(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-20
(45)【発行日】2023-07-28
(54)【発明の名称】コンピュータシステム、ゲームシステム、プログラム、及びオブジェクト抽選方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20230721BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20230721BHJP
【FI】
A63F13/69 510
A63F13/53
(21)【出願番号】P 2022082023
(22)【出願日】2022-05-19
(62)【分割の表示】P 2018063160の分割
【原出願日】2018-03-28
【審査請求日】2022-05-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【氏名又は名称】井上 一
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 翔平
(72)【発明者】
【氏名】花 采薇
(72)【発明者】
【氏名】恩田 明生
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-223388(JP,A)
【文献】特開2017-035236(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末を操作するユーザの抽選実行指示操作に基づいて、ゲームに利用可能なオブジェクトをオブジェクト群の中から抽選し、当該抽選によって選択したオブジェクトを前記ユーザに付与するコンピュータシステムであって、
前記オブジェクトには、役割が異なる第1種と第2種のオブジェクトがあり、
前記第2種のオブジェクトは、複数種類のテーブルの何れかに関連づけられており、
第1種オブジェクト群の中から抽選を行って前記ユーザに付与する第1付与オブジェクトを抽選する第1抽選手段と、
前記第1付与オブジェクトに設定されているパラメータ設定に基づいて前記複数種類のテーブルの中からテーブルを選択するテーブル選択手段と、
前記テーブル選択手段により選択されたテーブルに関連づけられている前記第2種のオブジェクトの中から抽選を行って前記ユーザに付与する第2付与オブジェクトを抽選する第2抽選手段と、
を備え、前記第1抽選手段、前記テーブル選択手段及び前記第2抽選手段が、一連の抽選処理として機能するコンピュータシステム。
【請求項2】
前記テーブル選択手段は、前記第1付与オブジェクトに設定されているパラメータ設定に基づく相応条件を満たすテーブルを前記複数種類のテーブルの中から選択する、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
前記複数種類のテーブルには、少なくとも、レアリティ別のテーブルが含まれ、
前記パラメータ設定には、少なくとも、レアリティを示す設定が含まれ、
前記テーブル選択手段は、前記第1付与オブジェクトに設定されているレアリティの設定に基づく相応条件を満たすレアリティのテーブルを前記複数種類のテーブルの中から選択する、
請求項2に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記パラメータ設定には、少なくとも、前記第1種と前記第2種のオブジェクトの組み合わせ相性に関する設定が含まれ、
前記複数種類のテーブルには、少なくとも、前記組み合わせ相性に基づくグループ分けがなされて前記第2種のオブジェクトが関連づけられたテーブルが含まれ、
前記テーブル選択手段は、前記第1付与オブジェクトに設定されている前記組み合わせ相性に基づく相応条件を満たすテーブルを前記複数種類のテーブルの中から選択する、
請求項2に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記オブジェクトには、前記役割が異なる複数種類のオブジェクトがあり、
前記複数種類のうち、前記第1種とする種類及び前記第2種とする種類を前記ユーザの選択操作に基づいて決定する抽選種類選択手段、
を更に備えた請求項1~4の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
前記第2抽選手段による抽選を実行する前に、前記第1付与オブジェクトを示す情報、或いは、前記第1付与オブジェクトの抽選結果に関するヒントを示す情報を前記ユーザ端末に表示させる制御を行う手段、
を更に備えた請求項1~5の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
前記第1種オブジェクト群に含まれる各オブジェクトの当選確率を、前記ユーザによる変更指示操作に基づいて、所与の対価の消費と引き換えに変更する手段、
を更に備えた請求項1~6の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
前記第1抽選手段による抽選を実行した後で、且つ、前記第2抽選手段による抽選を実行する前に、前記第2抽選手段による実行をキャンセルするキャンセル指示操作を受け付けるキャンセル受付手段と、
前記キャンセル受付手段による受け付けがなされた場合に、前記第2抽選手段による抽選の実行をキャンセルして前記一連の抽選処理を終了させるキャンセル手段と、
を更に備えた請求項1~7の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項9】
前記第1抽選手段による抽選の対価と、前記第2抽選手段による抽選の対価とは別々であり、
前記第1抽選手段による抽選結果に基づいて前記第2抽選手段による抽選の対価を可変に決定する第2抽選対価決定手段、
を更に備えた請求項1~8の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項10】
ユーザ端末と、請求項1~9の何れか一項に記載のコンピュータシステムとが通信接続可能に構成されたゲームシステム。
【請求項11】
ユーザの抽選実行指示操作に基づいて、ゲームに利用可能なオブジェクトをオブジェクト群の中から抽選を行い、当該抽選によって選択したオブジェクトを前記ユーザに付与する処理をユーザ端末に実行させるためのプログラムであって、
前記オブジェクトには、役割が異なる第1種と第2種のオブジェクトがあり、
前記第2種のオブジェクトは、複数種類のテーブルの何れかに関連づけられており、
第1種オブジェクト群の中から抽選を行って前記ユーザに付与する第1付与オブジェクトを抽選する第1抽選手段、
前記第1付与オブジェクトに設定されているパラメータ設定に基づいて前記複数種類のテーブルの中からテーブルを選択するテーブル選択手段、
前記テーブル選択手段により選択されたテーブルに関連づけられている前記第2種のオブジェクトの中から抽選を行って前記ユーザに付与する第2付与オブジェクトを抽選する第2抽選手段、
として前記ユーザ端末を機能させ、前記第1抽選手段、前記テーブル選択手段及び前記第2抽選手段を、一連の抽選処理として実行させるプログラム。
【請求項12】
コンピュータシステムが、ユーザの抽選実行指示操作に基づいて、ゲームに利用可能なオブジェクトをオブジェクト群の中から抽選し、当該抽選によって選択したオブジェクトを前記ユーザに付与するオブジェクト抽選方法であって、
前記オブジェクトには、役割が異なる第1種と第2種のオブジェクトがあり、
前記第2種のオブジェクトは、複数種類のテーブルの何れかに関連づけられており、
第1種オブジェクト群の中から抽選を行って前記ユーザに付与する第1付与オブジェクトを抽選する第1抽選ステップと、
前記第1付与オブジェクトに設定されているパラメータ設定に基づいて前記複数種類のテーブルの中からテーブルを選択するテーブル選択ステップと、
前記テーブル選択ステップで選択されたテーブルに関連づけられている前記第2種のオブジェクトの中から抽選を行って前記ユーザに付与する第2付与オブジェクトを抽選する第2抽選ステップと、
を含み、前記第1抽選ステップ、前記テーブル選択ステップ及び前記第2抽選ステップを、一連の抽選処理として実行するオブジェクト抽選方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームに利用可能なオブジェクトをユーザに付与するコンピュータシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ゲームで使用できるキャラクタや武器、アイテム等のオブジェクトを有料で提供する「アイテム課金」と呼ばれる課金システムを採用したゲームが知られている。例えば、特許文献1には、ゲーム内で所定通貨を消費し、アイテムを購入することができるゲームが開示されている。また、アイテム課金の態様は、プレーヤ(ユーザ)が希望するアイテム等のオブジェクトを個別に指定して購入できる販売態様に限らず、抽選で選んだオブジェクトをユーザに付与するものもある(いわゆる「ガチャ」)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来のガチャでは、これを複数回繰り返し実行する場合でもその抽選処理は個別に行われるため、各々の抽選結果には何ら関連性はなかった。そのため、ゲームのプレーヤ(ユーザ)は、所望のオブジェクトの当選等を目的として単にガチャの実行指示操作を繰り返すこととなり、その過程は単調で、ユーザの射幸心を今ひとつ高めることができない問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、連続して行う抽選処理に関連性を持たせて、ユーザの射幸心を高めることができる技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための第1の発明は、ユーザ端末(例えば、
図1のユーザ端末1500)を操作するユーザの抽選実行指示操作に基づいて、ゲームに利用可能なオブジェクトをオブジェクト群の中から抽選し、当該抽選によって選択したオブジェクトを前記ユーザに付与するコンピュータシステム(例えば、
図1のサーバシステム1100、
図10のユーザ端末1500A)であって、前記オブジェクトには、役割が異なる第1種と第2種のオブジェクトがあり、第1種オブジェクト群の中から抽選を行って前記ユーザに付与する第1付与オブジェクトを抽選する第1抽選手段(例えば、
図5や
図10の第1抽選処理部235)と、前記第1付与オブジェクトに設定されているパラメータ設定に基づいて、第2種オブジェクト群に含まれる各オブジェクトの当選確率を可変に設定する確率設定手段(例えば、
図5や
図10の第2抽選確率設定部240)と、前記当選確率に基づいて前記第2種オブジェクト群の中から抽選を行って前記ユーザに付与する第2付与オブジェクトを抽選する第2抽選手段(例えば、
図5や
図10の第2抽選処理部257)と、を備え、前記第1抽選手段、前記確率設定手段及び前記第2抽選手段が、一連の抽選処理として機能するコンピュータシステムである。
【0007】
ここでいう「コンピュータシステム」は、単数のコンピュータによるシステムでもよいし、複数のコンピュータが通信可能に連結されたシステムでもよい意味である。第1の発明によれば、役割の異なるオブジェクトの抽選をそれぞれ行う第1抽選と第2抽選とを、一連の抽選処理として実行することができる。そして、第1抽選において第1種オブジェクト群の中から抽選で決めた第1付与オブジェクトのパラメータ設定に基づいて、第2抽選において抽選対象とする第2種オブジェクト群の当選確率を可変に設定することができる。これによれば、連続して行う抽選処理に関連性を持たせることができ、ユーザの射幸心を高めることができる。
【0008】
また、第2の発明は、前記第2種のオブジェクトそれぞれは、複数種類のテーブルの何れかに関連づけられており、前記確率設定手段は、前記第1付与オブジェクトに設定されているパラメータ設定に基づいて前記複数種類のテーブルのなかからテーブルを選択し、当該選択されたテーブルに関連付けられている前記第2種のオブジェクトのみが前記第2抽選手段の抽選で当選するように当選確率を設定する、第1の発明のコンピュータシステムである。
【0009】
第2の発明によれば、第2種のオブジェクトそれぞれは、複数種類のテーブルの何れかに関連づけられていて、第1付与オブジェクトに設定されているパラメータ設定に基づいてテーブルが選択された上で、その選択されたテーブルに関連づけられている第2種のオブジェクトの中から抽選されるように、当選確率が設定される。
【0010】
また、第3の発明は、前記確率設定手段は、前記第2種オブジェクト群に含まれるオブジェクトのうち、前記第1付与オブジェクトに設定されているパラメータ設定に基づく相応条件を満たすパラメータ設定がなされているオブジェクトの当選確率を可変に設定する、第1又は第2の発明のコンピュータシステムである。
【0011】
第3の発明によれば、第2種オブジェクト群のうち、そのパラメータ設定が第1付与オブジェクトのパラメータ設定との間で相応条件を満たすオブジェクトの当選確率を、可変に設定することができる。
【0012】
また、第4の発明は、前記確率設定手段は、前記相応条件を満たすパラメータ設定がなされているオブジェクトの当選確率を増加又は低減させる手段を有する、第3の発明のコンピュータシステムである。
【0013】
第4の発明によれば、第2種オブジェクト群のうちの相応条件を満たすオブジェクトの当選確率を増加させ、又は低減させることができる。
【0014】
また、第5の発明は、前記パラメータ設定には、少なくとも、レアリティを示す設定が含まれる、第3又は第4の発明のコンピュータシステムである。
【0015】
第5の発明によれば、第2種オブジェクト群のうち、そのレアリティが第1付与オブジェクトのレアリティとの間で相応条件を満たすオブジェクトの当選確率を、可変に設定することができる。
【0016】
また、第6の発明は、前記パラメータ設定には、少なくとも、前記第1種と前記第2種のオブジェクトの組み合わせ相性に関する設定が含まれる、第3~第5の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0017】
第6の発明によれば、第2種オブジェクト群のうち、その組み合わせ相性に関する設定が第1付与オブジェクトに係る当該設定との間で相応条件を満たすオブジェクトの当選確率を、可変に設定することができる。
【0018】
また、第7の発明は、前記パラメータ設定には、少なくとも、前記第1種と前記第2種のオブジェクトの組み合わせ相性に関する設定が含まれ、前記第2種オブジェクト群に含まれるオブジェクトは、前記組み合わせ相性に基づくグループ分けがなされており、前記確率設定手段は、前記グループ分けのうち、前記相応条件を満たす前記組み合わせ相性のグループを選択することで、1)当該選択したグループ以外のグループに属するオブジェクトの当選確率をゼロとする、或いは、2)当該選択したグループ以外のグループに属するオブジェクトの当選確率を当該選択したグループに属するオブジェクトの当選確率よりも低くする、第3の発明のコンピュータシステムである。
【0019】
第7の発明によれば、第2種オブジェクト群のうち、第1付与オブジェクトに係る設定との間で組み合わせ相性が相応条件を満たすグループのオブジェクトのみが当選するように、当選確率を設定することができる。或いは、当該グループのオブジェクトが当選し易くなるように、当選確率を設定することができる。
【0020】
また、第8の発明は、前記パラメータ設定には、少なくとも、前記第1種と前記第2種のオブジェクトの組み合わせ相性に関する設定が含まれ、前記第1種オブジェクト群に含まれるオブジェクトは、前記組み合わせ相性に基づく第1のグループ分けがなされており、前記第2種オブジェクト群に含まれるオブジェクトは、前記組み合わせ相性に基づく第2のグループ分けがなされており、前記第1抽選手段は、前記第1のグループ分けに基づく各グループの中からグループを選択する第1のグループ抽選手段と、前記第1のグループ抽選手段により抽選されたグループに属するオブジェクトの中から前記第1付与オブジェクトを抽選する第1の付与オブジェクト抽選手段と、を有し、前記確率設定手段は、前記第2のグループ分けに基づく各グループのうち、前記相応条件を満たす前記組み合わせ相性のグループを選択することで、1)当該選択したグループ以外のグループに属するオブジェクトの当選確率をゼロとする、或いは、2)当該選択したグループ以外のグループに属するオブジェクトの当選確率を当該選択したグループに属するオブジェクトの当選確率よりも低くする、第3の発明のコンピュータシステムである。
【0021】
第8の発明によれば、組み合わせ相性に基づきグループ分けされた第1種オブジェクト群のグループの中からグループを選択し、当該選択したグループに属するオブジェクトを抽選対象として第1抽選を行うことができる。そして、第2種オブジェクト群のうち、第1付与オブジェクトに係る設定との間で組み合わせ相性が相応条件を満たすグループのオブジェクトのみが当選するように、当選確率を設定することができる。或いは、当該グループのオブジェクトが当選し易くなるように、当選確率を設定することができる。
【0022】
また、第9の発明は、前記オブジェクトには、前記役割が異なる複数種類のオブジェクトがあり、前記複数種類のうち、前記第1種とする種類及び前記第2種とする種類を前記ユーザの選択操作に基づいて決定する抽選種類選択手段、を更に備えた第1~第8の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0023】
第9の発明によれば、先に抽選するオブジェクトの種類(役割)をユーザが選択することができる。
【0024】
また、第10の発明は、前記第2抽選手段による抽選を実行する前に、前記第1付与オブジェクトを示す情報、或いは、前記第1付与オブジェクトのヒントを示す情報を前記ユーザ端末に表示させる制御を行う手段、を更に備えた第1~第9の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0025】
第10の発明によれば、第2抽選の実行前に第1抽選で当選した第1付与オブジェクトをユーザに提示し、或いは、当該第1付与オブジェクトのヒントをユーザに提示することができる。
【0026】
また、第11の発明は、前記第2抽選手段による抽選を実行する前に、前記確率設定手段による前記当選確率の設定を示す情報を前記ユーザ端末に表示させる制御を行う手段、を更に備えた第1~第10の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0027】
第11の発明によれば、第1付与オブジェクトのパラメータ設定に基づき設定した第2抽選に係る第2種オブジェクト群の当選確率を、第2抽選の実行前にユーザに提示することができる。
【0028】
また、第12の発明は、前記第1種オブジェクト群に含まれる各オブジェクトの当選確率、及び/又は、前記確率設定手段により設定される前記第1種オブジェクト群に含まれる各オブジェクトの当選確率を、前記ユーザによる変更指示操作に基づいて、所与の対価の消費と引き換えに変更する手段、を更に備えた第1~第11の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0029】
第12の発明によれば、第1抽選に係る第1種オブジェクト群の当選確率や、第1付与オブジェクトのパラメータ設定に基づき設定した第2抽選に係る第2種オブジェクト群の当選確率を、ユーザから対価を徴収して変更することができる。
【0030】
また、第13の発明は、前記第1抽選手段による抽選を実行した後で、且つ、前記第2抽選手段による抽選を実行する前に、前記第2抽選処理による実行をキャンセルするキャンセル指示操作を受け付けるキャンセル受付手段(例えば、
図5や
図10のキャンセル処理部255)と、前記キャンセル受付手段による受け付けがなされた場合に、前記第2抽選手段による抽選の実行をキャンセルして前記一連の抽選処理を終了させるキャンセル手段(例えば、
図5や
図10のキャンセル処理部255)と、を更に備えた第1~第12の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0031】
第13の発明によれば、第1抽選の後、ユーザによるキャンセル指示操作に応じて第2抽選の実行をキャンセルして、一連の抽選処理を終了させることができる。
【0032】
また、第14の発明は、前記第1抽選手段による抽選の対価と、前記第2抽選手段による抽選の対価とは別々であり、前記第1抽選手段による抽選結果に基づいて前記第2抽選手段による抽選の対価を可変に決定する第2抽選対価決定手段、を更に備えた第1~第13の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0033】
第14の発明によれば、第1抽選の抽選結果に応じて第2抽選の対価を例えば低くして決定し、或いは、逆に高くして設定するといったことが可能となる。
【0034】
また、第15の発明は、ユーザ端末と、第1~第14の何れかの発明のコンピュータシステムとが通信接続可能に構成されたゲームシステム(例えば、
図1のゲームシステム1000)である。
【0035】
第15の発明によれば、第1の発明と同様の効果を奏するゲームシステムを実現できる。
【0036】
また、第16の発明は、ユーザの抽選実行指示操作に基づいて、ゲームに利用可能なオブジェクトをオブジェクト群の中から抽選を行い、当該抽選によって選択したオブジェクトを前記ユーザに付与する処理をユーザ端末(例えば、
図10のユーザ端末1500A)に実行させるためのプログラム(例えば、
図10のゲームプログラム504)であって、前記オブジェクトには、役割が異なる第1種と第2種のオブジェクトがあり、第1種オブジェクト群の中から抽選を行って前記ユーザに付与する第1付与オブジェクトを抽選する第1抽選手段、前記第1付与オブジェクトに設定されているパラメータ設定に基づいて、第2種オブジェクト群に含まれる各オブジェクトの当選確率を可変に設定する確率設定手段、前記当選確率に基づいて前記第2種オブジェクト群の中から抽選を行って前記ユーザに付与する第2付与オブジェクトを抽選する第2抽選手段、として前記ユーザ端末を機能させ、前記第1抽選手段、前記確率設定手段及び前記第2抽選手段を、一連の抽選処理として実行させるプログラムである。
【0037】
第16の発明によれば、第1の発明と同様の効果を奏するプログラムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図5】サーバシステムの機能構成例を示すブロック図。
【
図7】ゲームオブジェクトデータのデータ構成例を示す図。
【
図9】サーバシステムにおける処理の流れを説明するためのフローチャート。
【
図10】変形例1におけるユーザ端末の機能構成例を示す図。
【
図11】ゲームオブジェクトデータの変形例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下説明する実施形態によって本発明が限定されるものではなく、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限定されるものでもない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付す。
【0040】
図1は、本実施形態におけるゲームシステム1000の全体構成例を示す図である。
図1に示すように、ゲームシステム1000は、コンピュータシステムであるサーバシステム1100と、本実施形態のゲームのプレーヤ2であるユーザが所持するユーザ端末1500とを含み、これらが通信回線9を介して相互にデータ通信可能に接続されて構成される。
【0041】
通信回線9は、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、通信回線9とは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLAN(Local Area Network)の他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線/無線を問わない。
【0042】
サーバシステム1100は、本体装置1101と、キーボード1106と、タッチパネル1108と、ストレージ1140とを備え、本体装置1101は、CPU(Central Processing Unit)1151やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等の各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM、ROM等の各種ICメモリ1152、通信装置1153等の電子部品が搭載された制御基板1150を内蔵している。なお、制御基板1150の一部又は全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(field-programmable gate array)、SoC(System on a Chip)により実現するとしてもよい。
【0043】
このサーバシステム1100は、CPU1151等が所定のプログラム及びデータに基づいて演算処理することにより、ユーザ登録等に係るユーザ管理機能と、ユーザ端末1500でゲームをプレイするのに必要なデータを提供してユーザ端末1500でのゲームの実行制御を管理するゲーム管理機能とを実現する。つまり、本実施形態におけるゲームは、一種のクライアント・サーバ型のオンラインゲームとして実現される。プレーヤ2は、自身のユーザ端末1500でサーバシステム1100にアクセスし、発給されたアカウントによりログインして本実施形態のゲームを楽しむ。
【0044】
また、サーバシステム1100は、電子決済業者等が運営する外部の電子決済サーバと連携し、仮想通貨相当ポイント(以下単に「ポイント」という)の購入手続き(課金処理)を行う。課金処理に際し、電子決済サーバは、サーバシステム1100からの問合せに応答してポイントの購入額をプレーヤ2のクレジットカードやプリペイドカード等で清算する処理を行う。そして、サーバシステム1100は、電子決済サーバにより清算された購入額相当をプレーヤ2に付与する。
【0045】
なお、サーバシステム1100は、
図1に示す単体の構成に限らず、各機能を分担する複数のブレードサーバを搭載して相互に内部バスを介してデータ通信可能に接続した構成であってもよい。或いは、離れた場所に設置された独立した複数のサーバを、通信回線9を介してデータ通信させることで、全体としてサーバシステム1100として機能させる構成であってもよい。
【0046】
ユーザ端末1500は、マンマシンインターフェースの機能を担うコンピュータシステムであって、携帯電話基地局や無線通信基地局等を介して通信回線9に接続し、サーバシステム1100とデータ通信を行うことができる。このユーザ端末1500は、例えば、スマートフォン、携帯電話機、携帯型ゲーム装置、据置型家庭用ゲーム装置、据置型家庭用ゲーム装置のコントローラ、業務用ゲーム装置、パソコン、タブレット型コンピュータ、ウェアラブルコンピュータ等の形態を取り得る。
【0047】
図2は、ユーザ端末1500の一例であるスマートフォンの装置構成例を示す図である。
図2に示すように、ユーザ端末1500は、方向入力キー1502と、ホームキー1504と、画像表示デバイス兼接触位置入力デバイスとして機能するタッチパネル1506と、内蔵バッテリー1509と、スピーカ1510と、マイク1512と、制御基板1550と、コンピュータ読み出し可能な記憶媒体であるメモリカード1540に対してデータを読み書きできるメモリカード読取装置1542とを備える。その他、図示しない電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。
【0048】
制御基板1550には、CPU1551やGPU、DSP等の各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1552、通信回線9に接続する携帯電話基地局や無線LAN基地局等と無線通信するための無線通信モジュール1553、インターフェース回路1557等が搭載されている。また、制御基板1550には、方向入力キー1502やホームキー1504からの信号を受信する回路、タッチパネル1506のドライバ回路、スピーカ1510へ音声信号を出力する出力アンプ回路、マイク1512で集音された音声の信号を生成する音声信号生成回路、メモリカード読取装置1542への信号入出力回路といった、いわゆるI/F回路(インターフェース回路)1557等が搭載されている。これら制御基板1550に搭載されている各要素は、それぞれがバス回路等を介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。なお、制御基板1550の一部または全部をASICやFPGA、SoCにて構成してもよい。
【0049】
この制御基板1550においてICメモリ1552には、ゲームクライアントプログラムや、このゲームクライアントプログラムを実行するのに必要な各種設定データ等が格納される。ゲームクライアントプログラム等は、適宜のタイミングでサーバシステム1100からダウンロードされる。なお、別途入手したメモリカード1540等の記憶媒体から読み出す構成としてもよい。そして、CPU1551等がゲームクライアントプログラムを実行して演算処理を実行し、タッチパネル1506や方向入力キー1502、ホームキー1504に対する操作入力に応じてユーザ端末1500の各部を制御することで、プレーヤ2のゲームプレイを可能にする。
【0050】
[概要]
本実施形態のゲームでは、プレーヤ2は、所定額のポイント消費と引き換えに、ゲームで利用可能なオブジェクトの抽選(ガチャ)を行うことができる。ガチャで付与され得るオブジェクトには、例えば、プレーヤキャラクタとして選択可能なキャラクタ、プレーヤキャラクタが装備し、又は使用することができる武器や防具、弾、薬等の各種アイテム、プレーヤキャラクタの乗り物、召喚獣、魔法やスキル等のプレーヤキャラクタに付加できる追加能力、新しいゲームステージやマップの開放、抽選権等が含まれる。本実施形態では、役割が異なる「キャラクタ」「武器」「アイテム」の3種類のカテゴリに分類可能な複数のオブジェクトが、予め抽選対象として用意される。なお、ガチャで消費する対価は、ポイントに限らず現実世界の通貨(貨幣)であってもよい。
【0051】
より詳細には、本実施形態では、ガチャメニューとして、「単発ガチャ」と「連発ガチャ」の2つが用意される。そして、単発ガチャでは、例えば、プレーヤ2のカテゴリ選択操作を受け付けてキャラクタ、武器、及びアイテムのうちの何れかのカテゴリ(役割が異なるオブジェクトの種類)を選択し、選択したカテゴリについて1回の抽選処理を行って、当選したオブジェクトをプレーヤ2に付与する。
【0052】
一方、連発ガチャが選択された場合は抽選処理を複数回行い、当選したオブジェクトをまとめてプレーヤ2に付与する。本実施形態では、キャラクタ、武器、及びアイテムのカテゴリ別に、順次各カテゴリのオブジェクト群の中から抽選を行う。
【0053】
ここで、抽選対象として用意される各オブジェクトには、レアリティが定められている。レアリティは、例えば、高い方から順に「スーパーレア」「レア」「コモン」とされる。勿論、レアリティの段階は4段階以上であってもよいし、2段階であっても構わない。また、そのうちのスーパーレア及びレアの各レアオブジェクトには、そのレアリティに応じた当選確率の基準値が予め定められている。レアリティが高いほど当選確率基準値は低く設定され、当選し難くなる。例えば、スーパーレアは0.1%、レアは0.7%といった具合である。
【0054】
そして、抽選処理は、単発ガチャの場合であれば、レアオブジェクトの当選確率基準値をそのまま当選確率として用いて行う。抽選の結果レアオブジェクトの非当選時は、抽選対象のオブジェクトのうち、レアリティがコモンである非レアオブジェクトの中から1つを選んで付与する。これに対し、連発ガチャの実行に際しては、レアオブジェクトの当選確率基準値をもとに当選確率を可変に設定し、抽選処理に用いる。
【0055】
図3は、連発ガチャの大まかな実行手順を示す図である。
図3に示すように、連発ガチャでは、抽選実行指示操作を受け付ける(S1)。例えば、プレーヤ2は、ガチャメニューから連発ガチャメニューを選択することで、抽選実行指示操作を行う。
【0056】
そして、抽選実行指示操作を受け付けると先ず、キャラクタカテゴリのオブジェクト群(抽選対象として用意されたキャラクタ群)の中からプレーヤ2に付与するキャラクタを抽選する(S2;キャラクタ抽選)。続いて、武器カテゴリのオブジェクト群(抽選対象として用意された武器群)の中からプレーヤ2に付与する武器を抽選する(S3;武器抽選)。そして、アイテムカテゴリのオブジェクト群(抽選対象として用意されたアイテム群)の中からプレーヤ2に付与するアイテムを抽選する(S4;アイテム抽選)。
【0057】
その後、キャラクタ抽選で当選したキャラクタO11、武器抽選で当選した武器O13、及びアイテム抽選で当選したアイテムO15の3つのオブジェクトをプレーヤ2に付与して(S5)、連発ガチャの実行を終える。
【0058】
[原理]
連発ガチャでは、実行順が先である第1抽選で当選したオブジェクト(第1付与オブジェクト)のパラメータ設定に基づいて、後順の第2抽選対象のオブジェクト(レアオブジェクト)の当選確率基準値を調整することで、第2抽選に係る当選確率を可変に設定する処理(第2抽選確率設定処理)を行う。すなわち、本実施形態では、武器抽選の実行前に第2抽選確率設定処理を行い、武器抽選に係る当選確率を可変に設定するとともに、アイテ抽選の実行前に第2抽選確率設定処理を行い、アイテム抽選に係る当選確率を可変に設定する。なお、最初に実行するキャラクタ抽選では、単発ガチャと同様に、当選確率基準値をそのまま当選確率として用い、抽選処理を行う。
【0059】
1.組み合わせ相性
図4は、キャラクタ抽選と武器抽選に着目して、第2抽選確率設定処理の原理を説明する図である。この場合の第1抽選であるキャラクタ抽選では、第1種オブジェクト群であるキャラクタ群の中から抽選を行う。ここで、抽選対象の各キャラクタには、パラメータ設定として、「タイプA」「タイプB」「タイプC」といったキャラクタタイプが予め設定されている。そのため、
図4に示すように、各キャラクタは、キャラクタタイプ毎のグループG211,G213,G215,・・・にグループ分けすることができる。当該グループが、組み合わせ相性に基づく第1のグループ分けに相当する。
【0060】
そして、キャラクタ抽選後の第2抽選確率設定処理では、先ず、第1付与オブジェクトのキャラクタタイプから組み合わせ相性を判定する。例えば、タイプBのキャラクタO11が当選したときには、このタイプBに基づいて、第2種オブジェクト群である武器群の中でキャラクタO11と組み合わせ相性が合致する武器を判定する。本実施形態では、タイプBとの間で所定の相応条件を満たすパラメータ設定がなされている武器を、組み合わせ相性が合致する武器とする。
【0061】
ここで、各武器には、パラメータ設定として、その武器を装備することができるキャラクタのキャラクタタイプが予め設定されている。そのため、
図4に示すように、各武器は、キャラクタタイプ毎のグループG221,G223,G225,・・・にグループ分けすることができる。当該グループが、組み合わせ相性に基づく第2のグループ分けに相当する。例えば、グループG221に属する武器は、タイプAとタイプBのキャラクタが装備可能な武器である。一方、グループG225に属する武器は、タイプCのキャラクタのみが装備可能な武器である。なお、武器には、別のパラメータ設定として、適宜武器タイプが設定される。例えば、「長距離攻撃用」「中距離攻撃用」「近距離攻撃用」といった武器タイプを設定しておくことができる。
【0062】
そして、キャラクタに係る相応条件は、例えば、「パラメータ設定として第1付与オブジェクトと同じキャラクタタイプが設定されていること」とされる。したがって、
図3,4の例では、グループG221,G223に属する武器を、キャラクタO11との関係で組み合わせ相性が合致する武器と判定する。
【0063】
その後は、組み合わせ相性が合致するグループG221,G223の武器を対象オブジェクトとして基準値調整処理を行い、各々の当選確率を1次設定する。より詳細には、グループG221,G223に属するオブジェクトのうち、当選確率基準値が定められているレアオブジェクトが対象オブジェクトとなる。そして、基準値調整処理は、例えば、対象オブジェクトの当選確率基準値に所定値を加算し(例えば+0.3)、当選確率を増加させる処理として定められる。対象オブジェクトの当選確率基準値に所定値を乗ずる(例えば×1.2)処理でもよい。ここでの処理により、
図3,4の例でいうと、キャラクタO11が装備可能でレアリティがスーパーレア又はレアである武器を、第2抽選において当選し易くすることができる。レアオブジェクトの非当選時は、例えば、組み合わせ相性が合致する非レアオブジェクト(グループG221,G223に属するレアリティがコモンの武器等)の中から、付与するオブジェクトを選ぶようにするとよい。
【0064】
なお、武器群には、例示したように装備可能なキャラクタタイプが限られたものの他、その制限のない「共通」の武器を含めてもよい。そして、共通の武器を、第2抽選確率設定処理での当選確率の設定の対象としてもよい。
【0065】
また、組み合わせ相性が合致するオブジェクトの当選確率を増加させるのではなく、組み合わせ相性が合致しないオブジェクト(
図3,4の例ではグループG225に属する武器)の当選確率を低くするのでもよい。この場合は、組み合わせ相性が合致しないレアオブジェクトを対象オブジェクトとして基準値調整処理を行う。そして、基準値調整処理を、当選確率基準値から所定値を減算する等して対象オブジェクトの当選確率を低くする処理として定めておく。
【0066】
或いは、組み合わせ相性が合致しないオブジェクトの当選確率をゼロにするのでもよい。例えば、組み合わせ相性が合致しないオブジェクトを第2抽選の抽選対象から除外することで実現できる。この場合、第1抽選でキャラクタO11が当選した場合であれば、第2抽選において当選する武器は、必ずキャラクタO11が装備可能な武器となる。つまり、第2抽選において、第1抽選で当選したキャラクタO11が装備できない武器が当選しないようにすることができる。
【0067】
2.レアリティ
本実施形態の第2抽選確率設定処理では、以上のように組み合わせ相性に基づき当選確率を1次設定した後、第1付与オブジェクトがレアオブジェクトの場合は、そのレアリティが第1付与オブジェクトのレアリティとの間で所定の相応条件を満たす第2抽選対象のオブジェクトを選出する。そして、選出したオブジェクトについて、当選確率を2次設定する。
【0068】
レアリティに係る相応条件は、例えば、「パラメータ設定として第1付与オブジェクトと同じレアリティが設定されていること」とされる。
【0069】
具体的には、
図3,4の例では、第1抽選で当選したキャラクタO11のレアリティはスーパーレアであるので、1次設定で組み合わせ相性が合致すると判定したグループG221,G223の各武器のうち、同じスーパーレアの武器O13,O21等について当選確率を2次設定する。2次設定は、例えば、1次設定された当該武器O13,O21等の当選確率に所定値を加算する(例えば+0.1)等して、当選確率を増加させることで行う。これによれば、第1抽選で当選したのと同じレアリティのオブジェクトを、第2抽選においても当選し易くすることができる。
【0070】
なお、2次設定についても、1次設定と同様の要領で第1付与オブジェクトとレアリティが異なるレアオブジェクトの当選確率を低くしたり、当該当選確率をゼロにすることで行ってもよい。
【0071】
以上のようにして武器抽選について第2抽選確率設定処理を行ったならば、設定した当選確率に基づいて第2種オブジェクト群である武器群の中から抽選を行い、ユーザに付与する武器を決定する。その後は、次のアイテム抽選に先立ち同様の要領で第2抽選確率設定処理を行い、アイテム抽選に係る当選確率を設定することとなる。
【0072】
具体的には、アイテム群は、例えば、武器に充填する弾、キャラクタや武器の修理アイテム、それらの燃料等の各種アイテムで構成され、使用可能なキャラクタや武器が限定された専用のものを含む。そして、各アイテムには、パラメータ設定として、当該アイテムを使用することができるキャラクタタイプや武器タイプが予め設定されている。
【0073】
なお、アイテム群には、例示したように使用可能なキャラクタタイプや武器タイプが限られたものの他、その制限のない共通のアイテムを含めてもよい。そして、共通のアイテムを、第2抽選確率設定処理での当選確率の設定の対象としてもよい。
【0074】
また、アイテム抽選に係る第2抽選確率設定処理においては、武器抽選と同様にキャラクタ抽選を第1抽選として、当選したキャラクタ(
図3,4ではキャラクタO11)を第1付与オブジェクトとするのでもよいし、直前の武器抽選を第1抽選と捉え、当選した武器(
図3,4では武器O13)を第1付与オブジェクトとしてそのパラメータ設定を用いるとしてもよい。或いは、キャラクタO11及び武器O13の両方を第1付与オブジェクトとし、それらのパラメータ設定をOR条件として用いてアイテム群に係る当選確率を設定するとしてもよい。
【0075】
以上、第2抽選確率設定処理によれば、最初のキャラクタ抽選で当選したキャラクタの装備可能な武器が次の武器抽選で必ず当選するように、或いは、当該武器を当選し易くすることができる。また、キャラクタ抽選で当選したキャラクタや武器抽選で当選した武器に専用のアイテム等が最後のアイテム抽選で必ず当選するように、或いは、当該アイテムを当選し易くすることができる。
【0076】
さて、本実施形態の連発ガチャでは、キャラクタ抽選、武器抽選、及びアイテム抽選の各抽選処理を一連の抽選処理として行うが、本実施形態では、1回の抽選のたびに、次順の抽選をキャンセルするキャンセル指示操作を受け付ける。そして、プレーヤ2がキャンセル指示操作を行って連発ガチャを途中でやめる選択をした場合には、一連の抽選処理を終了させる。
【0077】
この途中キャンセルの場合は、ポイント消費額を所定額減額して課金処理を行う。例えば、1回の連発ガチャ(キャラクタ抽選・武器抽選・アイテム抽選のセットのガチャ)のポイント消費額が300ポイントの場合、武器抽選の前のキャンセルでは210ポイントに減額し、アイテム抽選の前のキャンセルの場合は240ポイントに減額するといった具合である。
【0078】
また、キャンセル指示操作を受け付けるにあたり、直前の抽選結果(つまり第1付与オブジェクト)に関する情報と、当該抽選結果に基づき設定した第2抽選に係る当選確率(つまり第2抽選確率設定処理の結果)を示す情報とを表示して、プレーヤ2に提示する。
【0079】
先ず、抽選結果に関する情報の表示(連発ガチャ全てが終了する前の途中の抽選結果に関する情報の表示)は、当選した第1付与オブジェクトのヒントを示す情報を表示することで行う。例えば、第1付与オブジェクトのシルエットを表示するのでもよいし、第1付与オブジェクトのキャラクタタイプや武器タイプを表示するのでもよい。これによれば、プレーヤ2は、例えばシルエットから当選した第1付与オブジェクトを予想して次の抽選に進んだり、逆にキャンセル指示操作を行って途中キャンセルする選択が行える。また、その際の判断材料として、次の抽選に係る当選確率を参考にすることができる。よって、抽選の合間合間で抽選結果に対するプレーヤ2の期待感を高めつつ、次の抽選を実行できる。なお、ヒントを示す情報の表示に限らず、第1付与オブジェクトのキャラクタ名や武器名等、第1付与オブジェクトを示す情報を表示するとしてもよい。
【0080】
[機能構成]
1.サーバシステム
図5は、サーバシステム1100の機能構成例を示すブロック図である。
図5に示すように、サーバシステム1100は、操作入力部100sと、サーバ処理部200sと、画像表示部390sと、音出力部392sと、通信部394sと、サーバ記憶部500sとを備える。
【0081】
操作入力部100sは、システム管理や保守等のための各種操作を入力するためのものであり、例えばキーボードやマウス、タッチパネル等で実現できる。
図1では、キーボード1106やタッチパネル1108がこれに該当する。
【0082】
サーバ処理部200sは、例えばCPUやGPU、ASIC、FPGA等の演算回路であるプロセッサや、ICメモリ等の電子部品によって実現でき、操作入力部100sやサーバ記憶部500sを含む装置各部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100sからの操作入力信号、ユーザ端末1500から受信したデータ等に基づいて各種の演算処理を行い、サーバシステム1100の動作を統括制御する。
図1では、制御基板1150やそのCPU1151がこれに該当する。
【0083】
このサーバ処理部200sは、ユーザ管理部210と、課金処理部220と、ゲーム管理部230と、計時部280sと、画像生成部290sと、音生成部292sと、通信制御部294sとを備える。
【0084】
ユーザ管理部210は、ユーザ登録に係る処理及びアカウントに紐付けられる各登録ユーザ(プレーヤ2)のデータの管理を行う。例えば、登録ユーザへの固有のアカウントの付与処理、アカウント別に個人情報を登録管理する登録情報管理処理、ログイン及びログアウトの履歴等を管理する利用履歴管理処理等を実行することができる。勿論、これら以外のユーザアカウントに紐付けられる他のデータの管理処理も適宜含めることができる。
【0085】
課金処理部220は、プレーヤ2によるポイント購入操作に応じて課金処理を行い、購入額相当のポイントを当該プレーヤ2に付与する。
【0086】
ゲーム管理部230は、ゲームの実行管理に係る各種処理を行う。本実施形態のゲームは、クライアント・サーバ型のオンラインゲームなので、ゲーム管理部230は、ユーザ端末1500と通信を行いながらゲームプレイに必要なデータを提供する制御を行う。このゲーム管理部230は、ゲーム進行制御部231と、第1抽選確率設定部233と、第1抽選処理部235と、第2抽選確率設定部240と、抽選結果ヒント表示制御部251と、第2抽選確率表示制御部253と、キャンセル処理部255と、第2抽選処理部257とを含む。
【0087】
ゲーム進行制御部231は、ユーザ端末1500との通信を随時行い、当該ユーザ端末1500におけるゲームプレイの進行を制御し、プレイ結果の反映に関する処理を行う。
【0088】
第1抽選確率設定部233は、抽選実行指示操作の受け付けがなされた場合(連発ガチャメニューが選択された場合)の一連の抽選処理の実行に際し、第1抽選で抽選対象とする第1種オブジェクト群のオブジェクトに定められた当選確率基準値(本実施形態ではレアオブジェクトの当選確率基準値)を、第1抽選に係る当選確率として設定する。
【0089】
第1抽選処理部235は、第1抽選確率設定部233が設定した当選確率に基づいて第1種オブジェクト群の中から抽選を行い、プレーヤ2に付与する第1付与オブジェクトを決定する。
【0090】
第2抽選確率設定部240は、上記の要領で第2抽選確率設定処理を行い、第2抽選で抽選対象とする第2種オブジェクト群のオブジェクトに定められた当選確率基準値(本実施形態ではレアオブジェクトの当選確率基準値)を調整することで、第2抽選に係る当選確率を設定する。本実施形態では、組み合わせ相性を用いた1次設定と、レアリティを用いた2次設定とを順次行う。この第2抽選確率設定部240は、組み合わせ相性判定部241を備える。組み合わせ相性判定部241は、第2種オブジェクト群のオブジェクトについて、相応条件に従って第1付与オブジェクトとの組み合わせ相性を判定する。
【0091】
抽選結果ヒント表示制御部251は、第1抽選の後、第2抽選の実行前に、直前の抽選で当選したオブジェクトのヒントを、ユーザ端末1500において画像表示部390に表示させる。
【0092】
第2抽選確率表示制御部253は、第1抽選の後、第2抽選の実行前に、第2抽選確率設定部240が設定した当該第2抽選に係る当選確率を、ユーザ端末1500において画像表示部390に表示させる。
【0093】
キャンセル処理部255は、第1抽選の後、第2抽選の実行前に、当該第2抽選のキャンセル指示操作を受け付ける。そして、プレーヤ2のキャンセル指示操作を受けて第2抽選の実行をキャンセルし、一連の抽選処理を終了させる。
【0094】
第2抽選処理部257は、第2抽選確率設定部240が設定した当選確率に基づいて第2オブジェクト群の中から抽選を行い、プレーヤ2に付与する第2付与オブジェクトを決定する。
【0095】
計時部280sは、システムクロックを利用して現在日時や制限時間等の計時を行う。
【0096】
画像生成部290sは、サーバシステム1100のシステム管理等に関する画像を生成し、画像表示部390sへ出力する。
【0097】
音生成部292sは、音声データの生成やデコードをするICやソフトウェアの実行により実現され、サーバシステム1100のシステム管理や動画配信に係る操作音、BGM等の音声データを生成し、或いはデコードする。システム管理に関する音声信号は、音出力部392sへ出力される。
【0098】
通信制御部294sは、通信部394sを介して外部装置(例えばユーザ端末1500)とのデータ通信のための通信接続及びデータ処理を行い、外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0099】
画像表示部390sは、画像生成部290sから入力される画像信号に基づいてシステム管理等のための各種画面を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、ブラウン管(CRT)、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。
図1では、タッチパネル1108がこれに該当する。
【0100】
音出力部392sは、音生成部292sから入力される音声信号を放音する。
図1では、本体装置1101やタッチパネル1108が備えるスピーカ(不図示)がこれに該当する。
【0101】
通信部394sは、通信回線9と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。
図1では、通信装置1153がこれに該当する。
【0102】
サーバ記憶部500sには、サーバシステム1100を動作させ、サーバシステム1100が備える種々の機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め格納され、或いは処理の都度一時的に格納される。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現できる。
図1では、ICメモリ1152やストレージ1140がこれに該当する。
【0103】
また、サーバ記憶部500sには、サーバプログラム501と、配信用ゲームクライアントプログラム503と、ユーザ管理データ510と、ゲーム初期設定データ520と、プレイデータ540と、現在日時800とが格納される。また、その他にも、タイマーやカウンタ、各種フラグ等、必要なデータが適宜格納される。
【0104】
サーバプログラム501は、サーバ処理部200sをユーザ管理部210、課金処理部220、及びゲーム管理部230として機能させるためのプログラムである。なお、画像生成部290sや音生成部292s、通信制御部294sとして機能させるプログラムも適宜これに含めることができる。
【0105】
配信用ゲームクライアントプログラム503は、ユーザ端末1500にダウンロードされるゲームクライアントプログラム502(
図8を参照)の原本である。
【0106】
ユーザ管理データ510は、プレーヤ2である登録ユーザに関する情報を格納する。
図6は、1つのユーザ管理データ510のデータ構成例を示す図である。
図6に示すように、ユーザ管理データ510は、該当するプレーヤ2のアカウント511と、決済媒体帳簿データ512と、保有オブジェクトリスト513と、プレーヤレベル514と、プレイ日時やプレイ時間、プレイ回数等のプレイ履歴515とを含む。
【0107】
決済媒体帳簿データ512は、該当するプレーヤ2に紐付けられる電子決済媒体(本実施形態では仮想通貨相当ポイント)の収支の情報、例えば、ポイントの購入日時や購入数(課金額)の履歴、ポイントの消費日時や消費数の履歴等を格納する。
【0108】
保有オブジェクトリスト513は、プレーヤ2がゲームの過程で入手し、現時点で保有しているキャラクタや武器、アイテム等のオブジェクトのリストを格納する。
【0109】
図5に戻り、ゲーム初期設定データ520は、本実施形態のゲームを実行するための各種初期設定データを格納する。このゲーム初期設定データ520は、ゲームオブジェクトデータ530が格納される。
【0110】
ゲームオブジェクトデータ530は、ゲームの過程でプレーヤ2に付与され得るキャラクタ、武器、アイテム等のオブジェクト毎に用意される。
図7は、1つのゲームオブジェクトデータ530のデータ構成例を示す図である。
図7に示すように、ゲームオブジェクトデータ530には、該当するオブジェクトのオブジェクト名531と、当該オブジェクトが分類されるカテゴリ(キャラクタ/武器/アイテム)532と、当該オブジェクトのパラメータ設定533と、当選確率基準値536とが格納される。また、その他にも、例えばそれがキャラクタであれば、そのモデルデータやその動作制御に用いるモーションデータ、攻撃力や防御力といった各種能力値の初期値等が格納される。
【0111】
パラメータ設定533は、キャラクタタイプ534と、レアリティ535とを含む。キャラクタタイプ534には、該当するオブジェクトがキャラクタであればそのキャラクタタイプが設定され、武器であればそれを装備可能なキャラクタのキャラクタタイプが設定され、アイテムであればそれを使用可能なキャラクタのキャラクタタイプが設定される。
【0112】
当選確率基準値536は、例えば該当するオブジェクトがレアオブジェクトの場合に設定され、そのレアリティに応じた値が予め定められる。
【0113】
図5に戻り、プレイデータ540は、ゲームをプレイしているプレーヤ2毎(つまりサーバシステム1100に接続しているユーザ端末1500毎)に用意され、ゲームのプレイ状況(進行状況)を記述する。
【0114】
2.ユーザ端末
図8は、ユーザ端末1500の機能構成例を示すブロック図である。
図8に示すように、ユーザ端末1500は、操作入力部100と、端末処理部200と、画像表示部390と、音出力部392と、通信部394と、端末記憶部500とを備える。
【0115】
操作入力部100は、ユーザが各種操作を入力するためのものであり、例えば、ボタンスイッチ、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、加速度センサ、角速度センサ、CCDモジュール等によって実現できる。
図2では、方向入力キー1502やホームキー1504、タッチパネル1506がこれに該当する。
【0116】
端末処理部200は、例えばCPUやGPU、ASIC、FPGA等の演算回路であるプロセッサや、ICメモリ等の電子部品によって実現でき、操作入力部100や端末記憶部500を含む装置各部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号、サーバシステム1100から受信したデータ等に基づいて各種の演算処理を行い、ユーザ端末1500の動作を統括制御する。
図2では、制御基板1550やそのCPU1551がこれに該当する。そして、本実施形態における端末処理部200は、ユーザ端末演算部270と、計時部280と、画像生成部290と、音生成部292と、通信制御部294とを備える。
【0117】
ユーザ端末演算部270は、ユーザ端末30をプレーヤ2のゲームプレイのための端末として機能させるための各種演算処理を実行する。例えば、ユーザ端末演算部270は、操作信号送信制御部271と、ゲーム画面表示制御部273とを含む。
【0118】
操作信号送信制御部271は、操作入力部100に対する操作入力に応じて、各種データやリクエスト情報をサーバシステム1100へ送信するための処理を行う。
【0119】
ゲーム画面表示制御部273は、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて、ゲーム画面を表示するための制御を行う。例えば、本実施形態のオンラインゲームをウェブゲームとして実現するならば、ウェブブラウザをベースとしてHTMLとともにJava(登録商標)やCSS(Cascading Style Sheets)を利用して能動的に画面表示を制御するウェブ技術、Adobe(登録商標)Flash等のプラグインを用いて実現できる。勿論、その他の方法でもかまわない。また、本実施形態の構成では、ゲーム画面のベースとなるゲーム空間画像(例えば、3DCG等)はサーバシステム10にて生成されるが、ゲーム空間画像をユーザ端末1500で生成する構成も可能である。その場合、ゲーム画面表示制御部273は、3DCGを生成するための仮想3次元空間に配置されたオブジェクトの制御を行うこととなる。
【0120】
画像生成部290は、ゲーム画面表示制御部273と連係して、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚のゲーム画面を表示するための画像信号を生成し、生成した画像信号を画像表示部390に出力する。例えば、GPU、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)等のプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデック等のプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現できる。
【0121】
音生成部292は、例えば、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成IC等のプロセッサ、音声ファイルを再生するためのオーディオコーデック等によって実現され、ゲームの効果音やBGM、各種操作音の音声信号を生成して音出力部392に出力する。
【0122】
通信制御部294は、通信部394を介して外部装置(例えばサーバシステム1100)とのデータ通信のための通信接続及びデータ処理を行い、外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0123】
画像表示部390は、画像生成部290から入力される画像信号に基づいて、ゲーム画面等の各種画面を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。
図2では、タッチパネル1506がこれに該当する。
【0124】
音出力部392は、音生成部292から入力される音声信号に基づいてゲームに関する効果音やBGM等を放音する。
図2では、スピーカ1510がこれに該当する。
【0125】
通信部394は、通信回線9と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。
図2では、無線通信モジュール1553がこれに該当する。
【0126】
端末記憶部500には、ユーザ端末1500を動作させ、ユーザ端末1500が備える機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め格納され、或いは処理の都度一時的に格納される。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現できる。
図2では、ICメモリ1552や、メモリカード1540がこれに該当する。
【0127】
また、端末記憶部500には、ゲームクライアントプログラム502と、現在日時801とが格納される。ゲームクライアントプログラム502は、端末処理部200をユーザ端末演算部270として機能させるためのプログラムである。このゲームクライアントプログラム502は、オンラインゲームを実現する技術手法に応じた専用のクライアントプログラムであってもよいし、ウェブブラウザプログラム及びインタラクティブな画像表示を実現するプラグイン等により構成するとしてもよい。本実施形態では、サーバシステム1100から提供される配信用ゲームクライアントプログラム503(
図5を参照)のコピーとする。
【0128】
[処理の流れ]
図9は、サーバシステム1100における連発ガチャの実行に係る処理の流れを説明するためのフローチャートである。ここで説明する処理は、サーバ処理部200sがサーバプログラム501を読み出して実行することによって実現される。なお、ユーザ端末1500は、別途ログイン手続き済みとする。
【0129】
図9に示すように、サーバシステム1100では、ユーザ端末1500での抽選実行指示操作を検出すると(ステップS11:YES)、先ず、第1抽選確率設定部233が、第1抽選に係る当選確率を設定する(ステップS13)。本実施形態では、キャラクタの当選確率基準値に基づいて、最初に行うキャラクタ抽選に係る当選確率を設定する。
【0130】
続いて、第1抽選処理部235が、第1抽選(キャラクタ抽選)を行う(ステップS15)。ここでは、ステップS13で設定された当選確率に基づき第1種オブジェクト群であるキャラクタ群の中から抽選を行って、プレーヤ2に付与するオブジェクト(キャラクタ)を決定する。
【0131】
第1抽選を終えたならば、第2抽選確率設定部240が、第2抽選確率設定処理を行う(ステップS17~ステップS23)。先ず、組み合わせ相性判定部241が、組み合わせ相性を判定する(ステップS17)。本実施形態では、第1付与オブジェクト(例えば、キャラクタ抽選で当選したキャラクタ)のキャラクタタイプに基づいて、第2種オブジェクト群の中で第1付与オブジェクトと組み合わせ相性が合致するオブジェクトを判定する。判定には、キャラクタタイプに係る相応条件を用いる。
【0132】
そして、第2抽選確率設定部240は、第2種オブジェクト群のうち、ステップS17で組み合わせ相性が合致すると判定されたオブジェクトの当選確率を増加させて、当選確率の1次設定を行う(ステップS19)。
【0133】
続いて、第2抽選確率設定部240は、第1付与オブジェクトのレアリティに基づいて、第2種オブジェクト群の中からレアリティに係る相応条件を満たすオブジェクトを選出し(ステップS21)、その当選確率を2次設定する(ステップS23)。例えば、第1付与オブジェクトと組み合わせ相性が合致するオブジェクトのうち、第1付与オブジェクトと同じレアリティのオブジェクトについて、当選確率を増加させる。
【0134】
第2抽選確率設定処理を終えたら、ステップS25に移行する。そして、ステップS25では、抽選結果ヒント表示制御部251が、直前の抽選で当選したオブジェクトのヒントの表示制御を行う。また、第2抽選確率表示制御部253が、ステップS19,S23で設定された第2抽選(次に行う抽選)に係る当選確率の表示制御を行う(ステップS27)。そして、キャンセル処理部255が、第2抽選のキャンセル指示操作を受け付ける。そして、キャンセル処理部255は、ユーザ端末1500でのキャンセル指示操作を検出した場合には(ステップS29:YES)、第2抽選の実行をキャンセルして、一連の抽選処理を終了させる(ステップS31)。そして、キャンセル以前の一連の抽選処理で当選したオブジェクトをプレーヤ2に付与する(ステップS33)。その後、課金処理部220が、連発ガチャの対価として定められる所定額のポイントからキャンセル分の額を減額して課金処理を行い(ステップS35)、本処理を終える。
【0135】
一方、キャンセル指示操作の受け付けがなされなければ(ステップS29:NO)、続いて第2抽選処理部257が、第2抽選を行う(ステップS37)。ここでは、ステップS19,23で設定された当選確率に基づき第2種オブジェクト群の中から抽選を行って、プレーヤ2に付与するオブジェクトを決定する。キャラクタ抽選に続く2回目の武器抽選では付与する武器が、その次の最後のアイテム抽選では付与するアイテムが、それぞれ決定される。
【0136】
その後は、次に行う抽選があれば(ステップS39:YES)、ステップS17に戻り、当該次の抽選を第2抽選として上記の処理を繰り返す。そして、ステップS37で最後の抽選を実行した場合には(ステップS39:NO)、一連の抽選処理で当選したオブジェクト(本実施形態ではキャラクタ、武器、及びアイテムの3つのオブジェクト)をプレーヤ2に付与する(ステップS41)。付与したオブジェクトは、そのプレーヤ2の保有オブジェクトリスト513に追加される。そして、課金処理部220が、連発ガチャの対価として定められる所定額のポイントを満額で課金処理し(ステップS43)、本処理を終える。
【0137】
以上説明したように、本実施形態によれば、異なるカテゴリの抽選を順番に実行する一連の抽選処理を行うことができる。そして、各抽選の合間に、第1抽選で当選した第1付与オブジェクトのパラメータ設定に基づいて、第1抽選におけるオブジェクトの当選確率を変更することができる。具体的には、第2種オブジェクト群のうち、第1付与オブジェクトと組み合わせ相性が合致するオブジェクトや、同じレアリティのオブジェクトの当選確率を増加させる変更が行える。したがって、連続して行う抽選処理に関連性を持たせることができ、プレーヤ2の射幸心を高めることができる。
【0138】
なお、本発明を適用可能な形態は上記した実施形態に限定されるものではなく、適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0139】
[変形例1]
例えば、上記実施形態では、ゲーム管理の処理主体をサーバシステム1100として説明したが、ユーザ端末を処理主体とする構成としてもよいし、当該ゲーム管理に関する処理をサーバシステムとユーザ端末とで分散して実行する構成とすることもできる。例えばユーザ端末を処理主体とする場合、ユーザ端末1500Aの機能構成例は
図10のようになる。この場合、ユーザ端末1500Aがコンピュータシステムとなる。
図10では、上記実施形態と同様の構成には同一の符号を付して示している。
【0140】
図10に示すように、本変形例のユーザ端末1500Aは、端末処理部200がゲーム管理部230を有し、ゲーム画面表示制御部273が省略される。すなわち、本変形例のユーザ端末1500Aは、サーバシステム1100からゲーム画面の画像を表示するためのデータを取得するのではなく、自身のゲーム管理部230がゲーム管理に関する処理を実行してゲームの進行を制御し、ゲーム画面の画像を生成する。このユーザ端末1500Aの記憶部500には、端末処理部200をユーザ端末演算部270およびゲーム管理部230として機能させるためのゲームプログラム504が格納され、当該ユーザ端末1500Aのプレーヤ2に係るユーザ管理データ510及びプレイデータ540と、ゲーム初期設定データ520とが格納される。本変形例のユーザ端末1500Aの処理の流れは
図9に示したフローチャートと基本的には同じで、ユーザ端末1500Aのゲーム管理部230により各ステップを実行するものと読み替えればよい。
【0141】
[変形例2]
また、上記実施形態では、先に行った第1抽選で当選した第1付与オブジェクトのパラメータ設定に基づいて、後順の第2抽選における抽選対象のオブジェクトのうち、組み合わせ相性が合致するオブジェクトや同じレアリティのオブジェクトの当選確率を増加させることとした。これに対し、それらオブジェクトの当選確率を低減させるとしてもよい。この場合は、基準値調整処理を、対象オブジェクトの当選確率基準値から所定値を減算する等、当選確率を低減させる処理として定めておけばよい。
【0142】
本変形例によれば、例えば、2回目に行う武器抽選において、最初のキャラクタ抽選で当選したキャラクタが装備可能な武器を当選し難くすることが可能となる。或いは、最初の抽選で当選したキャラクタが例えばスーパーレアのキャラクタの場合に、武器抽選でスーパーレアの武器を当選し難くするといったことが可能となる。
【0143】
[変形例3]
また、上記実施形態では、一連の抽選処理として、キャラクタ抽選、武器抽選、アイテム抽選の順に行う連発ガチャを説明したが、各抽選のカテゴリは例示した3種類に限定されるものではない。また、2種類や、4種類以上であってもよく、どの順番で抽選を行うのかも特に限定されない。また、その順番をプレーヤ2の選択操作に基づいて決定するとしてもよい。この場合は、ゲーム管理部230は、抽選実行指示操作を検出した場合に、抽選種類選択手段として、抽選順の選択操作を受け付けて当該順番を決定する。このときに、プレーヤ2が、最初に武器抽選を行い、次にキャラクタ抽選を行う順番を選択操作すると、武器抽選後の第2抽選確率設定処理では、武器抽選で当選した武器のパラメータ設定に基づいて、キャラクタ抽選に係る当選確率を設定することとなる。また勿論、ガチャの対象となるオブジェクトは、上記実施形態のキャラクタ、武器、アイテムに限定されるものではない。
【0144】
[変形例4]
また、第1抽選に先立ち、抽選対象のとする組み合わせ相性に基づくグループ(上記実施形態ではキャラクタタイプ)を選択するとしてもよい。この場合は、例えば、ゲーム管理部230は、第1のグループ抽選手段及び第1の付与オブジェクト抽選手段として先ず、キャラクタタイプ(タイプA,B,C,・・・)の中から抽選を行って抽選対象のキャラクタタイプを選択する。続いて、選択したキャラクタタイプ(選択タイプ)以外のキャラクタイプのキャラクタを抽選対象から除外して、それらの当選確率をゼロにする。そして、その上でキャラクタ抽選を行って、選択タイプのキャラクタをプレーヤ2に付与する。
【0145】
なお、選択タイプ以外のキャラクタの当選確率をゼロにする構成に限らず、選択タイプのキャラクタの当選確率よりも低く設定するのでもよい。例えば、選択タイプ以外のキャラクタについてその当選確率基準値から所定値を減算し、当選確率を低減させる。
【0146】
また、抽選対象のグループ(キャラクタタイプ;選択タイプ)は、プレーヤ2が選択できるようにしてもよい。この場合は、例えば、抽選実行指示操作と併せてグループ選択操作を受け付ける。グループ選択操作は、所与の対価(ポイント)の消費と引き換えに受け付けることもできる。
【0147】
[変形例5]
また、所与の対価の消費と引き換えにプレーヤ2の変更指示操作を受け付けて、第2抽選確率設定処理で設定した当選確率を、当該対価に対応する調整値に基づいて変更するとしてもよい。対価は、予め設定される所定数のポイントとすることができ、当選確率の調整値ととともに予め設定しておけばよい。調整値は、当選確率に乗ずる倍率や加算値、減算値とすることができる。そして、第2抽選の実行前に変更指示操作を受け付けた場合には、当該調整値を用い、第1付与オブジェクトと組み合わせ相性が合致するオブジェクトや同じレアリティのオブジェクトについて設定された当選確率を、例えば増加させて変更する。
【0148】
なお、組み合わせ相性が合致するオブジェクト等について当選確率を増加させるかわりに、組み合わせ相性が合致しないオブジェクトや、異なるレアリティのオブジェクトについて当選確率を低減させる構成でもよい。また、対価の消費はポイントの消費に限らず、アイテムの消費でもよい。例えば、組み合わせ相性が合致するオブジェクトや同じレアリティのオブジェクトについて当選確率を増加させるアイテム等を用意しておくことで実現できる。
【0149】
[変形例6]
また、上記実施形態では、最初に行うキャラクタ抽選については、キャラクタに定められた当選確率基準値をそのまま用いて抽選処理を行うとした。これに対し、所与の対価の消費と引き換えにプレーヤ2の変更指示操作を受け付けて、第1抽選に係る当選確率(当選確率基準値)を変更するとしてもよい。変更指示操作は、抽選実行指示操作と併せて受け付けることができる。また、対価は、予め設定される所定数のポイントとすることができ、当選確率の調整値ととともに予め設定しておけばよい。調整値は、当選確率に乗ずる倍率や加算値、減算値とすることができる。そして、変更指示操作を受け付けた場合には、当該調整値を用い、第1種オブジェクト群の当選確率基準値を変更する。
【0150】
なお、ここでの変更指示操作に際しては、変形例4と同様の要領で、当選確率を変更したいグループ(キャラクタタイプ)を抽選し、或いは、プレーヤ2が選択できるようにしてもよい。そして、選択タイプのキャラクタについて当選確率を例えば増加させたり、選択タイプ以外のキャラクタタイプのキャラクタについて当選確率を低減させて、当選確率を変更するようにしてもよい。さらに、対価の消費はポイントの消費に限らず、アイテムの消費でもよい。例えば、パラメータ設定として特定のキャラクタタイプが設定されたキャラクタや、特定のレアリティ(例えばスーパーレア)のレアオブジェクトについて当選確率を増加させるアイテム等を用意しておくことで実現できる。
【0151】
[変形例7]
また、上記実施形態の第2抽選確率設定処理では、キャラクタタイプとレアリティの2つのパラメータ設定に基づき第2抽選に係る当選確率を設定することとした。これに対し、第1付与オブジェクトのレアリティのみを用い、第2抽選に係る当選確率を可変に設定するとしてもよい。これによれば、第1抽選でスーパーレアのレアオブジェクトが当選した場合に、第2抽選においてもスーパーレアのレアオブジェクトを当選し易くしたり、逆に当選し難くすることが可能となる。
【0152】
[変形例8]
また、上記実施形態では、パラメータ設定としてキャラクタタイプとレアリティを例示したが、それ以外のパラメータ設定を用いて当選確率を増加又は低減させるオブジェクトとを絞り込むこともできる。例えば、上記実施形態と同様に第1抽選をキャラクタ抽選、第2抽選を武器抽選として行う一連の抽選処理に際し、組み合わせ相性が合致する武器のうち、特定の武器タイプの武器(例えば武器タイプが長距離攻撃用の武器)の当選確率を増加させることも可能である。どの武器タイプの当選確率を増加させるのかは、例えば、対価の消費と引き換えにプレーヤ2の選択操作を受け付けることで実現できる。
【0153】
[変形例9]
また、上記実施形態では、所定額のポイント消費と引き換えに抽選を複数回行う連発ガチャを説明したが、各抽選の対価を別々の対価として課金処理を行ってもよい。またその際、先に行った抽選結果に応じて後の抽選の対価を変えてもよい。この場合は、ゲーム管理部230は、第2抽選対価決定手段として、第1付与オブジェクトに応じて第2抽選のポイント消費額を可変に設定する。例えば、第1付与オブジェクトのレアリティが高いほどポイント消費額を高く、低いほどポイント消費額を低くして決定する。これによれば、第1抽選の抽選結果をもとに第2抽選に要するポイント消費額を減額することができる。
【0154】
[変形例10]
また、当選確率基準値は、例示したスーパーレア及びレアのレアリティ毎の値に限らず、オブジェクト毎に個別に設定しておく構成でもよい。また、レアリティがコモンである非レアオブジェクトのそれぞれに当選確率基準値を設定しておく構成も可能である。ただし、その場合は、抽選対象の全オブジェクトの当選確率の合計値が100になるように、第2抽選確率設定処理で設定された当選確率が適宜修正される。
【0155】
[変形例11]
また、各オブジェクトそれぞれを、何れかのテーブルに所属させておき、抽選に際しては、先ずテーブルを選択して、この選択したテーブルに所属しているオブジェクトの中から抽選で当選するように当選確率を設定することとしてもよい。
【0156】
具体的には、
図11に示すように、ゲームオブジェクトデータ530には、当該オブジェクトが所属する所属テーブル539を関連付けて記憶しておく。テーブルは、キャラクタタイプ別のテーブルや、レアリティ別のテーブルなど、複数種類のテーブルがあり、1つのオブジェクトは、1以上のテーブルに所属することとなる。そして、
図9のステップS15の第1抽選において当選した第1付与オブジェクトに設定されているパラメータ設定に基づいて、複数種類のテーブルのなかからテーブルを選択し、当該選択されたテーブルを所属テーブルとしているオブジェクトのみが第2抽選で当選するように当選確率を設定する。例えば、
図9のステップS17において、第1付与オブジェクトと組み合わせ相性が合致するキャラクタタイプに相当するテーブルを選択し、当該テーブルに所属しないオブジェクトの当選確率をゼロ、当該テーブルに所属するオブジェクトの当選確率をゼロより大きな値とする。また、
図9のステップS21において、第1付与オブジェクトとの間で相応条件を満たすレアリティに相当するテーブルを選択し、当該テーブルに所属しないオブジェクトの当選確率をゼロ、当該テーブルに所属するオブジェクトの当選確率をゼロより大きな値とする。
【符号の説明】
【0157】
1000…ゲームシステム
1100…サーバシステム
100s…操作入力部
200s…サーバ処理部
210…ユーザ管理部
220…課金処理部
230…ゲーム管理部
233…第1抽選確率設定部
235…第1抽選処理部
240…第2抽選確率設定部
241…組み合わせ相性判定部
251…抽選結果ヒント表示制御部
253…第2抽選確率表示制御部
255…キャンセル処理部
257…第2抽選処理部
290s…画像生成部
292s…音生成部
294s…通信制御部
390s…画像表示部
392s…音出力部
394s…通信部
500s…サーバ記憶部
501…サーバプログラム
503…配信用ゲームクライアントプログラム
510…ユーザ管理データ
520…ゲーム初期設定データ
530…ゲームオブジェクトデータ
533…パラメータ設定
540…プレイデータ
1500,1500A…ユーザ端末
100…操作入力部
200…端末処理部
270…ユーザ端末演算部
271…操作信号送信制御部
273…ゲーム画面表示制御部
290…画像生成部
292…音生成部
294…通信制御部
390…画像表示部
392…音出力部
394…通信部
500…端末記憶部
502…ゲームクライアントプログラム
504…ゲームプログラム
9…通信回線
2…プレーヤ