグインボタン86が操作される場合について説明したが、選択デバイスが選択される前に、メイン画面80でプラグインボタン86が操作される場合がある。選択デバイスが選択された後に、メイン画面80でプラグインボタン86が操作される場合には、上述したように、制御アプリケーション30は、選択デバイスのスペック情報をデータ記憶領域34から取得できるが、選択デバイスが選択されていない状態で、プラグインボタン86が操作されると、制御アプリケーション30は、選択デバイスのスペック情報をデータ記憶領域34から取得することができない。このため、選択デバイスが選択されていない状態で、プラグインボタン86が操作された場合に、制御アプリケーション30は仮スペック情報を取得する。
【0028】
仮スペック情報は、制御アプリケーション30にプログラミングされており、仮スペック情報には、「フルカラー」のスペック情報と、「2色カラー」のスペック情報と、「モノクロ」のスペック情報とが含まれている。そして、制御アプリケーション30は、仮スペック情報をデータ記憶領域34から取得すると、プラグイン32の起動指令を出力する。なお、起動指令には、仮スペック情報が含まれている。そして、制御アプリケーション30により出力された起動指令に応じて、プラグイン32が起動する。この際、プラグイン32は、起動に伴って、起動指令に含まれる仮スペック情報を受け付け、その仮スペック情報に含まれるスペック情報から任意のものを選択するための画面をLCD20に表示する。
【0029】
つまり、プラグイン32は、仮スペック情報に含まれる「フルカラー」のスペック情報と、「2色カラー」のスペック情報と、「モノクロ」のスペック情報との何れかに応じたカラー設定を行うためのカラー設定画面(図示省略)をLCD20に表示する。カラー設定画面には、フルカラー設定を行うためのボタンと、2色カラー設定を行うためのボタンと、モノクロ設定を行うためのボタンとが表示される。そして、カラー設定画面に対するユーザ操作により、任意のボタンが操作されると、プラグイン32は、操作されたボタンに応じたカラー設定を、スペック情報としてデータ記憶領域34に記憶させる。この際、例えば、カラー設定画面においてフルカラー設定を行うためのボタンが操作され、プラグイン32が、「フルカラー」のスペック情報をデータ記憶領域34に記憶させた場合について、以下に説明する。
【0030】
プラグイン32は、「フルカラー」のスペック情報をデータ記憶領域34に記憶させると、フルカラーの画像を作成可能な作成画面をLCD20に表示する。そして、作成画面へのユーザ操作により、プラグイン32は、画像データを作成する。この際、プラグイン32は、フルカラーの画像の画像データを作成する。そして、作成画面において、プレビューボタンが操作されると、プラグイン32は、作成した画像データと、当該画像データを作成する際に用いたスペック情報、つまり、データ作成情報とを、制御アプリケーション30に出力する。このため、プラグイン32は、フルカラーの画像の画像データとともに、「フルカラー」のデータ作成情報を、制御アプリケーション30に出力する。
【0031】
そして、制御アプリケーション30が、画像データとデータ作成情報とをプラグイン32から受け付けた際に、選択デバイスが選択されていれば、選択デバイスのスペック情報を、データ記憶領域34から取得するが、今回、選択デバイスが選択されていないため、選択デバイスのスペック情報を取得できない。そこで、制御アプリケーション30は、携帯電話10と通信可能なデバイスのうちの、データ作成情報と同じスペックのデバイスを検索する。つまり、制御アプリケーション30は、「フルカラー」のデータ作成情報を受け付けているため、フルカラー印刷を実行可能なデバイスを検索する。なお、この検索には、データ記憶領域34に記憶されているスペック情報が用いられる。
【0032】
具体的には、「フルカラー」のスペック情報の有無を判断し、「フルカラー」のスペック情報がある場合に、そのスペック情報のデバイスと通信可能か否かが判断される。そして、「フルカラー」のスペック情報のデバイスと通信可能である場合に、データ作成情報と同じスペックのデバイスの検索に成功する。また、異なるデバイス検索手法としては、通信可能なデバイスからスペック情報を取得し、取得したスペック情報に、プラグイン32から受け付けたデータ作成情報と同じものがある場合に、データ作成情報と同じスペックのデバイスの検索に成功する。
【0033】
そして、データ作成情報と同じスペックのデバイスの検索に成功すると、つまり、フルカラー印刷を実行可能なMFP50の検索に成功すると、制御アプリケーション30は、選択画面(図示省略)をLCD20に表示する。選択画面には、検索したデバイス(以下、「検索デバイス」と記載する)、つまり、MFP50を用いて印刷処理を実行するか、若しくは、カラー設定を変更して印刷処理を実行するかを選択するための選択ボタンが表示される。この際、ユーザが、フルカラー印刷を望み、MFP50を用いて印刷処理を実行するための選択ボタンが操作されると、制御アプリケーション30は、プレビュー画面110をLCD20に表示し、そのプレビュー画面110において、プラグイン32から受け付けた画像データに基づくプレビュー画像112を表示する。そして、プレビュー画面110の印刷ボタン114が操作されることで、印刷用画像データが作成され、作成された印刷用画像データが、選択デバイス、つまり、MFP50に送信される。これにより、ユーザが望むフルカラー印刷がMFP50において実行される。
【0034】
一方、ユーザが、フルカラー印刷を望まず、選択画面において、カラー設定を変更して印刷処理を実行するための選択ボタンが操作されると、カラー設定を選択するための設定ボタンが表示される。そして、設定ボタンへの操作によりカラー設定が行われると、制御アプリケーション30は、設定ボタンへの操作により設定されたカラー設定に応じたスペック情報を、プラグイン32に出力する。この際、例えば、ユーザが2色カラーを設定するための設定ボタンが操作された場合に、制御アプリケーション30は、「2色カラー」のスペック情報をプラグイン32に出力する。これにより、プラグイン32は、2色カラーの画像の画像データを作成し、その画像データと、「2色カラー」のデータ作成情報とを制御アプリケーション30に出力する。そして、制御アプリケーション30において、デバイスの検索,選択画面の表示,印刷用画像データの作成及び送信が実行されることで、ユーザが望む2色カラー印刷がMFP52において実行される。
【0035】
また、データ作成情報と同じスペックのデバイスの検索に失敗した場合、つまり、データ作成情報と同じスペックのデバイスを検索できなかった場合に、プラグイン32から受け付けた画像データに基づく印刷処理を実行することはできない。このため、制御アプリケーション30は、プラグイン32から受け付けたデータ作成情報と異なるスペック情報を、プラグイン32に出力する。例えば、デバイス検索時に、データ作成情報と同じスペックのデバイスは検索されなかったが、データ作成情報と異なるスペックのデバイスが検索される場合がある。このような場合に、制御アプリケーション30は、そのデータ作成情報と異なるスペックのデバイスからスペック情報を取得し、そのスペック情報をプラグイン32に出力する。これにより、プラグイン32は、携帯電話10と通信可能なデバイスのスペックに応じたカラー設定の画像データを作成し、その画像データを制御アプリケーション30に出力する。そして、制御アプリケーション30において、デバイスの検索,選択画面の表示,印刷用画像データの作成及び送信が実行されることで、携帯電話10と通信可能なデバイスにおいて、確実に印刷処理が実行される。
【0036】
また、例えば、制御アプリケーション30は、プラグイン32から受け付けたデータ作成情報と異なるスペック情報をプラグイン32に出力する際に、最も低スペックなスペック情報、つまり、「モノクロ」のスペック情報をプラグイン32に出力してもよい。これにより、プラグイン32は、モノクロの画像の画像データを作成し、その画像データを制御アプリケーション30に出力する。モノクロ印刷処理は、通常、何れの印刷装置であっても実行することができるため、制御アプリケーション30において、デバイスの検索,選択画面の表示,印刷用画像データの作成及び送信が実行されることで、携帯電話10と通信可能なデバイスの何れにおいても、印刷処理を実行することができる。
【0037】
また、上記説明では、ホーム画面70において第1選択ボタン74が操作された場合について、説明したが、ホーム画面70において第2選択ボタン76が操作された場合について、以下に説明する。第2選択ボタン76が操作されると、プラグイン32が起動する。つまり、第1選択ボタン74が操作された場合には、制御アプリケーション30が起動し、制御アプリケーション30の起動指令によって、プラグイン32は起動するが、第2選択ボタン76が操作された場合には、プラグイン32は直接的に起動する。
【0038】
なお、プラグイン32は、制御アプリケーション30の起動指令によって起動する場合において、起動指令に含まれるスペック情報、若しくは、仮スペック情報を受け付けている。一方、プラグイン32は、第2選択ボタン76の操作により起動する場合において、制御アプリケーション30からの起動指令はないため、スペック情報、若しくは、仮スペック情報を取得していない。そこで、プラグイン32は、第2選択ボタン76への操作により起動した場合、つまり、別の言い方をすれば、スペック情報、及び仮スペック情報の何れも受け付けていない場合に、制御アプリケーション30にスペック情報の問い合わせを行う。
【0039】
そして、制御アプリケーション30は、プラグイン32からスペック情報の問い合わせを受け付けると、選択デバイスが選択されている場合に、選択デバイスのスペック情報をプラグイン32に出力し、選択デバイスが選択されていない場合に、仮スペック情報をプラグイン32に出力する。そして、プラグイン32は、スペック情報を受け付けると、上述したように、スペック情報を記憶し、スペック情報に応じた画像を作成するための作成画面をLCD20に表示する。また、プラグイン32は、仮スペック情報を受け付けると、上述したように、カラー設定画面をLCD20に表示し、カラー設定画面において設定されたカラー設定に応じたスペック情報を記憶する。そして、プラグイン32は、スペック情報に応じた画像を作成するための作成画面をLCD20に表示する。
【0040】
ただし、制御アプリケーション30において、選択デバイスが選択されていない場合に、制御アプリケーション30は、自身にプログラミングされている仮スペック情報をプラグイン32に出力するが、仮スペック情報が、制御アプリケーション30にプログラミングされていない場合がある。このような場合に、制御アプリケーション30は、仮スペック情報を、プラグイン32に出力せずに、選択デバイスが選択されていないことを示す情報のみをプラグイン32に出力する。そして、プラグイン32は、選択デバイスが選択されていないことを示す情報を受け付けると、スペックリストを取得する。
【0041】
スペックリストは、プラグイン32にプログラミングされており、スペックリストには、「フルカラー」のスペック情報と、「2色カラー」のスペック情報と、「モノクロ」のスペック情報とが含まれている。つまり、スペックリストは、仮スペック情報と同じ情報とされている。ただし、スペックリストと仮スペック情報とは、同じである必要はなく、異なっていてもよい。そして、プラグイン32は、スペックリストを取得すると、スペックリストに含まれる「フルカラー」のスペック情報と、「2色カラー」のスペック情報と、「モノクロ」のスペック情報との何れかに応じたカラー設定を行うための画面、つまり、カラー設定画面をLCD20に表示する。そして、カラー設定画面に対するユーザ操作により、任意のカラー設定が実行されると、プラグイン32は、ユーザ操作に応じたカラー設定を、スペック情報としてデータ記憶領域34に記憶させる。そして、プラグイン32は、スペック情報に応じた画像を作成するための作成画面をLCD20に表示する。なお、作成画面が表示された以降の処理は、上記説明の処理と同じであるため、以降の処理の説明は省略する。
【0042】
また、上記説明において、制御アプリケーション30が、画像データとデータ作成情報とをプラグイン32から受け付けると、選択デバイスのスペック情報をデータ記憶領域34から取得し、データ作成情報とスペック情報とが一致しているか否かを判断した際に、それらが一致していると判断された。具体的には、選択デバイスとして、2色カラー印刷を実行可能なMFP52が選択され、制御アプリケーション30が、プラグイン32から「2色カラー」のデータ作成情報を受け付けており、データ作成情報とスペック情報とが一致すると判断された。このため、この判断により、プラグイン32において作成された画像データに基づく画像の印刷処理を、選択デバイスで実行可能であることが判明し、その画像データに基づくプレビュー画像112がプレビュー画面110において表示される。
【0043】
一方で、制御アプリケーション30が、画像データとデータ作成情報とをプラグイン32から受け付けた場合に、選択デバイスのスペック情報をデータ記憶領域34から取得し、その取得したスペック情報と、プラグイン32から受け付けたデータ作成情報とが一致しない場合がある。具体的には、例えば、選択デバイスとして、2色カラー印刷を実行可能なMFP52が選択されているが、制御アプリケーション30が、プラグイン32から「フルカラー」のデータ作成情報を受け付けた結果、データ作成情報とスペック情報とが一致しないと判断される場合がある。このような場合には、プラグイン32において作成された画像データに基づく画像の印刷処理を、選択デバイスで実行することができない。このため、制御アプリケーション30は、プラグイン32から画像データを受け付けても、プレビュー画面110を表示せずに、上述したデバイス検索を行う。
【0044】
つまり、制御アプリケーション30は、携帯電話10と通信可能なデバイスのうちの、データ作成情報と同じスペックのデバイスを検索する。つまり、制御アプリケーション30は、「フルカラー」のデータ作成情報を受け付けているため、フルカラー印刷を実行可能なデバイスを検索する。そして、データ作成情報と同じスペックのデバイスの検索に成功すると、制御アプリケーション30は、選択画面をLCD20に表示する。選択画面には、上述したように、検索デバイス、つまり、フルカラー印刷を実行可能なMFP50を用いて印刷処理を実行するか、若しくは、カラー設定を変更して印刷処理を実行するかを選択するための選択ボタンが表示される。この際、検索デバイスを用いて印刷処理を実行するための選択ボタンが操作されると、制御アプリケーション30は、プレビュー画面110をLCD20に表示し、そのプレビュー画面110において、プラグイン32から受け付けた画像データに基づくプレビュー画像112を表示する。そして、プレビュー画面110において、印刷ボタン114が操作されると、選択デバイスが検索デバイスに変更される。つまり、2色カラー印刷を実行可能なMFP52が選択デバイスとして選択されていたが、その選択デバイスが、フルカラー印刷を実行可能なMFP50に変更される。そして、制御アプリケーション30は、印刷用画像データを作成し、作成した印刷用画像データを、変更した選択デバイスに送信する。これにより、フルカラーの印刷処理が、最初に選択されていたMFP52でなく、フルカラー印刷を実行可能なMFP50で実行される。
【0045】
一方、ユーザが、フルカラー印刷を望まず、選択画面において、カラー設定を変更して印刷処理を実行するための選択ボタンが操作されると、上記説明では、カラー設定を選択するための設定ボタンが表示されたが、今回、選択デバイスが選択済みであるため、カラー設定を変更して印刷処理を実行するための選択ボタンが操作されると、選択デバイスで実行可能な印刷設定に応じたスペック情報を、プラグイン32に出力する。つまり、選択デバイスが2色カラー印刷を実行可能なMFP52であるため、制御アプリケーション30は、「2色カラー」のスペック情報をプラグイン32に出力する。これにより、プラグイン32は、2色カラーの画像の画像データを作成し、その画像データと、「2色カラー」のデータ作成情報とを制御アプリケーション30に出力する。そして、制御アプリケーション30において、デバイスの検索,選択画面の表示,印刷用画像データの作成及び送信が実行されることで、ユーザが最初に選択した選択デバイスにおいて印刷処理が実行される。
【0046】
また、データ作成情報と同じスペックのデバイスを検索できなかった場合に、プラグイン32から受け付けた画像データに基づく印刷処理を実行することはできないため、制御アプリケーション30は、プラグイン32から受け付けたデータ作成情報と異なるスペック情報を、プラグイン32に出力する。この際、制御アプリケーション30は、選択デバイスで実行可能な印刷設定に応じたスペック情報を、プラグイン32に出力する。つまり、選択デバイスが2色カラー印刷を実行可能なMFP52であるため、制御アプリケーション30は、「2色カラー」のスペック情報をプラグイン32に出力する。これにより、プラグイン32は、2色カラーの画像の画像データを作成し、その画像データと、「2色カラー」のデータ作成情報とを制御アプリケーション30に出力する。そして、制御アプリケーション30において、デバイスの検索,選択画面の表示,印刷用画像データの作成及び送信が実行されることで、ユーザが最初に選択した選択デバイスにおいて印刷処理が実行される。
【0047】
上述した印刷処理は、CPU12において制御アプリケーション30とプラグイン32とが実行されることによって行われる。以下に、図6乃至図8を用いて、制御アプリケーション30のフローが実行される際の処理を説明し、図9及び図10を用いて、プラグイン32のフローが実行される際の処理を説明する。
【0048】
制御アプリケーション30は、図6に示すように、プラグインボタン86が操作されたか否かを判断する(S100)。この際、プラグインボタン86が操作された場合(S100:YES)に、制御アプリケーション30は、選択デバイスが選択されているか否かを判断する(S102)。そして、選択デバイスが選択されている場合(S102:YES)に、制御アプリケーション30は、スペック情報を取得し(S104)、スペック情報を含むプラグイン32の起動指令を出力する(S106)。これにより、本フローが終了する。一方、選択デバイスが選択されていない場合(S102:NO)に、制御アプリケーション30は、仮スペック情報を取得し(S107)、仮スペック情報を含むプラグイン32の起動指令を出力する(S108)。これにより、本フローが終了する。
【0049】
また、S100で、プラグインボタン86が操作されていない場合(S100:NO)に、制御アプリケーション30は、図7に示すように、画像データをプラグイン32から受け付けているか否かを判断する(S110)。そして、画像データを受け付けていない場合(S110:NO)に、S100に戻る。一方、画像データを受け付けている場合(S110:YES)に、制御アプリケーション30は、選択デバイスが選択されているか否かを判断する(S112)。この際、選択デバイスが選択されている場合(S112:YES)に、制御アプリケーション30は、スペック情報を取得し(S114)、スペック情報とデータ作成情報とが一致するか否かを判断する(S116)。
【0050】
そして、スペック情報とデータ作成情報とが一致する場合(S116:YES)に、制御アプリケーション30は、プレビュー画面110をLCD20に表示する(S118)。そして、制御アプリケーション30は、プレビュー画面110において印刷ボタン114が操作されたか否かを判断する(S120)。この際、印刷ボタン114が操作されていない場合(S120:NO)に、S120の処理が繰り返される。一方、印刷ボタン114が操作された場合(S120:YES)に、制御アプリケーション30は、プラグイン32から受け付けた画像データに基づいて、印刷用画像データを作成する(S122)。そして、制御アプリケーション30は、作成した印刷用画像データを選択デバイスに送信する(S124)。これにより、本フローが終了する。
【0051】
また、S112において、選択デバイスが選択されていない場合(S112:NO)および、S116において、スペック情報とデータ作成情報とが一致しない場合(S116:NO)に、制御アプリケーション30は、図8に示すように、データ作成情報と同じスペックのデバイスを検索する(S126)。そして、制御アプリケーション30は、デバイスを検索できたか否かを判断する(S128)。この際、デバイスを検索できた場合(S128:YES)に、制御アプリケーション30は、選択画面をLCD20に表示する(S130)。
【0052】
次に、制御アプリケーション30は、選択画面において、検索デバイスを用いて印刷処理を実行するための選択ボタンが操作されているか否かを判断する(S132)。そして、検索デバイスを用いて印刷処理を実行するための選択ボタンが操作されている場合(S132:YES)に、S118に進む。一方、検索デバイスを用いて印刷処理を実行するための選択ボタンが操作されていない場合(S132:NO)、つまり、カラー設定を変更して印刷処理を実行するための選択ボタンが操作されている場合に、制御アプリケーション30は、スペック情報をプラグイン32に出力する(S134)。例えば、選択デバイスが選択されている場合に、制御アプリケーション30は、選択デバイスで実行可能な印刷設定に応じたスペック情報を、プラグイン32に出力する。また、例えば、選択デバイスが選択されていない場合には、制御アプリケーション30は、選択画面において設定されたカラー設定に応じたスペック情報を、プラグイン32に出力する。そして、本フローが終了する。
【0053】
また、S128において、データ作成情報と同じスペックのデバイスを検索できなかった場合(S128:NO)に、制御アプリケーション30は、スペック情報をプラグイン32に出力する(S134)。例えば、選択デバイスが選択されている場合に、制御アプリケーション30は、選択デバイスで実行可能な印刷設定に応じたスペック情報を、プラグイン32に出力する。また、例えば、選択デバイスが選択されていない場合に、制御アプリケーション30は、検索されたデバイスで実行可能な印刷設定に応じたスペック情報を、プラグイン32に出力する。そして、本フローが終了する。
【0054】
また、プラグイン32は、図9に示すように、起動したか否かを判断する(S200)。そして、起動していない場合(S200:NO)に、S200の処理が繰り返される。一方、起動している場合(S200:YES)に、プラグイン32は、スペック情報を受け付けているか否かを判断する(S202)。この際、スペック情報を受け付けている場合(S202:YES)に、プラグイン32は、そのスペック情報をデータ記憶領域34に記憶させる(S204)。次に、プラグイン32は、スペック情報に応じた作成画面をLCD20に表示する(S206)。
【0055】
続いて、プラグイン32は、作成画面へのユーザ操作に応じて、画像データを作成する(S208)。そして、プラグイン32は、プレビューボタンが操作されたか否かを判断する(S210)。この際、プレビューボタンが操作されていない場合(S210:NO)に、S210の処理が繰り返される。一方、プレビューボタンが操作されている場合(S210:YES)に、プラグイン32は、画像データとデータ作成情報とを制御アプリケーション30に出力する(S212)。そして、S200に戻る。
【0056】
また、S202において、スペック情報を受け付けていない場合(S202:NO)に、プラグイン32は、仮スペック情報を受け付けているか否かを判断する(S214)。そして、仮スペック情報を受け付けていない場合(S214:NO)に、プラグイン32は、スペック情報の問い合わせを制御アプリケーション30に出力する(S216)。この際、プラグイン32は、スペック情報を受け付けているか否かを判断する(S218)。この際、スペック情報を受け付けている場合(S218:YES)に、S204に進む。一方、スペック情報を受け付けていない場合(S218:NO)に、プラグイン32は、仮スペック情報を受け付けているか否かを判断する(S220)。そして、仮スペック情報を受け付けていない場合(S220:NO)に、プラグイン32は、スペックリストを取得する(S222)。そして、S224に進む。また、S214において、仮スペック情報を受け付けている場合(S214:YES)にも、S224に進む。
【0057】
S224では、プラグイン32は、仮スペック情報若しくは、スペックリストに基づいて、カラー設定画面をLCD20に表示する(S224)。そして、プラグイン32は、カラー設定画面においてカラー設定が行われているか否かを判断する(S226)。この際、カラー設定が行われていない場合(S226:NO)に、S226の処理が繰り返される。一方、カラー設定が行われている場合(S226:YES)に、S204に進む。つまり、プラグイン32は、設定されたカラー設定に応じたスペック情報をデータ記憶領域34に記憶させる。そして、以降の処理が実行される。
【0058】
なお、S106、S108を実行するCPU12は、第3出力手段の一例である。S110を実行するCPU12は、第2受付手段の一例である。S126を実行するCPU12は、検索手段の一例である。S134を実行するCPU12は、第4出力手段の一例である。S202を実行するCPU12は、第1受付手段の一例である。S206を実行するCPU12は、表示制御手段の一例である。S208を実行するCPU12は、作成手段の一例である。S212を実行するCPU12は、第1出力手段の一例である。S216を実行するCPU12は、第2出力手段の一例である。S224を実行するCPU12は、報知手段の一例である。
【0059】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施形態では、スペック情報がデータ記憶領域34に記憶されており、制御アプリケーション30は、データ記憶領域34からスペック情報を取得するが、スペック情報が必要な場合に、デバイスと通信を行って、デバイスからスペック情報を取得してもよい。
【0060】
また、上記実施形態において、仮スペック情報及びスペックリストには、全てのデバイスに応じたスペック情報が含まれているが、全てのデバイスに共通するスペック情報が含まれていてもよい。つまり、上記実施形態では、仮スペック情報及びスペックリストに、「フルカラー」のスペック情報と、「2色カラー」のスペック情報と、「モノクロ」のスペック情報とが含まれているが、フルカラー印刷可能なMFP50と、2色カラー印刷可能なMFP52と、モノクロ印刷のみ可能なMFP54とで共通のスペックを示すスペック情報、つまり、「モノクロ」のスペック情報のみが、仮スペック情報及びスペックリストに含まれてもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、スペック情報として、「フルカラー」等のカラー設定を直接的に示す情報が採用されているが、カラー設定を間接的に示す情報が採用されてもよい。例えば、モデル名とスペックとが対応付けられていれば、スペック情報として、デバイスのモデル名等を採用することが可能である。
【0062】
また、上記実施形態では、データ作成情報と同じスペックのデバイスを検索することができなかった場合に、制御アプリケーション30は、データ作成情報と異なる新たなスペック情報をプラグイン32に出力し、プラグイン32において、新たなスペック情報に応じた画像が印刷されるが、制御アプリケーション30は、データ作成情報と同じスペックのデバイスを検索することができなかった場合に、新たなスペック情報を出力することなく、エラー画面をLCD20に表示してもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、仮スペック情報は制御アプリケーション30にプログラミングされており、スペックリストはプラグイン32にプログラミングされているが、制御アプリケーション30若しくはプラグイン32が、サーバ等の記憶装置から、仮スペック情報若しくはスペックリストを取得してもよい。このような場合には、制御アプリケーション30若しくは、プラグイン32が、サーバ等の記憶装置から、仮スペック情報若しくは、スペックリストを取得するように、プログラミングされている。
【0064】
また、上記実施形態では、スペック情報として、印刷処理におけるカラー設定に関するスペック情報が採用されているが、印刷用紙のサイズ,印刷解像度などに関するスペック情報が採用されてもよい。また、印刷処理に関するスペック情報に限られず、スキャン処理,画像の表示処理,ファックス処理などの種々の処理に関するスペック情報が採用されてもよい。
【0065】
また、上記実施形態では、CPU12によって図6乃至図10に示す処理が実行される例を説明したが、これら処理は、CPU12に限らず、ASICや他の論理集積回路により実行されてもよいし、これら処理が、CPU等やASIC、他の論理集積回路が協働することにより実行されてもよい。
【符号の説明】
【0066】
10:携帯電話、12:CPU、16:無線通信I/F、20:LCD、30:制御アプリケーション、32:プラグイン、50:MFP、52:MFP、54:MFP
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10