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特許7315586プログラム可能なトイレの水洗の起動、監視、及び管理システム、並びに、その方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-18
(45)【発行日】2023-07-26
(54)【発明の名称】プログラム可能なトイレの水洗の起動、監視、及び管理システム、並びに、その方法
(51)【国際特許分類】
   E03D 5/10 20060101AFI20230719BHJP
   E03D 11/00 20060101ALI20230719BHJP
   E05B 17/22 20060101ALI20230719BHJP
【FI】
E03D5/10
E03D11/00 Z
E05B17/22 B
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020560878
(86)(22)【出願日】2019-01-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-06
(86)【国際出願番号】 US2019014115
(87)【国際公開番号】W WO2019143879
(87)【国際公開日】2019-07-25
【審査請求日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】62/620,425
(32)【優先日】2018-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520272330
【氏名又は名称】ハイドレーズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】グローディー,チャールズ ディラン
【審査官】油原 博
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/031473(WO,A1)
【文献】特開2018-009289(JP,A)
【文献】米国特許第01875983(US,A)
【文献】特開2013-072261(JP,A)
【文献】特開2006-177064(JP,A)
【文献】実開平07-029074(JP,U)
【文献】特開平09-221805(JP,A)
【文献】米国特許第02688141(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 1/00-13/00
A47K 13/00-17/02
E05B 17/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バスルーム個室内のトイレの水洗を管理するシステムであって、
(i)ドア施錠部材であって、
ドアロックチャンバ、
第1位置から第2位置に平行運動する能力を有するスライダであって、前記スライダは、第1端部及び前記第1端部とは反対側の第2端部を有し、前記第1位置における前記スライダの前記第1端部は、前記ドアロックチャンバ内において挿入されており、且つ、前記第2位置における前記スライダの前記第1端部は、前記ドアロックチャンバから自由な状態にある、スライダ、
前記ドア施錠部材と関連する信号エミッタであって、前記スライダが前記第2位置にある際に、無線信号を水洗信号レシーバに送信するように構成された信号エミッタ、
前記スライダが前記第2位置にある際に、前記スライダを検知するべく構成されたセンサであって、前記信号エミッタに動作自在に接続されたセンサ
を有するドア施錠部材と、
(ii)前記水洗信号レシーバに動作自在に結合されたトイレ水洗コントローラと、
(iii)前記トイレ水洗コントローラによって制御されるトイレ水洗アクチュエータであって、前記トイレ水洗コントローラは、前記トイレ水洗アクチュエータの連続的な作動の間において経過する少なくとも最小遅延期間にわたって待機するように構成され、前記最小遅延期間は、前記スライダ動作の頻度及び前記トイレが水洗された回数に基づいて判定され、且つ、前記信号エミッタは、前記スライダが前記第2位置に平行運動したことを検知した際に、前記無線信号を前記水洗信号レシーバに送信するように構成され、前記トイレ水洗コントローラは、以前の水洗から前記最小遅延期間が経過した後であって前記水洗信号レシーバが前記無線信号を受信した際に、1回のトイレの水洗を起動するように、前記トイレ水洗アクチュエータを制御するべく構成されている、トイレ水洗アクチュエータと、
を有するシステム。
【請求項2】
水洗が起動されうる、5~240秒の時間インターバルを設定するように構成されたシステムコントローラを更に有する請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記システムコントローラは、バスルーム内のすべてのトイレについて前記時間インターバルの持続時間を設定するように構成される請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記システムコントローラは、建物内のすべてのトイレについて前記時間インターバルの持続時間を設定するように構成される請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記システムコントローラは、任意のトイレが、その以前の水洗の後に、5~240秒の期間にわたって水洗することを防止するように構成される請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記トイレを手動で水洗するべく水洗装置に動作自在に結合されたトイレハンドル、レバー、又はボタンを更に有する請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記無線信号は、Bluetooth(登録商標)信号又は高周波信号である請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記センサ、前記信号エミッタ、前記水洗信号レシーバ、及び前記トイレ水洗コントローラは、1つ又は複数の太陽電池又は1つ又は複数の電池によってエネルギー供給される請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
バスルーム個室内のトイレの水洗を管理する方法であって、
(i)第1端部、前記第1端部とは反対側の第2端部、信号エミッタ、及びセンサを有するスライダ、
水洗信号レシーバ、
トイレ水洗コントローラ、及び、
トイレ水洗アクチュエータ、
を有するドア施錠部材を有する装置を提供することと
(ii)前記センサによる前記スライダの前記第2端部の位置の検出の際に前記信号エミッタによって信号を前記水洗信号レシーバに送信することと、
(iii)前記トイレ水洗コントローラによって前記トイレ水洗アクチュエータを制御することと、
(iv)前記スライダの第2端部位置が前記センサによって検出された際に、前記トイレ水洗アクチュエータによる1回のトイレ水洗を前記トイレ水洗コントローラによって起動することと、
(v)システムコントローラによって前記スライダの動作の頻度を記録することと、
(vi)トイレが水洗した回数を判定することと、
(vii)前記トイレ水洗アクチュエータの連続的な作動の間において経過する少なくとも最小遅延期間にわたって待機するように前記トイレ水洗コントローラを構成することであって、前記最小遅延期間は、前記スライダの動作の頻度及び前記トイレが水洗された回数に基づいて判定されている、ことと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の技術分野
[0001] 本発明は、例えば、限定を伴うことなしに、通常は、空港、大学キャンパスの建物、公共の建物、スポーツ競技場、及びエンターテインメントイベントなどの、多数の人々を収容する場所において見出される、バスルーム個室内のトイレなどの、トイレにおけるトイレの水洗を管理し、且つ、下水消費を監視するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
[0002] 例えば、事務所、学校、空港、及び公園内において見出されるものなどの、公共のバスルームは、ユーザーのプライバシーを維持するべく個室内において配置されたトイレを有する。ユーザーは、通常、入った後に、個室ドアを施錠し、且つ、出る際には、個室ドアを解錠する。
【0003】
[0003] 多数の人々にサービスするべく設計されたトイレ内においては、トイレハンドル、レバー、又はボタンなどの手動水洗と、センサ及び自動化された水洗メカニズムによって起動される自動水洗と、という、2つの標準的なタイプのトイレ水洗メカニズムが存在している。
【0004】
[0004] 手動水洗の場合には、トイレは、手動的に作動する、且つ、作動した際にトイレを水洗する水洗メカニズムに動作自在に結合された、ハンドル、レバー、又はボタンを有する。この方法は、意図的なトイレの水洗をもたらすべく、ユーザーに完全に依存しており、これは、高度な水準の公衆衛生が必要とされている場所の場合には、問題となりうる。ユーザーは、しばしば、トイレを水洗しようという気にならず、その理由は、例えば、水洗が余分な時間及び努力を必要としているからであり、又は、水洗には、ユーザーにとっては個人的に取るに足らない結果しか生成しない、ユーザー汚染のリスクしか伴っていないからである。
【0005】
[0005] ユーザーが水洗してくれないという問題を軽減するべく、多くの施設は、自動水洗トイレを設置している。自動水洗トイレは、通常、ユーザーとトイレとの間の距離を検出する赤外線又は超音波センサを有する。ユーザーが、個室に入り、且つ、次いで、トイレから出て離れた際に、センサは、ユーザーとトイレの間の既定の距離が充足されたことを検出し、且つ、センサは、水洗するように、トイレをトリガする。
【0006】
[0006] 自動トイレ水洗システムは、非常に人気があり、且つ、特定の場所において必要とされてさえいる。これらのシステムは、トイレをきれいな状態において維持し、且つ、細菌伝播の発生及び伝染病の伝染の可能性を低減している。不都合なことに、自動水洗トイレは、しばしば、その水洗が不十分であり、又は、更に一般的には、その水洗が頻繁過ぎる。コートを吊るす、リュックを置く、又はトイレットペーパーによって便座を覆う、などの動作に起因して、ユーザーは、意図することなしに又は不必要に、自動的なトイレ水洗シーケンスをトリガする場合がある。特に、一日に、数百回、又は数千回さえにもわたって使用されうる、公共のバスルーム内のトイレにおける、余分な水洗は、時間に伴って著しく蓄積しうると共に、大量の水の浪費を生成しうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
発明の概要
[0007] 本発明の主要な利点は、現時点において既存の自動トイレ水洗システムとの比較において、トイレの水洗を要する時点と、トイレが使用された頻度と、を相対的に格段に正確に判定することによる水の節約にある。従来技術のシステムは、トイレからのユーザーの距離を計測しており、これは、ユーザーがトレイを実際に使用したかどうか、又は、上述のような、なんらかの無関係な振る舞いを実行しているかどうか、の判定における誤りに起因して、ユーザーがトイレを使用した際の又は場合の、有効な予測変数ではない。トイレの使用及び水の消費の最良のインジケータは、ユーザーが個室を出ることができるようにドアを開くための、トイレの個室ドアの解錠である。本発明は、トイレの使用が完了したという唯一のインジケータとして、ユーザーが個室ドアを解錠する信頼性に基づいていることから、本発明は、個室ドアの解錠動作を使用してトイレを水洗する時点を判定している。従って、その他のユーザーの振る舞いが、なんらの意図しない水洗をも起動しないことから、それぞれのトイレの使用ごとに、トイレが水洗することになる、且つ、必要に応じて、一度だけ、水洗することになる、尤度が、改善される。既存のシステムとの比較において、トイレの公衆衛生のレベルが改善される、のみならず、過剰な且つ望ましくない水の浪費を結果的にもたらす、不必要な水洗の数が顕著に制限される。
【0008】
[0008] 本発明の第2の主要な利点は、水洗に伴って、必ずしも、ユーザーが不便になってはいないという点にある。ユーザーは、ほとんど常に、プライバシーを維持するべく、個室ドアを施錠及び解錠していることから、トイレの水洗をトリガするように施錠-解錠ステップを変更することにより、トレイは、ユーザーの側におけるなんらの更なる努力をも伴うことなしに、ユーザーがトイレの個室を離れることに伴って、水洗することになる。
【0009】
[0009] 任意選択により、個室ドアが解錠された際にトイレが自動的に水洗するようになっていることをユーザーに通知することにより、ユーザーによるうっかりとした手動水洗を回避又は低減するサインを個室ドアの内側又は外側に追加することもできる。
【0010】
[0010] 本発明の第3の主要な利点は、センサに基づいた自動トイレ水洗システムと関連する、同一の公衆衛生上の利益を含んでいる、という点にある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
[0011] 一態様によれば、本発明は、バスルーム個室内におけるトイレの水洗を管理するシステムに関する。システムは、ドア施錠部材、トイレ水洗コントローラ、及びトイレ水洗アクチュエータを有する。
【0012】
[0012] 本発明の一実施形態においては、システムのドア施錠部材は、通常は、個室ポストに装着された、ドア錠チャンバと、通常は、個室ドアに装着された、且つ、ドア錠チャンバとアライメントされた、スライダと、ドア施錠部材と関連する信号エミッタを封入するハウジングと、を含み、信号エミッタは、トイレ水洗コントローラ及びトイレ水洗アクチュエータを有するトイレ水洗メカニズムと関連する水洗信号レシーバに無線信号を送信するように構成されている。施錠部材は、スライダの位置を検知するセンサと、センサから入力を受け取り、且つ、信号エミッタによる信号の水洗信号レシーバへの送信を起動する、ドアハウジングコントローラと、通常は、カバーを有するハウジング内において封入された1つ又は複数の電池及びSDカードと、を更に含む。ドアハウジングコントローラは、更には、任意選択により、電池及びSDカードの機能を調節することができる。SDカードは、任意選択により、限定を伴うことなしに、センサ入力及び信号エミッタ出力を含む、ドアハウジングコントローラから受け取られたデータを保存することができる。
【0013】
[0013] スライダは、第1位置から第2位置に平行運動する能力を有し、且つ、第1端部又は近端と、反対側の第2端部又は遠端と、を有する。スライダの第1位置において、スライダの第1端部は、ドアロックチャンバ内において挿入されており、且つ、第2位置において、スライダの第1端部は、ドアロックチャンバの外側において位置決めされており、即ち、これから自由な状態にある。個室ドアは、スライダが第2位置にない限り、開放することができない。センサは、スライダが第2位置にある際にスライダを検知するべく構成されており、且つ、信号エミッタに動作自在に接続されており、これにより、スライダの検出位置をドアハウジングコントローラに伝達している。ドアハウジングコントローラは、信号を水洗信号レシーバに送信するように信号エミッタをトリガしている。トイレ水洗コントローラは、水洗信号レシーバに動作自在に結合されている。
【0014】
[0014] トイレ水洗アクチュエータは、トイレ水洗コントローラによって制御されている。
【0015】
[0015] 信号エミッタは、スライダの第2位置への平行運動をセンサが検出したという、センサからドアハウジングコントローラに送信された信号を検知した際に、例えば、Bluetooth(登録商標)又は高周波信号などの、信号を水洗信号レシーバに送信するように構成されており、トイレ水洗コントローラは、個室ドアが解錠された際に1回の水洗を起動するように水洗アクチュエータを制御するべく構成されている。
【0016】
[0016] 一実施形態においては、システムは、水洗が起動されうる、5秒~240秒の時間インターバルを設定するように構成されたシステムコントローラを更に有する。システムコントローラは、無線で、又は、有線接続を通じて、ドアハウジングコントローラ及びトイレ水洗コントローラの両方と通信する能力を有する。システムコントローラは、バスルーム内のすべてのトイレの水洗インターバルの持続時間及び/又は建物内のすべてのトイレの水洗インターバルの持続時間を設定する能力を有し、且つ、任意のトイレが、その以前の水洗の後の5~240秒の期間にわたって水洗することを防止するように構成することができる。
【0017】
[0017] 本発明による別の実施形態においては、システムは、トレイを手動水洗するためのトイレハンドル、レバー、又はボタン、並びに/或いは、センサ、ドアハウジングコントローラ、信号エミッタ、水洗信号レシーバ、トイレ水洗コントローラ、及びトイレ水洗アクチュエータのうちの1つ又は複数にエネルギー供給するための1つ又は複数の太陽電池又は電池を更に有する。
【0018】
[0018] 別の態様においては、本発明は、バスルーム個室内におけるトイレの水洗を管理する方法に関する。一実施形態においては、方法は、個室ドアラッチ内の信号エミッタから無線信号を受け取ることであって、無線信号は、個室ドア施錠部材内のスライダの後退を通知している、ことと、無線信号の受信に応答してトイレの水洗を起動するように水洗アクチュエータをトリガすることと、を含む。
【0019】
[0019] 別の実施形態においては、バスルーム個室内のトイレ水洗を管理する方法は、センサによって個室ラッチスライダの後退を検知することと、スライダによる後退の検知に応答して、信号エミッタによって無線信号を放出することと、を含み、この場合に、無線信号は、水洗信号レシーバにマッチングされている。この方法は、水洗信号レシーバによって無線信号を受け取ることと、水洗信号レシーバによる無線信号の受信に応答して、水洗信号レシーバとの通信状態にあるトイレ水洗コントローラによって水洗アクチュエータをトリガすることと、を更に含むことができる。
【0020】
[0020] 更に別の実施形態においては、バスルーム個室内のトイレの水洗を管理する方法は、第1端部及び第1端部の反対側の第2端部を有するスライダ、信号エミッタ、及びセンサを有するドア施錠部材と、水洗信号レシーバと、トイレ水洗コントローラと、トイレ水洗アクチュエータと、を有する装置を提供することを有する。加えて、方法は、センサによるスライダの第2端部の位置の検出の際に、信号エミッタによって信号を水洗信号レシーバに送信することと、トイレ水洗コントローラによってトイレ水洗アクチュエータを制御することと、スライダの第2端部位置がセンサによって検出された際に、トイレ水洗アクチュエータによる1回のトイレ水洗をトイレ水洗コントローラによって起動することと、任意選択により、ドアハウジングコントローラによるスライダの動作の頻度をSDカード上に記録することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図面の説明
図1A】[0021]本発明による自動トイレ水洗システムの一実施形態を示す。
図1B】[0022]本発明による、図1に示されている個室ドア施錠メカニズムの一実施形態の例示用の等角図である。
図1C】[0023]図1Bに示されている装置の分解図である。
図1D】[0024]図1Bに示されている施錠メカニズムの電子コンポーネントを封入する例示用のハウジングの開放正面図である。
図2A】[0025]本発明による、図1Bに示されているトイレ水洗システムの実施形態の閉鎖(第1)位置における個室ドアスライダ錠の一実施形態を示す。
図2B】[0026]図1Bに示されているトイレ水洗システムの実施形態の開放(第2)位置における個室ドアスライダ錠の一実施形態を示す。
図3】[0027]本発明による、図1Bに示されている施錠メカニズムの実施形態のハウジングの側面図を示す。
図4】[0028]図1Bに示されている施錠メカニズムの実施形態のスライダの側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
発明の説明
[0029] ユーザーの機能性又は利便性を犠牲にすることのない本解決策は、現時点のトイレ水洗メカニズムの過剰に少ない数又は過剰に多くの数の水洗という特性などの欠点に対処している。本解決策は、トイレの個室ドアの解錠によってトイレ水洗シーケンスを起動する装置及びその方法である。
【0023】
[0030] 本明細書において使用されている、個室は、その使用を促すべく、通常のトイレユーザーに十分なプライバシーを提供することになる、ドア及び任意の数の側部を有する、屋根又は天井を有する又は有していない、任意の壁を有する囲いであってよく、且つ、限定を伴うことなしに、矩形、ピラミッド形、円筒形、及び台形を含む、任意の形状であってよい。
【0024】
[0031] 本明細書において開示されている本発明は、トイレ水洗管理システムと、トイレの手動水洗を必要としない、自動化されたトイレ水洗システムと、を対象としている。トイレの手動水洗は、本発明と共に含まれうる一選択肢である。
【0025】
[0032] 図1A図1Dは、トイレ水洗管理システムを示している。図1Aには、トイレ水洗管理システム10の全体的な方式が示されている。システム10は、トイレ7を収容している個室、以下においては、トイレ個室のドア100に付着された個室ドア施錠部材110を含む。
【0026】
[0033] システム10は、水洗信号レシーバ3と、水洗アクチュエータ5と、トイレ7による水洗を起動するためのトイレ水洗アクチュエータ5と関連するトイレ水洗コントローラ16と、を有するトイレ水洗メカニズム112を更に含む。
【0027】
[0034] 図1B図1Dを参照すれば、施錠部材110は、スライダ12と、スライダ位置を検知するためのセンサ4を封入するハウジング19と、トイレ水洗メカニズム112と関連する水洗信号レシーバ3に信号を送信する信号エミッタ1と、ドアハウジングコントローラ27と、1つ又は複数の電池25を封入する電池コンパートメント26と、SDカード28と、カバー22と、を含む。施錠部材110は、個室ポスト8上において位置決めされた錠チャンバ6を更に含む。錠チャンバ6は、スライダ12とアライメントされている。
【0028】
[0035] 図2A及び図2Bを参照すれば、スライダ12は、第1(閉鎖)位置と第2(開放)位置の間における手動による往復運動の能力を有する。図2Aにおいて示されている、第1位置においては、個室ドア100が閉鎖及び施錠された際に、スライダ12の近端15が、錠チャンバ6内において挿入されている。スライダ12の近端15は、個室ドア100が閉鎖されない限り、錠チャンバ6内において挿入することができない。
【0029】
[0036] 図2Bに示されている第2位置においては、図1Aに示されているチャンバ6内において挿入されていたスライダ12の近端15が、錠チャンバ6の外側において位置決めされており、即ち、これから自由な状態にある。第2位置においては、スライダの近端15とは反対側のスライダ12の遠端17は、センサ4に接触し、及び/又は、センサ4によって検知され、これにより、個室ドア100が開放状態にある際に、トイレ又は関連するトイレ配管上において位置決めされた水洗信号レシーバ3に送信される信号を放出するべく、ハウジング19(図1D)内において封入された信号エミッタ1からの信号が起動される。
【0030】
[0037] スライダ12の近端15が錠チャンバ6内において位置決めされている第1位置からスライダ12の近端15がチャンバ6から自由な状態にある第2位置にスライダ12を運動させることにより、個室ドアが解錠されるたびに、スライダ12の反対側の遠端17が、センサ4に接触し、及び/又は、センサ4により、検知される。センサ4は、スライダ12の遠端17との接触の際に、及び/又は、その検知の際に、高周波又はBluetooth(登録商標)信号などの無線信号又は有線信号を水洗信号レシーバ3に送信することにより、水洗を起動するように、トイレ7上の水洗アクチュエータ5に動作自在に結合されたトイレ水洗コントローラ16をトリガするべく、信号エミッタ1をトリガしている。
【0031】
[0038] センサ4は、様々な異なるセンサ又はセンサの組合せが可能である。可能なセンサの例は、限定を伴うことなしに、接触センサ、磁気近接性センサ、振動センサ、赤外線センサ、又は超音波センサを含む。
【0032】
[0039] 本発明の一実施形態においては、接触センサ4は、スライダ12が第1位置から第2位置に移動するたびに、スライダ12がセンサ4と物理的な接触を実施するように、ハウジング19内若しくは上において、又は、個室ドア100上において、位置決めされている。このような接触は、水洗の作動を通知している。
【0033】
[0040] 別の実施形態においては、ハウジング19内若しくは上において、又は、個室ドア100上において、位置決めされた磁気近接性センサ4が、スライダ12に付着された、磁石又は、例えば、金属片などの磁化材料14a、14bの存在を検出するべく、使用されている。第2位置へのスライダ12の移動の際に、磁石又は磁化金属片14a、14bは、磁気近接性センサ4をトリガし、これにより、水洗の作動を通知する。磁石又は磁化材料の数は、図示のものに限定されてはいない。
【0034】
[0041] 更に別の実施形態においては、接触センサに類似した、振動センサ4が、スライダ12が第1位置から第2位置に移動するたびに、スライダ12がセンサ4との物理的な接触を実施するように、ハウジング19内若しくは上において、又は、個室ドア100上において、位置決めされている。振動センサ4は、スライダ12の衝撃を検出し、これにより、水洗の作動を通知している。
【0035】
[0042] 更に別の実施形態においては、赤外線センサ4が、ハウジング19内若しくは上において、又は、個室ドア100上において、付着されている。赤外線センサ4は、近傍の物体の距離を検出するべく、赤外線信号を放出している。赤外線センサは、第1位置から第2位置へのスライダ12の運動の際に水洗の作動をトリガするように、センサからのスライダ12の距離を検出するべく、適合されている。
【0036】
[0043] 更に別の実施形態においては、超音波センサ4が、ハウジング19内若しくは上において、又は、個室ドア100上において、付着されている。センサ4は、近傍の物体によって反射されて帰ってきた音波を検出し、これにより、センサが距離を記録することを許容している。例えば、センサ4は、センサ4からのスライダ12の距離に応じて、スライダ12によって反射されて帰ってきた音波を検出している。第1位置から第2位置へのスライダ12の平行運動に後続して、スライダ12とセンサ4の間の既定の距離に基づいて、水洗の作動が起動されることになろう。
【0037】
[0044] それぞれの施錠部材の信号エミッタ1は、対応するトイレ水洗信号レシーバ3にマッチングされており、且つ、例えば、同一のバスルーム内のその他のシステムなどの、その他の近傍のシステム10内の信号エミッタ1及び水洗信号レシーバ3のその他のものとは異なる一意の信号を使用している。一意の信号の適用により、1つの信号エミッタ1が、水洗するようにその他のトイレの水洗システムを起動することが防止されている。
【0038】
[0045] 本発明の一実施形態においては、システム10は、トイレ7内において発生するように水洗を起動するトイレ水洗アクチュエータ5を更に含む。本明細書において記述されているシステム10は、アタッチメントとして、現時点のトイレ及びバスルーム個室に後から組み込むことも可能であり、又は、新しいトイレ上に直接的に製造すると共にバスルームトイレ個室に若しくは事前に製造されたバスルームトイレ個室に適用することもできよう。
【0039】
[0046] 図3は、スライダ12の挿入可能な端部15とは反対側のスライダ12の端部17に対向しているハウジング19の部分上における磁石又は磁化可能なプレート18の場所を示している。プレートの形状は、図示の形状に限定されるものではなく、その理由は、形状は、矩形、円形、三角形、台形、又は別の形状であってよいからである。磁化可能な材料は、限定を伴うことなしに、鉄、ニッケル、コバルト、希土類金属、及び天然磁石を含む。ハウジング19上の磁石又は磁化可能材料の場所及び磁石又は磁化可能材料の数は、図示のものに限定されてはいない。
【0040】
[0047] 次に図4を参照すれば、スライダ12の側面図が示されている。スライダ12の端部17上におけるスライダ磁石又は磁化可能な材料14a及び14bの場所は、ハウジング19上の磁石又は磁化可能なプレート18と磁気的に相互作用するように位置決めされている。スライダ磁石又は磁化可能な材料14a及び14bは、(i)スライダ12がセンサ4とアライメントするように、適切な接触が、スライダ12とハウジング19の間において実施されることを保証するべく、(ii)スライダ12が個室ドアの開放及び閉鎖の際に往復方向に跳ねることを防止するべく、且つ、(iii)ユーザーがスライダ12をハウジング19に向かって十分に摺動させていない場合にスライダ12をハウジング19に吸着させるべく、ハウジング19の磁石又は磁化可能なプレート18とアライメントされている。
【0041】
[0048] 磁石又は磁化可能な材料の強度は、解錠の際に即座にハウジング19に接続するように、スライダ12を吸着させるべく十分なものではあるが、スライダ12がその延長した施錠位置に到達することを磁石又は磁化可能な材料が防止するほどに強力なものではない。ハウジング19及び錠スライダ12は、解錠の際に即座に、即ち、図2Aに示されている第1位置から図2Bに示されている第2位置にスライダ12を運動させた際に即座に、スライダ12の磁石又は磁化可能な材料14a及び図14bが、ハウジング19の磁石又は磁化可能な材料18に接触するように、互いから離れた、既定の又は調節可能な距離に位置している。この結果、ユーザーが個室ドア100を解錠した際に、スライダ12が完全に第2位置まで運動しないことにより、スライダ12が、水洗をもたらすイベントを起動するべく水洗信号レシーバ3によって受け取られる信号を放出するための信号エミッタ1のプロセスを開始することが妨げられるという可能性が回避されている。換言すれば、磁石によって保証されている、第2位置への十分な到達により、センサ4は、使用中である、例えば、以上において開示されているセンサなどの、センサのタイプとは無関係に、水洗信号が信号エミッタ1によって水洗信号レシーバ3に放出されるように、第2位置におけるスライダ12の存在を十分に検知している。
【0042】
[0049] ハウジング19の内側の電子コンポーネント用の電子回路には、例えば、1つ又は複数の太陽電池23により、或いは、ハウジング19内において収容されている1つ又は複数の電池25により、電力供給することができる。水洗信号レシーバ3、トイレ水洗コントローラ16、及びトイレ水洗アクチュエータ5を含む水洗メカニズム112用の電子回路には、1つ又は複数の太陽電池により、或いは、1つ又は複数の電池により、電力供給することができる。
【0043】
[0050] 本発明の一実施形態においては、トイレ水洗コントローラ16及び/又はドアハウジングコントローラ27は、好ましくは、限定を伴うことなしに、1~5秒、1~10秒、5~25秒、5~50秒、25~50秒、50~100秒、100~200秒、150~250秒、好ましくは、5~240秒、の範囲の水洗の間の最小インターバルを設定するべく導入される、プログラム可能な時間遅延を実装するように構成されている。又、水洗の間の最小インターバルを設定するプログラム可能な時間遅延は、5秒未満又は240秒超となるように設定することもできる。プログラム可能な時間遅延は、手動的にプログラミングすることも可能であり、又は、最適な時間インターバルを判定するための機械学習又は深層学習技法を使用したアルゴリズムを通じて判定することもできる。プログラムミング可能な時間遅延は、ユーザーが、施錠された位置(第1位置)と解錠された位置(第2位置)の間において個室施錠部材110のスライダ12を往復方向において反復的にスイッチングすることにより、短い時間インターバルにおいてトイレを反復的に水洗することを防止している。バスルームの管理者は、例えば、コンピュータ、モバイルアプリケーション、若しくは、様々な電子回路及び/又はコンピュータに基づいた技術の組合せなどの、システムコントローラ(図示されてはいない)により、自身の裁量で、時間遅延の範囲を操作しうるようになる。
【0044】
[0051] 一実施形態においては、1つのシステムコントローラ(図示されてはいない)は、それぞれの又はすべての個々のトイレ内の時間遅延を調節する能力を有することにより、1つのトイレにとって、若しくは、この代わりに、同一のバスルーム内のすべてのトイレにとって、固有のものであってもよく、又は、建物全体内のトイレのすべてにとって中心的なものであってもよい。
【0045】
[0052] 特定の一実施形態においては、通常のトイレとは対照的に、障害者用トイレの場合には、異なる時間遅延が適切である場合があり、その理由は、障害者用トイレは、非障害者用トイレとは異なる方式によって使用されうるからである。システムコントローラは、トイレが水洗する回数を計測し、これにより、施設管理者が、データを収集すると共に、水の効率を極大化するように設定を調節することを許容している。システムコントローラは、例えば、Bluetooth(登録商標)又は高周波を介して、無線により、データを水洗信号レシーバに送信している。又、使用されていなかったトイレの場合に、トイレをきれいな状態に維持するべく、必要とされる日々の水洗をシステム10内にプログラミングすることもできる。システムコントローラは、スライダの動作の頻度を記録している。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図3
図4